Music TO GO!

2010年11月28日

コンピューターオーディオとソフトウエアドメイン

オーディオではCD時代からデジタル処理が取り入れられ、そこからずっとデジタルドメインとアナログドメインの二つの世界が混在して来たわけです。それぞれにデジタルドメインの問題とかアナログドメインの問題を抱えています。
しかし、このコンピューターオーディオの時代ではそれに加えてビットパーフェクトや演算誤差などソフトウェア的な要因で音が変わります。これはデジタルドメインとも切り離して考えるべきだと思いますが、そうした要素は「ソフトウエアドメイン」と呼ぶべきではないかと思います。

演算誤差などは本来は従来のDACでもファームウエアレベルであったわけですが、コンピューターオーディオ時代でははるかに複雑になっています。
たとえば人類がいままで作ったもので一番複雑なものはスペースシャトルだそうです。シャトルは約250万点もの部品から構成されています。一方でWindows OSは5000万行以上とも言われるプログラムから構成されています。これは5000万点の部品があるのと同じことです。シャトルと比べてもパソコンのOSというのはかくも複雑であり、さらにその上で走るソフトウエアもフレームワークやライブラリなどを考えれば数万から数十万行くらいの部品点数はざらにあるわけです。そしてこれらが資源を共有しながら同時にいくつも実行され、データが行ったり来たりします。
それがソフトウエアドメインの世界です。

実際こうした概念を導入することで、コンピューターを使ったオーディオが独自に抱える問題というのがわかりやすくなると思います。コンピューターオーディオというのはもはや単にCDプレーヤーの延長ではないし、反面でこうした複雑さがまた高度な柔軟さを可能にしているといえます。
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2010年11月19日

音展でPCオーディオfanセミナー開催

今週末に秋葉原で「音展」が開催されますが、そこで角田先生によるセミナーが開催されます。和田先生も参加するということですので、ぜひおこしください。11/21(日)11:00からです。詳細は先日公開されたウエブ版のPCオーディオfanにて掲載されています。
http://www.pc-audio-fan.com/

なおウエブ版のPCオーディオfanには私がPCオーディオfan2で書いた記事も再録ですが掲載されていますので、よろしくお願いします。
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2010年11月12日

ポータブルPCオーディオ Sharp T1編

ヘッドフォン祭でDACportのデモにSharp Netwalker T1を使ったんですが、これはどういう風に組むのかという質問がありましたので簡単に書いておきます。

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以前SharpのNetwalkerを使用したポータブルPCオーディオを紹介しましたが、その後継でタブレット型のNetwalker T1が中古で半額くらいになってましたので、またちょっとポータブルPCオーディオを復活させました。(ちなみにポータブルネットワークプレーヤーの記事はこちら)
Sharp T1(Ubuntu 9.04)上でミュージックプレーヤーはListenを使い、楽曲ファイルはFLACでminiSDに格納します。USBケーブルはこのときはフルテックで、あとはDACportに接続するだけです。DACportはUSB DACとヘッドフォンアンプが内蔵されているので、このままヘッドフォンにつなげばHD800でも十分鳴らせます。
こんなシンプルでコンパクトなシステムから上質な音が出るのに驚く人も多かったようです。

まずT1ですが、タブレット型というのもちっょと気恥ずかしいのですが、タブレット機として定価でiPadなどと比べるものではありませんので、そういう使い方をしたい人は迷わずiPadを買ってください。ただしリウドのBluetoothキーボードをつけると、ワープロ用途には役に立つと思います。リウドのBluetoothキーボードを買うときはJIS版が良いと思います。(iPhone/iPadに使うときはUS版が必要ですので注意ください)

ここではあくまでT1を携帯プレーヤーとしてのみ使います。T1の唯一にして最大のよいところは普通のUbuntuを搭載していることです。ただし全てのUbuntu対応アプリケーションが走るわけではないことに注意が必要です。T1と最新のUbuntuプラットフォームの違いはT1がインテルベースでないということと、OSが9.04であるということです。また9.04も若干シャープ向けにカスタマイズされています。9.04とはUbuntuの場合は2009年04月にリリースしたパッケージという意味です。Ubuntuは年二回リリースされています。

USB DACベースのポータブルPCオーディオプレーヤーとしての使い方ですが、次のような手順です。参考文献として「Netwalkerガイドブック」(P54)を参照していますので、詳しくはそちらもみてください。

1. まず買ったらネットに接続して最新の状態にシステムをアップデートします。
初期状態では無線がオフになっているかもしれないので、無線LANを使うときはメニューからデバイス設定を開けて確認します。

2. アプリケーションの追加と削除から、全ての対応アプリケーションを選択して、検索欄に"Ubuntu ristricted extras"と入れて選択し、ダウンロードします。これはCODEC対応のためです。

3. ミュージックプレーヤーソフトとしてListenおよびExaileをダウンロードします。ためしたところこの二つが満足いくほど実行できるミュージックプレーヤーでした。これと9.04の標準の動画プレーヤー(Totem)の3つがT1ではうまく使えると思います。他はUSB機器を認識しなかったり、立ち上がらなかったりであまりうまく使えません。

4. MicroSDにFLAC形式で楽曲ファイルを格納して適当なフォルダ分けして、T1に挿入します。最新のアップデートをしていれば自動的にマウントされるはずです。楽曲ファイルはプレイリストで管理するためタグがついているのが好ましいです。

5. USB DAC(たとえばDenDACやDACport)をT1に接続します。そしてメニューからオーディオ設定をあけてドライバーとミキサーの組み合わせを選択します。
Ubuntuではいくつかのドライバーとバックエンド(ミキサー)の組み合わせを選択できます。9.04のT1ではわたしはOSSを使いました。(ALSAも動作はするようです)

6 ListenまたはExaileを立ち上げてMicroSDの音楽ライブラリーをインポートする。

Linuxにもたくさんのミュージックプレーヤーソフトがあります。多機能なものから、シンプルで音質に特化したものまでけっこう多彩です。ただしT1では先に書いたようにすべては動作できません。OSSでちょっと試したところではExaileの方が高機能ではありますが、音はListenの方がやや良いように思えます。
ちなみにこちらExaileです。
http://exaile.org/
こちらはListenです。
http://www.listen-project.org/
Ubuntuの場合はパッケージマネージャーでインストールできるのでこれらのホームページはあまりみなくて良いと思います。メニューのアプリケーションの追加と削除からインストールしてください。

このT1とDenDACまたはDACportを組み合わせて、フルテックのUSBケーブルで接続しています。やはりこのUSBケーブルが長いというのがネックではありますね。また、USBポートが上面に移動したことで、取り回しが厄介ではあります。

ちなみにこんなコンパクトシステムだけではなく、本格的なフェーズテックHD-7Aなんかにも使ってみてください。きっと驚くと思うとともに、トランスポートってなに、というところを自問してしまうかもしれません。
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2010年10月28日

PCオーディオFan3刊行 !

コンピューターオーディオ雑誌発刊のトリとなるのはもはやお馴染みの共同通信社、オーディオベーシックの別冊であるPCオーディオFan3です。本来週末刊行ですが、週末はヘッドフォン祭があってアップが難しいのでいま書いておきます。

付録に今回は高音質音源のほかにミュージックプレーヤーソフトがついているのが特徴です。Windows用のWave file PlayerとMacにはAmarraのデモ版です。
わたしはずいぶんまえ、いまはなきイケオンさんが企画したPCトランスポートの試聴会にいったとき、Wave file Playerの前身となるソフトをデモとしていただいたことがあります。もともとはそのトランスポートの再生ソフトとして使われるはずだったものだと思いました。あのPCトランスポートはいまから考えると早すぎた企画ではありましたが、いままたソフトが見られるというのはよいことです。音も結構良いですね。

私は3点寄稿していますが、ミュージックプレーヤーの包括的な特集がひとつ、ここではミュージックプレーヤー概論のような形で基本的なポイントから特徴まで機能的な面から解説しています。基礎的なところはシンプルなWave file Playerを使って分かりやすく解説しています。こういう点ではソフトがついてくるというのは読者共通のベースとできるので良いところです。

そして拡張性の高さという点からFoobarを別に取り上げて解説してPCオーディオのプレーヤーの備えるべき機能などを書いています。Foobarの最新版ではコンポーネントマネージャーがついているのですが、これは右上の単行本の中でFoobarを取り上げたときにはこの機能はまだなかったので、この辺も進展の早さにメディアがついていくというのはなかなか大変です。

もう一点はお家芸か、という感じですがPCオーディオとハイエンドヘッドフォンについて書いています。PCオーディオとヘッドフォンは相性がよい、というところから、最新のhiFace evoの応用まで書いています。evoも載せるにはぎりぎりのタイミングでした。

実はもう一点半分原稿書いたのがあったんですが、これは発展的に次のオーディオベーシック本誌にまわすことになりました。PCオーディオの世界も進展が早いので、こうして本誌と補完関係にあるというのも良いかもしれませんね。(都合により掲載がないかもしれませんので念のため)
そういうわけですので次の12月発売のオーディオベーシックもよろしくお願いします。

また、共同通信ではウエブ版のメディアも用意されています。これは30日と聞いていましたが、少し遅れて11/中くらいになると思います。
上に書いたように進展の早い業界ですので、こうしたオンラインメディアも良いですね。

共同通信さんではヘッドフォン祭とあわせてPCオーディオ展も主催しますので、会場に足を運んでください。(空模様が気になりますが)

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2010年10月27日

ステレオサウンド社 DigiFi 発行 !

本日ステレオサウンド社のコンピューターオーディオ誌、DigiFiが発売されました。
DigiFiはコンピューターオーディオを中心にしていますが、他紙に比べるともう少し幅広くターゲットの裾野を広げています。たとえばポータブルオーディオやiPod、もちろんヘッドフォンなども大きく取り上げています。その点でいまのオーディオの流れをうまく組み上げていると言えます。

私は二点書いているのですが、ひとつはP102からのポータブルオーディオに関するものですがかなりページを使っています(cowonのところを除く)。これまでの雑誌だとiPodそのまま、という感じですが、DigiFiではそれをオーディオの一部として、ポータブルアンプやHifimanまで取り上げています。メジャーなiQubeから最新のCorda Stepdanceまで載せました。ポータブルオーディオと言うものをきちんとしたオーディオ誌で、オーディオとして取り上げてもらうというのは大きな一歩のように思います。
もう一件はなんと注目、P140の"Music to go開設前夜"という、このブログの成り立ちに関する記事です。いまのポータブルオーディオとか、ヘッドフォンムーブメントの成り立ちをうちのブログの成立の前後を通して解説するというような感じです。あくまで一人の視点ということですが、こういう切り口もいまのオーディオのボトムアップの文化を話すうえで面白いと思います。

他の記事としては坂本龍一さんやKOKIAさんなどミュージシャンと多くからませていると言うのも面白いところです。坂本龍一さんというとYMOとか映画音楽の印象が強くて旧世代のイメージもあるかもしれませんが、実際はエレクトリカアーチストなどとの親交も深いし、新しいムーブメントにリアルタイムで取り組んでいる現役ミュージシャンです。
また、DigiFiも付録の高音質音源がついていて、パスワードでダウンロードできるようになっています。普通こうしたものだとジャズとかクラシックですが、DigiFiではポップなどを使ってより広い世代にアピールすることを考えています。
DigiFiはステレオサウンド別冊ですが、本としてはビートサウンドの流れを汲んでいるので、音楽を軸とした新しい世代へのオーディオの提言としても意味を持つ雑誌なのではないでしょうか。

コンピューターオーディオ誌がどっと出たという感じもするかもしれませんが、各社各様に自分の強みを活かして編集しているので読み比べるのも面白いと思いますよ。


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2010年10月25日

Net Audio創刊!

今月末はコンピューターオーディオ雑誌(ムック)が3冊刊行されますが、まず本日は音元出版さんから「Net Audio」が発売されます。
音元出版さんではいわゆるコンピューターオーディオはNet Audioと呼称するそうです。これは編集部の巻頭言に記載されています。
私もけっこう好きで「黒のクレール」のピュアアコースティック版も持っている、大貫妙子さんのインタビューから始まり、盛りだくさんの製品紹介が楽しめます。紙面もきれいで読みやすいものになっています。

わたしはNet Audio誌には3点ほど寄稿していて「リッピングとファイル形式(P62)」「再生ソフトウエア比較(P59)」「iPadとリモートコントロールアプリ(P84)」のそれぞれについて記事を書いています。

このほかにも付録も充実していてサンプリングレートを変えたり、ビット幅を変えたりしたデータを変えて違いを試聴できるDVDディスクと、パスワードを入れることで無料のダウンロードができる権利が付録としてついています。ぜひお買い求めください。
またAV Review誌にもNet Audioサンプラーが付録としてついています。




なおこの後は27日にステレオサウンド社から「DigiFi」が発売されます(寄稿あり)。
30日には共同通信社から「PCオーディオFan3」が発売されます(寄稿あり)。また30日にはもうひとつアナウンスがあるかもしれません。
なんともコンピューターオーディオ本三昧でヘッドフォン祭とインターナショナルオーディオショウに突入していきます。たくさんコンピューターオーディオ機材も出ると思うので、これらの本でたっぷり予習しておきましょう!
あと右上の本も一応よろしくお願いします(^^
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2010年10月06日

PCオーディオ本一時品切れ

共同執筆してますPCオーディオ本ですが、現在なんとAmazonで一時品切れ状態になってしまいました!そのうち解消すると思います。
最高で本全体で250位くらいまで行きました。 好評をいただきありがとうございます。書店では7日に発売予定です。
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2010年10月04日

「パソコンで楽しむ極上オーディオサウンド」リリース

角田先生監修の元に私が参加して書いている単行本「パソコンで楽しむ極上オーディオサウンド」ですが、今週の木曜日(10/7)に発売されます。リリースPDFができましたのでこちらにアップします。

オーディオリリース2.pdf

各章とびらに筆者名がありますが、この中では4章と5章はほぼ私が担当して2章と3章は共同執筆によるものです。1章と6章は角田先生執筆です。
ちなみに書いておくとこの単行本は広告・スポンサーなしです。多少バランスは考慮しましたが、基本的に好きなものを好きなように入れ込んでいます。HE5LEとかJH13とかHM801とか、こうした普通のオーディオ本に書いちゃっていいんでしょうか(笑)。
けっこう好きなように書かせてもらいましたが、もちろん誰にでも楽しめる本と言う内容も抑えたつもりです。なにげに基本的なところから深いところまで、というのが書いているときのテーマでした。

なにがこれからのオーディオ界を推し進めていくのか、その手がかりになれば幸いです。
購入はブログ右上のリンクからどうぞ。

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2010年09月15日

PCオーディオの単行本を書きました

このたび、評論家の角田先生を監修として共同執筆によりコンピューターオーディオの単行本を書きました。いわゆる新書版サイズで1050円です。10/6に洋泉社さんより発売されます。
Amazonではすでに予約を受けていますので、みなさんよろしくお願いします(^^



内容はコンピューターオーディオの利点、基本的なシステム例と解説、代表的な機器類の写真つきの解説、ミュージックプレーヤーなど再生の基礎知識、応用的なオーディオセットアップ項目などなど、多岐にわたってカバーしています。わたしが参加してますのでヘッドホンなども従来のオーディオ本とは違い、きちんと一章を費やして取り上げています。PCオーディオ+ヘッドホン本と言っても良いくらいです。そういう意味では変わりつつあるオーディオ界の最新のガイドブックといっても良いかもしれません。

内容もEdition10まで含めた最新のものになっています。オーディオ雑誌ではなく普通の棚にも置く単行本ですので、出版社さんから一般の方でも分かるようにとけっこう細かい直しを要求されたりもしましたので、分かりやすいものになっていると思います。カラーページやイラストなども多く、初心者の手引書から、マニアの方が見て楽しむ図鑑的なところまで広く楽しんでもらえるものになっていると思います。

ぜひみなさんお買い求めください!

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2010年07月15日

Wadia 151 "Power DAC mini"

今回は角田さん試聴室でアクシスさん取り扱いのWadia 151の試聴をさせてもらいました。
これを見ているみなさんにはWadiaのiTransportは説明不要だと思いますが、iTransportはiPod/iPhoneからデジタル出力を取り出せるトランスポートです。
Wadia 151は、そのiTransportと組にするコンポーネントのひとつでプリメインアンプです。もうひとつはヘッドホンアンプ付きのDACが出る予定ですが、そちらはまだ分かりません。Wadia 151はすでに販売されていて好評のようです。

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Wadia 151はiTransportと同じ底面積でスタックできるプリメインアンプです。小さくともWadiaらしいデザインがなかなか良いですね。
デジタル入力が豊富でもちろんiTransportからもSPDIFで接続できますが、特別なアダプタが必要なわけではないので、基本的には一般的なスモールオーディオ製品と考えてよいと思います。
そこでここではiTransportをとりあえずおいといて、デジタル入力も豊富なのでWadia 151をデスクトップサイズのPCオーディオで使うシステムとして提案しようと思います。

まずWadia 151の特徴ですが、"Power DAC mini"という別名がついているように、入力から出力の最終段まですべてデジタルで処理されるところです。
こちらにメーカーページがあります。
http://www.axiss.co.jp/whatsnew_wadia151PowerDACmini.html

Power DACというのは普通のDACがデジタルデータをアナログ信号に変えるものであるのにたいし、デジタルを入力とするけれどもアナログに変換するのではなくそこでD級増幅をしてスピーカーを直接鳴らせるようにしたものということです。

デジタルオーディオのよくある質問のひとつに「CDがデジタルなんだから、デジタルアンプを使えばそのまま増幅できるのでは?」というものがあります。
たしかになんとなくそう思えますが、これはそう簡単ではありません。なぜなら、デジタルというのは単にデータをいったん符号化(数値化)する方式の総称であって、実際に符号化するやり方はたくさんあるからです。たとえばCDではPCMという方式で符号化されますが、D級アンプではPWMという方式を使います。これは前にこちらの「学研の大人の科学」の記事で少し書いたんですが、PWMという時間区分する方式はデバイスをアナログ的に制御するのに適しているからです。D級アンプの場合はパワーICの開け閉めということになります。
このため、全行程デジタルといっても実際にはPCMのデジタルデータをPWMに変換する必要があります。

Wadia 151の場合は前段にさる半導体メーカーと共同開発した「WD151D」というDSPチップを中心に、すべての入力をアップサンプリングして384kHz/24bitにしてから、PCM→PWM変換をします。それから後段でD級増幅をしてMOSFETでスピーカーを駆動できる電力を生み出します。
このようにアナログが途中に介在することはありません。


そこで実際の音ですが、こうしたコンピューターオーディオシステムを組んでみました。
ソースはMac AirとAmarra mini、そこからUSBケーブル(ゾノトーン)で直接Wadia 151のUSB入力につなぎます。
Wadia 151からはスピーカーケーブルでこの前書いたフォーカルのChorus Vにつなぎます。Macを除けばトータルで30万もしません。
こちら背面の写真です。かなり立派な端子が使われていますね。
151a.jpg

音はさすがに全行程デジタルのせいか気持ち良いくらい澄んだ端正な音を鳴らしますが、このアンプの一番のポイントは制動力というかスピーカーのコントロールだと思います。よくベンチマーク的に鳴らすアルヴォ・ペルトのオーケストラ曲でも実に堂々と鳴らします。低域もかなりよく出ます。このサイズの組み合わせですけど、ちょっと驚きます。もちろんフォーカルのスピーカーも価格の割にはかなり良いように思います。

次にUSB接続から変えてHalide Bridge(USB DDC)を使って、MacのUSBからWadia 151のSPDIF入力につなぎます。
Bridgeに変えると面白いことに音に厚みが増し、オーディオ的な艶っぽい美しさも感じられるようになります。USB接続ではちょっとデジタルアンプっぽいところもあったけど、これだと滑らかなまるでデジタルアンプとは思えないアナログアンプの音のようです。これくらいの音なら誰が聴いても納得するでしょう。
Bridgeで採用されているWavelengthのAsync方式のよさもありそうです。

ChordのCDトランスポート・コーダにもつないで見ましたが、ハイエンドCDトラポに変えても一層洗練された音になる伸びしろがあります。
ためしにフォーカルの大きなほう、スカーラにつないで見ても低域のコントロールが感じられるのはたいしたものです。こんなでかいスピーカーでもきちんとベースの制動感が感じられます。

組み合わせでだいぶ表情を変えるというのも面白いところです。ちょっとシステムを工夫すれば手ごろな価格で、これだけ音がよいシステムが組めるということですね。
iTransport用だからiTransportと組ませるということだけでなしに、iTransportから離れてもなかなか良いアンプです。このWadia 151を軸にいろいろなシステムを考えてみるのも面白いと思います。
posted by ささき at 23:39 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月24日

KriptonのUSB DAC付アクティブスピーカー KS-1HQM

KRIPTON(クリプトン)が今月末(6/30)にリリースする新製品のアクティブスピーカーを聞く機会がありました。大きなフォーカルの手前のスタンドに乗った小さなデスクトップタイプです。

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KRIPTONはスピーカーやオーディオアクセサリーの製作で知られていますが、同時にハイリゾの高品質配信も最近手がけています。しかし多くの人が高品質配信のよさを楽しむにはまだ環境が整っていない感もあります。
そこで手軽に高品質配信のよさを味わって欲しいという期待もこめられているのが、このアクティブスピーカー KS-1HQMです。

ホームページはこちらです。
http://www.kripton.jp/pc-audio_usb/active-speaker/pc-speaker_ks-1hqm/features/

iPhoneと比べてもこんなにコンパクトです。

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KS-1HQMはアクティブスピーカーなのでスピーカーと一体になったアンプを搭載していてアナログ入力を受けられるとともに、96/24対応のUSB DACと光デジタル入力も搭載しています。USB DACは標準ドライバーなのでインストールも必要ありません。つまりパソコンひとつあればすぐにでも使うことができます。
しかし高品質配信を受けて楽しむためには、手軽ということだけではなく再生機器側も音質が高いことが必要です。アクティブスピーカーというと、PCにつけるスピーカーとか、iPod用のデスクトップタイプとか、手軽さだけに重点がいっている機器がほとんどだと思います。このKS-1HQMはそうした手軽さが売りのアクティブスピーカーとは音質という点で一線を画すための工夫がされています。

まず目が行くのは、スピーカーの下に置かれた別筐体の台座です。これはわたしもはじめはよくあるオプションのスタンドか、あるいはアンプが入っているのかと思いましたが、そうではありません。
これはあくまで標準でついているものです。アクセサリーメーカーらしい強みともいえますが、実はこれ自体がひとつのスピーカーシステムの中できちんとした役割を持っていて、これなしでは成立しないパッケージともいえます。

それはこういうことです。スピーカーユニットはバスレフ付きのフルレンジユニットで、ピアレスの6.35cmユニットを使用しています。ポイントはこの口径で低域まで十分に出すために、振幅(ピストンモーション)の幅を十分に確保していることです。Mark&Danielのところでも書きましたが、口径が小さくてもユニットの振幅の幅が十分にあれば動かす空気の量は多くなり、低域も十分に確保できます。ただし、その力を出すためには巻き線を工夫してドライバを強めねばなりません。そうすると能率が低くなってしまいます。そこで25W/chというこのサイズにしては過大なくらいのパワーをデジタルアンプを使ってカバーしています。
また、この小さな筐体で振幅がそんなに大きいとキャビネが不要に動いてしまうので、その動きを相殺するためにこの台座があります。この台座はスピーカーの本体とは3つのインシュレーターを介しています(スピーカーを持ち上げるときには注意してください)。この台座はそれなりの重さがあるとともに、持って振ると分かるのですが、中に鉄球がはいっていて砂箱を振ったように振動します。これは動きを相殺する効果があるそうです。
これで大きな振幅による不要振動を緩衝して、クリーンな音に貢献しているわけです。

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このようにKS-1HQMは、高品質配信のための96/24USB DAC、低能率を打ち消すためのデジタルアンプ、不要振動を減らすための台座、とパッケージとしてひとつに有機的に機能しているわけです。

次に実際に音を聴いてみました。
システムはMac AirからUSBでKS-1HQM側のUSB端子に接続するだけのものです。USBケーブルは最近お気に入りのゾノトーンを使用し、プレーヤーはAmarra mini2.0を使用します。音量はKS-1HQM側のリモコンで調整できます。

まず音を出すと、声が気持ちよくセンターに定位するのに気が付きます。
FakieのFantasyがまずとても印象がよかったんですが、フルレンジの強みかヴォーカルがよどみなくスムーズで声の表情もよくわかります。またギターがぴしっとシャープで贅肉感が少なく、切れよく鳴ります。
次に驚いたのはクラシックでの堂々とした鳴りの良さです。小さなみかけよりも低域の量感もあるけれども、ポイントはこのクラスにしてこの量感というよりも、その音がゆるぎなくしっかりしているという印象を受けるところです。単に低音のぶわっとした量感だけ誇るというものもありますが、そうしたものとはちょっと異なります。
これはボリュームを大きくして聴いてもらいたいところです。実際、良録音の多くは意図的に録音レベルを引き上げていないので、低いレベルで入っていることが多く、再生機器側でボリュームを大きく上げる必要があります。KS-1HQMはそうしたときにも、その辺のアクティブスピーカーのようにビビリがなく、しっかりとした音鳴りという印象を受けます。
また96/24の曲も十分にハイサンプリングのよさが伝わります。

コンパクトなボディにも、オーディオ的に考慮されたパッケージがうまく生きているというところでしょうか。
また、手軽さという点では価格的にもかなりがんばっているようです。ペアで約5万円というといわゆるPCスピーカーよりは高いのですが、この内容であれば実際はもっと高くなるようです。それをネット販売限定ということで安く抑えたということです。
なんとなくPCスピーカーを使っていたけれども、一クラス上の音が欲しいという人にはお勧めです。また本格的なPCオーディオはやはり苦手だけれども、手軽に高品質配信を楽しみたいという人のサブ機にもよいのではないでしょうか。

興味あるかたは試聴会を7/3に開催するそうなので、ぜひ聴いてみて下さい。案内はこちらです。
http://www.kripton.co.jp/products/event.html

最後にはじめの高品質配信の話に戻りますが、Kriptonではあのマニアックに録音を追及する赤坂工芸(AKL)さんのアルバムもいくつか扱っています。以前私がマスターCDRの話題で書いたCreamyも扱っているとのことです。
Creamyはアルバムの最後にアルバムと関係ないのに赤坂工芸の人の趣味で録音した録音のための録音、にぎやかなドラムソロが入っていますが、これが96/24で入っているとなるとちょっと興味がわきますね。

配信サイトはこちらです。
http://hqm-store.com/


*現在は形式名KS-1HQMが正式な製品名となっているそうですので、初出時から変更しました
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2010年05月24日

Northstar USB dac32試聴

この週末は角田さん試聴室でナスペックさんがお持ちしたNorthstarの新型DACであるUSB dac32の試聴を行いました。
こちらに紹介ページがあります。
http://naspecaudio.com/north-star-design/model192dac-mk2/

コンパクトなDACでスペースをあまりとりません。そのわりには背面パネルはぎっしりと入出力端子で埋まっていますし、中は電源もアナログとデジタルの二系統にきっちりと分かれています。
入出力は豊富でアナログ出力はバランス、アンバランスの二系統を持っていて、入力にはAESやI2Sもあります。I2Sは端子のタイプがいくつかありますが、dac32ではRJ45(ネットワークの口)です。同ブランドのトランスポートと組み合わせることでI2Sを用いてデータとクロックを分離した高品質な伝送が出来ます。

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今回はMac ProとMac AirからUSBで聴いてみました。ソフトは角田さんのAmarraと私のAmarra miniで聴いてみました。
まず音の透明感が高く、ヴォーカルが明瞭にはっきりと聴き取れます。瑞々しさがあります。音の輪郭がきりっとしているようで、楽器のアコースティックな響きが気持ちよいですね。微細な表現力も高く、角田さんは音の消え入る部分がとても上手に再現できていると高評価です。
またスピードも早く、音の歯切れが良く曲のノリも良く聴こえます。そのためアップテンポの曲も気持ちよく再現します。

USBではカスタムドライバーを用いることで192/24も対応します。スペック的には32bitを入力できる能力があり、それがこの名前にもなっています。
再現力も高くてPC Audioファン2の192kのトラックでは96kバージョンに比べて密度感の違いがよくわかります。

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細かい再現力も高く切れも良いので、ヘッドホンにも向いている感じですね。ためしにLCD-2を使ってみましたがたしかに凄みを感じるくらいのものでしたね。
USBケーブルをいくつか変えて聴いてみましたが、いずれもケーブルなりの個性が見事に描き分けられていました。かなり高い能力を秘めているようです。
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2010年05月23日

ハイエンドショウ2010春

本日はハイエンドショウに行ってきました。
とくに目に付いた新製品というのはないのですが、とにかくPCオーディオ人気に驚きました。午後の音元出版さんのPCオーディオ講演ですが、ちょっと他のブースを聴いてから遅れた行ったところ、こんな感じでびっしりと埋まっていました。

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やはり関心の高さたるやすごいものがありますね。
イベントではフェーズテックHD7AとLINN DS、そしてAmarraなどを取り上げたはずです。はずです、というのはごらんのように機材自体はまったく見えませんでしたので(笑)。
LINN DS用にSSDのNASなんかもデモをしていました。

やはり先行していたLINN DSシリーズがPCオーディオのひとつの顔になっていると思いましたが、似たようなコンセプトの製品も出てきています。
そこでネットワークオーディオという視点で会場からいくつか取り上げます。

例えばこれは新しい製品ではありませんが、スフォルツァートのDSTというDLNAプレーヤーです。左上がDSTでその下は専用電源です。

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DSTは単に静音PCにサウンドカードをつけたものとは異なり、独自設計のデジタル回路にARMベースのLinuxコンポーネントをビルドインしたものということのようです。
DLNA対応なのでiPhoneのPlugPlayからこのように操作が出来ます。また、右のパソコンの液晶にはMediaPlayerが開いていますが、これはMediaPlayerから再生しているのではなく、「リモート再生」機能を使ってWindows7がDLNAコントローラとなっているので再生指示だけです。あくまで楽曲ファイルを再生するレンダラーはDSTです。楽曲ファイルはNASに入っています。

DLNAについてはこちらの前に書いた記事の4をご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/140262501.html

また完実さんではPS Audioの新しいブリッジ機能をデモしていました。こちらではなんとiPadを使っていました。

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PerfectWaveブリッジはPerfectWave DACに組み込むオプション基盤のようなものになります。デモではUSBメモリを挿して、そこに楽曲ファイルを入れていたようです。
このPerfectWaveブリッジをPWD(PerfectWave DAC)に組み込めばほぼLINN DS相当になるというわけです。

注意すべき点は上記二例ではiPhoneもiPadもあくまでコントローラーとして使っているということです。つまりどの楽曲ファイルを再生するか、スキップするかなどの指示を行っているだけで、iPhoneやiPadで再生(ファイルを読んでデジタル信号にデコード)しているのではありません。再生するのはレンダラーです。
ただし、、iPhoneもレンダラーになれるという事にも注意すべきです。この場合はiPhoneからストリーミング再生が出来ます。
混乱するかもしれませんが、DLNAの上では何がなんの役割をしているかということを把握する必要があります。

高いオーディオ性能が必要なのはレンダラーですので、通常はUIに優れたiPhoneやiPadをコントローラとして使い、DSTやPWDのような高性能機器をレンダラーとするのが好ましいわけです。
ただ利便性によってはiPhoneやiPad自体をレンダラーとしてストリーミングすることもまた可能です。
またiPadについてはレンダラーとしても可能性が見えますが、それはそのうちまた研究していくことにしましょう。
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2010年05月06日

GW新製品試聴

ゴールデンウイーク中にまた角田さん試聴室におじゃまして新製品のテストをしてきました。

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真ん中がStelloで右はリンデマン、左はINT202

Stello U2 USB-SPDIFコンバーター
こちらはStelloのUSB->SPDIFコンバーターです。音が安定するのに少し時間がかかるようですが、品の良いなかなか高音質でした。SPDIFのほかに独自仕様のI2Sも装備しています。同社製品との組み合わせも聴いて見たいものです。この分野も入門モデルだけではなく、いろいろと広がってきましたね。
これはカスタムドライバー不要で標準ドライバーで使えるので、iPadにも使えそうです。

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手前がToucanです。

Chord Toucan
本日リリースされたChordのヘッドホンアンプToucanです。こちらタイムロードさんのブログ記事です。
http://tlcons.exblog.jp/13627648/
名の由来は二つヘッドホンが使える(Two Can - canはヘッドホンのこと)ところから来ているようです。USB入力もありますが、本格的にバランス入力もあります。またクロスフィードも搭載されています。
音は高いほうと中域がちょっと強調された音鳴りで個性的にブランドの音を演出しているように思います。Chordetteの名の通りにGemの兄弟としてコードのミニチュア版ですね。


また今回は録音のマスターデータも少し聞かせてもらいましたが、PCオーディオってこうした世界に個人が少しでも近づけるという点で素晴らしいものだと思いました。
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2010年04月22日

PCオーディオfan2 本日発売 !

昨年発刊されてPCオーディオの専門誌として話題を呼んだ共同通信の「PCオーディオfan」の第2号が発売されました。
前号のPCオーディオfanは雑誌にしては異例なくらいの売れ方だったようで入手難を起したようですが、今回はお早めにどうぞ。



今回は良録音で知られるM.A.レーベルの凄腕エンジニア、タッドガーフィンケル氏によるハイリゾリューション音源がDVDとして付いています。いまうちのPCで聴いていますが、録音の質の高さとともに音楽的にも素晴らしいものばかりで、これだけでもゆうに価格分があると思います。
記事もまさにみっちりと高密度で詰った感じで、初心者からマニアまで読み応えあると思います。前号からもグレードアップされてますね。

わたしも長い記事を1つと短い記事を6つほど書かせてもらいました。
短いのはオーディオテクニカWS70とBT02、フォステクスHP-A7、B&WのP5、VinnieさんのIsabellina HPA、そしてhiFaceです。
そして長いのは「まずはPCオーディオを始めてみよう」です。
コンセプト的には入門記事ということなのですが、一口にそういっても範囲は広いものです。実際に書いてみるといろいろと反省点もありました。はじめは教科書的なものを書けばいいのかなあと考えてたんですが、検討してるうちにそもそもPCオーディオの入門ってどういうもの?という疑問にぶつかってしまいます。

日本で言う「PCオーディオ」という言葉はアメリカでは"computer audio"と言うようです。これはPCというと特にパソコン先進国のアメリカではWindows系マシン(つまりIBM-PC AT系の末裔)のみを指す意味あいが強いので一般化しているからでしょう。わたしもHeadfiで書くときはPCオーディオと書きたいときはcomputer audioと言い換えていますが、コンピューターを使うオーディオという意味では言葉的に同じことですね。

いまPCオーディオがブームといっても、知識のある自作PC派の人たちが静音シャーシにプレクスターとかLynxとか組み合わせ、OSをチューニングして音楽に特化したパソコンを作るって言うマニアックな行為はずいぶん前から行われてきたと思います。
ただこうしてあまりパソコンに詳しくない層とオーディオの世界とを巻き込んで大きなうねりになるというのは、たしかにここ最近と言えると思います。そこが実際はいまの「PCオーディオ」のポイントではないかと思います。

そうしたなかで、たぶん多くの人が迷うのはたとえて言えば、はじめて海外旅行に出た人が勝手がわからなくて戸惑うという感覚に近いのかもしれません。普通にご飯を食べたり、単に買い物するのにもどかしいという感覚です。
いままでCDという手でつかめる円盤をプレーヤーにセットすれば簡単に音楽が聴けたのに、ただ音楽を聴くだけでも、そこに手を伸ばすのがもどかしいという感覚でしょうか。

オーディオの世界から見ると幕末の黒船襲来的に異文化のなんかすごいのがやってきたという見方もできるかもしれません。
ただ外から見ると畏怖する黒船も、龍馬のように咸臨丸に自分で乗ってみれば、それがまったく異質のものではないというのが分かるでしょう。
そういう意味ではまず触れるという観点で書いてみました。

そして悩み多き幕末の後の日本が和と洋を折衷して世界に伸びて言ったように、PCオーディオって言うものをパソコンという文化とオーディオという文化の融合と位置づけるならば、異なる文化の融合がいままでにないものを作り出す可能性があります。
例えば単に楽曲ファイルを再生するだけではなく、Pure Vinylのように従来イコライザというハードで行っていたことをパソコンのソフトウエアで組み替えるというような発想もありますし、もっと考え付かなかったような可能性もたくさん秘めています。それが二つの異文化が融合するメリットでもあります。

もしかするとパソコン苦手意識の強い人はコンピューターというものに抵抗感をもって冷たいものと考えているかもしれません。
しかしそれはいささか心外ではあります。ひとつは前にこの記事で書いたようにデジタルというのは冷たいものではありません。人間もいわばデジタルデータから作られます。またアナログというのは日本語で言うと「相似」のことで、デジタルは「数値表現」のことですから、よく言われるような「断続と連続」のように相反する概念ではありません。デジタルとかアナログというのは単に表現方式、ものの見方に過ぎません。
もうひとつとして、わたしが最近よくiPhoneとかiPadがらみで昔のアップルとかダイナブックとか60-70年代あたりのコンピューターの理想を書いているのはコンピューター文化というものが熱くて情熱にみちた人間くさいものだからです。
その同じ時代はオーディオにとっても熱くて情熱に満ちた黄金期だったと思います。しかしそのころはこの二つの文化が大きく交わることはありませんでした。
しかし、いまそれが可能になったわけです。
そうしたオーディオやパソコンの青年期は熱く面白かった時代だったのでしょう。しかし、それらが融合できるといういまは、実はもっとエキサイティングな時代なのではないでしょうか?

そうしてPCオーディオを楽しいものと考えてもらえるのが一番の入門かな、とも思います。
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2010年03月15日

Asusのオーディオ志向ノートPC

CES2010のときにAsusがB&Oのデザインによるアルミ製のかっこいいノートPCを出していました。これはASUSのフラッグシップというかコンセプトモデルと考えられていましたが、CEBITではもう少し具体的な内容が明かされたようです。
iTech News NX90
面白いのはB&Oはデザインだけでなく、デジタルアンプのICEpower技術も提供しているということです。おそらく左右のウイングがICEpowerのパワードスピーカーになっているように思います。
価格も恐ろしい高くなく、聞くところだと$2500内外という話もあります。USB3.0を装備しているのもポイントです。
またこのフラッグシップだけではなく、普及機の方にもICEpowerを応用したものを出していくようです。
iTech news Nシリーズ
実際はどの程度なのかは聴いてみないと分かりませんが、いずれにせよオーディオ分野を意識してくれるのはいいことですね。
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2010年03月05日

PCオーディオ展開催 !

さていよいよ明日、PCオーディオに特化したイベントであるPCオーディオ展が開催されます。
わたしもうちのブログで書いているような機器をもって参加します。

ヘッドホン祭だともう慣れたもの、という感じだけど、いざPCオーディオ展ってなにしよう、と考えてしまいます。
PCオーディオ展を行う意味として、最近はカオスのようにいろいろな様相を見せるPCオーディオの世界ですが、その状況を整理して、やがてはヘッドホン祭のようにトレンドを発信できるイベントになればいいなと思います。そのためにはヘッドホン祭でヘッドホンのバランス駆動をやったみたいにテーマ設定が必要かなとも考えています。

そこで今回は「Async転送方式USB DAC」をテーマのひとつとしたいと考えています。その嚆矢たるWavelength社のProtonも持って行きますが、フェーズテックさんのご好意でHD-7Aをお借りして「最新Async転送方式USB DAC事情」という感じで展示してみたいと思っています。もしかするとQB-9も使えるかもしれません。
それと小型のDACportを使って「ポータブルPCオーディオ」なども展示してみようと思います。

持って行くPCはMacbook AirとLet's note W5、そしてNetwalkerを持っていく予定です。
PCオーディオではハードだけではなく、ソフトも必要です。
MacではAmarra miniがメインですが、今回タイミングのよいことにPure Vinylの単体プレーヤー版であるPure Music Playerがリリースされたので、「Amarraだけではない、Macの高品質プレーヤー対決」ということでAmarraとPure Music Playerを使おうと考えています。
ただデモは見栄えがよいのでPure Vinylを使うかもしれません。(これは見ると分かります)
WindowsではFoobar2000とuPnP(DLNA)の組み合わせをモバイルルーターを介してやってみるということで、ネットワーク方面も押さえておこうと思います。それとiZotopeのOzoneも使おうと思います。

今回は会場がアパートの中なのでスピーカーでもあまり鳴らせません。そこで再生機器はヘッドホンかデスクトップスピーカーとなります。
そこで再生機器はHeadroomとHD800、またはAudioEngine2を使おうかと考えています。

さて、どうなるか。まずはやってみないとわかりませんね。
posted by ささき at 19:37 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月28日

WiMaxモバイルルーター、どこでもネットワーク

今回はパソコンのネットワーク周辺機器についての紹介です。

ふつうノートパソコンやiPhoneを外出中にどこでもインターネットにつなげるには3Gなどの移動体通信を使用します。一方で家や特定のホットスポットで高速につなげたい場合には無線LANを使用します。
両方兼ね備えられると理想的ですが、昨年くらいからはじまったWiMaxというサービスはこの理想に一歩近づいたものです。つまりどこでもホットスポットのようなものです。
他の高速回線よりも月あたり割安で、出張時などひと月だけでも使えます。

よいとこどりのシテスムではありますが、もちろん問題はあります。
Wimaxでは電波の直線性が強いため、ひとつのアンテナで遠くまで届きますが、部屋や遮蔽物など中に回り込むことがむずかしい特性もあります。また、始まったばかりなので、まだ使えるのは都市圏近郊に限られてしまいます。カバーエリア等はこちらをご覧ください。
http://www.uqwimax.jp/

普通の無線LANとの親和性もあるためにパソコンに内蔵タイプも出てきていますが、多くはUSBアダプタなどを使うことになります。
しかしここに面白い選択肢があります。それがこれ、電池で動くポータブル無線ルーターです。

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ルーターというのはインターネットの分配器のようなものです。普通の無線ルーター(アクセスポイント)は家に固定してADSLなどにつないでそれから家中のPCで無線ネットを作ります。このポータブルルーターはバッテリー駆動で単体で動作します。(USBでネットアダプタとしても動作します)
つまりWiMaxの信号をうけて、それを範囲内のPCに分配できます。これがカバンに入れて使えるわけです。
PCやiPhoneからみると普通の無線ルーターと同じですので無線LANさえ付いていれば、WiMaxアダプタがなくても、複数台がこれに接続できます。つまり電車の中でも喫茶店の机の上でも自分だけのネットワークを形成できます。

さっそく使ってみましたが、なかなか画期的です。まず電車の中でも歩いていてもiPhoneで無線LAN接続ができます。これは通常は制限されている大容量のアプリやiTunesの使用が可能です。iTunesがどこでも使えると試聴し放題です。ただし大容量のアプリについては最近この制限が10MBから20MBに緩和されたので、有用性は減ったかもしれません。
Netwalkerなども同時につなぐことができます。Linuxだと接続アダプタに不安があったりしますが、これは内蔵無線LANを使うのでまったく問題ありません。

なかなかすばらしいんですが、問題もまたあります。
実際使ってみるとWimaxは意外と屋内まで入ってきます。XPのデスクトップにUSB無線アダプターだと実測で下り3-4Mbps、Macbook Airだと5-7Mbps程度出ていますので満足感ありますが、iPhoneなどで外で使うと体感速度にかなり波があります。また電車のように高速移動中だとかなり効率は落ちるように思います。沿線にも寄ると思いますが、カバー地帯でもブラックホールもまた多いように思います。安定性では3Gの方が安定して使えます。

たとえばiPhoneのSpeedtestアプリを使い計測すると、3Gは下りがだいたい1.5Mbsp - 2.3Mbpsくらいですが、上りは0.2Mbpx - 0.3Mbpsくらいです。たいしてWimaxは下りが1.5Mbps - 1.8Mbps、上りは1.8Mbps - 2.0Mbpsです。上りの方が平均して早いというのもなんですが、相性もあるかもしれません。
Wimaxで感度が3本立つ都内でも試してみましたが、近郊でも都内でもこの傾向は基本的に同じです。

はじめはiPadではこれなら3Gはいらないかと思ってましたが、iPadはiPhoneの延長にあるだろうことと、どこでも安定した接続を得るためには3Gがやはりよいかもしれません。ただしiPadはiPhoneと無線チップを変えてくるかもしれませんので、この辺は定かではありません。

また製品としては2.5時間しか電池が持たないというのが難ではあります。やや熱を持つというのもバッグで触れているものによっては問題かもしれません(ほんのりという程度ではありますが)。
ただ新しいモバイルの形を考えさせてくれるデバイスではあります。自前の無線LANを持ち歩くというのは応用性が広がります。


*最後に簡単に使い方を紹介しておきます。

まずはじめだけ製品を立ち上げるためにWindows PCが必要です。その後はMacでもLinuxでもiPhoneでも使えます。
はじめにUSBケーブルでWinodwsPCに接続します。するとドライバーがインストールされて、そのPCでモバイルルーターが認識されます。そうすると一時的なWimax接続状態になるので、その状態でプロバイダーを選びます。UQ直以外でもSo-netなどを使うこともできます。または15日間のお試し期間ということでも使えます。
ここまでできたら、後はケーブルを外しても単体のバッテリーで動きます。



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2010年02月17日

Auditorium - 音楽とゲームの融合

PCオーディオ系の記事はなかなか硬く難しくなってしまうことが多いんですが、ちょっと息抜きでもいかがでしょうか。

PCで楽しめる音学はミュージシャンの演奏だけではありません。PCとオーディオが融合することにより、いままでになかった形で「音」を楽しむことができるようになります。その一例として音楽とゲームの融合であるAuditoriumを紹介します。
ゲームと音楽といっても、ゲームのサントラを楽しむということではありません。
このAuditoriumはパズルを解くことで音楽を形作っていきます。プレーヤー自身がゲームをしながら音楽を作り上げていくという感覚でもあります。

おそらく説明するよりやったほうが早いと思います。
もともとAuditoriumはMacやiPhone用のゲームとして売られていますが、こちらの公式サイトにフラッシュ版があり、無料でさわりを楽しむことができます。
こちらがサイトです。オーディオをオンにしてからアクセスしてください。
http://www.playauditorium.com/

サイトが表示されたら真ん中の画像エリアをクリックしてください。すると全画面にゲームエリアが表示されます。全画面がいやなときはESCを押下するともとのサイズに戻ります。
すると色の付いたボックスと色の付いた「流れ」が見て分かると思います。
パズルの目的はこの流れをボックスに誘導して、「音楽」をためることです。ボックスいっぱいになると一面終了です。

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はじめは無音です。流れがボックスに触ることで、ボックス固有の音楽が流れ始めます。
初期状態(写真上左)ではいつまでもなにも起こらないので、矢印のマークをマウスで移動させます。サークルをマウスでつかんで下にドラッグしてください(写真上右)。
矢印マークが「流れ」に触れると流れの方向が変わります。そうして流れを誘導してボックスに導いていきます。すべてのボックスに音がいっぱいたまったら面クリアとなります。

pic3.gif     pic3b.gif

以降の面ではふたつ以上のサークルを組み合わせていきます。たとえば上左の写真のようにまず右に曲げて、次に上に曲げます。またサークルは周囲をつかむことで大きくでき、曲げる範囲を広げられます。上右の写真がそれです。
面が進むと複雑になっていくのでこの辺をうまく使う必要があります。さきには矢印以外のコントロールもどんどん出てきます。

あるボックスではそのボックス固有のフレーズが繰り返されるだけです。ボックスはそれぞれ異なるメロディーを持っていて、複数のボックスが流れに染まることによって、それらが複雑にハーモニーを奏でていきます。つまり本当の面白さは面が複雑になってきたときですし、音楽が美しくなるのもそうしてからです。
(下の写真はiPhoneでの画像です)

IMG_5001.png    IMG_4161.png    IMG_5004.png

映像的にも美しく、複雑な面ほど複雑に構成された音楽を楽しむことができ、映像も華やかになります。良いPCオーディオ機材でやっていると感動的な体験ができます。

iTunes Storeのリンクはこちらです。
http://itunes.apple.com/jp/app/auditorium/id333188474?mt=8

よいPCオーディオ機材で聴いて、この美しい世界を楽しんでください。
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2010年02月08日

Macbook Air購入とMacとWindows

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*軽い前置き

というわけでMac買いました。
わたしはもともとPlusからMacを使ってたんですが、アメリオ時代のAppleの凋落と使用したい周辺機材がやはりIBM-PC(Windows)系でないと使えないということで、最後に20周年記念Macを買ってさよならしていました。その辺からずっとWindowsを使ってきてます。
この時代のMacの苦悩は経営ということもありますが、Mac自体が新世代OSにいつまでも移行できなかったというのが最大の障害でした。(WindowsはNTで移行しています。この辺は名著「闘うプログラマー」に詳しく書いてあります)
その後ジョブズが戻って、Macの中身をすっかりNeXTと入れ替えて新世代OSをもたらしました。さらにiMacで商業的な成功を収めて、この新世代OSと経営的な課題を一気に解決しました。
この辺をちょっと書いたのはMacを買った言い訳とともにMacのオーディオ機能であるCore Audioの話をする前振りになります。

そして途中を10年ほど飛ばしますが、2009年後半からうわさになっていたiPadへのわたしの妄想というのはMacとiPhoneの両用というものでした。しかし先々週、深夜まで発表を見ていたわたしの前に現れたのはその半分だけのものでした。
既述したように、まあそれはそれでよいかと考えるようになったんですが、そうしたらその落ちてしまった半分のほうがほしくなってしまったというわけです。


*Macbook Air (Core2Duo 2.13GHz、128GB SSDモデル)

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というわけで久しぶりに聞くぽーんという起動音、Macbook Airです。
Macbook proという現実的選択よりも、Airの現実歪曲空間のほうが強く作用したと言うわけですが、実際に手にしてみるとたしかに、かっこいいにもほどがある、としか言えません。

Airはそれだけではなくなかなか中身もあります。
もともと最近スモールノートPCの記事を書いてたのはポータブルPCオーディオということもありますが、写真撮るときにPCを持っていって写真のセレクトと現像は現地とか電車の中でやりたいので、なんとかできないかと考えていたこともあります。結果としてAtomベースのマシンではこうした用途にはまったく対応できないというのは分かりました。現像は止まったかと思うほど、プレビューはぎくしゃくというわけです。
Airだと現像はデスクトップほどではなくてもそれなりに実用的な速度で行えます。またプレビューはほとんど瞬時にやってくれるのでセレクトにはまったく申し分ありません。思ってたよりも優秀です。

キーボードも過不足なく、外でなにか書いたりするのは気持ちよくできそうです。ちょっと画面解像度が狭いという点とUSB一基という点が難ではありますが、ここはいたしかたなしでしょう。
モノとしての魅力も含めて、かなり満足感は高いですね。

久しぶりとは言ってもわたしは会社ではMacも多少は使っているので、OS Xはまったく知らないわけではありません。
MacOSも私が前にSystem6とか7で使っていたときはコマンドコンソールは出したくてもその概念が存在しなかったわけですが、いまは物理アドレスを確認するときにはターミナルを出してifconfigとかコマンド打つ方が早いなんていう違和感もあったりしますので、似て非なる人という感覚もないことはありません。しかし全体にはより魅力的になったと思います。この辺は前置きに書いたとおりのことですね。


*PCオーディオとプラットフォーム(OS)による音の差

音楽メインで買ったわけではないんですが、当然オーディオ系も即試してみました。

簡単にこのMac Airと今メインのXPのデスクトップPCで聴き比べて試してみました。どちらも最新のiTunesを使用して、同じ楽曲ファイル(ALAC)、同じUSB DAC(DACport)、同じヘッドホン(Edition8)で比べてみるとMacの方がかなり音が良いのに驚きます。クリアさに大きく差が出ますね。それではとXPでいろいろ設定したFoobar2000とASIO4ALLを使ってみても、やはりなにもしてない買ったばかりのiTunesの方があっさりとより良く聞こえます。

基本的にかなり差になっているのはクリアさ、透明感です。XPではASIO4ALLを使ってもMacに比べると曇りがとれていません。
うちのXPはいろんなことをやるために使っているので、そんなにオーディオ向けにカスタマイズして軽くしているわけではありません。それでもこの差は決定的なものに思えます。デスクトップとSSDノートの違いもあるかもしれませんが、Macの方はスペック的には高くない低電圧CPUのAirですし、かたやXPはCore2Quadのマシンですからね。
もちろんiTunesで実際に音を出しているQuicktime自体の実装もはじめからOSの一部になっているMacとは異なるかもしれないので、正確な比較ではないかもしれませんし、そういう比較をする意図もないのですのですが、この差はちょっと考えさせられます。

新世代OSになる前はWindowsもMacもOSでサポートしているオーディオの仕組みに関してはそれほど優れたわけではなかったといえます。そんな理由でサードパーティーからASIOのような高品質・低レイテンシー(遅延)の仕組みが提案されてきたんだと思いますが、この問題にはじめに取り組んだのはより音楽分野で使われてきたMacの方です。MacではOS XからCore Audioというこうした高品質オーディオを実現する仕組みがOSレベルで取り入れられるようになりました。
Windowsの方は遅れてVistaからこの仕組みに取り組んでいます。なぜか同じCore audioと呼んでいるようですが、WASAPIもこれに含まれます。ゲームなどでよくいうDirectSoundはこのひとつ上のレイヤーのようなので、より深いレベルでの対策がWindowsでは遅れたということになりますね。
そういう意味でMac OS Xとはこの点でVistaやWindows7と比べるのが妥当とはいえます。

もうひとつの考慮点はXPのfoobar&ASIO4ALLとMacのiTunesを比べるとたしかに透明感ではMacのiTunesの方が上ですが、もう少し別な見方(聴き方)をしてみると、オーディオ的な意味での厚みとか実体感と言うような点ではそうとはいえません。
つまりここでの考察として透明感はプラットフォームのOSの差であり、厚みや解像感などはプレーヤーの差ではないかということです。

そこで次にMacで手に入るプレーヤーソフト間で比べてみることにしました。MacはさすがにWindowsほどのプレーヤーソフトのバリエーションはありませんが、探してみるといくつかの選択はあります。
ここではAmarra mini(1.2デモ版)、Cog、Play、Songbird、VLCなどを比べてみました。

結果的に言うとやはりプレーヤーソフト間の音質の差はありますね。
CogとPlayが音質的には良いと思いました。Cogは繊細でPlayはダイナミックな良さがあります。
iTunesを元にすると、CogとかPlayがWindowsでいうとFoobar2000とかWinampのレベル、AmarraはSamplitudeとかXXHiEndなどのオーディオファイル向けプレーヤーで紹介しているレベルと言えます。ただAmarraはもっと良いかもしれません。
ハイサンプリングを使ったCogもかなりいいレベルですが、さすがにAmarraは品格を感じるほど高いオーディオ的な満足と透明感があります。
わたしがいままで聴いたなかではこのMacとAmarraの音が一番いいですね。


こうしてMacとXPで見てみると、OSというかプラットフォームでもPCオーディオの音に違いがあるということが分かります。USBオーディオのよさはクロスプラットフォームという点もありますので、この辺は比較が容易です。USB DACの台頭は周辺機器サポートが少ないMacにプラスとなるでしょうね。
そういう意味ではWindowsとMacのほかにもうひとつ取り組まねばならないプラットフォームもあります。というわけで最近は勉強かたがたこういうオレンジ色のもやってます。

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これはNetwalkerで動作しているUbuntu9.04(Linux)とdenDAC、JH13の組み合わせです。なかなか音質は侮れないものがありますが、問題というか課題もまた多し、というところです。
世界はかく広く、やることも多い。。
posted by ささき at 22:17 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする