Music TO GO!

2012年04月20日

Antelopeからルビジウム搭載DAC、Rubicon登場

Zodiacが好評のAntelopeからRubiconという新製品がアナウンスされました。
こちらプレスリリースこちら製品ページです。
AD/DA PreAmpという多機能製品ですが、その核はやはりAntelopeらしくクロックです。なんと同社フラッグシップ・マスタークロックと同等のルビジウムが標準搭載されています。おそらくAntelope得意の温度管理されたクロックコンテナが金色の球体なんでしょうね。DAC部分はもちろん384kHz対応ですが、面白いのはレコード再生のフォノアンプとADコンバーターがついていて、アナログレコードからの入力をAD変換して384kHz DACで再生できるという点です。またヘッドフォンアンプも搭載されていますし、DLNAネットワーク機能もついています。まさに多彩ですね。
Rubicon(ルビコン)という名はもちろんルビジウムからきているのでしょうが、シーザーの故事も連想します。シーザーがルビコン川を越えて新たな時代に突入したようにクロック/DACメーカーのAntelopeも一線を越えていくのでしょうか。
5月のミュンヘンでのハイエンドショウで展示される予定です。
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2012年04月18日

AppleがiTunes Music Storeの基本特許を取得

Patently Appleによると、アップルが念願のiTunes Storeの基本的特許を取得したようです。米国特許の8,161,411です。
ここではAppleの大きな勝利とコメントしてあるように、クライアント・サーバー型のオンラインミュージックストアの曲選択UIに関する基本的な特許で請求範囲が広く、おそらくiTunes storeのように見えるUIのクライアント・サーバー型のオンラインストアはほぼ特許を回避できないでしょう。
http://www.patentlyapple.com/patently-apple/2012/04/apple-wins-a-major-patent-victory-for-the-itunes-store.html

下記のApple Insiderの記事を見るようにポイントはユーザーインターフェースで、こういうカテゴリ別サブウインドウで曲選択して購入するというタイプですね。たしかに特許の請求項をみるとUIに関しての項目が列挙されています。
http://www.appleinsider.com/articles/12/04/17/apple_granted_itunes_user_interface_patent.html
いずれにせよかなり基本的な特許で影響力は大きいと思われます。
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2012年04月05日

ニールヤングが自らHD音楽フォーマットを開発?

ニールヤングがアップルの音楽政策にジョブズを通じて口を挟んでいるというのは伝えて来ましたが、ローリングストーン誌によるととうとうニールヤングが自らHD音楽フォーマットを開発始めたようです。
http://m.rollingstone.com/?redirurl=/music/news/neil-young-trademarks-new-audio-format-20120403

"21st Century Record Player", "Earth Storage" , "Thanks for Listening" とかこれらは曲のタイトルではなく、ヤング氏が商標登録したものでこの件に関係ありそうです。
"high resolution music downloadable from the internet"などが商標の説明として用いられているとか。彼が開発しているというPonoっていうスタジオクオリティをユーザーに届けるというオーディオシステムに関係があるよう。
ジョブズの意思をついでという気もあるようですね。

もしかしたら以前伝えたAppleが開発中と噂されたAdaptive Streamingは実はこのヤングのではないかとも思います。彼が言えばAppleが絡んでいるとみな思ってしまうかもしれません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/254615445.html

いずれにせよ、ちょっと面白いことではあります。
posted by ささき at 18:04 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月29日

Appleが新しいHDフォーマットを開発中とのうわさ

下記のガーディアン紙によるとAppleが新しい楽曲フォーマットを開発中との情報が書いてあります。
これはクラウド(iCloud)ベースのもので、"adaptive streaming"という特徴を持っています。これはなにかというとHD(high-definition)音源としてiPhoneやiPadにダウンロードができ、オンラインの音楽ストリーミングサーピスからの配信も可能というもの。最近ではハイレゾとかハイサンプリングはHDフォーマットという言い方で語られることも多くなってきました。ですのでHDということはハイレゾという推測もできますね。
つまりデバイスに応じて、サイズといえる帯域幅(Band Width)を変えることができるのでAdaptive(適応)ということのようです。現在AACでダウンロードするiTunes Matchの改良となるかもしれません。

http://www.guardian.co.uk/technology/2012/feb/28/apple-audio-file-adaptive-streaming

写真を見るとまたまた出ましたニールヤングという感じですが、写真はイメージ的なもので今回は彼ではないようです。噂の出所はロンドンの音楽スタジオとありますが、不確かではありますので念のため。

たとえばWavPack形式などではハイブリッドという形で非可逆圧縮の本体と、非可逆圧縮と可逆圧縮の差分を同時に持つことでやはり高音質と小サイズの両方に対応しているのもありますが、こうしたものかリアルタイムに変換するのかはわかりません。
ただ私も同じ曲をAACでもFLACでもAppleロスレスでもWAVでも持ってたりするので、こういう統合フォーマットみたいなものをしっかり作って欲しいところはあります。
posted by ささき at 01:17 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月23日

Mastered for iTunesとは

昨日はiTunes in the cloudの国内導入、iTunes Matchの年内開始、iTunes Storeの楽曲のAAC plus(256kbps, DRMフリー)への移行などiTunes関連のニュースでにぎわいました。しかし、その中で分かりにくいのが"Mastered for iTunes"サービスの開始です。簡単にいうと従来より高品質な楽曲提供のサービスですが、提供フォーマットは他と同じAAC Plusです。
そもそもiTunesのためのマスターってどういうこと?という素朴な疑問がわいてきますね。そこでちょっと調べてみました。

まず従来の楽曲提供のステップはこうなります。

オリジナルマスター(192kHz,24bitとか96kHz,24bit)
    ↓ DAWなどで変換
CD形式(44kHz,16bit)
    ↓
AAC Plus(44kHz,16bit @256kbps)


Mastered for iTunesではこうなります。

オリジナルマスター(192kHz 24bitとか96kHz 24bit)
    ↓ Apple独自ツールで変換
CAF - Core Audio File(44kHz,32bit float)
   ↓
AAC Plus(44kHz,16bit @256kbps)


*CAFではサウンドチェックプロファイルも作成されます。またCAFは中間ファイルなので全プロセス終了時に削除されます。

簡単にいうといままではマスターからCD用に作ったデータを流用してダウンロード用にしてたのを、CDと言う流通形式を考慮せずに直接マスターからダウンロード用にすると言うことですね。つまり従来のはMastered for CDだったのを、Mastered for iTunesになったというわけです。
いったんCD用に劣化させたのをさらにAACに劣化させるというプロセスではなく、直接32bit浮動小数点形式から変換することで高音質のままAACに変換できるということのようですね。

iTunesで24bit形式採用のうわさがありましたが、実のところこれが妥協点だったのかもしれません。
posted by ささき at 23:29 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月16日

AudioStream誌にワイヤレスDAC AudioEngineD2レビュー

以前の最新ワイヤレス事情で紹介したAudioEngine D2のレビューがAudioStream誌(Streophile系)に乗っていました。
Audioengine D2 Wireless 24-Bit DAC & USB-S/PDIF Converter
http://www.audiostream.com/content/audioengine-d1-wireless-24-bit-dac-usb-spdif-converter

AudioEngine D2のホームページはこちらです。
http://audioengineusa.com/Store/Audioengine-D2

普通のワイヤレスDACは48/16が最大ですが、このAudioEngine D2はワイヤレスでビットパーフェクトのハイレゾ96kHz/24bit伝送を可能にしています。
D2には受信機と送信機がペアになります。例としてはMacにUSBでD2送信機を接続して、離れたところのアンプにD2受信機を接続して使います。D2送信機は光・USBデジタル入力を受けることができます。D2受信機はDACですので、アナログ出力ができます。また光デジタルを出力できるので無線USB DDCとしても使用できます。

この注目の無線伝送技術ですが、他と同様に2.4GHz帯を使用します。
2.4GHz帯を2MHzごとに37分割してチャンネルを形成します。あるチャンネルが空いていたら、伝送がRFノイズなどで使えなくなるか時間の50%になるまではそのチャンネルをそのまま使用して残りの50%は別のチャンネルにスイッチします。
基本的にチャンネルを使い続けるという点でこの形式はKleerに似ています。ただし分割数が異なり、Kleerは5MHz幅のチャンネルで16分割します。また50%という規則は無いと思います。Kleerについてはこちらの私が前に書いた記事を読んでください。
KleerとBluetooth
http://vaiopocket.seesaa.net/article/109198956.html

上のリンクでも書いていますが、このチャンネル形式の良いところは無線LANと干渉しないと言うことです。D2形式とKleerは無線LANの存在をはじめから考慮していますが、Bluetoothはある意味無線LANを無視して干渉し、干渉されてしまいます。Bluetoothの問題点はよくSBCに代表される伝送CODEC(圧縮方式)の品質の悪さが上げられますが、もうひとつ隠れて問題なことはこの無線LANとの相性の悪さというところです。
ただこうしたKleerやD2の方式とは違って、古い分で広くサポートされているので専用の送信機が不要であると言うのはBluetoothの大きなメリットではあります。

D2の伝送CODEC自体は触れられていないのでわかりませんが、ビットパーフェクトを標榜しているのでKleerみたいにロスレスでしょうね。ボリュームの変更などは音声チャンネルではなく、システムと言われているコントロール用のチャンネルを使うようなので、ボリューム変更自体は音質に影響しません。(ここもKleerと同じ?) また3基までの受信機に送信できるようです。(ここはKleerの4基と微妙に異なる?)

Kleerと微妙に違う点もありますが類似点も多いので、もしかするとKleerの技術供与なのかもしれません。しかし50%でスイッチすると言うのは特許回避っぽいようにも思えますので、独自開発かもしれません。この辺はちょっとわからないですね。

送信距離は100feetが仕様上の上限のようですが、実際にこの書いた人が家の中でレシーバーを持って歩いて試してみたら60feet (約18m)まではオーケーではないかと言ってます。別な意味で感心しますがさすがアメリカ、家が広い。

こうした高品質ワイヤレスと言うと、結局のところワイヤレスって有線に比べて音質はどうなの、というところが焦点になると思います。これはフォーラムなんか読んでいても、違う・違わないで結構論議あるところです。下記のCAスレッドにもこの辺の話題が乗ってます。
http://www.computeraudiophile.com/content/sound-quality-not-reliability-wired-vs-wireless
このD2の場合は下記のようにDDCとしてデジタルで無線を経由のありなしで確認したけれども、音質の差は無視できるほどと書いていますね。
  *Mac→D2送信機→D2受信機→光→D1 DAC→アンプ
  *Mac→光→D1 DAC→アンプ
AudioEngineではパソコンと電気的に切り離せるというところでの利点も書いています。

なかなかこのHDワイヤレスの分野も面白くなってくるかもしれませんね。
posted by ささき at 23:20 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月01日

ジョブズの死がアップルの音楽政策にブレーキを

こちらCNNがニールヤングに対して行ったインタビューですが、ジョブズの死後、アップルが高品質音楽への情熱を失って来てるとのこと。MP3やAACではなくアップルがハイレゾ方面に動いてると言うニュースを伝えて来ましたが、それが頓挫してるということです。ポーズボタンを押したよう、と題されてますね。

CNN : Apple presses pause on high-def music, says Neil Young
http://edition.cnn.com/2012/01/31/tech/web/neil-young-apple-high-def-music/index.html?c=tech

ニールヤングは先のLINNのティーフェンブルンのブログでもアップルと音楽との関係でニュースソースに使ってましたが、この分野のキーパーソンです。「ジョブズはデジタルミュージックのパイオニアだったけど、家に帰るとアナログレコードを聴いてたよ」って言ってます。

うちのiPadとUSBオーディオの記事ではアップルが音楽の高品質再生にも力をいれてるんではないかと書きましたが、あくまでまだジョブズ在任時の開発の結果です。やはりビートルズやディランに感化されポップカルチャーの申し子的なジョブズの死と言うのは少なからぬ影響を残してるよう。ジョブズだと損得なしで自分の好みだけでぐいぐい進めるでしょうけど、クックなら「オーディオ分野っていくら儲かるの?」って感じでしょう。後継が事務屋のクックでなく芸術家のアイブならどうなんだろうとは思いますね。
ただアップルのスポークスマンはこの件については否定をしているようではあります。

繁栄を極めたローマ五賢帝時代の最後の皇帝マルクスアウレリウスの最大のミスは後継者を間違えたことと言われ、それでローマの黄金期が終わるわけですが、、
posted by ささき at 09:04 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月29日

NetAudio Vol05に執筆しました

音元出版さんのNetAudio誌の最新号は1/30に発売しますが、今号から定期刊行として発行するそうです。
私はP34にパソコン内部の音の仕組みとしてCoreAudioとかWASAPIなどの開設を書き、P80から2011年から2012年にかけてのこの分野の振り返りとトレンドを書いています。後者の方はなかなか力が入っていてUSB DACのトレンドから再生ソフトの盛り上がりとインテジャーモードなどへ至る流れ、そしてDACと再生ソフトの連携によるDSDネイティブ再生の流れ、また2012年へのOSなどパソコン分野での変化とそのオーディオ分野への影響予測など、多岐にわたって書いてますのでぜひご覧ください。

他の紙面もカタログ的な紹介よりも読み物が充実している感じで読みごたえがあるのではないでしょうか。どうぞ手に取ってみてください。
今回は少し前のAV Reviewのように立派なダンボールに封入された特別付録としてWAVやDSD音源が入っています。なお付録についての開設は雑誌の反対側から読むようになっていますので注意ください。慣れたら中綴じよりは読みやすいかもしれませんね。




posted by ささき at 21:05 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月27日

Audiophilleo1のレビュー記事を執筆しました

共同通信社さんのPC Audiofan webにAudiophilleo1のレビュー記事を書きました。
192/24対応機器が増えてきた中でもまだまだ異彩を放つユニークな機器でもありますのでこの機会にチェックください。

http://www.pc-audio-fan.com/review/pcaudio/20120127_15083/
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2012年01月24日

Appleと無線LANの新規格 - 802.11ac

Apple insiderによると今年アップルが802.11acを製品に取り込むのではないかと言われています。目的はAirPort、TimeCapsule、Apple TV、Macbook、もしくはモバイルデバイスなどへの適用です。少し前の記事でワイヤレスのトピックを書いたのでここでもフォローしておきます。
Apple insiderの記事 - Apple working to adopt 802.11ac 5G Gigabit WiFi this year

上記記事の根拠としてはAppleが供給を受けているブロードコムが802.11acの製品発表をCESで行ったことに端を発して、過去にAppleがAirPortなど無線LANにいち早く取り組んでいて、Apple TVでも11n規格をドラフトの段階からいち早く取り込んでリーダーとなったということを勘案してのことだと言うことです。

802.11acとはなにかというと、現在の11nの次の無線LAN規格でまだドラフトの段階ですが、CESでバッファローがデモをし、ブロードコムが製品を発表しています。
無線LANもついにGbps時代! IEEE 802.11acは2012年に離陸

有線LANならギガビット相当になりますね。わかりやすくUSBにたとえると、だいたいの世代対応では無線LANの802.11bがUSB1.1、802.11nがUSB2.0にほぼ相当します。そして802.11acはUSB3.0に相当する規格になります。たとえば80.211acをUSB2.0アダプタでサポートする製品も考えられていますが、USB2.0では802.11acの転送速度をカバーし切れません。
また特徴は転送速度だけではなく、現在一般的な2.4GHz帯ではなく5G帯を使うと言うことです。(アンテナも新設計が必要です)
ちなみに電波の基本として周波数が高いほど情報量は多く、直進性が強くなります。

ワイヤレス製品の国内普及の問題は法的なものも大きく絡みます。アメリカでは2012年内に802.11acが早くも立ち上がるかもしれませんが、日本では法整備からはじまるのかもしれません。
オーディオにおいては無線でUSB2.0のHighSpeedを上回るほどの規格が必要かという話はありますが、混んでいない5G帯を使うなどメリットは大きいと思います。すぐにどうこうではありませんが、サンダーボルトと並んでちょっと注意しておきたい規格ではありますね。

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2012年01月20日

Apogeeからサンダーボルトのオーディオインターフェース登場

CESのあとはNAMMショウをやりますがそこでApogeeから同社のSymphony 64 というDAWシステムとMacを接続するサンダーボルトのインターフェースが発表されてます。
http://www.apogeedigital.com/products/namm-2012.php

通常Symphony 64とMacは下記のようにMac proにPCIカードを差してシステムを組むようですが、このサンダーボルトのインターフェースを使えば普通のノートブックタイプでもサンダーボルト端子があれば使用できると言うことになりますね。
http://www.electori.co.jp/apogeepro/symphony.htm

アポジーは早くからサンダーボルト対応を表明してましたが、PCIシステムへの応用って言うサンダーボルトとしてはわかりやすいところから始めた感じです。
いずれにせよサンダーボルトのオーディオ応用が始まったのは注目したいところです。

*このApolloのオーディオインターフェースでもサンダーボルト採用しています。MOTUも製品があるようですが、けっこう広がり始めてるようですね。
http://www.gearslutz.com/board/new-product-alert/690006-ua-apollo-interface.html
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2012年01月17日

ワイヤレス・オーディオの多様化

CES2012ではAirPlay対応製品も増え、ワイヤレス・オーディオ製品の面白そうなものもいくつか出ています。

こちらNuforceのコンパクトなAirDACです。
Engadgetの記事
名称からしてAirPlay対応かと思いましたが、独自方式のようです。USBとiPodドック対応の送信機とこの写真にある受信機のペアのようですが、最大4台で組み合わせられて、デイジーチェーンで送信距離を伸ばせると言うので受信機は送信機を兼ねているのかもしれません。

DynaudioのXeoもワイヤレス・アクティブスピーカーとして面白い製品です。
Dynaudioのホームページ
ワイヤレスでアクティブスピーカーという従来は安いコンシューマー品のカテゴリーのものにハイクラスのきちんとした製品を作りこんでいるのが印象的です。

もうひとつ興味深いのはハイレゾ対応の流れです。ワイヤレスと言うとたいていは48kHz/16bitどまりですが、一昨年(2010)のRMAFに出展されたBlackFireのFireCast以降ハイレゾ対応のワイヤレス品もいくつか出てきています。
BlackFireのホームページ

以前パワードスピーカーについて書いたメーカーですが、スモールオーディオでよい製品を出しているAudio Engineはハイレゾ対応のワイヤレスDACのD2を登場させています。CESではかなり無線LAN密度が濃いんですが、それでも良好な接続ができたと言うことです。http://audioengineusa.com/Store/Audioengine-D2
DACにPCM1792を使用していて本格的で価格も手ごろ(送受信ペアで$800くらい)ですし、なかなか良さそうですね。海外のオーディオレビューサイトはComputerAudiophileもAudioStreamもこれに注目して近日レビューがアップされる予定です。

またこれはCESではないですが、"体重計"Devialetも昨年後半にワイヤレス・ハイレゾ対応しています。Devialetでは現在はCD品質だけども、2012年中にアップデートで96/24対応すると書いています。
ComputerAudiophileのフォーラム
Devialetのページ
これは802.11nベースのようですね。

またAiPlay対応ではこのChapter Audioのワイヤレスアンプ・notepadも$2500と堂々としたハイクラス品です。
AudioStreamの記事(RMAF2011)

こうしてみてもワイヤレスは技術的にも価格帯的にも多様になってきています。
実際ワイヤレスって一口に言ってもとても広いものです。
KleerやBluetoothあたりからはじまって、最近ではAirPlayなど、またDLNAやiTunes Shareを無線LANルーターを使ってワイヤレスシステムを組むこともできます。BluetoothやKleerは従来のインターコネクトケーブルの代わりと考えられますが、無線LANネットワークは有線LANケーブルの代わりです。帯域幅はKleerなどは送信設計上のビットレートですが、ネットワークの場合は無線LANの規格(802.11bや11nなど)によるでしょう。(DLNAなどはもっと上位層の話です)
また接続形態には送受信関係がはっきりしている1:1(Bluetooth)、1:2/1:4(Kleer)もあるし、ネットワークのように多:多もあるし、多様な形態(トポロジー)が考えられます。
ただ反面でハイレゾワイヤレスなんかはDSDみたいにバラバラにはじまってしまうと言う懸念もないわけではないですね。この辺もそろそろ整理が必要かもしれません。

オーディオの場合はネットワークと言っても、すでにホームネットワークのLANが張ってあってそれにオーディオ機器が参加すると言うかたちよりも、ネットワークオーディオ機器を入れてからそのためにLAN線を張るというようないささか主客転倒な場合も多いと思います。そのさいは単にPCとDAC/プレーヤーの距離を離したいなど場合によってはネットワークではないAudioEngine D2のようなポイント間ワイヤレスのほうが便利と言うこともあると思います。このように目的と手段(システム)をはっきりさせるとワイヤレスのニーズと言うのも出てくるかもしれません。この辺は少し注目していきたいところです。
posted by ささき at 23:54 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月14日

AudioQuest からDAC登場

ケーブルで知られるAudioQuestがDACを出すということです。
http://www.stereophile.com/content/audioquest-dragonfly-dac
DragonflyというUSBメモリーのような小型のものでアナログはミニ端子のようです。
電子回路部分はゴードンさんが手がけるようですね。96/24対応、$300で4月発売とのこと。
posted by ささき at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月13日

NuanceとGracenoteの提携

CESの面白いニュースはSiriで知られる音声認識のnuanceとCDDBメタデータで知られるGracenoteが提携したということです。
http://finance.yahoo.com/news/Nuance-Gracenote-Announce-bw-215120710.html
これは今年後半に提供するVoCon Music Premiumtというサービスで例えばAC/DC、311(すりーいれぶん)、Ke$ha(けしゃ)など読みにくいバンド名の検索ができるとのこと。
posted by ささき at 10:27 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月01日

2011年の振り返り

新年おめでとうございます。
PCオーディオ関係については2010年の12月に2011年の展望の記事を書いたんですが、それが2011年に実際どうだったかということを、うちのブログ記事から2011年の振り返りをしてみたいと思います。(大晦日に書くつもりがはみ出してしまいました)
点線内は下記記事の引用です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/177767330.html

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今年(2010)のUSBオーディオの話題はもう一つはUSBオーディオクラス2.0です。うちで最新の話題として取り上げたのが7月頃ですが、今年(2010)後半は思っていた以上にUSBオーディオクラス2.0移行が加速して多数の機材が登場してきましたのに驚かされました。
これは新しいソフトウエア制御によるコントローラを使うことで開発が効率化されたということがあるようです。つまり普通のユーザーには見えない開発のところでも変革があったということですね。
そういう意味でもオーディオというのが表面的なところだけではなく、深いところからも着実に変わって行ってると思います。

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この点については2011年初頭に開発環境の点から記事を書いたりしました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/181376037.html
またUSB DACの192対応については2010年に一度まとめたんですが、また2011年に見直して下記にまとめ記事を書いています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/209382239.html

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それと今年(2010)は音楽再生プレーヤーソフトも豊作でした。もともと充実していたWindowsに比べると特にMacの進歩が良かったですね。昨年(2009)くらいから人気が出てきたAmarraだけではなくフリーウエアもAyreWaveやAudirvanaなど従来と一線を画するものが登場してきました。
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このソフトウェアの流れは下記のように2011年の2月にAudirvanaでインテジャーモードがサポートされて一つのピークに達しました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/185935913.html
インテジャーモードについてはその後に下記のようにAudirvana作者のDamienさんのホワイトペーパーの翻訳と解説記事を書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/211699878.html
http://vaiopocket.seesaa.net/article/212328726.html

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さらに来年(2011)になるとMacでは10.7 ライオン、Win7はSP1が出ることでオーディオも左右されるかもしれません。例えばUSBオーディオクラス2の制限がOSの実装によるものならばそれが変わるかもしれないし、スノーレパードで移行期のようだったMacの64bit環境もライオンでデフォルトになれば再生ソフトも変わるかもしれません。
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結局Win7 SP1ではWindowsのUSBクラス2の未サポートは解決されず、Win8送りになりました。共有WASAPIでの88k、174kサポートもWin8でしょう。
ライオンではインテジャーモード非対応という伏兵がありましたが、64bit化はAirの64bit対応というおまけもありました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/216431863.html
アップルではアップルロスレス形式のオープン化も特記事項です。
それを受けてLINNがアップルロスレスでの提供を行ったのも面白い試みです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/235601629.html
http://vaiopocket.seesaa.net/article/236343744.html

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(2010年では)iPadのUSBオーディオ対応もちょっと注目点でした。
iOS4.2で見せた音の良さ、オーディオへの適性というのは侮れません。ただ一部の機種では据え置きでもバスパワーを要求しているものがあって、4.2で供給リミットが100mAから20mAにカットされたこととあいまって、まだ大きく広がるには制約があります。

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2011年にその後のiPadのハイレゾ対応については下記で書いてます。このときはCAフォーラムでゴードンさんとのやりとりもエキサイティングでした。なにせゴードンさんはアメリカでもトップクラスのこの道のエキスパートですからね。どっちが正しいかというのはちょっとはらはらとしましたが、結果はゴードンさんも認めてくれました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/191432693.html
あえてiPhoneについては書かなかったんですが、iOSのデジタル出力についてはiPadとiPhoneは事情が違いますので注意が必要です。

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さて来年2011年はということですが、トレンドとして見えてるのは先に書いたような今年黎明期だったUSBクラス2対応の加速化による192kHz対応の充実と、さらに384kHz対応の黎明期となるかもしれません。
どこまでDACのハイサンプリング化が続くか分かりませんが、かつてのパソコンのクロック競争とかデジカメの画素競争にも似てきたかもしれません。
ちなみにこれらを振り返って見ると下記のような結果となりました。

*CPUのクロック競争->製造プロセス細分化による発熱の壁->マルチコアなど別方面に進化の方向を変える
*デジカメの画素競争->センサーの細分化によるDレンジ不足で画質低下->手振れ補正など機能面に進化の方向を変える

オーディオに関してはまず対応ソースという問題もあるし、細分化によるジッターへの影響というのもあるかもしれません。上の両者は明らかな壁にぶつかって方向を変えてますので、どこかに何かが潜んでるんでしょう。
似たようなところでは32bit対応も出てくることでしょう。ただこれもMacのcore audioのところで書いたようにソフトウエアドメインでの壁があります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/167849910.html
この他だとESS Sabre32チップの台頭とかDSDなんかも話題に登ってくるかもしれません。

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この点についてはハイサンプリングレート面での行き詰まりを予測したものです。実際32bit音源も出ては来ましたが、ちょっと不明確なものではありましたので今年に持ち越しです。
32bit再生については下記に少し記事を書いています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/234221145.html
http://vaiopocket.seesaa.net/article/238154160.html

DSDは昨年のちょっとしたテーマでしたね。こんなに盛り上がるとは思っていませんでした。とくにDSDネイティブ再生はまだ続くテーマとなりました。
PlaybackやMytekなどのハードウエアでもDSDネイティブ再生可能な機種が姿をみせ、
http://vaiopocket.seesaa.net/article/212328726.html
http://vaiopocket.seesaa.net/article/240553621.html
AudirvanaやHQ Player、Pure MusicなどのソフトウェアでもDSDネイティブ再生をサポートしてきました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/212328726.html
http://vaiopocket.seesaa.net/article/229537505.html
http://vaiopocket.seesaa.net/article/241632513.html
そしてdCSの標準化提案もDSDネイティブ再生にとっての大きな話題でした。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/227606034.html


ヘッドフォンオーディオの方ではiPodデジタル可能なポータブルアンプがちょっと話題でした。このHP-P1とかSoloですね。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/8047755-1.html
また年末のSTAX買収がニュースとしては大きいものでしたが、個人的にはやはりヘッドフォン祭りで念願だったHeadFiとのコラボレーションが出来たのが嬉しかったですね。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/233007405.html
こちらのヘッドフォン祭を振り返るという記事もあわせてご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/228120869.html

今年もいろいろあると思いますが、また当ブログをよろしくお願いします。
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2011年11月21日

Stereophile誌のアワードでAmmaraが受賞

Stereophile誌の今年の"Computer Audio Component of the Year"でAmarraが受賞したとのこと。DACではなく再生ソフトウエアが受賞したというのは注目ですが、他に安価で良いソフトがあるのになぜAmarraなのか、という点でCAフォーラムではちょっと燃えてます。

http://www.computeraudiophile.com/content/Amarra-Stereophile-component-year

ちなみにAmarraはメインテナンスリリースが11/15に予定されてたんですが遅れているもよう。
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2011年11月17日

ティーフェンブルンのAppleロスレスオープン化のコメント

先日インターナショナルオーディオショウにも来日したLINNの総帥ギラード・ティーフェンブルンがブログでアップルロスレスのオープン化についてコメントしてます。
http://blogs.linn.co.uk/giladt/2011/11/apple-opens-the-way-to-24-bit-itunes.php
ティーフェンブルンはアップルロスレスのオープン化はこれまでLINNが非公式にサポートして来たALAC再生についての懸念を払拭したと書いてます。
またニールヤングを訪ねたときのことについて触れ、このオープン化の狙いはiTunes楽曲の24bit化ではないかと書いてます。メジャーレーベルが24bit提供の条件としてアップルロスレスのオープン化を求めたのではないかと観測しています。2012年にも動きは出るのではないかとのこと。さて。
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2011年11月15日

iTunes Match始動

アメリカ国内では紆余曲折を経てiTunes Matchが始動したようです。以前はApple版のクラウドプレーヤーかと言われてたものですが、著作権がらみもあるのかユーザーからはよくわからないところも多いサービスです。
そこでこちらにちょっとしたまとめが載っていました。
http://www.macrumors.com/2011/11/14/a-clear-explanation-of-itunes-match/
ここのはじめの図はiTunesからiCloud Statusという項目を出して見た曲のiCloud状態です。アップロードされたとかマッチ済みなどがわかります。
まずマッチをオンにするとライブラリの分析、曲のマッチ、マッチされない曲のアップロードという3ステップが行われます。これらはライブラリ全体に強制的に実施され除外はできないということ。
もしマッチしたらそれは256k bpsのAACとしてダウンロード可能となり、マッチしない場合は
1. 320k bpsまでの非可逆圧縮の場合は現在のフォーマットのままiCloudにアップロードされる
2. ロスレス(可逆圧縮)ならば256k AACに(おそらく自分のPC/Mac上で)変換されてからアップロード
となるようです。
このとき基本的にはローカルのライブラリには影響はありませんが、低ビットレートの曲はローカルエントリーを削除することでiCloudから256k AAC版をダウンロードできるとのこと。
マッチはメタデータ(曲情報)で行われ、几帳面にメタデータを編集していてもそれは保たれるから(仮に上のようにいったん消しても)大丈夫ということです。

iTunes 10.5.1が必要で米国では年$24.9ということです。
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2011年10月31日

PCオーディオファン5号に執筆しました

先週発売のPCオーディオファン5号に執筆しました。

今回は注目モデルの使いこなしという特集があります。そのP18にアンテロープZodiacの記事を書いているのですが、なかでも注目はCEOのインタビューも行っているとこです。これは先日Igor Levin氏が来日したときに直接私がインタビューしたので、なかなか聞けないところまで引き出せていると思います。その後にメールをやりとりした情報も含めているのでこれ以上はもう企業秘密で教えてくれないと言う濃いレベルだとおもいます。
P181からはAudirvana Plusの4000字書いた大作紹介記事を載せています。細かいところは作者のDamienさん自身から確認を取っていて、初公開?のDamienさんのプロフィールも少し書いてます。もっと教えてもらったんですがさすがに書ききれなくて。また角田さんが他の記事でPlaybackのDSDネイティブ再生について書いていますので、Audirvana PlusのDSD再生のところでもそれに対するソフトウエア的な説明を書いています。
P156からはなんとAuraliti PK90の記事を書いています。輸入されていないものでも雑誌で紹介してもらえると言うPCオーディオファンの姿勢はよいですね。(ちなみにブログでは書く暇がなかったんですが、いまはWAV再生できない問題は修正されています)
またレビューとしてはBurson HA160D(P96)とCANOR TP10(P102)について書いています。とくにBurson HA160Dはお勧めです。
なんか今回は濃いい記事を書いたという感じです。

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DigiFi 4号に執筆しました

先週発売のDigiFi 4号に執筆しました。

今回P96からの特集では和田博巳さん、福島花乃さん、私と3人の選者が3様に選んだシステムを紹介しています。また、先日のヘッドフォン祭では紙面連動イベントとしてその講演を勤めさせてもらいました。
http://www.stereosound.co.jp/hivi/detail/newsheadline_1320049664_image5_1.html
P87では少し濃いめに最近話題のDSDを基本的なところから、その問題点、最新動向までをまとめました。また最近うちでよく書いているdCS方式などDSDの直接再生(ネイティブ再生)まで触れています。ここで国内導入がほぼ決まったMytek DSD DACの導入記事もカバーする予定だったのですが今回はそこまで至りませんでした。
P95では付属音源の一環としてHD Tracksの記事を書いています。HeadFiの以前紹介したヘッドフォンのためのOpen Your Earsについて20%オフのクーポンコードをつけています。この辺は直接Cheskyさんとやりとりをしています。

またおなじみ福島花乃さんの連載記事(P123)もありますので、こちらもお見逃しなく! この記事でのインターネットラジオの紹介も面白いですね。

http://www.stereosound.co.jp/dfweb/
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