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2015年02月14日

ポタ研レポート2015春

昨年は大雪で大変なことになったポタ研ですが、今回はうららかに晴れて春を思わせる中での開催となりました。

今回の目玉の一つは昨年から話題となっていてCESデビューしたAudioQuestのヘッドフォン、Nighthawkです。この発表会が開催されました。

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なぜケーブル専業に思えるAudioQuestがヘッドフォンをと言うかもしれませんが、逆説的ながらNighthawkの特徴は一言でいうとAudioQuestらしいヘッドフォンということです。
どういうことかというと、まず第一はAudioQuestはヘッドフォンを作ったことがないので伝統がなく、一から作れたということです。つまりこれが他のヘッドフォンの延長上ではなく、スクラッチビルドされた設計だということです。そのためにこれまでにないユニークな特徴を持ってます。これはヘッドフォンメーカーではないAudioQuestゆえの良いところでしょう。
具体的にはまずラウドスピーカー(ヘッドフォンに対しての普通のスピーカー)で用いられる技術を随所に採用してます。例えばハウジングの裏側はまるでスピーカーのキャビネットのように吸音材や補強材が施されています。バイオセルロースの振動板の周辺にはサラウンドと呼ばれるスピーカーでいうエッジがあります。これらは従来のヘッドフォンにはなかったもので、Nighthawkはラウドスピーカーのミニチュアのようなものです。
ヘッドフォンはよくスピーカーを例に取られますが実は両者は別々の進化をしてきたということも再認識させてくれます。

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またNighthawkでは装着性にもこだわっています。ヘッドバンドはよく見られるノッチやバーで上げ下げするのではなく独自のサスペンションでフィットするように作り、リキッドウッドという木だけど液状に加工できるハウジングで音響的に有利でかつたくさん人に合うように理想の形を作っています。
卵の殻から作ったという人工皮革のイヤパッドはよく馴染むとともに経年劣化のさいの交換も容易です。

ケーブルはAudioQuestの得意とするところで、高純度の線材を採用するとともに4芯でバランスにも対応可能です。
また細部のこだわりは付属のミニと標準プラグの変換プラグにも及び、一般的なニッケルメッキされたブラス素材とはことなりシルバーコートされた銅を使用しています。

Nighthawkはセミオープンで、ダイアモンド形状グリルのディフューザーで背圧のエアフローを整えるのは蝶の一種から着想を得たということで、これは3Dプリンタでないと作れないような構造だそうです。
こうした新しいアイディアを投入して、Nighthawkを設計したのはSkylar Greyという人で、HeadFiメンバーでもありHeadFiでNighthawkの書き込みをしてます。彼はもとはWestoneでカスタムIEMやイヤフォン開発に携わってきた人で、2年の歳月をかけてNighthawkを開発しました。サブウーファーを作ってたこともあるようで、もともとラウドスピーカーの素養を持ってたようです。

Nighthawkは少し聞いただけですが、明瞭感とクローズっぽい密度感が両立されている感じですね。インパクトが強く、 三次元的な立体感も感じられます。
それと装着感はかなり独特なものがあり、なかなか良い感じです。

なぜAudioQuesutがDragonflyやNighthawkのようなケーブル以外の製品も作るのか、と聞いたところ、このオーディオの世界は急激に変化してるので、顧客がほしいと思っているものを我々も作っていきたいのだと言っていました。
次はNightowlというクローズタイプを作るということですので楽しみにしたいところです。

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もう一つAK500N試聴会もありました。大入り満員で立ち見も出てましたね。
スピーカーはELAC、プリメインアンプにマークレビンソンの新型とハイエンドのシステムを使用しています。
一曲目でヴォーカルが浮き上がるように鮮明に耳に飛び込んできます。パーカッションのデモ曲での立体感と打楽器の色彩感再現も見事ですね。AK500Nはなかなか真面目に作られていると思います。

そして、こちら。「究極のポータブルシステム」です。

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アユートさんのブースは14Fにもあり、こちらではレイラとアンジー試聴の長い列ができていました。またこの前書いたSONY ZX1用のGloveAudio S1も人気だったようです。S1はアユートさんではすべてシルバーカラーの国内タイプを販売します。
こちらはAk240SS(ステンレス)です。筐体の金属素材が異なるとグランドの特性が異なるので音質も異なるということです。国内価格はまだ未定ということです。

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またこちらはアユートさんで新規導入のMaster&Dynamicのヘッドフォンとイヤフォンです。ヘッドフォンはなかなか精密に作りになってモノ的な魅力があります。ヘッドフォンもイヤフォンもiPhoneで聴くとなかなか良い音でした。

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Oppo JapanではヘッドフォンアンプのHA2と、平面型クローズタイプのPM3でポータブルに向けたシステムを展開していました。HA2は昨年のポタフェスより改良をして音をよりイヤフォン向けになったということです。また大きな改良点として、前はiPhoneと接続する際にはmicroBの口にカメラコネクションキットを使って接続していましたが、この新しいタイプではUSB Aの口がついて、USB-ライトニングケーブルで簡単に接続が可能になりました。Android対応もあるそうです。

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これらはOppo Japanが積極的に日本市場に合わせたリクエストをし、Oppo側も日本の市場が重要だということを踏まえて改良をしてくれているということです。
PM3はケーブルが4本線なのでバランス化も期待できそうです。3/20に発売予定で、HA2は39000円くらい、PM3は55000円くらいと価格が安いのも魅力的です。

FitEarブースでは彩、fitearとともにショコラという謎のイヤフォンが展示されていました。ショコラについてはまだしばらく謎ということだそうですので。。
また今回初見参の「須山ジャンク堂」ではこの前記事を書いたShanling M3が展示されていましたが、もう少し販売まで時間がかかりそうです。アンプのH1はすでに販売されています。これらはSNSでのコミュニケーションをしながら育てていくというスタンスを取っていくそうです。

Mixwaveでは1964ADELの展示がありました。ADEL技術については下記記事を参照してください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/408595702.html

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これは固定ベントのタイプで、ベントの効果の有り無しを試すことはできませんでしたが、聞いてみるとたしかに詰まったものが取れてすっきりしたという感じはあります。ADELベントによって低域が漏れるということはないようで、他の人が試しているときにも音が漏れてくるということはないようでした。

Jaben JapanではGloveAudio S1のブラックが展示されていました。これは国際版です。またER4SのSpiralStrandケーブルも出ていました。

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またCalyx Mのオプションバッテリー(上右)も展示されていました。これは裏蓋を外して内部の電池を取り換えて使うタイプでこれで11時間の動作ができるということです。

A2PさんではSITを採用したTR07hpの完成版(下)が展示されていました。これには電流駆動タイプと電圧駆動タイプがあります。電流駆動タイプはシングルドライバー(クロスオーバーなし)のダイナミックヘッドフォンに向いていて、電圧駆動はクロスオーバーのあるマルチウエイBAなどに向いています。

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マス工房ではmodel 404という巨大なポータブルアンプが出ていましたが、これはAbyss用のポータブルだそうです。海外需要があるということ。なかなかパワフルな音でしたね。

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iFIでは日本企画でiBalance(下)というヘッドフォン(Sonyタイプバランス)をiDSDのRCAアウトからバランスで聴くためのものが展示されていました。意外と良い音でした。

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またiAtteneterというイヤフォンのために抵抗入れてアッテネートするためです。
またPAW VEというPAW Goldの元モデル(上右)も展示されていました。PAW Goldは販売も好調で制作元が驚くほどだそうです。すでにけっこう出てますが返品率はほぼゼロだそうで、さすがナグラ品質。こうしたことはそのうち中国製品のイメージを覆してくれるでしょう。

テックウインドではWestoneのUM56(下)を展示していました。これはユニバーサルのチップとして使用するカスタムイヤチップです。耳型を送って注文し、シリコンのカスタムチップを作ってくれます。かなり豊富なカラー選択もできます。23000円ということ。カスタムではES60が売れてるそうで、これも製造元が驚くほどだそう。

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WagnusではPONO用のDiamond dust type Aenigmaというブルガリア線材を作ったケーブルが興味をひきました(下)。K10で聴いてみました。私はいつもはBlackDragonで柔目なPONOの音を再生させてるけど、これだとPONOのより性能が高い面を引き出せるようです。ドライでなく、PONOの良いところも持ってますね。例のフラッグシップは速攻売り切れだそう。

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前にうちのブログでARM1の記事を書きましたが、その後継であるAcoustic Research M2(ARM2)も展示されていました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/373836210.html

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パッと見るとARM1とARM2は違うんですが、よく見るとARM1とデザインが似てて、ボリュームダイヤルとか底面のプラグも似てます。背面デザインも似て、大きくなってAndroidになった感じです。
音はARM1に比べてよりワイドレンジで音も洗練されて整った感じ。HiFi的で性能は良くなった感じとは言えますが、ARM1のちょっとした個性だったダイレクト感というか鮮度感の高さは薄れています。


今回もなかなか濃くて面白いイベントでした。いままではイヤフォン優位でしたが、Nighthawk、PM3、そしてAKT5pと高性能ヘッドフォンが再び注目を浴びてきたのも面白いですね。
今度はいよいよヘッドフォン祭ですので、またまた楽しみです。
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2014年10月27日

ヘッドフォン祭2014秋レポート

今回のヘッドフォン祭も盛況で、さまざまな製品が集結しました。
以下、トピックごとにまとめてみました。

* SONY技術者の情熱

まず今回思ったことはソニーという会社の影響力と、モノ作りの情熱から飛び出した製品です。
はじめはソニーエンジニアリングがJust EarというブランドでカスタムIEMを発表したということです。
これはハイブリッド(BA+ダイナミック)のカスタムIEMで、ユニークな点は耳穴に入る部分はWestoneのフレックスチューブのように体温で柔らかくなる素材でできています。

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Just Ear

リスニング・モニター・クラブとあらかじめ3種類のチューニングがなされていて、実際に聴いてみるとたしかにそれぞれ特色のある味付けがなされています。20-30万を予定しているということで、一般にも販売するということです。

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Just Ear

もうひとつはRE・LEAFという昨年出来たベンチャーでソニーの技術の人と営業の人が共鳴して良いものを作りたいという目的の元に始めた会社です。大企業では仕方のない制約がない製品をやりたいということでノーリミットを目指しているそうです。具体的には良い録音が増えている中でストレートで原音忠実を目指すけれども、情報量は多くともピュアで、多少は設計者の意図を入れたいということです。
もうひとつは町工場の技術を活かしたいということです。匠の世界を作りたいということでMade in Japanの再生から世界一、世界初を目指したいということでした。これには生まれ育った大田区の町工場に良い技術があるのに減っていくのが忍びないという気持ちが含まれているということです。

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RE・LEAF E1

なぜヘッドフォンアンプかと聴くと、ヘッドフォンの世界にわかっていただける人がいる。あとヘッドフォンの世界には(マークレビンソンのような)ハイエンドがないのでそこを目指したいということ。
製品はDAC内蔵のE-1という機種で150万円、月産1-5台ということです。鏡面仕上げのモデルもありました。12月中旬くらいに出荷を目指しているようです。底面はすごいスパイクがついていて、このスパイク一つでもかなりのノウハウが注ぎ込まれているようです。DACチップはPCM1792ですが、E-1の設計のポイントは電源ということでコンデンサーの影響を廃して着色をなくすということがテーマだそうです。
ヘッドフォンアンプはXLRx2のバランス駆動です。ユニークなのは3つのポッチの電源スイッチですがこの3つのドットを会社のアイコンにしたいということです。
音はクセがなくピュアで鮮度感が高いという印象です。ベールを何枚か剥がした感じで、スピードがあります。いわゆるモニター的でない、音楽を直接掴めるようなダイレクト感、鮮度感の高さがあると感じました。話していて、このお二人の情熱がよくわかりました。

いまは我々におなじみの音茶楽さんもソニーの出身で、今回はFLAT4新型やサラウンドなどラインナップを充実させていました。
実は会場でたまたま(ではないけど)もうひとりソニーのOBの方にお会いして少しお話ししたのですが、ソニーという会社とそこに働く人のオーディオに書ける意気込みというのを教えてもらいました。

* 国産ポータブル製品の隆盛

いままでヘッドフォンの世界は海外製品が主導してきた経緯もあるのですが、ソニーのみならず今回は国産製品が充実していた印象です。
すでに好評のDENONのポタアンDA-10は前の記事に書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/407520367.html

パイオニアからはDAC内蔵のポータブルアンプXP700が出ています。見た目にソリッドで、カスタマイズ項目や入力が豊富なのが特徴です。
前に書いたUSB DACであるU-05の良い機能も引き継いでいます。またポータブルでバランス駆動を採用していますが、端子は角型4pin(我々Headfierの言うKobiconn)を選んだ理由はまずポータブル仕様でがっちりはまるということだそうです。RSAやALOなど海外でよく使われるのでケーブルが用意できるのも良い点でしょう。

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パイオニア XP700

今回の注目の一つだったTEACのHA-P90SD はハイレゾDAPとポータブルアンプの両方の使い方ができるユニークな製品です。またDSDネイティブ再生も可能です。ただしアンドロイド・アクセサリープロトコルのサポートはなくなったようです。
選曲は昔懐かしい感じのメニュー方式ですが、音質はなかなか良かったと思います。

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TEAC HA-P90SD

オーディオテクニカPHA100はボリュームが真ん中にあるのが特徴でボリュームガードをつけるよりは真ん中にしたほうが良いということです。バッグに入れた時の調整はいまひとつに思いますが、、さて。

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PHA100

SONYのPHA3は大きめでこれもバランス駆動を採用しています。大きめですが、音もわりと余裕のある据え置きに近い音に思えました。

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PHA3

なおJabenのSpiral StrandsケーブルがさっそくSONYバランス対応をしています。

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Jaben Spiral Cable SONYバランス

国産ポータブルアンプはみなデザインが良く作りもしっかりしています。これも海外アンプに慣れているとちょっと新鮮なことではありますね。一方で国産アンプは一様にボリュームガードにこっていますが、これも不意の誤作動からユーザーを守るための基準が厳しいのでしょうね。

* ポータブル・バランス端子規格の乱立

しかし、ポータブルバランス駆動の規格の乱立はどうにかならないか、っていう問題は実のところいまではなく、2010年にRSAが初のポータブルバランス駆動アンプProtectorを作ってKobiconn(角型4pin)を採用したんですが、一方でiBassoやHiFimanが3.5mm TRRSを採用したあたりから、言っていたことではあります。
RSA Protectorの記事
http://vaiopocket.seesaa.net/article/143564141.html
いまでは3.5mm x 2とか2.5mmなど乱立してしまっていますがどうなのでしょうか。

据え置きの場合はXLRx2というのは何回か書いたようにHeadroomのBlockheadがはじめてヘッドフォンアンプの筐体を2個並列使用してバランス駆動(Balanced Headphone drive)という形式を立ち上げた時いらいしばらく事実上一つしかバランス駆動アンプがなかったので、デファクトとしてそれに決まったという背景があります。それからいくつかバランス駆動アンプが出てきても、HeadFiコミュニティーのなかで作り手がユーザーに近いのでユーザーや同じ仲間であるケーブルメーカーの得を考えてなんとなく統一する暗黙の了解があったように思います。ポータブルの場合もHeadFiコミュニティーは人気のあるRSAからはじまってKobiconnでいきそうではあったのですが、iBassoやHiFimanなど中国系ポータブル機材の隆盛と時期が重なったために、ばらばらになってしまったと思います。

これもこのヘッドフォン世界をHeadFiコミュニティーが単独で引っ張っていた時代から、世界各地に多様化することで起こってきた課題と言えるのかもしれません。

* ハイエンドアンプの世界

今回はすでに書いたRe・Leafもそうですが、スピーカーの世界で言うハイエンドオーディオクラスのヘッドフォン機材も注目点だったと思います。

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Aurender FLOW

まず注目だったのはエミライさんのところで展示されていたAurendar Flowです。ストレージと操作部とバッテリーをもったUSB DACです。独立したDAPではなくPCやスマートフォンなどなんらかのホストが必要です。主なターゲットはノートPCやスマートフォンなど本体に制約のあるモバイル機材だと思います。たとえばMacbook AirなどUSB端子の数が少ないものに向いていますね。独立した操作部を持つのもなにかワープロをやりながら音楽操作でiTunesに切り替える手間を省けます。
HeadFiのJudeがすでにデモ機をもっていたのでiPhoneに付けられるというということも確認しました。音質は聴いてみると驚くことにさすがAurenderというかハイエンドオーディオの音ですね。
実のところポータブル系の今回の新製品ではこれが音質的には抜きんでていたように思います。今年はAK240,Hugoにはじまり夏のiDSD microと音質レベルの高いポータブルが目白押しでしたが、年も押し迫ってAurendar FLOWも2014年組プレミアクラス仲間に加わったようです。

こちらは今井商事・メースさんのところのMytekマンハッタンDACです。DSDネイティブ再生を世に流行らせたスタジオ機Mytekのコンシューマー向けハイエンド機です。75万円と言うことですが、HD800で聴いたところMytek Stereo192とはかなり違うレベルの高い音でした。音もコンシューマー寄りで音楽を聴いて楽しい音ですね。東京インターナショナルショウのときより好印象でした。表面仕上げも面白いですね。

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Mytek マンハッタンDAC

こちらはトライオードさんブースで、おなじみハイエンドメーカーGoldmundのTelosヘッドフォンアンプです。165万円ということでおいそれと手が出せませんが、EIDOS CD Playerから同軸で出して内部のAries DACからヘッドフォンで聞いたところ堂々としたスケールある音でした。さすが電源しっかりしているという感じです。

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GOLDMUND Telosヘッドフォンアンプ

* カスタムIEMとユニバーサルIEM

まず今回は須山さんFitEarが意外というかはじめての製品発表会を行いました。サンプラザ内教会を使った発表会で満席になるまで人が詰めかける人気の高さでした。

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内容はFitEarのこれまでと、Sonyの補聴器ST56Bから、初代iPodを買った日にバラしてイヤフォンを作ってみたという話、そこから業務系のカスタム作成までイヤモニの歴史、Shure E1、E5、ジェリーハービーのUE5、そしてアニソンまで、須山さんの情熱が感じられる熱い発表内容でした。
表向きはfitearの発表会ですが、萌音は中音域を意図的に沈めたこともあって、というところからワンモアシングがあり、実は新作カスタム彩の発表会でした。
彩の私のレビュー記事はこちらで。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/407581687.html

私も一言コメントさせてもらいましたが、ついつい「彩は女性ヴォーカルが聴きとりやすく気持ちよく聞こえるのも大きな特徴で、さきほどの萌音での振り返りがよく生きているなと須山さんの発表を聴いていて思いました」という一言が抜けてしまいました。。。

WagnusさんブースではNobleの偉い人も来て、K10ユニバーサルが展示されていました。しかし、見て一言、「え、こんなちっちゃいの?」って二度聞き返しました。聴いてみるとさすがキングと言われるだけあって、上も下もすんごく伸びて音も広大でメリハリがくっきりした音です。なかなか。

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K10ユニバーサル

台湾のJM Plusのみなさんは今回も登場してレギュラーになりそうな感じです。すでに人気も獲得していて人も途切れなく来ていたようです。

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JM Plusブース

またミックスウェーブさんのところではUMの12ドライバーユニバーサルのメイソンがあり、これはものすごく元気良い音でしたね。ロクサーヌやK10とも別な音になっているように思います。ハイブリッドのマーべリックもなかなか良かったと思います。

* 新しいヘッドフォン・イヤフォン

今回もたくさんのヘッドフォン・イヤフォンの新作がありました。

まず今回のヘッドフォン祭の写真にも使われたのはKuradaのFP10、響というヘッドフォンです。名は体を表すと言いますが、響はピアノの調律師が楽器的な価値観で作りたいということで設計されたヘッドフォンです。特徴は楽器と同様に内部にスプルース(ハウジングの中に貼ってある板)という木材を張ってあることで、吸音や拡散に効果があり高音は吸収して低音を増幅するそうです。これは楽器の考え方と同じで振動板の出す音をスプルースが大きくするということで、楽器でいうと弦の鳴りをスプルースが増幅するということだそうです。

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右のハウジングの内側に張ってある板がスプルース

聴いてみましたが、さすが調律師が作っただけあって音は整っていて、帯域バランスがとてもよいと思います。また狙い通りにとても響きが良く、広がりと音の響で心地よく音楽的に聞けます。スピーカーで言うと箱を積極的に鳴らすタイプということですね。

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Kurada 響

18万で12月初旬目標だそうです。
またTaylor madeで織物やバーズアイメープルなどがあり、客で指定があればそれも使えるそうです。

タイムロードさんのところではEdition5 unlimitedバージョンがアナウンスされました。これはUltrasoneのマイケルCOOとライターの山本さんのインタビュー会でメインはPerformanceシリーズの紹介ですが、ワンモアシングでEdition新バージョンの発表が行われました。

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Performanceでは840が低音が強調されたポップ向け、860はリニアでスタジオ向け、880はパンチのある低音とシルキーな中高域でフラッグシップということです。ケーブルはみな着脱式です。
位置付けとしてはHFIシリーズはエントリーで、Proシリーズはプロ向けのケーブル交換などハードな仕様になっていますが、Performanceはその中間ということです。

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Edition5 unlimited

Edition5 unlimitedはS-Logic EXを使ったEdition5の派生形で木材ではなくルテニアムのハウジングになりました。
音は同じ(材質は違うけど同じようにチューンした)ということで、実際に聞いてみるとウッドとルテニアムのレゾナンスの違いはあるけど、性能レベルは同じだと思います。価格は32万です。
またタイムロードがultrasoneを扱って10年ということで、Edition5を購入した人から一組をドイツの本社に招待するそうです。

私がKickstarterでRocketsを買ったオーリソニクスは社長のDaleが来ていました。というか、Rocketsの耐久力があるというケプラーケーブルで社長のDaleと本気で綱引きやったけど、手に食い込んでしまいました。

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Dale社長とRocketsケーブル

Rocketsは11/7発売で27500円ということです。Kickstarterは特別なので通常定価は向こうでも$250ですから、円ドルレートを考えるとなかなかお得な価格です。これは社長が配慮してくれたということ。
Rocketsは下記にレビューを書きましたが、これを見てほしいけど海外じゃなあと思った方はぜひどうぞ。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/405639160.html

またAurisonicsではハイブリッド機のASG2.5も展示してありました。こちらの方が従来のオーリソニクス的な製品ですね。ハイブリッドの2BA+大型ダイナミックドライバーで、低音がパワフルで迫力のある音が欲しい人にはお勧めです。また音の広がりも良いですね。これは音楽を楽しく聴くのにとても向いていると思います。

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Aurisonics ASG2.5

Astell&KernではAK専用シリーズとしてベイヤーのT5pをチューンしたAKT5pを出展していました。今回はハードと言うよりもソフトをチューンしていて、専用イコライザーが用意されています。専用イコライザーをオンに入れると音の重心が落ちて、落ち着いて聞きやすくなるように思いました。

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AKT5p

DanのRP modであるAlpha Primeです。ここまで来ると元がRPってわからないくらい良い音になっていました。なお代理店募集中ということです。

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MrSpeaker Alpha Prime

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JabenのウイルソンとCEntranceのマイケル

こちらはJabenにあった新ブランドのヘッドフォンとイヤフォンです。
ヘッドフォンは静電型とダイナミックのハイブリッドで、さきの記事に書いたように、やはり聞いてみたら開発者もAKG K340を意識していたということです。価格も安く音もよいという印象でした。

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イヤフォンの方は静電型ではありませんが、TFATという謎技術を採用したものですが、$99とは思えない良い音でした。TFATというのは台湾の政府主導で行われたPC新興政策の中で研究されたPCスピーカー用技術のスピンアウトで、特徴はドライバーを薄くできる(剛性が高いのdr薄くできる)ということです。

オーディオテクニカの謎技術はフルデジタルのdnoteヘッドフォンです。これはDACを使用するというのではなく、振動版自体をデジタル駆動するというもの。音量はパソコンのソフトで調整します。
音はわりと普通に聴けますが、逆にいまひとつ長所が分かりにくいところもあります。あるいはワイヤレス伝送で使うと面白いのではと思いました。

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dnoteヘッドフォン

こちらは人気のDita Answerの2.5mmバランスバージョンです。今回は2.5mmプラグにこだわってるようで、バランスのプラグの半田付けがとてもコストがかかるということです。AK240とはかなり良い感じでした。限定になるかも。

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Dita Answer true balanced 2.5mm

* 期待のポータブルヘッドフォンアンプ

さて前に私が記事にしたので「ほしいけど海外じゃなあ」と思った人もいるでしょう。EncoreのmDACが完実電気のフューレンさんブースで出ていました。価格もかなり手ごろな価格になりそうで、急いでeBayで買わなくてよかった、と思うことでしょう。特にSONY ZX1の人にはお勧めです。
こちらは私の記事です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/406918263.html

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Encore mDAC

またもうひとつフューレンさんブースで私が注目していたところのCELSUS Companion1も参考展示されていました。これはスマートフォンと無線でつながるタイプのDACアンプです。ワイヤレスと言うとBluetoothと考えがちですが、BTは手軽ですが音質は悪くなり、Kleerは音質はよいんですがドングルが必要になります。CELSUS Companion1はWiFiでつながります。つながったあとはDLNAのレンダラーとして動作するか、あるいはAirPlayの相手先として音を鳴らせます。つまりは手のひらのポータブルDLNAネットワークプレーヤーです。
こちらはまだプリプロダクション段階ですが興味をそそられます。

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CELSUS Companion one

CEntranceのマイケルはindieGoGoでキャンペーンを展開しているi5を持ってきました。iPhone5に合体させるDACアンプです。またiPhone6対応もするようです。

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i5

こちらはA2Pの世界初のSITポータブルアンプTR07hpです。音がなめらかにスムーズになるという印象でした。

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TR07hp

OppoはポータブルDACアンプのHA-2を参考展示していました。これは未発表のクローズタイプである平面型PM-3と組み合わせてOppoのポータブル戦略を展開できるものですね。これも期待できそうです。

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OPPO HA-2

それとCalyx MはJabenではなくJカンパニーというファイナルオーディオの関連会社が販売することになるようです。

* ケーブル雑感

ずっとなんだかばたばたしていましたが、時間が空くとWestone ES60に合わせるMMCXケーブルを探そうと会場のケーブルコーナーをいろいろと歩いて試して回りました。

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Wagnusケーブル

高いのだとAstell&KernのクリスタルケーブルズかWagnusのドイツビンテージケーブルが良かったですね。価格中くらいだとWagnusのソ連ビンテージケーブルが味があったと思います。安いのだとオヤイデのHPC-MXとかJabenのSpiral Strandsが良かったと思います。

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Estronケーブル

またEstronは今回も独立ブースを持っていました。ここで聞いたらES60の極細はMMCXプラグが違う特注品だそうです。下がWestoneバージョンで深くプラグに刺さるようになっています。また耳の部分にカールがついています。やはりES60を買う方はWestoneならではの極細オプションをお勧めします。

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Estron MMCX(下がWestone版)

* まとめ

今回はサプライズが多かったですね。最近のヘッドフォン祭は目玉がないかと思いきや、隠し玉が続々、というパターンになってきていて、当日朝の情報戦が必須になってきました。来年もますますいろいろ発展することでしょう。

といったんまとめたところで、、
実は今回の一番の収穫は中野に天然温泉があるのが分かったということです。中野寿湯温泉というところで、中野ブロードウエイからわずか徒歩数分です。2013年に使用していた井戸水の成分でメタケイ酸の成分が認められて温泉認定がなされたようです。
中に入ると昭和の銭湯です。あのテルマエロマエに出てくるやつみたいな。ただし富士山の絵はなくてそこに美肌の湯という効能が書いてあります。中はバブルぶくぶくのすっかり普通の銭湯ですが、思ってたより良い感じで入浴できました。

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シャンプー・ボディシャンプー無料でドライヤーは20円です。この20円という感覚がまた昭和です。手ぶらでも100円でタオルレンタルがありますので、ブロードウエイにいったさいにはぜひ中野の秘湯へどうぞ!、
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2014年10月23日

ヘッドフォン祭2014秋の私的見どころ

さて、恒例のヘッドフォン祭が開催されます。なにしろ膨大な出展数がありますので、毎度のことですが私的な見どころを紹介します。

まずAstell&Kernですが例のブルーノートAk240の他に目玉はAKT5pのバランス版です。これはベイヤーT5pのAK240向けバージョンのものですが、バランス版は世界初公開です。またいままでのAKRシリーズとは異なって専用イコライザーがついてくるようです。
それと15FではあのAKの300B真空管アンプとAccutonユニットのスピーカーが再び登場してデモをします! このアンプとスピーカーは実に素晴らしいですよ。
http://www.iriver.jp/information/entry_767.php

またエミライ・OPPOさんのところではAurender FLOWが注目ですね。これはUSB DACに操作部とストレージが内蔵可能なもので、少し前まではAurender WAVEと言ってました(モデル名はV1000だったと思います)。情報を検索したい人は"Aurender WAVE"って検索ください。
あとOPPOではHA-2の展示があるようです。PM-3はどうなんでしょうか。
http://www.monoandstereo.com/2014/10/aurender-wave-dac-new.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+monoandstereo%2FHOym+%28MONO+AND+STEREO+Ultra+High-End+Audio+Magazine%29

Jabenでは謎の静電型ヘッドフォンが出展されるようです。専用のドライバー不要と言うことですからエレクトレットタイプですね(STAXはコンデンサータイプ)。静電気の反発で振動板を動かすのが静電型ですが、電荷を得るのに外から供給するのがコンデンサー型で専用のドライバーが必要です。対して内部に電荷を保持しているのがエレクトレット型です。ただしエレクトレット型でもトランスを外に持つか内部に持つかの違いがあり、正確に言うと専用ドライバーが不要なのはエレクトレット型で内部トランスのものです。お、ひさびさにマニアックになってきたぞ 笑。そうなんです。ハイブリッドという情報もあって、これはおそらくAKG K340の現代版かもしれません。K340はAKGファンの皆様はK1000同様に通過した道かと思います。私の場合の下記記事を参照。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/1059886-1.html
またコストパフォーマンスの高いイヤフォン向けバランスケーブルを出すようです。Kobicon(私の言うRSAタイプ)や3.5mmTRRS、AKの2.5mm方式のほかにソニータイプのプラグも用意するそうです。最近はポータブルバランスの規格乱立も問題ですが、これで解決?
あと何回か取り上げてきましたが、例のフルアーマーAKのGlobeAudio A1も出てくるそうです。それとなにげにCalyx Mはやっと発売です。
それとA2Pの世界初のSITポータブルアンプTR07hpがJabenブースで聴けるようです。試聴はイヤフォンよりヘッドフォンが向いています。
https://www.facebook.com/JabenJapan

あとはNobleのユニバーサルK10やPrestageも聴いて(見て)みたいですね。
今回もJM Plusもきます。またMrSpeakerはAlpha Primeを持ってきてくれるんでしょうか。
タイムロードさんのところでは新ラインナップのPerformerとマイケル・ジルケルCOOのインタビューなどあるようです。
http://www.timelord.co.jp/blog/news/event-20141022/
それと今回のヘッドフォン祭のシンボルとなっているKuradaのヘッドフォンも新作があるようです。

それと今回の注目はずばり完実ブースです。最近私のブログを見て「これほしいけど海外じゃなあ」と思ってた人はぜひ見にきてください。まずAurisonicsのRocketsが国内で買えるようになります!
あと1点あるかも。それとHeadFiで私が食いついているものが分かる人はそれもあるといいですね〜。

このほかにもたくさん、、
おっと、今回初めて発表会を行う須山さんとこにも注目です!
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2014年10月19日

海外レポートに見るCanJam2014とRMAFの新製品

先週末にロッキーマウンテンオーディオフェストがデンバーで開催され、HeadFiのお祭りであるCanJamもそこで同時開催されています。
前の記事でCanJamで発表予定の新製品について書きました。
本記事ではショウの海外のレポート記事からのそこから面白そうな新製品などを紹介します。

Oppo PM-3 HA2
OppoのPM-3はクローズタイプになりました。ポータブルでも使えそうで、実際にOppoはHA2というDAC内蔵のポータブルアンプも出展してます。HA2はES9018Mで、DSD256対応?。
デジタル入力はDA10みたいにiDeviceとmicroB両用のようです。端子にわかりやすくABCってふってるのが面白い。
ながらくEdition8の代わりになるようなハイエンドポータブルヘッドフォンってなかったので(T5pくらいが例外)、HA2とPM-3には期待したいですね。
HeadFiにあったコメントによると、ちょっと開口部が小さいけどPM1より軽く締め付けも少ないということ。

Audeza-Z
なんと1200オームというインピーダンスの平面型ヘッドフォン。
これは新設計のボイスコイルとダイアフラムを採用しています。
1200オームの利点は(通常は良くないと言われる)アンプの出力インピーダンスが高くても十分なダンピングが確保できるということで、たとえば高出力OTL真空管アンプも作れるだろうということ。また電流駆動タイプのアンプにも向いてるだろうとのこと(普通の電圧駆動のアンプだとかなりボリュームを回すというわけです)。

Woo WA8
真空管アンプで知られるWooの真空管ポータブル。まだ数ヶ月先ということですが、大きさはiPhone6 plusくらいということ。3本の真空管はロシア製でまだちょっと分かりませんが、左二本が低出力モード、右の一本が高出力モードのようです。DACはWA7に準じているようです。
なんとなくA2Pを思わせる真空管ポータブルアンプですね。

Alpha prime
TH500RPをRPの純正modというなら、サードパーティーRP modの雄はAlpha Dogです。
Mad Dog, Alpha DogときてAlpha Primeではチューニングもずいぶん進化したようです。 (もとHeadroomの)TyllもRPがこんなに良くなるとは思わなかったって言ってます。ヘッドフォンもチューニング次第ですね。

Noble Audio
NobleはさきのHeadFi TVのように高級版のPrestageとK10ユニバーサルが目玉です。
こちらに展示がよくわかる動画がアップされています。
こちらはCanJamのNobleとChordの合同ブースの様子です。アメリカでは他の展示会でもよくChordとNobleは合同ブースを設けてます。

PS Audio Sprout
これもKickstarterオーディオもので、クラウドファンディングのDAC内蔵の一体型、50Wスピーカーアンプ、AptX対応BluetoothからMM対応フォノアンプも入って全部入りです。

i5はCEntranceのマイケルがindieGoGoで展開中のクラウドファンディングもの。
M8と同じDACチップでオーディファイル向けのiPhone5ケースというもの。仕上がりは良さそうです。またiPhone6バージョンも考えてはいるようです。

Schiit AudioのUSBメモリ型DACのFullaはわずか$89。

PCオーディオの初期はゴードンランキンが引っ張っていたわけですが、最近表に出てなかったゴードンがFPGAベースのUSBモジュールを作ったのもちらっと気になりました。

この前の東京インターナショナルオーディオショウの記事で私がBruno PutzeysのMola Molaの事を書いて唐突に思った人もいると思いますが、StereophileのJohn AtkinsonもRAMFのラップアップ記事でMola Molaについて特記してます。やはり見てる人はちゃんと見てますね〜

次はヘッドフォン祭!

posted by ささき at 09:21 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月06日

CanJam20014の見どころと新製品

今年もHeadFiの祭典であるところのCanJam2014が開催されます。RMAF(ロッキーマウンテンオーディオフェスト)との共同開催です。
それに先立ってHeadFiのJudeさんが動画ニュースのHeadFi TVで新製品を紹介しています。下記のリンクです。
http://www.head-fi.org/t/731471/2014-canjam-rmaf-october-10-12-2014-the-canjam-exhibitor-list-has-been-finalized-and-what-a-lineup/180_30#post_10935857

やはり注目はNobleの新製品でしょうか。(1:00あたり)
Nobleはシェルの造形が美しいことで知られてますが、超高級シェルのPrestageラインが追加され、美麗なシェルを見ることができます。これはPrestage K10のように従来のラインの豪華シェルモデルのようです。
またK10のユニバーサルモデルも登場しています(2:50あたり)。

あと面白いのはWooのポータブル真空管アンプです。Woo WA8はUSB DAC内蔵のポータブル真空管アンプで、特徴は真空管2本使用モード(エコ・イヤフォン)と3本使用モード(ハイパワー)が選べるところです。 (23:25あたり)

MrSpeakerのAlpha PrimeはAlpha Dogに使われてるフォステクスの平面ドライバーを改良したモデルのようです。下記に記事があります。
http://www.monoandstereo.com/2014/10/mrspeakers-alpha-prime-headphones-new.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+monoandstereo%2FHOym+%28MONO+AND+STEREO+Ultra+High-End+Audio+Magazine%29

LH LabのUSB DACやPS AudioのSproutのようにKickstarterものの展示もあるようです。またShiitも小型のUSB DACを出すようです。
またCEntranceもKickstarterやってるようですね。
https://www.indiegogo.com/projects/i5-audiophile-battery-case-for-iphone#description

ここで紹介されてる製品のいくつかをヘッドフォン祭でも見られると良いですね!
posted by ささき at 09:10 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月25日

CHORDファンミーティングレポート

今日は東京インターナショナルオーディオショウのタイムロードのブースで開催されたCHORDのファンミーティングイベントに参加して来ました。イベントはジョンフランクスとロバートワッツによるCHORD誕生の背景と技術的な解説を中心にして適時試聴を入れるというものです。
通訳はおなじみジェフリーさんです。下の写真は左からジェフリー、ロバーツワッツ、ジョンフランクスです。

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ジョン・フランクスは自らの背景とCHORDの誕生について語りました。彼は飛行機のアビオニクス(電子機器)の仕事をバックグラウンドにしています。飛行機は故障時の対応がシビアなので、対策については根本的なところを治す必要があります。その思想がオーディオにも活かされているということです。

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ジョン・フランクス (CHORD代表)

彼のアイディアは高周波電源の技術をアンプにもちこんだことですが、20年前当時はそれはなかなか評価されなかったそうです。そこにBBCがノイズに厳しいスタジオで評価してくれ、通常は一年かかる評価を二週間で評価してくれるほどCHORDの技術に惚れ込んだそうです。そこから口コミで伸びて行ってあのスカイウオーカースタジオにも採用されるまでに至りました。(そこでルーカスのサントラを384kHzで試聴します)
そして20年前に若いロバートワッツとラスベガスで「運命的に」会います。彼は普通のDACの20倍くらい高い既成のチップでないFPGAベースのDACを作っていました。それが発展してDAC64となって評価されたわけです。DAC64は音質は抜群でしたが、かなり熱くなる難点がありました。
それが20年前のことで、それから今のHugoに至るまでムーアの法則で進化して、高性能と低消費電力を両立するに至ります。つまりはワッツとフランクスの先見の明が今日をもたらしているわけです。

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ロバート・ワッツ (デジタル設計)

ワッツはまずオーディオマニアであるということがスタートで、子供のころからアンプを作ってたそうです。そのうち-200dBなんていう知覚できないようなノイズが実は音質に影響するということから興味を持ち、音は耳ではなく脳で聴くということから研究を深めています。
実際Higoを設計する際にもリスニングによる差を重視して行ったということです。これはタイミングが重要であり、計算する上でのタップ数(細かさ)がキーとなります。タップが大きければ音の止めと始まり、イメージングもはっきりしてきます。つまり元の音に近づけますが無限大はできません。
そこでFPGAの性能向上とともにDAC64->Qute->Hugoとタップ数も進化していったわけです。
Hugoの性能はロバートワッツ自身も予想していたけど、自分でも驚いたのは自然でタイミングに優れた音楽性の高さだそうです。

次に私と和田先生がファン代表ということで一言述べさせてもらいました。
私はこの最高の音をポータブルにもたらして、新しい世界を見せてくれたことに感謝し、和田博己さんがDAC64についての導入時からHugoへの期待について語りました。
Q&AではRCAの最大出力値からボリュームのステップと色の関係までHugoの質問がありました。

このミーティング通じて感じたのはロバートとジョンの絆の深さで、二人の絆はオーディオマニアということ、またアナログ(ジョン)とデジタル(ロバート)という住み分けも良い方に働いているようです。
ジョンフランクスは情熱的なオーディオ愛好家ですが、ロバートワッツは物静かなイメージもあります。しかしHeadFiの書き込みのように熱いオーディオ魂を秘めた人でもあります。
CHORD製品が単に性能が高いだけではなく、音楽性も高く評価されてるのはそうした二人のオーディオ魂から来ていると感じました。

他には新製品でプロトタイプのhugoアンプ(モノブロックで8Ω70W出せるスピーカー駆動できるタイプ)などの情報もあり、最後には新製品の黒いHugoとHugoケースも披露されました。自分の携帯をつけて使いやすいように考えられサムストラップ(グリップ)も操作性を意識しています。

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ブラックHugo

IMG_2734[1].jpg  IMG_2735[1].jpg  
HugoケースとAK100mkIIとタイムロードさんのOP-TL1ケーブル

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片側は余剰ケーブルの巻取りと、ぶつけたときのバンパーを兼ねています

なかなか濃い一時間でした。最後にロバートワッツとジョンフランクスのサインをHugoにしてもらいました ^.^

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実はこのあとさらに彼らとオフレコ話をしました。ちょっと内容は書けませんが、ジョンが話して良いと言ったのは、この後も興味ある製品が出てくると言うことです。私も聞いてそれちょうだいって言いたくなりました。また私もこういうの作って欲しいといろいろお願いしました。

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ブラックHugoとジョンとロバート

思うにオーディオ世界へのHugoのインパクトは大きく、私はHugoはポータブル世界に大きなインパクトがあったと感じてますが、実は同様に従来のハイエンドのオーディオ世界にも性能対価格やサイズでも大きなインパクトがあったと思います。またCHORDにとってもターニングポイントになるような製品だと思います。
Hugoはオーディオにおける新しいジャンルを作ったと言っても過言ではないし、新しいスタンダードを作りました。
これからもCHORDの動きに要注目です!
posted by ささき at 00:31 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月23日

東京インターナショナルオーディオショウとBruno PutzeysのMola Mola

今年の東京インターナショナルオーディオショウは9月ということでちょっと実感がありませんが、見に行って来ました。ちなみに写真はカレー以外はSONY RX100M3です。

DSC00702[1].jpg   IMG_5515[1].jpg  IMG_5517[1].jpg

開場時には大盛況で並んでたんで、はじめに銀座のカツカレー発祥の店スイスで元祖カツカレー(千葉さんのカレー)を食しましたが、入館してみるとそれほどでもなく午後になってやや混み出した感じです。
全体を見て去年のLINNのExaktのような大物はないのですが、私が個人的に注目してたブランドが出てました。

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それはハイエンドのブースで出展されていたMola Molaです。上の写真です。
なぜ注目かというと、このMola MolaはあのiQubeの設計者であるBruno Putzeysのプロジェクトだからです。HypexやGrimm Audioも彼ですね。Mola MolaはおそらくネルソンパスのFirstWattブランドみたいな個人ブランドのイメージでしょうか。
DクラスのパワーアンプKalugaとプリアンプMokuaが展示されていました。このDクラスアンプはモノブロックで一台85万円くらいとのことですが、これはHypexブランドと同じくNCoreデザインです。Mola Molaはマンボのような魚のようですがデザインも波をうねっています。
emmLabのDACと組み合わされてなかなかの音を出してましたが、実はMola MolaのメインはDACです。これは当初はプリアンプに内蔵されるものと聞いていましたが、今回ブースで聞いてみると内蔵方式だと発熱がすごいので単体DACとして再設計しているそうです。

Mola Molaのホームページはこちらで開発ブログもあります。
http://mola-mola.nl

最近はDSDという変革期を迎えて、DAC設計においてはPS AudioやSignalyst DACのように"従来の市販DACチップ+I/V変換回路"のような枠にはまらないさまざまなアーキテクチャのDACが現れてきていますが、Mola MolaのDACもそうした新しい方向性を持ったDACです。
これは10年先を見越して設計したという、いわゆる市販のDACチップを使わないディスクリートのDACです。1bit PDMからフィルターでアナログ信号を取り出すタイプだと思います。

今年のCESでのStereophileのレポートは下記リンクです。
http://www.stereophile.com/content/mola-mola-new-dac-prototype

DACは3枚のボードから構成されていて、PCMとDSDを入力としますが、一枚目のボードで入力をすべていったん3.125MHz/32bitにアップサンプリング変換し、それをPWM経由で100MHzの高周波の1bitデータストリームに変換します。二枚目と三枚目はそれぞれR chとL chのモノDACで、1bitデータをフィルターでアナログに変換します。これで140dBものSN比を達成しているということ。

写真 2014-09-23 21 16 46.gif
Mola Molaのサイトより

下の記事(part2)に出て来ますが、100MHzがベースクロックで、3.125MHzの32サンプル(100/32=3.125)がPWMのサイクルに相当するようです。よくわかりませんが、こうするとジッターを排除しSNをあげられるそうです。
一回マルチビットに変換するのはボリューム制御のためではないかと思います(PS Audioも同じ)。

また面白いインタビューがこちらのultraaudioというサイトに掲載されています。
http://www.soundstageultra.com/index.php/features-menu/general-interest-interviews-menu/455-searching-for-the-extreme-bruno-putzeys-of-mola-mola-hypex-and-grimm-audio-part-one

写真 2014-09-23 20 46 36.jpg
Bruno Putzeys (上記サイトより)

クラシックのDSD配信で知られるChannel Classicsの柔らかい音のキーは単にDSDを採用しているだけではなく、使用しているGrimm Audio AD1というディスクリートADコンバーターに寄るところも大きいと思います。Channel Classicsの中でもスタジオ機材が違うと音が違いますからね。このAD1にまつわるGrimm Audioの誕生についても語られています。
Bruno Putzeysによれば1bitデルタシグマは魔法のようなものではなく、PCMでも同じような音質のものは作れると考えているが、ディスクリートADコンバーターを作るには1bitデルタシグマはよい選択であると書いています。

またPutzeysはフィリップスに在籍していました。フィリップスではNat.Labという先進技術研究所があったようですが大企業にはありがちなことで、そこにいかに良い技術があってもフィリップス自体は採用しないので、オランダにはフィリップス出身の技術者が溢れてるとのこと。彼もその一人ですね。Hypexで用いられているNCore技術もこの時の産物ということです。

あと上のKalugaとかMokuaという名前は日本に売る時には「電気ウナギ」にしようとしたけど、日本の代理店(ハイエンド?)に日本人は英語が書いてある方が喜ぶからそれはやめろと言われてハワイの魚の名にした、と書いてます。
Putzeysが来日してればiQubeにサインをして欲しかったところですが、そのうち来て欲しいですね。PutzeysについてはGrimm LS1も要チェックです。ちょっとExaktチックのスピーカーシステムです。


以下はMola Mola以外で目についたところです。

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上の今井商事さんとこのMytekのマンハッタンDACは届いたばかりであまり能力は発揮できないということ。75万円になるハイエンド機です。本来は11.2kHzのDSDネイティブ再生とか、内部でのDSD変換ができるようになるということです。

DSC00742[1].jpg   DSC00743[1].jpg

上はスイスのThe Beastというネットワークプレーヤーです。これの注目点は内蔵されたDAC部分がMSB製だということですね。

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また上の写真のようにAIR TIGHTが小型スピーカーを出しました。聞いてみるとこれはやはり大村ユニット(47研とか)のようです。さすが大村ユニットでサイズに見合わない堂々とした音でした。

ヘッドフォン関係は少なめ。
マランツのヘッドフォンアンプはオールドファンらしき人が興味津々に試してたのが印象的でした。

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上はなにげにエレクトリに置かれていたマッキントッシュのヘッドフォンとヘッドフォンアンプ。試聴はできませんでした。

アークではマークレビンソンのDaniel Hertzのマスタークラスのカタログがありましたが、デモはCD。
ソース機材はアナログプレーヤーが目立ちました。下のトライオードブースのKronosターンテーブルは上下反転で慣性モーメントを打ち消すといういかにもオーディオ趣味らしい仕掛けです。

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ヨシノではオープンリールテープまで使ってました。アナログレコードが最近また注目されたということもありますが、「アナログの復権」とまでは言えるのでしょうか。やはり時代のインフラはあくまでデジタルとネットワークですから。そうした意味では単に時代に逆行しているのではない取り組みが必要でしょうね。
posted by ささき at 22:22 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月19日

夏のポタ研2014レポート

本日は夏のポタ研に行って来ました。以下写真はSONY RX100M3です。

まずはAK500Nの発表会です。

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AK500はハイエンドオーディオを志向するAstell&Kernのひとつの目指す姿を実際に作ってみたものと言えるでしょう。ネットワークプレーヤーとPCレスのリッピング機能、SSDストレージ、USB DACなどまさにPCオーディオ全部入りの豪華仕様です。デザインのユニークさもポイントですね。

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デモではトラブルもありましたが、大勢のメディアが詰めかけ、質問も熱心で注目度の高さを感じさせました。

またDENONのポータブルヘッドフォンアンプが発表されました。
プレゼンではまず長いオーディオの老舗ブランドとしての歴史からヘッドフォンへの参入、そしてポータブルという道のりで紹介がなされました。

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DA10はポータブル版のDA300ともいうべき多くの特徴を持っています。まずAdvanced AL32ですがこれはまずビット拡張で32bitにしてからアップサンプル(時間軸拡張と言っている)をしています。DENONではAL32がDACに内蔵されているデジタルフィルターの代わりをしているということです。アーキテクチャの踏襲という意味ではSX1をデスクトップにしたのがDA300で、町に持ち出すのがDA10ということ。まずアルファプロセッシングありきで設計がなされ、PCM1795はフィルターをパスするのに好都合という側面があり、つまりAL32に向いているDACチップだということです。この効きと言うのはデータの下位ビットに相当するところで、例えば静寂の部分から音の立ち上がりが滑らかと言うことです。AL32はFPGAで実装されているようです。
DA300のレビューのときも書きましたが、DACマスタークロックデザインも取り入れています。ピュアオーディオ製品ではクロックのマスター・スレーブというのは良くありますが、ポータブルでは初めて聞くように思います。

まさにDA300が手のひらに入ったというイメージですが、今回はゲイン切り替えも付いているように改良されています。ただユーザー意見を聞いてくれるのは良いのですが、DA10ではアナログ入力もあるので入力端子とヘッドフォン端子が逆側にあるとバッグの中で立てた時にケーブルが邪魔になりますのでこの辺も改良して欲しかったところです。
もう一点、デザインはiPhone5に合わせたようですが、iPhoneと組み合わせたときのRF対策もApple基準の範囲で行っているとのことですが、QuickStepみたいにRFフィルターの採用などもう一歩突っ込んで欲しかったところ。
他方でヘッドフォン端子はラインアウト端子を兼ねていて、Fix切り替えスイッチで2V固定出力というのは良いですね。三段システムでDACとして使いたい人もいますからね。
使い勝手としては割と良くてスイッチ類もわかりやすいと思います。
USBはAもBも付いてるのでiOSからのデジタルはホスト(いわゆるiDevice方式)でもデバイス(いわゆるUSB DAC方式)でも受けられます。
あとあまり深く突っ込みませんでしたが、charge スイッチon/offに関係なくiPadからのUSB出力が受けれてるのはちょっと興味深かったですね。つまりCCK経由なのにiOSが電流オーバー警告だしてないで、常にセルフパワーになってるようですがプロトだからかも。
だいたい70%の音の出来だそうですので細かい音のコメントはしませんが素性は良さそうです。

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電池の持ちは7.5時間と短めですがAL32 FPGAがかなり電池食ってるようです。
電源の容量は大きいんですが、DSDのときはAL32を止めるなど工夫しているそうです(DSDではAL32効かないから)。

プレーヤーも出るかもってオフレコ話もありましたが、プレーヤー部分とDAC部分が一体になっているハイレゾDAPが一番マスタークロックデザインの恩恵を得るのではないかと思いますので、ぜひDENONさんにはマスタークロックデザインでAL32使ったハイレゾDAPを出して欲しいですね。


JabenではGlove Audio、Calyx M、Hidisz AP100などを出していました。
Glove AudioはLinumバランスW60で聞いた。音が洗練されていて、パワフルなところもがっつりきてくれるのが良いですね。

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Calyx MはJaben Japanが正式扱い決定です。Calyx Mについてはレビュー記事を近日公開します。

テックウインドさんのWestoneはW60が好評で生産が追いつかないそうです。いいものはちゃんと売れますね。

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カスタムのES60もデモ機を聞いてみましたが、かなりクリアで厚みのある素晴らしい音でした。2穴です。Westoneもさすが老舗でJHAやNobleには負けてません。

Astell&Kernは第二世代A&Kを中心に展示してました。たくさんのイヤフォンやCyper labのpiccoloなどシステムとしての展示も力を入れてるように見えました。

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こちらは隠し玉のドイツのMundorf(ムンドルフ)のAK240用のバランスケーブル。参考出展販売予定をしてます。すごいレアケーブルとのこと。AK240を据え置き化したい人には良さそうです。

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トップウイングブースではHE560とiDSD microがメインで展示をしていました。HE560は出だし好調でよく売れてるようです。iDSD microとHE560の組み合わせはさすがに音質レベルは高いですね。能率の低いHE560でも十分なってるように思います。

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iFIの良いところは基本性能もすんごく高いんですが、XBassや3-Dのような普通ギミック的に言われる機能でも破綻しないで自然で良く効くこともあげられます。この辺は確固たる技術的な裏付けもあり、さすがトルステン博士。

Wagnusさんでは今回から代理店としてNobleを展開していました。NobleのカスタムがWagnusさん担当です。

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Wagnusさんで購入すると通常WizardオプションのSilver Negget(銀箔)が無料オプションでつけられるそうです。またWagnusさんのケーブルをつけるとケーブルが22%オフになるそうです。

Fitearではfitearを展開。人気のようで試聴の列が途切れずに続いていました。

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ちょっと面白かったのが中村製作所のヘッドフォンコンディショナーです。これはアンプではなく、パッシブで音をきれいに整えるというものです。

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ユニークなことにバランス対応されていて、さらに出力を入力と別にできるのでAK240からバランスで出して、ヘッドフォンは3.5mmというのが可能です。
音もパッシブでも変わってスムーズであったみのある音に変わります。DAPの場合にイヤフォン端子取りのつなぎ方ではアンプにつなぐよりこういうパッシブの選択肢が良いかもしれません。


FostexではTH500RPをゆっくり聴きましたが音のつながりがスムーズでDSD再生に特に向いてる気がしました。

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アナログスクエアペーパー(A2P)では
世界初というSITを採用したポータブルアンプを参考出品していました。最近?では元アスキーの西氏のデジタルドメインがSITを採用したアンプを設計して話題になったように思います。

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SITを使うと真空管的な考えで回路設計ができてかつ真空管のようなインピーダンスマッチのためのトランスが不要ということで小型化ができる利点があるそう。ポータブルには向いた素材なのかもしれません。
まだまだ開発中ということで今後が楽しみな製品です。

SITトランジスタ使ったポータブルアンプとか、マスタースレーブクロックを採用したポータブルアンプとか、ますますオーディオ世界のミニチュア感が進むこの分野ではありますね。
posted by ささき at 23:07 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月13日

ヘッドフォン祭2014春のレポート

2014年春のヘッドフォン祭が中野に戻って開催されました。中野に戻ってきたせいか、気持ちよい晴天で行われかなりの人でにぎわいました。以下、今回のヘッドフォン祭でのポイントを書いていきます。

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1. 平面型ヘッドフォンの最新事情
今回の注目のひとつはまず新世代平面型ヘッドフォン対決です。フォステクスのTH500RPが発表され、HiFiManではHE560、HE400iの新製品が展示され、OppoではPM-1の製品版が展示されました。

平面型のヘッドフォンは最近注目されてきましたが、その低価格化と高能率化が課題となっています。実のところ平面型というのは最近発明された技術ではなく、オーディオの黄金期と言われた時代には理想的な形式としてスピーカー・ヘッドフォンを問わずに追求された時期もあったのですが、オーディオビジネスが冷え込んでくるとコストのかかるこの方式からメーカーは離れていき、やがて少数のみが残るという歴史があります。その少ない残った代表例はSTAXとフォステクス RPです。STAXが一部に熱狂的なファンがいるのと同様にフォステクス RPにも特に海外で熱烈なファンがいます。

フォステクスさんの発表を聞くとその歴史を再確認できたと思います。フォステクスの初代RPモデルではネオジウムマグネットがない時代においても広帯域の再生ができたと言います。
TH500RPはいままでの延長とも言えます。デザインはT50のデザインを踏襲したのもその現れの一つでしょう。デザインはA8やHP-P1のデザイナーを起用しています。インピーダンスが少し変わったほかは最大入力も現行RPと同じです。
RPはフォステクスでの全面駆動の平面型ヘッドフォンの呼び名ですが、Regular Phase(均一の位相)という名の通り、全面駆動により全体が動くので共振が分散できて不要音がないという利点があります。今回測定すると共振点がないというより、振幅が少なくても音が出るので共振点が目立ちにくい、というのが分かったそうです。つまりスムースに振動板を動かせるわけです。TH900は振幅自体は速いが、振幅の動き自体はRPが滑らかという感じのようです。これも測定を重ねるという手法がキーとなります。

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もう一方のTH500RPの改良点はチューニングするということで、まずエアフローをチューニングしています。とくに低域のエアフローの改善はTH900のノウハウを使ったということ。以前のRPはこもって抜けが悪かったが、それはエアフローのチューニングで改良されたということです。
つまりドライバーのチューニング、エアフローのチューニング、イヤパッド、ケーブルの改善で音を改良したのがTH500RPです。

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さきにふれたように海外ではフォステクスというとRPというほど平面型が代名詞となっており、いくつものmod(改造品)が作られてきました。最近のAlphaDogもそのひとつです。つまりRPドライバ自体は完成度が高いのですが、ガワに不満があったわけです。AlphaDogは3Dプリントという手法でそれを解決しています。言い換えるとガワを変える=チューニングするという考え方は一般的な認識であった訳です。
そうしたチューニングをオフィシャルで行い、しかも測定を重ねるという手法で完全な「セルフmod」をしたのがTH500RPとも言えるでしょう。
またそういう意味では完全新規の新設計平面型もそのうち期待できるかもしれません。

RPも当初はプロ用を目的としていたため、鳴らし難さはあまり目立つ問題ではありませんでしたが、最近コンシューマーの世界でヘッドフォンが注目されてくると平面型の問題である能率の低さがまた問題となってきました。
能率が高くするポイントとしてはTH500RPでは磁気回路の印刷技術が上がってること、そしてさきの測定器を使った解析があげられるということです。なおRPの特徴的な山形パターンは同じということです。
実際に聞いてみるとたしかに自然で素直な音が感じられました。

HiFimanも平面型に重点を置いており、こちらは海外のマニア層を中心に出てきた新興の勢力といえましょう。いままでにいくつもの平面型を制作していますが、今回は新型であるHE560とHE400iを発表しました。
HE560はドライバーにシングルエンド・片側マグネット(Singled ended planer magnetic)を採用するなど新機軸を採用しているのがポイントです。この方式を取るとダイアフラムがより自由に動くので広大な音空間を生むが、歪みをコントロールするのが難しいということ。今回それを解決するダンピング素材をJade(以前静電型を作ったメーカー)と見つけたそう。またマグネットが一つなので軽量化でき能率もあがるということ。HE400iとも能率の向上をポイントとしてあげています。HE560はそういっても能率はまだまだ低いのでホーム用できちんとしたアンプを必要とします。
HE400iはポータブルでも使えるくらい能率高いもので音質もとても高いですね。音色も美しいです。

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HE560

Oppo PM-1は以前発表会でプレゼンしたのですが、製品版となって登場しました。こちらはこれがはじめての平面型というかヘッドフォン製品です。
PM-1は平面型的なスムースさとダイナミック型のようなロックPOPに向いた迫力を持ってます。能率が高いところもポイントです。PM-1は独特の二重のダイアフラム構造を持っていて、コイルのパターンはスパイラル(螺旋)です。コイルのパターンはコイルの長さを左右するので平面型では重要なポイントで、フォステクスのRPでは山型ですね。
また全体にパーツも高級感があり、Editionシリーズを少し意識しているようにも見えます。

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PM-1

Fostex、HiFiman、Oppoはそれぞれ老舗、新興勢力、新人という違いがあります。また音も個性的という点でちょっと注目していきたいところです。

2.カスタムイヤフォン世界の充実
ヘッドフォンを中心に発展して来たこの世界ですが、時代の趨勢はかなりポータブル方向に動いています。そうした中で、かつてヘッドフォン世界を牽引してきたHD800やEdition9などのハイエンドヘッドフォンに変わって注目されてきたのがカスタムイヤフォンです。高性能ユニバーサルも含めてハイエンドのイヤフォンと言い換えてもよいかもしれません。
かつては一部のものだったカスタムは国内扱いも増え、いまや多くのひとが楽しめるものとなってきました。

カスタムの世界は前に書いたようにジェリーハービーが創始して人気をあつめ、日本およびアジア圏では須山さんが人気を博しています。そうした東西両雄にくわえて人気を集めている個性派が"Wizard"ジョンモールトンで、彼のひきいるのがNobleです。

今回はWagnusさんが自らのケーブルとともに、Nobleのカスタムやユニバーサルを日本に紹介してくれました。
ます注目はフラッグシップの10ドライバー機のKaiser 10(K10)です。試聴機を聞いてみましたが音域は広く各帯域にドライバーが広く配置されているという感じです。4+4+4と2+2+2+2+2というドライバー構成の違いというのもあるかもしれません(K10はクロスオーバー的には4wayだったと思います)。特に低域はでかいCIユニットがはいっているせいかかなり豊かですね。中低域に重点がある感じでロックポップを含めた様々なジャンルでのオーディオリスニングにはよさそうです。ロクサーヌの方は中高域を重点に音が整っている感じです。ロクサーヌの低域は量感というよりパンチがあるという感じです。

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Kaiser 10

ロクサーヌだけ聞いているとそう思いませんが、他のIEMと比べると整った音で正確な再現を目指すというロクサーヌの強みもわかってきます。ライバルあればこそ、という感じでしょうか。
もうひとつNobleの注目はユニバーサルのNoble PR/FRでこれらはスイッチ式でクロスオーバーとユニットの組み合わせが代えられます。スイッチで音が大きく変わり、プレイリストにロックとクラシックが混ざってるなんて人には好適だと思いました。

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Noble PR

須山さんブースは本人不在でしたがとても人気で試聴の列が途切れずにできていました。注目はあたらしい"fitear"です。fitearという名前もひとつの原点回帰を示しているのかもしれません。
私が持ってるfitearのプロトは標準の黒い001ケーブルですが、製品版?ではオヤイデの白ケーブルで展示されていました。聴いてみると001よりこっちの方が空気感がよく出ていてよりfitearの魅力を引き出しているように思えます。実は向かいのアユートさんのところにもfitearがおいてあってこちらは並ばずに聴けました。またAK240バランス版も用意されていました。

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fitear

アユートさんのところではロクサーヌユニバーサルのAKR03がありましたが、これは即日完売の瞬殺でした。香港でも即日完売だったそうです。

もうひとつのカスタムの注目点であるJM Plusはまずは無事到着してほっとしたという思いです。新しいところ呼ぶときはけっこういつも大変です。ここではさまざまな世界のカスタムを聴くことができます。

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rhines Stage5は明るくクリアで歯切れ良い音でした。

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Rooth LSX3はハイブリッドらしく重厚でベースたっぷりです。

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custom art Harmonyはカスタムだけど小さめに作ってるので試聴に使います。バランスの取れた音って感じでした。custom art はシリコンですけど、ACSみたいにゴムみたいにものすごく柔らかいわけではないです。フィットが気持ち良いですね。

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ブースも人気で二日目はおそろいのTシャツでいそがしく動いていました。JM Plusの人たちもすっかりヘッドフォン祭が気に入って次もぜひ出たいって言ってました。

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3.個性派ポータブルヘッドフォンアンプ

ポータブルの中でも趨勢がハイレゾDAPに向かうなかで、ポータブルのヘッドフォンアンプでは大手企業が参加してきたという点と、小規模メーカーの世界では個性派が増えてきたということが変化としてあげられると思います。

今回のヘッドフォン祭での一番のサプライズは(AK100II/120IIを除くと)、GloveAudioのCEOがCEntranceのマイケルだったということでした。15Fのエレベーターでばったりあって、なにしてるの?と言って名刺を渡されてびっくり。これは私も知らされていませんでした。

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実のところGloveAudioの話を聞いても、正体の知れない新会社では肝心の音が不安だ、と思っていたのですが、これで一気に解決しました。あのDACportとHiFi M8のCEntranceです。音質はいわずもがな折り紙付き、です。

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GloveAudioのThe Glove A1はAK100とAK120をケーブルを使わずにクランパーであるアダプタではさんで合体させるDAC内臓のヘッドフォンアンプです。AKからは光端子でデジタルだけ入力します。DACはES9018K2Mです。またアンプはバランス出力が可能で、RSAタイプとAk240の2.5mmバランスの二基が装備されています。バランスケーブルをつかったAKR03でも素晴らしい音が楽しめました。ハイレゾのクラシックも堂々とスケール感豊かに鳴らします。音の純度の高さはCEntrance品質です。シングルエンドでもすんごく良い音です。まさに画期的なアンプですね。

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AK100とAk120はスペーサーのアダプタで調整できます。クランパーはビス止めです。(へクスレンチ)
絶対はずれません。まさに一体型。私も長いことプレーヤー+ポータブルアンプという組み合わせを使っていますが、Glove A1は新感覚です。フルアーマーという異名もすでに頂戴していますがメカっぽさもよいですね。AK100ユーザーは画期的な高音質化ができるとともに増えつつある2.5mmバランス資産も使えます。
価格は7万前後のようで、来月以降に出荷を予定しているということです。

もうひとつのJabenの驚きはこのPortaTubeの後継である真空管アンプです。PortaTubeはかなり人気を博したのでこちらも注目ですね。

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真空管アンプ

こちらはいまでは人気ブランドとなったiFIの新製品Micro DSDです。つれはクラウドデザインで募集した成果ということでしょうか。すごいのはポータブルなのにDSD256(11.2MHz)に対応します!
またプリとしても使用可能です。電池内蔵でポータブル使用も可能ですが、やや大きいのでポータブルというよりはバッテリー駆動によるプリとしてジェフローランドなみのクリーン電源駆動プリとしての使用も想定しているようです。

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こちらはアナログスクエアペーパーさんとのコラボによるミニ05(小さいほう)。トランジスタは交換可能です。これはいわゆるバッファアンプで電圧増幅しないタイプ(ゲインゼロ)ですね。ネタだけじゃなくけっこう音も良いですね。

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CEntranceはHifiM8のミニを参考展示しました。スリムになっただけではなく一台でUSBもiDeviceも光も同軸も入力可能です。

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HiFi M8 mini(上)と現行のM8(下)

4. 大手企業メーカーのポータブルヘッドフォンアンプ

ポータブルのヘッドフォンアンプというと少し前まではニッチの世界であり、ガレージメーカーの独壇場だったのですが、フォステクスHP-P1あたりから流れが変わり始め、いまでは大手企業のソニー、Teacについで今回はビクターとオンキヨーからも新製品が出てきました。

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TEACとソニーのポータブルアンプ

ビクターのポータブルアンプSU-AX7はアナログ回路にも手を抜いてないのが特徴ということで、RWAK120でアナログ入力させて使うと柔かく落ち着いたオーディオらしい音でした。なかなか良いと思います。DACチップはAK4390ということですが、AKMの音っていうのともまた違うかも、とも思いました。DACはアナログ回路しだいということはメーカーのノウハウなんかも生きているんでしょう。またビクターお得意のK2回路を使用しているのもポイントです。

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SU-AX7

オンキヨーのポータブルヘッドフォンアンプDAC-HA200(参考出品)はTeacと兄弟機となり提携関係の結果だそうです。こうした関係も大手企業の世界ならではかもしれません。Teacとはオペアンプ違いで、こちらの方が明瞭感は高いように感じました。またオンキヨーのiPhoneアプリもTeacで使われていますね。

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オンキヨーのポータブルアンプ

5. 最新のハイレゾDAP

今回驚いたのは人気のAstell&KernでAK100IIとAk120IIがドイツのハイエンドショウで発表されるということです。みたところ2.5mmプラグやUIなどでAK240のとの共通性も期待されます。
これについてはチャンネルはそのまま、という感じで続報をまっていてください。

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AK100II,AK120II

今回気合が入っているJabenのテーマは上クラスのCalyx M(販売は不明)、中クラスのAP100、エントリーのCookie/Buiscuitと揃えたDAP、そしてGloveや新真空管、A2P小型など個性派アンプを揃えたことです。

注目DAPのCalyx Mも日本初登場でJabenブースにCEOみずからが持ってきました。聞いてみるとやや大柄ながらかなり引き締まったタイトでシャープな音でジッター低そうです。さすがPCオーディオのDACメーカーが作ったDAPという感じではありますね。またUSB DACとしてオーディオクラス2のきちんとした設計がなされているのもポイントです。

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Calyxのイ・スンモクCEOとCalyx M、右はマグネットボリュームを外したところ

M:useというコントロールソフトはLinuxベースです。これはAndroidのハイレゾ通らない問題を避ける意味もあります。またマグネット式のボリュームノブを採用しているのも面白く、これはスリットレスでごみが入らないようにするためです。USB DACとしても機能します。

Hidizs AP100も安いながら音いいです。正確系で特にハイレゾ曲の再生がとても良い感じでした。ロクサーヌとも良く合いました。

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AP100

Biscuit+(7000円)とCookie(12000円)、CookieはBiscuitに液晶とFLAC対応がついたもの。Biscuit+は前モデルにシャッフル機能がついたもの。残念ながらFLAC対応はなし。

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Biscuit+とCookie

またオヤイデさんのところではX5が出展されていました。思っていたよりはちょっと大きい感じです。

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アユートさんのところではAK240のゴールドも展示されています。(ホワイトバランスとらずにすんません)

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6.ケーブルの充実

2.5mmバランス規格が普及始めたのも今回のヘッドフォン祭のポイントです。
AK240自体も売れてますし、AK100IIやAK120II、またはGloveAudioのように他でも2.5mmバランスが採用されています。

2.5mm AKタイプのケーブルでは以下のものが目に留まりました。

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(左)ALOのSXC24-IEM MMCX。43000円くらい。 (右)Beat AudioのSignal 、価格未定。2ピン。

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Wagnusさんの2.5mm、Voskhod、Meridian、Proton

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2.5mm - RSAタイプのインターコネクト。WagnusのProgress。

6FではEstronのLinum(ライナム)ケーブルのデモをやってました。これは新型のタングルレス(絡みにくい)タイプです。前のケーブルの弱点は絡み安いところだったのでよい改良です。

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なぜJabenと別ブースかというと6Fでは日本のB2B代理店の人が担当してたからです(JabenはB2C代理店になります)。Estronの特徴は音をケーブルで変えるのをうたってることで、それを証明するのにこんなユニークなイヤフォン切り替え器を用意してます。

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二組のケーブルが同時に入ってます。イヤフォンにはこんな感じで二組入ってます。Estronは細いけど強靭ということで思いっきり引っ張るデモもやってくれました。

タイムロードではHugoで便利に使える光ケーブルを展示していました。価格も安くなかなか音もよいと思います。ほかのアンプでも使えそうですね。

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7. エントリークラスからステップアップクラスのイヤフォン事情

カスタムだけではなく、エントリーからミッド、ハイクラスの各クラスの通常のイヤフォンも充実してきています。

まず今回の注目は激戦区の5000円に投入されるShureのSE112です。215との違いはケーブルが固定でチップがラバーのみです。ケーブルは耳巻きではなくストレート装着を想定しています。Shureの黒フォームチップとか耳まき式の装着はIEMなみのものですが、本当に一般人にはなじみにくいと思いますのでよいことでしょう。ドライバー自体は215と似ていますがチューニングを変えてます。音は215の方がwarm感あり、112はややすっきりでしょうか。215譲りで音質もいいので今後が注目されます。

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SE112


音茶楽さんでは新ブランド、茶楽音人(サラウンド)が紹介されていました。ブランドの差異は下記のようにまとめられています。Donguri-楽はドングリベースですがより安く、より元気でベースたっぷりです。これは価格を考えるとかなりオススメのように思います。

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音茶楽さんのもうひとつの展示てはFlat4の外耳道によってチューニングが違うもの、Flat4-緋弐型(赤)とFlat4-玄弐型(黒)が展示されています。これは位相補正チューブの長さによる違いです。もともとFLAT-4があれだけスムーズな音を出せていたのは位相補正チューブの働きがあるのですが、その長さをユーザーの外耳道に応じて変えるというもの。ある意味カスタムですね。

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Flat4-緋弐型(赤)とFlat4-玄弐型(黒)

聴き比べるポイントは高域サ行のきつさです。試してみると確かに違いますね。私は赤の方がより自然に感じられましたが、外耳道が長めということのようです。
これは実際にお店で試聴してどちらかを選んでください。とても面白い試みだと思います。


人気ブランドとなったDita AudioではスペシャルAnswerがありました。どうスペシャルかというとAK240のバランスに対応しています。これはぜひ製品版でもほしいところですね。

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Balanced Answer

またオーディオテクニカの新機軸“DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS”を取り入れた新製品CKR10なども展示されていました。オーディオテクニカの音つくりのそつなさという点でこの新機軸があっているようにも思います。

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CKR10

8. PCオーディオの最新事情

ヘッドフォン祭では新しいオーディオの波ということでPCオーディオも取り込んでいます。

フックアップさんではLynxのHiloとMacのサンダーボルト接続のデモをやってました。これすごく画期的だと思います。端的にいうとサンダーボルト接続ということはPCI接続と同じということです。いままでPCIボードを使っていたことがサンダーボルトケーブルで可能ということです。ケーブル経由でも実質ボードをさしたのと同じということは転送性能だけではなく、従来資産の両面で有利です。そこがLynxの強みでもありますね。 またサンダーボルト接続ということはPCI接続と同じということですからドライバーが必要です。

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画像では上下同じHiloでわかりやすく展示していました。
Hilo自体の音もスタジオ向けというだけでなくオーディオリスニングにも向いている感じでした。これのオーディオ向けDACのみのバージョンが出るとよいんですけど。

Audivana Plusの次期バージョン(iTunesライブラリとAudirvanaプレイリストの統合版)はヘッドフォン祭のフェーズメーションさんブースで先行公開でした(Damienの許可をとっています)。一般にはまだ公開されてません。

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AudirvanaとEPA007X

フェーズメーションさんの新ヘッドフォンアンプはEPA007の改良型です。電源が改良されてより押しが強く音が先鋭になっています。なかなかよいと思います。

PCオーディオ関係ではPS AudioのDirect Stream DACも注目です。ポール社長のブログにあったDSDがメインでDACチップ使ってないやつです。
自然で高精細な音です。ただ高価なのがネットかと思いますが、まずリファレンスクラスを出したいというメーカーの意向があるようで、今後DLIIIクラスの同様なDACを期待したいところです。

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Direct Stream DAC

角田さんのネットワークオーディオ講座も開催されていました。かなり人が入っていて立ち見が出るほどでした。

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*

しかしこのレポート書いていても大変で、9000字の大作となってしまいましたが、今回も盛りだくだんでした。ヘッドフォン祭の直前のポタ研でAK240とHugoというデカイネタを出してしまったんで心配していた面もありましたが、こうしてたくさん書くことがあるというのはこの世界が成熟しているということでしょうね。
今回はサンプラザに戻ったことで呪いが解け?晴天に恵まれました。出展社数は約110社、入場者数は2日で7000人ということです。青山より増えていますね。あの伝統の東京インターナショナルオーディオショウでさえ3日で9000人くらいですからすごい人です。海外ではCanJamが2000人くらいです。
次は10/25と26で同じ中野サンプラザで行うということ。すでに次回のタネも今回いくつかありましたので次回も楽しみなことです。
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2014年05月08日

春のヘッドフォン祭2014の私的みどころ

さて、全世界が注目するところのヘッドフォン祭が今週末再び開催されます。場所は中野サンプラザですので注意ください。下記はフジヤさんの開催案内です。
http://www.fujiya-avic.jp/user_data/headphone_fes.php

今回の注目はまずカスタムイヤフォンですね、広い意味ではカスタムに近いTogo334のようなユニバーサルも含むと思います。
いくつも出ると思いますが、まずFitEar須山さんとこではこの前書いた謎のユニバーサルを始めネタも含んでいろいろ出ると思います。これは14F須山歯研ブースで。
そしてJH Audio ロクサーヌ、ロクサーヌユニバーサル、そして派生版のAKR03です。これは14Fミックスウエーブさんと14Fアユート(iriver)さんブース。ミックスウエーブさんではユニークメロディとか1964Earsもあるでしょう。(InEarは取り扱いがないということ)
それとHeadFiではロクサーヌのライバルとして言われることが多いNobleのKaiser 10(K10)も登場します。これはWagnusさんが展示してくれるそうです。日本でもこのロクサーヌVS K10の最高峰のライバル対決が聴けるというわけです。Nobleは他にもほぼ全部持ってくるようで、私的にはユニバーサルのNoble FR/PRで、スイッチ切り替え式のクロスオーバーを持つユニークなモデルが興味津々。他にも"Wizard"モールトン氏手製のワンオフユニットであるWizardモデルも来るようです(おそらくLot2の#1のやつ)。これは13FのWagnusさんブースで。机一つで大丈夫かな。
こうしてJH AudioのジェリーとFitEarの須山さんの人気東西両雄に個性派NobleのWizard(ジョン・モールトン)がからんでくる、っていう構図が面白いところだと思います。
それにバリエーションを加えてくれるのが前に書いたJM Plusです。Rhines、Clear Tune、Custom art、Roothとまさに多彩な世界各地のカスタムが百花繚乱です。こちらは14Fです。あと14Fにはヘッドフォン祭は初というくみたてlabさんも居ますね。

人気上昇株のハイレゾDAPでも新しいモデルがいろいろ見られそうです。15FのJabenでは話題のHidizs AP100、Jaben新作のCookie、Buiscuit+、またCalyx Mも来ることになりました。(ただしCalyx Mはおそらく土曜の午後です)
オヤイデさんのところではX5でしょうか。DX90はだれかが持ってくるでしょう。
また直前にはいったAK用DAC/AmpのThe Grove A1も世界初披露で注目ですね。
またiFIではこれも世界初披露というMicro iDSD "Meaty Monster"が展示されるようです。これはクラウドデザインの結論でしょうか、注目ですね。iFI Audioは13Fトップウイングさんブースです。
タイムロードさんではChordのHugoに向いた短い光ケーブルを出展します。6Fフラワーです。

ヘッドフォンではフォステクスの新RPとHiFimanのHE560のわりと入手しやすそうな価格での平面型対決が興味を引くところでしょうか。フロアも同じくフォステクスは6F、HE560は6F HiFimanのブースで。なおHE560は13Fトップウイングブースとは別になるようです。HM901などは13Fです。
また平面型では昨年発表されたOppo PM-1の製品版を14Fのエミライブースで展示するそうです(2テーブルの一つをOppo用とするそうです)。

また6FにはLinum by EstronとしてEstronケーブルが独自ブースを持ちます。
私も日本語カタログつくりに手伝ってたんですが、Estronから偉い人が来て新モデルも持ってくるかも。これはEstronの弱点である絡みを防止するものになります。

またイヤフォンではエントリーでShureからSE112が登場します。イヤフォンの激戦区に投入されるShureの新作に期待ですね。Shureは11Fです。
また音茶楽さんからは位相補正チューブの長さを違えたモデルを用意したというFlat4-玄弐型、Flat4-緋弐型など新作が展示されます。こちらは14Fです。
Dita AudioはAnswer TrueのゴールドバージョンとTrueのケーブルを使ったインターコネクトケーブルを出展します。来場特典もあるかも。Dita Audioは14Fです。

あとは評論家の角田さんが15Fに独自ブースを持ってオーディオイベントをするようなのでこちらもどうぞ。
また今回もHeadFiメンバーも来てくれ、日本メンバーのほかにHeadFiのリーダーであり主席管理者のJudeも来てくれます。


今回はカスタムIEMなどマニアックなところにポイントがあるように思いますが、「原点回帰」というテーマにはあっているかもしれません。
そういう意味ではヘッドフォン祭の当日に発売される音元出版さんの「プレミアムヘッドフォンマガジン Vol2」に私がヘッドフォン祭の歴史について、キーマンのフジヤエービック(Part3)の谷口店長へのインタビューを元に記事を書きました。ヘッドフォン祭の歴史とともに、この隆盛のヘッドフォン業界の成立を知るのにとても興味深い内容になったと思います。ぜひ手にとってお読みください!


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2014年02月08日

ポタ研2014春レポート

本日10年に一度の大雪の中でポタ研が開催されました。

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AK240発表会
部屋に入りきれないほどのご来場をいただきありがとうございます。

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(須山さん提供)

私もプレゼンしAK240の使用感や機能などを解説して、AKアンプとスピーカーのデモをAK240で実施しました。不手際もありましたがご容赦ください。しかし眼目であるAK240の実力がMac込みの据え置きシステムにも勝るとも劣らないという点はアピールできたのではないかと思います。

Hugo発表会

こちらはChordスタッフとしては初来日のロバートワッツのポリシーとHugo開発の技術的な背景について濃ーいお話がありました。なかなかこういう機会もないのではないかと思います。

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ワッツがサイコアコースティック(心理的音響理論)に基づいた自らの理念を柔軟でプログラム可能なFPGAを使用してオーディオ的に実現していくという点が興味深いところでした。-200dBというような測定不能なノイズの差でも音楽リスニングには影響し、そうした小さな違いが大きな差を生む点をつきつめるのが面白いとのこと。またHugoに関してはその完成度の高さで彼自身がおんがくをさらに楽しめるようになったということです。

そのほかの興味深かったものをいくつかピックアップします。

下はもうひとつの話題のTEACのポータブルアンプです。HF Playerからデジタルで入れましたが音は結構良かったですね。
失念してNexus7持ってくるの忘れてしまいました。下右がAndroidと接続するケーブルだそうです。USB AがTeacアンプ側でマイクロBがAndroid側なのでUSBクラスドライバではなく、アクセサリープロトコルを使ってるのがわかりますね。

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下はA2Pのネタアンプで、オペアンプ交換ならぬトランジスタ交換方式です。実際はネタではなく発売も考えているということ。

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下右はHiFimanの新作HM802です。DACがWM8740デュアルになって価格が安くなりました。

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下はiFiの新作iDSD mini。DSD DXD対応DAC内蔵のヘッドフォンアンプです。フロントパネルに浮き上がる表示が面白いですね。音もすばらしくオーケストラのスケール感なんかも良く出てます。

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下はマス工房の新バランスヘッドフォンアンプmodel394。これちょっとすごいと思いました。今までAbyssを鳴らした中でRudiと別な意味で良いですね。イメージングが気持ち悪いくらいほわっと浮き上がります。

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下はJabenブース。今回は所用でWilsonは欠席。エストロンケーブルが人気のよう。これ安いので全種類買って、アンプとイヤフォンの組み合わせでケーブル変えて音を調整するってのがお勧めです。

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下はベンチャークラフトさんの試作Bluetoothワイヤレスアンプです。BT受信後にアップサンプルしてPCM5102に送ってるそう。音もかなり良いですね。まだ試作だそうですがこれは面白いと思います。

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下はDENONのDAC付きヘッドフォンアンプ、DA-300USB。後発だけどさすがオーディオメーカーDENONで音が良いですね。DSDも可能でコストパフォーマンスが良いようです。

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雪で入りも心配されましたが、今回もどこが雪の影響だよってくらい普通に賑わってましたね。
全体にレベルも高く、今年の展開も楽しみです。
posted by ささき at 21:08 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月20日

JabenのMookヘッドフォンフェスティバル第二回レポート

シンガポールで二回目となるヘッドフォンショウ、Jaben主催のMook Headphone Festivalに参加して来ました。
場所は同じくシンガポールの中心街にあるSuntec Cityコンベンションセンターです。Jabenのストアからも近い距離にあります。

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* 旅行編

今回も羽田からたちました。シンガポールへは7時間ほどで、現地との時差は一時間です。時差ボケが少ないのが良い点です。

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機内用には遮音性の高いカスタムのJH13にEstron Linum Musicケーブル(後述)でリケーブルして行きました。それといつも使っているDita AudioのAnswerですね。DAPはJH13+Estronとの相性の良さと電池持ちの長さからAK100mk2を選んでいきました。

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行きはANAの最新787でした。前回の経験を踏まえてイヤフォンのエアクラフトアダプターをちゃんと持って行ったんですが、最新鋭の787ではイヤフォンプラグが普通のステレオミニでエアクラフトアダプタいりませんでした。。そこで暇なんでANAヘッドフォンのレビューなどやってみました。ANAヘッドフォンはイヤパッド無しのタイプです。AK100mk2で再生してみると、能率がかなり低く音のこもりがひどい感じ。分離感はなく音が団子になってます。JH13で787機内オーディオシステムを聞くと明瞭さはまあ悪くないけど、高能率イヤフォンだと背景ノイズがかなり乗り、音楽中でも聞こえます。だからANAヘッドフォンは能率低いんでしょうね。
また787ではUSB端子が装備されて、USBメモリをさすとメディアプレイヤーとして使えるようです。再生フォーマット不明、まあDSD再生は無理でしょうけど。ただUSBがついてるけどiPadは充電できません。iPhoneは充電できます。それと後で知ったのですが座席下にマルチ国際端子のAC電源がついているようです。
上の翼の写真は787の左翼側トイレからiPhoneで撮った写真です。787はトイレにも窓があるのでびっくり。

* シンガポール到着編

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シンガポールにつくとムッとするくらいの熱気で、すぐに着てたセーターを脱いでホテルで半そでに着替えます。今回は冬開催ということで、1℃の日本から常夏の赤道の国であるシンガポールへと気温差が大きかったですね。シンガポールは年中気温はほぼ変わらず、東京の夏くらいです。夏との違いは雨季なのでスコールがあるということと、そのため湿気があることです。乾いた夏より今の方が東京の夏に近い感じです。

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滞在中はほとんど会場に居たので食以外ではあまり観光してませんが、ちょっと近間のマリーナ・ベイ・サンズのSkypark(屋上庭園)にはまた行って来ました。ここに来て眼下に広がる摩天楼のビル群と、海いっぱいの船を見るとシンガポールのエネルギーがよく伝わってきます。

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QX100パノラマ

景色に見とれてたらアジア人の集団がどっと来て、はじめ何語を話してるかわからなかったのでどの国の人だろうと思ってたら、「しかいつりーはこれまねたんだべな」「ぬドルかこれ」とかいう会話に聞こえたけど気のせいかも。

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また夜にシンガポールの友人に浜辺のフードコートに連れて行ってもらった時にはマリーナ・ベイ・サンズでレーザーショウをやっていました。サンズはもうシンガポール最大のランドマークになりましたね。

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今回のカメラはQX100とケンコーのDSC880DWを持って行きました。しかし結局コンベンションセンター会場ではWiFiでiPhoneの電波を取ってたのでQX100は使えず、会場内ではほとんどiPhone5Sで撮りました。上のサンズ屋上では抜群の強さを発揮しましたが。
DSC880は14mm単焦点固定のコンパクトデジカメで防水とGoPro的な使い方ができます。しかも価格が1万以下の安さがポイントで、ちょっとユニークなカメラです。でもこんな超広角にしてはけっこう画質は良いと思います。十分実用範囲です。またネイティブ解像度は800万画素ですが、ソフトウエア補完で1600万画素にできます。ただ高感度に弱いのとDレンジが低くて白飛びが多いのがネックですね。

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今回は食はまずリトルインディアのカレーレストランに連れて行ってもらいました。ここはブリヤーニというドライカレーが有名でほんとにおいしかったですね。私は早く帰国したので行けませんでしたが、日本勢は打ち上げでもう一回ここに食べに行ったようです。

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ここはリトルインディアのまさに中心部。 出発直前にリトルインディアで暴動があったってニュースにありましたが、その片鱗もありません。聞いたらリトルインディアって言っても端っこのようです。店の人も当時は知らなかったそう。だけど日本のニュースでは「観光客もよく行くリトルインディアで40年ぶりの暴動」って見出しになります。そういうもの。

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また会場ではスタッフ用の弁当を食べさせてもらいましたが、マレー弁当(上右)とチキンライス弁当でした。チリソースはご飯に絡めて食べます。この辛いことと言ったら。。

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他ではシンガポールはなんでも美味いのでフードコートに行ってみるのもよいことです。あまり見たことのないようで、かつおいしい食事が楽しめます。とはいえ、ハードルが高いこともあるのも事実。Wilsonにホテルの近くで美味い店を教えてもらって行ったんですが、行ってみるとメニューがないのでなにをどう頼んでいいやらわからず、結局食えなかったって言ったら次の朝にスタッフに同行してもらって注文してもらい、正しい食べ方も教えてもらいました。これはシンガポールでは一般的なカヤトーストですが、カヤという日本でのピーナッツクリームに近いもので、こちらではココナッツを使っているようです。
シンガポールではフードコートでも食べたらトレイは自分で下げずにそのままにしておきます。これは慣れないとどうしても自分で片付けたくなってしまいますが、トレイを片付ける係りの人がかならずいます。

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上右は有名なラッフルズホテルです。クリスマスの飾りつけが随所できれいでした。
シンガポールの中心部はさほど広くないところに見所が詰まっていますし治安もよいので、歩きでできるだけカバーして少し距離があるとMRTという地下鉄を使うと言うのが良いと思います。MRTの切符は日本のSUICA/PASMOより薄い紙のようなものですが、継ぎ足しチャージができてSUICAのように使えます。

宿では今回はUSB端子はありませんでしたが、ホテルのコンセントは特にBF/B3アダプターがなくても日本のプラグがそのまま使えることに気が付きました。国際対応になっているようですね。ただし電圧は220VなのでACアダプターは国際対応が必用です。
ちなみに為替は1SGD=82円くらいです。だいたい8掛けをしてください。ユニクロではシンガポールでも冬は冬服売っているのが不思議なことです。海外旅行用でしょうか。

*ショウ準備編

ついてまずお散歩がてらJabenの店に行って来ました。シンガポールは街中がみな公園のようでほんとにその辺を散歩しているだけで楽しめます。シンガポールでは治安もよいので、まずホテル周辺のお散歩をお勧めします。

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アデルフィビルのJabenストアでは二階を改装してると思いましたが、まだのようです。
Jabenストアではこのように壁面いっぱいにヘッドフォンが陳列されています。Jabenではこういうお得パックのバンドル製品を得意としてます。

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ポータブルアンプはこんな感じでショウケースに入ってます。アンプもイヤフォンもケースで試聴用が詰まってます。

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Jabenの店はアデルフィというオーディオ店が集まるところと前に書きましたが、その隣のビルもいわゆるマニア系・ガジェット系の店が集まってます。
上のようにシンガポールのアキバか中野という感じで日本と同じようなポスターが貼ってあります。一方でゲームショップの風体はもろアメリカ風です。こうしていろんな国の傾向が混じってるのがシンガポールらしいところですね。

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上は日本ではまず見ないサムスンのカメラショップです。 日本ってレンズを外に向けて展示するけど、ここでは液晶側が外に向いてるのが面白いと思いました(他を見てないのでこれが標準かはわかりませんが)。

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こちらはSuntecコンベンションセンターのヘッドフォンショウ会場です。
今回の設営は前回のように部屋の中にブースのスタンドを建造してしまうと言うのではなく、簡易的にテーブルを置いてます。しかし、となりとはカーテンで間仕切りをして、テーブルにもクロスを付けています。

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電源は床からとります。これは我々がもらったプレスパスです。
MookヘッドフォンショウでJabenが販売する機材を格納しておく倉庫もあります。ショウルーム内にプレハブで建ててます。今回は売り上げも好調だったようです。また、スタッフの休憩室もきちんと作られていて、中には冷蔵庫まで準備されています。スタッフが朝買い出しに出て、新鮮なリンゴとバナナ、コーラなどを常備していました。
またお昼にはさきに書いたようにスタッフ弁当が出てきます。私も遠慮と言う言葉は日本においてきたのでさっそくありつきました。

*Shureロンチイベント

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今回はヘッドフォン祭にならってか初日にロンチイベントを行いました。それはShureのSRH1540の東南アジアロンチです。

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しかし。。食事も用意されてます。 まず10:15分からビュッフェ(日本で言うバイキング)形式コーヒー付きの朝食があって、それからイベントが10:30から始まる予定です。実際はもっとゆっくり行われました。しかし食べたあとにイベントってゆとりありますね。

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Shure SRH1540ロンチイベント会場はMookフェスティバルのすぐ隣の会議室で、かなり立派にセットアップされていました。
ショウも私は写真撮るのでいつものプレスイベントのように一番前の席にデーンと座ったけど、他の人は後ろみたいなちょっと遠慮がちの雰囲気もありました。

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プレゼンテーターはShure香港のAndy Chan氏が行いました。私は日本でマイケルジョーンズ(MJ)のプレゼンしたロンチイベントに出席したのですが、発表の内容自体は同じでした。ただやはりMJの方がやたらアルカンターラにこだわってましたが、やはり開発に直接タッチしたからでしょうね。ショウの写真はLinkedInつながりのMJにも即時送ってあげましたが、少ない準備でこれだけのイベントをするとは大したものだと言っておりましたね。

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フォトセッションにもちゃっかり出ましたが、モデルさんへの群がりってあまりこっちは無いようです。しばらくさみしそうにたたずんでいました。

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Shure1540の試聴環境はAK120が使われてました。試聴タイムでは手前の人は聴きながらノリノリになってました。


*ショウレポート

さて、いよいよショウの開始です。すると日本だと会場時にどっと人が集まりますが、こちらでは11時の開会時間になっても人があまりいません。日本人的にはちょっと不安になるんですが、シンガポールでは(これに限らず)昼過ぎを境に人は確実にゆっくりと増えていきます。メーカーでも11時に来ていない人もいました。とはいえ昼ころにはもう盛況になってきます。
アンプの試聴はさきのJH13/EstronとDita AudioのAnswerを使い、イヤフォン・ヘッドフォンの試聴はAK100mk2を使いました。

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今回のハイライトはやはりJH Audioと須山さんFitEarでした。
こちらはジェリーハービーのJH Audioのブースです。ロクサーヌのバナーです。JHAではスペシャルテーブルクロスもあり、これはジェリーが送ってきたものだそうです。
JHAはなんといっても、ロクサーヌ。ロクサーヌはこの月曜から生産版を出荷開始したようです。私も自分のカスタム版が届いたらレビュー予定です。

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こちらはロクサーヌのユニバーサル版です。前にプロトを見た時より仕上げがきれいになった気がしますね。

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こちらはカスタム版のロクサーヌです。こちらもカーボン仕上げがより鮮明にわかるようになったような気がします。ちなみにジェリーに直接聞いたところではカーボンシェルを採用した理由は音質的な問題ではなく見た目と言うことです。他でもカスタムが増えてきたので独自性を出したかったそうです。

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須山さんFitEarのブースで、主役がいないけどすっかり始まっちゃってすでに人気です。今回は須山さんは長いアジアロードの途中ということもあってか体調をくずされていて、出番は少なめではありました。代わって頑張ったのは須山さんが優秀と語るインドネシアJabenのディーマス君です。 しっかりした客対応でしたね。
とはいえ、人気の須山さんで、登場するとブースに行く前にさっそくつかまって記念撮影やサインです。

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今回はFitEarxJabenの特製Tシャツ着用でした。あと気がついたんですが、須山さんを写真で撮ってる人もけっこう多かったと思います。

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今回のFitEarは隠し玉を持っていました。これはパルテールをベースにした新しいユニバーサルイヤフォンでmelomane - メロマンといいます。FitEarメロマンはシンガポールで初披露です。価格はSGD1498です。melomaneとはフランス語で音楽狂という意味だとか。改良点はオヤイデケーブルでリケーブルしたことで低域抑えめで精細感も上がってるようです。ハウジングは白黒の「パンダ」です。

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須山さんはジェリーと二人で談笑中。 東西の二大メーカーが交流を持ってくれてなにが生まれるのか、いちユーザーとして興味津々です。

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それともうひとつのMookショウでの目玉は上のほそーいイヤフォンケーブルです。これはEstronというデンマークのケーブルで、Jabenが日本での販売権を持っています。おそらく日本でも入手できるようになると思います。
これが冒頭で書いた飛行機の中で使っていたケーブルです。評価用にひとつ使っているのですが、けっこう気に入っていて今回はWhiplashではなくこちらをJH13に使いました。
あとで別に記事を書きますが、まず細くて軽いというユニークさと、音もかなり良いです。それに価格もSGD128と安く、最近では注目のケーブルです。タイプは2ピンのカスタム用とMMCXがあります。
他にVはヴォーカリスト、Bはベーシスト、Mは一般音楽用というタイプ分けがあります。

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MMCXはShureイベントでもらったSE215SEで使ってみましたが、明らかに音質は向上しますね。

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上は日本から初参加のWagnusさんです。FitEarケーブルも好評だったようですが、目玉は真空管ポータブルアンプのプロトタイプです。後段がまだないので別のアンプとつないで試聴します。特徴はレイセオン5755という12AX7相当のミニ管(MT管)を使ってます。普通こういうのはサブミニ管なんでクラス上ですね。下は真空管アンプの中身です。レイセオン銘が見えます。

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音もなかなか良く、真空管の特徴もよく出ていて滑らかでかつ明瞭感もありました。完成品はかなり良いんじゃないでしょうか。
Wagnusさんの帰国後の記事を見ると、ショウにはけっこう満足していたようです。

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上は常連になりつつある増田さん、マス工房の新型バランスアンプmodel343はAbyssを十分ならしていました。またソースがiPod touchからでもすごく良い音でした。新型のポータブル機の方もよかったですね。

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上はRudiの新型ヘッドフォンクロマMD2です。MD1より音は同傾向ですがより進化して広がり感や明瞭さが増してます。Rudiでは他のアンプも相変わらず音楽的で良い音を鳴らしていました。各ブース共通ですが、ソースのAK100/120使用率は高かったですね。

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上はAnalog Squared Paperのバナーとブースで05と06を展示してます。日本からメーカースタッフが来ていない場合にはJabenスタッフが代わりに説明をしてくれています。
やはりこういうバナーがあった方がブースがわかりやすいですね。 Tu06に聴き込む人。Tu06を聴いてた人はまだまだじっくりと今度はTu05聴いてました。

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音茶楽さんブースでは最新作のドングリも展示されてます。みな音茶楽ドングリに興味津々。

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上はシンガポールがふるさと、Dita Audioのブースです。彼らは現地ではSTAXのディーラーもやっているので合同ブースです。ただ後でも触れますが彼らはまだ地元ではAnswerを正式ロンチをしていません。
Dita AnswerのソースはMac miniとResonessenceのInvictaです。これだけ音質には自信があるとともに、Ditaの人たちはシンガポールのResonessenceディーラーでもあります。Herusも当然用意していました。

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また彼らはSTAXのディーラーでもあるので、STAXのデモもしています。上はSTAX SR009を007tIIからCary Audio SLI-80+Woo Audio Speaker Amplifierにつなぎかえるデモで、音質がさらに向上します。というか別物になりますね。 このWoo Audio(USD600)のコンバーターはアンプのスピーカー出力を入力にして、STAX用出力とスピーカー出力を切り替えられます。

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Abyssのブースでは改良型の音松アンプを組み合わせていました。これは電源強化されてAbyssでも鳴らせるように改良されています。またHiFi M8 LXとAbyssを組み合わせてみましたが、超低能率のAbyssで音量が取れるのにまず驚きます。

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上はもう日本でもおなじみのAK100/120のブースです。 A&KブースではAK120 Titanも展示していました。しかもAK120 Titanにロクサーヌユニバーサルをつけてデモという、なんて豪華な組み合わせでしょうか。

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また驚きは聞いたことがなかった、上のAKシリーズ用のリファレンスイヤフォンのAKR02です。これはファイナルオーディオのFI-BASSをAK100/120用にチューニングしてケーブルを変えたモデルだそうです。価格もBASSと同じくらいでSGD1399です。 こちらはAKR02の英文解説。BAM機構採用が書いてあります。
音はかなりいいですね。AK100mk2で聞きましたけど、ベースのインパクトも良いし、全体にクリアで明瞭感も高く躍動感もあります。

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TEACからは日本からスタッフが参加しています。TEACではヘッドフォン祭に間に合わなかったUD501のシースルーモデルも展示しています。これは真面目に作ってるのをぜひ見て欲しいからだそうです。

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これも海外ではよく知られているブランドですが、naimではHeadlineというヘッドフォンアンプと本体よりでかいパワーサプライユニットを展示していました。正規の組み合わせと言うよりはショウ用のネタ的です。聞いてみるとさすが電源強力っていう感じでベースががっつり出てました。

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また個人的に面白かったのが、これも海外ではよく聞いていたけど初めて見たMeridianのExplorer(銀の方)です。Dragonflyに続いた小型のヘッドフォンアンプ付USB DACで、音はまずまずってところ。Herusの方がやはり良いですね。Meridian ExplorerはSGD399。もうひとつ初見なのはMeridianのDirector(黒いほう)です。ExplorerのDAC専用版で入力にTOSがついてます。

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マニアック系では上はTriad L3の改造版です。ウッドケースに入って、バッテリーを2x9Vから14.8Vの大容量タイプに変えて6倍の時間持つそう。L3持っていないので比較はできませんが、音的には同じような感じだと思います。上右はLisaのHomeエディションです。アンプセクションは同じようですが、電源が変更されています。

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これはPSB/NADのブースです。これらは日本でももっと知られていいかもしれません。うちのレビューはこちらです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/378169702.html
上右はNAD HP50ヘッドフォンです。音はわりと明瞭感が高くベースのインパクトもきっちりあります。ポータブル向きに良いと思いますね。Focal Spiritの対抗馬でしょうか。

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上はSupertoothってブランドのBluetoothヘッドフォンはSGD239という割には音は良かったですね。国内ではミックスウェーブさんが代理店のようなので、そのうち見られるかもしれません。

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上はいま発表したShureももちろん人気でした。

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また、上はドイツのカスタムイヤフォン、Vision EarsのStage4ユニバーサル版です。これは透明感や楽器の鳴り方、音の広がりが良くけっこう気に入りました。気にいったのでEstronでリケーブルしてみようと思ったけど、プラグが硬くてやめました。Vision Earsは今回のショウでも印象に残ったものの一つです。

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Fostexのブース。日本のスタッフも来てくれるといいなあって言ってました。 彼とRPライバルのMrSpeakerなんかを見に行ったりしました。

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上のWestoneではW40が出ていました。 W40もなかなか良かったですね。こちらの女性はつい数日前に日本に行ってきたばかりだそうで、日本は面白かった!と言ってました。

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xDuooのでかいヘッドフォンアンプも初めて見ました。ただそれ以外の新製品はなさそうです。

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上はT3マガジンっていうシンガポールのガジェット系雑誌のスタッフさん。Mookショウの記事も乗ってます。サンプル誌をもらいましたが、iPhoneから腕時計、オーディオまで載っていて結構おもしろかったですね。

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こちらはJaben特価品販売コーナー。 日替わりの特価品に見入る人々。今回は物販も盛況のようです。平日からみなけっこう買ってました。

Wilsonは日本に来ると「日本はものを置きっぱなしでもなくならないのですごい」とよく言うのですが、シンガポールでも同じに思えます。わりとみな日本のように安心してモノを置きっぱなしにしていますし、来場者も人の良さそうな人ばかりで、なにか盗難がありそうな雰囲気にも思えません。(そもそもシンガポールの方が日本より一人当たりGDPが高い豊かな国です)

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ソースはCDプレーヤーというよりポータブルソースが多く、AK100/120が目立ちました。二段重ねの人もけっこういましたし、女性もポツポツとおりました。

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こちらはアジアのヘッドフォン業界仲間みなさん。一番左はHeadFiでも有名なCliOSです。ZX1をPriceJapanという代行サイトで買ってさっそく持って来てる人もいます。
ヘッドフォン祭と同じ光景もみれますね。 私もさっそく撮られてしまいました。
https://www.facebook.com/MookHeadphoneFestival/posts/756063661089154:0
上右はインドネシアの人が改造したSPDIF出力専用のAK100。 インドネシアもマニア層はけっこうあるようです。もう閉会時間だけどまだまだ熱心に人が居るのもヘッドフォン祭と同じですね。

初日の平日でもう前回の3日間ほどの人がやってきたそうです。全体3日間では4000人の人が来たそうです。
はじめはマニア系が多くて、メジャーメーカーよりはJHAとFitEarなどマニアックなところに集まったようですが、後の方ではけっこういろいろな層がやってきました。
二段もちのマニアックな人もいるけれども、普通のお父さんが来てメジャーメーカーの普及品ヘッドフォンを買って行ったりもします。


Moonヘッドフォン祭の他の方の日本語レポートにはJaben JapanのFacebookポスト、Wagnusさんのブログなどがありますのでこちらもどうぞご覧ください。
https://ja-jp.facebook.com/JabenJapan
http://wagnus.exblog.jp/21460112/

日本企業でぜひ参加してみたいと言うところは、上記Jaben Japanの大島さんに連絡願います。

*まとめ

今回のショウではFitEarメロマンとかWagnus真空管アンプ、EstronケーブルやA&KのAKR02とか知らなかったものや新製品がけっこう出てましたね。Meridian Explorerみたいにアメリカでは前から話題でも、日本では見てないというのもありますし、Vision Earsなど試聴できないものが聞いてみられたりもします。秋のヘッドフォン祭になかったのも多数ありましたし、ショウとしても面白かったと思います。

Mookヘッドフォンフェスティバルはフジヤさんのヘッドフォン祭をお手本にはしてますが、運営や会場設営など独自性も出てきています。
また、前回よりも確実に集客を増やしてる点もよいですね。若い人が中心ではあるけれども、わりと年配の人も来てます。家族連れや女性の一人客も見受けられました。

日本のヘッドフォン祭との大きな違いは国際性です。シンガポールでのMookショウは定期的にいわばホームグランドとして行い、他の国も行なって行くようです。
その第一弾として12/8に開催された中国の南京ショウも成功だったようです。はじめてというのに1400人ほど一日で来たそうです。出展社としては中国というとマニアック小規模メーカーが多いように思えますが、そうしたものはxDuooとiBassoくらいで、ソニーやオーディオテクニカなどメジャーが多かったようです。
次はインドネシアのジャカルタで来年開催されます。インドネシアも多様で複雑な市場で日本企業の進出も著しいところですね。上にも書いたようにハイエンドでマニアックな人も多いしエントリーもミッドも育ってきているようです。またJabenとしては支店数が一番多い国です。インドネシアのスタッフも来てましたが、優秀なようですね。


ポータブルやヘッドフォンオーディオはアメリカが先行して始まり、日本でも成熟し、アジアでまた成長しようとしています。
Dita Audioの人ともまた話してきたんですが、日本は世界をリードするような特別な市場と考えて、地元シンガポールでの正式ロンチはみおくっても当面は日本に集中したいと言ってました。他でもシンガポールの人と話してもSONYだけではなく、ナカミチやアカイなどの賞賛がポンポンと出てきて、そうした時代を経た日本でのオーディオ事情は成熟してると考えられているようでもあります。
ただ日本は皮肉なことに世界から引きこもる面があり、日本から見るとアジアって見えにくいのですが、国際都市シンガポールからは良く見えます。
冒頭のマリーナ・ベイ・サンズのSkyparkから見た景色のようにエネルギーに溢れた発展がポータブル・ヘッドフォン世界にもたらされるとしたら、日本とシンガポール、そして他の国のそれぞれの強みを寄せ合って生まれるものかもしれません。

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2013年12月11日

シンガポールでMook Headphone Festival第二回開催

この夏にシンガポールでJaben主催のヘッドフォン祭であるMook Headphone Festivalが開催されました。レポートは下記です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/371709927.html

そしてこの12月13-15日にその二回目が開催されます。今回は場所は同じサンテックコンベンションセンターですが、前回よりも広く場所を確保しているようです。また前回同様にジェリー、須山さん両雄参加となります。海外の須山さん人気は行ってみないとわかりません。
と、いうことで私は今回も参加しますので、シンガポールへと向かいます。今回もいろんな発見があることを楽しみにしています。

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2013年11月03日

東京インターナショナルオーディオショウ2013レポート

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週末は有楽町で開催される恒例の東京インターナショナルオーディオショウに行ってきました。以下は私的興味のレポートです。今回もカメラはQX100を使用しました。

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上はスピーカーの中にDACが入ってしまったLINN EXAKTシステム。フロントエンドのLINN DSからデジタルでスピーカーに伝送します。売りは位相の正しさ、ジッター低減など。またアクティブクロスオーバーの系統ですね。
EXAKTで面白いのはEXAKT linkという伝送システムで、初めはスピーカー側はXLRなんでDSからはAES/EBUかと思ったんですが、よく見るとプラグが単にノイトリックのXLRだけで中身はRJ45です(下の写真)。DS側もRJ45なんで、SPDIFやAESでなく1:1でネットワークプロトコルで伝送してます。なんでこういうプラグにしたかというとRJ45だとしっかりはまらないからで、ガワだけXLRになってます。

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それなら初めからスピーカーでネットワークから受ければ良さそうですが、そうすると左右の時間差が出るので、いったんDSでまとめて受けてから位相差問題が出ないように1:1のトラフィックが限定されたネットワークケーブルで伝送するということのようです。左右別にプレーヤーを入れると前に書いたイヤフォンのSplitみたいにクロックを伝送して同期のような手間が入ります。またLINN的にはLP12のADコンバータとしてもDSが役立ちます。
DSとスピーカー間はupnp(DLNA)ではなく、どうもプロトコルまで独自のようです。ネットワークプロトコルはハードの低層からアプリの高層まで階層があって、どのレベルまで独自かはわかりませんが、LINNがEXAKT LINKで専用プロトコルまで作ってしまったというのは驚きです。従来のチップとかファームが使えないですからね。この分野にかける執念を感じます。

普通は一本のケーブルならSPDIFとかUSBみたいにシリアルでデジタル信号を転送すると思いますが、ネットワークプロトコル使った理由はスピーカーケーブルなので長さの問題でしょうか。USBなら数m持つかもたないかですからね。でもバランスのAES/EBUなら良いのでは、という気もするのでよくわかりません。
これで興味を持ったので本国LINNの公式EXAKT関連フォーラムをざっと読んだのですが、あんまりはっきりしたことは書いてないですね。伝送長などの質問にはLINNスタッフは回答を避けてます。ただ、EXAKT LINKってマルチルーム向けかって聞いた質問にEXAKT LINKは部屋の中での配線のためだ、とLINNの人が答えてはいます。

LINN EXAKTの音はピュアでニュートラル、クリーンで精緻、確かに素晴らしいと思います。ただ私はスピーカー機材は90年代LINNを使用してますが、アイケミやケルンのようなLINNの英国的陰影サウンドは(米国ハイエンド市場向けの)Klimaxシリーズ以降は薄まって行き、EXAKTになると、かつてのLINNっぽさはほとんどありません。それがHiFiというものでしょうけれども。


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上は今回のショウの目玉と私が勝手に思ってるAudienceのThe Oneスピーカーです。今井商事さんブースの展示です。The OneはCESなど向こうのショウで高評価だったのでちょっと目をつけてましたが、日本でも試聴できるとはうれしい話です。The OneはコンパクトのハイエンドスピーカーでAudienceはこのユニットを複数組み合わせて上級のスピーカーを設計してます。私は日本の小型スピーカーだと大村ユニットものが好きなんですが、これも期待させられます。


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実際にThe Oneの音質は素晴らしく、小さくても堂々たるスケール感の音と高い解像力。絞っても崩れない小音量再生力の高さなど印象的です。Burson Time KeeperパワーアンプとThe Oneで演奏中ですが、定位がピッタリ、スケール感も素晴らしく、外側の大きいフロアスタンドスピーカーが鳴ってるって言ってもおかしくないですね。デスクトップ向きかと思ってましたが、6畳間ならメインでも行けそうです。
今井商事さんらしくMytekでDSD128でデモしてました。 The Oneの背面はパッシブラジエーターです。メインコーンとドローンコーン(パッシブラジエーター)は前後に同相で一緒に動くタイプのようです。
The Oneはペアで12万5千円とのこと。今井商事さんではコンパクトはALRジョーダンのEntry Siなんかが有名でしたが、The Oneもそうなると良いですね。


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ネットワークでもDSD再生が可能になってきましたが、そこで興味深いのはステラ・ゼファンブースでのスイスのCH PrecisionのC1 DACにネットワークボードをつけてネットワーク対応したものです(上の写真)。これはなんとバッファローのDSD対応NASに対応してます。知る限り海外製では初だと思います。はじめはminim serverも考えたけど、バッファローを知ってこちらにしたよう。IFAでしょうか、バッファロー方式ネットワークDSDもいよいよ海外に広がってきたようです。
ただしC1の中はDSD対応していないPCM1704の4パラで、DSPで入力信号を(PCM1704でのオーバーサンプル上限の)705.6KHzに変換しますのでDSDネイティブ再生ではありません。写真ではDSD128を再生して705.6KHzに変換してます。


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タイムロードのブースではQuteHDの改良版QuteEX(DSD128対応USB DAC)とQuteベースのネットワークプレーヤーCodeX(DSD128対応ネットワークプレーヤー)が展示してありました(上左)。またヘッドフォン祭では長蛇の列だったEdition 5が聴き放題。ヘッドフォンアンプはStelloです。
インターナショナルオーディオショウというと評論家の先生方の講演も人気です。タイムロードでの角田先生のライドー新スピーカーD5とDSX1000の講演です(上右)。


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ナスペックではウイーンアコースティックスのスピーカーをデモしてました(上左)。手前は新フラッグシップのThe Musicです。よく言われますがウイーンアコースティックスのスピーカーって音色がとてもきれいです。
注目は最近増えてきたUSBメモリタイプのヘッドフォンアンプ内蔵DAC、CambridgeのDACmagic XS(上中と上右)。けっこう質感はよく薄くてコンパクトなUSB DACアンプです。192kHz上限でUSBはMicroBです。 28000円くらいで12月ころ発売とのこと。


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ユキムで面白いのはカワイイ真空管アンプのCarotから出た真空管式ポータブルアンプ、NIK58-Tubeです(上)。真空管はPhilipsのサブミニ管(JAN6111WA)ですからNOSで、JANだから軍用でしょうか。
サウンドフィールドという機能で音の広がりを変えられるよう。USB充電式リチウム電池内蔵で、電池持続3.5時間らしい。あのPortaphile627以下? 89800円と強きな値段で11中くらいに出るよう。


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上はBMCのPure DAC。バランス駆動のヘッドフォンアンプ(4pinXLR一個)付きでバランスT1でデモしてました。ESS9016でバランスDAC22万とお得値段かも。音も良かったですね。


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上は以前書いた「マークレビンソンのいま」Daniel Hertzの1MΩプリです。 私はやっぱりブランドって文化・歴史だと思うので、自分で買うわけではないけどこういうものも興味あります。
前に書いた記事はこちらです。
マークレビンソンとディックバウエンのいま - Burwen Bobcat
マークレビンソン氏のインタビュー記事とDaniel Herz


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小型スピーカーも元気で、上はフォステクスのピュアマグネシウムGX100 limitedのデモ。すごい人出でした。Limitedはより自然な音になったような気がします。


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上はロッキーブースのFocal Spiritの赤。これはホワイバランスを手動で変えないとデジカメではきれいに色が出ないシチュエーションです。

今回は半分QX100の練習に来てるみたいなもんですが下記はものはともかくディスプレイがきれいなんで撮ってみました。dCSのプッチーニとAvalonのIsis。F1.8開放で撮ってます。

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こちらはスナップ風の写真、暗部描写も見事です。

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QX100はすばらしい画質です。ヘッドフォン祭の時は自分に余裕がなかったのであんまり真面目にカメラを見られませんでしたが、やっと落ち着いて撮れました(そういう場合か?)。Powershot G15もコンパクトにしてはけっこう良いと思ってましたが、QX100の絵からするとRX100もかなり良いでしょうね。もっと一眼レフに近いレベルです。



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というわけでハイエンドの良い音をタップリ聴いた後で帰りの電車では自前のARM1とDita AudioのAnswer True editionでポータブルオーディオ。それでひどくがっかり、、まではしないかな 笑。マイトナーとかIsisなんかは別として、けっこう良い線は行ってると思います。ヘッドフォン・イヤフォンのすぐれたところは音の細かさだけ、というところからDita Audioなんかは卒業を始めてます。DAPもARM1みたいにハイエンドDACを搭載するところまではいきましたが、ジッター低減や音楽性などまだまだ取り組まねばならないことを考えさせられますね。もっと先はあるし、だからこそ進化する余地もあります。
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2013年10月28日

ヘッドフォン祭、2013秋レポート

いまや世界的になったフジヤエービック主催のヘッドフォン祭の2013秋開催が行われました。
場所は前回と同じ青山スタジアムプレイスで2日開催となりました。今回台風の直撃が危惧されましたが、なんとかそれて1日目は雨でしたが、2日目は晴天に恵まれました。参加者は4800人と言うことです。

今回お仕事的には10/26のOppデジタルさんのPM-1とHA-1発表会でコメントを述べさせていただき、10/27にはiFiのトルステン博士とJHAの神様ジェリーのインタビューを行いました。
また直前にSONYのレンズカメラ、QX100を入手しましたのでそのテストランかたがたレポートに使いました。

* ヘッドフォン

今回はまずEdition 5の発表会に参加しました。
発表会は有名エンジニア(兼ミュージシャン)のオノセイゲン氏によって行われました。参加者に「良い音とはなにか」などQA形式で全員に聞くなど趣向を凝らしていました。参加者からは「わくわくする音」「艶めかしい音」など数秒で思いつく印象を語ってもらい、良い音との正確な音の違いなどコメントを述べました。
もちろん本国からマイケルCEOとマイケルCOOが参加しています。

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EDition5では今回はウッドを使いたいと言う目的から選択を行い、埋もれ木と言う珍しい沼とかに何千年も埋もれた化石のようなオーク材を使用したウッドのハウジングが特徴です。価格は世界中で555台限定で49万円ほどの高価なものですが、使用しているウッドがかなり高価だということです。いわばヘッドフォン版のフェラーリと言うことで見た目の美しさと性能の良さを兼ね備えているということです。またドライバーも新素材を使用した新設計で、S-Logicもより進化しているということです。
Edition8に似ていますが、ハウジングの形状もやや異なっています。音もEdition8の硬質でシャープと言う方向性とは異なって、柔らかで広がりも豊かという感じですね。木製らしい音色の良さもあります。
こちら面白いのはCOOがAK120のユーザーで、作ったEdition5バージョンのAK120です。なんかほんとに世界のあちこちでAK120が好まれていますね。

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直前のCanJamではあたかも平面型祭りのようでしたが、日本でも平面型(Planer:プラナーまたはプレイナー)が少しずつ浸透してきています。
まず高音質のBDプレーヤーで知られるOppoが平面型のヘッドフォン、PM-1を発表しました。ここで私もコメントを述べさせてもらいました。Oppoの開発者も来ていたので直接お話しを伺いました。

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一般に平面型と言うのは高性能の反面で能率が低いものですが、PM-1はまず能率が平面型にしてはかなり高いことがあげられます。Abyssなんかはそうですが、平面型の音がいまひとつという場合には十分な駆動力のアンプを使用していないということが多いのですが、PM-1はiPhoneでも十分に音が聴けるくらいに高能率です。開発では独特の二重のダイアフラム構造を持っていて、コイルのパターンはスパイラル(螺旋)です。コイルのパターンは平面型では重要なポイントで、フォステクスのRPではジグザグ形状ですね。音質は聴きやすさを重視したということですが、実際に聞いてみると平面型らしい細かさと共に豊かさや立体感など音楽的な聴きやすさが感じられます。いままで聴いてきた平面型に比べるとたしかに駆動力が少なくても不自然な音質低下はないように思えますね。
わたしのコメントでは日本ではまだ平面型は浸透していないので、平面型の歴史とメリット、従来のものとのPM-1の違いなどを簡単に述べました。
また同時にHA-1というDAC内蔵のヘッドフォンアンプが発表されています。これはOppらしいES9018を使用したもので、DSDにも対応しています。またBluetoothにもAPT-Xで対応しています。もちろんデジタルデータはBTチップではなくES9018でDA変換しますので高音質です。高音質BTはなにげに伸びてきていますね。
これらはまだ発表段階で、製品化に向けてさらに進化するようです。
こちらモデルはもちろん福島花乃さんです。

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下は平面型としては最高のものでしょう、JPSラボのAbyssがJabenブースでは試聴できました。アンプは高性能のCavalliで、合わせると120万円と言う豪華セットです。さすがに聞いた人は音質の高さに驚いていた様子でした。JabenブースではNADやPSBのヘッドフォンもなかなか好評だったようです。

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もちろん平面型と言えばAudezeです。こちらは話題作の新型LCD X(下左)とクローズタイプのLCD XCです。LCDは私は1から使っていますけど、外観も含めて音質もだいぶ進歩しましたね。Audezeでは開発者のAlexも来ておりました。

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またおもしろいのは平面型RP対決です。というのはFostexというと海外ではRPというくらいに有名で、いくつもRP(T50RP)の改造型が作られています。RPはRegular PhaseというFostexの平面型の呼び名です。(もちろん最近ではTHも人気ですが)
そこで出てきたのが、この純正RPの進化型、FostexのNew RPです(下写真)。RPドライバーの改良型を使用しているということですが、ハウジングなどは刷新されています。プロトタイプなのであら削りですが、かなりがっしりしたメタルハウジングです。価格もおそらく手頃なところにくると思います。

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もうひとつはこの下のMrSpeakerのAlpha Dogです。CanJamでもかなりの人気でした。これはFostexのRPドライバーを使用した改造品のMad Dogをベースとして、ハウジングのカップと一部部品をなんと3Dプリンタで製作したというヘッドフォンです。ハウジングは3DプリンタですからABS樹脂製になります。3Dプリンタは新進の技術トレンドの一つですが、ヘッドフォンにもとうとう3Dプリンタの波が来ました。普通のメーカーなら金型から作ると思いますが、こうした改造品などマニアックガレージ系の場合には3Dプリンタはなかなか使えそうです。
Mad DogよりはAlpha Dogの音は洗練されて改良されていると思います。ただやはり純正のNew RPの方が音質的には上かなあと思いました。

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また一般的な製品ではDENONからB&WのP5の新型でP7が出ています。P5から引き継いだデザインも良いですが、音を聞いてみるとやわらか系の代表だったようなP5からはだいぶ異なってくっきり系になった感じです。高性能ポータブルヘッドフォンと言う感じに進化しました。またこの赤いリケーブル用の高品質ケーブルもポイントで、P7の標準ケーブルと比べてみると効果は歴然としてあります。6000円プラスということですので一緒に求めることを勧めます。P7のケーブルコネクタはこんな感じです。

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* イヤフォン

イヤフォンではまずカスタムイヤフォンの神様、ジェリーハーベイのインタビューを行いました。内容は後日雑誌とうちのブログで書くと思いますが、ジェリーの過去からUEの設立、JHAの製品、そして最新のロクサーヌまでカバーしています。FitEarの須山さんも同席していましたが、ジェリーからは「Suyama FitEarがユニバーサルのすごいのを作って、一気にこの分野の水準を上げた」などのコメントもありました。もはや世界の須山FitEarですね。

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ロクサーヌは片側12ドライバーでケーブルも新規で、新しいSirenシリーズのトップモデルとなります。音導孔は3穴でもちろんFreqPhaseの考え方で作られています。Siren(サイレン)は神話にもありますが、魅力的な女声のことで、ロクサーヌはそうした女性の名前の一つです。ロクサーヌってスティングの曲から来たんですよね?って聞いたらそれはポリスだろって突っ込まれてしまいました。

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聴いてみるとロクサーヌは濃密なサウンドで素晴らしい音質、JH13を聴き返すと軽く感じられます。ケーブルが変えられないのでは、との危惧もありましたがケーブルもオープンにして、Whiplashのような他のケーブルメーカーからも出るようで、すでに動き始めているようです。

面白かったのはこの試聴用のロクサーヌ(下右と左)って試聴用の一時的なものかと思ってたらユニバーサル版のロクサーヌのプロトタイプだそうです。Sirenシリーズではユニバーサルもラインナップされるよう。この辺にも上のFItEarへのコメントも関わってきます。ユニバーサルの価格はカスタムより$200安くなるようです(日本では不明)。ただJH3Aのようなアンプラインはもう出なさそうではありますね。

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もうひとつのイヤフォンの注目ポイントはシンガポールの新進メーカーのDita Audioのその名もAnswerというイヤフォンです。形式はシングルのダイナミックですが、ピュアオーディオ畑の開発者がこだわって設計し、ハウジングのみならずプラグまで自製したという、ほぼ全てを音質向上のために自製した超こだわり品です。これは既製品を使うと自分では音を調整できないというポリシーのもとです。マルチBAもクロスオーバーにオーディオ用ではない部品を使うのは好ましくないという考えに基づいて採用しなかったそうです。またその思想に共鳴したというケーブルメーカーVDHの特性ケーブルモデルが用意されているのも特徴です(Truth Edition)。

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Answerはぱっと聴いて良さが分かります。音質のレベルもIE800なみに高いのですが、そうした音の細かさや帯域の広さに加えて、滑らかで上質な品格の高さが感じられるのが特徴です。イヤフォンもiPodのおまけみたいな存在からこうしたオーディオ機器レベルに進化してきました。実はシンガポールのショウにいったときにもDitaの人とは話をしてきたのですが、その辺もいろいろ含めてAnswerはそのうちもっと詳しく書きます。


音楽的なイヤフォンと言うと、好評の音茶楽の新しいドングリタイプの新イヤフォンもなかなか好印象でした(下)。とてもバランスの良い音で聞き疲れのなさも前作並みで、ポイントはケヤキのハウジングで音色がとてもきれいです。音茶楽も一本筋の通ったこだわりのあるブランドですね。

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* ハイエンドDAP、ポータブルアンプなど

DAP・アンプ系ではさきにレビューしたiPhone接続可能なAK10が注目ですが、さらに隠し玉がありました。
これはラトックとの共同開発で、AK100/120とデジタル接続できるDAC内蔵ポータブルアンプ、KEB02AKです。これはなんと最新のES9018 2Mを使ってます。音も極めて良いですね。またバランス駆動対応で、ラトックの二本ケーブルを使う方式です。ポータブルのバランス駆動は4ピンのTRRSとか、RSA方式のミニXLR、またこの二本方式などいろいろありますので注意が必要です。

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またAK100用のアクセサリーでバンパーも展示されていました。チタンのAk100はネタのようですが、バンパーは販売するということ。

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こちらはHiFimanの新作でHM700、単体で2万円台という低価格もさることながら音質もかなり良く、バランス駆動に対応しています。これは4ピン一本のTRRS方式です。
ただイヤフォンも合わせるのはけむずかしいので、RE400バランスモデルとのセット販売になると思います。それで低価格のポータブルバランスシステムが作れます。

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こちらも好評のiFIの新製品、iDSDとiCanです。これはコンパクトさもありますが、バッテリー駆動がポイントです。DSD対応のiDSDはセルフパワーとなるのでiPadなどでも使えそうです。
iFIはインタビューもしましたが、トルステン博士はメールのレスポンスも詳細ですが話もなかなか饒舌でした。下右はiFIの新境地であるレトロシリーズです。iFIはヘッドフォンオーディオ志向ですが、こちらはカジュアルユーザーの小型スピーカーシステムを試行しています。中は真空管アンプでレトロルックですが、BT(APTX)対応など新しいところもあります。

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これはおなじみALOの新作islandです。これはコンパクトなUSB DAC+アンプでポータブルバランス端子と大きいボリュームが特徴です。バランス端子はRSA方式のミニXLRです。
このタイプの小型のヘッドフォンアンプ付きのUSB DACはDragonfly以降けっこう流行ってきて、今回はResonessenceのHerusなどDSD対応機種も出てきています。ALOでは下右のContinentalが良かったですね。駆動力と暖かみを両立させています。

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またゼンハイザーのバランスアンプも発売開始ということで音出しの展示をしていました。
下右はAirplayから光とアナログとHDMIに出せるApcastです。こうした機器の高音質でポータブル版がほしいですね。

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なんと一世を風靡したDrDACがDSD対応でDrDAC3として戻って来ました。小型機器のDSD対応も進んでいます。

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こちらは角田さんのハイレゾVSアナログ試聴会です。このほかにもいろいろなテーマでやっていましたが、けっこう盛況のようでした。

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* SONY QX100

SONY QX100を会場のレポートに使いましたが、レポしたブースの人たちからも驚かれて逆にいろいろ聞かれました。これはスマートフォン用の通称レンズカメラと言うもので、レンズ部分とiPhoneをWiFiで結びつけています。レンズ部分はSONYの高級コンパクトRX100Mk2ベース(というか同等)でかなり高画質です。このほかに低価格版もあります。iPhoneはSONYの専用アプリでシャッターはiPhoneからもレンズ部分からも撮れます。画像はフル解像度(18MP)がレンズ内のmicroSDに格納され、同時に縮小画像(2MP)がWiFi経由でiPhoneに取り込まれます。

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今までブログ用にデジカメで撮り、twitter用にiPhoneって別に二回撮ったりしてたんですが、QX100になって高解像をMicroSDに格納、縮小画像をiPhoneに転送って同時に撮れるんでとても便利になりました。画質もさすがRX100mk2ベースで素晴らしいものです。ただしつけっぱなしにしてるとWiFiのせいか電池がすぐ切れ、無線環境が混んでるとつながりにくくなったりと欠点もあります。


* 海外とのつながり

今回はいつものHeadFiメンバーに加えて、アメリカからはHeadFiのリーダーであるJudeも来てくれました。HeadFiは単なる掲示板と思われがちですが、組織化されたコミュニティでCanJamをはじめさまざまな活動もしています。その中心となるのが設立者でもあるJudeですね。日本のHeadFierで言うとCurrowong(Amos)がリーダー格です。この辺はHeadFiを見てるだけではなく、その中に入ってみないとなかなかわからないかもしれません。
今回はJudeも精力的にカメラのみならずビデオまで使ってレポートしていました。そのうちHeadFiにいろいろとレポートが載ると思います。こうしてレポートしてくれるおかげでヘッドフォン祭も世界的なものとなってきました。

偶然あった海外の人の中で感慨深かったのはHeadroomのJameyが居たことです。Headroomはポータブル歴史の中でトップクラスの重要ブランドで私もいろいろ買って少しメールやりとりしましたが会ったのは初めてです。最近アンプ作らないのは寂しいね、って言ったら、そのうちまたやるかもって言ってました。アロハシャツで有名なTyll氏はInner Fidelityでレビュアーをやっています。

また、今回は海外のヘッドフォンレビューサイトでよく知られるHeadfoniaのマイクも来てくれました。さっそく下記にレポートを上げてくれています。
http://www.headfonia.com/tokyo-headphone-festival-2013-autumn/

ちなみに外国人と飲むときのヒントですが、海外の特に中国アジア系の人たちは日本みたいに冷たいものを飲む習慣がないところもあるので、日本酒が飲みたいって言われても冷酒は避けた方が懸命です。常温かぬる燗が良いと思います。一般に世界から見ると日本は生モノと言うよりもまず冷たい食事(冷えたおにぎりとか)や冷たい飲み物を好むのが変わっている方です。逆に刺身とか塩辛は日本食レストランで慣れていることも多いので意外と平気だったりします。また、食事では肉と言ってもアメリカでは赤身肉しか食べないので内蔵系(ホルモンなど)は避けてください。以上自分の失敗より、ご参考まで。
もちろん宗教食がある場合やベジタリアンであることも多いので、レストランを予約する前に聞いておくことも大事です。


ヘッドフォン祭がますます国際化するのは良いことです。
Dita Audioも望んで日本をデビューの場としたいって言ってましたし、インタビューしたiFiのトルステンもJHAのジェリーも日本のユーザーの質の高さとマニアックさを口にしていました。海外からは日本製品だけではなく日本のユーザーも注目されています。
シンガポールでも国際的なショウが開催されますし、このヘッドフォン・ポータブルの世界も国の垣根を越えて進化するでしょう。これは従来のオーディオ文化にはなかったことだと思います。一つにはこの世界がボトムアップで育ってきたからでしょう。これはネットワークというのがインフラになってることもあります。私も前はHeadFi世界も見るだけだったけど、今では実際に会って親交をより深めてます。
コンピュータやデジタル技術が冷たいなんてだれが言ったのでしょう。実際はこのようにネットワークがコンピュータだけではなく、いままで不可能だったような人と人のネットワークも繋いでいるのです。このヘッドフォン祭がそれを証明しています。

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2013年10月05日

CanJam2013の新製品

HeadFiの大きなヘッドフォンイベントであるCanJam2013がそろそろ10/11-13でデンバーにて開催されますが(RMAFと同時開催)、JudeがHeadFi VideoでCanJamで披露されるだろうプレビューを紹介しています。
http://www.head-fi.org/t/684388/canjam-at-rmaf-2013-preview-and-exclusive-early-reveals-head-fi-tv



そこから日本ではまだあまり知られていない新製品情報を抜粋して紹介します。時間はyoutubeの時間です。

Cavalli
4:01 Cavalli(カバリオ)Audio Liquid lightning ampの紹介。
バランスアンプでAbyssと合わせてますね。Abyssとの組み合わせをJudeは大変気に入っているよう。

Fostex
5:20 日本からFostexの人が来るのを楽しみと言ってます。
8:00 号外の大ニュースとしてFostexからNew RP(ハウジングなども新設計の平面型)ヘッドフォンが出るといっています。

ALOについてはアンプに重点が移っているとして、
11:57 iSlandという小型のUSB DAC/アンプのことを紹介しています。
これはでかいボリュームとバランス出力(RSAタイプ)、3Dプリンタによるシャーシを採用しているところもポイント。

JH Audio
13:39 JH Audioから完全新設計の新カスタムイヤフォンのフラッグシップのRoxsanne(Sirenというシリーズ)が4ドライバーx3ユニットで片側12ドライバー(2クロスオーバーポイントと言っているので3Way?)、FreqPhase採用、4ピンの新ケーブル(独自プラグ)を紹介。プラグはプロユース用に頑丈に作られているということです。
16:45 Roxsanneのクローズアップ
17:12Roxsanneの可変ベースユニット(0-15dB)のクローズアップ
18:24ソリッドカーボンファイバーの新ケースのクローズアップ。製品版では中はネガティブ・インプレッション(耳型の逆の凹型のことらしい)が掘り込まれていてすぽっとカスタムイヤフォンがはまるよう。Roxsanneにはソリッドカーボンのシェルもある(+$200)

Schiit
20:28 Schiit Lokiの紹介。大きさがよく分かると思います。

Audeze
21:29 Audeze(オーデジー)のLCD-XC(平面のクローズタイプ)が紹介されています。$1799。スマートフォンでも再生できるようにもっと効率がよくなっているよう。
24:07 LCD-Xの紹介。平面のオープンの新型。LCD3よりニュートラルとのこと。$1699。音質はoutstandingとのこと。

33:56 KOSS ESP950(古いけど)を紹介しています。KOSSがCanJamに出すようですね。

37:09 MrSpeakers Alpha Dogヘッドフォンを紹介しています。これは3Dプリンタで製作されています。

38:04 トッドさんのTTVJから販売されるApex Tetonヘッドフォンアンプの紹介。もちろんピートミレットの設計。

38:37 Cypher Labsの新ポータブルDACアンプ、Theoremの紹介。(TTVJで展示のよう)

あれ、HiFimanのHM700については言っていませんね??
posted by ささき at 22:57 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月22日

オトノートのイベント開催!

オーディオ女子、福島花乃さんの主催するオトノートの第一回イベントが本日開催されました。

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こちらはオトノートのサイトです。
http://www.oto-note.com/
場所は神宮前の東京ニューロカフェというバー風のキッチン付きレンタルスペースです。
http://tokyo.neuro-cafe.com/

今までのオーディオ視聴イベントとは思えない、パーティー・クラブ風の雰囲気で、きてる人もそれ風の人も多い感じです。新しい感じのオーディオイベントって雰囲気が伝わって来ます。その場に腕利きのシェフを呼んでワンコイン(500円)料理を楽しめるのも面白い趣向です。
イベントは軽妙な花乃さんの司会で進めて行きます。機材は主にORBが担当してました。

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使用したスピーカーは以下のものです。

Tangent Evo-E5
女性の部屋にお行きたいインテリア志向スピーカー。 小型らしいキビキビとした音です。

something special MF-W10
高解像度で小音量でも音やせしないスピーカーで小型でもやるな、という感じでした。

elipson Planet M
音響理論に基づく60年も前にデザインされたスピーカーで、フランスでは有名ということです。ちょっとオールドっぽいレンジだけど、音は落ち着いて整理された良い音でした。

Sonus Faber Toy Collection トイ・ウッド
みなさんご存知、オーディオファイル向けレーベルのコンシューマー向けモデルです。さすが整ってバランス取れてる感じでした。

なおFostex PX5もありましたが、これはアクティブですので聴き比べには使わずDJタイムで使っていました。クラブ系を意識したスピーカーということです。

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スティービーワンダーやフランスの女性ヴォーカルなどワンコーラス程度流しながら、オーディオ的な解説も加えて進めて行きます。違いは分かり易かったと思いますね。好き嫌いを挙手でとるとバラバラに均等に別れたのも面白いところです。電源ケーブルの切り替えなんてマニアックなのもちょっと披露したりしました。

初のイベントなのでいろいろあったと思いますが、スペースのオーナーはオトノートとタッグを組んで10回はやりたいと言ってましたので、次回はぜひ起こしください。
posted by ささき at 23:36 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月11日

Jaben主催のMookヘッドフォンフェスティバル(シンガポール開催)・レポート

8/2-8/4の期間開催されたJaben主催のMookヘッドフォンフェスティバルに参加してきました。これはフジヤ主催のヘッドフォン祭のシンガポール版と言えるものです。最終日は都合で帰国しましたが、設営から開催まで見てきましたので、以下にレポートします。

まずシンガポールについて見聞録を書いて行きます。
シンガポールは赤道近くの熱帯にある島で全体が街のようなもので人口は東京都の半分くらいです。以下に書いて行きますが、非常に先進的な側面を持ち、小さいながら大きな国だと言えるでしょう。時差は一時間ほどで、日本からは直行便で7時間弱かかります。飛行機でのお伴はコンパクトに済むAK120でしたが、エアプレーンアダプタを忘れました。あんなに捨てるほどあるのに。。

シンガポールのチャンギ国際空港に着くとまずiPhoneの3Gローミングの設定をします。SingTelというところでローミングできます。定額で1500円/一日ですが、二段階式で使いすぎるとさらに課金されます。シンガポールは進んだ国でWiFiスポットもあちこちあるので画像などはWiFiで送りたいところです。私の場合はホテルとコンベンションセンターのフリーWiFiを主に使いました。下右のアプリはシンガポールで便利なSingapore Mapsです(無料)。SingTelにつながっているのがわかると思います。

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熱帯にある国なのでエアコンの効いたホテルから出ると暑さと湿気でもわっとするけど、東京の今とあまり変わりません。東京も熱帯かというくらい。緯度の関係か、朝は夏のいまで6時でまだ暗いんですが、夜は7:30で暮れるので同じくらいですね。外は暑いんですが中はエアコンが効いているので羽織るものがあるといいかもしれません。エアコン設定は低めが多いんですが摂氏温度で設定できるのは良いところ。アメリカだとまず華氏温度でホテルに着いたときあたふたします。

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街はきれいで、日本と変わりない清潔さと外国のエキゾチックな美しさを両立できています。街中が史跡か公園みたいで散歩してるだけで満足できますね。MRTの駅を見つけるためにホテルから少し歩いただけでも散歩を満喫できました。またショッピングセンターも古い中心であるオーチャード通りから今回新しいところのSuntecシティまで、すべてが計画的に作られてるというのを実感できるところです。観光には最適でしょう。カメラはショウと観光写真の両用でPowershot G15を持って行きました、あとはiPhone5です。
TV見てたら失業率は最近2.1%に上昇したって言ってるくらいなんで相当低いです。物価はやや高く日本程度でしょうか。

初日はJabenスタッフに連れられて有名な観光スポットのマーライオンを見てきました。地元の人はマーライオンでなくシーライオンって言いますね。向こうにある船がビル屋上にあるような建物は新しいマリーナベイサンズというホテルとカジノです。屋上にはプールと庭園があります。屋上のプールと多くの施設は宿泊者でないと使えません。

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こちらはマリーナベイサンズの屋上庭園(ゲスト用)からの眺めです。海一面に船が停泊しているところが印象的でした。シンガポールの活気もよくわかります。

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シンガポールではエスカレーターは左に立って右を開けるようです(東京方式と似ている)。街中には日本のものも目立ち、セブンイレブンはたくさんあり、寿司屋もあちこちにありました。24時間営業も多いです。インド街の大きなショッピングモール(ムスタファセンター)も24時間営業です。ここは食料品スーパーとヨドバシのような家電量販店が合体したようなところで近隣諸国からも買いに来るということ。右端はリトルインディア。

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シンガポールの電気事情ですが、シンガポールではコンセントにBFとB3というタイプが使われていて、電圧は230Vです。実際は電源コンセントはBFとB3の共用のようでどっちでもさせました。このホテルは新しいからかもしれないけど、電源供給用のUSBポートがあって、ホテル用のTVや照明制御のためのカスタマイズされたNexus7が常備されてました。iPhoneやiPadはUSB経由でも電源が取れるのでアダプター不要でこれは便利でしたね。

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3Gローミングのレスポンスはソフトバンクよりやや遅い感じです。フリーWiFiがホテルと展示会場で使えるので2日めからWiFiオンリーにしました。街中ではiPhoneを使っている人をよく見かけます。シンガポールではブラックベリーが前は多かったようですが、いまは代わってきているようです。見ているとiPhoneを使っている人が多いように思いましたが、地元の人に聞くとiPhoneとAndroidのシェアは半々くらいということ。観光客の持ち物が多いのかもしれません。

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移動はもっぱらタクシーが安いのでタクシーを使いますが時間によって場所の流しのローテーションがあるようで、どこにいくか(東とか西)で制限があるようです。有名観光地では乗る前にどこに行くかの交渉が必要のようでした。他はMRTという地下鉄が便利です(上の写真)。Orchardみたいな中心部でなければ混んでなく、3-5分に一本はきます。乗るにはNFCみたいなチケットを買います。大型のタッチパネルでどの駅で降りるかを選択できるのではじめてでもわかりやすいでしょう。また中心街に行くとやはり大きい街ではないので多少は歩いても十分カバーできます。

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シンガポールの食と言えば上左のチキンライスです。ライスをチキンスープで炊きこみます。これはSuntecのフードコートで$7SGDでした。上中のカレーはリトルインディアで食。タンドールチキンもスパイスが日本のインド人がやってるインドカレーのレストランとも違います。あとから辛くなるタイプでやはり独特のスパイス感がありますね。写真はブリアーニというもので、インドのカレーライスみたいなものです。北と南で異なる米を使ってます。普通のカレーよりシンプルなソースのカレーをかけて食べるようです。日本でのタイ米とは違い、おいしいですね。上右はFacebookで教えてもらったKaya Toastというトーストでチェーン店がよくあります。中はピーナッツバターなどでカリカリとした触感です。

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街中では注意書きが4ヶ国語で表示されているところもあり、多民族・多言語を感じさせます。また工事の看板の英語ではsorryとかpleaseが多用されてるのは米国では見ない(米国は命令調)ですね。ここはアジア系英語らしい丁寧さなのかもしれません。漢字も簡体字(本土)と繁体字が混ざってる点も面白いところです

街中は日用品も買い物に困ることはありませんが、本屋がなく地図を買うのに難儀しました。あと欲しかったのは温泉だけかな。。
車で連れてってもらったりしましたが、シンガポールのETCみたいなものは速度をゲートで落とす必要がなく、パーキングにも使える高度なものです。なんか日本が遅れてる気がしますね。シンガポールはとても進んでます。マリーナベイ・サンズにいったらSFかというようなビルです(ちなみにシンガポールに地震はありません)。旅の前は安全のためパスポート腹巻きとか持って行ったんですが、犯罪を匂わせるものはなく、かえってこうした進んだところを見せられてあんぐりと口を開けると、逆に私は東京から出てきた田舎者です、という感じでした。
シンガポールも狭いのは東京と同じですが、すべて計画的にビルド&スクラッチで建て替えていきます。小さい故に統制が取れていて、日本は各部門のしがらみとかでこうはいかないです。
アメリカに行くと日本は狭いと思うけど、シンガポールに行くと日本は広いと思えます。シンガポールの人は日本は広いと言います。日本人の誰が日本が大きい国だと思うでしょう。この辺も外に出るとわかる感覚ではあります。

* Jabenショップとシンガポールオーディオ事情

着いてその日には早速Jabenの店に行ってみました。Coleman streetのアデルフィというビルにあります。このビルはオーディオ系の店がぎっしり詰まったビルで、マニアックなオーディオ系ショップが詰まったビルのもっともマニアックなショップがJabenという感じです。店内は広くはないですが、みっちり詰まったマニアックなスペースという感じですね。

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ポータブル系が充実していてAK100とかAK120もありました。日本よりちょっと早く売ってるShue SE846も早速売れてったようです。これはけっこうプリオーダーがあるよう。xDuooもディスプレイ一面使ってます。日本製も多く、ファイナルオーディオのイヤフォンも多数ありました。

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上右のヘッドフォンのグリッド状のディスプレイ枠がWilsonの発明だそうです。The wallと呼んでましたね。すべて下のアンプにつなげて視聴できますし、自分のプレーヤーで試すこともできます。

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左上はWilsonさん、店の正面にはファイナルのヘビーヘッドフォンとかゼンハイザーのオルフェウスとかAKG K1000とか「兜」ErgoとかSTAX SR-ΩとかKOSSの静電型とか、なにげにマニアックな展示が目を引きます。この辺のHeadFi系なのは日本の店にはないところです。フジヤさんというよりもヘッドフォン・イヤフォン・ポータブルに特化してます(なぜか一部時計も売ってる)。またHeadFi的な深いマニアックさは日本のどの店にもない感じですね。店のやり方もいろいろ志向しているとのこと。スタッフは若く、20代前半くらいです。平日だけど、お昼すぎるとけっこう人が入って回転もいいようでした。週末は混むとのこと。

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そこでいろいろ早速試聴。Triad Lisa(上左)を聞く私でしたが、持参したRWAK100-sですごいスケール間のある音。筐体もでかいけど音のスケールも大きい。上中はxDuooのDAPであるX1(130SGD)。UE18で中に入ってるデモ曲を聴きましたが、xDuooらしい明瞭感の高い音。厚みのあるヴォーカルもいいですね。音のレベルは高いと思う。筐体の出来もいい、8Gというのがネックか。上右はFicherの木製ハウジング改造ベイヤー。音の響きの良さがただものではなかったですね。

ショップはショウの後に二階を拡張する予定ということです。ここは今は倉庫に使ってます。hippoはブランドネームで、クマはショップのブランドです。ストアにはいっぱいストックがあって大量に仕入れてバンドルにしてお得感を出すのが戦略の一つです。
それとシンガポールの国民性というのもあって、中国語(シンガポール独自かも)のKiasu(なくなることへの恐れ)って言葉で説明してくれました。日本でもなにかがあるとトイレットペーパー買占めみたいなのがありますが、特にシンガポールは資源もないことから、そうした傾向が強いそうです。ですので、新製品が入荷するとわっと飛びつくことも多いよう。
他の国の事情では、タイとインドネシアはローエンドとハイエンド市場がはっきりしてるが、ミッドがないそうです。マレーシアはまだハイがないようですね。
Jabenでは今後は補聴関連(hearing aid)もやるようで、hansatonの代理店と協力してやっていくということでした。

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アデルフィの別のストアを覗いてみると、オフィスビルには東京インターナショナルショウに出るような海外や日本のハイエンドブランドのオーディオショップがずらり並んでいます。ダイナの各部屋が別ストアになってる感じもあります。
訪ねたのが平日かもしれませんが、たいてい午後くらいから店をあけるようです。なぜか休んでる店も多いですね。アポイントメントのみってところもあり、ショールームだけここにおいてる感じです。後で書くSuntecセンターでも思いましたが、だいたい昼ごろから人の出が活性化するというのがシンガポールの特徴のように思えました。取り扱いブランドを細かくみるとしらないブランドがあるにはあります。また各ストアでは取り扱いブランド商品がダブってる場合もあります。4階にいくと昔のJabenストアがあります。

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しかし、Schiitが店頭に並べられているのに驚きました。全体にマニアックな感じです。Jabenの他のオーディオ店も日本の店より濃い感じですね。ただ聞いてみると、シンガポールでは97年の不況のあとでオーディオも縮小して、スピーカーはやはり縮小しているのは日本と似てるということでした。
あと古銭やアンティーク人形、アナログレコード専門ショップの店などもありブロードウエイを思わせます。上にいくと閉まってる店が増えるのもブロードウエイっぽいですね。ただしサブカルはありません。アニメとかサブカル関係が多いのが日本の特徴かな。。
地階はカメラがいっぱいで、中古カメラ屋はライカとかローライなど日本の中古カメラ屋と同じ感じでした。

* ショウ準備編

次の日はショウの準備とコンベンションセンターを見るためにSuntecシティと言う新しくできた複合施設に移動しました。ここはイベント会場とショッピングセンターを混ぜたような複合施設です。
コンベンションセンターは出来て一ヶ月という素晴らしいところで、幕張のレベルの大きさでホテルのきれいさを兼ね備えたようなイベント会場です。
Mookヘッドフォンフェスティバルではコンベンションセンターは300-302の3部屋を貫通させて使います。下はカーペットですが、ある間隔で電源コンセントがあります。タイプはBF/B3両用です。ただし後で書くように電源は日本のヘッドフォン祭よりもきっちりとブースに工事して設置しています。ブースは今回は52社用意されてます。

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上右が会場全体の広さです。
こちらでは運送時にいったんラップして運ぶのが普通のようです。椅子などはコンベンションセンターの中ではなく外から調達しているようでした。
少し手伝ったんですが彼らが話してる言葉がJabenスタッフ間は中国語で、外部運搬スタッフ同志は不明言語(タミール語?)、Jabenと外部スタッフは英語という状況なんで、ちょっと手を出しにくいところではありました。シンガポールの標準言語は英語なんですが、実際はこんな感じです。こういうのがインターナショナルということで、ここでは普通なんでしょう。この辺が周りが日本語だけで通じる日本とは異なるところです。

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今回のMookヘッドフォンフェスティバルで一番驚いたのは会場設営です。日本のヘッドフォン祭ではテーブルを並べるくらいではありますが、Mookでは幕張のショウのようにブースを完全に作ります。
上左は在庫を入れる倉庫を作ってるところ。脚立に乗ってるにいちゃんが脚立をカニ歩きさせて横移動するのが面白かったですね。上中ではテーブルの組み立て中です。進むとまるで部屋の中で建設現場のようです。

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ブースではデモだけで、購入するのはチケットをもらってこの別の小屋で買います。ただ設営が時間がかかったので、前日にディーラーがセットアップするというのはやや遅い時間になりました。全般に前日搬入するディーラーさんはヘッドフォン祭よりも多いようですね。
各ブースのテーブルの裏は立派なカギがかかるロッカー付きで、ここに展示物をしまえるようになっています。テーブルはがっちりしてびくともしません。パイプにもきっちりキャップをかぶせてます。電源は壁から取ってテーブル下に配線してるよう。

下はMookヘッドフォンフェスティバルのパンフレットとフロア配置図です。きちんと導線が確保されてますね。こちらの人は大好きというLucky Drawの券もこのパンフレットについています。

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須山さんFitearは2テーブル確保。須山さんもシンガポールに向かってるよってスタッフに言ったら、"He is a hero of the show!"だって言ってました。このときは軽いあいさつ言葉と思いましたが、後に現実になることに。。

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すごい会場設定だねってWilsonに言ったら、フジヤさんのヘッドフォン祭が高いハードルになってるんで、それを(後追いで)目指すにはこのくらいやらないと、ということでした。予算もかかりますが、それよりも自社のプレゼンスをアピールするというところを考えているようです。T3というモノマガのような雑誌への3面広告も出していました。次はもっとすごいことになりそうな企みも持ってるよう。

会場の外も広いので廊下でセットアップに使えるので作業が容易です。シンガポールは日本の都区内程度の狭い国です。よく日本は狭いから建物も狭いんだと言いますが、結局はきちんと計画的に効率的にやれば狭い国でもこうしたアメリカ的なスケールの場所を作ることができるということかもしれません。

* ショウインプレッション

Mookヘッドフォンフェスティバルの開催時間は一般には8/2-8/4日でAM11:00からPM9:00までです。一日の開催時間は長めで、夜に寄っているのはシンガポールの人たちの活動の特徴かもしれません。初日だけ9:00-11:00までのプレスタイムが設けてありました。
プレスタイム開始30分前。すでに一部はセットアップされてますが、セットアップはプレスタイム中も続いていました。

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Mookヘッドフォンフェスティバルへの行き方をおさらいすると、まずSuntecシティへの行き方を確認します。MRT駅ではESPLANADE駅が手近です。コンベンションセンターはSuntecシティの中にあります。
Suntecコンベンションセンターの入り口で右手のエスカレーターに乗ります。(こちらはTemasek通り沿いです) 登るとドアを開けるとすぐスタッフがおります。ここを右手ですぐに入口があります。
次回(2013/12/13-15)は異なると思いますので注意ください。(おそらく一階上になると思います)

ブースを(逆方向から)回って行きます。 上の配置図を参照ください。

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以下は各ブースのコメントです。
こちらは主催者のJabenのブースです。このショウの間は店は閉めていて、全員こっちに来てるということです。

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フジヤさんのヘッドフォンショウ特価品のようなショウ用のセットがありました。Jabenではバンドルでお得感を出してます。SGD$200相当でSGD$99くらいのセットもありました。
上右はJabenが開発中という謎のヘッドフォンアンプ。たぶん$500SGD以下ということだけど、小さい割には上から下までよく整った音を聴かせてくれました。少し熱くなります。 そういえばポタ研でもってきてくれたポータブルMarvericはなぜかありませんでした。
WilsonはMookヘッドフォンフェスティバルの間は会場を絶えずまわって販売の指揮をしたり、ディーラーやユーザーと会話したりしていました。

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Rudistorは新作の高性能ヘッドフォンChroma MD2とシングルエンドのヘッドフォンアンプRPX-38、DAC3を出展していました。これは秋の東京のヘッドフォン祭でも見ることができる予定です。
MD2はMD1の改良版で低音とダイナミックさを進化させたということ。DACとアンプの組み合わせはRudistorらしく音楽的で素晴らしい音で滑らかな再現でとても魅力的です。RudiのバランスアンプのRPX-308とMD2バランスもなかなか良い組み合わせです。立体的に広がるバランスらしい音場再現と滑らかさが印象的。やはりRudiのアンプは音楽的にいいですね。
RudistorのDAC3のヘッドフォン端子もなかなかいい感じです。もっと音にダイレクト感があって迫り来る感じです。アンプのRPX38を通すともっと滑らかにスケール感良く鳴る感じです。
ただしRudistorは例外な方で、ヘッドフォンアンプ主体の出展は少ないですね。

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今回の目玉の一つ、オルフェウスに変わる王者?、平面型のAbyss(約50万円以上)です。これは平面型ですがSTAXのように静電型ではなくオルソダイナミックです。そのため、アンプは通常のヘッドフォンアンプを使いますがやはりバランス駆動対応でがっちり鳴らしたいところ。デモではまず音松アンプでバランス駆動です。 ソースは持参したRWAK100-S。ハイゲインでもボリューム高く、かなりの低能率です。
Abyssの音はまず音空間の深さに驚きます。細かさや切れも静電型なみ、でもダイナミックの音ですね。HE6を明るくした感じといいますか。いずれにせよアンプを選ぶと思いましたので、さらに上のとなりにあったRudiのRPX-038(RPX38のバランス駆動版)に組み合わせてみました。すると、、これは驚きの音 ! 聴いた瞬間にゾゾっと衝撃が走るようなすごい音です。今までに聴いたヘッドフォンセットアップでベストかもしれません、これは。この音空間の深み、ベースの厚み、上質な滑らかさ、すべてが圧倒的です。

CEntranceのブースでは残念ながらマイケルは来る予定だったのがキャンセルとなりました。HIFi-M8は大きくてもとにかくホームアンプレベルの音がほしいと言う人にはお勧めです。

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今回のやはり一番の話題は須山さんFitEarかもしれません。とにかくショウの間中ずっと人が絶えずに多数はりついている状態でした。このレベルはあとはジェリーがいるときのJHAくらいでしょうか。CliOSの話ではマレーシアや中国でもFitEarはかなり有名とのこと。このFitEar人気はその場にいないとわからないと思いますが、とにかく脱帽でした。
須山さんは熱心な人たちにサインもたくさん求められていました。上でheroって言ったのも嘘じゃないですよね。

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こちらはもうひとりのヒーローであるジェリーハーベイのJH Audioです。AK120をデモ機に使ってます。ラインナップは大きな新製品はないようでした。
私は贅沢にもジェリー先生直々にJH13 Freqphaseを装着してもらい、Freqphaseのレクチャーをしてもらいました。Freqphaseはドライバーの配置を最適化してフィジカルに位相の適正化を図ったモデルということ。たしかに私の古いJH13よりイメージがピッタリ決まるように思いました。

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アナログスクエアペーパーのTu05はなかなかの人気でした。やはりハイブリッドではないフル真空管と言うところが目を引いていたようです。作りも日本人の職人気質を海外に伝えるようで良いですね。担当していた人に聞いても評判は上々だったということでした。上左は日本通りを担当してくれていたJAben側のスタッフ。

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この辺は日本製品通りとなります。他にはマス工房、エレキット、などで、ファイナルオーディオはJHAの斜め向かいです。
マス工房では増田さん本人が来られてデモをしていました。バランス入力対応ヘッドフォンアンプのmodel 370-iとポータブルアンプのmodel385を展示していました。このアンプはサイズの割にはなかなか本格的な良い音を聴かせると思いました。ビジターでは一時間くらい粘って聴いてた人もいたようです。

エレキットは真空管ハイブリッドのポータブルと据え置きを出展。光城は真鍮削りだしポータブルアンプ、Go-DAPはSounDroid、OrbはJade to go漆塗りを出展していました。 この辺はただ置いてあるだけではなく、Jabenのスタッフが質問やデモなどに対応してくれていました。

ファイナルオーディオのブースではJabenスタッフも協力して説明していました。ファイナルオーディオではF10(ピアノフォルテX)を含むイヤフォンのラインナップほぼすべてとヘッドフォンのパンドラ、そしてJaben流のバンドルセットを用意していました。

今回はいろんな出会いがありましたが、会場でたまたまHeadFiの有名人であるCliOSとも会いました。CliOSとxDuoo話をしてFiio X3を聴かせてもらったりしました。X3は価格にしては良く楽しめる音でした。でも聴かせてもらったのはすでにCliOSが改造してたんでストックとは違うかもしれません。
RWAK100-SとxDuoo UA-05を試してみましたが、アナログアウトで試しても筐体大きいなりにいい音って感じですね。xDuoo X1もなかなか音が良いDAPです。ただ機能が限定されて8GBというところが考えどころです。CliOSともこっちのX3はいつになるのかねえと話していました。

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上左も今回の注目品で、このショウがワールドプレミアとなるPSBのポールバートン(カナダ)がNADブランドで出すViso HP50です。ハイがきつくなく柔らかで聴き疲れのない音と感じました。スピーカーのメーカーなのでRoom fillというスピーカー的音を目指したそうで$399SGDです。 上中はPSBのM4U2。内蔵アンプとアクティブNC付きです。アンプなしでも結構いい音でしたね。アンプオンで音が強めとなります。バッテリーは単4で40時間持つそうで、$400SGD。
PSBとNADは同じ会社ではありますが、PSBはプロ寄りでNADはコンシューマ―寄りのブランドと言うこと。
上右はNADの"ハイブリッドアンプ"です。ハイブリッドとは真空管ハイブリッドではなくスピーカー、ヘッドフォン、DACなど一体という意味で使ってるようでした。DACはSPDIF, optical, USBにBT(Apt-x)もついてます。BluetoothでNADのデジタルアンプを試聴してみると、ちょっと途切れ気味なところはあるけど、AptX使用で光デジタルともことなって柔らかな感じです。

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日本製品では上はDENONブース、D7000,D340, NCW500, D320,C100,W150など。現地の日本人スタッフもおります。エクササイズのW150が売れていて、D7000もJabenあたりでは出てるよう。日本と似てるということ。 私もシンガポールのこの辺のオーディオ事情は日本と似ていると思います。
上右は現地のSTAXコーナーではCaryオーディオのスピーカーアンプにトランス経由でSR009つなげてます。普通にSTAXのドライバー(アンプ)を使わないところなど、マニアック系ですね。これもなかなか音は良かったですね。Caryオーディオは海外では定評があります。

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上左はBeyer(ここではバイヤー)のブースではT1にバランスリケーブルの音松アンプを展示してます。ここはBeyerのブースですけど、積極的にJabenのスタッフが各ブースを回って営業に協力していたのが印象的です。
上中はA&Kの現地ディストリビューター。AK100が右、AK120が左。AK120はIE800、AK100はFADと組み合わせてます。iriverの代理店というよりUltrasoneとかWestoneなども扱う代理店でA&Kブランドで取ってるようです。A&Kは日本が最大マーケットと思うけど、シンガポールでもかなり出てると言っていました。
上右のBoomphoneはヘッドフォンとスピーカー(boombox)の両方使えるヘッドフォンです。スイッチを操作することで切り替えます。ベースブーストあり。
ヘッドフォンで聞いても悪くないですが、スピーカーとしてはちょっとガチャガチャしてます。

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上左のShureではSE846とヘッドフォンで展開していました。上中のWestoneでは新製品はやはりADV。ここでは$299とのこと。パイオニアではコンパニオンさんも動員。

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現地のFostexディストリビューター。TH600、HPA8、など展開。 GRADOディストリビューターさん。ParrotはZikで展示。ここでは$529SGDとのこと。 Parrotでは専用アプリ(Android)も力をいれて説明してくれました。

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こちらはシンガポールのガジェット系のT3マガジン。 T3マガジンにはMookヘッドフォンフェスティバルの広告も載ってます。 T3マガジンは大人向けのガジェットマガジンでスマートフォンからPC、ヘッドフォン、カメラ、メガネなどなどカバーしてます。ただしアニメなどサブカル色は皆無。
途中からは各ブースにJames&BenのJabenクマが現れました。

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会場の様子です。メジャーメーカーよりマニアック系に人が集まってました。朝からどっと人が来るヘッドフォン祭とは異なり、昼すぎると人が増えるのがシンガポールの特徴です。須山さんも言ってましたが、くる人の年齢構成がすごく広いですね。ヘッドフォン祭みたいにやはり若い人が多いですけど、年配と言える人もけっこういます。けっこうお歳の方のポーチからごろっとDX100が出てきたりします。HeadFiミートも見てると年配の人も多いですが、日本ではもっと年配の人が増えても良いように思います。
ヘッドフォン女子もいました。 一人で来てじっくり聴いてる女子もいましたね。あとカップルで来てる人もけっこういますが、女の子も彼氏の後ろで暇そうにしてるっていうよりは積極的に聴いてるようです。2人で会場を行ったり来たりしてましたが、どちらかというと女の子の方が熱心だったよう。

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全体に来ている人の感じはやはり日本のヘッドフォン祭と似ていますね。一般的なTDKとかパイオニアはいま一つで、Shure , Weatone, Grado, FitEar, JHA, A&K, FADなどのヘッドフォン・イヤフォン専門かマニアック系に人気があるようでした。一般の人もきてましたが、どちらかというとよく知っている人たちが来ていたようです。ただ日曜日は私はいませんでしたが、もう少し客層も変わったようです。シンガポール国軍らしき人もちらほら来てました。
プレーヤーに関してはiPhone直やiPod classicも多いけど須山さんあたりにくるような人はAK120とかDX100が多いようですね。わりと高価なAK120がすでに多いのも驚きです。二段の人もいるけどそう多くないように思えました。二段重ね組はやはり、GoVibe Porta Tubeなどでした。
最後までまだ粘ってる人が多いのもヘッドフォン祭と同じです。マニアが溜まってヘッドフォン話をしてるのはどこも同じ光景ですね。

* 感想

今回はいろいろな意味で私も勉強になりました。また、シンガポールのオーディオ系の人とも関係を深めることが出来ましたし、収穫多いシンガポール行でした。
うちのブログを翻訳して見てるひとも多いようで、ありがたいことです。

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何れにせよ、世界は広いよ、と思いました。日本のいいところも悪いところも、日本市場だけで完結できる/してしまうというところで外に出たがらない点ですね。こう言語も人も多様なシンガポールに居ると日本をそう見つめ直せます。向こうでは様々な価値観や文化が共存するというのが普通の日常なわけです。
私もこのMusic to Goの日本語のブログがこんなに世界で翻訳してもらいつつ読まれてるとは思わなかったし、実は須山さんがジェリーを超えるくらいの人気だったというのもすごいことです。これらも外に出て別な方向から見ないと分からなかったことです。

Mookヘッドフォンフェスティバルは今回は手始めにあえて小規模でやったという点もあったようで、すでにグレードアップした次回の構想を練っているようです。マレーシアはまだのようですが、タイやインドネシアはもう無視できない市場になりつつあります。
そのうちヘッドフォン祭とMookヘッドフォンフェスティバルが有機的に協力できるといいなと思います。ヘッドフォン祭も、もうアメリカからも人が来ています。このヘッドフォンやポータブル、PCオーディオという趣味はネットもベースにしていますので普段から国境を飛び越えることができます。また、こうしてたまに顔を合わせることで、関係や相互理解も一層ふかまります。それがこの新しい世界をいままでにない形で発展させて行くことでしょう。

Mookヘッドフォンフェスティバルの次回は今年12/13-15の週末に再びシンガポールで行い、次の週にはジャカルタでも開催するということです。これを見て興味を持った方はぜひ訪ねてみてください。
Wilsonが周囲の人から一目おかれるくらい商才ある存在だというのも向こうに行って関係者と話してよく分かりました。今後のJabenの展開に要注目ですね!
posted by ささき at 21:49 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月17日

ポータブル研究会2013夏レポート

この週末はフジヤさん主催のポータブル研究会イベントに行ってきました。これはヘッドフォン祭に比べて小規模ですが、よりマニアックな性質のイベントです。今日のマニアックなものが明日の一般になったりするので将来を占うという意味でも面白いイベントです。
500名ほどの来場者と言うことでしたが、いつもながらはじまりから終わりまで人の多さがほとんど変わらないという盛況ぶりというか、濃さ加減でした。

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以下イヤフォン・ヘッドフォンの試聴はAK120で、アンプの試聴はFitearパルテール(with BlackDragonケーブル)で聴いています。

まず今回はUltrasoneが普及価格帯のダイナミックイヤフォンを出してきたというのに驚きました。これはUltrasone Pyco(ピコ)という名称で、タイムロードさんにも数日前に届いたばかりのようでこのイベントが世界初のお披露目となると思います。価格は2万円前半を予定しているようです。
筺体的にはTioに似たアルミハウジングが特徴です。Ultrasoneのロゴも含めて外観的にはTioに似ていますね。6.5mmの小口径ダイナミックドライバーを採用しているということで、Shureやゼンハイザーなど小口径の高性能ダイナミックドライバーはちょっと流行りではありますね。
聴いてみましたがUltrasoneらしい音楽性の良さが特徴的で、音にダイナミックらしい暖かみと価格を超えるような深みがあります。楽器の音が明瞭で、音の広がりも良いですね。音的にはやはり今回会場で新製品では価格が似たようなKEFのイヤフォンよりも良くて、Pycoはけっこう欲しくなりました。

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こちらも初披露のゼンハイザーの新製品、モメンタム・オンイヤーです。現行モデルよりかなり小さく見えます。カラバリもきれいで、軽くて可愛い感じですね。これは女子向けとしても良いでしょう。音も現行モデルとは多少異なっているようでした。モデルさんは主催サイトのオトノートもオープンして波に乗ってる福島花乃さんです。

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下は話題のケーブルメーカーのCardasが作ったイヤフォンEM5813です。
価格はやや高く6万前後でフジヤさんでは5万前半くらいということです。ドライバーはダイナミックで音はかなり良かったですね。情報量も豊かですが、音のきつさがないのが良い点で、標準でリケーブルしているようなケーブルのグレードの高さも貢献していると思います。

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下はHifimanのRE600で4極ミニのバランスプラグはTRRSと呼ばれるものでHM901を持っている人にはお勧めです。RE600は音性能も高く、私は開発バージョンを聴いたことがありますが、音も外形もそれよりも進化していました。これも小口径高性能ドライバーですね。

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下はヘッドフォン祭でも開発バージョンの参考展示がありましたフォステクスのTE-05です。これは1万切るくらいと言うエントリー価格の割にはクリアで明瞭感が高い音質とMMCXプラグでリケーブル可能という点がポイント高いです。いつもながらフォステクス(フォスター)はドライバ提供メーカーということもありコストパフォーマンス高いですね。
最終版ということで前に聞いたのよりベースが抑え目でバランスが良くなってると思いました。

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下はJ-phonicのイヤフォンです。J-phonicはゼンザフォニックの社名が変わったそうで、カスタムのゼンザフォニックをあつかって経験を生かしてユニバーサルも作ったということのようです。
デュアBAドライバの構成で価格は39000円くらい、黒がスタンダードの音、赤はそれを柔らかめにしてチューニングを変えているということです。
黒の音は明瞭があって固めで、やはり赤の方が聞きやすい感じでした。黒と赤は価格はおなじということです。

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ONKYOも金曜日に発売されたばかりというHF300を出展していました。これはダイナミックドライバーで、音はバランスよく整った音でした。eonkyoの高品質音源を聞きたくなるような感じです。またケーブルも良いですね。これもMMCXでリケーブル可能です。MMCXが増えてきましたね。

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下はJabenのサプライズ出展のスリムポータブルアンプです。音に広がりがあり制動がすごくきいてる感じで、いかにもバランスっぽい感じです。音はニュートラルでクリア系ですね。聴いた人たちの評判も上々でした。
現在公開可能な情報:
名称はMarverik。光デジタル入力可能でバランス出力可能。バランス端子はRSAタイプの4ピン。デモ用についていたPro Oneイヤフォンはこのデモのために改造したものである。

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下はJaben扱いのPSBというカナダのスピーカーメーカーのヘッドフォンです。だいたい4万くらいになりそうとのことです。音が遠く感じるけど雰囲気感が良い感じで、スピーカーメーカーらしい音の作りかなと思います。

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こちらのクマはJabenの名の由来でJames & Benjyaminです。

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iriver(アユート)ではAK120の新ファームであるDSD再生のデモを行っていました。この新ファームは昨日公開されました。これについては別記事にしています

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Analog squre paperは6万円くらいのTu06というハイブリッドを出していました。ハイブリッドだけと真空管っぽさも残してる温かみがありました。

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完実さんではRATOCさんのバランスポータブルアンプのコンデンサを変えて音を聞いてもらおうというデモをやっていました。なかなかマニアックな試みです。

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なお今回からレポ用のカメラがPowershot s95からPowershot G15に変わりました。

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なぜレポ用に一眼レフではなくPoweshotを使うかと言うと、軽いからという他にセンサーサイズが小さいからです。センサーサイズが小さいというのは悪い方に言われることが多いんですが、レンズの焦点距離が小さくて済むのでピントの合う範囲が広く写りますのでこういうレポで便利です。
s95の後継のs110とい手もありますが、フラッシュが使いたいということと(今回は一部で270EXを使用)、あまり小さいとレンズ性能に制約を受けすぎるという理由でG15にしました。Gシリーズは重いというイメージでしたがG15ではわりと軽くなったということもあります。右肩の独立した露出補正ダイヤルもプラスですね。まあ一番の理由は前の日にうっかり中古ページを見てたら安くなってたということですが。
レポのみならず、なかなか一般使用でもよく写ってきれいに撮れるカメラです。

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今回はRWAK100-Sが間に合えば前回のRWAK100みたいにまた持ってくる予定でしたが、残念ながら間に合わず、いま米国からこちらに向かっているところです。

全体の印象としては今回は良いイヤフォンの新製品が目立っていたかなと思います。ヘッドフォンはモメンタム・オンイヤーはありましたが、全体ではいまひとつではあります。ヘッドフォン市場とは言いますが、最近はやはりイヤフォンにフォーカスが来ているように思います。Ultrasoneがイヤフォンに注力してきているのも興味深いですね。
個人的にはフォステクスTE-05とUltrasone Pyco、そしてOnkyoのHF300が価格的にも手頃で音も良いと思いました。また高いですが音的にはCardas EM5813も良かったように思います。全体にダイナミックの復権かと言う気もしますね。

それとシンガポールのJaben主催のヘッドフォンショウの案内も各ブースに行いました。興味のある方はどうぞJaben Japanに連絡してください
私はこれに参加する予定ですので、このヘッドフォンショウと新装なったJabenストアのレポート、シンガポールオーディオ事情などなどそのうちレポートしたいと思います。

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また、今回はあのChrod社の代表ジョン・フランクスが見に来てくれました。アジア巡回の途中でポータブル研究会にも立ち寄ってくれたようです。
私もいろいろとお話ししました。気さくで良い人ですが製品のことに関してはとても熱意と技術への誇りを持って語ってくれたのが印象的でした。会場を回ってポータブル文化にもいたく感心していたようでしたが、これが製品になにか良い影響を与えてくれることを願います!
posted by ささき at 22:50 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月11日

シンガポールのヘッドフォンショウへの出展サービス

フジヤさんのヘッドフォン祭にも毎回やってきておなじみのJabenですが、今度は8月の2-4にわたってJabenが主催してシンガポールでヘッドフォンショウを開催します。
これは"Mook Headphone Festival in Singapore"というものです。場所はシンガポールのコンベンションセンターです。Jaben Networkは現在8カ国・地域に21店舗を持っています。いまでは日本でも日本人の代表者(おおやまさん)がおります。ショウでは展示だけではなく、即売も可能ということです。

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このショウではWilsonさんもぜひ日本のメーカーにも参加いただきたいと言っています。ただ、なかなかシンガポールに出張と言うのもたいへんでしょう。そこでJabenが製品の展示・管理を現地スタッフに頼んでやってもらい保険もかけるというサービスを実施してくれるということです。費用はかかりますが、一日50SGD(4000円くらい)ほどだそうです。3日やってもさほどではないでしょう。
下記Jaben Japanのアナウンスによると手数料は無料で送料だけ負担してほしいということです。
https://www.facebook.com/JabenJapan
もちろん個人規模でも大丈夫です。もしこの出展サービスに興味あれば、ポータブル研究会の当日にJabenブースに立ち寄ってもらい、担当者(おおやまさん)に声をかけてください。Jaben経由でデモ機をむこうに送ってもらえると思います。
私に声をかけてもらってもかまいませんので紹介いたします。またポタ研参加企業でなくてもかまいませんし、イベントに間に合えばいいと思います。この辺はJaban Japanのおおやまさんに相談してください。
Jaben JapanのFacebookページはこちらです。
https://www.facebook.com/JabenJapan

シンガポールはアジアのハブとして機能している国です。私も一度行ったことがあります。(下記ホームページ)
http://www.asahi-net.or.jp/~eg3y-ssk/photo/tstar/singapore2004/index.htm
治安も生活レベルも良いですね、というか日本より上かと感心することもしばしば。この当時でバスにTVがついてタクシーは全車GPS付きでした。国が小さいので政府の統制がとりやすいようです。食事は安くうまいです。

Jabenは世界中にとても広いネットワークをもっていますので、特に日本以外の拡大するアジア市場に打って出たいというメーカーさんにはお勧めです。ぜひ世界雄飛を考えている人にはチャンスだと思いますので参加をお勧めします。次回以降はシンガポール以外での開催ともなるようですので、それもよい機会でしょう。
日本製品はそれだけでアドバンテージがあります。私がシンガポールにいったときに帰りにお菓子の土産を買おうとしたら、なにやら現地製なのにカタカナとか意味不明の日本語が書いてある商品がいくつか目につきました。聞いてみると、日本語らしい言葉がかいてあるとそれだけで高級な印象があるとのこと。世界各国でどの国が革新的、とアンケートをとったら欧州各国での一番は日本だったということもあります。
それだけ日本製品は支持されていますし、期待もされてます。ぜひこのヘッドフォン分野でも日本製品を世界に出したいと言う人は応募してみてください !
posted by ささき at 20:51 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする