いまHDCD仕様のCDをDAC1で聴いていたらいまひとつ音がよくないというか、再現がおかしく聴こえることに気が付きました。古い音源なのでそのせいかとも思いましたが、他のアンプで聴くと(IKEMIはHDCD対応なのでそこからのアナログアウトだと)特におかしくはないように思います。
HDCDの拡張部分はデータにエンコードされていてそれをDAC部分でデコードするわけですから、DACがHDCD対応でないとその辺がおかしくなることになります。もっとも音の多くはHDCD対応でなくても聞けるので、HDCDの作りこみによってはそう大きく変わらないこともあると思います。HDCDをDAC1で聴くのは注意が必要なのかもしれません。
Music TO GO!
2006年01月08日
2005年12月22日
ヘッドホンアンプとしてのDAC1
DAC1は基本的にはDACですが、モニター用として内蔵ヘッドホンアンプ(HPA-2)がビルドインされています。
Benchmarkのホームページではこれを単体で販売する旨のことが書いてありますし、性能的にもかなり自信をもっているようです。また単に付属品という以上にヘッドホンアンプでのリスニングを前提に設計されてもいるように思えます。
そこでDAC1単体でいくつかのヘッドホンを入れ替えながら聴いてみました。
DAC1単体と相性のよいヘッドホンはまずGrado HP-2です。正確なDAC1と正確なHP-2が非常に気持ちがいいくらいの端正な音の世界を提供してくれます。またDAC1の鋭いエッジも適度に緩和され聴きやすくなります。
特にジャズにいいですね。両方ともプロのスタジオ用というシナジーもあるかもしれません。
またDAC1とL-3000もロック・ポップにはよくあいます。L-3000のややあいまいなところがとれてはっきりとしたキャラクターになり躍動感もよく引き出されます。ただしジャズなんかではベースやドラムスの切れの気持ちよさはHP-2との組み合わせに劣ります。
DAC1とEdition7だと両者の個性があいまり少しきつい音になります。そうした面では環境もなるべく音がきつくならないように適切にケーブル選択やノイズ対策またはセッティングがされている必要があると思います。
次にDAC1をDACとしてだけ使用してアナログ出力から他のヘッドホンアンプにつないで見ます。
HD-1Lにつなぐとやや音が膨らむ感じが強調されあまり相性良く感じません。Luxman P-1だとDAC1内蔵ヘッドホンアンプの狭くてこじんまりとした感じから開放されて音の広がりも適当にあります。また内蔵ヘッドホンアンプだとちょっと音が毛羽立ちすぎてうるさく感じる人はP-1をつけると音が少し大人になる感じもあるかもしれません。P-1とは相性がいいですね。
DAC1の高いSNと解像力を生かしてSAC K1000/AKG K1000につなぐのも面白いのですが、これはまた別に書きます。
こうしてみるとDAC1のHPA-2がなかなか高性能なこともあり、単体で使うのと外部アンプにつなぐのでは一長一短あるように思います。
たとえば外部のヘッドホンアンプにつなぐよりもよけいなケーブルが一本ないほうが音の向上に寄与というところもあるでしょう。なにしろDAC1はデジタルのAES/EBUならばほぼジッターフリーですし、アナログのように減衰しませんから伝送に対するロスがほぼゼロということになります。CDPとアンプ直結のようなものですから音の鮮度は抜群です。
実際にちょっともったりしたL-3000でもDAC1単体ならばスピード感をはっきりと感じます。逆にさきに書いたようにP-1などにつなげた方が先鋭さは欠きますが、全体的な音の品質は向上すると感じる人も多いかもしれません。
DAC1のDAC自体は虚飾を廃した音ですが、DAC1内蔵のヘッドホンアンプは単調なものではなくわりと音楽向きだとも感じます。DAC1単体だとちょっと音空間はタイトですけど、こうした鮮度が高い音が生々しくダイレクトに届く感覚はスピーカーにないヘッドホンリスニングの魅力のような気がします。
Benchmarkのホームページではこれを単体で販売する旨のことが書いてありますし、性能的にもかなり自信をもっているようです。また単に付属品という以上にヘッドホンアンプでのリスニングを前提に設計されてもいるように思えます。
そこでDAC1単体でいくつかのヘッドホンを入れ替えながら聴いてみました。
DAC1単体と相性のよいヘッドホンはまずGrado HP-2です。正確なDAC1と正確なHP-2が非常に気持ちがいいくらいの端正な音の世界を提供してくれます。またDAC1の鋭いエッジも適度に緩和され聴きやすくなります。
特にジャズにいいですね。両方ともプロのスタジオ用というシナジーもあるかもしれません。
またDAC1とL-3000もロック・ポップにはよくあいます。L-3000のややあいまいなところがとれてはっきりとしたキャラクターになり躍動感もよく引き出されます。ただしジャズなんかではベースやドラムスの切れの気持ちよさはHP-2との組み合わせに劣ります。
DAC1とEdition7だと両者の個性があいまり少しきつい音になります。そうした面では環境もなるべく音がきつくならないように適切にケーブル選択やノイズ対策またはセッティングがされている必要があると思います。
次にDAC1をDACとしてだけ使用してアナログ出力から他のヘッドホンアンプにつないで見ます。
HD-1Lにつなぐとやや音が膨らむ感じが強調されあまり相性良く感じません。Luxman P-1だとDAC1内蔵ヘッドホンアンプの狭くてこじんまりとした感じから開放されて音の広がりも適当にあります。また内蔵ヘッドホンアンプだとちょっと音が毛羽立ちすぎてうるさく感じる人はP-1をつけると音が少し大人になる感じもあるかもしれません。P-1とは相性がいいですね。
DAC1の高いSNと解像力を生かしてSAC K1000/AKG K1000につなぐのも面白いのですが、これはまた別に書きます。
こうしてみるとDAC1のHPA-2がなかなか高性能なこともあり、単体で使うのと外部アンプにつなぐのでは一長一短あるように思います。
たとえば外部のヘッドホンアンプにつなぐよりもよけいなケーブルが一本ないほうが音の向上に寄与というところもあるでしょう。なにしろDAC1はデジタルのAES/EBUならばほぼジッターフリーですし、アナログのように減衰しませんから伝送に対するロスがほぼゼロということになります。CDPとアンプ直結のようなものですから音の鮮度は抜群です。
実際にちょっともったりしたL-3000でもDAC1単体ならばスピード感をはっきりと感じます。逆にさきに書いたようにP-1などにつなげた方が先鋭さは欠きますが、全体的な音の品質は向上すると感じる人も多いかもしれません。
DAC1のDAC自体は虚飾を廃した音ですが、DAC1内蔵のヘッドホンアンプは単調なものではなくわりと音楽向きだとも感じます。DAC1単体だとちょっと音空間はタイトですけど、こうした鮮度が高い音が生々しくダイレクトに届く感覚はスピーカーにないヘッドホンリスニングの魅力のような気がします。
2005年12月19日
DAC1とジッターとUltraLock
ところで前に書いたDAC1の記事でひとつ間違いがありました。
StereophileでDAC1と比較しているハイエンドDACは100万くらいのクラスと書きましたが、300万クラスの間違いでした(爆)なにしろNo30.6ですから..(No36と間違えた)
DAC1も海外ではStereophileをはじめとしてかなり高評価を受けてますが、まず測定性能が非常に高いという特徴があります。数値測定を取り入れるところでは特に好評に思えます。
DAC1の設計はBenchmarkの社長でもあるAllen Burdickですが、あまりコストをかけられない小さなスタジオにも良い機材をということを念頭に設計したそうです。そこで物量投入タイプではなく組み合わせの妙を生かしたようです。Burdickはかなりベテランの設計者のようですが、その成果はStreophileのテストなんかはテストに使用したケーブルの方がDAC1より高いという環境でも証明されます。
ひとの耳は測定器ではありませんが、それでも聴感上ではクリアで明瞭なSNの高さに耳を奪われます。
このDAC-1の成功に関してキーになっているのはSN向上のためのデジタルフィルターであると思いますが、そこに至る前にまず「組み合わせの妙」というところから話を始めなければならないと思います。それはDACチップそのものよりもDACのフロントエンドであるAD1896のことです。DAC1ではジッター軽減に"UltraLock"というものを使っているとカタログではうたっていますが、そのハートがこのAD1896です。
普通のジッター対策はまずPLLによるものです。ただそれだと十分ではないのでバッファーやFIFO(キュー)またはリクロック回路を使うものもありますが、マルチチャンネルや画像と同期させにくい、バッファー内の時間の扱いがややこしいなど問題もあるそうです。
DAC1ではDACチップの動作クロックである110kHzに入力信号をサンプリングしなおしますが、それをつかさどるのがAD1896です。そしてDAC1ではこのときにサンプリングレート自体を変化させてジッター除去するそうです(Asyncronous sample rate conversion)。
これがDAC1でいうところの"UltraLock"です。マニュアルでもAES/EBUでの転送では検知されるジッターの影響はほぼないと記載されているのでかなり効果的な方法といえるでしょう。
これにより通常ならばワードシンクを使うようなレベルの時間の同一性を達成しているとのことです。つまりスタジオでのマルチチャンネルの同期の必要性から生まれた技術のようです。
DAC1のマニュアルに書いてありますが、ここにキーがあります。それはジッターの大きな問題はデジタルフィルターに悪影響するということです。デジタルフィルターの効率が悪くなるということは簡単に言うとノイズがうまく除去できないということで、言い換えるとS/N比が悪くなるということです。
どう悪影響するかというと、たとえば2倍オーバーサンプリングするということはデータの幅(時間)が半分になるということですから、その分でジッターの許容量が半分になるということです。つまりそれだけジッター(時間のずれ)に敏感に反応するようになるわけです。これが4倍・8倍となるにつれさらにきびしくなっていきます。
しかしオーバーサンプリングはSNの低減に有効ですから、普通はなくすわけにはいきません(一部ではしていないDACもあります)。それで効果的なジッター低減がオーバーサンプリングを前提としたDACでは重要なことになるわけです。
DAC1のもうひとつの特徴は前に書いたようにあえて110kHzという中途半端に見えるクロックレートで動作していることです。これは対応レートの一番上である192kHzで動作するのに対して、デジタルフィルターの効率を上げるということです。これによって192kHzで動作するより20dBもSNが向上するそうです(その代わりに50kHz以上の帯域で損失が大きくなるとのこと)。
つまりこれらの相乗効果でデジタルフィルターの効果を最大限に高めた結果、DAC1のSNは画期的に高くなったということなのでしょう。
これらの技術はBenchmark社というより、Analog Devices社の研究論文をもとにしているようですが、このように低価格で高性能を達成しているうらにはユニークな工夫が生きているということなのだと思います。
DAC1はDACチップもAnalog Devicesですが、最近の単体DACでチップがシーラスロジックのHeadroom MAX DACやバーブラウンのPS Audioの開発中のDACもAD1896を採用するようになってきているようです。これはDAC1の成功に刺激されたとも推測できます。
DACチップの前のフロントエンドを効果的に使う方法としてはMark LevinsonがNo 360のDACにおいて当時まだ規格のはっきり見えなかった新世代オーディオ(いまのSACDやDVD-Audio)に対応するためにプログラミングで柔軟な変更ができるDSPのSHARCを使用したのが嚆矢だと思います。そしてこのAD1896もSHARCの系統ということのようです。
そうした点ではDAC1の成功も一夜にしてなったわけではないとも言えるでしょう。
2005年12月14日
DAC1の設置と電源タップ
Benchmark DAC1は本来はスタジオでプロが使うための機材ですので、音の傾向も取り扱いもそれを念頭に入れておかねばなりません。
たとえばオリジナルの黒いバージョンにはラックマウント用の張り出しがあります。ただし最近ではコンシューマーオーディオでもよく使われるようになってきたので最近のシルバーカバーのバージョンではラックマウントはありません。
DAC1の特徴のひとつは入出力が豊富だということで小さな背面にぎっしりと入出力コネクタが並んでいます。
入力系:
XLR/同軸/光の3種類があり前面パネルで切り替えます。このとき信号が来てないと真ん中のエラーLEDが点灯します。その下のLEDは対応外のデジタルデータのときに点灯します。
DAC1では24bit/192kHzまで対応しています。どの端子でもAES/EBUとS/PDIFの両方の形式で入力できますが、普通はXLRの場合にAESで光と同軸のときにS/PDIFとなるでしょう。バランス入力は2番ホットです。また同軸はRCAではなくBNC端子なので注意せねばなりません。この辺のロックの確実性重視もプロ機ならではです。
わたしはIKEMIからAES/EBUのXLRコネクタからWireWorldのGold Starlight デジタルバランスケーブルでDAC1のXLR端子に接続しています。
出力系:
DACとして使用するときはアナログ出力をバランス(XLR)とアンバランス(RCA)が選べます。バランス出力は2番ホットです。
出力については背面のスイッチで3通りのモードが選べます。キャリブレーテッド、アナログ出力カット、バリアブルです。バリアブルでは前面のボリュームノブで出力の大きさを変えられます。つまりこのときプリアンプのように働きます。キャリブレーテッドではこれがトリマー切り替え(固定抵抗)になります。DAC1はあまりボリュームの品質がよくないとも言われますのでDACとして使うときはキャリブレーテッドで使用したほうがよいでしょう。
どの位置でもヘッドホン出力は常に有効でオフすることはできません。
アナログ系はCDPとの差し替えで同じものを流用していますのでAudioQuestのPythonです。(さすがに何本も買えない)
電源は110Vと書いてありますが、マニュアルにも90Vから対応するとありますので問題ないと思います。電源スイッチはないのでコンセントに差したときにいきなり通電します。ちょっと気が付いたのはDAC1のパワーLEDはちょっと部屋に置くには明るすぎるかもしれません。電源ケーブルはとりあえずハイエンドホースのエントリーレベルのものに交換しています。
わたしの場合は常時通電していませんが、電源タップにマスターパワースイッチがあるのでそれで一括電源オンオフできます。
わたしの今使用している電源タップであるオーディオプリズムのPowerFoundationではデジタル用コンセント位置があるのでDACはそこに差します。前にも書きましたが、デジタル機器からはノイズが電源ケーブルを伝って逆流します(これは測定器を差すとよく分かります)。そこで各社いろいろな施策をデジタル機器用にとっているわけです。
この位置にデジタル機材(CDPやDAC)の電源ケーブルをさすとアイソレーション(他の電源系と干渉しないよう独立させる)をしているわけです。
このPowerFoundationは単なる電源タップではなく電源コンディショナーに分類される機材で、オーディオプリズムでは前にも書いたコンデンサを使った並列型といわれるノイズ除去回路を使っています。この効果は絶大で音のとがった成分をかなり緩和して音を柔らかく感じさせます。
このPowerFoundation自体かなり高性能で、音の鮮度は高くなりSNの向上とともに全てのアンプやCDがうまく歌いだすように音が豊かに感じられます。
http://www.audioprism.com/foundation.html
たとえばオリジナルの黒いバージョンにはラックマウント用の張り出しがあります。ただし最近ではコンシューマーオーディオでもよく使われるようになってきたので最近のシルバーカバーのバージョンではラックマウントはありません。
DAC1の特徴のひとつは入出力が豊富だということで小さな背面にぎっしりと入出力コネクタが並んでいます。
入力系:
XLR/同軸/光の3種類があり前面パネルで切り替えます。このとき信号が来てないと真ん中のエラーLEDが点灯します。その下のLEDは対応外のデジタルデータのときに点灯します。
DAC1では24bit/192kHzまで対応しています。どの端子でもAES/EBUとS/PDIFの両方の形式で入力できますが、普通はXLRの場合にAESで光と同軸のときにS/PDIFとなるでしょう。バランス入力は2番ホットです。また同軸はRCAではなくBNC端子なので注意せねばなりません。この辺のロックの確実性重視もプロ機ならではです。
わたしはIKEMIからAES/EBUのXLRコネクタからWireWorldのGold Starlight デジタルバランスケーブルでDAC1のXLR端子に接続しています。
出力系:
DACとして使用するときはアナログ出力をバランス(XLR)とアンバランス(RCA)が選べます。バランス出力は2番ホットです。
出力については背面のスイッチで3通りのモードが選べます。キャリブレーテッド、アナログ出力カット、バリアブルです。バリアブルでは前面のボリュームノブで出力の大きさを変えられます。つまりこのときプリアンプのように働きます。キャリブレーテッドではこれがトリマー切り替え(固定抵抗)になります。DAC1はあまりボリュームの品質がよくないとも言われますのでDACとして使うときはキャリブレーテッドで使用したほうがよいでしょう。
どの位置でもヘッドホン出力は常に有効でオフすることはできません。
アナログ系はCDPとの差し替えで同じものを流用していますのでAudioQuestのPythonです。(さすがに何本も買えない)
電源は110Vと書いてありますが、マニュアルにも90Vから対応するとありますので問題ないと思います。電源スイッチはないのでコンセントに差したときにいきなり通電します。ちょっと気が付いたのはDAC1のパワーLEDはちょっと部屋に置くには明るすぎるかもしれません。電源ケーブルはとりあえずハイエンドホースのエントリーレベルのものに交換しています。
わたしの場合は常時通電していませんが、電源タップにマスターパワースイッチがあるのでそれで一括電源オンオフできます。
わたしの今使用している電源タップであるオーディオプリズムのPowerFoundationではデジタル用コンセント位置があるのでDACはそこに差します。前にも書きましたが、デジタル機器からはノイズが電源ケーブルを伝って逆流します(これは測定器を差すとよく分かります)。そこで各社いろいろな施策をデジタル機器用にとっているわけです。
この位置にデジタル機材(CDPやDAC)の電源ケーブルをさすとアイソレーション(他の電源系と干渉しないよう独立させる)をしているわけです。
このPowerFoundationは単なる電源タップではなく電源コンディショナーに分類される機材で、オーディオプリズムでは前にも書いたコンデンサを使った並列型といわれるノイズ除去回路を使っています。この効果は絶大で音のとがった成分をかなり緩和して音を柔らかく感じさせます。
このPowerFoundation自体かなり高性能で、音の鮮度は高くなりSNの向上とともに全てのアンプやCDがうまく歌いだすように音が豊かに感じられます。
http://www.audioprism.com/foundation.html
2005年12月11日
DAC1のアナログアウトと第一印象
DAC1とはLINN IKEMIとAES/EBUでWireWorldのバランスデジタルケーブルで接続しています。
アンプも温まっていないのですが、単体DACとしての能力を見るためにDAC1からアナログアウトでプリのLINN KAIRNに接続しました。それからパワーのLINN KLAUT->スピーカーDynaudio SP25というセッティングです。
簡単な感想ですが、たしかに解像力とSNはかなりのものです。ただし音場が狭く感じられます。IKEMIのアナログ出力に変えてみるといっそうはっきりします。IKEMIの空間一杯に音が広がる感じがなく、さらに音の豊かさ・柔らかさはIKEMIの方にかなり分があります。でも音の細かさはやはりIKEMIよりはっきりしていてシャープです。
ヘッドホンアンプとしての性能は高く、ダイナミックさもありますし音楽性に欠けるということはないとおもいます。Edition7の低音もかなりの迫力をもって再現します。
やはりこれを考えるとスピーカー主体のオーディオセットというよりはヘッドホンモニター向けかなあとはちょっと思いました。
またIKEMIの内蔵DACの素晴らしさをも見直しました。やはり一体型のCDプレーヤーとしてはLINNの主張する「世界で二番目に良い」は伊達ではないと思います。
アンプも温まっていないのですが、単体DACとしての能力を見るためにDAC1からアナログアウトでプリのLINN KAIRNに接続しました。それからパワーのLINN KLAUT->スピーカーDynaudio SP25というセッティングです。
簡単な感想ですが、たしかに解像力とSNはかなりのものです。ただし音場が狭く感じられます。IKEMIのアナログ出力に変えてみるといっそうはっきりします。IKEMIの空間一杯に音が広がる感じがなく、さらに音の豊かさ・柔らかさはIKEMIの方にかなり分があります。でも音の細かさはやはりIKEMIよりはっきりしていてシャープです。
ヘッドホンアンプとしての性能は高く、ダイナミックさもありますし音楽性に欠けるということはないとおもいます。Edition7の低音もかなりの迫力をもって再現します。
やはりこれを考えるとスピーカー主体のオーディオセットというよりはヘッドホンモニター向けかなあとはちょっと思いました。
またIKEMIの内蔵DACの素晴らしさをも見直しました。やはり一体型のCDプレーヤーとしてはLINNの主張する「世界で二番目に良い」は伊達ではないと思います。
2005年09月12日
Benchmark DAC1と中野
さて、DACベース話題の流れでBenchmark DAC1にふと興味をもちましたので中野はフジヤさんに試聴に行きました。
聴いてみるとやはり単体DACベースだと一つ一つの音の輪郭がはっきりとして実体感が違います。かなり良いですね、もっと興味を深くしてしまいました(笑)
ベンチマーク DAC1の特徴はいくつかありますが、まず価格がリーズナブルなこと、ヘッドホンアンプがついていること、そしてジッター低減機能(UltraLock)と豊富な入出力です。
ジッターは簡単に言うとデータの時間的な誤差のことで主なものは、CD(トランスポート)の読み出し誤差やデータにセットする時計自体が不正確であることに起因するもの、トランスポートとDAC間の伝送遅延に起因するもの、そして録音時に起因するもの、の3通りがあると思います。
UltraLockではこのうち伝送誤差に関するものを減らすということのようですね。これはリクロックでデータを整列しなおして時間データを付け直すという方法だと思います。
もうひとつのDAC1の特徴は豊富なインターフェースで、この価格帯で業務用のAES/EBU(キヤノン)がついているというのはめずらしいのではないでしょうか。普通はデジタルというとS/PDIF(同軸か光)です。また同軸もRCAではなくBNCというのも本格的です。ラックマウント用のフロントプレートとともにこの辺はプロ機らしい実務性を感じます。
またトランスポート側でもAES/EBUがサポートされているのはわりと少ないと思いますが、最近買ったLINNのIKEMIはトランスポートとしての性能も高いことからAES/EBUがついていてCDトランスポートとしても使えるように図られています。
AES/EBUとS/PDIFの低レベルでのプロトコルはほぼ同じですから、違いは伝送レベルでの損失の差ということになります。それが普通の家の環境でどのくらい差が出るものかは微妙ですが、やはりあるからには使いたいものです(笑)
DAC1はアップサンプリングをすると書いているレビューもありますが、マニュアルとかみると正式には書いていません。しらべてみるとDAC1で使用しているAD社製DACチップは内部的に110kHzで動作しているようなので、内部でコンバーターチップを介して110kHzにサンプリングレート変換しているようです。それをさしているようなので一般的な意味での補完を含めて滑らかさを増す意味でのアップサンプリングとは違うのかもしれません。ちょっと分かりませんが、、
また切り替えスイッチでプリとしても使えるというのも魅力です。普通のプリアンプとはまた違った鮮度感のようなものが楽しめそうです。ただボリュームがアナログ段にあるとデジタルプリとまではいえないかもしれませんね。
DAC1については下記の改造ものなんかもあります。DAC1のヘッドホンアンプ部は向上の余地があるのかもしれませんが、まあその場合は普通にDACとして使ってP-1なんかにつなげばいいということになります。
http://www.empiricalaudio.com/frmods.html
ただそれなら他の単体DACの方がいいのでは、という悩みもありますがレビューを見ると単体DACについてもかなり高い性能があるようです。とくにStereophile誌では評価も高かったようです。なにしろ1世代前のモデルとはいえマークレビンソンやワディアの100万超のDACと比べてますからね。
http://stereophile.com/features/1204poty/index7.html
おもしろいのは試聴してちょっと思ったのはMicroDAC+SR71の組み合わせにぱっと聴いた感じが近いということです。MicroDACは感覚的にDrDACよりもずっとDAC1にちかくて、さすがにDAC1には負ける、といったくらいだなと思いました(Stereophile以上に誇張したかも、笑)。
フジヤさんではハルクロに続いてCHORDのシステムがありました。でも、、
わたしは試聴しないと買わない主義だ、と前に書きましたがもうひとつ主義がありまして、買えないものは試聴しない主義なんです(爆)
というわけでこれは見なかったことにして、ブロードウェイの奥にCDあさりに...
レコミンツPart3などで、マイクオールドフィールドの紙ジャケがユニオンのプログレ館より安いけど、あっちは今ならユニオン特製の帯つきだよなあ、なんてどうでもいいことで(笑)悩んだりしていますと、さすがにブロードウエイはまだまだ奥深く、歩いていると謎の平面スピーカーなる小型スピーカーのお店なんかもありました。下記のお店のショールームのようです。
大きいのになると音にゆとりが出ますが、それ以外はどちらかというとインテリア的なものですね。しかし背面に逆位相の音が出て、反射の処理が必要という点がちょっと置き場所に難ありかもしれません。
http://www.just-tech.co.jp/livesound/top_page_1.htm
聴いてみるとやはり単体DACベースだと一つ一つの音の輪郭がはっきりとして実体感が違います。かなり良いですね、もっと興味を深くしてしまいました(笑)
ベンチマーク DAC1の特徴はいくつかありますが、まず価格がリーズナブルなこと、ヘッドホンアンプがついていること、そしてジッター低減機能(UltraLock)と豊富な入出力です。
ジッターは簡単に言うとデータの時間的な誤差のことで主なものは、CD(トランスポート)の読み出し誤差やデータにセットする時計自体が不正確であることに起因するもの、トランスポートとDAC間の伝送遅延に起因するもの、そして録音時に起因するもの、の3通りがあると思います。
UltraLockではこのうち伝送誤差に関するものを減らすということのようですね。これはリクロックでデータを整列しなおして時間データを付け直すという方法だと思います。
もうひとつのDAC1の特徴は豊富なインターフェースで、この価格帯で業務用のAES/EBU(キヤノン)がついているというのはめずらしいのではないでしょうか。普通はデジタルというとS/PDIF(同軸か光)です。また同軸もRCAではなくBNCというのも本格的です。ラックマウント用のフロントプレートとともにこの辺はプロ機らしい実務性を感じます。
またトランスポート側でもAES/EBUがサポートされているのはわりと少ないと思いますが、最近買ったLINNのIKEMIはトランスポートとしての性能も高いことからAES/EBUがついていてCDトランスポートとしても使えるように図られています。
AES/EBUとS/PDIFの低レベルでのプロトコルはほぼ同じですから、違いは伝送レベルでの損失の差ということになります。それが普通の家の環境でどのくらい差が出るものかは微妙ですが、やはりあるからには使いたいものです(笑)
DAC1はアップサンプリングをすると書いているレビューもありますが、マニュアルとかみると正式には書いていません。しらべてみるとDAC1で使用しているAD社製DACチップは内部的に110kHzで動作しているようなので、内部でコンバーターチップを介して110kHzにサンプリングレート変換しているようです。それをさしているようなので一般的な意味での補完を含めて滑らかさを増す意味でのアップサンプリングとは違うのかもしれません。ちょっと分かりませんが、、
また切り替えスイッチでプリとしても使えるというのも魅力です。普通のプリアンプとはまた違った鮮度感のようなものが楽しめそうです。ただボリュームがアナログ段にあるとデジタルプリとまではいえないかもしれませんね。
DAC1については下記の改造ものなんかもあります。DAC1のヘッドホンアンプ部は向上の余地があるのかもしれませんが、まあその場合は普通にDACとして使ってP-1なんかにつなげばいいということになります。
http://www.empiricalaudio.com/frmods.html
ただそれなら他の単体DACの方がいいのでは、という悩みもありますがレビューを見ると単体DACについてもかなり高い性能があるようです。とくにStereophile誌では評価も高かったようです。なにしろ1世代前のモデルとはいえマークレビンソンやワディアの100万超のDACと比べてますからね。
http://stereophile.com/features/1204poty/index7.html
おもしろいのは試聴してちょっと思ったのはMicroDAC+SR71の組み合わせにぱっと聴いた感じが近いということです。MicroDACは感覚的にDrDACよりもずっとDAC1にちかくて、さすがにDAC1には負ける、といったくらいだなと思いました(Stereophile以上に誇張したかも、笑)。
フジヤさんではハルクロに続いてCHORDのシステムがありました。でも、、
わたしは試聴しないと買わない主義だ、と前に書きましたがもうひとつ主義がありまして、買えないものは試聴しない主義なんです(爆)
というわけでこれは見なかったことにして、ブロードウェイの奥にCDあさりに...
レコミンツPart3などで、マイクオールドフィールドの紙ジャケがユニオンのプログレ館より安いけど、あっちは今ならユニオン特製の帯つきだよなあ、なんてどうでもいいことで(笑)悩んだりしていますと、さすがにブロードウエイはまだまだ奥深く、歩いていると謎の平面スピーカーなる小型スピーカーのお店なんかもありました。下記のお店のショールームのようです。
大きいのになると音にゆとりが出ますが、それ以外はどちらかというとインテリア的なものですね。しかし背面に逆位相の音が出て、反射の処理が必要という点がちょっと置き場所に難ありかもしれません。
http://www.just-tech.co.jp/livesound/top_page_1.htm