Philewebに鹿島建設の立体音響技術「OPSODIS」の記事を執筆しました。
小さなサウンドバー上のスピーカーから後ろに回り込むような音が聞こえてくるのは圧巻です。
興味ある方はどうぞ。
脳が “バグる” 立体音響体験。クラファンで1億円を突破、鹿島建設のスピーカー「OPSODIS 1」は何がスゴい?
https://www.phileweb.com/review/article/202408/02/5689.html
Music TO GO!
2024年08月02日
2024年03月15日
2023年10月22日
2023年09月01日
2023年04月26日
「KORG Live Extremeを活用した世界初の“DSDライブ映像配信”を体験」の記事をアスキーに執筆
「KORG Live Extremeを活用した世界初の“DSDライブ映像配信”を体験」の記事をアスキーに執筆しました。なかなか素晴らしい音のライブ配信です。
https://ascii.jp/elem/000/004/134/4134151/
https://ascii.jp/elem/000/004/134/4134151/
「突然の報道、MQAが経営破綻?」の記事をアスキーに執筆
アスキーにMQA社が経営の危機にあるのではないかという記事をかきました。MQA社のホームページのフッターなどが情報になります。
https://ascii.jp/elem/000/004/133/4133268/
https://ascii.jp/elem/000/004/133/4133268/
2021年05月02日
アップルミュージックにHIFIオプションが登場か?
今朝ほど海外のメディアが一斉にApple MusicにHIFI(おそらくロスレス)オプションが登場するという噂を報道しています。Techraderなどの有力紙も報じていますが、おそらくここが噂の震源です。
https://hitsdailydouble.com/news&id=326262&title=APPLE-GOING-HI-FI%253F
真偽のほどはわかりませんが、おそらく数週間以内に発表されてAirPods3の発表と込みではないかということです。このことからWWDCではないかとの観測も行われています。おそらくアップルミュージックHIFI(仮)が登場したとしてもSpotifi HIFIのように48/24でALACではないかと考えられますが、WWDCだとすると他になんらかのソフトウエア的な追加の可能性もあり、ちょっと楽しみな噂ではあります。
https://hitsdailydouble.com/news&id=326262&title=APPLE-GOING-HI-FI%253F
真偽のほどはわかりませんが、おそらく数週間以内に発表されてAirPods3の発表と込みではないかということです。このことからWWDCではないかとの観測も行われています。おそらくアップルミュージックHIFI(仮)が登場したとしてもSpotifi HIFIのように48/24でALACではないかと考えられますが、WWDCだとすると他になんらかのソフトウエア的な追加の可能性もあり、ちょっと楽しみな噂ではあります。
2021年03月08日
アスキーにGoogleの新しい低ビットレートコーデックLyraの記事を執筆しました
アスキーにAmazon Musicで採用されているコーデックOpusと、Googleの新しい低ビットレートコーデックLyraの記事を執筆しました。
https://ascii.jp/elem/000/004/046/4046656/
https://ascii.jp/elem/000/004/046/4046656/
2020年03月11日
AKMがデジタルとアナログ分離型のDAC ICを発表
ASCII.JPにAKMがデジタルとアナログ分離型のDAC ICを発表した記事を書きました。
2019年12月15日
TIDALがDolby Atmosをサポート
TIDALがDolby Atmosのストリーミングをサポートしたようです。HIFIサブスクライバーのみで、現在はAndroidのみに限られているかも。
2019年11月18日
InterBeeでMQAと映像の融合デモ
InterBeeで動画とMQAの融合したHDビデオのデモを見てきました。これはWOWOWとの協力によるものです。
https://mqa.jp/article/WOWOW_MQA_collaboration/
MQAのひとつの利点は柔軟性ですが、ビデオの音声トラックは48/24までなのでMQAでハイレゾを入れられるというメリットがあります。
しかし従来の動画の音声トラックのコーデックはAACなので、MQAをそのまま使うことはできません。それをMPEG4-ALSを用いてロスレスをサポートした方式にするという点がポイントです。
デモではPCでVLCを使ってMP4ビデオを再生していました。たしかにライブなどはなかなかの臨場感があり、イマーシブという言葉がよくあいます。技術的にはアコースティックフィールドのHPLと、NTTスマートコネクト社のサポートがあるということです。
https://mqa.jp/article/WOWOW_MQA_collaboration/
MQAのひとつの利点は柔軟性ですが、ビデオの音声トラックは48/24までなのでMQAでハイレゾを入れられるというメリットがあります。
しかし従来の動画の音声トラックのコーデックはAACなので、MQAをそのまま使うことはできません。それをMPEG4-ALSを用いてロスレスをサポートした方式にするという点がポイントです。
デモではPCでVLCを使ってMP4ビデオを再生していました。たしかにライブなどはなかなかの臨場感があり、イマーシブという言葉がよくあいます。技術的にはアコースティックフィールドのHPLと、NTTスマートコネクト社のサポートがあるということです。
2019年03月06日
ちょっとややこしいUSB新規格
USB4.0の仕様がUSB.orgで発表されています。(下記リリース参照)
https://usb.org/sites/default/files/2019-03/USB_PG_USB4_DevUpdate_Announcement_FINAL_20190226.pdf
最大40Gbpsという高速規格で、ポイントはUSB3.2、USB2.0やThunderbolt3とも互換性があるということです。上のリリースでもエンドタイプを動的に切り替えることができるとありますので、これらは自由に差し替え可能だと思われます。
さて、ここでもうひとつポイントは上の互換性記述でUSB3.1とかUSB3.0というのがないですよね?これはどうしてかというと、これとは別に最近のMWCで最大20GbpsのUSB3.2の規格が制定され、従来のUSB3.1とUSB3.0は"USB3.2"という規格に統合されたからだと思います。
これがややこしいのはUSB3.0(5Gbps)はUSB3.2 gen1、USB3.1(10Gbps)はUSB3.2 gen2、そしてUSB3.2自体はUSB3.2 gen2x2とリブランドされています。これはUSB3.2が2チャンネルの10Gbpsを使用する規格なので、技術的にはただしいのかもしれませんが、ややこしいとは言えますね。
ただ実のところUSB3.1のときもUSB3.0がUSB3.1 gen1とリブランドされてたようなので、それを引き継いでややこしくなったものと思います。
ちなみに名称はそれぞれ、USB3.1 gen1はSuperSpeed USB、USB3.2 gen2はSuperSpeed USB 10Gbps、USB3.2 gen2x2はSuperSpeed USB 20Gbps、USB4はまだわかりません。USB2.0はHigh Speed USBでしたね。
https://usb.org/sites/default/files/2019-03/USB_PG_USB4_DevUpdate_Announcement_FINAL_20190226.pdf
最大40Gbpsという高速規格で、ポイントはUSB3.2、USB2.0やThunderbolt3とも互換性があるということです。上のリリースでもエンドタイプを動的に切り替えることができるとありますので、これらは自由に差し替え可能だと思われます。
さて、ここでもうひとつポイントは上の互換性記述でUSB3.1とかUSB3.0というのがないですよね?これはどうしてかというと、これとは別に最近のMWCで最大20GbpsのUSB3.2の規格が制定され、従来のUSB3.1とUSB3.0は"USB3.2"という規格に統合されたからだと思います。
これがややこしいのはUSB3.0(5Gbps)はUSB3.2 gen1、USB3.1(10Gbps)はUSB3.2 gen2、そしてUSB3.2自体はUSB3.2 gen2x2とリブランドされています。これはUSB3.2が2チャンネルの10Gbpsを使用する規格なので、技術的にはただしいのかもしれませんが、ややこしいとは言えますね。
ただ実のところUSB3.1のときもUSB3.0がUSB3.1 gen1とリブランドされてたようなので、それを引き継いでややこしくなったものと思います。
ちなみに名称はそれぞれ、USB3.1 gen1はSuperSpeed USB、USB3.2 gen2はSuperSpeed USB 10Gbps、USB3.2 gen2x2はSuperSpeed USB 20Gbps、USB4はまだわかりません。USB2.0はHigh Speed USBでしたね。
2018年06月20日
PhilewebにRoon1.5のMQA再生の記事を執筆しました
PhilewebにRoon1.5のMQA再生機能の記事を執筆しました。
MQA-CDリッピング音源のRoonとAudirvana plusの挙動の違いやAudio MIDIでみるデータ転送幅など細かいところにも着目してMQAの実体に近づこうというものなのでぜひご覧ください。
https://www.phileweb.com/sp/review/article/201806/20/3077.html
MQA-CDリッピング音源のRoonとAudirvana plusの挙動の違いやAudio MIDIでみるデータ転送幅など細かいところにも着目してMQAの実体に近づこうというものなのでぜひご覧ください。
https://www.phileweb.com/sp/review/article/201806/20/3077.html
2018年06月17日
MQAのポータブルオーディオ最前線についてボブスチュアート氏の話
xDSDの特徴の一つはMQA対応ですが、いまのところはデスクトップでAudirvanaやTidalと接続しなければなりません。それではxDSDのコンパクトさを生かすポータブルでは使えないのか、という課題をかかえつつ週末のOTOTENに行き、またボブスチュアート氏とも話をする機会を得たのでこの辺も聞いてきました。
前提として、ポータブルオーディオではコンパクトさが優先されるため、ハードウエアでは低プロセッサパワーでも動作可能なMQAレンダラーが採用されるということがあります。レンダラーはコアデコーダーがないとMQAファイルを認証できないので、つまり外部にMQAコアデコーダーが必要です。
xDSDをポータブルでMQA再生するための一つ目の方法はMQA対応しているDAPを使用することです。DAPはアナログ出力が必要なので、MQA対応するためには単体完結できるMQAフルデコーダーが搭載されている必要があります。MQAフルデコーダーとはMQAコアデコーダーとMQAレンダラーが一体になったものでもあるため、MQAフルデコーダーは設定によってMQAコアデコーダーとしても動作が可能です。
このことから、まずxDSDをActivo CT10やOnkyo DPX1とUSBで接続してみました(AQ Dragontailケーブル)。ちなみにAstell & Kern DAPも近々MQA対応するはずです。
上はActivo CT10のUSB出力設定画面ですが、MQAソフトウエアデコードが選択できることがわかります。また実際にxDSD側でもマジェンタのLEDがついているのでMQAで入力されていることがわかります。
上の写真はONKYO DPX1をスチュアート氏が操作しているところ。ONKYOはUSB接続によって自動選択されるようです。
xDSDをポータブルでMQA再生するための次の方法はスマートフォンです。EssentialなどMQA対応を表明しているアンドロイドスマホも出てきていますが、iPhoneの場合にはアプリが必要です。これは開発中のアプリをボブスチュアート氏が見せてくれたのですが、実はMQA Ltd.がiPhone用の再生アプリを開発しています。
さっそくたまたま持っていた()カメラキットケーブルでiPhoneと接続してxDSDにiPhone上でMQAアプリを使用したMQAコアデコードを行ってみました。上の写真を見てわかるようにxDSD側でマジェンタのLEDがついているのでMQAで入力されていることがわかります。
また、もうひとつiPhoneアプリではAmarra Playアプリもあります。これは現在でも使えるのですが、同一のWiFi上に親のAmarra luxeが必要です。ただし将来のアップデートでスタンドアローンで動作するバージョン(V1.6)を予告しています。ボブスチュアート氏はすでにこのスタンドアロンの開発版も持っていてデモを見せてくれました。上の写真のようにやはりxDSD側でマジェンタのLEDがついているのでMQAで入力されていることがわかります。また左下にAmarraのマークが表示されているのが見て取れるでしょう。
このようにMQAのポータブル応用はすでに始まりつつあります。
MQAの特徴の一つは階層的ともいいますが、さまざまな分野への応用力・柔軟性が高いことです。MQAはすでにファイル再生だけではなく、CDでも適用可能なことを見せてくれました。16bitでも32bitでも対応できるし、ハードも様々な対応が可能です。
上はボブスチュアート氏が書いてくれたMQAコアデコーダーとMQAレンダラーの関係のメモです。ここではさらにレンダラーがチャンネルデバイダやデジタルクロスオーバーなども経由して、周波数帯別やチャンネル別のマルチアンプとの対応も可能であることが示されています。
MQAはまだ緒についたばかりですが、ポータブルへの応用をはじめ可能性の多様さに興味が惹かれます。
前提として、ポータブルオーディオではコンパクトさが優先されるため、ハードウエアでは低プロセッサパワーでも動作可能なMQAレンダラーが採用されるということがあります。レンダラーはコアデコーダーがないとMQAファイルを認証できないので、つまり外部にMQAコアデコーダーが必要です。
xDSDをポータブルでMQA再生するための一つ目の方法はMQA対応しているDAPを使用することです。DAPはアナログ出力が必要なので、MQA対応するためには単体完結できるMQAフルデコーダーが搭載されている必要があります。MQAフルデコーダーとはMQAコアデコーダーとMQAレンダラーが一体になったものでもあるため、MQAフルデコーダーは設定によってMQAコアデコーダーとしても動作が可能です。
このことから、まずxDSDをActivo CT10やOnkyo DPX1とUSBで接続してみました(AQ Dragontailケーブル)。ちなみにAstell & Kern DAPも近々MQA対応するはずです。
上はActivo CT10のUSB出力設定画面ですが、MQAソフトウエアデコードが選択できることがわかります。また実際にxDSD側でもマジェンタのLEDがついているのでMQAで入力されていることがわかります。
上の写真はONKYO DPX1をスチュアート氏が操作しているところ。ONKYOはUSB接続によって自動選択されるようです。
xDSDをポータブルでMQA再生するための次の方法はスマートフォンです。EssentialなどMQA対応を表明しているアンドロイドスマホも出てきていますが、iPhoneの場合にはアプリが必要です。これは開発中のアプリをボブスチュアート氏が見せてくれたのですが、実はMQA Ltd.がiPhone用の再生アプリを開発しています。
さっそくたまたま持っていた()カメラキットケーブルでiPhoneと接続してxDSDにiPhone上でMQAアプリを使用したMQAコアデコードを行ってみました。上の写真を見てわかるようにxDSD側でマジェンタのLEDがついているのでMQAで入力されていることがわかります。
また、もうひとつiPhoneアプリではAmarra Playアプリもあります。これは現在でも使えるのですが、同一のWiFi上に親のAmarra luxeが必要です。ただし将来のアップデートでスタンドアローンで動作するバージョン(V1.6)を予告しています。ボブスチュアート氏はすでにこのスタンドアロンの開発版も持っていてデモを見せてくれました。上の写真のようにやはりxDSD側でマジェンタのLEDがついているのでMQAで入力されていることがわかります。また左下にAmarraのマークが表示されているのが見て取れるでしょう。
このようにMQAのポータブル応用はすでに始まりつつあります。
MQAの特徴の一つは階層的ともいいますが、さまざまな分野への応用力・柔軟性が高いことです。MQAはすでにファイル再生だけではなく、CDでも適用可能なことを見せてくれました。16bitでも32bitでも対応できるし、ハードも様々な対応が可能です。
上はボブスチュアート氏が書いてくれたMQAコアデコーダーとMQAレンダラーの関係のメモです。ここではさらにレンダラーがチャンネルデバイダやデジタルクロスオーバーなども経由して、周波数帯別やチャンネル別のマルチアンプとの対応も可能であることが示されています。
MQAはまだ緒についたばかりですが、ポータブルへの応用をはじめ可能性の多様さに興味が惹かれます。
2018年04月04日
Bulk Pet方式の記事をPhilewebに執筆しました
USB DACでの話題の新技術、Bulk Pet方式の記事をPhilewebに執筆しました。
https://www.phileweb.com/review/article/201804/04/2995.html
そもそもBulk Pet方式とは何か、技術解説、長所と短所、従来方式と各モードでの聴き比べなどまたまた濃い内容となっていますのでお楽しみください。
https://www.phileweb.com/review/article/201804/04/2995.html
そもそもBulk Pet方式とは何か、技術解説、長所と短所、従来方式と各モードでの聴き比べなどまたまた濃い内容となっていますのでお楽しみください。
2017年12月13日
MQAの時間的正確性とは (StereophileのMQAインパルス応答の測定)
Stereophileの下記リンクにMQAを測定的に検証した記事が載っています。
https://www.stereophile.com/content/mqa-tested-part-1
これはMQA非対応のBenchmark DAC3 HGCとMQA対応のMytekのBrooklyn DACにそれぞれテストデータを送ってインパルス応答を見るというものです。これでMQAが唱えている「時間的正確性」の正しさが確認できるというわけです。
データは5us幅で、グラフではひとつのドットが1サンプル幅です。
この結果から見てわかることは3点あると思います。
1. 本来時間的対象性を持った(それゆえ左側にアーティファクトであるプリリンギングが生じてしまう)リニアフィルタ(Fig1)のBenchmark DACにMQAエンコードしたデータを送ると、対象性がくずれてプリリンギングが減ること。
これはつまりMQAエンコードすればMQA非対応DACでも音質が良くなるはずというMQAの主張を裏付けています。この場合の「音が良くなる」、はプリリンギングが少なくなり音が自然に聴こえるはずということです。
*アーティファクト(人工生成物)とはデジタル処理によって元のアナログ信号にはなかった音ができることで、本来の音の前に無いはずの音が生じるプリリンギングなどです。これはデジタルオーディオが自然に聴こえない原因の一つとされています。
*ちなみにこれに対してMQAエンコードによりノイズ成分は増えるので「音は悪くなるはず」というのが反MQA側の言い分だと思います。念のためにこちらも書いておきます。
2. MQAデータをMQA対応のMytekに送るとかなり理想的なインパルス応答特性に近くなる(Fig5)。つまり音が良くなるはず。(インパルス応答は音楽ではないので、「はず」と書いておきます)
これはたとえばMytekのオリジナルの結果(Fig3)も優れているが、MQAだとグラフの左にプリリンギングもでずに、全体も短くおさまっているから、ということです。これがつまりMQAの提唱する「時間的正確性」というわけです。
3. しかしなぜかMQAエンコードしていないデータを送っても(2)と同じ結果になる。(Fig6)
つまりMQAエンコードされていても、されていなくても、MQAデコードすれば同じ結果が出るということです。ここはなぜかというところが謎なのですが、テストデータの故ではないかとは書かれています。つまりテストデータはデジタルドメインで作成されたものなので、MQAエンコードで低減されるはずのDeburringが効いていないのではないかという仮説です。しかしこれは1とも相反しているように思えますね。
これはわかりませんが、あるいはハードごとに異なるMQAファームウエアの実装にも関係しているかもしれません。
いずれにせよちょっと興味深い結果ではありますね。
https://www.stereophile.com/content/mqa-tested-part-1
これはMQA非対応のBenchmark DAC3 HGCとMQA対応のMytekのBrooklyn DACにそれぞれテストデータを送ってインパルス応答を見るというものです。これでMQAが唱えている「時間的正確性」の正しさが確認できるというわけです。
データは5us幅で、グラフではひとつのドットが1サンプル幅です。
この結果から見てわかることは3点あると思います。
1. 本来時間的対象性を持った(それゆえ左側にアーティファクトであるプリリンギングが生じてしまう)リニアフィルタ(Fig1)のBenchmark DACにMQAエンコードしたデータを送ると、対象性がくずれてプリリンギングが減ること。
これはつまりMQAエンコードすればMQA非対応DACでも音質が良くなるはずというMQAの主張を裏付けています。この場合の「音が良くなる」、はプリリンギングが少なくなり音が自然に聴こえるはずということです。
*アーティファクト(人工生成物)とはデジタル処理によって元のアナログ信号にはなかった音ができることで、本来の音の前に無いはずの音が生じるプリリンギングなどです。これはデジタルオーディオが自然に聴こえない原因の一つとされています。
*ちなみにこれに対してMQAエンコードによりノイズ成分は増えるので「音は悪くなるはず」というのが反MQA側の言い分だと思います。念のためにこちらも書いておきます。
2. MQAデータをMQA対応のMytekに送るとかなり理想的なインパルス応答特性に近くなる(Fig5)。つまり音が良くなるはず。(インパルス応答は音楽ではないので、「はず」と書いておきます)
これはたとえばMytekのオリジナルの結果(Fig3)も優れているが、MQAだとグラフの左にプリリンギングもでずに、全体も短くおさまっているから、ということです。これがつまりMQAの提唱する「時間的正確性」というわけです。
3. しかしなぜかMQAエンコードしていないデータを送っても(2)と同じ結果になる。(Fig6)
つまりMQAエンコードされていても、されていなくても、MQAデコードすれば同じ結果が出るということです。ここはなぜかというところが謎なのですが、テストデータの故ではないかとは書かれています。つまりテストデータはデジタルドメインで作成されたものなので、MQAエンコードで低減されるはずのDeburringが効いていないのではないかという仮説です。しかしこれは1とも相反しているように思えますね。
これはわかりませんが、あるいはハードごとに異なるMQAファームウエアの実装にも関係しているかもしれません。
いずれにせよちょっと興味深い結果ではありますね。