Music TO GO!

2024年10月25日

マイクロソフトがARM向けにネイティブのASIOドライバーを開発

開催中のSnapdragonSummitで、マイクロソフトがARMプラットフォーム向けにネイティブのユニバーサルASIOドライバーを開発。YAMAHAとの共同開発のようです。
純正のASIO4ALLのようなものかもしれませんが、もちろんネイティブなのでレイテンシーはかなり低いと思われます。
オーディオ向けには排他WASAPIがありますが、やはりDAW向けにはより低レイテンシーのASIOが必要ということでしょう。おそらくはタブレットのDAW市場でのiPad対抗と考えられます。

参考リンク: SoundOnSoundの記事
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2024年09月07日

Bluetooth6.0の登場とオーディオとの関係性

Bluetoothのあらたなコア規格、Bluetooth6.0がBluetooth SIGから発表されました。
https://www.bluetooth.com/core-specification-6-feature-overview/

一番的には新機能であるBluetooth Channel Soundingという機能で高精度な距離測定ができるということが主たる改良点です。
以前は経路損失計算(RSSI)という受信強度を測る方法で距離を測定していましたが、環境(壁や反射など)要因などによって精度が確保できませんでした。それが今回の新しいBluetooth Channel Soundingでは位相差の測定と送受信の時間計算を合わせることでより精度の向上を果たしました。これは最近Bluetoothが力を入れている物量管理にも関係していると考えられます。
またオーディオ的にはFind My機能の精度向上により紛失イヤホンが見つけやすくなるでしょう。

今回の6.0でオーディオ的に大きなものは、Isochronous Adaptation Layer (ISOAL) の改良によって、より低遅延でオーディオが送ることができるということが挙げられます。Isochronous(アイソクロナス)は時間優先で送信するモードで、これはLE Audioのコアスペックでの核になる機能です。正確に送るよりも時間通りに送ることを優先するという意味で、オーディオデータの送信に向いています。ちなみにLE Audioでは双方向の通信がなされますが、Auracast(ブロードキャスト)では一方向になります。
ISOALはアイソクロナスデータ(つまりオーディオデータ)の形式やタイミングを調整するための層です。Bluetooth 6.0ではISOALの改良として「セグメント化されていないフレーミングモード」という新しいモードが追加されたことにより、データのセグメント化(分割)の時間を省略することにより、低遅延を図っています。

それとFrame Spaceの改良もオーディオに関連します。
Frame SpaceはLE Audioにおいて隣接するパケットの送信を分ける時間のことです。Bluetooth 6.0ではデバイスに応じてこの間隔を調整することが可能となりました。つまりより高性能なイヤホンならばより短い間隔で送れるので、リアルタイム性が向上します。レイテンシーも関係するかもしれませんが、音声通話品質の向上になるかもしれません。また電力消費も減少します。
接続時のネゴシエーションで決めるようなので、デバイスに依存するという点がポイントです。

advertise.png
Advertising

またMonitoring Advertisersという機能もオーディオに関係します。これはエネルギー消費を抑えながらBluetooth LEデバイスを効率的にデバイスを管理するというものです。AdvertiseとはAuracastでも登場しますが、Bluetooth規格の中では自分のことを相手に知らせることをAdvertiseといいます。
LE Audioのユースケースは、Monitoring Advertisers機能の重要なシナリオの1つですとSIGでは書いています。

まとめると、イヤホンの音質的にはISOALの改良とFrame Spaceの改良でより低遅延が可能となり、Monitoring AdvertisersとBluetooth Channel Soundingによってイヤホンの管理が向上したということになると思います。
なおBluetooth 6.0の登場と言う場合には、コアスペックと呼ばれる、より基本的でより低レベルの部分の変更という意味です。LE AudioやAuracastはもっと上位層がメインなので、今回LE Audioが大きく変わったわけではなく、その基礎になる部分の変更という意味です。念のため。
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2024年07月26日

Spotify HIFI再び

海外メディアVergeの伝えるところによると、7月24日のSpotifyの決算発表でCEOのDaniel Ek氏が、かつて”Spotify HiFi”と呼ばれていたSpotifyの高音質オプションは進行中でまもなく発表されオプション込みの月額サブスクリプションが約17から18ドルになるということを確認したようです。
また高音質オプションと同時に「より多くのコントロール」を語っているようです。このことは最近のSpotify HiFiの噂と符合します。

https://www.theverge.com/2024/7/23/24204520/spotify-ceo-hifi-audio-deluxe-plan-confirmed

これまでの”Spotify HiFi”を振り返ると、まず2021年の2月頃にその年の後半に登場するという触れ込みでSpotifyの「Stream ON」イベントで「CDロスレス品質とSpotify Connect対応」の”Spotify HiFi”がアナウンスされます。
しかしその年の6月にAppleがApple Musicのロスレス対応と192/24ハイレゾ対応、およびDolby Atmos対応を発表します。

その後に”Spotify HiFi”の話は聞かなくなり、また今年になってさまざまな噂が浮上してきました。
まず4月にRedditユーザーがSpotifyのコードを解析して“lossless has arrived”(ロスレスがやってきた)という記述を見つけます。この時にはMusic Proというアドオンという形になることが見つかっています。
またアドオンにはイヤホンのモデルに応じた特許技術を使用した最適化機能の記述があります。

そして5月にまたコード解析によりSpotify HIFIというプランの名前ではなく、品質オプションの一つのSpotify Losslessという設定になっていることがわかりました。この時も最大品質はCD品質です。これはビットレートの「ロスレス(最大2117kbps)」という記述から逆算してCD品質(44/16)ということがわかります。ただし24bitロスレスは一部の曲でのみ使用できるという注意書きがあります。また数々の注意書きが増えてよりロンチに近くなっていることが伺えました。


これらを総合すると現在の推測では”Spotify HiFi”はアドオンプランとなり、トータルで月額$17前後、品質は44/16または24で、イヤフォンの最適化機能などが含まれるということになるように思われます。
posted by ささき at 08:43 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月16日

LinkPlayの多機能ネット再生機「WiiM」とSHANLINGの「EC Smart」を聴くをアスキーに質筆

LinkPlayの多機能ネット再生機「WiiM」とSHANLINGの「EC Smart」を聴くをアスキーに質筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/207/4207127/
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2024年06月25日

TIDALがMQA配信から撤退、すべてFLACにという記事を執筆

アスキーにTIDALがMQA配信から撤退、すべてFLACにという記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/205/4205711/

これはHDtracksがMQAを配信開始するという記事と関連します。
posted by ささき at 12:56 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

HDTracksがMQA技術を使ったストリーミング配信開始するという記事を執筆

アスキーにHDTracksがMQA技術を使ったストリーミング配信開始するという記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/205/4205712/

これはもうひとつのTIDALがMQA配信停止という記事と関係します。
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2024年06月10日

アスキーにRoonその後としてボイスコマンド対応の記事を執筆

アスキーにRoonその後としてボイスコマンド対応の記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/203/4203237/
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2024年06月08日

アスキーに音楽生成AI、Stable Audio 2.0を使う記事を執筆

アスキーに音楽生成AI、Stable Audio 2.0を使う記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/192/4192845/
posted by ささき at 09:12 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アスキーにXPAN技術やWi-Fi 7、UWBなどをAIで統合した、クアルコムのFastConnect 7900を執筆

アスキーにXPAN技術やWi-Fi 7、UWBなどをAIで統合した、クアルコムのFastConnect 7900を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/191/4191651/
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2024年03月15日

アスキーにコルグのLive Extremeを用いた世界初のAuro-3D配信の記事を執筆

アスキーにコルグのLive Extremeを用いた世界初のAuro-3D配信の記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/187/4187317/
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アスキーにMetaのAudioboxを試す、指定の効果音や音声読み上げを文章から作れる生成AIの記事を執筆

アスキーにMetaのAudioboxを試す、指定の効果音や音声読み上げを文章から作れる生成AIの記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/185/4185978/
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アスキーにApple Music Classicalだけじゃない、クラシック再生に特化した「Idagio」を使う記事を執筆

Apple Music Classicalだけじゃない、クラシック再生に特化した「Idagio」を使う記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/182/4182795/
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2023年12月30日

シーイヤー「パヴェ」Cear Link体験イベントの記事をアスキーに執筆

ワイヤレススピーカーを40台スタックしたら夢が広がった、シーイヤー「パヴェ」体験イベントをアスキーに執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/173/4173116/
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2023年10月23日

Shanlingの多機能ヘッドフォンアンプ・DAC「EH3」レビュー

Shanlingは近年ポータブルや小型機の方に注力していたんですが、本格的なDAC内蔵ヘッドフォンアンプに再び目を向けたのがこのEH3です。ただし単にDAC内蔵ヘッドフォンアンプを復活させただけではなく、それに最近のネットワーク・ワイヤレス機能を盛り込んだ点がポイントです。

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特徴

1 高い基本性能

基本となるDAC ICはESSのフラッグシップモデルES9039SPROを搭載、アンプ部はOPA1612を4基搭載したフルバランス構成です。また入出力にはFPGAやXMOS XU316 USBチップを搭載しています。
特徴的なのはアップサンプリング機能(サンプリングレートコンバーター、SRC)です。ICを使用したSRCで入力に関わらずPCMなら768K、DSDではDSD512にアップサンプリングできます。これは後で書きますがメインの信号経路にあるのでアナログを除くどの入力にでも適用でき、入力形式に関わらずPCMとDSDは任意で選べます。SRCをしないこともできます。例えばMQAやハイレゾをビットパーフェクトで聴きたい場合などに有効です。ただしBluetooth入力などではSRCをかけた方が良いですね。またミニマムフェイズなど各種DACのデジタルフィルターも任意で変更可能です。
ヘッドフォンアンプとしてはシングルエンドで最大1900 mW(32オーム)、バランスで5300 mW(32オーム)とかなりの大出力です。実際にHD800でもローゲインかミッドで十分です。

EH3画面.jpg
液晶表示でアルバムアートを表示

内部は実質的にコンピューターと言って良いもので、IoT分野で使われるIngenic X2000プロセッサを採用したLinuxベースのOSを搭載しているようです。本体での操作はボリュームノブとハードボタンによって行われます。またリモコンも付属していますが、多機能なのでH5同様にスマホ接続でEddict Playerアプリを用いた方が良いです。本体のみでも全面の円形のユニークなディスプレイで表示は可能です。

2 単体プレーヤーとしての機能

ユニークな点としてEH3はDAC内蔵ヘッドフォンアンプですが、Shanling H7やH5と同様のローカルファイル再生機能がついています。つまりでかいH5と見なすこともできます。この状態では巨大なDAPとしても使えます。
音源はUSBメモリです。おそらくはUSB HDDも使用できると思います。DACなのに操作系のハードボタンが上面についているで、なかなか面白い外観になっています。再生はPCMが768/32bit、DSD512まで対応しているとのことです。FLACとかWAVは特に問題ないようです。
またこの場合にはEddict Playerアプリが必須です。またWiFi設定するにもEddici Playerアプリが必須なのでEH3を使用するにはかならずEddict Playerアプリをダウンロードしておいた方が良いです。

IMG_6139_DxO.jpg  
USBメモリを接続

3 多彩な使い方が可能

先に書いた単体プレーヤーはその一つですが、EH3は実に多彩な使い方が可能です。大きく分けると新しいワイヤレスでの使い方と、昔ながらのケーブル接続でDACとして使う方法です。さらにワイヤレスはBluetoothとWiFi、有線接続ではUSB、光、同軸、I2S HDMIで接続できます。

まずワイヤレスでは、Bluetoothを用いてBluetoothレシーバーとして使用することができます。BluetoothではLDAC、aptX HD、aptX、AACに対応しています。後でも書きますが、Bluetooth信号でもSRCとES9039SPROを通すのでBluetoothレシーバーの音質も高音質です。
またWiFi接続ではDLNAのレンダラー、サーバーとして機能するとのことです。またWiFiではAirPlayを受けることができます。

eddictPlayer画面.png
Eddict Player画面

ケーブル接続では先に書いたようにEH3はET3 CDトランスポートのコンパニオンとして設計された面もあり、ET3とは新しいL8ケーブルを使用し、I2S接続で接続できます。またUSB端子を使用してUSB DACとしてEH3を使うこともできます。この場合にはWindowsやMac側では排他接続などの設定をした方が良いでしょう。
そして先に述べたようにUSBメモリに音源を入れて単体プレーヤーとしての使用が可能です。この場合はEddict Playerで操作をすることになるので、実質的にはワイヤレスのように使えるということになります。ただし音源はあくまでEH3に格納されているので、ハイレゾロスレスで再生ができます。
また光接続でも周辺機器と接続できますが、この使い方はまた後で書きます。

インプレッション

重さは3kgあるので箱から取り出すとずっしりと重く感じますが、意外とコンパクトです。デザインもすっきりと良いので、デスクトップにおいて使っても良いと思う。
面白いのはDAC・ヘッドフォンアンプなのに早送りや再生・停止の操作メカボタンが上面に搭載されていることです。ここでの左右セレクトキーは機能の選択にも使用します。機能選択はボリュームノブの押し込みでOK、ノブの回転で選択、ハードキーの戻るボタンでバックという感じです。リモコンもついているので家電感覚でも使用できる点もユニークです。
また上面にデザインとしてブロックダイアグラムがプリントされているのがマニアックで良いです。これは簡単な接続ガイドも兼ねていると思います。

IMG_6141_DxO.jpg  IMG_6143_DxO.jpg

EH3はまず背面の電源スイッチを入れるとスタンバイ状態になり、さらにボリュームを押し込むと起動して動作モードになります。そうすると前面の円形の液晶に表示がなされます。
オプションの操作は本体だけでも簡単で、ボリュームノブをワンプッシュすると "Menu "に入ります。ここでノブをスクロールさせればメニューをたどれます。選択した項目をハイライトしたら、もう一度ノブを押すだけで、その選択肢が選択されます。戻るには、上部の "巻き戻し(戻る) "ボタンを押すだけです。
ただし複雑な設定や操作にはEddict Playerが必要です。

IMG_6146_DxO.jpg

音質はUSBメモリの音源でゼンハイザーHD800で聞いてみました。デモ機であまりエージングされていないと思いますが、音質はなかなかに優れています。据かなりパワーの余裕のある音で、LowゲインでもHD800で十分に音量がとれます。HD800の場合はMiddleゲインにすると音に力強さが加わって良いと思う。ハイインピーダンスのHD800をかなり軽々と駆動していて暗い重苦しさがないです。
音傾向はクリアで着色感が少なく、いわばモニターライクな音で、真空管アンプやリスニング志向サウンドのような低音や高音の誇張はなく着色感や温かみもありません。フラットでワイドレンジな点はHD800に向いています。また女性ヴォーカルが前に出てくる感じで、声がクリアで明瞭に聞こえます。楽器音の再現も正確だと思います。主役がはっきりわかる音で、解像力も高いサウンドです。据え置きらしい音で、H5よりもプロ志向のHiFiサウンドだと思います。

次に4.4mmでバランスで聞いてみました。イヤフォンはいろんなドライバーが入っているマルチドライバーのAK02を使用しました。Lowゲイン設定にしておきます。
やはりかなりモニターライクで、着色感が少なくフラットニュートラルなサウンドです。やはりワイドレンジ感があり、かなり低音は低いところまで出ています。そしてヘッドフォンと同様にヴォーカルと楽器が綺麗に分離されて、音も細かく音の濁りが少なく感じます。ノイズフロアは十分低いのですが、Lowゲインでもイヤホンにはやや音が大きいいのでヘッドフォンに向いたアンプだとはいえるでしょう。

音質は一番ダイレクトだと思ってUSBメモリの単体モードで聞いたんですが、ただしどのモードでもわりと均等に良い音が出ます。特にBluetoothレシーバーモードでも同じように良い音が出るのにはちょっと驚きます。これはブロック図を見るとわかりますが、SRC機能をオンにした場合にはAUXアナログ以外の全てのデジタル入力は一旦ICでDSD変換されてES9039PRO DACに入ります。そこで音が均等な感じになるんでしょう。AUXアナログ入力はDAC部分をバイパスしてボリュームを経由して直接アンプに入ります。

EH3はネットワークプレーヤーとして使えると言っても単独ではストリーミングを直接受けることはできません。スマホでストリーミングを受けてAirPlayなどでEH3に送ることになりますが、その場合はAirPlayの制限で48KHzまでに制限されます。
そこで以前Philewebに書いたWiiMも一緒に貸し出してもらいました。WiiMについてはこちらの記事をご覧ください。
https://www.phileweb.com/review/article/202309/05/5260.html

IMG_6156_DxO.jpg
黒いものがWiiM Mini

WiiMを使ってEH3側でストリーミングを受けられるようにしてみます。このためWiiM Miniを光デジタルを使ってEH3に接続します。WiiM miniはあらかじめWiFi設定などが必要です。
まずEH3側設定で入力を光デジタルにします。次にWiiMアプリでWiiM Miniを選択して出力をSPDIF(光)にセットします。出力は96kHzなどハイレゾが選べます。
これによって新たに二つの機能が加わります。一つはiPhoneの内部ファイルの再生です。そしてAamzon MusicやTidalなどのストリーミングサービスの再生です。これらはWiiMアプリの機能です。ただしAamzon MusicやTidalはWiiM miniで直接ストリーミングを受けているのでiPhone側で受けているのではありません(これは上の記事を書く時に開発元に確認しました)。
まずTIDALのMQAを再生してみると、EH3内でデコードされてハイレゾで再生されます。この場合にはSRCをバイパスすることが必要です。
AmazonははじめWiiMアプリではダミーユーザーでログインされているので、まずログアウトしてから自分のアカウントで入ります。こちらはULTRA HDで再生されています。
残念ながらApple Musicは現状WiiMではストリーミングできません。

WiiMアプリ1.png  WiiMアプリTidal.png  WiiMアプリAmazon.png
WiiMアプリ設定画面、Tidal、Amazon Music

まとめ

とても多機能ですが、デモ機を借りてレビューしましたので設定などは製品版と異なるかもしれません。いずれにしてもファームウエアの比重が高いので、まず最新を確認した方が良いと思います。私はVersion1.2をShanlingサイトからダウンロードして使用しました。ファームアップはUSBメモリに入れて行います。製品版の価格は13万8,600円とのことです。
Shanlingは現在でもCDトランスポートのShanling ET3を販売していて、Shanlingの製品体系の中ではET3からのデジタル出力を受けるDACという役割もあります。しかしEH3は多機能で、ネットワーク入力が可能な他に内蔵した音源をDAPのように再生する機能まであるので、単体でも十分に完結している製品です。SRC機能もなかなか優秀でBluetoothレシーバーとしても侮れません。
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2023年09月01日

アスキーにAndroid 14のオーディオミキサーバイパス機能について執筆しました

アスキーにAndroid 14のオーディオミキサーバイパス機能について執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/148/4148664/
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2023年07月29日

PhilewebにVolumioのChatGPT応用のAI検索に関する記事を執筆

PhilewebにVolumioのChatGPT応用のAI検索に関する記事を執筆しました。

https://www.phileweb.com/review/column/202307/18/2185.html
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アスキーに「Metaによる音楽生成AIを試すMeta MusicGen」の記事を執筆

アスキーに「Metaによる音楽生成AIを試すMeta MusicGen」の記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/144/4144172/
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アスキーに「デジタルオーディオの裏方的存在、Stream Unlimited」の記事を執筆

アスキーに「デジタルオーディオの裏方的存在、Stream Unlimited」の記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/143/4143494/
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2023年03月27日

アスキーに執筆しました「動き出したMQAのSCL6、PSB Speakersがヘッドホンを開発中」

「動き出したMQAのSCL6、PSB Speakersがヘッドホンを開発中」の記事をアスキーに執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/128/4128272/
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2022年09月29日

高機能でマニアック、iFi audio NEO Streamレビュー

iFi NEO StreamはiFiの中級機であるNEOシリーズとしてはNEO iDSDに次ぐ二作目であり、機材の性格としてはZEN Streamのようなネットワーク対応機でそれをさらにグレードアップさせたものと言えます。またZEN Streamはデジタルのみを出力するトランスポート製品でしたが、NEO StreamはDACを内蔵しているいわゆるネットワークプレーヤーです。もちろんデジタル出しも可能です。
標準的な小売価格は198,000円(税込)、発売日は9月26日。初回100セット限定でNEO Stream+NEO iDSDバンドルセットが297,000円で提供されています。

スクリーンショット 2022-09-28 10.35.03.png

メーカーホームページ
https://ifi-audio.jp/neo/neo_stream.html

* 概要

端的に言うとNEO Streamは音の上流となるプレーヤー機材であり、NEO iDSDのようなDACやアンプにデータを渡す役割を持った製品です。
NEO Streamの場合にはストリーミングやDLNA、Roonなどを駆使してネットワーク経由で音源を取得するだけではなく、自分に接続したハードディスクも音源にできるなど多彩な機能を有しています。さらに標準でネットワーク入力を光デジタルに変換できるコンバーターが付属しているなどiFiらしいユニークな個性も光ります。また出力に関してもデジタル出力もアナログ出力も可能で、HDMIでのI2S出力(いわゆるPS Audio方式)にも対応するなどハイエンド機並みの対応が可能です。NEO StreamはPCMは32bit/768kHzまで、DSDはDSD512までのフォーマットに対応しています。

ハードウエア的にはラックよりはデスクトップに置くのに適した筐体で、縦置きも横置きも可能となっています。また液晶ディスプレイが設けられて縦横置きでの回転に対応しています。アルミ製の金属筐体はNEO iDSDとほぼ同じデザインです。

NEO Streamの中身はほとんどコンピューターであり、高機能を実現しています。内部にはクアッドコアのARMプロセッサーがLinux OSを動作させています。iFiの強みの一つはハードや回路設計の他にソフトウエアに長けていると言う点です。ポータブル製品ではXMOSの実装の巧みさにそれを見ることができますが。NEO Streamでは存分にそれが発揮されていると言えます。

* 特徴

1 豊富な入出力
まずNEO Streamは入出力の種類が豊富です。

入力においては、
●WIFIは802.11a/b/g/n/ac対応デュアルバンドWi-Fi(2.4GHz/5GHz)接続。(384kHz PCM、DSD256以上は、安定した強度の高い5GHzのWi-Fi接続が 必要です)
●LANはRJ45端子、M12端子、光ファイバー端子搭載
●USB-A x 2, USB-C x 1 (サービスアップデート用USB-C)

出力においては、アナログ出力とデジタル主力が可能です
●アナログ出力はRCAシングルエンド、4.4mmバランス端子
●デジタル出力はI2S-HDMI(いわゆるPS Audio方式) (PCM768kHz/DSD512対応)、USB-A(PCM768kHz/DSD512対応)に加えてS/PDIF同軸, 光角、AES/EBU (PCM192kHz)も対応。
つまりPCM768kHz/DSD512まで対応したければUSBかI2Sが必要です。

スクリーンショット 2022-09-28 10.35.40.png

2. さまざまなネットワーク規格に対応
NEO StreamはDLNA、Roon、AirPlayなど一般的なネットワークプロトコルの他にTIDALなどストリーミングサービスにも対応し、マニアックなNAAや独自のアプリにも対応しています。ここまで対応されている機材は少ないでしょう。
さらにこれらはAIO(All-in-one)という特定のサービスを意識しないで受けられるモードと、そのサービスだけ受けて音質を高められる「排他モード」が用意されています。つまりRoonモードにしていると音質は高められますがDLNAは受けられません。DLNAを受けるためにモード切り替えが必要です。AIOにしていればモードを切り替える手間はありません。(ただしAIOでも一度には一つのサービスのみ)

●Roon Ready
海外のデファクトスタンダード的な音楽再生ソフトウエアであるRoonにネットワークで対応できる認証を受けた機器のことをRoon Readyと言います。日本でよく使うDLNAとは異なったものです。

●DLNA/UPnP/OpenHome
DLNA/UPnP対応のソフトウエア(BubbleUPnP、mconnect、Audirvanaなど)が使用できます。

●TIDALとSpotify connect
それぞれのアプリケーションから直接ストリーミングすることができます。(TIDALは国内では純正アプリはありませんが、さまざまなアプリに組み込まれてます)

●Apple AirPlay
アップル機器から簡単にストリーミング再生ができます。

●HQPlayer NAA(Network Audio Adapter)
NEO StreamはSygnalist HQPlayerと連携し、NAA(Network Audio Adapter)として動作させることが可能です。

●Stream-iFiアプリによるローカルストレージからのストリーミング再生
iFiの「Stream-iFi」アプリは、NEO Streamの初期設定を支援するシンプルなツールで、 NASなどのローカルストレージからストリーミングを開始することができます。

3 標準装備の光アイソレーション
有線ネットワークに接続する際にNEO Streamでは一般的なRJ45端子に加えてオプティカルLANという選択肢があります。この目的は光を使って電気的なノイズの絶縁をすることです。
このためになんと標準でOptiBox(iFi特製のLAN/光 ファイバー変換器)というメディアコンバーターが付属しています。普通こうしたアクセサリーは後付けで購入するものですが、そうすると相性問題に悩まされることになります。標準でついてくるのだから単に接続すればよいだけ、簡単です。
有線のRJ45端子をOptiBoxに接続して、NEO StreamにはOptiBoxから付属の光ケーブルでNEO Streamに接続するわけです。

4 高機能DAC搭載
NEO StreamではZEN Streamとは異なり、バーブラウン製DACチップをベースにしたDAC回路を搭載しています。これまでのiFiを踏襲したPCMとDSDは別々 の経路を通るトゥルー・ネイティブ・アーキテクチュアを採用しています。DACとしては32-bit/768kHz、DSD512対応でMQAフルデコード対応です。
DACとしてもおまけではなく、きちんとした設計がなされているのがわかります。また音作りも後で書きますがきちんとなされているようです。

スクリーンショット 2022-09-28 10.35.27.png

5 iFi技術の踏襲
NEO Streamはアナログ出力の時は4種類のデジタルフィルターも搭載し ています。(Bit-Perfect、GTO、Minimum Phase、Standard)
特にGTOはiFiらしい特徴です。もちろんXMOSが搭載されていてiFi独自の最適化がなされています。
USBポートは入力、出力ともにiFi独自のANC II(Active Noise Cancellation II)を採用し、 同様にS/PDIF出力はiPurifierテクノロジーを搭載しています。
またNEO Streamには、ANC II技術により他 の類似機器よりも大幅にノイズを低減したという、iFiのACアダプターiPower IIが同梱されています(単売価格:14,300円[税込])。
この他にもたくさんiFiらしさが満載ですが、最大の継承品はマニアック・マインドでしょうか。

スクリーンショット 2022-09-28 10.36.30.png

* 実機インプレッション

実際に実機を使用してみました。WIFIでネットワークに接続して、Roonでデスクトップのヘッドフォンアンプに接続するシステムをイメージしています。アンプにはA&K ACRO CA1000を使用しています。

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本体はスリムですが、ずっしりと重い印象です。同梱物としてアクセサリーが豊富です。中でもメディアコンバーターが光りますね。ACアダプタが添付品にしてはケーブルの質も本体もなかなか質感良いもの(iPower II)なのも特徴的です。

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操作は電源オンすると液晶にiFiマークが表示されてから開始できます。ブートしている感じが、中にコンピュータが入ってるのを感じさせますね。2インチTFTディスプレイもオーディオ信号に干渉する電気的ノイズを発生させないよう配慮したSilentLineデザインを採用しています。
電源ボタンの隣がモードボタンで、モードボタンを押下した後にボリュームを回すことで設定を行います。ボリューム自体も押し込んでボタンとして機能します。

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設定に関しては例えばWiFi設定は本体をホットスポットモードにしてスマホを本体のWiFiに接続すると、スマホが操作画面になります。ホットスポットモードとはNEO Stream自体がWIFIホストになるモードです。
もう少し具体的に書いていくと、まずモードボタンを押して設定(歯車マーク)までボリュームで選択。AIOになっていることを確認。なっていなければボリュームボタンを押し込んでサブ選択モードにしてAIOにします。
もう一度モードボタンを押してボリュームで二重円マーク(ホットスポットモード)までボリュームで選択、ここでボリュームを押してサブ選択モードにしてボリュームを回してONにする。再度ボリュームボタンを押す。すると液晶の下でipアドレス表示が出てきます。ここでスマホのWifi選択画面を見るとifi-streamerというネットワークが見えるのでそれに入ります。
スマホのブラウザでhttp://192.168.211.1を入力します。するとスマホで設定画面が出てきます。
このネットワーク設定で自分のルーターのネットワークを選んでパスワード入れて接続すると、本体もこのルーターに繋がるモードに自動的にリブートします。(つまりホットスポットモードも終了)
NEO Streamを排他モードでRoon Ready専用機にしたい場合にはモードボタンからボリュームで設定、ボリュームボタン押しでAIOでなくRoon Readyにして再度ボリュームボタンで確定します。操作性は喚くないですが、慣れが必要かもしれません。また一度設定してしまえばあとはあまり変えることはないでしょう。

実際にRoonで使用してみます。信号経路は以下の通りです。
Windows PC(Roonコアと音源)→iFi NEO Stream (Roon Readyモード)→アナログ(RCA)とデジタル(光)→CA1000

PC側の設定は、Roonを立ち上げてsetupを押してaudioを選択、Roon readyの項にiFi NEO Streamが見えます。これをenableします。Audio zoneでNEO Streamを選択します。
ちょっとすごいのは小さな画面にアルバムアートが表示されるです。意外と綺麗で使えそうです。RoonはiPhoneのRoonリモートアプリで操作しています。
ヘッドフォンとしてはデスクトップタイプのAK ACRO CA1000にゼンハイザーHD800を繋いでいます。ベースはフラットでニュートラルな音のはずです。

IMG_3997_filtered_s.jpg

まずアナログ出しの音はiFiの音に近いと感じます。ケーブルはNEO STream付属のRCAアナログですが、音質は優秀です。滑らかなアナログらしい音で音楽的に気持ち良く感じます。ニュートラルで誇張感は少ないですね。音の広がりもとても良い感じです。iFiらしい誇張感の少ないニュートラルな音です。高域は伸びやかで、低域も量感があってタイトで引き締まっています。スピード感があってテンポの早いロックを聴いても気持ちが良く、声も明瞭感が高いのでヴォーカルもはっきりと聞き取れます。
なかなかNEO Streamの内蔵DACの音質性能は高いと思います。アナログ出しはエージングをきちんとしてケーブル等を良いものにすればかなり追い込めると思うポテンシャルのあるサウンドだと思います。
アナログの時はデジタルフィルターで音を変わるのもiFiの特徴です。minimumは滑らかで良いですが、iFiオリジナルのGTOにすると一層歯切れの良い鮮烈な音になります。これは機器の性格や好みで選べるでしょう。

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Roonからのシグナルパス

デジタル出しの場合はかなり生々しい音でDAC側の解像力をうまく引き出しているように思う。楽器音の歯切れが良く途中でのジッターも低く抑えられているように思える。デジタル送出の品質は高いと思う。
とてもSN感が高く楽器音の再現が鮮明に聴こえます。CA1000のDACがノイズ低いこともありますが、背景が黒く透明感も高いですね。おそらく光アイソレーションでRJ45で入れるとかなりSN感は向上すると思います。
手持ちのDACを活かしたい人はデジタル接続を選ぶと良いでしょう。

箱出しで聴いてエージング無しだし、レビュー用に高級ケーブルを使ったわけではないが、アナログ、デジタルともにかなり満足感の高い音が聴けたと思います。機器としてはどちらかというとデジタルがメインですが、アナログもおまけというレベルではありません。内蔵DACもかなり主役級のできです。
アナログ出しでは滑らかなアナログっぽく、デジタル出しでは(特に光だと)デジタルっぽい先鋭な音になるのが面白いんですが、たぶんそう考えて設計していると思います。デジタルの音をもう少しアナログっぽくしたい人は同軸デジタルケーブルを使用すれば良いでしょう。

* まとめ

NEO Streamは多様化された現在のオーディオ環境において、極めて柔軟に組み込むことのできるプレーヤー製品ということができます。古い純粋なDACやアンプを今のストリーミングやRoonやらといった中に柔軟に組み込めます。
音質も素晴らしいもので、中級機の価格帯でハイエンド機並みの機能を持っています。またHQ Player対応や光アイソレーションの標準装備などマニアックな側面がiFiらしい点でもあります。この価格帯でネットワークプレーヤーを欲しいと思っている人にとっては見逃せない機材となるでしょう。

posted by ささき at 08:43 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする