ドライバーはダイナミックドライバーとパッシブ型セラミックコートツイーターのハイブリッド構成です。ダイナミックドライバーは10mm径のグラフェンコート、ツイーターはパッシブ型セラミックコートツイーターで、オーツェイド社が培ってきたピエゾテクノロジーを応用して、IEM向けに開発したものだそうです。MAPro1000 IIに搭載されているのは5.8mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)というタイプです。RSTは従来のVSTに比べて広い指向性を有して、小さな筐体内で高音が効率的に前方に伝わります。
実際このシリーズは装着感を重視していて、小型軽量ハウジングを採用しています。
またMAPro1000 IIでは内部配線を銀入りハンダ(銀配合ハンダ)に刷新、MMCXコネクター部に特殊形状の接点補正ワッシャーを新採用しています。
もう一つの特徴は音の変化を楽しめるというサラウンドイヤーピース「iReep01」が付属しています。従来よりも細身のイヤーピースです。
これはゲームなどでサラウンド的な効果を得るためのもので、イヤーピース内部の特殊形状により初期反射音を発生させ、ホールのような残響感と奥行き感を付与するというものです。
細い方がiReep01
音の試聴はA&K SR35で行いました。
MAPro1000 II はとても中高音域の解像感の高い音で、楽器の音がクリアで鮮明です。残響がよく聴こえる点で、空間の広がりが感じられます。弦楽器の音色が良く、声が聴き取りやすい感じです。低域は出過ぎてはいないけれども、低音がたっぷりと感じられて音楽の下支えになっています。
特徴的な中高音域の先鋭さがアクセントになっていて、モニターと銘打っているけれどもリスニング向けとして聴きやすいイヤフォンです。躍動感がある。音の歯切れの良さが気持ち良い。ゴーゴーペンギンのRavenでは特徴的な冒頭のピアノの打鍵音も美しく響き、続くテーマパートのスピード感が良い。
メタルのハイスピードのドラムロールでは歯切れの良い躍動感と、低音のたっぷりした量感があいまってなかなか良い感じです。
イヤーピースを細い方に変えると音の広がりが一際よく感じられる。広がるというよりも開放感が出るという方が正しいかもしれない。変わった味付けができると思います。
価格は実勢で12,000円前後ですが、パッシブ型セラミックコートツイーターによる音の歯切れ良さはこの価格帯ではなかなか得られないと思います。バランスで聴きたくなるような音のポテンシャルもあります。MMCXでリケーブルができるのも良いですね。
ハイブリッドの良さがよくわかり、パッシブ型セラミックコートツイーターによって他にないような音の個性があるイヤフォンです。

