WM8740を搭載したDAC内蔵のヘッドフォンアンプで、iPhoneと直接デジタル接続が可能です。
わかりやすく言うと、「iPhoneをAK100なみの音にする」ような製品です。またPCにも接続して再生可能です。
* AK10について
iPhoneとAK10はデジタルで接続ができ、AK10はDAC内蔵のヘッドフォンアンプとして機能します。つまりiPhone→AK10→イヤフォンという感じですね。iPhoneとAK10はライトニングとAK10の独自端子を結ぶ専用ケーブルを使用します。このケーブルは短めに作られて、付属の専用ケースと組み合わせるとiPhoneに簡単に取り付けられます。
また普通のUSB端子を持ったケーブルも付属していて、こちらでPC/Macと接続してUSB DACとして使うこともできます。このケーブルは充電用も兼ねています。(iPhone用のケーブルの時はセルフパワーとなるようです)
パッケージは価格にしては豪華で、箱もAK100のようにうまく作られています。USBケーブルもiPhone/iPad用のライトニングケーブルのものと、USB AがついたPC接続と充電対応のものがついています。
パッケージングもこっていて、高級感があります。またAK100mk2/AK120のようにケースがはじめから入っていて、このケースはAK10を入れてバンドがあってスマートフォンとつけられるようになっています。
上面(正面)には大きなボリュームがあり、状態を示す小さなLEDがあります。このボリューム調整はiPhoneと連動していて、AK10側でボリュームを動かすとiPhone側のアプリのボリュームバーも動きます。
AK10の側面にはAK100のような再生や曲スキップのハードボタンがあります。これでAK10から曲のリモコン制御ができます。電源はロックといっしょになっているのではじめ戸惑うかもしれませんが、慣れると使いにくくはありません。電源の7秒長押しでリセット機能となります。
別の側面にはAK10独自形状のケーブルコネクタと電源LEDがあります。このLEDはチャージ状態をしめすもので、上面のLED(ボリュームのそば)は接続状態をしめすものです。上面のLEDが青(ダウン)か赤(アップ)の点滅でボリュームのアップダウン、そして点灯すると最大音量か最小音量にあたったことを示します。またバッテリー低下とファームアップデートもこのLEで示します。
電源状態LED(コネクタのそば)はUSBケーブルの装着を示していて、緑になるとケーブルがただしく接続されています。緑点滅と点灯で充電状態を示します。
* iPhoneとの使用について
再生のための接続はiPhoneに短いライトニングケーブルを接続して再生します。iPhoneからデジタル接続する場合にはサンプリングの上限は48/24となり、PCからは96/24となります(ただし88kHzは未対応のように思える)。
iPhoneとは接続形式からすると48/16のように思えますが、スペック上は48/24です。AK10はAppleのHP-P1のように正式認証をうけていて、ボリュームや再生コントロールはiPhoneと連動します。
注意点の一つはiPhoneとAK10を接続してもアプリのボリュームバーは消えないことです。たとえばFLAC PlayerだとUSB DACとカメラコネクションキットで接続するとボリュームバーが消えますが、AK10ではFLAC Playerで再生してもボリュームバーはそのままです。これは不具合と言うわけではなく、AK10におけるボリューム調整はAK10(DAC)側のデジタルボリュームに依っているからだと思います。同様なDAC側ボリュームの機種ではやはりボリュームバーは消えないようです。そのため、AK10のボリューム調整はiPhoneでもAK10本体でも可能で、互いに連動しています。
たとえばXD-01をつないだ時にXD-01はアナログボリュームでiPhoneからは操作できないので固定デジタル出力として音量バーを消すけど、AK10はデジタルボリューム(デバイス側ボリューム ー DAC内ボリューム)でiPhoneからも信号で操作できるので音量バーを活かしてるということです。(iPhone側で信号をアッテネートしているというのとは違うと思います)
これはPCやMacからAK10をUSB DACとして使用したときにも同じで、AK10のボリューム調整ではまずデバイスボリューム(AK10-DAC側)を使用してください。それからソフトウエアボリューム(PC/Mac側)です。これはのちにPCオーディオとしてUSB DAC使用のところでも触れます。
AK10は手に持っても51gとかなり小型軽量です。普通のポータブルアンプのような重さはありません。専用のケースで直接付けることもできます。(バンドで画面をふさいでしまいますが)
実際の使用でも軽快にiPhoneと合わせられます。あえて固定しないでかさねて手に持っても良いですね。スペックでは11時間ほどの連続再生をうたっています。
またAk100で問題となった出力インピーダンスは1オームとかなり低く取っていますので低域レスポンスの心配もありません。
試聴ではAK100オリジナルと比較してみました。使用したのはiPhone5でiOS7.0.2、標準Musicアプリを使いました。イヤフォンはカスタムのUE18+TWagケーブルです。
フラットな印象のあるAK100と比べるとコンシューマーライクに強調感のある音で、低域も高域もやや強調されています。AK10では出力インピーダンスの低さもあってか、低域の量感もしっかり出ていますね。低域の深みも十分感じられ、高域もAK100より輝きがあるように感じられます。モニター用にも使えることをうたったAK100よりはコンシューマーサウンドよりに調整しているように思えます。
端的に言うとiPhoneで聴いた全体的な音質のレベルはかなりAK100に近いと思います。もちろん差はあり、比べてよく聴くととAK100の方が背景の静粛性があり、SNも少し高いのか細かい音の抽出に優れているように思えます。一方でAK10の音はやや荒くAK100の方が全体的な音の雑味は少なく、やや洗練されているように思えます。ただしぱっと感じるところでは大きな差ではないとも思います。
ボリュームは連動しているのでどちらでも操作でき、AK10の操作系のリモコンも効いています。
AK10の音質はもちろんアプリでも大きく異なります。AudiophileだとDSPを聴かせてもっと広く鳴らしたり、GoldenEarだと標準より洗練された音となりますが背景の黒くなさと音の粗さは少し残ります。ぜいたくを言えばもうちょっと品質の高いケーブルがほしいところではありますね。ただ価格的には十分に納得出来るところです。AK10に関しては、はじめに少しエージングした方が良いと思います。
Androidについては別売りのケーブルを使うことで対応できます。このケーブルはいわゆるOTGケーブルですね。Androidについては対応機種がきまっていますので注意ください。(AndroidはUSB DAC方式なので一部では96kHzまで対応するようです)。
* PC/Macとの使用について
AK10ではUSB DACとしてPC/Macから使うことができます。標準ドライバーのためカスタムドライバーのインストールは必要ありません。USB DACとしては96kHzまでサポートしていますが、88kHzがないようです。Win7はそもそも88kHz指定がないということが知られていますが、Macで見ても88kHzが出ていないのでAK10側で対応がないようです。(おそらくUSBレシーバ)
AK10をPC/Macで使用するポイントのひとつはボリューム調整で、AK10がデバイス側ボリュームを採用していると言う点に注意することです。Windowsで接続しても音が聞こえないときはサウンドのプロパティを開いて(Win7)、そこのレベルを少し上げてみてください。
PC/Macとはボリュームと操作系が連動できます。これはDecibelなんかをみるとわかりやすいのですが、PCオーディオのボリュームにはPC/Mac側でソフトウエアで計算して音量レベルを上下させるソフトウエアボリュームと、DAC内部のデジタルボリューム機能をPC/Macからリモートで操作するDAC側(デバイス側)ボリュームの2つの種類があります。
MacではAudirvanaはボリュームと再生・ポーズが連動します。DACボリュームに設定してください。プレイリスト中ではスキップはできないように思います。MacのiTunesではシステム設定の中のボリュームが連動します(デバイスボリュームだから)。iTunes上のソフトウエアボリュームではありません。またiTunesではスキップ、バック、再生・ポーズで連動するようです。
PC(Windows7)ではiTunesではスキップ、バック、再生・ポーズに連動しますが、ボリュームは連動していないようです。本来はMacから推すと上に書いたサウンド内のプロパティのレベルが連動しても良いように思えますがよくわかりません。JRMCやFoobarでもスキップ、バック、再生・ポーズで連動します。プレイリスト内でも連動しますね。ただしボリュームはやはり連動せずに、JRMCの設定でシステムボリュームを設定しても連動しないようです。
もちろん連動しなくてもAK10のボリュームが効きますので、音量調整は問題ありません。ただPC上の表示と一致しないと言うだけです。
音質はPCオーディオとして使用してもなかなか良いです。細かくて明瞭感も高くAK100的な音が楽しめます。AK100のUSB DAC機能を介した音質と同等以上だと思います。
* まとめ
AK100との大きな違いは言うまでもなくスマートフォンやパソコンをソースとしているということです。
これは単にスマートフォンがiPodの代わりになったと言うだけではなく、スマートフォンのアプリとネットワーク機能を活用できるということだてす。
WalkmanがAndroidを採用しているのも海外でのストリーミング移行を見据えていると思います。この辺はオーディオ製品もインフラとは切り離せないというゆえんの一つです。
もしストリーミングの音質が悪いというのであれば、ストリーミングの音質をカバーするようにinter-app audioでストリーマーアプリからAudiophileのようなDSPアプリを呼び出していくこともできるようになるでしょう。それもスマートフォンの強みです。もちろんHuluなどの映画試聴などでも迫力ある再生に使えますね。
価格は29980円(予価)と3万を切るコストパフォーマンスの高さです。発売は11/8開始の予定です。もちろんヘッドフォン祭には試聴可能なかたちで展示されますので、アユート(A&K)のブースにお越しください。会場での予約も受けるようです。

