今年のCESから、オーディオ分野で特に興味深い動きがいくつか見えてきました。
単なる新製品発表というよりも、「市場がどこへ向かおうとしているのか」を感じさせるトピックが多かった印象ですね。ここでは個人的に注目したポイントを整理してみます。
1. 「平面型+ゲーミングヘッドフォン」という方程式
まず最も象徴的だったのが、平面型ドライバーを用いたゲーミングヘッドフォンの本格化です。
AUDEZEは新たに「Maxwell 2」を発表しました。前モデルからの変更点はいくつかありますが、特に注目したいのは、昨年発表された静電型ヘッドフォン「CRBN2」で採用された SLAM(Symmetric Linear Acoustic Modulator)技術が導入されている点です。
この技術は低域の空気制御を改善するためのもので、Maxwell 2では低域の量感やレスポンスが向上している可能性が高いと考えられます。
また、ASUSとHIFIMANの協業による「ROG Kithara」も発表され、こちらは明確にAUDEZE Maxwellを意識した製品と言えるでしょう。もっとも、Maxwellは密閉型かつワイヤレスである一方、ROG Kitharaは設計思想や用途がやや異なります。そのため単純な横並び比較ではなく、「平面型をどうゲーム用途に最適化するか」というアプローチの違いとして捉えるのが自然でしょう。
平面型ヘッドフォンは、音の分離や定位といった「音を正確に伝える」能力に優れています。トランジェントの速い、コツコツとした音の再現も得意です。
こうした特性が、現代のゲーミング、特にFPSなどで重要となる音像定位、と強く噛み合い始めたと見ることができます。
一方で、平面型ドライバーには弱点もあります。いわゆる「ドドーン」という重低音の演出は得意ではなく、ここでは平面型の正確性が裏目に出ることもあります。そこで重要になるのが正確性と演出感の両立です。これが「平面型+ゲーミング」方程式の最大のポイントになるでしょう。
つまり、平面型ゲーミングヘッドフォンの価値は、「正確さを犠牲にして迫力を得る」ことではなく、正確さをベースにして迫力を制御できる点にあると言えます。
なぜなら、演出感はDSPなどで比較的容易に作れますが、正確性は後から作ることが難しいからです。
こうして考えてみると、「平面型+ゲーミング」ヘッドフォンへの参入は決して簡単ではないことがわかります。平面型ドライバーの扱いと、ゲーミング用途の音作り、その両方に十分な経験を持つメーカーでないと成立しにくい分野です。現時点で可能性があるメーカーとして思い浮かぶのは、finalくらいでしょうか。
この構図は、最近増えている OTC補聴器における「イヤフォンブランド+補聴器ブランド」のタッグにも似ています。異なる専門性を融合させるクロスオーバーが、今の時代に強く求められているのだと感じます。
2. 大手メーカーがヘッドフォン市場に「復帰」
もう一つ見えてきた動きが、大手オーディオブランドのヘッドフォン市場への復帰です。
CESでは、Fenderがヘッドフォンへの再参入を発表すると同時に、Bluetoothスピーカー市場にも戻ってきました。今回は過去モデルの焼き直しではなく、製品構成やポジショニングを見る限り、戦略を明確に見直してきた印象があります。
また、Klipschも「Atlas」という新シリーズでヘッドフォン市場に復帰しました。
FenderもKlipschも、コロナ禍の時期にはこの分野から一度距離を置いていました。ブランド付加価値の高いメーカーほど、当時の市場環境は厳しかったのだと思います。それにもかかわらず、今回そろってヘッドフォンで復帰してきたということは、市場の再活性化と同時に、ヘッドフォンが再び「ブランド価値を載せられる製品」になりつつあることを示しているように思います。
両社とも大手メーカーですから、再参入にあたっては当然ながら綿密な損益計算を行っているはずです。まだ推測の域は出ませんが、パーソナルオーディオ分野が再び高付加価値化の方向へ向かい始めている、という見方はできるかもしれません。
一方で、TWS(完全ワイヤレスイヤフォン)市場はすでに成熟しきっており、新規参入が非常に難しいフェーズに入っている、という判断も透けて見えます。
3. イヤフォンがIMAX認証を取得
CESではもう一つ、非常に異色なニュースがありました。
BreggzのTWS「Zohn-1」が、イヤフォンとして初めて IMAX認証(IMAX Enhanced) を取得したのです。
IMAX Enhancedは通常、テレビやサウンドバー向けの認証であり、TWSでの取得は極めて珍しいケースです。Zohn-1はBAドライバーを採用している点や、パーソナライズ機能、工芸品のような独特なケースデザインなどが特徴ですが、詳細な技術情報はまだ多くが明らかになっていません。
Zohn-1は以下から購入可能ですが、価格は約15万円と、TWSとしては破格です。
https://breggz.com/products/zohn-1-rtw
ノイズキャンセリングはパッシブのみのようですが、BAドライバーはベントが不要なため、ユニバーサルシェルでも遮音性はそれなりに確保できると考えられます。加えて、音のパーソナライズ機能がこの製品の重要なポイントになっているのでしょう。
4. 家具屋IKEAのマルチBluetoothスピーカー
IKEAからは、ある意味でCESらしい「変化球」も登場しました。
10ドルという低価格のBluetoothスピーカー「Kallsup」です。このスピーカーは複数台のペアリングに対応し、最大で100台近い同時再生が可能とされています。おそらくコスト優先の設計で、Auracastは使用せず、独自実装のマルチ再生機能を採用していると考えられます。
理論的には、マルチスピーカーアレイにすることで1台あたりの負担が減り、歪みを低減することは可能です。ただしKallsupの場合、位相ズレなどを厳密に管理しているとは考えにくく、音質的なメリットは二の次でしょう。
IKEAらしく、空間を一気に盛り上げるディスプレイ用途や、パーティー向けの演出を狙った製品だと思われます。
5. 変わり種ヘッドフォンも健在
最後に少し変わり種として、ヘッドフォンをひねるとポータブルスピーカーになるという「TDM Neo Hybrid Headphones」も展示されていました。
CESらしいアイデア勝負の製品で、実用性はともかく、「音をどう使うか」という発想の広がりを感じさせます。
まとめ
今年のCESを俯瞰すると、平面型+ゲーミング、ブランド価値の再評価、認証や空間体験の拡張、異分野クロスオーバー、といったキーワードが浮かび上がってきます。
単なるスペック競争ではなく、「どの専門性を、どう組み合わせるか」が問われる時代に入ったことを、改めて実感させられると言えるかもしれません。
Music TO GO!
2026年01月10日
2025年10月16日
Bluetoothセミナー、ハイレゾ対応のBLE HDT発表
本日開催された2025年度のBluetooth セミナーと記者発表に参加してきました
セミナー会場では万博で日本デビューしたAuriが送信機として使われ、日英同時通訳音声がAuracastでブロードキャストされていました。
(AV Watch記事)

白いのが送信機、手前は受信機の充電ドック
セミナーではAuracastに関するパネルディスカッションを聴講しました。

Auracastで補聴器とイヤホンの同化が進むのではという意見がある一方で、補聴器は高帯域化(音質向上)よりも低遅延化とロバストが重要だが、イヤホンではやはり音質も重要など対立する意見も出ました。こうした相反する要件をまとめるのも標準化規格の難しさではありますね。

セミナー会場でブロードキャストされていたAuracastチャンネル
記者発表はBluetooth SIGの最高マーケティング責任者ケン・コルドラップ氏によって行われました。

Bluetooth SIGは「繋がりの力でより良い世界へ」と題したビジョンを展開。前は単に繋がるだけだったが、なぜ繋がるかを明確にしたということです。
コミニティーのミッションとしては進化、保護、普及があげられ、進化では50のプロジェクトがアクティブ、保護では毎年6万の製品が認証を通り、普及では50億台が出荷されているとのこと。
SIGは20年で4万社が加入して毎年1000社増えているとのこと。日本はメンバー企業では世界第3位の数だそうです。

Bluetoothの最近の機能強化については、デバイスネットワーク(1:1ではなく数千台が入れる)、ESL、Auracast、高精度測距(数メートルから数センチ)などが挙げられます。
注目のこれからの強化という点では、超低遅延HID(ゲーム分野など)、ハイレゾロスレス(これまでベンダー独自だったものを標準化する、他にも空間オーディオやサラウンドでも標準化)、高データスループット(2MBを8MBに、オーディオにも関係する)、高周波数帯対応(2.4G帯を5G帯や6G帯へ)
そしてテクニカルマーケティングエンジニアのゴンユウ・ルー氏によるBluetooth LE HDTデモが行われました。

HDTとはハイデータスループットのことで、うちのブログでは先日レポートした物理層の新しい規格です。それがオーディオにも使われると確認できたわけです。
(HDT PHYの記事)
これはBluetooth LEのデータレートが最大7.5Mbpsに向上するというもので、HDTは来年10月にリリースを予定していてスペックがまだ固まっていないとのこと。
デモでは二つのスマホ間でのロードをかけたデータ転送のデモで、実測で4-5MBといったところです。96/24のデータ量は4.6Mbpsくらいなので、微妙なところもありますがこれはまだ向上の余地はあります。ちなみにHDT PHYではなく、現状の2MB PHYを使うとおそらく1Mbpsちょいくらいだと思うので、現状の4倍程度の速度は出ています。

表示されている値は平均4Mbpsくらいです。
ゴンユウ氏にLC3はハイレゾ搬送できないのでは、と聞いたらコーデックもまた別に決まるとのこと。それはLC3plusかと突っ込むと、メンバー企業からさまざまなインプットをもらってるところなので、違うものになるかもしれないそうです。あくまでSIGではLC3plusはオプションと考えているようですね。
はじめて次世代Bluetoothのハイレゾ伝送の萌芽に触れたことはとても興味深かったと言えます。
セミナー会場では万博で日本デビューしたAuriが送信機として使われ、日英同時通訳音声がAuracastでブロードキャストされていました。
(AV Watch記事)
白いのが送信機、手前は受信機の充電ドック
セミナーではAuracastに関するパネルディスカッションを聴講しました。
Auracastで補聴器とイヤホンの同化が進むのではという意見がある一方で、補聴器は高帯域化(音質向上)よりも低遅延化とロバストが重要だが、イヤホンではやはり音質も重要など対立する意見も出ました。こうした相反する要件をまとめるのも標準化規格の難しさではありますね。
セミナー会場でブロードキャストされていたAuracastチャンネル
記者発表はBluetooth SIGの最高マーケティング責任者ケン・コルドラップ氏によって行われました。
Bluetooth SIGは「繋がりの力でより良い世界へ」と題したビジョンを展開。前は単に繋がるだけだったが、なぜ繋がるかを明確にしたということです。
コミニティーのミッションとしては進化、保護、普及があげられ、進化では50のプロジェクトがアクティブ、保護では毎年6万の製品が認証を通り、普及では50億台が出荷されているとのこと。
SIGは20年で4万社が加入して毎年1000社増えているとのこと。日本はメンバー企業では世界第3位の数だそうです。
Bluetoothの最近の機能強化については、デバイスネットワーク(1:1ではなく数千台が入れる)、ESL、Auracast、高精度測距(数メートルから数センチ)などが挙げられます。
注目のこれからの強化という点では、超低遅延HID(ゲーム分野など)、ハイレゾロスレス(これまでベンダー独自だったものを標準化する、他にも空間オーディオやサラウンドでも標準化)、高データスループット(2MBを8MBに、オーディオにも関係する)、高周波数帯対応(2.4G帯を5G帯や6G帯へ)
そしてテクニカルマーケティングエンジニアのゴンユウ・ルー氏によるBluetooth LE HDTデモが行われました。
HDTとはハイデータスループットのことで、うちのブログでは先日レポートした物理層の新しい規格です。それがオーディオにも使われると確認できたわけです。
(HDT PHYの記事)
これはBluetooth LEのデータレートが最大7.5Mbpsに向上するというもので、HDTは来年10月にリリースを予定していてスペックがまだ固まっていないとのこと。
デモでは二つのスマホ間でのロードをかけたデータ転送のデモで、実測で4-5MBといったところです。96/24のデータ量は4.6Mbpsくらいなので、微妙なところもありますがこれはまだ向上の余地はあります。ちなみにHDT PHYではなく、現状の2MB PHYを使うとおそらく1Mbpsちょいくらいだと思うので、現状の4倍程度の速度は出ています。
表示されている値は平均4Mbpsくらいです。
ゴンユウ氏にLC3はハイレゾ搬送できないのでは、と聞いたらコーデックもまた別に決まるとのこと。それはLC3plusかと突っ込むと、メンバー企業からさまざまなインプットをもらってるところなので、違うものになるかもしれないそうです。あくまでSIGではLC3plusはオプションと考えているようですね。
はじめて次世代Bluetoothのハイレゾ伝送の萌芽に触れたことはとても興味深かったと言えます。
2025年09月07日
Campfire Audioがブランド10周年モデル「Andromeda 10」を発表、2ピン端子採用
HeadFiのイベント、CanJam SoCal(南カリフォルニア)が9/13-14で開催されます。CanJam NYと並ぶメジャーなイベントです。
そのプレビュー動画が公開されました。

画像は動画から
この中でCampfire AudioがCampfire audio 10周年モデル「Andromeda 10」を発表することがJude氏から語られています。
構成はオールBA、10ドライバーで、4xLow、4xmid、2xHigh。クロスオーバーはビンテージコンデンサーが採用されています。
筐体はステンレススチール、フェイスプレートはダマスカス・ステンレススチール、標準モデルはAndromedaのトレードマークの緑ですが、黒と金の特別カラーが用意され、各色225ユニット限定です。
驚くのは端子がMMCXではなく2ピンを採用していることです。これは顧客要求ということ。
特別版には新ケーブルが採用され、音は「クラシック」なオリジナルに近いチューニングで、この10年の進化で更なる定位感、空気感と解像度があるようです。

画像は動画から
個人的にCampfireはMMCXの牙城と思っていましたので、2ピンへの変化はちょっと驚きました。
MMCXは下記の2010年のShure SE535のイベントではじめて公にイヤフォン搭載が始まったと思いますが、そろそろ曲がり角なのかもしれません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/156170083.html
それとAndromeda 10で注目したのはクロスオーバーにビンテージコンデンサーが採用されてるとこです。
最近フォルテイヤーズを聴いてやはりビンテージパーツがクロスオーバーに採用されてるのでちょっと気に留まりました。
PS.
HeadFiでケンさんがAndromeda 10のスレッドを立ててました。Kenさんは中でAndromeda 10は初めて2ピンを使う製品だと書いています。
https://www.head-fi.org/threads/andromeda-10-campfire-audio.977912/
そのプレビュー動画が公開されました。
画像は動画から
この中でCampfire AudioがCampfire audio 10周年モデル「Andromeda 10」を発表することがJude氏から語られています。
構成はオールBA、10ドライバーで、4xLow、4xmid、2xHigh。クロスオーバーはビンテージコンデンサーが採用されています。
筐体はステンレススチール、フェイスプレートはダマスカス・ステンレススチール、標準モデルはAndromedaのトレードマークの緑ですが、黒と金の特別カラーが用意され、各色225ユニット限定です。
驚くのは端子がMMCXではなく2ピンを採用していることです。これは顧客要求ということ。
特別版には新ケーブルが採用され、音は「クラシック」なオリジナルに近いチューニングで、この10年の進化で更なる定位感、空気感と解像度があるようです。
画像は動画から
個人的にCampfireはMMCXの牙城と思っていましたので、2ピンへの変化はちょっと驚きました。
MMCXは下記の2010年のShure SE535のイベントではじめて公にイヤフォン搭載が始まったと思いますが、そろそろ曲がり角なのかもしれません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/156170083.html
それとAndromeda 10で注目したのはクロスオーバーにビンテージコンデンサーが採用されてるとこです。
最近フォルテイヤーズを聴いてやはりビンテージパーツがクロスオーバーに採用されてるのでちょっと気に留まりました。
PS.
HeadFiでケンさんがAndromeda 10のスレッドを立ててました。Kenさんは中でAndromeda 10は初めて2ピンを使う製品だと書いています。
https://www.head-fi.org/threads/andromeda-10-campfire-audio.977912/
2025年02月09日
ヘッドフォン祭mini 2025 レポート
ヘッドフォン祭mini 2025からいくつか面白かったものを紹介します。
まず大物は飯田ピアノ扱いのCAMERTON Binom-ER。

形式のアイソバリックダイナミックとはいわゆる平面磁界型です。
価格はお高めだけど音はかなり良く、平面型にしては低音が出て滑らかで音楽的な再現が楽しめます。
ただ真価を発揮するには上流はきちんとしたのが要りそうですが音は美しく良いですね。
アイソダイナミックはYAMAHAが呼称してた平面磁界型の名称です。
CAMERTONはウクライナのメーカーですが、そういえばMezeと協力してるRinaroもウクライナのメーカーだったのを思い出しましたが、なんらかの関係があるのかもしれませんね。
fiteaの新作は Room2

以前でていた謎のイヤホンの正体はこれだそう。Roomとは手軽なモデルという点は同じだが別ものとのこと。
ノズルから見える謎のフィルターですが、元は背圧側に使うフィルターだそうですが音導管に採用した点が新しく、新しい構成に合わせたものだそうです。
音は低域のアタックは強く、高域はシャープだがキツくない。チューニングがとても巧み。安いモデルだからと妥協はしないと開発者の堀田氏が語っていました。
iBasso ヌンチャク製品版。

レイセオンJAN6418が2基搭載された真空管式アンプです。この2本がヌンチャクのように見えるのが名の由来のよう。DACはDC-Eliteのものとは異なるようです。普通にクリアでSN感も良い音質で、真空管らしさは艶っぽさの音色面で生きてます。5万円くらいだそう。
シャンリンM8T

AKM4499と4191のフラッグシップDAP。真空管はヌンチャクと同じJAN6418。設定で三極管モードが選べる点がマニアック。三極管モードだとより真空管らしくなるようです。また真空管モードに変更するとプリヒート時間があるのが面白い。
音は暖かみがあって真空管っぽいサウンドで、同じ真空管でもibassoとシャンリンは音が違って面白いです。真空管だけではなく、iBassoとシャンリンって少し似たようなイメージだけど、音はわりと違うと思います。
finalブースではSシリーズの詳細を聞いてきました。

(図はfinalホームページから)
Sシリーズの特徴は水平対向のドライバー配置です。水平対向(ボクサー)は振動の打ち消しができることがメリットです。水平対向というとドライバーが対向していると思ってしまいますが、ダイナミックと違ってBAの動作とはアーマチュアのロッドの動きなので、「ロッドが対向」してるのがポイントです。これでBAドライバーにありがちな共振を減少しているとのこと。
そしてこれはS4000/5000を見るとわかるようにSシリーズでは筐体の鳴りを重視するというテーマを、共振減少で可能としているということです。
Softears volume S

つまみで低インピーダンスモードとハイインピーダンスモードの切り替えができます。
ハイインピーダンスだと音が引き締まりタイトでシャープ、いい感じです。
Softears S-01 USBアダプター

AV Wathcで書いたZtellaと比べるとリスニング寄りで低音が多めの印象。Ztellaはハイファイ寄りなので好みで選べると思う。
NAKAMICHI HAKUshin ver1.1

なんとフォノイコ付きのポタアン。若い人の部屋がせまいので、こうしたポータブル機器からのアプローチでアナログの魅力を知って欲しいということです。開発はピックアップが拾うノイズとの戦いだったそうで、中に仮想アースが搭載されています。
USB DACも搭載されているので、ストリーミングとLPアナログで同じ曲を聴いてみましたが、こちらはデジタルっぽい硬さや雑さがない、ハイファイのアナログの音が楽しめます。
まず大物は飯田ピアノ扱いのCAMERTON Binom-ER。
形式のアイソバリックダイナミックとはいわゆる平面磁界型です。
価格はお高めだけど音はかなり良く、平面型にしては低音が出て滑らかで音楽的な再現が楽しめます。
ただ真価を発揮するには上流はきちんとしたのが要りそうですが音は美しく良いですね。
アイソダイナミックはYAMAHAが呼称してた平面磁界型の名称です。
CAMERTONはウクライナのメーカーですが、そういえばMezeと協力してるRinaroもウクライナのメーカーだったのを思い出しましたが、なんらかの関係があるのかもしれませんね。
fiteaの新作は Room2
以前でていた謎のイヤホンの正体はこれだそう。Roomとは手軽なモデルという点は同じだが別ものとのこと。
ノズルから見える謎のフィルターですが、元は背圧側に使うフィルターだそうですが音導管に採用した点が新しく、新しい構成に合わせたものだそうです。
音は低域のアタックは強く、高域はシャープだがキツくない。チューニングがとても巧み。安いモデルだからと妥協はしないと開発者の堀田氏が語っていました。
iBasso ヌンチャク製品版。
レイセオンJAN6418が2基搭載された真空管式アンプです。この2本がヌンチャクのように見えるのが名の由来のよう。DACはDC-Eliteのものとは異なるようです。普通にクリアでSN感も良い音質で、真空管らしさは艶っぽさの音色面で生きてます。5万円くらいだそう。
シャンリンM8T
AKM4499と4191のフラッグシップDAP。真空管はヌンチャクと同じJAN6418。設定で三極管モードが選べる点がマニアック。三極管モードだとより真空管らしくなるようです。また真空管モードに変更するとプリヒート時間があるのが面白い。
音は暖かみがあって真空管っぽいサウンドで、同じ真空管でもibassoとシャンリンは音が違って面白いです。真空管だけではなく、iBassoとシャンリンって少し似たようなイメージだけど、音はわりと違うと思います。
finalブースではSシリーズの詳細を聞いてきました。
(図はfinalホームページから)
Sシリーズの特徴は水平対向のドライバー配置です。水平対向(ボクサー)は振動の打ち消しができることがメリットです。水平対向というとドライバーが対向していると思ってしまいますが、ダイナミックと違ってBAの動作とはアーマチュアのロッドの動きなので、「ロッドが対向」してるのがポイントです。これでBAドライバーにありがちな共振を減少しているとのこと。
そしてこれはS4000/5000を見るとわかるようにSシリーズでは筐体の鳴りを重視するというテーマを、共振減少で可能としているということです。
Softears volume S
つまみで低インピーダンスモードとハイインピーダンスモードの切り替えができます。
ハイインピーダンスだと音が引き締まりタイトでシャープ、いい感じです。
Softears S-01 USBアダプター
AV Wathcで書いたZtellaと比べるとリスニング寄りで低音が多めの印象。Ztellaはハイファイ寄りなので好みで選べると思う。
NAKAMICHI HAKUshin ver1.1
なんとフォノイコ付きのポタアン。若い人の部屋がせまいので、こうしたポータブル機器からのアプローチでアナログの魅力を知って欲しいということです。開発はピックアップが拾うノイズとの戦いだったそうで、中に仮想アースが搭載されています。
USB DACも搭載されているので、ストリーミングとLPアナログで同じ曲を聴いてみましたが、こちらはデジタルっぽい硬さや雑さがない、ハイファイのアナログの音が楽しめます。
2024年12月20日
「ポタフェス 2024 冬 秋葉原」レポート
12月14日、15日に恒例の「ポタフェス 2024 冬 秋葉原」が秋葉原で開催されました。
以下目を引いたものをあげていきます。
ミックスウェーブのCampfire Audioブースでは待望のミュージシャンコラボモデルである「Clara」を展示。
音はロック・エレクトロに適合した低音の重みがあるサウンドながらヴォーカルもクリアによく聴こえるのが印象的。これについては詳しいレビユー記事を書いています。

エミライブースではFokusシリーズの新作「Rex5」と有線イヤフォン「Knight」が展示されていました。
Rex5はFokusシリーズですが、ANCが内蔵されAudiodoのパーソナライズ機能が追加されたのがポイント。平面型ドライバーもツィーターとして搭載しています。
音は高域は自然で中低域に厚みのある音ですが、パーソナライズ前提なので音はよくわかりません。

Knightは全世界限定生産でUS$285。BA、10mmダイナミック、ピエゾのハイブリッド。価格に対して音がとても良い感じ。中高音域はNobleらしくソリッドでシャープ、かつ画像生成の歯切れが良い。低域は控えめだが量感は十分ある絶妙な感じ。

ムジンブースでは新しいスティック型DAC「ヌンチャク(仮)」を展示。一見してDC Eliteのように見えますが、中に真空管が入っている真空管アンプです。DACもDC Eliteとは異なるとのこと。真空管はレイセオンのサブミニ管のデュアル構成でおそらく JAN6418だと思う。JAN6418のデュアル構成だとバランス対応だと思う。音はやはり心地よく、独特の艶っぽさがある感じ。あまり暖かすぎず、リスニング系の音です。

またSHANLINGのデスクトップコンパクト仕様、DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「EH1」とR2R対応の「EH2」にバスとトレブルの独立したつまみがあったことが面白い。昔の日本のミニコンポとかラジカセはバスとトレブルの独立調整がよくあったと思うけど、現代の中国のちょっとレトロ志向が伺えて面白い。ラウドネスボタンがあればさらに完璧。

NuralのInovatorは生産に近いバージョンを展示。音はハーマンカーブに近いフラット基調で、ドンシャリのコンシューマーサウンドとは一味違ったHiFi調でハイエンドユーザーに良さそうです。

また今回ポタフェスではQobuzがブースを持って展示していました。iPadにFIIO K9 AKMやFIIO R9にQobuzアプリを入れてデモをしていましたが、個人的にはQobuzが輝くのはAudirvanaとかRoonみたいな音楽再生ソフトとの統合だと思うので、そういう展示もあった方がいいかもとちょっと思いました。

また、今回のポタフェスと同時開催イベントとしてfinalが近隣のUDXプラザでハイエンドヘッドフォン試聴会を開催。
他のメーカーとのタイアップしながら予約制で開放型をゆっくり聴くと言うコンセプトのようです。

私はWeiss DAC502でQobuz音源を試聴。
かなり性能の高いプロ用DACなので音がわかりやすく。D8000 DCとDC PROの差がよく分かりました。
音はProの方がよりフラットで細身でシャープでアタックも鋭い感じ。通常モデルもそれだけで聞くと十分にHIFI系ですが、Proと比べるとよりふくよかでリスニング寄りの音です。低域のアタックはProよりはおとなしめに感じます。

このほかにもSendy Audioにインタビューなどを行いましたが、これはまた別の機会に。
以下目を引いたものをあげていきます。
ミックスウェーブのCampfire Audioブースでは待望のミュージシャンコラボモデルである「Clara」を展示。
音はロック・エレクトロに適合した低音の重みがあるサウンドながらヴォーカルもクリアによく聴こえるのが印象的。これについては詳しいレビユー記事を書いています。
エミライブースではFokusシリーズの新作「Rex5」と有線イヤフォン「Knight」が展示されていました。
Rex5はFokusシリーズですが、ANCが内蔵されAudiodoのパーソナライズ機能が追加されたのがポイント。平面型ドライバーもツィーターとして搭載しています。
音は高域は自然で中低域に厚みのある音ですが、パーソナライズ前提なので音はよくわかりません。
Knightは全世界限定生産でUS$285。BA、10mmダイナミック、ピエゾのハイブリッド。価格に対して音がとても良い感じ。中高音域はNobleらしくソリッドでシャープ、かつ画像生成の歯切れが良い。低域は控えめだが量感は十分ある絶妙な感じ。
ムジンブースでは新しいスティック型DAC「ヌンチャク(仮)」を展示。一見してDC Eliteのように見えますが、中に真空管が入っている真空管アンプです。DACもDC Eliteとは異なるとのこと。真空管はレイセオンのサブミニ管のデュアル構成でおそらく JAN6418だと思う。JAN6418のデュアル構成だとバランス対応だと思う。音はやはり心地よく、独特の艶っぽさがある感じ。あまり暖かすぎず、リスニング系の音です。
またSHANLINGのデスクトップコンパクト仕様、DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「EH1」とR2R対応の「EH2」にバスとトレブルの独立したつまみがあったことが面白い。昔の日本のミニコンポとかラジカセはバスとトレブルの独立調整がよくあったと思うけど、現代の中国のちょっとレトロ志向が伺えて面白い。ラウドネスボタンがあればさらに完璧。
NuralのInovatorは生産に近いバージョンを展示。音はハーマンカーブに近いフラット基調で、ドンシャリのコンシューマーサウンドとは一味違ったHiFi調でハイエンドユーザーに良さそうです。
また今回ポタフェスではQobuzがブースを持って展示していました。iPadにFIIO K9 AKMやFIIO R9にQobuzアプリを入れてデモをしていましたが、個人的にはQobuzが輝くのはAudirvanaとかRoonみたいな音楽再生ソフトとの統合だと思うので、そういう展示もあった方がいいかもとちょっと思いました。
また、今回のポタフェスと同時開催イベントとしてfinalが近隣のUDXプラザでハイエンドヘッドフォン試聴会を開催。
他のメーカーとのタイアップしながら予約制で開放型をゆっくり聴くと言うコンセプトのようです。
私はWeiss DAC502でQobuz音源を試聴。
かなり性能の高いプロ用DACなので音がわかりやすく。D8000 DCとDC PROの差がよく分かりました。
音はProの方がよりフラットで細身でシャープでアタックも鋭い感じ。通常モデルもそれだけで聞くと十分にHIFI系ですが、Proと比べるとよりふくよかでリスニング寄りの音です。低域のアタックはProよりはおとなしめに感じます。
このほかにもSendy Audioにインタビューなどを行いましたが、これはまた別の機会に。
2024年11月05日
ヘッドフォン祭2024秋レポート
先週末に恒例のヘッドフォン祭が開催されました。場所は今回もステーションコンファレンス東京で、約80社が展示しました。いくつか興味をひいたものを紹介します。
まずDITA AudioではCEOダニー氏が来日、注目の新モデル「KA1」についていろいろ詳しく聞くことができました。
まずKA1のヘッドバンド付きでイヤーピース無しというセミオープンのコンセプトについては、アイディアとしては最近流行りのフルオープンタイプのように外の音を聞くことができる開放型イヤホンというコンセプトです。しかし、フルオープンだと低音のコントロールができないので、そこはDITAらしく音質を高めるためにセミオープンという形式を採用したとのこと。
日本の地下鉄でも使用できるだろうということ。音漏れも最小限とのことです。
実際に低音もよく出るようです。ドライバーはダイナミックで、詳細は明かせませんがかなり良いものを使用していますので音質は期待できます。
もう一つのポイントはケーブル端子がMMCXと2ピンの二つあるということです。これは音質重視のイヤフォンなので、どちらでもケーブルが使えるようにするという意味もありますが、ポイントは2ピンが側面についているということで、これはShure掛けを可能にするとともに、フォステクスTM2やiFi GO PodなどのTWSタイプのBTアダプターを使用可能とするためだそうです。
このほかにも稼働部はかなり考え抜かれた設計になっており、多機能性も期待できます。価格はターゲット価格がUSD299近辺ということです。

DITA KA1プロトタイプ
DITA Audioはこのほかにも「Mecha」という新製品が登場。
比重がアルミニウムの約半分という超軽量なLiMa(リチウムマグネシウム)合金振動板+高効率デュアルマグネットを採用したメカっぽいイヤホンです。ちなみにDITA Audioの関連会社は金属加工に長けています。価格は12万前後とのことで、音はシャープで鮮明、クリアな音で、ニュートラル傾向でした。

DITA Mecha
finalでは11月14日に発売される「A6000」がおそらく関東初出展ではないかと思います。かなり小さく、低域も深く中高域もシャープです。A4000の上位機種という感じで、音傾向はA4000に似ているがより高品質なサウンドという感じでした。A3000とはちょっと違うように思います。
また高音質TWSの草分けだった「ZE3000」にANCがついた「ZE3000SV」も展示。ANCは音質重視でマイルド調整ということ。ANC以外にも音質はより向上していて、よりクリアで特に空間再現力が高くなったように思います。

fina A6000(左)とZE3000SV(右)
次にお馴染みのFitEarですが、今回は一層怪しい「謎のイヤフォン・大」と「謎のイヤフォン・小」を展示。
これはいままでのFitEarにない設計を試行したもので、特に大きい方は新設計のフィット感を試してほしいとのこと。小さい方はIMargeに似た造形のようです。
どちらもノズルの音導管の奥に「白い何か」が詰まっているのが特徴で、これも新採用のようです。
聴いてみると、両方とも今までのfitearとちょっと違うサウンドで、最近のシャープ傾向の堀田サウンドよりも柔らかくリッチで、開放感が感じられます。大きい方はより音楽的で、装着感はやや大きめですが悪くはないです。小さい方は大きいのに比べると正確系ですが一般的にはリスニング寄りと思えます。

FitEar謎のイヤフォン大小(左)と謎のイヤフォンの謎の白い何か
アユートブースではFir Audioの新製品に注目。Fir Audio「Projeck K」は全域高性能で、大きなベントホールはATOMのものだと思います。「第二の鼓膜技術」に共通したATOMらしい音抜けがよいイヤフォンでひときわクリアなリスニング寄りの音です。
Fir Audio「FR10」はエレクトロダイナミック形式というよくわからない形式のシングルドライバーですが、かなり音は良く、モニター的でやはりATOMらしく音抜けが良い印象です。
四角く回転しないMMCX端子も特徴。

FiR Audio Project K
MUSINブースではiBasso Audioの新製品「DX340」の先行版を展示。位置付けとしてはDX260の上で、MAXラインとは異なるそう。特徴は「D16 TAIPAN」で採用された1bitディスクリートDACを採用していること。電源をデジタルとアナログで完全に分ける方式を採用し、設定画面ではDACとアンプで別々のゲインが設定できるのが面白い。
音はDX260系統の音で、より鮮明な感じです。DX260は音が細かい、DX340は音がシャープという感じでしょうか。

iBasso DX340
Jaben JapanのブースではSoftearsの新製品を展示。「Volume S」は人気のあったVolumeの後継機ですが大幅に改良されています。低音の強さを二種類選べるスイッチ搭載。
「Studio2」はモニター傾向の音だけど躍動感があって、リスニングでも使いやすいと思います。また「Soft Tail」というUSB-C/3.5mmアダプターも展示していましたが、これは小型ながら音は良かったです。

Softears Volume S(左)とStudio2(右)
Softearsは技術力に長けていて、「RS10」にはBAドライバーのパッシブタイプ(ダイナミックのパッシブラジエーターに相当)なども搭載しています。
下の図では赤丸のBAに結線されていないのでそれがわかります。効果についてはまた後で書きます。

RS10と赤丸部分がパッシブBA
FIIOでは「RR11」という普通のポータブルFMラジオが展示されていたのがユニーク。日本は災害時の必要性もあって意外と出そうな気がします。

FIIO RR11
またNIPOという中国のメーカーではヘッドフォン祭初展示となる「N2」というDAPを展示していました。
AndroidベースのDAPでES9039を搭載しています。音は解像力が高く、試聴曲の手嶌葵の声の掠れ具合もよく再現していました。ニュートラルでややドライのESSらしい音です。
また面白いのは「A100」というスティックDACとは言えませんがスマホ用のDACです。これはまだ開発中ですが、やや平たい筐体の背面が磁石(magsafe?)でスマホにくっつくというもの。音質はN2の90%近くまで持って行きたいとのこと。

NIPO N2(左)とA100(右)
Campfire AudioではCamJamに登場していた「Clara」は展示がありませんでした。
今回は平面磁界型イヤフォンの共演も聴きどころでした。Campfire Audioの「Astrolith」の他に、ミックスウェーブでは64 Audioの初の平面磁界型イヤフォン「SOLO」を展示。
どちらかというとリスニングよりの音で、音が速いのもAstrolithと似ています。歯切れが良く、低音もたっぷり出ていて、パンチが強く、正確性も高いのもAstrolithと共通の特徴に思えます。ただ高域がややきつい点があり、ここは2wayで高域専用チャンバーのあるAstrolithに部がありそうです。ちなみにSOLOも高域で共振するヘルムホルツ・レゾネーター方式のチャンバーを備えています。
FIIOも「FP3」という平面型のイヤホンを展示していました。こちらもクリアさが高く、きれいなサウンドが楽しめました。

64 Audio SOLO(左)とFIIO FP3(右)
こうした平面型イヤフォンの音質性能の高さを考えると、今後ともますます平面磁界型イヤホンが加熱していくのかもしれません。
まずDITA AudioではCEOダニー氏が来日、注目の新モデル「KA1」についていろいろ詳しく聞くことができました。
まずKA1のヘッドバンド付きでイヤーピース無しというセミオープンのコンセプトについては、アイディアとしては最近流行りのフルオープンタイプのように外の音を聞くことができる開放型イヤホンというコンセプトです。しかし、フルオープンだと低音のコントロールができないので、そこはDITAらしく音質を高めるためにセミオープンという形式を採用したとのこと。
日本の地下鉄でも使用できるだろうということ。音漏れも最小限とのことです。
実際に低音もよく出るようです。ドライバーはダイナミックで、詳細は明かせませんがかなり良いものを使用していますので音質は期待できます。
もう一つのポイントはケーブル端子がMMCXと2ピンの二つあるということです。これは音質重視のイヤフォンなので、どちらでもケーブルが使えるようにするという意味もありますが、ポイントは2ピンが側面についているということで、これはShure掛けを可能にするとともに、フォステクスTM2やiFi GO PodなどのTWSタイプのBTアダプターを使用可能とするためだそうです。
このほかにも稼働部はかなり考え抜かれた設計になっており、多機能性も期待できます。価格はターゲット価格がUSD299近辺ということです。
DITA KA1プロトタイプ
DITA Audioはこのほかにも「Mecha」という新製品が登場。
比重がアルミニウムの約半分という超軽量なLiMa(リチウムマグネシウム)合金振動板+高効率デュアルマグネットを採用したメカっぽいイヤホンです。ちなみにDITA Audioの関連会社は金属加工に長けています。価格は12万前後とのことで、音はシャープで鮮明、クリアな音で、ニュートラル傾向でした。
DITA Mecha
finalでは11月14日に発売される「A6000」がおそらく関東初出展ではないかと思います。かなり小さく、低域も深く中高域もシャープです。A4000の上位機種という感じで、音傾向はA4000に似ているがより高品質なサウンドという感じでした。A3000とはちょっと違うように思います。
また高音質TWSの草分けだった「ZE3000」にANCがついた「ZE3000SV」も展示。ANCは音質重視でマイルド調整ということ。ANC以外にも音質はより向上していて、よりクリアで特に空間再現力が高くなったように思います。
fina A6000(左)とZE3000SV(右)
次にお馴染みのFitEarですが、今回は一層怪しい「謎のイヤフォン・大」と「謎のイヤフォン・小」を展示。
これはいままでのFitEarにない設計を試行したもので、特に大きい方は新設計のフィット感を試してほしいとのこと。小さい方はIMargeに似た造形のようです。
どちらもノズルの音導管の奥に「白い何か」が詰まっているのが特徴で、これも新採用のようです。
聴いてみると、両方とも今までのfitearとちょっと違うサウンドで、最近のシャープ傾向の堀田サウンドよりも柔らかくリッチで、開放感が感じられます。大きい方はより音楽的で、装着感はやや大きめですが悪くはないです。小さい方は大きいのに比べると正確系ですが一般的にはリスニング寄りと思えます。
FitEar謎のイヤフォン大小(左)と謎のイヤフォンの謎の白い何か
アユートブースではFir Audioの新製品に注目。Fir Audio「Projeck K」は全域高性能で、大きなベントホールはATOMのものだと思います。「第二の鼓膜技術」に共通したATOMらしい音抜けがよいイヤフォンでひときわクリアなリスニング寄りの音です。
Fir Audio「FR10」はエレクトロダイナミック形式というよくわからない形式のシングルドライバーですが、かなり音は良く、モニター的でやはりATOMらしく音抜けが良い印象です。
四角く回転しないMMCX端子も特徴。
FiR Audio Project K
MUSINブースではiBasso Audioの新製品「DX340」の先行版を展示。位置付けとしてはDX260の上で、MAXラインとは異なるそう。特徴は「D16 TAIPAN」で採用された1bitディスクリートDACを採用していること。電源をデジタルとアナログで完全に分ける方式を採用し、設定画面ではDACとアンプで別々のゲインが設定できるのが面白い。
音はDX260系統の音で、より鮮明な感じです。DX260は音が細かい、DX340は音がシャープという感じでしょうか。
iBasso DX340
Jaben JapanのブースではSoftearsの新製品を展示。「Volume S」は人気のあったVolumeの後継機ですが大幅に改良されています。低音の強さを二種類選べるスイッチ搭載。
「Studio2」はモニター傾向の音だけど躍動感があって、リスニングでも使いやすいと思います。また「Soft Tail」というUSB-C/3.5mmアダプターも展示していましたが、これは小型ながら音は良かったです。
Softears Volume S(左)とStudio2(右)
Softearsは技術力に長けていて、「RS10」にはBAドライバーのパッシブタイプ(ダイナミックのパッシブラジエーターに相当)なども搭載しています。
下の図では赤丸のBAに結線されていないのでそれがわかります。効果についてはまた後で書きます。
RS10と赤丸部分がパッシブBA
FIIOでは「RR11」という普通のポータブルFMラジオが展示されていたのがユニーク。日本は災害時の必要性もあって意外と出そうな気がします。
FIIO RR11
またNIPOという中国のメーカーではヘッドフォン祭初展示となる「N2」というDAPを展示していました。
AndroidベースのDAPでES9039を搭載しています。音は解像力が高く、試聴曲の手嶌葵の声の掠れ具合もよく再現していました。ニュートラルでややドライのESSらしい音です。
また面白いのは「A100」というスティックDACとは言えませんがスマホ用のDACです。これはまだ開発中ですが、やや平たい筐体の背面が磁石(magsafe?)でスマホにくっつくというもの。音質はN2の90%近くまで持って行きたいとのこと。
NIPO N2(左)とA100(右)
Campfire AudioではCamJamに登場していた「Clara」は展示がありませんでした。
今回は平面磁界型イヤフォンの共演も聴きどころでした。Campfire Audioの「Astrolith」の他に、ミックスウェーブでは64 Audioの初の平面磁界型イヤフォン「SOLO」を展示。
どちらかというとリスニングよりの音で、音が速いのもAstrolithと似ています。歯切れが良く、低音もたっぷり出ていて、パンチが強く、正確性も高いのもAstrolithと共通の特徴に思えます。ただ高域がややきつい点があり、ここは2wayで高域専用チャンバーのあるAstrolithに部がありそうです。ちなみにSOLOも高域で共振するヘルムホルツ・レゾネーター方式のチャンバーを備えています。
FIIOも「FP3」という平面型のイヤホンを展示していました。こちらもクリアさが高く、きれいなサウンドが楽しめました。
64 Audio SOLO(左)とFIIO FP3(右)
こうした平面型イヤフォンの音質性能の高さを考えると、今後ともますます平面磁界型イヤホンが加熱していくのかもしれません。
2024年10月31日
Bluetooth東京セミナー2024にてAuracastを試す
10月30日に室町三井ホール&カンファレンスにて開催されたBluetooth東京セミナー2024に参加しました。
ここでは様々なAuracast機器が展示、デモされていましたが、そこに先のPhilewebの記事で書いたJBL Tour Pro3を持参して行って実際に使いました。
PhilewebのAuracast記事リンク
https://www.phileweb.com/sp/review/column/202410/28/2457.html
会場は手前の部屋が様々なメーカーがBluetooth機器を展示するブースで、奥のホールがセミナー会場です。
「Bluetooth最新情報:技術発展とAuracastの普及に関するハイライト」というセミナーではBluetooth SIG APAC&中国担当 シニアディレクター ロリ・リー氏がBluetooth の概要と歩みの概要を解説、興味深かったのは米国FCCがワイヤレスイヤフォンと補聴器の関係について勧告を行ったという点、そしてAuracastアシスタントにTWSのチャージングケースも使えると言及した点です。
前者は最近のAirPods Pro2のOTC補聴器機能とも関係しますし、後者はこれまでAuracastアシスタントは主にスマホやPCと言われていたものを、私のPhilewebの記事のようにTour Pro3の液晶ケースのようなデバイスにもBluetooth SIGが言及したという点で画期的です。
またAuracastのシナリオを解説した図には私がアスキーで記事を書いたAuriも含まれていました。
Auriシステム紹介記事リンク
https://ascii.jp/elem/000/004/183/4183952/2/
自分の情報認識とSIGの考えていることをすり合わせできたという点でも意味があります。

右図の赤丸部分がAuriシステム
「広がる Bluetooth LE Audio ワールド」というセミナーではLE Audioのキーパーソンであるソニーの関正彦氏によるLE Audio概要を解説。興味深い点としてはゲーミングプロファイルであるGMAPと従来の音声プロファイルTMAPの拡張です。
GMAPは昨年暮れに発表された新しいプロファイルで、ゲーミングに特化したものです。特徴は低遅延で30msを達成するとのこと。次世代TMAPではハイレゾ、サラウンド、安定性向上、ワイヤレスマイク(複数) 、そして機能拡張などが可能になるということ。
2028年には80%がLE Audio対応機器になるということですが、さてアップルはという気もします。

ノルディックのAuracast対応SoCのセミナーも興味あったのですが都合があり退席。
さて、セミナー会場では同時通訳が行われており、それをBoschのワイヤレスタイプの受信機で聴講することができました。これはINTEGRUSというシステムで赤外線通信を用いています。これが一般的な会議・セミナーでの聴講システムですね。
Bosch INTEGRUSリンク
https://www.boschsecurity.com/xc/en/solutions/conference-solutions/language-distribution-system/

Bosch INTEGRUSポケット受信機
一方で実は会場ではAuracastで同時通訳がブロードキャストされており、私は持参したJBL Tour Pro3でAuracastで聴くことができました。Auracast送信機にはST Microのシステムが使われていたようです。

BoschのINTEGRUSポケット受信機(右)とJBL Tour Pro3
Auracastの使用法は液晶ケースの画面をフリックしてBluetoothマークの表示されている画面に持ってきます。そこで「追加」ボタンを押下すると最下部に三角のAuracastのロゴが表示されます。これを押下すると少しの同期する時間の後に会場にブロードキャストされているAuracastチャンネルの一覧が現れます。ちなみに正確にいうと「Auracastチャンネル」は私が便宜的に使用している名称で、Auracast送信機がブロードキャストしているAdvertise情報の一覧です。

Tour Pro3の画面。一番下のロゴがAuracastロゴで、これを押下すると同期ができる
ここには隣の部屋のデモも合わせて複数のチャンネルが表示されますが、その中の"Japanese"(日本語音声)と"English"(英語音声)の二つがセミナーのチャンネルです。これを選択するとTour Pro3から日本語または英語の音声が流れてきます。
BoschのINTEGRUSの音声は中域に特化した昔の電話のような音質ですが、Tour Pro3は高域寄りの鮮明な音質です。もちろんTour Pro3のANC機能を使って会場の背景ノイズを消すことが可能です。
Auracastの音声はやや途切れがちですが、これはなんの影響かはわかりません。もしかするとWi-Fi機器が多いので2.4G帯干渉によるものかもしれません。(BoschのINTEGRUSが赤外線を使用しているのは2.4G帯干渉を避けるため)

セミナーで実際にAuracastで聴講。Englishは英語音声チャンネル
実際にAuracastで聴講してみて気がついたのは、Tour Pro3の液晶ケースで音量調整ができることが便利だということです。なぜかというと、Auracast使用中はスマホとはコントロールが切断されてるので、スマホで音量は変えられません。イヤフォンでもボリュームは変えられますが、方法が機種によって違うので使用に難があります。液晶ケースで音量調整できると便利ですね。
この状況でiPhoneのJBLアプリを開くとBluetoothソースリストにAuracastのチャンネルも表示されます。スマホとはコントロールは切断されていますが、セッション自体は維持していて、Auraacastを終了して通常のBluetooth(ここではクラシックBluetooth)に戻っても再接続やペアリングをし直す必要はありません、
展示会場ではAuracast experienceと似たAuracastのデモが行われていましたが、このAuracast送信機は中国のtelink製でUSBドングルに実装されています。
Tour Pro3ではチャンネルにB23 Gate(空港ゲート案内)とTV1(スポーツバーのデモ、バスケの試合)を選んで聴くことができました。この会場では音声の途切れはありません。

TV1チャンネルでバスケの試合観戦、右はTelinkの送信機
Philewebの記事に書いた東芝情報システムも出展していて、同時通訳システムのデモをしていました。ここでも自分のTour Pro3で再度試してみました。

またCEarではパヴェでいち早くAuracastを取り入れてCEar Fieldとして独自展開していましたが、その送信機のみの機能を持つ機器を展示していました。これは3.5mmアナログ端子を備えていて、TVなどの音声をCEar Filedで飛ばせます。Privateモードでパヴェ専用ですが、通常のAuracastでの送信もできるようです。
価格は11,000円で年末に発売されるようです。

パヴェ・送信専用モデル
今回は実際にJBL Tour Pro3を用いてAuracastを実際に試せましたが、たしかに自分のイヤフォンを持ってセミナーを聞きに行くというのはちょっとした未来体験でした。ANCなどの機能を合わせることができ、工夫すればさらに音質も改善できるでしょう。
一方でセミナーでの音質や途切れの問題など、課題もいくつかあるように思います。しかしBoschのシステムではこちらでは何もできませんが、自前のイヤフォンならイコライザーの調整など調整手段もあります。
また会場ではSTマイクロ(セミナー)、ノルディック(東芝情報システム)、Telink(Auracast Experienceデモ)、クアルコム(パヴェ)など様々な種類の送信機が使われていました。それぞれチップ型やマイコン型などいろいろと実装の方式や柔軟性が異なり、アナログ入力やドングル型など様々な応用ができます。これらの多様な機器の組み合わせで、これまでのスマホとTWSの組み合わせよりもより柔軟なBluetoothオーディオの可能性が見えてくるのかもしれないとも思います。
ここでは様々なAuracast機器が展示、デモされていましたが、そこに先のPhilewebの記事で書いたJBL Tour Pro3を持参して行って実際に使いました。
PhilewebのAuracast記事リンク
https://www.phileweb.com/sp/review/column/202410/28/2457.html
会場は手前の部屋が様々なメーカーがBluetooth機器を展示するブースで、奥のホールがセミナー会場です。
「Bluetooth最新情報:技術発展とAuracastの普及に関するハイライト」というセミナーではBluetooth SIG APAC&中国担当 シニアディレクター ロリ・リー氏がBluetooth の概要と歩みの概要を解説、興味深かったのは米国FCCがワイヤレスイヤフォンと補聴器の関係について勧告を行ったという点、そしてAuracastアシスタントにTWSのチャージングケースも使えると言及した点です。
前者は最近のAirPods Pro2のOTC補聴器機能とも関係しますし、後者はこれまでAuracastアシスタントは主にスマホやPCと言われていたものを、私のPhilewebの記事のようにTour Pro3の液晶ケースのようなデバイスにもBluetooth SIGが言及したという点で画期的です。
またAuracastのシナリオを解説した図には私がアスキーで記事を書いたAuriも含まれていました。
Auriシステム紹介記事リンク
https://ascii.jp/elem/000/004/183/4183952/2/
自分の情報認識とSIGの考えていることをすり合わせできたという点でも意味があります。
右図の赤丸部分がAuriシステム
「広がる Bluetooth LE Audio ワールド」というセミナーではLE Audioのキーパーソンであるソニーの関正彦氏によるLE Audio概要を解説。興味深い点としてはゲーミングプロファイルであるGMAPと従来の音声プロファイルTMAPの拡張です。
GMAPは昨年暮れに発表された新しいプロファイルで、ゲーミングに特化したものです。特徴は低遅延で30msを達成するとのこと。次世代TMAPではハイレゾ、サラウンド、安定性向上、ワイヤレスマイク(複数) 、そして機能拡張などが可能になるということ。
2028年には80%がLE Audio対応機器になるということですが、さてアップルはという気もします。
ノルディックのAuracast対応SoCのセミナーも興味あったのですが都合があり退席。
さて、セミナー会場では同時通訳が行われており、それをBoschのワイヤレスタイプの受信機で聴講することができました。これはINTEGRUSというシステムで赤外線通信を用いています。これが一般的な会議・セミナーでの聴講システムですね。
Bosch INTEGRUSリンク
https://www.boschsecurity.com/xc/en/solutions/conference-solutions/language-distribution-system/
Bosch INTEGRUSポケット受信機
一方で実は会場ではAuracastで同時通訳がブロードキャストされており、私は持参したJBL Tour Pro3でAuracastで聴くことができました。Auracast送信機にはST Microのシステムが使われていたようです。
BoschのINTEGRUSポケット受信機(右)とJBL Tour Pro3
Auracastの使用法は液晶ケースの画面をフリックしてBluetoothマークの表示されている画面に持ってきます。そこで「追加」ボタンを押下すると最下部に三角のAuracastのロゴが表示されます。これを押下すると少しの同期する時間の後に会場にブロードキャストされているAuracastチャンネルの一覧が現れます。ちなみに正確にいうと「Auracastチャンネル」は私が便宜的に使用している名称で、Auracast送信機がブロードキャストしているAdvertise情報の一覧です。
Tour Pro3の画面。一番下のロゴがAuracastロゴで、これを押下すると同期ができる
ここには隣の部屋のデモも合わせて複数のチャンネルが表示されますが、その中の"Japanese"(日本語音声)と"English"(英語音声)の二つがセミナーのチャンネルです。これを選択するとTour Pro3から日本語または英語の音声が流れてきます。
BoschのINTEGRUSの音声は中域に特化した昔の電話のような音質ですが、Tour Pro3は高域寄りの鮮明な音質です。もちろんTour Pro3のANC機能を使って会場の背景ノイズを消すことが可能です。
Auracastの音声はやや途切れがちですが、これはなんの影響かはわかりません。もしかするとWi-Fi機器が多いので2.4G帯干渉によるものかもしれません。(BoschのINTEGRUSが赤外線を使用しているのは2.4G帯干渉を避けるため)
セミナーで実際にAuracastで聴講。Englishは英語音声チャンネル
実際にAuracastで聴講してみて気がついたのは、Tour Pro3の液晶ケースで音量調整ができることが便利だということです。なぜかというと、Auracast使用中はスマホとはコントロールが切断されてるので、スマホで音量は変えられません。イヤフォンでもボリュームは変えられますが、方法が機種によって違うので使用に難があります。液晶ケースで音量調整できると便利ですね。
この状況でiPhoneのJBLアプリを開くとBluetoothソースリストにAuracastのチャンネルも表示されます。スマホとはコントロールは切断されていますが、セッション自体は維持していて、Auraacastを終了して通常のBluetooth(ここではクラシックBluetooth)に戻っても再接続やペアリングをし直す必要はありません、
展示会場ではAuracast experienceと似たAuracastのデモが行われていましたが、このAuracast送信機は中国のtelink製でUSBドングルに実装されています。
Tour Pro3ではチャンネルにB23 Gate(空港ゲート案内)とTV1(スポーツバーのデモ、バスケの試合)を選んで聴くことができました。この会場では音声の途切れはありません。
TV1チャンネルでバスケの試合観戦、右はTelinkの送信機
Philewebの記事に書いた東芝情報システムも出展していて、同時通訳システムのデモをしていました。ここでも自分のTour Pro3で再度試してみました。
またCEarではパヴェでいち早くAuracastを取り入れてCEar Fieldとして独自展開していましたが、その送信機のみの機能を持つ機器を展示していました。これは3.5mmアナログ端子を備えていて、TVなどの音声をCEar Filedで飛ばせます。Privateモードでパヴェ専用ですが、通常のAuracastでの送信もできるようです。
価格は11,000円で年末に発売されるようです。
パヴェ・送信専用モデル
今回は実際にJBL Tour Pro3を用いてAuracastを実際に試せましたが、たしかに自分のイヤフォンを持ってセミナーを聞きに行くというのはちょっとした未来体験でした。ANCなどの機能を合わせることができ、工夫すればさらに音質も改善できるでしょう。
一方でセミナーでの音質や途切れの問題など、課題もいくつかあるように思います。しかしBoschのシステムではこちらでは何もできませんが、自前のイヤフォンならイコライザーの調整など調整手段もあります。
また会場ではSTマイクロ(セミナー)、ノルディック(東芝情報システム)、Telink(Auracast Experienceデモ)、クアルコム(パヴェ)など様々な種類の送信機が使われていました。それぞれチップ型やマイコン型などいろいろと実装の方式や柔軟性が異なり、アナログ入力やドングル型など様々な応用ができます。これらの多様な機器の組み合わせで、これまでのスマホとTWSの組み合わせよりもより柔軟なBluetoothオーディオの可能性が見えてくるのかもしれないとも思います。
2024年10月07日
CanJam SoCal 2024での注目機種
さる9月28日・29日の週末にCanJam SoCalが開催されました。SoCalはSouth Californiaのことです。イベントはロサンゼルスで開催され、HeadFiでも最大規模のイベントです。
以下動画やコメントを読みながら気になった機種をいくつか挙げます。日本からはfinal D8000 DCやブリスオーディオの富嶽も出ていたようです。
動画は下記リンク。画像は主に動画から。なんと最長の3時間もあり、単に見るだけでも大変です。
Campfire Audio「Clara」

おそらく今回の目玉でCampfire Audioの新作。Nine Inch Nailsのアレッサンドロ・コルティーニとのコラボレーション。
ノーマル版と限定のチタニウム版の二種類のシェルがあり、ケーブルも異なるようです。チタン版にはより高級なケーブルが付属するよう。標準はおそらくタイムストリームケーブルだと思います。
低域は一基のバイオセルロース振動板のデュアルマグネット形式で新設計だけどCascara とBonnevilleの延長。2個マグネットあるけどドライバーとしては一基だそう。
中域はデュアルダイアフラムのBAが一基、二基のスーパーツイーター高域ドライバーだそう。
ゲストコメントによると音的には低音の重さが印象的で、チタン版は少し暖かめで通常版は明るめということ。NINの曲には合っていそうです。
AUBUS Acoustics「SIERRA」

CanJam発のヘッドフォンでHeadFierが開発したヘッドフォンのようで、Judeがダンクラークと比較してました。ダンクラークも元々はCanJamに改造Fostexを持ってきていたHeadFierで、そこから今のダンクラークオーディオにつながっています。
アルミの3Dプリントを多用したパーツを使用、特に耳介にに当たるような工夫をしているようで、元ゼンハイザーのアクセル氏のヘッドフォンとの共通性もあるかもしれません。
価格は$900のようです。イベントのコメントでも音質は好意的で、低域はかなりあるけれどもよくコントロールされているとか。
HiFi for all「HFA Dalia」

50mmドライバーを搭載した開放型のヘッドフォン。特徴は2ステージのリゾネーターシステムというのを搭載していて音のチューニングを変えることができます。「バランス」と「ダイナミック」というチューニングがあるようです。
これは動画でJudeが持っているようにリング状をしていて、はめ込んでエアフローを変えるという方式のようです。もしかするとダンクラークのAMTSのような働きがあるのかもしれません。
https://hififorall.com/products/hfa-dahlia-headphone?srsltid=AfmBOoqkyzV_0jMvC-YpHFCzVVqyDdROotZuJZyYjpBR2qOvgndWzNmN
64 Audio 「SOLO」

ブランド初の平面磁界型ドライバーを採用。14.2mmのシングルフルレンジドライバー。2Wayで平面磁界型を採用したCampfire AudioのAstrolithも極めて高い音性能を有していますが、平面磁界型イヤフォンもMEMS同様に次の波になるかもしれません。SOLOでは独自のヘルムホルツ・レゾネーターを開発、SOLOでもAstrolithでも新設計の音響チャンバーを加えていることからも、ちょっとした工夫とノウハウは必要と思われます。
https://www.64audio.com/products/solo?srsltid=AfmBOorVxW9WYjELKBsSTdz500lhboh557bnZD8Rp0y7d2niuvgo8xra
Ray Samuels Audio「B-21 Raider」
なんとSR-71のレイサミュエルズ氏の新作。ヘッドフォンアンプでダイナミック型と静電型の両方を使用できます。
https://www.raysamuelsaudio.com/products/a-10.html
https://www.head-fi.org/showcase/ray-samuels-audio-b-21-raider.27324/reviews
ちなみにレイサミュエルズ氏をヘッドフォン祭に招いたことがあります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/299556400.html
2012年のヘッドフォン祭です。この時は記念にSR-71にサインをしてもらいました。またいつかきて欲しいところです。

2012年のヘッドフォン祭より
以下動画やコメントを読みながら気になった機種をいくつか挙げます。日本からはfinal D8000 DCやブリスオーディオの富嶽も出ていたようです。
動画は下記リンク。画像は主に動画から。なんと最長の3時間もあり、単に見るだけでも大変です。
Campfire Audio「Clara」
おそらく今回の目玉でCampfire Audioの新作。Nine Inch Nailsのアレッサンドロ・コルティーニとのコラボレーション。
ノーマル版と限定のチタニウム版の二種類のシェルがあり、ケーブルも異なるようです。チタン版にはより高級なケーブルが付属するよう。標準はおそらくタイムストリームケーブルだと思います。
低域は一基のバイオセルロース振動板のデュアルマグネット形式で新設計だけどCascara とBonnevilleの延長。2個マグネットあるけどドライバーとしては一基だそう。
中域はデュアルダイアフラムのBAが一基、二基のスーパーツイーター高域ドライバーだそう。
ゲストコメントによると音的には低音の重さが印象的で、チタン版は少し暖かめで通常版は明るめということ。NINの曲には合っていそうです。
AUBUS Acoustics「SIERRA」
CanJam発のヘッドフォンでHeadFierが開発したヘッドフォンのようで、Judeがダンクラークと比較してました。ダンクラークも元々はCanJamに改造Fostexを持ってきていたHeadFierで、そこから今のダンクラークオーディオにつながっています。
アルミの3Dプリントを多用したパーツを使用、特に耳介にに当たるような工夫をしているようで、元ゼンハイザーのアクセル氏のヘッドフォンとの共通性もあるかもしれません。
価格は$900のようです。イベントのコメントでも音質は好意的で、低域はかなりあるけれどもよくコントロールされているとか。
HiFi for all「HFA Dalia」
50mmドライバーを搭載した開放型のヘッドフォン。特徴は2ステージのリゾネーターシステムというのを搭載していて音のチューニングを変えることができます。「バランス」と「ダイナミック」というチューニングがあるようです。
これは動画でJudeが持っているようにリング状をしていて、はめ込んでエアフローを変えるという方式のようです。もしかするとダンクラークのAMTSのような働きがあるのかもしれません。
https://hififorall.com/products/hfa-dahlia-headphone?srsltid=AfmBOoqkyzV_0jMvC-YpHFCzVVqyDdROotZuJZyYjpBR2qOvgndWzNmN
64 Audio 「SOLO」
ブランド初の平面磁界型ドライバーを採用。14.2mmのシングルフルレンジドライバー。2Wayで平面磁界型を採用したCampfire AudioのAstrolithも極めて高い音性能を有していますが、平面磁界型イヤフォンもMEMS同様に次の波になるかもしれません。SOLOでは独自のヘルムホルツ・レゾネーターを開発、SOLOでもAstrolithでも新設計の音響チャンバーを加えていることからも、ちょっとした工夫とノウハウは必要と思われます。
https://www.64audio.com/products/solo?srsltid=AfmBOorVxW9WYjELKBsSTdz500lhboh557bnZD8Rp0y7d2niuvgo8xra
Ray Samuels Audio「B-21 Raider」
なんとSR-71のレイサミュエルズ氏の新作。ヘッドフォンアンプでダイナミック型と静電型の両方を使用できます。
https://www.raysamuelsaudio.com/products/a-10.html
https://www.head-fi.org/showcase/ray-samuels-audio-b-21-raider.27324/reviews
ちなみにレイサミュエルズ氏をヘッドフォン祭に招いたことがあります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/299556400.html
2012年のヘッドフォン祭です。この時は記念にSR-71にサインをしてもらいました。またいつかきて欲しいところです。
2012年のヘッドフォン祭より
2024年07月31日
2024年06月08日
2024年03月15日
「坂本龍一のピアノ展」レポート
ヤマハ銀座店で3月13日から28日までの期間、「坂本龍一のピアノ展」が開催されています。
https://retailing.jp.yamaha.com/shop/ginza/event/detail?id=5054
これは坂本龍一氏の所有していたピアノの展示会ですが、特徴的なのは自動演奏が行われるということです。坂本龍一氏はレコーディングの際に氏が所有するヤマハのコンサートピアノ「CFIIIS-PSXG」を使用していたのですが、このピアノは自動演奏および記録機能付きピアノであり、氏はピアノの音をレコーディングすると同時にその演奏をMIDIデータにも記録していたそうです。
このイベントではその坂本龍一氏が実際に使用していたピアノを使用し、坂本龍一氏の演奏を実際に記録したデータを用いて自動演奏をするわけです。この点では先進的なYMOで一世を風靡した教授らしい、というところですね。
またこれはこのブログでいままで書いてきたような自動ピアノ演奏の一例でもあります。
本イベントにさっそく足を運んでみました。
まず自動演奏は1Fのオペラピアノで「戦場の戦場のメリークリスマス」1曲を30分おきに演奏します。このピアノはヤマハが坂本氏がピアノを演奏しながらオーケストラを指揮して弾き振りをするようなイメージで設計したということ。調べてみると映画の中で実際には使用されていたようです。

オペラピアノ、右は演奏中でハンマーが動作しているのがわかります
B2Fのヤマハホールでは5曲30分のミニコンサート形式で自動演奏を行います。

会場全景
曲目は以下の通りです。
1. Aqua [1998年収録]
2. energy flow [1999年収録]
3. put your hands up [1999年収録]
4. 鉄道員[1999年収録]
5. Merry Christmas Mr. Lawrence
(映画 戦場のメリークリスマス)[2020年収録]
こちらのピアノはメインの教授愛用のコンサートグランドピアノ「CFIIIS-PSXG」です。(ホールでは写真のみOKで動画・録音は禁止)
咳をするとよく響くかなりライブな音響のホールです。

自動演奏中のCFIIIS-PSXG
演奏は背景にありし日の写真を投影しながら行います。鍵盤だけではなくペダルも当然動作し、まるで本人がいるかのように思えます。
曲の最後の余韻部分では鍵盤から手を離して右ペダルだけ残しているのがわかります。
教授のタッチは柔らかくて心に染み入るような優しい感じがします。美しい曲を心を込めて優しく弾いているように感じられます。
まるで生演奏のように聴き入ってしまい、その音の美しさがすごく感動的だったので、一度ミニコンサートを聴いて、1Fでオペラピアノの演奏を聴いて、またB2Fに戻るという感じで二回続けて聴いてしまいました。

参考展示のCP88とDX7
もちろん本人がいたほうが良いのではありますが、こうして演奏を残していけるというのは時代に感謝です。

https://retailing.jp.yamaha.com/shop/ginza/event/detail?id=5054
これは坂本龍一氏の所有していたピアノの展示会ですが、特徴的なのは自動演奏が行われるということです。坂本龍一氏はレコーディングの際に氏が所有するヤマハのコンサートピアノ「CFIIIS-PSXG」を使用していたのですが、このピアノは自動演奏および記録機能付きピアノであり、氏はピアノの音をレコーディングすると同時にその演奏をMIDIデータにも記録していたそうです。
このイベントではその坂本龍一氏が実際に使用していたピアノを使用し、坂本龍一氏の演奏を実際に記録したデータを用いて自動演奏をするわけです。この点では先進的なYMOで一世を風靡した教授らしい、というところですね。
またこれはこのブログでいままで書いてきたような自動ピアノ演奏の一例でもあります。
本イベントにさっそく足を運んでみました。
まず自動演奏は1Fのオペラピアノで「戦場の戦場のメリークリスマス」1曲を30分おきに演奏します。このピアノはヤマハが坂本氏がピアノを演奏しながらオーケストラを指揮して弾き振りをするようなイメージで設計したということ。調べてみると映画の中で実際には使用されていたようです。
オペラピアノ、右は演奏中でハンマーが動作しているのがわかります
B2Fのヤマハホールでは5曲30分のミニコンサート形式で自動演奏を行います。
会場全景
曲目は以下の通りです。
1. Aqua [1998年収録]
2. energy flow [1999年収録]
3. put your hands up [1999年収録]
4. 鉄道員[1999年収録]
5. Merry Christmas Mr. Lawrence
(映画 戦場のメリークリスマス)[2020年収録]
こちらのピアノはメインの教授愛用のコンサートグランドピアノ「CFIIIS-PSXG」です。(ホールでは写真のみOKで動画・録音は禁止)
咳をするとよく響くかなりライブな音響のホールです。
自動演奏中のCFIIIS-PSXG
演奏は背景にありし日の写真を投影しながら行います。鍵盤だけではなくペダルも当然動作し、まるで本人がいるかのように思えます。
曲の最後の余韻部分では鍵盤から手を離して右ペダルだけ残しているのがわかります。
教授のタッチは柔らかくて心に染み入るような優しい感じがします。美しい曲を心を込めて優しく弾いているように感じられます。
まるで生演奏のように聴き入ってしまい、その音の美しさがすごく感動的だったので、一度ミニコンサートを聴いて、1Fでオペラピアノの演奏を聴いて、またB2Fに戻るという感じで二回続けて聴いてしまいました。
参考展示のCP88とDX7
もちろん本人がいたほうが良いのではありますが、こうして演奏を残していけるというのは時代に感謝です。
2023年12月30日
2023年10月22日
High End Societyの「WORLD OF HEADPHONES」ショウ単独開催の記事をアスキーに執筆
High End Societyの「WORLD OF HEADPHONES」ショウ単独開催の記事をアスキーに執筆しました。
https://ascii.jp/elem/000/004/153/4153915/
https://ascii.jp/elem/000/004/153/4153915/
2022年09月08日
2022年05月05日
Posted Tokyo Headphone festival 2022 mini report, April 29 on head-fi
Posted Tokyo Headphone festival 2022 mini report, April 29 on head-fi.
https://www.head-fi.org/threads/tokyo-headphone-festival-2022-mini-report-april-29.963200/
https://www.head-fi.org/threads/tokyo-headphone-festival-2022-mini-report-april-29.963200/
2022年03月29日
CanJamシンガボールの新製品
今週末にHeadFiのCanJamシンガポールが3年ぶりにリアル開催されます。その紹介動画から。
https://www.head-fi.org/threads/canjam-singapore-2022-april-2-3-2022.922817/page-14#post-16885470
Noble Audioがたくさんの新製品を出します。
Noble Audio Jade
4BA ダイナミックのハイブリッド。柔らかっぽい。低音強調でドラマー、ベーシスト向け。

Noble Audio Kadence(ケイデンス)
8BA。たぶんスタジオモニター風。フラット。ヴォーカルがいい。かなりクッキリ系。センシティブ。

Noble Audio DXII (ディー・トゥエルブ)
1ダイナミック 中域がいい Khanの中域の良さを1/4の値段で、みたいな。

Noble Audio Kublai Khan(クーブライカン、ふびらいかん)
4Way 4BA 1ダイナミック 1ピエゾツイータはKhanと同じだがボーンコンダクティングトランデューサーって言ってるけど骨伝導ドライバ?fir audioのタクタルベースっぽい仕組みか?

ifi zen airシリーズ DACとBlue。
blueはデスクトップのワイヤレスオーディオ向け。blueもdacも価格ドルで$99というお値打ち。

Meze Audio Advar
10mm ダイナミック。スムーズベルベットサウンド。
judeはイヤホンにしては広々した音場(roomy sound stage)と言っております。

CanJamシンガポールにはFitearもJabenブースで出るそう。
finalもZE3000を出展。

https://www.head-fi.org/threads/canjam-singapore-2022-april-2-3-2022.922817/page-14#post-16885470
Noble Audioがたくさんの新製品を出します。
Noble Audio Jade
4BA ダイナミックのハイブリッド。柔らかっぽい。低音強調でドラマー、ベーシスト向け。
Noble Audio Kadence(ケイデンス)
8BA。たぶんスタジオモニター風。フラット。ヴォーカルがいい。かなりクッキリ系。センシティブ。
Noble Audio DXII (ディー・トゥエルブ)
1ダイナミック 中域がいい Khanの中域の良さを1/4の値段で、みたいな。
Noble Audio Kublai Khan(クーブライカン、ふびらいかん)
4Way 4BA 1ダイナミック 1ピエゾツイータはKhanと同じだがボーンコンダクティングトランデューサーって言ってるけど骨伝導ドライバ?fir audioのタクタルベースっぽい仕組みか?
ifi zen airシリーズ DACとBlue。
blueはデスクトップのワイヤレスオーディオ向け。blueもdacも価格ドルで$99というお値打ち。
Meze Audio Advar
10mm ダイナミック。スムーズベルベットサウンド。
judeはイヤホンにしては広々した音場(roomy sound stage)と言っております。
CanJamシンガポールにはFitearもJabenブースで出るそう。
finalもZE3000を出展。

