Music TO GO!

2015年09月11日

Astell & Kern AK380専用アンプレビュー

AK380が登場した時に発表となっていた待望のAK380専用アンプがいよいよ発売されます。名称は「Astell&Kern AK380 アンプ メテオリックチタン」です。本稿では以降AK380アンプ、または単にアンプと書きます。

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予約は本日から開始、発売は9月18日からです。価格はオープンですが、参考としては直販が99,980円(税込)です。

* AK380アンプの特徴

このアンプの特徴はAK380専用の設計をして使い勝手と音質の両立を実現していることです。
そのポイントの一つはボリュームです。下の図を見てもらうとわかりますが、AK380アンプ側にもボリュームがあります。このAK380アンプのボリュームは確認したところ実はアナログボリュームです。しかしアンプの外にはボリュームノブらしきものはありません。このアンプのアナログボリュームはAK380本体のボリュームからUSB経由でコントロールされるのです。

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Astell&kernのデジタルプレーヤーは伝統的にDAC内のデジタルボリュームを使用してきました。これはかさばるボリューム回路がないのでプレーヤーをコンパクトに作ることができます。
しかし反面でデジタルボリュームは計算誤差によりビット落ちをしてしまう可能性があり、それが音質低下を引き起こしてしまいがちです。それをふせぐために取られる手法の一つはアナログボリュームを使うことです。

そこでAK380アンプでは、余裕のあるアンプ側にアナログボリュームを設けて、AK380側ではデジタルボリュームを切って(Maxにして)出力します。またAK380とAK380アンプの間は音質の劣化するミニプラグではなく、専用の4ピンプラグでバランス伝送で信号が渡されます。
AK380アンプのボリュームはAK380本体のボリュームノブの動きを信号として受けてUSB経由でAK380アンプに変化量が渡されます。USBはボリューム情報を渡すことができますので、これでAK380アンプ内のボリュームをリモート制御して動かします。
(ちなみにUSB信号でアナログボリュームをリモートコントロールするというのははAudioQuestのDragonflyでも取られた手法です)
これによって、一体型としての利便性を確保したうえで、音質の上では有利なアナログボリュームをAK380で使用することができるというわけです。

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そのほかのスペックを簡単に書くと、バッテリー容量は3400mahで本体と同じです。実際の持ちは出力のモードにより異なり、アンバランス出力で9時間ということです。出力は高ゲインでは8.1Vrmsと低ゲインの2.1Vrmsよりかなり高くなっています。

* 簡単な使い方

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1.まずAK380の肩にある背面のねじを外します。

2.次にAK380とAK380アンプを合体させます。USBと4ピンでアンプと本体が接合されます。

3.そしてAK380アンプ側のねじでさきほど外したねじの箇所を留めます。

4.イヤフォンをAK380アンプのバランス、またはアンバランスに装着します。バランスは本体と同じく自動検知されます。

5.AK380の電源をオンにします。(アンプ側と電源は連動しています)

6.AK380のメニューを引き出して、AMPのボタンをオンにします。すると自動で音量が落ちます(耳を保護するため)

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7.設定ボタンを押して、アンプの項目から高ゲイン、または低ゲインを選びます。低ゲインであればAK380本体と音量はさほど変わりません。高ゲインでは音量が高くなります。

8.音量をあげます。(イヤフォンを抜くとまた音量が自動で下がります)

充電はアンプのUSBポートを使うだけで本体もアンプも充電されます。またアンプ側のUSBポート経由でデータの転送も可能ですが、アンプを使用しているときにはUSB DACは使えません。
使用中はかなり熱くなりますので多少注意してください。

* AK380アンプの音質

おそらく一番気になるのはこの専用アンプをつけてどのくらい音質向上があるか、ということでしょう。

たぶん高ゲインでの音の差はすぐにわかると思います。力強さが一段と増して、ドラムのインパクトがパワフルになり、ギターのキレが一段とシャープさを増します。
ロックやエレクトロミュージックは一段とかっこよく、パワフルで元気よく鳴るようになります。音調というか音の個性はAK380のままでパワフルになるという感じでしょうか。イヤフォンとの組み合わせによってはちょっとクセになりそうな力強いパワー感が味わえます。

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低ゲインでは音量が単体で聴くのとほぼ同じということもあり、はじめ差がわかりにくいかもしれませんがアコースティック音楽のハイレゾ音源など、高品質の音楽を聴いていると解像力が単体より高く、音の芯もより明瞭にかっちりとしていることがわかります。AK380の解像度がさらに上がるように感じられ、また音がより明瞭に深く表現されます。
完全なユニティゲイン(1:1)ではなく微妙に音圧は上がりますがそれ以上の変化があると思います。
ゆったりした音楽で高ゲインだと押しが強すぎるがシャープさは落としたくないというときも低ゲインが良いと思います。

また使用するイヤフォンや聴く音楽によって低ゲインと高ゲインは使い分けられるでしょう。
私なら低ゲインではJH AudioのLayla UF、高ゲインではCampfireのLyraがお気に入りです。

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JHA Layla UFは性能が高すぎるゆえに、使用するシステムを選んでしまい、なかなかこれというのがありませんでしたが、このAK380アンプはバランスでLaylaの魔法のような音空間を堪能させて聴かせてくれます。Laylaをロックでこんなにかっこよくパワフルに鳴らし、オーケストラでは独特の立体的な音空間でスケール感豊かに、情報量豊かに鳴らします。

CampfireのLyraはさっそくAK380アンプの高ゲインで大活躍してくれます。スピード感がありベースはインパクト力強く鋭く、高音域は澄み切って透明感があります。
高ゲインではAKT5pもまたオススメです。AK380単体とは明らかに異なるレベルのインパクト感が得られます。またイヤフォンとは異なる空間の広がりも一層堪能できます。

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他の外付けアンプとして、重量級のiQube V3と比較してみました。iQube V3へはアナログ入力で、高品質のCrystal CablesのMicro線材を使用したケーブル(Dirigent red label)を使用して、AK380からはLineoutモードでミニ端子から出力というかたちに組み合わせました。
同じ曲で聴き比べてみました。個性はやや違いますが、全体的な性能はAK380アンプが少し上と言ってよいのではないかと思います。やはり直付けの専用設計というところが効いているでしょう。またiQubeだとややドライなiQubeの音になりますのでそこも音調がAK380単体と合わせてあるAk380アンプはなかなか好ましいと思います。

また実際に使ってみると曲送りコントロールとボリュームはAK380本体なので便利なのも特筆点です。他のアンプを使うとボリュームは別になってしまいます。またケーブルもいらないので、コンパクトに使うことができます。外付けアンプだと電源も別々になってしまいますね。

電池の持ちはすっかり測ってませんが、両方ともフルチャージしてから聴き始めると、アンプの方が先になくなるけれど、そんな差ではないと思います。43%と38%とか、そんなものですが、ここはさきに書いたようにゲインのモードでも違うでしょう。

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ボリューム位置にはLEDライトアップがありますが、ちょっとしたギミックで面白いですね。

* まとめ

AK380アンプはAK380の圧倒的な情報量を活かして、よりクリアでパワフル、さらに上質の音を提供しています。そのうえで電源ボタンもボリュームもAK380本体と連動するので使い勝手は単体とあまり変わりません。

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これは一体型アンプとか合体アンプというよりも、AK380の完成系って言った方がむしろ正しいかもしれません。特に低ゲインで聴いてるとそう思います。一方で高ゲインだと別物感を楽しめるので、外付けアンプで音を大きく変えたい人にも魅力的でしょう。
おそらく買う前はつけたら重いとか、かさばるとか言うかもしれないけど、いったんつけたらもう外さないと思いますよ。
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2015年07月08日

Astell & Kern AK380がいよいよ発売! 開封の儀

Astell & Kernの新しいフラッグシップ、AK380の発売がいよいよ7月10日のこの金曜日から開始されます。
それに先立って生産版を入手しましたので開封の儀として内容を紹介します。

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外箱、DSD Nativeのステッカー、内箱

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内箱に鎮座するAK380本体

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内箱の下に格納されている革ケース(イタリア製)

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(今回はブツ撮りはKickstarterのポータブルスタジオ、Foldio2を使用しています)

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さて、生産版の音質などははまたアップしていきます。
まずは今週末のポタ妍で試聴ができますので、アユートさんのブースにお立ち寄りください!
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2015年05月26日

Astell & Kernの新ラインナップ、AK Jrレビュー

Astell & Kern AK Jr(エーケー ジュニア)は軽量薄型のAstell & Kern新ラインナップです。求めやすい価格で従来のAstell & Kernのラインナップから一歩踏み出したものといえます。

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AK Jrは薄さ8.9mm、軽さ98gと持ちやすく胸ポケットにも軽々と入ります。
筐体はアルミボディ、液晶は3.1型のタッチパネルでゴリラガラスを採用しています。DACは第一世代と同じくWolfsonのWM8740です。

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出力は3.5mmの通常のイヤフォン端子のみで、2.5mmバランスはありません。ボリュームは側面のダイヤル式なので、(実際はデジタルエンコーダーでしょうけれども)アナログ的な操作感が楽しめます。

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ストレージは内蔵64GBで、外付けのMicroSDでさらに64GB増設可能です。そのためトータルでの最大値は128GBということになります。

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PCからの楽曲の転送はUSBですが、AK第二世代とはことなりMTPではなく、第一世代と同じくUSBマスストレージクラスです。
操作はタッチパネルとAK伝統のハードボタンの併用で行えます。ファームウェアはAK第二世代とは異なり、第一世代に近いものです。
PCM入力は192kHz/24bitで、float/int 32bitにも対応しますがダウンコンバートです。DSDは2.8Mhz対応ですがこちらはPCM変換となります。
出力インピーダンスは2Ωと、よいペースレスポンスを引き出すために十分な低さを持っていますので、イヤフォンなどにも合わせやすいでしょう。

価格は直販69,800円(税込)です。フジヤさん、eイヤさんなど専門店では価格が63,500円(税込)に買換えキャンペーンが適用されます。たとえばフジヤさんの例だと指定DAPとの買換えでは8,500円引きで、5,001円以上のイヤフォン同時購入でさらに5,000円引きなど累計すると最大13,500円ほど引いて実質50,000円程度で購入することも可能だと思います。キャンペーンの条件などについて正確なところはお店に直接聞いてみてください。量販店では10%程度ポイント還元がつくとおもいます。
発売日は5月29日(金)です。

以下しばらく使ってみた感想を書いていきます。(FW1.00で聴いています)

* 使用感

箱の見た目は従来のAstell & Kernを引き継いでいますが、箱自体がいままでよりスリムという印象でちょっと面白いですね。

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外箱の中には他のAstell & Kern製品のように中箱があり、本体が収まっています。中箱の袖には保証書と説明書があります。いわゆるエントリー機としてはパッケージも立派なものですね。ここでもブランドイメージを崩さない高級感があり、ひとクラス上のものを買ったという満足感を与えてくれてると思います。
私なんかはダンボール箱に新聞にくるまった雑な梱包の海外ものになれていて、開封するときにむこうの新聞を読むのを楽しみにしてましたが、時代は変わってきてきちんとしたパッケージは欠かせないものとなってきていますね。

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取り出すと薄くて軽いと改めて思います。アルミシャーシの質感も良く、デザインも洗練されてかっこ良いですね。デザイン的には100IIより良いように思います。特にこれからの季節は胸ポケットにいれる機会が増えると思うので、こうした軽量薄型のデザインは重宝します。
ボリュームの回転も軽すぎずに、適度なトルク感とクリック感がありますので安っぽさはありません。
DAPのエントリー機の中ではやや高めの価格設定ですが、このパッケージと本体の出来を見ると納得すると思います。ハイレゾDAPの入門機というよりも、Astell & Kernブランドの入門機という感じでしょうか。

ただし操作はややもたつく感があり、操作の画面遷移の速さは問題ないのですが、楽曲をリスト表示させるところではそのリスト取り出しに時間がかかってしまうように思えます。ここはファームアップでキャッシュがスマートにできるようになるとよいのではないかと思いますね。

また曲転送がMTPではなくマスストレージなのでMacの人は便利に使えることでしょう。ただし後で一括でライブラリ更新が必要になります。これはMTPは音源をファイルとして転送しているので転送しながら再構築できるのに対して、マスストレージだと転送はバイト(ブロック)単位だから転送中は再構築できないからです。

* 音質

AK Jrというと薄型軽量で求めやすい価格という点が強調されがちですが、実のところAK Jrをしばらく使ってみて一番感じたのはその音の魅力です。
AK Jrの音は音色的にはAKブランドであることを感じさせる着色感が少ないピュアな音の質感を持ちつつも、よりダイナミックでベースの迫力があり音楽性の高さを感じます。
もともとAstell & kernブランドはAK100のころから原音忠実をキーとしてプロ用とコンシューマー用のバランスを天秤にかけつつも進化してきた経緯があります。これはあまり固有の味付けを入れないということですから、そこは聴く音楽によってベースにもっとDAPが味付けしてほしいというようなときに、いくぶん人によって不満を感じるところもあったと思います。AK Jrではそこをコンシューマー用に割り切ることで、音楽を楽しく聴けるような演出を可能としていると思います。

具体的にいうと、従来のAKに比べて低域も少し元気ですが、さらに中低域の厚みを増やして低域全体の量感が増えるようなチューニングがされてるように思います。また中高域はやや硬めなシャープさがあり、ここでも多少強調感を感じます。このシャープな中高域と厚みのある中低域の組み合わせが音に華やかな演出感を加えています。こうした低域と高域の強調感により演出的に音楽が楽しめやすい音になっていると思います。
いままでのAK上級機でもベースのレスポンスは十分ありますが、低域自体がすっきりと整理されて聞こえるのに対して、Jrでは低域でのすっきり感を減らして厚く密度感のあるチューニングになってると思います。これがエレクトロ系とかロックに向いている感じですね。

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オーディオというとよくジャズやクラシック向け、と書くことが多くて、ロックを聴きたい人は本来ラフにうねるべき音楽でも上品な演奏になりがちなところもあったかもしれません。しかしAK Jrではヘビメタやエレクトロ・打ち込み系などで音楽を楽しく聴くことができます。低域が強調されているといっても組み合わせるイヤフォンを間違えなければヴォーカル域の再現性もしっかりとしてクリアに聞き取れますのでアニソンなんかでもよいでしょうね。

この辺の音傾向が気になるとき、たとえばさらにヴォーカルを際立たせたい時などはPro EQを使用するとよいと思います。AK JrにもPro EQがあります。
Pro EQをオンにすると低域の中域へのかぶりが改善され、ヴォーカルがより聞き取りやすくなります。それで音場感もやや改善されるようにも思います。ジャズ・クラシックをJrで聴きたい人もオンが良いかもしれません。ロックやエレクトロはオフで密度感のある分厚い重いベースを楽しめるほうがよいように個人的には思います。JrではこれまでよりPro EQで一粒で二度美味しい感があるように思いますね。

特定の音楽に合わせるにはフラットな音+自分でイコライザで調整という考え方もありますが、普及機ではない高性能DAPクラスの音機材としてはやはりはじめから音の個性として提供してほしいという気もします。
たとえば私は10年前にポータブルアンプのSR71を買ったときに感じ入ったのは、iPodの音がワイドレンジになり解像力が高くなるというHiFi的な向上点もさることながら、その暖かみがあってベースに強調感のある音楽的な演出がとても音楽を楽しく聞かせてくれたという点です。RSAのような強い暖かみとは異なりますが、AK Jrにもやはり演出感のあるオーディオ的な強調の効果があり、ロックポップのような躍動的な音楽をより楽しく聴かせてくれます。

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私がよいと思ったイヤフォンはまずShureのSE215speです。これは低価格ながら良さを再発見するとともに、AK Jrと組み合わせた時の力強い音再現に魅力を感じます。耳に近くステージのそばで聴くような緊密感と、力強く厚く太い、しっかりしたパンチがあるベースが特徴です。
SE215speはMMCXでリケーブルできますが、ノーマルケーブル(ストック)でもとても良いですね。価格が安いのでその分ケーブルを考えてみるというのも面白いと思います。
ただSE215speだと後の上位二機種みたいな独特の音場感の良さまでは味わえないと思います。それだけAK Jrには上位イヤフォンでこそ引き出せる伸びしろがあるともいえます。

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より高い性能を求めるならJH Audioのアンジーがよいですね。アンジーを使うとひときわ音再現性の高さがわかるようになり、AK Jrが単に演出系だけではなく、基本的な音再現性も高いということがわかるでしょう。音の解像感の細かさの向上だけではなく、特に空間的な再現力、立体感が見事で実はAK Jrのポテンシャルの高さがわかるようになります。もしAK Jrをスマホより多少良い程度なんて考えてるならアンジーのような高性能イヤフォンで聴き比べてみてください。
AK Jrとアンジーを使いこなすうえでのポイントはベース調整だと思います。低音域とヴォーカルの変化に耳を傾けながら、あーでもない、こーでもないと、私もいろいろやってみましたが、この辺も楽しみながら使いこなしていけると思います。

もうひとつお勧めなのが、JVCのFX1100です。これは味+HiFi系みたいな独特の良さがあってちょっと面白いですね。


AK JrはハイレゾDAPの入門機と言われますが、私は実機を聴いてみてむしろAstell & Kernブランド初のコンシューマ専用機、と言った方が正しいと思います。
いままでAstell & Kernはプロ機って役割もあったのであまり大きく逸脱できませんでしたが、これはコンシューマと割り切ることでいわば「はめをはずす」ことができ、音楽的な味付け要素を加えられたことで音の個性が上級機と違う魅力を持たせられたと思います。
ですから、AK240とかAK120IIなどハイエンド機を持ってるひとも、どうせ入門機だろうと思わないで聴いてみてください。上級機のほうがやはり洗練されてはいますが、おそらく聴く音楽とイヤフォンによってはAK Jrも音を楽しく聞かせてくれ、気に入るかもしれません。

カメラの世界には「サブ機」というのがあって、一眼レフを持っている人でも高級コンパクトのGR1などをサブ機として併せ持つという考え方があります。それで結局はサブ機しか使わないじゃんと揶揄されたりしますね。軽くて音楽的個性のあるAK Jrにはそうしたハイエンド機がない魅力を持つサブ機としての可能性もあるんではないかと思います。特に手持ちのイヤフォンや合わせる音楽との好みがあえば、サブ機は別腹、という危険な言葉が頭をよぎるかもしれません。

* まとめ

AK Jrは曲表示が遅いという難があるものの、作りや外見からはエントリー機とはいえあまり安っぽさを感じさせない高級感があります。音的には基本的な音質の高さを持ちながら、独特のベースのパンチとダイナミックな味付けで個性的な音質が楽しめます。薄く軽く持ち出しやすい気軽さももちろん大きな魅力です。
Ak JrはAstell & Kernブランドにあこがれてステップアップを望むエントリーユーザーから、いわゆるサブ機的な個性を求める上級者まで幅広く訴求するポテンシャルを秘めた新製品ではないかと思います。
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2015年05月14日

Astell & Kernの新フラッグシップ、AK380レビュー

いまやハイエンド・デジタルオーディオプレーヤー(DAP)の代名詞ともなったAstell & Kernブランドに待望の新世代機が登場します。Astell & Kern AK380です。あのAK240に代わる新しいフラッグシップとなります。

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まず今週末のヘッドフォン祭で発表会があります。試聴機が用意されますのでお集まりください。私もそこでプレゼンします。なお試聴機については整理券の方式なのでアユートさんのホームページの案内を参照してください。
(価格や販売時期等は現時点ではわかりません)

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それに先立って一週間ほどデモ機を使用できましたので、本記事でレビューいたします。借りたデモ機は評価用の生産前モデルであることをお断りしておきます。またファームのビルド番号は0.02ですのでかなり初期です。生産版ではさらにチューニングがくわえられるということです。
生産前モデルとはいえデモ機の印象からAK380はすごい製品に仕上がったものだと感じました。私はAK240の昨年の発表会の時にAstel & Kernはポータブルブランドだけど、ハイエンドオーディオを志向していると言いましたが、AK380はその回答とも言えます。なにしろAK380はハイエンド・オーディオ機材そのものだからです。外形はキープコンセプトに見えますが、中身はかなり変わっています。

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私は昨年のメインDAPはAK240でしたし、デモユニットの時点から使い込んでかなりAK240には慣れ親しんでいます。その点でもAK380とAK240の差は気になるところです。そこで、AK240と比較しながらAK380の特徴を解説していきます。

1. 最新DAC ICチップ・AK4490とフェムトクロックの採用による大幅な音質向上

AK380の特徴はまず最新のDAC ICチップであるAKM AK4490を贅沢にデュアルで採用しているということです。
前のAK240で一番不満に思っていた点は音のかなめであるDAC ICチップがシーラスロジックのCS4398と10年ほど前の古いものであったことです。もちろんCS4398はシーラスのトップモデルとして長い実績と定評があり、たくさんの採用例があります。しかしながらデジタルの分野で10年前のICというと古さはいなめません。
AK380は昨年発表されたばかりのAKM Veritaシリーズの最新モデルであるAK4490を採用して一気に最新モデルとなりました。AK4490は新しいVeritaシリーズの中でも特に最新技術を投入したものです。

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そしてAK380ではなんとフェムトクロック(VCXO)を採用しています。フェムト(femto)クロックは最近ハイエンドオーディオ界隈で話題の高精度クロックの潮流で、femto秒クラス精度のクロックの総称です。いままでポータブルではDACチップが云々されてもクロックまで問われることはあまりありませんでした。AK380では0.2psという精度のクロックを使用することで、AK240に比べて約40%もジッター低減を果たしたということです。
*初出時にAK240と比べて二桁少ないという表現がありましたが、これは正しい記述ではなかったので上記のように訂正いたします。

このクロック重視はあとでも書きますが、AK380は完全にプロ機を想定しているからでしょう。またAK380は拡張機能により単なるポータブルプレーヤーにとどまらない、ということも書き添えておきます。

もうひとつAKM DACの利点は32bit整数ネイティブ入力が可能なことです。そのためAK380も32bit整数ネイティブ対応となっています。
PCMはつまり384kHz/32bit int対応となります。DSDはもちろんDAP単体でのDSDネイティブ再生対応で、2.8/5.6MHz対応です。

2. ドック端子が新設され拡張性が向上

AK380での大きな変化は拡張性が高くなったことです。これによりAK380は第3世代機の始まりと考えることができます。
AK380の底面にはドック端子が新設され、底面に4つの金属ピンがついています。これはアナログ・バランス出力端子です。このほかに背面に別売のアンプ固定用のピン穴があります。またデジタル信号はUSBを介して外部機器とのやりとりを行うようです。つまりUSB+4ピンアナログ端子で外部機器とのインターフェースとなるわけです。

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今回まだ外部機器については資料が来ていません。ここはいまの情報からの推測が入りますが、まず見えているのは下の画像の専用のポータブルヘッドフォンアンプです。デモ機を聴くと十分な音の制動コントロールが出来てると思いますけど、この外部アンプはさらなる駆動力を発揮してくれるでしょう。メニューにはAMPの項目が新設されています。Glove Audioの純正版みたいなものでしょうか。

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AK380と外部アンプ(暫定)

しかしながらAK380の拡張機能はそれにとどまらないと考えられます。それはAK380があたかもコアブロックのようになったオーディオシステムへの発展です。おそらくは後述のDLNA機能も含めて、AK500N相当をAK380と外部機器で実現するようなものを描いているのではないかと思います。あるいはプロ用のエンジニア機材の核として発展するのかもしれません。そうした壮大な絵を描いているように感じられます。

このほかの入出力は3.5mmステレオ(光デジタル出力付)と2.5mmバランス、USB micro端子と変わりありません。Bluetoothは詳細わかりませんが、同じであると思います。WiFiは後述します。

3. 筐体の大型化と使い勝手の変化

AK240と比較すると筐体が一回り大きくなっているのがわかると思います。デザイン的にはAK240の光と影の陰影イメージデザインを引き継いでいますが、左のボタン側が斜めに張り出しているなど新しいデザインを採用してデザインコンセプトも多少変化しています。筐体はAK240と同様にハイエンドオーディオ機器なみの航空機グレードアルミ(ジュラルミン)の高級感あるものです。

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AK380とAK240の比較

このため胸ポケットにはぎりぎり入るくらいのサイズとなりましたが、液晶は大型化(4インチ)により操作がしやすくなっています。

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また液晶の大型化に貢献しているのが、今回新規のメタルタッチ機能です。AK240は液晶の下方にタッチセンサーがあって、そこをタッチすることでホームボタンとして機能していました。このホーム機能が液晶ではなく、ボディの下方の一部(ボッチ印字のあるところ)がタッチセンサーとなりました。これをメタルタッチといいます。これによって液晶の表示部分の拡大に貢献しています。

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メタルタッチ機能

液晶の発色はAK240と並べるとわかりますが、暖色からニュートラル・やや冷調に変わっています。画面が大きくなったのでカバーアートの迫力は増しています。またアートがない音源データの際に表示される画像が多種用意されているようです。

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ボリュームのトルク感はAK240とほぼ同じ感じです。なれるとやや下についている380のほうが操作しやすい気がします。ボリュームは0.5ではなく1刻みになっています。重さ自体は多少ずっしりとしますが、ポータブル機器の使い勝手を損なうほどではありません。

容量はAK240と同じで内蔵256GB、外部にMicropSD一基です。ちなみにAK240もそうですがこの内蔵256GBというのは128GBのメモリを2個つないで256GBの単一ボリュームに見せています。この技術もかなり高度なものということです。
電池の持ちはCDリッピングとハイレゾのまじったライブラリをシャッフルで聞いて、実測でおよそ10時間弱持つと思います。ここも大型化の恩恵があるのかもしれませんが、なかなか電池の持ちも悪くないですね。

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メニューは設定が上から引き出しメニューに移動するなど多少変更がありますが、大きくは変わっていません。この変化はあとで従来機にもフィードバックされるのではないかと思います。

この大型化によって回路設計に余裕ができて、ノイズのもとになるWiFi部分の分離などオーディオ回路の最適設計が可能となったということです。

また、操作性の向上という点でいうとバランス切り替えがプラグ検知で自動化されました。これはなかなか便利です。

4. WiFi機能が向上して、オープン化(DLNAネットワークに対応)

AK240でも先進的なネットワーク機能を備えていましたが、AK380ではそれがオープン化されてDLNA(uPnPベースの)ネットワークの中で認識されて使えるようになったようです。ここは今回の試用ではテストがあまりできませんでしたが、完成品ではAK500N相当になるようです。これはAK connect機能と呼ばれているようです。

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A&Kからアプリも提供されますが、一般的なPlugPlayerなどのuPnPアプリも使えて、その中でAK380が認識できるようになるはずです。

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専用アプリAK connectのタブレット画面(HD)

おそらくはスマートフォンでuPuPアプリを立ち上げるとWiFiネット内のAK380が認識され、スマートフォンの音源やストリーミングをAK380をレンダラー(再生機)として聴けるのではないかと思います。
スマートフォンの音質向上としては外部ポータブルDACアンプをつなげるものもありますが、USBでケーブル接続だと肝心のスマートフォンとしての使用に難があります。かといってBluetoothでは音質に難があります。そこでこうしたWiFiワイヤレスでの接続は大きく可能性を広げることができると思います。

またポータブルだけではなく、ホームシステムのネットワークプレーヤー(ストリーマー)としても機能するのではないでしょうか。そのための拡張機能なのでしょう。

5.イコライザーの高機能化

AK380ではパラメトリックEQが採用され、AK240の10バンドに比して20バンド0.1dB単位とさらに細かい設定が可能となっています。また曲率を示すQ値の変更などかなり細かな設定ができるようになりました。
これはプロ機としてAK380がより意識されていることを示しています。この辺は私よりも他のエンジニアの方たちによる紹介がなされていくことでしょう。
これはプロエンジニアとしてのジェリーさんのAK240での意見がAK380では反映されているようで、JH Audioとのコラボが単なる製品の供給だけではなく製品コンセプトにも及んでいることがうかがえるということがわかると思います。


以上のようにAK380での変化は拡張性、クロック精度、EQの細かさなど、単独ではなく有機的につながってAK380の戦略的なコンセプトを示しているようにも思えます。つまりそれが第三世代のコンセプトと言えるでしょう。
コンシューマー視点で見ても、AK240からは音質の大幅な向上とネットワークのオープン化を実現した正統な新フラッグシップという点で、なかなか魅力的な新製品になっていると思います。

* 音質

次は音質について述べていきます。個人的には一番インパクトがあったのはやはり音質が大きく向上したことです。
ここでは主にレイラユニバーサルを2.5mmバランスで使用して聴きました。これ以外の組み合わせでは今回は聴いていません。時間の制約もありましたが、それよりもこの組み合わせ、聴いてしまうと離れられないんです。
このレイラバランスとAK380の組み合わせはシンプルながら、あっさりと現行では最高峰の音を出してくれます。まさにポータブルとしては理想的ですね。
はじめはAK240で使っていた128GB SDを入れて同じ曲で聴きなおしたんですが、AK380では緊張感、感動、リアルさがまるで違います。

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音は全体的な印象からはAk240に似た感じの帯域バランスに思えます。AK240とAK120IIとどちらに近いかというとAK240だと思います。そのため一瞬似た感じにも聞こえますが、聴いていくと音質は大きく進化しているのがわかります。デモ機を借りて一晩エージングして次の朝に買ったばかりのアルバムを聴いて唖然としました。音世界がすさまじいんです。
やはりAKMの最新チップですね。DAC ICの性能がすべてではないとは言われますが、やはり大きな位置を占めていると思います。そのほかにもフェムトクロックの搭載、大型化で回路に余裕ができたこと、そうしたこともプラスに働いています。

まず際立つのは解像力・立体感ですね。これらはAK240の比ではなく、音像の彫りの切込みの深さはすさまじいという言葉を使いたくなります。大まかだった輪郭の彫像がとても細かく陰影豊かに進化したという感じです。新DAC ICチップの性能の高さはスペック表で数dB変わっただけではなく、音像再現性には圧倒されます。特にレイラUMやカスタムIEMなど最高の性能のイヤフォンやヘッドフォンで聞いて欲しいですね。レイラの能力はこんなものではなかったと気が付き、さらにそれらも惚れ直すでしょう。
情報量豊かなAK380を聴くと24bit音源の良さがさらにはっきり出ているのではないかと思います、小さな信号の取り出しが高いのでそれが音楽により表情を加えているようです。ここも回路もあると思うが、さすが最新のチップだと思う。
AK380からAK240に変えて聴くと、音が全体に軽薄となり、深みが失われたように感じられます。あのAK240が、です。

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音の広がりもさらによくなり、また低域と高音域がさらに拡大してワイドレンジ感がひときわ高く感じられます。
LINN 24bitクリスマスのThe Man Who ...のボーカルパートではかなり違いが明確でAK240よりもAK380のほうが1〜2レベル上であることがだれでも明確に差がわかると思う。発声が明瞭で、立体感・陰影の高さがよく表現されています。低音もAK380は低く沈みこみます。AK380では高音域はより上に気持ちよく伸びて、ベースの低音は下に深く低く沈んで、かなりワイドレンジであることを感じます。
音の広がりもよく、もともと240は空間表現に長けていたけれども、AK380ではさらによくなった感じですね。空間の広がり方に余裕が感じられます。このおかげでAk240と比べるとスケール感が高くなりました。AK240はクラシックマニアのiriver社長の意向がより反映されたモデルということでしたが、AK380もその線を感じます。

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AK240よりも楽器の音がより整っているのはクロックの効果でしょうか。音に深みがあり、豊かで余裕があります。アマンディーヌ・ベイエのバロックバイオリンはAK240よりさらに高音が伸びてふくやかに古楽器らしい倍音の豊かさがはっきりと堪能できます。
生楽器の表現力はAK240よりもだいぶ良く感じます。リアルで着色感がなく歪みがなくて整っているので、脚色がなくてもきれいに美しく鳴るタイプです。ハイエンドの鳴りかたですね。ドライなところは少なく音楽的なわずかな温かみを感じるのもよい点です。
ヒリアードアンサンブルのシンプルなアカペラでは音の純粋さ透明さがよくわかります。この辺はAKMっぽさが少し出てるように思います。たとえばよく聞くとピアノなど楽器の音色はAK240より着色感が少ないのがわかります。これはシーラスロジックとAKMの差だと思います。AKMのほうが着色感が少ないですからね。。

こう書いてくるとクラシックとかジャズ向きかと思われるかもしれませんが、ロックやアグレッシブなポップでもキレが良く、その迫力に凄みまで感じます。AK380の音楽表現はイヤフォンにもよるけど、客観的に引いてるわけではなく適度なユーザーとの距離を持ってるので耳に近くスピード感があってキレがあります。AK240に比べてもAK380ではヴォーカリストが生々しく語りかけてくるよう。没入感がとても高く感じられます。
音に厚みがあってベースも太く、繊細さと力強さを両立しています。単体でもカスタムIEMをがっちりと駆動し、この上アンプをつけたらどうなるかと思いますね。

Ak380を聴くとロックのハイレゾなんて意味あるのか、と斜に構えることはなく、ロックでもクラシックでも音源の良さを余さず伝えてくれるようです。録音の質があらわにされることでしょう。そういう意味ではプロのモニターにも良いのだろうと思います。

* まとめ

私もこの言葉何回書くんだって突っ込まれると思いますが、やはりライブラリーの曲をもう一度ただひたすら聴きなおしました。
はじめは試聴用にLINNの良録音とか用意しておいたのですが、そういうのはどうでもよくなります。もうAK380の世界にはまるとAK380でいままで自分の好きだった曲を、ただみな聞き直したくなるんです。レイラとの組み合わせは聴いていて怖くなってくるほどです。
AK380はDAPにおけるAstell & Kernの横綱相撲という感じですね。

ひとつ強調したいのはAstell & Kernがユーザーの声をきちんと聞いて、それをさらに戦略としてうまくまとめあげていることです。
イコライザー機能ではジェリーさんとの協業の効果が単にイヤフォン販売だけではないことがわかるでしょう。また私は昨年Astell & Kernの人にあった時や声を聴いてもらえる機会に次機種では最新DACチップやフェムトクロックなど高精度クロックの採用、ネットワークのDLNA互換のオープン化をお願いしてたのですが、AK380を見てここにきちんと実現されていて驚きました。もちろんそう望んでいたのは私だけではないでしょう。
このポータブルとかヘッドフォンという世界はボトムアップでみなで作ってきた世界です。Astell & Kernはそれをよく心得ていると思います。さらにその優れた本体を核として、いずれAK500Nのようなネットワークプレーヤーや、プロシステムに発展するというきちんとしたビジョンに結実したところはさすがというしかありません。

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AK380(上)とAK240

AK380を聴いていると、これがポータブルの音というのは信じがたいところはありますね。AK240とレイラを組み合わせて聞くと、これ以上があるのかと思ってしまいますが、さらに上があると教えてくれています。音のコントロールもがっちりとして十分パワフルだし、これ外部アンプ必要あるのかとも思います。
もっとも「これがポータブルの音か」というのは自分自身ポータブルという世界を一段低く見ていたからではないかと考えてしまいました。いままで東京インターナショナルショウなんかに行って、やはりそこに並ぶハイエンドアンプとスピーカーを聴いてしまうと、手に持っていた自慢のカスタムIEMとDAPをこそっと隠したくなることがあったかもしれません。違いはスピーカーとヘッドフォンの違いではなく、大きさでもなく、音の豊かな表現力にあるのです。しかしレイラとAK380、もしかしてAK外部アンプを持っていく今年はどう感じるんでしょうか。自分でも楽しみです。
価格はまだわかりませんが、こうしたハイエンド製品があるからこそ、この世界の限界を広げられるのではないかと思います。当たり前ですがAK240がなければAK380はできなかったし、AK100がなければAK240もできなかったでしょう。そうして限界がここまで広がってきました。

ポータブルオーディオの可能性の先を見たいという人も多いのではないでしょうか。
AK380はAK240の成功があってこそのモデルであると思いますし、それはポータブルの地平を広げたいというAK240ユーザーの熱意があったからでしょう。
所詮ポータブルだから、と考えている人も多いのではないでしょうか。
いまオーディオの世界が退潮だとも言われています。しかしそれはちがうと思います。今は60年代や70年代ではありません。そもそも世界の再構築が必要なのではないでしょうか。DLNA互換のオープンネットワーク、超高精度クロック、最先端のDACチップ、もはやAK380に出来て普通のオーディオに出来ないことはなにもありません。
ポータブルだから、イヤフォンだから、といった垣根を排して新しい世代のオーディオの枠組みを作るということが必要とされていると思います。
その改革を引っ張っているのがAstell&Kernであり、その旗手がAK380だと思います。
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2015年05月11日

iriver ICP-AT500レビュー

ICP-AT500はiriverブランドのダイナミックタイプイヤフォンです。
製品情報は下記リンクをごらんください。
http://www.iriver.jp/products/product_110.php

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ICP-AT500 は、iriver と Final Audio Design のコラボレーションによるもので、軽量で丸みをおびたラウンドデザインのハウジングに 8 o径のダイナミックドライバーを採用しています。Final Audio Design がサ ウンドチューニングを施して、Final Audio Design 独自の”Balanced Air Movement(BAM)”テクノロジーを採用しています。これは共振の抑制とハウジング内の空気の流れを最適化し、深くスムーズな低音再生 と豊かな空間表現を実現するというものです。イヤフォンは内部のエアフローのチューニングが音のかなめになりますが、このBAMも優れた方式の一つですね。

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価格はオープンで、直販価格は7980円です。
ラウンドデザインのハウジングはスピーカーやマイクロホンのグ リルメッシュをイメージしているということです。カラーバリエーションは、パールブラック、アーバンシックシルバー、そしてピュアゴールドの 3 色があります。
販路別にカラーリングが決まっていて、パールブラックが一般販売、アーバンシックシルバーがフジヤさんと直販、ピュアゴールドがeイヤさんと直販になります。

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イヤピースは内側に若干固めの素材を、 外側にソフトな材料を使用することにより快適な装着感を実現しているということです。(S/M/L)の 3 サイズが付属されています。
ケーブルは独特の平たいもので、この独自開発のフラットケーブルタッチノイズを抑制し、ケーブルの絡まりも効果的に防止できます。

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使って見た感想ですが、11gと軽いイヤフォンで使用はなかなか快適だと思います。フラットケーブルはタッチノイズ低減と絡まり防止には効果的ですね。
音質的には価格にしてはかなりレベルが高いと思います。特に低価格帯のこもりがちな音ではなく、クリアで抜けが良くからっと晴れてシャープな音をこの価格帯で聴きたいという人には向いていると思います。またベースのタイトさが気持ち良く、歯切れよくリズムが刻める点も良い点です。
音調は明るく軽め、帯域バランスは良好ですが、少し中高域よりかもしれません。ベースが膨らむようなタイプではないですね。高域はきれいに楽器を鳴らし、上に伸びるほうです。曲によってはきつめなところもあるかもしれません。ダイナミックでもあるしエージングはきっちりやっておいたほうがよいでしょう。
遮音性が確保できれは低域では普通にベースの量感は確保されています。コンプライを試してみるのもよいかもしれません。

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この価格帯クラスはスマートフォン向けでステップアップのイヤフォンとしてよいと思います。スマートフォンと組み合わせる利点としては、音質をアプリでいろいろと変えられるところもあります。
今回はiPhone6で聴いてみました。LINNレコーズの音源を使用しましたが、こういう良録音ではDCT なんかがお勧めです。Radsone DCTの記事はこちらです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/413289898.html
少し強調したいときはDCT Dynamic、ちょっとハイがきついけどシャープな感は残したいならDCT Warmなどのモードを選んで音を変えることができます。
ポップなどではAudiophileを使用してMAXX AudioのDSPを活用するともっと大きく音質を変えることができます。

まとめるとICP-AT500は低価格で音が良い点が特徴で、1万円以下でクリアで歯切れ良い音のイヤフォンを探している人にはお勧めだと思います。
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2015年04月24日

Astell & KernからAK Jr誕生!

Astell & Kernから新しいファミリーの登場です。その名はAK Jr(エーケー ジュニア)です。
まずデザインが8.9mmとスリムなスタイリッシュさが特徴です。重さは100gを割る98gと、第一世代より軽量です。ポケットにするっと入りそうですね。

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DACはWM8740で第一世代と同じです。容量は内蔵64GBとMicro SDスロットで64GB増設の最大128GBです。ただしMicro SDは聞くところによると128GBでも大丈夫かも?
USB接続も第一世代と同じくUSBマスストレージです。

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PCMは最大192kHzで、DSD再生は2.8Mが可能ですが88/24に変換となります。
出力はイヤフォンのミニ端子がひとつで、光出力と2.5mmバランスはありません。またソフトの機能は第一世代に近いようでWiFi関連機能等はないようです。

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Jrの名の通りコンパクトでカジュアルな弟分という感じでしょうか。AKシリーズのラインナップがまた広がったという感じですね。
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2015年03月06日

GloveAudio A1販売再開

GloveAudioの合体アンプThe Glove A1ですが、使用していたパーツの不具合があり製品回収と販売を停止していましたが、本日より販売を再開するということです。私のも帰ってきました。やはり2.5mmバランスが使える選択肢が増えるのは良いものです。

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A1とAKR03

販売情報などリリース内容については下記のアユートさんのページをご覧ください。
http://www.aiuto-jp.co.jp/information/entry_244.php
なお前は限定数と案内がありましたが、今回から通常扱い品となり限定販売ではなくなったようです。
不具合はありましたがそれがなくなれば、2.5mmバランスを生かしたい人へのおすすめ機材ですので良いニュースではないかと思います。
posted by ささき at 11:22 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月30日

T5pをAKシリーズ用にカスタマイズしたAKT5p

本日アユートさんからAstell&Kernブランドで、ベイヤーのT5pをAKシリーズ用にカスタマイズしたAKT5pが発売されます。
http://www.iriver.jp/products/product_106.php

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AKT5pを外で実際に使ってみましたが、フラッグシップのハイエンドヘッドフォンを外でポータブルで使うことの贅沢さを味わえます。外で使うヘッドフォンというとたいていは低域ボンボン全体ぶわぶわのヘッドフォンの選択になってしまいますが、このくらいの高性能ヘッドフォンだとそれらとは別次元の音楽体験が外で可能になるという満足感が味わえます。

ベースになったベイヤーのT5pはベイヤーのフラッグシップであるT1の兄弟機で、密閉型の低インピーダンスモデルです。事実上のフラッグシップ兄弟ですね。T1,T5pは初めてベイヤーのテスラテクノロジーを採用したモデルで、1テスラを超える高い磁束密度を誇っています。
AKT5pはT5pを2.5mmのA&Kタイプのバランスプラグに付け替えたものです。A&K第二世代プレーヤーの方ではアップデートをすることでAKT5p向けの専用イコライザー設定を使うことができます。

* 開封の儀

外箱はシュリンクラップされ、Astell&Kernの赤いロゴが映えています。

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中箱を開けるとT5pが鎮座しています。

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アクセサリー箱にはケーブルと2.5mmバランス端子を普通の3.5mm端子に変換する短いケーブルのアダプタがついています。なにげにこの変換ケーブルが便利に使うことができますね。DAPだけなら2.5mmケーブル専用で良いですが、なにしろ2.5mmバランスで聞いていて、急にiPhoneで視聴したい動画を見つけた時なんかに苦労したりします。
また長い標準プラグへの変換ケーブルもあるので、AKT5pを家で使うときにはこちらの長いケーブルを使うことができると思います。

AKT5pは1.2mのケーブルにAK第二世代で使える2.5mmバランス端子がついています。まさに最高のポータブルプレーヤーのための最高のポータブルヘッドフォンですね。

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AKT5pのデザインはかっこよく、ヘッドバンドとパッドはシープスキンが使用されていますので高級感があります。またAKT5pはハンドメイドのMade in Germanyです。

* 音と使用

外に持ち出して聴いてみました。AK240に2.5mmバランスで接続して基本的にAKT5pイコライザーを適用しています。AKT5pはダイナミックのヘッドフォンなのでたっぷりエージングしてから聴いています。

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見た目よりは軽量で、装着もシープスキンパッドなどで良好です。ケーブルは1.2mとポータブルで使いやすい長さなので取り回しは良好です。外では低音域が逃げやすいものですが、十分な遮音性はあると思います。側圧も強すぎないので装着感も快適です。ただしぴったりと密着させるようにヘッドバンドを調整した方が良いですね。
折りたたんでコンパクトにするということはできませんが、思ったほどかさばるというわけではないですね。肩がけショルダーならなんとか入るかというくらいです。

まずとても上質な音で、帯域バランスが良いのが分かります。
音の印象は密閉型のこもった重い音というのではなく、明るく軽やかで広い音空間が感じられます。これはテスラドライバーの特徴だと思います。テスラドライバーは1テスラの高い磁力で能率を改善する、つまり鳴らしやすくするというのがポイントです。T1のテスト例では約+7dBも効果があったということです。
そのため本来は高性能で鳴らしにくいはずのヘッドフォンを軽やかに駆動できて、その性能を十分に発揮させることが可能です。ハイゲインがないAK240でも問題なく音量が取れます。

次に感じるのは音が整っていて帯域バランスが良くフラットだということ、偏ったベースヘビーなどの強調がないですね。全帯域で聴きやすく、ニュートラル・フラットで自然です。かつほしい低域のパワー感や高域のきらめきは十分に得られます。
音の立体感も高く、楽器の位置関係はよくわかります。たしかT1/T5pも丸いイヤカップに合わせてドライバーを傾けていたと思います。

AKT5p専用のイコライザー設定を適用すると、高音域のピーク感を落として子音のきつさを抑えてくれます。他の帯域も聴きやすく上質に安定した感がありますね。多少明るさは抑えられるのでここは好みの要素もあると思いますので、使用して確認してみても良いと思います。

Edition8だと元気すぎるとか味付けが強すぎると感じていて、高音質を欲する人にも良いと思います。AkT5pはEdition8に比べると落ち着いた高音質という感じで、電車の中でもクラシックをじっくりと楽しみたいという人にも向いていると思います。

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高性能のヘッドフォンはなかなか選択肢がないので、いままで外でポータブルを使うときは高い音質を得るにはカスタムレベルのIEMを使うのが一般的でしたが、AKT5pはイヤフォンではなかなか実現しにくい広く迫力ある音空間を提供してくれます。ベースラインではたっぷりと空気が動いている感がありますね。これだけ整った素直な帯域特性もマルチBAだとなかなか得にくいと思います。

一方でヘッドフォンだから大味かというとそうではなく、細かさはBAにも負けじって思うくらいかなり細かな表現もしてくれます。ヴォーカルがかすかにささやくようなニュアンスはぞっとするくらい繊細で生々しく聞こえます。これは外で聞いた感想ですからなかなかたいしたものです。Ak240の高い性能もフルに発揮できますね。この辺はフラッグシップの面目躍如です。
高性能のポータブルとしてはESW9とかESW10のレベルはずっと上に越えて、Edition8とならぶポータブル体験ができます。外で最高のヘッドフォンリスニングをしたいという人にお勧めです。
posted by ささき at 22:57 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月26日

AK100/120の一体型アンプ、GloveAudio A1日本版の発売

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GloveAudio A1 (AK100MK2)

私もSR71の昔から長いことポータブルヘッドフォンアンプを使っていますが、ケーブルでアンプとiPodをつなぐのが当たり前だと思っていました。実のところケーブルが無くてプレーヤーと直結できるようなポータブルアンプがほしかったのですが、それはなかなか実現しませんでした。

*一体型ポータブルアンプの夢

数年前にフォステクスのHP-P1のプロトタイプの画像を見せてもらったときに、iPodと一体になるメカに感動しましたが、残念ながら諸都合で実現しませんでした。

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FOSTEXプロトタイプ

今年の春にJabenのWilsonが絶対に明かせない新製品があるということでちょっと興味しんしんでしたが、蓋を開けてみるとこのGloveAudio A1でした。やっと満足のいくプレーヤーと一体型のポータブルアンプの登場です。とはいえ、まったくの新興会社ではメカが面白くとも、肝心の音質に懸念があります。ちょっと戦々恐々としていたところ、ヘッドフォン祭の当日にCEntranceのマイケルCEOと15Fのエレベーターでばったりあって、なにしてるの?と言って名刺を渡されてびっくり。なんとGloveAudioはCEntranceのマイケルが作った別会社でした。

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これでさきの懸念も一気に解決しました。あのDACportとHiFi M8のCEntranceです。音質はいわずもがな折り紙付き、です。

そしていま、そのGloveAudioがAKシリーズの本家とも言うべきアユートさんから日本版として店頭で発売がなされるところまでこぎつけました。サイトでの直販も行っています(リリース参照)。以下日本版についてレビューしていきます。
なおJaben Japanではオンラインで輸入版を販売しています(内容が少し違います)。

*GloveAudio A1とは

GloveAudioはCEntranceの別会社です。A1はGloveAudioが開発したAstell&Kern AK100(MkII)とAK120で使用できる一体型ポータブルアンプです。

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AK100MK2とA1

AK100/120とは光ケーブルで接続してデジタル出力をA1に入れ、A1の内蔵DACでアナログに変換し内蔵アンプで増幅します。そのため入力は光デジタル専用です。一体型なので事実上のケーブルレスを実現しています。
出力は3.5mmの普通のステレオミニ端子のほかに、AK第二世代機で採用された2.5mmバランス端子と、海外を中心によくつかわれるKobiconnバランス端子を装備しています。Kobiconnはmini XLRや4ピン角型とも呼ばれます(私がRSAタイプと言っていたものと同じ)。

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ボリュームは合体するとAK側のコントロールは効かなくなり、A1のボリュームで変更します。ボリュームはデジタルボリュームで、AKプレーヤーとA1との合体時にはAK側のボリュームは効かないので、A1側でコントロールします。ステップ数は細かく256で0.5dB単位ということです。他には本体に電源のみがついています。
削りだしアルミのソリッドなA1外殻はRFシールドになると共にAK100/120を守る「アーマー」としての働きもあります。

GloveAudioを設計した理由はマイケルに聞くと、AK100/120は成功したプレーヤーだが、オーディオ回路自体には改良する余地があると考え、彼らのDAC/アンプの設計知見を生かし、さらにケースとして保護効果のあるものをデザインし、既存のAK100ユーザーに第二世代機よりも安くバランス出力の機能を提供しようと考えたということです。

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アダプター

AK100とAK120はスペーサーのアダプタ(クランパー)で調整できます。クランパーはビス止めです。(へクスレンチは同梱されています)
いったん取り付けると絶対はずれません。まさに一体型です。さきに書いたように私も長いことプレーヤー+ポータブルアンプという組み合わせを使っていますが、Glove A1は新感覚です。フルアーマーという異名もすでに頂戴していますがメカっぽさもよいですね。

*特徴

GloveAudio A1はAK100/120専用でその音質を高める、という明確な目的がある点がまず特徴的です。

- バランス駆動

A1の出力はバランス駆動がポイントであり、それを生かすために回路はDACからアンプまでフルバランスで設計されています。
A1ではまた電源にもこだわった設計が施されているようです。電源にこだわっているというのはバランス駆動をポイントにしている本機としては重要なことです。ずいぶん前にバランス駆動というものを日本に紹介するときにバランス駆動については書きました。(下記リンクです)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/22525911.html
バランス駆動の利点はBTL接続として駆動力を上げられることですが、同時にBTLのデメリットである負荷インピーダンスが下がるという点も引き継いでいます。つまりポータブルの場合はただでさえ低いインピーダンスのイヤフォンをターゲットとしていてバッテリーも十分ではないのに、さらにインピーダンスが下がると十分な電流が供給できず逆に駆動力不足に陥ってしまいます。そこをカバーするために電源には気を配る必要があります。
また電源を強力にしたことで低電圧版ではなく通常版のES9018が使用可能になったのだと思います。

ちなみになぜ「バランス駆動」という言葉を使ったかというと、当時唯一参考にできたHeadroomの技術解説ページでこの方式を"Balanced headphone drive"と呼んでいたので、それを日本語にして「ヘッドフォンのバランス駆動」と書いてHeadFi文化の代表として日本に紹介したわけです。当時は国産はおろか、アメリカ製でもまだまだ少ない時代でした。

バランス駆動のイヤフォン端子はAK第二世代機で採用されている2.5mmと、RSAやALO、CEntrance、パイオニアXPA700で採用されているKobiconnが使うことができます。アメリカ製アンプのポータブルバランス端子はRSAが先行したこともあり、Kobiconnが多く採用されています。前にも書いたようにポータブルでのバランス規格はばらばらで、最近は4.4mmTRRRS規格でポータブルバランス規格を統一しようとする動きもあるようですが、現状では二つのプラグが採用されているのは便利であると言えます。
この記事では2.5mm Estron Linumと、Beat SuperNova Kobiconnで試しています。

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2.5mmバランス(左)、kobiconnバランス(右)

- シンプルな設計

もうひとつA1の技術的な特徴をあげると、マイケルと話をしていて分かってきたことはシンプルさです。
GloveAudioのような一体型モデルはプレーヤーのサイズと形に制約されるので専用にならざるを得ません。しかしA1ではこの専用と言うことをうまく使って回路をシンプルにするということで音質向上を図っています。
CEntranceのHiFi M8と比べるとまずUSBがないので回路をシンプルにできます。これにより信号経路もよりクリーンで音質もあげられます。また、余分なプラグも接続に使うケーブルもありません。入力をなんでも使えるという柔軟性を捨ててAK100の光入力に特化したことでより性能をあげることができたというわけです。周辺回路が単純ですむESS Saber32アーキテクチャーのES9018採用もその一環のようで、デジタルレシーバーも内蔵しているので、信号経路も単純になります。
また設計がシンプルなのでより早い時間で設計して市場に出せるようになったとマイケルは言います。

*到着と使用感

今回のアユートさんの日本版では、日本語マニュアルと日本語保証書がついてくるところが良いと思います。店頭販売と合わせて多くのユーザーは安心して買えることでしょう。

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本体自体はかなりコンパクトに感じます。アルミ削りだしの本体はかなりがっしりとしたものです。また試作機とはちがって、プレーヤーに当たる部分はフェルトのようなクッションが貼ってあります。そのためさのままAKプレーヤーをケースなしで置くことができます。
まずAK100MK2を使用してみました。組み立てに使うヘクスレンチはパッケージに入っています。

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実際に使ってみるとまずカッコ良いですね。普通のポータブルアンプみたいにケーブルで接続するのに比べて一体感が高く、コンパクトなこともあってハイレゾプレーヤーのように扱えます。電源は連動していませんが、充電が同時に行える二股のUSBケーブルが入ってきます。

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AK120とA1

次にAK120を使ってみましたが、私のはRWAK120なので底面のRed Wineラベルでややあたってしまいますが、固定することはできます。

マイケルによればバッテリーは使い方にもよるが、11-12時間は持つということ。AK100の方が先に切れるということ。

*音質

はじめに書きますと音質はオリジナルの旧AK100/120とはまったく別物です。音質が向上したというレベルではありません。
まず普通の3.5mmで聴きましたが、音質は驚くほど高く夏のヘッドフォン祭の試作機より完成度が上がっています。試作機ではシャープなだけでしたが、製品版では豊かなオーディオらしい音が聴けます。本体は小さいけど音はビッグという感じで、小さいわりにスケール感があって3.5mmの時点で音の広がりが半端なくあります。

音はESSらしくすごく細かいのですが、ESS的な冷たさはなくむしろほのかな暖かみが感じられます。音像がシャープで、スピーカーでいう定位が定まった感じがあります。ウッドベースのピチカートは素早くキレが良く、低音域は強調されすぎずに適度な量感があります。
またまるで据え置きのホームアンプなみに感じられる音の余裕があり、厚みがあって豊かなオーディオらしい音です。全体の印象はHiFi M8なみというか、音の印象はM8に似ています。ただし細かいところで違いを感じます。
光入力だけにしてM8のUSBを配したことで全体がシンプルになり、M8に比べてケーブルレスになったという利点を感じます。
回路はシンプルで音の鮮度感は高く、鮮明でスピード感があります。音は速くキレが良いのでアグレッシブな曲ではかなり速いスピード感が楽しめます。
全体的な音質レベルはDAC内蔵ポータブルアンプの中でもトップクラスにあると思います。

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A1とAKR03

特に注目してほしいのはバランス駆動での音質の高さです。3.5mmシングルエンドと2.5mmバランス駆動の音の差が第二世代AKよりも大きく、2.5mmバランスでのパワフルで濃密な音再現はA1の大きな魅力です。バランス駆動らしい音再現ですね。
同じLinum BaXで2.5mmバランスと3.5mmシングルエンドで比べてみると、2.5mmバランスにするとかなり骨太でパワフルになり、音の輪郭がよりはっきりとして明瞭感も上がります。イヤフォンの性能が上がった感じですね。音のキレがよくなり、背景のアーティストの唸り声のような小さい音がより分かりやすくなります。また音量レベルも上がります。
立体感・広がりとともにパワー感が大きく増すのが特徴です。バランスではクラシックのオーケストラのスケール感がひときわ高く感じられます。音場が広いだけではなく、力感があるので迫力を感じますね。
全体にはやはり力感・重厚感が増します。これは音量レベルを合わせてもそうだと思います。3.5mmと2.5mmの別物感があり、この差が大きいのが第二世代AKシリーズとの違いでしょう。
同じLinum Baxで2.5mmバランスから3.5mmシングルエンドに戻すと、音の豊かさが取れて少し淡白に感じられます。音量レベルも下がりますが、音量レベルを合わせても音の引き締まり方が緩めになり、結果としてインパクト感も後退します。
A1はユーザーの持つ良いバランスケーブルの良さを引き出します。そういう意味では2.5mmケーブル資産をもっているAK第二世代ユーザーにもお勧めしたいアンプです。

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kobiconnバランス(Beat SuperNova)

Kobiconnバランスが使えるのもGloveAudioの良い点です。Kobiconnは角型4ピンやMiniXLRとも呼ばれます。もともとはRSAのProtectorで採用されたもので、アメリカ製のRSA,ALO,CEntranceなどで採用されています。Protectorのリンクはこちらです。2010年にすでにポータブルでのプラグのばらつきが懸念されていたわけですが。。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/143564141.html

同じバランスプラグでは2.5mmの方が取り外しは便利ではありますが、kobiconnの方がよりがっちり固定できます。
同じケーブルが用意できないので2.5mmとkobiconnの差は分かりませんが、いずれにせよkobiconnでもかなり良い音です。Beat SuperNova の良さが際立ちます。

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AK100とAK120の音質の差は大きくないか変わらないので、小さいAK100のほうが便利に使えるように思います。
なお、一部にTOSで192kは旧AK120/100でダウンサンプルされて96kで送られるとありますが、これは正しくなくて、きちんとAK-A1間は192kで送られているはずです。(実際にFLOWでサンプルレート表示させても192kで来てます)

*まとめ

一体型のGloveAudio A1はケーブルのないポータブルアンプという新たな世界を見せてくれ、合体メカというガジェット的な魅力もあります。
音質もCEntrance品質の高い技術力をベースに、さらに専用機という点を活かしたシンプル化でポータブルアンプとしてはトップレベルの高い音質を実現しています。
アルミ切削シャーシやフェルト張りの背面などを見ても完成度の高さを感じます。

従来のAK100/AK120をもっている人がパワーアップのためにA1を買うのはもちろんお勧めですが、ケーブルなど2.5mm資産をもつ第二世代AKユーザーも眠っている旧AK100を生かしてA1を買う価値があるのではないかと思います。

写真 2014-11-19 6 56 33[1].jpg
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2014年11月21日

GloveAudio A1がアユートから国内発売

今年の春のヘッドフォン祭のときにJabenコーナーで展示された第一世代AK100/AK120をすっぽり包むフルアーマーAKことGloveAudio A1がAstell&Kernシリーズの本家であるアユートさんで国内販売することが決定され店頭販売がなされます。
(Jaben Japanはオンラインで販売)

AK120接続時.jpg
AK120との接続例

GloveAudioはDACportやHiFi M8など高性能ポータブルオーディオでも知られるCEntranceの別会社です。CEntranceはWindowsのドライバーでも知っている人が多いと思いますが、もともとファームなどのODM技術提供をしているメーカーですから、技術力は定評があります。
A1は第1世代AKシリーズに搭載されている光出力機能を活用し、組み合わせることに3.5oシングルエンドでの再生はもちろん、4ピンマイクロ端子、及び第2世代AKシリーズに搭載されている2.5o4極端子のバランス接続に対応するというDAC内蔵のポータブルアンプです。

4ピンマイクロ端子というのはRSAやパイオニアXPA700で採用されているKobiconnのことです。
特徴をリリースから転載します。

■主な特長
●第1世代AKシリーズ専用設計により「グローブ」のように包み込む美しいデザインを実現。
ブラケットの取り換えにより、AK100/AK120両方の製品を使用することができます。
●高性能DACチップESS社製「ES9018」を採用。
●動作特性が良いAB級アンプにより、高出力、低クロストーク、低歪を実現。
●第1世代AKシリーズでバランス出力が可能になる、4pin角型端子と2.5mm4極端子搭載。

スペックもリリースから転載すると、下記の通りです。
ちょっと注目していただきたいのはDACが低電圧版の2Mではない通常版であること(確認済み)、バランス駆動での性能が高いこと、日本語の解説書がついてくることです。

カラー ブラック
本体素材 アルミニウム
DAC ESS ES9018
対応製品 AK100,AK100MKII,AK120,AK120TITAN
入力 3.5mm光入力
対応サンプリグレート 44.1KHz,48KHz,88.2KHz,96KHz,176.2kHz,192kHz
対応量子化ビット数 16bit, 24bit
出力 3.5mmアンバランス, 4pin角型&2.5mm4極バランス
クロストーク アンバランス-121dB/ バランス-140dB@ 1kHz
出力 アンバランス:3.5mm/バランス : 4ピンマイクロ , 2.5mm
出力インピーダンス アンバランス:0.5Ω/バランス: 0.5Ω
出力電力 アンバランス:180mW, バランス:440mW
最大出力 アンバランス:+7.67dBV; バランス:+13.68dBV
周波数特性 20Hz 〜 20kHz
S/N比 114dB
サイズ/重量(約) 116mm(L) x 68mm (W) x 32mm(H) / 196 g

付属品 本体・microUSBケーブルx1 六角レンチ x 1 固定用ブラケットx2(AK100とAK120用)
固定用ビスx2 取扱説明書(保証書) x1

販売についてもリリースから転載すると、下記の通りです。
2014年11月28日(金)より直販サイト「アキハバラe市場(http://www.akiba-eshop.jp/ )」、「アキハバラe市場楽天市場支店(http://www.rakuten.co.jp/akiba-eshop/)」、「e☆イヤホン」、「NTT-X Store」、「オリオスペック」「フジヤエービック」(※50音順)にて順次発売を開始するということです。直販価格は64,800円(税込)です。
予約は本日から開始で、フジヤエービック、e☆イヤホン(秋葉原・大阪日本橋)では本日から試聴機が用意されているはずです。

* 試用インプレ

少し前から実機を実際に使用する機会を得ていますが、時間がなかったので記事は後で書きますが、簡単にコメントをしておきます。

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実際に使ってみると普通のポータブルアンプみたいにケーブルで接続するのに比べて一体感が高く、コンパクトなこともあってハイレゾプレーヤーのように扱えます。電源は連動していませんが、同時に充電できる二股のmicroUSBケーブルが入ってます。また試作機に比べるとAK100が当たる面にベルベットが貼ってあり細やかな改良が感じられます。
A1のポイントとしては合体メカということに加えて、ケーブルがないという点も音質ではポイントになると思います。

音質は驚くほど高く、夏のヘッドフォン祭の試作機より完成度が上がっています。試作機ではシャープなだけでしたが、製品版では豊かなオーディオらしい音が聴けます。音質のレベルも高く、小さいわりにスケール感があってまるで据え置きのホームアンプなみにも感じられる余裕があり、全体の印象はHiFi M8なみというか、M8に似ていると感じました。

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GloveAudioとAKR03のバランス接続

特に注目してほしいのはバランス駆動での音質の高さです。回路はフルバランスであり、通常版の9018の採用もそれゆえなのかもしれません。
3.5mmシングルエンドと2.5mmバランス駆動の音の差が第二世代AKよりも大きく、2.5mmバランスでのパワフルで濃密な音再現はA1の大きな魅力です。バランス駆動らしい力強く鳴らす音再現です。
このため、従来のAK100/AK120をもっている人がパワーアップのためにA1を買うのはもちろんお勧めですが、バランスケーブルなど2.5mm資産をもつ第二世代AKユーザーも眠ってる第一世代AKを活用してA1を買う価値があるのではないかと思います。

また日本語マニュアルと日本語保証書がついてくるところは店頭での販売と合わせて多くのユーザーは安心できる点だと思います。

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2014年08月19日

Red WineのAK120II改造機、RWAK120II登場

Red WineのAK120II改造のRWAK120IIが登場しました。

パワーサプライで低域改善、入力段にJFETで中高音域の改善と、RWAK240に準ずるもののようです。 

詳細はこちらのページです。

http://redwineaudio.com/mods/rwak120ii


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2014年06月27日

Astell&Kernの第二世代機、AK100IIレビュー

Astell&Kernの第二世代機リリースの最後を飾るのは名器の名を冠する第二世代機、AK100IIです。
名称はいままであったAK100MK2は第一世代で改良型という意味、AK100IIは第二世代のAK100シリーズという意味です。
7月11日に発売され、価格は直販で109800円、フジヤさんなど店舗では10万をちょっと切るでしょう。
*発売日は7月下旬に延期されました。

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本稿では主にAK120IIとの違いについて述べていきます。
AK100IIはAK120IIと比べるとやや小さく、少し軽くなっています。また内蔵メモリが64GBと第二世代機ではもっとも容量が小さくなっています。しかし64GBで最低とは最近の高密度化・大容量化には驚きます。たしかにハイレゾとかDSDを入れると容量はほしくなりますけれども。
5.6MHzのDSD音源もPCM変換で再生が可能です。

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大きさのほかには本体カラーも異なります。AK120IIはシルバーですが、AK100IIのカラーは薄いブルーです。これは肉眼で見るとなかなか良いんですが、写真泣かせで、この青色を画像で再現するのは少し苦労しました。

またDACチップがAK240/AK120IIのCS4398デュアル搭載とは異なり、AK100IIではCS4398一基だけとなっています。そのほかの回路もスペック的にみてAK120IIはAK240と同等だったのに対して、AK100IIではSNや歪み率、などいくつかスペックが低くなっています。
たとえばAK120IIはAK240と同じでアンバランス2.1vmsでバランスは2.3vmsでバランスが上ですが、AK100IIはアンバランスで2.0vms、バランスで1.7vmsとアンバランスの方が高い仕様となっています。AK100IIはアンバランスメインでバランスはとりあえずお試し的と考えてもよいかもしれません。ただぱっと聴きではそこまで大きさでもないとは思います。ちなみにAK100MK2では出力は1.5vmsです。
出力インピーダンスはAK120IIと同じです。



パッケージは従来のAstell&Kernシリーズに準じたもので、専用ケースも付属しています。

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AK100IIの付属のケースはイタリアンポリウレタン(PU)レザーという人造皮革に代わっています。スマートフォンケースなどによく使われる素材です。

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リアルレザーに比較すると高級感は及ばないかもしれませんが、質感はなかなか悪くありません。普段使いにちょうどよい感じですね。

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本体の質感はAK120II譲りでなかなか高級感があります。特にボリューム周りがメカ要素を感じます。

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100IIも120IIも操作性・機能は同じです。操作感ではAK120IIに比べて遅くなったということはないと思います。AK240とも遜色ありません。のちに書くように素のAndroidのZX1などと比べると操作感はかなりスムースです。また液晶の表示品質もきれいだと思います。

* 音の印象

まずAK100IIの音を聴いて感じるのはAstell&Kern第二世代機としてのAK120IIとの音の統一感です。なかでもAK100IIの音の個性はAK240よりもAK120IIに近いと思います。
透明感が高く、良く洗練されて整った音はAK100MK2からのレベル差を感じさせます。
前に書いたようにAK240とAK120IIは音の個性の違いがあるけれども音質のレベルとしては同じくらいにあると思います。ただAK100IIは音の個性ではAK120IIに近いけれども、音質のレベルではやはりAK120IIとは差があるという感じです。
AK120IIと比べると透明感やシャープさはやはり一歩譲ります。ただDAP全体での絶対的な位置ではかなり良いレベルにあります。

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この辺をもう少し詳細に他の機種と比較しながら書いていきます。

イヤフォンはW60を主に使いました。最近W60の試聴も同時にやってたので耳が慣れて機種比較しやすいこともありますが、このW60とAK100IIの組み合わせは良いと思いますね。W60は音の個性ではAK120IIよりはAK100IIに向いているでしょう。これはAK100IIがAK120IIほどは透明感やシャープさを追求しているわけではなく、聴きやすい柔らかさをほどよく持っているからだと思います。
他にも画像にあるように様々なヘッドフォン・イヤフォンも使ってみました。ロクサーヌなんかもAK100IIの整った音をよく引き出すと思います。

- AK100MK2 vs AK100II
AK100MK2と比べるとAK100IIはより引き締まって透明感が高く、より細かな音が再現できます。AK100IIに比較するとAK100MK2はやや甘く音も太って曇りがある印象があります。録音のよいジャズなんかを聴くとよくわかりますが、楽器の音がAK100IIではよりピュアに濁りなく聞こえます。全体にAK100IIではより洗練されて整っているという感じです。帯域バランスもよりよくなっています。
ただAK100MK2とAK100IIでは音調はやや異なり、別のDAPを比べているという感じが高いというのもまた事実です。

- AK120II vs AK100II
AK100IIとAK120IIを比べるとAK120IIではAK100IIよりもさらに透明感が高くなりクリアで見通しもさらによくなります。SN比も向上して楽器の音の鮮明さ・明瞭感はより高くなります。またAK120IIでは楽器音の芯がより強くなって、より引き締まってリアルな音再現です。
AK120IIとAK240では音質レベル的には同じくらいで個性が違うと書きましたが、AK100IIとAK120IIではやはりAK120IIの音質レベルが一枚上手で音の個性は似ています。ただAK100IIもAK100MK2よりは音質レベルはかなり高く、AK120IIに近いくらいではあると思います。
iriverに聞いて見ると、AK240はクラシックにチューンして、AK100II/120IIはジャズポップにチューンしたということです。

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ただしさきにW60のところで書いたようにAK100IIとAK120IIでもやはり音の個性差はあると思います。
AK100IIは誇張感が少なく、ニュートラルで素直な音だけれども、AK120IIよりは音楽リスニング向けだと思います。AK120IIはやはりもっと色つけ少なくいわゆるモニタライクな感じですね。AK100IIは音楽的な聞きやすさと良い意味での甘さを感じます。そのためもあってかWestone W60はAK100IIにより向いているように思えます。

- Sony ZX1 vs AK100II
SONY ZX1とAK100IIでHELGE LIEN TRIOの192kHzハイレゾなど音質の良い曲で聴き比べると、ZX1はそれだけ聞いていると悪くないように思えるんですが、やはりAK100IIと比べると格下という感じはしてしまいます。
ZX1では音の先鋭さが低く切れが鈍って聴こえますね。全体的な音の洗練さでもAK100IIの方が高いレベルにあります。AK100IIの音はAK120IIに比べれば劣るとはいってもかなり整っています。(AK100IIはまだ完全にエージングしていないのに、です)
またAK100IIあたりと比べるとZX1ではデジタルアンプ臭さがやはり耳についてしまう難点はあります。それが硬さとか軽さにつながってしまいます。
ただZX1はCDリッピングの曲でDSEEを利かせると差を詰めることはできます。この辺は良いポイントとは言えるでしょう。
それといろいろと曲を変えて比べて操作していくとAK100IIと比べたZX1は操作性がやはりよくないですね。AK100IIはわりとなめらかに画面遷移しますが、ZX1はいかにもAndroidっぽいリミテッドアニメ的なカクカクした動きです。

AK100IIのようなよく練られたハイレゾDAPと比べるとやはりZX1はWalkmanの改良機というレベルであると思うところではあります。前にも書いたように私はSONYではRX1もZX1も持っておりますが、RX1はいまでもどんなカメラに比べても最高だと思うけれども、ZX1は最高のDAPではありません。Astell&Kernの第二世代機が出たことでよけいにそう思います。それはサイバーショットとはいっても完全新規のRX1と違って、ZX1は所詮はウォークマンの改良機ということだからだと思います。SONY ZX1は国産唯一のハイレゾDAPなんですから後継機がもしあるならば奮起してほしいと思います。

* まとめ

AK120IIについての音質レベルの高さは予想通りだったけれども、予想と異なっていたのはAK100IIの音質レベルの高さだと思います。従来のAK100/AK100MK2よりも大幅な音質の向上で上位モデルにより近いと思います。
実のところこれもAK200として聞いていたモデルであり、れっきとした第二世代の性能を備えています。

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AK120IIと比べるとたしかに少し音質レベルは劣りますが、全体的なDAPの中ではかなり高いところにいると思います。やはり設計自体がかなり洗練されているからという気がしますね。
また、AK120IIと音の個性は似ていますが、やや異なってもいて、音楽リスニング用途により適している気がします。イヤフォンの組み合わせによってはAK100IIのほうが好ましい場合もあるでしょう。
オーディオ機器としての性能はやはりAK120IIのほうが上ですが、AK120IIは音楽リスニングでもよいけれども、やはりスタジオモニタ的なところはあるかなとは思います。

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AK100IIは実売で10万を切るDAPとしてはかなり良い出来と言えるでしょう。
ぜひ店頭でいつも使いのイヤフォンを持って試してみてください。
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2014年06月09日

Astell & Kernの新世代機、AK120IIレビュー

先日ヘッドフォン祭期間中に簡単に紹介し、ドイツハイエンドショウでデビューを飾ったAK120IIとAK100IIですが既報のようにまずAK120IIからさきに発売されます。
本稿はAK120IIを二週間ほど使用したレビューです。(AK100IIについては次の機会とします)

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* AK120IIの特徴

AK240についで登場したAstell&Kernの新世代機はAstell&Kern 『AK120II 128GBストーンシルバー』 及び『AK100II 64GBスモーキーブルー』です。 AK120II、AK100IIともAK240と共通した特徴を持っています。例えば2.5mmバランス端子、大型タッチスクリーン、WiFi機能、光出力などです。AK240はジュラルミンですが、AK120II、AK100IIはアルミニウムです。またカラーが異なります。
AK240は内蔵256GB、AK120IIは128GB、AK100IIは64GBです。増設はどれもMicroSD一個です。重さはAK120IIは177g、AK100IIは170gです。
AK120II、AK100IIともDSD再生に対応しますが、AK240はネイティブ再生なのに対して、AK120II、AK100IIはPCM変換です。これはAK240だけXMOSが採用されているからです。ハイレゾDAPとDSDネイティブ再生に関してはこちらの記事を参照ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/397192583.html

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AK120IIはAK240と同様にCS4398をDACチップとして採用しています。AK240とやはり同じくCS4398をデュアルで使用しています。またアンプ部分の出力電圧や出力インピーダンスもAk240と同じです。
このことからもAK120IIの音質はAK240同等レベルが期待できるのではないかと想像していましたが、今回実際に試すことができました。

* AK120IIの外観

箱はこれまでのAstell&Kernシリーズに準じたなかなか立派な作りになっています。Dual DACの文字はAK120と同じですね。

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AK120IIのデザインは以前のAK100シリーズに比べると細長い感じですが、ズボンのポケットには収まりがよいですね。胸ポケットだとややはみ出します。シルバーのデザインは精悍で、音の良さを想像させてくれます。AK240の斬新なデザインからすると実用性を感じさせます。画面デザインは高級感を表したシボ革風のAK240に比べると立体感を取り入れたモダンでシンプルなデザインが基調です。
この外見から見たシャープさと、実用性の高さはそのまま性能を表したものとも言えます。これはまた後で書いていきます。

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AK120IIのケースはブッテーロ製ですがクロコダイル柄というところがかなり個性的な点です。

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筐体は航空機グレードのジュラルミンではなく通常アルミとなりましたが、質感はかなり高く高級感があります。入出力はAK240と同じで2.5mmバランスも踏襲されています。MicsroSDスロットも一基です。細かいところではUSBのプラグの上下の向きがAK240とは逆(つまり旧AK120と同じ)になっています。微妙に違和感を覚えるところでしたからね。

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AK240とのもう一つの大きな違いは内蔵メモリが128GBということです。少し前は128GBというとかなり広大な空間を感じさせましたが、いったんAk240の256GBになれてしまいいろいろ詰め込むと、128GBでも足りなく感じられるかもしれません。
MicroSDでも128GBのタイプがありますので、それで増設することもできます。ただ、一般的には128GBもあれば十分なくらい確保されているというべきでしょう。

* 音の印象

本稿ではおもにAK240と比較しました。ヘッドフォン・イヤフォンはEdition8、FitEarカスタムMH335DW、JH Audioロクサーヌカスタム、AKR03などを使用しています。
AK120IIはスペックを聞いたときから音のレベルの高さとしてはAK240くらいと予想していました。実際にその予想はほぼ当たりましたが、予想と異なっていたのは音の個性の違いでした。
結論から簡潔に先に言うとAK240とAK120IIは音のレベルはほぼ互角で、音の作り方・個性が異なるDAPとなっています。

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まずAK120IIを聴いて印象的なのは透明感が高くシャープな音再現です。また音色はAK240に比べて色付けが少なくなっています。音場はややコンパクトですがまとまりのよい音空間が感じられます。
帯域的にはワイドレンジで、実際の周波数的な高音域と低音域のレスポンスはAK240くらいかもしれませんが、透明感が高いために高音域がより強調されているように思えます。このため弦楽器の鳴りにシャープさがあり、クリアでピュアな音を再現します。Ak240はやや丸まっていて特に高音域できつさが少なく聴きやすいとも言えますが、AK120IIの方がシャープな感じはあります。ただしやや聴き疲れするタイプにはなってるかもしれません。
中音域のヴォーカルは出すぎずに伴奏のピアノも主張は強すぎません。ここもすっきりとして余分な贅肉は感じられずにスリムな音表現です。ヴォーカルの歌詞も聞き取りやすく思えます。情報量が多いので、女性ヴォーカルのかすかなため息もリアルに感じられるでしょう。
低音域のベースは引き締まっていてタイト、贅肉はそぎ落とされた感じです。ここも過剰なベースの強調はなく、少し強めで量的にはほぼAK240相当のように思えます。ただし性格の違いがあるのでAK240とは聴こえ方がやはり異なります。AK240はAK120IIと比べてみるとやや低音域にふくらみがありやや緩く感じられます。ただしAK240ではそれが迫力につながっているとも思います。AK120IIはその点でパンチがあり、ソリッドでがっしりしている感じです。

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AK240に比べるとすこし派手めの音に聞こえますが、全体にはそう強調感はなく、フラットニュートラルと言っても厳密ではないけれどもそうおかしくはありません。またそれはアグレッシブさにつながっていると思います。
音場はAK240に比べるとややコンパクトというか細身で、Ak240のような迫力と広がりはありませんが、クリアな見通しの良さとともにオープンというかぱっと開けた感じがあります。また全体的にAK120IIの方が透明感が高いように感じられます。これは実際のSN感というよりは音つくりの問題かもしれませんが、Ak120IIの透明感の高さは印象的です。
このために情報量という観点ではほぼAK240とAK120IIは同じくらいに思えますが、解像感ではAK120IIの方が高いようにも聴こえます。ヘルゲリエントリオの新作192/24ハイレゾではベースの弦のやにが飛ぶような感じはAK120IIに軍配を上げたくなります。また高音域の透明感とあいまってAK120IIはシャープな音作りが感じられます。またリアルで臨場感が高いという感覚もあります。
一方でAK240の方が迫力があり、音作りに壮大な感じはします。たとえば三浦友里恵のラヴェルピアノ協奏曲では楽器の音はAK120IIの方がクリアで鮮明ですが、オーケストラの迫力・雄大さはAk240の方が感じられる、という感じです。

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音色的には着色感が少ないのもAK240と比べたときの特徴と言えます。これはAk240と比べてもそうですし、DAP一般としてもニュートラルな感じです。AK240と比べるとドライでクールに感じられるかもしれませんが、分析的とか無機的というところには陥っていないと思います。ZX1に比べればAK120IIは硬質感が少なくかなりアナログ的な音に感じられます。AK120IIはアクティブでスピード感があり、AK240はAk120IIと比べるとやや落ち着いた感はあります。
ZX1がすきな人ならばAK240よりもむしろAK120IIの方が好ましく感じられるかもしれません、ZX1のようにソリッド・シャープでありかつZX1にはないアナログライクです。ZX1のユーザーがより高い性能を目指すならAK120IIへの買い替えがお勧めで違和感も少ないかもしれません。ZX1を買ってもHPA-1/2などを付加してアナログライクな音を付加するならば、Ak120IIの方がほしかった音に近付くのではないかと思います。

* DSD再生について

DSD再生についてはAK240はネイティブ再生できる点が特徴です。Blue Coastのベスト盤からDog SongをPCM96/24とDSD(2.6M DFF)で、Ak240とAK120IIでそれぞれ違いがどのくらいでるかを聴き比べてみました。
たしかにAK240の方はPCMとDSDの差は大きく、DSDではより滑らかに柔らかく自然に再生されます。Ak120IIではPCMとDSDの差はありますが、大きくはなくDSD再生でも少しデジタル臭さ・硬さは残る感じです。ただしAK240は書いてきたようにもともとAK120IIより柔らかであるので、その差の方が大きく感じられるかもしれません。

* AK120IIとAK240

簡単にまとめると、AK120IIはシャープで歯切れ良くタイト、音場は細身でコンパクトにまとまった感じで、音色は無着色です。AK240は比較するとなめらかで落ち着いていて、ワイドで迫力・スケール感があります。音色はやや暖色よりです。
これはiriverのジェームス副CEOから聞いた話ですが、AK240では主にクラシックを念頭にチューニングし、Ak120IIではジャズ・ポップを念頭に置いていたそうです。その傾向的にはあってるように思います。(ちなみにiriverのヘンリーCEOはかなりのクラシックマニアだそうです)

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AK240とAK120IIではまたAstell&Kernの戦略上の位置付けも異なると思います。プロトの画像にAK220の文字があったのを目ざとく見つけた人もいたかもしれませんが、もともと私もAK120後継の機種名はAK220となると思っていました。そこでiriverの副CEOに名称をAK120IIとした理由を聞いてみました。そうすると、名称をAK120IIとしたのは連続性(continuation)のためという答えが返ってきました。
これは目的を考えると分かりやすいと思います。AK240は発売時のAstell&Kernのマップではハイエンドオーディオリスナー向けであり、そのときに当時のAK120はスタジオリファレンス向けという位置付けでした。つまりはその位置付けを考慮して、AK120というスタジオ向け機種の第二世代という設計がなされたと思います。
そのため、AK240に比べると比較的素直で無着色の音作りがなされていますし、外観デザインもAK240の実験的なものよりも実用的なものになったと思います。たしかにAK240よりもAK120IIの方が客観的に音を見つめることができるでしょう。

実のところ、私も試聴してきたはじめの数日ではAK240は音楽的でAK120IIはやや分析的でモニターライクかと思っていました。AK120IIでは録音の良否が明確に浮き出してくるという印象もあります。そうした意味ではスタジオ用途にもよいでしょう。
しかし、AK120IIを聴いて行くうちにそうした側面よりもAK240とはまた異なったテイストで音楽を聴く楽しみに没入していきました。AK240よりもスタジオ用途に向いているかもしれませんが、AK120IIは切れ味よく気持ちの良い音楽再現が楽しめます。AK120IIは明瞭感が高くよりメリハリがあって、躍動感もあります。ただし過剰ではなく必要な時にほしいくらいグイグイと出てくるという印象です。DAP性能としての地力の高さが、音楽再生にも貢献しているのでしょう。

はじめに結論付けたようにAK240とAK120IIは音のレベルはほぼ互角で、音の作り方・個性が異なるDAPとなっています。AK120IIはプアマンズAK240というものではなく、じっくり聴き比べれば音的にAK240からAK120IIに買い替えたいという人が出てもおかしくありません。また組み合わせるイヤフォン・ヘッドフォンにも寄ると思います。
これからAK240かAK120IIがほしいという人はじっくりと聴き比べて好みに合ったモデルを選んでください。

最後にもうひとつ。
先週わたしは上高地に新緑を撮りに高速バスで旅行しました。そのときに長時間のバス旅行のためにAK120IIとAK240のどちらを持っていこうかと当日の朝まで悩んだんですが、持っていったのはAK120IIでした。
もちろんAK240はだいぶこれまでに聞いたとか、このレビューの仕上げのために、というさまざまな考慮点はあります。とはいえ、そのときAK120IIの音世界に魅了されていたので長時間じっくりとこの音世界に浸りたい、という気持ちに支配されていたというのも事実ではあります。

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Appendix 購入について

AK120IIの実際の購入に関してはお店では買い替えキャンペーンを行っています。簡単にシミュレーションをしてみます。
フジヤさんの例で紹介すると、AK120からの買い替えの場合は買い取り額が通常の55000円から10%アップして60500円となり、それをAK120IIの実売価格の187110円から引き、さらにAK120は買い替えキャンペーンで30000円引きの対象ですので、96610円で購入可能ということになります。
またSONY ZX1の場合には買い取り額が通常の38000円から10%アップで41800円となり、それをAK120IIの実売価格の187110円から引き、さらにZX1はやはり買い替えキャンペーンで30000円引きの対象ですので、115310円で購入ができます。(税込 6/5調べ)
なおこの買い取り価格などは日々変動し、欠品キズなしが前提ですので状態にもよります。実際の価格についてはお店に問い合わせください。ご参考まで。
ちなみにキャンペーンは2014/6/30までとなります。
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2014年05月30日

AK120IIは本日予約開始、6/13日に発売

ミュンヘンハイエンドショウで発表された新型AKモデルですが、先行してAK120IIが先に発売されます。AK120IIは本日予約開始、6/13日に発売開始予定です。スペックなどは既報の通りですが、今回は付属ケースも明らかになりました。また直販予定価格は、208,000円(税込)です。
店頭試聴機は本日から設置されているようです。

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AK100IIに関しては7月中旬ころの発売を目指していると言うことです。
なお名称についてですが、AK100MK2は第一世代で改良型という意味、AK100IIは第二世代のAK100シリーズという意味になります。

AK新モデルの音質などのインプレッションはまた後でアップいたします。
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2014年05月15日

Astell&KernのAKシリーズの新作AK100IIとAK120IIの詳細について

Astell&KernのAKシリーズの新作がドイツハイエンドショウで発表されます。
この前少しテザー画像を載せましたが、その正式発表となります。

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Astell&Kern 『AK120II 128GBストーンシルバー』 及び『AK100II 64GBスモーキーブルー』です。
AK120II、AK100IIともAK240と共通した特徴を持っています。例えば2.5mmバランス端子、大型タッチスクリーン、WiFi機能、光出力などです。
DACチップもCS4398と三機種共通ですが、AK120IIはデュアル、AK100IIはシングルです。
AK120II、AK100IIともDSD再生に対応しますが、AK240はネイティブ再生なのに対して、AK120II、AK100IIはPCM変換です。これはAK240だけXMOSが採用されているからのようです。Ak240でDSDの時に働くチップというのがありましたが、あれはXMOSのことかもしれません。
AK120IIのアンプ部分はほぼAK240に準ずるようですが(いまの時点で完全にそうとも言えませんが)、AK100IIはバランス端子はありますがやや出力電圧は低くなってSNや歪みなどの性能もやや低くなっているようです。出力インピーダンスはAK100II、AK120IIともバランスで1Ω、シングルエンドで2Ωです。
AK240はジュラルミンですが、AK120II、AK100IIはアルミニウムです。またカラーが異なります。
AK240は内蔵256GB、AK120IIは128GB、AK100IIは64GBです。増設はどれもMicroSD一個です。
サイズについては画像を参考にしてください。

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重さはAK120IIは177g、AK100IIは170gです。
実際に聴いてみないとわかりませんが、AK120IIの方は中身はDSD以外はAK240にかなり近いのかもしれません。AK100IIは普及機という感じでしょうか。
なおスペック詳細などは下記iriverのサイトを参照ください。
http://www.iriver.jp/information/entry_740.php

なお日本での発売日、発売価格は未定です。
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2014年05月11日

Astell&Kern、独ハイエンドショウで新型DAP AK120IIとAK100IIを発表へ

Astell&Kernが5/15から開催されるドイツミュンヘンのハイエンドショウで新型のDAPであるAK100IIとAK120IIを発表します。詳細は後日。情報に注目していてください。
画像においては大きい方がAK120IIです。(画像の中のAK240は大きさ比較のための現行品です)

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2014年05月02日

ロクサーヌのAK240用チューニングモデル、AKR03登場

Astell&KernはAKシリーズに合わせたイヤフォンをイヤフォンメーカーとのコラボで実現して来ましたが、なんと新作AKR03はジェリーハービーのJH Audioフラッグシップ、12ドライバーの高性能イヤフォンであるロクサーヌのユニバーサルモデルがベースになっています!
まさに最高のDAPと最強のイヤフォンの組み合わせと言えます。ユニバーサルですから耳型を取る必要もありません。

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最近実際に使っていてAK240は普通でもロクサーヌとの相性が抜群であると思いますが、AKR03は自らがAK240ユーザーでもあるジェリーが特にAK240に合わせてチューニングしたということです。加えて従来ロクサーヌの可変ベースも健在のようですのでさらに音を自分でも調整できます。
しかも、、なんとこのAKR03には標準でAK240用の2.5mmバランスケーブルが付属します!これ欲しかったんですよね。普通の3.5mmももちろんついて来ます。

まさにAK240を120%堪能するためのイヤフォンと言えます。
なお私が把握している限りではAKR03の販売予定数はAK240のいまの流通量より圧倒的に少ないので、AK240ユーザーは速攻予約をお勧めします!

5/4: 完売しました!

Astell&Kern AKR03は、2014年5月10日(土)よりiriver直販eストアも兼ねている「アキハバラe市場(http://www.akiba-eshop.jp/)」及び、アキハバラe市場楽天市場支店(http://www.rakuten.co.jp/akiba-eshop/)にて順次発売をいたします。
またフジヤエービック、eイヤホンのお店でも販売するということです。直販予定価格は、169,800円(税込)です。

尚、2014年5月10日(土)・5月11日(日)と2日間サンプラザ中野で開催される世界最大級のヘッドホン展示会「春のヘッドホン祭2014(http://www.fujiya-avic.jp/user_data/headphone_fes.php) 」にて試聴も可能です。
個人的にはこれが今回のヘッドフォン祭の目玉かなあと思います。
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2014年04月18日

Red Wine AudioのAK240の改造モデル、RWAK240詳細発表

先日速報しましたが、RWAK240とRWAK240+の詳細と価格がRed Wine Audioのホームページで発表されてます。下記が製品ページです。
http://redwineaudio.com/mods/rwak240

AK240の中身はかなりきついようなんで改造は大変そうですが、RWAK240では電源周りを主に二箇所の改造が行われます。
まずヘッドフォンアンプ部の出力段への電源供給が弱いようなので、そこを改良します。これで主に低音域の深みや締まり、速さなどが向上されるということです。特に低インピーダンスのイヤフォンで瞬時電流供給が必要な時に有利になるそうです。

次はヘッドフォンアンプの入力段をJFET電流源(JFET CCCS)で改良します。これはアメリカのDIYの人がよくやるやつでしょうかね。
AK240は音質はニュートラルで良いですが、時として分析的に聞こえることもあると言うことで、JFETでもっと有機的な音楽性を付加しようと言うものです。これで中音域は解像力を犠牲にせず、より魅力的な音になるということ。また高音域はよりオープンで伸びがあり、より自然になると言う感じでしょう。

つまりRWAK240とはアンプの入力段での電流の質的改善と出力段の電流供給の改善と言う、オーディオの基本を踏まえたような二点の改良で、低音域と中高音域を改良し、AK240をポータブルアンプ二段重ね並みの音質にすると言うものです。

RWAK240+は上に加えて、前に書いたようにボリュームの上の斜め部分にドリルで穿孔してDACの出力段に直結し、真のラインアウトを設けるものです。
ただしボリュームはDACボリュームのようなので、ボリューム位置は最大(75)にセットする必要があるようです。

価格はRWAK240が$495、RWAK240+が$795です。
VinnieさんもPITA(つらくしんどい)と書いてましたが、あのAK240のタイトな基盤を改良したり、穿孔したりと大変なわりにはリーズナブルな価格設定だと思います。日本向けにはさらに返送料が$55加わります。
納期は二週間程度のようです。
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2014年04月11日

Red WineのAK240改造サービス、RWAK240とRWAK240+

Red WineのVinnieさんがRWAK100や120と同様にAK240でも改造サービスを予定しています。
下記のRed Wineフォーラムに内容の説明がありますが、来週あたりホームページにも載ると思います。
http://www.audiocircle.com/index.php?topic=125158.0

改造にはRWAK240とRWAK240+があります。
RWAK240はヘッドフォン出力の音質向上をはかるものです。RWAK100みたいなものですね。
RWAK240+はそれプラスで専用の真のラインアウト出力を加えるものです。標準のAK240のラインアウトは2Vrmsは出てるようですが、AK100シリーズと同様にヘッドフォンアンプを通過します。ラインアウトモードは単にボリュームを75(max)にセットするだけです。
それをRWAK240+ではヘッドフォンアンプをバイパスする「専用の真のラインアウト穴」を追加します。つまりRWAK100-Sのようにラインアウト専用ではなく、ヘッドフォンプラグも使えます。これには3.5mmTRS(シングルエンド)と3.5mmTRRS(バランス)が選べます。
ラインアウトプラグの設置場所はVinnieさんに言わせると基盤がタイトなので一箇所しかないということで、ボリュームノブ直上の斜めの部分になるようです。ここにドリルで穴を開けます。

価格はまだ未定、アナウンスを待ってください!
posted by ささき at 11:45 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月25日

Astell&Kernの新世代フラッグシップ、AK240レビュー

ハイレゾDAPの究極というべきAstell&Kern AK240が先月から発売開始されました。

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AK240のうたい文句は"Be the Ultimate"「究極であれ」ですが、この究極という言葉は今出てきたわけではありません。
いまをさかのぼること7年前に当時のiriver CEOが「究極のプレーヤーを作ろう」と提唱しましたが、このときは技術的な制約で作ることはできませんでした。その機運はiriver内にくすぶっていたのですが、いまのヘンリーパーク氏がCEOになると「この究極のプレーヤーを作ろう」という機運が再び活性化し、そのリードを今回ポタ研にも来日してくれたジェームズ副CEOがとります。そして生まれたのがAK100(初代)です。そのときに掲げたブランドポリシーのひとつが「究極」であり、それがAK240で結実したわけです。

私は初代AK100からずっとこのシリーズを見てきたわけですが、AK100、AK120、AK100MKIIと来て、このAK240では番号が大きく変わっていることに気が付くと思います。AK240という番号からはAK120の倍という印象もあるかもしれませんが、AK240は単なるAK100番台モデルの延長にあるわけではありません。AK240は外も内も大幅に刷新された新世代のフラッグシップと言えるモデルです。そしてそれはAstell&Kernというブランドの方向性を示すコンセプトモデルでもあるといえます。それを以下解説していきます。

* AK240の特徴

まずAK240の特徴と従来シリーズからの変更をまとめます。
細かな仕様は下記AK240の日本語ホームページを参照ください。
http://www.iriver.jp/products/product_98.php

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1. 刷新されたデュアルDACシステム
DAP(デジタルオーディオプレーヤー)は大きく分けて、音源をアナログ音声信号にするDAC部分とそれを増幅してヘッドフォンを鳴らすアンプ部分に大きく分かれます。
AKシリーズはDAC部分の優秀さで知られていたわけですが、そのかなめであるDACチップはAK240ではいままでのウルフソンからシーラスロジックに変更され、定評あるCS4398に変更されました。CS4398はシーラスロジックのトップグレードモデルで、いくつもの高級オーディオ機器にも採用された実績があります。つまり普及タイプであった前のWM8740よりも単体で能力は高いということです。またCS4398はのちに述べるDAP単体でのDSDネイティブ再生の実現にも貢献しています。
AK240は旧AK120がWM8740デュアルだったように、ハイエンドモデルらしくCS4398を左右デュアルで搭載しています。デュアルDACは左右チャンネルを別々に処理できると同時にひとつのDACの負荷が減りますので性能を存分に発揮できます。

2. DAP単体でのDSDネイティブ再生
またAK240は単体でDSDネイティブ再生を実現している点が画期的です。いままでのAK100や120でもファームアップでDSD再生に対応していましたが、それはPCMに変換してDSD再生に対応していたわけです。これはDACチップのWM8740自体がDSD対応できなかったからです。AK240ではCS4398を採用することで、DAP単体でDSDネイティブ再生に対応しました。AK240は最大DSD128(5.6MHz)のネイティブ対応が可能です。
AK240では処理能力の高いデュアルコアプロセッサを採用するとともに、DSD再生の際に負荷がかかると補助的なプロセッサコアが作動してなめらかな再生を保証するようです。これはnvidiaのARMプロセッサにあるようないわゆる+1コアのようなものだと思いますが詳細はわかりません。(これはDSDデコードさせてるXMOSのことかもしれません)
なおPCMでの再生は最大192kHz/24bit、32bit(Float/Integer 24bitダウンコンバート)です。
1.09アップデートでダウンサンプリングですがDXD再生に対応しました。

3. 単体でヘッドフォンのバランス駆動に対応
AK240では単体でヘッドフォンのバランス駆動に対応しています。ポータブルでのヘッドフォンのバランス対応にはさまざまな端子があるので注意が必要ですが、AK240は独自の2.5mmマイクロミニ端子という専用規格を用いています。2.5mmバランス端子のピンアサインは先端からR-/R+/L+/L-です。
これは現在国内でもFitEarやWagnusなどから提供が予定されています。また海外でもMoon Audioなどで対応が考えられているようです。

4. 内蔵メモリ容量は256GB
AK240は内蔵で256GBもの広大なメモリーを有しています。これは現在のDAPで最大のものです。MicroSDカードのスロットはひとつになりましたが、256GBもの内蔵メモリがあるために、むしろスロットは開けておいて購入したハイレゾMicroSDや試聴曲などを使うために取っておいてもよいと思います。

5. 転送はMTPに変更
また、パソコンからAK240への転送は従来のマスストレージクラスではなくMTPで接続されるようになりました。MTPというと難しいのですが、Windowsなんかではドライブのところではなく、ポータブルメディアプレーヤーとして下のほうに出るアイコンです。
注意点はWindowsPCでは特にありませんが、MacではAK240とのやりとりで別途ソフトのインストール(Android data transferなど)が必要です。

6. 刷新されたボディデザイン
まずAK240を見て目を引くのは刷新されたユニークなデザインでしょう。筐体はハイエンドオーディオ並みの航空機グレードのジュラルミン(アルミ合金)です。ボディデザインはかなりユニークですが、これは光のシェードを表したものです。つまり右のボリューム側の張り出し部分は光の陰になるわけです。

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また最近はオーディオ機材にカーボンを使うのが流行りですが、AK240ではカーボンをバックパネルに採用しています。ディスプレイは有機ELの3.31型タッチパネルで広くなりました。

7. 刷新されたプラットフォームと操作系
AK240は外観だけではなく、中身も大きく進化しています。ソフトウエアの中核部分にAndroidを採用したことでプラットフォームが刷新されています。Androidベースではありますが、Walkmanのように素のAndroidをそのまま使うのではなく、高度に手を加えていてふつうの人はまずAndroidが使われていることがわからないでしょう。そうした点を意識することなく、タッチ操作系とWiFiをはじめとする機能に大きなアドバンテージを得ることができています。
またデュアルコアプロセッサが採用され、ソフトウエアの演算性能も向上させました。これはハイレゾやDSD音源の広帯域再生で効果を発揮して再生のもたつきなどの根本的な解決となるでしょう。

8. 多彩なWiFi機能
最後に書きましたが、実のところ個人的に注目度が高いのはこの点です。まずAK240ではWiFiネットワークを使ってスマートフォンのようにアップデートが可能になりました。また家においてはWindowsPC/Macの中にある音源をストリーミングすることが可能です。ワイヤレスにおけるハイレゾデータのストリーミングはPCオーディオの世界においても稀有な実現例です。
そしてWiFi経由でAK240から直接ハイレゾ音源を購入することが可能です(日本では準備中)。

このほかには好評だった光出力、USB DAC機能は継承されました。AKシリーズはファームアップで進化するプラットフォームですのでさらなる進化も期待できるでしょう。

* AK240インプレッション

次に実際にAK240を使ってみてのインプレッションを書いていきます。

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箱には"Native DSD"のラベルが貼ってあり、これがAK240の売りであると主張しているかのようです。箱はAK120よりも大きくなっています。また中箱がフェルト調になり、いままでよりパッケージも高級感があります。中箱はAstell&Kernと印刷されたタブを持って持ち上げてからAK240を取り出した方が良いようです。
本体にははじめ薄くラップがあるので剥がします。液晶にははじめからプロテクトカバーが貼ってあります。

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AK240を手にとってまず思ったのは高級感です。いままでのAK100ラインよりクラス上というより別格にも思えます。AK240の造りの良さには感銘します。AK100/120シリーズの無骨な造形に比べるとエレガントで質感の高さを感じますね。
筐体はハイエンドオーディオ並みの航空機グレードのアルミ合金(ジュラルミン)です。ボディデザインはかなりユニークですが、これはユニークさとともに左手で持った時に指がかかるところに張り出し部分を持つことで握りやすくなっています。また向かって左下の角が取れているのもシェードを表現したデザインだけではなく、手のひらにぶつかる角を削ることで手にやさしくホールドできるように人間工学的にも優れています。デザインはライカのデザイナーに依頼したということです。ライカというとレトロなイメージもありますが、工業デザインには秀でていて、デジタルカメラのS1などもかなりユニークでかつ人間工学的なホールドを意識したモダンなセンスにあふれています。
高級オーディオ機器のような斬新なデザインと航空機グレードアルミの質感は小さいながらハイエンドオーディオの風格があります。

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AK120からついている革製の付属ケースもAK240で引き継がれています。もちろんイタリア製の保証書(CONCIATA AL VEGETALE - イタリアなめし本皮組合)のついた本革で、箱を開けると革製品の匂いがたち、本格的な革製品という感じがします。この上質感はAK240の質感の良さに花を添えます。AK100シリーズがブッテーロ革であるのに対して、今回のAK240ではミネルバ革になりました。個人的には実用を感じさせる前のブッテーロよりも、美しく革製品らしく艶やかさを感じますね。
AK120だとあまり考えずに革製ケースに入れましたが、AK240では本体の質感が高いことから、ケースなしでも持ちたいところです。この辺は箱を開けた段階で悩ましく楽しい選択と言えるでしょうね。

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JH13 + AK240

音質ですがエージングなしの箱を開けた状態でまず旧AKシリーズとはレベルの違いを感じます。
まずはじめにアップデートをしてくださいと言われていたのですが、その前にちょっとだけ聞こうと思ってJH13を取り出しましたが、そのままJH13を離せずにずっと聴き入ってしまいました。以下主にJHAudio JH13で聴いています。
音を聴くとAKシリーズとの違いに愕然としますね。豊かな音再現、さらに洗練された緻密な細部表現は圧巻です。
たとえて言うと、まるでポータブルアンプをつけてるかのような豊かな音再現です。実際にいくつかポータブルアンプを後でつけてみましたが、個性としては音の着色の違いをたのしめますが、性能的にはそう決定的な差にはならないと思います。これは以前にプロトタイプを聞いたときにも思ったのですが、製品版ではさらに細部に磨きがかかっています。

AK120でもAK100とは差を感じましたが、いうなればAK100からAK120は細かさなどDACの差、または出力インピーダンスなどの部分・部分での差だったと思います。AK120からAK240はもっと全体的な差を感じますね。完全に別物という感じです。AK120と同じ曲で比較すると、AK240では細部がより音数があり重なり合いが立体的で、全体に豊かで音の濃密感・豊かさが違います。
つまりいままでのAK100/120シリーズとはDACの部分でもアンプの部分でも大きな差を感じます。ディスクリートで設計されたといいますが、いままでのAKシリーズではDACはよいけれどもアンプが弱くてポータブルアンプと組み合わせたいと思っていましたが、AK240ではそれが改良された払拭された感があります。

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また高性能でもいわゆるモニタライクではなく、ドライになりすぎず音楽性が高いのも特徴的です。
ファームウェアのバージョンにも幾分左右されますが、かなりロックポップにも向いたアグレッシブさも聞かせてくれます。良録音のクラシックからオールドロックも対応できるオールジャンルで使えると思います。
最近発売されたアイオナ(IONA)ライブのようにアイリッシュでありながらビートの聴いたロック、またはYuka&Chronoshipのような新しい古いロックの和製プログレバンドでもAK240はカッコ良くスピード感があります。ドラムスやらベースのブンブンビシバシいうインパクトの打撃感が気持ち良く効いています。
またAK240聴いてて思うのはダイナミックとBAの差が良く分かるということです。例えばハイブリッドのUltrasone IQをEstronあたりでリケーブルして使用するとベースのアタック感・インパクトが半端なくクセになります。写真のIQはMMCX Estronでリケーブルしています。

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Ultrasone IQ + Estron MMCX + AK240

オーケストラでのスケール感も一級品だと思います。Reference Records HRX(192kHz/24bit)のブリテン・青少年のための管弦楽入門は文字通りオーケストラのさまざまな要素が紹介され、テストのためのリファレンスに好適ですが、これをAK240で聴くとワイドレンジを感じさせます。とても低い低域までずーんと出て、高い方は鮮明でもきつさはまったくありません。CS4398的な美点も感じますが、高解像度なのにきつさがないというのはハイエンドオーディオのような品質の良さを感じさせます。
もちろん迫力もたっぷりとあります。音空間が広大というか雄大さを感じさせます。AK240の音の良さの特徴は音空間が広いということが挙げられます。これはバランス駆動でなくても実感できますし、いままで音が広いと思っていたZX1よりも格が違います。ZX1では平面でしたがAK240は空間を感じます。ZX1にHPAを加えようと思ってる人は間違いなくこっちの方が良いと思いますね。ZX1も良いと思ってたけど、AK240と比べるとAK240はひとクラスレベルが上という感じです。AK240からZX1に変えると音が薄くなり、力が抜けて、音が歯抜けした感じです。ZX1はDSSEオンでAK240はCD品質ままでも同じで、基本性能の格の違いを感じさせます。

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AK240とSONY ZX1

iBasso DX100あたりと比べても差を感じさせてくれます。音全体のレベルがAK240のほうが高いということもありますが、それよりもAK240では音質の均質性が高くよく整った高レベルな音つくりを感じさせてくれます。ここは老舗iriverの底力というか開発力の高さを改めて感じさせます。

またAK240は圧縮音源でも十分いい音で聴かせてくれます。ロスレスとの音質の違いも明確に描き出す一方で、音作りのバランスが良いので圧縮音源でも破綻しない感じです。iTunes購入のBen HowardのOats in the waterも雰囲気よく鳴らしてくれました。これはWaking Deadのシーズン4でハーシェル医師が自分の無力さに悩み聖書をめくるシーンで印象的に使われてるんで、ネットで曲名調べて買ったものです。はじめアメリカの逝ってる擦れたカントリーSSWかと思ったけど、イギリスの青年SSWだったとは意外でした。日本ではCDで売ってないようですが、こういう音との出会いもあるので、実のところいまだiTunes Storeなんかも欠かせません。

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電池の持ちに関しては、はじめエージングしていた時の感触からするとさまざまなビットレートの曲を入交って使用してだいたい8時間ほどでしょうか。使ってると少し暖かくなるのでまじめに仕事している感じです。
はじめに入っていたファームウエアは1.03でした。これはわりとウォーム感を感じさせるオーディオ寄りのものでしたが、1.05でスタジオ寄りと思われるフラットでより自然な1.05になり、リリース時点では少しまたオーディオ寄りに振ったと感じられる1.07となりました。1.08では大きく変わっていないと思います。ただし上で描いたような音の基本的な特徴は同じです。いまのところ最新は1.09ですがこれはまた少し音が変わって1.05に近く戻った気がしますが、AK240の高性能を生かしていると思います。


またAK240の大きく特徴の一つはDSDネイティブ再生に対応しているということです。いままでのAK100/120シリーズでもファームウェアアップでDSD再生に対応していましたが、これらはいったんPCMに変換をしていました。AK240ではついにDSDをそのまま再生できるDSDネイティブ再生に対応しました。DSD音源は基本的なSACDレベルのDSD64(2.8MHz)とDSDのハイレゾともいえるDSD128(5.6MHz)に対応しています。DSD128対応はPCオーディオ的にも最新のスペックと言えます。ファイルとしてはDFF(DSDIFF)もDSFも両方対応しています。
DSD音源ではオールDSD製作されたというジャズの類家心平の4AMを聴いてみました。AK240で聴いてみるとちゃんとDSDらしい硬さの取れた柔らかいアナログチックな音が出るので感激します。一曲目はかなり派手なうるさい音楽ですが、うるさく感じません。70年代ジャズっぽいと言われる4AMをアナログ的な音で聴くと録音意図がよくわかりますね。パラメータとかいじりながらPCM変換して聞いてたのはなんだったという感じです。4AMってやっぱりこういう音楽だった、と感を新たにさせてくれます。

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FitEarバランスケーブル(試作品)

さらにAK240では音質を高めるためにヘッドフォンのバランス駆動を採用しています。これは2.5mmマイクロミニ端子という専用独自4極プラグの規格を用いています。
これは専用に作られたケーブルが必要ですが、実際にFitEarの須山さんから試作品をお借りして試してみました。パルテールや335DWで比べてみましたが、001標準ケーブルなのでありなしの差がわかります。バランス駆動のAK240はかなり差があると感じます。立体感だけではなく、音の表現力がひとクラス上となります。4芯で空間表現力は音の洗馬レーションが良くなるのはもはや当たり前として、バランス駆動は力もあるのでイヤフォンの能力を引き出してくれる感じが必要です。AK240ではそうした独自の世界をもたらしてイヤフォンの音質を高めてくれることでしょう。
バランス駆動へは設定メニューから切り替えますが、アンバランスと排他的でどちらかしか使えませんので注意ください。

AK240は音質的に高性能で音楽性も高く、アンプ部分を含めたトータルの能力が向上しています。それを外付けのアンプなしでコンパクトなパッケージのまま実現しています。多くの人が、欲しかったのはこれだ、と感じることでしょう。
AK100/120はスタジオ用としても重宝されてきましたが、AK240はAstell&Kernの中でもスタジオ用というよりはオーディオ用のリファレンスモデルとして位置づけられています。
音を聞いてもいわゆるモニターライクな音ではない、これはまぎれもない堂々たる上質なオーディオの音です。
AK240の音質はポタ研の試聴会でも実際にMacbook+据え置きDACと聴き比べて試してみました。堂々とした据え置きDACと高性能スピーカーを組み合わせたシステムでも実証できたのではないかと思います。AK240とAKスピーカーを組み合わせた音は堂々としたサウンドで東京インターナショナルオーディオショウに出品させたいと思わせるほどのレベルの高さを聴かせてくれました。

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Astell&Kernのスピーカーとアンプ

* AK240の機能

次にAK240の機能面での向上を見ていくことにします。

AK240で目立つ特徴の一つは内蔵メモリ容量が内蔵256GBもの大容量を実現したことです。さらに一基のmicroSDXCカードスロットでDAP随一の大容量を実現しています。これも世界最大(14/2/21時点)です。256GB(128GBx2)のメモリを単一ボリュームにしたのも苦労があったということです。
はじめにAK120にはいっていた音源をすべてAK240にコピーしたんですが、60GBもの音源をコピーし終わって、メモリ使用情報を見るとちょっとしか(1/4ほど)減っていないので驚きましたね。これだけあればFLACではなくWAVで入れるというぜいたくな使い方も可能でしょう。

またデータ転送についてAK240では方法がMTPに変わったのも注意すべき点です。MTPはマイクロソフトのものなので、WindowsPCでは問題ありませんがMacでは注意が必要です。
MTPというと難しく聞こえますが、これはWindowsのエクスプローラーでは右下に出てくる小さなポータブル機器アイコンのことです。スマートフォンなんかはよくこれで転送しますね。対して従来のAK100/120ではマスストレージクラスで接続していたのでドライブのところに表示されていたはずです。
少し詳細に書くと、マスストレージクラスの場合はPCのハードディスクにあるのと同じく自分のファイルシステムにあるわけですから、低レベル(ハード寄り)のブロック単位で転送します。つまりマウントが必要であり同時に「安全に取り外し」が必要となります。もし転送中にぬいたりすればパソコンもDAPも痛める危険性があります。
MTPの場合はパソコンから見てDAPがあたかもファイルサーバーであるように転送しますので高レベルのファイル単位の転送です。つまりマウントする必要はありませんし、「安全に取り外し」の要もありません。転送中にぬいてもパソコンもDAPも痛める心配はありません。
しかし基本はWindowsとかAndroid世界のものなので、MacではAK240とのやりとりで別途ソフトのインストール(Android data transferとか)が必要です。ここを注意してください。

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Android data transfer(Mac)

このMTPに見られるようにAK240では随所でAndroid的な振る舞いがかいま見えてきます。AK240では内部的にAndroidプラットフォームに切り替わったのも大きな変化です。
ただしSONYのZX1はほぼ素のAndroidを使用していますが、AK240はたぶん普通では気がつかないでしょう。AK240では作り込みのレベルが違います。AK240におけるAndroid化はWalkmanのように汎用プラットフォームを狙ったものではなく、その中核機能をうまく利用してより高いレベルの機能を実装するための手法と言えます。

たとえばメニューを開けて行くと機能と操作性の向上に気がつきます。ギャップレスやシャッフルなどの設定はAndroidのように上から引き出すメニューで行います。私なんかはシャッフルと順再生をよく使い分けるのでこれは便利ですね。
またキー配列をカスタマイズできるのも片手で操作する際に指で使いやすいように配置ができます。またメディアスキャンやファームウェアの確認には通知ウインドウが使われます。

しかし、やはりAK240におけるAndroid利用の最大のメリットはWiFi機能を大幅に取り入れられたことでしょう。
これには大きく分けると、スマートフォンのようなWiFi経由でのファームウェアアップデート(OTA - Over the Air)、ワイヤレスでのストリーミング再生、そして日本ではのだ準備中ながらワイヤレスでAK240単体でハイレゾ音源の入手が可能となったことがあげられます。WiFi機能を使うためにはあらかじめWiFi設定をしておく必要があります。設定メニューからWiFiをオンにして、WiFiネットワークを選択するとソフトキーボードが現れて文字と数字が入力できます。そこから暗号化キーを入力します。

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まずOTAによるファームウェアアップデートですが、いままでのファームウェアアップデートではまずネットなどでアナウンスを聞いてアユートさんのサイトに見に行って取ってきて、AKに転送して入れて更新するという手順が必要でした。AK240ではWiFiをオンにした時に自動的にアップデートの確認をして、もしあればそのままダウンロードが可能です。

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具体的な手順はまずAK240をWiFiネットワークにつなぎます(インターネットにつながってる必要があります)。この時点で新ファームウェアがあると通知ウインドウにその旨が表示されます。次にAK240の設定からアップデートを選択すると、システムとアプリケーションアップデートがあります。更新があるとNEWと出てきます。選択して進むとすぐにアップデートがオンラインではじまります。どのバージョンのどのファイルをメーカーサーバーから落としてくるかと悩む必要がありません。
ただしWiFi環境がないユーザーでもアップデートができるようにアユートさんではこけまで同様のダウンロードファイルでのアップデートも用意しています。これは日本独自のサービスだそうです。

そしてAK240で白眉と言える機能は実のところWiFiワイヤレスによるストリーミング機能かもしれません。
これはPCに内蔵される音源をWiFiワイヤレス経由でAK240にストリーミングして再生するというものです。これはなんとハイレゾ音源のストリーミングにもワイヤレスで対応しています。またiriverの人に聴くところによるとDSDネイティブ再生もワイヤレスストリーミングで可能にしているとのこと。

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MQSサーバー(Mac)

具体的にいうとPC(またはMac)にサーバーソフトをインストールして、公開する音楽フォルダーを指定します。次にサーバーをオンにするとストリーミング可能になります。AK240ではMQSストリーミングをオンにするとサーバーをWiFiネットから検索して、接続します。見つかってPC/Macのサーバーに接続されると、AK240ではいままで内蔵音源が見えていたものが、PCサーバーの中の曲やアルバムを表示するようになります。音源を選んで再生するとPCからAK240にワイヤレスでのストリーミングが開始されAK240でPC内の音源を再生します。
DLNAをご存じの人は、AK240がコントローラとメディアレンダラーが合体したようになると言えばわかりやすいかもしれません。ただDLNAではなく独自のシステムです。
ここまで進歩したハイレゾDSD対応というストリーミング、しかもワイヤレスでそれを行うという高度なシステムは数百万円を誇示するPCオーディオの世界でもまだありません。AK240はそれほど高度な「オーディオ機器」なのです。

* AK240とAstell&Kernの目指すところ

これはもう"MP3プレーヤー"なんていうカテゴリーの機器ではありません。スピーカーの世界の普通のオーディオ機器と同じもので、ただ、とても小さいだけです。もしかするとそれ以上かもしれません。なにしろDSDネイティブ再生やワイヤレスでのハイレゾストリーミング再生など、PCオーディオ機器として考えても最先端の機器でもあります。AK240は高価をよく揶揄されますが、試聴会で披露したように据え置きオーディオと比べてもその音質をゆずるものではありません。

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ポタ件でのAK240発表会の様子(左端は私が発表しているところ)

試聴会ではAstell&Kernブランドのスピーカー・アンプも披露いたしました。一見スピーカー・アンプとAK240は関連なく思えますが、Astell&Kernのポリシーを示すという点で共通しているのです。
それは先日のNewyork Timesの記事が示唆しています。この中でAstell&KernのOwen KwonはAK240は"showing the direction we are headed in hi-fi. (AK240は我々がHiFiへ進むことを示すものだ)”と語っています。この言葉からAK240とハイエンドスピーカー・アンプ製品の結びつけも感じられるでしょう。つまりAK240はAstell&Kernのブランドとしての意思を示すデモンストレーターとしての役割を持ってると思います。上のNewYork TimesのインタビューでもAK240は多くは売れないだろうとiriver側でも考えていたことがわかります。iriverではたとえ売れる製品ではなくとも「究極のプレーヤー」としてこれからAstell&Kernが歩む道を示したかったわけです。
しかし、ふたを開けてみると、AK240はフジヤさんをはじめ各オーディオ店で初回予約完売があいつぐ人気商品となり、ひと月以上たったいまでもたくさんのバックオーダーを抱えています。
iriverのジェームズ副CEOは日本からの意見は特に重要と考えているということを話していました。それはフィードバックが細かく正確で、使いこなすマニア層が多いからということです。そうしてAK100を育てた日本のユーザーが今またAK240の世界を育てようとしています。

いまポータブルオーディオの世界は進化しています。ハイエンドメーカーのCHORDやAyreがポータブル製品を作ると数年前にだれが想像しえたでしょうか。ハイエンドオーディオは死につつあるといいますが、実は形を変えただけなのかもしれません。
進化したスマートフォンが旧来のパソコンに取って代わりつつあるように、進化したポータブルオーディオが旧来のオーディオに代わりつつあるというだれも経験したことのない新しい世界への扉を開けるのはAK240を手にした人なのかもしれません。
posted by ささき at 22:55 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする