Music TO GO!

2012年07月30日

NetAudio 7に執筆しました

本日発売のNetaudio7に連載中の最新情報記事(P50)を書きました。
高品位オーディオ再生ということをDSDとポータブルの両面から書いて、最新のスマートフォン事情も少し加えています。ポータブルでも高品位音源の再生できるものが増えてきて、いよいよDX100の国内版であるヒビノHDP-R10も登場しそうですのでこの分野も注目されてよいかなと思います。DX100なんかはスマートフォンとES9018のようなこの辺の最新トレンドを取り入れていますね。オーディオがPCで変わりつつあるのと同様に、またPCの世界自体も変わりつつあります。新しい流れというのはばらばらのように見えて、有機的につながって同じ方向に向かっています。なぜかというと同じ環境要因で変化が促されているからです。

ただしスマートフォンOSもまた完全ではなく、補完が必要です。なぜDX100では高品位再生が可能なのか、などはこちらのうちのブログ記事もご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/13805095-1.html
HDP-R10は本誌に記事があります。また本誌記事にはLINNのKIKOやQuteHDとカンタービレの専用電源など最新情報もカバーされています。
本誌付録には2.58GBもの高品位音源がついていて、DSDとWAVの聴き比べもできるようになっていますので本誌を見ながら付録音源で研究してみるのも良いですね。


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2012年06月26日

LINNから新ネットワークプレーヤーシステム、KIKO登場

LINNから新しいネットワークプレーヤーシステムであるKIKOが登場しました。従来のDSラインとは一線を画したデザインで、アンプ内蔵でスピーカー込みのシステムのようです。追記: 価格はUS$3990のようです。スピーカー込みだと思いますが、それなりにしますね。スピーカーはAktiv(LINN方式のバイアンプ)のようです。


http://news.linn.co.uk/news/2012/06/meet-kiko---the-sexy-new-music-system-from-linn.php#more

どちらかというとLINNから見た場合、DSシリーズはKnektの延長にあったと思いますが、ネットワークのインフラとの親和性を強調しているあたりはPCオーディオ時代に適合した新しいアプローチなのでしょうね。、
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2012年05月08日

毎日Amarra HiFiが10名に当たる

先日のCAのAmarra HiFiプレゼントを逃した方へ。
AmarraのFacebookにLikeをつけると毎日10名にAmarra HiFiのライセンスが当たるそうです。期間は一週間。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=349558698439926&id=113694895359642&__user=795324506
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2012年05月02日

Nuforceから新無線技術SKAA採用のワイヤレスDAC登場

前にこちらのワイヤレスオーディオ事情の記事でちょっと書きましたが、Nuforceの新しいワイヤレスDACであるAir DACがアナウンスされました。
http://www.nuforce.com/hp/products/airdac-tx/index.php
おもしろいことにPCに装着する送信機のほかにiPoneやiPadで使える送信機が用意されていますね(おそらくアナログ入力)。ただし名前とは異なってこれはAirPlayではなく、2.4G帯を使うSKAAというオーディオ向けの無線伝送技術を採用しているようです。SKAAについてはこちらです(PDF)。
http://www.elevenengineering.com/documents/NW/SKAA%20Info%20Sheet%20v2.1.pdf
要約するとSKAAはポータブルデバイスをソースとすることを主眼に考えられたオーディオ向けの無線伝送技術です。これはEleven Enginneringという会社の技術で、調べてみると以前日本ではCEATECで披露されていたようです
Kleerのところでも書きましたが、この2.4G帯域というのは混んでいるので、他の無線やWiFiとのコンフリクトを避ける必要がありますが、SKAAではやはりWalking Frequency Diversity(WFD)という特許取得した技術を使用しているようです。またSKAAでは同時に4台まで接続可能です。上のPDFの2ページ目にはBluetoothでは不可能なシナリオということで、4台までの受信機に送信するシナリオが描かれています。この辺はKleerと同じ利点がありますね。到達距離はだいたい15-30mのようです。
無線伝送では送信時にデータを圧縮する必要があり、Bluetoothではここが音質のネックでした。SKAAでは下記のHPXというCODECが採用されています。
http://www.nuforce.com/hp/docs/HPX_DO6001.pdf
これはアナログ入力をADCで16bitデータにして、それを5bitに圧縮して送信して、また16bitに戻すとあります。たぶん単純にサンプルごとに圧縮するのではなく、差分を取って圧縮していると思いますが、よくはわかりません。いずれにせよオーディオ品質的にはTHD+Nなんかも含めてほとんど問題はないとここでは説明しています。

ポータブル系のワイヤレスオーディオ技術はKleer、Bluetooth、WiFiそしてSKAAといろんな形がまた出てきました。WiFiもさらに細分化できて、AirPlayはWiFi方式のひとつです。なかなかに複雑になってきました。
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2012年04月28日

PCオーディオfanに執筆しました

本日発売のPCオーディオfanに執筆しました。HiFiMANの新製品HE400、EF6、iQube v3、KingRex UD384のレビュー記事、プレーヤーソフトでは楽曲管理という視点からSonataとMusiCHIを取り上げています。
好評の付録音源にはうちでも下記記事で紹介したワオンさんのサンプラーがついています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/123032823.html


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NetAudio誌に執筆しました

本日発売のNetAudio誌に執筆しました。「ネットオーディオ最前線」でiPadからAndroid端末まで、ポータブルオーディオからポストPCの流れまでを解説しています。オーディオ誌にこうした記事が載ることは画期的だと思いますが、音元さんはスマートフォンとヘッドフォンに特化した雑誌も出していますのでなかなかトレンドを汲んでいると思います。


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2012年04月27日

KOSSからWiFiワイヤレスのイヤフォンとヘッドフォン登場

KOSSから新しいワイヤレスイヤフォンとヘッドフォンが登場しました。TapがイヤフォンでProがヘッドフォンです。
Koss Striva Tap
http://www.koss.com/en/products/headphones/earbuds/STRIVATAP__STRIVA_TAP
Koss Striva Pro
http://www.koss.com/en/products/headphones/full_size_headphones/STRIVAPRO__STRIVA_PRO
Strivaというのがワイヤレスのブランドです。
http://www.koss.com/en/Striva/Home

これ私もはじめイヤフォンが左右分離型だったのでMX W1みたいなKleerかと思ったんですが、そうではなくWiFiを使っているようです。
CAPというのが送信機と言うかモバイルアクセスポイントになりますが、FlashAirを考えるとこうしたシステムのワイヤレスイヤフォンがあってもおかしくないですね。
そのためインターネットラジオを直で聞くことができます。対応ソフトウエアがあればPCからストリーミングも出来そうな気がします(ここは不明)。Bluetoothよりも広く約300フィート(90m)届くということです。
また普通にケーブルを使って有線でも接続が可能です。

WiFiワイヤレスオーディオの動きとともにちょっと面白い製品です。
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2012年04月26日

ネットワークプレーヤーのOEMインターフェース

前に開発環境という側面からPCオーディオ機器における進歩を書きました。XMOSとかネットワークプレーヤーの開発キットです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/181376037.html

その点ではAudioStreamに乗っていたネットワークプレーヤーのインターフェースのOEM先の記事なんかも面白いと思います。StreamUnlimitedという会社です。
http://www.audiostream.com/content/streamunlimiteds-streaming-box-solution

提携先にはPioneer, T+A, Musical Fidelity, Naim, Simaudio, Wadia, Bang & Olufsen, Sony, Denon, Pro-Ject, Creekなどなど有名なところが並んでいます。
上の中のビデオ画面そのままでなくても、もちろんデザインはXMLで定義されていてカスタマイズできますので、実製品のデザインや画像はことなることでしょう。もちろんiPOdデジタル接続やコントロール用のiPhoneアプリなども提供されています。
ネットワークプレーヤーが雨後の竹の子のようにどんどん出てくる背景にはこうしたOEMブランドがあって、この辺のコントローラやインターフェースを提供して開発を簡易化しているというわけです。

このことからもうひとつわかるのは、UIだけではなくコントローラ部分もOEMでしょうからこれらのOEM採用メーカーの機器ではいわばトランスポート部分(おそらく組み込みLinux)は同じものを使っているので性能的に差はないだろうということです。つまりネットワークプレーヤーの骨組みの部分をいわばこうしたキットで作って、それにDACやらアンプのオーディオ部分は自前で足すという構造になっているので、トランスポートに相当する部分は差がなく、各社横並びになってしまうということです。その辺でAuralitiなどVoyageベースのものとは異なるかもしれません。
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2012年04月20日

Antelopeからルビジウム搭載DAC、Rubicon登場

Zodiacが好評のAntelopeからRubiconという新製品がアナウンスされました。
こちらプレスリリースこちら製品ページです。
AD/DA PreAmpという多機能製品ですが、その核はやはりAntelopeらしくクロックです。なんと同社フラッグシップ・マスタークロックと同等のルビジウムが標準搭載されています。おそらくAntelope得意の温度管理されたクロックコンテナが金色の球体なんでしょうね。DAC部分はもちろん384kHz対応ですが、面白いのはレコード再生のフォノアンプとADコンバーターがついていて、アナログレコードからの入力をAD変換して384kHz DACで再生できるという点です。またヘッドフォンアンプも搭載されていますし、DLNAネットワーク機能もついています。まさに多彩ですね。
Rubicon(ルビコン)という名はもちろんルビジウムからきているのでしょうが、シーザーの故事も連想します。シーザーがルビコン川を越えて新たな時代に突入したようにクロック/DACメーカーのAntelopeも一線を越えていくのでしょうか。
5月のミュンヘンでのハイエンドショウで展示される予定です。
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2012年04月18日

AppleがiTunes Music Storeの基本特許を取得

Patently Appleによると、アップルが念願のiTunes Storeの基本的特許を取得したようです。米国特許の8,161,411です。
ここではAppleの大きな勝利とコメントしてあるように、クライアント・サーバー型のオンラインミュージックストアの曲選択UIに関する基本的な特許で請求範囲が広く、おそらくiTunes storeのように見えるUIのクライアント・サーバー型のオンラインストアはほぼ特許を回避できないでしょう。
http://www.patentlyapple.com/patently-apple/2012/04/apple-wins-a-major-patent-victory-for-the-itunes-store.html

下記のApple Insiderの記事を見るようにポイントはユーザーインターフェースで、こういうカテゴリ別サブウインドウで曲選択して購入するというタイプですね。たしかに特許の請求項をみるとUIに関しての項目が列挙されています。
http://www.appleinsider.com/articles/12/04/17/apple_granted_itunes_user_interface_patent.html
いずれにせよかなり基本的な特許で影響力は大きいと思われます。
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2012年04月05日

ニールヤングが自らHD音楽フォーマットを開発?

ニールヤングがアップルの音楽政策にジョブズを通じて口を挟んでいるというのは伝えて来ましたが、ローリングストーン誌によるととうとうニールヤングが自らHD音楽フォーマットを開発始めたようです。
http://m.rollingstone.com/?redirurl=/music/news/neil-young-trademarks-new-audio-format-20120403

"21st Century Record Player", "Earth Storage" , "Thanks for Listening" とかこれらは曲のタイトルではなく、ヤング氏が商標登録したものでこの件に関係ありそうです。
"high resolution music downloadable from the internet"などが商標の説明として用いられているとか。彼が開発しているというPonoっていうスタジオクオリティをユーザーに届けるというオーディオシステムに関係があるよう。
ジョブズの意思をついでという気もあるようですね。

もしかしたら以前伝えたAppleが開発中と噂されたAdaptive Streamingは実はこのヤングのではないかとも思います。彼が言えばAppleが絡んでいるとみな思ってしまうかもしれません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/254615445.html

いずれにせよ、ちょっと面白いことではあります。
posted by ささき at 18:04 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月29日

Appleが新しいHDフォーマットを開発中とのうわさ

下記のガーディアン紙によるとAppleが新しい楽曲フォーマットを開発中との情報が書いてあります。
これはクラウド(iCloud)ベースのもので、"adaptive streaming"という特徴を持っています。これはなにかというとHD(high-definition)音源としてiPhoneやiPadにダウンロードができ、オンラインの音楽ストリーミングサーピスからの配信も可能というもの。最近ではハイレゾとかハイサンプリングはHDフォーマットという言い方で語られることも多くなってきました。ですのでHDということはハイレゾという推測もできますね。
つまりデバイスに応じて、サイズといえる帯域幅(Band Width)を変えることができるのでAdaptive(適応)ということのようです。現在AACでダウンロードするiTunes Matchの改良となるかもしれません。

http://www.guardian.co.uk/technology/2012/feb/28/apple-audio-file-adaptive-streaming

写真を見るとまたまた出ましたニールヤングという感じですが、写真はイメージ的なもので今回は彼ではないようです。噂の出所はロンドンの音楽スタジオとありますが、不確かではありますので念のため。

たとえばWavPack形式などではハイブリッドという形で非可逆圧縮の本体と、非可逆圧縮と可逆圧縮の差分を同時に持つことでやはり高音質と小サイズの両方に対応しているのもありますが、こうしたものかリアルタイムに変換するのかはわかりません。
ただ私も同じ曲をAACでもFLACでもAppleロスレスでもWAVでも持ってたりするので、こういう統合フォーマットみたいなものをしっかり作って欲しいところはあります。
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2012年02月23日

Mastered for iTunesとは

昨日はiTunes in the cloudの国内導入、iTunes Matchの年内開始、iTunes Storeの楽曲のAAC plus(256kbps, DRMフリー)への移行などiTunes関連のニュースでにぎわいました。しかし、その中で分かりにくいのが"Mastered for iTunes"サービスの開始です。簡単にいうと従来より高品質な楽曲提供のサービスですが、提供フォーマットは他と同じAAC Plusです。
そもそもiTunesのためのマスターってどういうこと?という素朴な疑問がわいてきますね。そこでちょっと調べてみました。

まず従来の楽曲提供のステップはこうなります。

オリジナルマスター(192kHz,24bitとか96kHz,24bit)
    ↓ DAWなどで変換
CD形式(44kHz,16bit)
    ↓
AAC Plus(44kHz,16bit @256kbps)


Mastered for iTunesではこうなります。

オリジナルマスター(192kHz 24bitとか96kHz 24bit)
    ↓ Apple独自ツールで変換
CAF - Core Audio File(44kHz,32bit float)
   ↓
AAC Plus(44kHz,16bit @256kbps)


*CAFではサウンドチェックプロファイルも作成されます。またCAFは中間ファイルなので全プロセス終了時に削除されます。

簡単にいうといままではマスターからCD用に作ったデータを流用してダウンロード用にしてたのを、CDと言う流通形式を考慮せずに直接マスターからダウンロード用にすると言うことですね。つまり従来のはMastered for CDだったのを、Mastered for iTunesになったというわけです。
いったんCD用に劣化させたのをさらにAACに劣化させるというプロセスではなく、直接32bit浮動小数点形式から変換することで高音質のままAACに変換できるということのようですね。

iTunesで24bit形式採用のうわさがありましたが、実のところこれが妥協点だったのかもしれません。
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2012年02月16日

AudioStream誌にワイヤレスDAC AudioEngineD2レビュー

以前の最新ワイヤレス事情で紹介したAudioEngine D2のレビューがAudioStream誌(Streophile系)に乗っていました。
Audioengine D2 Wireless 24-Bit DAC & USB-S/PDIF Converter
http://www.audiostream.com/content/audioengine-d1-wireless-24-bit-dac-usb-spdif-converter

AudioEngine D2のホームページはこちらです。
http://audioengineusa.com/Store/Audioengine-D2

普通のワイヤレスDACは48/16が最大ですが、このAudioEngine D2はワイヤレスでビットパーフェクトのハイレゾ96kHz/24bit伝送を可能にしています。
D2には受信機と送信機がペアになります。例としてはMacにUSBでD2送信機を接続して、離れたところのアンプにD2受信機を接続して使います。D2送信機は光・USBデジタル入力を受けることができます。D2受信機はDACですので、アナログ出力ができます。また光デジタルを出力できるので無線USB DDCとしても使用できます。

この注目の無線伝送技術ですが、他と同様に2.4GHz帯を使用します。
2.4GHz帯を2MHzごとに37分割してチャンネルを形成します。あるチャンネルが空いていたら、伝送がRFノイズなどで使えなくなるか時間の50%になるまではそのチャンネルをそのまま使用して残りの50%は別のチャンネルにスイッチします。
基本的にチャンネルを使い続けるという点でこの形式はKleerに似ています。ただし分割数が異なり、Kleerは5MHz幅のチャンネルで16分割します。また50%という規則は無いと思います。Kleerについてはこちらの私が前に書いた記事を読んでください。
KleerとBluetooth
http://vaiopocket.seesaa.net/article/109198956.html

上のリンクでも書いていますが、このチャンネル形式の良いところは無線LANと干渉しないと言うことです。D2形式とKleerは無線LANの存在をはじめから考慮していますが、Bluetoothはある意味無線LANを無視して干渉し、干渉されてしまいます。Bluetoothの問題点はよくSBCに代表される伝送CODEC(圧縮方式)の品質の悪さが上げられますが、もうひとつ隠れて問題なことはこの無線LANとの相性の悪さというところです。
ただこうしたKleerやD2の方式とは違って、古い分で広くサポートされているので専用の送信機が不要であると言うのはBluetoothの大きなメリットではあります。

D2の伝送CODEC自体は触れられていないのでわかりませんが、ビットパーフェクトを標榜しているのでKleerみたいにロスレスでしょうね。ボリュームの変更などは音声チャンネルではなく、システムと言われているコントロール用のチャンネルを使うようなので、ボリューム変更自体は音質に影響しません。(ここもKleerと同じ?) また3基までの受信機に送信できるようです。(ここはKleerの4基と微妙に異なる?)

Kleerと微妙に違う点もありますが類似点も多いので、もしかするとKleerの技術供与なのかもしれません。しかし50%でスイッチすると言うのは特許回避っぽいようにも思えますので、独自開発かもしれません。この辺はちょっとわからないですね。

送信距離は100feetが仕様上の上限のようですが、実際にこの書いた人が家の中でレシーバーを持って歩いて試してみたら60feet (約18m)まではオーケーではないかと言ってます。別な意味で感心しますがさすがアメリカ、家が広い。

こうした高品質ワイヤレスと言うと、結局のところワイヤレスって有線に比べて音質はどうなの、というところが焦点になると思います。これはフォーラムなんか読んでいても、違う・違わないで結構論議あるところです。下記のCAスレッドにもこの辺の話題が乗ってます。
http://www.computeraudiophile.com/content/sound-quality-not-reliability-wired-vs-wireless
このD2の場合は下記のようにDDCとしてデジタルで無線を経由のありなしで確認したけれども、音質の差は無視できるほどと書いていますね。
  *Mac→D2送信機→D2受信機→光→D1 DAC→アンプ
  *Mac→光→D1 DAC→アンプ
AudioEngineではパソコンと電気的に切り離せるというところでの利点も書いています。

なかなかこのHDワイヤレスの分野も面白くなってくるかもしれませんね。
posted by ささき at 23:20 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月01日

ジョブズの死がアップルの音楽政策にブレーキを

こちらCNNがニールヤングに対して行ったインタビューですが、ジョブズの死後、アップルが高品質音楽への情熱を失って来てるとのこと。MP3やAACではなくアップルがハイレゾ方面に動いてると言うニュースを伝えて来ましたが、それが頓挫してるということです。ポーズボタンを押したよう、と題されてますね。

CNN : Apple presses pause on high-def music, says Neil Young
http://edition.cnn.com/2012/01/31/tech/web/neil-young-apple-high-def-music/index.html?c=tech

ニールヤングは先のLINNのティーフェンブルンのブログでもアップルと音楽との関係でニュースソースに使ってましたが、この分野のキーパーソンです。「ジョブズはデジタルミュージックのパイオニアだったけど、家に帰るとアナログレコードを聴いてたよ」って言ってます。

うちのiPadとUSBオーディオの記事ではアップルが音楽の高品質再生にも力をいれてるんではないかと書きましたが、あくまでまだジョブズ在任時の開発の結果です。やはりビートルズやディランに感化されポップカルチャーの申し子的なジョブズの死と言うのは少なからぬ影響を残してるよう。ジョブズだと損得なしで自分の好みだけでぐいぐい進めるでしょうけど、クックなら「オーディオ分野っていくら儲かるの?」って感じでしょう。後継が事務屋のクックでなく芸術家のアイブならどうなんだろうとは思いますね。
ただアップルのスポークスマンはこの件については否定をしているようではあります。

繁栄を極めたローマ五賢帝時代の最後の皇帝マルクスアウレリウスの最大のミスは後継者を間違えたことと言われ、それでローマの黄金期が終わるわけですが、、
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2012年01月29日

NetAudio Vol05に執筆しました

音元出版さんのNetAudio誌の最新号は1/30に発売しますが、今号から定期刊行として発行するそうです。
私はP34にパソコン内部の音の仕組みとしてCoreAudioとかWASAPIなどの開設を書き、P80から2011年から2012年にかけてのこの分野の振り返りとトレンドを書いています。後者の方はなかなか力が入っていてUSB DACのトレンドから再生ソフトの盛り上がりとインテジャーモードなどへ至る流れ、そしてDACと再生ソフトの連携によるDSDネイティブ再生の流れ、また2012年へのOSなどパソコン分野での変化とそのオーディオ分野への影響予測など、多岐にわたって書いてますのでぜひご覧ください。

他の紙面もカタログ的な紹介よりも読み物が充実している感じで読みごたえがあるのではないでしょうか。どうぞ手に取ってみてください。
今回は少し前のAV Reviewのように立派なダンボールに封入された特別付録としてWAVやDSD音源が入っています。なお付録についての開設は雑誌の反対側から読むようになっていますので注意ください。慣れたら中綴じよりは読みやすいかもしれませんね。




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2012年01月27日

Audiophilleo1のレビュー記事を執筆しました

共同通信社さんのPC Audiofan webにAudiophilleo1のレビュー記事を書きました。
192/24対応機器が増えてきた中でもまだまだ異彩を放つユニークな機器でもありますのでこの機会にチェックください。

http://www.pc-audio-fan.com/review/pcaudio/20120127_15083/
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2012年01月24日

Appleと無線LANの新規格 - 802.11ac

Apple insiderによると今年アップルが802.11acを製品に取り込むのではないかと言われています。目的はAirPort、TimeCapsule、Apple TV、Macbook、もしくはモバイルデバイスなどへの適用です。少し前の記事でワイヤレスのトピックを書いたのでここでもフォローしておきます。
Apple insiderの記事 - Apple working to adopt 802.11ac 5G Gigabit WiFi this year

上記記事の根拠としてはAppleが供給を受けているブロードコムが802.11acの製品発表をCESで行ったことに端を発して、過去にAppleがAirPortなど無線LANにいち早く取り組んでいて、Apple TVでも11n規格をドラフトの段階からいち早く取り込んでリーダーとなったということを勘案してのことだと言うことです。

802.11acとはなにかというと、現在の11nの次の無線LAN規格でまだドラフトの段階ですが、CESでバッファローがデモをし、ブロードコムが製品を発表しています。
無線LANもついにGbps時代! IEEE 802.11acは2012年に離陸

有線LANならギガビット相当になりますね。わかりやすくUSBにたとえると、だいたいの世代対応では無線LANの802.11bがUSB1.1、802.11nがUSB2.0にほぼ相当します。そして802.11acはUSB3.0に相当する規格になります。たとえば80.211acをUSB2.0アダプタでサポートする製品も考えられていますが、USB2.0では802.11acの転送速度をカバーし切れません。
また特徴は転送速度だけではなく、現在一般的な2.4GHz帯ではなく5G帯を使うと言うことです。(アンテナも新設計が必要です)
ちなみに電波の基本として周波数が高いほど情報量は多く、直進性が強くなります。

ワイヤレス製品の国内普及の問題は法的なものも大きく絡みます。アメリカでは2012年内に802.11acが早くも立ち上がるかもしれませんが、日本では法整備からはじまるのかもしれません。
オーディオにおいては無線でUSB2.0のHighSpeedを上回るほどの規格が必要かという話はありますが、混んでいない5G帯を使うなどメリットは大きいと思います。すぐにどうこうではありませんが、サンダーボルトと並んでちょっと注意しておきたい規格ではありますね。

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2012年01月20日

Apogeeからサンダーボルトのオーディオインターフェース登場

CESのあとはNAMMショウをやりますがそこでApogeeから同社のSymphony 64 というDAWシステムとMacを接続するサンダーボルトのインターフェースが発表されてます。
http://www.apogeedigital.com/products/namm-2012.php

通常Symphony 64とMacは下記のようにMac proにPCIカードを差してシステムを組むようですが、このサンダーボルトのインターフェースを使えば普通のノートブックタイプでもサンダーボルト端子があれば使用できると言うことになりますね。
http://www.electori.co.jp/apogeepro/symphony.htm

アポジーは早くからサンダーボルト対応を表明してましたが、PCIシステムへの応用って言うサンダーボルトとしてはわかりやすいところから始めた感じです。
いずれにせよサンダーボルトのオーディオ応用が始まったのは注目したいところです。

*このApolloのオーディオインターフェースでもサンダーボルト採用しています。MOTUも製品があるようですが、けっこう広がり始めてるようですね。
http://www.gearslutz.com/board/new-product-alert/690006-ua-apollo-interface.html
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2012年01月17日

ワイヤレス・オーディオの多様化

CES2012ではAirPlay対応製品も増え、ワイヤレス・オーディオ製品の面白そうなものもいくつか出ています。

こちらNuforceのコンパクトなAirDACです。
Engadgetの記事
名称からしてAirPlay対応かと思いましたが、独自方式のようです。USBとiPodドック対応の送信機とこの写真にある受信機のペアのようですが、最大4台で組み合わせられて、デイジーチェーンで送信距離を伸ばせると言うので受信機は送信機を兼ねているのかもしれません。

DynaudioのXeoもワイヤレス・アクティブスピーカーとして面白い製品です。
Dynaudioのホームページ
ワイヤレスでアクティブスピーカーという従来は安いコンシューマー品のカテゴリーのものにハイクラスのきちんとした製品を作りこんでいるのが印象的です。

もうひとつ興味深いのはハイレゾ対応の流れです。ワイヤレスと言うとたいていは48kHz/16bitどまりですが、一昨年(2010)のRMAFに出展されたBlackFireのFireCast以降ハイレゾ対応のワイヤレス品もいくつか出てきています。
BlackFireのホームページ

以前パワードスピーカーについて書いたメーカーですが、スモールオーディオでよい製品を出しているAudio Engineはハイレゾ対応のワイヤレスDACのD2を登場させています。CESではかなり無線LAN密度が濃いんですが、それでも良好な接続ができたと言うことです。http://audioengineusa.com/Store/Audioengine-D2
DACにPCM1792を使用していて本格的で価格も手ごろ(送受信ペアで$800くらい)ですし、なかなか良さそうですね。海外のオーディオレビューサイトはComputerAudiophileもAudioStreamもこれに注目して近日レビューがアップされる予定です。

またこれはCESではないですが、"体重計"Devialetも昨年後半にワイヤレス・ハイレゾ対応しています。Devialetでは現在はCD品質だけども、2012年中にアップデートで96/24対応すると書いています。
ComputerAudiophileのフォーラム
Devialetのページ
これは802.11nベースのようですね。

またAiPlay対応ではこのChapter Audioのワイヤレスアンプ・notepadも$2500と堂々としたハイクラス品です。
AudioStreamの記事(RMAF2011)

こうしてみてもワイヤレスは技術的にも価格帯的にも多様になってきています。
実際ワイヤレスって一口に言ってもとても広いものです。
KleerやBluetoothあたりからはじまって、最近ではAirPlayなど、またDLNAやiTunes Shareを無線LANルーターを使ってワイヤレスシステムを組むこともできます。BluetoothやKleerは従来のインターコネクトケーブルの代わりと考えられますが、無線LANネットワークは有線LANケーブルの代わりです。帯域幅はKleerなどは送信設計上のビットレートですが、ネットワークの場合は無線LANの規格(802.11bや11nなど)によるでしょう。(DLNAなどはもっと上位層の話です)
また接続形態には送受信関係がはっきりしている1:1(Bluetooth)、1:2/1:4(Kleer)もあるし、ネットワークのように多:多もあるし、多様な形態(トポロジー)が考えられます。
ただ反面でハイレゾワイヤレスなんかはDSDみたいにバラバラにはじまってしまうと言う懸念もないわけではないですね。この辺もそろそろ整理が必要かもしれません。

オーディオの場合はネットワークと言っても、すでにホームネットワークのLANが張ってあってそれにオーディオ機器が参加すると言うかたちよりも、ネットワークオーディオ機器を入れてからそのためにLAN線を張るというようないささか主客転倒な場合も多いと思います。そのさいは単にPCとDAC/プレーヤーの距離を離したいなど場合によってはネットワークではないAudioEngine D2のようなポイント間ワイヤレスのほうが便利と言うこともあると思います。このように目的と手段(システム)をはっきりさせるとワイヤレスのニーズと言うのも出てくるかもしれません。この辺は少し注目していきたいところです。
posted by ささき at 23:54 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする