前回のヘッドフォン祭ではレッドプルエアレースとかぶると言う(私にとって)非常事態のため、一日しか参加できず、しかも一日目はいろいろ仕事があったので結局レポートは書かなかったのですが、今回はたっぷりとレポートを書きました。
* Chord Mojo発表会
ここではアユートの藤川氏が概要を紹介したのちに、私がデモ機を使った使用感と音について述べ、その後にChordのジョンフランクスにインタビュー形式でMojoについて対談すると言う形で参加しました。
Mojoについては先に下記の記事を書きましたので、こちらを参照ください。
Chordの新しいポータブルDAC内蔵アンプ、Mojoレビュー
ジョンへのインタビューについては、なかでハイエンドメーカーとしてのポータブル市場への想いと言うことで、「日本に来た時、タバコケースでアンプ作って盛り上がったりとかエンスージアズム(マニアック)なこだわりを感じた。それは私が昔熱狂したセパレートコンポのHiFiと同じであり、我々が何かをしなければと思った。」と言う点が印象に残りました。
また注目すべきは今後のアクセサリー展開で、Mojoをモジュール的なアクセサリーで展開し、WiFi(DLNA)モジュール、Bluetoothモジュール、スマートフォンUSBモジュール(Appleカメコネ直さしみたいな)、そしてSDモジュール(単体プレーヤーみたいな機能)という形で展開していくという点です。まだ開発中でモックしかないそうですが、こういうものがほしいと思ってた人も多いでしょう。今後の展開に期待したいところです。
* AKT1pとGroovers発表会
こちらではやはりアユートの藤川氏が概要を紹介したのちに、私が音の感想を述べるという形で参加しました。
AKT1pはさきほど発売のあったベイヤーの第二世代テスラドライバーを使ったT1 2ndをベースにしたもので32オームのインピーダンスとしたモデルです。またケーブルもT1 2ndの使用に基づいて根元からリケーブルができます。
AKT1p
音質はフラッグシップらしい高いレベルで解像力もあり、上も下もよく出てる感じで、音場もかなり広い思います。
音性能的にはいうことはありませんが、一番感じたのはT1との音傾向の違いです。私はT1オリジナル、T5pオリジナル、AKT5pと使っていますが、もともとT1の音はT5pと比べた時に顕著ですが、かなり引き締まった音で贅肉がなく、端的に言うとクールでモニター的な感じでスタジオエンジニア向きかと思ってました。
このAKT1pの音を聞いたときに思ったのはT1オリジナルとは音の傾向が違うと言うことです。かなり暖かみのある音で、低音域が豊かです。音楽を聴くのが楽しく、オーディオリスナー向けになったように思います。
T1 2ndと直接比較していないのですが、この差は32オームの違いと言うのもありますが、それよりもT1 2ndで変えた点ではないかと思います。
ただし持ち運びできるとは言え、セミオープンなので電車では使えません。Ak380AMPなどでイヤフォンでは高音質で聴いているが、家でヘッドフォンで聴きたいと言う人に向いていると思います。
Grooversは待望のAKから直接ダウンロードできるサイトで、AKユーザーにより良い音源を提供して満足度を高めるというのが目的と言うこと。注目ポイントはあのDSDで知られるジャレッドさんのchannel classicsが配信されるということです。Channel Classicsについては前に書きましたのでこちらを参照ください。Grimm AudioのADコンバーターの上手な使用も光ります。これは2012年の情報ですが、今ではDSD専門サイトなども運営していますね。
クラシック向けDSD音源のサイト、オランダのChannel Classics
* AK380のDSD256対応
また驚いたのは今回の発表会でAK380のDSD256(11.2MHz)対応が実現したことです。これはダウンサンプリングではなく、ネイティブで実現しています。いよいよ来ましたね!
前回AK開発陣が来たときに、DSD11MHz対応について取り組んでくれそうだったので、しつこくやってやってとお願いした効果があったかもしれません(笑)。Astell&Kernってほんとによく声を吸い上げて真摯に対応してくれるのです。
AK380の仕様面での唯一の不満が克服され、あるべき姿になったということでますます魅力を高めるでしょう。またDSD256全体の普及にも貢献することでしょう。
* Fitear Air発表会
私は少し前からAirのデモ機を使う機会を得ていたので、ここでは須山さんと山口さんの解説の後に音や使用感のコメントを述べると言うことで参加しました。
FitEar Air
Fitear Airのポイントは端的に言うと、
*ハイブリッドカスタムとしてBAとダイナミックを採用し、ダイナミックはFOSTEX提供。
*ダイナミックをフルレンジとして採用し、BAを補助的に高音域に使う構成。
*閉鎖空間でのダイナミックの動作効率の問題を改善するために普通は遮音性を犠牲にしてベント穴を使用するが、遮音性を同時に満たすためにショートレッグシェルと言う工夫をした。
*ショートレッグシェルによりステムの断面積が上がったため、逆に装着性や音導穴の形状などの工夫の余地もできた。
外観的には空気ばねを減らすために工夫されたショートレッグが目を引きます。私みたいにカスタムをずっと使いこんでる人ほど違和感を抱くかもしれませんが、見た目の印象よりはきちんと耳にはまります。また実際に電車でもつかいましたが、普通のカスタムと同じくらいの遮音性があると思います。ダイナミックドライバーでかつカスタムの遮音性があると言うのがAirの特徴ですが、これは生きていると思います。
音質はまずぱっと聴きはダイナミックの音が支配的と感じます。文字通りダイナミックで迫力のある音はダイナミックドライバーならではのもので、BAだと低音域のインパクトがか細くなりがちですが、骨太で厚みのある音再現はダイナミックドライバーらしいところだと思います。全体の音のつながりもよいですね。AK Jrみたいな元気でパンチがあるプレーヤーと合わせてロックポップが楽しく聴けます。
また聴きこんでいくとダイナミックの音ではあっても、独特の音再現も持っているのがAirのポイントだと思います。普通のダイナミックだと丸く鈍く聞こえるようなところが、鮮明に明瞭感があって、楽器の音再現もクリアに聞こえます。ここはBAの隠し味が効いているように思います。
今までのFitearというかカスタムIEMにはなかった音でぜひ試聴してほしいですね。
* カスタム座談会 第二回
2日目は第二回のカスタム座談会の司会を務めました。
今回は前回と同じメーカーのほかにJH Audioのアンディ、Westoneはハンクに来てもらい国際色を高めました。そうそうたる顔ぶれですね、また内容もよりマニアックにして、1時間半ですが3つのみ(ハイブリッド、カスタムとユニバーサル、マルチドライバーの功罪)の議題で一テーマ30分も討議すると言う内容の濃いものになったと思います。アンディの陽気さとハンクの真面目さなど、メーカーのイメージをほうふつとされる点も面白かったと思います。開発者の方々の話を直接聞くことで、より製品に愛着がわいてくるのではと思います。
やっていて途中で内容がマニアックになりすぎたかなあとも思ったのですが、こちらから見ていても客席のほとんどの人は身を乗り出すように耳を傾けていたのでそのまま進めました。私自身も面白かったですね。
ぜひ次も開催したいものです。
* Shure KSE1500
今回のヘッドフォン祭でもMojoやFitear Airの他にさまざまな発表会が行われました。
特に注目されていたのはやはりShureが出したコンデンサー型のイヤフォンシステムであるKSE1500でしょう。
(右端はSHA900とLyra)
これはポータブルでSTAXのようなコンデンサー型を実現しただけではなく、密閉型とすることで実際に外で使いやすくしたものです。遮音性が高ければそれだけ細かい音が聴き取りやすくなりますのでこの点でもコンデンサー型に向いていますね。コンデンサー型では電圧をかけるために専用のドライバーが必要になりますが、ポータブルアンプに慣れてきた今のリスナーには問題になりにくいでしょう。またこのアンプ部分を切り離したSHA900というポータブルアンプも発売しています(上の右端)。
実際に使ってみましたが、取り回しの良さはさすがにShureという感じでコンパクトな筺体は他のイヤフォンと遜色ありません。装着感もよいですね。ただケーブルがやや太いのが難ですが特に耳に回しにくいというのはないように思いました。
KSE1500だとアンプとイヤフォンの一体の音評価となってしまいますが、なるべく切り離したかったのでSHA900の方も聞いてみました。SHA900自体はかなり着色感が少なく素直なアンプで、イヤフォンを生かそうとした設計であるのがうかがえます。KSE1500はいかにもコンデンサー型らしい歯切れの良さ・トランジェントの良さと音場の広さ、意外なほど広い帯域特性が感じられます。iPhoneで使うと96/24対応の内蔵DACも素直な音作りのように思います。アナログ入力もありますが、こちらはちょっとコメント保留しておきます。
発表会にも参加してみました。8年開発していたそうで、プロトタイプをたくさん作ってきたということ。
コンデンサ型の利点は軽い振動板で音声信号に素早く反応できる(慣性が少ない)こと、従来のマルチBA(846)と比べても過渡特性に優れるそうで、ソースに忠実である。また従来のコンデンサ型と比べると、はるかに小さいので、小型化に苦心したとのこと。
ケーブルも従来の(静電容量を減らすための)幅広ではなく、ポータブルらしい丸型にするのに苦心したそうです。あくまでポータブルでの使い勝手にこだわっていたことがうかがえます。
8年前にはポータブルアンプもあまり一般的ではなく、開発途中で機能を追加していった(アナログ入力の追加、iPhone対応)ため、回路も工夫して普通は4層程度だが10層ものPCBを採用したということ。
SE846ではノズルインサートで音を変えたが、1500ではイコライザーで音を変えたいとのこと。4バンドでパラメトリックイコライザーを搭載しています。
アナログ入力の場合はデジタルセクションをバイパスできる機能もあります。
私的に思ったのは最近LyraやAKT8iのようにシングルダイナミックのハイクラス機が流行ってきだしたのは、ひとつにはマルチBAのドライバー数競争というところとは別な方向性の模索のひとつだと思います。しばらく前にデジタルカメラの画素数競争が頭打ちに来た時に手ぶれ補正など別な方向に打開策をもとめて市場が動いたように。KSE1500もそのひとつではないかということです。実際に開発者のマット自身もシングルでどこまで行くかやりたかったそうで、新しい試みをしたかったということです。
ただしデジカメもいったん壁を破るとまた画素数競争に戻っていますので、技術動向というのはどうなるかわかりません。
* NighthawkとBeetle
D&Mではこの前書いたNighthawkの設計者であるSkylar Grayによる解説トークショウと新製品Beetleの発表がありました。
Beetleの発表を行ったスティーブ・シルバーマンは開発マネージャーでコンピュータとオーディオの融合を図りたいということです。もとはエアーに居てアシンクロナスUSBのDAC(QB-9でしょうね)を作っていたそう。ただAudioquestでもっと価格の安いものを作りたかったということです。Droagonflyを作ってたようで、おそらくゴードンのAQでのカウンターパートなのでしょう。
Beetleは光デジタルもついたUSB DACでUSBとしてはAndroidとかさまざまなコンピュータと最適に接続できるそう。
Blueetoothのアシンクロナス機能を始めて搭載したというのが売りですが詳細ははよくわかりません。これちょっと残念なことに(USBバスパワー以外は)AC電源なのです。バッテリーで動作するならもう少し興味を持って聞いたんですが。。ただこの価格できちんとファームアップができたり、コンピューターとオーディオの融合と言うのはわかります。ヘッドフォン祭でポータブル方面にもっと興味を持ってもらうことを期待しています。aurender flowなんかは据え置きなのにバッテリー搭載できるので注目されたわけですからね。
NighthawkではSkylar Grayが発表しました。この前の記事と内容はかぶりますが、彼はヘッドフォンの開発責任者でWestoneにいました。Nighthawkはゼロから作って、自由度があったそうです。
ドライバー技術ではハイエンドのラウドスピーカー技術をどのようにヘッドフォンに適用するかを工夫したそう。ラバーサラウンド(ロールエッジ)でNighhawkが均質なピストンモーションが出来るデモを見るとドライバーの効果的な動作がよくわかります。エッジがあると振動の跳ね返りがなく不要な鳴きがないとのこと。
スプリットギャップは溝によって磁力が両端にあり影響範囲を広げられます。これで低音域の信号歪みが下がるわけです。
またスピーカー応用としてはボイスコイルフォーマー(ボビン)がありますし、アコースティック・リキッドウッドを採用してイヤーカップ(キャビネット)もスピーカーに近い切削ではできない構造を可能にしています。補強リブでカップの変異が少ないわけです。
最新技術では3次元のデフュージョングリルで背面のエアフローが複雑に拡散するのがポイントで、従来の二次元グリルだとそのまま戻ってくるエアーが拡散して効果的に動きます。これは3Dプリンタでのみ製作が可能ということ。
エルゴノミクスではサスペンションシステムで4つのラバーで支持して自由に動くのがポイントです。ワンサイズ・フォー・オール(日本語で言うとフリーサイズ)といっていました。
Nighthawkについては下記記事をご覧ください。
AudioQuestのヘッドフォン、NightHawkレビュー
* Dita Dream発表会
Trueが好評のDitaでは次世代モデルの開発発表ががありました。まだ実機はないのでコンセプトの発表になります。
発表会は15Fアユートブースで代表のダニー・タン氏によって行われました。Ditaの設計の思想であるシンプルさや、シンプルななかでも細かな工夫点(暗くても小さな突起で左右がわかるなど)が解説されました。
Dreamの筐体はチタンで作ってるのがまずポイントです。今回はリケーブル(カスタマイズ版?MMCX)で作ったのでハウジングが大きくなったそうで、チタンの採用は音質面だけでなくサイズ変更による重心の変化も考慮したそうです(チタンの方が軽く作れるから)。この辺も機械加工系に強いDitaのバックボーンがあるのでしょう。
もうひとつの今回のポイントの一つはawesome plugというプラグシステムです。これは先端が外れるので2.5mmバランス/3.5mmに付け替えられます。なぜリケーブルができるのにプラグも変えられるのか、と思うかもしれません。ここが実は本当のポイントで、ケーブル交換はMMCXといっても独自?仕様になるかもしれないのでケーブル交換はどちらかというと断線対策です。これはDitaの製品が比較的高いので長く使って欲しいからだそう。ただしプラグはいろんな規格が出る可能性があるので、プラグの2.5mmバランスと3.5mmは変えられるようにしたということ。つまりAnswerがプラグやケーブルを含めてトータルでこだわったように次回もおそらくトータルにこだわりの音設計をするのは変わりなく、リケーブルできるからってDita自体のポリシーが変わったわけではないということでしょう。
Dreamの価格はわかりませんが、シングルダイナミックのハイエンド機の選択がまた増えると言うことになりそうです。
* イヤフォン系新製品
今回よかったイヤフォンの一つは1964 ADEL(アデル)です(下画像)。すっきりと抜けよく音場も広い感じで、生っぽく鮮度感高いリアルな印象。ADEL独自のベント機構は写真で見るといじれそうですが自動のみということで、手では動きません。音源のレベルで自動調整されるとか。ところで私のKickstarterのダイナミック版は...
ちなみにADELと独自ベント機構についいてはこちらの記事を参照ください。
1964earsのKickstarterキャンペーンと耳を守るRealLoud技術
Campfire Audioの新製品であるOrionとJupiterもありました。さきほどからシングルダイナミックの隆盛とShure KSE1500をマルチBAに対する反動と書いてきましたが、実はこのOrionとJupiterもBAながらまた別なベクトルを持ったその仲間と言えるかもしれません。この辺はKenさんに技術について聞いたのでまた別に記事にします。
Jabenのブースではさまざまなドライバー数のユニバーサルの新型が展示されていました。音場が広くリッチな音で、6,9,10,12のドライバーバリエーションがあると言うことです。
音茶楽さんのブースではオープンエアの開放感と密閉の両立ということで新方式を採用した「ちょんまげ3号」が出ていました。たしかに独特の音場感覚です。
また意外と面白かったのは語学学習用と言う「ちょんまげ君」で、実際にiPhoneに入っていたTOEICリスニングテストアプリを使ってみたら、英語が苦手の人が感じるところの発音のごにょごにょっとしたところが少なくなり、かなり発音が明瞭に聴き取りやすくなります。上下の帯域をカットしたということで学生さんにはお勧めです。
* ポータブルアンプ系新製品
トップウイングさん扱いのAROMA A10はよかったですね。ジャズトリオなど聴くとスピードとか音のキレの良さが気持ち良く、かなりレベル高いと思います。
またA10に外部電源つけると音が上質になり、ヘッドフォンつけて家用でもよいですね。出力はトランジスタで、前段のオペアンプは交換可能ということ。
Jabenではphatlabという真空管を使用したアンプの大きいのと小さいのが展示されていました(下画像)。大きい方(左)は出力はトランス入ってると言うことで、ポータブルと言うにはいささか重いんですが、音はかなり良かったですね。小さい方も真空管らしい感じでなかなかよかったと思います。どちらもレイセオン製真空管です。
ANALOG SQUARED PAPER(A2P)さんでは新しいタイプのSIT仕様の電流駆動型ポータブルアンプ(07)を聴いてみました(下画像)。Campfire Lyraで聴きましたが真空管っぽいと言うSITの良さがわかるようで滑らかで高性能と言うことでかなりよかったですね。時代がシングルのダイナミックタイプイヤフォンが流行ってくると、電流駆動型のアンプが脚光を浴びてくることになるかもしれません。
* ヘッドフォン系新製品
ゼンハイザーではHD800の新型HD800Sが発表されました。これはHD800の上位版でHD800は併売するそうです。HD800の薄く聞こえる部分をを濃くしてもっと中音域重視にした感じで、ヴォーカルも聴きやすく、モニター的だったHD800がよりリスニング向けになった感じです。細部もより細やかで高音質音源の繊細なニュアンスがわかります。全体のレンジも上がってるそうです。
HifimanではHE1000のedition Xがよかったですね(下画像)。より鳴らしやすくなりポータブル機器でも大丈夫だそうです。試聴機では3.5mmミニケーブルがついていました。音のレベルはHE1000ゆずりでかなり高いと思います。
MrSpeakerの平面型Etherも発表が行われました。開放型と密閉型があります。これもかなり音質は高く、Alpha dog(いわゆるRP mod)とはもう別物です。特に開放型モデルは音の歯切れの良さが際立っていて驚くほどの音質でした。
* デジタルプレーヤー系新製品
今回DAPはかなり出ていたのですが、なかでもOnkyo/パイオニアのブースは人気があったようです。Onkyoのモデルを聴きましたが、素のAndroidを使用していてアプリの操作性もよい感じでした。音はハイレゾソース狙いと言う感じで解像感重視と言う感じでしょうか。2.5mmバランスを選んだのは薄さからということです。
ベンチャークラフトのVALOQもなかなか面白く、小さく軽いボディでUIは独自仕様です。音は元気でパンチがあると言う感じでしょうか。アナログ出ししてアンプを外付けにするとまた別の印象があるかもしれません。
* Westoneの3Dスキャン
今回はWestoneブースでカスタムイヤフォンの3Dスキャンを体験してみました。これをベースにS20を製作する予定です。
これはレーザーによる非接触タイプで、時間は5-10分ほどです。耳にかける白いリングは位置の検出用で、センサーが光りながらその位置を特定するようです。
液晶とPCにスキャンの状態がまるでペイントソフトのように描かれていき、塗り絵を塗りつぶすようにスキャンしていきます。画面に指示が出るのでベテランでなくても出来るということ(実際はやや難しいようです)。
終わったら「データはもうWestoneに送られたよ」と言われてちょっとびっくりというか軽いショックを覚えます。わたしのように以前から耳型を取ったら、国際便で郵便局に行って送ってどきどきしながら到着を待つ、と言うプロセスを経た人には驚きです。これで耳に負担をかけずに納期の短縮もできるそうです。医療資格が不要というのもポイントですが、この辺はグレーゾーンかも。
この方式にも長短があり、耳型を取るときはベテランが経験から毛穴とか細かいところを補ったり推測したりするのですが、こういう点についてはWestoneは長い経験からソフト的に(?)補完することをしているということ。
また自動でカスタムができるようでいて、最後にドライバー詰めてばりとって綺麗にするのは人力ということ。それにしてもカスタムも進化したものです。
この辺も次のカスタム座談会で取り上げていきたいですね。
と、いうわけで次のヘッドフォン祭にも期待です !
Music TO GO!
2015年10月30日
2015年10月23日
ヘッドフォン祭2015秋の私的見どころ
さて、今年も秋のヘッドフォン祭の時期となりました。今週末に中野サンプラザで開催されます。
今年の私的見どころですが、まずは期待のCHORDのMojoですね。
土曜日の午前に6Fチャペルで発表会が行われます。発表会では私も出席してCHORDのジョンフランクス氏も交えてお話をしたいと思います。
(発表会はプレス限定となります)
ところで、Mojoの発表を見て、音質は良さそうとはいえDAC内蔵ポータブルアンプは珍しくないと思った人もいるかもしれません。もしかするとそこで興味深い話が聴けるかもしれません。MojoはMojoのみにあらず、"Mojo Concept"がキーとなるかもしれません。
またT1 2ndをAK仕様としたAKT1pも11:30からチャペルで発表会があります。こちらはフリー参加です。私はAKT1pも少し使わせてもらったのですが、こちらでも登場させてもらいコメントなどを述べる予定です。
それとアユートさんではもう一つ、Ditaの新製品も発表会があります。10/24(土)14:00〜 10/25(日)13:00〜の二回行います。
場所は15Fリーフルーム(Astell&Kern / aiuto ブース内)です。さてAnswerで人気を博したDitaの新製品はどういうものなのでしょうか。
また土曜日の15:00からはチャペルで待望の須山さんの製品説明会も行われます。内容は当日に発表されます。これにも参加させていただく予定です。
そして2日目のトリを飾るのが第二回のカスタム座談会です。(日)16:15〜17:45で、場所は6F チャペルです。
今回は私が司会を務めさせてもらい、私自身の興味を交えて、前回よりマニアックに、国際色も加えて行おうと思っています。
MixwaveではCampfire Audioの新作であるOrionとJupiterも展示予定だそうです。Lyraを作ったCampfireのBAの新作、という以上に実はこのOrionとJupiterはいままでのBAイヤフォンにはない独自の特徴を持っています。
OrionとJupiterも私のところにいまデモ機があるのですが、Lyra同様に音質も期待できると思います。
またD&MさんのところではNighthawkの開発者であるSkylar Grayが来てトークショウをするようですので、Nighthawkに興味ある方は是非どうぞ。10 月 24 日(土) 13:30 〜 14:30 / 10 月 25 日(日) 11:00 〜 12:00で場所は6F D&Mイベントブース
近日発売予定の製品の話もあるかも。
音茶楽さんのところでは新技術をもちいた新製品が展示されますのでこちらも楽しみなところです。
おなじみJabenでは人気のPorta Tube新型の他になにか隠し玉が出るかも??
A2PさんもJabenブースで展示するようです。
iFIでもトルステン博士が来日して新製品の発表を行うようです。
10/24 13:15〜14:15 iFi Audio 新製品発表会
トップウイングさんも大量の新製品を用意してますので、ブースで見られることでしょう。
Shureもすごい製品を発表しましたので、もちろん注目です。
Mojoにしろ、Shureにしろ、やはりポータブルが目玉のヘッドフォン祭とは言えますね。
今年の私的見どころですが、まずは期待のCHORDのMojoですね。
土曜日の午前に6Fチャペルで発表会が行われます。発表会では私も出席してCHORDのジョンフランクス氏も交えてお話をしたいと思います。
(発表会はプレス限定となります)
ところで、Mojoの発表を見て、音質は良さそうとはいえDAC内蔵ポータブルアンプは珍しくないと思った人もいるかもしれません。もしかするとそこで興味深い話が聴けるかもしれません。MojoはMojoのみにあらず、"Mojo Concept"がキーとなるかもしれません。
またT1 2ndをAK仕様としたAKT1pも11:30からチャペルで発表会があります。こちらはフリー参加です。私はAKT1pも少し使わせてもらったのですが、こちらでも登場させてもらいコメントなどを述べる予定です。
それとアユートさんではもう一つ、Ditaの新製品も発表会があります。10/24(土)14:00〜 10/25(日)13:00〜の二回行います。
場所は15Fリーフルーム(Astell&Kern / aiuto ブース内)です。さてAnswerで人気を博したDitaの新製品はどういうものなのでしょうか。
また土曜日の15:00からはチャペルで待望の須山さんの製品説明会も行われます。内容は当日に発表されます。これにも参加させていただく予定です。
そして2日目のトリを飾るのが第二回のカスタム座談会です。(日)16:15〜17:45で、場所は6F チャペルです。
今回は私が司会を務めさせてもらい、私自身の興味を交えて、前回よりマニアックに、国際色も加えて行おうと思っています。
MixwaveではCampfire Audioの新作であるOrionとJupiterも展示予定だそうです。Lyraを作ったCampfireのBAの新作、という以上に実はこのOrionとJupiterはいままでのBAイヤフォンにはない独自の特徴を持っています。
OrionとJupiterも私のところにいまデモ機があるのですが、Lyra同様に音質も期待できると思います。
またD&MさんのところではNighthawkの開発者であるSkylar Grayが来てトークショウをするようですので、Nighthawkに興味ある方は是非どうぞ。10 月 24 日(土) 13:30 〜 14:30 / 10 月 25 日(日) 11:00 〜 12:00で場所は6F D&Mイベントブース
近日発売予定の製品の話もあるかも。
音茶楽さんのところでは新技術をもちいた新製品が展示されますのでこちらも楽しみなところです。
おなじみJabenでは人気のPorta Tube新型の他になにか隠し玉が出るかも??
A2PさんもJabenブースで展示するようです。
iFIでもトルステン博士が来日して新製品の発表を行うようです。
10/24 13:15〜14:15 iFi Audio 新製品発表会
トップウイングさんも大量の新製品を用意してますので、ブースで見られることでしょう。
Shureもすごい製品を発表しましたので、もちろん注目です。
Mojoにしろ、Shureにしろ、やはりポータブルが目玉のヘッドフォン祭とは言えますね。
2015年08月19日
Mookヘッドフォン祭ふたたび
一昨年、Jabenの主催するMookヘッドフォンフェスティバルが開催され、私も参加してきました。
こちらに記事があります。
第一回目レポート
http://vaiopocket.seesaa.net/article/371709927.html
第二回目レポート
http://vaiopocket.seesaa.net/article/383005102.html
昨年は都合により開催がなかったのですが、今年の12月にふたたび開催するようです。場所はなんとグレードアップしてあの屋上にプールのあるマリーナ・ベイ・サンズのコンベンション・センターを使うということのようです。上のレポートにサンズの屋上からの写真がありますが、ここに来るとシンガポールがいかに発展して貿易のハブになっているかがわかります。
参加ご希望の方、メーカーさんはJaben Japanのおおやまさんに連絡をしてください。
今年はさてどんなことになるのか興味津々ですね。
こちらに記事があります。
第一回目レポート
http://vaiopocket.seesaa.net/article/371709927.html
第二回目レポート
http://vaiopocket.seesaa.net/article/383005102.html
昨年は都合により開催がなかったのですが、今年の12月にふたたび開催するようです。場所はなんとグレードアップしてあの屋上にプールのあるマリーナ・ベイ・サンズのコンベンション・センターを使うということのようです。上のレポートにサンズの屋上からの写真がありますが、ここに来るとシンガポールがいかに発展して貿易のハブになっているかがわかります。
参加ご希望の方、メーカーさんはJaben Japanのおおやまさんに連絡をしてください。
今年はさてどんなことになるのか興味津々ですね。
2015年07月11日
ポタ研2015夏
ポタ研というと荒天をイメージしてしまいますが、今日は梅雨明けを思わせるような見事な晴れとなりました。
アユートさんのブースでは謎のAK T1なる一体型システムが展示されていました。これはAK240相当のオーディオ回路にスピーカーを一体化させたもののようです。ウーファーは側面についています。
背面にはsdスロット、USBスロット、光入力、アナログin。があり、底面にはバスレフポート、イーサネットポートがついています。
AK380は好評ですでに持っている人もかなり多かったようです。
Timelordさんのところでは、Edition MとTTでデモをしていました。Edition Mはなかなか好評だったようです。
ミックスウエーブさんではCDMがメイン、今回は注目度高いようです。ヴァンナイズさんのケースも参考出品されていました。
須山さんとこでは着せ替え工房さんのフェイスプレートが面白いところ。これは後で貼れるようになってる別パーツなので、すでに持ってるIEMにもつけられます。
Just earも人気。MH1とMH2では現在は2の方が多いそうで、2の中のタイプはわりとバランスよく別れてるそうです。本格的に普及し出して安定してきた感じでしょうか。
JabenはDSD対応したporta tubeなどを展示していました。Porta tubeも名作というか、着実に進化してますね。 あと小さなDAPのhippo muもけっこう良かった。x2もですけど、こういう44/16のみの小さいDAPもひとつの流れになっても良いかなあと。
ポタ研はふた部屋になったので、前回の強烈な人口密度がやや緩和して良い感じでした。
ただ人気のところはけっこういっぱいですね、やはり。
アユートさんのブースでは謎のAK T1なる一体型システムが展示されていました。これはAK240相当のオーディオ回路にスピーカーを一体化させたもののようです。ウーファーは側面についています。
背面にはsdスロット、USBスロット、光入力、アナログin。があり、底面にはバスレフポート、イーサネットポートがついています。
AK380は好評ですでに持っている人もかなり多かったようです。
Timelordさんのところでは、Edition MとTTでデモをしていました。Edition Mはなかなか好評だったようです。
ミックスウエーブさんではCDMがメイン、今回は注目度高いようです。ヴァンナイズさんのケースも参考出品されていました。
須山さんとこでは着せ替え工房さんのフェイスプレートが面白いところ。これは後で貼れるようになってる別パーツなので、すでに持ってるIEMにもつけられます。
Just earも人気。MH1とMH2では現在は2の方が多いそうで、2の中のタイプはわりとバランスよく別れてるそうです。本格的に普及し出して安定してきた感じでしょうか。
JabenはDSD対応したporta tubeなどを展示していました。Porta tubeも名作というか、着実に進化してますね。 あと小さなDAPのhippo muもけっこう良かった。x2もですけど、こういう44/16のみの小さいDAPもひとつの流れになっても良いかなあと。
ポタ研はふた部屋になったので、前回の強烈な人口密度がやや緩和して良い感じでした。
ただ人気のところはけっこういっぱいですね、やはり。
2015年06月23日
ヘッド-フォンアワード2014-2015の動画アップ
先日記事を書きましたが、音楽出版社「ヘッド-フォンアワード2014-2015」の表彰式の模様がアップされました。
2015年06月02日
ヘッドフォン祭2015春で“ヘッドフォンアワード2014-2015”授賞式を開催しました
「ヘッドフォンブック」(音楽出版社刊)では毎年“ヘッドフォンアワード”として10名のオーディオ評論家と2名のショップコンシェルジュによりその年のベストモデルを選定しています。私もオーディオ評論家の一人として参加しています。
これまでは紙上での発表のみでしたが、今年の「ヘッドフォンブック2015」における“ヘッドフォンアワード2014-2015”では初の試みとして実際に表彰式を開催して、盾を授与することにしました。その場所としてふさわしいところとしてヘッドフォン祭2015春を選びました。場所は発表会が行われるチャペルで行いました。時間は初日の最後のイベントとして設定しました。私はスタッフとして参加して授賞式では司会・進行を務めました。
このヘッドフォンオーディオの分野も長いのですが、この分野における特化したアワードとして“ヘッドフォンアワード2014-2015”では10名のオーディオ評論家と2名のショップコンシェルジュにより雑誌上で選定するということで、中立性と信頼性が高いものだと思います。
“ヘッドフォンアワード2014-2015”ではイヤフォンとヘッドフォンそれぞれにエントリークラス賞 / ミドルクラス賞 / アッパークラス賞 / 大賞の4部門、ポータブルプレーヤーやヘッドフォンアンプなどを対象にした周辺機器部門賞、ロングセラー機に与えられる“ヘッドフォンの殿堂”を設けています。これらは紙面と同じものです。
また今回から紙面のものとは別に特別賞を設けました。これは技術や活動などヘッドフォン分野に貢献があったと思われるものを編集部のほうで選定したものです。第一回目としてはイヤフォン・ヘッドフォンで安全な音を楽しむための啓もう活動として"Safe Listening"に送られました。ホームページに加え、雑誌広告への出稿、各国販売店への協力依頼、関係各機関への働きかけなどの活動が評価されました。
式ではまず挨拶オーディオ評論家・岩井 喬氏に総評をいただきました。
各部門ではオーディオ評論家がプレゼンテーターとなり、ひとことその分野のコメントをされてから、各受賞者に盾を授与するという形で進めていきました。
イヤフォン部門のプレゼンテーターは小原由夫氏です。
イヤフォン部門の各受賞者は次の通りです(以下登壇順です)。
(左から) エントリークラス賞 ソニーXBA-100 ソニー株式会社 鈴木貴大氏
ミドルクラス賞 茶楽音人 Donguri-楽 TTR株式会社 篠塚順正氏
アッパークラス賞 オーリソニックスASG1Plus-Black Aurisonics CEO デール・ロット氏
大賞 オーディオテクニカATH-CKR10 株式会社オーディオテクニカ 松永貴之氏
ヘッドフォン部門のプレゼンテーターは野村ケンジ氏です。
ヘッドフォン部門の各受賞者は次の通りです。
エントリークラス賞 シュアSRH144 Shure Inc. マット・エングストローム氏(右)とショーン・サリバン氏
ミドルクラス賞 オーディオテクニカATH-MSR7 株式会社オーディオテクニカ 松永貴之氏
アッパークラス賞 OPPO PM-1 OPPO Digital Japan株式会社 松浦 亮氏
大賞 ソニーMDR-Z7 ソニー株式会社 井出賢二氏
周辺機器部門賞とヘッドフォンの殿堂のプレゼンテーターは大塚康一氏です。
各受賞者は次の通りです。
周辺機器部門賞 アステル&ケルンAK120II アイリバー ソニア・ナ氏
ヘッドフォンの殿堂 AKG Q701 ハーマンインターナショナル株式会社 須藤嘉範氏
特別賞のプレゼンテーターは山本耕司氏です。
特別賞 「SAFE LISTENING」 株式会社 須山歯研 須山慶太氏
ちなみにこちらは司会・進行のわたしです。
この授賞式はなかなか好評で、ヘッドフォン祭2日目では盾をブースにさっそく誇らしげに飾ってくれたところもあるようです。Aurisonicsのデールなどはいたく気に入ってくれ、帰国後にFacebook広告でわざわざ盾と一緒にブツ撮りした写真を使って広告したほどです。
今回のヘッドフォン祭ではHeadFiや中国ネットコミュニティのキーメンバーとあったりしたんですが、日本の動向というのは他の国も注目していますので、今後なにかグローバルな視点も取り入れられないかとちょっと思ったりもしています。
これまでは紙上での発表のみでしたが、今年の「ヘッドフォンブック2015」における“ヘッドフォンアワード2014-2015”では初の試みとして実際に表彰式を開催して、盾を授与することにしました。その場所としてふさわしいところとしてヘッドフォン祭2015春を選びました。場所は発表会が行われるチャペルで行いました。時間は初日の最後のイベントとして設定しました。私はスタッフとして参加して授賞式では司会・進行を務めました。
このヘッドフォンオーディオの分野も長いのですが、この分野における特化したアワードとして“ヘッドフォンアワード2014-2015”では10名のオーディオ評論家と2名のショップコンシェルジュにより雑誌上で選定するということで、中立性と信頼性が高いものだと思います。
“ヘッドフォンアワード2014-2015”ではイヤフォンとヘッドフォンそれぞれにエントリークラス賞 / ミドルクラス賞 / アッパークラス賞 / 大賞の4部門、ポータブルプレーヤーやヘッドフォンアンプなどを対象にした周辺機器部門賞、ロングセラー機に与えられる“ヘッドフォンの殿堂”を設けています。これらは紙面と同じものです。
また今回から紙面のものとは別に特別賞を設けました。これは技術や活動などヘッドフォン分野に貢献があったと思われるものを編集部のほうで選定したものです。第一回目としてはイヤフォン・ヘッドフォンで安全な音を楽しむための啓もう活動として"Safe Listening"に送られました。ホームページに加え、雑誌広告への出稿、各国販売店への協力依頼、関係各機関への働きかけなどの活動が評価されました。
式ではまず挨拶オーディオ評論家・岩井 喬氏に総評をいただきました。
各部門ではオーディオ評論家がプレゼンテーターとなり、ひとことその分野のコメントをされてから、各受賞者に盾を授与するという形で進めていきました。
イヤフォン部門のプレゼンテーターは小原由夫氏です。
イヤフォン部門の各受賞者は次の通りです(以下登壇順です)。
(左から) エントリークラス賞 ソニーXBA-100 ソニー株式会社 鈴木貴大氏
ミドルクラス賞 茶楽音人 Donguri-楽 TTR株式会社 篠塚順正氏
アッパークラス賞 オーリソニックスASG1Plus-Black Aurisonics CEO デール・ロット氏
大賞 オーディオテクニカATH-CKR10 株式会社オーディオテクニカ 松永貴之氏
ヘッドフォン部門のプレゼンテーターは野村ケンジ氏です。
ヘッドフォン部門の各受賞者は次の通りです。
エントリークラス賞 シュアSRH144 Shure Inc. マット・エングストローム氏(右)とショーン・サリバン氏
ミドルクラス賞 オーディオテクニカATH-MSR7 株式会社オーディオテクニカ 松永貴之氏
アッパークラス賞 OPPO PM-1 OPPO Digital Japan株式会社 松浦 亮氏
大賞 ソニーMDR-Z7 ソニー株式会社 井出賢二氏
周辺機器部門賞とヘッドフォンの殿堂のプレゼンテーターは大塚康一氏です。
各受賞者は次の通りです。
周辺機器部門賞 アステル&ケルンAK120II アイリバー ソニア・ナ氏
ヘッドフォンの殿堂 AKG Q701 ハーマンインターナショナル株式会社 須藤嘉範氏
特別賞のプレゼンテーターは山本耕司氏です。
特別賞 「SAFE LISTENING」 株式会社 須山歯研 須山慶太氏
ちなみにこちらは司会・進行のわたしです。
この授賞式はなかなか好評で、ヘッドフォン祭2日目では盾をブースにさっそく誇らしげに飾ってくれたところもあるようです。Aurisonicsのデールなどはいたく気に入ってくれ、帰国後にFacebook広告でわざわざ盾と一緒にブツ撮りした写真を使って広告したほどです。
今回のヘッドフォン祭ではHeadFiや中国ネットコミュニティのキーメンバーとあったりしたんですが、日本の動向というのは他の国も注目していますので、今後なにかグローバルな視点も取り入れられないかとちょっと思ったりもしています。
2015年05月15日
ヘッドフォン祭2015春の見どころ
さて、いよいよ今週末はヘッドフォン祭です。そこで私的なヘッドフォン祭の見どころを書いておきます。
まずなんといっても今回はAstell & Kernの次世代フラッグシップ、リトルモンスターのようなAK380の発表会です。一般向けは6Fチャペルで12:00から行います。展示は15Fでも行われます。試聴は整理券方式となりますのでご注意ください。
これはAk240の時と同様に私がプレゼンを務めます。いろいろと策を練っていますが、AK380にふさわしい濃い内容にしたいと思います。
また今回は私もライターとして書いている音楽出版社さんのヘッドフォンブック2015の恒例であるヘッドフォンアワードの表彰式を開催する予定です。ここでは私は司会進行を務める予定です。この表彰式ではヘッドフォンアワードの各賞に加えて特別賞を設けています。
一般公開もされる予定なのでどうぞいらしてください。17:00から18:00まで6Fチャペルで行います。
メーカーでは6Fに今回初参加のVinnieさん(Red Wine Audio/Vinnie Rosi)が注目です。メインはキャパシタ(コンデンサー)による仮想バッテリーのような駆動方式と、モジュラー式の拡張性を持ったLIOです。これはUSB DACやヘッドフォンアンプのほかにもフォノモジュールなどを追加できます。私が翻訳した日本語版のカタログもあると思います。
またVinnieさんといえばやはりプレーヤー改造もののRWxxですが、今回もRWAKシリーズなどの試聴機を持ってきてもらえるようにお願いしています。それとALOとの共同によるContinental Dual Monoもこちらでも展示する予定です。こちらは超高性能ポータブルDAC内蔵アンプです。
Jabenは今回6Fになります。Vinnieさんと隣り合わせです。
オーディオテクニカIMシリーズ用のSpiral Strand交換ケーブルがメインということで、これは音を聴いてみましたが、より力強さが増して音の制動がより効くようになり音の歯切れが良くなります。特にベースの刻みが気持ち良いですね。オーテクファンの方はチェックしてください。
またGlove S1国際版の展示、A2PとのコラボBaby 05、Abysまた平面型ヘッドフォンの新作ももしかして、というのがあるようです。
トップウイングさんでは私が前にレポートしたLotoo PAW Goldの普及機である。PAW 5000が展示されます。こちらは単にコストダウン版ではなく、AKタイプの2.5mmバランス端子を備えているなど興味深いモデルです。また静電型ヘッドフォンで海外で話題のKing soundのヘッドフォンも展示されます。あとはiFIのiDAC2も注目でしょうね。
今回からHiFimanはトップウイングさんの扱いではなくなります。ただし新製品の展示は行われ、11Fロビーです。今回はRE1000、HE1000などの展示が行われるようです。RE1000はダイナミック型2ドライバーのカスタムでフルレンジ+ウーファーという構成のようです。ハイブリッドカスタムが隆盛を見せる中、フルダイナミックカスタムというのもなかなか期待できるのではないでしょうか。
イヤフォンでは須山さんのところが謎の44xを明らかにし、441(44.1kHz)という小型プレーヤー(xDuoo X2ベース)ということがわかりました。これはカスタム購入した人のノベルティになるそうです。あとは萌音の進化版ですね。それと痛DAPバージョンのM3も見られるかもしれません。13Fです。
ALOのKenさんがCampfire Audioという新しいブランドを立ち上げるのも注目ください。ミックスウェーブさんのブースへどうぞ。
ヘッドフォンでは注目はCanJamでも話題だったDharma D-1000です。静電型(セルフバイアスタイプ)とダイナミックの2Way機です。これは完実さんブースです。
またパイオニアのフラッグシップヘッドフォン、SE-Master1も注目ですね。
2日目はカスタム座談会が開催されて、カスタムメーカーの方を囲んでの濃いトークが繰り広げられるのでこちらもどうぞ。
今回は私はレッドブルエアレース観戦と重なったため、土曜日にしか参加できませんが楽しみな週末です。
まずなんといっても今回はAstell & Kernの次世代フラッグシップ、リトルモンスターのようなAK380の発表会です。一般向けは6Fチャペルで12:00から行います。展示は15Fでも行われます。試聴は整理券方式となりますのでご注意ください。
これはAk240の時と同様に私がプレゼンを務めます。いろいろと策を練っていますが、AK380にふさわしい濃い内容にしたいと思います。
また今回は私もライターとして書いている音楽出版社さんのヘッドフォンブック2015の恒例であるヘッドフォンアワードの表彰式を開催する予定です。ここでは私は司会進行を務める予定です。この表彰式ではヘッドフォンアワードの各賞に加えて特別賞を設けています。
一般公開もされる予定なのでどうぞいらしてください。17:00から18:00まで6Fチャペルで行います。
メーカーでは6Fに今回初参加のVinnieさん(Red Wine Audio/Vinnie Rosi)が注目です。メインはキャパシタ(コンデンサー)による仮想バッテリーのような駆動方式と、モジュラー式の拡張性を持ったLIOです。これはUSB DACやヘッドフォンアンプのほかにもフォノモジュールなどを追加できます。私が翻訳した日本語版のカタログもあると思います。
またVinnieさんといえばやはりプレーヤー改造もののRWxxですが、今回もRWAKシリーズなどの試聴機を持ってきてもらえるようにお願いしています。それとALOとの共同によるContinental Dual Monoもこちらでも展示する予定です。こちらは超高性能ポータブルDAC内蔵アンプです。
Jabenは今回6Fになります。Vinnieさんと隣り合わせです。
オーディオテクニカIMシリーズ用のSpiral Strand交換ケーブルがメインということで、これは音を聴いてみましたが、より力強さが増して音の制動がより効くようになり音の歯切れが良くなります。特にベースの刻みが気持ち良いですね。オーテクファンの方はチェックしてください。
またGlove S1国際版の展示、A2PとのコラボBaby 05、Abysまた平面型ヘッドフォンの新作ももしかして、というのがあるようです。
トップウイングさんでは私が前にレポートしたLotoo PAW Goldの普及機である。PAW 5000が展示されます。こちらは単にコストダウン版ではなく、AKタイプの2.5mmバランス端子を備えているなど興味深いモデルです。また静電型ヘッドフォンで海外で話題のKing soundのヘッドフォンも展示されます。あとはiFIのiDAC2も注目でしょうね。
今回からHiFimanはトップウイングさんの扱いではなくなります。ただし新製品の展示は行われ、11Fロビーです。今回はRE1000、HE1000などの展示が行われるようです。RE1000はダイナミック型2ドライバーのカスタムでフルレンジ+ウーファーという構成のようです。ハイブリッドカスタムが隆盛を見せる中、フルダイナミックカスタムというのもなかなか期待できるのではないでしょうか。
イヤフォンでは須山さんのところが謎の44xを明らかにし、441(44.1kHz)という小型プレーヤー(xDuoo X2ベース)ということがわかりました。これはカスタム購入した人のノベルティになるそうです。あとは萌音の進化版ですね。それと痛DAPバージョンのM3も見られるかもしれません。13Fです。
ALOのKenさんがCampfire Audioという新しいブランドを立ち上げるのも注目ください。ミックスウェーブさんのブースへどうぞ。
ヘッドフォンでは注目はCanJamでも話題だったDharma D-1000です。静電型(セルフバイアスタイプ)とダイナミックの2Way機です。これは完実さんブースです。
またパイオニアのフラッグシップヘッドフォン、SE-Master1も注目ですね。
2日目はカスタム座談会が開催されて、カスタムメーカーの方を囲んでの濃いトークが繰り広げられるのでこちらもどうぞ。
今回は私はレッドブルエアレース観戦と重なったため、土曜日にしか参加できませんが楽しみな週末です。
2015年04月02日
CanJamでの新製品についてなど
先週末にロスアンゼルスで開催されたHeadFiのイベントCanJamの試聴レポートなどが下記にあがってきています。これを見ていて感じたことをちょっと書いていきます。
http://www.head-fi.org/t/758649/canjam-socal-2015-impressions-thread
個人的に見ていて気になったのは先日のビデオでは出ていなかったんですが、おなじみALOの新製品、Continental Dual Monoです。これはDAC内蔵のポータブルアンプで、いままでのContineltalとは完全別で$1500というハイエンド製品です。
ビンテージNOSの6111サブミニ管を使用したアンプはDCDC回路など昇圧なしでノイズレスを重視、トップモデルのWM8741を採用したDAC部分、クロックジェネレーターIC、iOS入力対応のデジタル入力などなど優れたオーディオ回路と、真空管が見れるゴリラガラスのウインドウなどデザイン的にも優れています。オーディオあたりはVinnieさん設計です。
下記リンクに詳細があります。
http://www.head-fi.org/t/760478/the-all-new-continental-dual-mono
ALOのところではiModやRWAKでもおなじみのVinnieさんのLIOも展示されてますね。これはコンデンサーベースの仮想バッテリー(?)のような電源とモジュラー式に機能をくみ上げる点が特徴的です。電源は弱いどころかかなり駆動力も高いようです。スマートフォンからのリモート操作にも対応していて、機能はフォノアンプ、ヘッドフォンアンプ、DACなどを自由に組み合わせられるようで、オールインワンのオーディオ機器になるように考えられています。
ちなみにLIOではブランド名が"Red Wine Audio"から"Vinnie Rossi"に変わっています(会社名は変わらず)ので、これはVinnie Rossi LIOになります。リンクは下記です。
http://vinnierossi.com/
またCavalliのポータブルアンプであるCavalli Siliconも注目です。Cavalliのフルディスクリート設計と言うことで、音質評価も上々です。
みたところ背面にアナログ入力があって前面に3.5mm出力が2個出ていますが、PONO(SONY)バランスでしょうかね?上位の新型Cavalli Carbon(ミドルクラス据え置き)はフルバランスです。
デザインは無難ですがシャーシは航空機グレードアルミなので実際に持つと質感は高いでしょう。SiliconはDACなしポータブルアンプとしてはひさびさに気になる製品です。
電流出力ハイレゾプレーヤーのQueStyle QP-1/1Rも音質はなかなか良いようです。ただしHD800をデモに使ったと言いますが、QP-1は電流出力と言う特徴がありますのでフルサイズヘッドフォンをうまく鳴らせたからと言って、BAマルチのイヤフォンで楽々というわけには単純にいかないかもしれません。その辺が気になるところです。
それとPeachTreeのShiftもビデオにはありませんでしたが、会場では展示されていたようです。これはCESでも展示がありましたが、革貼りの筐体と言い、機能と言い、Oppo HA-2を強く意識したようなDAC内蔵ポータブルアンプです。
またビデオになかった新製品ではNobleがスピーカーを出しています。HeadFiのコメントではスタジオモニターと言う言い方をしている人もいますが、さてどうなんでしょうか。NobleもBluetoothモジュールともども多角化していきますね。
新型のヘッドフォンではEnigma AcousticsのハイブリッドDharma D-1000の評価が高いように思います。AKG K340はちょっと色もの扱いと言う点もありますが、いよいよこの静電+ダイナミックの2wayスタイルも完成系になったんでしょうか。
http://www.head-fi.org/t/750437/enigmacoustics-dharma
Etherは評価はいろいろありますが、どの製品も人によってけっこうばらつきがあって、こればかりは自分で聴いてみないとですね。
さて、そろそろ5/16,17のヘッドフォン祭の準備もはじまっておりますが、上のうちのいくつかはヘッドフォン祭で見られるかも?!
http://www.head-fi.org/t/758649/canjam-socal-2015-impressions-thread
個人的に見ていて気になったのは先日のビデオでは出ていなかったんですが、おなじみALOの新製品、Continental Dual Monoです。これはDAC内蔵のポータブルアンプで、いままでのContineltalとは完全別で$1500というハイエンド製品です。
ビンテージNOSの6111サブミニ管を使用したアンプはDCDC回路など昇圧なしでノイズレスを重視、トップモデルのWM8741を採用したDAC部分、クロックジェネレーターIC、iOS入力対応のデジタル入力などなど優れたオーディオ回路と、真空管が見れるゴリラガラスのウインドウなどデザイン的にも優れています。オーディオあたりはVinnieさん設計です。
下記リンクに詳細があります。
http://www.head-fi.org/t/760478/the-all-new-continental-dual-mono
ALOのところではiModやRWAKでもおなじみのVinnieさんのLIOも展示されてますね。これはコンデンサーベースの仮想バッテリー(?)のような電源とモジュラー式に機能をくみ上げる点が特徴的です。電源は弱いどころかかなり駆動力も高いようです。スマートフォンからのリモート操作にも対応していて、機能はフォノアンプ、ヘッドフォンアンプ、DACなどを自由に組み合わせられるようで、オールインワンのオーディオ機器になるように考えられています。
ちなみにLIOではブランド名が"Red Wine Audio"から"Vinnie Rossi"に変わっています(会社名は変わらず)ので、これはVinnie Rossi LIOになります。リンクは下記です。
http://vinnierossi.com/
またCavalliのポータブルアンプであるCavalli Siliconも注目です。Cavalliのフルディスクリート設計と言うことで、音質評価も上々です。
みたところ背面にアナログ入力があって前面に3.5mm出力が2個出ていますが、PONO(SONY)バランスでしょうかね?上位の新型Cavalli Carbon(ミドルクラス据え置き)はフルバランスです。
デザインは無難ですがシャーシは航空機グレードアルミなので実際に持つと質感は高いでしょう。SiliconはDACなしポータブルアンプとしてはひさびさに気になる製品です。
電流出力ハイレゾプレーヤーのQueStyle QP-1/1Rも音質はなかなか良いようです。ただしHD800をデモに使ったと言いますが、QP-1は電流出力と言う特徴がありますのでフルサイズヘッドフォンをうまく鳴らせたからと言って、BAマルチのイヤフォンで楽々というわけには単純にいかないかもしれません。その辺が気になるところです。
それとPeachTreeのShiftもビデオにはありませんでしたが、会場では展示されていたようです。これはCESでも展示がありましたが、革貼りの筐体と言い、機能と言い、Oppo HA-2を強く意識したようなDAC内蔵ポータブルアンプです。
またビデオになかった新製品ではNobleがスピーカーを出しています。HeadFiのコメントではスタジオモニターと言う言い方をしている人もいますが、さてどうなんでしょうか。NobleもBluetoothモジュールともども多角化していきますね。
新型のヘッドフォンではEnigma AcousticsのハイブリッドDharma D-1000の評価が高いように思います。AKG K340はちょっと色もの扱いと言う点もありますが、いよいよこの静電+ダイナミックの2wayスタイルも完成系になったんでしょうか。
http://www.head-fi.org/t/750437/enigmacoustics-dharma
Etherは評価はいろいろありますが、どの製品も人によってけっこうばらつきがあって、こればかりは自分で聴いてみないとですね。
さて、そろそろ5/16,17のヘッドフォン祭の準備もはじまっておりますが、上のうちのいくつかはヘッドフォン祭で見られるかも?!
2015年03月26日
JudeによるHeadFiのCanJam紹介ビデオと数々の新製品
この週末はHeadFiでも最大のイベントであるCanJamがロスアンゼルスのサウスコーストプラザ・モールにて開催されます。そこでJudeが紹介ビデオをアップしています。数々の新製品がビデオレビューされていますのでぜひご一覧ください。
Part1とPart2に分かれています。
まずPart1ですが、下記リンクにてビデオが見られます。私の私的興味のあるものをいくつか紹介していきます。
http://www.head-fi.org/t/741136/canjam-socal-2015-march-28-29-2015-only-3-days-away/840#post_11425416
下記説明は私が聞き取りしたものですので念のため。数字はビデオのタイミングです。
2:18Audeze EL8は特にクローズの音が向上したようです。
9:50レイラとアンジー、AKT5pはAstell&Kernのブースで紹介しています。それとカスタム版レイラはCanJamには出ないように思えます。
14:21 Colofly系のLuxualy presision LP5の紹介です。最新L5の方は不明です。Cyan N6なども紹介されています。
16:29 SchiitのフラッグシップDACであるユグドラシルDACの紹介です。これはDSPデジタルフィルターもさることながら、なんとR2R(マルチビット)DACです。海外ではマルチビットDACというよりR2R(レジスター トゥ レジスター)のほうが一般的な呼び方です。噂されていたようにディスクリートではなくDAC ICを使うタイプでAD5791 BRUZというDAC ICを使います。スペックシートを見ると20bit精度のようですね。BRUZは高級(選別?)タイプです。
またラグナロクはユニバーサルアンプと呼ぶハイパワーアンプでヘッドフォンもスピーカーも鳴らせるところが特徴です。
18:49にラグナロクのリレー式のステップアッテネータのカチャカチャいう音でJudeが遊ぶところが収録されりています。
29:20 にはAurender flowとともにAurender CastFiというキッチンなんかで使うTVでスティック型のコンピューターと合わせてストリーミングで使うようなものも紹介されています。
Part2のビデオでは声が枯れて準備で疲れてるかもしれませんね。Part2はこちらです。
http://www.head-fi.org/t/741136/canjam-socal-2015-march-28-29-2015-only-3-days-away/1065#post_11442629
まずHifiManです。HE100は真空管ハイブリッドでUSB DAC付き、$500くらい。HE901Sも出てます。
4:16 HE10000の生産版が紹介されています。グリルが横棒となって新デザインとなっています。Judeはドライバーが消えてしまうようなサウンドだと言っています。私も生産版をちょっと聴きましたが、前より自然というか音楽的に向上しています。価格が$2,999と発表されてますが、性能的にはHD800はずっと超えてて、これに比較するのはSR009とかAbyssだと思いますのでまあ良いところだと思います。
13:47 ChordではHugo TTが紹介されていて、HE1000との組み合わせが聴きものだって言ってます。
18:47 MrSpeakerのここで初披露のEther(イーサー)という平面型の新型ヘッドフォンが紹介されています。平面型でAlpha Primeで採用された技術とともに広いダイヤフラムでオープン型です。RP modではなく新設計です。側圧を適正化できる形状記憶のヘッドバンドなどかなり新しいところも入っていますね。これはプロトタイプで$1499、能率高いということです。
22:13 AyreのUSB DACのCodex(コーデックス)です。CESに出てました。あとPonoはAyreのブースで展示されるようです。
24:08 ハイエンドで高駆動力ヘッドフォンアンプで海外では定評あるCavalli Audioが普及価格のLiquid Carbonを出してます。バランス入力もバランス駆動も可能のようです。おそらく純粋ヘッドフォンアンプです。
24:59ではカスタムIEMも使えるノイズの低さでFitEarが写ってますね。
25:29なんとCavalliがポータブルヘッドフォンアンプも出してます。フルディスクリート設計で名前はPortable(仮?)です。Cavaliは評価高いので要注目かも。
29:18 NobleのBluetooth、BTSプロトタイプです。ショートケーブルも用意するけど、Noble専用ではないようです。
33:57 静電型のスーパーツイーターで知られるEnigma Acousticが出したDharma D1000 ハイブリッドです。CESに出てました。 静電型と和紙ダイナミックのハイブリッドです。AKG K340を持ち出して比較していますね。Judeは音もいい(Wow!)って言ってます。A1というECC82使ったヘッドフォンアンプもありますが、D1000はセルフバイアスのタイプなのでSTAXのような専用ドライバーは不要です。
41:27 Darin Fongのスピーカーエミュレータ(out of your head)も出てますね。
41:55 電流出力ヘッドフォンアンプ作ったQuestyleのQP1電流出力ハイレゾプレーヤーです。Rは高級版。iPhone生産で知られるFoxconnで作ってるのもポイントで、PAW Goldとも中国製も品質でも勝負できるようになってきたのかも。
DSDは単体ネイティブかも?電流出力なのでクロスオーバーのあるIEMには向かない気もしますが、QP1は出力インピーダンスも売りにするちょっと特徴的なところがあります。
AyreやDharmaみたいにCESで出てた機種が実際に発表されてるのも見どころですし、HE1000、Nighthawk、EL8、Ether、Dharmaとヘッドフォンが良いのも今年の特徴を占うようです。
さて本番が楽しみなところです。
Part1とPart2に分かれています。
まずPart1ですが、下記リンクにてビデオが見られます。私の私的興味のあるものをいくつか紹介していきます。
http://www.head-fi.org/t/741136/canjam-socal-2015-march-28-29-2015-only-3-days-away/840#post_11425416
下記説明は私が聞き取りしたものですので念のため。数字はビデオのタイミングです。
2:18Audeze EL8は特にクローズの音が向上したようです。
9:50レイラとアンジー、AKT5pはAstell&Kernのブースで紹介しています。それとカスタム版レイラはCanJamには出ないように思えます。
14:21 Colofly系のLuxualy presision LP5の紹介です。最新L5の方は不明です。Cyan N6なども紹介されています。
16:29 SchiitのフラッグシップDACであるユグドラシルDACの紹介です。これはDSPデジタルフィルターもさることながら、なんとR2R(マルチビット)DACです。海外ではマルチビットDACというよりR2R(レジスター トゥ レジスター)のほうが一般的な呼び方です。噂されていたようにディスクリートではなくDAC ICを使うタイプでAD5791 BRUZというDAC ICを使います。スペックシートを見ると20bit精度のようですね。BRUZは高級(選別?)タイプです。
またラグナロクはユニバーサルアンプと呼ぶハイパワーアンプでヘッドフォンもスピーカーも鳴らせるところが特徴です。
18:49にラグナロクのリレー式のステップアッテネータのカチャカチャいう音でJudeが遊ぶところが収録されりています。
29:20 にはAurender flowとともにAurender CastFiというキッチンなんかで使うTVでスティック型のコンピューターと合わせてストリーミングで使うようなものも紹介されています。
Part2のビデオでは声が枯れて準備で疲れてるかもしれませんね。Part2はこちらです。
http://www.head-fi.org/t/741136/canjam-socal-2015-march-28-29-2015-only-3-days-away/1065#post_11442629
まずHifiManです。HE100は真空管ハイブリッドでUSB DAC付き、$500くらい。HE901Sも出てます。
4:16 HE10000の生産版が紹介されています。グリルが横棒となって新デザインとなっています。Judeはドライバーが消えてしまうようなサウンドだと言っています。私も生産版をちょっと聴きましたが、前より自然というか音楽的に向上しています。価格が$2,999と発表されてますが、性能的にはHD800はずっと超えてて、これに比較するのはSR009とかAbyssだと思いますのでまあ良いところだと思います。
13:47 ChordではHugo TTが紹介されていて、HE1000との組み合わせが聴きものだって言ってます。
18:47 MrSpeakerのここで初披露のEther(イーサー)という平面型の新型ヘッドフォンが紹介されています。平面型でAlpha Primeで採用された技術とともに広いダイヤフラムでオープン型です。RP modではなく新設計です。側圧を適正化できる形状記憶のヘッドバンドなどかなり新しいところも入っていますね。これはプロトタイプで$1499、能率高いということです。
22:13 AyreのUSB DACのCodex(コーデックス)です。CESに出てました。あとPonoはAyreのブースで展示されるようです。
24:08 ハイエンドで高駆動力ヘッドフォンアンプで海外では定評あるCavalli Audioが普及価格のLiquid Carbonを出してます。バランス入力もバランス駆動も可能のようです。おそらく純粋ヘッドフォンアンプです。
24:59ではカスタムIEMも使えるノイズの低さでFitEarが写ってますね。
25:29なんとCavalliがポータブルヘッドフォンアンプも出してます。フルディスクリート設計で名前はPortable(仮?)です。Cavaliは評価高いので要注目かも。
29:18 NobleのBluetooth、BTSプロトタイプです。ショートケーブルも用意するけど、Noble専用ではないようです。
33:57 静電型のスーパーツイーターで知られるEnigma Acousticが出したDharma D1000 ハイブリッドです。CESに出てました。 静電型と和紙ダイナミックのハイブリッドです。AKG K340を持ち出して比較していますね。Judeは音もいい(Wow!)って言ってます。A1というECC82使ったヘッドフォンアンプもありますが、D1000はセルフバイアスのタイプなのでSTAXのような専用ドライバーは不要です。
41:27 Darin Fongのスピーカーエミュレータ(out of your head)も出てますね。
41:55 電流出力ヘッドフォンアンプ作ったQuestyleのQP1電流出力ハイレゾプレーヤーです。Rは高級版。iPhone生産で知られるFoxconnで作ってるのもポイントで、PAW Goldとも中国製も品質でも勝負できるようになってきたのかも。
DSDは単体ネイティブかも?電流出力なのでクロスオーバーのあるIEMには向かない気もしますが、QP1は出力インピーダンスも売りにするちょっと特徴的なところがあります。
AyreやDharmaみたいにCESで出てた機種が実際に発表されてるのも見どころですし、HE1000、Nighthawk、EL8、Ether、Dharmaとヘッドフォンが良いのも今年の特徴を占うようです。
さて本番が楽しみなところです。
2015年02月14日
ポタ研レポート2015春
昨年は大雪で大変なことになったポタ研ですが、今回はうららかに晴れて春を思わせる中での開催となりました。
今回の目玉の一つは昨年から話題となっていてCESデビューしたAudioQuestのヘッドフォン、Nighthawkです。この発表会が開催されました。
なぜケーブル専業に思えるAudioQuestがヘッドフォンをと言うかもしれませんが、逆説的ながらNighthawkの特徴は一言でいうとAudioQuestらしいヘッドフォンということです。
どういうことかというと、まず第一はAudioQuestはヘッドフォンを作ったことがないので伝統がなく、一から作れたということです。つまりこれが他のヘッドフォンの延長上ではなく、スクラッチビルドされた設計だということです。そのためにこれまでにないユニークな特徴を持ってます。これはヘッドフォンメーカーではないAudioQuestゆえの良いところでしょう。
具体的にはまずラウドスピーカー(ヘッドフォンに対しての普通のスピーカー)で用いられる技術を随所に採用してます。例えばハウジングの裏側はまるでスピーカーのキャビネットのように吸音材や補強材が施されています。バイオセルロースの振動板の周辺にはサラウンドと呼ばれるスピーカーでいうエッジがあります。これらは従来のヘッドフォンにはなかったもので、Nighthawkはラウドスピーカーのミニチュアのようなものです。
ヘッドフォンはよくスピーカーを例に取られますが実は両者は別々の進化をしてきたということも再認識させてくれます。
またNighthawkでは装着性にもこだわっています。ヘッドバンドはよく見られるノッチやバーで上げ下げするのではなく独自のサスペンションでフィットするように作り、リキッドウッドという木だけど液状に加工できるハウジングで音響的に有利でかつたくさん人に合うように理想の形を作っています。
卵の殻から作ったという人工皮革のイヤパッドはよく馴染むとともに経年劣化のさいの交換も容易です。
ケーブルはAudioQuestの得意とするところで、高純度の線材を採用するとともに4芯でバランスにも対応可能です。
また細部のこだわりは付属のミニと標準プラグの変換プラグにも及び、一般的なニッケルメッキされたブラス素材とはことなりシルバーコートされた銅を使用しています。
Nighthawkはセミオープンで、ダイアモンド形状グリルのディフューザーで背圧のエアフローを整えるのは蝶の一種から着想を得たということで、これは3Dプリンタでないと作れないような構造だそうです。
こうした新しいアイディアを投入して、Nighthawkを設計したのはSkylar Greyという人で、HeadFiメンバーでもありHeadFiでNighthawkの書き込みをしてます。彼はもとはWestoneでカスタムIEMやイヤフォン開発に携わってきた人で、2年の歳月をかけてNighthawkを開発しました。サブウーファーを作ってたこともあるようで、もともとラウドスピーカーの素養を持ってたようです。
Nighthawkは少し聞いただけですが、明瞭感とクローズっぽい密度感が両立されている感じですね。インパクトが強く、 三次元的な立体感も感じられます。
それと装着感はかなり独特なものがあり、なかなか良い感じです。
なぜAudioQuesutがDragonflyやNighthawkのようなケーブル以外の製品も作るのか、と聞いたところ、このオーディオの世界は急激に変化してるので、顧客がほしいと思っているものを我々も作っていきたいのだと言っていました。
次はNightowlというクローズタイプを作るということですので楽しみにしたいところです。
もう一つAK500N試聴会もありました。大入り満員で立ち見も出てましたね。
スピーカーはELAC、プリメインアンプにマークレビンソンの新型とハイエンドのシステムを使用しています。
一曲目でヴォーカルが浮き上がるように鮮明に耳に飛び込んできます。パーカッションのデモ曲での立体感と打楽器の色彩感再現も見事ですね。AK500Nはなかなか真面目に作られていると思います。
そして、こちら。「究極のポータブルシステム」です。
アユートさんのブースは14Fにもあり、こちらではレイラとアンジー試聴の長い列ができていました。またこの前書いたSONY ZX1用のGloveAudio S1も人気だったようです。S1はアユートさんではすべてシルバーカラーの国内タイプを販売します。
こちらはAk240SS(ステンレス)です。筐体の金属素材が異なるとグランドの特性が異なるので音質も異なるということです。国内価格はまだ未定ということです。
またこちらはアユートさんで新規導入のMaster&Dynamicのヘッドフォンとイヤフォンです。ヘッドフォンはなかなか精密に作りになってモノ的な魅力があります。ヘッドフォンもイヤフォンもiPhoneで聴くとなかなか良い音でした。
Oppo JapanではヘッドフォンアンプのHA2と、平面型クローズタイプのPM3でポータブルに向けたシステムを展開していました。HA2は昨年のポタフェスより改良をして音をよりイヤフォン向けになったということです。また大きな改良点として、前はiPhoneと接続する際にはmicroBの口にカメラコネクションキットを使って接続していましたが、この新しいタイプではUSB Aの口がついて、USB-ライトニングケーブルで簡単に接続が可能になりました。Android対応もあるそうです。
これらはOppo Japanが積極的に日本市場に合わせたリクエストをし、Oppo側も日本の市場が重要だということを踏まえて改良をしてくれているということです。
PM3はケーブルが4本線なのでバランス化も期待できそうです。3/20に発売予定で、HA2は39000円くらい、PM3は55000円くらいと価格が安いのも魅力的です。
FitEarブースでは彩、fitearとともにショコラという謎のイヤフォンが展示されていました。ショコラについてはまだしばらく謎ということだそうですので。。
また今回初見参の「須山ジャンク堂」ではこの前記事を書いたShanling M3が展示されていましたが、もう少し販売まで時間がかかりそうです。アンプのH1はすでに販売されています。これらはSNSでのコミュニケーションをしながら育てていくというスタンスを取っていくそうです。
Mixwaveでは1964ADELの展示がありました。ADEL技術については下記記事を参照してください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/408595702.html
これは固定ベントのタイプで、ベントの効果の有り無しを試すことはできませんでしたが、聞いてみるとたしかに詰まったものが取れてすっきりしたという感じはあります。ADELベントによって低域が漏れるということはないようで、他の人が試しているときにも音が漏れてくるということはないようでした。
Jaben JapanではGloveAudio S1のブラックが展示されていました。これは国際版です。またER4SのSpiralStrandケーブルも出ていました。
またCalyx Mのオプションバッテリー(上右)も展示されていました。これは裏蓋を外して内部の電池を取り換えて使うタイプでこれで11時間の動作ができるということです。
A2PさんではSITを採用したTR07hpの完成版(下)が展示されていました。これには電流駆動タイプと電圧駆動タイプがあります。電流駆動タイプはシングルドライバー(クロスオーバーなし)のダイナミックヘッドフォンに向いていて、電圧駆動はクロスオーバーのあるマルチウエイBAなどに向いています。
マス工房ではmodel 404という巨大なポータブルアンプが出ていましたが、これはAbyss用のポータブルだそうです。海外需要があるということ。なかなかパワフルな音でしたね。
iFIでは日本企画でiBalance(下)というヘッドフォン(Sonyタイプバランス)をiDSDのRCAアウトからバランスで聴くためのものが展示されていました。意外と良い音でした。
またiAtteneterというイヤフォンのために抵抗入れてアッテネートするためです。
またPAW VEというPAW Goldの元モデル(上右)も展示されていました。PAW Goldは販売も好調で制作元が驚くほどだそうです。すでにけっこう出てますが返品率はほぼゼロだそうで、さすがナグラ品質。こうしたことはそのうち中国製品のイメージを覆してくれるでしょう。
テックウインドではWestoneのUM56(下)を展示していました。これはユニバーサルのチップとして使用するカスタムイヤチップです。耳型を送って注文し、シリコンのカスタムチップを作ってくれます。かなり豊富なカラー選択もできます。23000円ということ。カスタムではES60が売れてるそうで、これも製造元が驚くほどだそう。
WagnusではPONO用のDiamond dust type Aenigmaというブルガリア線材を作ったケーブルが興味をひきました(下)。K10で聴いてみました。私はいつもはBlackDragonで柔目なPONOの音を再生させてるけど、これだとPONOのより性能が高い面を引き出せるようです。ドライでなく、PONOの良いところも持ってますね。例のフラッグシップは速攻売り切れだそう。
前にうちのブログでARM1の記事を書きましたが、その後継であるAcoustic Research M2(ARM2)も展示されていました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/373836210.html
パッと見るとARM1とARM2は違うんですが、よく見るとARM1とデザインが似てて、ボリュームダイヤルとか底面のプラグも似てます。背面デザインも似て、大きくなってAndroidになった感じです。
音はARM1に比べてよりワイドレンジで音も洗練されて整った感じ。HiFi的で性能は良くなった感じとは言えますが、ARM1のちょっとした個性だったダイレクト感というか鮮度感の高さは薄れています。
今回もなかなか濃くて面白いイベントでした。いままではイヤフォン優位でしたが、Nighthawk、PM3、そしてAKT5pと高性能ヘッドフォンが再び注目を浴びてきたのも面白いですね。
今度はいよいよヘッドフォン祭ですので、またまた楽しみです。
今回の目玉の一つは昨年から話題となっていてCESデビューしたAudioQuestのヘッドフォン、Nighthawkです。この発表会が開催されました。
なぜケーブル専業に思えるAudioQuestがヘッドフォンをと言うかもしれませんが、逆説的ながらNighthawkの特徴は一言でいうとAudioQuestらしいヘッドフォンということです。
どういうことかというと、まず第一はAudioQuestはヘッドフォンを作ったことがないので伝統がなく、一から作れたということです。つまりこれが他のヘッドフォンの延長上ではなく、スクラッチビルドされた設計だということです。そのためにこれまでにないユニークな特徴を持ってます。これはヘッドフォンメーカーではないAudioQuestゆえの良いところでしょう。
具体的にはまずラウドスピーカー(ヘッドフォンに対しての普通のスピーカー)で用いられる技術を随所に採用してます。例えばハウジングの裏側はまるでスピーカーのキャビネットのように吸音材や補強材が施されています。バイオセルロースの振動板の周辺にはサラウンドと呼ばれるスピーカーでいうエッジがあります。これらは従来のヘッドフォンにはなかったもので、Nighthawkはラウドスピーカーのミニチュアのようなものです。
ヘッドフォンはよくスピーカーを例に取られますが実は両者は別々の進化をしてきたということも再認識させてくれます。
またNighthawkでは装着性にもこだわっています。ヘッドバンドはよく見られるノッチやバーで上げ下げするのではなく独自のサスペンションでフィットするように作り、リキッドウッドという木だけど液状に加工できるハウジングで音響的に有利でかつたくさん人に合うように理想の形を作っています。
卵の殻から作ったという人工皮革のイヤパッドはよく馴染むとともに経年劣化のさいの交換も容易です。
ケーブルはAudioQuestの得意とするところで、高純度の線材を採用するとともに4芯でバランスにも対応可能です。
また細部のこだわりは付属のミニと標準プラグの変換プラグにも及び、一般的なニッケルメッキされたブラス素材とはことなりシルバーコートされた銅を使用しています。
Nighthawkはセミオープンで、ダイアモンド形状グリルのディフューザーで背圧のエアフローを整えるのは蝶の一種から着想を得たということで、これは3Dプリンタでないと作れないような構造だそうです。
こうした新しいアイディアを投入して、Nighthawkを設計したのはSkylar Greyという人で、HeadFiメンバーでもありHeadFiでNighthawkの書き込みをしてます。彼はもとはWestoneでカスタムIEMやイヤフォン開発に携わってきた人で、2年の歳月をかけてNighthawkを開発しました。サブウーファーを作ってたこともあるようで、もともとラウドスピーカーの素養を持ってたようです。
Nighthawkは少し聞いただけですが、明瞭感とクローズっぽい密度感が両立されている感じですね。インパクトが強く、 三次元的な立体感も感じられます。
それと装着感はかなり独特なものがあり、なかなか良い感じです。
なぜAudioQuesutがDragonflyやNighthawkのようなケーブル以外の製品も作るのか、と聞いたところ、このオーディオの世界は急激に変化してるので、顧客がほしいと思っているものを我々も作っていきたいのだと言っていました。
次はNightowlというクローズタイプを作るということですので楽しみにしたいところです。
もう一つAK500N試聴会もありました。大入り満員で立ち見も出てましたね。
スピーカーはELAC、プリメインアンプにマークレビンソンの新型とハイエンドのシステムを使用しています。
一曲目でヴォーカルが浮き上がるように鮮明に耳に飛び込んできます。パーカッションのデモ曲での立体感と打楽器の色彩感再現も見事ですね。AK500Nはなかなか真面目に作られていると思います。
そして、こちら。「究極のポータブルシステム」です。
アユートさんのブースは14Fにもあり、こちらではレイラとアンジー試聴の長い列ができていました。またこの前書いたSONY ZX1用のGloveAudio S1も人気だったようです。S1はアユートさんではすべてシルバーカラーの国内タイプを販売します。
こちらはAk240SS(ステンレス)です。筐体の金属素材が異なるとグランドの特性が異なるので音質も異なるということです。国内価格はまだ未定ということです。
またこちらはアユートさんで新規導入のMaster&Dynamicのヘッドフォンとイヤフォンです。ヘッドフォンはなかなか精密に作りになってモノ的な魅力があります。ヘッドフォンもイヤフォンもiPhoneで聴くとなかなか良い音でした。
Oppo JapanではヘッドフォンアンプのHA2と、平面型クローズタイプのPM3でポータブルに向けたシステムを展開していました。HA2は昨年のポタフェスより改良をして音をよりイヤフォン向けになったということです。また大きな改良点として、前はiPhoneと接続する際にはmicroBの口にカメラコネクションキットを使って接続していましたが、この新しいタイプではUSB Aの口がついて、USB-ライトニングケーブルで簡単に接続が可能になりました。Android対応もあるそうです。
これらはOppo Japanが積極的に日本市場に合わせたリクエストをし、Oppo側も日本の市場が重要だということを踏まえて改良をしてくれているということです。
PM3はケーブルが4本線なのでバランス化も期待できそうです。3/20に発売予定で、HA2は39000円くらい、PM3は55000円くらいと価格が安いのも魅力的です。
FitEarブースでは彩、fitearとともにショコラという謎のイヤフォンが展示されていました。ショコラについてはまだしばらく謎ということだそうですので。。
また今回初見参の「須山ジャンク堂」ではこの前記事を書いたShanling M3が展示されていましたが、もう少し販売まで時間がかかりそうです。アンプのH1はすでに販売されています。これらはSNSでのコミュニケーションをしながら育てていくというスタンスを取っていくそうです。
Mixwaveでは1964ADELの展示がありました。ADEL技術については下記記事を参照してください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/408595702.html
これは固定ベントのタイプで、ベントの効果の有り無しを試すことはできませんでしたが、聞いてみるとたしかに詰まったものが取れてすっきりしたという感じはあります。ADELベントによって低域が漏れるということはないようで、他の人が試しているときにも音が漏れてくるということはないようでした。
Jaben JapanではGloveAudio S1のブラックが展示されていました。これは国際版です。またER4SのSpiralStrandケーブルも出ていました。
またCalyx Mのオプションバッテリー(上右)も展示されていました。これは裏蓋を外して内部の電池を取り換えて使うタイプでこれで11時間の動作ができるということです。
A2PさんではSITを採用したTR07hpの完成版(下)が展示されていました。これには電流駆動タイプと電圧駆動タイプがあります。電流駆動タイプはシングルドライバー(クロスオーバーなし)のダイナミックヘッドフォンに向いていて、電圧駆動はクロスオーバーのあるマルチウエイBAなどに向いています。
マス工房ではmodel 404という巨大なポータブルアンプが出ていましたが、これはAbyss用のポータブルだそうです。海外需要があるということ。なかなかパワフルな音でしたね。
iFIでは日本企画でiBalance(下)というヘッドフォン(Sonyタイプバランス)をiDSDのRCAアウトからバランスで聴くためのものが展示されていました。意外と良い音でした。
またiAtteneterというイヤフォンのために抵抗入れてアッテネートするためです。
またPAW VEというPAW Goldの元モデル(上右)も展示されていました。PAW Goldは販売も好調で制作元が驚くほどだそうです。すでにけっこう出てますが返品率はほぼゼロだそうで、さすがナグラ品質。こうしたことはそのうち中国製品のイメージを覆してくれるでしょう。
テックウインドではWestoneのUM56(下)を展示していました。これはユニバーサルのチップとして使用するカスタムイヤチップです。耳型を送って注文し、シリコンのカスタムチップを作ってくれます。かなり豊富なカラー選択もできます。23000円ということ。カスタムではES60が売れてるそうで、これも製造元が驚くほどだそう。
WagnusではPONO用のDiamond dust type Aenigmaというブルガリア線材を作ったケーブルが興味をひきました(下)。K10で聴いてみました。私はいつもはBlackDragonで柔目なPONOの音を再生させてるけど、これだとPONOのより性能が高い面を引き出せるようです。ドライでなく、PONOの良いところも持ってますね。例のフラッグシップは速攻売り切れだそう。
前にうちのブログでARM1の記事を書きましたが、その後継であるAcoustic Research M2(ARM2)も展示されていました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/373836210.html
パッと見るとARM1とARM2は違うんですが、よく見るとARM1とデザインが似てて、ボリュームダイヤルとか底面のプラグも似てます。背面デザインも似て、大きくなってAndroidになった感じです。
音はARM1に比べてよりワイドレンジで音も洗練されて整った感じ。HiFi的で性能は良くなった感じとは言えますが、ARM1のちょっとした個性だったダイレクト感というか鮮度感の高さは薄れています。
今回もなかなか濃くて面白いイベントでした。いままではイヤフォン優位でしたが、Nighthawk、PM3、そしてAKT5pと高性能ヘッドフォンが再び注目を浴びてきたのも面白いですね。
今度はいよいよヘッドフォン祭ですので、またまた楽しみです。
2014年10月27日
ヘッドフォン祭2014秋レポート
今回のヘッドフォン祭も盛況で、さまざまな製品が集結しました。
以下、トピックごとにまとめてみました。
* SONY技術者の情熱
まず今回思ったことはソニーという会社の影響力と、モノ作りの情熱から飛び出した製品です。
はじめはソニーエンジニアリングがJust EarというブランドでカスタムIEMを発表したということです。
これはハイブリッド(BA+ダイナミック)のカスタムIEMで、ユニークな点は耳穴に入る部分はWestoneのフレックスチューブのように体温で柔らかくなる素材でできています。
Just Ear
リスニング・モニター・クラブとあらかじめ3種類のチューニングがなされていて、実際に聴いてみるとたしかにそれぞれ特色のある味付けがなされています。20-30万を予定しているということで、一般にも販売するということです。
Just Ear
もうひとつはRE・LEAFという昨年出来たベンチャーでソニーの技術の人と営業の人が共鳴して良いものを作りたいという目的の元に始めた会社です。大企業では仕方のない制約がない製品をやりたいということでノーリミットを目指しているそうです。具体的には良い録音が増えている中でストレートで原音忠実を目指すけれども、情報量は多くともピュアで、多少は設計者の意図を入れたいということです。
もうひとつは町工場の技術を活かしたいということです。匠の世界を作りたいということでMade in Japanの再生から世界一、世界初を目指したいということでした。これには生まれ育った大田区の町工場に良い技術があるのに減っていくのが忍びないという気持ちが含まれているということです。
RE・LEAF E1
なぜヘッドフォンアンプかと聴くと、ヘッドフォンの世界にわかっていただける人がいる。あとヘッドフォンの世界には(マークレビンソンのような)ハイエンドがないのでそこを目指したいということ。
製品はDAC内蔵のE-1という機種で150万円、月産1-5台ということです。鏡面仕上げのモデルもありました。12月中旬くらいに出荷を目指しているようです。底面はすごいスパイクがついていて、このスパイク一つでもかなりのノウハウが注ぎ込まれているようです。DACチップはPCM1792ですが、E-1の設計のポイントは電源ということでコンデンサーの影響を廃して着色をなくすということがテーマだそうです。
ヘッドフォンアンプはXLRx2のバランス駆動です。ユニークなのは3つのポッチの電源スイッチですがこの3つのドットを会社のアイコンにしたいということです。
音はクセがなくピュアで鮮度感が高いという印象です。ベールを何枚か剥がした感じで、スピードがあります。いわゆるモニター的でない、音楽を直接掴めるようなダイレクト感、鮮度感の高さがあると感じました。話していて、このお二人の情熱がよくわかりました。
いまは我々におなじみの音茶楽さんもソニーの出身で、今回はFLAT4新型やサラウンドなどラインナップを充実させていました。
実は会場でたまたま(ではないけど)もうひとりソニーのOBの方にお会いして少しお話ししたのですが、ソニーという会社とそこに働く人のオーディオに書ける意気込みというのを教えてもらいました。
* 国産ポータブル製品の隆盛
いままでヘッドフォンの世界は海外製品が主導してきた経緯もあるのですが、ソニーのみならず今回は国産製品が充実していた印象です。
すでに好評のDENONのポタアンDA-10は前の記事に書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/407520367.html
パイオニアからはDAC内蔵のポータブルアンプXP700が出ています。見た目にソリッドで、カスタマイズ項目や入力が豊富なのが特徴です。
前に書いたUSB DACであるU-05の良い機能も引き継いでいます。またポータブルでバランス駆動を採用していますが、端子は角型4pin(我々Headfierの言うKobiconn)を選んだ理由はまずポータブル仕様でがっちりはまるということだそうです。RSAやALOなど海外でよく使われるのでケーブルが用意できるのも良い点でしょう。
パイオニア XP700
今回の注目の一つだったTEACのHA-P90SD はハイレゾDAPとポータブルアンプの両方の使い方ができるユニークな製品です。またDSDネイティブ再生も可能です。ただしアンドロイド・アクセサリープロトコルのサポートはなくなったようです。
選曲は昔懐かしい感じのメニュー方式ですが、音質はなかなか良かったと思います。
TEAC HA-P90SD
オーディオテクニカPHA100はボリュームが真ん中にあるのが特徴でボリュームガードをつけるよりは真ん中にしたほうが良いということです。バッグに入れた時の調整はいまひとつに思いますが、、さて。
PHA100
SONYのPHA3は大きめでこれもバランス駆動を採用しています。大きめですが、音もわりと余裕のある据え置きに近い音に思えました。
PHA3
なおJabenのSpiral StrandsケーブルがさっそくSONYバランス対応をしています。
Jaben Spiral Cable SONYバランス
国産ポータブルアンプはみなデザインが良く作りもしっかりしています。これも海外アンプに慣れているとちょっと新鮮なことではありますね。一方で国産アンプは一様にボリュームガードにこっていますが、これも不意の誤作動からユーザーを守るための基準が厳しいのでしょうね。
* ポータブル・バランス端子規格の乱立
しかし、ポータブルバランス駆動の規格の乱立はどうにかならないか、っていう問題は実のところいまではなく、2010年にRSAが初のポータブルバランス駆動アンプProtectorを作ってKobiconn(角型4pin)を採用したんですが、一方でiBassoやHiFimanが3.5mm TRRSを採用したあたりから、言っていたことではあります。
RSA Protectorの記事
http://vaiopocket.seesaa.net/article/143564141.html
いまでは3.5mm x 2とか2.5mmなど乱立してしまっていますがどうなのでしょうか。
据え置きの場合はXLRx2というのは何回か書いたようにHeadroomのBlockheadがはじめてヘッドフォンアンプの筐体を2個並列使用してバランス駆動(Balanced Headphone drive)という形式を立ち上げた時いらいしばらく事実上一つしかバランス駆動アンプがなかったので、デファクトとしてそれに決まったという背景があります。それからいくつかバランス駆動アンプが出てきても、HeadFiコミュニティーのなかで作り手がユーザーに近いのでユーザーや同じ仲間であるケーブルメーカーの得を考えてなんとなく統一する暗黙の了解があったように思います。ポータブルの場合もHeadFiコミュニティーは人気のあるRSAからはじまってKobiconnでいきそうではあったのですが、iBassoやHiFimanなど中国系ポータブル機材の隆盛と時期が重なったために、ばらばらになってしまったと思います。
これもこのヘッドフォン世界をHeadFiコミュニティーが単独で引っ張っていた時代から、世界各地に多様化することで起こってきた課題と言えるのかもしれません。
* ハイエンドアンプの世界
今回はすでに書いたRe・Leafもそうですが、スピーカーの世界で言うハイエンドオーディオクラスのヘッドフォン機材も注目点だったと思います。
Aurender FLOW
まず注目だったのはエミライさんのところで展示されていたAurendar Flowです。ストレージと操作部とバッテリーをもったUSB DACです。独立したDAPではなくPCやスマートフォンなどなんらかのホストが必要です。主なターゲットはノートPCやスマートフォンなど本体に制約のあるモバイル機材だと思います。たとえばMacbook AirなどUSB端子の数が少ないものに向いていますね。独立した操作部を持つのもなにかワープロをやりながら音楽操作でiTunesに切り替える手間を省けます。
HeadFiのJudeがすでにデモ機をもっていたのでiPhoneに付けられるというということも確認しました。音質は聴いてみると驚くことにさすがAurenderというかハイエンドオーディオの音ですね。
実のところポータブル系の今回の新製品ではこれが音質的には抜きんでていたように思います。今年はAK240,Hugoにはじまり夏のiDSD microと音質レベルの高いポータブルが目白押しでしたが、年も押し迫ってAurendar FLOWも2014年組プレミアクラス仲間に加わったようです。
こちらは今井商事・メースさんのところのMytekマンハッタンDACです。DSDネイティブ再生を世に流行らせたスタジオ機Mytekのコンシューマー向けハイエンド機です。75万円と言うことですが、HD800で聴いたところMytek Stereo192とはかなり違うレベルの高い音でした。音もコンシューマー寄りで音楽を聴いて楽しい音ですね。東京インターナショナルショウのときより好印象でした。表面仕上げも面白いですね。
Mytek マンハッタンDAC
こちらはトライオードさんブースで、おなじみハイエンドメーカーGoldmundのTelosヘッドフォンアンプです。165万円ということでおいそれと手が出せませんが、EIDOS CD Playerから同軸で出して内部のAries DACからヘッドフォンで聞いたところ堂々としたスケールある音でした。さすが電源しっかりしているという感じです。
GOLDMUND Telosヘッドフォンアンプ
* カスタムIEMとユニバーサルIEM
まず今回は須山さんFitEarが意外というかはじめての製品発表会を行いました。サンプラザ内教会を使った発表会で満席になるまで人が詰めかける人気の高さでした。
内容はFitEarのこれまでと、Sonyの補聴器ST56Bから、初代iPodを買った日にバラしてイヤフォンを作ってみたという話、そこから業務系のカスタム作成までイヤモニの歴史、Shure E1、E5、ジェリーハービーのUE5、そしてアニソンまで、須山さんの情熱が感じられる熱い発表内容でした。
表向きはfitearの発表会ですが、萌音は中音域を意図的に沈めたこともあって、というところからワンモアシングがあり、実は新作カスタム彩の発表会でした。
彩の私のレビュー記事はこちらで。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/407581687.html
私も一言コメントさせてもらいましたが、ついつい「彩は女性ヴォーカルが聴きとりやすく気持ちよく聞こえるのも大きな特徴で、さきほどの萌音での振り返りがよく生きているなと須山さんの発表を聴いていて思いました」という一言が抜けてしまいました。。。
WagnusさんブースではNobleの偉い人も来て、K10ユニバーサルが展示されていました。しかし、見て一言、「え、こんなちっちゃいの?」って二度聞き返しました。聴いてみるとさすがキングと言われるだけあって、上も下もすんごく伸びて音も広大でメリハリがくっきりした音です。なかなか。
K10ユニバーサル
台湾のJM Plusのみなさんは今回も登場してレギュラーになりそうな感じです。すでに人気も獲得していて人も途切れなく来ていたようです。
JM Plusブース
またミックスウェーブさんのところではUMの12ドライバーユニバーサルのメイソンがあり、これはものすごく元気良い音でしたね。ロクサーヌやK10とも別な音になっているように思います。ハイブリッドのマーべリックもなかなか良かったと思います。
* 新しいヘッドフォン・イヤフォン
今回もたくさんのヘッドフォン・イヤフォンの新作がありました。
まず今回のヘッドフォン祭の写真にも使われたのはKuradaのFP10、響というヘッドフォンです。名は体を表すと言いますが、響はピアノの調律師が楽器的な価値観で作りたいということで設計されたヘッドフォンです。特徴は楽器と同様に内部にスプルース(ハウジングの中に貼ってある板)という木材を張ってあることで、吸音や拡散に効果があり高音は吸収して低音を増幅するそうです。これは楽器の考え方と同じで振動板の出す音をスプルースが大きくするということで、楽器でいうと弦の鳴りをスプルースが増幅するということだそうです。
右のハウジングの内側に張ってある板がスプルース
聴いてみましたが、さすが調律師が作っただけあって音は整っていて、帯域バランスがとてもよいと思います。また狙い通りにとても響きが良く、広がりと音の響で心地よく音楽的に聞けます。スピーカーで言うと箱を積極的に鳴らすタイプということですね。
Kurada 響
18万で12月初旬目標だそうです。
またTaylor madeで織物やバーズアイメープルなどがあり、客で指定があればそれも使えるそうです。
タイムロードさんのところではEdition5 unlimitedバージョンがアナウンスされました。これはUltrasoneのマイケルCOOとライターの山本さんのインタビュー会でメインはPerformanceシリーズの紹介ですが、ワンモアシングでEdition新バージョンの発表が行われました。
Performanceでは840が低音が強調されたポップ向け、860はリニアでスタジオ向け、880はパンチのある低音とシルキーな中高域でフラッグシップということです。ケーブルはみな着脱式です。
位置付けとしてはHFIシリーズはエントリーで、Proシリーズはプロ向けのケーブル交換などハードな仕様になっていますが、Performanceはその中間ということです。
Edition5 unlimited
Edition5 unlimitedはS-Logic EXを使ったEdition5の派生形で木材ではなくルテニアムのハウジングになりました。
音は同じ(材質は違うけど同じようにチューンした)ということで、実際に聞いてみるとウッドとルテニアムのレゾナンスの違いはあるけど、性能レベルは同じだと思います。価格は32万です。
またタイムロードがultrasoneを扱って10年ということで、Edition5を購入した人から一組をドイツの本社に招待するそうです。
私がKickstarterでRocketsを買ったオーリソニクスは社長のDaleが来ていました。というか、Rocketsの耐久力があるというケプラーケーブルで社長のDaleと本気で綱引きやったけど、手に食い込んでしまいました。
Dale社長とRocketsケーブル
Rocketsは11/7発売で27500円ということです。Kickstarterは特別なので通常定価は向こうでも$250ですから、円ドルレートを考えるとなかなかお得な価格です。これは社長が配慮してくれたということ。
Rocketsは下記にレビューを書きましたが、これを見てほしいけど海外じゃなあと思った方はぜひどうぞ。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/405639160.html
またAurisonicsではハイブリッド機のASG2.5も展示してありました。こちらの方が従来のオーリソニクス的な製品ですね。ハイブリッドの2BA+大型ダイナミックドライバーで、低音がパワフルで迫力のある音が欲しい人にはお勧めです。また音の広がりも良いですね。これは音楽を楽しく聴くのにとても向いていると思います。
Aurisonics ASG2.5
Astell&KernではAK専用シリーズとしてベイヤーのT5pをチューンしたAKT5pを出展していました。今回はハードと言うよりもソフトをチューンしていて、専用イコライザーが用意されています。専用イコライザーをオンに入れると音の重心が落ちて、落ち着いて聞きやすくなるように思いました。
AKT5p
DanのRP modであるAlpha Primeです。ここまで来ると元がRPってわからないくらい良い音になっていました。なお代理店募集中ということです。
MrSpeaker Alpha Prime
JabenのウイルソンとCEntranceのマイケル
こちらはJabenにあった新ブランドのヘッドフォンとイヤフォンです。
ヘッドフォンは静電型とダイナミックのハイブリッドで、さきの記事に書いたように、やはり聞いてみたら開発者もAKG K340を意識していたということです。価格も安く音もよいという印象でした。
イヤフォンの方は静電型ではありませんが、TFATという謎技術を採用したものですが、$99とは思えない良い音でした。TFATというのは台湾の政府主導で行われたPC新興政策の中で研究されたPCスピーカー用技術のスピンアウトで、特徴はドライバーを薄くできる(剛性が高いのdr薄くできる)ということです。
オーディオテクニカの謎技術はフルデジタルのdnoteヘッドフォンです。これはDACを使用するというのではなく、振動版自体をデジタル駆動するというもの。音量はパソコンのソフトで調整します。
音はわりと普通に聴けますが、逆にいまひとつ長所が分かりにくいところもあります。あるいはワイヤレス伝送で使うと面白いのではと思いました。
dnoteヘッドフォン
こちらは人気のDita Answerの2.5mmバランスバージョンです。今回は2.5mmプラグにこだわってるようで、バランスのプラグの半田付けがとてもコストがかかるということです。AK240とはかなり良い感じでした。限定になるかも。
Dita Answer true balanced 2.5mm
* 期待のポータブルヘッドフォンアンプ
さて前に私が記事にしたので「ほしいけど海外じゃなあ」と思った人もいるでしょう。EncoreのmDACが完実電気のフューレンさんブースで出ていました。価格もかなり手ごろな価格になりそうで、急いでeBayで買わなくてよかった、と思うことでしょう。特にSONY ZX1の人にはお勧めです。
こちらは私の記事です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/406918263.html
Encore mDAC
またもうひとつフューレンさんブースで私が注目していたところのCELSUS Companion1も参考展示されていました。これはスマートフォンと無線でつながるタイプのDACアンプです。ワイヤレスと言うとBluetoothと考えがちですが、BTは手軽ですが音質は悪くなり、Kleerは音質はよいんですがドングルが必要になります。CELSUS Companion1はWiFiでつながります。つながったあとはDLNAのレンダラーとして動作するか、あるいはAirPlayの相手先として音を鳴らせます。つまりは手のひらのポータブルDLNAネットワークプレーヤーです。
こちらはまだプリプロダクション段階ですが興味をそそられます。
CELSUS Companion one
CEntranceのマイケルはindieGoGoでキャンペーンを展開しているi5を持ってきました。iPhone5に合体させるDACアンプです。またiPhone6対応もするようです。
i5
こちらはA2Pの世界初のSITポータブルアンプTR07hpです。音がなめらかにスムーズになるという印象でした。
TR07hp
OppoはポータブルDACアンプのHA-2を参考展示していました。これは未発表のクローズタイプである平面型PM-3と組み合わせてOppoのポータブル戦略を展開できるものですね。これも期待できそうです。
OPPO HA-2
それとCalyx MはJabenではなくJカンパニーというファイナルオーディオの関連会社が販売することになるようです。
* ケーブル雑感
ずっとなんだかばたばたしていましたが、時間が空くとWestone ES60に合わせるMMCXケーブルを探そうと会場のケーブルコーナーをいろいろと歩いて試して回りました。
Wagnusケーブル
高いのだとAstell&KernのクリスタルケーブルズかWagnusのドイツビンテージケーブルが良かったですね。価格中くらいだとWagnusのソ連ビンテージケーブルが味があったと思います。安いのだとオヤイデのHPC-MXとかJabenのSpiral Strandsが良かったと思います。
Estronケーブル
またEstronは今回も独立ブースを持っていました。ここで聞いたらES60の極細はMMCXプラグが違う特注品だそうです。下がWestoneバージョンで深くプラグに刺さるようになっています。また耳の部分にカールがついています。やはりES60を買う方はWestoneならではの極細オプションをお勧めします。
Estron MMCX(下がWestone版)
* まとめ
今回はサプライズが多かったですね。最近のヘッドフォン祭は目玉がないかと思いきや、隠し玉が続々、というパターンになってきていて、当日朝の情報戦が必須になってきました。来年もますますいろいろ発展することでしょう。
といったんまとめたところで、、
実は今回の一番の収穫は中野に天然温泉があるのが分かったということです。中野寿湯温泉というところで、中野ブロードウエイからわずか徒歩数分です。2013年に使用していた井戸水の成分でメタケイ酸の成分が認められて温泉認定がなされたようです。
中に入ると昭和の銭湯です。あのテルマエロマエに出てくるやつみたいな。ただし富士山の絵はなくてそこに美肌の湯という効能が書いてあります。中はバブルぶくぶくのすっかり普通の銭湯ですが、思ってたより良い感じで入浴できました。
シャンプー・ボディシャンプー無料でドライヤーは20円です。この20円という感覚がまた昭和です。手ぶらでも100円でタオルレンタルがありますので、ブロードウエイにいったさいにはぜひ中野の秘湯へどうぞ!、
以下、トピックごとにまとめてみました。
* SONY技術者の情熱
まず今回思ったことはソニーという会社の影響力と、モノ作りの情熱から飛び出した製品です。
はじめはソニーエンジニアリングがJust EarというブランドでカスタムIEMを発表したということです。
これはハイブリッド(BA+ダイナミック)のカスタムIEMで、ユニークな点は耳穴に入る部分はWestoneのフレックスチューブのように体温で柔らかくなる素材でできています。
Just Ear
リスニング・モニター・クラブとあらかじめ3種類のチューニングがなされていて、実際に聴いてみるとたしかにそれぞれ特色のある味付けがなされています。20-30万を予定しているということで、一般にも販売するということです。
Just Ear
もうひとつはRE・LEAFという昨年出来たベンチャーでソニーの技術の人と営業の人が共鳴して良いものを作りたいという目的の元に始めた会社です。大企業では仕方のない制約がない製品をやりたいということでノーリミットを目指しているそうです。具体的には良い録音が増えている中でストレートで原音忠実を目指すけれども、情報量は多くともピュアで、多少は設計者の意図を入れたいということです。
もうひとつは町工場の技術を活かしたいということです。匠の世界を作りたいということでMade in Japanの再生から世界一、世界初を目指したいということでした。これには生まれ育った大田区の町工場に良い技術があるのに減っていくのが忍びないという気持ちが含まれているということです。
RE・LEAF E1
なぜヘッドフォンアンプかと聴くと、ヘッドフォンの世界にわかっていただける人がいる。あとヘッドフォンの世界には(マークレビンソンのような)ハイエンドがないのでそこを目指したいということ。
製品はDAC内蔵のE-1という機種で150万円、月産1-5台ということです。鏡面仕上げのモデルもありました。12月中旬くらいに出荷を目指しているようです。底面はすごいスパイクがついていて、このスパイク一つでもかなりのノウハウが注ぎ込まれているようです。DACチップはPCM1792ですが、E-1の設計のポイントは電源ということでコンデンサーの影響を廃して着色をなくすということがテーマだそうです。
ヘッドフォンアンプはXLRx2のバランス駆動です。ユニークなのは3つのポッチの電源スイッチですがこの3つのドットを会社のアイコンにしたいということです。
音はクセがなくピュアで鮮度感が高いという印象です。ベールを何枚か剥がした感じで、スピードがあります。いわゆるモニター的でない、音楽を直接掴めるようなダイレクト感、鮮度感の高さがあると感じました。話していて、このお二人の情熱がよくわかりました。
いまは我々におなじみの音茶楽さんもソニーの出身で、今回はFLAT4新型やサラウンドなどラインナップを充実させていました。
実は会場でたまたま(ではないけど)もうひとりソニーのOBの方にお会いして少しお話ししたのですが、ソニーという会社とそこに働く人のオーディオに書ける意気込みというのを教えてもらいました。
* 国産ポータブル製品の隆盛
いままでヘッドフォンの世界は海外製品が主導してきた経緯もあるのですが、ソニーのみならず今回は国産製品が充実していた印象です。
すでに好評のDENONのポタアンDA-10は前の記事に書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/407520367.html
パイオニアからはDAC内蔵のポータブルアンプXP700が出ています。見た目にソリッドで、カスタマイズ項目や入力が豊富なのが特徴です。
前に書いたUSB DACであるU-05の良い機能も引き継いでいます。またポータブルでバランス駆動を採用していますが、端子は角型4pin(我々Headfierの言うKobiconn)を選んだ理由はまずポータブル仕様でがっちりはまるということだそうです。RSAやALOなど海外でよく使われるのでケーブルが用意できるのも良い点でしょう。
パイオニア XP700
今回の注目の一つだったTEACのHA-P90SD はハイレゾDAPとポータブルアンプの両方の使い方ができるユニークな製品です。またDSDネイティブ再生も可能です。ただしアンドロイド・アクセサリープロトコルのサポートはなくなったようです。
選曲は昔懐かしい感じのメニュー方式ですが、音質はなかなか良かったと思います。
TEAC HA-P90SD
オーディオテクニカPHA100はボリュームが真ん中にあるのが特徴でボリュームガードをつけるよりは真ん中にしたほうが良いということです。バッグに入れた時の調整はいまひとつに思いますが、、さて。
PHA100
SONYのPHA3は大きめでこれもバランス駆動を採用しています。大きめですが、音もわりと余裕のある据え置きに近い音に思えました。
PHA3
なおJabenのSpiral StrandsケーブルがさっそくSONYバランス対応をしています。
Jaben Spiral Cable SONYバランス
国産ポータブルアンプはみなデザインが良く作りもしっかりしています。これも海外アンプに慣れているとちょっと新鮮なことではありますね。一方で国産アンプは一様にボリュームガードにこっていますが、これも不意の誤作動からユーザーを守るための基準が厳しいのでしょうね。
* ポータブル・バランス端子規格の乱立
しかし、ポータブルバランス駆動の規格の乱立はどうにかならないか、っていう問題は実のところいまではなく、2010年にRSAが初のポータブルバランス駆動アンプProtectorを作ってKobiconn(角型4pin)を採用したんですが、一方でiBassoやHiFimanが3.5mm TRRSを採用したあたりから、言っていたことではあります。
RSA Protectorの記事
http://vaiopocket.seesaa.net/article/143564141.html
いまでは3.5mm x 2とか2.5mmなど乱立してしまっていますがどうなのでしょうか。
据え置きの場合はXLRx2というのは何回か書いたようにHeadroomのBlockheadがはじめてヘッドフォンアンプの筐体を2個並列使用してバランス駆動(Balanced Headphone drive)という形式を立ち上げた時いらいしばらく事実上一つしかバランス駆動アンプがなかったので、デファクトとしてそれに決まったという背景があります。それからいくつかバランス駆動アンプが出てきても、HeadFiコミュニティーのなかで作り手がユーザーに近いのでユーザーや同じ仲間であるケーブルメーカーの得を考えてなんとなく統一する暗黙の了解があったように思います。ポータブルの場合もHeadFiコミュニティーは人気のあるRSAからはじまってKobiconnでいきそうではあったのですが、iBassoやHiFimanなど中国系ポータブル機材の隆盛と時期が重なったために、ばらばらになってしまったと思います。
これもこのヘッドフォン世界をHeadFiコミュニティーが単独で引っ張っていた時代から、世界各地に多様化することで起こってきた課題と言えるのかもしれません。
* ハイエンドアンプの世界
今回はすでに書いたRe・Leafもそうですが、スピーカーの世界で言うハイエンドオーディオクラスのヘッドフォン機材も注目点だったと思います。
Aurender FLOW
まず注目だったのはエミライさんのところで展示されていたAurendar Flowです。ストレージと操作部とバッテリーをもったUSB DACです。独立したDAPではなくPCやスマートフォンなどなんらかのホストが必要です。主なターゲットはノートPCやスマートフォンなど本体に制約のあるモバイル機材だと思います。たとえばMacbook AirなどUSB端子の数が少ないものに向いていますね。独立した操作部を持つのもなにかワープロをやりながら音楽操作でiTunesに切り替える手間を省けます。
HeadFiのJudeがすでにデモ機をもっていたのでiPhoneに付けられるというということも確認しました。音質は聴いてみると驚くことにさすがAurenderというかハイエンドオーディオの音ですね。
実のところポータブル系の今回の新製品ではこれが音質的には抜きんでていたように思います。今年はAK240,Hugoにはじまり夏のiDSD microと音質レベルの高いポータブルが目白押しでしたが、年も押し迫ってAurendar FLOWも2014年組プレミアクラス仲間に加わったようです。
こちらは今井商事・メースさんのところのMytekマンハッタンDACです。DSDネイティブ再生を世に流行らせたスタジオ機Mytekのコンシューマー向けハイエンド機です。75万円と言うことですが、HD800で聴いたところMytek Stereo192とはかなり違うレベルの高い音でした。音もコンシューマー寄りで音楽を聴いて楽しい音ですね。東京インターナショナルショウのときより好印象でした。表面仕上げも面白いですね。
Mytek マンハッタンDAC
こちらはトライオードさんブースで、おなじみハイエンドメーカーGoldmundのTelosヘッドフォンアンプです。165万円ということでおいそれと手が出せませんが、EIDOS CD Playerから同軸で出して内部のAries DACからヘッドフォンで聞いたところ堂々としたスケールある音でした。さすが電源しっかりしているという感じです。
GOLDMUND Telosヘッドフォンアンプ
* カスタムIEMとユニバーサルIEM
まず今回は須山さんFitEarが意外というかはじめての製品発表会を行いました。サンプラザ内教会を使った発表会で満席になるまで人が詰めかける人気の高さでした。
内容はFitEarのこれまでと、Sonyの補聴器ST56Bから、初代iPodを買った日にバラしてイヤフォンを作ってみたという話、そこから業務系のカスタム作成までイヤモニの歴史、Shure E1、E5、ジェリーハービーのUE5、そしてアニソンまで、須山さんの情熱が感じられる熱い発表内容でした。
表向きはfitearの発表会ですが、萌音は中音域を意図的に沈めたこともあって、というところからワンモアシングがあり、実は新作カスタム彩の発表会でした。
彩の私のレビュー記事はこちらで。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/407581687.html
私も一言コメントさせてもらいましたが、ついつい「彩は女性ヴォーカルが聴きとりやすく気持ちよく聞こえるのも大きな特徴で、さきほどの萌音での振り返りがよく生きているなと須山さんの発表を聴いていて思いました」という一言が抜けてしまいました。。。
WagnusさんブースではNobleの偉い人も来て、K10ユニバーサルが展示されていました。しかし、見て一言、「え、こんなちっちゃいの?」って二度聞き返しました。聴いてみるとさすがキングと言われるだけあって、上も下もすんごく伸びて音も広大でメリハリがくっきりした音です。なかなか。
K10ユニバーサル
台湾のJM Plusのみなさんは今回も登場してレギュラーになりそうな感じです。すでに人気も獲得していて人も途切れなく来ていたようです。
JM Plusブース
またミックスウェーブさんのところではUMの12ドライバーユニバーサルのメイソンがあり、これはものすごく元気良い音でしたね。ロクサーヌやK10とも別な音になっているように思います。ハイブリッドのマーべリックもなかなか良かったと思います。
* 新しいヘッドフォン・イヤフォン
今回もたくさんのヘッドフォン・イヤフォンの新作がありました。
まず今回のヘッドフォン祭の写真にも使われたのはKuradaのFP10、響というヘッドフォンです。名は体を表すと言いますが、響はピアノの調律師が楽器的な価値観で作りたいということで設計されたヘッドフォンです。特徴は楽器と同様に内部にスプルース(ハウジングの中に貼ってある板)という木材を張ってあることで、吸音や拡散に効果があり高音は吸収して低音を増幅するそうです。これは楽器の考え方と同じで振動板の出す音をスプルースが大きくするということで、楽器でいうと弦の鳴りをスプルースが増幅するということだそうです。
右のハウジングの内側に張ってある板がスプルース
聴いてみましたが、さすが調律師が作っただけあって音は整っていて、帯域バランスがとてもよいと思います。また狙い通りにとても響きが良く、広がりと音の響で心地よく音楽的に聞けます。スピーカーで言うと箱を積極的に鳴らすタイプということですね。
Kurada 響
18万で12月初旬目標だそうです。
またTaylor madeで織物やバーズアイメープルなどがあり、客で指定があればそれも使えるそうです。
タイムロードさんのところではEdition5 unlimitedバージョンがアナウンスされました。これはUltrasoneのマイケルCOOとライターの山本さんのインタビュー会でメインはPerformanceシリーズの紹介ですが、ワンモアシングでEdition新バージョンの発表が行われました。
Performanceでは840が低音が強調されたポップ向け、860はリニアでスタジオ向け、880はパンチのある低音とシルキーな中高域でフラッグシップということです。ケーブルはみな着脱式です。
位置付けとしてはHFIシリーズはエントリーで、Proシリーズはプロ向けのケーブル交換などハードな仕様になっていますが、Performanceはその中間ということです。
Edition5 unlimited
Edition5 unlimitedはS-Logic EXを使ったEdition5の派生形で木材ではなくルテニアムのハウジングになりました。
音は同じ(材質は違うけど同じようにチューンした)ということで、実際に聞いてみるとウッドとルテニアムのレゾナンスの違いはあるけど、性能レベルは同じだと思います。価格は32万です。
またタイムロードがultrasoneを扱って10年ということで、Edition5を購入した人から一組をドイツの本社に招待するそうです。
私がKickstarterでRocketsを買ったオーリソニクスは社長のDaleが来ていました。というか、Rocketsの耐久力があるというケプラーケーブルで社長のDaleと本気で綱引きやったけど、手に食い込んでしまいました。
Dale社長とRocketsケーブル
Rocketsは11/7発売で27500円ということです。Kickstarterは特別なので通常定価は向こうでも$250ですから、円ドルレートを考えるとなかなかお得な価格です。これは社長が配慮してくれたということ。
Rocketsは下記にレビューを書きましたが、これを見てほしいけど海外じゃなあと思った方はぜひどうぞ。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/405639160.html
またAurisonicsではハイブリッド機のASG2.5も展示してありました。こちらの方が従来のオーリソニクス的な製品ですね。ハイブリッドの2BA+大型ダイナミックドライバーで、低音がパワフルで迫力のある音が欲しい人にはお勧めです。また音の広がりも良いですね。これは音楽を楽しく聴くのにとても向いていると思います。
Aurisonics ASG2.5
Astell&KernではAK専用シリーズとしてベイヤーのT5pをチューンしたAKT5pを出展していました。今回はハードと言うよりもソフトをチューンしていて、専用イコライザーが用意されています。専用イコライザーをオンに入れると音の重心が落ちて、落ち着いて聞きやすくなるように思いました。
AKT5p
DanのRP modであるAlpha Primeです。ここまで来ると元がRPってわからないくらい良い音になっていました。なお代理店募集中ということです。
MrSpeaker Alpha Prime
JabenのウイルソンとCEntranceのマイケル
こちらはJabenにあった新ブランドのヘッドフォンとイヤフォンです。
ヘッドフォンは静電型とダイナミックのハイブリッドで、さきの記事に書いたように、やはり聞いてみたら開発者もAKG K340を意識していたということです。価格も安く音もよいという印象でした。
イヤフォンの方は静電型ではありませんが、TFATという謎技術を採用したものですが、$99とは思えない良い音でした。TFATというのは台湾の政府主導で行われたPC新興政策の中で研究されたPCスピーカー用技術のスピンアウトで、特徴はドライバーを薄くできる(剛性が高いのdr薄くできる)ということです。
オーディオテクニカの謎技術はフルデジタルのdnoteヘッドフォンです。これはDACを使用するというのではなく、振動版自体をデジタル駆動するというもの。音量はパソコンのソフトで調整します。
音はわりと普通に聴けますが、逆にいまひとつ長所が分かりにくいところもあります。あるいはワイヤレス伝送で使うと面白いのではと思いました。
dnoteヘッドフォン
こちらは人気のDita Answerの2.5mmバランスバージョンです。今回は2.5mmプラグにこだわってるようで、バランスのプラグの半田付けがとてもコストがかかるということです。AK240とはかなり良い感じでした。限定になるかも。
Dita Answer true balanced 2.5mm
* 期待のポータブルヘッドフォンアンプ
さて前に私が記事にしたので「ほしいけど海外じゃなあ」と思った人もいるでしょう。EncoreのmDACが完実電気のフューレンさんブースで出ていました。価格もかなり手ごろな価格になりそうで、急いでeBayで買わなくてよかった、と思うことでしょう。特にSONY ZX1の人にはお勧めです。
こちらは私の記事です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/406918263.html
Encore mDAC
またもうひとつフューレンさんブースで私が注目していたところのCELSUS Companion1も参考展示されていました。これはスマートフォンと無線でつながるタイプのDACアンプです。ワイヤレスと言うとBluetoothと考えがちですが、BTは手軽ですが音質は悪くなり、Kleerは音質はよいんですがドングルが必要になります。CELSUS Companion1はWiFiでつながります。つながったあとはDLNAのレンダラーとして動作するか、あるいはAirPlayの相手先として音を鳴らせます。つまりは手のひらのポータブルDLNAネットワークプレーヤーです。
こちらはまだプリプロダクション段階ですが興味をそそられます。
CELSUS Companion one
CEntranceのマイケルはindieGoGoでキャンペーンを展開しているi5を持ってきました。iPhone5に合体させるDACアンプです。またiPhone6対応もするようです。
i5
こちらはA2Pの世界初のSITポータブルアンプTR07hpです。音がなめらかにスムーズになるという印象でした。
TR07hp
OppoはポータブルDACアンプのHA-2を参考展示していました。これは未発表のクローズタイプである平面型PM-3と組み合わせてOppoのポータブル戦略を展開できるものですね。これも期待できそうです。
OPPO HA-2
それとCalyx MはJabenではなくJカンパニーというファイナルオーディオの関連会社が販売することになるようです。
* ケーブル雑感
ずっとなんだかばたばたしていましたが、時間が空くとWestone ES60に合わせるMMCXケーブルを探そうと会場のケーブルコーナーをいろいろと歩いて試して回りました。
Wagnusケーブル
高いのだとAstell&KernのクリスタルケーブルズかWagnusのドイツビンテージケーブルが良かったですね。価格中くらいだとWagnusのソ連ビンテージケーブルが味があったと思います。安いのだとオヤイデのHPC-MXとかJabenのSpiral Strandsが良かったと思います。
Estronケーブル
またEstronは今回も独立ブースを持っていました。ここで聞いたらES60の極細はMMCXプラグが違う特注品だそうです。下がWestoneバージョンで深くプラグに刺さるようになっています。また耳の部分にカールがついています。やはりES60を買う方はWestoneならではの極細オプションをお勧めします。
Estron MMCX(下がWestone版)
* まとめ
今回はサプライズが多かったですね。最近のヘッドフォン祭は目玉がないかと思いきや、隠し玉が続々、というパターンになってきていて、当日朝の情報戦が必須になってきました。来年もますますいろいろ発展することでしょう。
といったんまとめたところで、、
実は今回の一番の収穫は中野に天然温泉があるのが分かったということです。中野寿湯温泉というところで、中野ブロードウエイからわずか徒歩数分です。2013年に使用していた井戸水の成分でメタケイ酸の成分が認められて温泉認定がなされたようです。
中に入ると昭和の銭湯です。あのテルマエロマエに出てくるやつみたいな。ただし富士山の絵はなくてそこに美肌の湯という効能が書いてあります。中はバブルぶくぶくのすっかり普通の銭湯ですが、思ってたより良い感じで入浴できました。
シャンプー・ボディシャンプー無料でドライヤーは20円です。この20円という感覚がまた昭和です。手ぶらでも100円でタオルレンタルがありますので、ブロードウエイにいったさいにはぜひ中野の秘湯へどうぞ!、
2014年10月23日
ヘッドフォン祭2014秋の私的見どころ
さて、恒例のヘッドフォン祭が開催されます。なにしろ膨大な出展数がありますので、毎度のことですが私的な見どころを紹介します。
まずAstell&Kernですが例のブルーノートAk240の他に目玉はAKT5pのバランス版です。これはベイヤーT5pのAK240向けバージョンのものですが、バランス版は世界初公開です。またいままでのAKRシリーズとは異なって専用イコライザーがついてくるようです。
それと15FではあのAKの300B真空管アンプとAccutonユニットのスピーカーが再び登場してデモをします! このアンプとスピーカーは実に素晴らしいですよ。
http://www.iriver.jp/information/entry_767.php
またエミライ・OPPOさんのところではAurender FLOWが注目ですね。これはUSB DACに操作部とストレージが内蔵可能なもので、少し前まではAurender WAVEと言ってました(モデル名はV1000だったと思います)。情報を検索したい人は"Aurender WAVE"って検索ください。
あとOPPOではHA-2の展示があるようです。PM-3はどうなんでしょうか。
http://www.monoandstereo.com/2014/10/aurender-wave-dac-new.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+monoandstereo%2FHOym+%28MONO+AND+STEREO+Ultra+High-End+Audio+Magazine%29
Jabenでは謎の静電型ヘッドフォンが出展されるようです。専用のドライバー不要と言うことですからエレクトレットタイプですね(STAXはコンデンサータイプ)。静電気の反発で振動板を動かすのが静電型ですが、電荷を得るのに外から供給するのがコンデンサー型で専用のドライバーが必要です。対して内部に電荷を保持しているのがエレクトレット型です。ただしエレクトレット型でもトランスを外に持つか内部に持つかの違いがあり、正確に言うと専用ドライバーが不要なのはエレクトレット型で内部トランスのものです。お、ひさびさにマニアックになってきたぞ 笑。そうなんです。ハイブリッドという情報もあって、これはおそらくAKG K340の現代版かもしれません。K340はAKGファンの皆様はK1000同様に通過した道かと思います。私の場合の下記記事を参照。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/1059886-1.html
またコストパフォーマンスの高いイヤフォン向けバランスケーブルを出すようです。Kobicon(私の言うRSAタイプ)や3.5mmTRRS、AKの2.5mm方式のほかにソニータイプのプラグも用意するそうです。最近はポータブルバランスの規格乱立も問題ですが、これで解決?
あと何回か取り上げてきましたが、例のフルアーマーAKのGlobeAudio A1も出てくるそうです。それとなにげにCalyx Mはやっと発売です。
それとA2Pの世界初のSITポータブルアンプTR07hpがJabenブースで聴けるようです。試聴はイヤフォンよりヘッドフォンが向いています。
https://www.facebook.com/JabenJapan
あとはNobleのユニバーサルK10やPrestageも聴いて(見て)みたいですね。
今回もJM Plusもきます。またMrSpeakerはAlpha Primeを持ってきてくれるんでしょうか。
タイムロードさんのところでは新ラインナップのPerformerとマイケル・ジルケルCOOのインタビューなどあるようです。
http://www.timelord.co.jp/blog/news/event-20141022/
それと今回のヘッドフォン祭のシンボルとなっているKuradaのヘッドフォンも新作があるようです。
それと今回の注目はずばり完実ブースです。最近私のブログを見て「これほしいけど海外じゃなあ」と思ってた人はぜひ見にきてください。まずAurisonicsのRocketsが国内で買えるようになります!
あと1点あるかも。それとHeadFiで私が食いついているものが分かる人はそれもあるといいですね〜。
このほかにもたくさん、、
おっと、今回初めて発表会を行う須山さんとこにも注目です!
まずAstell&Kernですが例のブルーノートAk240の他に目玉はAKT5pのバランス版です。これはベイヤーT5pのAK240向けバージョンのものですが、バランス版は世界初公開です。またいままでのAKRシリーズとは異なって専用イコライザーがついてくるようです。
それと15FではあのAKの300B真空管アンプとAccutonユニットのスピーカーが再び登場してデモをします! このアンプとスピーカーは実に素晴らしいですよ。
http://www.iriver.jp/information/entry_767.php
またエミライ・OPPOさんのところではAurender FLOWが注目ですね。これはUSB DACに操作部とストレージが内蔵可能なもので、少し前まではAurender WAVEと言ってました(モデル名はV1000だったと思います)。情報を検索したい人は"Aurender WAVE"って検索ください。
あとOPPOではHA-2の展示があるようです。PM-3はどうなんでしょうか。
http://www.monoandstereo.com/2014/10/aurender-wave-dac-new.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+monoandstereo%2FHOym+%28MONO+AND+STEREO+Ultra+High-End+Audio+Magazine%29
Jabenでは謎の静電型ヘッドフォンが出展されるようです。専用のドライバー不要と言うことですからエレクトレットタイプですね(STAXはコンデンサータイプ)。静電気の反発で振動板を動かすのが静電型ですが、電荷を得るのに外から供給するのがコンデンサー型で専用のドライバーが必要です。対して内部に電荷を保持しているのがエレクトレット型です。ただしエレクトレット型でもトランスを外に持つか内部に持つかの違いがあり、正確に言うと専用ドライバーが不要なのはエレクトレット型で内部トランスのものです。お、ひさびさにマニアックになってきたぞ 笑。そうなんです。ハイブリッドという情報もあって、これはおそらくAKG K340の現代版かもしれません。K340はAKGファンの皆様はK1000同様に通過した道かと思います。私の場合の下記記事を参照。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/1059886-1.html
またコストパフォーマンスの高いイヤフォン向けバランスケーブルを出すようです。Kobicon(私の言うRSAタイプ)や3.5mmTRRS、AKの2.5mm方式のほかにソニータイプのプラグも用意するそうです。最近はポータブルバランスの規格乱立も問題ですが、これで解決?
あと何回か取り上げてきましたが、例のフルアーマーAKのGlobeAudio A1も出てくるそうです。それとなにげにCalyx Mはやっと発売です。
それとA2Pの世界初のSITポータブルアンプTR07hpがJabenブースで聴けるようです。試聴はイヤフォンよりヘッドフォンが向いています。
https://www.facebook.com/JabenJapan
あとはNobleのユニバーサルK10やPrestageも聴いて(見て)みたいですね。
今回もJM Plusもきます。またMrSpeakerはAlpha Primeを持ってきてくれるんでしょうか。
タイムロードさんのところでは新ラインナップのPerformerとマイケル・ジルケルCOOのインタビューなどあるようです。
http://www.timelord.co.jp/blog/news/event-20141022/
それと今回のヘッドフォン祭のシンボルとなっているKuradaのヘッドフォンも新作があるようです。
それと今回の注目はずばり完実ブースです。最近私のブログを見て「これほしいけど海外じゃなあ」と思ってた人はぜひ見にきてください。まずAurisonicsのRocketsが国内で買えるようになります!
あと1点あるかも。それとHeadFiで私が食いついているものが分かる人はそれもあるといいですね〜。
このほかにもたくさん、、
おっと、今回初めて発表会を行う須山さんとこにも注目です!
2014年10月19日
海外レポートに見るCanJam2014とRMAFの新製品
先週末にロッキーマウンテンオーディオフェストがデンバーで開催され、HeadFiのお祭りであるCanJamもそこで同時開催されています。
前の記事でCanJamで発表予定の新製品について書きました。
本記事ではショウの海外のレポート記事からのそこから面白そうな新製品などを紹介します。
Oppo PM-3 HA2
OppoのPM-3はクローズタイプになりました。ポータブルでも使えそうで、実際にOppoはHA2というDAC内蔵のポータブルアンプも出展してます。HA2はES9018Mで、DSD256対応?。
デジタル入力はDA10みたいにiDeviceとmicroB両用のようです。端子にわかりやすくABCってふってるのが面白い。
ながらくEdition8の代わりになるようなハイエンドポータブルヘッドフォンってなかったので(T5pくらいが例外)、HA2とPM-3には期待したいですね。
HeadFiにあったコメントによると、ちょっと開口部が小さいけどPM1より軽く締め付けも少ないということ。
Audeza-Z
なんと1200オームというインピーダンスの平面型ヘッドフォン。
これは新設計のボイスコイルとダイアフラムを採用しています。
1200オームの利点は(通常は良くないと言われる)アンプの出力インピーダンスが高くても十分なダンピングが確保できるということで、たとえば高出力OTL真空管アンプも作れるだろうということ。また電流駆動タイプのアンプにも向いてるだろうとのこと(普通の電圧駆動のアンプだとかなりボリュームを回すというわけです)。
Woo WA8
真空管アンプで知られるWooの真空管ポータブル。まだ数ヶ月先ということですが、大きさはiPhone6 plusくらいということ。3本の真空管はロシア製でまだちょっと分かりませんが、左二本が低出力モード、右の一本が高出力モードのようです。DACはWA7に準じているようです。
なんとなくA2Pを思わせる真空管ポータブルアンプですね。
Alpha prime
TH500RPをRPの純正modというなら、サードパーティーRP modの雄はAlpha Dogです。
Mad Dog, Alpha DogときてAlpha Primeではチューニングもずいぶん進化したようです。 (もとHeadroomの)TyllもRPがこんなに良くなるとは思わなかったって言ってます。ヘッドフォンもチューニング次第ですね。
Noble Audio
NobleはさきのHeadFi TVのように高級版のPrestageとK10ユニバーサルが目玉です。
こちらに展示がよくわかる動画がアップされています。
こちらはCanJamのNobleとChordの合同ブースの様子です。アメリカでは他の展示会でもよくChordとNobleは合同ブースを設けてます。
PS Audio Sprout
これもKickstarterオーディオもので、クラウドファンディングのDAC内蔵の一体型、50Wスピーカーアンプ、AptX対応BluetoothからMM対応フォノアンプも入って全部入りです。
i5はCEntranceのマイケルがindieGoGoで展開中のクラウドファンディングもの。
M8と同じDACチップでオーディファイル向けのiPhone5ケースというもの。仕上がりは良さそうです。またiPhone6バージョンも考えてはいるようです。
Schiit AudioのUSBメモリ型DACのFullaはわずか$89。
PCオーディオの初期はゴードンランキンが引っ張っていたわけですが、最近表に出てなかったゴードンがFPGAベースのUSBモジュールを作ったのもちらっと気になりました。
この前の東京インターナショナルオーディオショウの記事で私がBruno PutzeysのMola Molaの事を書いて唐突に思った人もいると思いますが、StereophileのJohn AtkinsonもRAMFのラップアップ記事でMola Molaについて特記してます。やはり見てる人はちゃんと見てますね〜
次はヘッドフォン祭!
2014年10月06日
CanJam20014の見どころと新製品
今年もHeadFiの祭典であるところのCanJam2014が開催されます。RMAF(ロッキーマウンテンオーディオフェスト)との共同開催です。
それに先立ってHeadFiのJudeさんが動画ニュースのHeadFi TVで新製品を紹介しています。下記のリンクです。
http://www.head-fi.org/t/731471/2014-canjam-rmaf-october-10-12-2014-the-canjam-exhibitor-list-has-been-finalized-and-what-a-lineup/180_30#post_10935857
やはり注目はNobleの新製品でしょうか。(1:00あたり)
Nobleはシェルの造形が美しいことで知られてますが、超高級シェルのPrestageラインが追加され、美麗なシェルを見ることができます。これはPrestage K10のように従来のラインの豪華シェルモデルのようです。
またK10のユニバーサルモデルも登場しています(2:50あたり)。
あと面白いのはWooのポータブル真空管アンプです。Woo WA8はUSB DAC内蔵のポータブル真空管アンプで、特徴は真空管2本使用モード(エコ・イヤフォン)と3本使用モード(ハイパワー)が選べるところです。 (23:25あたり)
MrSpeakerのAlpha PrimeはAlpha Dogに使われてるフォステクスの平面ドライバーを改良したモデルのようです。下記に記事があります。
http://www.monoandstereo.com/2014/10/mrspeakers-alpha-prime-headphones-new.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+monoandstereo%2FHOym+%28MONO+AND+STEREO+Ultra+High-End+Audio+Magazine%29
LH LabのUSB DACやPS AudioのSproutのようにKickstarterものの展示もあるようです。またShiitも小型のUSB DACを出すようです。
またCEntranceもKickstarterやってるようですね。
https://www.indiegogo.com/projects/i5-audiophile-battery-case-for-iphone#description
ここで紹介されてる製品のいくつかをヘッドフォン祭でも見られると良いですね!
それに先立ってHeadFiのJudeさんが動画ニュースのHeadFi TVで新製品を紹介しています。下記のリンクです。
http://www.head-fi.org/t/731471/2014-canjam-rmaf-october-10-12-2014-the-canjam-exhibitor-list-has-been-finalized-and-what-a-lineup/180_30#post_10935857
やはり注目はNobleの新製品でしょうか。(1:00あたり)
Nobleはシェルの造形が美しいことで知られてますが、超高級シェルのPrestageラインが追加され、美麗なシェルを見ることができます。これはPrestage K10のように従来のラインの豪華シェルモデルのようです。
またK10のユニバーサルモデルも登場しています(2:50あたり)。
あと面白いのはWooのポータブル真空管アンプです。Woo WA8はUSB DAC内蔵のポータブル真空管アンプで、特徴は真空管2本使用モード(エコ・イヤフォン)と3本使用モード(ハイパワー)が選べるところです。 (23:25あたり)
MrSpeakerのAlpha PrimeはAlpha Dogに使われてるフォステクスの平面ドライバーを改良したモデルのようです。下記に記事があります。
http://www.monoandstereo.com/2014/10/mrspeakers-alpha-prime-headphones-new.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+monoandstereo%2FHOym+%28MONO+AND+STEREO+Ultra+High-End+Audio+Magazine%29
LH LabのUSB DACやPS AudioのSproutのようにKickstarterものの展示もあるようです。またShiitも小型のUSB DACを出すようです。
またCEntranceもKickstarterやってるようですね。
https://www.indiegogo.com/projects/i5-audiophile-battery-case-for-iphone#description
ここで紹介されてる製品のいくつかをヘッドフォン祭でも見られると良いですね!
2014年09月25日
CHORDファンミーティングレポート
今日は東京インターナショナルオーディオショウのタイムロードのブースで開催されたCHORDのファンミーティングイベントに参加して来ました。イベントはジョンフランクスとロバートワッツによるCHORD誕生の背景と技術的な解説を中心にして適時試聴を入れるというものです。
通訳はおなじみジェフリーさんです。下の写真は左からジェフリー、ロバーツワッツ、ジョンフランクスです。
ジョン・フランクスは自らの背景とCHORDの誕生について語りました。彼は飛行機のアビオニクス(電子機器)の仕事をバックグラウンドにしています。飛行機は故障時の対応がシビアなので、対策については根本的なところを治す必要があります。その思想がオーディオにも活かされているということです。
ジョン・フランクス (CHORD代表)
彼のアイディアは高周波電源の技術をアンプにもちこんだことですが、20年前当時はそれはなかなか評価されなかったそうです。そこにBBCがノイズに厳しいスタジオで評価してくれ、通常は一年かかる評価を二週間で評価してくれるほどCHORDの技術に惚れ込んだそうです。そこから口コミで伸びて行ってあのスカイウオーカースタジオにも採用されるまでに至りました。(そこでルーカスのサントラを384kHzで試聴します)
そして20年前に若いロバートワッツとラスベガスで「運命的に」会います。彼は普通のDACの20倍くらい高い既成のチップでないFPGAベースのDACを作っていました。それが発展してDAC64となって評価されたわけです。DAC64は音質は抜群でしたが、かなり熱くなる難点がありました。
それが20年前のことで、それから今のHugoに至るまでムーアの法則で進化して、高性能と低消費電力を両立するに至ります。つまりはワッツとフランクスの先見の明が今日をもたらしているわけです。
ロバート・ワッツ (デジタル設計)
ワッツはまずオーディオマニアであるということがスタートで、子供のころからアンプを作ってたそうです。そのうち-200dBなんていう知覚できないようなノイズが実は音質に影響するということから興味を持ち、音は耳ではなく脳で聴くということから研究を深めています。
実際Higoを設計する際にもリスニングによる差を重視して行ったということです。これはタイミングが重要であり、計算する上でのタップ数(細かさ)がキーとなります。タップが大きければ音の止めと始まり、イメージングもはっきりしてきます。つまり元の音に近づけますが無限大はできません。
そこでFPGAの性能向上とともにDAC64->Qute->Hugoとタップ数も進化していったわけです。
Hugoの性能はロバートワッツ自身も予想していたけど、自分でも驚いたのは自然でタイミングに優れた音楽性の高さだそうです。
次に私と和田先生がファン代表ということで一言述べさせてもらいました。
私はこの最高の音をポータブルにもたらして、新しい世界を見せてくれたことに感謝し、和田博己さんがDAC64についての導入時からHugoへの期待について語りました。
Q&AではRCAの最大出力値からボリュームのステップと色の関係までHugoの質問がありました。
このミーティング通じて感じたのはロバートとジョンの絆の深さで、二人の絆はオーディオマニアということ、またアナログ(ジョン)とデジタル(ロバート)という住み分けも良い方に働いているようです。
ジョンフランクスは情熱的なオーディオ愛好家ですが、ロバートワッツは物静かなイメージもあります。しかしHeadFiの書き込みのように熱いオーディオ魂を秘めた人でもあります。
CHORD製品が単に性能が高いだけではなく、音楽性も高く評価されてるのはそうした二人のオーディオ魂から来ていると感じました。
他には新製品でプロトタイプのhugoアンプ(モノブロックで8Ω70W出せるスピーカー駆動できるタイプ)などの情報もあり、最後には新製品の黒いHugoとHugoケースも披露されました。自分の携帯をつけて使いやすいように考えられサムストラップ(グリップ)も操作性を意識しています。
ブラックHugo
HugoケースとAK100mkIIとタイムロードさんのOP-TL1ケーブル
片側は余剰ケーブルの巻取りと、ぶつけたときのバンパーを兼ねています
なかなか濃い一時間でした。最後にロバートワッツとジョンフランクスのサインをHugoにしてもらいました ^.^
実はこのあとさらに彼らとオフレコ話をしました。ちょっと内容は書けませんが、ジョンが話して良いと言ったのは、この後も興味ある製品が出てくると言うことです。私も聞いてそれちょうだいって言いたくなりました。また私もこういうの作って欲しいといろいろお願いしました。
ブラックHugoとジョンとロバート
思うにオーディオ世界へのHugoのインパクトは大きく、私はHugoはポータブル世界に大きなインパクトがあったと感じてますが、実は同様に従来のハイエンドのオーディオ世界にも性能対価格やサイズでも大きなインパクトがあったと思います。またCHORDにとってもターニングポイントになるような製品だと思います。
Hugoはオーディオにおける新しいジャンルを作ったと言っても過言ではないし、新しいスタンダードを作りました。
これからもCHORDの動きに要注目です!
通訳はおなじみジェフリーさんです。下の写真は左からジェフリー、ロバーツワッツ、ジョンフランクスです。
ジョン・フランクスは自らの背景とCHORDの誕生について語りました。彼は飛行機のアビオニクス(電子機器)の仕事をバックグラウンドにしています。飛行機は故障時の対応がシビアなので、対策については根本的なところを治す必要があります。その思想がオーディオにも活かされているということです。
ジョン・フランクス (CHORD代表)
彼のアイディアは高周波電源の技術をアンプにもちこんだことですが、20年前当時はそれはなかなか評価されなかったそうです。そこにBBCがノイズに厳しいスタジオで評価してくれ、通常は一年かかる評価を二週間で評価してくれるほどCHORDの技術に惚れ込んだそうです。そこから口コミで伸びて行ってあのスカイウオーカースタジオにも採用されるまでに至りました。(そこでルーカスのサントラを384kHzで試聴します)
そして20年前に若いロバートワッツとラスベガスで「運命的に」会います。彼は普通のDACの20倍くらい高い既成のチップでないFPGAベースのDACを作っていました。それが発展してDAC64となって評価されたわけです。DAC64は音質は抜群でしたが、かなり熱くなる難点がありました。
それが20年前のことで、それから今のHugoに至るまでムーアの法則で進化して、高性能と低消費電力を両立するに至ります。つまりはワッツとフランクスの先見の明が今日をもたらしているわけです。
ロバート・ワッツ (デジタル設計)
ワッツはまずオーディオマニアであるということがスタートで、子供のころからアンプを作ってたそうです。そのうち-200dBなんていう知覚できないようなノイズが実は音質に影響するということから興味を持ち、音は耳ではなく脳で聴くということから研究を深めています。
実際Higoを設計する際にもリスニングによる差を重視して行ったということです。これはタイミングが重要であり、計算する上でのタップ数(細かさ)がキーとなります。タップが大きければ音の止めと始まり、イメージングもはっきりしてきます。つまり元の音に近づけますが無限大はできません。
そこでFPGAの性能向上とともにDAC64->Qute->Hugoとタップ数も進化していったわけです。
Hugoの性能はロバートワッツ自身も予想していたけど、自分でも驚いたのは自然でタイミングに優れた音楽性の高さだそうです。
次に私と和田先生がファン代表ということで一言述べさせてもらいました。
私はこの最高の音をポータブルにもたらして、新しい世界を見せてくれたことに感謝し、和田博己さんがDAC64についての導入時からHugoへの期待について語りました。
Q&AではRCAの最大出力値からボリュームのステップと色の関係までHugoの質問がありました。
このミーティング通じて感じたのはロバートとジョンの絆の深さで、二人の絆はオーディオマニアということ、またアナログ(ジョン)とデジタル(ロバート)という住み分けも良い方に働いているようです。
ジョンフランクスは情熱的なオーディオ愛好家ですが、ロバートワッツは物静かなイメージもあります。しかしHeadFiの書き込みのように熱いオーディオ魂を秘めた人でもあります。
CHORD製品が単に性能が高いだけではなく、音楽性も高く評価されてるのはそうした二人のオーディオ魂から来ていると感じました。
他には新製品でプロトタイプのhugoアンプ(モノブロックで8Ω70W出せるスピーカー駆動できるタイプ)などの情報もあり、最後には新製品の黒いHugoとHugoケースも披露されました。自分の携帯をつけて使いやすいように考えられサムストラップ(グリップ)も操作性を意識しています。
ブラックHugo
HugoケースとAK100mkIIとタイムロードさんのOP-TL1ケーブル
片側は余剰ケーブルの巻取りと、ぶつけたときのバンパーを兼ねています
なかなか濃い一時間でした。最後にロバートワッツとジョンフランクスのサインをHugoにしてもらいました ^.^
実はこのあとさらに彼らとオフレコ話をしました。ちょっと内容は書けませんが、ジョンが話して良いと言ったのは、この後も興味ある製品が出てくると言うことです。私も聞いてそれちょうだいって言いたくなりました。また私もこういうの作って欲しいといろいろお願いしました。
ブラックHugoとジョンとロバート
思うにオーディオ世界へのHugoのインパクトは大きく、私はHugoはポータブル世界に大きなインパクトがあったと感じてますが、実は同様に従来のハイエンドのオーディオ世界にも性能対価格やサイズでも大きなインパクトがあったと思います。またCHORDにとってもターニングポイントになるような製品だと思います。
Hugoはオーディオにおける新しいジャンルを作ったと言っても過言ではないし、新しいスタンダードを作りました。
これからもCHORDの動きに要注目です!
2014年09月23日
東京インターナショナルオーディオショウとBruno PutzeysのMola Mola
今年の東京インターナショナルオーディオショウは9月ということでちょっと実感がありませんが、見に行って来ました。ちなみに写真はカレー以外はSONY RX100M3です。
開場時には大盛況で並んでたんで、はじめに銀座のカツカレー発祥の店スイスで元祖カツカレー(千葉さんのカレー)を食しましたが、入館してみるとそれほどでもなく午後になってやや混み出した感じです。
全体を見て去年のLINNのExaktのような大物はないのですが、私が個人的に注目してたブランドが出てました。
それはハイエンドのブースで出展されていたMola Molaです。上の写真です。
なぜ注目かというと、このMola MolaはあのiQubeの設計者であるBruno Putzeysのプロジェクトだからです。HypexやGrimm Audioも彼ですね。Mola MolaはおそらくネルソンパスのFirstWattブランドみたいな個人ブランドのイメージでしょうか。
DクラスのパワーアンプKalugaとプリアンプMokuaが展示されていました。このDクラスアンプはモノブロックで一台85万円くらいとのことですが、これはHypexブランドと同じくNCoreデザインです。Mola Molaはマンボのような魚のようですがデザインも波をうねっています。
emmLabのDACと組み合わされてなかなかの音を出してましたが、実はMola MolaのメインはDACです。これは当初はプリアンプに内蔵されるものと聞いていましたが、今回ブースで聞いてみると内蔵方式だと発熱がすごいので単体DACとして再設計しているそうです。
Mola Molaのホームページはこちらで開発ブログもあります。
http://mola-mola.nl
最近はDSDという変革期を迎えて、DAC設計においてはPS AudioやSignalyst DACのように"従来の市販DACチップ+I/V変換回路"のような枠にはまらないさまざまなアーキテクチャのDACが現れてきていますが、Mola MolaのDACもそうした新しい方向性を持ったDACです。
これは10年先を見越して設計したという、いわゆる市販のDACチップを使わないディスクリートのDACです。1bit PDMからフィルターでアナログ信号を取り出すタイプだと思います。
今年のCESでのStereophileのレポートは下記リンクです。
http://www.stereophile.com/content/mola-mola-new-dac-prototype
DACは3枚のボードから構成されていて、PCMとDSDを入力としますが、一枚目のボードで入力をすべていったん3.125MHz/32bitにアップサンプリング変換し、それをPWM経由で100MHzの高周波の1bitデータストリームに変換します。二枚目と三枚目はそれぞれR chとL chのモノDACで、1bitデータをフィルターでアナログに変換します。これで140dBものSN比を達成しているということ。
Mola Molaのサイトより
下の記事(part2)に出て来ますが、100MHzがベースクロックで、3.125MHzの32サンプル(100/32=3.125)がPWMのサイクルに相当するようです。よくわかりませんが、こうするとジッターを排除しSNをあげられるそうです。
一回マルチビットに変換するのはボリューム制御のためではないかと思います(PS Audioも同じ)。
また面白いインタビューがこちらのultraaudioというサイトに掲載されています。
http://www.soundstageultra.com/index.php/features-menu/general-interest-interviews-menu/455-searching-for-the-extreme-bruno-putzeys-of-mola-mola-hypex-and-grimm-audio-part-one
Bruno Putzeys (上記サイトより)
クラシックのDSD配信で知られるChannel Classicsの柔らかい音のキーは単にDSDを採用しているだけではなく、使用しているGrimm Audio AD1というディスクリートADコンバーターに寄るところも大きいと思います。Channel Classicsの中でもスタジオ機材が違うと音が違いますからね。このAD1にまつわるGrimm Audioの誕生についても語られています。
Bruno Putzeysによれば1bitデルタシグマは魔法のようなものではなく、PCMでも同じような音質のものは作れると考えているが、ディスクリートADコンバーターを作るには1bitデルタシグマはよい選択であると書いています。
またPutzeysはフィリップスに在籍していました。フィリップスではNat.Labという先進技術研究所があったようですが大企業にはありがちなことで、そこにいかに良い技術があってもフィリップス自体は採用しないので、オランダにはフィリップス出身の技術者が溢れてるとのこと。彼もその一人ですね。Hypexで用いられているNCore技術もこの時の産物ということです。
あと上のKalugaとかMokuaという名前は日本に売る時には「電気ウナギ」にしようとしたけど、日本の代理店(ハイエンド?)に日本人は英語が書いてある方が喜ぶからそれはやめろと言われてハワイの魚の名にした、と書いてます。
Putzeysが来日してればiQubeにサインをして欲しかったところですが、そのうち来て欲しいですね。PutzeysについてはGrimm LS1も要チェックです。ちょっとExaktチックのスピーカーシステムです。
以下はMola Mola以外で目についたところです。
上の今井商事さんとこのMytekのマンハッタンDACは届いたばかりであまり能力は発揮できないということ。75万円になるハイエンド機です。本来は11.2kHzのDSDネイティブ再生とか、内部でのDSD変換ができるようになるということです。
上はスイスのThe Beastというネットワークプレーヤーです。これの注目点は内蔵されたDAC部分がMSB製だということですね。
また上の写真のようにAIR TIGHTが小型スピーカーを出しました。聞いてみるとこれはやはり大村ユニット(47研とか)のようです。さすが大村ユニットでサイズに見合わない堂々とした音でした。
ヘッドフォン関係は少なめ。
マランツのヘッドフォンアンプはオールドファンらしき人が興味津々に試してたのが印象的でした。
上はなにげにエレクトリに置かれていたマッキントッシュのヘッドフォンとヘッドフォンアンプ。試聴はできませんでした。
アークではマークレビンソンのDaniel Hertzのマスタークラスのカタログがありましたが、デモはCD。
ソース機材はアナログプレーヤーが目立ちました。下のトライオードブースのKronosターンテーブルは上下反転で慣性モーメントを打ち消すといういかにもオーディオ趣味らしい仕掛けです。
ヨシノではオープンリールテープまで使ってました。アナログレコードが最近また注目されたということもありますが、「アナログの復権」とまでは言えるのでしょうか。やはり時代のインフラはあくまでデジタルとネットワークですから。そうした意味では単に時代に逆行しているのではない取り組みが必要でしょうね。
開場時には大盛況で並んでたんで、はじめに銀座のカツカレー発祥の店スイスで元祖カツカレー(千葉さんのカレー)を食しましたが、入館してみるとそれほどでもなく午後になってやや混み出した感じです。
全体を見て去年のLINNのExaktのような大物はないのですが、私が個人的に注目してたブランドが出てました。
それはハイエンドのブースで出展されていたMola Molaです。上の写真です。
なぜ注目かというと、このMola MolaはあのiQubeの設計者であるBruno Putzeysのプロジェクトだからです。HypexやGrimm Audioも彼ですね。Mola MolaはおそらくネルソンパスのFirstWattブランドみたいな個人ブランドのイメージでしょうか。
DクラスのパワーアンプKalugaとプリアンプMokuaが展示されていました。このDクラスアンプはモノブロックで一台85万円くらいとのことですが、これはHypexブランドと同じくNCoreデザインです。Mola Molaはマンボのような魚のようですがデザインも波をうねっています。
emmLabのDACと組み合わされてなかなかの音を出してましたが、実はMola MolaのメインはDACです。これは当初はプリアンプに内蔵されるものと聞いていましたが、今回ブースで聞いてみると内蔵方式だと発熱がすごいので単体DACとして再設計しているそうです。
Mola Molaのホームページはこちらで開発ブログもあります。
http://mola-mola.nl
最近はDSDという変革期を迎えて、DAC設計においてはPS AudioやSignalyst DACのように"従来の市販DACチップ+I/V変換回路"のような枠にはまらないさまざまなアーキテクチャのDACが現れてきていますが、Mola MolaのDACもそうした新しい方向性を持ったDACです。
これは10年先を見越して設計したという、いわゆる市販のDACチップを使わないディスクリートのDACです。1bit PDMからフィルターでアナログ信号を取り出すタイプだと思います。
今年のCESでのStereophileのレポートは下記リンクです。
http://www.stereophile.com/content/mola-mola-new-dac-prototype
DACは3枚のボードから構成されていて、PCMとDSDを入力としますが、一枚目のボードで入力をすべていったん3.125MHz/32bitにアップサンプリング変換し、それをPWM経由で100MHzの高周波の1bitデータストリームに変換します。二枚目と三枚目はそれぞれR chとL chのモノDACで、1bitデータをフィルターでアナログに変換します。これで140dBものSN比を達成しているということ。
Mola Molaのサイトより
下の記事(part2)に出て来ますが、100MHzがベースクロックで、3.125MHzの32サンプル(100/32=3.125)がPWMのサイクルに相当するようです。よくわかりませんが、こうするとジッターを排除しSNをあげられるそうです。
一回マルチビットに変換するのはボリューム制御のためではないかと思います(PS Audioも同じ)。
また面白いインタビューがこちらのultraaudioというサイトに掲載されています。
http://www.soundstageultra.com/index.php/features-menu/general-interest-interviews-menu/455-searching-for-the-extreme-bruno-putzeys-of-mola-mola-hypex-and-grimm-audio-part-one
Bruno Putzeys (上記サイトより)
クラシックのDSD配信で知られるChannel Classicsの柔らかい音のキーは単にDSDを採用しているだけではなく、使用しているGrimm Audio AD1というディスクリートADコンバーターに寄るところも大きいと思います。Channel Classicsの中でもスタジオ機材が違うと音が違いますからね。このAD1にまつわるGrimm Audioの誕生についても語られています。
Bruno Putzeysによれば1bitデルタシグマは魔法のようなものではなく、PCMでも同じような音質のものは作れると考えているが、ディスクリートADコンバーターを作るには1bitデルタシグマはよい選択であると書いています。
またPutzeysはフィリップスに在籍していました。フィリップスではNat.Labという先進技術研究所があったようですが大企業にはありがちなことで、そこにいかに良い技術があってもフィリップス自体は採用しないので、オランダにはフィリップス出身の技術者が溢れてるとのこと。彼もその一人ですね。Hypexで用いられているNCore技術もこの時の産物ということです。
あと上のKalugaとかMokuaという名前は日本に売る時には「電気ウナギ」にしようとしたけど、日本の代理店(ハイエンド?)に日本人は英語が書いてある方が喜ぶからそれはやめろと言われてハワイの魚の名にした、と書いてます。
Putzeysが来日してればiQubeにサインをして欲しかったところですが、そのうち来て欲しいですね。PutzeysについてはGrimm LS1も要チェックです。ちょっとExaktチックのスピーカーシステムです。
以下はMola Mola以外で目についたところです。
上の今井商事さんとこのMytekのマンハッタンDACは届いたばかりであまり能力は発揮できないということ。75万円になるハイエンド機です。本来は11.2kHzのDSDネイティブ再生とか、内部でのDSD変換ができるようになるということです。
上はスイスのThe Beastというネットワークプレーヤーです。これの注目点は内蔵されたDAC部分がMSB製だということですね。
また上の写真のようにAIR TIGHTが小型スピーカーを出しました。聞いてみるとこれはやはり大村ユニット(47研とか)のようです。さすが大村ユニットでサイズに見合わない堂々とした音でした。
ヘッドフォン関係は少なめ。
マランツのヘッドフォンアンプはオールドファンらしき人が興味津々に試してたのが印象的でした。
上はなにげにエレクトリに置かれていたマッキントッシュのヘッドフォンとヘッドフォンアンプ。試聴はできませんでした。
アークではマークレビンソンのDaniel Hertzのマスタークラスのカタログがありましたが、デモはCD。
ソース機材はアナログプレーヤーが目立ちました。下のトライオードブースのKronosターンテーブルは上下反転で慣性モーメントを打ち消すといういかにもオーディオ趣味らしい仕掛けです。
ヨシノではオープンリールテープまで使ってました。アナログレコードが最近また注目されたということもありますが、「アナログの復権」とまでは言えるのでしょうか。やはり時代のインフラはあくまでデジタルとネットワークですから。そうした意味では単に時代に逆行しているのではない取り組みが必要でしょうね。
2014年07月19日
夏のポタ研2014レポート
本日は夏のポタ研に行って来ました。以下写真はSONY RX100M3です。
まずはAK500Nの発表会です。
AK500はハイエンドオーディオを志向するAstell&Kernのひとつの目指す姿を実際に作ってみたものと言えるでしょう。ネットワークプレーヤーとPCレスのリッピング機能、SSDストレージ、USB DACなどまさにPCオーディオ全部入りの豪華仕様です。デザインのユニークさもポイントですね。
デモではトラブルもありましたが、大勢のメディアが詰めかけ、質問も熱心で注目度の高さを感じさせました。
またDENONのポータブルヘッドフォンアンプが発表されました。
プレゼンではまず長いオーディオの老舗ブランドとしての歴史からヘッドフォンへの参入、そしてポータブルという道のりで紹介がなされました。
DA10はポータブル版のDA300ともいうべき多くの特徴を持っています。まずAdvanced AL32ですがこれはまずビット拡張で32bitにしてからアップサンプル(時間軸拡張と言っている)をしています。DENONではAL32がDACに内蔵されているデジタルフィルターの代わりをしているということです。アーキテクチャの踏襲という意味ではSX1をデスクトップにしたのがDA300で、町に持ち出すのがDA10ということ。まずアルファプロセッシングありきで設計がなされ、PCM1795はフィルターをパスするのに好都合という側面があり、つまりAL32に向いているDACチップだということです。この効きと言うのはデータの下位ビットに相当するところで、例えば静寂の部分から音の立ち上がりが滑らかと言うことです。AL32はFPGAで実装されているようです。
DA300のレビューのときも書きましたが、DACマスタークロックデザインも取り入れています。ピュアオーディオ製品ではクロックのマスター・スレーブというのは良くありますが、ポータブルでは初めて聞くように思います。
まさにDA300が手のひらに入ったというイメージですが、今回はゲイン切り替えも付いているように改良されています。ただユーザー意見を聞いてくれるのは良いのですが、DA10ではアナログ入力もあるので入力端子とヘッドフォン端子が逆側にあるとバッグの中で立てた時にケーブルが邪魔になりますのでこの辺も改良して欲しかったところです。
もう一点、デザインはiPhone5に合わせたようですが、iPhoneと組み合わせたときのRF対策もApple基準の範囲で行っているとのことですが、QuickStepみたいにRFフィルターの採用などもう一歩突っ込んで欲しかったところ。
他方でヘッドフォン端子はラインアウト端子を兼ねていて、Fix切り替えスイッチで2V固定出力というのは良いですね。三段システムでDACとして使いたい人もいますからね。
使い勝手としては割と良くてスイッチ類もわかりやすいと思います。
USBはAもBも付いてるのでiOSからのデジタルはホスト(いわゆるiDevice方式)でもデバイス(いわゆるUSB DAC方式)でも受けられます。
あとあまり深く突っ込みませんでしたが、charge スイッチon/offに関係なくiPadからのUSB出力が受けれてるのはちょっと興味深かったですね。つまりCCK経由なのにiOSが電流オーバー警告だしてないで、常にセルフパワーになってるようですがプロトだからかも。
だいたい70%の音の出来だそうですので細かい音のコメントはしませんが素性は良さそうです。
電池の持ちは7.5時間と短めですがAL32 FPGAがかなり電池食ってるようです。
電源の容量は大きいんですが、DSDのときはAL32を止めるなど工夫しているそうです(DSDではAL32効かないから)。
プレーヤーも出るかもってオフレコ話もありましたが、プレーヤー部分とDAC部分が一体になっているハイレゾDAPが一番マスタークロックデザインの恩恵を得るのではないかと思いますので、ぜひDENONさんにはマスタークロックデザインでAL32使ったハイレゾDAPを出して欲しいですね。
JabenではGlove Audio、Calyx M、Hidisz AP100などを出していました。
Glove AudioはLinumバランスW60で聞いた。音が洗練されていて、パワフルなところもがっつりきてくれるのが良いですね。
Calyx MはJaben Japanが正式扱い決定です。Calyx Mについてはレビュー記事を近日公開します。
テックウインドさんのWestoneはW60が好評で生産が追いつかないそうです。いいものはちゃんと売れますね。
カスタムのES60もデモ機を聞いてみましたが、かなりクリアで厚みのある素晴らしい音でした。2穴です。Westoneもさすが老舗でJHAやNobleには負けてません。
Astell&Kernは第二世代A&Kを中心に展示してました。たくさんのイヤフォンやCyper labのpiccoloなどシステムとしての展示も力を入れてるように見えました。
こちらは隠し玉のドイツのMundorf(ムンドルフ)のAK240用のバランスケーブル。参考出展販売予定をしてます。すごいレアケーブルとのこと。AK240を据え置き化したい人には良さそうです。
トップウイングブースではHE560とiDSD microがメインで展示をしていました。HE560は出だし好調でよく売れてるようです。iDSD microとHE560の組み合わせはさすがに音質レベルは高いですね。能率の低いHE560でも十分なってるように思います。
iFIの良いところは基本性能もすんごく高いんですが、XBassや3-Dのような普通ギミック的に言われる機能でも破綻しないで自然で良く効くこともあげられます。この辺は確固たる技術的な裏付けもあり、さすがトルステン博士。
Wagnusさんでは今回から代理店としてNobleを展開していました。NobleのカスタムがWagnusさん担当です。
Wagnusさんで購入すると通常WizardオプションのSilver Negget(銀箔)が無料オプションでつけられるそうです。またWagnusさんのケーブルをつけるとケーブルが22%オフになるそうです。
Fitearではfitearを展開。人気のようで試聴の列が途切れずに続いていました。
ちょっと面白かったのが中村製作所のヘッドフォンコンディショナーです。これはアンプではなく、パッシブで音をきれいに整えるというものです。
ユニークなことにバランス対応されていて、さらに出力を入力と別にできるのでAK240からバランスで出して、ヘッドフォンは3.5mmというのが可能です。
音もパッシブでも変わってスムーズであったみのある音に変わります。DAPの場合にイヤフォン端子取りのつなぎ方ではアンプにつなぐよりこういうパッシブの選択肢が良いかもしれません。
FostexではTH500RPをゆっくり聴きましたが音のつながりがスムーズでDSD再生に特に向いてる気がしました。
アナログスクエアペーパー(A2P)では
世界初というSITを採用したポータブルアンプを参考出品していました。最近?では元アスキーの西氏のデジタルドメインがSITを採用したアンプを設計して話題になったように思います。
SITを使うと真空管的な考えで回路設計ができてかつ真空管のようなインピーダンスマッチのためのトランスが不要ということで小型化ができる利点があるそう。ポータブルには向いた素材なのかもしれません。
まだまだ開発中ということで今後が楽しみな製品です。
SITトランジスタ使ったポータブルアンプとか、マスタースレーブクロックを採用したポータブルアンプとか、ますますオーディオ世界のミニチュア感が進むこの分野ではありますね。
まずはAK500Nの発表会です。
AK500はハイエンドオーディオを志向するAstell&Kernのひとつの目指す姿を実際に作ってみたものと言えるでしょう。ネットワークプレーヤーとPCレスのリッピング機能、SSDストレージ、USB DACなどまさにPCオーディオ全部入りの豪華仕様です。デザインのユニークさもポイントですね。
デモではトラブルもありましたが、大勢のメディアが詰めかけ、質問も熱心で注目度の高さを感じさせました。
またDENONのポータブルヘッドフォンアンプが発表されました。
プレゼンではまず長いオーディオの老舗ブランドとしての歴史からヘッドフォンへの参入、そしてポータブルという道のりで紹介がなされました。
DA10はポータブル版のDA300ともいうべき多くの特徴を持っています。まずAdvanced AL32ですがこれはまずビット拡張で32bitにしてからアップサンプル(時間軸拡張と言っている)をしています。DENONではAL32がDACに内蔵されているデジタルフィルターの代わりをしているということです。アーキテクチャの踏襲という意味ではSX1をデスクトップにしたのがDA300で、町に持ち出すのがDA10ということ。まずアルファプロセッシングありきで設計がなされ、PCM1795はフィルターをパスするのに好都合という側面があり、つまりAL32に向いているDACチップだということです。この効きと言うのはデータの下位ビットに相当するところで、例えば静寂の部分から音の立ち上がりが滑らかと言うことです。AL32はFPGAで実装されているようです。
DA300のレビューのときも書きましたが、DACマスタークロックデザインも取り入れています。ピュアオーディオ製品ではクロックのマスター・スレーブというのは良くありますが、ポータブルでは初めて聞くように思います。
まさにDA300が手のひらに入ったというイメージですが、今回はゲイン切り替えも付いているように改良されています。ただユーザー意見を聞いてくれるのは良いのですが、DA10ではアナログ入力もあるので入力端子とヘッドフォン端子が逆側にあるとバッグの中で立てた時にケーブルが邪魔になりますのでこの辺も改良して欲しかったところです。
もう一点、デザインはiPhone5に合わせたようですが、iPhoneと組み合わせたときのRF対策もApple基準の範囲で行っているとのことですが、QuickStepみたいにRFフィルターの採用などもう一歩突っ込んで欲しかったところ。
他方でヘッドフォン端子はラインアウト端子を兼ねていて、Fix切り替えスイッチで2V固定出力というのは良いですね。三段システムでDACとして使いたい人もいますからね。
使い勝手としては割と良くてスイッチ類もわかりやすいと思います。
USBはAもBも付いてるのでiOSからのデジタルはホスト(いわゆるiDevice方式)でもデバイス(いわゆるUSB DAC方式)でも受けられます。
あとあまり深く突っ込みませんでしたが、charge スイッチon/offに関係なくiPadからのUSB出力が受けれてるのはちょっと興味深かったですね。つまりCCK経由なのにiOSが電流オーバー警告だしてないで、常にセルフパワーになってるようですがプロトだからかも。
だいたい70%の音の出来だそうですので細かい音のコメントはしませんが素性は良さそうです。
電池の持ちは7.5時間と短めですがAL32 FPGAがかなり電池食ってるようです。
電源の容量は大きいんですが、DSDのときはAL32を止めるなど工夫しているそうです(DSDではAL32効かないから)。
プレーヤーも出るかもってオフレコ話もありましたが、プレーヤー部分とDAC部分が一体になっているハイレゾDAPが一番マスタークロックデザインの恩恵を得るのではないかと思いますので、ぜひDENONさんにはマスタークロックデザインでAL32使ったハイレゾDAPを出して欲しいですね。
JabenではGlove Audio、Calyx M、Hidisz AP100などを出していました。
Glove AudioはLinumバランスW60で聞いた。音が洗練されていて、パワフルなところもがっつりきてくれるのが良いですね。
Calyx MはJaben Japanが正式扱い決定です。Calyx Mについてはレビュー記事を近日公開します。
テックウインドさんのWestoneはW60が好評で生産が追いつかないそうです。いいものはちゃんと売れますね。
カスタムのES60もデモ機を聞いてみましたが、かなりクリアで厚みのある素晴らしい音でした。2穴です。Westoneもさすが老舗でJHAやNobleには負けてません。
Astell&Kernは第二世代A&Kを中心に展示してました。たくさんのイヤフォンやCyper labのpiccoloなどシステムとしての展示も力を入れてるように見えました。
こちらは隠し玉のドイツのMundorf(ムンドルフ)のAK240用のバランスケーブル。参考出展販売予定をしてます。すごいレアケーブルとのこと。AK240を据え置き化したい人には良さそうです。
トップウイングブースではHE560とiDSD microがメインで展示をしていました。HE560は出だし好調でよく売れてるようです。iDSD microとHE560の組み合わせはさすがに音質レベルは高いですね。能率の低いHE560でも十分なってるように思います。
iFIの良いところは基本性能もすんごく高いんですが、XBassや3-Dのような普通ギミック的に言われる機能でも破綻しないで自然で良く効くこともあげられます。この辺は確固たる技術的な裏付けもあり、さすがトルステン博士。
Wagnusさんでは今回から代理店としてNobleを展開していました。NobleのカスタムがWagnusさん担当です。
Wagnusさんで購入すると通常WizardオプションのSilver Negget(銀箔)が無料オプションでつけられるそうです。またWagnusさんのケーブルをつけるとケーブルが22%オフになるそうです。
Fitearではfitearを展開。人気のようで試聴の列が途切れずに続いていました。
ちょっと面白かったのが中村製作所のヘッドフォンコンディショナーです。これはアンプではなく、パッシブで音をきれいに整えるというものです。
ユニークなことにバランス対応されていて、さらに出力を入力と別にできるのでAK240からバランスで出して、ヘッドフォンは3.5mmというのが可能です。
音もパッシブでも変わってスムーズであったみのある音に変わります。DAPの場合にイヤフォン端子取りのつなぎ方ではアンプにつなぐよりこういうパッシブの選択肢が良いかもしれません。
FostexではTH500RPをゆっくり聴きましたが音のつながりがスムーズでDSD再生に特に向いてる気がしました。
アナログスクエアペーパー(A2P)では
世界初というSITを採用したポータブルアンプを参考出品していました。最近?では元アスキーの西氏のデジタルドメインがSITを採用したアンプを設計して話題になったように思います。
SITを使うと真空管的な考えで回路設計ができてかつ真空管のようなインピーダンスマッチのためのトランスが不要ということで小型化ができる利点があるそう。ポータブルには向いた素材なのかもしれません。
まだまだ開発中ということで今後が楽しみな製品です。
SITトランジスタ使ったポータブルアンプとか、マスタースレーブクロックを採用したポータブルアンプとか、ますますオーディオ世界のミニチュア感が進むこの分野ではありますね。
2014年05月13日
ヘッドフォン祭2014春のレポート
2014年春のヘッドフォン祭が中野に戻って開催されました。中野に戻ってきたせいか、気持ちよい晴天で行われかなりの人でにぎわいました。以下、今回のヘッドフォン祭でのポイントを書いていきます。
1. 平面型ヘッドフォンの最新事情
今回の注目のひとつはまず新世代平面型ヘッドフォン対決です。フォステクスのTH500RPが発表され、HiFiManではHE560、HE400iの新製品が展示され、OppoではPM-1の製品版が展示されました。
平面型のヘッドフォンは最近注目されてきましたが、その低価格化と高能率化が課題となっています。実のところ平面型というのは最近発明された技術ではなく、オーディオの黄金期と言われた時代には理想的な形式としてスピーカー・ヘッドフォンを問わずに追求された時期もあったのですが、オーディオビジネスが冷え込んでくるとコストのかかるこの方式からメーカーは離れていき、やがて少数のみが残るという歴史があります。その少ない残った代表例はSTAXとフォステクス RPです。STAXが一部に熱狂的なファンがいるのと同様にフォステクス RPにも特に海外で熱烈なファンがいます。
フォステクスさんの発表を聞くとその歴史を再確認できたと思います。フォステクスの初代RPモデルではネオジウムマグネットがない時代においても広帯域の再生ができたと言います。
TH500RPはいままでの延長とも言えます。デザインはT50のデザインを踏襲したのもその現れの一つでしょう。デザインはA8やHP-P1のデザイナーを起用しています。インピーダンスが少し変わったほかは最大入力も現行RPと同じです。
RPはフォステクスでの全面駆動の平面型ヘッドフォンの呼び名ですが、Regular Phase(均一の位相)という名の通り、全面駆動により全体が動くので共振が分散できて不要音がないという利点があります。今回測定すると共振点がないというより、振幅が少なくても音が出るので共振点が目立ちにくい、というのが分かったそうです。つまりスムースに振動板を動かせるわけです。TH900は振幅自体は速いが、振幅の動き自体はRPが滑らかという感じのようです。これも測定を重ねるという手法がキーとなります。
もう一方のTH500RPの改良点はチューニングするということで、まずエアフローをチューニングしています。とくに低域のエアフローの改善はTH900のノウハウを使ったということ。以前のRPはこもって抜けが悪かったが、それはエアフローのチューニングで改良されたということです。
つまりドライバーのチューニング、エアフローのチューニング、イヤパッド、ケーブルの改善で音を改良したのがTH500RPです。
さきにふれたように海外ではフォステクスというとRPというほど平面型が代名詞となっており、いくつものmod(改造品)が作られてきました。最近のAlphaDogもそのひとつです。つまりRPドライバ自体は完成度が高いのですが、ガワに不満があったわけです。AlphaDogは3Dプリントという手法でそれを解決しています。言い換えるとガワを変える=チューニングするという考え方は一般的な認識であった訳です。
そうしたチューニングをオフィシャルで行い、しかも測定を重ねるという手法で完全な「セルフmod」をしたのがTH500RPとも言えるでしょう。
またそういう意味では完全新規の新設計平面型もそのうち期待できるかもしれません。
RPも当初はプロ用を目的としていたため、鳴らし難さはあまり目立つ問題ではありませんでしたが、最近コンシューマーの世界でヘッドフォンが注目されてくると平面型の問題である能率の低さがまた問題となってきました。
能率が高くするポイントとしてはTH500RPでは磁気回路の印刷技術が上がってること、そしてさきの測定器を使った解析があげられるということです。なおRPの特徴的な山形パターンは同じということです。
実際に聞いてみるとたしかに自然で素直な音が感じられました。
HiFimanも平面型に重点を置いており、こちらは海外のマニア層を中心に出てきた新興の勢力といえましょう。いままでにいくつもの平面型を制作していますが、今回は新型であるHE560とHE400iを発表しました。
HE560はドライバーにシングルエンド・片側マグネット(Singled ended planer magnetic)を採用するなど新機軸を採用しているのがポイントです。この方式を取るとダイアフラムがより自由に動くので広大な音空間を生むが、歪みをコントロールするのが難しいということ。今回それを解決するダンピング素材をJade(以前静電型を作ったメーカー)と見つけたそう。またマグネットが一つなので軽量化でき能率もあがるということ。HE400iとも能率の向上をポイントとしてあげています。HE560はそういっても能率はまだまだ低いのでホーム用できちんとしたアンプを必要とします。
HE400iはポータブルでも使えるくらい能率高いもので音質もとても高いですね。音色も美しいです。
HE560
Oppo PM-1は以前発表会でプレゼンしたのですが、製品版となって登場しました。こちらはこれがはじめての平面型というかヘッドフォン製品です。
PM-1は平面型的なスムースさとダイナミック型のようなロックPOPに向いた迫力を持ってます。能率が高いところもポイントです。PM-1は独特の二重のダイアフラム構造を持っていて、コイルのパターンはスパイラル(螺旋)です。コイルのパターンはコイルの長さを左右するので平面型では重要なポイントで、フォステクスのRPでは山型ですね。
また全体にパーツも高級感があり、Editionシリーズを少し意識しているようにも見えます。
PM-1
Fostex、HiFiman、Oppoはそれぞれ老舗、新興勢力、新人という違いがあります。また音も個性的という点でちょっと注目していきたいところです。
2.カスタムイヤフォン世界の充実
ヘッドフォンを中心に発展して来たこの世界ですが、時代の趨勢はかなりポータブル方向に動いています。そうした中で、かつてヘッドフォン世界を牽引してきたHD800やEdition9などのハイエンドヘッドフォンに変わって注目されてきたのがカスタムイヤフォンです。高性能ユニバーサルも含めてハイエンドのイヤフォンと言い換えてもよいかもしれません。
かつては一部のものだったカスタムは国内扱いも増え、いまや多くのひとが楽しめるものとなってきました。
カスタムの世界は前に書いたようにジェリーハービーが創始して人気をあつめ、日本およびアジア圏では須山さんが人気を博しています。そうした東西両雄にくわえて人気を集めている個性派が"Wizard"ジョンモールトンで、彼のひきいるのがNobleです。
今回はWagnusさんが自らのケーブルとともに、Nobleのカスタムやユニバーサルを日本に紹介してくれました。
ます注目はフラッグシップの10ドライバー機のKaiser 10(K10)です。試聴機を聞いてみましたが音域は広く各帯域にドライバーが広く配置されているという感じです。4+4+4と2+2+2+2+2というドライバー構成の違いというのもあるかもしれません(K10はクロスオーバー的には4wayだったと思います)。特に低域はでかいCIユニットがはいっているせいかかなり豊かですね。中低域に重点がある感じでロックポップを含めた様々なジャンルでのオーディオリスニングにはよさそうです。ロクサーヌの方は中高域を重点に音が整っている感じです。ロクサーヌの低域は量感というよりパンチがあるという感じです。
Kaiser 10
ロクサーヌだけ聞いているとそう思いませんが、他のIEMと比べると整った音で正確な再現を目指すというロクサーヌの強みもわかってきます。ライバルあればこそ、という感じでしょうか。
もうひとつNobleの注目はユニバーサルのNoble PR/FRでこれらはスイッチ式でクロスオーバーとユニットの組み合わせが代えられます。スイッチで音が大きく変わり、プレイリストにロックとクラシックが混ざってるなんて人には好適だと思いました。
Noble PR
須山さんブースは本人不在でしたがとても人気で試聴の列が途切れずにできていました。注目はあたらしい"fitear"です。fitearという名前もひとつの原点回帰を示しているのかもしれません。
私が持ってるfitearのプロトは標準の黒い001ケーブルですが、製品版?ではオヤイデの白ケーブルで展示されていました。聴いてみると001よりこっちの方が空気感がよく出ていてよりfitearの魅力を引き出しているように思えます。実は向かいのアユートさんのところにもfitearがおいてあってこちらは並ばずに聴けました。またAK240バランス版も用意されていました。
fitear
アユートさんのところではロクサーヌユニバーサルのAKR03がありましたが、これは即日完売の瞬殺でした。香港でも即日完売だったそうです。
もうひとつのカスタムの注目点であるJM Plusはまずは無事到着してほっとしたという思いです。新しいところ呼ぶときはけっこういつも大変です。ここではさまざまな世界のカスタムを聴くことができます。
rhines Stage5は明るくクリアで歯切れ良い音でした。
Rooth LSX3はハイブリッドらしく重厚でベースたっぷりです。
custom art Harmonyはカスタムだけど小さめに作ってるので試聴に使います。バランスの取れた音って感じでした。custom art はシリコンですけど、ACSみたいにゴムみたいにものすごく柔らかいわけではないです。フィットが気持ち良いですね。
ブースも人気で二日目はおそろいのTシャツでいそがしく動いていました。JM Plusの人たちもすっかりヘッドフォン祭が気に入って次もぜひ出たいって言ってました。
3.個性派ポータブルヘッドフォンアンプ
ポータブルの中でも趨勢がハイレゾDAPに向かうなかで、ポータブルのヘッドフォンアンプでは大手企業が参加してきたという点と、小規模メーカーの世界では個性派が増えてきたということが変化としてあげられると思います。
今回のヘッドフォン祭での一番のサプライズは(AK100II/120IIを除くと)、GloveAudioのCEOがCEntranceのマイケルだったということでした。15Fのエレベーターでばったりあって、なにしてるの?と言って名刺を渡されてびっくり。これは私も知らされていませんでした。
実のところGloveAudioの話を聞いても、正体の知れない新会社では肝心の音が不安だ、と思っていたのですが、これで一気に解決しました。あのDACportとHiFi M8のCEntranceです。音質はいわずもがな折り紙付き、です。
GloveAudioのThe Glove A1はAK100とAK120をケーブルを使わずにクランパーであるアダプタではさんで合体させるDAC内臓のヘッドフォンアンプです。AKからは光端子でデジタルだけ入力します。DACはES9018K2Mです。またアンプはバランス出力が可能で、RSAタイプとAk240の2.5mmバランスの二基が装備されています。バランスケーブルをつかったAKR03でも素晴らしい音が楽しめました。ハイレゾのクラシックも堂々とスケール感豊かに鳴らします。音の純度の高さはCEntrance品質です。シングルエンドでもすんごく良い音です。まさに画期的なアンプですね。
AK100とAk120はスペーサーのアダプタで調整できます。クランパーはビス止めです。(へクスレンチ)
絶対はずれません。まさに一体型。私も長いことプレーヤー+ポータブルアンプという組み合わせを使っていますが、Glove A1は新感覚です。フルアーマーという異名もすでに頂戴していますがメカっぽさもよいですね。AK100ユーザーは画期的な高音質化ができるとともに増えつつある2.5mmバランス資産も使えます。
価格は7万前後のようで、来月以降に出荷を予定しているということです。
もうひとつのJabenの驚きはこのPortaTubeの後継である真空管アンプです。PortaTubeはかなり人気を博したのでこちらも注目ですね。
真空管アンプ
こちらはいまでは人気ブランドとなったiFIの新製品Micro DSDです。つれはクラウドデザインで募集した成果ということでしょうか。すごいのはポータブルなのにDSD256(11.2MHz)に対応します!
またプリとしても使用可能です。電池内蔵でポータブル使用も可能ですが、やや大きいのでポータブルというよりはバッテリー駆動によるプリとしてジェフローランドなみのクリーン電源駆動プリとしての使用も想定しているようです。
こちらはアナログスクエアペーパーさんとのコラボによるミニ05(小さいほう)。トランジスタは交換可能です。これはいわゆるバッファアンプで電圧増幅しないタイプ(ゲインゼロ)ですね。ネタだけじゃなくけっこう音も良いですね。
CEntranceはHifiM8のミニを参考展示しました。スリムになっただけではなく一台でUSBもiDeviceも光も同軸も入力可能です。
HiFi M8 mini(上)と現行のM8(下)
4. 大手企業メーカーのポータブルヘッドフォンアンプ
ポータブルのヘッドフォンアンプというと少し前まではニッチの世界であり、ガレージメーカーの独壇場だったのですが、フォステクスHP-P1あたりから流れが変わり始め、いまでは大手企業のソニー、Teacについで今回はビクターとオンキヨーからも新製品が出てきました。
TEACとソニーのポータブルアンプ
ビクターのポータブルアンプSU-AX7はアナログ回路にも手を抜いてないのが特徴ということで、RWAK120でアナログ入力させて使うと柔かく落ち着いたオーディオらしい音でした。なかなか良いと思います。DACチップはAK4390ということですが、AKMの音っていうのともまた違うかも、とも思いました。DACはアナログ回路しだいということはメーカーのノウハウなんかも生きているんでしょう。またビクターお得意のK2回路を使用しているのもポイントです。
SU-AX7
オンキヨーのポータブルヘッドフォンアンプDAC-HA200(参考出品)はTeacと兄弟機となり提携関係の結果だそうです。こうした関係も大手企業の世界ならではかもしれません。Teacとはオペアンプ違いで、こちらの方が明瞭感は高いように感じました。またオンキヨーのiPhoneアプリもTeacで使われていますね。
オンキヨーのポータブルアンプ
5. 最新のハイレゾDAP
今回驚いたのは人気のAstell&KernでAK100IIとAk120IIがドイツのハイエンドショウで発表されるということです。みたところ2.5mmプラグやUIなどでAK240のとの共通性も期待されます。
これについてはチャンネルはそのまま、という感じで続報をまっていてください。
AK100II,AK120II
今回気合が入っているJabenのテーマは上クラスのCalyx M(販売は不明)、中クラスのAP100、エントリーのCookie/Buiscuitと揃えたDAP、そしてGloveや新真空管、A2P小型など個性派アンプを揃えたことです。
注目DAPのCalyx Mも日本初登場でJabenブースにCEOみずからが持ってきました。聞いてみるとやや大柄ながらかなり引き締まったタイトでシャープな音でジッター低そうです。さすがPCオーディオのDACメーカーが作ったDAPという感じではありますね。またUSB DACとしてオーディオクラス2のきちんとした設計がなされているのもポイントです。
Calyxのイ・スンモクCEOとCalyx M、右はマグネットボリュームを外したところ
M:useというコントロールソフトはLinuxベースです。これはAndroidのハイレゾ通らない問題を避ける意味もあります。またマグネット式のボリュームノブを採用しているのも面白く、これはスリットレスでごみが入らないようにするためです。USB DACとしても機能します。
Hidizs AP100も安いながら音いいです。正確系で特にハイレゾ曲の再生がとても良い感じでした。ロクサーヌとも良く合いました。
AP100
Biscuit+(7000円)とCookie(12000円)、CookieはBiscuitに液晶とFLAC対応がついたもの。Biscuit+は前モデルにシャッフル機能がついたもの。残念ながらFLAC対応はなし。
Biscuit+とCookie
またオヤイデさんのところではX5が出展されていました。思っていたよりはちょっと大きい感じです。
アユートさんのところではAK240のゴールドも展示されています。(ホワイトバランスとらずにすんません)
6.ケーブルの充実
2.5mmバランス規格が普及始めたのも今回のヘッドフォン祭のポイントです。
AK240自体も売れてますし、AK100IIやAK120II、またはGloveAudioのように他でも2.5mmバランスが採用されています。
2.5mm AKタイプのケーブルでは以下のものが目に留まりました。
(左)ALOのSXC24-IEM MMCX。43000円くらい。 (右)Beat AudioのSignal 、価格未定。2ピン。
Wagnusさんの2.5mm、Voskhod、Meridian、Proton
2.5mm - RSAタイプのインターコネクト。WagnusのProgress。
6FではEstronのLinum(ライナム)ケーブルのデモをやってました。これは新型のタングルレス(絡みにくい)タイプです。前のケーブルの弱点は絡み安いところだったのでよい改良です。
なぜJabenと別ブースかというと6Fでは日本のB2B代理店の人が担当してたからです(JabenはB2C代理店になります)。Estronの特徴は音をケーブルで変えるのをうたってることで、それを証明するのにこんなユニークなイヤフォン切り替え器を用意してます。
二組のケーブルが同時に入ってます。イヤフォンにはこんな感じで二組入ってます。Estronは細いけど強靭ということで思いっきり引っ張るデモもやってくれました。
タイムロードではHugoで便利に使える光ケーブルを展示していました。価格も安くなかなか音もよいと思います。ほかのアンプでも使えそうですね。
7. エントリークラスからステップアップクラスのイヤフォン事情
カスタムだけではなく、エントリーからミッド、ハイクラスの各クラスの通常のイヤフォンも充実してきています。
まず今回の注目は激戦区の5000円に投入されるShureのSE112です。215との違いはケーブルが固定でチップがラバーのみです。ケーブルは耳巻きではなくストレート装着を想定しています。Shureの黒フォームチップとか耳まき式の装着はIEMなみのものですが、本当に一般人にはなじみにくいと思いますのでよいことでしょう。ドライバー自体は215と似ていますがチューニングを変えてます。音は215の方がwarm感あり、112はややすっきりでしょうか。215譲りで音質もいいので今後が注目されます。
SE112
音茶楽さんでは新ブランド、茶楽音人(サラウンド)が紹介されていました。ブランドの差異は下記のようにまとめられています。Donguri-楽はドングリベースですがより安く、より元気でベースたっぷりです。これは価格を考えるとかなりオススメのように思います。
音茶楽さんのもうひとつの展示てはFlat4の外耳道によってチューニングが違うもの、Flat4-緋弐型(赤)とFlat4-玄弐型(黒)が展示されています。これは位相補正チューブの長さによる違いです。もともとFLAT-4があれだけスムーズな音を出せていたのは位相補正チューブの働きがあるのですが、その長さをユーザーの外耳道に応じて変えるというもの。ある意味カスタムですね。
Flat4-緋弐型(赤)とFlat4-玄弐型(黒)
聴き比べるポイントは高域サ行のきつさです。試してみると確かに違いますね。私は赤の方がより自然に感じられましたが、外耳道が長めということのようです。
これは実際にお店で試聴してどちらかを選んでください。とても面白い試みだと思います。
人気ブランドとなったDita AudioではスペシャルAnswerがありました。どうスペシャルかというとAK240のバランスに対応しています。これはぜひ製品版でもほしいところですね。
Balanced Answer
またオーディオテクニカの新機軸“DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS”を取り入れた新製品CKR10なども展示されていました。オーディオテクニカの音つくりのそつなさという点でこの新機軸があっているようにも思います。
CKR10
8. PCオーディオの最新事情
ヘッドフォン祭では新しいオーディオの波ということでPCオーディオも取り込んでいます。
フックアップさんではLynxのHiloとMacのサンダーボルト接続のデモをやってました。これすごく画期的だと思います。端的にいうとサンダーボルト接続ということはPCI接続と同じということです。いままでPCIボードを使っていたことがサンダーボルトケーブルで可能ということです。ケーブル経由でも実質ボードをさしたのと同じということは転送性能だけではなく、従来資産の両面で有利です。そこがLynxの強みでもありますね。 またサンダーボルト接続ということはPCI接続と同じということですからドライバーが必要です。
画像では上下同じHiloでわかりやすく展示していました。
Hilo自体の音もスタジオ向けというだけでなくオーディオリスニングにも向いている感じでした。これのオーディオ向けDACのみのバージョンが出るとよいんですけど。
Audivana Plusの次期バージョン(iTunesライブラリとAudirvanaプレイリストの統合版)はヘッドフォン祭のフェーズメーションさんブースで先行公開でした(Damienの許可をとっています)。一般にはまだ公開されてません。
AudirvanaとEPA007X
フェーズメーションさんの新ヘッドフォンアンプはEPA007の改良型です。電源が改良されてより押しが強く音が先鋭になっています。なかなかよいと思います。
PCオーディオ関係ではPS AudioのDirect Stream DACも注目です。ポール社長のブログにあったDSDがメインでDACチップ使ってないやつです。
自然で高精細な音です。ただ高価なのがネットかと思いますが、まずリファレンスクラスを出したいというメーカーの意向があるようで、今後DLIIIクラスの同様なDACを期待したいところです。
Direct Stream DAC
角田さんのネットワークオーディオ講座も開催されていました。かなり人が入っていて立ち見が出るほどでした。
*
しかしこのレポート書いていても大変で、9000字の大作となってしまいましたが、今回も盛りだくだんでした。ヘッドフォン祭の直前のポタ研でAK240とHugoというデカイネタを出してしまったんで心配していた面もありましたが、こうしてたくさん書くことがあるというのはこの世界が成熟しているということでしょうね。
今回はサンプラザに戻ったことで呪いが解け?晴天に恵まれました。出展社数は約110社、入場者数は2日で7000人ということです。青山より増えていますね。あの伝統の東京インターナショナルオーディオショウでさえ3日で9000人くらいですからすごい人です。海外ではCanJamが2000人くらいです。
次は10/25と26で同じ中野サンプラザで行うということ。すでに次回のタネも今回いくつかありましたので次回も楽しみなことです。
1. 平面型ヘッドフォンの最新事情
今回の注目のひとつはまず新世代平面型ヘッドフォン対決です。フォステクスのTH500RPが発表され、HiFiManではHE560、HE400iの新製品が展示され、OppoではPM-1の製品版が展示されました。
平面型のヘッドフォンは最近注目されてきましたが、その低価格化と高能率化が課題となっています。実のところ平面型というのは最近発明された技術ではなく、オーディオの黄金期と言われた時代には理想的な形式としてスピーカー・ヘッドフォンを問わずに追求された時期もあったのですが、オーディオビジネスが冷え込んでくるとコストのかかるこの方式からメーカーは離れていき、やがて少数のみが残るという歴史があります。その少ない残った代表例はSTAXとフォステクス RPです。STAXが一部に熱狂的なファンがいるのと同様にフォステクス RPにも特に海外で熱烈なファンがいます。
フォステクスさんの発表を聞くとその歴史を再確認できたと思います。フォステクスの初代RPモデルではネオジウムマグネットがない時代においても広帯域の再生ができたと言います。
TH500RPはいままでの延長とも言えます。デザインはT50のデザインを踏襲したのもその現れの一つでしょう。デザインはA8やHP-P1のデザイナーを起用しています。インピーダンスが少し変わったほかは最大入力も現行RPと同じです。
RPはフォステクスでの全面駆動の平面型ヘッドフォンの呼び名ですが、Regular Phase(均一の位相)という名の通り、全面駆動により全体が動くので共振が分散できて不要音がないという利点があります。今回測定すると共振点がないというより、振幅が少なくても音が出るので共振点が目立ちにくい、というのが分かったそうです。つまりスムースに振動板を動かせるわけです。TH900は振幅自体は速いが、振幅の動き自体はRPが滑らかという感じのようです。これも測定を重ねるという手法がキーとなります。
もう一方のTH500RPの改良点はチューニングするということで、まずエアフローをチューニングしています。とくに低域のエアフローの改善はTH900のノウハウを使ったということ。以前のRPはこもって抜けが悪かったが、それはエアフローのチューニングで改良されたということです。
つまりドライバーのチューニング、エアフローのチューニング、イヤパッド、ケーブルの改善で音を改良したのがTH500RPです。
さきにふれたように海外ではフォステクスというとRPというほど平面型が代名詞となっており、いくつものmod(改造品)が作られてきました。最近のAlphaDogもそのひとつです。つまりRPドライバ自体は完成度が高いのですが、ガワに不満があったわけです。AlphaDogは3Dプリントという手法でそれを解決しています。言い換えるとガワを変える=チューニングするという考え方は一般的な認識であった訳です。
そうしたチューニングをオフィシャルで行い、しかも測定を重ねるという手法で完全な「セルフmod」をしたのがTH500RPとも言えるでしょう。
またそういう意味では完全新規の新設計平面型もそのうち期待できるかもしれません。
RPも当初はプロ用を目的としていたため、鳴らし難さはあまり目立つ問題ではありませんでしたが、最近コンシューマーの世界でヘッドフォンが注目されてくると平面型の問題である能率の低さがまた問題となってきました。
能率が高くするポイントとしてはTH500RPでは磁気回路の印刷技術が上がってること、そしてさきの測定器を使った解析があげられるということです。なおRPの特徴的な山形パターンは同じということです。
実際に聞いてみるとたしかに自然で素直な音が感じられました。
HiFimanも平面型に重点を置いており、こちらは海外のマニア層を中心に出てきた新興の勢力といえましょう。いままでにいくつもの平面型を制作していますが、今回は新型であるHE560とHE400iを発表しました。
HE560はドライバーにシングルエンド・片側マグネット(Singled ended planer magnetic)を採用するなど新機軸を採用しているのがポイントです。この方式を取るとダイアフラムがより自由に動くので広大な音空間を生むが、歪みをコントロールするのが難しいということ。今回それを解決するダンピング素材をJade(以前静電型を作ったメーカー)と見つけたそう。またマグネットが一つなので軽量化でき能率もあがるということ。HE400iとも能率の向上をポイントとしてあげています。HE560はそういっても能率はまだまだ低いのでホーム用できちんとしたアンプを必要とします。
HE400iはポータブルでも使えるくらい能率高いもので音質もとても高いですね。音色も美しいです。
HE560
Oppo PM-1は以前発表会でプレゼンしたのですが、製品版となって登場しました。こちらはこれがはじめての平面型というかヘッドフォン製品です。
PM-1は平面型的なスムースさとダイナミック型のようなロックPOPに向いた迫力を持ってます。能率が高いところもポイントです。PM-1は独特の二重のダイアフラム構造を持っていて、コイルのパターンはスパイラル(螺旋)です。コイルのパターンはコイルの長さを左右するので平面型では重要なポイントで、フォステクスのRPでは山型ですね。
また全体にパーツも高級感があり、Editionシリーズを少し意識しているようにも見えます。
PM-1
Fostex、HiFiman、Oppoはそれぞれ老舗、新興勢力、新人という違いがあります。また音も個性的という点でちょっと注目していきたいところです。
2.カスタムイヤフォン世界の充実
ヘッドフォンを中心に発展して来たこの世界ですが、時代の趨勢はかなりポータブル方向に動いています。そうした中で、かつてヘッドフォン世界を牽引してきたHD800やEdition9などのハイエンドヘッドフォンに変わって注目されてきたのがカスタムイヤフォンです。高性能ユニバーサルも含めてハイエンドのイヤフォンと言い換えてもよいかもしれません。
かつては一部のものだったカスタムは国内扱いも増え、いまや多くのひとが楽しめるものとなってきました。
カスタムの世界は前に書いたようにジェリーハービーが創始して人気をあつめ、日本およびアジア圏では須山さんが人気を博しています。そうした東西両雄にくわえて人気を集めている個性派が"Wizard"ジョンモールトンで、彼のひきいるのがNobleです。
今回はWagnusさんが自らのケーブルとともに、Nobleのカスタムやユニバーサルを日本に紹介してくれました。
ます注目はフラッグシップの10ドライバー機のKaiser 10(K10)です。試聴機を聞いてみましたが音域は広く各帯域にドライバーが広く配置されているという感じです。4+4+4と2+2+2+2+2というドライバー構成の違いというのもあるかもしれません(K10はクロスオーバー的には4wayだったと思います)。特に低域はでかいCIユニットがはいっているせいかかなり豊かですね。中低域に重点がある感じでロックポップを含めた様々なジャンルでのオーディオリスニングにはよさそうです。ロクサーヌの方は中高域を重点に音が整っている感じです。ロクサーヌの低域は量感というよりパンチがあるという感じです。
Kaiser 10
ロクサーヌだけ聞いているとそう思いませんが、他のIEMと比べると整った音で正確な再現を目指すというロクサーヌの強みもわかってきます。ライバルあればこそ、という感じでしょうか。
もうひとつNobleの注目はユニバーサルのNoble PR/FRでこれらはスイッチ式でクロスオーバーとユニットの組み合わせが代えられます。スイッチで音が大きく変わり、プレイリストにロックとクラシックが混ざってるなんて人には好適だと思いました。
Noble PR
須山さんブースは本人不在でしたがとても人気で試聴の列が途切れずにできていました。注目はあたらしい"fitear"です。fitearという名前もひとつの原点回帰を示しているのかもしれません。
私が持ってるfitearのプロトは標準の黒い001ケーブルですが、製品版?ではオヤイデの白ケーブルで展示されていました。聴いてみると001よりこっちの方が空気感がよく出ていてよりfitearの魅力を引き出しているように思えます。実は向かいのアユートさんのところにもfitearがおいてあってこちらは並ばずに聴けました。またAK240バランス版も用意されていました。
fitear
アユートさんのところではロクサーヌユニバーサルのAKR03がありましたが、これは即日完売の瞬殺でした。香港でも即日完売だったそうです。
もうひとつのカスタムの注目点であるJM Plusはまずは無事到着してほっとしたという思いです。新しいところ呼ぶときはけっこういつも大変です。ここではさまざまな世界のカスタムを聴くことができます。
rhines Stage5は明るくクリアで歯切れ良い音でした。
Rooth LSX3はハイブリッドらしく重厚でベースたっぷりです。
custom art Harmonyはカスタムだけど小さめに作ってるので試聴に使います。バランスの取れた音って感じでした。custom art はシリコンですけど、ACSみたいにゴムみたいにものすごく柔らかいわけではないです。フィットが気持ち良いですね。
ブースも人気で二日目はおそろいのTシャツでいそがしく動いていました。JM Plusの人たちもすっかりヘッドフォン祭が気に入って次もぜひ出たいって言ってました。
3.個性派ポータブルヘッドフォンアンプ
ポータブルの中でも趨勢がハイレゾDAPに向かうなかで、ポータブルのヘッドフォンアンプでは大手企業が参加してきたという点と、小規模メーカーの世界では個性派が増えてきたということが変化としてあげられると思います。
今回のヘッドフォン祭での一番のサプライズは(AK100II/120IIを除くと)、GloveAudioのCEOがCEntranceのマイケルだったということでした。15Fのエレベーターでばったりあって、なにしてるの?と言って名刺を渡されてびっくり。これは私も知らされていませんでした。
実のところGloveAudioの話を聞いても、正体の知れない新会社では肝心の音が不安だ、と思っていたのですが、これで一気に解決しました。あのDACportとHiFi M8のCEntranceです。音質はいわずもがな折り紙付き、です。
GloveAudioのThe Glove A1はAK100とAK120をケーブルを使わずにクランパーであるアダプタではさんで合体させるDAC内臓のヘッドフォンアンプです。AKからは光端子でデジタルだけ入力します。DACはES9018K2Mです。またアンプはバランス出力が可能で、RSAタイプとAk240の2.5mmバランスの二基が装備されています。バランスケーブルをつかったAKR03でも素晴らしい音が楽しめました。ハイレゾのクラシックも堂々とスケール感豊かに鳴らします。音の純度の高さはCEntrance品質です。シングルエンドでもすんごく良い音です。まさに画期的なアンプですね。
AK100とAk120はスペーサーのアダプタで調整できます。クランパーはビス止めです。(へクスレンチ)
絶対はずれません。まさに一体型。私も長いことプレーヤー+ポータブルアンプという組み合わせを使っていますが、Glove A1は新感覚です。フルアーマーという異名もすでに頂戴していますがメカっぽさもよいですね。AK100ユーザーは画期的な高音質化ができるとともに増えつつある2.5mmバランス資産も使えます。
価格は7万前後のようで、来月以降に出荷を予定しているということです。
もうひとつのJabenの驚きはこのPortaTubeの後継である真空管アンプです。PortaTubeはかなり人気を博したのでこちらも注目ですね。
真空管アンプ
こちらはいまでは人気ブランドとなったiFIの新製品Micro DSDです。つれはクラウドデザインで募集した成果ということでしょうか。すごいのはポータブルなのにDSD256(11.2MHz)に対応します!
またプリとしても使用可能です。電池内蔵でポータブル使用も可能ですが、やや大きいのでポータブルというよりはバッテリー駆動によるプリとしてジェフローランドなみのクリーン電源駆動プリとしての使用も想定しているようです。
こちらはアナログスクエアペーパーさんとのコラボによるミニ05(小さいほう)。トランジスタは交換可能です。これはいわゆるバッファアンプで電圧増幅しないタイプ(ゲインゼロ)ですね。ネタだけじゃなくけっこう音も良いですね。
CEntranceはHifiM8のミニを参考展示しました。スリムになっただけではなく一台でUSBもiDeviceも光も同軸も入力可能です。
HiFi M8 mini(上)と現行のM8(下)
4. 大手企業メーカーのポータブルヘッドフォンアンプ
ポータブルのヘッドフォンアンプというと少し前まではニッチの世界であり、ガレージメーカーの独壇場だったのですが、フォステクスHP-P1あたりから流れが変わり始め、いまでは大手企業のソニー、Teacについで今回はビクターとオンキヨーからも新製品が出てきました。
TEACとソニーのポータブルアンプ
ビクターのポータブルアンプSU-AX7はアナログ回路にも手を抜いてないのが特徴ということで、RWAK120でアナログ入力させて使うと柔かく落ち着いたオーディオらしい音でした。なかなか良いと思います。DACチップはAK4390ということですが、AKMの音っていうのともまた違うかも、とも思いました。DACはアナログ回路しだいということはメーカーのノウハウなんかも生きているんでしょう。またビクターお得意のK2回路を使用しているのもポイントです。
SU-AX7
オンキヨーのポータブルヘッドフォンアンプDAC-HA200(参考出品)はTeacと兄弟機となり提携関係の結果だそうです。こうした関係も大手企業の世界ならではかもしれません。Teacとはオペアンプ違いで、こちらの方が明瞭感は高いように感じました。またオンキヨーのiPhoneアプリもTeacで使われていますね。
オンキヨーのポータブルアンプ
5. 最新のハイレゾDAP
今回驚いたのは人気のAstell&KernでAK100IIとAk120IIがドイツのハイエンドショウで発表されるということです。みたところ2.5mmプラグやUIなどでAK240のとの共通性も期待されます。
これについてはチャンネルはそのまま、という感じで続報をまっていてください。
AK100II,AK120II
今回気合が入っているJabenのテーマは上クラスのCalyx M(販売は不明)、中クラスのAP100、エントリーのCookie/Buiscuitと揃えたDAP、そしてGloveや新真空管、A2P小型など個性派アンプを揃えたことです。
注目DAPのCalyx Mも日本初登場でJabenブースにCEOみずからが持ってきました。聞いてみるとやや大柄ながらかなり引き締まったタイトでシャープな音でジッター低そうです。さすがPCオーディオのDACメーカーが作ったDAPという感じではありますね。またUSB DACとしてオーディオクラス2のきちんとした設計がなされているのもポイントです。
Calyxのイ・スンモクCEOとCalyx M、右はマグネットボリュームを外したところ
M:useというコントロールソフトはLinuxベースです。これはAndroidのハイレゾ通らない問題を避ける意味もあります。またマグネット式のボリュームノブを採用しているのも面白く、これはスリットレスでごみが入らないようにするためです。USB DACとしても機能します。
Hidizs AP100も安いながら音いいです。正確系で特にハイレゾ曲の再生がとても良い感じでした。ロクサーヌとも良く合いました。
AP100
Biscuit+(7000円)とCookie(12000円)、CookieはBiscuitに液晶とFLAC対応がついたもの。Biscuit+は前モデルにシャッフル機能がついたもの。残念ながらFLAC対応はなし。
Biscuit+とCookie
またオヤイデさんのところではX5が出展されていました。思っていたよりはちょっと大きい感じです。
アユートさんのところではAK240のゴールドも展示されています。(ホワイトバランスとらずにすんません)
6.ケーブルの充実
2.5mmバランス規格が普及始めたのも今回のヘッドフォン祭のポイントです。
AK240自体も売れてますし、AK100IIやAK120II、またはGloveAudioのように他でも2.5mmバランスが採用されています。
2.5mm AKタイプのケーブルでは以下のものが目に留まりました。
(左)ALOのSXC24-IEM MMCX。43000円くらい。 (右)Beat AudioのSignal 、価格未定。2ピン。
Wagnusさんの2.5mm、Voskhod、Meridian、Proton
2.5mm - RSAタイプのインターコネクト。WagnusのProgress。
6FではEstronのLinum(ライナム)ケーブルのデモをやってました。これは新型のタングルレス(絡みにくい)タイプです。前のケーブルの弱点は絡み安いところだったのでよい改良です。
なぜJabenと別ブースかというと6Fでは日本のB2B代理店の人が担当してたからです(JabenはB2C代理店になります)。Estronの特徴は音をケーブルで変えるのをうたってることで、それを証明するのにこんなユニークなイヤフォン切り替え器を用意してます。
二組のケーブルが同時に入ってます。イヤフォンにはこんな感じで二組入ってます。Estronは細いけど強靭ということで思いっきり引っ張るデモもやってくれました。
タイムロードではHugoで便利に使える光ケーブルを展示していました。価格も安くなかなか音もよいと思います。ほかのアンプでも使えそうですね。
7. エントリークラスからステップアップクラスのイヤフォン事情
カスタムだけではなく、エントリーからミッド、ハイクラスの各クラスの通常のイヤフォンも充実してきています。
まず今回の注目は激戦区の5000円に投入されるShureのSE112です。215との違いはケーブルが固定でチップがラバーのみです。ケーブルは耳巻きではなくストレート装着を想定しています。Shureの黒フォームチップとか耳まき式の装着はIEMなみのものですが、本当に一般人にはなじみにくいと思いますのでよいことでしょう。ドライバー自体は215と似ていますがチューニングを変えてます。音は215の方がwarm感あり、112はややすっきりでしょうか。215譲りで音質もいいので今後が注目されます。
SE112
音茶楽さんでは新ブランド、茶楽音人(サラウンド)が紹介されていました。ブランドの差異は下記のようにまとめられています。Donguri-楽はドングリベースですがより安く、より元気でベースたっぷりです。これは価格を考えるとかなりオススメのように思います。
音茶楽さんのもうひとつの展示てはFlat4の外耳道によってチューニングが違うもの、Flat4-緋弐型(赤)とFlat4-玄弐型(黒)が展示されています。これは位相補正チューブの長さによる違いです。もともとFLAT-4があれだけスムーズな音を出せていたのは位相補正チューブの働きがあるのですが、その長さをユーザーの外耳道に応じて変えるというもの。ある意味カスタムですね。
Flat4-緋弐型(赤)とFlat4-玄弐型(黒)
聴き比べるポイントは高域サ行のきつさです。試してみると確かに違いますね。私は赤の方がより自然に感じられましたが、外耳道が長めということのようです。
これは実際にお店で試聴してどちらかを選んでください。とても面白い試みだと思います。
人気ブランドとなったDita AudioではスペシャルAnswerがありました。どうスペシャルかというとAK240のバランスに対応しています。これはぜひ製品版でもほしいところですね。
Balanced Answer
またオーディオテクニカの新機軸“DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS”を取り入れた新製品CKR10なども展示されていました。オーディオテクニカの音つくりのそつなさという点でこの新機軸があっているようにも思います。
CKR10
8. PCオーディオの最新事情
ヘッドフォン祭では新しいオーディオの波ということでPCオーディオも取り込んでいます。
フックアップさんではLynxのHiloとMacのサンダーボルト接続のデモをやってました。これすごく画期的だと思います。端的にいうとサンダーボルト接続ということはPCI接続と同じということです。いままでPCIボードを使っていたことがサンダーボルトケーブルで可能ということです。ケーブル経由でも実質ボードをさしたのと同じということは転送性能だけではなく、従来資産の両面で有利です。そこがLynxの強みでもありますね。 またサンダーボルト接続ということはPCI接続と同じということですからドライバーが必要です。
画像では上下同じHiloでわかりやすく展示していました。
Hilo自体の音もスタジオ向けというだけでなくオーディオリスニングにも向いている感じでした。これのオーディオ向けDACのみのバージョンが出るとよいんですけど。
Audivana Plusの次期バージョン(iTunesライブラリとAudirvanaプレイリストの統合版)はヘッドフォン祭のフェーズメーションさんブースで先行公開でした(Damienの許可をとっています)。一般にはまだ公開されてません。
AudirvanaとEPA007X
フェーズメーションさんの新ヘッドフォンアンプはEPA007の改良型です。電源が改良されてより押しが強く音が先鋭になっています。なかなかよいと思います。
PCオーディオ関係ではPS AudioのDirect Stream DACも注目です。ポール社長のブログにあったDSDがメインでDACチップ使ってないやつです。
自然で高精細な音です。ただ高価なのがネットかと思いますが、まずリファレンスクラスを出したいというメーカーの意向があるようで、今後DLIIIクラスの同様なDACを期待したいところです。
Direct Stream DAC
角田さんのネットワークオーディオ講座も開催されていました。かなり人が入っていて立ち見が出るほどでした。
*
しかしこのレポート書いていても大変で、9000字の大作となってしまいましたが、今回も盛りだくだんでした。ヘッドフォン祭の直前のポタ研でAK240とHugoというデカイネタを出してしまったんで心配していた面もありましたが、こうしてたくさん書くことがあるというのはこの世界が成熟しているということでしょうね。
今回はサンプラザに戻ったことで呪いが解け?晴天に恵まれました。出展社数は約110社、入場者数は2日で7000人ということです。青山より増えていますね。あの伝統の東京インターナショナルオーディオショウでさえ3日で9000人くらいですからすごい人です。海外ではCanJamが2000人くらいです。
次は10/25と26で同じ中野サンプラザで行うということ。すでに次回のタネも今回いくつかありましたので次回も楽しみなことです。
2014年05月08日
春のヘッドフォン祭2014の私的みどころ
さて、全世界が注目するところのヘッドフォン祭が今週末再び開催されます。場所は中野サンプラザですので注意ください。下記はフジヤさんの開催案内です。
http://www.fujiya-avic.jp/user_data/headphone_fes.php
今回の注目はまずカスタムイヤフォンですね、広い意味ではカスタムに近いTogo334のようなユニバーサルも含むと思います。
いくつも出ると思いますが、まずFitEar須山さんとこではこの前書いた謎のユニバーサルを始めネタも含んでいろいろ出ると思います。これは14F須山歯研ブースで。
そしてJH Audio ロクサーヌ、ロクサーヌユニバーサル、そして派生版のAKR03です。これは14Fミックスウエーブさんと14Fアユート(iriver)さんブース。ミックスウエーブさんではユニークメロディとか1964Earsもあるでしょう。(InEarは取り扱いがないということ)
それとHeadFiではロクサーヌのライバルとして言われることが多いNobleのKaiser 10(K10)も登場します。これはWagnusさんが展示してくれるそうです。日本でもこのロクサーヌVS K10の最高峰のライバル対決が聴けるというわけです。Nobleは他にもほぼ全部持ってくるようで、私的にはユニバーサルのNoble FR/PRで、スイッチ切り替え式のクロスオーバーを持つユニークなモデルが興味津々。他にも"Wizard"モールトン氏手製のワンオフユニットであるWizardモデルも来るようです(おそらくLot2の#1のやつ)。これは13FのWagnusさんブースで。机一つで大丈夫かな。
こうしてJH AudioのジェリーとFitEarの須山さんの人気東西両雄に個性派NobleのWizard(ジョン・モールトン)がからんでくる、っていう構図が面白いところだと思います。
それにバリエーションを加えてくれるのが前に書いたJM Plusです。Rhines、Clear Tune、Custom art、Roothとまさに多彩な世界各地のカスタムが百花繚乱です。こちらは14Fです。あと14Fにはヘッドフォン祭は初というくみたてlabさんも居ますね。
人気上昇株のハイレゾDAPでも新しいモデルがいろいろ見られそうです。15FのJabenでは話題のHidizs AP100、Jaben新作のCookie、Buiscuit+、またCalyx Mも来ることになりました。(ただしCalyx Mはおそらく土曜の午後です)
オヤイデさんのところではX5でしょうか。DX90はだれかが持ってくるでしょう。
また直前にはいったAK用DAC/AmpのThe Grove A1も世界初披露で注目ですね。
またiFIではこれも世界初披露というMicro iDSD "Meaty Monster"が展示されるようです。これはクラウドデザインの結論でしょうか、注目ですね。iFI Audioは13Fトップウイングさんブースです。
タイムロードさんではChordのHugoに向いた短い光ケーブルを出展します。6Fフラワーです。
ヘッドフォンではフォステクスの新RPとHiFimanのHE560のわりと入手しやすそうな価格での平面型対決が興味を引くところでしょうか。フロアも同じくフォステクスは6F、HE560は6F HiFimanのブースで。なおHE560は13Fトップウイングブースとは別になるようです。HM901などは13Fです。
また平面型では昨年発表されたOppo PM-1の製品版を14Fのエミライブースで展示するそうです(2テーブルの一つをOppo用とするそうです)。
また6FにはLinum by EstronとしてEstronケーブルが独自ブースを持ちます。
私も日本語カタログつくりに手伝ってたんですが、Estronから偉い人が来て新モデルも持ってくるかも。これはEstronの弱点である絡みを防止するものになります。
またイヤフォンではエントリーでShureからSE112が登場します。イヤフォンの激戦区に投入されるShureの新作に期待ですね。Shureは11Fです。
また音茶楽さんからは位相補正チューブの長さを違えたモデルを用意したというFlat4-玄弐型、Flat4-緋弐型など新作が展示されます。こちらは14Fです。
Dita AudioはAnswer TrueのゴールドバージョンとTrueのケーブルを使ったインターコネクトケーブルを出展します。来場特典もあるかも。Dita Audioは14Fです。
あとは評論家の角田さんが15Fに独自ブースを持ってオーディオイベントをするようなのでこちらもどうぞ。
また今回もHeadFiメンバーも来てくれ、日本メンバーのほかにHeadFiのリーダーであり主席管理者のJudeも来てくれます。
今回はカスタムIEMなどマニアックなところにポイントがあるように思いますが、「原点回帰」というテーマにはあっているかもしれません。
そういう意味ではヘッドフォン祭の当日に発売される音元出版さんの「プレミアムヘッドフォンマガジン Vol2」に私がヘッドフォン祭の歴史について、キーマンのフジヤエービック(Part3)の谷口店長へのインタビューを元に記事を書きました。ヘッドフォン祭の歴史とともに、この隆盛のヘッドフォン業界の成立を知るのにとても興味深い内容になったと思います。ぜひ手にとってお読みください!
http://www.fujiya-avic.jp/user_data/headphone_fes.php
今回の注目はまずカスタムイヤフォンですね、広い意味ではカスタムに近いTogo334のようなユニバーサルも含むと思います。
いくつも出ると思いますが、まずFitEar須山さんとこではこの前書いた謎のユニバーサルを始めネタも含んでいろいろ出ると思います。これは14F須山歯研ブースで。
そしてJH Audio ロクサーヌ、ロクサーヌユニバーサル、そして派生版のAKR03です。これは14Fミックスウエーブさんと14Fアユート(iriver)さんブース。ミックスウエーブさんではユニークメロディとか1964Earsもあるでしょう。(InEarは取り扱いがないということ)
それとHeadFiではロクサーヌのライバルとして言われることが多いNobleのKaiser 10(K10)も登場します。これはWagnusさんが展示してくれるそうです。日本でもこのロクサーヌVS K10の最高峰のライバル対決が聴けるというわけです。Nobleは他にもほぼ全部持ってくるようで、私的にはユニバーサルのNoble FR/PRで、スイッチ切り替え式のクロスオーバーを持つユニークなモデルが興味津々。他にも"Wizard"モールトン氏手製のワンオフユニットであるWizardモデルも来るようです(おそらくLot2の#1のやつ)。これは13FのWagnusさんブースで。机一つで大丈夫かな。
こうしてJH AudioのジェリーとFitEarの須山さんの人気東西両雄に個性派NobleのWizard(ジョン・モールトン)がからんでくる、っていう構図が面白いところだと思います。
それにバリエーションを加えてくれるのが前に書いたJM Plusです。Rhines、Clear Tune、Custom art、Roothとまさに多彩な世界各地のカスタムが百花繚乱です。こちらは14Fです。あと14Fにはヘッドフォン祭は初というくみたてlabさんも居ますね。
人気上昇株のハイレゾDAPでも新しいモデルがいろいろ見られそうです。15FのJabenでは話題のHidizs AP100、Jaben新作のCookie、Buiscuit+、またCalyx Mも来ることになりました。(ただしCalyx Mはおそらく土曜の午後です)
オヤイデさんのところではX5でしょうか。DX90はだれかが持ってくるでしょう。
また直前にはいったAK用DAC/AmpのThe Grove A1も世界初披露で注目ですね。
またiFIではこれも世界初披露というMicro iDSD "Meaty Monster"が展示されるようです。これはクラウドデザインの結論でしょうか、注目ですね。iFI Audioは13Fトップウイングさんブースです。
タイムロードさんではChordのHugoに向いた短い光ケーブルを出展します。6Fフラワーです。
ヘッドフォンではフォステクスの新RPとHiFimanのHE560のわりと入手しやすそうな価格での平面型対決が興味を引くところでしょうか。フロアも同じくフォステクスは6F、HE560は6F HiFimanのブースで。なおHE560は13Fトップウイングブースとは別になるようです。HM901などは13Fです。
また平面型では昨年発表されたOppo PM-1の製品版を14Fのエミライブースで展示するそうです(2テーブルの一つをOppo用とするそうです)。
また6FにはLinum by EstronとしてEstronケーブルが独自ブースを持ちます。
私も日本語カタログつくりに手伝ってたんですが、Estronから偉い人が来て新モデルも持ってくるかも。これはEstronの弱点である絡みを防止するものになります。
またイヤフォンではエントリーでShureからSE112が登場します。イヤフォンの激戦区に投入されるShureの新作に期待ですね。Shureは11Fです。
また音茶楽さんからは位相補正チューブの長さを違えたモデルを用意したというFlat4-玄弐型、Flat4-緋弐型など新作が展示されます。こちらは14Fです。
Dita AudioはAnswer TrueのゴールドバージョンとTrueのケーブルを使ったインターコネクトケーブルを出展します。来場特典もあるかも。Dita Audioは14Fです。
あとは評論家の角田さんが15Fに独自ブースを持ってオーディオイベントをするようなのでこちらもどうぞ。
また今回もHeadFiメンバーも来てくれ、日本メンバーのほかにHeadFiのリーダーであり主席管理者のJudeも来てくれます。
今回はカスタムIEMなどマニアックなところにポイントがあるように思いますが、「原点回帰」というテーマにはあっているかもしれません。
そういう意味ではヘッドフォン祭の当日に発売される音元出版さんの「プレミアムヘッドフォンマガジン Vol2」に私がヘッドフォン祭の歴史について、キーマンのフジヤエービック(Part3)の谷口店長へのインタビューを元に記事を書きました。ヘッドフォン祭の歴史とともに、この隆盛のヘッドフォン業界の成立を知るのにとても興味深い内容になったと思います。ぜひ手にとってお読みください!
2014年02月08日
ポタ研2014春レポート
本日10年に一度の大雪の中でポタ研が開催されました。
AK240発表会
部屋に入りきれないほどのご来場をいただきありがとうございます。
(須山さん提供)
私もプレゼンしAK240の使用感や機能などを解説して、AKアンプとスピーカーのデモをAK240で実施しました。不手際もありましたがご容赦ください。しかし眼目であるAK240の実力がMac込みの据え置きシステムにも勝るとも劣らないという点はアピールできたのではないかと思います。
Hugo発表会
こちらはChordスタッフとしては初来日のロバートワッツのポリシーとHugo開発の技術的な背景について濃ーいお話がありました。なかなかこういう機会もないのではないかと思います。
ワッツがサイコアコースティック(心理的音響理論)に基づいた自らの理念を柔軟でプログラム可能なFPGAを使用してオーディオ的に実現していくという点が興味深いところでした。-200dBというような測定不能なノイズの差でも音楽リスニングには影響し、そうした小さな違いが大きな差を生む点をつきつめるのが面白いとのこと。またHugoに関してはその完成度の高さで彼自身がおんがくをさらに楽しめるようになったということです。
そのほかの興味深かったものをいくつかピックアップします。
下はもうひとつの話題のTEACのポータブルアンプです。HF Playerからデジタルで入れましたが音は結構良かったですね。
失念してNexus7持ってくるの忘れてしまいました。下右がAndroidと接続するケーブルだそうです。USB AがTeacアンプ側でマイクロBがAndroid側なのでUSBクラスドライバではなく、アクセサリープロトコルを使ってるのがわかりますね。
下はA2Pのネタアンプで、オペアンプ交換ならぬトランジスタ交換方式です。実際はネタではなく発売も考えているということ。
下右はHiFimanの新作HM802です。DACがWM8740デュアルになって価格が安くなりました。
下はiFiの新作iDSD mini。DSD DXD対応DAC内蔵のヘッドフォンアンプです。フロントパネルに浮き上がる表示が面白いですね。音もすばらしくオーケストラのスケール感なんかも良く出てます。
下はマス工房の新バランスヘッドフォンアンプmodel394。これちょっとすごいと思いました。今までAbyssを鳴らした中でRudiと別な意味で良いですね。イメージングが気持ち悪いくらいほわっと浮き上がります。
下はJabenブース。今回は所用でWilsonは欠席。エストロンケーブルが人気のよう。これ安いので全種類買って、アンプとイヤフォンの組み合わせでケーブル変えて音を調整するってのがお勧めです。
下はベンチャークラフトさんの試作Bluetoothワイヤレスアンプです。BT受信後にアップサンプルしてPCM5102に送ってるそう。音もかなり良いですね。まだ試作だそうですがこれは面白いと思います。
下はDENONのDAC付きヘッドフォンアンプ、DA-300USB。後発だけどさすがオーディオメーカーDENONで音が良いですね。DSDも可能でコストパフォーマンスが良いようです。
雪で入りも心配されましたが、今回もどこが雪の影響だよってくらい普通に賑わってましたね。
全体にレベルも高く、今年の展開も楽しみです。
AK240発表会
部屋に入りきれないほどのご来場をいただきありがとうございます。
(須山さん提供)
私もプレゼンしAK240の使用感や機能などを解説して、AKアンプとスピーカーのデモをAK240で実施しました。不手際もありましたがご容赦ください。しかし眼目であるAK240の実力がMac込みの据え置きシステムにも勝るとも劣らないという点はアピールできたのではないかと思います。
Hugo発表会
こちらはChordスタッフとしては初来日のロバートワッツのポリシーとHugo開発の技術的な背景について濃ーいお話がありました。なかなかこういう機会もないのではないかと思います。
ワッツがサイコアコースティック(心理的音響理論)に基づいた自らの理念を柔軟でプログラム可能なFPGAを使用してオーディオ的に実現していくという点が興味深いところでした。-200dBというような測定不能なノイズの差でも音楽リスニングには影響し、そうした小さな違いが大きな差を生む点をつきつめるのが面白いとのこと。またHugoに関してはその完成度の高さで彼自身がおんがくをさらに楽しめるようになったということです。
そのほかの興味深かったものをいくつかピックアップします。
下はもうひとつの話題のTEACのポータブルアンプです。HF Playerからデジタルで入れましたが音は結構良かったですね。
失念してNexus7持ってくるの忘れてしまいました。下右がAndroidと接続するケーブルだそうです。USB AがTeacアンプ側でマイクロBがAndroid側なのでUSBクラスドライバではなく、アクセサリープロトコルを使ってるのがわかりますね。
下はA2Pのネタアンプで、オペアンプ交換ならぬトランジスタ交換方式です。実際はネタではなく発売も考えているということ。
下右はHiFimanの新作HM802です。DACがWM8740デュアルになって価格が安くなりました。
下はiFiの新作iDSD mini。DSD DXD対応DAC内蔵のヘッドフォンアンプです。フロントパネルに浮き上がる表示が面白いですね。音もすばらしくオーケストラのスケール感なんかも良く出てます。
下はマス工房の新バランスヘッドフォンアンプmodel394。これちょっとすごいと思いました。今までAbyssを鳴らした中でRudiと別な意味で良いですね。イメージングが気持ち悪いくらいほわっと浮き上がります。
下はJabenブース。今回は所用でWilsonは欠席。エストロンケーブルが人気のよう。これ安いので全種類買って、アンプとイヤフォンの組み合わせでケーブル変えて音を調整するってのがお勧めです。
下はベンチャークラフトさんの試作Bluetoothワイヤレスアンプです。BT受信後にアップサンプルしてPCM5102に送ってるそう。音もかなり良いですね。まだ試作だそうですがこれは面白いと思います。
下はDENONのDAC付きヘッドフォンアンプ、DA-300USB。後発だけどさすがオーディオメーカーDENONで音が良いですね。DSDも可能でコストパフォーマンスが良いようです。
雪で入りも心配されましたが、今回もどこが雪の影響だよってくらい普通に賑わってましたね。
全体にレベルも高く、今年の展開も楽しみです。