それに対しての福音となるのがドングル型Bluetoothトランスミッター、Noble「SCEPTRE(セプター)」です。希望小売価格は税込14,300円、4月18日に発売開始されています。
SCEPTREとは笏(王が持つ杖)の意味です。この杖のようなデバイスを使えば音が格式高くなると言うわけですね、Nobleらしいネーミングです。
* SCEPTREの特徴
SCEPTRE はワイヤレスデバイスとしてはQualcomm QCC5181 Bluetoothチップセットを搭載し、Bluetooth 5.4をサポートしています。
ドングル型でスマホのUSB-C端子に接続するだけでiPhoneをLDACやaptX対応に変えます。使用するコーデックを明示的に指定することができます。
特徴としては本体底面にUSB-Cポートが設けられているので、充電しながらの使用も考慮されています(PD3.0準拠)。またPCなどのために使用するUSB-Aアダプター(SCEPTRE専用とされています)も付属しています。
対応コーデックはLDAC / aptX Adaptive / aptX HD / AAC / SBCです。BTクラシック(A2DPなど)のみの対応で、LE Audioには対応していません。
母機としてはiPhone 15/16/17、Androidの他にMacやWindows 11以降のPCに対応しています。またコンシューマーゲーム機としてPS5、Switch 2にも対応しています(ゲームモードがあります)。
* SCEPTREの仕組み
SCEPTREは手軽に使えるのですが、実際に使うのは戸惑うこともあります。そこで仕組みを頭に入れておくとスムーズに使えると思います。以下、挙動からの推測ではありますがSCEPTREの仕組みを解説していきます。
以降はiPhoneを例に取ります。
仕組みとしては、従来はiPhoneからワイヤレスイヤフォンに直接接続されていたものを、SCEPTRE経由にするわけです。SCEPTREはクアルコムのチップを搭載しているのでaptX系統も使えます。
[従来]
iPhone
↓ (Bluetoothワイヤレス / 主にAAC)
TWSイヤホン (Noble FoKusなど)
[SCEPTRE]
iPhone
↓ (USB-C 有線接続)
SCEPTRE (Qualcomm QCC5181)
↓ (Bluetoothワイヤレス / AACに加えて、高品質コーデックLDACやaptX系統)
TWSイヤホン (Noble FoKusなど)
そして、SCEPTREは画面がありませんから、ペアリングやコーデックの指定などはiPhoneにNoble FoKusアプリをインストールして行います。この時に、SCEPTREとiPhoneの通信も必要になりますので、SCEPTREとiPhoneはBluetoothで接続します。iPhoneからSCEPTREへの音楽伝送はUSB経由です。
これを頭に入れておくと混乱しないで使えると思います。
パッケージ
* 接続手順
例えばfinal TONALITEでLDACを使いたいとします。
この時に(絶対ではないが確実にするために)することは
1. TONALITEのEQやPersonalizeなど設定を固定して決めておく (SCEPTRE使用中はTONALITEアプリが使いにくい)
2.(重要) iPhoneユーザーは忘れがちですが、TONALITEのLDAC使用設定をオンにしておく
3. iPhoneのBluetoothのTONALITEの設定をいったん削除(iPhoneがSCEPTREより先にTONALITEに接続しないため)
4. TONALITEをいったんケースにしまう
5. SCEPTREをiPhoneに接続
6. Noble FoKusアプリを立ち上げて、ドングルに接続を選択
7. Noble FoKusアプリのBluetooth接続でSCEPTREを選択
8. TONALITEをケースから出す、ペアリングモードになる
9. Noble FoKusアプリのペアリング画面でSCEPTREとTONALITEのペアリングをする、またはMy deviceでTONALITEを選択
10. Audio decoderメニューからLDACを選択、TONALITEは最高品質でも安定しています
これ以降は簡単に使えるはずです。またこれ以降はiPhoneにTONALITEのBluetooth設定があってもかまいません。前回使ったSCEPTREが優先されるはずです。
LDACの品質選択画面とaptX adaptiveの選択画面
もちろん他のイヤフォンでも同じです。FALCON MAXなども専用アプリにaptXのオンオフ設定があるので注意してください。iPhoneユーザーは日頃これらの設定を意識しないので忘れがちになると思います。
*実際の使用
実際にfinal TONALITEでSCEPTREを使用してiPhoneからLDACで使ってみました。
SCEPTRE 上でコーデックをAACからLDACに変えると、音の細かさ、情報量、力感、パーカッションの打撃、広がりなどの感覚がかなり向上するのがわかります。ヴォーカルはより表情豊かになり、特にスケールの大きなシネマティックな音楽のスケール感が圧倒的になります。
LDACの最高音質で接続しても音が途切れることはありません。
ドングルを取ってiPhone直に戻すとかなり物足りなくなります。
元の音のバランスのままでそのまま良くなる感じだけど、全体的に少し強めに出るので、オリジナルの状態で好みの音にしておいた方がよいです。
ちなみにiPhone直のAACとSCEPTREのAACでも、SCEPTREのAACの方が音は良いです。
FALCON MAXではaptX Adaptiveも使用できます。最高レートでも安定しています。
さらにLDACとaptX Adaptiveの聴き比べもできます。音楽的で滑らかなLDACと多少硬質感があるがソリッドなaptX Adaptiveのらしさがでているのが面白いところ。
QCY N70でもLDACで接続できましたが、LDACの最高音質にすると音が少し途切れます。他ではでないのでQCYの問題のようですね。Androidではわかりませんが。
*まとめ
Noble SCEPTREは、iPhoneユーザーが長年抱えてきた「高音質コーデックが使えない」という不満を、シンプルなドングル1つで解決してくれる優れたアイテムです。一度設定してしまえば、お気に入りのイヤホンをひとグレード上にできるのが魅力です。ワイヤレス体験の質を高めてくれるアイテムと言えるでしょう。

