Music TO GO!

2026年02月04日

アップルがMEMSスピーカー搭載AirPodsに取り組む

Patently Appleのレポートで、アップルがMEMSドライバー搭載AirPodsを示唆するような技術を公開しています。

IMG_5450.jpeg
画像はPatently appleから引用

これはxMEMSのCypressと似た超音波変調・復調を前提として、復調した際の残存超音波を音響チャンバーで減衰させる技術です。調べるとアップルは市場のMEMSドライバーとは異なり、圧電型ではなく静電型のMEMSスピーカーを開発してるようです。

補足すると、超音波変調して復調するのはMEMSスピーカーが高周波領域に強いので、振動板が小さくて音圧を上げられないのを超音波帯域で音圧を稼ぐためです。つまりこれはツイーターではなくフルレンジ向けの技術と言えます。だからMEMSドライバー搭載のAirPodsがでたら、シングルMEMSドライバーだと思う。
また、この技術は音圧を稼ぐための技術なので、言い換えるとANC搭載フルレンジドライバーを前提にしてます。このことから、けっこう真面目に製品化を見据えているのが分かります。
ただし実際出るかは不明ですが。
posted by ささき at 07:04 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年01月20日

Astell&Kernの新たなフラッグシップ「SP4000」レビュー

Astell & Kernのフラッグシップ機は、常に特別な意味を持ってきました。AK240、AK380、SP1000、SP2000、そしてSP3000。
これらのモデルは、Astell & Kernというブランドの枠を超え、デジタルオーディオプレーヤーというジャンルそのものの頂点として、圧倒的なステータスと支持を集め、業界に大きな影響を与えてきました。そしてSP3000の発売から約3年。満を持して発表された新たなフラッグシップが、SP4000です。

IMG_4748.jpg

SP3000は、Astell & Kernの10年という節目にあたるモデルとして、先進的なA&futuraラインで培われた成果を取り込みつつ、「徹底したノイズ低減」というテーマを極限まで突き詰めた集大成として登場しました。
それからAstell & Kernは大きな体制変化を迎えます。SP4000に先行して登場したPD10が聴かせた抑えつつも押し出しの良いダイナミックなサウンドは、同社のサウンドデザインにおいて何かが変わったことを明確に示唆するものでした。
では、その変化はフラッグシップであるSP4000において、どのようなかたちで結実したのでしょうか。本機の進化を、順を追って見ていくことにしましょう。

SP4000の特徴 1 ー アンプ部の革新、ハイドライビングモード

いつもはDAC部分の話から始めるのですが、今回はアンプ部分に着目しました。なぜかというと、本機のサウンドキャラクターを決定づけている要素は、むしろその後段、すなわち出力アンプの設計思想にあると考えたからです。その兆候は、SP4000に先行して登場したPD10ですでに現れていました。従来のA&Kが得意としてきた静けさや解像感に加え、より積極的でダイナミックな駆動感が前に出てきたと感じたからです。
SP4000に搭載された「ハイドライビングモード」は、そうした変化を設計思想として裏付ける存在と言えます。

hidriving.png

これまでは音を力強く鳴らそうとして出力を上げると、どうしてもノイズや歪みが増えやすくなり、逆にノイズを徹底的に抑えようとすると、今度は音の押し出しやパワー感が物足りなくなる、というジレンマがありました。つまり静かさと力強さを同時に満たすのが難しかったわけです。
SP4000に搭載された「ハイドライビングモード」は、このジレンマに正面から取り組んだ仕組みです。簡単に言うと、アンプをより余裕を持って使える構成にすることで、無理をさせずに大きな力を出せるようにしています。
具体的には、SP3000の約2倍にあたる数のオペアンプを並列に配置しています(これがSP4000が少し大きくなった理由のひとつでもあります)。
さらに、1つ1つのアンプ自体もSP3000よりパワーアップしていて、それを2系統並べて使うことで、音を押し出すための余力が大きく増えています。
その結果、音量を上げなくても余裕のある鳴り方になり、低音は深く沈み込み、音場には奥行きが生まれ、全体として力強く立体的なサウンドが得られる、というわけです。

SP4000の特徴 2 ー フルAndroid化

もうひとつSP4000の大きな特徴というか変化は、AK240から続くカスタマイズAndroidからフルAndroidになったことです。AK240ではそれ以前とは異なり、主に全面タッチスクリーンとなったUI操作とWiFi対応、そしてソフトウエアの保守容易性といった観点からOSがAndroid化しました。しかしAndroidがそのまま出てくる機種とは異なり、軽量化をほどこして外からはAndroidが見えないようになりました。これによって今に続くリッチなAK DAPの機能も生まれたわけですが、反面でAndroid用のアプリインストールは制限されてOpenAPPという形でしかインストールできませんでした。
AK240は2014年に登場したわけですが、Apple Musicがハイレゾ化するのは2021年であり、時代はすっかりストリーミング時代となっています。そこでSP4000ではアプリを普通にGoogle Playストアからインストールできるようになりました。

IMG_0180.jpg IMG_0194.jpg
SP4000でのGoogle Play画面

そのためSP3000ではサービスメニューのあった項目が、SP4000ではアプリドロワーになっています。フルAndroidといってもデスクトップ画面はないのですが、ここからGoogle Playストアにアクセスができます。インストールしたアプリはこのドロワーに表示されます。Google Playストアのアプリを立ち上げるとログインできます。
つまりSP4000のフルAndroid機能では、ストリーミングアプリだけでなく、音楽再生アプリも入れ替えられるので、大幅に楽しみ方が増えたわけです。実際にNeutron Playerもインストールが可能で、内蔵音源も読み込むことができます。
フルAndroid化されたと言ってもAndroidのミキサーによる音質の低下を避けるような工夫(ミキサーバイパスのようなもの)はされているようです。

SP4000の特徴 3 ー DAC部分のさらなる高精度化

SP4000ではアンプだけでなく、DACまわりも着実に手が入っています。
使われているDACチップ自体は、SP3000と同じAK4191EQとAK4499EXの組み合わせですが、音を処理する中身の構成が見直されています。
SP4000ではAK4191EQとAK4499EXの組み合わせのバランスを1:1に揃え、よりシンプルで効率のよい構成に改められています(この方式は、SP3000の後に登場したSP3000Tで先に採用されていました)。

sp4000dac.png

この見直しによって、デジタルとアナログの干渉がさらに抑えられ、結果としてノイズの少なさや見通しの良さがいっそう高まっています。数値的にも131dBという非常に高いS/N比を実現しているとのことです。
さらにSP4000では、新たにESAと呼ばれる技術が導入され、DAC内部で起こりがちな「時間のズレ」にも対処しています。
音には高い音から低い音までさまざまな成分が含まれていますが、DACの処理によっては、それぞれがわずかに違うタイミングで出てしまうことがあります。これがいわゆる「群遅延」と呼ばれる現象です。
ESAは、このわずかな時間差をできるだけ揃えることで、音のまとまりや芯の強さを高める仕組みです。その結果、低音はより密度感を持って沈み込み、音の立ち上がりやダイナミクスも、より自然で力強く感じられるようになります。

IMG_4814.jpg

SP4000の特徴 4 ー さらなる低ノイズ化

SP3000では、徹底した低ノイズ化によって、あの独特の静けさを持つサウンドを実現していましたが、SP4000ではその路線がさらに一段突き詰められています。
まず電源まわりでは、新たにLDO(Low Dropout)レギュレーターを採用しています。これは電源から入り込む微細なノイズを抑えるための回路で、特に音質に影響しやすい部分に対して、よりクリーンな電力を供給する役割を担っています。これで電源由来のノイズを従来構成に比べて大幅に低減しているとのことです。
さらにSP4000では、Astell & Kernとしては初となる純度99.9%の銅製シールド缶を採用しています。これでデジタル回路や電源回路から発生する不要なノイズを物理的に遮断することで、アナログ信号への影響を極力抑える狙いです。

こうした電源設計とシールドの見直しによって、SP4000はSP3000のノイズレスな傾向をしっかり引き継ぎながら、より情報量が増え、音の輪郭や奥行きがいっそうはっきりと感じられる仕上がりになっています。単に「静か」なだけではなく、静けさの中に音がくっきりと立ち上がる、その質感が一段上がった印象です。

SP4000のそのほかの機能

第一世代のDARは音源をアップスケーリングすることで滑らかで自然な音表現を狙った仕組みでした。ハイレゾ音源では効果がありましたが、MP3やAACといったロッシー(非可逆)音源の場合、元データの段階で多くの情報が失われているため、DARによって補える範囲にはどうしても限界がありました。
そこでSP4000で新たに搭載された「Advanced DAR」では、まず音声データを解析し、失われた高周波成分や微細な音のニュアンスを推定・復元。そのうえでアップスケーリング処理を行うという二段階のプロセスが採られています。単純に情報量を引き延ばすのではなく、「どのような音がそこにあったか」を推測したうえで処理するため、結果として不自然さの少ない仮想倍音が加わり、音の輪郭や空気感がより明瞭に感じられます。

また、PD10用クレードルに対応したことで、SP4000はポータブル用途にとどまらず、デスクトップ環境でも実用的に使えるようになっています。加えてハードウェア・ロックボタンが新設されました。これは誤操作防止という点では理にかなった変更ですが、従来モデルに慣れているユーザーほど、最初は少し戸惑うポイントかもしれません。

IMG_4755.jpg

ハウジング素材には、Stainless Steel 904Lが採用されています。これは高級腕時計にも使われることで知られる素材で、耐食性や強度に優れるだけでなく、独特のしっとりとした質感を持っています。手に取った瞬間に伝わる重量感と冷たさは、SP4000が単なるオーディオ機器ではなく、工業製品としても高い完成度を目指して作られていることを実感させます。実際に手に持った感覚はSP3000とはまた別の感触を受けますが、のちにまた触れます。

パッケージもまた、このクラスの製品にふさわしい作り込みです。外装の輸送箱を開けると、その下にはまるでケースのような内箱が現れ、アクセサリー類は用途ごとに整理された専用スペースに収められています。開封のプロセスそのものが「高級機を迎え入れる体験」として設計されており、SP4000がフラッグシップモデルであることを強く印象づけます。
付属するケースは、ドイツ製のプレミアム・シュランケンカーフを使用したレザーケースです。

IMG_4730.jpg IMG_4734.jpg IMG_4764.jpg



* インプレッション

qdc WHITE TIGER(マルチBA)

まず全体的な音の印象を探るために、慣れたqdc White Tigerで聴いてみました。
いきなり圧倒されるような音再現の高さですが、圧倒されると感じる要因の一つは、SP4000は全体的な音傾向がSP3000とは変わっていて、よりPD10に近いような力強さがあるからだと思います。これまでのモニター的な中庸感よりもダイナミックな感覚です。それだけではなく、よりオーディオ機器らしい豊かさ、厚みといったところが本格的なオーディオ機器らしさと感じられます。やはりこの辺は設計だけではなくチューニングに関しても組織再編で変化があったようには感じられます。あとでSP3000とSP4000の細かい違いを書きますが、通常でもSP3000よりもアタック音が鋭いけれども、ハイドライビングモードにするとさらに鋭くなります。アタック感というよりも押し出しの強さというべきかもしれません。
ただし一方で全体的な音傾向でSP3000から引き継いだ感覚も多く、他のDAPと一線を画する独特のノイズレスの浮かぶような空間表現はSP3000と似ていて、さらに強まっています。この点でSP3000の系統にあることは明白です。

IMG_0193.jpg
SP4000とWhite Tiger

端的にいうと、音の性能という点ではSP4000はSP3000のノイズレスで高SNの点においてはSP3000を引き継ぎつつもさらに強化され、音の個性という点ではモニター的な感じが薄れてよりダイナミックなサウンドになっていると思います。
また、これらの点が複合的にあわされて、ワイドレンジ感もひときわ高くなっているように感じます。


Astell & Kern LUNA(平面型IEM)

SP4000と合わせたLUNAはSP4000のポテンシャルを存分に発揮します。思わず声が出るほど細かな音が複雑に世界を作り上げるような、圧倒的な音世界を構築します。LUNAの低音の凄みも恐ろしいほどに唸りをあげ、高域は日本刀のように鋭く研ぎ澄まされてシャープ。音のディテールがこれでもかというほど細片化され、きらきらと光り輝いているようなサウンドです。
SP3000で同じ曲を聴いても、これだけ情報量の飛沫がキラキラと飛び交うような音ではなく、SNは高いけれどももっと抑えめな表現です。
LUNAが滑らかで高性能ながらリスニング寄りのサウンドなので、本格オーディオのようなSP4000の厚みのある音と相性が良いと感じます。特にハイドライビングモードとの相性が良いようです。
IMG_5085.jpg
SP4000とLUNA

普通平面型はモニター寄りになりがちだけれども、LUNAは独自のユニポーラ型のドライバー設計でがんがん低音が出るので、ダイナミック的な躍動感も持ち合わせていることも良くわかります。

DITA VENTURA(シングルダイナミック)

VENTURAはSP4000とはこれ以上ないくらい相性が良く、この組み合わせは脳がやられそうなほど。VENTURAの持ち味の深みのある音空間とか高解像度というだけではなく、ダイナミック型らしい躍動感とパワフル感、滑らかで温かみがあります。ワイドレンジとか高解像度という性能面だけではなく、美しく音楽的なサウンドに魅力があります。SP4000のワイドレンジ感の高さと相まって、聴く限界を超えるような音空間を作り上げるのです。
特にアンビエントのような静かな曲でも、細かな音が複雑な音楽を作り上げるのにはぞくぞくとした感覚を覚えるほど。
IMG_5087.jpg
SP4000とVENTURA

VENTURAの良さはあくまでダイナミック型の躍動感の良さを持っていること、LUNAの良さは平面型の速さと切れ味であることがわかりやすいのもSP4000の特徴で、この違いはSP3000よりもはっきりと感じられます。試しにハイドライビングモードを切ってみると、この差が少し減退するので、この良さはハイドライビングモードが大きく寄与しているのがわかります。つまり従来のAK DAPに比較するとSP4000は単に細かく解像するDAC部分の魅力だけではなく、アンプ部分の魅力が大きいということがわかりますね。

*SP3000との比較

SP3000と比べるとまず筐体が一回り大きく重くなりましたが、同時に手触り感覚での筐体の面取り造形・デザインも複雑になった感じがします。手に持っているとかなり別物感があります。同じ904Lステンレスでも加工精度が上がったのかもしれません。より高級腕時計(持っていませんが)の印象に近くなった感があります。

IMG_0182.jpg
黒い方がSP3000

音質では前に書いたようにSP3000の独特の高いSN感の音性能をより拡張しながら、よりダイナミックな躍動感があります。
特に中高音でこの差が顕著で、例えばウッドベースと女性ヴォーカルのジャズヴォーカル曲では、前奏のウッドベースでは解像感や音の切れ味の高さなど、音性能的な点でSP4000の方が上回ると感じますが、ヴォーカルが入ってくると声の実在感がかなり違います。表現力がSP4000ではだいぶ良くなっている。中高域はSP4000では華やかになり、心奪われる感じの魅力があります。一言で言うとSP4000は華やかな高音質です。

ジャズ・R&Bヴォーカルのアーロンネヴィル「Summer time」をSP3000とSP4000で同じく再生します。
まずハイドライビングモードなしで比較します。
SP4000の音はちょっと聴くとSP3000に似ていますが、SP4000ではアーロンネヴィルの声を振るわせるコブシのような歌い方の細かな声が振るえるテクスチャがSP3000よりも細かくよく伝わってきます。またSP4000では曲のピアノの音がSP3000よりも明瞭でSN感が高いと感じます。
SP4000で聴いてからSP3000で聴くと曲が軽く薄めに聴こえるほどです。SP4000はより据え置きオーディオ的で音に豊かさと余裕があるという感じですね。
IMG_0189.jpg

次にハイドライビングモードで試してみます。
ハイドライビングモードをオンにするとよりアタック感が強く、より濃厚なサウンドになります。ドラムスを叩くインパクトがより鋭くなり、声がより前に出てきます。力感も上がりますが、音の濃密度も上がる感じです。こちらの方がよりSP4000らしく、音数が多くなり、濃くなります。ピチカートも鋭く、より音場感も広く感じられます。

*PD10との比較

PD10もかなり性能が高いが、SP4000よりも落ち着いた感じがする。あまり強く自己主張をしない実力派というべき。端的にいうとSP4000は華やかで美しく、PD10は質実剛健、です。
よく聴くとPD10よりもSP4000の方がやはり解像力とか鮮明さは上だけども、違いはそこよりも上に書いた音の個性だと思う。こうした点はLUNAがよくわかりやすく感じられます。

IMG_5079.jpg IMG_5081.jpg
手前と右側がPD10

例えばVOLK Audio EtoileをSP4000で聴いてみると、たしかに良いけれどもモニター的な性格が出てくるので、Etoileに関してはPD10の方が合うように思います。VENTURAとかLUNAのように高性能だけれどもリスニング向けのIEMがSP4000にはよくあうと思います。VOLKに関してはより華やかなSTELLAの方がSP4000向けのような気はしますね。

Astell & KernのDAPはプロ用にも使うことを前提としてきたけれども、組織変更後のPD10とSP4000から、プロ用にはPD10系、リスニング用にはSP4000系のように別れたのかもしれません。

* Neutron Playerアプリ

Neutron Playerでも使ってみたのですが、面白いことにやはりNeutron Playerの方が音は良いけれども、標準プレーヤーとの音の差は他のAndroid DAPほど大きく感じません。
IMG_0195.jpg

それだけ標準の音が良いということは、AKのカスタムAndroidの効果が高い(まだ高い)と言うことのように思います。他のAndroid DAPだとよくOSを高音質モードに切り替える機能があったりしますが、AK DAPはもともとそうした高音質モードのような設定で使っていたと言うことではないかと思います。

*まとめ

SP3000を「完成形のモニターDAP」だと感じていた人ほど、SP4000の変化には驚かされると思います。
SP3000は、とにかく静かで、正確で、ノイズという概念を忘れさせるような完成度の高さが魅力でした。音楽を正しく聴くための基準機として、これ以上はない存在だったと思います。
一方でSP4000は、その高いSN感やノイズレスな空間表現をしっかり引き継ぎ、さらに改良しながらも、そこに明確な「躍動感」と「華やかさ」を加えてきました。
つまり、SP3000がモニターの完成形だったのに対し、SP4000は本格オーディオの快感をポータブルで味わえる方向へ進化したモデルです。音を整然と並べるだけでなく、前に押し出し、鳴らし切る方向に踏み込んできた印象です。ここに、SP3000との大きな違いがあります。
SP3000の完成度に満足していたとしても、音楽をより鳴らして聴きたい、より音楽的な快感を求めるようになっているなら、SP4000はまったく別の価値を提示してくれるでしょう。

IMG_5086.jpg

その変化をもっとも端的に体感できるのが、ハイドライビングモードです。
ハイドライビングモードOFFの状態では、SP4000はSP3000の延長線上にある非常に高SNでクリーンなサウンドを聴かせてくれます。もしかするとモニター寄りのイヤフォンや試聴のときには、この状態がちょうどいいと感じるかもしれません。
しかしハイドライビングモードをONにすると、SP4000は一気にそのキャラクターをあらわにします。音の立ち上がりが鋭くなり、押し出しが強くなり、低音の密度と全体の濃厚さが増します。
特にリスニング寄りで高性能なイヤフォンや、平面型・ダイナミック型のポテンシャルを引き出したいときには、このモードがとても魅力的です。個人的には、一度ONにしてしまうとほとんど戻す理由が見つかりません。

確かにSP4000は大きくて重く、ハイドライビングモードではバッテリーの消費も早くなります。しかしそれは、利便性よりも音質を優先した結果でもあります。
SP3000が「完成されたモニター機」だとすれば、SP4000は「本格オーディオの快感を持ち出せるDAP」だと言えるでしょう。

また、SP4000は、単なる性能向上モデルではありません。Astell & Kernが今後どの方向に進もうとしているのか、その意思をはっきりと感じさせるフラッグシップです。
音楽を正しく聴くことに満足していた人ほど、SP4000がもたらす変化は新鮮で、そして抗いがたいものになるでしょう。
posted by ささき at 09:14 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年01月19日

AV WatchにHIFIMAN Arya WiFiとHE1000 WiFiのレビュー記事を執筆

AV WatchにHIFIMAN Arya WiFiとHE1000 WiFiのレビュー記事を執筆しました。
そもそもWiFiヘッドフォンとは何かというところから、BTとの根本的な違い、ホームオーディオへのシステム展開など幅広い視点で書いています。

https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/2078118.html#

IMG_5280.jpeg
posted by ささき at 19:42 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アップルがAirPodsの音質向上するレゾネーターの特許を申請

Patently AppleがAirPodsなどのドライバーの前方空間に1/4波長に共振するスポンジ状(多孔質)の音響吸収体を置く技術のレポートをしています。これにより、小型スピーカー特有の定在波や共振、ピークやディップを音響的に減らし、DSPに頼らなくても音質向上ができるというものです。
写真の黒い部分が音響吸収体です。
IMG_5279.jpeg
Patently Appleから引用

調べてみると、1/4波長レゾネーター自体は既存技術で、車のマフラーなどにも使う技術のようですので、興味ある人はそっちの方から手繰ると良いのでは。

posted by ささき at 19:39 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年01月14日

アップルがAIで古い録音をリアルタイムに空間オーディオにする特許を取得

Patently AppleがアップルがAIで古い録音をリアルタイムに空間オーディオにする特許を取得したとレポートしています。
これは古いステレオ録音のようにDolbyAtmosのような空間情報を持っていない音源でも、リアルタイムに空間情報をAIで抽出し、それをさらにAIでHOA(リッチな空間情報形式)に変換してイマーシブオーディオ再生ができる技術です。
ポイントは人が作り直さなくてもAIがリアルタイムにできる点。
この技術は実用性が高く、取得特許なので開発は進んでる可能性が高いです。おそらくはApple Musicアプリがはじめに搭載すると思いますが、HOAがアップル空間オーディオフォーマット(ASAF)のコアなので、おそらく今年のWWDCでなにか発表があるかもしれません。
posted by ささき at 06:25 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年01月10日

CESで見る2026年オーディオのトレンド

今年のCESから、オーディオ分野で特に興味深い動きがいくつか見えてきました。
単なる新製品発表というよりも、「市場がどこへ向かおうとしているのか」を感じさせるトピックが多かった印象ですね。ここでは個人的に注目したポイントを整理してみます。

1. 「平面型+ゲーミングヘッドフォン」という方程式

まず最も象徴的だったのが、平面型ドライバーを用いたゲーミングヘッドフォンの本格化です。

AUDEZEは新たに「Maxwell 2」を発表しました。前モデルからの変更点はいくつかありますが、特に注目したいのは、昨年発表された静電型ヘッドフォン「CRBN2」で採用された SLAM(Symmetric Linear Acoustic Modulator)技術が導入されている点です。
この技術は低域の空気制御を改善するためのもので、Maxwell 2では低域の量感やレスポンスが向上している可能性が高いと考えられます。

また、ASUSとHIFIMANの協業による「ROG Kithara」も発表され、こちらは明確にAUDEZE Maxwellを意識した製品と言えるでしょう。もっとも、Maxwellは密閉型かつワイヤレスである一方、ROG Kitharaは設計思想や用途がやや異なります。そのため単純な横並び比較ではなく、「平面型をどうゲーム用途に最適化するか」というアプローチの違いとして捉えるのが自然でしょう。

平面型ヘッドフォンは、音の分離や定位といった「音を正確に伝える」能力に優れています。トランジェントの速い、コツコツとした音の再現も得意です。
こうした特性が、現代のゲーミング、特にFPSなどで重要となる音像定位、と強く噛み合い始めたと見ることができます。

一方で、平面型ドライバーには弱点もあります。いわゆる「ドドーン」という重低音の演出は得意ではなく、ここでは平面型の正確性が裏目に出ることもあります。そこで重要になるのが正確性と演出感の両立です。これが「平面型+ゲーミング」方程式の最大のポイントになるでしょう。
つまり、平面型ゲーミングヘッドフォンの価値は、「正確さを犠牲にして迫力を得る」ことではなく、正確さをベースにして迫力を制御できる点にあると言えます。
なぜなら、演出感はDSPなどで比較的容易に作れますが、正確性は後から作ることが難しいからです。

こうして考えてみると、「平面型+ゲーミング」ヘッドフォンへの参入は決して簡単ではないことがわかります。平面型ドライバーの扱いと、ゲーミング用途の音作り、その両方に十分な経験を持つメーカーでないと成立しにくい分野です。現時点で可能性があるメーカーとして思い浮かぶのは、finalくらいでしょうか。
この構図は、最近増えている OTC補聴器における「イヤフォンブランド+補聴器ブランド」のタッグにも似ています。異なる専門性を融合させるクロスオーバーが、今の時代に強く求められているのだと感じます。

2. 大手メーカーがヘッドフォン市場に「復帰」

もう一つ見えてきた動きが、大手オーディオブランドのヘッドフォン市場への復帰です。
CESでは、Fenderがヘッドフォンへの再参入を発表すると同時に、Bluetoothスピーカー市場にも戻ってきました。今回は過去モデルの焼き直しではなく、製品構成やポジショニングを見る限り、戦略を明確に見直してきた印象があります。
また、Klipschも「Atlas」という新シリーズでヘッドフォン市場に復帰しました。

FenderもKlipschも、コロナ禍の時期にはこの分野から一度距離を置いていました。ブランド付加価値の高いメーカーほど、当時の市場環境は厳しかったのだと思います。それにもかかわらず、今回そろってヘッドフォンで復帰してきたということは、市場の再活性化と同時に、ヘッドフォンが再び「ブランド価値を載せられる製品」になりつつあることを示しているように思います。
両社とも大手メーカーですから、再参入にあたっては当然ながら綿密な損益計算を行っているはずです。まだ推測の域は出ませんが、パーソナルオーディオ分野が再び高付加価値化の方向へ向かい始めている、という見方はできるかもしれません。
一方で、TWS(完全ワイヤレスイヤフォン)市場はすでに成熟しきっており、新規参入が非常に難しいフェーズに入っている、という判断も透けて見えます。

3. イヤフォンがIMAX認証を取得

CESではもう一つ、非常に異色なニュースがありました。
BreggzのTWS「Zohn-1」が、イヤフォンとして初めて IMAX認証(IMAX Enhanced) を取得したのです。
IMAX Enhancedは通常、テレビやサウンドバー向けの認証であり、TWSでの取得は極めて珍しいケースです。Zohn-1はBAドライバーを採用している点や、パーソナライズ機能、工芸品のような独特なケースデザインなどが特徴ですが、詳細な技術情報はまだ多くが明らかになっていません。
Zohn-1は以下から購入可能ですが、価格は約15万円と、TWSとしては破格です。
https://breggz.com/products/zohn-1-rtw

ノイズキャンセリングはパッシブのみのようですが、BAドライバーはベントが不要なため、ユニバーサルシェルでも遮音性はそれなりに確保できると考えられます。加えて、音のパーソナライズ機能がこの製品の重要なポイントになっているのでしょう。

4. 家具屋IKEAのマルチBluetoothスピーカー

IKEAからは、ある意味でCESらしい「変化球」も登場しました。
10ドルという低価格のBluetoothスピーカー「Kallsup」です。このスピーカーは複数台のペアリングに対応し、最大で100台近い同時再生が可能とされています。おそらくコスト優先の設計で、Auracastは使用せず、独自実装のマルチ再生機能を採用していると考えられます。
理論的には、マルチスピーカーアレイにすることで1台あたりの負担が減り、歪みを低減することは可能です。ただしKallsupの場合、位相ズレなどを厳密に管理しているとは考えにくく、音質的なメリットは二の次でしょう。
IKEAらしく、空間を一気に盛り上げるディスプレイ用途や、パーティー向けの演出を狙った製品だと思われます。

5. 変わり種ヘッドフォンも健在

最後に少し変わり種として、ヘッドフォンをひねるとポータブルスピーカーになるという「TDM Neo Hybrid Headphones」も展示されていました。
CESらしいアイデア勝負の製品で、実用性はともかく、「音をどう使うか」という発想の広がりを感じさせます。


まとめ

今年のCESを俯瞰すると、平面型+ゲーミング、ブランド価値の再評価、認証や空間体験の拡張、異分野クロスオーバー、といったキーワードが浮かび上がってきます。
単なるスペック競争ではなく、「どの専門性を、どう組み合わせるか」が問われる時代に入ったことを、改めて実感させられると言えるかもしれません。
posted by ささき at 07:41 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アップルがiPhoneのスピーカーの低音を「機械的に」ブーストする特許を出願

Patently Appleによると、アップルがiPhoneのスピーカーの低音を「機械的に」補強する特許を出願しました。これもキラー特許になりうると思います。
端的にいうと空気バネをポートではなく「機械的」な曲がったヒンジ(図の252b)を「逆バネ」として使い、空気バネを相殺するというもの。空気バネを逆バネで相殺する機械的な解決でDSPも使いません。これイヤフォンにも応用できると思います。

IMG_5177.jpeg
図はPatently Appleより引用

もう少し説明すると、従来は空気バネはベント穴やバスレフポートで弱くしますが、iPhoneは小さすぎてそれが作れません。
そこでアップルの特許は意図的に曲がった機械的なヒンジをドライバーに設置することで、振動板が動くとこのヒンジがあたかも膝カックンされたように「逆バネ」として働くという、この逆バネの力で空気バネを相殺するわけです。具体的にはヒンジはプラスチック成形のようです。
ちなみにエッジは正バネなのに対して、このアップルのヒンジは逆バネなので異なる役割をします。この特許のポイントは逆バネ(負の剛性)なので、分かりにくいと思ったら、まず逆バネについて調べてみると良いと思います。

もう一つの特許のポイントは、多くのメーカーであればDSPで無理やり補正すれば安く簡単に済むところを、Appleはあえて得意とするメカ設計と圧倒的なスケールメリットを活かし、物理的に歪みの原因を減らす道を選んでいる点です。これによりより高い音質という形で差別化と高付加価値化を実現しています。
つまり「DSPで誤魔化すか、物理で正すか」、という点でアップルは後者を選べる数少ない会社であるということをこの特許は改めて知らしめたと思います。
posted by ささき at 06:44 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月31日

2025年を振り返る

今年2025年はハイエンドイヤフォンの豊作年、ワイヤレスイヤフォンにも高品質伝送の萌芽が芽生えました。さて今回も2025年を振り返る記事をまとめてみたいと思います。

2024年の振り返り記事はこちらです。
http://vaiopocket.seesaa.net/archives/20241231-1.html

* MEMS関係
概況: xMEMSが新基軸のユニットを続々発表するとともに、USoundは戦略ユニット「Greip」を市場投入に成功しました。


フルオープン型にも対応可能なxMEMS社の最新ユニット「Sycamore」の記事をPhilewebに執筆。ノウルズカーブの記事と合わせるとフルオープンタイプの将来も見えてきます。
https://www.phileweb.com/review/column/202503/05/2539.html

MEMSドライバーは昇電が必要な点がネックですが、それをうまく解決した新しいMEMSスピーカー「Lassen」についての記事をPhilewebに悉筆
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518252435.html

AV WatchでQCY MeloBuds N70のレビュー記事を執筆。USoundの戦略的ユニット「Greip」を搭載しています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518560764.html

USoundの「Greip」が追加センサーなしでイヤホンに「健康管理機能」をもたらすという記事をPhilewebに執筆しました。例えばQCY N70にファームウェアのアップデートだけで心拍数などがわかるようになる(かもしれない)というものです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519386158.html

* 高品質ワイヤレス
概況: 今年は高品質ワイヤレスの注目株としてXPanとBLE HDT、LC3plusロスレスが姿を見せました。


AV Watchにクアルコムスタッフの説明会をもとにしたXPanの解説の記事と体験レポートを書きました。ログの遷移を含めてかなり詳しく書いています。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/2002406.html

XPAN対応イヤフォン「Xiaomi Buds 5 Pro」を実際に使用したレビュー記事です。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/2004499.html

PhilewebのクアルコムXPanイベントのレポート。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518317590.html

上記Philewebのイベント終了後に開発者に直接話を聞く機会を得ました。前出のXPanイベントでの内容の確認も兼ねています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518337284.html

これはサムスンのUWBワイヤレス特許とXPanを絡めたBT/WiFiハイブリッド伝送技術の考察記事です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/513990127.html

Bluetoothに新しい高速転送モードHDT PHY登場した時の記事です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/517877904.html

Bluetoothセミナーで実際にBLE HDTデモのレポートです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518608115.html

OTOTENでフラウンホーファーの展示ブースで取材を行い、LC3plusの最新事情についてコーデック系の担当者に直接話を聞いてきました。今年のトピックはさらなる低遅延化とLC3plusロスレスの導入です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/517166303.html

* Auracast関係
概況: Auracastの普及にはAuracastアシスタントがキーとなりますが、その方向性が見えてきました。


AndroidがAndroid 16 ベータ3でAuracastに正式対応。この記事は万博でのレポートにも関連します。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/515428123.html

AV Watchで万博でのAuracastイベントの記事を執筆しました。ここでAuracastアシスタントの普及の方向性が見えてきました。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/2042485.html


*ノウルズカーブ関連
概況: これは2025年後半のOAE1やTONALITEにもつながりますが、従来のターゲットカーブ見直しの機運が高まってきたようです。


「ノウルズ・カーブ」をCESの最新展示から読み解く、の記事をPhilewebに執筆しました。
https://www.phileweb.com/review/column/202503/04/2538.html

ノウルズカーブを採用したTWSがソフトバンクから発売されました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/515425713.html

Philewebにノウルズ・カーブを採用したソフトバンクのTWSのレビュー記事を執筆しました。
https://www.phileweb.com/review/column/202508/12/2681.html

MQA関連
概況:紆余曲折のあったMQAが再び動き出しました。

MQAの最新事情とAIRIA(SCL6)の詳しい情報の記事です。HDTracksのハイレゾストリーミングも推測できます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518679819.html

MQAはいままでQRONO、FOQUS、AIRIAという3つの製品領域に再編されていましたが、新たにプロ用のInspiraとEnduraというプラグインが登場しています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518680485.html

* 他の技術系解説記事

PhilewebにNTT武蔵野研究所の「空間ANC」の記事を執筆しました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519277677.html

Windows 11にLE Audio登場、主な目的はゲーミング体験の向上です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/517852493.html

AV Watch誌にレビューの他に技術系のわかりやすい解説記事を執筆しました。

AV Watchで「ドライバーの基本講座、DD、BA編」を執筆
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/2034617.html

AV Watchで「ドライバーの基本、ピエゾ、MEMS編」を執筆
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/2041096.html

AV Watchで「ドライバーの基本講座、平面型編」を執筆
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/2037102.html

AV Watchで、初心者向け用語の解説記事を執筆
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/2043150.html


* イヤフォン・ヘッドフォン系のレビュー記事
概況: 今年はハイエンドイヤフォンの当たり年でした。TONALITEやOAE1のような新しい挑戦もありました。


DITA Audioの新フラッグシップ「Ventura」レポートと音のインプレ
http://vaiopocket.seesaa.net/article/514523995.html

AV WatchにDITA VENTURAのレビュー記事を執筆
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519221295.html

スタジオの正確さとミュージシャンの情熱の融合、VOLK Audio「ETOILE」レビュー
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519264560.html

AV Watchでfinal TONALITEの測定体験記を執筆
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518823794.html

音質のパーソナライズが可能なfinal新フラッグシップTWS「TONALITE」レビュー
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519195219.html

AV WatchにAstell & Kernの平面型イヤフォン「LUNA」の記事を執筆
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/2027067.html

トゥルー・ダイヤモンド振動板、final A10000発表会レポートおよび音のインプレ
http://vaiopocket.seesaa.net/article/514476557.html

finalからダイナミック型ヘッドフォンの新機軸「DX6000」登場
http://vaiopocket.seesaa.net/article/514348358.html

インドの静電型ヘッドフォンのCEOインタビューをPhilewebに執筆
https://www.phileweb.com/interview/article/202507/03/1061.html

設計者の哲学が息づくIEM、フォルテイヤーズ「MACBETH」と「MEFISTO」レビュー
http://vaiopocket.seesaa.net/article/517939946.html

Campfire Audioがブランド10周年モデル「Andromeda 10」を発表、2ピン端子採用
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518041349.html

SENDY AUDIOの平面型ヘッドフォンPeacock、Apolloレビュー
http://vaiopocket.seesaa.net/article/510088043.html

ウッド振動板の新星TWISTURA「WOODNOTE」レビューをAV watchに執筆
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/2023403.html

PhilewebにAstrolith, SOLO, Type821などの平面型イヤフォン聴き比べ記事を書きました。平面型の特徴についてもしっかり書いています。
https://www.phileweb.com/review/article/202503/26/5978.html

AV WatchにSendy Audioの平面型でアニソンを聴く記事を執筆
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/2014967.html

パッシブ型セラミックコートツイーターを採用した個性的な音、Maestraudio「MAPro1000 II」レビュー
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519229644.html

*DAP・プレーヤー系
概況:今年はA&K SP4000の発表が目を引きましたが、他にも個性的なDAPが出てきました。CDプレーヤーもまだまだ現役。


SP4000 発表会レポート
http://vaiopocket.seesaa.net/article/516608986.html

Astell & Kern SP4000の技術詳細について
http://vaiopocket.seesaa.net/article/516378313.html

Astell & Kern「PD10 & Cradle」レビュー
http://vaiopocket.seesaa.net/article/517204300.html

AK PD10にフルAndroidモード搭載
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518067655.html

シリーズの交換DACカード登場、「AD1955DACカード E7専用カード」レビュー
http://vaiopocket.seesaa.net/article/516379705.html

同じDNAを共有する温度感のあるサウンド、Shanling「Regal」 + 「M7T」
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519420563.html

PhilewebにShanlingのポータブルCDプレーヤー「EC Zero T」の記事を執筆
http://vaiopocket.seesaa.net/article/516326117.html

*DAC・ヘッドフォンアンプ系

NFCAとX-Hybridの融合が生む、現代的な高精度サウンドTOPPING「DX5II」
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519196315.html

有線イヤフォンの逆襲。スティックDAC×DAC POCKETによるポータブルオーディオの勧め
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/1665838.html

R2R DAC設計とトーンコントロールが魅力「Shanling EH2」のレビュー
http://vaiopocket.seesaa.net/article/511316296.html

新しいDACアーキテクチャ「Mesh DAC」を採用したSchiit Mimirが$300で登場
http://vaiopocket.seesaa.net/article/514708749.html

* イベントレポート

ヘッドフォン祭mini 2025 レポート
http://vaiopocket.seesaa.net/article/510205537.html

春のヘッドフォン祭レポート
finalのアンプについて詳しく書いています。インドの静電型ヘッドフォンやFIIO RR11 FMラジオなど。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/2010380.html

AV WatchでFitEarのDECフィルターモデルと中国ブースのレポートを執筆
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518823854.html

AV Watchにポタフェス2025冬のレポートを執筆。HIFIMANのネットワークプレーヤーになるWiFiヘッドフォンを紹介、Jack Vang氏のインタビューでVolk AudioのStellaとEtoileの違いを解き明かし、元ゼンハイザーのアレックスグレルの挑戦であるOAE2のFSFM設計の秘密に迫ります。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/2071138.html

* アップル特許ウォッチ
今年は特に最初の二つの特許が大きなものだと思います。


アップルがAirPods Proにおいてマイクを直接ドライバー(振動板の真横)に取り付ける特許を取得しました。このことによりANCの大幅な向上が見込め、音質にも寄与します。これはキラー特許になる可能性があるかもしれません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519435880.html

アップルがスマホのレンズ収差を偏向板で可変する特許取得。「適応光学」の技術をスマホカメラに応用するものでキラー特許になりえます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519489884.html

アップルがエンドツーエンドの空間オーディオ特許を取得。AirPodsの「スタジオ品質」録音機能の一部ではないかと思われます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/516966202.html

アップルがAirPodsの可動式のベント穴の特許を取得。AirPods Pro3にはまだ入ってないと思われます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/517612503.html

アップルが液晶付きAirPodsケースの特許を更新。JBL Tour Proのような液晶付きAirPodsケースの特許が公開されています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/517226073.html

アップルが「自分ダミーヘッド」に似たスマホ撮影版特許を取得。これはTONALITEが先手を打ちました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518252461.html

アップルがAirPodsのステムに回転ノブを増やす特許
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518071165.html

アップルが音漏れを打ち消すAirPodsの特許を取得。この特許はnwmみたいにフルオープンタイプで特に効果があるので、アップルがフルオープンタイプのAirPodsを出すようにも推測できます。またはオープンイヤータイプのAirPods 4のような普通AirPodsのシリーズに適用するのかもしれません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518070649.html

アップルがAirPodsケースがAirPodsのリモートUIになる特許を出願
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518037923.html

アップルがAirPodsとケースのデータ交換協調の特許を取得
http://vaiopocket.seesaa.net/article/519489893.html

WWDCでのApple Musicの新機能についてAIを使ってBPMを合わせる機能ということなので、以前アスキーに書いた下記のアップルの特許を使用していると思われます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/516083911.html

米国連邦裁がアップルにApp Storeルールの緩和を要求、Spotifyが改訂アプリ登録
http://vaiopocket.seesaa.net/article/514840724.html

ついにSpotify Lossless登場 4年間もの間うわさされていたSpotify Losslessがついに登場しました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/518084791.html

* 来年の展望

高品質ワイヤレスについてはXPanはスマホ側中級機への展開がキーとなるでしょう。LE HDTは発表は2026年ですが製品は2027年になりそうです。他方でLC3plusロスレスは見えないうちに広まっていきそうです。
アップルではAirPods Pro3に入らなかった特許が来年4で入るかどうかですね。2026年頭にはWF-1000XM6の登場も噂されています。
MQAはHD Tracksのストリーミングの展開いかんで再度の浸透が分かれることでしょう。
MEMS関連はCESでの発表を見て考えたいところですが、製品としてはオープンイヤフォンへの展開なども予想されます。あとはUSoundのセンサーレスの健康機能の実機展開が興味あるところです。
さて来年はどうなるのか。
posted by ささき at 06:59 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月17日

アップルがAirPodsとケースのデータ交換協調の特許を取得

Patently AppleでアップルがAirPodsとケースのデータ協調の特許を取得したことが報じられています。
現在のAirPodsでもバッテリー残が表示されますが、リアルタイムではなく限定的なので、常にケースとAirPodsが協調してデータ交信して、相互の状況をケースが代行してiPhoneに送るという機能です。

IMG_4847.jpeg
画像はPatently Appleから引用
posted by ささき at 05:25 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アップルがスマホのレンズ収差を偏向板で可変する特許取得

カメラの特許ですが、キラー特許になりうるので書いておきます。
Patently Appleによると、アップルがまだ一眼レフにさえ応用されてない、軍事や天文分野の「適応光学」の技術をスマホカメラに応用する特許を取得しました。これはDPPという液体で可変可能な位相偏向板を使って光学収差(歪み、ぼやけ、傾きなど)を補正するものです。乱暴ですけどすごく簡単に言うと、レンズの形を自由に変えられる(のと同じ)特許です。
効果としては従来ソフトウェアに頼っていたスマホの光学収差補正を、根本的にハードウエアのレンズシステムに戻すもので、Android勢に一気に差をつけられます。

IMG_4846.jpeg
画像はPatently Appleから引用

調べてみたところ、要素技術はMEMSやメタマテリアルではなくて、下記のドイツメーカー phaseformの特許のDeformable Phase Plate (DPP) 「変形可能位相プレート」のようです。おそらくアップルとこの会社の共同研究だと思う。

https://www.phaseform.com/technology
posted by ささき at 05:20 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする