いよいよ待望のRoonの大型更新であるV1.2が登場しました。いままでで最大の更新で時間もかかったので、フォーラム上ではまだかまだかという声にあふれていました。
まず内部のソフトウエアが大幅に見直され、これとともにWindows、Macの他に待望のLinux版が登場しました。つまり、ラズパイで動作するようになりました!現時点ではイメージファイルはないのでインストーラが用意されています。イメージファイルは作成中とのことです。ラズベリーパイはRoonBridge(outputのみ)とRoonServer(CoreとOutput)になれます。
ソフトウエアの見直しではすべてのRoonの通信にRAATが使われるようになりました。これによってなんとプライベートゾーンの制限が事実上なくなりました。互換としてプライベートゾーンの機能はまだ残っています。
またRoonBridgeがWindows、Mac、Linuxで対応となったため、すべてのデバイスにネット出力ができます。つまりメインのPCのほかにUSB DACをつなげたMac miniがあればそれにストリーミングができます。
そしてiPadやタブレットだけではなく、iPhoneやAndroidスマートフォンもRoomリモートがインストールできるようになりました。これらは出力の機能がついているため、例えばiPhoneにつながれたDragonflyにもRoonからストリーミングできることになります。
1.1を立ち上げると上画面のようにUpdateがあるむねが表示されます。
アップデートの前にはバックアップが推奨されています。バックアップ方法はこちらです。
http://kb.roonlabs.com/FAQ:_How_do_I_backup_my_Roon_database%3F
機能としてはインターネットラジオ機能が追加されています。またソフトウエアボリュームは64bitディザ化されたようです。
対応フォーマットではPCMは32bitデータを読めるようになったようです。またWAV64対応されたので4GB超えのWAVでも読めます。MQA対応ではないが、MQAを認識できるようになりました(上画像のアルバムアートの下)。
設定としてはAudio Setupが変わりました。ここでプライベートゾーンのオンオフが任意でできるようになりました(上の画面)。
Audio SettingsではWindowsの場合はExclusive modeを設定しないとシグナルパスがHigh Qualityになる(OS Mixer通るから)。Exclusive modeを設定すると正しくロスレス品質となります(上画面)。
iOSはまだアップデートされてませんが、Android版はすぐに使えるようになりました。プライベートゾーンがオンオフ可能になってます。(前はリモートのゾーンは強制プライベート)
しかもメインの(coreのある)PCのRoonからNexus9が選べるようになりました!
つまりiPhoneが使えるようになったらPCから指示してiPhoneに接続されたUSB DACを使えます。
こちらはメインのPCからリモートのMad miniに接続したUSB DAC(GeeK Pulse)を設定する画面です(上画像)。これでPC上で音楽再生支持をするとMac miniに接続したUSB DACから音楽再生ができます。実質的にMac miniがRoonReady化したのと同じことです。上右画面でRAATでMac miniに接続しているのがわかると思います。つまりMac miniがPlayPointやAriesと同様の機能が果たせます。
しかも、このRAAT化によってすべてのソーンでグループ化が可能になりました。つまりPCにつないだUSB DACとリモートのタブレットも同期できます(上の画面)。
まさに自由度は飛躍的に高くなり、そのへんのパソコンやラズパイやスマートフォンやUSB DACを組み合わせて実にさまざまなシステムが構築できます。しかもipアドレスなどはいっさい入力不要です。しかし、これってもうPCの内部もネットワークも区別ないんじゃ。。
さあ、これでますます面白くなってきました。
Music TO GO!
2016年04月14日
2016年03月01日
RoonReadyとDLNAの構成と音を比べてみると
ラズベリーパイがRoonReadyとなることで、面白い実験ができます。
それはまったくハードウエア構成を同じにして、RoonとDLNAをシステムとして比較すると言うことです。
ラズベリーパイとIQAudio PI-DAC+ (専用ケース使用)
実のところ両者の位置づけは同一と言うわけではありません。Roonはネットワークがあってもなくても使えます。DLNAは基本的にネットワークでしか使えません、またネットワークを敷設しなければなりません。
よく日本ではUSB DACを使うものをPCオーディオ、DLNAネットワークプレーヤーを使うものをネットワークオーディオって呼んだりしますが、Roonの前にはそれは意味がありません。
しかしながら、RoonReadyという言葉はネットワーク機器に関する言葉であり、この観点からは比較ができます。
Roonは前回のAirPlayとの比較と同じです。DLNA(uPnP)はJRMCを使います。これでハードをRoonとDLNAでまったく同一にすることができます。ラズベリーパイでの違いはブートするMicroSDの中身だけです(RoonBridgeか、RuneAudio)。
プレーヤーがRoonとJRMCで違うじゃないかと言われるかもしれませんが、JRMCはコントローラとメディアサーバーだけで、実際に読んでデコードするのはRuneAudio(MPD)ですので違いはそこではなく、根本的な構成の差異になると思います。今回はハードウエアを同じにしているので、それらをどう使うか、そこで出る違いはRoonとDLNAのシステムとしての効率の違いと言っても良いと思います。
Roon側は下記のとおりです。
Roon
Roonの機器間接続と役割
PC : Roon - Control, Core
↓
有線ネットワーク - RAAT
↓
ラズベリーパイ : RoonBridge(Output) -> Pi-DAC+
Roonでの楽曲再生の流れは下記のようになります。
1.PC上のRoon Controlの画面でライブラリから楽曲を選択
2.Roon Coreが選択された音源を読んでデコードします。(Coreは音源が何かを知っておく必要があります)
3.Roon Coreはデータストリームをネットワーク経由でRAATという手順でラズベリーパイのRoon Outputに送ります。
4.Roon Outputはデータを受けて、PI-DAC+ドライバーに送り音楽が再生されます。
JRiver Media Center
DLNAの機器間接続と役割
PC : JRMC - DLNAコントローラ、DLNAメディアサーバー
↓
有線ネットワーク - uPnP
↓
ラズベリーパイ : RuneAudio - DLNAレンダラー Pi-DAC+
DLNAでの楽曲再生の流れは下記のようになります。
1.PC上のDLNAコントローラであるJRMC画面でライブラリから楽曲を選択します。
2.DLNAレンダラーであるラズベリーパイのRuneAudioがDLNAメディアサーバーであるPC上のJRMCに楽曲を送るように要求します。
3.DLNAメディアサーバーであるJRMCがラズベリーパイのRuneAudioにデータを送ります。
4.DLNAレンダラーであるラズベリーパイのRuneAudioが送られて来た音源を読んでデコードします。(RuneAudioは送られて来た音源が何かを知っている必要があります)
5.RuneAudio(MPD)がデータストリームをPI-DACドライバーに送り音楽が再生されます。
このRoonとDLNAシステムを試してみてわかったことは、まず音質については同じ音源で比較してみると、やはりRoonの方が全体にクリアでひとつひとつの楽器音が明瞭に聞こえます。これはハードが同じであるという点を考慮するとやはりRoonに分があるように思います。ソフトウエアにおいてRoonBridgeとRuneAudioを単純に比較できないと言うかもしれませんが、実のところRoonBridgeが軽量にできると言うのはRoonのコンセプトの一つですからこれも優位性に含めてもよいと思います。
また使い勝手・機能性と言う点ではJRMCは一般的な音楽再生ソフトのなかでももっとも多機能な方で、おそらく多くのDLNAコントローラより多機能ですが、それでもRoonにはライブラリ管理をはじめ使いやすさは及びません。(JRMCのなかでDLNAがおまけ的な機能でまじめに統合が考えられていないようにも思いますが)
設定でもJRMC上でレンダラーやサーバーの指定をするのも面倒ですが、Roonなら勝手に出力モジュール(RoonBridge)を見つけてきます。
構成と言う点ではRoonReadyシステムとDLNAシステムをくらべると、違いのポイントの一つは音源をどこで読むかということで、RoonReadyのラズベリーパイはFLACとかWAVの音源をどう読むかを知る必要はありませんが、RuneAudio(DLNA)のラズベリーパイは音源をどう読むかを知らねばなりません。
Coreはレンダラーとメディアサーバーを足したようにも見えますが、Coreはさらにたくさんのことができます。バックグラウンド処理でデータ解析をし、ライブラリのタグ情報データのメンテナンスもやります。CPU処理はかかってノイズがいっぱい出てファンが唸っても、Output部分とネットで切り離せば良いだけです。
RoonReadyの場合にはDSD512のデータを読もうと、768KHzのPCMを読もうと、オーディオ回路のある筐体のファンが悲鳴をあげることはないし、実のところRoonBridgeの場合にはラズベリーパイ2でも強力すぎなくらいだと思います。(パイ2だとやや発熱するので)
言い換えるとDLNAは分散型で、Roonは集中型です。それぞれの良い点もあるし、悪い点もまたあるかもしれません。
今回のDLNAシステム構成は標準的なタブレット+NAS+ストリーマーと言うものとは異なりますので、もしRoonでそれと同様なものを構成するとすると、タブレット+NAS+Roon Core Certified Device(SOtMのsMS-1000 SQなど)になると思います。ただしRoonの集中型としての利点を生かすのであればやはりハード的に異なりますが、タブレット+NAS+Roon(あるいはRoonServer)+RoonBridgeとしてCoreとOutputを分離するということになるでしょう。
それはまったくハードウエア構成を同じにして、RoonとDLNAをシステムとして比較すると言うことです。
ラズベリーパイとIQAudio PI-DAC+ (専用ケース使用)
実のところ両者の位置づけは同一と言うわけではありません。Roonはネットワークがあってもなくても使えます。DLNAは基本的にネットワークでしか使えません、またネットワークを敷設しなければなりません。
よく日本ではUSB DACを使うものをPCオーディオ、DLNAネットワークプレーヤーを使うものをネットワークオーディオって呼んだりしますが、Roonの前にはそれは意味がありません。
しかしながら、RoonReadyという言葉はネットワーク機器に関する言葉であり、この観点からは比較ができます。
Roonは前回のAirPlayとの比較と同じです。DLNA(uPnP)はJRMCを使います。これでハードをRoonとDLNAでまったく同一にすることができます。ラズベリーパイでの違いはブートするMicroSDの中身だけです(RoonBridgeか、RuneAudio)。
プレーヤーがRoonとJRMCで違うじゃないかと言われるかもしれませんが、JRMCはコントローラとメディアサーバーだけで、実際に読んでデコードするのはRuneAudio(MPD)ですので違いはそこではなく、根本的な構成の差異になると思います。今回はハードウエアを同じにしているので、それらをどう使うか、そこで出る違いはRoonとDLNAのシステムとしての効率の違いと言っても良いと思います。
Roon側は下記のとおりです。
Roon
Roonの機器間接続と役割
PC : Roon - Control, Core
↓
有線ネットワーク - RAAT
↓
ラズベリーパイ : RoonBridge(Output) -> Pi-DAC+
Roonでの楽曲再生の流れは下記のようになります。
1.PC上のRoon Controlの画面でライブラリから楽曲を選択
2.Roon Coreが選択された音源を読んでデコードします。(Coreは音源が何かを知っておく必要があります)
3.Roon Coreはデータストリームをネットワーク経由でRAATという手順でラズベリーパイのRoon Outputに送ります。
4.Roon Outputはデータを受けて、PI-DAC+ドライバーに送り音楽が再生されます。
JRiver Media Center
DLNAの機器間接続と役割
PC : JRMC - DLNAコントローラ、DLNAメディアサーバー
↓
有線ネットワーク - uPnP
↓
ラズベリーパイ : RuneAudio - DLNAレンダラー Pi-DAC+
DLNAでの楽曲再生の流れは下記のようになります。
1.PC上のDLNAコントローラであるJRMC画面でライブラリから楽曲を選択します。
2.DLNAレンダラーであるラズベリーパイのRuneAudioがDLNAメディアサーバーであるPC上のJRMCに楽曲を送るように要求します。
3.DLNAメディアサーバーであるJRMCがラズベリーパイのRuneAudioにデータを送ります。
4.DLNAレンダラーであるラズベリーパイのRuneAudioが送られて来た音源を読んでデコードします。(RuneAudioは送られて来た音源が何かを知っている必要があります)
5.RuneAudio(MPD)がデータストリームをPI-DACドライバーに送り音楽が再生されます。
このRoonとDLNAシステムを試してみてわかったことは、まず音質については同じ音源で比較してみると、やはりRoonの方が全体にクリアでひとつひとつの楽器音が明瞭に聞こえます。これはハードが同じであるという点を考慮するとやはりRoonに分があるように思います。ソフトウエアにおいてRoonBridgeとRuneAudioを単純に比較できないと言うかもしれませんが、実のところRoonBridgeが軽量にできると言うのはRoonのコンセプトの一つですからこれも優位性に含めてもよいと思います。
また使い勝手・機能性と言う点ではJRMCは一般的な音楽再生ソフトのなかでももっとも多機能な方で、おそらく多くのDLNAコントローラより多機能ですが、それでもRoonにはライブラリ管理をはじめ使いやすさは及びません。(JRMCのなかでDLNAがおまけ的な機能でまじめに統合が考えられていないようにも思いますが)
設定でもJRMC上でレンダラーやサーバーの指定をするのも面倒ですが、Roonなら勝手に出力モジュール(RoonBridge)を見つけてきます。
構成と言う点ではRoonReadyシステムとDLNAシステムをくらべると、違いのポイントの一つは音源をどこで読むかということで、RoonReadyのラズベリーパイはFLACとかWAVの音源をどう読むかを知る必要はありませんが、RuneAudio(DLNA)のラズベリーパイは音源をどう読むかを知らねばなりません。
Coreはレンダラーとメディアサーバーを足したようにも見えますが、Coreはさらにたくさんのことができます。バックグラウンド処理でデータ解析をし、ライブラリのタグ情報データのメンテナンスもやります。CPU処理はかかってノイズがいっぱい出てファンが唸っても、Output部分とネットで切り離せば良いだけです。
RoonReadyの場合にはDSD512のデータを読もうと、768KHzのPCMを読もうと、オーディオ回路のある筐体のファンが悲鳴をあげることはないし、実のところRoonBridgeの場合にはラズベリーパイ2でも強力すぎなくらいだと思います。(パイ2だとやや発熱するので)
言い換えるとDLNAは分散型で、Roonは集中型です。それぞれの良い点もあるし、悪い点もまたあるかもしれません。
今回のDLNAシステム構成は標準的なタブレット+NAS+ストリーマーと言うものとは異なりますので、もしRoonでそれと同様なものを構成するとすると、タブレット+NAS+Roon Core Certified Device(SOtMのsMS-1000 SQなど)になると思います。ただしRoonの集中型としての利点を生かすのであればやはりハード的に異なりますが、タブレット+NAS+Roon(あるいはRoonServer)+RoonBridgeとしてCoreとOutputを分離するということになるでしょう。
2016年02月27日
RoonReadyの音質
それではRoonReady機器が手に入ったので、今年のCESのキーワードでもあったRoonReadyとは音はよいのか?、ということでまずAirPlayと聴き比べてみました。AirPlay接続とRAAT接続(RoonReady機器)の音の違いを比べるわけです。
簡単に整理すると、RoonReadyとはRoon独自のプロトコル(通信手順)であるRAAT - Roon Advanced Audio Transportに対応したネットワーク機器のことです。ここではラズベリーパイとPI-DAC+にRAATがIQaudioの人によって実装され、I2Sドライバーと組み合わされて提供されたものを使います。これはRoonの世界ではRoonBridgeと呼ばれるRoonのOutput(Endpoint)だけのモジュールとして機能します。
接続はいままでと同様にPCにインストールしたRoon、ラズベリーパイとPI-DAC+を使いますが、条件を同じにするために両方とも有線接続にしました。
RoonReadyつまりRAATとAirPlayのそれぞれの接続構成は以下の通りです。Roonの3要素であるControl, Core, Outputの各機能がどこにあるかに注目してください。
RoonReady - シグナルパス品質はロスレス(最高)
RoonReady
PC : Roon - Control, Core
↓
有線ネットワーク - RAAT
↓
ラズベリーパイ : RoonBridge(Output) -> Pi-DAC+
AirPlay - シグナルパス品質はハイクオリティ(中)
AirPlay
PC : Roon - Control, Core, Output -> Aiplayドライバー
↓
有線ネットワーク - AirPlay
↓
ラズベリーパイ : RuneAudio -> Pi-DAC+
この組み合わせで44/16のリッピングソースで聞き比べると、やはりRoonReady(RAAT)の方がはっきりと明瞭感やベースギターのピチカートの切れの良さがわかるくらい優れていると思います。
これは以下のように伝送方式がRAATのほうがよりオーディオ的な考慮がなされているというのも理由になると思います。
* RAATとAirPlayの伝送方式の違い
機器間のデータの伝送において重要なのはクロック自体の精度というよりも、ある一定時間に100個データ送ったら100個取り出すというように受け渡しのタイミングが合うことです。受け手は90個取り出しても110個取り出してもいけません。(バッファがあってもオーバーフローにもアンダーフローにもなり得ます)
- AirPlayの場合はPCがDACに対して一方的にデータを投げます。DACのクロックのことなど知ったことではありません。このタイプでは受け手が上手に調整する必要があります(例えばASRCなど)。
- RAATの場合はDACのクロックの都合を聞きながら、PCに対して投げる量の調整を要求します。これはある時間単位でパケットを使って受け手から送り手(PC)にフィードバックすることで行います。そのため受け手で面倒なことをしなくても良くなるわけです。
またRoonではゾーンの同期ができると書きましたが、このさいにも適当に双方にデータを投げるのではなく、ゾーン間の機器のクロックが異なる可能性があるので(というか大抵そうなるでしょう)同期(タイミング差)を取るのに同様な方法を使うようです。
RAATではこのように各機器間のタイミングをうまくはかって音質ロスを減らし、かつユーザーから見るとipアドレスなど面倒なことを意識しないという簡単さはAirPlayと同じです。この辺がRoonがユーザーエクスペリエンス(使い勝手)と音質を調和させているというゆえんです。
簡単に整理すると、RoonReadyとはRoon独自のプロトコル(通信手順)であるRAAT - Roon Advanced Audio Transportに対応したネットワーク機器のことです。ここではラズベリーパイとPI-DAC+にRAATがIQaudioの人によって実装され、I2Sドライバーと組み合わされて提供されたものを使います。これはRoonの世界ではRoonBridgeと呼ばれるRoonのOutput(Endpoint)だけのモジュールとして機能します。
接続はいままでと同様にPCにインストールしたRoon、ラズベリーパイとPI-DAC+を使いますが、条件を同じにするために両方とも有線接続にしました。
RoonReadyつまりRAATとAirPlayのそれぞれの接続構成は以下の通りです。Roonの3要素であるControl, Core, Outputの各機能がどこにあるかに注目してください。
RoonReady - シグナルパス品質はロスレス(最高)
RoonReady
PC : Roon - Control, Core
↓
有線ネットワーク - RAAT
↓
ラズベリーパイ : RoonBridge(Output) -> Pi-DAC+
AirPlay - シグナルパス品質はハイクオリティ(中)
AirPlay
PC : Roon - Control, Core, Output -> Aiplayドライバー
↓
有線ネットワーク - AirPlay
↓
ラズベリーパイ : RuneAudio -> Pi-DAC+
この組み合わせで44/16のリッピングソースで聞き比べると、やはりRoonReady(RAAT)の方がはっきりと明瞭感やベースギターのピチカートの切れの良さがわかるくらい優れていると思います。
これは以下のように伝送方式がRAATのほうがよりオーディオ的な考慮がなされているというのも理由になると思います。
* RAATとAirPlayの伝送方式の違い
機器間のデータの伝送において重要なのはクロック自体の精度というよりも、ある一定時間に100個データ送ったら100個取り出すというように受け渡しのタイミングが合うことです。受け手は90個取り出しても110個取り出してもいけません。(バッファがあってもオーバーフローにもアンダーフローにもなり得ます)
- AirPlayの場合はPCがDACに対して一方的にデータを投げます。DACのクロックのことなど知ったことではありません。このタイプでは受け手が上手に調整する必要があります(例えばASRCなど)。
- RAATの場合はDACのクロックの都合を聞きながら、PCに対して投げる量の調整を要求します。これはある時間単位でパケットを使って受け手から送り手(PC)にフィードバックすることで行います。そのため受け手で面倒なことをしなくても良くなるわけです。
またRoonではゾーンの同期ができると書きましたが、このさいにも適当に双方にデータを投げるのではなく、ゾーン間の機器のクロックが異なる可能性があるので(というか大抵そうなるでしょう)同期(タイミング差)を取るのに同様な方法を使うようです。
RAATではこのように各機器間のタイミングをうまくはかって音質ロスを減らし、かつユーザーから見るとipアドレスなど面倒なことを意識しないという簡単さはAirPlayと同じです。この辺がRoonがユーザーエクスペリエンス(使い勝手)と音質を調和させているというゆえんです。
2016年02月24日
ラズベリーパイのRoonReady機器化(Roon Bridge)について
さきのラズベリーパイのPI-DACの記事で、IQAudio製品を選んだのはRoon対応もあると書きましたが、さすが仕事早いというかIQAudioの人がさっそくRoonReady化をやってくれてました。まだ正式にアナウンスされてませんが、Roonフォーラムのやりとりを見ていて、IQaudioの人にRC(リリース候補)イメージを頂戴って言ってもらいました。8GBのMicroSDで入ります。いつものようにイメージをW32disk imagerで焼いてMicroSDを作ります。
ラズベリーパイ2とPI-DAC+
ハードウエア側はさきの記事と同じく、ラズベリーパイ2とIQAudIOのPI-DAC+です。ネットワークは今回は有線で接続しますが、有線の先はWiFiルーターなのでPC(Roon core)とはWiFiでつないでいます。
ラズパイにMicroSDを入れてブートするだけです。
次にPCでRoonを立ち上げて、Audio setupを開くと上右のようにNetworkのところにRoonReadyのロゴとともにPI-DACが見えます。まだUncertifiedと認識されています。(DHCPで割り振られた)ipアドレスは私が入れたのではなく自動でRoonが見つけたものです。おそらくAvahiかBonjourのような自動認識の実装をしていると思います。この辺はさすがユーザーエクスペリエンスを語るRoonです。
上左の画像は設定画面です。今回はボリュームはRoonのボリュームを使うのでこのままにしておきます。
このネットワークゾーンで名前(RPI PI-DAC+)を付けてRoonに認識させます。
これだけであとは普通のゾーンとしてRoonで再生が可能です。Roonで再生させるとPI-DAC+から音楽が流れます。まだ開発中なのでCD品質は良いけど、ハイレゾはひっかかりますが音はかなり良いです。
シグナルパスは上のように表示されます。左がCD品質で、右がハイレゾです。AirPlayとは違ってロスレス品質で再生されていることがわかります。きちんとRAATで流れていますね。
AirPlayでは上のようにロスレスより落ちるハイクオリティになります。
* 接続のまとめ
今回の接続はこういう流れです。
Roon (PC) ->ネットワーク (RAAT) ->ラズベリーパイ/PI-DAC+ =>アナログ出力
Roon的に言うと、ラズベリーパイはRoonBridgeとして機能しています。つまりControlとCoreはPCにあり、Output(endpoint)はラズベリーパイです。
AirPlayの例ではAirPlayまでがRoonではCoreのPCのOutputとみなされるために、もともとプライベートゾーンではありません。そのためにラズベリーパイでも出力できていました。
これをさらに解説すると、下記のようになります。[]内がRoonの世界です。
前の記事の例で言うと、
[ Core(PC)->Output(AirPlayゾーン) ] ->AirPlay(ネットワーク)->RuneAudio(ラズパイ)
でした。
今回は
[ Core(PC) -> RAAT(ネットワーク) -> Output(Network/RoonSpeakersゾーン、ラズパイ) ]
となります。
これでオーディオ的になにができたかというと、ハイパワーが必要でノイズまみれのPC部分と、ローパワーで済んでローノイズのオーディオ部分をネットワークで分離できたということになります。これがDLNAレンダラーだと両者は同じ箱の中なので分離できません。
これはなかなか画期的だと思います。ラズベリーパイでもできたというのがRoonの柔軟性をひとつ示していますが、このRoonReadyががさらに優れたオーディオデバイスに採用されていくとまた面白くなっていくでしょう。
またRoonBridgeではDLNAレンダラーとは違い、音源をデコードする必要がないので、従来のストリーマー(ネットワークプレーヤー)よりさらに軽量に作れるはずです。従来のストリーマーの流用ではなく、RoonBridge専用機ならさらに新しい可能性が開けそうです。
* 現在のRoonReady機器のリストにIQaudioも載りました
https://kb.roonlabs.com/Partner_Devices_Matrix
現時点で他に対応できているのはAriesとSonicOrbiterです。
ラズベリーパイ2とPI-DAC+
ハードウエア側はさきの記事と同じく、ラズベリーパイ2とIQAudIOのPI-DAC+です。ネットワークは今回は有線で接続しますが、有線の先はWiFiルーターなのでPC(Roon core)とはWiFiでつないでいます。
ラズパイにMicroSDを入れてブートするだけです。
次にPCでRoonを立ち上げて、Audio setupを開くと上右のようにNetworkのところにRoonReadyのロゴとともにPI-DACが見えます。まだUncertifiedと認識されています。(DHCPで割り振られた)ipアドレスは私が入れたのではなく自動でRoonが見つけたものです。おそらくAvahiかBonjourのような自動認識の実装をしていると思います。この辺はさすがユーザーエクスペリエンスを語るRoonです。
上左の画像は設定画面です。今回はボリュームはRoonのボリュームを使うのでこのままにしておきます。
このネットワークゾーンで名前(RPI PI-DAC+)を付けてRoonに認識させます。
これだけであとは普通のゾーンとしてRoonで再生が可能です。Roonで再生させるとPI-DAC+から音楽が流れます。まだ開発中なのでCD品質は良いけど、ハイレゾはひっかかりますが音はかなり良いです。
シグナルパスは上のように表示されます。左がCD品質で、右がハイレゾです。AirPlayとは違ってロスレス品質で再生されていることがわかります。きちんとRAATで流れていますね。
AirPlayでは上のようにロスレスより落ちるハイクオリティになります。
* 接続のまとめ
今回の接続はこういう流れです。
Roon (PC) ->ネットワーク (RAAT) ->ラズベリーパイ/PI-DAC+ =>アナログ出力
Roon的に言うと、ラズベリーパイはRoonBridgeとして機能しています。つまりControlとCoreはPCにあり、Output(endpoint)はラズベリーパイです。
AirPlayの例ではAirPlayまでがRoonではCoreのPCのOutputとみなされるために、もともとプライベートゾーンではありません。そのためにラズベリーパイでも出力できていました。
これをさらに解説すると、下記のようになります。[]内がRoonの世界です。
前の記事の例で言うと、
[ Core(PC)->Output(AirPlayゾーン) ] ->AirPlay(ネットワーク)->RuneAudio(ラズパイ)
でした。
今回は
[ Core(PC) -> RAAT(ネットワーク) -> Output(Network/RoonSpeakersゾーン、ラズパイ) ]
となります。
これでオーディオ的になにができたかというと、ハイパワーが必要でノイズまみれのPC部分と、ローパワーで済んでローノイズのオーディオ部分をネットワークで分離できたということになります。これがDLNAレンダラーだと両者は同じ箱の中なので分離できません。
これはなかなか画期的だと思います。ラズベリーパイでもできたというのがRoonの柔軟性をひとつ示していますが、このRoonReadyががさらに優れたオーディオデバイスに採用されていくとまた面白くなっていくでしょう。
またRoonBridgeではDLNAレンダラーとは違い、音源をデコードする必要がないので、従来のストリーマー(ネットワークプレーヤー)よりさらに軽量に作れるはずです。従来のストリーマーの流用ではなく、RoonBridge専用機ならさらに新しい可能性が開けそうです。
* 現在のRoonReady機器のリストにIQaudioも載りました
https://kb.roonlabs.com/Partner_Devices_Matrix
現時点で他に対応できているのはAriesとSonicOrbiterです。
2016年02月09日
Roon補足4: ゾーンとキュー管理、ゾーンの同期について
ラズベリーパイDACのおかげでAirPlayデバイスが増えたので、Roonのキュー管理がさらによく分かるようになりました。
RoonではMPDのように楽曲をキューに入れて管理しますが、このキューはゾーン(出力先)ごとに設けられています。つまりゾーンが異なれば別々にキューを持つことができ、さらにそれらを同時に再生することができます。また再生とかポーズなどのコントロールもゾーンごとにすることができます。ラジオ機能もゾーン単位です。
先にも書きましたが、ゾーンは出力先の種類に応じていくつかの種類があります。AirPlayゾーンやMeridianゾーンなどです。Roonではゾーンごとに再生ができるのと同時に、この種類ごとに同期させてグループ化させることができます。このときは同じ種類のゾーンとのみグループ化ができると言う条件があります。これはつまり同じプロトコルのもの同士は同期できるということです。
そこでAirPlayゾーンを例にとってみます。ここではRoonのインストールされたPCと同一のWiFiネットワーク上にAirPlayデバイスとしてCompanion oneとラズベリーパイ/Rune Audioがあります。それぞれは別のゾーンであり、別々に楽曲をキュー管理して別個に再生できます。
二つ以上こうして同じ種類のゾーンが存在すると、上のように"グループ"というボタンが自動的に表れます。そしてこのボタンで二つのゾーンをグループ化することができます。
こうすると上のようにキューはひとつとなり、音楽はそれぞれのデバイスに同時に同期して再生されます。
AirPlayだけではなく、RoonReady機器もこうした取り扱いができると思います。たとえばAuralic Ariesなどのようなオーディオ機器(ストリーマー)だけではなく、最新のJohn Darkoの記事にあるようなSonore SonicorbiterのようなコンピュータでもRoonReady機器となることができます。違う種類の機器でもこれらは単にゾーンとしてRoonでは簡単に取り扱うことができるでしょう。
この辺もRoonではとてもわかりやすく扱えますが、このあたりが優れたユーザーエクスペリエンスを持つと言われるゆえんです。
RoonではMPDのように楽曲をキューに入れて管理しますが、このキューはゾーン(出力先)ごとに設けられています。つまりゾーンが異なれば別々にキューを持つことができ、さらにそれらを同時に再生することができます。また再生とかポーズなどのコントロールもゾーンごとにすることができます。ラジオ機能もゾーン単位です。
先にも書きましたが、ゾーンは出力先の種類に応じていくつかの種類があります。AirPlayゾーンやMeridianゾーンなどです。Roonではゾーンごとに再生ができるのと同時に、この種類ごとに同期させてグループ化させることができます。このときは同じ種類のゾーンとのみグループ化ができると言う条件があります。これはつまり同じプロトコルのもの同士は同期できるということです。
そこでAirPlayゾーンを例にとってみます。ここではRoonのインストールされたPCと同一のWiFiネットワーク上にAirPlayデバイスとしてCompanion oneとラズベリーパイ/Rune Audioがあります。それぞれは別のゾーンであり、別々に楽曲をキュー管理して別個に再生できます。
二つ以上こうして同じ種類のゾーンが存在すると、上のように"グループ"というボタンが自動的に表れます。そしてこのボタンで二つのゾーンをグループ化することができます。
こうすると上のようにキューはひとつとなり、音楽はそれぞれのデバイスに同時に同期して再生されます。
AirPlayだけではなく、RoonReady機器もこうした取り扱いができると思います。たとえばAuralic Ariesなどのようなオーディオ機器(ストリーマー)だけではなく、最新のJohn Darkoの記事にあるようなSonore SonicorbiterのようなコンピュータでもRoonReady機器となることができます。違う種類の機器でもこれらは単にゾーンとしてRoonでは簡単に取り扱うことができるでしょう。
この辺もRoonではとてもわかりやすく扱えますが、このあたりが優れたユーザーエクスペリエンスを持つと言われるゆえんです。
2016年01月31日
Roon補足3: キュー管理、ラジオ機能、クラウドデータベース
補足2でRoonの優れた楽曲管理を紹介しましたが、その楽曲情報を応用したものがラジオ機能です。
Roonで楽曲を選んでクリックするとこのようにいくつかの再生選択が現れます。すぐに聴きたいときはPlay Now、キューにためて今再生されている曲の後にかけたいときはキューのボタン(次の順位にするか、後にするか)を選びます。ラジオというのはすべてのキューが再生し終わって空になった時に再生を止めないで、Roonが楽曲情報から推測した類似曲を自分のライブラリの中から再生するという機能です。
ラジオは設定によって自動再生することもできます。"start radio after music end?"の項です。
たとえば上の例ではキューの最後に入っているタンジェリンドリームのTygerをキーとしてそこから類推した曲をRoonが探すことを示しています。
たとえば上のように同じタンジェリンのTangramを選ぶこともあれば、ドイツエレクトロでなんとなく似通ったクラフトワークを選ぶこともあります。時間が書いてあるのは何分後に次の曲を開始するかを表しています。
このように補足2で書いたライブラリ管理と合わせて、Roonでは音楽を楽曲情報によって上手に管理に使用しています。これにはファイルについているタグ情報だけでなく、Roonが持つクラウドデータベースが大きく関与しています。楽曲ファイルのメタデータ・タグ情報とRoonの持つデータベースの関係については次のように開発者から説明されています。
まずこうした音楽データを扱うRoonのデータベースは階層化されています。楽曲から抜き出したタグ情報と音源の情報が最下層になり、その上がRoonの持つクラウドデータベースサービスで、その上の最上階がユーザー入力・編集したデータとなります。
つまり優先順位はユーザーが編集したデータが一番優先で、次がRoonクラウドデータベース、そしてファイルのタグ情報になります。つまりファイルのタグ情報よりもRoonデータベースの方が優先度は高いのですが、あとでユーザーが編集で修正できるということになります。
Roonはこのようにクラウドデータベースに大きく依存していますが、今年はRoonReady機器だけではなく、このクラウドデータベースにも大きな手が入って進化するようです。
Roonで楽曲を選んでクリックするとこのようにいくつかの再生選択が現れます。すぐに聴きたいときはPlay Now、キューにためて今再生されている曲の後にかけたいときはキューのボタン(次の順位にするか、後にするか)を選びます。ラジオというのはすべてのキューが再生し終わって空になった時に再生を止めないで、Roonが楽曲情報から推測した類似曲を自分のライブラリの中から再生するという機能です。
ラジオは設定によって自動再生することもできます。"start radio after music end?"の項です。
たとえば上の例ではキューの最後に入っているタンジェリンドリームのTygerをキーとしてそこから類推した曲をRoonが探すことを示しています。
たとえば上のように同じタンジェリンのTangramを選ぶこともあれば、ドイツエレクトロでなんとなく似通ったクラフトワークを選ぶこともあります。時間が書いてあるのは何分後に次の曲を開始するかを表しています。
このように補足2で書いたライブラリ管理と合わせて、Roonでは音楽を楽曲情報によって上手に管理に使用しています。これにはファイルについているタグ情報だけでなく、Roonが持つクラウドデータベースが大きく関与しています。楽曲ファイルのメタデータ・タグ情報とRoonの持つデータベースの関係については次のように開発者から説明されています。
まずこうした音楽データを扱うRoonのデータベースは階層化されています。楽曲から抜き出したタグ情報と音源の情報が最下層になり、その上がRoonの持つクラウドデータベースサービスで、その上の最上階がユーザー入力・編集したデータとなります。
つまり優先順位はユーザーが編集したデータが一番優先で、次がRoonクラウドデータベース、そしてファイルのタグ情報になります。つまりファイルのタグ情報よりもRoonデータベースの方が優先度は高いのですが、あとでユーザーが編集で修正できるということになります。
Roonはこのようにクラウドデータベースに大きく依存していますが、今年はRoonReady機器だけではなく、このクラウドデータベースにも大きな手が入って進化するようです。
2016年01月30日
Roon補足2: 音楽ライブラリの見せ方について
Roonの魅力の一つは自分の音楽ライブラリをとてもわかりやすく管理してくれることです。普通のソフトウエアでもタグから読んでそれを表示したり、ソートするくらいはやりますが、Roonでは音源の管理がかなり徹底的に突き詰められていることも特徴の一つです。それが端的に表れるのがクラシック音楽だと思います。
Roonではさまざまなジャンルを単にソートするだけではなく、視覚的に整列し、情報をネットから取り出して加えてわかりやすく見せなおしてくれます。これらはすべて私のライブラリに入っているクラシック音楽の音源ですが、情報はすべてタグに含まれているものだけではありません。Roonの持つクラウドデータベースによって情報が補完されます。
たとえばチューブラーベルズがクラシックに入っていますが、これは私がタグにClassicalと入れているわけではなく、タグにはRockまたはProg-Rockって入れているのですが、上の画面を見るとわかるようにRoonのデータベースにはチューブラーベルズがClassicalを含めてさまざまな分類がなされています。そこでクラシックにも入っているというわけです。
また、さらにクラシックをクリックすると下にアバンギャルドやオーケストラものなどさまざまなサブジャンルが構築されています。これらも私がタグで入れたりリッピングの時にCDDBから取ったものではなく、Roonが用意しているものです。
さらにオーケストラものをクリックすると上のようにそのジャンルがクローズアップされます。アーティストハイライトにロンドンシンフォニーオーケストラ(LSO)がまず来ているところがワタシのライブラリらしいという話もありますが、ここではベルトの3番(上画像の下段の一番右)をクリックします。
アルバム表示では指揮者、作曲者、演奏者がきちんと分かれて表示されます。この辺もクラシックには他のジャンルにない必要性があるところです。また交響曲では楽章ごとに分かれてグループ化されて表示されます。
ここで交響曲3番を見ると2 Performanceとありますが、これは私のライブラリに二つ、この交響曲3番があることを示しています。
ここで交響曲3番をクリックすると、上のようにその詳細な解説とともに自分のライブラリにある他のアルバムも表示されます。
そうして交響曲3番を含むほかのアルバムをこうしてすぐに見つけ出すことができます。
このようにRoonは音楽プレーヤーという枠を超えて音楽の多様な楽しみ方を見つけさせてくれます。自分の持つライブラリが増えるほどそれは多彩になりますし、ストリーミングのように多くの曲を扱えるようになるとさらに世界が広がるように思います。この辺もRoonの大きな特徴です。
Roonではさまざまなジャンルを単にソートするだけではなく、視覚的に整列し、情報をネットから取り出して加えてわかりやすく見せなおしてくれます。これらはすべて私のライブラリに入っているクラシック音楽の音源ですが、情報はすべてタグに含まれているものだけではありません。Roonの持つクラウドデータベースによって情報が補完されます。
たとえばチューブラーベルズがクラシックに入っていますが、これは私がタグにClassicalと入れているわけではなく、タグにはRockまたはProg-Rockって入れているのですが、上の画面を見るとわかるようにRoonのデータベースにはチューブラーベルズがClassicalを含めてさまざまな分類がなされています。そこでクラシックにも入っているというわけです。
また、さらにクラシックをクリックすると下にアバンギャルドやオーケストラものなどさまざまなサブジャンルが構築されています。これらも私がタグで入れたりリッピングの時にCDDBから取ったものではなく、Roonが用意しているものです。
さらにオーケストラものをクリックすると上のようにそのジャンルがクローズアップされます。アーティストハイライトにロンドンシンフォニーオーケストラ(LSO)がまず来ているところがワタシのライブラリらしいという話もありますが、ここではベルトの3番(上画像の下段の一番右)をクリックします。
アルバム表示では指揮者、作曲者、演奏者がきちんと分かれて表示されます。この辺もクラシックには他のジャンルにない必要性があるところです。また交響曲では楽章ごとに分かれてグループ化されて表示されます。
ここで交響曲3番を見ると2 Performanceとありますが、これは私のライブラリに二つ、この交響曲3番があることを示しています。
ここで交響曲3番をクリックすると、上のようにその詳細な解説とともに自分のライブラリにある他のアルバムも表示されます。
そうして交響曲3番を含むほかのアルバムをこうしてすぐに見つけ出すことができます。
このようにRoonは音楽プレーヤーという枠を超えて音楽の多様な楽しみ方を見つけさせてくれます。自分の持つライブラリが増えるほどそれは多彩になりますし、ストリーミングのように多くの曲を扱えるようになるとさらに世界が広がるように思います。この辺もRoonの大きな特徴です。
2016年01月26日
Roonのさまざまな名称についての整理
いまRoonではRoonSpeakersの名称変更を検討中と書きましたが、その過程で全体的な名称整理の書き込みが昨日のRoon labs COOの書いた記事にありました。
決定稿ではありませんが、Roonもボトムアップ文化で名称はいろんな使い方をされてるので、暫定案ではありますが整理のため転記しておきます。
まずControl Apps / Core / Outputs(Endpoint)という分け方ですが、必ずしも明確なモジュールに分かれているわけでもないようです。下記で書くCoreあり、Coreなしは実際にバイナリがあるかないかというより有効無効といったほうが良いかもしれません。
ただコンセプトとしてはいままで書いた説明と同じです。
- Roon labsのソフトウェアの名称
Roon (オールインワン)
* 基本的なRoon、通常のPCにインストールするもの、ライブラリ含む(coreあり)
RoonRemote (Control App + Outputs (もしあれば))
* Coreなしの2台目以降のPCやタブレット
RoonServer (Core + Outputs)
* RoonServerとは首なしでリソース消費を軽く作った常駐版です。ラズベリーパイなんかは作るとするとこれになるでしょう。
RoonBridge (Outputs)
* RoonReady機器のための「ファームウエア」相当だと思います。
- メーカー提供の出力機器側の名称
(例えばAuralic Ariesとか、認定USB DACなどでしょう)
RoonReady Audio devices (Networked output devices, RAATを実装したもの)
Roon Certified USB devices (Roon上で動作が確認できたUSB機器)
- メーカー提供のサーバー機器(Roon coreが搭載されているもの、Outputも装備可能)
(SOtMのsMS-1000 SQなどのことだと思います)
Roon Core Certified Devices (Roon 側もこの機材のことを気に留めて将来の更新も行う)
Roon Core Capable Devices (Roonが今は動作するが、将来的にはわからないもの。
例えばARM, Intel Atom, J1900 ベースのデバイス)
この辺の機器アップデートはAndroidっぽい感じがします。ある意味「オーディオ機器のOS」みたいなのがRoonと言うこともできるかもしれません。
これらはまだ確定したわけではないので念のため。
決定稿ではありませんが、Roonもボトムアップ文化で名称はいろんな使い方をされてるので、暫定案ではありますが整理のため転記しておきます。
まずControl Apps / Core / Outputs(Endpoint)という分け方ですが、必ずしも明確なモジュールに分かれているわけでもないようです。下記で書くCoreあり、Coreなしは実際にバイナリがあるかないかというより有効無効といったほうが良いかもしれません。
ただコンセプトとしてはいままで書いた説明と同じです。
- Roon labsのソフトウェアの名称
Roon (オールインワン)
* 基本的なRoon、通常のPCにインストールするもの、ライブラリ含む(coreあり)
RoonRemote (Control App + Outputs (もしあれば))
* Coreなしの2台目以降のPCやタブレット
RoonServer (Core + Outputs)
* RoonServerとは首なしでリソース消費を軽く作った常駐版です。ラズベリーパイなんかは作るとするとこれになるでしょう。
RoonBridge (Outputs)
* RoonReady機器のための「ファームウエア」相当だと思います。
- メーカー提供の出力機器側の名称
(例えばAuralic Ariesとか、認定USB DACなどでしょう)
RoonReady Audio devices (Networked output devices, RAATを実装したもの)
Roon Certified USB devices (Roon上で動作が確認できたUSB機器)
- メーカー提供のサーバー機器(Roon coreが搭載されているもの、Outputも装備可能)
(SOtMのsMS-1000 SQなどのことだと思います)
Roon Core Certified Devices (Roon 側もこの機材のことを気に留めて将来の更新も行う)
Roon Core Capable Devices (Roonが今は動作するが、将来的にはわからないもの。
例えばARM, Intel Atom, J1900 ベースのデバイス)
この辺の機器アップデートはAndroidっぽい感じがします。ある意味「オーディオ機器のOS」みたいなのがRoonと言うこともできるかもしれません。
これらはまだ確定したわけではないので念のため。
2016年01月24日
RoonとuPnP(DLNA)の違い、Roonの優位性、RAATの必然性
Roonをネットワークに発展させたいときは、DLNAとの違いがわかればシステムをどう組むかが分かりやすいでしょう。
前記事でRoon開発者はuPnP(DLNA)機器に批判的と書きましたが、そこに注目するとDLNAとの違い、それに対してのRoonの良いところも分かってくると思います。
* uPnPとRoonの違い
その理由はまずuPnPではエンドポイント(DLNAレンダラー)で音源の読み込み(ファイルのデコード)が必要であることです。このためレンダラーに開発も含めて負担がかかるわけです。
RoonではHQ Playerのシグナルパスを見てもわかるようにCoreが音源の読み込みを一括で行い、ゾーン(エンドポイント)へはデジタルストリームとして渡されます。つまりはFLACだのMP3だのはすべてRoonが扱ってくれます。
ですからRoonReady/RoonSpeakersのプロトコルであるRAATにおいてはサポートするフォーマットという項目はありません。Roon(Core)がDRMや独自形式なども含めてすべてデコードすることを前提にしているからです。これはオーディオ機器側のファームアップデートも最小にし、特許問題なども負担がかかりにくいことになります。
またuPnPではストリーミングの独自形式の対応に弱いことも、Roonでは上と同様にCoreで統合して扱うことができます(たとえばTidal)。
またこのCoreでRadioや信号処理などを統括して提供することができます。
そしてRoon開発者はuPnPに批判的な大きな理由として、uPnPはユーザーにとって優しくない(ユーザーエクスペリエンスが良くない)と言う点をあげています。ユーザーエクスペリエンスというのはユーザーから見た使い勝手、操作しやすさ・快適性のようなことです。ちなみにこれは専門用語というわけでもなく、かつてのWindows XPのXPはエクスペリエンス(が良い)という意味です。
なぜかというと、uPnP(DLNA)はユーザーエクスペリエンスのクリエイターによるものではなく、エンドポイントメーカー(ネットワークオーディオ機器メーカー)による、メーカーのためのものであるからということで、彼らが言うには今まで良いものは見たことがなく、売る側もそう思っていながらメーカーに押し付けられたものを扱わざるを得ないとまで言ってますね。DLNAに対してはなかなか強い調子で批判しています。表面的に飾ってもブレイン(つまりCore)がなければ根本的に変わらないと言うのが彼らの主張のようです。
* AirPlayの長所短所、ユーザーエクスペリエンス本位とは
OpenHomeも仕組みが同じようなものであるので同じ問題があるが、AirPlayに対しては好意的のようです。これは設計がAppleというユーザーエクスペリエンスクリエイターだからと言いたいのでしょう。
ただしAirPlayはユーザーエクスペリエンスが優れている反面で、DSDが扱えなかったり、クロックが送り手(コンピュータ側)に委ねられる点など、オーディオという観点では弱いと指摘しています。その点についてはクロックが一番優れているオーディオ機器側が主導するべきというわけです。
AirPlayではシグナルパス品質はLosslessではなくHigh Qualityとなります
* RoonSpeakersとRAAT
ここで出てくるのがRoonSpeakersです。そしてそのベースとなるRAATプロトコルがキーとなります。Roonチームは前に書いたようにすでに経験ある人たちなのでRAATもぽっと出てきたわけではありません。RAATではさきに書いたハイエンドオーディオとしてのクロックの取り扱いやマルチルームでの同期、ユーザーエクスペリエンスを阻害するレイテンシーなどももちろん考慮されています。
そして先に書いたようにCoreが音源を読み込むため、オーディオ機器側が音源に煩わされなくてすむという利点があります。
(ただこれにMQAが加わるかは現時点では明確ではありません)
思うにこのRoonの利点は裏返すとDLNAの利点ともいえるように思います。なぜかというとDLNAのメディアサーバーとレンダラーの間にはクロックの依存関係というのはなく、レンダラーという箱の中でクロックという厄介な問題を閉じ込められます。しかしRoonの場合にはCoreとEndpointの間ではクロックの関係ができてしまいます。ここもCore=DLNAメディアサーバー、Endpoint=DLNAレンダラーと簡単に例えられないところです。
そのためRoonにおいてはネットワークケーブルもUSBケーブルに近いものとなると思います。
実際にRoonではEndpoint(DAC)のクロックをCore(PC)にフィードバックしてできるだけ近くするようにネットワークパケットを使って調整するという手段を使ってるようです。
クロックが送り手と受け手で合わないとサンプル数にズレが生じるので、送り手(PCなど)が勝手に送る限りは受け手のクロックが良くても無駄・音質ロスが生じてしまいます。(送り手が正確に1秒に44000サンプルちょうど送らないから)
そこでRoonSpeakersでは受け手のクロックを送り手にフィードバックすることで、このロスを少なくします。アシンクロナスUSBのフローコントロールをネットワークでやってる感じでしょうか。実際にRoon certified USB DACの場合にはDACからのフィードバックを受けてCoreに反映するようです。
またユーザーにとってはRoonにおいてRAATが前の記事に書いたシグナルパス上で表示されるので、どこで問題が起きてるのか目で見て分かりやすいという利点もあります。これはオーディオ品質でも、トラブルでもそうです。
いわばオーディオ機器メーカー主導のDLNAに対して、ユーザーエクスペリエンス側が提供するのがRoonSpeakersであり、それはAirPlayのようにオーディオ的側面をないがしろにせず、かつ使うユーザー本位のものと言えます。
CESのビデオでもRoonReady(RoonSpeakers)はハイエンドオーディオ向けのAirPlayだと語っていたのはこの辺からなのでしょう。つまりはユーザーエクスペリエンスとオーディオ品質の両立です。
RoonSpeakersを使えばリモートのPrivate zoneでも他から見えるようになるはずですので、Roon自体の制限も緩和できます。
ただしPrivate zoneもただ不便なだけではなく、例えば仕事中に子供に曲を変えられたくない場合はPrivate zoneのあるリモートのPCやタブレットで音楽を聴けばよいわけです。そこはユーザーにとっての使いようですね。
オーディオメーカーから見れば、DLNA対応をするか、Roon対応(Roon Ready)にするか、両方かというのが2016年の選択になると思います。
DLNA対応にするならuPnPを実装することになりますし、Roon対応ならRAAT/RoonSpeakersを実装するということになります。
DAPでもAndroid系ならRoon Readyは可能でしょうし、おそらくはRoon開発者の言うようにラズベリーパイを使ったプラットフォームでも可能になるでしょう。(ラズベリーパイ2をターゲットに考えているようです)
ちなみにRoon ReadyというとDLNAというアライアンスの言葉に近く、RoonSpeakers/RAATというとuPnPに相当する技術的用語に近いと思います。
ソフトウェアを言う時はRoonSpeakers、対応機器(とアライアンス)を言う時はRoonReadyということになると思います。RoonSpeakersはいま名称変更を検討中ということです。
名前というと、"Roon"の名称はいわゆる魔法のルーン文字のルーン(Rune)ではなく開発者がOOと並び文字が好きなので命名したということです。もともとの製品もSooloosでした。
Roonはここに書いたような細かいことを知らなくても、アーティスト情報をクリックで辿ったり、ラジオでながら聞きをしたりと簡単に使えるのですが、こうした細かいところを見ていくと、長所短所も含めてRoonの姿というのがよりよく見えてくるのではないかと思います。それはこれからのネットワークオーディオのあり方を変えていくものかもしれません。
前記事でRoon開発者はuPnP(DLNA)機器に批判的と書きましたが、そこに注目するとDLNAとの違い、それに対してのRoonの良いところも分かってくると思います。
* uPnPとRoonの違い
その理由はまずuPnPではエンドポイント(DLNAレンダラー)で音源の読み込み(ファイルのデコード)が必要であることです。このためレンダラーに開発も含めて負担がかかるわけです。
RoonではHQ Playerのシグナルパスを見てもわかるようにCoreが音源の読み込みを一括で行い、ゾーン(エンドポイント)へはデジタルストリームとして渡されます。つまりはFLACだのMP3だのはすべてRoonが扱ってくれます。
ですからRoonReady/RoonSpeakersのプロトコルであるRAATにおいてはサポートするフォーマットという項目はありません。Roon(Core)がDRMや独自形式なども含めてすべてデコードすることを前提にしているからです。これはオーディオ機器側のファームアップデートも最小にし、特許問題なども負担がかかりにくいことになります。
またuPnPではストリーミングの独自形式の対応に弱いことも、Roonでは上と同様にCoreで統合して扱うことができます(たとえばTidal)。
またこのCoreでRadioや信号処理などを統括して提供することができます。
そしてRoon開発者はuPnPに批判的な大きな理由として、uPnPはユーザーにとって優しくない(ユーザーエクスペリエンスが良くない)と言う点をあげています。ユーザーエクスペリエンスというのはユーザーから見た使い勝手、操作しやすさ・快適性のようなことです。ちなみにこれは専門用語というわけでもなく、かつてのWindows XPのXPはエクスペリエンス(が良い)という意味です。
なぜかというと、uPnP(DLNA)はユーザーエクスペリエンスのクリエイターによるものではなく、エンドポイントメーカー(ネットワークオーディオ機器メーカー)による、メーカーのためのものであるからということで、彼らが言うには今まで良いものは見たことがなく、売る側もそう思っていながらメーカーに押し付けられたものを扱わざるを得ないとまで言ってますね。DLNAに対してはなかなか強い調子で批判しています。表面的に飾ってもブレイン(つまりCore)がなければ根本的に変わらないと言うのが彼らの主張のようです。
* AirPlayの長所短所、ユーザーエクスペリエンス本位とは
OpenHomeも仕組みが同じようなものであるので同じ問題があるが、AirPlayに対しては好意的のようです。これは設計がAppleというユーザーエクスペリエンスクリエイターだからと言いたいのでしょう。
ただしAirPlayはユーザーエクスペリエンスが優れている反面で、DSDが扱えなかったり、クロックが送り手(コンピュータ側)に委ねられる点など、オーディオという観点では弱いと指摘しています。その点についてはクロックが一番優れているオーディオ機器側が主導するべきというわけです。
AirPlayではシグナルパス品質はLosslessではなくHigh Qualityとなります
* RoonSpeakersとRAAT
ここで出てくるのがRoonSpeakersです。そしてそのベースとなるRAATプロトコルがキーとなります。Roonチームは前に書いたようにすでに経験ある人たちなのでRAATもぽっと出てきたわけではありません。RAATではさきに書いたハイエンドオーディオとしてのクロックの取り扱いやマルチルームでの同期、ユーザーエクスペリエンスを阻害するレイテンシーなどももちろん考慮されています。
そして先に書いたようにCoreが音源を読み込むため、オーディオ機器側が音源に煩わされなくてすむという利点があります。
(ただこれにMQAが加わるかは現時点では明確ではありません)
思うにこのRoonの利点は裏返すとDLNAの利点ともいえるように思います。なぜかというとDLNAのメディアサーバーとレンダラーの間にはクロックの依存関係というのはなく、レンダラーという箱の中でクロックという厄介な問題を閉じ込められます。しかしRoonの場合にはCoreとEndpointの間ではクロックの関係ができてしまいます。ここもCore=DLNAメディアサーバー、Endpoint=DLNAレンダラーと簡単に例えられないところです。
そのためRoonにおいてはネットワークケーブルもUSBケーブルに近いものとなると思います。
実際にRoonではEndpoint(DAC)のクロックをCore(PC)にフィードバックしてできるだけ近くするようにネットワークパケットを使って調整するという手段を使ってるようです。
クロックが送り手と受け手で合わないとサンプル数にズレが生じるので、送り手(PCなど)が勝手に送る限りは受け手のクロックが良くても無駄・音質ロスが生じてしまいます。(送り手が正確に1秒に44000サンプルちょうど送らないから)
そこでRoonSpeakersでは受け手のクロックを送り手にフィードバックすることで、このロスを少なくします。アシンクロナスUSBのフローコントロールをネットワークでやってる感じでしょうか。実際にRoon certified USB DACの場合にはDACからのフィードバックを受けてCoreに反映するようです。
またユーザーにとってはRoonにおいてRAATが前の記事に書いたシグナルパス上で表示されるので、どこで問題が起きてるのか目で見て分かりやすいという利点もあります。これはオーディオ品質でも、トラブルでもそうです。
いわばオーディオ機器メーカー主導のDLNAに対して、ユーザーエクスペリエンス側が提供するのがRoonSpeakersであり、それはAirPlayのようにオーディオ的側面をないがしろにせず、かつ使うユーザー本位のものと言えます。
CESのビデオでもRoonReady(RoonSpeakers)はハイエンドオーディオ向けのAirPlayだと語っていたのはこの辺からなのでしょう。つまりはユーザーエクスペリエンスとオーディオ品質の両立です。
RoonSpeakersを使えばリモートのPrivate zoneでも他から見えるようになるはずですので、Roon自体の制限も緩和できます。
ただしPrivate zoneもただ不便なだけではなく、例えば仕事中に子供に曲を変えられたくない場合はPrivate zoneのあるリモートのPCやタブレットで音楽を聴けばよいわけです。そこはユーザーにとっての使いようですね。
オーディオメーカーから見れば、DLNA対応をするか、Roon対応(Roon Ready)にするか、両方かというのが2016年の選択になると思います。
DLNA対応にするならuPnPを実装することになりますし、Roon対応ならRAAT/RoonSpeakersを実装するということになります。
DAPでもAndroid系ならRoon Readyは可能でしょうし、おそらくはRoon開発者の言うようにラズベリーパイを使ったプラットフォームでも可能になるでしょう。(ラズベリーパイ2をターゲットに考えているようです)
ちなみにRoon ReadyというとDLNAというアライアンスの言葉に近く、RoonSpeakers/RAATというとuPnPに相当する技術的用語に近いと思います。
ソフトウェアを言う時はRoonSpeakers、対応機器(とアライアンス)を言う時はRoonReadyということになると思います。RoonSpeakersはいま名称変更を検討中ということです。
名前というと、"Roon"の名称はいわゆる魔法のルーン文字のルーン(Rune)ではなく開発者がOOと並び文字が好きなので命名したということです。もともとの製品もSooloosでした。
Roonはここに書いたような細かいことを知らなくても、アーティスト情報をクリックで辿ったり、ラジオでながら聞きをしたりと簡単に使えるのですが、こうした細かいところを見ていくと、長所短所も含めてRoonの姿というのがよりよく見えてくるのではないかと思います。それはこれからのネットワークオーディオのあり方を変えていくものかもしれません。
2016年01月23日
Roon補足1 - シグナルパスのオーディオ品質表示について
Roonにおいてシグナルパスのオーディオ品質表示があることは前の記事にも書きましたが、その補足です。
Roonにおいて下の再生バーの曲名表示の右のドットの色はシグナルパスのオーディオ品質を表しています。
表示は以下の3つがあります。
1. 黄色: Low Quality (低品質)
2. 緑: High Quality (高品質)
3. 紫(光る星): Lossless (ロスレス)
それぞれの例を示します。ここではPC上のUSB DAC(Geek Pulse Si)を主な出力先としています。
上のように音源がCD品質で、出力先がASIOドライバーの時はLossless品質です。
上のように音源が同じCD品質でもシステム出力の時はHigh Qualityになり、Losslessではありません。これはミキサーを通しているからだと思います。
もうひとつの品質が落ちる例は、上のようにAudio LevelingやCrossfeedなどの機能を使用した時です。RoonではゾーンごとにAudio Leveling(いわゆるリプレイゲイン、音量の均一化)とCrossfeed(ヘッドフォン用のクロスフィード)が指定できます。この場合はやはり信号処理をしますのでCD品質音源でもHigh Qualityとなります。
上のようにASIOドライバーに出していても、音源がMP3のときはLow Qualityです。
上の例はDSDネイティブ再生で、DSFのDSD128音源をDoPでASIO出力しています。品質はLosslessです。
上の例は同じDSF音源ですが、意図的にPCM変換にしてDACに出力しています。そのため品質はHigh Qualityに落ちています。ここではDSD⇒PCMとPCM705kHzをDACが入力できる352kHzに落とすため二回変換しています。(ちなみに705kとか352kの数値はRoonが自動算出したものです)
ですからLosslessはビットパーフェクトと言い換えてもよいと思います。
Roonは音楽再生プレーヤーとしての音質についてもわりと良いと思います。たとえばJRMCと比べてもRoonのほうが透明感が高いように感じますね。さらに上を目指す時は先の記事のようにHQ Playerと組み合わせればよいわけです。
はじめはデモだけにする予定だったのが、いろいろやっていたら気に入ってきたので私もRoonをメインに据えようかと考えています。多少割高ですが、他のプレーヤーでもメジャーチェンジの時は課金されるのでそれを考えると一年変わらずというのは却ってよいかもしれません。
Roonにおいて下の再生バーの曲名表示の右のドットの色はシグナルパスのオーディオ品質を表しています。
表示は以下の3つがあります。
1. 黄色: Low Quality (低品質)
2. 緑: High Quality (高品質)
3. 紫(光る星): Lossless (ロスレス)
それぞれの例を示します。ここではPC上のUSB DAC(Geek Pulse Si)を主な出力先としています。
上のように音源がCD品質で、出力先がASIOドライバーの時はLossless品質です。
上のように音源が同じCD品質でもシステム出力の時はHigh Qualityになり、Losslessではありません。これはミキサーを通しているからだと思います。
もうひとつの品質が落ちる例は、上のようにAudio LevelingやCrossfeedなどの機能を使用した時です。RoonではゾーンごとにAudio Leveling(いわゆるリプレイゲイン、音量の均一化)とCrossfeed(ヘッドフォン用のクロスフィード)が指定できます。この場合はやはり信号処理をしますのでCD品質音源でもHigh Qualityとなります。
上のようにASIOドライバーに出していても、音源がMP3のときはLow Qualityです。
上の例はDSDネイティブ再生で、DSFのDSD128音源をDoPでASIO出力しています。品質はLosslessです。
上の例は同じDSF音源ですが、意図的にPCM変換にしてDACに出力しています。そのため品質はHigh Qualityに落ちています。ここではDSD⇒PCMとPCM705kHzをDACが入力できる352kHzに落とすため二回変換しています。(ちなみに705kとか352kの数値はRoonが自動算出したものです)
ですからLosslessはビットパーフェクトと言い換えてもよいと思います。
Roonは音楽再生プレーヤーとしての音質についてもわりと良いと思います。たとえばJRMCと比べてもRoonのほうが透明感が高いように感じますね。さらに上を目指す時は先の記事のようにHQ Playerと組み合わせればよいわけです。
はじめはデモだけにする予定だったのが、いろいろやっていたら気に入ってきたので私もRoonをメインに据えようかと考えています。多少割高ですが、他のプレーヤーでもメジャーチェンジの時は課金されるのでそれを考えると一年変わらずというのは却ってよいかもしれません。
2016年01月22日
Roon応用編1 - HQ Playerの使用とシグナルパス
今回は前回のRoonの解説記事で説明できなかった応用的な解説です。
まずHQ PlayerのRoonでの使用とRoonでのシグナルパス(データの流れ)について解説します。
先に書いたようにRoonではHQ Playerを併用することができます。音源管理に優れたRoonと再生に優れたHQ Playerの組み合わせは強力なPCオーディオ環境を提供してくれます。たとえばHQ Playerの高精度なアップサンプリング機能を使用することができます。
使用方法は簡単です。今回はWindows PCで説明します。Win PCにRoonをインストールします。
私の場合はさきにMac miniにRoon Coreを使っているので、Mac miniのCore(ライブラリ)の無効化をしました。Win PCをリモート(Coreレス)とする場合は不要ですが単体で使うため行いました。Core(ライブラリ)は一つという原則を思い出してください。
まずPCにHQ Playerをインストールしておきます(3.12.0以上が必要です)。Roonと同じPCでかまいません。
そしてRoonのAudio Setupを選択し、Add Network DeviceでHQ Playerを追加します。これはHQ Playerのゾーンとなります。アドレスはlocalhostを指定すると同一PC上であることを示しています。
そしてRoonの出力先でHQ Playerゾーンを指定します。
HQ Playerを立ち上げて、単体でも再生できるようにHQ player側のセットアップをしてください。
HQ Playerの画面、Songの項にRoonと出ます
あとは再生はRoon側で行います。
Roonで曲を再生するとHQ Playerの方ではSong:Roonと表示され、オーディオデータがRoonからHQ Playerに渡されて再生が始まります。HQ Playerの音質とデジタル処理が有効になります。
上の画面でオーディオデータの流れを確認してみましょう。
曲名の右にある星のアイコンを押すとシグナルパスが表示され、現在の再生品質(ロスレスなど)が表示されます。たとえば上の図ではソース音源が44/16のALACであり、出力先がHQ Playerストリーミングであることを示しています。その先はSignal leaves Roon(信号がRoonを離れる)と表示されていることでもわかるようにRoonを離れてHQ Playerにデータストリームが渡され、HQ PlayerではTPDFデジタルフィルターを適用して176kHzにアップサンプリングしていることがわかります。全体の品質はロスレスです。
またこの図からもうひとつわかることは、音源ファイルの読み込みはRoon側(Leave Roonの前)で行われるので、ある音源の形式をHQ Playerがサポートしていなくても、Roonでサポートしている音源ならばHQ Playerで再生できることを示しています(Roonフォーラムでもこのことは明記されています)。
ちなみにこの星アイコンは音源の品質を表しています。
たとえばMP3音源だと上のようにLow Qualityと表示されます。MP3をアップサンプリングしてもロスレスレベルの音質にはならないと示しています。
上ではDSDネイティブ再生の例を示します。
ここでDSD128音源を再生し、DoPでエンコードし、Geek PulseにASIOドライバーを通してDSDが渡されているのがわかります。(この例ではHQ Playerを通す意味がないのでRoon単体で使用しています)
* 補足:ゾーンとは
Roonでは出力先をゾーンという概念で表します。
このゾーンはいくつかの種類別に分けられ、同じ種類であれば「グループ化・リンク」してシンクロナイズした同時再生が可能です。これも制限があります。
現在のゾーンの種類は次の通りです。
1. システム出力/PCI/USBデバイス - グループ化できません
現在グループ化できるように更新中のようです
2. AirPlayゾーン - グループ化できます
3. Meridianゾーン - これはMeridianのネットワークオーディオ機器のためのものです(Roonの母体はSooloosなので) - グループ化できます
このほかにRoonSpeakers(RoonReady機器)が加わると思います。
また、前記事に書いたように、リモート(coreのないPC、タブレット)のゾーンはPrivate Zoneと呼ばれて制限があります。
まずHQ PlayerのRoonでの使用とRoonでのシグナルパス(データの流れ)について解説します。
先に書いたようにRoonではHQ Playerを併用することができます。音源管理に優れたRoonと再生に優れたHQ Playerの組み合わせは強力なPCオーディオ環境を提供してくれます。たとえばHQ Playerの高精度なアップサンプリング機能を使用することができます。
使用方法は簡単です。今回はWindows PCで説明します。Win PCにRoonをインストールします。
私の場合はさきにMac miniにRoon Coreを使っているので、Mac miniのCore(ライブラリ)の無効化をしました。Win PCをリモート(Coreレス)とする場合は不要ですが単体で使うため行いました。Core(ライブラリ)は一つという原則を思い出してください。
まずPCにHQ Playerをインストールしておきます(3.12.0以上が必要です)。Roonと同じPCでかまいません。
そしてRoonのAudio Setupを選択し、Add Network DeviceでHQ Playerを追加します。これはHQ Playerのゾーンとなります。アドレスはlocalhostを指定すると同一PC上であることを示しています。
そしてRoonの出力先でHQ Playerゾーンを指定します。
HQ Playerを立ち上げて、単体でも再生できるようにHQ player側のセットアップをしてください。
HQ Playerの画面、Songの項にRoonと出ます
あとは再生はRoon側で行います。
Roonで曲を再生するとHQ Playerの方ではSong:Roonと表示され、オーディオデータがRoonからHQ Playerに渡されて再生が始まります。HQ Playerの音質とデジタル処理が有効になります。
上の画面でオーディオデータの流れを確認してみましょう。
曲名の右にある星のアイコンを押すとシグナルパスが表示され、現在の再生品質(ロスレスなど)が表示されます。たとえば上の図ではソース音源が44/16のALACであり、出力先がHQ Playerストリーミングであることを示しています。その先はSignal leaves Roon(信号がRoonを離れる)と表示されていることでもわかるようにRoonを離れてHQ Playerにデータストリームが渡され、HQ PlayerではTPDFデジタルフィルターを適用して176kHzにアップサンプリングしていることがわかります。全体の品質はロスレスです。
またこの図からもうひとつわかることは、音源ファイルの読み込みはRoon側(Leave Roonの前)で行われるので、ある音源の形式をHQ Playerがサポートしていなくても、Roonでサポートしている音源ならばHQ Playerで再生できることを示しています(Roonフォーラムでもこのことは明記されています)。
ちなみにこの星アイコンは音源の品質を表しています。
たとえばMP3音源だと上のようにLow Qualityと表示されます。MP3をアップサンプリングしてもロスレスレベルの音質にはならないと示しています。
上ではDSDネイティブ再生の例を示します。
ここでDSD128音源を再生し、DoPでエンコードし、Geek PulseにASIOドライバーを通してDSDが渡されているのがわかります。(この例ではHQ Playerを通す意味がないのでRoon単体で使用しています)
* 補足:ゾーンとは
Roonでは出力先をゾーンという概念で表します。
このゾーンはいくつかの種類別に分けられ、同じ種類であれば「グループ化・リンク」してシンクロナイズした同時再生が可能です。これも制限があります。
現在のゾーンの種類は次の通りです。
1. システム出力/PCI/USBデバイス - グループ化できません
現在グループ化できるように更新中のようです
2. AirPlayゾーン - グループ化できます
3. Meridianゾーン - これはMeridianのネットワークオーディオ機器のためのものです(Roonの母体はSooloosなので) - グループ化できます
このほかにRoonSpeakers(RoonReady機器)が加わると思います。
また、前記事に書いたように、リモート(coreのないPC、タブレット)のゾーンはPrivate Zoneと呼ばれて制限があります。
2016年01月17日
オーディオファイル向けミュージックプレーヤー (20) - Roon、そしてRoonReadyとは
CES 2016が終了しましたが、そこでのキーワードにMQA Ready、Roon Readyがよく聞かれました。MQA Readyはさきの記事でも書きましたが、DAC・オーディオ機器側でMQAのデコードができるものを差しています。次のRoon Readyは端的にいうとRoon対応機器のことですが、Roon Readyとはどういうものかを説明するためには少々文字数が必要です。
前に書いたように私も初めはRoonはAudirvanaのようなソフトウエア技術でオーディオ音質を高めるという方向性のソフトウエアではないので、ちょっと興味の対象外でしたが、そろそろ私もRoonを避けてられなくなってきたのでデモ版を使って少し調べてみました。
おくればせながら、と言ってもRoon自体昨年デビューしたばかりの新しいソフトウエアです。なぜここまで業界を席巻できたのでしょうか?
* Roonとはなにか
まずRoonとはなにかというと、Roon Labsが開発したWindows PCまたはMac用の音楽再生ソフトウエアです。もともとSooloosというミュージックサーバーの開発者が、いったんMeridianに買収されて、最近またRoon Labsとして独立したという経緯で出てきたものです。公式デビューは2015年のミュンヘンハイエンドです。
価格はサブスクリプションモデルを採用していて、年間使用ライセンスが$119/年です。一回課金だけの終生ライセンスは$499と高めです。2週間の無料デモができます(デモでもクレジット登録が必要です)。
Roonはユーザーから見るとiTunesの高性能版にみえる音楽再生プレーヤーソフトです。しかし、中に入ってみると、その実態はMPDにより近いものであると言えます。つまりクライアント・サーバーモデルです。
Roonは外からは一つに見えますが、内部的に大きく分けて3つのモジュールから構成されます。CoreとClient(コントロール)とEndpointです。Coreはライブラリ管理を行い、Clientで画面操作した再生をEndpointにデータを送ります。EndpointはUSB DACなど出力デバイスとつながっています。
なんとなくこれらがネットワーク上に分散されればネットワークオーディオシステムになりそうだと気が付かれるかもしれません。それは間違っていないのですが、そこで早飲み込みするのは禁物です。これがRoonReadyにもつながっていきます。
Roonでは単一のライブラリがキーとなっています。そのためRoonでもっとも重要なものはライブラリをつかさどるCoreです。ライセンスもCore単位になっています。あるユーザーのRoonのシステム(ネットワークも含めて)に置かれるCoreは一つというのがRoonの原則です。それゆえに単一のライブラリが保証されます。
この辺からDLNAモデルとは少しずつ離れていくと思います。DLNAを知っている人なら、なんとなくClientをDLNAコントロールポイント、EndpointをDLNAレンダラーそしてCoreをDLNAメディアサーバーに例えたくなりますが、DLNAならライブラリはメディアサーバー単位になっています。
RoonにおいてはNASはライブラリ(Core)のあるPCにNFSやSMBでネットワークマウントしておきます。またRoonではオーディオデータの転送にDLNAの核となるuPnPではなく独自プロトコルを採用しています。
ここからはインストールして使いながら解説していきます。
* Roonのインストールと使用
RoonのPC/Mac版はRoon Labsのホームページからダウンロードします。ホームページはこちらです。
https://roonlabs.com/
タブレットの場合はApple storeやGoogle Playからダウンロードします。無料で二週間使用できますが、はじめにクレジット情報を登録しておく必要があります。このままだと二週間後に自動的に課金に移るので、デモだけの時はRoonアカウントのMembershipタブからその前にキャンセルをします。
私はHugoが接続されたMac miniを使いました。また同一ネット内にAirPlayデバイスとしてCompanion Oneがあります。
上のChoose your library画面がまずポイントなのですが、はじめにRoonをインストールするときにこのPC/Macにライブラリを置くか、リモートかと聞かれます。この時にライブラリを選択するとこのマシンにClientとCoreとEndpointがインストールされます。ユーザーは意識する必要はありません。あとで説明しますが、このときにライブラリをおくPCは他からリモートで操作したくなるメインマシンにしてください。
二台目のPC/Macならばリモートしか選択できません。このリモートの場合はClientとEndpointがインストールされます。いまではiPadとAndroidにもリモートが用意されています。
さきほど書いたようにあるRoonシステム内にはライブラリ=Coreはひとつのみですが、リモートはいくつあっても構いません。課金もされません。
Tidalのインテグレーションもできますが、日本では使えませんので省略します。ただここもRoonの魅力の一つです。
音源の場所を指定します。追加もできます。NASはここでRoonが認識できるようにNFSかSMBでマウントしておく必要があると思います。
すぐ立ち上がってライブラリスキャンが始まります。
スタートというかホーム画面はこんな感じです。お勧めアーティストなどが出ていますね。
またRoonの優れた点の一つは保存している音源からアーティスト情報を手繰りだすことで、たとえばジャンルだけでなく、アーティストリンクからロリーナ・マッキニットの情報が出てきます。ライブ情報とか、説明など、この写真も私のMacではなくネットから取ってきています。もうこんな年齢なのですね。
アルバム画面をクリックして、曲名を選べばすぐに再生できます。この辺はiTunesとさほど変わりありません。ただし再生先を指定する必要があります。Roonではゾーン(Zone)という概念で再生先を指定します。Audio Settingで選べます。
上画面のようにデバイスには詳細設定でexclusive(hog),インテジャーモード、DSDネイティヴ再生の指定も行えます。高音質プレーヤーの機能も一通りそろっていると言えます。
Roonの優れた点はAirPlayとUSB DACのように異なるゾーン(再生先)に別な曲を同時に再生できることです。上ではHugoとCompanion Oneで別々の曲を再生しています。
* Roonリモート、Private Zone
ここまではそれほどむずかしくないのですが、Roonのポイントはここからです。このRoonシステムにリモートを加えてネットワークに拡張します。
タブレットでもRoon Remoteというアプリを使うことでMac miniをリモートコントロールできます。これはもう一つのMac/PCにChoose Libraryでリモートとしてインストールしても同じです。上はGoogle PlayのAndroid用です。これをNexus9にインストールします。
タブレットでも表示される画面デザインはPC/Macと同じでユーザーは使いやすいでしょう。
ここで注意して欲しいのがタブレット(remote)のAudio設定を開けると、上の画面のようにこのタブレットのオーディオ出力もEndpoint(ゾーン)として設定出てきます。これはPrivate Zoneと呼ばれます。大事なので太字で書きました。これがRoonの注意点です。
上画面のようにMac miniのゾーンがタブレットから見えていますね。
ここでタブレットでHugoのゾーンを出力先として操作すると先のMac miniのHugoから音が出せます。これがおなじみリモコン的使用法です。
Roonの優れた点はこのタブレット上でタブレットの出力先を指定するとタブレットでMac miniの音源を再生できます。そしてMac miniでは別の曲を再生できます。
つまりこれは単なるコントローラではなくRoonのコピーと言えます(ただしCoreはない)。ネットワーク上のRoonのコピーが単一のCoreの持つライブラリを共有して音楽を別々に再生できるわけです。たとえばMac miniではスピーカーでリスニングルームにクラシックを流しながら、別の部屋ではタブレットでヘッドフォンでロックを聴けます。どちらもCoreの統括する同一のライブラリです。
ただし一つ制限があります。それがPrivate zoneです。
リモート(coreのないコピー)のインストールされたデバイス(PC/Mac/タブレット)の出力先ゾーンはPrivate zoneと呼ばれて他のデバイスからアクセスできません。例えばNexus9からはMac miniのHugoは見えますが、Mac miniからNexus9の出力先(ゾーン=private zone)は見えません。もうひとつiPadを加えても、Nexus9の出力先は見えません。
* Roon Readyとは
Nexus9ならまあいいかと思うかもしれませんが、これが立派なDACを持ったネットワークミュージックサーバー(Endpoint)を入れたらどうなるでしょう?Mac miniから操作したいですよね。しかしやはりそれはCoreがないのでremoteになり、private zoneなのでアクセスできなくなってしまいます。
(AirPlayはMac miniに接続されたゾーンなのでPrivateではなくどこからも見えます)
もうひとつの例があります。これはRoonフォーラムでもFAQだと思いますが、たとえば家にPC1(ライブラリCore)-HugoとPC2(リモート)-Hugo TT、iPad(リモート)を設置した場合、やはりiPadとPC1からPC2の接続機器は見えません。これはPC2がPrivate Zoneだからです。ならばPC2をCoreにすればどうかというとiPadからHugo TTは見えますが、今度はPC1がリモートになるのでHugoが見えなくなります。
これはやはり不便です。そこでそれを可能にしたRoonSperkersというソフトウエアが開発されました。このRoonSpeakersをリモートにインストールするとPrivate ZoneのDACなども他からアクセスできるようになります。このRoonSperkersを実現するためのプロトコルがRAAT(Roon Advanced Audio Transport)です。これはRoonの独自プロトコルで、レイテンシー、バッファリング、クロックオーナー、クロックドリフト、サンプルレート・周波数ネゴシエーションなどが盛り込まれています。(384kHz,DSDも可能です)
このRoonSpeakersがインストールされてRoon対応されたネットワーク機器がRoonReadyと呼ばれています。つまりRoonSpeakersが入ったどこからでもアクセスできるEndpointのミュージックサーバーなどがRoonReady機器です。またRoonReadyは単に機材だけではなく、広くパートナーシップも含めた言い方でもあります。
* 2016/1/24:初出と少し表現を変えました。ソフトウェアとしてのRoonSpeakersの名称変更はまだということです。
独自プロトコルを採用した理由は開発者がみずからRoonフォーラムでDLNAやOpenHomeのようなpullモデルはユーザーエクスペリエンスが良くないと書いてますので、ここはあえてDLNAとは異なるものにしていると考えられます。
* Roonのこれから
Roon対応機器というのはRoonReadyだけではなくRoon Certifiedというのもあります。これは主にUSB DACに対してのもので、Roonと組み合わせて問題なく再生ができるという証明をDACをRoon Labsに送って得るものです。対して先に書いたようにRoonReadyはネットワークオーディオデバイスに対してのものです。(ただPCにRoonリモートをインストールしてUSB DACを接続した場合、それにRoonSpeakersをインストールすればRoonReadyになると思いますが、そこまではわかりません)
この辺はDarkoがインタビューしています。
http://www.digitalaudioreview.net/2016/01/what-the-gosh-darn-heck-is-roon-ready/
インタビューの中で開発者がRoonReadyは(簡単さと音質の両立という点で)ハイエンドオーディオ向けのAirPlayみたいなものだと言っていますね。またいままでのネットワークオーディオではIPアドレス設定だのライブラリがあちこちにあるだのmessy(ごちゃごちゃしている)という言葉をよく使っているので、なるべくシンプルにしたい、ユーザーエクスペリエンスをあげたいという気持ちが開発者にあることがこのインタビューからもわかります。
DarkoもRoonのよいところは電源が落ちた時に立ち上げなおしてきちんと元のDAC選択が戻っているとか、聞いてた曲の位置が戻ってるとかそういう細かいユーザー本位のところが良いと語っています。
Roonはこれからのソフトウエアで、CoreをPC/Macではなくミュージックサーバーに載せるという試みも行われています。それがこの記事にもあるSOtMのsMS-1000 SQです。これはミュージックサーバーですが、中身はWindowsです。そこでRoonを搭載することでストリーミングにも対応しています。
また音質面ではと書きましたが、上画面のようにRoonはHQ Playerをインテグレーションする機能があります。これは試していませんが、HQ PlayerのコントロールAPIを使用するようです。
いずれにせよ2016年にはMQA Ready、Roon Readyというキーワードが海外のPCオーディオというかデジタルオーディオ界隈ではよく聞かれることになるでしょう。
すでにAURALiCのAriesのようにRoonReady、MQA Readyを表明する機器も登場しています。
http://www.digitalaudioreview.net/2016/01/auralic-to-add-mqa-roonready-to-aries-at-ces-2016/
CES2016ではいままで勢いのあったネットワークプレーヤーはアナログプレーヤーの熱さに押されてしまう形となりましたが、その生き残りをかけてMQA、ストリーミング(特にTidal)、Roon、ネットワークオーディオというのは統合されて語られることになるのではないかと思います。
前に書いたように私も初めはRoonはAudirvanaのようなソフトウエア技術でオーディオ音質を高めるという方向性のソフトウエアではないので、ちょっと興味の対象外でしたが、そろそろ私もRoonを避けてられなくなってきたのでデモ版を使って少し調べてみました。
おくればせながら、と言ってもRoon自体昨年デビューしたばかりの新しいソフトウエアです。なぜここまで業界を席巻できたのでしょうか?
* Roonとはなにか
まずRoonとはなにかというと、Roon Labsが開発したWindows PCまたはMac用の音楽再生ソフトウエアです。もともとSooloosというミュージックサーバーの開発者が、いったんMeridianに買収されて、最近またRoon Labsとして独立したという経緯で出てきたものです。公式デビューは2015年のミュンヘンハイエンドです。
価格はサブスクリプションモデルを採用していて、年間使用ライセンスが$119/年です。一回課金だけの終生ライセンスは$499と高めです。2週間の無料デモができます(デモでもクレジット登録が必要です)。
Roonはユーザーから見るとiTunesの高性能版にみえる音楽再生プレーヤーソフトです。しかし、中に入ってみると、その実態はMPDにより近いものであると言えます。つまりクライアント・サーバーモデルです。
Roonは外からは一つに見えますが、内部的に大きく分けて3つのモジュールから構成されます。CoreとClient(コントロール)とEndpointです。Coreはライブラリ管理を行い、Clientで画面操作した再生をEndpointにデータを送ります。EndpointはUSB DACなど出力デバイスとつながっています。
なんとなくこれらがネットワーク上に分散されればネットワークオーディオシステムになりそうだと気が付かれるかもしれません。それは間違っていないのですが、そこで早飲み込みするのは禁物です。これがRoonReadyにもつながっていきます。
Roonでは単一のライブラリがキーとなっています。そのためRoonでもっとも重要なものはライブラリをつかさどるCoreです。ライセンスもCore単位になっています。あるユーザーのRoonのシステム(ネットワークも含めて)に置かれるCoreは一つというのがRoonの原則です。それゆえに単一のライブラリが保証されます。
この辺からDLNAモデルとは少しずつ離れていくと思います。DLNAを知っている人なら、なんとなくClientをDLNAコントロールポイント、EndpointをDLNAレンダラーそしてCoreをDLNAメディアサーバーに例えたくなりますが、DLNAならライブラリはメディアサーバー単位になっています。
RoonにおいてはNASはライブラリ(Core)のあるPCにNFSやSMBでネットワークマウントしておきます。またRoonではオーディオデータの転送にDLNAの核となるuPnPではなく独自プロトコルを採用しています。
ここからはインストールして使いながら解説していきます。
* Roonのインストールと使用
RoonのPC/Mac版はRoon Labsのホームページからダウンロードします。ホームページはこちらです。
https://roonlabs.com/
タブレットの場合はApple storeやGoogle Playからダウンロードします。無料で二週間使用できますが、はじめにクレジット情報を登録しておく必要があります。このままだと二週間後に自動的に課金に移るので、デモだけの時はRoonアカウントのMembershipタブからその前にキャンセルをします。
私はHugoが接続されたMac miniを使いました。また同一ネット内にAirPlayデバイスとしてCompanion Oneがあります。
上のChoose your library画面がまずポイントなのですが、はじめにRoonをインストールするときにこのPC/Macにライブラリを置くか、リモートかと聞かれます。この時にライブラリを選択するとこのマシンにClientとCoreとEndpointがインストールされます。ユーザーは意識する必要はありません。あとで説明しますが、このときにライブラリをおくPCは他からリモートで操作したくなるメインマシンにしてください。
二台目のPC/Macならばリモートしか選択できません。このリモートの場合はClientとEndpointがインストールされます。いまではiPadとAndroidにもリモートが用意されています。
さきほど書いたようにあるRoonシステム内にはライブラリ=Coreはひとつのみですが、リモートはいくつあっても構いません。課金もされません。
Tidalのインテグレーションもできますが、日本では使えませんので省略します。ただここもRoonの魅力の一つです。
音源の場所を指定します。追加もできます。NASはここでRoonが認識できるようにNFSかSMBでマウントしておく必要があると思います。
すぐ立ち上がってライブラリスキャンが始まります。
スタートというかホーム画面はこんな感じです。お勧めアーティストなどが出ていますね。
またRoonの優れた点の一つは保存している音源からアーティスト情報を手繰りだすことで、たとえばジャンルだけでなく、アーティストリンクからロリーナ・マッキニットの情報が出てきます。ライブ情報とか、説明など、この写真も私のMacではなくネットから取ってきています。もうこんな年齢なのですね。
アルバム画面をクリックして、曲名を選べばすぐに再生できます。この辺はiTunesとさほど変わりありません。ただし再生先を指定する必要があります。Roonではゾーン(Zone)という概念で再生先を指定します。Audio Settingで選べます。
上画面のようにデバイスには詳細設定でexclusive(hog),インテジャーモード、DSDネイティヴ再生の指定も行えます。高音質プレーヤーの機能も一通りそろっていると言えます。
Roonの優れた点はAirPlayとUSB DACのように異なるゾーン(再生先)に別な曲を同時に再生できることです。上ではHugoとCompanion Oneで別々の曲を再生しています。
* Roonリモート、Private Zone
ここまではそれほどむずかしくないのですが、Roonのポイントはここからです。このRoonシステムにリモートを加えてネットワークに拡張します。
タブレットでもRoon Remoteというアプリを使うことでMac miniをリモートコントロールできます。これはもう一つのMac/PCにChoose Libraryでリモートとしてインストールしても同じです。上はGoogle PlayのAndroid用です。これをNexus9にインストールします。
タブレットでも表示される画面デザインはPC/Macと同じでユーザーは使いやすいでしょう。
ここで注意して欲しいのがタブレット(remote)のAudio設定を開けると、上の画面のようにこのタブレットのオーディオ出力もEndpoint(ゾーン)として設定出てきます。これはPrivate Zoneと呼ばれます。大事なので太字で書きました。これがRoonの注意点です。
上画面のようにMac miniのゾーンがタブレットから見えていますね。
ここでタブレットでHugoのゾーンを出力先として操作すると先のMac miniのHugoから音が出せます。これがおなじみリモコン的使用法です。
Roonの優れた点はこのタブレット上でタブレットの出力先を指定するとタブレットでMac miniの音源を再生できます。そしてMac miniでは別の曲を再生できます。
つまりこれは単なるコントローラではなくRoonのコピーと言えます(ただしCoreはない)。ネットワーク上のRoonのコピーが単一のCoreの持つライブラリを共有して音楽を別々に再生できるわけです。たとえばMac miniではスピーカーでリスニングルームにクラシックを流しながら、別の部屋ではタブレットでヘッドフォンでロックを聴けます。どちらもCoreの統括する同一のライブラリです。
ただし一つ制限があります。それがPrivate zoneです。
リモート(coreのないコピー)のインストールされたデバイス(PC/Mac/タブレット)の出力先ゾーンはPrivate zoneと呼ばれて他のデバイスからアクセスできません。例えばNexus9からはMac miniのHugoは見えますが、Mac miniからNexus9の出力先(ゾーン=private zone)は見えません。もうひとつiPadを加えても、Nexus9の出力先は見えません。
* Roon Readyとは
Nexus9ならまあいいかと思うかもしれませんが、これが立派なDACを持ったネットワークミュージックサーバー(Endpoint)を入れたらどうなるでしょう?Mac miniから操作したいですよね。しかしやはりそれはCoreがないのでremoteになり、private zoneなのでアクセスできなくなってしまいます。
(AirPlayはMac miniに接続されたゾーンなのでPrivateではなくどこからも見えます)
もうひとつの例があります。これはRoonフォーラムでもFAQだと思いますが、たとえば家にPC1(ライブラリCore)-HugoとPC2(リモート)-Hugo TT、iPad(リモート)を設置した場合、やはりiPadとPC1からPC2の接続機器は見えません。これはPC2がPrivate Zoneだからです。ならばPC2をCoreにすればどうかというとiPadからHugo TTは見えますが、今度はPC1がリモートになるのでHugoが見えなくなります。
これはやはり不便です。そこでそれを可能にしたRoonSperkersというソフトウエアが開発されました。このRoonSpeakersをリモートにインストールするとPrivate ZoneのDACなども他からアクセスできるようになります。このRoonSperkersを実現するためのプロトコルがRAAT(Roon Advanced Audio Transport)です。これはRoonの独自プロトコルで、レイテンシー、バッファリング、クロックオーナー、クロックドリフト、サンプルレート・周波数ネゴシエーションなどが盛り込まれています。(384kHz,DSDも可能です)
このRoonSpeakersがインストールされてRoon対応されたネットワーク機器がRoonReadyと呼ばれています。つまりRoonSpeakersが入ったどこからでもアクセスできるEndpointのミュージックサーバーなどがRoonReady機器です。またRoonReadyは単に機材だけではなく、広くパートナーシップも含めた言い方でもあります。
* 2016/1/24:初出と少し表現を変えました。ソフトウェアとしてのRoonSpeakersの名称変更はまだということです。
独自プロトコルを採用した理由は開発者がみずからRoonフォーラムでDLNAやOpenHomeのようなpullモデルはユーザーエクスペリエンスが良くないと書いてますので、ここはあえてDLNAとは異なるものにしていると考えられます。
* Roonのこれから
Roon対応機器というのはRoonReadyだけではなくRoon Certifiedというのもあります。これは主にUSB DACに対してのもので、Roonと組み合わせて問題なく再生ができるという証明をDACをRoon Labsに送って得るものです。対して先に書いたようにRoonReadyはネットワークオーディオデバイスに対してのものです。(ただPCにRoonリモートをインストールしてUSB DACを接続した場合、それにRoonSpeakersをインストールすればRoonReadyになると思いますが、そこまではわかりません)
この辺はDarkoがインタビューしています。
http://www.digitalaudioreview.net/2016/01/what-the-gosh-darn-heck-is-roon-ready/
インタビューの中で開発者がRoonReadyは(簡単さと音質の両立という点で)ハイエンドオーディオ向けのAirPlayみたいなものだと言っていますね。またいままでのネットワークオーディオではIPアドレス設定だのライブラリがあちこちにあるだのmessy(ごちゃごちゃしている)という言葉をよく使っているので、なるべくシンプルにしたい、ユーザーエクスペリエンスをあげたいという気持ちが開発者にあることがこのインタビューからもわかります。
DarkoもRoonのよいところは電源が落ちた時に立ち上げなおしてきちんと元のDAC選択が戻っているとか、聞いてた曲の位置が戻ってるとかそういう細かいユーザー本位のところが良いと語っています。
Roonはこれからのソフトウエアで、CoreをPC/Macではなくミュージックサーバーに載せるという試みも行われています。それがこの記事にもあるSOtMのsMS-1000 SQです。これはミュージックサーバーですが、中身はWindowsです。そこでRoonを搭載することでストリーミングにも対応しています。
また音質面ではと書きましたが、上画面のようにRoonはHQ Playerをインテグレーションする機能があります。これは試していませんが、HQ PlayerのコントロールAPIを使用するようです。
いずれにせよ2016年にはMQA Ready、Roon Readyというキーワードが海外のPCオーディオというかデジタルオーディオ界隈ではよく聞かれることになるでしょう。
すでにAURALiCのAriesのようにRoonReady、MQA Readyを表明する機器も登場しています。
http://www.digitalaudioreview.net/2016/01/auralic-to-add-mqa-roonready-to-aries-at-ces-2016/
CES2016ではいままで勢いのあったネットワークプレーヤーはアナログプレーヤーの熱さに押されてしまう形となりましたが、その生き残りをかけてMQA、ストリーミング(特にTidal)、Roon、ネットワークオーディオというのは統合されて語られることになるのではないかと思います。
2014年01月24日
BitperfectのDSD再生とハイブリッドDSD形式
Macの音楽再生ソフトであるBitperfectが次期2.0バージョンからDSD再生に対応します。下記Bitperfectリンクに詳細が書かれています。
http://bitperfectsound.blogspot.de/2014/01/dsd-is-coming.html?m=1
興味深い点はiTunesを拡張するタイプのBitperfectがDSDを認識しないiTunesライブラリをどう使ってDSDを格納するか、です。
BitperfectではハイブリッドDSDファイルという形式を提案してます。これは一つのファイルにPCMデータとDSDデータを両方格納するという方式です。これはAppleロスレスファイルにメタデータとしてDSDデータを埋め込むというものです。つまり一つのファイルがPCMとDSDの二つのデータを持つことになります。ただどうやって埋め込むかは書いてませんので、続報待ちではあります。
ちなみに彼らがこの前に試行錯誤した例ではマルチチャンネル形式ファイルのマルチチャンネルトラックに埋め込むっていう方式も考えたそうですが、これはいくつかの機器との相性でうまくいかなかったということです。
同じくiTunesを使用するPure Musicは煩雑なブックマーク方式を使ってDSDファイルを管理してます。またstefツールなどを使ってWAVにDSDをDoPエンコードして埋め込む方式もあります。いずれにしても厄介なものです。
これはiTunesの功罪というか、iTunesの呪縛のようなものではありますが、願わくはAppleがDSDやらFLACをきちんとサポートして欲しいところです。
http://bitperfectsound.blogspot.de/2014/01/dsd-is-coming.html?m=1
興味深い点はiTunesを拡張するタイプのBitperfectがDSDを認識しないiTunesライブラリをどう使ってDSDを格納するか、です。
BitperfectではハイブリッドDSDファイルという形式を提案してます。これは一つのファイルにPCMデータとDSDデータを両方格納するという方式です。これはAppleロスレスファイルにメタデータとしてDSDデータを埋め込むというものです。つまり一つのファイルがPCMとDSDの二つのデータを持つことになります。ただどうやって埋め込むかは書いてませんので、続報待ちではあります。
ちなみに彼らがこの前に試行錯誤した例ではマルチチャンネル形式ファイルのマルチチャンネルトラックに埋め込むっていう方式も考えたそうですが、これはいくつかの機器との相性でうまくいかなかったということです。
同じくiTunesを使用するPure Musicは煩雑なブックマーク方式を使ってDSDファイルを管理してます。またstefツールなどを使ってWAVにDSDをDoPエンコードして埋め込む方式もあります。いずれにしても厄介なものです。
これはiTunesの功罪というか、iTunesの呪縛のようなものではありますが、願わくはAppleがDSDやらFLACをきちんとサポートして欲しいところです。
2014年01月08日
オーディオファイル向けミュージックプレーヤー (19) - Daniel Hertz Master Class
Mac用の高音質ミュージックプレーヤーソフトも一時期のラッシュ以来は新顔が途絶えていましたが、ひさびさに新しいソフトウエアの登場です。しかも開発したのはあのマークレビンソン氏です。それがDaniel Hertz Master Classです。ここでいうマークレビンソンはハーマンブランドではなく、マークレビンソン氏そのひとです。彼のブランドであるDaniel Hertzの製品となります。
こちらにホームページがあります。
http://www.danielhertz.com/index.php/master-class
Master Classの特徴は強力なイコライザーをメインに据えている点です。これはデジタル版のCello Audio Paletteとして紹介されています。Daniel Hertzのスピーカーはアクティブクロスオーバーを採用しているのでその辺も関係しているのかもしれません(パッシブ換装も可能)。
そしてもうひとつの特徴はA+という機能で、A+は音をアナログのように滑らかにすると言う機能です。
これを見て思い出すのは以前書いたBurwen BobcatとTone Balancerです。以下の前記事を参照ください。
マークレビンソンとディックバウエンのいま - Burwen Bobcat
A+がBobcatで、Tone BalancerがMaster Classのイコライザに相当すると思います。おそらくこれもバウエン氏との共同での開発なのでしょう。バウエン氏はあのバウエンモジュールを製作した人です。
もともとDaniel HertzのシステムはCDプレーヤーを持たずにPCにBurwen BobcatとTone BalancerをインストールしてUSB DACと組み合わせると言う、当時はとても先進的なシステムでした。これは2005年のことで、オーディオ業界一般に高音質USB DACが認識されるQB-9が2009年ですから、いまのPCオーディオ時代をずっと先取りしていたと言えます。先進過ぎて理解されなかったと思いますが。Bobcatは始めはDaniel Hertzシステムだけで動くようにロックされていましたが、のちに汎用ソフトとして一般にも公開されました。
そのBobcatとTone Balancerのシステムを今風にアレンジし直したのがDaniel Hertz Master Classだと思います。また、前はPCのみだったので、Mac用(のみ)にしたという点もちょっとした変化です。価格は600CHF(スイスフラン)ということで日本円で約7万円とお高いのはDaniel Hertz価格でしょうか。
しかし、この2014年にマークレビンソン氏がソフトウエアの"バウエンモジュール"を採用すると言うのも興味深いことですね。
追記: 1/11
この件についてディックバウエン氏に直接メールして聞いてみましたが、上のBobcatとTone BalancerはMaster Classとは関係ないようです。別の開発元のようですね。
こちらにホームページがあります。
http://www.danielhertz.com/index.php/master-class
Master Classの特徴は強力なイコライザーをメインに据えている点です。これはデジタル版のCello Audio Paletteとして紹介されています。Daniel Hertzのスピーカーはアクティブクロスオーバーを採用しているのでその辺も関係しているのかもしれません(パッシブ換装も可能)。
そしてもうひとつの特徴はA+という機能で、A+は音をアナログのように滑らかにすると言う機能です。
これを見て思い出すのは以前書いたBurwen BobcatとTone Balancerです。以下の前記事を参照ください。
マークレビンソンとディックバウエンのいま - Burwen Bobcat
A+がBobcatで、Tone BalancerがMaster Classのイコライザに相当すると思います。おそらくこれもバウエン氏との共同での開発なのでしょう。バウエン氏はあのバウエンモジュールを製作した人です。
もともとDaniel HertzのシステムはCDプレーヤーを持たずにPCにBurwen BobcatとTone BalancerをインストールしてUSB DACと組み合わせると言う、当時はとても先進的なシステムでした。これは2005年のことで、オーディオ業界一般に高音質USB DACが認識されるQB-9が2009年ですから、いまのPCオーディオ時代をずっと先取りしていたと言えます。先進過ぎて理解されなかったと思いますが。Bobcatは始めはDaniel Hertzシステムだけで動くようにロックされていましたが、のちに汎用ソフトとして一般にも公開されました。
そのBobcatとTone Balancerのシステムを今風にアレンジし直したのがDaniel Hertz Master Classだと思います。また、前はPCのみだったので、Mac用(のみ)にしたという点もちょっとした変化です。価格は600CHF(スイスフラン)ということで日本円で約7万円とお高いのはDaniel Hertz価格でしょうか。
しかし、この2014年にマークレビンソン氏がソフトウエアの"バウエンモジュール"を採用すると言うのも興味深いことですね。
追記: 1/11
この件についてディックバウエン氏に直接メールして聞いてみましたが、上のBobcatとTone BalancerはMaster Classとは関係ないようです。別の開発元のようですね。
2013年10月10日
HQ Playerがアップグレードで80bit精度に対応
Windows向けの高音質の音楽再生プレーヤーソフト、HQ Playerが最新の3.1.3から拡張倍精度である80bit演算に移行しました。いままでもAurdirvanaなどとともにHQ Playerは率先して内部的に64bitの倍精度演算を採用していたんですが、これでも精度は足りないということでさらに80bitの拡張倍精度を採用しました。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=666099350081529&id=165263336831802
これはDSD256とか768kHzのような処理をする場合に必要か、と質問したところ、そうした高精度の演算を大量に行った時に生じる丸め誤差の蓄積がわずかだけれどもデジタル出力の解析で検知できるからだそうです。つまり理論上の予測値に実際の結果をマッチさせるためとのこと。
ハイエンドオーディオのアナログ回路ではこれでもか、という感じで細かいところも徹底して音質向上を図ってるんですが、ソフトウエアの世界でも同じことというわけですね。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=666099350081529&id=165263336831802
これはDSD256とか768kHzのような処理をする場合に必要か、と質問したところ、そうした高精度の演算を大量に行った時に生じる丸め誤差の蓄積がわずかだけれどもデジタル出力の解析で検知できるからだそうです。つまり理論上の予測値に実際の結果をマッチさせるためとのこと。
ハイエンドオーディオのアナログ回路ではこれでもか、という感じで細かいところも徹底して音質向上を図ってるんですが、ソフトウエアの世界でも同じことというわけですね。
2013年06月21日
ビットパーフェクトより音質はよくなるか? - JPlayの回答より
Audiostreamに面白い記事が乗っています。
http://www.audiostream.com/content/jplay-responds-open-letter
ネットではプレーヤーソフトで音質の差があるか、なんて論議がよく見られますが、いまJPlayがちょっとバッシングにあっているようです。JPlayをインストールしてるとJRMCではサポートしないなんてことも書かれていて、JRMCとfoobarのhydrogenaudioフォーラムが発端のようです。もともとfoobar作った人はプレーヤーで音はよくならないって言ってましたね。
ひとつの争点は簡単に言うとビットパーフェクトより音質がよくなるか?という点です。つまり音源のすべてのデジタル情報が欠落なくDACに伝わっているならば、音質は変わらないのではないかということですね。これについてJPlay開発者から公開の回答文が載っています。
それによるとJPlayでは"Simple is better"をコンピューターオーディオでも重要だと考えている。これはMacOSもWindowsもリアルタイム処理には向いていないからで、すべての時間というものは"best effort exercise"、つまり最善は尽くすが保証はできないというもので、"Guaranteed excusion"、つまり実行が保証されたものではないからであるということです。
*補足するとOSにおけるリアルタイム処理というのは実行が速いという意味よりは、むしろ期待時間内にかならず処理が行えるのを保証するということを示しています
JPlayの人によると、たとえばCD再生というのは32bitの処理を22マイクロセコンドで正確に行うことを規定しているが、これに少しでも遅れれば規定通りではなくなる、つまりコンピューターオーディオではビットパーフェクトだけではなく、タイミングパーフェクトである必要がある。これが多くのDACでジッター性能を宣伝している理由でもあるというわけです。
またここがJPlayの存在理由でもあり、それはタイミングを向上させることです。JPlayがやっていることは、コンピューターの音楽再生に関係ない処理をスローダウンさせ、究極的にはHibernate modeというので多くの処理を止めます。こうして音楽再生に関係ない処理を止めることでタイミングパーフェクトになる下地を作るというわけです。
こうした処理はオーディオファイルが手動でやっていることもありますが、JPlayはさらにコンピューターのタイマー精度(timer resolution)を最大限に向上させます。またJPlayはRAMに音楽データをためてそれをドライバーからアクセスしやすいようにキューに入れるなどの工夫をします。
また、音質が向上しているならばそれを数値化しろと言う人もいるようで、たしかにJPlayは測定的な数値による音質向上は見せられないが、たくさんのオーディオファイルがJPlayの有効性を耳で証明していると答えています。
この件に関連しては以前Audiostreamが開発者インタビューをしているのでそちらも興味深いと思います。うちで取り上げたのは下記リンクです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/286794030.html
http://www.audiostream.com/content/jplay-responds-open-letter
ネットではプレーヤーソフトで音質の差があるか、なんて論議がよく見られますが、いまJPlayがちょっとバッシングにあっているようです。JPlayをインストールしてるとJRMCではサポートしないなんてことも書かれていて、JRMCとfoobarのhydrogenaudioフォーラムが発端のようです。もともとfoobar作った人はプレーヤーで音はよくならないって言ってましたね。
ひとつの争点は簡単に言うとビットパーフェクトより音質がよくなるか?という点です。つまり音源のすべてのデジタル情報が欠落なくDACに伝わっているならば、音質は変わらないのではないかということですね。これについてJPlay開発者から公開の回答文が載っています。
それによるとJPlayでは"Simple is better"をコンピューターオーディオでも重要だと考えている。これはMacOSもWindowsもリアルタイム処理には向いていないからで、すべての時間というものは"best effort exercise"、つまり最善は尽くすが保証はできないというもので、"Guaranteed excusion"、つまり実行が保証されたものではないからであるということです。
*補足するとOSにおけるリアルタイム処理というのは実行が速いという意味よりは、むしろ期待時間内にかならず処理が行えるのを保証するということを示しています
JPlayの人によると、たとえばCD再生というのは32bitの処理を22マイクロセコンドで正確に行うことを規定しているが、これに少しでも遅れれば規定通りではなくなる、つまりコンピューターオーディオではビットパーフェクトだけではなく、タイミングパーフェクトである必要がある。これが多くのDACでジッター性能を宣伝している理由でもあるというわけです。
またここがJPlayの存在理由でもあり、それはタイミングを向上させることです。JPlayがやっていることは、コンピューターの音楽再生に関係ない処理をスローダウンさせ、究極的にはHibernate modeというので多くの処理を止めます。こうして音楽再生に関係ない処理を止めることでタイミングパーフェクトになる下地を作るというわけです。
こうした処理はオーディオファイルが手動でやっていることもありますが、JPlayはさらにコンピューターのタイマー精度(timer resolution)を最大限に向上させます。またJPlayはRAMに音楽データをためてそれをドライバーからアクセスしやすいようにキューに入れるなどの工夫をします。
また、音質が向上しているならばそれを数値化しろと言う人もいるようで、たしかにJPlayは測定的な数値による音質向上は見せられないが、たくさんのオーディオファイルがJPlayの有効性を耳で証明していると答えています。
この件に関連しては以前Audiostreamが開発者インタビューをしているのでそちらも興味深いと思います。うちで取り上げたのは下記リンクです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/286794030.html
2013年03月24日
イヤフォン・ヘッドフォンの最適化を行うiOSアプリ、accudio pro
最近のスマートフォン音楽再生アプリの流行はDirac HDやaudyssey music player、Onkyoアプリに見られるようにイヤフォンの周波数特性をイコライザーで補正して最適な音質に調整する方式です。これによって周波数特性の凸凹を打ち消してより正しい音の再現性を得るというわけです。これをイヤフォンの機種ごとに用意して、それぞれの機種ごとに最適な補正を行います。
今回紹介するaccudioもそうしたiOSアプリです。またDiracやaudyssey music playerとは異なりaccudioではFLACの再生も可能です。FLAC Playerの高品質音源再生とDiracのイヤフォン最適化を同時に実現したアプリと言えます。
* Reference Mode
accudioでは"Reference Mode"がこの最適化を行うモードです。
accudioではたくさんのイヤフォン、ヘッドフォンのプリセットが用意されています。audesseyと違い、馴染みあるイヤフォン・ヘッドフォンが多いのが特徴です。K3003、K701からHD800まで用意されています。
こちらにaccudioが対応しているイヤフォンとヘッドフォンの一覧があります。
http://accudio.goldenears.net/SupportProdList
この中でEQ Adaptabilityというのはこの最適化モードによってどのくらい音質を上げられるかという尺度です。
このGolden Earsという会社はもともと音響機器測定の会社らしく、こうした測定データをたくさん持っているようです。ちなみに他にも同名のアプリがありますが、Golden earsは良い耳という意味です。目が良いという場合はEagle eyesとか言いますね。(Eagles eyesはカールツァイス・テッサータイプレンズの初代のキャッチコピーでした)
下記ページではイヤフォンの特性をどう測定したかについて書いてあります。さまざまな測定機材を使用しています。
http://accudio.goldenears.net/Accudio/325
補正の仕方としては周波数特性がフラット・ニュートラルになるように補正していくようです。上のK3003のチャートをみると緑がオリジナルで青が補正後ですから低域はかなり抑え気味であることが見て取れます。ただしピークやディップは意図的に補正しない場合もあるということ。これは聴覚上の問題からということです。
上のオーディオテクニカESW10では実際に試してみると、オリジナルに比べて中音域の明瞭感が感じられすっきりとこもり感がなくなり、低域はふくらみが抑えられています。低域の深みはそのままなので、印象はふくらみが消えて明瞭感が上がったことによって、たしかによりフラット、クリア、ニュートラルを考えたHiFiよりの音となりESW10がひとレベル高価になったような気はしますね。ESW10ではけっこうaccudioは効いているように思えます。
同じイヤフォン設定が可能なEarPodsでDirac HD、audyssey music playerとaccudioをそれぞれ最適化して再生して比べてみると個人的にはDirac HDが一番好ましいように思えます。これは人の好みによるかもしれません。おそらくDiracは特性がフラットになるようにというよりも聴覚上好ましいように調整しているのではないかと思います。
* Simulation ModeとCustom Mode
もうひとつaccudioで他に無いユニークなのは"Simulation Mode"です。これは上のようにK3003であってもER4S「風」に味付けするとか、ESW10をDT770「風」にするというものです。もちろんこれはちょっと遊びの部類ではありますが、音を広げたいときなど訳だったりもします。
またaccudioではReference ModeとSimulation Modeのほかに"Custom Mode"というモードがあり、細かい設定を手動で行うこともできます。
* FLAC再生
高音質再生ではiPhoneで使用するいつものiPodライブラリの楽曲と、FLAC Playerのようにアプリローカルに格納するFLACやOGGなどの音源をいっしょにリストで選曲することができます。FLAC/OGGはiTunesのアプリタブからiPhoneに転送します。
上はLINNサイトからダウンロード購入したヘルゲリエンの192/24の音源をそのまま再生しているところです。もちろんダウンサンプリングしていると思いますが、問題なくそのまま再生可能です。
* 多言語ローカルエンコード対応
またaccudioのもうひとつの特徴は多言語に対応していて、UNICODEだけではなくたくさんのローカルエンコードのタグ文字列をサポートしているということも挙げられます。
* 購入リンク
accudio proの購入は下記リンクです。
https://itunes.apple.com/jp/app/accudio-pro/id553759905?mt=8
いくつか制限のある無料版accudio freeもあります。
https://itunes.apple.com/jp/app/accudio-free/id551297705?mt=8
今回紹介するaccudioもそうしたiOSアプリです。またDiracやaudyssey music playerとは異なりaccudioではFLACの再生も可能です。FLAC Playerの高品質音源再生とDiracのイヤフォン最適化を同時に実現したアプリと言えます。
* Reference Mode
accudioでは"Reference Mode"がこの最適化を行うモードです。
accudioではたくさんのイヤフォン、ヘッドフォンのプリセットが用意されています。audesseyと違い、馴染みあるイヤフォン・ヘッドフォンが多いのが特徴です。K3003、K701からHD800まで用意されています。
こちらにaccudioが対応しているイヤフォンとヘッドフォンの一覧があります。
http://accudio.goldenears.net/SupportProdList
この中でEQ Adaptabilityというのはこの最適化モードによってどのくらい音質を上げられるかという尺度です。
このGolden Earsという会社はもともと音響機器測定の会社らしく、こうした測定データをたくさん持っているようです。ちなみに他にも同名のアプリがありますが、Golden earsは良い耳という意味です。目が良いという場合はEagle eyesとか言いますね。(Eagles eyesはカールツァイス・テッサータイプレンズの初代のキャッチコピーでした)
下記ページではイヤフォンの特性をどう測定したかについて書いてあります。さまざまな測定機材を使用しています。
http://accudio.goldenears.net/Accudio/325
補正の仕方としては周波数特性がフラット・ニュートラルになるように補正していくようです。上のK3003のチャートをみると緑がオリジナルで青が補正後ですから低域はかなり抑え気味であることが見て取れます。ただしピークやディップは意図的に補正しない場合もあるということ。これは聴覚上の問題からということです。
上のオーディオテクニカESW10では実際に試してみると、オリジナルに比べて中音域の明瞭感が感じられすっきりとこもり感がなくなり、低域はふくらみが抑えられています。低域の深みはそのままなので、印象はふくらみが消えて明瞭感が上がったことによって、たしかによりフラット、クリア、ニュートラルを考えたHiFiよりの音となりESW10がひとレベル高価になったような気はしますね。ESW10ではけっこうaccudioは効いているように思えます。
同じイヤフォン設定が可能なEarPodsでDirac HD、audyssey music playerとaccudioをそれぞれ最適化して再生して比べてみると個人的にはDirac HDが一番好ましいように思えます。これは人の好みによるかもしれません。おそらくDiracは特性がフラットになるようにというよりも聴覚上好ましいように調整しているのではないかと思います。
* Simulation ModeとCustom Mode
もうひとつaccudioで他に無いユニークなのは"Simulation Mode"です。これは上のようにK3003であってもER4S「風」に味付けするとか、ESW10をDT770「風」にするというものです。もちろんこれはちょっと遊びの部類ではありますが、音を広げたいときなど訳だったりもします。
またaccudioではReference ModeとSimulation Modeのほかに"Custom Mode"というモードがあり、細かい設定を手動で行うこともできます。
* FLAC再生
高音質再生ではiPhoneで使用するいつものiPodライブラリの楽曲と、FLAC Playerのようにアプリローカルに格納するFLACやOGGなどの音源をいっしょにリストで選曲することができます。FLAC/OGGはiTunesのアプリタブからiPhoneに転送します。
上はLINNサイトからダウンロード購入したヘルゲリエンの192/24の音源をそのまま再生しているところです。もちろんダウンサンプリングしていると思いますが、問題なくそのまま再生可能です。
* 多言語ローカルエンコード対応
またaccudioのもうひとつの特徴は多言語に対応していて、UNICODEだけではなくたくさんのローカルエンコードのタグ文字列をサポートしているということも挙げられます。
* 購入リンク
accudio proの購入は下記リンクです。
https://itunes.apple.com/jp/app/accudio-pro/id553759905?mt=8
いくつか制限のある無料版accudio freeもあります。
https://itunes.apple.com/jp/app/accudio-free/id551297705?mt=8
2013年02月26日
JRiver Media CenterのMac版がダウンロード可能に
Mac版のJRiver Media Center(JRMC)の動作可能なアルファ版がダウンロードできるようになってます。アルファ版というのはつまりベータ版の前ですから、機能も実装未了が多く、バグもたっぷり残ってるバージョンです。
3月までの制限付きですが試す分には無料で試せます。公的にダウンロードできるようになったのはむこう時間の22日からですが、今週以後はウイークリービルドで毎週最新に変えるとのこと。なおJRMCは動画再生も含めたメディアプレーヤーですが、Mac版の現在はオーディオのみサポートされてるそうです。
Mac版のJRMCはライセンスはWindows版とは別で今購入すると早期割引で$24.95(一月ごとに5$ずつアップして最終的には$49.98になるそう)で購入ができます。
ダウンロードはこちらのリンクです。
http://yabb.jriver.com/interact/index.php?topic=78427.msg533299#msg533299
ダウンロードしてみましたが、実のところけっこう使えます。ボタンがWindowsっぽいところがありますが、これはそのうち修正するとのこと。
設定でWindows版ではWASAPIとかASIOを設定してたところでCoreAudioと書かれているのが新鮮です。
一番確かめたかった自動サンプルレート切り替えはすでに入ってるようです。サンプルレートの違う曲を再生するとAudiMidi設定を自動で合わせてくれるのでビットパーフェクトが成立します。
まだまだ未完成ですが、ちょっと楽しみにしていきたいソフトウエアです。
3月までの制限付きですが試す分には無料で試せます。公的にダウンロードできるようになったのはむこう時間の22日からですが、今週以後はウイークリービルドで毎週最新に変えるとのこと。なおJRMCは動画再生も含めたメディアプレーヤーですが、Mac版の現在はオーディオのみサポートされてるそうです。
Mac版のJRMCはライセンスはWindows版とは別で今購入すると早期割引で$24.95(一月ごとに5$ずつアップして最終的には$49.98になるそう)で購入ができます。
ダウンロードはこちらのリンクです。
http://yabb.jriver.com/interact/index.php?topic=78427.msg533299#msg533299
ダウンロードしてみましたが、実のところけっこう使えます。ボタンがWindowsっぽいところがありますが、これはそのうち修正するとのこと。
設定でWindows版ではWASAPIとかASIOを設定してたところでCoreAudioと書かれているのが新鮮です。
一番確かめたかった自動サンプルレート切り替えはすでに入ってるようです。サンプルレートの違う曲を再生するとAudiMidi設定を自動で合わせてくれるのでビットパーフェクトが成立します。
まだまだ未完成ですが、ちょっと楽しみにしていきたいソフトウエアです。
2013年02月06日
JPlayの1.5バージョンアップと、JRMC/FoobarとJPlayの組み合わせ
Windowsのオーディオ向け音楽再生ソフトであるJPlayを以前の記事で紹介しました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/206512899.html
そのJPlayがバージョン1.5に更新されて大きく機能更新しました。基本的にJPlayはStealth PlayerみたいにGUIを持ってないプレーヤーです(でした)。しかし最近のアップデートでJRMC(JRiver Media Player)やFoobarとの組み合わせが可能になっています。また独自のDSDネイティブ再生のためのDoPサポート機能をJPlayが実現しています。実際にはこれまでもいくつかバージョンアップがあって取り入れられていたようですが、1.5はその集大成と安定度向上というところでしょうか。
今回はこのJPlay1.5とJRMC/Foobarの組み合わせ、それを使ったDSDネイティブ再生の方法を紹介します。使いにくいが音質を追求したJPlayと操作性や機能の優れたJRMCとFoobarの組み合わせでWindowsのPCオーディオ再生がグレードアップできます。またJPlayの開発者にいくつか疑問点を直接聞いてみたのでそれも反映させています。
このJRMC/Foobarとの組み合わせにおいて、JPlay自体はプレーヤーソフトからはASIOドライバーとして見えます。しかしASIOをサポートしたDACしか使えないわけではなく、実際に今回の例はASIOではないChord QuteHDを使用します。つまり平たく言うとJPlayがASIO4ALLと同じように機能するようです。
以下にWindows7の例でJPlayの試用版での使い方を書きます。JRMCとFoobarはすでにインストールされているものとします。JRMCは試用版があります。
* JRMCとJPlayの設定
JRMCはv18で英語メニューで説明します。
1. JPlay試用版インストーラをここからダウンロードする
http://jplay.eu/download/
2. ダウンロードしたインストーラをダブルクリックしてインストールする(場所はデフォルトC:\JPLAY\がお勧めとのこと)。リムーバブルディスクへはインストール不可
3. リブートする。JPlayは深いところを変更するのでウイルスチェッカーにインストール動作を感知されることがあります。その場合は一時的にチェッカーを切ってください
4. JRMCを立ち上げて‘Tools’メニューから‘Options…’を開けます
5. ‘Output mode’をASIOにしてください
6. ‘Output mode settings…’を開けて‘JPLAY Driver’を選択してください。他の設定は触らなくても良いと思います
7. この後でタスクバーのインジケーターから音符マークのJPlay Settingを開きます
あるいはスタートメニュー内のJPlayからJPlay Settingsを開きます。* この際に音楽再生は停止させなければなりません
8. ‘Playing Via‘の項に使用しているDACのドライバーを指定します。ここではChord QuteHDを選択しています。ここでKSとかWASAPIはFoobarにあるようにWASAPIとKS(Kernel Streaming)を選択できます。主にKSを使用してみましたが、安定していると思います。XtreamモードはKSのみです。
JPlay Settingオプションの説明は下記別項を参照ください、
* JRMCとJPlayでDSDネイティブ再生するには
DSDネイティブ再生の設定には‘Playback Options‘ を開いて‘Bitstreaming’から‘Custom’を選んで、開いたダイアログで‘DSD’をセットしてください。
ここがポイントなんですが、QuteHDのようにDoP対応DSD DACを使う時でもこの時に‘DoP’ではなく‘DSD’を選んでください。これはDoPを選んでJRMC側で176/24のDoPでエンコードすると信号経路のどこかでDSDを出してるはずなのにPCMが来ているとみなされてしまうからのようです。(ただしDSDとDoPを同時に選ぶのは大丈夫なようです)
DoPへのエンコード(コード化)はJPlay側で行うようです。そしてDSD DACへは最終的にDoPで出力されます。これでQuteHDで白くDSDネイティブ再生のロックがされます。
そうするとDoP以外のKORGなどのASIO対応のDSD DAC-10などでDSDネイティブ再生が使えるかが気になりますが、JPlayの人に聞いてみたところ現在のところはDSD再生はKernel Streamingを使用してDoP対応DSD DACに出力するときのみサポートしているということです。ASIOも安定度などではいいように思いますが、やはりDoPのような標準方式は広くつかわれるのでソフトウエア側のサポートが手厚くなるということですね。
ただテストするDACがないので試せないけど、必要があるならやるということではありました。
* FoobarとJPlayの設定
Foobarの設定は以前書いたQuteHDとFoobarの設定とほぼ同じなのでそちらも参照してください。簡単に言うとそこの記事のASIO4ALLをJPlayに置き換えるようなものです。
またJPlayのインストールは上記JRMCの1,2,3と同じです。
1. FoobarにASIOコンポーネントをインストールしておきます。
2. ‘File’ -> ‘Preferences’ -> ‘Playback’ -> ‘Output‘を開けます
3. ‘ASIO: JPLAY Driver’を選択します
4. この後でJRMCでの7と8と同様にJPlay SettingsからDACのドライバーを選択してください
* FoobarとJPlayでDSDネイティブ再生するには
1. foo_input_sacd.zipをunzipしてASIOProxyInstall.exeを立ち上げてインストールします
2. ‘File’ -> ‘Preferences’ -> ‘Playback’ -> ‘Output‘を開けます
3 ‘ASIO: foo_dsd_asio‘を選択してください
4. ‘Output‘からASIO設定を開けます
5. ‘foo_dsd_asio’をダブルクリックして設定ダイアログを出して、そこで‘JPLAY Driver’を選択してください
6. 設定ダイアログでDSD Playbackを‘ASIO Native’に設定してください(ただしDoPにセットしていてもFoobarでは問題ないようです)
Foobarではfoo_input_dsdiffは外してください。またDSP設定でリサンプラーなどが入らないようにしてください。
ちなみに現在foo_input_sacdの最新は0.6.1でPCM->DSDリアルタイム変換機能がついています。これもけっこう使えます。
PCM->DSD変換機能を使うときはPCM to DSD Methodをnone以外にしてください。
* JPLAYminiの場合の設定(コマンドUI)
1. JPLAYminiを立ち上げる
2. Windows上で曲ファイルを選択してコピーする(右クリックメニューなどで)
3. JPLAYminiのウインドウに戻って、スペースバーを押下する
JPLAYminiで再生できるファイルの種類は以下の通りです。
WAV, AIFF, FLAC, ALAC, DSD(DFF & DSF)
またQobuzやSpotifyのようなストリーミング音楽サービスでも使えるようですが、基本的に日本では使えないので省略します。
* JPlayとStreamerモードについて
JPlay1.5はStreamerモードという機能があります。Streamerというのはオーディオ英語でLINN DSのような日本で言うところのネットワークプレーヤーみたいな機器のことです。
これはたとえばオーディオ専用PCの役割をもったPCと普段使いのPCの両方にJPlayをインストールして、DACなどにはオーディオ専用PCを割り当ててハイバネーションモードを使用し、普段使いPCはいわばコントローラーにするということのようです。これは役割を下記設定のAudio PCで切り替えます。
この分業システムはHQ PlayerのNetwork Audio Adapterと似ているかもしれません。別な言い方をするとLINN DSのような機器がなくても、PC二台とDACとJPlayがあれば似たようなシステムが作れるということです。(ただしDLNAではありません)
* JPlayの設定について
JPlayの設定はタスクバーから音符マークのJPlay Settingを開くか、あるいはスタートメニュー内のJPlayからJPlay Settingsを開きます。この際に音楽再生は停止させなければなりません。
以下オプションの解説です。(試用版の画面)
Playing via: [Kernel Streaming,WASAPI, ASIO]
ここでは実際に音を出すDACのドライバーを選択します。またWASAPIやKS(Kernel Streaming)などの経路も選択します。
Engine: [River, Beach, Xtream]
ここはJPlayのサウンドエンジンの切り替えで好みで選んでほしいとのことです。XtreamはKernel Streamingとの組み合わせのみ有効でバッファをものすごく使うので再生・停止の遅延がより大きく起こるとのこと。
ちなみにJPlayではいわゆるDSPによる音の変更は行っていません。あくまでビットパーフェクトです。JPlayの開発者の話によると、エンジンの違いはメモリ管理・キャッシュアルゴリズムの違いだということでした。これは"bit-perfect signal can sound different depending on software techniques used"、つまりビットパーフェクトであっても実際に使用されるソフトウエア技術によって音に違いは出てくる、という彼らのポリシーを表現したものということです。たしかに音が違いますね。
Audio PC:
Streamerモードの切り替えです。通常はThis computerでいわばローカル出力です。他にJPlayを搭載しているAudio専用PCがあればそれをLAN内で検知してそれに出力をリダイレクトすることができるので、それをStreamerモードと呼んでいます。
Buffer:
スムーズな音楽再生をしながらかつ最小のサイズを見つけてほしいとのこと。これはPCや出力機器に依存します。CDリッピング音源の場合は1(サンプル)が最小で、この1サンプルのバッファサイズが選択できるというのもJPlayのポイントということです。またハイレゾでは大きめに取ってほしいとのこと。
Bitperfect Volume :[-6dB,-12dB,-18dB,-24dB,-30dB]
「ビットパーフェクト・ボリューム」とはなかなかユニークな機能です。これは音質を劣化させないように-6dB単位で音量を変化できるという機能です。この辺のこだわりはJPlayらしいところです。ただし16bit音源にしか使えません。
これについてはJPlayの開発者に直接聞いてみたんですが、どうやっているかというとまず16bitのデータを24bitに左詰めして、その24bitデータを右にシフトさせます。コンピューターについて知識のある人はここでわかると思いますが、二進数演算においては1bit右シフトさせるのは2で割ることと同じです。-6dBは聴覚上の1/2ですので、これで音量を半分ずつ変化させることができます。24bitに左詰めした時点で下位8bitはヌル(0)ですから右シフトしても16bitのときのデータは欠損なくそのまま保たれます。つまりボリュームを半分にしてもビットパーフェクトでありえますので、ソフトウエア的にボリュームを変化させても音質は変わりません。このため16bitのみ使用できるというわけです。
普通のソフトウエアボリュームが音質を劣化させる可変抵抗ボリュームみたいなものとしたら、こちらは連続ではないけど音質を劣化しないソフトウエアのステップアッテネーターみたいなものともいえるかもしれません。
Bitstream :[native,24,32]
出力するビットの指定。なかには24bitとか32bit固定での出力を要求されるDACがあります。普通はnativeで良いはず。
Polarity: [normal,inverted]
これは極性の変更です。
Throttle: [OFF,ON]
スロットルモードというのはいわゆるPCの最適化モードです。他のプロセスの優先度を下げるというもの。JPlayでは他にハイバネーションモードという画面真っ暗で完全停止のすごいモードがあるんですが、これはあまりに恐ろしいので、そこまでではないけどシステムの最適化を行うというもののようです。ただマウスなどの効きが悪くなるというまだ恐ろしいところはあります。ただウエブ見るくらいだったらONのままでいいのではないかということ。スロットルはONがデフォルトです。
たしかにこの記事を書きながらPhotoshopでスクリーンキャプチャの編集をしてたら妙に動きは鈍くなりました。
Hibernate mode: [OFF,ON]
これがそのハイバネートモードです。これはオーディオ再生に関係ないプロセスはみな切ってしまうようなので恐ろしいです。と、以前の記事で書いたんですが、いつのまにかスロットルモードと分けたことでさらに恐ろしさもグレードアップしているようで、なんと再生・停止はUSBメモリの抜き差し(の割り込み信号)で行うというさらに恐ろしいもの。ただし上で書いたStreamerモードの場合は有効に使えるので、このモードは一台PCのときは使わずに、Streamerモードでのみ使用をお勧めします。PCが一台の時はスロットルモードで良いと思います。
つまりJPlayの使い方としてのベストは二台PCを用意してLANで接続し、両方にJPlayをインストールします。そして片方にDACを接続してハイバネートモードにし、もう一方ではJRMC+JPLayにしてAudio PC設定をもう一台の専用PCにする、というStreamerシステムのようですね。余裕があれば静音PCなどを買ってやってみるのもよいかもしれません。
さらに下記のレジストリーをいじることで設定を細かく変えられます。この辺はJPlayのManualを読んでください...(Packet sizeについては後述)
Computer\HKEY_CURRENT_USER\Software\JPLAY
なおQuteHDのドライバーでは問題ありませんでしたが、NFB11.32のドライバーではKSが使えませんでした(音が出ずにsettingを立ち上げるとJPlayが落ちる)。WASAPIではOKです。これもJPlayの人に聞いてみたんですが、おそらくドライバー側の問題だろうということですが、こういうときはバッファの値を1024にしてみてということで、実際にやってみると確かにそれでKSでも再生ができました。後は面倒ですが少しずつ減らしていくということのようです。
* 試用版と正式版の購入について
上で書いたように設定して、動作するけど音が途切れるというのはお試し版だからです(一分に一回1-2秒の無音部分が入ります)。試用版で気に入ったら、ホームページからPaypalで購入すると、後でメールで購入者の名前でカスタマイズされた(ライセンスされた)インストーラがメールで届きます(軽いから)。いったん試用版をアンインストールして、それをインストールし直します。すると設定画面に名前が入った版が立ち上がり正式版となります。(このときにいったんアンインストールするのでドライバーを再度選び直してください)
ライセンスはその人が使う限り台数や32/64bit OSの制限なく使うことができます。購入時に32/64を選びますが、bothにしておけば良いです。価格は同じ99ユーロです。メジャーバージョンアップでも追加料金は取らないと言ってます。
* JRMC 18とJPlay
JRMCも17から18になりました。これは正式リリース発表があったら書こうと思ってたんですが、18がベータリリースされて改善を進めていくうちにやがてある時点でホームページからのダウンロードリンクが17ではなく18の最新に移る、というひっそりとした移行でした。Mac版はまだ開発中で数週間以内には動作可能なものをなんとかアップできる、というレベルのようです。Mac版は一からMacのために書いているわけではなく、予告されたように多くは共通コードを使っているようです。Windowsとの共通というよりは機種依存しないように書きなおしたということで、Linux版もそのうち出るのかもしれません。
JRMC17から18にバージョンアップすると設定は引き継がれます。v18から使う人はDSD設定は少しわかりやすくなっていると思います。
JPlayはバッファリングしているようで少し遅れて再生されます。DAC64のバッファありみたいな感じです。また止める時にもタイムラグがあります。
追記-> JPlayの開発者にこの記事を見せたらさっそく教えてくれたんですが、上記レジストリのPacket Sizeを小さくするとラグを減らせるということです(2が規定値で0が最小)。実際に減らせますが音に影響あるかもしれないのでこれも好みで選んでほしいということ。(4を選ぶ人もいる)
音質はエンジンにもよりますが上質かつクリアで、やはりJRMCでJPlayを使うと普通にJRMCで排他モードWASAPI経由で鳴らすよりも透明感が高まります。もともとJRMCはWindowsの音楽再生ソフトの中では操作性・機能性では群を抜いて優れていますが、これで音質的にもベストになったかもしれません。
JPlayは以前の開発者インタビューなんかでもメモリ管理と低レベル処理を売りにしていましたが、低レベルのJPlayと高レベルのJRMCがうまく融合した感じです。
JPlayは上級者向けのソフトではありますが、操作性の良いJRMCと組み合わせることで手軽にJRMCの音質も向上できます。WindowsのPCオーディオの音楽再生ではJRMC+JPlayはお勧めです。感覚的にはMacでいうと使い勝手の良いiTunesの再生エンジンをAmarraにして音を良くするという感じです。
ただし価格はJPlay(99ユーロ)+JRMC($49.98)となります。
一方でFoobarは無料で多機能ではありますが、あまり過信できません。例えばFoobarとDSDネイティブ再生で注意してほしいのはDSP設定をまず空にすることです。このときにうっかりリサンプラーを入れたままだとうまく再生できません。この辺はたとえばJRMCならPCMでリサンプラーを入れていてもDSDを検知すると自動的にオーディオパスをダイレクトにしてリサンプラーをよけます。PCMを再生するとまたリサンプラーを戻します。この辺はやはり有料ソフトならではの気配りというか使いやすさではあります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/206512899.html
そのJPlayがバージョン1.5に更新されて大きく機能更新しました。基本的にJPlayはStealth PlayerみたいにGUIを持ってないプレーヤーです(でした)。しかし最近のアップデートでJRMC(JRiver Media Player)やFoobarとの組み合わせが可能になっています。また独自のDSDネイティブ再生のためのDoPサポート機能をJPlayが実現しています。実際にはこれまでもいくつかバージョンアップがあって取り入れられていたようですが、1.5はその集大成と安定度向上というところでしょうか。
今回はこのJPlay1.5とJRMC/Foobarの組み合わせ、それを使ったDSDネイティブ再生の方法を紹介します。使いにくいが音質を追求したJPlayと操作性や機能の優れたJRMCとFoobarの組み合わせでWindowsのPCオーディオ再生がグレードアップできます。またJPlayの開発者にいくつか疑問点を直接聞いてみたのでそれも反映させています。
このJRMC/Foobarとの組み合わせにおいて、JPlay自体はプレーヤーソフトからはASIOドライバーとして見えます。しかしASIOをサポートしたDACしか使えないわけではなく、実際に今回の例はASIOではないChord QuteHDを使用します。つまり平たく言うとJPlayがASIO4ALLと同じように機能するようです。
以下にWindows7の例でJPlayの試用版での使い方を書きます。JRMCとFoobarはすでにインストールされているものとします。JRMCは試用版があります。
* JRMCとJPlayの設定
JRMCはv18で英語メニューで説明します。
1. JPlay試用版インストーラをここからダウンロードする
http://jplay.eu/download/
2. ダウンロードしたインストーラをダブルクリックしてインストールする(場所はデフォルトC:\JPLAY\がお勧めとのこと)。リムーバブルディスクへはインストール不可
3. リブートする。JPlayは深いところを変更するのでウイルスチェッカーにインストール動作を感知されることがあります。その場合は一時的にチェッカーを切ってください
4. JRMCを立ち上げて‘Tools’メニューから‘Options…’を開けます
5. ‘Output mode’をASIOにしてください
6. ‘Output mode settings…’を開けて‘JPLAY Driver’を選択してください。他の設定は触らなくても良いと思います
7. この後でタスクバーのインジケーターから音符マークのJPlay Settingを開きます
あるいはスタートメニュー内のJPlayからJPlay Settingsを開きます。* この際に音楽再生は停止させなければなりません
8. ‘Playing Via‘の項に使用しているDACのドライバーを指定します。ここではChord QuteHDを選択しています。ここでKSとかWASAPIはFoobarにあるようにWASAPIとKS(Kernel Streaming)を選択できます。主にKSを使用してみましたが、安定していると思います。XtreamモードはKSのみです。
JPlay Settingオプションの説明は下記別項を参照ください、
* JRMCとJPlayでDSDネイティブ再生するには
DSDネイティブ再生の設定には‘Playback Options‘ を開いて‘Bitstreaming’から‘Custom’を選んで、開いたダイアログで‘DSD’をセットしてください。
ここがポイントなんですが、QuteHDのようにDoP対応DSD DACを使う時でもこの時に‘DoP’ではなく‘DSD’を選んでください。これはDoPを選んでJRMC側で176/24のDoPでエンコードすると信号経路のどこかでDSDを出してるはずなのにPCMが来ているとみなされてしまうからのようです。(ただしDSDとDoPを同時に選ぶのは大丈夫なようです)
DoPへのエンコード(コード化)はJPlay側で行うようです。そしてDSD DACへは最終的にDoPで出力されます。これでQuteHDで白くDSDネイティブ再生のロックがされます。
そうするとDoP以外のKORGなどのASIO対応のDSD DAC-10などでDSDネイティブ再生が使えるかが気になりますが、JPlayの人に聞いてみたところ現在のところはDSD再生はKernel Streamingを使用してDoP対応DSD DACに出力するときのみサポートしているということです。ASIOも安定度などではいいように思いますが、やはりDoPのような標準方式は広くつかわれるのでソフトウエア側のサポートが手厚くなるということですね。
ただテストするDACがないので試せないけど、必要があるならやるということではありました。
* FoobarとJPlayの設定
Foobarの設定は以前書いたQuteHDとFoobarの設定とほぼ同じなのでそちらも参照してください。簡単に言うとそこの記事のASIO4ALLをJPlayに置き換えるようなものです。
またJPlayのインストールは上記JRMCの1,2,3と同じです。
1. FoobarにASIOコンポーネントをインストールしておきます。
2. ‘File’ -> ‘Preferences’ -> ‘Playback’ -> ‘Output‘を開けます
3. ‘ASIO: JPLAY Driver’を選択します
4. この後でJRMCでの7と8と同様にJPlay SettingsからDACのドライバーを選択してください
* FoobarとJPlayでDSDネイティブ再生するには
1. foo_input_sacd.zipをunzipしてASIOProxyInstall.exeを立ち上げてインストールします
2. ‘File’ -> ‘Preferences’ -> ‘Playback’ -> ‘Output‘を開けます
3 ‘ASIO: foo_dsd_asio‘を選択してください
4. ‘Output‘からASIO設定を開けます
5. ‘foo_dsd_asio’をダブルクリックして設定ダイアログを出して、そこで‘JPLAY Driver’を選択してください
6. 設定ダイアログでDSD Playbackを‘ASIO Native’に設定してください(ただしDoPにセットしていてもFoobarでは問題ないようです)
Foobarではfoo_input_dsdiffは外してください。またDSP設定でリサンプラーなどが入らないようにしてください。
ちなみに現在foo_input_sacdの最新は0.6.1でPCM->DSDリアルタイム変換機能がついています。これもけっこう使えます。
PCM->DSD変換機能を使うときはPCM to DSD Methodをnone以外にしてください。
* JPLAYminiの場合の設定(コマンドUI)
1. JPLAYminiを立ち上げる
2. Windows上で曲ファイルを選択してコピーする(右クリックメニューなどで)
3. JPLAYminiのウインドウに戻って、スペースバーを押下する
JPLAYminiで再生できるファイルの種類は以下の通りです。
WAV, AIFF, FLAC, ALAC, DSD(DFF & DSF)
またQobuzやSpotifyのようなストリーミング音楽サービスでも使えるようですが、基本的に日本では使えないので省略します。
* JPlayとStreamerモードについて
JPlay1.5はStreamerモードという機能があります。Streamerというのはオーディオ英語でLINN DSのような日本で言うところのネットワークプレーヤーみたいな機器のことです。
これはたとえばオーディオ専用PCの役割をもったPCと普段使いのPCの両方にJPlayをインストールして、DACなどにはオーディオ専用PCを割り当ててハイバネーションモードを使用し、普段使いPCはいわばコントローラーにするということのようです。これは役割を下記設定のAudio PCで切り替えます。
この分業システムはHQ PlayerのNetwork Audio Adapterと似ているかもしれません。別な言い方をするとLINN DSのような機器がなくても、PC二台とDACとJPlayがあれば似たようなシステムが作れるということです。(ただしDLNAではありません)
* JPlayの設定について
JPlayの設定はタスクバーから音符マークのJPlay Settingを開くか、あるいはスタートメニュー内のJPlayからJPlay Settingsを開きます。この際に音楽再生は停止させなければなりません。
以下オプションの解説です。(試用版の画面)
Playing via: [Kernel Streaming,WASAPI, ASIO]
ここでは実際に音を出すDACのドライバーを選択します。またWASAPIやKS(Kernel Streaming)などの経路も選択します。
Engine: [River, Beach, Xtream]
ここはJPlayのサウンドエンジンの切り替えで好みで選んでほしいとのことです。XtreamはKernel Streamingとの組み合わせのみ有効でバッファをものすごく使うので再生・停止の遅延がより大きく起こるとのこと。
ちなみにJPlayではいわゆるDSPによる音の変更は行っていません。あくまでビットパーフェクトです。JPlayの開発者の話によると、エンジンの違いはメモリ管理・キャッシュアルゴリズムの違いだということでした。これは"bit-perfect signal can sound different depending on software techniques used"、つまりビットパーフェクトであっても実際に使用されるソフトウエア技術によって音に違いは出てくる、という彼らのポリシーを表現したものということです。たしかに音が違いますね。
Audio PC:
Streamerモードの切り替えです。通常はThis computerでいわばローカル出力です。他にJPlayを搭載しているAudio専用PCがあればそれをLAN内で検知してそれに出力をリダイレクトすることができるので、それをStreamerモードと呼んでいます。
Buffer:
スムーズな音楽再生をしながらかつ最小のサイズを見つけてほしいとのこと。これはPCや出力機器に依存します。CDリッピング音源の場合は1(サンプル)が最小で、この1サンプルのバッファサイズが選択できるというのもJPlayのポイントということです。またハイレゾでは大きめに取ってほしいとのこと。
Bitperfect Volume :[-6dB,-12dB,-18dB,-24dB,-30dB]
「ビットパーフェクト・ボリューム」とはなかなかユニークな機能です。これは音質を劣化させないように-6dB単位で音量を変化できるという機能です。この辺のこだわりはJPlayらしいところです。ただし16bit音源にしか使えません。
これについてはJPlayの開発者に直接聞いてみたんですが、どうやっているかというとまず16bitのデータを24bitに左詰めして、その24bitデータを右にシフトさせます。コンピューターについて知識のある人はここでわかると思いますが、二進数演算においては1bit右シフトさせるのは2で割ることと同じです。-6dBは聴覚上の1/2ですので、これで音量を半分ずつ変化させることができます。24bitに左詰めした時点で下位8bitはヌル(0)ですから右シフトしても16bitのときのデータは欠損なくそのまま保たれます。つまりボリュームを半分にしてもビットパーフェクトでありえますので、ソフトウエア的にボリュームを変化させても音質は変わりません。このため16bitのみ使用できるというわけです。
普通のソフトウエアボリュームが音質を劣化させる可変抵抗ボリュームみたいなものとしたら、こちらは連続ではないけど音質を劣化しないソフトウエアのステップアッテネーターみたいなものともいえるかもしれません。
Bitstream :[native,24,32]
出力するビットの指定。なかには24bitとか32bit固定での出力を要求されるDACがあります。普通はnativeで良いはず。
Polarity: [normal,inverted]
これは極性の変更です。
Throttle: [OFF,ON]
スロットルモードというのはいわゆるPCの最適化モードです。他のプロセスの優先度を下げるというもの。JPlayでは他にハイバネーションモードという画面真っ暗で完全停止のすごいモードがあるんですが、これはあまりに恐ろしいので、そこまでではないけどシステムの最適化を行うというもののようです。ただマウスなどの効きが悪くなるというまだ恐ろしいところはあります。ただウエブ見るくらいだったらONのままでいいのではないかということ。スロットルはONがデフォルトです。
たしかにこの記事を書きながらPhotoshopでスクリーンキャプチャの編集をしてたら妙に動きは鈍くなりました。
Hibernate mode: [OFF,ON]
これがそのハイバネートモードです。これはオーディオ再生に関係ないプロセスはみな切ってしまうようなので恐ろしいです。と、以前の記事で書いたんですが、いつのまにかスロットルモードと分けたことでさらに恐ろしさもグレードアップしているようで、なんと再生・停止はUSBメモリの抜き差し(の割り込み信号)で行うというさらに恐ろしいもの。ただし上で書いたStreamerモードの場合は有効に使えるので、このモードは一台PCのときは使わずに、Streamerモードでのみ使用をお勧めします。PCが一台の時はスロットルモードで良いと思います。
つまりJPlayの使い方としてのベストは二台PCを用意してLANで接続し、両方にJPlayをインストールします。そして片方にDACを接続してハイバネートモードにし、もう一方ではJRMC+JPLayにしてAudio PC設定をもう一台の専用PCにする、というStreamerシステムのようですね。余裕があれば静音PCなどを買ってやってみるのもよいかもしれません。
さらに下記のレジストリーをいじることで設定を細かく変えられます。この辺はJPlayのManualを読んでください...(Packet sizeについては後述)
Computer\HKEY_CURRENT_USER\Software\JPLAY
なおQuteHDのドライバーでは問題ありませんでしたが、NFB11.32のドライバーではKSが使えませんでした(音が出ずにsettingを立ち上げるとJPlayが落ちる)。WASAPIではOKです。これもJPlayの人に聞いてみたんですが、おそらくドライバー側の問題だろうということですが、こういうときはバッファの値を1024にしてみてということで、実際にやってみると確かにそれでKSでも再生ができました。後は面倒ですが少しずつ減らしていくということのようです。
* 試用版と正式版の購入について
上で書いたように設定して、動作するけど音が途切れるというのはお試し版だからです(一分に一回1-2秒の無音部分が入ります)。試用版で気に入ったら、ホームページからPaypalで購入すると、後でメールで購入者の名前でカスタマイズされた(ライセンスされた)インストーラがメールで届きます(軽いから)。いったん試用版をアンインストールして、それをインストールし直します。すると設定画面に名前が入った版が立ち上がり正式版となります。(このときにいったんアンインストールするのでドライバーを再度選び直してください)
ライセンスはその人が使う限り台数や32/64bit OSの制限なく使うことができます。購入時に32/64を選びますが、bothにしておけば良いです。価格は同じ99ユーロです。メジャーバージョンアップでも追加料金は取らないと言ってます。
* JRMC 18とJPlay
JRMCも17から18になりました。これは正式リリース発表があったら書こうと思ってたんですが、18がベータリリースされて改善を進めていくうちにやがてある時点でホームページからのダウンロードリンクが17ではなく18の最新に移る、というひっそりとした移行でした。Mac版はまだ開発中で数週間以内には動作可能なものをなんとかアップできる、というレベルのようです。Mac版は一からMacのために書いているわけではなく、予告されたように多くは共通コードを使っているようです。Windowsとの共通というよりは機種依存しないように書きなおしたということで、Linux版もそのうち出るのかもしれません。
JRMC17から18にバージョンアップすると設定は引き継がれます。v18から使う人はDSD設定は少しわかりやすくなっていると思います。
JPlayはバッファリングしているようで少し遅れて再生されます。DAC64のバッファありみたいな感じです。また止める時にもタイムラグがあります。
追記-> JPlayの開発者にこの記事を見せたらさっそく教えてくれたんですが、上記レジストリのPacket Sizeを小さくするとラグを減らせるということです(2が規定値で0が最小)。実際に減らせますが音に影響あるかもしれないのでこれも好みで選んでほしいということ。(4を選ぶ人もいる)
音質はエンジンにもよりますが上質かつクリアで、やはりJRMCでJPlayを使うと普通にJRMCで排他モードWASAPI経由で鳴らすよりも透明感が高まります。もともとJRMCはWindowsの音楽再生ソフトの中では操作性・機能性では群を抜いて優れていますが、これで音質的にもベストになったかもしれません。
JPlayは以前の開発者インタビューなんかでもメモリ管理と低レベル処理を売りにしていましたが、低レベルのJPlayと高レベルのJRMCがうまく融合した感じです。
JPlayは上級者向けのソフトではありますが、操作性の良いJRMCと組み合わせることで手軽にJRMCの音質も向上できます。WindowsのPCオーディオの音楽再生ではJRMC+JPlayはお勧めです。感覚的にはMacでいうと使い勝手の良いiTunesの再生エンジンをAmarraにして音を良くするという感じです。
ただし価格はJPlay(99ユーロ)+JRMC($49.98)となります。
一方でFoobarは無料で多機能ではありますが、あまり過信できません。例えばFoobarとDSDネイティブ再生で注意してほしいのはDSP設定をまず空にすることです。このときにうっかりリサンプラーを入れたままだとうまく再生できません。この辺はたとえばJRMCならPCMでリサンプラーを入れていてもDSDを検知すると自動的にオーディオパスをダイレクトにしてリサンプラーをよけます。PCMを再生するとまたリサンプラーを戻します。この辺はやはり有料ソフトならではの気配りというか使いやすさではあります。
2013年01月16日
オーディオファイル向けWindows 8とオーディオファイル向けLinux
もう二年以上も前ですがオーディオファイル向けのOSとしてVoyage MPDの紹介記事を書きました。また最近オーディオファイル向けのOSバリアントが出ていますので紹介します。
* オーディオファイル向けWindows 8 (Audiophile Windows 8)
Computer Audiophileの下記スレッドでオーディオファイル向けのWindows8が紹介・配布されています。
http://www.computeraudiophile.com/f11-software/iso-usb-key-installer-preconfigured-and-stripped-down-audiophile-version-windows-8-pro-including-jriver-and-foobar-14390/
これはWindows 8 proに不要サービスの停止などのいわゆるチューニングをあらかじめ設定しておいたもので、Fedelizer、JRMC18(トライアル)やFoobarなどが入っています。Foobarではなつかしの高性能リサンプルコンポーネント、Secret Rabbit Code Resamplerも入ってますね。これってFoobar 1.0から使えなくなったんですが、自分で通るようにコンパイルし直したんでしょうか。
もちろんインストールするためには正規のWindows 8 proライセンスが必要です。これはアップデートライセンスではなくフルライセンス(いまはDSP版と同じだったはず)が必要です。
またページングをオフにしているので、RAMは最低4GB必要ということです。他のチューニング内容はスレッドを参照ください。
静音PCなんかに入れるのによさそうです。ほぼ専用機なのでJPlayを使うのもよいでしょうね。
入手方法は作成したJohn DoeにPMしてダウンロードリンクを教えてもらってください。ただリンクはとっても遅いです(かといってこの手のサイトは有料オプション取るのは怖い)。またいまの版は場合によってアクティベーションに問題があるようです。作者は改善した版を作るって言ってますのでそれまで待った方が良いかもしれません。ブータブルUSBへの書き方などはスレッドで書かれています。
ちなみにJohn Doeってジョンっていう人の名ではなく、John Doeは日本語で言う名無しの権兵衛という意味の英語表現です。
* オーディオファイル向けLinux (Audiophile Linux)
こちらはLinuxのディストリビューションとしては一般的なMintをベースにしてオーディオ向けのチューニングを施したものです。
http://www.ap-linux.com/
特徴としてはこちらも不要サービスを留めるというチューニングが基本で、リアルタイムカーネル、低レイテンシー(<10ms)、ビットパーフェクトを標榜しています。標準のオーディオプレーヤーソフトはdeafbeef audio playerで、Audaciousなども推奨されていますが、Rhythmbox、Banshee、ExaileなどはDBでリソースを食いすぎるのでやめておけと書いてます。
素っ気ないVoyageとは異なりこちらはXFCEやFluxboxといったデスクトップ環境が立ち上がる環境になっています。入手方法はこちらのサイトのリンクから無料ダウンロードできます。
http://www.ap-linux.com/download/
全体にVoyageみたいに音質に特化するあまり扱いにくいというよりも、扱いやすさを残しつつ音質向上のチューニングもするという折衷的なもののように思います。
* オーディオファイル向けWindows 8 (Audiophile Windows 8)
Computer Audiophileの下記スレッドでオーディオファイル向けのWindows8が紹介・配布されています。
http://www.computeraudiophile.com/f11-software/iso-usb-key-installer-preconfigured-and-stripped-down-audiophile-version-windows-8-pro-including-jriver-and-foobar-14390/
これはWindows 8 proに不要サービスの停止などのいわゆるチューニングをあらかじめ設定しておいたもので、Fedelizer、JRMC18(トライアル)やFoobarなどが入っています。Foobarではなつかしの高性能リサンプルコンポーネント、Secret Rabbit Code Resamplerも入ってますね。これってFoobar 1.0から使えなくなったんですが、自分で通るようにコンパイルし直したんでしょうか。
もちろんインストールするためには正規のWindows 8 proライセンスが必要です。これはアップデートライセンスではなくフルライセンス(いまはDSP版と同じだったはず)が必要です。
またページングをオフにしているので、RAMは最低4GB必要ということです。他のチューニング内容はスレッドを参照ください。
静音PCなんかに入れるのによさそうです。ほぼ専用機なのでJPlayを使うのもよいでしょうね。
入手方法は作成したJohn DoeにPMしてダウンロードリンクを教えてもらってください。ただリンクはとっても遅いです(かといってこの手のサイトは有料オプション取るのは怖い)。またいまの版は場合によってアクティベーションに問題があるようです。作者は改善した版を作るって言ってますのでそれまで待った方が良いかもしれません。ブータブルUSBへの書き方などはスレッドで書かれています。
ちなみにJohn Doeってジョンっていう人の名ではなく、John Doeは日本語で言う名無しの権兵衛という意味の英語表現です。
* オーディオファイル向けLinux (Audiophile Linux)
こちらはLinuxのディストリビューションとしては一般的なMintをベースにしてオーディオ向けのチューニングを施したものです。
http://www.ap-linux.com/
特徴としてはこちらも不要サービスを留めるというチューニングが基本で、リアルタイムカーネル、低レイテンシー(<10ms)、ビットパーフェクトを標榜しています。標準のオーディオプレーヤーソフトはdeafbeef audio playerで、Audaciousなども推奨されていますが、Rhythmbox、Banshee、ExaileなどはDBでリソースを食いすぎるのでやめておけと書いてます。
素っ気ないVoyageとは異なりこちらはXFCEやFluxboxといったデスクトップ環境が立ち上がる環境になっています。入手方法はこちらのサイトのリンクから無料ダウンロードできます。
http://www.ap-linux.com/download/
全体にVoyageみたいに音質に特化するあまり扱いにくいというよりも、扱いやすさを残しつつ音質向上のチューニングもするという折衷的なもののように思います。