前に記事で書きましたAudiophilleo1がいよいよ国内で買えることになりました。私もいま使っているUSB DDCです。
こちらフジヤさんのブログのリンクです。
http://avic.livedoor.biz/archives/51616663.html
Audiophilleoは192kHz対応のUSB DDコンバーターですが、USB Audio Class1でHighSpeed転送を可能にしているユニークな仕様です。つまり普通は計算上96kHzどまりのUSB Class1で192kHzまでワザで可能にしていると言うことです。
そのためWindows XPでドライバーインストール無しで192kHzを達成可能であると言う利点を持っています。ただしWindows 7ではドライバーインストールが必要になりますのでご注意ください。これはWindows側の標準ドライバーの実装が変わったことによるものです。
またMac OSXではやはりClass1で対応可能のため、10.5から192kHz再生がドライバー無しで可能です。
それに対して他のXMOSなどのUSB Audio Class 2対応の機種の場合は10.6.4が必要です。これはMac側のクラス2ドライバー実装の関係です。
*ちなみに上記は私の技術的な理解ですので、実際の仕様は商品仕様を確認ください
あとはビットパーフェクトテスターやジッターシミュレーターなどユニークな機能がもりだくさんです。ビット幅に関しては実際にパケットを見て表示しているので、16bitか24bitかが明確です。私もこれPCオーディオのテスター代わりに使っています。例えば24bitで出してるつもりがなんらかの理由で16bitに詰められていた時もこれで分かります。
またSPDIFケーブル無しに直でDACに差せるというのもユニークでよいです。私はケーブル有り無しで比べてみましたが、実際に音質向上効果があります。RCA/BNCとも両方使えるオスアダプターが付いていますし、メスアダプターもあるので同軸ケーブルを使うこともできます。絶対的な音質レベルもUSB DDCの中ではかなり高レベルです。
円高とはいえ7万台前半とは良い話ですね。私は送料も含めてもっと高かったです。また私が買った頃に比べるとカラーバリエーションが増えてケースもグレードアップしてますね。
どれだけ初期入荷するかはわからないので、興味ある方はフジヤさんに問い合わせ、予約などをしてはいかがでしょうか。
Music TO GO!
2011年08月10日
2011年05月28日
フェーズメーション HD-7A 192と新ファームウエア
今回のサブタイトルは「XMOSの内蔵ソフトウエアの違いで音が変わるか」です。
角田さんの試聴室でフェーズメーション(フェーズテック)の最新のUSB DAC、HD-7A 192の製品版ファームの試聴をしてきました。
昨年ブレークしたUSB DACのHD-7AはUSBのコントローラとしてルネサスのチップを使ってましたが、これはFull Speed(USB1.1)までの対応なので上限は96/24までとなります。
HD-7A 192では192kHzを達成するためにUSB Audio Class2対応のXMOSをUSBコントローラとして採用してます。XMOSについては下記の記事に書いてます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/181376037.html
上を読んでもらうとわかりますが、信号制御するためのチップと言ってもXMOSはハードウエアというより小さなコンピュータで、中のソフトウエアで制御をします。そのため、ソフト(ファームウエア)を書き換えれば音も違ってくるというわけです。
とは言え、全部プログラム書くのは大変なのでたいていのメーカーはXMOSについてくるあらかじめ用意されたコードを流用しているようです。
フェーズメーションはHD-7Aのファームも自社で開発しましたが、今回もXMOSとUSB伝送の研究を行い、独自のソフトウエアを開発したということです。
そこで、XMOSが提供する他でよく使われるいわばXMOSオリジナルファームウエアと、今回のフェーズメーションのカスタムファームウエアを切り替えて聴けるようにした開発用HD-7A 192で双方の音質を聴き比べてみました。
環境はMacbook proとAudirvanaをプレーヤーに使います。アンプはアキュフェーズでスピーカーはフォーカルです。
MacのAudirvanaのインテジャーモードはクラス2ではトラブルもありましたが、最新の版ではHD-7A 192はOKです。ただし0.9.1以上が必要で、試聴に使った0.9.2の方が安定しているようです。
曲は前に書いたヘルゲリエンのnatsukashiiのLINN Records 192kハイレゾ版です。
http://www.linnrecords.com/recording-natsukashii.aspx
実際聴いてみるとフェーズメーションのカスタムファームウェアはXMOSオリジナルファームウエアに比べてより透明感が高く、HD-7Aの高い鮮度感がよりクリアに研ぎ澄まされるということを感じます。細部表現がより鮮明です。
そして曲が進むにつれて驚くのはウッドベースの深みやシンバルの鮮烈さです。高域や低域、特に超低域の帯域特性がかなりワイドに向上しているのがわかります。特に超低域は驚くほどで、ウッドベースの鳴りも本物よりリアルという感じで、あまりいままでに聴いたことがない感覚です。超低域の再現がゾゾゾとここまで出るのかという感じですね。
XMOSのオリジナルファームウエアに戻すと先の製品版カスタムファームウエアと比べると物足りなさがあり、ある意味おとなしく普通という感じですね。
まさに192kハイレゾの豊富な情報量を余すところなく再現させてる感じですが、XMOSの内蔵ソフトウエアの差だけでこれだけ違いが出るというのは興味深いことです。
フェーズメーションではXMOSとUSBの研究に基づいて処理を最適化、軽量化したということです。ポイントはDAC/XMOS側だけではなく、さらにPC側の処理も軽くなるようにしたということです。これは毎回PC側に演算をさせないようにして、より音楽データを流すのに注力させるということによるそうです。
USB DACの192k対応がXMOSの採用で肩を並べてきたいま、このカスタムファームウエアは同じXMOSを採用する他の192k対応のUSB DACに対しての強みのひとつになりそうです。
HD-7A 192は来月から発売されますが、リリースされるHD-7A 192は全てこのファームウエアとなるということです。
なおこのファームの適用は今回の試聴が始めてということで、いままでデモでHD-7A192を聴いて良いと思った人はさらに製品版では良くなってるのではないかと思います。
角田さんの試聴室でフェーズメーション(フェーズテック)の最新のUSB DAC、HD-7A 192の製品版ファームの試聴をしてきました。
昨年ブレークしたUSB DACのHD-7AはUSBのコントローラとしてルネサスのチップを使ってましたが、これはFull Speed(USB1.1)までの対応なので上限は96/24までとなります。
HD-7A 192では192kHzを達成するためにUSB Audio Class2対応のXMOSをUSBコントローラとして採用してます。XMOSについては下記の記事に書いてます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/181376037.html
上を読んでもらうとわかりますが、信号制御するためのチップと言ってもXMOSはハードウエアというより小さなコンピュータで、中のソフトウエアで制御をします。そのため、ソフト(ファームウエア)を書き換えれば音も違ってくるというわけです。
とは言え、全部プログラム書くのは大変なのでたいていのメーカーはXMOSについてくるあらかじめ用意されたコードを流用しているようです。
フェーズメーションはHD-7Aのファームも自社で開発しましたが、今回もXMOSとUSB伝送の研究を行い、独自のソフトウエアを開発したということです。
そこで、XMOSが提供する他でよく使われるいわばXMOSオリジナルファームウエアと、今回のフェーズメーションのカスタムファームウエアを切り替えて聴けるようにした開発用HD-7A 192で双方の音質を聴き比べてみました。
環境はMacbook proとAudirvanaをプレーヤーに使います。アンプはアキュフェーズでスピーカーはフォーカルです。
MacのAudirvanaのインテジャーモードはクラス2ではトラブルもありましたが、最新の版ではHD-7A 192はOKです。ただし0.9.1以上が必要で、試聴に使った0.9.2の方が安定しているようです。
曲は前に書いたヘルゲリエンのnatsukashiiのLINN Records 192kハイレゾ版です。
http://www.linnrecords.com/recording-natsukashii.aspx
実際聴いてみるとフェーズメーションのカスタムファームウェアはXMOSオリジナルファームウエアに比べてより透明感が高く、HD-7Aの高い鮮度感がよりクリアに研ぎ澄まされるということを感じます。細部表現がより鮮明です。
そして曲が進むにつれて驚くのはウッドベースの深みやシンバルの鮮烈さです。高域や低域、特に超低域の帯域特性がかなりワイドに向上しているのがわかります。特に超低域は驚くほどで、ウッドベースの鳴りも本物よりリアルという感じで、あまりいままでに聴いたことがない感覚です。超低域の再現がゾゾゾとここまで出るのかという感じですね。
XMOSのオリジナルファームウエアに戻すと先の製品版カスタムファームウエアと比べると物足りなさがあり、ある意味おとなしく普通という感じですね。
まさに192kハイレゾの豊富な情報量を余すところなく再現させてる感じですが、XMOSの内蔵ソフトウエアの差だけでこれだけ違いが出るというのは興味深いことです。
フェーズメーションではXMOSとUSBの研究に基づいて処理を最適化、軽量化したということです。ポイントはDAC/XMOS側だけではなく、さらにPC側の処理も軽くなるようにしたということです。これは毎回PC側に演算をさせないようにして、より音楽データを流すのに注力させるということによるそうです。
USB DACの192k対応がXMOSの採用で肩を並べてきたいま、このカスタムファームウエアは同じXMOSを採用する他の192k対応のUSB DACに対しての強みのひとつになりそうです。
HD-7A 192は来月から発売されますが、リリースされるHD-7A 192は全てこのファームウエアとなるということです。
なおこのファームの適用は今回の試聴が始めてということで、いままでデモでHD-7A192を聴いて良いと思った人はさらに製品版では良くなってるのではないかと思います。
2010年12月08日
NorthstarのEssensio
以前角田さん試聴室でNorthstarのUSB32を試聴しましたが、今回はその弟分とも言うべきより小型のEssensioを聴いてみました。
http://naspecaudio.com/north-star-design/essensio/
上がEssensio、下がUSB32
この写真のようにサイズ的には下の写真のように一回り以上コンパクトになっています。価格もUSB32の27万円というところに対して、15万7千円とかなり安くなっています。大きな違いというのはまず、もとのUSB32が丁寧にアナログとデジタル別のトランスを持っていたのに対してEssensioではそれがひとつになっているということ、またUSB32ではバランスのアナログ出力があったのですが、それがRCAアンバランスのみに簡略化されているということです。ただしEssensioでもデジタルとアナログの電源系は分けて設計されています。
実際にMacbookとAmarraからUSB32とEssensioで比べて聴いてみましたが、わたし的にはそう大きく音は違わないように思います。前に聞いたように透明感が高くてクリアな音です。
角田さんはアタックなどに差が出るということですが、このくらいの違いであればバランス出力が不要と言うのであればEssensioが良い選択となるのではないかと思います。
http://naspecaudio.com/north-star-design/essensio/
上がEssensio、下がUSB32
この写真のようにサイズ的には下の写真のように一回り以上コンパクトになっています。価格もUSB32の27万円というところに対して、15万7千円とかなり安くなっています。大きな違いというのはまず、もとのUSB32が丁寧にアナログとデジタル別のトランスを持っていたのに対してEssensioではそれがひとつになっているということ、またUSB32ではバランスのアナログ出力があったのですが、それがRCAアンバランスのみに簡略化されているということです。ただしEssensioでもデジタルとアナログの電源系は分けて設計されています。
実際にMacbookとAmarraからUSB32とEssensioで比べて聴いてみましたが、わたし的にはそう大きく音は違わないように思います。前に聞いたように透明感が高くてクリアな音です。
角田さんはアタックなどに差が出るということですが、このくらいの違いであればバランス出力が不要と言うのであればEssensioが良い選択となるのではないかと思います。
2010年06月30日
角田氏、North Star DAC32を語る
以前こちらの記事で書いたNorth Star Design USB dac32ですが、
http://vaiopocket.seesaa.net/article/150808074.html
角田さんがUSB DAC32を解説するビデオがフジヤさんのページで公開されています。
ページはこちらです。なかなか良いDACだと思いますので興味のある方はご覧ください。
http://avic.livedoor.biz/archives/51491529.html
http://vaiopocket.seesaa.net/article/150808074.html
角田さんがUSB DAC32を解説するビデオがフジヤさんのページで公開されています。
ページはこちらです。なかなか良いDACだと思いますので興味のある方はご覧ください。
http://avic.livedoor.biz/archives/51491529.html
2010年04月18日
最新PCオーディオ機器試聴会
本日はまた評論家の角田郁雄さん宅の試聴室におじゃまして、様々な最新PCオーディオ機材の試聴会をやってきました。
わたしはミックスウエーブさんから借りている国内未発売のデモ機を待っていき、良い機材を使わせてもらい聴くことが出来ました。Devil Sound DACとSonicweld Diverterです。
自分の音源としては最近の定番Macbook Airを持参してAmarraで再生しています。また後述しますが昨日見つけた良録音のCDをあわせてCDでも使わせてもらいました。
Devil Sound DAC
まずはこれ、PCオーディオ展でもちょっと書きましたが、ケーブル一体型のUSB DACです。Devilsound labというところのDACということで名前は仰々しくもシンプルなものです。
片方にUSBケーブル、片方にRCAケーブルがあり中間にDACがあるという分かりやすくもシンプルな構成です。
こちらにホームページがあります。
http://www.devilsound.com/DAC/
48/16までの対応ですが標準ドライバーを使えるのでインストールの手間がなく、取り付けも簡単で場所も取りません。アンプとアナログケーブルの距離が短くなるのも良いですね。
なんとなく、見た目から初めは簡単さがメインのお手軽再生機器かと思いましたが、音を出してみると意外とかなり音が良いのでちょっと驚きます。
それまで後述するHegelのDA10で聴いていたんですが、比べてしまうとそれよりは少し性能的に劣るものの、角田さん宅のフォーカルとかアキュフェーズのハイエンドシステムに加えても聴き劣りしないくらいで、これでなにが不満あるんだという立派な音です。
こうしたシステムに加えたときに音の解像度が高すぎなくてもかえって聞きやすいと思わせるのは、とてもバランスよく作ってあるからと思います。コンシューマークラスのシステムに入れたときにはかなりの音になるでしょうね。普通のPCのサウンドカードに比べれば互角以上のものとなるように思います。アイディアだけではなく中身も立派です。
内部もなかなかこっています。
http://www.devilsound.com/DAC/design/
USBバスパワーだけどもPC内のノイズの影響を減らすために整流のためのチップを積んでクリーンにしてから使用していたり、SpActというDenDACと同じ技術を採用してジッター対策をしています。また、PCM2706の一発使いではなく、PCM2706はあくまでI2Sでデジタルデータを取り出すだけで、DA変換はLR別のAD1851で行われています。変換はノンオーバーサンプリング(NOS)というこだわりも見せてます。
DACのアナログ部のかなめであるI/V変換はさすがにオペアンプですが、それなりにこだわりのある考えで設計されているようです。
このように見かけよりは中身の音とか、中身の設計はかなり優れたものです。
価格は3万台半ばとなりそうですが、見た目よりも中身が充実しているのでそれを考えると納得できます。
これとアクティブスピーカーの組み合わせはノートパソコンを使うデスクトップオーディオにもなかなかお勧めです。簡単であまり知識が必要ないので、PCオーディオ入門にもよいですね。とりあえず手持ちのノートパソコンと手持ちのオーディオをつないでみるのもよいでしょう。
Sonicweld Diverter
この現代彫刻のような機材はUSBからSPDIFに変換するコンバーターです。リンデマンのDDCやhiFaceのような機材ですが、そのハイエンドバージョンといえるものです。デジタルアウトはBNCで、RCAアダプタが付属してきます。こちらに情報があります。
http://www.cryo-parts.com/sonicweld_diverter.html
これも標準ドライバーのためインストール作業は不要です。そのため96/24までの対応となりますが、これで十分といえる驚くほどの性能を発揮します。電源はバスパワーですが、これもノイズ対策のためにかなりしっかりした電源設計がされているようです。
Mac AirからはWireworldのStarlight5で接続して、CHORDのQBD76につなぎます。
これはまさにハイエンドの音の世界です。高低のレンジが広く、透明感と音の切れの良さが際立っています。贅肉もなく、整って品格がある音ですね。
Handsでのウッドベースの歯切れよくシャープでパンチのある音切れを聴かせてくれます。
USBでDDCをかましてるとはにわかに思えないくらいです。
これには角田さんも既存のUSB DDCに比べて変換精度が高いと絶賛でした。
USB DDCって安くて手軽なものが多いのですが、hiFaceなどで入門したあとにハイエンドシステムにUSB DDCを導入しようという人にはお勧めです。
ゾノトーン USBケーブル
ところで角田さん試聴室に見慣れないUSBケーブルがありましたが、これはあの前園さんのブランド、ゾノトーンのUSBケーブルのリリース直前モデルということです。いちおうメーカー許可をいただいたので情報として掲載しますが、プレスリリース前なので価格等は公開できません。
OFCに銀コートということですが、電源ラインは専用のシールドを設けるというこったものです。さすが製作者のこだわりが感じられますね。
まず自然で立体的に広がりがある空間表現と音像が見えやすいきりっとした明瞭感があります。それでいてきつくなく適度な聴きやすさを兼ね備えているようです。ヴォーカルの肉質感なんかもよいですね。
こうして優れたケーブルメーカーがどんどんUSBケーブルを出してくれるようになるとまたUSBオーディオの周辺ももりあがっていくのではないでしょうか。
Hegel D10
これは角田さん最近お勧めのHEGELのD10というDACです。
約16万くらいのDACということです。シンプルなDACですが、内部で192/24までアップサンプリングされます。またバランスの出力に優れているということです。
音がきれいで、性能が非常に高いというよりまとまりがよくて音学を美しく聴かせる感じです。
USBでも入力ができますが、上で書いたDiverterと組み合わせると素晴らしく良い組み合わせで、後で書くVia Crucisなんかはとても感動的です。自然でいて、かつHiFiというなかなかありそうでない組み合わせですね。
パソコンからの良い音の取り出しと、続くオーディオの世界への引き渡し、オーディオの世界ではそれを優れた回路で再生するというのがPCオーディオ システムのあり方という基本を教えてくれますね。
WEISS INT202
これはFireWireからSPDIFへのコンバーターです。
ここからは私のAirではFireWireがないので使えないので、角田さんのMacbook Proを使用します。
INT202のポイントはデジタルアウトがバランス・アンバランスとも二つあり、CHORDのQBD76のように二本のデジタルを受けられるものに適合しています。これは二本でそれぞれLのデータとクロック、Rのデータとクロックを伝送するということのようです。
実際に192/24の音源で聴くと、余裕が感じられる堂々とした音で、リアルさとそこから生み出される音楽の雰囲気の再現に圧倒されます。
これはもちろんQBD76の良さもあるでしょう。やはりこういうのを聴いてるとDAC64よりはっきり進化しているという感じがします。
今日はたくさん聴いて、ここに書いた以上にいろいろ差し替えたりしましたが、実り多い試聴の機会を得られました。
今日はたくさんのソースを聴きましたが、CDソースと44/16のRIPソースでは最近見つけたこのVIA CRUCISをメインに使わせてもらいました。
これは古楽のCDですが、録音も演奏も素晴らしいものです。広いレンジに楽器や声の抽出が自然でかつ透明感が高く、ちょっと現代感覚のある演奏も素晴らしいCDです。
試聴はこちらからどうぞ。
http://listen.jp/store/album_5099969457654.htm
わたしはミックスウエーブさんから借りている国内未発売のデモ機を待っていき、良い機材を使わせてもらい聴くことが出来ました。Devil Sound DACとSonicweld Diverterです。
自分の音源としては最近の定番Macbook Airを持参してAmarraで再生しています。また後述しますが昨日見つけた良録音のCDをあわせてCDでも使わせてもらいました。
Devil Sound DAC
まずはこれ、PCオーディオ展でもちょっと書きましたが、ケーブル一体型のUSB DACです。Devilsound labというところのDACということで名前は仰々しくもシンプルなものです。
片方にUSBケーブル、片方にRCAケーブルがあり中間にDACがあるという分かりやすくもシンプルな構成です。
こちらにホームページがあります。
http://www.devilsound.com/DAC/
48/16までの対応ですが標準ドライバーを使えるのでインストールの手間がなく、取り付けも簡単で場所も取りません。アンプとアナログケーブルの距離が短くなるのも良いですね。
なんとなく、見た目から初めは簡単さがメインのお手軽再生機器かと思いましたが、音を出してみると意外とかなり音が良いのでちょっと驚きます。
それまで後述するHegelのDA10で聴いていたんですが、比べてしまうとそれよりは少し性能的に劣るものの、角田さん宅のフォーカルとかアキュフェーズのハイエンドシステムに加えても聴き劣りしないくらいで、これでなにが不満あるんだという立派な音です。
こうしたシステムに加えたときに音の解像度が高すぎなくてもかえって聞きやすいと思わせるのは、とてもバランスよく作ってあるからと思います。コンシューマークラスのシステムに入れたときにはかなりの音になるでしょうね。普通のPCのサウンドカードに比べれば互角以上のものとなるように思います。アイディアだけではなく中身も立派です。
内部もなかなかこっています。
http://www.devilsound.com/DAC/design/
USBバスパワーだけどもPC内のノイズの影響を減らすために整流のためのチップを積んでクリーンにしてから使用していたり、SpActというDenDACと同じ技術を採用してジッター対策をしています。また、PCM2706の一発使いではなく、PCM2706はあくまでI2Sでデジタルデータを取り出すだけで、DA変換はLR別のAD1851で行われています。変換はノンオーバーサンプリング(NOS)というこだわりも見せてます。
DACのアナログ部のかなめであるI/V変換はさすがにオペアンプですが、それなりにこだわりのある考えで設計されているようです。
このように見かけよりは中身の音とか、中身の設計はかなり優れたものです。
価格は3万台半ばとなりそうですが、見た目よりも中身が充実しているのでそれを考えると納得できます。
これとアクティブスピーカーの組み合わせはノートパソコンを使うデスクトップオーディオにもなかなかお勧めです。簡単であまり知識が必要ないので、PCオーディオ入門にもよいですね。とりあえず手持ちのノートパソコンと手持ちのオーディオをつないでみるのもよいでしょう。
Sonicweld Diverter
この現代彫刻のような機材はUSBからSPDIFに変換するコンバーターです。リンデマンのDDCやhiFaceのような機材ですが、そのハイエンドバージョンといえるものです。デジタルアウトはBNCで、RCAアダプタが付属してきます。こちらに情報があります。
http://www.cryo-parts.com/sonicweld_diverter.html
これも標準ドライバーのためインストール作業は不要です。そのため96/24までの対応となりますが、これで十分といえる驚くほどの性能を発揮します。電源はバスパワーですが、これもノイズ対策のためにかなりしっかりした電源設計がされているようです。
Mac AirからはWireworldのStarlight5で接続して、CHORDのQBD76につなぎます。
これはまさにハイエンドの音の世界です。高低のレンジが広く、透明感と音の切れの良さが際立っています。贅肉もなく、整って品格がある音ですね。
Handsでのウッドベースの歯切れよくシャープでパンチのある音切れを聴かせてくれます。
USBでDDCをかましてるとはにわかに思えないくらいです。
これには角田さんも既存のUSB DDCに比べて変換精度が高いと絶賛でした。
USB DDCって安くて手軽なものが多いのですが、hiFaceなどで入門したあとにハイエンドシステムにUSB DDCを導入しようという人にはお勧めです。
ゾノトーン USBケーブル
ところで角田さん試聴室に見慣れないUSBケーブルがありましたが、これはあの前園さんのブランド、ゾノトーンのUSBケーブルのリリース直前モデルということです。いちおうメーカー許可をいただいたので情報として掲載しますが、プレスリリース前なので価格等は公開できません。
OFCに銀コートということですが、電源ラインは専用のシールドを設けるというこったものです。さすが製作者のこだわりが感じられますね。
まず自然で立体的に広がりがある空間表現と音像が見えやすいきりっとした明瞭感があります。それでいてきつくなく適度な聴きやすさを兼ね備えているようです。ヴォーカルの肉質感なんかもよいですね。
こうして優れたケーブルメーカーがどんどんUSBケーブルを出してくれるようになるとまたUSBオーディオの周辺ももりあがっていくのではないでしょうか。
Hegel D10
これは角田さん最近お勧めのHEGELのD10というDACです。
約16万くらいのDACということです。シンプルなDACですが、内部で192/24までアップサンプリングされます。またバランスの出力に優れているということです。
音がきれいで、性能が非常に高いというよりまとまりがよくて音学を美しく聴かせる感じです。
USBでも入力ができますが、上で書いたDiverterと組み合わせると素晴らしく良い組み合わせで、後で書くVia Crucisなんかはとても感動的です。自然でいて、かつHiFiというなかなかありそうでない組み合わせですね。
パソコンからの良い音の取り出しと、続くオーディオの世界への引き渡し、オーディオの世界ではそれを優れた回路で再生するというのがPCオーディオ システムのあり方という基本を教えてくれますね。
WEISS INT202
これはFireWireからSPDIFへのコンバーターです。
ここからは私のAirではFireWireがないので使えないので、角田さんのMacbook Proを使用します。
INT202のポイントはデジタルアウトがバランス・アンバランスとも二つあり、CHORDのQBD76のように二本のデジタルを受けられるものに適合しています。これは二本でそれぞれLのデータとクロック、Rのデータとクロックを伝送するということのようです。
実際に192/24の音源で聴くと、余裕が感じられる堂々とした音で、リアルさとそこから生み出される音楽の雰囲気の再現に圧倒されます。
これはもちろんQBD76の良さもあるでしょう。やはりこういうのを聴いてるとDAC64よりはっきり進化しているという感じがします。
今日はたくさん聴いて、ここに書いた以上にいろいろ差し替えたりしましたが、実り多い試聴の機会を得られました。
今日はたくさんのソースを聴きましたが、CDソースと44/16のRIPソースでは最近見つけたこのVIA CRUCISをメインに使わせてもらいました。
これは古楽のCDですが、録音も演奏も素晴らしいものです。広いレンジに楽器や声の抽出が自然でかつ透明感が高く、ちょっと現代感覚のある演奏も素晴らしいCDです。
試聴はこちらからどうぞ。
http://listen.jp/store/album_5099969457654.htm
2010年04月09日
フェーズテックのHD-7Aインタビュー動画
フジヤさんのブログでフェーズテックHA-7Aに関する技術的なインタビューを動画で掲載しています。
http://avic.livedoor.biz/archives/51456445.html
なかなか濃い話を展開していますので、興味のある方はぜひ試聴ください。技術と製品へのこだわりという熱意が伝わってきます。細かいそうしたこだわりの積み重ねがあのような高品質の音になるのでしょうね。2/2の最後の方にアシンクロナス方式のUSB転送に関するキーのお話があります。
ヘッドホン祭でまた展示がありますので、そのときまたヘッドホンとの相性をみてはいかがでしょうか。
http://avic.livedoor.biz/archives/51456445.html
なかなか濃い話を展開していますので、興味のある方はぜひ試聴ください。技術と製品へのこだわりという熱意が伝わってきます。細かいそうしたこだわりの積み重ねがあのような高品質の音になるのでしょうね。2/2の最後の方にアシンクロナス方式のUSB転送に関するキーのお話があります。
ヘッドホン祭でまた展示がありますので、そのときまたヘッドホンとの相性をみてはいかがでしょうか。
2010年03月03日
フェーズテックのAsync方式USB DAC HD-7A試聴しました
本日はまたオーディオ評論家の角田郁雄さん宅の試聴室にお邪魔して、興味ある新製品の試聴をしてきました。
それは発売されたばかりのフェーズテックの新型USB DAC、HD-7Aです。ホームページはこちらです。
http://www.phase-tech.com/digital/productspage_HD-7A.html
*HD-7Aについて
HD-7Aは最近わたしも良く書いているAsync転送方式を採用した新世代のUSB DACです。フェーズテックでは「USB Async データフローエンジン」と呼んでいます。
DACのI/V変換には独自のプッシュプル・カレントミラー方式PPCMC(特許出願中)を採用しているとのこと。DAチップは電流出力ですが、オーディオ機器は電圧変化を信号として必要とします。その変換を行うのがI/V変換です。違う形に変換をするわけですからその変換精度がDACのアナログ的な音のよさと密接に関連します。
DACはデジタル機器であると同時にアナログ機器でもあり、Async方式とこのPPCMCで、その両方のポイントを抑えているというわけですね。またデジタル・アナログのアイソレーション(分離)をきっちりと行っているとのことです。
DACチップはPCM1794のデュアルで、ビクターの開発したK2を使ってビット幅の拡張も行っています。これはフロントパネルのスイッチで簡単に切り替えて効果を確認できます。
また外部クロック入力(外部10MHz専用)があり、外付けのルビジウムなどの高精度クロックも接続できますので、ハイエンドの機器にも容易に対応ができます。
HD-7Aのもうひとつの面白い点は外部クロック入力だけでなく、ワードクロックジェネレーター機能内蔵しているのでクロックの出力もあるということです(SPDIF入力時のみ)。
これはどう使うかというと、HD-7A自体を外付けクロックに見立てて、外部クロック入力のあるCDトランスポートにクロックを供給することで、CDトランスポートとマスタースレーブの関係になることができます。DACとCDトランスポートでクロックを共有できることでDA変換をより高精度で行えるわけです。
例えば下の例ではChordのCodaからSPDIFデジタルを入力して、同時にCodaにクロックを供給しています。またこのときにも外付けの外部クロックからさらに高い精度のクロックを得ることができます。
(HD-7Aの背面パネル)
つまりUSBを使ったPCオーディオでも、普通にCDプレーヤー(CDトランスポート)を使ったオーディオでも両方とも高品質な対応ができるということですね。
シャーシもメカニカルアースを使用していたりと、細かいところはかなり盛りだくさんで練り込まれた特徴を備えています。
*試聴に使ったのはアンバランスモデルですが、バランスモデルもあるとのことです。ただしこちらはコネクタのみバランス(XLR)です。
これはDAC-プリ間などの短い接続では、回路をアンバランスで作った方がアンプの段数を減らせて鮮度を高められると言う点によるとのことです。
*試聴記
角田さん試聴室のフォーカルのスピーカー、アキュフェーズのアンプにわたしの持参したMacbook Airに搭載したAmarra miniで再生しました。
上の写真では左からMac Air、Chord Codaとフォーカル、HD-7Aです。
基本的にはMacからUSBで鳴らして、少し参考に上のマスタースレイブ方式で接続したCodaをCDで聴きます。
いろいろとソースを変えて試聴しましたが、このようなハイエンドシステムの性能を存分に引き出し、録音の差を忠実に再現する高い再現性能がありながら、音はなめらかできつさを感じるところがありません。分析的と言えるほどのシャープで細かな表現力をもちながら、リスナーを没入させる音楽性を併せ持つと言う感じでしょうか。
この辺はAsync転送とか凝ったIV変換などの新技術を、リスナーに優しく使用していると言う感じで好感が持てます。
オーケストラのトラックではスケール感と奥行きの深さに圧倒され、器楽曲では楽器の持つ細やかな質感表現が見事です。
破綻がなく、難しい録音もあっさりとこなしてしまう優等生的な点も感じられました。
機能的にはK2をライセンス利用した4倍アップサンプリングと20 bit拡張機能をワンタッチでフロントパネルから切り替えができ、効果もすぐ分かります。厚みや豊かさが実感できますね。
CDでの再現力も高く、Chordの精緻で自然な音を驚くほど引き出してくれます。ソース機材の個性もよくわかると言う感じです。CDでも良い音がなるので、良いオーディオを持っているけどPCオーディオにも手を出したいと言う人にも良さそうですね。
*Async方式対決
実は比較用にWavelengthのProtonも持って行きました。Async方式と言うことで比較してみようと言うわけです。
Proton単体で聴くと値段の割に満足感が高いと思うけれども、HD-7Aと比べるとやはり値段なりの差があるか、とうならされました。Protonも良いけどHD-7Aと比べるとスケール感がなく痩せて聞こえます。
やはりHD-7Aの方がひと回りかふたまわり音が良いですね。
ただ感じたのは共通する個性もあって、全体にどちらも滑らかさ、暖かみという共通の言葉があるように思います。これがAsync転送的な滑らかさだなとちょっと思いました。
デジタルが硬い、とくにUSBなんか、と思う人はちょっと試してみて欲しいところです。
Async転送のUSB DACとしてのAyreやWavelengthとの大きな違いは、それらがUSBレシーバーとしてTIの1020Bを使用しているのに対して、HD-7Aは日本のメーカーであるルネサス・テクノロジーの新しいチップであるM30245を使っていることです。1020Bが出たのは2002年頃と古くてバッファも小さく扱いにくいところもあるそうですが、これは最新型のチップを使っているわけです。
またAsync転送のUSBで外からクロックを入れられるのはこれが初となります。
なかなか音もよく機能も豊富で注目に値するUSB DACと言えるのではないでしょうか。値段も良い線ですね。
3/6開催のPCオーディオ展には出展すると思いますので、こられる方はぜひ聴いてみてください。
それは発売されたばかりのフェーズテックの新型USB DAC、HD-7Aです。ホームページはこちらです。
http://www.phase-tech.com/digital/productspage_HD-7A.html
*HD-7Aについて
HD-7Aは最近わたしも良く書いているAsync転送方式を採用した新世代のUSB DACです。フェーズテックでは「USB Async データフローエンジン」と呼んでいます。
DACのI/V変換には独自のプッシュプル・カレントミラー方式PPCMC(特許出願中)を採用しているとのこと。DAチップは電流出力ですが、オーディオ機器は電圧変化を信号として必要とします。その変換を行うのがI/V変換です。違う形に変換をするわけですからその変換精度がDACのアナログ的な音のよさと密接に関連します。
DACはデジタル機器であると同時にアナログ機器でもあり、Async方式とこのPPCMCで、その両方のポイントを抑えているというわけですね。またデジタル・アナログのアイソレーション(分離)をきっちりと行っているとのことです。
DACチップはPCM1794のデュアルで、ビクターの開発したK2を使ってビット幅の拡張も行っています。これはフロントパネルのスイッチで簡単に切り替えて効果を確認できます。
また外部クロック入力(外部10MHz専用)があり、外付けのルビジウムなどの高精度クロックも接続できますので、ハイエンドの機器にも容易に対応ができます。
HD-7Aのもうひとつの面白い点は外部クロック入力だけでなく、ワードクロックジェネレーター機能内蔵しているのでクロックの出力もあるということです(SPDIF入力時のみ)。
これはどう使うかというと、HD-7A自体を外付けクロックに見立てて、外部クロック入力のあるCDトランスポートにクロックを供給することで、CDトランスポートとマスタースレーブの関係になることができます。DACとCDトランスポートでクロックを共有できることでDA変換をより高精度で行えるわけです。
例えば下の例ではChordのCodaからSPDIFデジタルを入力して、同時にCodaにクロックを供給しています。またこのときにも外付けの外部クロックからさらに高い精度のクロックを得ることができます。
(HD-7Aの背面パネル)
つまりUSBを使ったPCオーディオでも、普通にCDプレーヤー(CDトランスポート)を使ったオーディオでも両方とも高品質な対応ができるということですね。
シャーシもメカニカルアースを使用していたりと、細かいところはかなり盛りだくさんで練り込まれた特徴を備えています。
*試聴に使ったのはアンバランスモデルですが、バランスモデルもあるとのことです。ただしこちらはコネクタのみバランス(XLR)です。
これはDAC-プリ間などの短い接続では、回路をアンバランスで作った方がアンプの段数を減らせて鮮度を高められると言う点によるとのことです。
*試聴記
角田さん試聴室のフォーカルのスピーカー、アキュフェーズのアンプにわたしの持参したMacbook Airに搭載したAmarra miniで再生しました。
上の写真では左からMac Air、Chord Codaとフォーカル、HD-7Aです。
基本的にはMacからUSBで鳴らして、少し参考に上のマスタースレイブ方式で接続したCodaをCDで聴きます。
いろいろとソースを変えて試聴しましたが、このようなハイエンドシステムの性能を存分に引き出し、録音の差を忠実に再現する高い再現性能がありながら、音はなめらかできつさを感じるところがありません。分析的と言えるほどのシャープで細かな表現力をもちながら、リスナーを没入させる音楽性を併せ持つと言う感じでしょうか。
この辺はAsync転送とか凝ったIV変換などの新技術を、リスナーに優しく使用していると言う感じで好感が持てます。
オーケストラのトラックではスケール感と奥行きの深さに圧倒され、器楽曲では楽器の持つ細やかな質感表現が見事です。
破綻がなく、難しい録音もあっさりとこなしてしまう優等生的な点も感じられました。
機能的にはK2をライセンス利用した4倍アップサンプリングと20 bit拡張機能をワンタッチでフロントパネルから切り替えができ、効果もすぐ分かります。厚みや豊かさが実感できますね。
CDでの再現力も高く、Chordの精緻で自然な音を驚くほど引き出してくれます。ソース機材の個性もよくわかると言う感じです。CDでも良い音がなるので、良いオーディオを持っているけどPCオーディオにも手を出したいと言う人にも良さそうですね。
*Async方式対決
実は比較用にWavelengthのProtonも持って行きました。Async方式と言うことで比較してみようと言うわけです。
Proton単体で聴くと値段の割に満足感が高いと思うけれども、HD-7Aと比べるとやはり値段なりの差があるか、とうならされました。Protonも良いけどHD-7Aと比べるとスケール感がなく痩せて聞こえます。
やはりHD-7Aの方がひと回りかふたまわり音が良いですね。
ただ感じたのは共通する個性もあって、全体にどちらも滑らかさ、暖かみという共通の言葉があるように思います。これがAsync転送的な滑らかさだなとちょっと思いました。
デジタルが硬い、とくにUSBなんか、と思う人はちょっと試してみて欲しいところです。
Async転送のUSB DACとしてのAyreやWavelengthとの大きな違いは、それらがUSBレシーバーとしてTIの1020Bを使用しているのに対して、HD-7Aは日本のメーカーであるルネサス・テクノロジーの新しいチップであるM30245を使っていることです。1020Bが出たのは2002年頃と古くてバッファも小さく扱いにくいところもあるそうですが、これは最新型のチップを使っているわけです。
またAsync転送のUSBで外からクロックを入れられるのはこれが初となります。
なかなか音もよく機能も豊富で注目に値するUSB DACと言えるのではないでしょうか。値段も良い線ですね。
3/6開催のPCオーディオ展には出展すると思いますので、こられる方はぜひ聴いてみてください。
2010年02月12日
DenDACとスモールPCオーディオ
さきの記事でNetwalkerと組み合わせてモバイルPCオーディオの出力部分となっているのはDenDACです。
(うちのブログではLinuxもMacもまとめてPCオーディオと呼ぶことにします)
DenDACについてまだ書いてなかったので簡単に触れておきます。
このシステムはDACportも接続可能ですし、そちらのほうはハイリゾ音源も使えて音もより良いのですが、ケーブルが厄介になります。その点で小さくてケーブルレスなDenDACはこうしたコンパクトなシステムに最適です。
NetwalkerはさすがPDAの経験豊富なシャープだけあって、両手で持ったときに手がぶつからない位置にUSBポートがあり使いやすくDenDACを接続できます。パーツ屋さんなどで売っているUSBの90度アダプタを使えばさらにコンパクトにまとまります。(90度アダプタは右左あるので注意)
このDenDAC自体はネットを検索してもらうと分かりますが、新しいものではなく記事はたくさん見つかると思います。わたしも前はそんなに興味がなかったんですが、最近ちょっと興味を持って買ってみました。理由としてはこうしたスモールPCオーディオ向けに良いということもありますが、もうひとつの理由があります。
というのは最近USB DAC関係の資料を読むためによく海外の資料を読んでいるんですが、そのあちこちでUSBオーディオについてはまずこの資料を読め、という風に紹介されている文章があります。それがBurr Brownに務めていた近藤仁志氏が日本の雑誌に書いたUSBオーディオデバイスについての資料の英訳版です。
http://www.planetanalog.com/showArticle.jhtml?articleID=12801995
DenDACの紹介ページには元バーブラウンの技術者が作った、と簡単に書かれてるだけですが、その実はUSB DACの父のような人というわけです。
海外のほうがUSBオーディオについては進んでいると思ってましたが、実はルーツを下がるとこんな風に日本に戻ってくるということで興味深く思っていました。それでその近藤氏がこのDenDACの開発にかかわっているらしいということを知って、DenDACに興味を持ったわけです。
ここでちょっとした逸話を思い出しました。
戦争中に日本は連合国のレーダーに苦しめられましたが、日本軍がシンガポールを占領したときにレーダー先進国のイギリスの技術文書を接収できました。そこで嬉々として解析を始めたんですが、その中でやたら"YAGI"という文字が出てきます。そこで捕虜の技術将校にYAGIとはなんのことだ、と詰問したところその将校は怪訝な顔で「本当にしらないのか..?」と逆に聞いてきたそうです。
YAGIこそ八木アンテナの生みの親である八木博士のことです。日本国内ではこの指向性のある画期的なアンテナの発明は認めてもらえなかったのですが、海外では注目されて研究され、それが結局日本を苦しめることになりました。
この辺は日本人と先進科学と言う点での教訓としていろいろと書かれていますので興味のある方は検索してみてください。
話は戻ります。DenDACはPCM2704を使用していますが、DenDACはクロックリカバリに独自のノウハウを生かしているようで、なかなか興味あるところです。
接続してみるとカスタムIEMのJH13をつないだときにわずかにサーっというヒスノイズが聞こえますが許容範囲で、普通のヘッドホンならそうした背景雑音は聞こえません。
このDenDACを使ったNetwalkerシステムの良いところは鮮度感というか音に曇り感や泥濘感が少ないこともあります。普通ヒスが出るタイプのアンプは泥濘感もありますが、これは音の立ち方がシャープなせいかそうマイナスには感じません。
この明瞭感は独自のクロックリカバリゆえか、DACアンプ一体型でありさらにデジタルケーブルもないという点がプラスしているのかわかりませんが、切れの良い生々しさがなかなか魅力的なところです。音調は全体に明るく乾いた感じで、帯域的に特定の強調感はなく自然で強調感が少ない音だと思います。
反面で少し音がやせた感があり、潤いや豊かさには欠けているところはあるかもしれません。もちろんオンボードよりは良いけれども、ここはサイズ的にも致し方ないところでしょう。
Netwalker上のUbuntu(Linux)のデスクトップはワークスペースの切り替えができるので、一画面にプレーヤーの画面を広げておいて、もう一画面でOpenOfficeワープロを立ち上げて書き物をするということができでなかなか便利です。
いまのところUSB オーディオデバイスはLinuxのOSSドライバーで使い、Ubuntuのデスクトップ環境であるGNOMEで走るListen Music Playerなどを使ってFLACの楽曲を再生できるシステムになっています。楽曲ファイルは16GBほどFLACでMicroSDHCに入れています(S:flo2と共用できます)。
いまは走らせやすい組み合わせでまあ動かした、というところですが、この辺はまだまだですね。ただ音はこの状態でもなかなか良いものがあります。またLinuxもプレーヤーソフト間での音の違いもあるように思えます。
こんな小さなシステムでLinuxの音が云々とはいえませんが、ちょっと可能性は感じられます。
(うちのブログではLinuxもMacもまとめてPCオーディオと呼ぶことにします)
DenDACについてまだ書いてなかったので簡単に触れておきます。
このシステムはDACportも接続可能ですし、そちらのほうはハイリゾ音源も使えて音もより良いのですが、ケーブルが厄介になります。その点で小さくてケーブルレスなDenDACはこうしたコンパクトなシステムに最適です。
NetwalkerはさすがPDAの経験豊富なシャープだけあって、両手で持ったときに手がぶつからない位置にUSBポートがあり使いやすくDenDACを接続できます。パーツ屋さんなどで売っているUSBの90度アダプタを使えばさらにコンパクトにまとまります。(90度アダプタは右左あるので注意)
このDenDAC自体はネットを検索してもらうと分かりますが、新しいものではなく記事はたくさん見つかると思います。わたしも前はそんなに興味がなかったんですが、最近ちょっと興味を持って買ってみました。理由としてはこうしたスモールPCオーディオ向けに良いということもありますが、もうひとつの理由があります。
というのは最近USB DAC関係の資料を読むためによく海外の資料を読んでいるんですが、そのあちこちでUSBオーディオについてはまずこの資料を読め、という風に紹介されている文章があります。それがBurr Brownに務めていた近藤仁志氏が日本の雑誌に書いたUSBオーディオデバイスについての資料の英訳版です。
http://www.planetanalog.com/showArticle.jhtml?articleID=12801995
DenDACの紹介ページには元バーブラウンの技術者が作った、と簡単に書かれてるだけですが、その実はUSB DACの父のような人というわけです。
海外のほうがUSBオーディオについては進んでいると思ってましたが、実はルーツを下がるとこんな風に日本に戻ってくるということで興味深く思っていました。それでその近藤氏がこのDenDACの開発にかかわっているらしいということを知って、DenDACに興味を持ったわけです。
ここでちょっとした逸話を思い出しました。
戦争中に日本は連合国のレーダーに苦しめられましたが、日本軍がシンガポールを占領したときにレーダー先進国のイギリスの技術文書を接収できました。そこで嬉々として解析を始めたんですが、その中でやたら"YAGI"という文字が出てきます。そこで捕虜の技術将校にYAGIとはなんのことだ、と詰問したところその将校は怪訝な顔で「本当にしらないのか..?」と逆に聞いてきたそうです。
YAGIこそ八木アンテナの生みの親である八木博士のことです。日本国内ではこの指向性のある画期的なアンテナの発明は認めてもらえなかったのですが、海外では注目されて研究され、それが結局日本を苦しめることになりました。
この辺は日本人と先進科学と言う点での教訓としていろいろと書かれていますので興味のある方は検索してみてください。
話は戻ります。DenDACはPCM2704を使用していますが、DenDACはクロックリカバリに独自のノウハウを生かしているようで、なかなか興味あるところです。
接続してみるとカスタムIEMのJH13をつないだときにわずかにサーっというヒスノイズが聞こえますが許容範囲で、普通のヘッドホンならそうした背景雑音は聞こえません。
このDenDACを使ったNetwalkerシステムの良いところは鮮度感というか音に曇り感や泥濘感が少ないこともあります。普通ヒスが出るタイプのアンプは泥濘感もありますが、これは音の立ち方がシャープなせいかそうマイナスには感じません。
この明瞭感は独自のクロックリカバリゆえか、DACアンプ一体型でありさらにデジタルケーブルもないという点がプラスしているのかわかりませんが、切れの良い生々しさがなかなか魅力的なところです。音調は全体に明るく乾いた感じで、帯域的に特定の強調感はなく自然で強調感が少ない音だと思います。
反面で少し音がやせた感があり、潤いや豊かさには欠けているところはあるかもしれません。もちろんオンボードよりは良いけれども、ここはサイズ的にも致し方ないところでしょう。
Netwalker上のUbuntu(Linux)のデスクトップはワークスペースの切り替えができるので、一画面にプレーヤーの画面を広げておいて、もう一画面でOpenOfficeワープロを立ち上げて書き物をするということができでなかなか便利です。
いまのところUSB オーディオデバイスはLinuxのOSSドライバーで使い、Ubuntuのデスクトップ環境であるGNOMEで走るListen Music Playerなどを使ってFLACの楽曲を再生できるシステムになっています。楽曲ファイルは16GBほどFLACでMicroSDHCに入れています(S:flo2と共用できます)。
いまは走らせやすい組み合わせでまあ動かした、というところですが、この辺はまだまだですね。ただ音はこの状態でもなかなか良いものがあります。またLinuxもプレーヤーソフト間での音の違いもあるように思えます。
こんな小さなシステムでLinuxの音が云々とはいえませんが、ちょっと可能性は感じられます。