Music TO GO!

2019年10月26日

Bluetooth 5.0でのロングレンジモード

Bluetoothの到達距離について、新しい動画が投稿されています。



こちらはBluetooth 5.0で導入されたロングレンジモード(Coded)を用いて1.5kmまで届くという実験です。動画の後半ではロングレンジモードの説明がなされています。ロングレンジモードはLE Codedとも呼ばれていますが(というかLong Range modeが俗称か)、誤り訂正をコード化することによってデータレートが低くなるのと引き換えにより長距離届くことを保証するというモードです。コード化に応じて500K(bps)と125Kのモードがあります。

前にも書いた到達距離計算機を用いて、同条件でLE 1Mを500Kまたは125Kと変えると距離が長くなりますがこの二つがロングレンジモードです。

posted by ささき at 17:45| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月25日

Bluetoothは「近距離通信技術」か?

下記はBluetoothの誤解はBTが近距離通信技術と認識されてることで、実際の到達距離は1kmから1mまで機器の実装や環境によるよ、というBluetooth SIGによる記事です。なかにBluetoothの到達距離計算ツールと様々な要因が書かれてます。
ちょっと要素はむずかしいですが、Path Loss(経路ロス)を屋外とか家とか変えるだけでも面白いですね。

https://www.bluetooth.com/bluetooth-technology/range/?utm_source=tw&utm_medium=social&utm_term=social&utm_content=tw-btrange-boost&utm_campaign=range

これは下記のBluetooth Smart(BLE)機器はどこまで届くか、という動画投稿のフォローアップだと思います。

https://twitter.com/BluetoothSIG/status/1187075479569866752

ようはBTも普通の電波だっていうところですね。そこで思うんですが、Bluetoothも電波ならアンテナが重要になると思います。アンテナには波長に応じで効率的な長さが決まっています。
ちょっと計算すると2.4GHzでの波長は12.4cmとなるので、必要なアンテナ長は1/2波長の6.2cm、あるいは1/4波長の3.1cmのはずです。たいていのスマホは上部にWIFI/BTアンテナがあるので1/4波長だと思います。
ただ問題は受け手の機器が完全ワイヤレスみたいに小さいとアンテナがそんな長く取れないことですね。
仮に5GHz帯だと波長は6cmなので必要なアンテナ長は3cmまたは1.5cmです。これなら小型機器でも向いてるように見えます。
ただ到達距離は波長が半分になるとだいたい1/4になるので、逆に高出力が求められてしまいますね。

また屋内で使われることが多いBluetoothでは反射が重要になりますね。アマ無線やってた(やってる)人はEスポとかぱっと出てくると思いますが(月面反射っていう人も中にはいるかも)、BTも反射を考慮した設計が求められるでしょう。完全ワイヤレスでもEarinの頃から言われてました。
posted by ささき at 08:14| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月22日

スピーカーメーカーのヘッドフォン、DALI iO-6レビュー

DALIは良く知られたデンマークのスピーカーメーカーです。幅広いラインナップと音色の美しさ、北欧らしい美しいデザインが特徴です。日本ではディーアンドエムホールディングスが輸入販売しています。最近ではコスパの良いオベロンシリーズなんかが話題です。

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そのスピーカー専業だったDALIがヘッドフォン分野に参戦した初の製品がiO-6とiO-4です。今年のドイツハイエンドショウで発表されました。本稿はそのDALI iO-6のレビューです。これはDALI本社からレビユーしてほしいということで送ってもらったものです(技適はメーカーで取得済み)。ちなみにiO-6とiO-4の違いはiO-6がANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を持っているということですので、以下はANC以外はiO-4でもほぼ同じだと思います。また振動板など技術内容等はDALIの担当に問い合わせて確認したものです。

*特徴

1. Bluetoothワイヤレス対応

iO-6は密閉型のワイヤレスヘッドフォンです。これは外で使うため、ストリーミングソースを主としたスマートフォンとの親和性のためです。そのためワイヤレスはBluetoothを採用しています。BLuetoothバージョンは5.0に対応して、対応コーデックはAAC、AptX、AptX HDです。

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3.5mmステレオミニ端子の付属ケーブルを使用してアナログの有線接続もできます。これは飛行機などで便利でしょう。この場合は電源オフでも使用できます。

2. 高い遮音性

iO-6は外で使うことを想定した密閉型で日本市場に向いています。実際にiO-6を使いながら電車に随分乗ってみましたが、気がつくのはiO-6がこうした密閉型ヘッドフォンの中でもかなり遮音性が高いということです。あとで書くANCなしでもかなりしっかりと音が聞こえなくなり、遮音性はトップクラスだと思います。

3, 美しいデザイン

iO-6を手に取った時に感じるのはとてもデザインが美しいということです。キャラメルホワイトとブラックがあり、本機はキャラメルホワイトですが、北欧家具のようにセンスがよいカラーリングとデザインでここはさすがデンマーク製です。これなら装着して外に出たくなることでしょう。

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人間工学的にも大きなサイドボタンや装着感の良さなどよく考えられていて、ヘッドフォン第一号とは思えません。これはFocalのときにも感じましたが、かなり開発を重ねてきて作ったもののように感じます。

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3. ANC(アクティブノイズキャンセリング)機能搭載(iO-6のみ)

iO-6にはANC(アクティブノイズキャンセリング)が搭載されています。またオーディオ・トランスペアレント機能がついているので逆に周囲の音をよく聞くこともできます。

iO-6を立ち上げるとまずANCオフではじまり、下部のボタンを押下することでANCがオンになります。たとえば電車の中でオンにすると周囲からすうっと電車のゴーっという音が引いていきます。しかし車内アナウンスははっきり聞こえます。というか車内アナウンスはANCオフよりも明瞭に聞こえます。iO-6は遮音性が高いので本来車内アナウンスも聞こえにくいのですが、ANCオンにすると周波数を選択的に通したりノイズを減らしています。音楽に集中して乗り過ごすことはないわけですね。ノイズ低減効果もかなり高いと思います。
ANCオンではあまり音量をあげなくても良いので音漏れも少なくなるでしょう。

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もう一度ANCボタンを押すと、完全ワイヤレスなどにもあるいわゆるオーディオ・トランスペアレント機能で周囲の音が普通に聞こえるようになります。ANCオフよりもこれも明瞭に聞こえますので、つまりパッシブの遮音性よりも聞こえるようになります。ヘッドフォンをつけたままレジの人などと会話するのに向いています。

ちなみに家の中でもANCが有効に使えます。家でPCにBT接続してANCオンにすると、PCのうるさいファンノイズの近傍にいてもファンのノイズがすうっと引いていきます。家でも夜はけっこう便利に使えるでしょう。

4. ミニチュアスピーカーのようなドライバー設計

ワイヤレスやノイキャンは他社でもありますが、オーディオメーカーたるDALIらしいこだわりはここです。
iO-6は50mmのダイナミック型ドライバーを採用していますが、特徴的なのはスピーカーのミニチュア版のようなドライバー設計がなされていることです。ヘッドフォンは小さなスピーカーのようなものと考えがちですがも実は一般的なヘッドフォンのトライバーはスピーカーに比べると簡略設計されています。

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DALIはヘッドフォンを設計するにあたって、「基本的にヘッドフォンは頭の両側に取り付けられたスピーカーである」というポリシーを立てたそうです。これは当たり前そうで、実はなかなか実現しにくいことです。
普通のヘッドフォンは振動板のエッジが固定されていますが、iO-6ではスピーカーのようなフリーエッジが採用されています(分解図)。またマグネットではスピーカーのようにボビン(芯材)を採用し、最適な磁力特性を持たせているということです。
こうした設計は以前ではAudioQuestのNighthawkを想起させますし、デノンの高級機でも採用されていますが、こうした低価格帯(400-500ユーロ)のモデルに採用された例はないということです。

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振動板は非常に軽量で強固なペーパーファイバーを使用して良好な内部損失特性を持っています。DALIのスピーカーではウッドファイバーを採用しているのだそうですが、ヘッドフォンでは重すぎるのでペーパーファイバーとしているそうです。
iO-6はこうしたDALIらしいDNAをきちんとうけついだヘッドフォンだということですね。

5. 長時間駆動できる電池

60時間(iO-4)持続できます。iO-6は30時間程度持ちます。実際にエージングするときに丸一日以上つけっぱなしにしていてもまだ再生していたのでなかなかの持ちだと思います。実際には毎日充電しなくてもたまに充電すれば十分という感じです。充電にはUSB-C端子を使用します。

6. 機能性

iO-6はワイヤレスの利便性を保つために音量変更や再生指示はヘッドフォン側で可能です。このためのサイドボタンは極めて大きく、操作は単純です。ロゴの部分をクリックすると再生やスキップ、サイドボタンの上下を押下するとボリュームの上下ができます。
操作していると男声による英語音声ガイドが聞こえてきます。電源ボタンを押し下げ続けると"Bluetooth paring",接続すると"Bluetooth connected"、また電源投入時に"Battery level 90%"などです。ちなみにバッテリーが100%のときには"Battery full"と言います。
電源オンで既に接続されているスマホとは自動でつながります。もちろんマイク内蔵で通話も可能です。

*インプレッション

iO-6はパッケージのデザインもなかなかセンスが良く、デニム地のヘッドフォンケースも洒落ています。iO-6はカップをひねって平たくしてたたむことができます。内容物は有線ケーブル、USB-Cケーブル、航空機アダプターなどです。

IMG_1313_s.jpg  IMG_1314_s.jpg  IMG_1330_s.jpg

中にはスタートガイドも付属していますが操作はそれほど難しくありません。電源ボタンを押し続けてペアリング、ANCボタンでANC機能変更、右側面はメカスイッチになっていて押すとタップで再生停止、ダブルタップで曲スキップ、トリプルタップでバックします。そのボタンの上下のリム部分を押すと音量調整などです。サイドボタンは指を二本添えると軽くタップしやすいと思います。

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本体は品が良いという感じのデザインで大人がつけても違和感はないでしょう。また肌触りがよく高級感がとても高いと感じます。サイズ調整のスライド機構もしっかりしています。
重さは325g(iO-6)、320g(iO-4)で重いというほどではなく装着感は快適です。側圧もきつめでDJタイプっぽいしっかりとした装着感です。ANCを使わなくても遮音性がとても高く周りの音はかなり聞こえなくなります。

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音は主にiPhone Xを使い、Windows10とも組み合わせています。
音も上質感が高くスムーズで深みのあるかなり高いレベルの音質です。たしかにNighthawkに似た独特の滑らかさがあり、音質はコンシューマー向けの安いモデルとは一線を画しています。

中高域は透明感がかなり高く、明瞭で歪みも少ないすっきりした質の高い音です。
密閉型だけどもDJタイプのようなバフバフいうこもった音ではなく、開放型を感じさせるようなすっきりした音でオーディファイル的な美音系に近い音を出します。海外のメーカーらしく個性を持った音にチューニングで、デンマーク製のスピーカーに期待するような感じの音ですね。
低域はパワフルで密度感のある密閉型らしい重みがあって深みもあり、男性ボーカルは深く渋さを感じさせます。この辺の音バランスはよくできてると思いますね。スピード感のあるパーカッションでは足踏みしたくなるくらいで、この辺の迫力はやはりイヤホンでは味わいにくいと思います。音にはまってしまい、しばらくは外出時はiO-6をずっと使ってましたね。

ANCのありなしで音が変わるかというと、静かなところでANCオンオフで聴き比べると多少音は違うが大きく差がないので常時オンでも良いと思います。

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Bluetooth機器としては遅延も大きくなく、iPhoneでNetflixなど映画を見ても違和感はとくにありません。

*まとめ

ワイヤレスやノイズキャンセリングで今風の機能性を持つとともに、オーディオメーカーらしい音質へのこだわりも兼ね備えたヘッドフォンがiO-6です。デザインも北欧家具のように上質感があり、音も上質感があります。音質にコストパフォーマンスは悪くないと思う。
100ユーロの違いはあるが、やはりANCの効果は大きいのでありのiO-6を勧めます。ただ遮音性が高いのでiO-4でもかなり良いと思います。

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密閉型なので外に持って行ってストリーミングを高音質で楽しみたいという要望に応えるヘッドフォンです。操作性や電池の持ちなどそつなく上手に練られています。
posted by ささき at 13:24| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月07日

待望のユニバーサルモデル、FitEar TOGO! 335レビュー

リリースから引用すると、FitEar TOGO! 335は、ベーシスト、ドラマーからの「より低音域部の情報量とリニアリティを」という声に応え開発されたユニバーサルタイプのイヤーモニターということです。つまりカスタムイヤーモニターMH335DWをベースに、BAドライバーの構成は同じです。本稿はそのレビューです。

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* TOGO!334からTOGO!335へ

2011年に発売されたFitEar TOGO! 334はカスタムイヤフオンとユニバーサルイヤフォンの音質がはじめて同じになったという点で、イヤモニ・ハイエンドイヤフオンの記念碑的な製品でした。それまでは我々のようなマニア層にとっては最高音質を得るのはカスタムイヤフォンだったんです。

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FitEar TOGO! 334

カスタムイヤフォンのイヤピース版をいまユニバーサル(万能という意味で)イヤフォンと言いますが、それはそもそもTOGO334が初めてでした。つまりカスタムと同じ製法で製作して、イヤピースを付けられるイヤフォンのことです。
この件についてはジェリーハーピーがヘッドフォン祭に来た時に直々に須山さんをほめていたことが私には印象的でした。彼のtriple.fi 10 proもたしかにハイエンドイヤフオンではありましたが、カスタムとは同次元で語られてはいませんでした。それまではユニバーサルイヤフォンというのはソニーなど大手が開発して量販店で売っているようなイヤフォンのことを言っていたわけです(米でも)。

こうしたユニバーサルイヤフォンはカスタムのデモ機にも似ていますが、それは間に合わせ的なもので、カスタムとユニバーサルの違いを踏まえてもっと単体としてチューニングされている必要があります。もちろんカスタムには内部ドライバー配置も耳に合わせて変更されたりする場合があるという違いはあるのですが、TOGO334の登場は画期的でした。ちなみにこの名前はうちのブログ名にインスパイアされたそうですのでありがたいことです。(TO GOにはカスタムと違って店からすぐお持ち帰りできるなどの意味もあります)

ちなみに当時の須山カスタムの名称には意味があり、334の場合は3Way + 3 units + 4 driversという意味です。これはひとつのBAユニットに2つのドライバーが入っているものもあるためです。335だと(Low 2, Low-Mid 2, High 1)で、DWはダブルウーファーの意味です。大型のBAドライバーを2基使っています。
MH334のダブルウーファー版としてMH335DWというカスタムはずいぶん前からあったのですが、この二基の大型BAドライバーにこだわったことで優れた低域再現性を得る半面で、ユニバーサル版を作るという段になるとその大きさが災いしてしまいます。また低域が増えると高域もそのままというわけにもいかないようです。そうして335ユニバーサル版はひとまず据え置かれて、カスタム版が335DW SRなどに進化を続けます。(TOGO!334でもコンパクトにするのはかなり大変だったそうです)

そうしている間にイヤフオン技術も進歩を続け、3Dプリンターの導入も含め、さらに最近開発のFitEar Universalの楕円形ステムの開発もあり、総合的にTOGO! 335を開発する素地が整ったというわけです。
ユニバーサルイヤフォンはカスタムとは違い、イヤピースを付けなければなりませんが、そのステム(ノズル)の部分の太さが制限となってしまい、音質に悪影響を与えたりもします。特徴的な楕円形ステムは、Universalでの開発から生まれたもので、これは外耳道が楕円形をしているということで、そこに円形のものを通すよりも楕円形のものを通すほうがよりフィットしやすいということだそうです。これも工作難易度が高いので実現には時を待つ必要があったそうです。
TOGO!335ではUniversalで得た知見をもとに形状と角度が考えられて遮音性と装着性に優れたメリットを得ているということです。

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* インプレッション

パッケージングはペリカンケースで提供されています。

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本体は黒かソリッドだったこれまでのFitEarユニバーサル製品とは異なり、スモーク半透明の美しいシェルに覆われてドライバーも透けて見えます。

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TOGO!335の使いこなしはせっかくの低音を漏らさないためにも、まずイヤピース選びから始まります。標準イヤピースははまりやすいのですが、やや耳にうまくはまっていない感があるので最近はやりの別売りイヤピースをお勧めします。しかしこの楕円形のステム形状のためにややイヤピース選びはてこずります。
私はしばらく指とイヤピースを格闘させてコツがわかったのですが、TOGO!335のイヤピースをはめるコツは楕円形ステムの短辺ではなく長辺の方からいれることで、短辺からだと入りにくいです。ケーブル端子側の長辺に親指を端子方向からあてがって、他の指で支えて押し込む感じです。

いくつか試して一番良かったのはAET07です。はまると標準イヤピースよりもだいぶ遮音性が改善され、たっぷりの低域が得られます。またAET07の良い点は音の輪郭が鮮明な点で、高性能イヤモニに向いています。AET08もより低域を太くしたい人にはよいでしょう。
SednaEarfitLightは装着感は標準よりも良い感じで、やはりたっぷりとした低域を得られます。ただし低域を抑えめにしたいときはひとサイズ小さ目のほうが良いと思います。
emiraiさんのところの新しいe-proはわりと楽に入ります。軸が柔らかいのと、傘をひっぱって変形させやすい点が良いですね。また音バランスが標準に近い感じで、音の広がり感に良い感じです。

いずれにせよイヤピースが決まると、装着感は極めてよく耳にもフィットします。大型すぎて座りが良くないということもないし、重いということもないです。この辺は長い開発の効果が出ているのだと思います。


音質は極めて高く、特にポイントである低域の存在感が高いのが特徴的です。これは単に低音がポンと盛り上がっているというのではなく、中低域から低域、超低域にかけての厚みと豊かさ・量感があるという感覚です。低音の質が良く量感もあり、かつ自然に聴こえるという、他のイヤフォンではなかなか味わいにくい世界を楽しむことができます。
これは低域ダイナミックのハイブリッドではなく、オールBAならではのことだと思います。そして大型BAドライバーの2発でなければ実現できないことでもあると思います。これは大型スピーカーで小口径ウーファー2基よりは大口径ウーファー1基でなければ得られない音があるというのと似ていて、ラージモニターをリファレンスとした音作りを掲げるFitEarらしい音作りでもあると思います。

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低域の量感があるためにスケール感も大きくオーケストラやクラシックを聴くのにもよいと思います。打ち込み系の電気的なベースの打撃感も気持ちよくパワフルです。またヴォーカルもやはり男声ヴォーカルの太さの再現の良さが印象的ですね。
低域が多めと言っても中音域にかぶるようなものではなく、発音自体は明瞭に聴き取れます。ゲーム・オブ・スローンズ挿入曲のザ・ナショナルが演奏するThe Rains of Castamereなど渋いヴォーカルにベースがかぶさる曲などは感動的です。また厚みを活かしながらもあくまで自然に聴こえるというのがわかります。
音再現は有機的でしっとりとした美しい音楽を聴くのにもよい。無機的という意味ではモニター的でないですね。

また声がかすかに聴こえていく小さなレベルまで良く聴こえる。こういうのこそハイレゾ向けと言いたくなります。細かい音の明瞭感が高い点に関しては隠し味にこっそりESTが入っているかと思ったくらい、とても細かい音がたくさく聴こえます。
能率はやや高めですので、ボリュームは少し絞ってから再生したほうが良いと思います。ただしホワイトノイズが気になるほどではないと思います。

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アコースティック楽器の音色がとてもリアルであり、特にウッドベースは弦の鳴りや響きの音再現が良いですね。ピチカートの切れもよいし、バスドラの音も迫力あります。低域の太さ、解像力など低域の質の部分はやはりこのイヤフォンならではというものがあるでしょう。良録音のジャズとか、例えばヘルゲリエンなどは特にToGo335DWが光る部分です。
また低域に埋もれずにハイハットなど高域が鮮明な点も注目ポイントだと思います。音の定位感・立体感も高いので、楽器の配置もわかりやすいのではないかと思います。
この辺りはイヤモニらしい正確さもきちんと把握された点だと思います。エンジニアの杉山氏、原田氏の助力も的確なのでしょう。MH334やTOGO! 334に比べてもこちらはいわゆるベースプレーヤー用ですが、カールカートライトにもちっょと聴いてもらいたい気がしますね。

* まとめ

もっと低音がほしいけれども、質の良い低音が欲しくて、もちろん全体に的確な音再現がほしいというユーザーに向いていると思います。
オールBAのポテンシャルを再認識させてくれるイヤフォンであるともいえるでしょう。

posted by ささき at 11:19| __→ 須山カスタム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月06日

finalの音響講座ふたたび

先日finalの「イヤフォン・ヘッドホンがもっと楽しくなる音響講座」の受講のレポートを書きましたが、好評につき本講座を再度開催するということです。記事については下記です。

final audio イヤフォン・ヘッドフォンを楽しむための音響講座
http://vaiopocket.seesaa.net/article/466841836.html

final音響講座の宿題と復習 (E500とE1000の比較レビュー)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/466887556.html

とても科学的な音響セミナーですが、イヤフォン・ヘッドホンを楽しむということに特化されているので難しそうな内容でも興味を持って取り組むことができます。低音がヴォーカルを聞こえにくくするって実際にはどういうこと?というようなもやもやがすっきりとします。
有料ですがなにかお土産も付いているようです。開催概要は以下の通りですので興味のある方はぜひどうぞ。

■日時
2019年10月20日(日)
◎午前の部:10:45-13:15
◎午後の部:14:15-16:45

午前の部・午後の部どちらも今年6月に開催した講座と同じ内容

■会場
富士ソフトアキバプラザ 6F セミナールーム1
〒101-0022 東京都千代田区神田練塀町3 富士ソフト秋葉原ビル

■定員
各回先着100名様(合計200名様)※予約制

■参加費
1,500円(税込)

■参加特典あり
当日の資料とお土産

■講師
S’NEXT シニアサイエンティスト

■申込方法
final DIRECT SHOP「音響講座参加券」販売ページにて、「音響講座参加券」を購入
https://final-audio-design-directshop.com/fs/final/ws_190608
posted by ささき at 12:00| ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月21日

HIFIMANの完全ワイヤレスイヤフォン、TWS600レビュー

TWS600は音質では定評のあるHIFIMANが開発したTWS(True Wireless Stereo)、つまり完全ワイヤレスイヤフォンです。
8月23日から発売開始され、価格はオープン(予想売価13,800円程度)です。BluetoothイヤフオンとしてコーデックはAAC,SBCに対応しています。

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* 特徴

1. HIFIMAN独自のトポロジーダイヤフラムを採用

高級機RE2000でも採用されているHIFIMAN独自のナノ技術を応用した「トポロジーダイヤフラム」技術を採用しています。振動板自体はTWS600向けの専用設計です。
トポロジーダイヤフラムとは何かというと、ダイヤフラムの表面に幾何学的な特殊なメッキを施したものです。目的はこの幾何学模様の形状、素材、厚さを変化させることで音の周波数特性の調整を可能にすることです。トポロジーダイヤフラムは「異なるナノ素材は構造が違い、特性も違う」という点から着目されたものです。このようにダイヤフラムの異なる表面構造の特性を適切に調整することで、振動の伝搬をコントロールしているわけです。こうした技術によってTWS600においては従来の完全ワイヤレスイヤフォンよりも、より自然で解像力の高い音質が得られるということです。

TWS600においては他にも先進的な合金製ヴォイスコイルやハイテク・マグネットの採用など高音質のための技術が詰め込まれています。ちなみにエージングは40時間が推奨されています。

2. 長距離再生が可能
TWSの大きな特徴の一つは150mもの距離での通信が可能であるということです。これについてはHIFIMANが検証する動画を公開しています。



また使っていても左右ユニット、ユニットとスマホ間でも接続が切れにくいと思います。電車などで普通に使っていて左右切れすることは少なく、片耳を手で覆ってもひと昔前の完全ワイヤレスみたいに接続切れになりません。


3. 合計38.5時間の再生が可能長時間の再生が可能
本体が5.5時間、バッテリー内蔵ケースを使用してさらに33時間の長時間再生が可能です。
HIFIMANによれば38.5時間の再生時間があれば、アメリカ大陸の端から端まで6回のフライトが可能であり、ジムで一日1時間使用しても一か月以上も持つということです。
バッテリー内蔵のケースは充電器も兼ねていて、USB-Cタイプのケーブルをケースの充電端子に接続します。充電中はケース内側の充電用LEDが赤く点滅し、その4個のLEDが点滅することで残りの充電レベルを知ることができます。
充電は実測で4-5回ほどケースから充電が可能です。ただしケースが透明ではないので充電中のライトが見られないのが残念ではあります。

4. 人間工学的なデザイン
完全ワイヤレスは片方だけ取れてしまうという不安がある人が多いのですが、TWS600においては運動をしていてもわりとしっかりとフィットします。実際にイヤフォンとしての装着感がとても良いのもポイントが一つで、5.9gの軽さとともに使用感は快適です。
こちらにスポーツで使われている動画があります。




他にもIPX4防水で汗と埃を防ぐことができます。

5. 左右どちらでも片側で使用可能
TWS600は片側使用が可能であるところにこだわっているのも他の完全ワイヤレスとは異なる点です。左だけでも、右だけでも使えます。これは通常どちらか親機のみが片方使用可能な完全ワイヤレスとしては珍しい特徴だと思います。

ただし左と右では少し使い方が異なります。
左のみ使うときは右側のイヤフォンはケースに収納したままにしておくと、左側のイヤフォンは自動的に片側専用モードになります。ステレオモードに戻すには単に右側のイヤフォンをケースから取り出します。
右のみの時は右側のイヤフォンをケースから取り出してから、”Power Off”と音声が聞こえるまでボタンを押し続けるというものです。そしてさらに”Power On”と音声が聞こえるまで押し続けます。ただしこちらの方はなかなかうまくいかないようです。

* インプレッション

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TWS600のパッケージ

スマホはiPhone Xを使用しています。
TWS600はケースから取り出した時に自動的に電源がオンになりますが、取り出してすぐ電源オンされるのは良いですね。またTWS600はケースに収納した時に自動的に電源がオフになり、充電を開始します。
ケースから取り出した時に自動的に右ユニットが左ユニットとペアリングをします。それからイヤフォンはペアリングモードになり、LEDの赤と青が交互に点滅します。スマホとのペアリングに関しては普通のBTイヤフォンと変わりません。ちなみに3分間以内に他のデバイスとの接続がない場合にイヤフォンは自動的に電源オフになります。

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英語での音声ガイド機能があり、取り出すと"power on"、左右接続された時は"TWS connected"、スマホと接続されると"connected"とガイド音声が流れます。

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イヤフォン側面のボタンによる操作が可能で、タップ(クリック)の回数で一回なら再生/一時停止、二回なら左右ボタンに応じて音量調整、三回なら左右ボタンに応じて前の曲/次の曲にスキップができます。
またマイク内蔵で、2秒押し続けることでヴォイスアシスタントを起動可能です。

前述したようにTWS600は装着感が良く、耳に密着してぴったりとはまります。静粛性は高くて電車の中でも遮音性は高いと思います。
音質は中高域寄りの音で、生ギターの音色やピッキングの切れなど立体感と解像感はなかなか良いと思います。他方で低域はタイトですが軽いので、使用する際にはスマホのイコライザーを使って低域を持ち上げた方が良いと思います。基本的な音質は悪くないので、たとえばEQuアプリのバスブーストで聞くとかなり違った面を聞かせてくれます。

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低遅延をうたっていて、実際にNetflixアプリで映画をみてみましたが、口とのシンクロは違和感が少ないレベルで、特に映画を見ていて気にはならないと思います。ゲームは私はあまりやらないので明確には言えませんが、遅延はわりと少ない方だと思います。

* まとめ

わりと低価格で装着感も良好、長距離送信可能で切れにくいという特徴を持った使いやすい完全ワイヤレスイヤフオンだと思います。今週末(8/24)はフジヤさんにてHIFIMANの試聴会を行うそうですので興味ある方はいらしてください。
音質に関してはイコライザーを使用して大きく低域を持ち上げるとかなり変わりますので、ぜひ試してみてください。
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2019年08月12日

Andromeda Gold海外発表

Campfire Audioの人気モデルAndromedaに1000本限定のGoldバージョンが登場するということです。違いは外見だけではなく、低域ドライバーが2つから4つに増え、さらにクロスオーバーレスのデザインになっています。かなり大きく違いますね。

Headfi TVでさっそくレビューがあげられています。
https://www.head-fi.org/threads/campfire-audio-introducing-2-new-models-hello-andromeda-and-nova.805107/page-501#post-15113948



音に関しては低域はAtlasなどより誇張していないが、しっかりある感じで、増えた低域とバランスをとるために高域も少し上がっているようです。上のビデオで新旧の周波数測定値が公開されています。
また最近のCampfire Audioの大きな特徴として、左右のマッチングがかなり良いことがここでも触れられています。マルチドライバーモデルとしてはかつてないくらいに左右のマッチングが取られているということです。
またインピーダンスが8Ωとなったことで、センシティブと言われるAndromedaがさらにセンシティブになっているようです。
posted by ささき at 22:49| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月09日

Layla AIONの動画

この動画を見るとLayla AIONの核心部分がわかります。



いままでBAノズルからシリコンチューブ(音導管)で音出口に導いていたのをSLA 3Dプリンタで音導管をモールドみたいに造形してるんですね。これで
AIONシリーズって最後に出てくるのは、つまりLaylaだけではなくロクサーヌなどでもAIONが出るのでしょうか?

Headfi TVでJudeもLayla AIONについて述べてます。Laylaが大きいのはドライバー数ではなくFreqPhaseでの音導管が長いからだと言ってます。AIONの音は前モデルよりもさらに広がりがあるようですが、新設のSound Chamberゆえではないかって言ってます。



JudeはKANN CUBEやFIIOのTHX AAAモジュールと使うのがお気に入りとのこと。それとLayla AIONの周波数測定グラフも低域調節した中で開示してます。
posted by ささき at 22:34| __→ JH13, JH16 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月08日

JH Audioの最新フラッグシップ"Layla AION"登場

あのLaylaがよりコンパクトになり、新技術を盛り込んだ"Layla AION"(レイラ・アイオン)となります。

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AIONはわたしの好きなDead Can Danceのアルバム名にありますが、たしかラテン語の「永劫」みたいな意味だったと思います。ただTidal検索すると同一タイトルのアルバムが他にもあって、ジェリーが4ADと関係するようには思えないので別かもしれませんが。

Layla AIONはLayla IIにつぐ第3世代Laylaとなります。ジェリーはLaylaの完成度に自信を持っているようなので、Laylaを最新技術を取り入れながらブラッシュアップしていくというアプローチを取っているように思います。

従来との違いでは、まず内部のチャンバールームを3Dプリントで成型し12個のドライバーを最適な位置に配置するというSonic Tube Chassisテクノロジーで、シェル本体の内部容積を削減しています。Layla IIと比較すると約31%の小型化と約45%の軽量化を実現しているとのこと。これでより優れた装着感を得ています。
またBillie JeanのようにAcoustic Sound Chamberが設けられ、導管に汗や異物が入り込むことを防止します。これはジェリーによると高域特性を改善する意味もあるそうです。
それとケーブルコネクターが7ピンの新型になっていますね。

新技術を取り入れながら完成度の高いLaylaをさらにブラッシュアップしたモデルという感じでしょうか。
音については楽しみなところではあります。
posted by ささき at 10:02| __→ JH13, JH16 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Appleが"Mastered for iTunes"に変わって"Apple Digital Masteres"を立ち上げ

Appleが従来の"Mastered for iTunes"に変わって"Apple Digital Masteres"というのを立ち上げます。

ただ現状では"Mastered for iTunes"と同じツールを使うようで、違いが大きくないようでAppleがCatalina OSでiTunesを排するので、それに伴うリブランドとも言われています。ただ将来的には不明です。


ちなみに"Mastered for iTunes"とは何かというと、44kHz/16 int(いわゆるRedbook master)からAACに変換していたものを、44kHz/32 float(いわゆるCoreaudio format)からAACに変更するというものです。前に書いた記事をご覧ください。


Mastered for iTunesとは: Music TO GO!

http://vaiopocket.seesaa.net/article/253750773.html

posted by ささき at 05:39| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする