ESS9018などで高性能DACチップICでおなじみESS Technologyが今度はヘッドフォンアンプチップを作成したようです。下記Mono and Stereo誌に記載されています。
http://www.monoandstereo.com/2014/02/sabre9601-headphone-amplifier.html
これはセイバーシリーズの名を冠するSABRE9601というチップで、定電圧DACのSABRE-2Mシリーズと合わせて使うことを目的に製作されたということです。つまりはHerusのようなポータブルDACをより高性能に作れるということです。
ヘッドフォンアンプチップというからにはTIのTPA6102のようなバッファチップですね。TIでいうとTPA6102A2のような低電圧版に相当するモバイル向でしょう。SABRE9601は+3.3V片電源で動作します。用途はスマートフォンやタブレット、あるいはDAPを考えているようです。あるいはHerus2なんてのもあったりして。。
2014の3月にサンプル出荷を開始するということなので、Resonessenceあたりにまずは注目ですね。あるいはCalyxか。。
Music TO GO!
2014年02月19日
2013年06月20日
全米レコード協会がストリーミング配信にもゴールドディスク認定を拡張
オーディオ的にはRIAAカーブで知られる全米レコード協会(RIAA)は1958年から55年もゴールドディスク認定を行ってますが、最近この歴史的な認定をストリーミング配信にも広げたそうです。
カウント方法は100ストリームあたり1ダウンロード(一枚購入)換算です。この計画はRIAA内でもずいぶん練られていたようで、換算方法はコンシューマーの相対的な使い方(activity)によるもので、価格価値(financial value)的なものではないとのこと。
http://www.riaa.com/newsitem.php?content_selector=newsandviews&news_month_filter=5&id=03662575-C88F-51CF-779C-8396A2B8D74D
最近AppleやGoogleなどもストリーミング配信に乗り出すことで、活性化するストリーミング配信ですがインフラも整いつつあるようです。アメリカでは、ですが。
カウント方法は100ストリームあたり1ダウンロード(一枚購入)換算です。この計画はRIAA内でもずいぶん練られていたようで、換算方法はコンシューマーの相対的な使い方(activity)によるもので、価格価値(financial value)的なものではないとのこと。
http://www.riaa.com/newsitem.php?content_selector=newsandviews&news_month_filter=5&id=03662575-C88F-51CF-779C-8396A2B8D74D
最近AppleやGoogleなどもストリーミング配信に乗り出すことで、活性化するストリーミング配信ですがインフラも整いつつあるようです。アメリカでは、ですが。
2013年04月29日
iFi Audioの新製品、USB DDCのiLinkレビュー
iFi AudioのDACやヘッドフォンアンプのレビューを前の記事で書きましたが、新製品でiLinkというUSB DDC(Digital to Digital Converter)が出ました。USB DDCはhiFaceのようにUSBデジタル入力をSPDIFデジタル出力に変換する機器です。

こちらがiFi iLinkの製品ページです。
http://www.ifi-audio.com/en/iLink.html
iLinkの筐体やパッケージは他の製品と同じタイプです。はじめから必要なケーブル類が付属しているのも同じです。iLinkはバスパワーで動作するので、付属品はUSBケーブル、光ケーブル、同軸ケーブルです。今回のポイントは付属の同軸ケーブルで、ショートタイプのBNC同軸ケーブルにRCAアダプタが両端で装着されています。(これは後で出てきます)

筐体の片側はBタイプのUSB端子があり、USB接続はUSB Audio class 2.0対応です。Mac 10.6.4以降はドライバー不要ですがWindowsではドライバーインストール(ホームページから)が必要です。サンプリングレートは192kHz 24bitまでの対応となります。
反対側は出力端子がまとめられていて、光出力とSPDIF(NormalとHigh)出力、JETのオンオフスイッチがあります。
iFi Audioらしいユニーク機能としてiLinkの特徴的な技術はJETとSuper Digital Outputですが、私がAMR技術者に直接問い合わせて確認した内容を以降で解説して行きます。

音はMac (10.8)で聴いてみました。ドライバーのインストールは不要です。USBケーブルは添付のものを使ってみました。SPDIFの同軸デジタルはhiFaceと比較するためにWireWorldを使用しています。添付のUSBケーブルでもhiFaceに比べるとスケール感も向上し、細部は滑らかで上質な音と感じられます。
全体にiFi製品はノイズ対策にとても気を配って音を荒さ・きつさのないものにしてるように思います。これはJETをONにするとさらに明らかで、いままで感じられた硬質感が取れて滑らかで音楽的ないかにもiFi/AMRがめざすアナログっぽい音になります。USB DDCでこういう効果があるのはあまり聴いたことがありませんね。今ではハイレゾUSB DACが当たり前になり必要性という意味ではUSB DDCの必要性は後退してるけれども、iLinkは音を上質にするという面白い可能性を提示しているように思います。
技術的にいうとJETは20kHz以下のベースバンドのジッターを効率よく高い周波数にシフトさせるというもので、こうすることで受け手のレシーバーICの性能が悪くても効果的にジッターを低減できるようになるということです。ただしこうすることでDACによっては176kHzや192kHzのような高い周波数でのロックがうまく働かなくなることがあるようです。そこで通常はONでよいけれどもこうした場合にはOFFでも試してみるとよいそうです。低価格帯でのDACの実情というものをよく考慮したシステムと言えるでしょうね。
さて、JETとならんでiLinkのもう一つの特徴はSuper Digital Outputです。Super Digital OutputはiLink独自のHigh/Normalに別れたSPDIF出力のことです。こうした出力端子はあまり見たことがないでしょう。
これは以前の記事で少し触れたのですが、その時はHighは対応機器が限られると書きました。一方でiLink製品版のマニュアルでは基本的にHighにしておいた方が良いと説明があるのでちょっと矛盾するようですが、以下もう少し細かく補足します。
iLinkのSPDIF出力のHighとNormalは電圧のことで、Normalが通常でHighがそれよりも高い電圧で出力しているということを示しています。しかしSPDIFにHigh規格ってあったのか、という人もいると思います。このSPDIFのHigh/Normalというのは規格ではなくDACの実装で使い分けるものです。
市販のさまざまなDACに使われているSPDIF入力レシーバーにはさまざまなDAC個別の違いがあります。たとえばシーラスロジックのCS841x系のチップを使ったレシーバーは本来SPDIFより高い電圧(5V)を使用するバランス(プロ仕様)のAES/EBU向けのチップですが、より低電圧(0.5V)が一般的なSPDIFにも使用できます。こうしたチップを使った実装ではSPDIFであってもやはり高い電圧の方が最適でジッターも低いということです。AKMでも似たようなものがあるようです。
反面でそれ以外の多くのSPDIF対応DACはやはりSPDIFの低い電圧に最適化していて、高い電圧を送れば音が良くなるというものではありません。やはり適材適所で最適な電圧を送るのがジッター低減にも寄与するというわけです。
他のメーカーでもDAC側でこうした違いに着目した例もあり、一例をあげるとマークレビンソンのDAC No36ではSPDIF入力端子とレシーバーの間にアンプ回路が入っていて、レシーバー回路に最適な電圧に増幅しているようです。つまりこうした最適化をDDC側であらかじめ行っておくというのがiLinkのHigh端子です。
No36の場合はAES/EBUとデジタルレシーバーが共通だからSPDIF入力の方はそうしたアンプが入っているのかもしれませんが、似たような実装は他にもありそうです。
送り出し側で工夫した例としては日本の47研究所があります。47研のDACはSPDIFレシーバーにCS8412/8414を採用していてiLinkのHigh向きですが、47研究所のCDトランスポートではDCカップリングとACカップリングという二つのSPDIF出力端子があって、DCカップリングの方がiLinkのHighの考え方に近いそうです。(ただしiLinkはよりインピーダンスマッチやアイソレーションを考慮した設計をしているということです)
こうしたことからiLinkのHigh/Normalの使い分けは使用するDACがどういうレシーバーでどういう設計をしているかに左右されます。とはいえ、普通の人はそういうのはわかりませんから、違いについては両方試してみて音の良い方を選んでほしいということです。NormalとHighを両方入れてみてDACやiLinkが壊れるとかそういうことはないということです。
つまり47研のようなSPDIFレシーバーのDACはHighを使用するのが最適ですが、もちろんNormalでもロックして音は普通に再生できます。ただしHighの方がより最適で音が良いだろうということです。またそうでないDACはNormalを使用するのが最適ですが、Highでもロックして音は普通に再生できるようです。ただしNormalの方がより最適で音が良いだろうというわけです。
またマークレビンソンのNo36の場合はレシーバーはHighに最適化されているはずですが、SPDIF入力からはアンプ回路を入れて既に内部的にHighに対応していますからiLinkからの出力はNormalが最適になるはずです。この辺も実装の問題になりますね。そういうわけでこの辺は複雑なところもありますから、とりあえずHigh/Normalを使い分けて音を試してほしいということになります。
実際にやってみるとどちらも普通に使えます。音の変化はJETのON/OFFに比べると微妙な差ではありますが、High対応の機器でちょっと試してみたいですね。
さきほども少し書きましたが、iLinkのSPDIF出力はNormal/Highが分かれているだけではなく、アイソレーションやインピーダンスマッチという観点からもしっかりと設計しているということです。それも音質向上に寄与しているでしょう。
USB DDCとしての総合的な性能はだいぶ高いようで、iFiのページに比較表がありますが、Emprical AduioのOff-Rampよりもジッターが低いというものです。Emprical Audioは日本ではあまり知られていませんがアメリカのPCオーディオ系ではよく出てくる中堅メーカーで、その$1000を超える立派なデスクトップUSB DDCより低いというからたいしたものです。

ちなみにiFiでは12インチ(30cm)以下のデジタルケーブルを推奨しているそうです。これはインピーダンスマッチング問題における末端反射によるものだそうで、DAC側はBNCが推奨でその場合はiLink側にBNCアダプターを付けて対応してほしいということです。これはつまり先に書いた付属のケーブルのことですね。
しかし100万円のマークレビンソンならともかく、この価格でここまで細かい音にこだわるとはiFiオーディオには改めて驚かされます。先に書いたように電源のフィルタリングやインピーダンスという点でも細かい配慮があります。
普通はAMRというハイエンドブランドがあるなら、差別化のためこちらは手を抜きそうなものですがiFiの場合はこの価格の範囲(あるいはそれを超える)での最高を目指そうとしているようです。おそらく今まで低価格機を買うのはマニアではないから音質もこのくらいで良いだろうという妥協があったと思います。iFiの考え方はこれからの新基準というか、現在のオーディオ市場を的確にとらえて考えていると思います。
iUSB Powerなんかでも面白いと思ってましたが、iLinkで改めてiFiはなかなかの注目ブランドだと思いました。
製品情報としてiLinkは5/11(ヘッドフォン祭)で発売開始、価格は39800円だそうです。
下記にiFi Audioの日本語サイトがありますのでこちらも参照ください。
http://ifi-audio.jp/

こちらがiFi iLinkの製品ページです。
http://www.ifi-audio.com/en/iLink.html
iLinkの筐体やパッケージは他の製品と同じタイプです。はじめから必要なケーブル類が付属しているのも同じです。iLinkはバスパワーで動作するので、付属品はUSBケーブル、光ケーブル、同軸ケーブルです。今回のポイントは付属の同軸ケーブルで、ショートタイプのBNC同軸ケーブルにRCAアダプタが両端で装着されています。(これは後で出てきます)


筐体の片側はBタイプのUSB端子があり、USB接続はUSB Audio class 2.0対応です。Mac 10.6.4以降はドライバー不要ですがWindowsではドライバーインストール(ホームページから)が必要です。サンプリングレートは192kHz 24bitまでの対応となります。
反対側は出力端子がまとめられていて、光出力とSPDIF(NormalとHigh)出力、JETのオンオフスイッチがあります。
iFi Audioらしいユニーク機能としてiLinkの特徴的な技術はJETとSuper Digital Outputですが、私がAMR技術者に直接問い合わせて確認した内容を以降で解説して行きます。


音はMac (10.8)で聴いてみました。ドライバーのインストールは不要です。USBケーブルは添付のものを使ってみました。SPDIFの同軸デジタルはhiFaceと比較するためにWireWorldを使用しています。添付のUSBケーブルでもhiFaceに比べるとスケール感も向上し、細部は滑らかで上質な音と感じられます。
全体にiFi製品はノイズ対策にとても気を配って音を荒さ・きつさのないものにしてるように思います。これはJETをONにするとさらに明らかで、いままで感じられた硬質感が取れて滑らかで音楽的ないかにもiFi/AMRがめざすアナログっぽい音になります。USB DDCでこういう効果があるのはあまり聴いたことがありませんね。今ではハイレゾUSB DACが当たり前になり必要性という意味ではUSB DDCの必要性は後退してるけれども、iLinkは音を上質にするという面白い可能性を提示しているように思います。
技術的にいうとJETは20kHz以下のベースバンドのジッターを効率よく高い周波数にシフトさせるというもので、こうすることで受け手のレシーバーICの性能が悪くても効果的にジッターを低減できるようになるということです。ただしこうすることでDACによっては176kHzや192kHzのような高い周波数でのロックがうまく働かなくなることがあるようです。そこで通常はONでよいけれどもこうした場合にはOFFでも試してみるとよいそうです。低価格帯でのDACの実情というものをよく考慮したシステムと言えるでしょうね。
さて、JETとならんでiLinkのもう一つの特徴はSuper Digital Outputです。Super Digital OutputはiLink独自のHigh/Normalに別れたSPDIF出力のことです。こうした出力端子はあまり見たことがないでしょう。
これは以前の記事で少し触れたのですが、その時はHighは対応機器が限られると書きました。一方でiLink製品版のマニュアルでは基本的にHighにしておいた方が良いと説明があるのでちょっと矛盾するようですが、以下もう少し細かく補足します。
iLinkのSPDIF出力のHighとNormalは電圧のことで、Normalが通常でHighがそれよりも高い電圧で出力しているということを示しています。しかしSPDIFにHigh規格ってあったのか、という人もいると思います。このSPDIFのHigh/Normalというのは規格ではなくDACの実装で使い分けるものです。
市販のさまざまなDACに使われているSPDIF入力レシーバーにはさまざまなDAC個別の違いがあります。たとえばシーラスロジックのCS841x系のチップを使ったレシーバーは本来SPDIFより高い電圧(5V)を使用するバランス(プロ仕様)のAES/EBU向けのチップですが、より低電圧(0.5V)が一般的なSPDIFにも使用できます。こうしたチップを使った実装ではSPDIFであってもやはり高い電圧の方が最適でジッターも低いということです。AKMでも似たようなものがあるようです。
反面でそれ以外の多くのSPDIF対応DACはやはりSPDIFの低い電圧に最適化していて、高い電圧を送れば音が良くなるというものではありません。やはり適材適所で最適な電圧を送るのがジッター低減にも寄与するというわけです。
他のメーカーでもDAC側でこうした違いに着目した例もあり、一例をあげるとマークレビンソンのDAC No36ではSPDIF入力端子とレシーバーの間にアンプ回路が入っていて、レシーバー回路に最適な電圧に増幅しているようです。つまりこうした最適化をDDC側であらかじめ行っておくというのがiLinkのHigh端子です。
No36の場合はAES/EBUとデジタルレシーバーが共通だからSPDIF入力の方はそうしたアンプが入っているのかもしれませんが、似たような実装は他にもありそうです。
送り出し側で工夫した例としては日本の47研究所があります。47研のDACはSPDIFレシーバーにCS8412/8414を採用していてiLinkのHigh向きですが、47研究所のCDトランスポートではDCカップリングとACカップリングという二つのSPDIF出力端子があって、DCカップリングの方がiLinkのHighの考え方に近いそうです。(ただしiLinkはよりインピーダンスマッチやアイソレーションを考慮した設計をしているということです)
こうしたことからiLinkのHigh/Normalの使い分けは使用するDACがどういうレシーバーでどういう設計をしているかに左右されます。とはいえ、普通の人はそういうのはわかりませんから、違いについては両方試してみて音の良い方を選んでほしいということです。NormalとHighを両方入れてみてDACやiLinkが壊れるとかそういうことはないということです。
つまり47研のようなSPDIFレシーバーのDACはHighを使用するのが最適ですが、もちろんNormalでもロックして音は普通に再生できます。ただしHighの方がより最適で音が良いだろうということです。またそうでないDACはNormalを使用するのが最適ですが、Highでもロックして音は普通に再生できるようです。ただしNormalの方がより最適で音が良いだろうというわけです。
またマークレビンソンのNo36の場合はレシーバーはHighに最適化されているはずですが、SPDIF入力からはアンプ回路を入れて既に内部的にHighに対応していますからiLinkからの出力はNormalが最適になるはずです。この辺も実装の問題になりますね。そういうわけでこの辺は複雑なところもありますから、とりあえずHigh/Normalを使い分けて音を試してほしいということになります。
実際にやってみるとどちらも普通に使えます。音の変化はJETのON/OFFに比べると微妙な差ではありますが、High対応の機器でちょっと試してみたいですね。
さきほども少し書きましたが、iLinkのSPDIF出力はNormal/Highが分かれているだけではなく、アイソレーションやインピーダンスマッチという観点からもしっかりと設計しているということです。それも音質向上に寄与しているでしょう。
USB DDCとしての総合的な性能はだいぶ高いようで、iFiのページに比較表がありますが、Emprical AduioのOff-Rampよりもジッターが低いというものです。Emprical Audioは日本ではあまり知られていませんがアメリカのPCオーディオ系ではよく出てくる中堅メーカーで、その$1000を超える立派なデスクトップUSB DDCより低いというからたいしたものです。

ちなみにiFiでは12インチ(30cm)以下のデジタルケーブルを推奨しているそうです。これはインピーダンスマッチング問題における末端反射によるものだそうで、DAC側はBNCが推奨でその場合はiLink側にBNCアダプターを付けて対応してほしいということです。これはつまり先に書いた付属のケーブルのことですね。
しかし100万円のマークレビンソンならともかく、この価格でここまで細かい音にこだわるとはiFiオーディオには改めて驚かされます。先に書いたように電源のフィルタリングやインピーダンスという点でも細かい配慮があります。
普通はAMRというハイエンドブランドがあるなら、差別化のためこちらは手を抜きそうなものですがiFiの場合はこの価格の範囲(あるいはそれを超える)での最高を目指そうとしているようです。おそらく今まで低価格機を買うのはマニアではないから音質もこのくらいで良いだろうという妥協があったと思います。iFiの考え方はこれからの新基準というか、現在のオーディオ市場を的確にとらえて考えていると思います。
iUSB Powerなんかでも面白いと思ってましたが、iLinkで改めてiFiはなかなかの注目ブランドだと思いました。
製品情報としてiLinkは5/11(ヘッドフォン祭)で発売開始、価格は39800円だそうです。
下記にiFi Audioの日本語サイトがありますのでこちらも参照ください。
http://ifi-audio.jp/
2013年04月19日
ネットオーディオVol10に執筆しました
本日発売のネットオーディオVol10にいくつか記事を書きました。
まずiFi Audioのレビュー記事を書いています(P104)。ここではiFiだけではなくバックグランドとしてのAMRも解説しているところがポイントです。なお補足ですが、iFiでは最近iLinkというUSB DDCが発表されています。 http://www.ifi-audio.com/en/iLink.html
これはSPDIF出力にNormalとHighと二つ端子があるところがポイントです。このNormalとかHighというのは電圧振幅のことで、Normalは通常の(アンバランス)SPDIFの規格で通常はこちらを使います。Highはそれより高いので、この規格に合うDACでないと対応できません。いまわかっているのはAMRと一部の国内外のDACのみです。性能的にも高いようで、日本では出ていませんがアメリカでは有名なEmpirical AudioのOff-ramp(据え置きタイプの立派なDDC)よりも低ジッターということです。iFiもなかなかにユニークで注目のブランドですね。
それと再生ソフトウエアの技術的解説の記事を書きました(P62)。ここでは各ソフトウエアの技術的な解説と序文のみ書いています。音の感想などはほかの方ですので念のため。
またいつも書いているオーディオ最前線ではAndroidのデジタル出力対応についてまとめて書いています。興味のある方はどうぞご覧下さい。
まずiFi Audioのレビュー記事を書いています(P104)。ここではiFiだけではなくバックグランドとしてのAMRも解説しているところがポイントです。なお補足ですが、iFiでは最近iLinkというUSB DDCが発表されています。 http://www.ifi-audio.com/en/iLink.html
これはSPDIF出力にNormalとHighと二つ端子があるところがポイントです。このNormalとかHighというのは電圧振幅のことで、Normalは通常の(アンバランス)SPDIFの規格で通常はこちらを使います。Highはそれより高いので、この規格に合うDACでないと対応できません。いまわかっているのはAMRと一部の国内外のDACのみです。性能的にも高いようで、日本では出ていませんがアメリカでは有名なEmpirical AudioのOff-ramp(据え置きタイプの立派なDDC)よりも低ジッターということです。iFiもなかなかにユニークで注目のブランドですね。
それと再生ソフトウエアの技術的解説の記事を書きました(P62)。ここでは各ソフトウエアの技術的な解説と序文のみ書いています。音の感想などはほかの方ですので念のため。
またいつも書いているオーディオ最前線ではAndroidのデジタル出力対応についてまとめて書いています。興味のある方はどうぞご覧下さい。
2013年04月06日
Mac miniのオーディオ用外部電源
Mac miniはなかなかPCオーディオに向いていますが、より高音質化するためにローノイズのオーディオ用外部電源が出ました。これはClones Audioという香港のアンプなどを作っているオーディオメーカーの製品です。$499+送料と115Vへの改造費で日本だと$550くらいです。(対応は2010年モデル以降)
http://www.clonesaudio.com/#!product/prd1/667867321/mpsu
以前アメリカの会社でMac miniを引き取ってスパイクまでつけて専用のオーディオ向けに改造するというところはありましたが、こちらはユーザーインストーラブルというところがユニークです。電源を上のサイトで買って送ってもらったら自分で改造をします。
下に設置の解説ビデオがアップされていますが、Mac mini内蔵の電源を取って専用のケーブルに差し替えるというものです。工程は約10分ほどとのこと。Macとしてサポートしてほしいときはまた元に戻すというわけです。ちなみに電源本体とのケーブルは1mです。
電源本体はシンプルなキューブ状というのもApple製品にマッチします。Mac miniを主に音楽再生に使用している人にはちょっと面白い製品ですね。
http://www.clonesaudio.com/#!product/prd1/667867321/mpsu
以前アメリカの会社でMac miniを引き取ってスパイクまでつけて専用のオーディオ向けに改造するというところはありましたが、こちらはユーザーインストーラブルというところがユニークです。電源を上のサイトで買って送ってもらったら自分で改造をします。
下に設置の解説ビデオがアップされていますが、Mac mini内蔵の電源を取って専用のケーブルに差し替えるというものです。工程は約10分ほどとのこと。Macとしてサポートしてほしいときはまた元に戻すというわけです。ちなみに電源本体とのケーブルは1mです。
電源本体はシンプルなキューブ状というのもApple製品にマッチします。Mac miniを主に音楽再生に使用している人にはちょっと面白い製品ですね。
2013年02月20日
欧州の新しいPCオーディオブランド、iFiのDAC・アンプとiUSB Power
iFi(アイ・ファイ)はポタ研のさいにトップウイングのブースで展示されていた新オーディオブランドです。

今回はヘッドフォンアンプのiCan、USB DACのiDAC、そして「USBクリーン電源」のiUSB Powerを発売に先行してお借りしたのでレビューします。下記では親会社のAMRの技術者に直接聞いてみた情報も反映させています。
* iFi とAMRについて
iFiというのは新しいブランドですが、AMR(Abbingdon Music Research)というイギリスのハイエンドオーディオメーカーの新ブランドです。AMRというのも日本ではなじみがないのですが、クラスレンジは数十万から百万くらいだと思います。私はAMR DP-777というDACは知っていたんですが、これはAudirvanaが初期のころにインテジャーモードをテストするのにダミアンがAMRとタイアップして進めていたので名前を覚えていました。私が訳出したインテジャーモードの白書にも書いてあります。また実際にAudirvanaのショウデビューもイギリスのオーディオショウのAMRブースでした。

AMR CD-777
AMRの人の話によると、AMRは過去と最新の技術の良いところどりをするというのが開発哲学であるということです。英国オクスフォードにあるAbbingdonというのは大型車を打ち負かすような高性能の小型車ラリーで有名なところだということで、AMRも電源やアンプを分離しないでコンパクトなワンパッケージとして、かつ大きなセパレートタイプのシステムに対抗できるような製品を目指しているということです。(たとえばプリとパワーを分けないでプリメインで高性能を目指すという感じ)
なかでも先に書いたDP-777というDACはユニークで、16bitのDACチップと32bitのDACチップをいっしょに搭載しています。それを切り替えて使えるという仕組みになっていて、かつアナログ回路には真空管を使っているというものです。DACチップ切り替えは入力によるようで、16bit DACはフィリップスのUDA1305ATという「最後のマルチビットDAC」をNOS(ノンオーバーサンプリング)で使用しています。これと真空管を組み合わせるのですから音はだいたい想像はつきますね。つまりアナログっぽい滑らか志向の音楽的な音なんでしょう。一方でハイレゾは32bit DACで再生できるというわけです。こちらはWolfsonを使用しているようです。ちなみに定評あるマルチビットDACのTDA1541はおそらくAMRが世界で一番ストック持ってるんじゃないかと言ってました。(PCM1704は一番ストックあるのはAudio-gdのような気がしますが)
AMRの音再現の方向性というのがこれらからわかるのではないかと思います。
こちらはAMRのホームページです。
http://www.amr-audio.co.uk/index.php
AMRの話を長めに書いたのはこれらの技術やポリシーがiFiに受け継がれているからです。
iFiはほぼAMR出資の子会社で、2011年のRMAF(ロッキーマウンテンオーディオショウ)のときにデビューしました。新ブランドの目的としては、従来AMRが対象にしていた伝統的なスピーカーオーディオに対して、動きが早く若者向けのヘッドフォンオーディオに特化した製品開発をするということです。やはり若年層の顧客開拓というのが大きい理由のようですが、この辺の事情は日本とも似ているところが興味深いところです。
そのために価格は手頃な現実価格にするけれども、技術的にはハイエンドのAMRを受け継いでいるということです。たとえば下記で紹介しますが、A級増幅、TubeState、DirectDrive(ダイレクトカップリング)、オーディオ品質の電源供給などです。(価格的にはAMRが$3000-$5000くらいなのに対して、iFiはいずれもUS$200-300くらいの価格帯です)
ですから新ブランドといっても出自があやしいものではなく、血統正しく技術的にも確立した安心できるブランドであると言えるでしょうね。
こちらはiFi audioのホームページです。
http://ifi-audio.com/en/index.html
以下製品紹介をしていきます。
このシリーズはすべてコンパクトな同一サイズでまとめられていますし、パッケージもデザインも共通しています。アクセサリーは異なりますが、おおむねはじめからケーブルなどが付属していて初心者でも困らないように考えられています。上面に状態表示のLEDがついているところも同じですが意味は機種で異なります。プラグ等は入力と出力がそれぞれ反対側にまとめられています。機器間のケーブル接続の間に挟まるようなイメージですね。
価格も安く設定されていて、コンシューマー向けブランドを思わせます。国内価格は完全に決まっていないので、参考として現地価格を乗せておきます。
* ヘッドフォンアンプ iCanについて
iCanは純粋なヘッドフォンアンプでデジタル入力など内蔵DACはありません。現地価格は$249。アクセサリーはRCAケーブル、ミニミニケーブル(iPodなどからの入力用)、電源アダプターが入っています。

入力はRCAのほかにステレオミニ端子も用意されている点はiPodなどやiPhoneなどからの使用も考慮しているのでしょう。ミニ端子からミニ端子への白いケーブルが付属しています。
付加機能としては低域強調のXBassや音場感を広げる3D Holographic Soundなどが用意されています。
3D Holographic Soundというのはヘッドフォンの頭内定位を解消するというものです。従来技術ではクロスフィードがありましたが、これは独自の技術を使用しているということです。特徴的なのはこうした機能はたいていDSPなどデジタル領域で行うものですが、この技術はアナログ回路で設計されているということです。この辺のこだわりもハイエンドメーカーの気質を受け継いでいるのでしょうか。

もうひとつの機能であるXBassはいわゆる低音増強のベースブーストです。こちらもヘッドフォンが低域特性に個性差が大きいので、低域不足と感じるヘッドフォンに対して補正するという考えのようです。ですから低域を足すというよりも、低域をあるべきレスポンスに戻すという考え方で設定しているということです。
これらは従来スピーカー向けに作られていたAMRに対して、iFiではヘッドフォンオーディオがメインターゲットになっているので、基本機能に加えてこうしたヘッドフォン向けの付加機能をプラスしたという風にも考えられます。AMRから受け継ぐ基本機能というのはたとえばDirectDriveやTubeStateと呼んでいるものです。
DirectDriveというのは後段に通常ある抵抗やコンデンサーをバイパスしてアンプ部からヘッドフォンアウトにダイレクトに出力するというものです。つまりはこの前RWAK100で書いたような改造を純正でやっているような感じでしょうか。これにより出力インピーダンスは1オーム以下となりヘッドフォンの制動力も高くなるということです。
TubeStateというのはTube + SolidStateというような意味らしく、真空管のように滑らかな音をソリッドステートのように歪みなく再生するというもので、技術というより設計ポリシーのようです。
* USB DAC iDACについて
iDACはバスパワーで動作するUSB DACです。現地価格は$299。RCAケーブルとUSBケーブルが付属します。

USB DACとしては192kHz/24bitまでサポートするUSBオーディオクラス2.0(UAC2)に対応しています。XMOSを使用しているのでアシンクロナス転送に対応しています。つまりMacOS 10.6.4以上であればドライバーのインストールは必要ありません。Windowsではドライバーをインストールする必要があります。

しかしながらAMRの技術者に聞いてみたところ、UAC2に対応していないOSの場合にはフォールパック機構(失敗したときに働く機構)としてオーディオクラス1(UAC1)ドライバーで働くようになるようです。これはAyreのQB-9ではファームのスイッチで切り替えたりできましたが、iDACでは自動で行われるようです。この辺はAMRのファームによって動作しているようです。
ただし開発者の言うことにはiFiの提供するドライバーを利用した方がバッファの制御などで優れているので44kだけ使うとしてもこちらを使用してほしいとのことです。ドライバーにはAMRのロゴがありますのでDP-777あたりと共通かもしれません。

DACチップは旬のESS ES9023を使用しているという点もiDACのポイントです。開発者の弁によるとES9023は競合と比べても優れたチップなので余分にデジタルフィルターなどを追加しないで、素のままで使うようにしているということ。これもAMRから受け継ぐポリシーのようです。マルチビットDACを志向しているメーカーが(Wolfsonはともかく)その対極のようなESSを使うというのも面白いですが、9023ではなるべくワンチップで完結してシンプルにDACを構成できるという点が良いのでしょうね。
またジッター低減ではZeroJitter Liteという機能を採用しています。なぜLiteかというと、この上位に当たるAMRのDAC DP-777で採用されているジッター低減技術がZeroJitterというもので、そのスケールダウン版としてZeroJitter Liteという機能をiDACに搭載しているということです。もちろんスケールダウンしたとしても十分な能力を持っているとのこと。つまりはAMRでの経験を生かして上位機種譲りの機能を備えているということですね。この辺にもAMRの技術の継承が見えます。
またiDACには内蔵ヘッドフォンアンプがついていて、ミニ端子ですがこれ単体で音楽を聴くことができます。ボリュームもついていますが、これはおまけかと思いきや意外と力があります。
* 「USBクリーン電源」 iUSB Power
iUSB Powerはユニークなラインナップですが、USB DACへの給電をクリーンにして音質を向上するというものです。現地価格は$199。使用する際には外部電源が必要です。ACアダプタとUSBケーブルが付属します。

一般的なUSB DACでは全体をバスパワー給電したり一部を給電したりしますが、PCからのこうした信号はたいていノイズで汚染されています。そのUSB電源をクリーン化するのが、このiUSB Powerです。使用法としてはPCとUSB DACの間に挟むようにして使用します。

つまりPCからUSBケーブルをiUSB PowerのUSB Bプラグに接続します。そして反対側のAプラグからもう一本USBケーブルを使用して、DACのBプラグに接続します。またiUSB Powerには外部電源が必要です。反対側に二口USB Aがあるのは後で発売されるGEMINIという電源・信号別になったUSB ケーブル(あのアコリバのやつみたいなもの)を使用するためです。通常は一口(信号+電源の方)のみ使用します。コンシューマーブランドではありますが、こうして電源にこだわりを見せるのも伝統的なオーディオメーカーらしいところです。

電源ノイズ (iFiホームページから)
カタログの方には面白い紹介があって、普通は電池から給電するのが一番安定しているのでノイズレスでクリーンだと考えられますが、実のところは充電池ではそれほどクリーンでもないというのがiFiの主張です。そこでiUSB Powerでは電池よりもさらにクリーンな電源供給を実現しているということです。
またユニークな機能としてISOEarthというスイッチがあります。これは仮想アース?のような機能によって、グランドループを断ち切って電気的にPCとDACを分離するというような機能のようです。これによってノイズフロアを下げることができるということ。これはAMRの技術者に聞いてみたところ、機器にダメージを与えずかつUSB信号を遮断しない方法で行っているということ。ただし日本のように電源が2口プラグの環境では、やはり違いはあるだろうが大きくはないかもしれないということです。
* 音のインプレッション
試聴はWindows7にiFiのサイトからiDACのドライバーをインストールしてJRMCをプレーヤーとしたPCオーディオのシステムとして試聴しました。後でMac(10.8)でも接続は確認しています。ヘッドフォンはHD800を使っています。またRCAケーブルとUSBケーブルは聴き慣れた自分のキンバー(RCA)とSAEC(USB)を使用しています。iUSB powerについてはPC側を付属USBケーブルを使用しています。

HD800とiCan
はじめにiDACをPCに接続して内蔵ヘッドフォンアンプで聴いてみました。HD800ではミニ変換プラグが必要ですけど、iDAC単体のヘッドフォン端子でもHD800で十分音量を取ることができます。iDACの内蔵ヘッドフォンアウトもわりと悪くはないというか、後で書くiCanを通すよりこちらの方がいわゆるESSらしい音に近い感じですね。ただそれでもDragonflyあたりに比べると滑らかでわずか暖かみがあるように感じられますので、ESSのドライな感じを適度に和らげているようには思えます。反面で高域が少しきつめに出ることがありましたが、これはエージングの問題かもしれません。また後で書くiCanを通すより音の広がりが弱くこじんまりとした音空間ではあります。
次にiDACをiCanに接続してiCanからHD800で聴いてみました。iCanを通すとより暖かく厚みのある豊かな音楽的な音になります。全体的なバランスも含めて、かなり良い感じですね。また音の広がりは3D Holographic Soundを使わなくても十分にあります。
ここでiDACをバスパワーで性能の良いWavelength Protonあたりと変えて比べてみました。iDACは透明感や解像力が際立つタイプではないけれども、適度なクリアさがあり音の広がり感や滑らかで音楽的な表現が良いと思いますね。この辺もAMRの音の継承という感じなのでしょう。また前述したようにiDACの内蔵ヘッドフォンアンプだとこじんまりとした音空間ですが、DACとして使うとiDACは意外と音が広いのも面白いところです。
iCanとiDACの組み合わせはなかなか素晴らしく、一体感のある音で組み合わせて使うことを考えていると思います。音楽的で音色も美しく、滑らかで温かみがあります。女声ヴォーカルも魅力的ですね。ただ柔らかすぎずに楽器音の分離もしっかりしていていて、ギターなど生音の切れも良いようです。ヘッドフォンオーディオ的には聴き疲れも少ない上質な音だと思います。価格的に考えると十分な能力を持っていることを感じさせますね。
基本的にはiCanは素性の良いアンプという感じで極端な帯域強調はないので、味付けは3D Holgraphoc soundやXBassの機能を使っていくことになります。
3D Holgraphoc soundをオンにすると世界がぱっとひらけて明るく広くなった、という感じになります。単に音が横に広くなっただけではなく、感覚的には帯域特性というか音の個性も微妙に変わっているように思いますね。
XBassの効果はこの手の低域増強の機能にしてはわりと自然で音質の低下も少ないように思います。「・・・」と「・」のモードがあって・だとわりと自然にかかり、・・・は効きがかなり大きいけれども、これはHD800のようなフラット傾向のヘッドフォンでビート主体の音楽を聴くときに良いかもしれません。通常は・で常用してもあまり違和感はないかもしれません。

DragonflyとiUSB Power
iUSB PowerについてはまずUSB直結のDragonflyで試してみました。余分なUSBケーブルを追加してもなお効果があるかということを見るためです。この時の接続はこうなります。
変更前:PC→Dragonfly
変更後:PC→付属USBケーブル→iUSB Power→Dragonfly
実際に聴いてみるとDragonflyだとかなり効果はわかりやすくありますね。Dragonflyなんかは直差しからiUSB Powerについていた付属USBケーブルを追加しても、なお音質は大きく向上します。透明感が高まってクリアになり、音の広がりも向上して低域もより深みが増します。ISOEarthは微妙だけれどもやはりオンにしたほうが良いかもしれません。
次にもともと透明感の高いAudio-gdのNFB11.32にもつけてみました。USBケーブルはSAECを使用しています。
変更前:PC→SAEC USB→NFB11.32
変更後:PC→付属USBケーブル→iUSB Power→SAEC USB→NFB11.32
これはDragonflyほどではないけれども、たしかに効果はあって音の広がり・奥行き感の向上とさらに透明感も向上します。
そしていわば純正ともいえる3段重ね、iCan+iDAC+iUSBpowerだとiCan+iDACの印象をさらにひとレベル上げて豊かさを増した感じですね。
なおiUSB PowerはMac10.8でも使ってみましたが問題なく使用できました。
*
まとめるとiFiは全体的に音楽性を重視した気持ち良い音再現のシステムと言えるでしょう。またiUSB PowerはPCオーディオでUSB DACを使っている人には良い音質向上手段となると思います。
iFi製品はAMRの上位機種の技術をうまく理由することでコストパフォーマンスの高いパッケージに仕上げていると思います。低価格といっても中国製品のように原材料や工賃で安くするというのではなしに、すでに確立した技術や手法を流用することでコストを抑えるという考え方でしょう。
ちなみにAMRの技術者にこういう普及価格のDSD対応DACがほしいよ、と言ってみたら、作ることはできるけどまだ検討段階で市場を見ているところだと言ってました。そのうちにはiDSDなんていうのがほしいですね。

今回はヘッドフォンアンプのiCan、USB DACのiDAC、そして「USBクリーン電源」のiUSB Powerを発売に先行してお借りしたのでレビューします。下記では親会社のAMRの技術者に直接聞いてみた情報も反映させています。
* iFi とAMRについて
iFiというのは新しいブランドですが、AMR(Abbingdon Music Research)というイギリスのハイエンドオーディオメーカーの新ブランドです。AMRというのも日本ではなじみがないのですが、クラスレンジは数十万から百万くらいだと思います。私はAMR DP-777というDACは知っていたんですが、これはAudirvanaが初期のころにインテジャーモードをテストするのにダミアンがAMRとタイアップして進めていたので名前を覚えていました。私が訳出したインテジャーモードの白書にも書いてあります。また実際にAudirvanaのショウデビューもイギリスのオーディオショウのAMRブースでした。

AMR CD-777
AMRの人の話によると、AMRは過去と最新の技術の良いところどりをするというのが開発哲学であるということです。英国オクスフォードにあるAbbingdonというのは大型車を打ち負かすような高性能の小型車ラリーで有名なところだということで、AMRも電源やアンプを分離しないでコンパクトなワンパッケージとして、かつ大きなセパレートタイプのシステムに対抗できるような製品を目指しているということです。(たとえばプリとパワーを分けないでプリメインで高性能を目指すという感じ)
なかでも先に書いたDP-777というDACはユニークで、16bitのDACチップと32bitのDACチップをいっしょに搭載しています。それを切り替えて使えるという仕組みになっていて、かつアナログ回路には真空管を使っているというものです。DACチップ切り替えは入力によるようで、16bit DACはフィリップスのUDA1305ATという「最後のマルチビットDAC」をNOS(ノンオーバーサンプリング)で使用しています。これと真空管を組み合わせるのですから音はだいたい想像はつきますね。つまりアナログっぽい滑らか志向の音楽的な音なんでしょう。一方でハイレゾは32bit DACで再生できるというわけです。こちらはWolfsonを使用しているようです。ちなみに定評あるマルチビットDACのTDA1541はおそらくAMRが世界で一番ストック持ってるんじゃないかと言ってました。(PCM1704は一番ストックあるのはAudio-gdのような気がしますが)
AMRの音再現の方向性というのがこれらからわかるのではないかと思います。
こちらはAMRのホームページです。
http://www.amr-audio.co.uk/index.php
AMRの話を長めに書いたのはこれらの技術やポリシーがiFiに受け継がれているからです。
iFiはほぼAMR出資の子会社で、2011年のRMAF(ロッキーマウンテンオーディオショウ)のときにデビューしました。新ブランドの目的としては、従来AMRが対象にしていた伝統的なスピーカーオーディオに対して、動きが早く若者向けのヘッドフォンオーディオに特化した製品開発をするということです。やはり若年層の顧客開拓というのが大きい理由のようですが、この辺の事情は日本とも似ているところが興味深いところです。
そのために価格は手頃な現実価格にするけれども、技術的にはハイエンドのAMRを受け継いでいるということです。たとえば下記で紹介しますが、A級増幅、TubeState、DirectDrive(ダイレクトカップリング)、オーディオ品質の電源供給などです。(価格的にはAMRが$3000-$5000くらいなのに対して、iFiはいずれもUS$200-300くらいの価格帯です)
ですから新ブランドといっても出自があやしいものではなく、血統正しく技術的にも確立した安心できるブランドであると言えるでしょうね。
こちらはiFi audioのホームページです。
http://ifi-audio.com/en/index.html
以下製品紹介をしていきます。
このシリーズはすべてコンパクトな同一サイズでまとめられていますし、パッケージもデザインも共通しています。アクセサリーは異なりますが、おおむねはじめからケーブルなどが付属していて初心者でも困らないように考えられています。上面に状態表示のLEDがついているところも同じですが意味は機種で異なります。プラグ等は入力と出力がそれぞれ反対側にまとめられています。機器間のケーブル接続の間に挟まるようなイメージですね。
価格も安く設定されていて、コンシューマー向けブランドを思わせます。国内価格は完全に決まっていないので、参考として現地価格を乗せておきます。
* ヘッドフォンアンプ iCanについて
iCanは純粋なヘッドフォンアンプでデジタル入力など内蔵DACはありません。現地価格は$249。アクセサリーはRCAケーブル、ミニミニケーブル(iPodなどからの入力用)、電源アダプターが入っています。



入力はRCAのほかにステレオミニ端子も用意されている点はiPodなどやiPhoneなどからの使用も考慮しているのでしょう。ミニ端子からミニ端子への白いケーブルが付属しています。
付加機能としては低域強調のXBassや音場感を広げる3D Holographic Soundなどが用意されています。
3D Holographic Soundというのはヘッドフォンの頭内定位を解消するというものです。従来技術ではクロスフィードがありましたが、これは独自の技術を使用しているということです。特徴的なのはこうした機能はたいていDSPなどデジタル領域で行うものですが、この技術はアナログ回路で設計されているということです。この辺のこだわりもハイエンドメーカーの気質を受け継いでいるのでしょうか。

もうひとつの機能であるXBassはいわゆる低音増強のベースブーストです。こちらもヘッドフォンが低域特性に個性差が大きいので、低域不足と感じるヘッドフォンに対して補正するという考えのようです。ですから低域を足すというよりも、低域をあるべきレスポンスに戻すという考え方で設定しているということです。
これらは従来スピーカー向けに作られていたAMRに対して、iFiではヘッドフォンオーディオがメインターゲットになっているので、基本機能に加えてこうしたヘッドフォン向けの付加機能をプラスしたという風にも考えられます。AMRから受け継ぐ基本機能というのはたとえばDirectDriveやTubeStateと呼んでいるものです。
DirectDriveというのは後段に通常ある抵抗やコンデンサーをバイパスしてアンプ部からヘッドフォンアウトにダイレクトに出力するというものです。つまりはこの前RWAK100で書いたような改造を純正でやっているような感じでしょうか。これにより出力インピーダンスは1オーム以下となりヘッドフォンの制動力も高くなるということです。
TubeStateというのはTube + SolidStateというような意味らしく、真空管のように滑らかな音をソリッドステートのように歪みなく再生するというもので、技術というより設計ポリシーのようです。
* USB DAC iDACについて
iDACはバスパワーで動作するUSB DACです。現地価格は$299。RCAケーブルとUSBケーブルが付属します。



USB DACとしては192kHz/24bitまでサポートするUSBオーディオクラス2.0(UAC2)に対応しています。XMOSを使用しているのでアシンクロナス転送に対応しています。つまりMacOS 10.6.4以上であればドライバーのインストールは必要ありません。Windowsではドライバーをインストールする必要があります。

しかしながらAMRの技術者に聞いてみたところ、UAC2に対応していないOSの場合にはフォールパック機構(失敗したときに働く機構)としてオーディオクラス1(UAC1)ドライバーで働くようになるようです。これはAyreのQB-9ではファームのスイッチで切り替えたりできましたが、iDACでは自動で行われるようです。この辺はAMRのファームによって動作しているようです。
ただし開発者の言うことにはiFiの提供するドライバーを利用した方がバッファの制御などで優れているので44kだけ使うとしてもこちらを使用してほしいとのことです。ドライバーにはAMRのロゴがありますのでDP-777あたりと共通かもしれません。

DACチップは旬のESS ES9023を使用しているという点もiDACのポイントです。開発者の弁によるとES9023は競合と比べても優れたチップなので余分にデジタルフィルターなどを追加しないで、素のままで使うようにしているということ。これもAMRから受け継ぐポリシーのようです。マルチビットDACを志向しているメーカーが(Wolfsonはともかく)その対極のようなESSを使うというのも面白いですが、9023ではなるべくワンチップで完結してシンプルにDACを構成できるという点が良いのでしょうね。
またジッター低減ではZeroJitter Liteという機能を採用しています。なぜLiteかというと、この上位に当たるAMRのDAC DP-777で採用されているジッター低減技術がZeroJitterというもので、そのスケールダウン版としてZeroJitter Liteという機能をiDACに搭載しているということです。もちろんスケールダウンしたとしても十分な能力を持っているとのこと。つまりはAMRでの経験を生かして上位機種譲りの機能を備えているということですね。この辺にもAMRの技術の継承が見えます。
またiDACには内蔵ヘッドフォンアンプがついていて、ミニ端子ですがこれ単体で音楽を聴くことができます。ボリュームもついていますが、これはおまけかと思いきや意外と力があります。
* 「USBクリーン電源」 iUSB Power
iUSB Powerはユニークなラインナップですが、USB DACへの給電をクリーンにして音質を向上するというものです。現地価格は$199。使用する際には外部電源が必要です。ACアダプタとUSBケーブルが付属します。



一般的なUSB DACでは全体をバスパワー給電したり一部を給電したりしますが、PCからのこうした信号はたいていノイズで汚染されています。そのUSB電源をクリーン化するのが、このiUSB Powerです。使用法としてはPCとUSB DACの間に挟むようにして使用します。

つまりPCからUSBケーブルをiUSB PowerのUSB Bプラグに接続します。そして反対側のAプラグからもう一本USBケーブルを使用して、DACのBプラグに接続します。またiUSB Powerには外部電源が必要です。反対側に二口USB Aがあるのは後で発売されるGEMINIという電源・信号別になったUSB ケーブル(あのアコリバのやつみたいなもの)を使用するためです。通常は一口(信号+電源の方)のみ使用します。コンシューマーブランドではありますが、こうして電源にこだわりを見せるのも伝統的なオーディオメーカーらしいところです。

電源ノイズ (iFiホームページから)
カタログの方には面白い紹介があって、普通は電池から給電するのが一番安定しているのでノイズレスでクリーンだと考えられますが、実のところは充電池ではそれほどクリーンでもないというのがiFiの主張です。そこでiUSB Powerでは電池よりもさらにクリーンな電源供給を実現しているということです。
またユニークな機能としてISOEarthというスイッチがあります。これは仮想アース?のような機能によって、グランドループを断ち切って電気的にPCとDACを分離するというような機能のようです。これによってノイズフロアを下げることができるということ。これはAMRの技術者に聞いてみたところ、機器にダメージを与えずかつUSB信号を遮断しない方法で行っているということ。ただし日本のように電源が2口プラグの環境では、やはり違いはあるだろうが大きくはないかもしれないということです。
* 音のインプレッション
試聴はWindows7にiFiのサイトからiDACのドライバーをインストールしてJRMCをプレーヤーとしたPCオーディオのシステムとして試聴しました。後でMac(10.8)でも接続は確認しています。ヘッドフォンはHD800を使っています。またRCAケーブルとUSBケーブルは聴き慣れた自分のキンバー(RCA)とSAEC(USB)を使用しています。iUSB powerについてはPC側を付属USBケーブルを使用しています。

HD800とiCan
はじめにiDACをPCに接続して内蔵ヘッドフォンアンプで聴いてみました。HD800ではミニ変換プラグが必要ですけど、iDAC単体のヘッドフォン端子でもHD800で十分音量を取ることができます。iDACの内蔵ヘッドフォンアウトもわりと悪くはないというか、後で書くiCanを通すよりこちらの方がいわゆるESSらしい音に近い感じですね。ただそれでもDragonflyあたりに比べると滑らかでわずか暖かみがあるように感じられますので、ESSのドライな感じを適度に和らげているようには思えます。反面で高域が少しきつめに出ることがありましたが、これはエージングの問題かもしれません。また後で書くiCanを通すより音の広がりが弱くこじんまりとした音空間ではあります。
次にiDACをiCanに接続してiCanからHD800で聴いてみました。iCanを通すとより暖かく厚みのある豊かな音楽的な音になります。全体的なバランスも含めて、かなり良い感じですね。また音の広がりは3D Holographic Soundを使わなくても十分にあります。
ここでiDACをバスパワーで性能の良いWavelength Protonあたりと変えて比べてみました。iDACは透明感や解像力が際立つタイプではないけれども、適度なクリアさがあり音の広がり感や滑らかで音楽的な表現が良いと思いますね。この辺もAMRの音の継承という感じなのでしょう。また前述したようにiDACの内蔵ヘッドフォンアンプだとこじんまりとした音空間ですが、DACとして使うとiDACは意外と音が広いのも面白いところです。
iCanとiDACの組み合わせはなかなか素晴らしく、一体感のある音で組み合わせて使うことを考えていると思います。音楽的で音色も美しく、滑らかで温かみがあります。女声ヴォーカルも魅力的ですね。ただ柔らかすぎずに楽器音の分離もしっかりしていていて、ギターなど生音の切れも良いようです。ヘッドフォンオーディオ的には聴き疲れも少ない上質な音だと思います。価格的に考えると十分な能力を持っていることを感じさせますね。
基本的にはiCanは素性の良いアンプという感じで極端な帯域強調はないので、味付けは3D Holgraphoc soundやXBassの機能を使っていくことになります。
3D Holgraphoc soundをオンにすると世界がぱっとひらけて明るく広くなった、という感じになります。単に音が横に広くなっただけではなく、感覚的には帯域特性というか音の個性も微妙に変わっているように思いますね。
XBassの効果はこの手の低域増強の機能にしてはわりと自然で音質の低下も少ないように思います。「・・・」と「・」のモードがあって・だとわりと自然にかかり、・・・は効きがかなり大きいけれども、これはHD800のようなフラット傾向のヘッドフォンでビート主体の音楽を聴くときに良いかもしれません。通常は・で常用してもあまり違和感はないかもしれません。

DragonflyとiUSB Power
iUSB PowerについてはまずUSB直結のDragonflyで試してみました。余分なUSBケーブルを追加してもなお効果があるかということを見るためです。この時の接続はこうなります。
変更前:PC→Dragonfly
変更後:PC→付属USBケーブル→iUSB Power→Dragonfly
実際に聴いてみるとDragonflyだとかなり効果はわかりやすくありますね。Dragonflyなんかは直差しからiUSB Powerについていた付属USBケーブルを追加しても、なお音質は大きく向上します。透明感が高まってクリアになり、音の広がりも向上して低域もより深みが増します。ISOEarthは微妙だけれどもやはりオンにしたほうが良いかもしれません。
次にもともと透明感の高いAudio-gdのNFB11.32にもつけてみました。USBケーブルはSAECを使用しています。
変更前:PC→SAEC USB→NFB11.32
変更後:PC→付属USBケーブル→iUSB Power→SAEC USB→NFB11.32
これはDragonflyほどではないけれども、たしかに効果はあって音の広がり・奥行き感の向上とさらに透明感も向上します。
そしていわば純正ともいえる3段重ね、iCan+iDAC+iUSBpowerだとiCan+iDACの印象をさらにひとレベル上げて豊かさを増した感じですね。
なおiUSB PowerはMac10.8でも使ってみましたが問題なく使用できました。
*
まとめるとiFiは全体的に音楽性を重視した気持ち良い音再現のシステムと言えるでしょう。またiUSB PowerはPCオーディオでUSB DACを使っている人には良い音質向上手段となると思います。
iFi製品はAMRの上位機種の技術をうまく理由することでコストパフォーマンスの高いパッケージに仕上げていると思います。低価格といっても中国製品のように原材料や工賃で安くするというのではなしに、すでに確立した技術や手法を流用することでコストを抑えるという考え方でしょう。
ちなみにAMRの技術者にこういう普及価格のDSD対応DACがほしいよ、と言ってみたら、作ることはできるけどまだ検討段階で市場を見ているところだと言ってました。そのうちにはiDSDなんていうのがほしいですね。
2013年02月12日
MeridianからコンパクトUSB DAC登場
海外では人気のブランドMeridianからDACportみたいなコンパクトなUSB DACが登場しました。Meridian Explorerです。CESのアンダーテーブルで公開されて昨日解禁だったようでいくつかのメディアに載っています。価格は$299と比較的安価ですね。
Computer Audiophile
AudioStream
形としてはDACportのようですが、XMOSを用いて192kまでの対応が可能で出力はミニヘッドフォン端子と2Vラインレベル出力が両方装備されています。またラインアウトの方には光デジタル出力も装備されているようです。つまりUSB DDCとしても働くということですね。
円筒形に見えますけど底面はフラットで置きやすくなっているようです。DACportの改良版にも見えますね。ちなみにDACportはUSBアダプティブモード転送ですが、こちらはXMOSを使用していますのでアシンクロナス転送です。
DACチップはPCM5102で、ファームウエアでアップサンプリングなどカスタム設定が可能なようです。LEDが3つついていて入力しているサンプリングレートに合わせて点灯するということ。中身をみると大型のコンデンサーがどーんと鎮座しているところはしっかりしたアナログ回路の設計を思わせます。
音もDragonflyよりは一枚上手のようですが、反面でやや大きいということですね。Dragonflyに続いてこうしたコンパクト機材が好まれる素地というのもあるようです。
Computer Audiophile
AudioStream
形としてはDACportのようですが、XMOSを用いて192kまでの対応が可能で出力はミニヘッドフォン端子と2Vラインレベル出力が両方装備されています。またラインアウトの方には光デジタル出力も装備されているようです。つまりUSB DDCとしても働くということですね。
円筒形に見えますけど底面はフラットで置きやすくなっているようです。DACportの改良版にも見えますね。ちなみにDACportはUSBアダプティブモード転送ですが、こちらはXMOSを使用していますのでアシンクロナス転送です。
DACチップはPCM5102で、ファームウエアでアップサンプリングなどカスタム設定が可能なようです。LEDが3つついていて入力しているサンプリングレートに合わせて点灯するということ。中身をみると大型のコンデンサーがどーんと鎮座しているところはしっかりしたアナログ回路の設計を思わせます。
音もDragonflyよりは一枚上手のようですが、反面でやや大きいということですね。Dragonflyに続いてこうしたコンパクト機材が好まれる素地というのもあるようです。
2013年01月22日
CDジャーナル2月号に執筆しました
発売中のCDジャーナルに執筆しました。といってもCD評ではなくP102からのPCオーディオコーナーで、iPadタブレットで使えるHRT iStreamer、コンパクトなハイレゾDACのDragonfly、DSDネイティブ再生のQuteHDをそれぞれ新しい音楽の楽しみ方を紹介するということで書いています。オーディオ誌に書くのとはまた違ってわかりやすく書くことが求められるので新鮮でした。
本誌もモーニング娘から富田勲まで幅広く取り上げられています。
本誌もモーニング娘から富田勲まで幅広く取り上げられています。
ネットオーディオVol09に執筆しました
発売中のネットオーディオVol09に執筆しました。P157のHifiMan HM901レビューとP188の連載において2012年の回顧と2013年の展望を書いています。
HM901もようやく生産モデルが出てきて発売まで今少しとなりました。聴き比べてみましたがヘッドフォン祭でのデモ機に比較すると生産モデルはさらに音質が高くなっています。今年まずはじめの期待のモデルですね。
HM901もようやく生産モデルが出てきて発売まで今少しとなりました。聴き比べてみましたがヘッドフォン祭でのデモ機に比較すると生産モデルはさらに音質が高くなっています。今年まずはじめの期待のモデルですね。
2012年12月15日
タイムロードのショウルームオープンとChannel Classicsとのキャンペーン
タイムロードさんのショウルーム「遊」が六本木にオープンしました。GEMのある六本木AXISの4Fです。
http://www.timelord.co.jp/blog/news/roppongi-showroom-open/?mode=consumer
中は大きくディスプレイコーナーとデモルームに別れてます。

ディスプレイコーナーではデスクトップシステムやヘッドフォンなどが置かれています。元のGEMは時空のイヤフォンだけになって、ウルトラゾーンのヘッドフォンなどはこちらの方に持ってきたそうです。

デモルームは茶室をイメージしたという入り口(頭上注意)をくぐると、スピーカーやホームシアターのデモができる部屋に入ります。本日はオープンイベントとして角田さんの解説でChordの新型ネットワークプレーヤーでデモを行っていました。パワーアンプはApril Music S1、スピーカーはRhaido S2.0でした。これらは今年の新顔です。あらかじめ予約してもらえば希望の組み合わせでシステムを聴くこともできるそうです。
こちらはChordの新型ネットワークプレーヤーDSX1000です。上にあるのは操作用のiPadです。LINNのuPnPアプリで操作していましたが、来年にはChord独自のアプリも出るそうです。

それとタイムロードさんではあのDSDの取り扱いに力を入れているオランダのクラシックレーベル、Channel Classicsとの提携でキャンペーンを始めました。CHORD QuteHD, QBD76HDSDを買い上げた方にクーポンをプレゼントするというものです。これは一回しか使えませんがその時に何枚でも買い上げができて50%オフになるというお得なクーポンです。(2012年12月15日AM0:00から2013年3月14日AM0:00まで)
http://www.timelord.co.jp/blog/news/campaign_channel-classics/?mode=consumer
そこで期間中にこのショウルーム「遊」に来訪してアンケートを書いてメールアドレスを書いた人にもこのクーポンをもらえるということです。この機会にどうぞお出かけください。
http://www.timelord.co.jp/blog/news/roppongi-showroom-open/?mode=consumer
中は大きくディスプレイコーナーとデモルームに別れてます。



ディスプレイコーナーではデスクトップシステムやヘッドフォンなどが置かれています。元のGEMは時空のイヤフォンだけになって、ウルトラゾーンのヘッドフォンなどはこちらの方に持ってきたそうです。


デモルームは茶室をイメージしたという入り口(頭上注意)をくぐると、スピーカーやホームシアターのデモができる部屋に入ります。本日はオープンイベントとして角田さんの解説でChordの新型ネットワークプレーヤーでデモを行っていました。パワーアンプはApril Music S1、スピーカーはRhaido S2.0でした。これらは今年の新顔です。あらかじめ予約してもらえば希望の組み合わせでシステムを聴くこともできるそうです。
こちらはChordの新型ネットワークプレーヤーDSX1000です。上にあるのは操作用のiPadです。LINNのuPnPアプリで操作していましたが、来年にはChord独自のアプリも出るそうです。


それとタイムロードさんではあのDSDの取り扱いに力を入れているオランダのクラシックレーベル、Channel Classicsとの提携でキャンペーンを始めました。CHORD QuteHD, QBD76HDSDを買い上げた方にクーポンをプレゼントするというものです。これは一回しか使えませんがその時に何枚でも買い上げができて50%オフになるというお得なクーポンです。(2012年12月15日AM0:00から2013年3月14日AM0:00まで)
http://www.timelord.co.jp/blog/news/campaign_channel-classics/?mode=consumer
そこで期間中にこのショウルーム「遊」に来訪してアンケートを書いてメールアドレスを書いた人にもこのクーポンをもらえるということです。この機会にどうぞお出かけください。
2012年11月28日
PS AudioもDSDへ移行表明
(前の記事からの続きです)
PS Audioポール社長のその後のブログ記事を見ると、やはりPS AudioもDSD対応に向かうと表明しています。時期は2014年になんらかの新製品が出てくるようです。
おもしろいのはDSD対応するのに、PCM/DSD両用使える出来合いのDACチップを使用するのではなく、DACの仕組みを根本的に変えるような妥協ない設計をすると書いていることです。もちろんPCMに対しても妥協なく対応するとのこと。
これをこれまでポール社長ブログで書いてきたことと重ね合わせると、DSDにおいてはDACチップの部分をディスクリートで組んでDSD専用の仕組みを作り、PCMはPCMで別に16bit専用でマルチビットDACを使うなどが考えられるように思われます。他にもなにか考えられるかもしれませんが、PS Audioも技術志向の会社なのでいまから楽しみなことではあります。
PS Audioポール社長のその後のブログ記事を見ると、やはりPS AudioもDSD対応に向かうと表明しています。時期は2014年になんらかの新製品が出てくるようです。
おもしろいのはDSD対応するのに、PCM/DSD両用使える出来合いのDACチップを使用するのではなく、DACの仕組みを根本的に変えるような妥協ない設計をすると書いていることです。もちろんPCMに対しても妥協なく対応するとのこと。
これをこれまでポール社長ブログで書いてきたことと重ね合わせると、DSDにおいてはDACチップの部分をディスクリートで組んでDSD専用の仕組みを作り、PCMはPCMで別に16bit専用でマルチビットDACを使うなどが考えられるように思われます。他にもなにか考えられるかもしれませんが、PS Audioも技術志向の会社なのでいまから楽しみなことではあります。
Stereophileの年間最優秀Computer AudioプロダクトはDragonfly
いまのPCオーディオ(Computer Audio)の転換点はどこだったか、と聞かれたら私はまずStreophileの総合のプロダクトオブザイヤーでQB-9が選ばれた時、と答えると思います。これによってPCの周辺機器にすぎないと思われていたUSB音源が晴れて「オーディオ」として認められたという瞬間です。(二番目はLINNがCDプレーヤーやめたというニュースでしょうね)
さてStreophileの今年の年間優秀賞ではComputer Audio Component部門でAudio QuestのDragonflyが受賞しました。Dragonflyのうちの紹介ページはこちらです。これはお勧めの製品です。Audio Questの製品ですが、設計はQB-9を光らせたUSBアシンクロナス部分を担当したゴードンさんです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/278372379.html
次点のHalide DAC HDとWeiss DAC202に倍の大差をつけて堂々の受賞です。ちなみにDragonflyはBudget(普及価格)コンポーネント部門でも受賞してダブルクラウンです。日本ではD&Mから販売されていますが、大きな話題になってないので日本から見ると驚きかもしれませんが、私のMac Airの常備品です。Dragonflyはむこうの評論家には実質ゴードンの製品ということが認知されているというのはあるでしょうね。
Computer Audio Component部門はDAC(Digital Source Component)部門とは分離しています。DAC部門では400万円ほどのMSB Diamond IV DACが受賞しています。DAC部門はDACというよりもネットワークプレーヤー・サーバーなどといっしょのようです。この分け方が適切かという話もありますね。たとえばComputer AudiophileフォーラムではDragonflyは発表されてからずっと上の方の人気スレですが、MSB Diamond DACはほとんど話題になっているのを見たことありません。そもそも単体DACってPCオーディオがなければこんなに活性化したはずはありませんが、Computer Audioとわける意味がちょっと取りかねますね。DAC部門でDSD系がないというのもさみしいところではあります。
そして総合のプロダクトオブザイヤーは100万円くらいのAudio Reseachのハイエンドアンプが受賞しています。しかし実は読んでみるとDragonflyはこの総合部門でもけっこういい線いっていたようです。他の部門での実績で言っても実際はDragonflyが実のプロダクトオブザイヤーっていってもおかしくない気はしますけれども。
さてStreophileの今年の年間優秀賞ではComputer Audio Component部門でAudio QuestのDragonflyが受賞しました。Dragonflyのうちの紹介ページはこちらです。これはお勧めの製品です。Audio Questの製品ですが、設計はQB-9を光らせたUSBアシンクロナス部分を担当したゴードンさんです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/278372379.html
次点のHalide DAC HDとWeiss DAC202に倍の大差をつけて堂々の受賞です。ちなみにDragonflyはBudget(普及価格)コンポーネント部門でも受賞してダブルクラウンです。日本ではD&Mから販売されていますが、大きな話題になってないので日本から見ると驚きかもしれませんが、私のMac Airの常備品です。Dragonflyはむこうの評論家には実質ゴードンの製品ということが認知されているというのはあるでしょうね。
Computer Audio Component部門はDAC(Digital Source Component)部門とは分離しています。DAC部門では400万円ほどのMSB Diamond IV DACが受賞しています。DAC部門はDACというよりもネットワークプレーヤー・サーバーなどといっしょのようです。この分け方が適切かという話もありますね。たとえばComputer AudiophileフォーラムではDragonflyは発表されてからずっと上の方の人気スレですが、MSB Diamond DACはほとんど話題になっているのを見たことありません。そもそも単体DACってPCオーディオがなければこんなに活性化したはずはありませんが、Computer Audioとわける意味がちょっと取りかねますね。DAC部門でDSD系がないというのもさみしいところではあります。
そして総合のプロダクトオブザイヤーは100万円くらいのAudio Reseachのハイエンドアンプが受賞しています。しかし実は読んでみるとDragonflyはこの総合部門でもけっこういい線いっていたようです。他の部門での実績で言っても実際はDragonflyが実のプロダクトオブザイヤーっていってもおかしくない気はしますけれども。
2012年11月16日
Mac Audio 2013に執筆しました
11/15発売の音楽出版社(CDジャーナル)さんのMac Audio 2013に執筆しました。今回はたくさん書いたのですが、なにしろテーマ的に力がこもっています。
まずアップルファンが書いたMacの本、という視点からいかにMacの魅力を伝えるかというところに注力して書きました。
そういう点ではまずMacの魅力を書いた巻頭文(P11)です。ここでまずMacを使うということの意味、Macを選ぶということの意味を伝えたいと思いました。Macがなぜオーディオに向いているか、という視点もありますが、実のところユーザーはなぜMacを選ぶのか、というところからすべてが始まると思います。
またPowerCD、スパルタカスなどの記事(P152)も面白いと思います。まずこの2012年にPowerCDやスパルタカスの記事の企画が通るというのがすごいところ。提案してみたところ本誌では編集の人もMacユーザーなので快く通してくれました。
ちなみにジョニーアイブというとiMacで知られていますが実はジョブズ復帰前からAppleのデザインを担当していて、ここで書いたスパルタカス(20周年記念Mac)のデザインも彼のようです。こちらにスパルタカスと若きアイブのビデオがあります。またNewtonのeMateも彼のデザインです。
そのほかはPCオーディオ系の得意分野ではありますが、iPadのオーディオ利用、Macの高音質再生ソフト解説、MacでのDSDネイティブ再生解説なども書いています。
iPadのオーディオ利用(P117)ではハイレゾまで書いていますが、海外でもAntelopeやBenchmark、AudioStreamなどでハイレゾ再生を検証していますのでこの分野ももうちょっと活性化してもいいと思いますね。
Macの高音質再生ソフト解説(P130)では各ソフトの最新の情報を取り入れ、かつポイントをわかりやすく解説するということを考えました。
DSDでは基本的な解説から実践編としてAudirvana Plus + QuteHDの組み合わせでDoP接続するところを書いてます(P92)。DoPに関してはまず標準規格である、という理解が重要だと思います。いまや世の中にDSDをサポートする再生ソフトがいろいろあって、DSDをサポートするDACもいろいろとあります。その仲立ちをするのが標準規格であり、標準があるからそれを軸にさまざまな組み合わせができるわけです。そこがオーディオがコンピューターをインフラにしていくときに重要なポイントとなると思います。
このほかではベイヤーT90のヘッドフォンレビュー(P103)やお勧めイヤフォン(P110)なども書いています。
ちなみに私が良くWindows機を"PC"と書いてMacと分けて書くのはMacはPCと違うぞ、という意識的な意味からではなく、PCというと一般にIBM PC(AT)とそのクローンの系列を指すからです。つまりPCというのはPersonal Computerの略というよりはIBM PCのPCです。そのためPCというと暗示的にWindows(DOS)機を指すので、MacをPCと書くのは気持ちが悪いからです。
このようにコンピューターにも歴史があり、分化があります。オーディオがさまざまな先達によって育まれてきた文化ならば、コンピューターもまた同じく先達によって育まれてきた文化です。AppleとかMacはそれがかなり色濃く出ています。たとえばマーク・レビンソンとスティーブ・ジョブズの類似性などを考えて見るのも面白いでしょう。
そうした理想を求める個性的な人たちによって作られた文化というところは似ているはずですので、本来コンピュータとオーディオは共通するものがあるはずです。その辺を書いていくのが私の書くべきことの一つかなとも思います。
他にも吉松隆さんのインタビューとか、USBケーブルの付録もついて分厚い冊子となっています。ぜひ本屋さんで手に取ってみてください。
まずアップルファンが書いたMacの本、という視点からいかにMacの魅力を伝えるかというところに注力して書きました。
そういう点ではまずMacの魅力を書いた巻頭文(P11)です。ここでまずMacを使うということの意味、Macを選ぶということの意味を伝えたいと思いました。Macがなぜオーディオに向いているか、という視点もありますが、実のところユーザーはなぜMacを選ぶのか、というところからすべてが始まると思います。
またPowerCD、スパルタカスなどの記事(P152)も面白いと思います。まずこの2012年にPowerCDやスパルタカスの記事の企画が通るというのがすごいところ。提案してみたところ本誌では編集の人もMacユーザーなので快く通してくれました。
ちなみにジョニーアイブというとiMacで知られていますが実はジョブズ復帰前からAppleのデザインを担当していて、ここで書いたスパルタカス(20周年記念Mac)のデザインも彼のようです。こちらにスパルタカスと若きアイブのビデオがあります。またNewtonのeMateも彼のデザインです。
そのほかはPCオーディオ系の得意分野ではありますが、iPadのオーディオ利用、Macの高音質再生ソフト解説、MacでのDSDネイティブ再生解説なども書いています。
iPadのオーディオ利用(P117)ではハイレゾまで書いていますが、海外でもAntelopeやBenchmark、AudioStreamなどでハイレゾ再生を検証していますのでこの分野ももうちょっと活性化してもいいと思いますね。
Macの高音質再生ソフト解説(P130)では各ソフトの最新の情報を取り入れ、かつポイントをわかりやすく解説するということを考えました。
DSDでは基本的な解説から実践編としてAudirvana Plus + QuteHDの組み合わせでDoP接続するところを書いてます(P92)。DoPに関してはまず標準規格である、という理解が重要だと思います。いまや世の中にDSDをサポートする再生ソフトがいろいろあって、DSDをサポートするDACもいろいろとあります。その仲立ちをするのが標準規格であり、標準があるからそれを軸にさまざまな組み合わせができるわけです。そこがオーディオがコンピューターをインフラにしていくときに重要なポイントとなると思います。
このほかではベイヤーT90のヘッドフォンレビュー(P103)やお勧めイヤフォン(P110)なども書いています。
ちなみに私が良くWindows機を"PC"と書いてMacと分けて書くのはMacはPCと違うぞ、という意識的な意味からではなく、PCというと一般にIBM PC(AT)とそのクローンの系列を指すからです。つまりPCというのはPersonal Computerの略というよりはIBM PCのPCです。そのためPCというと暗示的にWindows(DOS)機を指すので、MacをPCと書くのは気持ちが悪いからです。
このようにコンピューターにも歴史があり、分化があります。オーディオがさまざまな先達によって育まれてきた文化ならば、コンピューターもまた同じく先達によって育まれてきた文化です。AppleとかMacはそれがかなり色濃く出ています。たとえばマーク・レビンソンとスティーブ・ジョブズの類似性などを考えて見るのも面白いでしょう。
そうした理想を求める個性的な人たちによって作られた文化というところは似ているはずですので、本来コンピュータとオーディオは共通するものがあるはずです。その辺を書いていくのが私の書くべきことの一つかなとも思います。
他にも吉松隆さんのインタビューとか、USBケーブルの付録もついて分厚い冊子となっています。ぜひ本屋さんで手に取ってみてください。
2012年09月28日
ニールヤングのPONOはハイレゾDAP
ニールヤングが以前PONOというハイレゾフォーマット?のようなものを開発しているという記事を書きましたが、PONOとはハイレゾ対応ポータブルプレーヤーだったようです!
http://mobile.theverge.com/2012/9/28/3422018/neil-young-pono-audiophile-music-player-prototype-on
今までで最高の音と言っています。実際はハイレゾダウンロードとタイアップさせるようでWarner, Sony, Universalなんかと提携しようとしてるよう。まさにハイレゾ携帯プレーヤー時代が到来するのかもしれません。
http://mobile.theverge.com/2012/9/28/3422018/neil-young-pono-audiophile-music-player-prototype-on
今までで最高の音と言っています。実際はハイレゾダウンロードとタイアップさせるようでWarner, Sony, Universalなんかと提携しようとしてるよう。まさにハイレゾ携帯プレーヤー時代が到来するのかもしれません。
2012年07月30日
NetAudio 7に執筆しました
本日発売のNetaudio7に連載中の最新情報記事(P50)を書きました。
高品位オーディオ再生ということをDSDとポータブルの両面から書いて、最新のスマートフォン事情も少し加えています。ポータブルでも高品位音源の再生できるものが増えてきて、いよいよDX100の国内版であるヒビノHDP-R10も登場しそうですのでこの分野も注目されてよいかなと思います。DX100なんかはスマートフォンとES9018のようなこの辺の最新トレンドを取り入れていますね。オーディオがPCで変わりつつあるのと同様に、またPCの世界自体も変わりつつあります。新しい流れというのはばらばらのように見えて、有機的につながって同じ方向に向かっています。なぜかというと同じ環境要因で変化が促されているからです。
ただしスマートフォンOSもまた完全ではなく、補完が必要です。なぜDX100では高品位再生が可能なのか、などはこちらのうちのブログ記事もご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/13805095-1.html
HDP-R10は本誌に記事があります。また本誌記事にはLINNのKIKOやQuteHDとカンタービレの専用電源など最新情報もカバーされています。
本誌付録には2.58GBもの高品位音源がついていて、DSDとWAVの聴き比べもできるようになっていますので本誌を見ながら付録音源で研究してみるのも良いですね。
高品位オーディオ再生ということをDSDとポータブルの両面から書いて、最新のスマートフォン事情も少し加えています。ポータブルでも高品位音源の再生できるものが増えてきて、いよいよDX100の国内版であるヒビノHDP-R10も登場しそうですのでこの分野も注目されてよいかなと思います。DX100なんかはスマートフォンとES9018のようなこの辺の最新トレンドを取り入れていますね。オーディオがPCで変わりつつあるのと同様に、またPCの世界自体も変わりつつあります。新しい流れというのはばらばらのように見えて、有機的につながって同じ方向に向かっています。なぜかというと同じ環境要因で変化が促されているからです。
ただしスマートフォンOSもまた完全ではなく、補完が必要です。なぜDX100では高品位再生が可能なのか、などはこちらのうちのブログ記事もご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/13805095-1.html
HDP-R10は本誌に記事があります。また本誌記事にはLINNのKIKOやQuteHDとカンタービレの専用電源など最新情報もカバーされています。
本誌付録には2.58GBもの高品位音源がついていて、DSDとWAVの聴き比べもできるようになっていますので本誌を見ながら付録音源で研究してみるのも良いですね。
2012年06月26日
LINNから新ネットワークプレーヤーシステム、KIKO登場
LINNから新しいネットワークプレーヤーシステムであるKIKOが登場しました。従来のDSラインとは一線を画したデザインで、アンプ内蔵でスピーカー込みのシステムのようです。追記: 価格はUS$3990のようです。スピーカー込みだと思いますが、それなりにしますね。スピーカーはAktiv(LINN方式のバイアンプ)のようです。
http://news.linn.co.uk/news/2012/06/meet-kiko---the-sexy-new-music-system-from-linn.php#more
どちらかというとLINNから見た場合、DSシリーズはKnektの延長にあったと思いますが、ネットワークのインフラとの親和性を強調しているあたりはPCオーディオ時代に適合した新しいアプローチなのでしょうね。、
http://news.linn.co.uk/news/2012/06/meet-kiko---the-sexy-new-music-system-from-linn.php#more
どちらかというとLINNから見た場合、DSシリーズはKnektの延長にあったと思いますが、ネットワークのインフラとの親和性を強調しているあたりはPCオーディオ時代に適合した新しいアプローチなのでしょうね。、
2012年05月08日
毎日Amarra HiFiが10名に当たる
先日のCAのAmarra HiFiプレゼントを逃した方へ。
AmarraのFacebookにLikeをつけると毎日10名にAmarra HiFiのライセンスが当たるそうです。期間は一週間。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=349558698439926&id=113694895359642&__user=795324506
AmarraのFacebookにLikeをつけると毎日10名にAmarra HiFiのライセンスが当たるそうです。期間は一週間。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=349558698439926&id=113694895359642&__user=795324506
2012年05月02日
Nuforceから新無線技術SKAA採用のワイヤレスDAC登場
前にこちらのワイヤレスオーディオ事情の記事でちょっと書きましたが、Nuforceの新しいワイヤレスDACであるAir DACがアナウンスされました。
http://www.nuforce.com/hp/products/airdac-tx/index.php
おもしろいことにPCに装着する送信機のほかにiPoneやiPadで使える送信機が用意されていますね(おそらくアナログ入力)。ただし名前とは異なってこれはAirPlayではなく、2.4G帯を使うSKAAというオーディオ向けの無線伝送技術を採用しているようです。SKAAについてはこちらです(PDF)。
http://www.elevenengineering.com/documents/NW/SKAA%20Info%20Sheet%20v2.1.pdf
要約するとSKAAはポータブルデバイスをソースとすることを主眼に考えられたオーディオ向けの無線伝送技術です。これはEleven Enginneringという会社の技術で、調べてみると以前日本ではCEATECで披露されていたようです。
Kleerのところでも書きましたが、この2.4G帯域というのは混んでいるので、他の無線やWiFiとのコンフリクトを避ける必要がありますが、SKAAではやはりWalking Frequency Diversity(WFD)という特許取得した技術を使用しているようです。またSKAAでは同時に4台まで接続可能です。上のPDFの2ページ目にはBluetoothでは不可能なシナリオということで、4台までの受信機に送信するシナリオが描かれています。この辺はKleerと同じ利点がありますね。到達距離はだいたい15-30mのようです。
無線伝送では送信時にデータを圧縮する必要があり、Bluetoothではここが音質のネックでした。SKAAでは下記のHPXというCODECが採用されています。
http://www.nuforce.com/hp/docs/HPX_DO6001.pdf
これはアナログ入力をADCで16bitデータにして、それを5bitに圧縮して送信して、また16bitに戻すとあります。たぶん単純にサンプルごとに圧縮するのではなく、差分を取って圧縮していると思いますが、よくはわかりません。いずれにせよオーディオ品質的にはTHD+Nなんかも含めてほとんど問題はないとここでは説明しています。
ポータブル系のワイヤレスオーディオ技術はKleer、Bluetooth、WiFiそしてSKAAといろんな形がまた出てきました。WiFiもさらに細分化できて、AirPlayはWiFi方式のひとつです。なかなかに複雑になってきました。
http://www.nuforce.com/hp/products/airdac-tx/index.php
おもしろいことにPCに装着する送信機のほかにiPoneやiPadで使える送信機が用意されていますね(おそらくアナログ入力)。ただし名前とは異なってこれはAirPlayではなく、2.4G帯を使うSKAAというオーディオ向けの無線伝送技術を採用しているようです。SKAAについてはこちらです(PDF)。
http://www.elevenengineering.com/documents/NW/SKAA%20Info%20Sheet%20v2.1.pdf
要約するとSKAAはポータブルデバイスをソースとすることを主眼に考えられたオーディオ向けの無線伝送技術です。これはEleven Enginneringという会社の技術で、調べてみると以前日本ではCEATECで披露されていたようです。
Kleerのところでも書きましたが、この2.4G帯域というのは混んでいるので、他の無線やWiFiとのコンフリクトを避ける必要がありますが、SKAAではやはりWalking Frequency Diversity(WFD)という特許取得した技術を使用しているようです。またSKAAでは同時に4台まで接続可能です。上のPDFの2ページ目にはBluetoothでは不可能なシナリオということで、4台までの受信機に送信するシナリオが描かれています。この辺はKleerと同じ利点がありますね。到達距離はだいたい15-30mのようです。
無線伝送では送信時にデータを圧縮する必要があり、Bluetoothではここが音質のネックでした。SKAAでは下記のHPXというCODECが採用されています。
http://www.nuforce.com/hp/docs/HPX_DO6001.pdf
これはアナログ入力をADCで16bitデータにして、それを5bitに圧縮して送信して、また16bitに戻すとあります。たぶん単純にサンプルごとに圧縮するのではなく、差分を取って圧縮していると思いますが、よくはわかりません。いずれにせよオーディオ品質的にはTHD+Nなんかも含めてほとんど問題はないとここでは説明しています。
ポータブル系のワイヤレスオーディオ技術はKleer、Bluetooth、WiFiそしてSKAAといろんな形がまた出てきました。WiFiもさらに細分化できて、AirPlayはWiFi方式のひとつです。なかなかに複雑になってきました。
2012年04月28日
PCオーディオfanに執筆しました
本日発売のPCオーディオfanに執筆しました。HiFiMANの新製品HE400、EF6、iQube v3、KingRex UD384のレビュー記事、プレーヤーソフトでは楽曲管理という視点からSonataとMusiCHIを取り上げています。
好評の付録音源にはうちでも下記記事で紹介したワオンさんのサンプラーがついています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/123032823.html
好評の付録音源にはうちでも下記記事で紹介したワオンさんのサンプラーがついています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/123032823.html
NetAudio誌に執筆しました
本日発売のNetAudio誌に執筆しました。「ネットオーディオ最前線」でiPadからAndroid端末まで、ポータブルオーディオからポストPCの流れまでを解説しています。オーディオ誌にこうした記事が載ることは画期的だと思いますが、音元さんはスマートフォンとヘッドフォンに特化した雑誌も出していますのでなかなかトレンドを汲んでいると思います。