Music TO GO!

2011年03月01日

アポジーがサンダーボルトの開発表明

アポジーがサンダーボルトのオーディオインターフェースの開発表明をしたようです。意外と早かったですね。下記はプレスリリースです。
http://news.apogeedigital.com/
中では「サンダーボルトはユーザーがインターフェースの標準で迷うことを解消してくれるだろう」と書かれています。" the end of difficult choices and the beginning of unlimited performance"とまで書かれてますね。これから始まるオーディオとサンダーボルトの長い関係のまさに第一歩であり始まりです。
詳細はまた後で明らかになるようで、とりあえずの開発表明のようです。
サンダーボルトも楽しみな展開になって来ました。

*初出でリンクが間違っていました
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2011年02月28日

CAでのAuraliti PK100のレビュー

Computer AudiophileのレビューとしてAuraliti PK100が取り上げられています。
http://www.computeraudiophile.com/content/Auraliti-PK100-File-Player-Review

PK100は以前も書きましたがLinuxベースでMPD(Music Player Daemon)がプリインストールされた音楽専用パソコンのようなものです。AuralitiではFile Playerと呼んでいます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/134545851.html
MPDを試して見たいけど、Linuxの設定が難しいと言うひとには向いてますね。システムはSSDで、音楽データは外付けのHDDに入れるのが基本です。
ネット接続はBonjourを使ってるとのこと。SPDIF出力とアナログ出力があり、DACはAKMということですが、これはサウンドカードのJuli@がそのまま入ってるとのこと。Juli@を選んだ理由はLinuxとの相性の良さということだったと思います。
問題はUSBがついてるけどUSB DACは使えないという点です。おそらく前に書いたVoyage MPDみたいなディストリビューションではなくクラスドライバーをサポートしてないんでしょうね。ただしCESではUSB専用モデルを出してたのでそちらは柔軟性が高そうです。
音もこの価格のトランスポートとしては良いということです。興味のある方はこの記事の最後に具体的な使い方が書いてあります。ここではMPoDをクライアントに使っていますが、具体的なMPDシステムの運用例としても面白いのではないかと思います。

それとこれを読んでたら同じくMPDを使うBryston BDP-1が比較に出て来るんですがこっちにも興味を持ってしまいました。これもガワはオーディオですが、中身はMPD+LINUX+静音パソコンです。
http://www.bryston.com/pdfs/09/Bryston_BDP1_LITERATURE.pdf (PDFリンクです)
ドイツのhushのシャーシを使って似たようなものを作っても面白いでしょう。しばらく見てなかったらhushのサイトも様変わりしてますね。

CESではたくさんネットワークオーディオプレーヤーが出てきましたが、この前書いたTIのnSDKで作られるようなそうしたネットワークプレーヤーはARMベースなので、こうした通常プロセッサを使ったMPDベースのシステムのほうが一クラスパワーが上ではあります。
ひとくちにネットワークプレーヤーといってもいろいろな形態があるということですね。
posted by ささき at 22:55 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

サンダーボルト続報2

USB3.0についてインテルは引き続きUSB3.0のサポートを言ってますがその普及は2012年になりそう。
http://japanese.engadget.com/tag/Thunderbolt/
他方でサンダーボルトの普及見込みはと言うと、オープン規格なのでPCでも採用されると思いますが、上の記事によるとPCでの採用は2012年になりそうです。 だからオーディオ系でのサンダーボルトの採用があるとすれば、当面はMacの市場だけで成り立つようなDTMのオーディオインターフェースのようなものになるのではないでしょうか。
またサンダーボルトが主力で考えているのは光伝送であり、名の由来もそこからきてます。しかしこれも光規格の製品は遅れて登場する見込みです。
posted by ささき at 09:25 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月25日

サンダーボルト続報

サンダーボルト関係の情報が出てきていますので拾ってみると、
サンダーボルトの現在の実装は銅線ベースで、光バージョンは年内中に登場ということです。光の場合は電源線がとれないのでバスパワーはありません。現在の実装で最大の長さは3m程度のようです。そんなに長くはありませんがデイジーチェーンを多数した状態でも十分な低レイテンシーを確保できるとのこと。
インテルのサイトにもプロオーディオを意識したとありますね。
Thunderbolt technology was specifically designed with professional audio and video applications in mind, where the inherently low latency and highly accurate time synchronization features play a crucial role.

ポイントはサンダーボルトのプロトコル自体は既存のPCIeとDisplayPortをベースにしているので、既存技術との親和性が高いということです。コントローラで一元化してシリアル転送するということですね。
これらからするとコントローラがキーのように思われますが低コストで提供できるようではあります(この辺がFireWireの最大の失敗でしたから)。この辺もXMOSみたいに実装技術の進歩で、いままでできなかったことがいまはできるようになったということもあるかもしれません。

http://www.macrumors.com/2011/02/24/thunderbolt-details-emerge-bus-power-mini-displayport-and-more/
http://jp.techcrunch.com/archives/20110224what-is-thunderbolt-and-will-it-change-your-life/

初めの外部機器はRAIDなどのストレージのようですが、すでに多数サポート表明はなされてはいるようです。製品としては下記のLittle Big Disk(外部ストレージ)のようなものです。これはRAID0(ストライピング)をサポートした高速のSSDです。このページの下の方にサンダーボルトを使ったシステムの構成例が乗ってるのですが、この外部ディスクにデイジーチェーンで直にディスプレイがつながってるところが興味深いところです。
http://www.lacie.com/us/technologies/technology.htm?id=10039

またこちらの記事をみるとiOS技術を取り入れたMacOS10.7ライオンではレチナモニターのような超高解像度ディスプレイの対応がなされるようです。おそらくこの辺もサンダーボルトの適用範囲となっていくでしょう。
普通PCだと解像度が上がるとデスクトップアイコンがちっちゃくなって行きますが、そうならずにアイコン自体の画像が鮮明で綺麗になっていくところがiPhoneのレチナディスプレイを引き継いだところです。

http://www.macrumors.com/2011/02/24/mac-os-x-lion-building-in-support-for-super-high-resolution-retina-monitors/

ライオンでMacがiPad化して、サンダーボルトで周辺機器を一体化して、というと少し未来のカタチが垣間見えるかも。
posted by ささき at 09:14 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新Macbook Pro登場とサンダーボルトのデビュー

本日噂されていたMacbook Proの新型が登場しました。

http://www.apple.com/jp/macbookpro/features.html

今回の目玉はSandy Bridgeと呼ばれる新世代プロセッサと、もうひとつはサンダーボルトという新世代の外部インターフェースです。サンダーボルトはこのMacbook Proで世界初の登場になります。
サンダーボルトはディスプレイにもハードディスクにも使える汎用の外部インターフェースで転送能力はFireWireをはるかにしのぎ、USB3.0さえ上回ります。アップルはなかなかUSB3.0を採用しないと思ったら、USB3.0は無視してサンダーボルトを採用していくのかもしれません。サンダーボルトはインテルとアップルの合同開発でLight Peakと呼ばれていました。
面白いのはこのサンダーボルトは接続においてはデイジーチェーンで接続していくことです。もともとFireWire(IEEE1394)はAppleが提唱したんですが、このサンダーボルトはAppleがいったんUSBに後れを取ったFireWireをまた仕切り直しにしてきた感じもします。こうなるとちょっと現行のFireWireについてはどうなっていくのかは不透明ですね(このMBPに関してはFireWireもサポートされています)。サンダーボルトも普及はわかりませんが、いまのアップルには力と勢いがありますからね。
ビデオに関してはともかく、オーディオに関しては帯域幅としては現行のUSB2.0でもそんなに不足してはいないので、なにか別の利点が必要かもしれませんがサンダーボルトは低レイテンシーで等時的な特性も重視しているのでその辺で面白いかもしれませんね。ちなみにサンダーボルトは双方向通信が可能でバスパワーもあります。また光もサポートしています(これがLight Peakとかサンダーボルトみたいに「光」に関する名前の由来のようです)。

コンピューターオーディオ向けではMacbook ProはSnow Leopardの64bitモードの実行が許されているのでお勧めです。MacbookとMacbook Airは64bitモードの実行がAppleによってプロテクトされているので6・4押しはもちろん、Startup Selectorのようなプログラムでも64bitモードでカーネルを起動できません。(不可能ではありませんがカーネルに手を加える必要があります。また最新のでは確認してません)
Airなどは64bitモードが可能なハード要件(EFIも含む)は満たしているので、これはAppleの販売政策といわれています。Mac miniも最近までそうだったんですが、最新のものは64bitモードが大丈夫のようです(未確認)。

一言でいうとプロセッサも入出力も新世代に刷新されて速くなったMacbook Proといえますね。なかなか魅力的です。(ちなみに本日はジョブズの誕生日です)
しかし最近はアップル記事ばかりになってしまいましたけど、取り上げずにはいられないものばかりですからね。やはりいまのアップルには力があります。
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2011年02月21日

オーディオアクセサリー140号に書きました

本日発売のオーディオアクセサリー140号(春号)のネットオーディオ特集の中でミュージックプレーヤーソフトの記事を書きました。今回は2011年のオーディオという本誌のテーマに合わせて、新しい流れにポイントを置いて書いています。そこでHQ PlayerとDecibelを取り上げました。
HQ PlayerのDSDサポートはここではPCM変換の意味で書いたんですが、いつのまにかDSDダイレクトの出力も実現しているようですね。Mac関係も原稿を上げてからFideliaが出たり、Audirvanaのintegerモードが出たりと、ホントにこの分野も進歩が速くなりました。それもまた2011年の流れですね。

また特集記事でも2011年の音楽再生と題して音楽の送り手のレーベルの方たちがこの時代の音楽提供についてどう考えているかというのも面白いと思います。ぜひお手に取ってください。


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2011年02月05日

ビートサウンド18号に書きました

本日発売のビートサウンド18号にいくつかPCオーディオとヘッドフォンの記事を書きました。
PCオーディオ系ではラックスマンの話題のDA200、アンテロープのZodiac+を書いています。両者ともDAC+ヘッドフォンアンプのように新しい世代のオーディオのカタチだけではなく、従来のアンプ・スピーカーもうまく取り込めるようによく考えられていると思います。
またヘッドフォン系ではSONYのZ1000とEX1000、また最近のヘッドフォンの動向一般の記事として「ヘッドホンの新定番はこれだ!」を書いています。ここではヘッドフォン祭りの話題を軸として、特にカスタムイヤフォンを取り上げたかったので、今回は国産の須山さんとカナルワークスさんに触れています。この辺ももっと活性化してくれるといいですね。

そのほかにもビートサウンドらしい音楽記事も面白く、今回はビートルズとそのフォロワーの特集です。フォロワー紹介としてはXTCや10CCからプログレまでカバーされています。クリムゾンの「宮殿」での常套句はビートルズを抜いたですし、イエスなんかでも初期作品はビートルズを意識してますね。
それとポールの「バンドオンザラン」やジョージの新譜のハイレゾ聴き比べなど、回顧だけではなく新しい話題が満載ですので、ぜひお買い求めください。


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2011年02月02日

Computer Audiophileにヘッドフォンのフォーラムが新規開設

うちでもいろいろと参考にしているComputre Audiophile(CA)のフォーラムですが、ヘッドフォンのフォーラムが新規に追加されました。

http://www.computeraudiophile.com/Forums/Equipment/Headphones

いままではスピーカーのフォーラムしかありませんでしたが、これは要望に応じたもので、最近「ヘッドフォンのことが書けるフォーラムが欲しい」とポストがありました。このときはおそらく「ヘッドフォンのことはHeadFiに書けばいいじゃないか」みたいなことを言われるんじゃないかと思ったんですが、意外とみな(HeadFiがあるのを踏まえてうえで)CAにもヘッドフォンフォーラムがあった方が良いという意見でした。そこで主催のクリスさんも良い人なんで快諾して設立にいたったというわけです。
ヘッドフォンのフォーラムがほしいという理由を読んでいて面白いと思ったのは、ヘッドフォンとコンピューターオーディオは相性が良いとか、ヘッドフォンを取り入れて若い人にオーディオに入って欲しいとか、日本で言っていることと同じだという点です。この辺の感覚は日米で共通しているようですね。

他のサイトでも6moonsでは主筆のSrajanさん自身が最近32Ω AudioというタイトルでSchiitのヘッドフォンアンプとかALOのポータブルアンプみたいにいわゆるHeadFiで取り上げそうな製品のレビュー企画をかなり精力的にやってます。StereophileではさすがにAtkinsonさんあたりは書きませんが、やはりこうした"HeadFi系"製品も活発に取り入れています。ネットだけではなくStereophile本誌でもサミュエルズさんのRSAアンプなんかはよく取り上げられています。

いまコンピューターオーディオがブームではありますが、実際はヘッドフォンオーディオというものがもうひとつの軸となっています。それが示し合わせたわけでもないのに日本もアメリカ(海外)も同じような状況だというのは、興味深いところです。これはうちのサイトがヘッドフォンとコンピューターオーディオやっているという手前味噌だけではないように思います。
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2011年01月27日

LINNのSongBook DSがセール

LINN DSのiPhoneクライアントは当初よりSongbook DSがありますが、高価なためPlugPlayerが使われることが多いと思います。
Songbookは現在日本では5800円のかなり高価なアプリです。

この1/29日の土曜日にこのアプリをセールするとの案内がLINN フォーラムに出ています。一日だけのセールです。ドルで$9.99ということなので1200円になると思います。
http://forums.linn.co.uk/bb/showthread.php?tid=9816
現地時間に合わせるということですが、日本が含まれるかどうかは表示してそのときに確認してみてください。

1/29追記 - 日本でもセール価格となっています。iTunesリンクは下記です。
http://itunes.apple.com/jp/app/songbook-ds/id295079739?mt=8
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2011年01月22日

ベストコンポ2011に書きました

音元出版のオーディオムック、ベストコンポ2011が本日発売されました。
今お勧めのAV機材の紹介がメインですが、USB DACやネットワークオーディオの基本的な解説も書かれています。その中でP182の音楽再生ソフトの動向とソフト紹介というところで執筆しましたのでご覧ください。
音楽再生ソフトについては最近の動向をまとめて書いています。またソフト紹介では操作性・機能性と音質の高さを両立するようなソフトの紹介とiPhoneアプリを交え、最新のMcIntosh AP1の話題まで含めて鮮度感にも挑戦してみました。

今年なにか機材を買おうとされている方はぜひ手に取ってください。


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2011年01月17日

AV REVIEW誌2月号に記事を書きました

AV REVIEW誌にも執筆させてもらうことになりました。本日発売の2月号に掲載されています。
AV REVIEW誌に書くといっても、ブルーレイなんかの記事を書くわけではなく純粋なオーディオ記事です。AV REVIEW誌はビジュアル分野だけではなく、オーディオも含めて広く家電系を扱っています。最近では立派なダンボールパッケージに入ったネットオーディオ・サンプルディスクがおまけについていたことを知っている人も多いでしょう。

今回は「ネットオーディオNOW」ということで次世代オーディオの特集です。私はその中の192/24対応USB DACの特集の中でUSBクラス2とかWASAPIなど、最新キーワードの解説というテーマでいくつか項目の解説記事を書きました。

他の記事でもこの「ネットオーディオNOW」では興味のある人も多いでしょうRME Babyfaceの記事をはじめいろいろと掲載されています。
メインの記事はBDレコーダーの総力特集ですが、他にもスマートフォンのAV分野への応用の記事などなかなか面白い記事がたくさんありますのでぜひお買い求めください。



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2010年12月09日

オーディオベーシック冬号発売

オーディオベーシックの冬号は今日発売です。
http://kk.kyodo.co.jp/pb/ab/index.htm

私は今回はまずP202でQB-9 192とUSBオーディオクラス2についての記事を書きましたのでご覧ください。QB9のクラス2の扱いがMacとWindowsで異なるのがわかると思います。
USBオーディオクラス2に関してはもっと増えて行くと思いますので、まとめ記事が必要だと思いました。

またP100でのコンポーネントランキングで今年からDACが独立したことで、私が選者の一人になっています。
2機種まではそろってるのは面白いところだと思いますが、いわば今年のテッパンでしょう。3機種目の選択で個性が出てると思います。

また高音質CDもこの季節らしいものです。ぜひお買い求めください。


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2010年11月28日

コンピューターオーディオとソフトウエアドメイン

オーディオではCD時代からデジタル処理が取り入れられ、そこからずっとデジタルドメインとアナログドメインの二つの世界が混在して来たわけです。それぞれにデジタルドメインの問題とかアナログドメインの問題を抱えています。
しかし、このコンピューターオーディオの時代ではそれに加えてビットパーフェクトや演算誤差などソフトウェア的な要因で音が変わります。これはデジタルドメインとも切り離して考えるべきだと思いますが、そうした要素は「ソフトウエアドメイン」と呼ぶべきではないかと思います。

演算誤差などは本来は従来のDACでもファームウエアレベルであったわけですが、コンピューターオーディオ時代でははるかに複雑になっています。
たとえば人類がいままで作ったもので一番複雑なものはスペースシャトルだそうです。シャトルは約250万点もの部品から構成されています。一方でWindows OSは5000万行以上とも言われるプログラムから構成されています。これは5000万点の部品があるのと同じことです。シャトルと比べてもパソコンのOSというのはかくも複雑であり、さらにその上で走るソフトウエアもフレームワークやライブラリなどを考えれば数万から数十万行くらいの部品点数はざらにあるわけです。そしてこれらが資源を共有しながら同時にいくつも実行され、データが行ったり来たりします。
それがソフトウエアドメインの世界です。

実際こうした概念を導入することで、コンピューターを使ったオーディオが独自に抱える問題というのがわかりやすくなると思います。コンピューターオーディオというのはもはや単にCDプレーヤーの延長ではないし、反面でこうした複雑さがまた高度な柔軟さを可能にしているといえます。
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2010年11月19日

音展でPCオーディオfanセミナー開催

今週末に秋葉原で「音展」が開催されますが、そこで角田先生によるセミナーが開催されます。和田先生も参加するということですので、ぜひおこしください。11/21(日)11:00からです。詳細は先日公開されたウエブ版のPCオーディオfanにて掲載されています。
http://www.pc-audio-fan.com/

なおウエブ版のPCオーディオfanには私がPCオーディオfan2で書いた記事も再録ですが掲載されていますので、よろしくお願いします。
posted by ささき at 09:42 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月12日

ポータブルPCオーディオ Sharp T1編

ヘッドフォン祭でDACportのデモにSharp Netwalker T1を使ったんですが、これはどういう風に組むのかという質問がありましたので簡単に書いておきます。

IMG_1476.jpg

以前SharpのNetwalkerを使用したポータブルPCオーディオを紹介しましたが、その後継でタブレット型のNetwalker T1が中古で半額くらいになってましたので、またちょっとポータブルPCオーディオを復活させました。(ちなみにポータブルネットワークプレーヤーの記事はこちら)
Sharp T1(Ubuntu 9.04)上でミュージックプレーヤーはListenを使い、楽曲ファイルはFLACでminiSDに格納します。USBケーブルはこのときはフルテックで、あとはDACportに接続するだけです。DACportはUSB DACとヘッドフォンアンプが内蔵されているので、このままヘッドフォンにつなげばHD800でも十分鳴らせます。
こんなシンプルでコンパクトなシステムから上質な音が出るのに驚く人も多かったようです。

まずT1ですが、タブレット型というのもちっょと気恥ずかしいのですが、タブレット機として定価でiPadなどと比べるものではありませんので、そういう使い方をしたい人は迷わずiPadを買ってください。ただしリウドのBluetoothキーボードをつけると、ワープロ用途には役に立つと思います。リウドのBluetoothキーボードを買うときはJIS版が良いと思います。(iPhone/iPadに使うときはUS版が必要ですので注意ください)

ここではあくまでT1を携帯プレーヤーとしてのみ使います。T1の唯一にして最大のよいところは普通のUbuntuを搭載していることです。ただし全てのUbuntu対応アプリケーションが走るわけではないことに注意が必要です。T1と最新のUbuntuプラットフォームの違いはT1がインテルベースでないということと、OSが9.04であるということです。また9.04も若干シャープ向けにカスタマイズされています。9.04とはUbuntuの場合は2009年04月にリリースしたパッケージという意味です。Ubuntuは年二回リリースされています。

USB DACベースのポータブルPCオーディオプレーヤーとしての使い方ですが、次のような手順です。参考文献として「Netwalkerガイドブック」(P54)を参照していますので、詳しくはそちらもみてください。

1. まず買ったらネットに接続して最新の状態にシステムをアップデートします。
初期状態では無線がオフになっているかもしれないので、無線LANを使うときはメニューからデバイス設定を開けて確認します。

2. アプリケーションの追加と削除から、全ての対応アプリケーションを選択して、検索欄に"Ubuntu ristricted extras"と入れて選択し、ダウンロードします。これはCODEC対応のためです。

3. ミュージックプレーヤーソフトとしてListenおよびExaileをダウンロードします。ためしたところこの二つが満足いくほど実行できるミュージックプレーヤーでした。これと9.04の標準の動画プレーヤー(Totem)の3つがT1ではうまく使えると思います。他はUSB機器を認識しなかったり、立ち上がらなかったりであまりうまく使えません。

4. MicroSDにFLAC形式で楽曲ファイルを格納して適当なフォルダ分けして、T1に挿入します。最新のアップデートをしていれば自動的にマウントされるはずです。楽曲ファイルはプレイリストで管理するためタグがついているのが好ましいです。

5. USB DAC(たとえばDenDACやDACport)をT1に接続します。そしてメニューからオーディオ設定をあけてドライバーとミキサーの組み合わせを選択します。
Ubuntuではいくつかのドライバーとバックエンド(ミキサー)の組み合わせを選択できます。9.04のT1ではわたしはOSSを使いました。(ALSAも動作はするようです)

6 ListenまたはExaileを立ち上げてMicroSDの音楽ライブラリーをインポートする。

Linuxにもたくさんのミュージックプレーヤーソフトがあります。多機能なものから、シンプルで音質に特化したものまでけっこう多彩です。ただしT1では先に書いたようにすべては動作できません。OSSでちょっと試したところではExaileの方が高機能ではありますが、音はListenの方がやや良いように思えます。
ちなみにこちらExaileです。
http://exaile.org/
こちらはListenです。
http://www.listen-project.org/
Ubuntuの場合はパッケージマネージャーでインストールできるのでこれらのホームページはあまりみなくて良いと思います。メニューのアプリケーションの追加と削除からインストールしてください。

このT1とDenDACまたはDACportを組み合わせて、フルテックのUSBケーブルで接続しています。やはりこのUSBケーブルが長いというのがネックではありますね。また、USBポートが上面に移動したことで、取り回しが厄介ではあります。

ちなみにこんなコンパクトシステムだけではなく、本格的なフェーズテックHD-7Aなんかにも使ってみてください。きっと驚くと思うとともに、トランスポートってなに、というところを自問してしまうかもしれません。
posted by ささき at 23:35 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月28日

PCオーディオFan3刊行 !

コンピューターオーディオ雑誌発刊のトリとなるのはもはやお馴染みの共同通信社、オーディオベーシックの別冊であるPCオーディオFan3です。本来週末刊行ですが、週末はヘッドフォン祭があってアップが難しいのでいま書いておきます。

付録に今回は高音質音源のほかにミュージックプレーヤーソフトがついているのが特徴です。Windows用のWave file PlayerとMacにはAmarraのデモ版です。
わたしはずいぶんまえ、いまはなきイケオンさんが企画したPCトランスポートの試聴会にいったとき、Wave file Playerの前身となるソフトをデモとしていただいたことがあります。もともとはそのトランスポートの再生ソフトとして使われるはずだったものだと思いました。あのPCトランスポートはいまから考えると早すぎた企画ではありましたが、いままたソフトが見られるというのはよいことです。音も結構良いですね。

私は3点寄稿していますが、ミュージックプレーヤーの包括的な特集がひとつ、ここではミュージックプレーヤー概論のような形で基本的なポイントから特徴まで機能的な面から解説しています。基礎的なところはシンプルなWave file Playerを使って分かりやすく解説しています。こういう点ではソフトがついてくるというのは読者共通のベースとできるので良いところです。

そして拡張性の高さという点からFoobarを別に取り上げて解説してPCオーディオのプレーヤーの備えるべき機能などを書いています。Foobarの最新版ではコンポーネントマネージャーがついているのですが、これは右上の単行本の中でFoobarを取り上げたときにはこの機能はまだなかったので、この辺も進展の早さにメディアがついていくというのはなかなか大変です。

もう一点はお家芸か、という感じですがPCオーディオとハイエンドヘッドフォンについて書いています。PCオーディオとヘッドフォンは相性がよい、というところから、最新のhiFace evoの応用まで書いています。evoも載せるにはぎりぎりのタイミングでした。

実はもう一点半分原稿書いたのがあったんですが、これは発展的に次のオーディオベーシック本誌にまわすことになりました。PCオーディオの世界も進展が早いので、こうして本誌と補完関係にあるというのも良いかもしれませんね。(都合により掲載がないかもしれませんので念のため)
そういうわけですので次の12月発売のオーディオベーシックもよろしくお願いします。

また、共同通信ではウエブ版のメディアも用意されています。これは30日と聞いていましたが、少し遅れて11/中くらいになると思います。
上に書いたように進展の早い業界ですので、こうしたオンラインメディアも良いですね。

共同通信さんではヘッドフォン祭とあわせてPCオーディオ展も主催しますので、会場に足を運んでください。(空模様が気になりますが)

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2010年10月27日

ステレオサウンド社 DigiFi 発行 !

本日ステレオサウンド社のコンピューターオーディオ誌、DigiFiが発売されました。
DigiFiはコンピューターオーディオを中心にしていますが、他紙に比べるともう少し幅広くターゲットの裾野を広げています。たとえばポータブルオーディオやiPod、もちろんヘッドフォンなども大きく取り上げています。その点でいまのオーディオの流れをうまく組み上げていると言えます。

私は二点書いているのですが、ひとつはP102からのポータブルオーディオに関するものですがかなりページを使っています(cowonのところを除く)。これまでの雑誌だとiPodそのまま、という感じですが、DigiFiではそれをオーディオの一部として、ポータブルアンプやHifimanまで取り上げています。メジャーなiQubeから最新のCorda Stepdanceまで載せました。ポータブルオーディオと言うものをきちんとしたオーディオ誌で、オーディオとして取り上げてもらうというのは大きな一歩のように思います。
もう一件はなんと注目、P140の"Music to go開設前夜"という、このブログの成り立ちに関する記事です。いまのポータブルオーディオとか、ヘッドフォンムーブメントの成り立ちをうちのブログの成立の前後を通して解説するというような感じです。あくまで一人の視点ということですが、こういう切り口もいまのオーディオのボトムアップの文化を話すうえで面白いと思います。

他の記事としては坂本龍一さんやKOKIAさんなどミュージシャンと多くからませていると言うのも面白いところです。坂本龍一さんというとYMOとか映画音楽の印象が強くて旧世代のイメージもあるかもしれませんが、実際はエレクトリカアーチストなどとの親交も深いし、新しいムーブメントにリアルタイムで取り組んでいる現役ミュージシャンです。
また、DigiFiも付録の高音質音源がついていて、パスワードでダウンロードできるようになっています。普通こうしたものだとジャズとかクラシックですが、DigiFiではポップなどを使ってより広い世代にアピールすることを考えています。
DigiFiはステレオサウンド別冊ですが、本としてはビートサウンドの流れを汲んでいるので、音楽を軸とした新しい世代へのオーディオの提言としても意味を持つ雑誌なのではないでしょうか。

コンピューターオーディオ誌がどっと出たという感じもするかもしれませんが、各社各様に自分の強みを活かして編集しているので読み比べるのも面白いと思いますよ。


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2010年10月25日

Net Audio創刊!

今月末はコンピューターオーディオ雑誌(ムック)が3冊刊行されますが、まず本日は音元出版さんから「Net Audio」が発売されます。
音元出版さんではいわゆるコンピューターオーディオはNet Audioと呼称するそうです。これは編集部の巻頭言に記載されています。
私もけっこう好きで「黒のクレール」のピュアアコースティック版も持っている、大貫妙子さんのインタビューから始まり、盛りだくさんの製品紹介が楽しめます。紙面もきれいで読みやすいものになっています。

わたしはNet Audio誌には3点ほど寄稿していて「リッピングとファイル形式(P62)」「再生ソフトウエア比較(P59)」「iPadとリモートコントロールアプリ(P84)」のそれぞれについて記事を書いています。

このほかにも付録も充実していてサンプリングレートを変えたり、ビット幅を変えたりしたデータを変えて違いを試聴できるDVDディスクと、パスワードを入れることで無料のダウンロードができる権利が付録としてついています。ぜひお買い求めください。
またAV Review誌にもNet Audioサンプラーが付録としてついています。




なおこの後は27日にステレオサウンド社から「DigiFi」が発売されます(寄稿あり)。
30日には共同通信社から「PCオーディオFan3」が発売されます(寄稿あり)。また30日にはもうひとつアナウンスがあるかもしれません。
なんともコンピューターオーディオ本三昧でヘッドフォン祭とインターナショナルオーディオショウに突入していきます。たくさんコンピューターオーディオ機材も出ると思うので、これらの本でたっぷり予習しておきましょう!
あと右上の本も一応よろしくお願いします(^^
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2010年10月06日

PCオーディオ本一時品切れ

共同執筆してますPCオーディオ本ですが、現在なんとAmazonで一時品切れ状態になってしまいました!そのうち解消すると思います。
最高で本全体で250位くらいまで行きました。 好評をいただきありがとうございます。書店では7日に発売予定です。
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2010年10月04日

「パソコンで楽しむ極上オーディオサウンド」リリース

角田先生監修の元に私が参加して書いている単行本「パソコンで楽しむ極上オーディオサウンド」ですが、今週の木曜日(10/7)に発売されます。リリースPDFができましたのでこちらにアップします。

オーディオリリース2.pdf

各章とびらに筆者名がありますが、この中では4章と5章はほぼ私が担当して2章と3章は共同執筆によるものです。1章と6章は角田先生執筆です。
ちなみに書いておくとこの単行本は広告・スポンサーなしです。多少バランスは考慮しましたが、基本的に好きなものを好きなように入れ込んでいます。HE5LEとかJH13とかHM801とか、こうした普通のオーディオ本に書いちゃっていいんでしょうか(笑)。
けっこう好きなように書かせてもらいましたが、もちろん誰にでも楽しめる本と言う内容も抑えたつもりです。なにげに基本的なところから深いところまで、というのが書いているときのテーマでした。

なにがこれからのオーディオ界を推し進めていくのか、その手がかりになれば幸いです。
購入はブログ右上のリンクからどうぞ。

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