Music TO GO!

2018年11月16日

MQAライブストリーミング in InterBee

幕張メッセで開催されたInterBEEの中で世界で5番目というMQAライブストリーミング配信のデモが行われました。
これは銀座の音響ハウススタジオで演奏するミュージシャンのライブを、スタジオのMQAリアルタイムエンコーダーを使ってハイレゾ配信し、幕張の会議場で再生するという試みです。
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会場にはボブスチュワート氏も登壇しました。
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音響ハウススタジオからは生演奏をMQAリアルタイムエンコーダーで192kHzで配信してそれをいったんクラウドにあげます。192/24での伝送速度は1.2MbpsということでTIDALなどのCD品質のロスレス配信よりも低いものです。幕張側ではfoobarを使用してクラウドのアドレスを打ち込んでストリーミング再生します。PCにはMeridian Ultra DACが接続されていてそれをMQAフルデコードします。アナログドメインのオーディオ再生機器はラクスマンのプリメインアンプとダイヤトーンのスピーカーでした。
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時間の13:45になるとスタジオからの声が聞こえてジャズの演奏が始まりました。再生の音質はグリッチなども全くなく、極めて滑らかで透明感の高いものでした。演奏者はピアノが清水絵理子さん、サックスが山口真文さんです。
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再生サイドではなにも特別な機器もソフトも必要なく、つまり一般家庭でもクラウドからストリーミングできるfoobarのようなソフトと、Tidalのロスレスストリーミングが可能なネット接続があれば、直接ライブハウスからハイレゾ配信がうけられるということを意味しています。
帰りがけにInterBEEを見ているとさらに4K/8Kで映像配信ができれば家庭に居ながらにしてライブハウスから演奏をそのまま届けられる時代もすぐそこでは、と感じてしまいました。まさにリスナーとアーティストの距離を縮める試みと言ってもよいでしょう。
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ちなみに下記はInterBEEでのおなじみFitEarのプロオーディオ向け展示。ヤマハのデジタルミキサーにFitEarのIEM向けのEQプリセットを提供しているという内容です。
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posted by ささき at 20:57| ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フェンダーIEM新製品のインタビュー記事をPhilewebに執筆しました

先日行われたフェンダーのIEM新製品の発表会のさいにチャン・ウェイ・マー氏にインタビューを行った記事をPhilewebに書きました。
https://www.phileweb.com/interview/article/201811/16/598.html

Aurisonicsからの伝統を受け継ぎつつ、フェンダーで新展開をみせるIEMの進化、ハイブリッド形式の工夫、そしてAPEポートにいたるまで濃い目に突っ込んで聞いていますのでぜひご覧ください。写真も一部を除いて私が撮っています。しかしこの会場はフェンダーらしく絵になりますね。

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posted by ささき at 08:31| ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月15日

iFI Audio製品の新デジタルフィルターGTOについて(5.3c)

iFI Audio製品では今回のファームウエアの更新(5.3c)で新しいGTOフィルターというトランジェント重視のデジタルフィルターが採用されました。これはMQA社と開発協力があったそうで、音楽を正確に再現するというフィルターです。技術的な内容は下記のページをご覧ください。
https://ifi-audio-jp.blogspot.com/2018/11/blog-post.html?m=1

適用範囲についてなのですが、上記ファームウェア更新ページのリリースノートには従来のミニマムフェイズフィルターを置き換えるとあります。しかし例えばiDSD BLではMinimum Phaseフィルターのスイッチがありますが、xDSDではありません。そこでこの辺の明確化をiFIのおなじみトルステン博士に聞いてみました。

すると5.3cを適用したファームのiFI Audio製品においては、GTOフィルターは従来のデジタルフィルターの代わりにPCM再生の際には常に動作していて、従来のフィルタースイッチの位置はPCM再生においては意味がなくなるということのようです。ただしDSDを再生する際には従来のフィルタースイッチは従来どおりの意味をもつそうです。(従来仕様のほうがよければファームウェア更新は適用しないでほしいとのこと)

また、PCMにおいても352k/384kの入力の時はGTOがかからないということです(iDSD proは除く)。それはこの領域ではアナログフィルターで十分で、デジタルフィルターはかけなくても良いということだからということです。

加えてPCMにおいてもMQA再生時にはGTOフィルターは適用されないということです。MQAのポイントは「時間的正確性」と「コンパクトさ」で、前者はデジタルフィルターによるものと考えられますが、GTOとの関連も推測するには面白いと思います(あえてそこまで突っ込んで聞きませんでしたが)。

またいままではFPGAで実現していたようなデジタルフィルター機能をXMOSで実現したのも驚きです。iFIはDSDネイティブ再生の頃からXMOSのプログラミングには長けていると思ってましたがさすがです。端的にいうとカスタムICの中でもXMOSはソフト寄りでFPGAはハード寄りです(ちなみにASICはもっとハード寄り)。
しかし、もともとハード実装するような機能がFPGAで実装され、今ではXMOSでも可能になったというのは、ムーアの法則まだまだ健在という感じですね。
posted by ささき at 09:42| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月29日

ヘッドフォン祭2018秋レポート

恒例のヘッドフォン祭秋のレポートをお届けします。

ウルトラゾーンのEdition 11。いままでのチタン振動板からバイオセルロース振動板に変わったのが特徴です。木製のハウジングもいつもながら良い仕上がりですが、装着感も軽いです。
音はSP1000CPで聴いてみましたが、S-logicも進化してるのか奥行き感のある深い音場が特徴的です。チタンっぽい硬さがなく、弦の鳴りもいいですね。
またケーブルが前はがっちりしたレモだったのが2ピンになっていたのが驚きでした。ただし改良されて極性と左右の誤装着対応のノッチもあったと思います。フェンダーの新しいPro IEMシリーズも同様な改良を経てMMCXから2ピンに戻ったのですが、この辺は興味深い動きですね。
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オーディオテクニカのL5000。わたしはL3000を持っていて、昔はリケーブルやらバランスやら何やらでかなり凝ってました。その思い入れあるL3000と似たスタイルから想像するL3000のあの重厚な音のイメージとはまったく異なって、明るく快活な音で密閉型っぽさも少ない感じでした。
担当の人もL3000は意識してないで、いまできることをやったと言ってましたね。W5000風と言うほうがより近いかもしれません。

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あ、ついでに当時(10年以上前)に作ったL3000の壁紙もついでにアップしておきます 笑
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面白かったのはフォスター電機のドライバーのパーツ売りの展示で、これはB2Bの出展となります。
参考展示のヘッドフォンはMT050Aという50mmユニットを使って須山さんがサンプルとして作ったもの。仮名称はAir3というようで、中身も名の通りにAir2/Titan同様タンデム駆動の凝ったもので音もかなーり良かったです。製品化が期待されますね。
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トップウイングさんのブースではXI Audioのディスクリート・マルチビットDACの発表も行われました。このDACについては後に詳しく書けると思います。また、謎のイタリア製タンデム駆動の新ヘッドフォンが出ていて、独特の音を聴かせてくれました。
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Kenさんと新製品Campfire AudioのSolaris。Kenさんいわく、これはベストでこれ以上のものはないよ!って言ってました。これは後で詳しく書けると思います。
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FaudioのMajor。3つのチャンバーが特徴的なダイナミックドライバーモデルです。これについては後で詳しく書けると思います。
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ゼンハイザーの(BTでは)初となる完全ワイヤレスが発表されていました。
ゼンハイザーが実は左右が完全に独立した「完全ワイヤレス」イヤフォンを世界で初めて開発したんですが、そのときはBluetoothではなくKleer方式でした。下記記事参照。
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http://vaiopocket.seesaa.net/article/111416395.html
こちらはBluetooth方式となって初の完全ワイヤレスです。音質は昔のHD650とかHD25を思わせるゼンハイザーっぽい音でかつ音質はかなり高いと思います。左右接続はNFMIで左(子機)を手で覆っても切れません。けっこう完全ワイヤレスではいいモデルだと思います。

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ファイナルさんのところではさらなるエントリーモデルのE1000が人気でしたが、E1000はあとでまた詳しく書けると思います。
下記画像は代理店がファイナルさんに移ったDitaの新製品Project 71。親会社の1971から47周年記念とのこと。従来に比べてダイナミックらしいパンチとエネルギー感が音楽的で心地よいですね。ケーブルもビンテージっぽい独特の線材を使ってるようです。

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ヘッドフォン祭で発表となったNobleのセミカスタム。ウイザードと写真を撮ってもらいました。
ユニバーサルイヤフォンのフェイスプレートと内部配線をカスタム化できるそうで、それによりサウンドのニュアンスを変えられるということ。

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Shureの新しいBTレシーバー、BT2。明瞭感や音の広がりはなかなか良いように思います。
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OriolusのBA300S。入出力とも4.4mmの真空管ポータブルアンプ。ソニーお持ちの方に。
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Hiby R3。11月にMQA対応するということで、Tidalも入ってるようです。中国系DAPのコントローラソフトをやっていたHibyだからプレーヤー部分は優れてるんでしょう。ディスプレイも綺麗です。iPhoneのHibyアプリもMQA対応してくれるといいんですが。
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アユートさんのところではウマ娘モデルのSR15とかセガサターンモデルのACTIVOなどの展開が面白いですね。またフェンダーのPro IEMシリーズの展示もされていました。フェンダーのPro IEMシリーズについては担当者にインタビューをしたので詳しくお伝えできると思います。
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今井商事さんが代理店となるWooのWA8。バッテリーで動作し、真空管2本と3本駆動が切り替えられます。イヤフォンだと2本駆動がよい感じでした。ちょっとお高めですがいかにも真空管らしい甘くて暖かい感触いい音です。
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エミライさんではHeadampのGSX miniが出るそうです。これは電源を内蔵して小型化したもの。
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わたしはGSXもずいぶん前に買いまして、おそらく日本で初めて「バランス駆動」なるものを紹介した記事はGSXで書きました。もう12年は前になりますね。
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http://vaiopocket.seesaa.net/article/22525911.html
まあdinaloとかdinahiとか謎の言葉が出てきたら上の記事を辿ってみてください。
posted by ささき at 10:47| ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月07日

Astell & KernもついにMQA対応へ

Astell & Kernプレーヤーにも待望のMQA対応がなされることが、現在開催中のRMAFで発表されています。
プレスリリースによると、まずSP1000が10月中くらいをめどにして、それから順次拡大ということです。
さてTIDALマスターでのハイレゾストリーミング時代が来るか? フルデコーダーとなるはずなので、MQAコアデコーダーとしてOTG使用してMQA対応のポータブルアンプ(MQAレンダラー)にも使えるはずです。ポータブルでのMQA使用も拡大していきますね。
posted by ささき at 07:00| __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月04日

RMAF2018とCanjamの最新情報

今回でCanJamも10周年を迎えますが、JudeのHeadfi TVからプレビューが届いています。

https://www.head-fi.org/threads/canjam-global-2018-event-thread-nyc-singapore-socal-london-rmaf-shanghai.860196/page-79#post-14517299



1時間ちょっとの動画ですが、気になったところを少しピックアップすると、
00:50 MrSpeaker Ether2 新設計ドライバーと軽量化がポイント、Judeは007を思い起こすって言ってます。
06:40 Hugo M scalerとHugo2をつなぐケーブルをMoon Audioが作ってます
12:37 おお、Campfire AudioからカスタムIEM登場 Equinoxというモデルでカスタムは3Dプリンター製作。10mm ADLCドライバーで、アコースティックガイドもカスタマイズされるよう。
14:22 Abyss Diana Phiは同時発表のAB1266 Phi CCのドライバー(CCはセラミックコーティング)を使用。
20:48 EarSonicsからは新型のGrace
36:24 JH Audioファンの人にはJH Audio謹製のIEMケース
1:02:28 Dragoslavの平面型ニアフィールドモニターDragonfireシステム
1;06:22 駆け込み情報としてはHIFIMANのJade2(静電型)、Arya(新型プラナー)

さて、いくつかはヘッドフォン祭にも来るかな?



posted by ささき at 16:37| ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

WiFiの名称が簡略化されます

WiFi Allianceでは現在のWiFiの複雑な名称を簡略化するようです。たとえば802.11nはWi-Fi 4、802.11acはWi-Fi 5となります。
これは802.11axが登場した時にWi-Fi 6と変わることから発行されるようです。これにともなってあらたなロゴも導入されます。

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posted by ささき at 07:05| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月29日

AptX Adaptive体験試聴会、AptX Adaptiveとはなにか

音元出版主催のAptX Adaptiveの体験試聴会に参加してきました。
https://www.phileweb.com/news/d-av/201809/11/44977.html
AptX AdaptiveとはQualcommが提案している一連のAptX関連技術の一つで、ビットレートを動的に可変するという技術です。

まずAdaptiveというのはAptXだけの言葉ではなく一般的に使われる言葉です。
なぜAdaptiveが必要かと、送信側と受信側の間の回線品質が一定でないときに、音切れ(または画像乱れ)が起こらないようにするためです。普通Adaptiveと言うと、TIDALやYoutubeのようにストリーミングで回線状態が悪い時に使います。
Bluetoothの場合のそれは、電車のようにWIFI密度が濃い場合やお尻ポケットにスマホを入れると言うことに相当します。
WIFIとBluetoothは同じ2.4G帯で干渉します。以前書いたKleerとBT比較記事の4項を参照ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/109198956.html
2.4G帯域は直進性が強いので回線品質はアンテナの見通しに左右されます。

また、AptX HDは音質は良いが、固定ビットレートのために常にたくさんデータを送るために切れやすくなります。そうした場合に「音質優先」とか「接続性優先」などを設定でデータ量を手動で変えたりしますが、AptX Adaptiveではこれを自動で行うので設定を気にする必要はありません。

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試聴会ではQualcommのJonny McClintock氏による技術解説や実際に開発基盤を使用したデモや試聴デモを行いました。たしかに見てみると送信しているビットレートがアンテナの遮蔽状況などに応じて自動的に可変されていくのがよくわかります。

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そこでどうやって周辺状況の込み具合をフィードバックしているのだろうと不思議に思ったので、直接McClintock氏に聞いてみました。するとヘッドセットとスマートフォンで正しく送信されているかの2wayコミュニケーションをするということです。そのためヘッドフォン・イヤフォン側にも対応が必要です。
完全ワイヤレスのためのTWSでもTWS プラスでもいっしょに使えるということなので、両耳で受信状況が違ったらどうなるかと意地の悪い質問をしましたが、その場合はスマートフォンで悪い方に合わせるということです。

Qualcommの技術はたくさん出てきましたが、とりあえずAptX Adaptiveがあれば、(まったく同じではないが)音質においてもAptX HD相当であるし、レイテンシーに関してもAptX Low Latency相当であるということ。つまりAptX AdaptiveがあればHDとLow Latencyを包括できるということです。
それに加えて電車の中とかWIFIが混んでるところやお尻ポケットにスマートフォンを入れても音切れしにくい、というわけです。それを「音質優先」とか「接続優先」のような操作を人がしなくて良いのが優れたポイントです。

製品は現行の845の次の次世代チップのSnapdragon 855で来年くらいに出てくるだろうということ。

つまりユーザーから見ると、AptX Adaptive対応のイヤフォン・ヘッドフォンとSnapdragon 855以降を採用したスマートフォンでこの技術が使用可能となるというわけです。iOSで使えないのが残念ではありますが、なかなか期待の技術と言えますね。

posted by ささき at 19:47| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月07日

Astell & KernからSP1000の新型登場

Astell & Kernからハイエンド機A&ultima SP1000の新型であるSP1000Mが発売されます。

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SP1000CPやSP1000SSはいわばステンレススチールやカッパーなどの筐体を使用した特殊モデルで先行したわけですが、このSP1000MはSP1000のハイエンドな中身を可能な限り継承しながらディスプレイサイズを5インチから4.1インチにし、さらにボディ素材をステンレススチールやカッパーからアルミニウムにすることで小型化と軽量化を図ったモデルです。内蔵メモリも128GBに変更されています。
重さは386g(SS)から203gになっているのでほぼ半減、サイズも一回り小さそうです。まだ国内価格は発表されていませんが、参考価格として発表時のUS価格も$1000以上低減されているので価格もかなり低減されているのではないかと思います。色はブルーです。MはMINIまたはMobilityのことだそうです。
また、発表資料によるとバランス時の出力やSNRも向上していますし、ボディの違いにより音色も異なるかもしれません。単にボディ素材が変わっただけではないようですね。
詳しくは下記アユート(Astell & Kern)のSP1000Mページを確認お願いします。

https://www.iriver.jp/information/entry_1054.php


posted by ささき at 10:28| __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月28日

Roonの日本語化について #1

先日Roonがアップデートされたときに日本語表示が追加されました。しかし翻訳品質の難が多々あったため、文句を言うより参加して直しましょうと私も翻訳アカウントをもらって翻訳品質の向上に協力することにしました。

翻訳品質の難は仕方ないところもあり、翻訳するときには文面だけ見て翻訳しますが、画面がわからないので場所によっては変な翻訳になることがあります。このため、いったん翻訳して画面を確認し、また修正するという繰り返しが必要になります。
また日本語翻訳では汎用翻訳の流用もしているようですので、オーディオ的な表現が不自然なところがあるかもしれません。

Roonには翻訳のためのサブシステムがあって、翻訳アカウントを持つユーザーはそこで原文の英語をローカライズ翻訳することができます。
実際に翻訳システムに入ってみると、「〜によって演奏された」などの不自然な部分にはすでに修正が入っていましたので、次のビルドで修正翻訳が適用されると思います。(毎ビルドで翻訳修正があれば適用するそうです)

* 文字欠け問題について 

厄介なのはこのほかに日本語固有の問題が見つかったことです。これについてRoonの開発者と話して解決方法を見付けましたのでシェアしておきます。(これ以降は主にRoonの翻訳アカウントを持つ方だけ関係します)

その問題は文の折り返しのさいの文字欠けです。
いくつもあるのですが、代表的なのは「Overview/概要」の画面の下の方です。

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英語では正しい表示なのが、日本語では右端が欠けて正しく折り返しがされていません。これはテキストの表示幅によって折り返す際に英語的にスペース区切りの単語単位で判断しているため、スペースのない日本語ではシステムが折り返し場所がわからないためです。
この場合は翻訳者が意図的に折り返し場所を翻訳に含める必要があります。
しかしながらここに別な問題があります。それはRoonがマルチプラットフォームのソフトウエアであるために、予期しないレイアウト崩れを防ぐためには原文にない文字はなるべく避けなければならないということです。

例えば下記のように改行をEnterで入れることは可能ですが、これはやってはいけないそうですので注意してください。また半角スペースを意図的に入れればよさそうですが、これも特定のシステムでは折り返されないでスペースが見えてしまう可能性があるためにあまり好ましくありません。(複数マーカーが必要な場合が考えられます)

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Roonの開発者からこの件で指示されたのは下記のいずれかによって改行場所に見えないスペースのようなコード(UNICODE)を入れることです。これらは可視できないため翻訳文に影響しません。

1. ゼロ幅非接合子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%AD%E5%B9%85%E9%9D%9E%E6%8E%A5%E5%90%88%E5%AD%90

2. ゼロ幅スペース
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%AD%E5%B9%85%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9

少し試行錯誤しましたがUNICODEのコード入力は入力するOSとテキストボックスに依存するため、コード入力は避けてコピー&ペーストが簡単なゼロ幅スペースを使うことにしました。(上のWikiページからコピペできます)

しかしこれだと他の翻訳者が見てどこに意図的改行のためのゼロ幅スペース文字が挿入されているかがわからりません。そこでRoon開発者がゼロ幅スペースがある場所に空白記号␣を入れてくれるように改良してくれました。いまでは下記のようにゼロ幅スペースが可視できます。

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仕込みはしたんですが、効果は次のビルドの後でないとわかりませんのでまた報告します。(Roonでは次のビルドリリースの予定は非公開です)

この件についてはレポートするために下記のRoonフォーラムにスレを立てました。
https://community.roonlabs.com/t/improving-japanese-translations/48441
この問題はほかにもトラックエディタ画面など多数あります。

もしかするとスマートフォンでRoonリモートを見る場合など、マーカーが一つでは足りない場合も出てくるかもしれませんが、そこはまた考えねばなりませんね。
posted by ささき at 10:56| __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする