Music TO GO!

2017年05月15日

MP3死す?

海外報道などでMP3死すというニュースがありましたが、
http://www.npr.org/sections/therecord/2017/05/11/527829909/the-mp3-is-officially-dead-according-to-its-creators
http://www.techradar.com/news/rip-mp3-the-sound-file-that-changed-the-world-is-declared-dead
これはMP3のライセンスが切れたということのようです。つまり死んだのはMP3のライセンスのようです。そこでMP3ライセンス持ち会社が公式に死亡声明を出したということのよう。
http://m.huffpost.com/jp/entry/16588264
今までよくMP3のためにあれそれのライブラリをインクルードして、というのがありましたが、そういうのは変わって行くのかもしれません。
posted by ささき at 19:34 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月14日

LINNのMQA批判

LINNがサイトでMQAの批判をしています。書いたのはJim CollinsonというLINNのデジタルマーケット担当(兼ウエブデザイナー)です。"MQA is Bad For Music"という過激なタイトルが目を引きます。
https://www.linn.co.uk/blog/mqa-is-bad-for-music

MQAではほんとうに音質が上がっているのか、本当にロスレスか、など技術的な批判が多いのですが、ここでは音楽業界的なビジネスモデルとしての立場から批判している点が興味深いところです。
具体的に言うと音楽のサプライチェーンの一個所ではなく、全域にわたってかせげるようなエコシステムを構築しようとしているということがまずあります。たとば録音エンジニアリングの時点でもMQAに金が入り、ストリーミングプロバイダーでもMQAに金が入り、オーディオ機材でもMQAに金が入る、などなど。
またMQAはDRMないっていうけど、それは視点の違いで実質はMQAデコーダがDRMみたいなものではないかとか、この動きが売れ線の古い音楽により集中して新しい音楽への投資を怠ることになるのではないかとも言ってます。MQAで付加価値を付けるというのが、いわゆるリマスター再発豪華CD3枚組、などという感じでしょうか。
実のところはMQAがオープンではないという点が問題で、かつてのAppleロスレスとかSACDなどのように思えるということのようです。
LINNは総帥ティーフェンブルンがAppleロスレスのコメントしたり、DSD批判したりしてますね。LINNはオープンフォーマットへのこだわりが強いとも言えます。
http://vaiopocket.seesaa.net/s/article/235601629.html
ある意味ではLINN/(中小レーベルの)LINNレコーズとMeridian/(メジャーの)Warnerという対立構図が透けて見えていることも言えるかもしれません。

私もけっしてMQAに否定的ではありません。たとえばAK380でTIDALを使っているとやはりAstell & kernに次はMQA対応してほしいと思います。
しかしMQAをハイレゾPCMとかDSDのようなものとしてとらえるのは分かりやすいけど危険であるようには思いますね。ユーザーとしてはMQAのストリーミングは良いと思うけど、MQAのダウンロードには手を出したくないというところもあるかもしれません。

マーケット面からMQAに興味ある方はご一読してはいかがでしょうか。
posted by ささき at 21:39 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月01日

いよいよWindowsにUSBクラス2ドライバーが導入されるか?

Windowsでは10になってもUSB class 2.0ドライバーが実装されてないのがオーディオにとっての難でした。
しかし下記のWindowsフォーラムの最新書き込みを見るとInsider Preview最新ビルドの14915(8/31)ではクラス2ドライバーが入ってるようです。
http://answers.microsoft.com/en-us/insider/forum/insider_wintp-insider_devices/windows-support-for-usb-audio-20/0d633b9f-3193-4c63-8654-fb10b3614a04?page=19&msgId=a3e33175-ae15-46ca-b547-5ef19dbf4d2b

ちょっと期待ですね。
posted by ささき at 14:08 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月17日

BrystonからラズパイベースのRoonReadyトランスポート

Brystonからトランスポートの新製品であるBDP-π(パイ)がリリースされたようです。
http://hifipig.com/bryston-announce-bdp-π-digital-musicy-player/

これは前にも書きましたが、中身はラズベリーパイとHiFiberry Digi+です。つまりこの記事で書いたものと同じです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/435089337.html

この辺はHiFiberryのサイトでも書かれています。
https://www.hifiberry.com/2016/03/bryston-bdp-π-with-digi-inside/

BDP-πはラズベリーパイとHiFiberrry Digi+をベースにしてオーディオ機器らしい電源とシャーシを加えたものです。
この柔軟性のおかげであっさりとRoon対応を果たしたRoonReady機器でもあります。
ラズパイとかNanopiとかワンボード系の機材でもやり方次第、というところでしょうか。
posted by ささき at 08:29 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月14日

Nanopi NeoのRoonでのネットワークブリッジ応用例

この前の記事で書いたわずか800円程度のワンボードコンピューター、Nanopi Neoが到着しました。注文してからだいたい10日前後です。購入したのは512MBメモリのバージョンです。

IMG_0001[1].jpg

比べてみると普通のラズベリーパイよりもずっと小さく、ラズベリーパイ・ゼロよりも小さいくらいです。それでいてフルのネットワーク端子とUSB端子がついている点がユニークです。

IMG_0006[1].jpg  IMG_0005[1].jpg  IMG_0007[1].jpg

それで結局なにができるか、ということでComputer Audiophileに掲載されてたRoonを利用したネットワークブリッジの作り方を紹介します。
これはつまりRoonBridgeを使ってUSB DACをネットワークDAC化するというものです。
ネットワークで来るオーディオ信号をUSBに変えると言ってもよいです。使用例は下の写真のようになります。

IMG_9978[1].jpg
出ているケーブルは電源ケーブル(Micro USB 5V 2A)、USBケーブル、ネットワークケーブルです。ラズパイ・ゼロだとUSBもネットワークも変換ケーブルやアダプタが必要になるので、Nanopi Neoの利便性がわかります。

1. まずはじめに用意されているubuntu OSをインストールします。
https://www.mediafire.com/folder/n5o8ihvqhnf6s/Nanopi-NEO
をブラウザで開け、OfficialROMを開けると下記のファイルがあるのでそれをダウンロードします。
nanopi-neo-core-qte-sd4g.img.zip
解凍して上記OSをW32 disk imagerでMicroSDに書き込みします。
2. Nanopi neoにMicroSDを取り付けます。
3. ネットワークケーブルをNanopi Neoに接続して電源5Vを接続し立ち上げます。
青いLEDが明滅すればOSのブートはオーケーです。
このときにOSがDHCPでipアドレスを取得しています。
4. ネット内のPCでTera TermとかSSH端末を立ち上げて、そのipアドレスを入力するんですが、これがちょっと難です。ラズベリーパイだとモニターとキーボードを接続すればipconfigでわかりますが、Nanopi Neoではモニターもないのでとりあえず手探りで探し出しました。なにかネット内の機器のローカルipアドレスを探し出して(たとえば198.168.1.102)、たいていそれにプラスいくつかなので192.168.1.105とか探し出します。(他にいい方法があるのかわかりませんが) 8/19追加→教えてもらったのですがTWSNMPマネージーツールを使う方法があるということです。
5. そのアドレスにrootでSSHで入ります。パスワードはfaです。

term.png

6. まず標準のOSにcurlをインストールして、それからRoonBridgeをインストールします。以下の手順に従ってください。

#apt-get install curl
#curl -O http://download.roonlabs.com/builds/roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh
#chmod +x roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh
#./roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh

RoonBridgeでは自動的にipアドレスを取得するのでこれ以後はipアドレスの取得の手間は不要です。

実際にLH LabsのGeek Pulse USB DACで試してみました。
RoonからはAudio setupからNetworkedのところに見えますのでドライバを選択してenableします。

これでRoonBridgeとして機能します。下記の画像のようにシグナルパスを確認してください。

signal_roon.png

次にUSBのAB端子直結アダプタを使ってみました。これであればケーブル不要でアダプタのようにDACに据え付けることができます。

IMG_9993[1].jpg

Geek Pulseの背後に据え付けます。

IMG_9992[1].jpg  IMG_9991[1].jpg
左は普通のUSBケーブルによる接続、右がこのネットワークブリッジを使った接続です。

IMG_9985[1].jpg
全体はこんな感じです。これでUSBケーブルの長さに左右されずにDACを設置することができます。

音質も簡単に比べてみましたが、このアコリバのかなり良いUSBケーブルとくらべても音質的にそう大きな遜色はないように思います。多少は異なりますが、USBケーブルを直結したほうが音質が良いのではないかという先入観を考え直すくらいには音質レベルは変わりないと思います。さくっとやっただけなので音質的にはもっと手を加える余地はあるかもしれません。
このようなネットワークブリッジで、手持ちのUSB DACをMergingのNADACのようなネットワークDACへと変えてくれます。
これがわずか800円でできるわけです。

使用してみるとプロセッサが強力なせいか結構熱くなります。そこでオプションとしてヒートシンクも買ってみました。

IMG_9982[1].jpg

Nanopi Neoはこんな小さなボードにフルサイズのUSB端子とネットワーク端子を採用した点がユニークで、最新のRoonを使用していままでになかったような使い方が可能です。ubuntuベースということでもっといろいろな使い方が可能になるかもしれません。
posted by ささき at 14:18 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月20日

ラズベリーパイのオーディオ日記 諸々更新

ラズベリーパイのオーディオ日記をもろもろメモ的に更新です。

* ラズベリーパイのオーディオ機器応用について

ラズベリーパイのオーディオ日記iについて、ラズベリーパイをオーディオに使うなんてそもそもどうなの?しかもこんな安いオーディオ拡張ボード付けて、という話もあるかもしれませんが、実際にラズベリーパイは普通のオーディオ機器のなかにもう入っています。しかも私が買うようなHAT DACがそのまま使われています。

たとえばよく知られているオーディオメーカーのBrystonは下記の新製品BDP-πではHiFiberry Digi+とラズパイをそのまま内蔵して、電源とかはオーディオ機器的な味付けをしています。
http://canadahifi.com/bryston-reveals-first-details-about-its-upcoming-bdp-%CF%80-digital-music-player/

またこちらのABACUSのプリアンプではラズパイとIQaudioのPI-DAC+がそのまま入ってネットワーク機能を付加しています。
http://www.abacus-electronics.de/146-0-Preamp+14.html

もうひとつあったかと思いますが、実のところこうしてきちんとオーディオ機器でも使われはじめているということがわかると思います。

* DAC+システムのアンプを変更

piCorePlayer+DAC+のシステムのアンプをPortaphile627以外にもいろいろ変えてみました。

iQube V5とも相性よく、Moderateオーバークロックでもいい感じでなります。iQuve V5はアナログ入力アンプとしても現在最高峰クラスだと思いますね。
Portaphileで感じたオーバークロック時の硬さもiQube V5だと感じないので、デジタルアンプだけど硬さが少ないって言うのはすごいと思う。

写真 2016-04-01 8 13 40[1].jpg
raspberry PI + IQube V5

またPortaphile MicroのMuses01バージョンとも組み合わせてみました。
この組み合わせだと627よりも現代的になると言うか、さすがMuses01で音場にしろ透明感にしろぐっと領域が広がる感じです。
ただいわゆるオーディオ的な滑らかさとか厚みはやはり627版が良いですね。

写真 2016-04-11 8 18 15[1].jpg
Raspberry PI + Portaphile Micro

こちらもModerateオーバークロック(900Hz)かPI2(1GHz)オーバークロックでも良い感じです。対するとPortaphile 627ではMildオーバークロック(800Hz)設定が一番良いように思います。
piCorePlayerのオーバークロック設定は強くすると音の押し出し感がきつめになっていき、行きすぎると煩くきつすぎるので戻すと言う感じでアンプに合わせて使ってます。

こうしてみると、アナログアンプを合わせた時のアンプの個性差の調整をオーバークロック設定でやっている自分に気がついて、自分でも興味深いところです。これはまさにコンピューターを背負ってないと出来ないことではありますね。PCオーディオではオーバークロックとかアンダークロックの効果についていろいろな我流理論がありますが、そのひとつという意味で言うとオーバークロックはイコライザー代わりっていう感じでしょうか 笑

Raspberry PI2のBCM2836プロセッサ(SoC)の出荷時周波数設定は900MHzですけど、直前までは800MHzで出す予定だったそうなので、どれが正解と言うことは結局のところはないと思います。諸々のトレードオフで決めるっていうのは結局のところなんでもおんなじかも。

* HiFiberry Digi+のシステムにL字(ライトアングル)アダプタ

従来のDigi+だとケーブルを付けた時にラズパイとMojoが直行してしまうので、L字アダプタを付けてみました。これでやや取り扱いはしやすくなりましたが、まだちょっとかさばりますね。。

写真 2016-04-07 18 09 15 (1)[1].jpg
Digi+とMojo

ちなみにDiGi+システムもいまはソフトウエアはVolumioではなくpiCorePlayerを使っています。
やはり音的にはこちらの方が良いように思えます。いまのところ。。

* mSATAドライブで大容量化

piCorePlayerでは普通はUSBメモリを使っています。128GBなのでわりと満足出来るのですが、500GB mSATAドライブとUSBケースでさらに大容量化をはかりました。
しかし、、これはいまのところ認識せず。(もちろんPCでは動作する)
おそらくラズパイのUSB電源容量の問題のように思えますが、OS都合かもしれません。今後も要調査。

* Moode OS 2.6のAP機能

うちの記事で書いてきたラズベリーパイのWiFiシステムはポータブルWiFiルーターが必要です。私の場合はいずれにせよhulu見たりApple Music聴くのでWiMAXルーターをいつも持っているのですが、そうでない人は困るでしょう。
ところがMoode Audioの次バージョンの2.6ではAPモードを備えると言うことです。これがあればポータブルルーターなどの必要なく、直でラズパイとWiFiシステムが組めそうに思います。要チェックですね。
http://www.computeraudiophile.com/f11-software/moode-audio-player-raspberry-pi-23858/index24.html#post526881
posted by ささき at 22:56 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月21日

ラズベリーパイとポータブルアンプのアナログ接続 (HiFiBerry DAC+)

前の記事ではHiFiBerry Digi+を使ってデジタル出しでMojoと組み合わせましたが、今度はアナログ出しでDAPのようにポータブルアンプに組み合わせてみました。iPodではなくコンピュータをバンドでポータブルアンプに固定するわけです。ポータブルPCオーディオみたいな感じですね。

IMG_9613_filtered[1].jpg

I2S接続するHAT DACはHiFiBerry DAC+です。DAC+には通常のRCA版もありますが、これはミニ端子のアナログ出力版で、出力端子がHAT基盤の下に実装されてるので高さが抑えられて普通のケースが使えます。下記リンクのDAC+ Standard Phoneです。私はこのサイトで買いました。
https://www.hifiberry.com/dacplus/
使われてるDAC ICは記載がありませんが、ラズパイ側から確認するとIQAudioと同じくバーブラウンのPCM5122のようです。下の写真はRaspberry Pi2につけた状態です。

IMG_9617_filtered[1].jpg   IMG_9616_filtered[1].jpg

ラズパイのソフトウエアは今回はVolumio 1.55を使ってます。始めはMoode Audioを使ったんですが、なぜかDigi+はオーケーなのにDAC+ではノイズが乗るのでVolumioにしたところ問題なくなりました。いずれにせよHiFiBerryは定番なのでドライバーサポートは問題ありません。
今回はVolumioのアップサンプルをオンにしてます。Fast/Medium/Bestと設定がありますが、いろいろ試してみるとBestだとグリッチのプツプツが出るのでMedium(中品質)にしました。
Mediumでも192だとグリッチしますので、Medで96/24変換するのが最も良いと思います。
AirPlayでもアップサンプル効いてると思いますが、この辺がポータブルアンプに普通のコンピュータであるラズパイを載せるメリットになるでしょうね。

IMG_9680_filtered[1].jpg
Raspberry PI2、HiFiBerry DAC+、Portaphile Micro

今回はケースとバッテリーを工夫してポータブルアンプに乗せやすいようにして実際に外で使ってみました。
ケースは普通のケースに側面を空けても、けっこう上下のスペーサーの幅があるので積層型を使いました。なるべくコンパクトにするために標準の板の順番はちょっと変えてHATをカバーするのに底面用の板を使ったりしてます。
バッテリーは2500mAhの超薄型(5V/1A)を使いました。ラズパイ2とDAC+は1Aで大丈夫だと思います。

IMG_9682_filtered[1].jpg

ケーブルは一般的なU字ケーブルを使いましたので、アナログ出力が横から出ているためにラズパイをアンプに直交させておく必要がありますが、L字コネクタ(ライトアングル)のミニミニケーブルを使えばラズパイをアンプに対して普通のDAPを置くように縦置きに出来ると思います。

IMG_2643[1].jpg
ラズパイとポータブルアンプを縦に重ねた状態

ネットはWiFiルーターを使用してます。私はだいたいWiMaxルーターをいつも持ってるのでそれを使っています。WiFiルーター持ってればApple MusicもWiFi接続の高品質で再生できます。

操作はiPhoneからhttp://volumio.localで入ってウエブインターフェイスでも良いし、MPoDアプリでも可能です。動作自体はMPoDの方が快適ですが、たまに繋がりにくくなるのでもう少しよいアプリがあればよいのですが。(Rune AudioはAndroidで専用アプリがあります)

IMG_2650.PNG

このラズベリーパイとポータブルアンプの組み合わせは実際やってみたら驚くほど音質が良い感じです。最高レベルポータブルアンプのPortaphile627と組み合わせてみましたが、いつものDAPともまた違う感じの良い音です。空間表現が広く音場に深みがあるのが特徴です。24bit変換してることもあるけど、独特の良さがあります。
透明感も高くクリアで、周波数の再現性もワイドレンジで低い方から高い方までかなり出てるようです。超低域も十分出ていると思います。解像力もわるくないようです。価格からはちょっと思えないくらい。

IMG_2649[1].jpg
Raspberry PI2、HiFiBerry DAC+、Portaphile 627

バッテリーの持ちに関しては、2500mAhの容量だと持たないかと思ったんですが、思ったよりも持つ感じです。実測でつけっぱなしにすると、Vilumio 1.55 アップサンプルon、HiFiberry DAC+、Raspberry pi2、44/16音源再生という条件ですが先にアンプの電池が切れました。Portaphileはあまり持たないんですが、4.5時間ほどでした。ラズパイ自体はもっと行くでしょう。
特にCPUフィンとかつけてませんが、ずっとバッグに入れて熱暴走する感じでもなかったですね。

ラズパイ3ならアップサンプルもBestでできるかと思いますが、ただバッテリーが。。
ちょっとブートに時間がかかるのが難ですが、意外と普通に使えるので、これは取っておいてラズパイ2をもう一個買おうと考えてます。
以下今回買ったもののリストを上げておきます。

      

posted by ささき at 22:58 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月17日

ラズベリーパイとポータブルDAC付きアンプの接続 (HiFiBerry Digi+)

ラズベリーパイをMojoと組み合わせてみました。デジタルで取り出すためにHiFiberry Digi+をトランスポートとして使用してデジタル信号でMojoに入力し、ラズベリーパイにインストールしたMoode Audio PlayerでUSBの音源やAirPlayをiPhoneから受けて再生ができます。下記例ではWiFi接続しています。

IMG_9586[1].jpg   IMG_9595[1].jpg
左は光デジタル、右は同軸デジタルで接続

USBを使う手もありますが、USBとネットのバス競合問題を避ける意味もあって、今回はGPIO経由のHATを使ってみました。HATはラズパイの増設ボードのことでHardware Attached on Topの略です。これによってネットでストリーミングを受けて、競合せずに別ルート(GPIO)でMojoに信号を送ることができます。
今回使用したHATはラズベリーパイのオーディオ関係では老舗的なHiFiBerryのDigi+です。Digi+はラズベリーパイとI2S(GPIO)で接続して、デジタル信号を送ることのできるトランスポートとして機能します。これでラズパイが純粋なトランスポートになるわけです。
HiFiBerry Digiには旧ラズパイ(26ピン)用のDigiと40ピンタイプのDigi+があります。またアイソレーションを高める出力トランス(SPDIFのみ有効)がオプションで指定できます。
リンクは下記で、価格は標準が$34.9、トランス付きが$44.9です。いずれにせよラズパイと足しても一万円ちょっとくらいなものです。私は下記サイト直で買いました。
https://www.hifiberry.com/digiplus/

IMG_9589[1].jpg  IMG_9591[1].jpg  IMG_9593[1].jpg
HiFiBerry Digi+ (トランス付き)

ソフトウエアはRune AudioやVolumioではなくMoode Playerを使いました。これは特に理由はなく、たまたま今Moodeをいろいろ試して慣れていただけです。Digiは古いので、たいていのこうしたMPD系のLinuxディストリビューションではサポートされているはずです。ちなみにMoode AudioはMoodeOSという刷新版が近々に予定されています。
Moode Audioはラズベリーパイに特化したMPD系のLinuxディストリビューションで、サイトはこちら。
http://moodeaudio.org/
こうしたソフトウエアを使うことでラズパイの柔軟性が活かされ、MojoをiPhoneからAirPlayで使ったり、DLNA(uPnP)で使用したりとネットワーク的な使い方も可能です。もちろんUSBやカード内の内蔵音源にも対応します。

Digi+は光(角・TOSLINK)と同軸デジタル(RCA)が出力できます。光の場合はMojoとは角-角なので、手持ちのミニ丸->角ケーブルを使うには変換プラグを使いました。同軸ではRCAからミニになるので、iBasso Coaxケーブル(1300円くらい)を使用しました。

IMG_9599[1].jpg   IMG_9597[1].jpg
Digi+とiBasso CoaxケーブルとMojo

ラズパイ/Digi+とMojoシステムの音質はかなり良くて、試しにFLACでAK100と光ケーブルでくらべて聴き比べしてみました。ぱっと聴きは同じくらいですが、良く聴くと低音域ではAK100の方がよく、中音域ではラズパイ/Digiが聴きやすいという感じもします。
同軸でMojoと組み合わせたいという人にはラズパイ/Digiはよい組み合わせになるでしょう。なにしろiPhoneからリモートで操作ができます。
またDiGI+はいま付けていませんが、専用ケースもあります。もちろんラズパイなのでバッテリーでも動作します。

写真 2016-03-17 21 54 50.png
Moode Audio Player再生画面(iPhone)


一点注意ですが、Digi+は新しいラズベリーパイ3では(そのままでは)使えません。なぜかというとラズベリーパイ3ではI2SとBluetoothの競合問題が一部あるからです。これはすべてではなく、たとえばIQAudioのPI DAC+はそのままラズパイ3で使えます。特定のチャネルあるいはドライバーが競合するようです。当面はConfigファイルをいじってBTをつぶすことで回避できます(やり方はHiFiBerryのサイト参照)。
https://www.hifiberry.com/2016/03/important-news-on-compatibility-with-the-raspberry-pi-3/

今回使用したもののAmazonリンクもあげておきます。


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2016年02月29日

Raspberry Pi 3登場

最近いろいろとラズベリーパイを使ってますが、本日その新型のRaspberry Pi3が発表されました。
今日はRaspberry PI の初期モデルが発売されてからちょうど4年目で、この間に800万個以上のラズパイが売れたそうです。
https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-3-on-sale/
海外での価格はラズベリーパイ2と据え置きの$35で、国内販売元のページはこちらです。
http://jp.rs-online.com/web/p/products/8968660/

これまでとの違いはまず64bitに対応したARMv8アーキテクチャ(Cortex-A53)のBCM2837プロセッサを採用し、1.2GHzで動作する点です。これはパイ2に比べて同じ32bitモードで50-60%の性能向上となるとのこと(ARMv8は32bitモードと64bitモードがあります)。プロセッサは前モデルとの互換性があります。当面は32bitモードでのバイナリの提供となるでしょう。
また3ではWiFiとBluetooth4.1が搭載されています。このためLEDの位置が変わりましたが、WiFiのためのUSBが一つ空きそうです。BTはLE(low Energy)にも対応しています。
ハードウエアは前モデルとはHAT(拡張ボード)コンパチなのでPI-DAC+のようなGPIOを使うHAT DACは同様に乗せられるでしょう。ただし消費電力が増えたのとUSB電源供給能力強化のために電源が変更された点がネックではあります。パイ2でも必要性が言われていたプロセッサヒートシンクは必須となりそうです。
ラズパイも肥大化の道を歩みそうですが、それを望まない人にはPI ZEROがあるということでしょう。
またオーディオ的に言うと、USBとネットワークの競合問題は解決してないのでこれまでと同じのようです。
ちなみに以前のモデルは1、2ともに同じ価格で併売されます。また今回発売の3はモデルBになります。
さてこれでまたなにができるのか。
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2016年02月20日

スイッチング電源をクリーンに、iFi iPurifier DC

iPurifier DCはiFiらしいユニークな製品です。

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普及クラスのオーディオ機器にはよく外部電源としてスイッチング電源がついてきます。スイッチング電源はコンパクトで安価なのですが、オーディオ的に見てこのスイッチング電源は音質が良いというものではありません。もともとコンピューターなどに使われるものですからね。iPurifire DCは電源ケーブルとオーディオ機器の電源端子に挟むだけという簡単な手順で追加するだけで、電源の質を向上させるという優れものです。
iFIには前にiPurifier USBというUSBの送信品質を向上する製品がありましたが、その電源装置版と言ってよいでしょう。

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箱にはダッソー・ラファール戦闘機の写真が載っていますが、これはiPurifierの技術が軍事技術を応用しているということの証で、具体的にはノイズをキャンセルするためにアクティブ・ノイズ・キャンセレーションを使用しています。これはラファールに使われているレーダー技術の応用だということです。

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iPurifire DCの特徴はやはり音質改善で、これは効果がとても大きいです。アクセサリーというと眉に唾をつけたくなる人がいると思いますが、この効果はだれにもすぐにわかるくらい大きいと思います。

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またiPurifier DCのもうひとつの良いところは簡単ということで、単にケーブルのプラグと機器側のプラグの間に挿入するだけです。プラグの径が異なっても大丈夫なようにいくつかのアダプターも入っています。

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左:標準状態、右:iPurifier DC使用

実際に最近よく使っているUSB DACであるLH LabのGeek Pulseに使ってみました。Pulseを注文するときに専用電源のオプションもあったのですがまあよいかと思っていたんですが、Geek Pulseの音がとてもよかったので注文しておけばよかったと後悔してしまっていたところでした。Geek Pulseでは標準のままですぐにiPurifierが使えました。
iPurifier DCを入れて気が付くのはまず透明感がぐっと上がり、音に力強さがみなぎり豊かさが感じられます。音場も開けたように感じられ、声はより明瞭に聞こえるようになります。アカペラコーラスでの透明感は際立っています。元の状態のiPurifierなしに戻すとちょっとこもった、こじんまりとした感じがしてしまいます。実のところ音の差は切り替えて確かめなくても、いつも聴いてる機材ならすぐわかるでしょう。
おそらく試しに一個買ってみて、すぐにもう一個ほしくなる人が多いのではないかと思います。ぜひ使ってみてください。ホームページは下記リンクです。
http://ifi-audio.jp/ipurifierdc.html

Amazonでも購入することができます。


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2016年02月07日

ラズベリーパイ・デジタルプレーヤー試作とGPIO(I2S)接続

ちょっとひさびさにラズベリーパイをいじってみました。GPIO(I2S)接続のDACを使ったラズベリーパイ・デジタルプレーヤーの試作です。iPhoneで操作が可能で、バッテリーでポータブル・ラズパイでも使えます。USBメモリの音源やAirPlayを使ってApple Musicを聴くこともできます。

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* Raspberry Piと周辺機器の進化

前(2013年)にも下記記事でラズベリーパイとUSB DACを組み合わせてRaspyFi(いまは名前をVolumioと変えています)でオーディオ向けシステムを試作してみました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/374988227.html
このときはMPDを使用したディストリビューション(OS)であるRaspyFiが簡単に使えるようになったのでオーディオにも応用できないかとUSB DACを組み合わせてみました。
この記事から、現在までのラズパイ環境の変化を簡単に振り返っていきます。

- Raspberry Piについて

まずRaspberry PI自体が変わりました。私が2013年に使ってたのはBモデル。Bというのがネットも使える高スペックタイプです。
それからハード的に変わりB+となります。この時にUSBポートが増えてGPIOポートも26ピンから40ピンに変わってます。またSDカードがMicroSDに変わってます。

IMG_9360_filtered[1].jpg   IMG_9364_filtered[1].jpg
Raspberry Pi 2

そして2015年にRaspberry Pi 2が出ます。ただし2とは言っても変わったのは主にCPUやメモリーで、ハード規格の変更はありません。つまり実質的に大きく変わったのはB+の時で、2では性能がアップしただけです。このため製品を買うときに重要なのはハード互換はB+以降ということです。
今回はあとで述べるオーディオDACボードを使うため、Raspberry Pi2を買いました。
最近ではさらに小型で安価なPi ZEROが出ています。

-ソフトウエア(ディストリビューション)

前回2013年にRaspyFiを紹介した時はラズベリーパイのピュアオーディオ取り組みでも初期の頃だったのですが、その後にRaspyFiがVolumioと名を変え、Volumio以外でもRune AudioなどMPDを採用したオーディオファイル向けディストリビューションが増えてます。
今回は最近評判の良いRune Audioを使ってみました。ただし基本的にはMPDなのでそう大きくは違いません。Rune AudioはArch Linuxをベースにしています。(Runeはルーン文字のルーンです)

- オーディオDACボード

ラズベリーパイの最大の魅力は世界が広いことです。周辺機器での変化はGPIOでI2Sを使えるオーディオDACボードがたくさん出てきているということです。

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ラズパイ2とPI-DAC+

そのため以前はUSBからDACをつなげるしかありませんでしたが、最近ではたくさんのこうした拡張ボードが選べます。これらはI2S接続ができるという利点があります(後述)。
Volumioのフォーラムには下記のリストのようにたくさんのI2SオーディオDACボードがリストされています。
https://volumio.org/forum/list-i2s-dacs-for-raspberry-t1103.html

中にはXLRバランス出力ができる本格的なものもありますし、フルデジタルアンプ内蔵でスピーカーを駆動するものもあります。また国内でも作ってる人がいるようです。
ここではIQaudIOのPI-DAC+を選びました。

* IQaudIO PI-DAC+

私がIQaudioを選んだのは、このラズベリーパイでのGPIO(I2S)オーディオだけではなく他の目的があります。それはRoonです。
そもそもなんでいままたラズベリーパイをやろうと思ったかというと、最近Roonを調べるためにRoonフォーラムをよく読んでいるんですが、RoonのLinuxへの応用のところでRoon LabsがLinuxの中でもラズベリーパイに大きな関心を寄せているということがあります。これは同じイギリスということもあるでしょう。
そしてそのRoonフォーラムの中でこのIQaudIOの人がRoonSpeakersについて質問して関心を寄せているのを見つけて、もしRoonの機能のなにがしかがラズパイにポートされたときに、それに機器のドライバーを組み込んだビルドを提供してくれそうなところが必要になりますので、このIQaudIOに目を付けました。(実際どうかわかりませんが)
またラズパイをAirPlay化することでRoonの応用の研究もはかどります。

IQaudIOは評判も良く、次のような製品があります。

IMG_9370_filtered[1].jpg   IMG_9375_filtered[1].jpg
PI-DAC+

PI-DAC+ (31.5ポンド 約5300円) - ラズパイのGPIOを使って接続するDACでDACチップはTI PCM5122を採用しています。この種のオーディオDACボードはたいていはTI 5122かESSの9023を使っています。
PI-DACではRCAアナログ出力機能のほかにTI TPA6133Aを使ったヘッドフォンアンプが備わっています。このため3.5mm端子で直接(外部アンプ無しでも)音楽を聴くことができます。
http://www.iqaudio.co.uk/home/8-pi-dac-0712411999650.html

PI-AMP+ (45ポンド 約7600円) - TIのクラスDアンプチップを使ったデジタルアンプで、スピーカーを鳴らせます。これはPI-DAC+と組み合わせて使うことができます。
http://www.iqaudio.co.uk/home/25-pi-amp-0712411999698.html

PI-DigiAMP+ (55ポンド 約9300円) - これはDAC機能とアンプ機能がひとつになったものです。
http://www.iqaudio.co.uk/home/9-pi-digiamp-0712411999650.html

専用ケース - ラズパイにPI-DACを付けたまま収納できるケースです。色がいくつかあります。
http://www.iqaudio.co.uk/home/10-pi-case.html

私の場合はDACとしてほしかったのと、単体でヘッドフォンが聴けるようにしたかったのでPI-DAC+を買いました。
これらは上記のIQAudIOのサイトから直接購入できますし、日本でも輸入しているところがあるようです。
私はModMyPIというイギリスのサイトが少し安かったのでそこから買いました。またModMyPiでもRaspberry PIとPI-DAC+の組み合わせ専用ケースがありますので、それも買いました。
https://www.modmypi.com/

IMG_9378_filtered[1].jpg
PI-DACを付けたまま格納できるケース

RPI2(ちなみに日本では略してラズパイと言いますが、海外ではRPIといいます)が約五千円くらい、PI-DACが5300円ですから、送料とケースも含めて一万数千円くらいです。発送も翌日発送と迅速で、安い海外郵便を使って届くまで約一週間ほどでした。

* ラズベリーパイにおけるオーディオへの応用とUSBの功罪、GPIO(I2S)の利点

さて、なぜGPIO(40ピンの拡張スロット)を使うかということですが、これはオーディオ的にUSBよりI2Sのほうがいいじゃない、という他にラズベリーパイならではの問題があります。それはラズベリーパイが普通のコンピュータとは異なり、あくまで低価格コンピュータだということです。
そのため回路もコストダウンのため合理化・簡易化されてます。
例えばラズパイ内蔵のイヤフォン端子の音声出力はDACやオーディオCODECは高価なので使われずに簡易アナログ変換を使っています。ラズパイ自体が学研の科学の付録みたいなものですから。。(実際にPI Zeroは雑誌の付録になった)

簡易化のためUSBバスもネットワークと供用され、USBトラフィクがネットワークトラフィックと競合してしまいます。
これはVolumioの前身のRaspyFiのときにすでに問題視されていました。下記リンクのこの件について書かれた記事はRaspyFiの人が書いたものです。私も2013年のうちの記事にもちょっとコメントを入れてありますが、当時はUSB DAC以外の出力機の選択は無かったと思います。

Anatomy of a Pi – Raspberry Pi i2s and usb connections (ラズベリーパイとUSB接続)
http://www.raspyfi.com/anatomy-of-a-pi-raspberry-pi-i2s-and-usb-connections/
Anatomy of a PI – USB Audio quality and related issues on Pi (ラズベリーパイにおけるUSBオーディオ品質と関連する問題について)
http://www.raspyfi.com/anatomy-of-a-pi-usb-audio-quality-and-related-issues-on-pi/

このため初期のラズパイ系のオーディオスレッドだとUSB DACを使った時にハイレゾ音源でクリックとかポップが起こるって報告が書いてあったりします。これはパワーアップされたラズパイ2では力で改善されましたが、やはり根本的な対策は専用線である別経路のGPIOを使うことです。
もともとラズパイのオーディオ出力はHDMIが想定されていました。ラズパイのオーディオ取り組みの最初期のRaspbmcではHDMIを採用し、RASPYFI(現Volumio)でUSB DACに対応し、それ以降でGPIO対応サウンドカードが増えてきたというのが流れだと思います。

また、ラズパイみたいなシンプルなコンピュータで高性能なUSB DACを使うのも面白いですが、やはりラズベリーパイの良さは安さ・手軽さと、世界の広さですので、今回はGPIOサウンドカードの一つであるPI-DAC+を使って見ました。

* ラズパイデジタルプレーヤー

これは試しに作ってみた「ラズパイ・デジタルプレーヤー」です。作ってみたというか、PI-DAC+そのままですが、ここまでできますという例です。

使用したのは
- Raspberry PI2
- IQaudIO PI-DAC+
- PLANEX GW-USNANO2A (無線USBドングル)
それと初回は設定のために有線LANネット接続とキーボード、HDMIモニターが必要です。

手順は下記のとおりです。
まずドライバーの組み込まれたビルドが必要なので、IQaudIOのページからドライバー組み込み済みのイメージファイルをダウンロードします。VolumioやRune Audioなどいくつもありお好みで選べます。
http://www.iqaudio.com/downloads/
次にそのイメージファイルをWin 32disk imagerなどでmicroSDに書き込みます。Rune Audioは最低16GB必要です。このサイトはダウンロード速度がわりと遅めなので、注文したら到着前にここまで用意しておいたほうが良いと思います。

IMG_9380_filtered[1].jpg   IMG_9382_filtered[1].jpg
PI-DAC+の組み立て

到着したら、PI-DAC+とラズパイ2を組み合わせます。まず基盤間のスペーサーになる4本の足をスクリューして設置し、GPIOのスロットにPI-DAC+のピンを差し込みます。ハンダは不要です。

次にラズパイ2にキーボードとモニターとLAN線をつなぎます。あとでWiFi設定をするので、LAN線は無線LANに接続しているルーターなどから取ります。
電源を投入するとHDMIにつなげたモニター上でRune Audio(Arch Linux)が立ち上がってブートが始まります。ブートが終わったらコマンドプロンプトにUser:root、Password:runeで入ります。
コマンドラインからifconfigとタイプして、出てきた数字の中からinet=xxx.xxx.xxx.xxxという数値を探します(ラズパイのipアドレスです)。

iPhoneで無線LANに入って、ブラウザからhttp://xxx.xxx.xxx.xxx/とタイプします。するとRune UI(MPDクライアント)が表示されます。
ビルドによってはhttp://runeaudio.local/でもつながるかもしれません。

IMG_0044 (2).PNG
Rune UI (iPad)

ラズパイにWiFiのUSBドングル(ここではPlanex)をさしこみます。
Rune UIの右のメニューのNetworkからWiFiの設定をします。WiFi機器の再読み込みをしてWiFiドングルをリストから選びます。それをクリックし、出てくるリストで自分のWiFiネットを探してWPAかWEPのパスワードを入力します。

IMG_9455_filtered[1].jpg
直接イヤフォンを使えます

これで設定は終了です。あとはキーボードやモニターは不要です。抜いてかまいません。
またラズパイは5Vで動作するので、モバイルバッテリーでも駆動できます。

以後の操作はiPhoneで行います。もっとも簡単なのはUSBメモリに音源を入れてRune UIからLibralyで選択して再生することです。

image.png
iPhoneからAirPlayで再生

またこのままでAirPlayにも対応しているので、この場合はUIすら不要です。電源を立ち上げるだけです。iPhoneからはApple Musicが効けますし、このままでRoonからはAirPlay機器として再生が可能です。RoonでAirPlayゾーンを設定してください。シグナルパスの品質はハイクオリティです(ロスレスより落ちる)。

IMG_9459_filtered[1].jpg
USBメモリとWiFiドングルの追加

実際にPI-DAC+の3.5mm端子にEdition8やAK T1pを入れて聴いてみましたが、さすがにI2S接続しているだけあってわりと音はよいですね。
これらの高性能ヘッドフォンを使用してもあらがあまり無いくらいの割と良い音質で聴くことができます。最高かというとそこまでではありませんが、コストパフォーマンスはかなり良いと思います。
Apple MusicをAirPlayで聞いても上々です。
あとはバッテリーとのマッチングをなんとかすれば。。

IMG_9470_filtered[1].jpg
バーソンのアンプとAirPlay DAC

あとはAirPlay対応DACとして、PI-DAC+のRCA出力とアナログ入力ヘッドフォンアンプであるパーソンのSoloistとRCAケーブルでつなげても使いやすく音質が高いものとなります。この場合にはPC上のRoonからAirPlayで再生すればバーソンがワイヤレスで手軽に使えます。

スクリーンショット 2016-02-06 21.59.17.png   IMG_2171.PNG
Roonでの再生画面(左)、Rune UIでの表示(右)

勉強のために買ったのではありますが、ケースなどを付けてあげればかなり実用的にも使えそうです。

こうして自分がほしいと思うモノを手軽に実現できるのがこうしたシステムの神髄かと思います。
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2015年03月15日

音を画像で考える

私も音質のレビューを書くときによく「解像力」という言葉を使います。しかしながら、突っ込まれれば「解像力」って音ではなく像だからデジタルカメラの言葉じゃないって言われてもおかしくはありません。でもオーディオでも音像っていうし、と言い訳したりもします。
最近ハイレゾ関連の話題もあり、解像力やらレゾリューションなどが語られますが、あいまいに語られることも多いのはひとつは音が目で見えないために説明しにくいということがあると思います。人間は外部情報の9割を視覚に頼っているという話もありますが、実のところ画像化すると納得しやすいというところもあるでしょう。

私はオーディオもカメラもそれなりに深みにはまっているわけですが、デジタルの分野において画像とオーディオが基本的に置き換え可能な共通概念があるということには気がついていました。

1. 音と画像のデジタル処理の共通点

まず簡単にアナログとデジタルのおさらいをしながら、デジタル化におけるオーディオと画像の共通項を考えます。
簡単に言うとある波をデータとして記録する際に、波を波の形として記録するのがアナログ記録方式であり、波をいったん数値に変換するのがデジタル記録です。
たとえば空気を伝わる音の振動の波形をアナログレコード盤の溝でも拡大すると似たように波形のように記録しています。似た形で記録するのでアナログ記録と呼びます。Analogueの英語の意味は"類似"とか"近似"です。
デジタルでは音の振動をアナログのようにそのままではなく0と1の数値にいったん変換して記録します。数値にするとどういう良い点があるかというと、仮に1が多少汚れて1となっても読みだすときは1と見なせますので、メディアに汚れがあっても音質に変化がありません。アナログでは溝が汚れると汚れた音になります。さらに数値ならば加算することで記録に間違いがあっても発見・訂正が容易です。
よくデジタルを断続、アナログを連続と言いますが、それぞれ本当は、断続というより数値化、連続というより類似です。そう理解するとより正しく見えてくると思います。

デジタル記録では数値化が必要ですから、数値にするためにはもともと一続きのものを細切れに分割する(離散化する)必要があります。これをサンプリングといいます。分割(サンプリング)したデータを数値化します。これが量子化です。
このように、サンプリングと量子化の二点がデジタル記録の肝ですが、それぞれデジタルオーディオとデジタルカメラに例えると下記のようになります。

*サンプリング (どう分割するか)
オーディオ: サンプリングレート(例 44kHzとか96kHzなど) → 1秒間の音の変化を細かく区切る
カメラ: 画素数(例 1000万画素とか、4Kなどの言い方) → レンズが結像する像面を細かく区切る

*量子化 (分割したものを数値化)
オーディオ: ビット数(例 16bitや24bit) → 音の強度を記録
カメラ: ビット数(例 8bitや12bit) → 光の明度を記録

量子化後の数値は人の視覚・聴覚に関係するものなので、測定の基準は両方ともダイナミックレンジです(dB)。オーディオでは16bitで96dB、人の聴覚限界は約120dBといわれています。画像では8bitで50dB(不確か)、人の視覚限界は約80dB(不確か)だったと思います。(カメラにおいてはステップ数・段数の方が一般的です)

なお画像では8bitというとRGBの一色についてであり、フルカラー1670万色という場合はRGBの組み合わせです(8bit=256ですから、256^3=16777216)。センサー自体は色は分からず、モノクロの光の強さを感じるだけです。そのため発色にはカラーフィルタを組み合わせて近傍と計算処理後に色に変換してから記録する必要があります。一方でオーディオも時間方向のジッターなどがあるので、オーディオとカメラ画像はまったく同じということではありません、念のため。
しかし、理解のための考え方は置き換えできるということが本稿の趣旨です。

2. 音を画像で見る、アップサンプリング

タイトルで書いた音を画像で見るというのは、音の波形をオシロで解析するというのではなく、音の世界を画像の世界で例えて説明するということです。

下記のHQ PlayerのSignalystのページに面白い例として、アップサンプリングの説明があります。
http://www.signalyst.com/upsampling.html
このページの一番上の大きい画像が192kHz / 24bitを例えた画像です。すぐ下の小さい画像が44kHz / 16bitのCD品質です。これは192kHz / 24bitのマスターをダウンサンプルしたと考えても良いでしょう。
画像で見るとこのようにハイレゾは大きな画像として見ることができます。これによりデータ量が大きいということが視覚的に分かりやすいと思います。実際にはMQAの三角形の説明であったように、ほんとに数倍あるデータの全てが意味があるのかという問題もありますが、それはこうした基本を踏まえたうえで討議すべき問題でしょう。
ちなみにこれは画面解像度を同じにしているため画像サイズの大小として見えますが、同じサイズ(たとえば2Lサイズ)に印刷すると印刷解像度があがることで細かい画像になるということが分かります。

上の44/16と192/24は音源データの例えでしたが、この二枚以降はDA変換されたデータストリームの例えになっています。
44/16の下の二枚ではフィルタを適用しないと本来ないはずの縞模様が浮き出してくるのも分かると思います。これはオーディオでも言うところのアーチファクト(計算副作用)です。初めの一枚にフィルタを加えることで干渉縞を滑らかにすることができます。
次に大きな画像は44/16を4倍オーバーサンプリングした画像で、データサイズは192kHz / 24bitの音源データと同じことが分かると思います。ただし元の192kHz / 24bitのマスターに比べると計算的に拡大したため細部は粗くなっています。次の二枚ではフィルタリングをしたり、高品質アップサンプリングをすることで細部の粗さが改善されていくことが見て分かります。ただし元の192kHz / 24bitデータには画質は及ばないわけで、この辺りが良く「ハイレゾ相当」と呼ばれる品質ですね。

注意してほしいのは「192kHz相当」であってもデータのサイズはあくまで192kHzと同じであるということです。つまり中身の品質がどうあろうと、ナイキスト周波数は同じです。これはローパスフィルタなど回路設計に関係してくると思います。

3. 目で見るナイキスト周波数

もうひとつ画像で考えた場合に分かりやすいものの例はこの「ナイキスト周波数」だと思います。

ナイキストの定理というのは簡単に言うとデジタル記録における実際の解像力は最大解像力の半分であるということです。さきに書いたようにオーディオでの解像力は定義としてはサンプリングレートに相当します。
たとえばCDはサンプリングレートが44kHzですから、実際に有意に記録できるのは22kHzまでで、これをナイキスト周波数と言います。人の耳に聞こえるのは20kHzと言われていますから、人が聞こえる音をすべて記録するためには20kHz必要であり(実際の解像力)、そこから40kHzがサンプリングレートとして必要と言うことが導かれます(最大解像力)。実際には40kHzではなく44kHzになっているのは当時のなんだったかデジタル記録方式との互換性だったと思います。
22kHzから44kHzまでの領域は通常はノイズとしてSNを下げる原因となるのでローパスフィルタで除去されます。なぜノイズとなるのかはエイリアシングという問題があるからです。

ナイキスト周波数とはいいかえるとエイリアシングが発生しない一番高い周波数のことです。もう少し端的に言うと、意味のある信号が得られるもっとも高い周波数です。(ですからMQAの説明でもナイキスト周波数で切られています)
そのためナイキスト周波数の理解の肝はエイリアシングを理解するということだと思います。このエイリアシングは自転車のスポークの回転に例えられることもありますが、オーディオ的にはなかなかどういうものか直観的に理解がむずかしいところです。そこをカメラ画像に置き換えて説明してみます。

ナイキストの定理というのは、たとえばセンサーのピクセルとピクセルの間に髪の毛があるときに、その髪の毛の太さとセンサーのピクセルの大きさとの関係です。
下記の図において、四角はセンサーで、赤い丸は髪の毛です。

ナイキスト.png

この髪の毛がセンサーのピクセルと同じ大きさの時(1と2)、センサーにうまく重なれば記録されます(1)。しかしピクセルとピクセルのあいだに挟まると(2)どちらのピクセルに映るのか映らないかが決定できません。この状態がエイリアシング(aliasing)です。これは言い換えると連続のものをぶつ切りにして記録することで生じる中途半端な状態のことです。Alias自体は別名と訳されますが、偽の(証明されていない)という語彙を含んでいるので、Aliasingは確定していない状態という感じの意味だと思います。
決定できない状態はこの髪の毛を少しずつ左右にずらしても同じです。この髪の毛がセンサーに必ず記録されるための条件は、髪の毛の大きさがセンサーの2倍であることです(3と4)。このとき、どの方向に動かしても髪の毛はかならずどこかのセンサーをカバーします。
つまり言い換えると、ある太さの髪の毛を確実に記録するために必要なセンサーのサイズは、髪の毛の太さの1/2です。つまりセンサーの数は倍必要になり、解像力は2倍必要ということが分かると思います。

オーディオであれば、44KHzのサンプリングレートで44kHzのデータは「確実に」サンプリングできません。不確か、つまりエイリアシングの状態(上図の1と2)でサンプリングされることになります。
つまり1/22000秒というサンプリングの間隔を確実に記録するためにはその半分の細かさの1/44000秒の間隔が必要であるということです。つまり22kHzの周波数の音を記録するためには44kHzの解像力が必要です。

ちなみに画像における「高い周波数」とはビルと家の隙間のようなごちゃごちゃしたところです。低い周波数は青空などです。高い周波数のところではノイズである偽色(アーチファクト)が出やすいので、ローパスフィルタ(カメラの場合は結晶板)を適用します。オーディオにおいては高い周波数とはご存じのように高い音です。

もちろんカメラはADであり、オーディオはDAであるなど違いはありますが、ナイキストの定理というものが連続的なものをぶつ切りにする(デジタル化)ことで生じる原理的なものだということは分かってもらえると思います。

4. シャープネスの単位を考える

最後に「シャープネス」について考えてみます。
はじめに書いたように音質レビューでは音がシャープだとよく書きますが、画像のほうのカメラの世界でもやはりレンズの「シャープさ」と良く言います。
しかし「シャープさ」の単位はなに?と問えば、それが測定できない感覚的な概念だとわかるでしょう。レンズの世界では一般的に使われる解像力はMTFと呼ばれる空間コントラスト密度を使用します。しかし低い周波数のときの10本線MTFと高い周波数のときの30本線MTFに違いがある場合、それぞれで人によって10本線MTFが高いレンズ(いわゆるドイツ型)がシャープであるとか、30本線MTFが高いレンズ(国産型)がシャープであるというのは昔から議論があります。MTF自体は測定できても、それをシャープ、尖鋭的と感じるのは人の感覚によるものだからです。
ここは意図的に解像力とコントラストをごっちゃにして語っているのですが、実のところシャープさというのはあいまいで感覚的なものです。

一方でMTFはフィルム時代から使われているものですが、時代がデジタルになってくるとDXOベンチマークのLens Blurなど、別な視点でのシャープさの定義というのも模索されています。そうした意味ではデジタル信号のシャープさという考え方も必要なのかもしれません。たとえばMQAのところでMeridianのボブ・スチュワートはtemporal Blur(時間方向のプレ・ボケ)という言葉を使っています。オーディオでもなにかそうした新しい基準が必要になってきているようにも思います。


実のところ、実用的なデジタル化が始まったのはカメラは90年代後半くらいですが、オーディオでは80年代のCDからはじまっているので、デジタル化という意味ではオーディオの方が古いのですが、カメラにおいては当初からユーザーがデジタル処理を意識していたのに対して、オーディオではユーザーがデジタル処理を意識するのはPCオーディオが言われてきたここ数年ですから、そうした点ではカメラの方が先駆的な点もあるでしょう。
オーディオもカメラも古くからの伝統のあるものですが、デジタル化によってそれぞれの世界をヒントにしたり智恵を相互に融通ができるようになったと考えれば相乗効果があるといえるのではないかと思います。
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2015年03月12日

GoogleのNestがホームオーディオへ?

Nestはスマートホーム関連の会社で、ネットワーク化された人工知能ベースの室温調整や火災報知器など、いわゆるIoTのハブ的存在にもなりつつあります。
Googleに巨額で買収されたことでも話題となりましたが、もっとも注目すべきなのはCEOが元アップルで初代のiPodの父と呼ばれ、初代iPhoneまでの重鎮だったトニーファデルということです。
http://www.gizmodo.jp/sp/2014/07/nest_2.html

このNestが今度はオーディオ人材を募集しているということでニュースになっています。
http://www.audiostream.com/content/googles-nest-audio
今年のCESではIoTが注目されましたが、それもNestの影響が少なからずあったのかもしれません。
まだ製品にもなっていませんが、IoTと次世代のホームオーディオのあり方を示すものとして注目していきたいところです。
posted by ささき at 09:29 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月11日

米国ハイレゾ論争事情

アメリカでも昨年CEAが日本のハイレゾロゴ取り入れたり、ハイレゾ規格を制定したりと、日本のようなハイレゾムーブメントみたいなものはあります。
日本とちょっと違うのはPONOの存在が意外と大きいことです。そのバックにいるニールヤングですね。
日本だとソニーを中心としたメーカーがハイレゾを宣伝してる感じですが、アメリカだとニールヤングが声高に矢面に立ってる感は強いと思います。

昨年PONOが出るあたりからPONOとハイレゾに対してのバッシングの傾向があったんですが、今年になってから加速してきて今ではITメディア対オーディオメディアという感じの対立の構図が出来てきたように思います。

まず米国ギズモの"Don't Buy What Neil Young is Selling"ニールヤングが売ってるものは買うな、っていう記事が書かれました。
http://gizmodo.com/dont-buy-what-neil-young-is-selling-1678446860
論旨はハイレゾってすごく違うというけど、ダブルブラインドテストで科学的に実証できないよね、あと"$400"もの高価な機材が意味があるの?という感じ。
記事の日本語版もあります。下記リンクです。
http://www.gizmodo.jp/sp/2015/01/pono_1.html

米ヤフーでもPONOレビューで批判記事が出ています。iPhoneとPONOでABスイッチでブラインドテストしたけど、大体の場合はiPhoneの方が良いと感じた、これは裸の王様の現代版だとしてます。
https://www.yahoo.com/tech/it-was-one-of-kickstarters-most-successful-109496883039.html
ただこの後でフォロー記事も書いてるんですが、この人の言い分としては(オーディオファイルが差を語るのはともかく)PONOは一般向けだし誰が聴いても差があるって言ってるでしょ?だと思います。
https://www.yahoo.com/tech/the-ponoplayer-review-criticism-and-follow-up-110040409129.html


それに対してニールヤングは「PONOは始まりにすぎない」としながら、こうした批判には「“Science says it doesn’t matter, but who cares about science?” 科学はそれが意味ないっていうけど、誰が科学なんか気にするんだ?」って言ったりしてます。
http://www.digitaltrends.com/music/neil-young-pono-ces-rolling-stone-ponoplayer-hi-res/?utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_content=dmfNOR&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter#!dmfNOR

そしてオーディオメディアもギズやヤフーなど一般ITメディアのこれらの記事に反撃してます。

AudioStreamでは、こういう話はこれまでやってきたよね、いま2015年だよってはじめ、いろいろと反駁してます。
http://www.audiostream.com/content/gizmodos-garbage-dump-pono

Real-HDではヤフー記事を書いた人はオーディオファイルだけどアナログテープ派でハイレゾデジタルオーディオにそもそも批判的ではということも書かれてます。ちょっと宗教戦争っぽくもなってきてますね。
http://www.realhd-audio.com/?p=4118

フォーラムでもComupter Audiophileではこれらを受けて「ここではダブルブラインドテスト話題を禁止すべきか?」という話題が投稿されたりもしてます。「主観主義」対「客観主義」と言ってる人もいますね。
http://www.computeraudiophile.com/f8-general-forum/should-blind-testing-discussion-be-banned-computer-audiophile-poll-23277/
ちなみにHeadFiでは下記のケーブルフォーラムはダブルブラインドテストの話題は禁止です(不毛に荒れるから)。
http://www.head-fi.org/f/21/cables-power-tweaks-speakers-accessories-dbt-free-forum
DBT-FreeはDBTはDouble Blind Testでfreeは日本語的には自由にして良いって勘違いされますが禁止の意味です。Smoke free areaは禁煙場所という意味なのでご注意。

そして今度はAudioStreamでPS AudioとBlue Coast Recordsが米ギズモや米ヤフーに挑戦状を突きつけたと記事になってます。
http://www.audiostream.com/content/ps-audio-and-blue-coast-records-high-res-challenge

PS Audioは米ギズモ記事への反論を書いてます。
http://www.psaudio.com/pauls-posts/warning/
ハイレゾの差がわからないっていうのは馬鹿げている(absurd)ので、飯おごるからうちのオーディオルームでブラインドABテストしようよ、という感じ。

Blue Coast Records(DSDで有名なクッキーさん)はここで米ヤフー記事への反論を書いています。
http://positive-feedback.com/Issue77/pogue.htm
ブラインドテストは私は30年近くやってるけどフェアなテストは難しい、私のスタジオでフェアなテストの手伝いをするよ、あなたの宗旨替えを強いるつもりはないからさ、っていう感じ。

さてこの論争の行方やいかに。
posted by ささき at 23:13 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月01日

デジタルオーディオのいま、ハイレゾとは

34年前の今日、1980年10月1日にはじめてのCDプレーヤーであるSONY CDP101が誕生して、世界初のCDソフトであるビリージョエルの「ニューヨーク52番街」が発売されたそうです。デジタルデータによる初の音源ですね。実質的にそれからずっと今日まで、少なくとも日本ではCDが音楽メディアの主力となっています。

CDという規格は1979年にSONYとPhilipsで制定されたわけですが、CDDAというCDの記録形式は論理的なデジタルフォーマットであるにもかかわらずコンピューターとは互換性がなく、現在ではリッピングという作業によってこの古いCDDAフォーマットのデータをコンピューターにインポートする必要があります。これはある意味仕方がありません。1979年の当時に650MBものデータを扱えるコンピューターなど家庭にはなかったのですから。
コンピューターでCDをメディアとして使うには1985年のハイシェラフォーマット(のちのISO9660)を待たねばなりません。ここでやっとCDがコンピューターから直接認識つまりマウントができる時代になります。
1990年代も後半となると、CDの次世代規格としてSACDが登場しますが、物理メディアとしてのSACDは失速してCDに取って代わることはできず、中身のDSDが後に生き残ります。
2000年代になるとPCオーディオが台頭してきて、それまでの44kHz/16bitという物理メディアに縛られたCD規格に依存する必要は薄れてきます。そしてLINNがStudio Masterという名前で24bitデータを配信を始めて話題となります。ハイレゾ、High Resolutionの音源です。ただしそれは一部の人のものでした。
2013年にSONYが「ハイレゾ」をたからかにうたいあげると、ハイレゾは晴れて市民権をもつに至ります。そして2014年には日本や米国でハイレゾという規格はそもそもどういうものだ、ということでハイレゾの規格化が始まります。

このようにハイレゾというキーワードが浸透してきたことで、最近ハイレゾ対応をうたったオーディオ機材が出てきていますが、違和感を覚えることもあります。たとえば最近のハイレゾ再生機の定義として使われるJASの「高域再生性能 40kHz以上」ですけど、このままだと前にも書いたように40kHzでどれだけ減衰しているのかという基準がないとそもそも規格にならない、とも思いました。最近では自主的に「-10dB@40kHz」とか掲げるメーカーもありますのでこれはよしとして、もうひとつの問題点はそもそもJEITAが音源の定義で44/24もハイレゾ音源と決めているのに、JEITAを基本踏襲すると言っているJASのハイレゾ再生機器の定義が40kHz以上とだけ決めてるのは矛盾してるんではないかということです。

オーディオにおける24bitデータのポイントは、単にダイナミックレンジが広がるということよりも、16bitから24bitに増えたさいの差分の8bitは最下位バイトであるということだと思います。ここはもっとも小さな音の情報がはいっているところです。
16bitしか扱えないソフトやOSの場合には、よく24bitのデータは単に左詰めされて最下位の8bitはなくなります。ディザ処理とか高度な処理がなされる場合もありますが、たいていはそのまま再生されます。これで音が割れたりするわけではなく、単に極小音の情報がなくなるわけです。それは24色の色鉛筆を16色に変えた時に減るのが微妙な変化を担当する中間色だということに似ていると思います。音を豊かにする情報が足りなくなるわけです。音の奥行とかスムーズなつながりが減退するという感じでしょうか。
つまりはこの場合にはいかに小さな音が再現できるかということにハイレゾ再生機の定義がなされるべきかもしれません。これは以前に書いた「遮音性とダイナミックレンジ」の記事にも通じているでしょう。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/403635836.html
弱小音再現の指標としてはSN比などがあるかもしれませんが、それを提案したりするつもりはありません。ただ考え方として、40kHzという一面だけを取り出してとりあえずそれを定義としてしまうのはどうか、ということです。実際はそうした微細な豊かさはもっとトータルに音再現として現れると思います。

高い周波数と倍音に着目するのは良いと思いますが、それがゆき過ぎて耳は20kHzまでしか聞こえないけど顔とか体の表面で40kHzも感じるからハイレゾは意味があるんだ、とかいう話になるとどうなんでしょうか。証明されてないことを前提に仮説をたてるのは「ミステリーサークルはUFOが作ったと仮定すると一番合理的に説明できる」と言ってるのと同じで、便利だけど危険です。
また測定上は40kHzを保証しない機材であっても、測定上40kHzを保証する機材よりも実際に聞いてみてハイレゾ音源の音の豊かさが分かるということはオーディオの世界ではざらにあると思います。メーカーはハイレゾプレーヤーにはハイレゾ対応ヘッドフォンを買って下さい、と言いたいと思いますが、実のところ普及機の「ハイレゾ対応」ヘッドフォンよりも、ハイレゾ対応表明していなくてもフラッグシップクラスのヘッドフォンの方がハイレゾ音源の良さはよく分かるでしょう。

私は個人的にもハイレゾ音源の方が好ましいし、オーディオ業界の活性化を考えるとハイレゾムーブメントはあっていいと思います。またハイレゾに目が向くことで配信がみなおされ、いまCDに束縛されて硬直化してる日本の音楽業界を変えることもできるかもしれません。
しかし、あまりにハイレゾという言葉を便利に使うのは諸刃の剣となりうることを考えておくべきではないかと思います。
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2014年06月16日

パイオニアからDAC内蔵のバランスヘッドフォンアンプ、U-05登場

音響機器大手のパイオニアから本格的なDAC内蔵のバランスヘッドフォンアンプが登場します。
これはU-05という機種で、好評を博したN50の実績をもとにDACをメインとした製品です。またオーディオ製品としての作りを意識した点もポイントです。

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* DAC部分の特徴

U-05はDAC部分で機能が豊富な点が特徴です。
まずU-05はESSのDACチップを採用しています。これはパイオニアがESSの知見が深いので、それを生かしたということです。具体的にはESSのES9016をデュアルで使用しています。また最近の2M版とは異なり、8chのオリジナル版を使用していて、8chをパラで使用してSNを高めています。このデュアルDAC、8chパラ出力によって精緻で整った音を再現します。
これは最近出てきている2チャンネルにスケールダウンしたモバイル版の低消費電力2Mタイプとは異なる据え置きならではの音質メリットを享受できる点となるでしょう。

最近では必要機能になりつつあるDSD対応も5.6MHzまでネイティブで対応します。またPCMも384kHzまで対応と、現在の音源のフルスペックまで再生することができます。
Macでは特徴的なDSDの伝送方法を採用していますが、これはまたあとで説明します。

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デジタル入力の種類も豊富で、USB、光、同軸SPDIFに加えて、AES/EBUも入力可能です。プロ規格の AES/EBUも入力可能なことで、低価格製品ながら高い音質を、ハイエンドオーディオ機器システムのなかに組み込むことも可能でしょう。
出力でもバランス出力が用意され、バランスのホット番号切り替えも可能な本格派です。

また基本的なスペックの高さに加えて、U-05ではデジタルオーディオを知り尽くした老舗の技術力として多彩な機能を持っています。
まず特徴的なのは私も初めて見たんですが、ロックレンジ・アジャスト(Lock Range Adjust)という機能です。これはデジタル信号をロックする許容幅を調整して音質改善をするというものです。説明すると、デジタルオーディオがデジタル信号を入力する際にその周波数に合わせて同期整合(ロック)をしますが、その際に普通のオーディオ機器では多少の整合の許容度(機械的に言うとあそび)を持っています。そうでないとさまざまなデジタルソースに対応できずに、同じサンプルレートでもある機器ではロックせず、ある機器とはロックするということになりかねません。しかしながらこの「遊び」はいわばオーディオ的には「甘い」要素になります。そこでU-05ではその許容幅をユーザーがマニュアルで調整できる機能を持っています。とはいっても難しいものではありません。
パイオニアさんの試聴室でデモを聴かせてもらったときに試しましたが、リモコンの矢印を左右に振って行くだけです。そうするとあるところで音が途切れるのでその手前にあわせると最適なスイートスポットになるわけです。実際に音を振って行くと音がだんだん引き締まっていきシャープになるのが分かります。これはなかなか新鮮な体験で遊び感覚・チューニング感覚があって面白いと思います。

また地味なところですがデジタルフィルターに自社製のパラメーター設定を持ったモードを追加しています。これは一般的な"SLOW","SHARP"に加えて"SHORT"というフィルターの追加です。これはショートロールオフという意味ですが、プリエコーなどの自然音にはない不自然な付帯音の原因となるもの(いわゆるデジタルっぽい原因の一つ)が少なく、よく言われるMPフィルターのようなもののようです。聴き比べるとより自然に聞こえます。

またオーディオスケーラー(DSP)という機能ではビット拡張とアップサンプリングがDAC側で可能です。これはビット幅を32bitに拡張し、サンプリングレートを最大384kHzまで変換します(サンプリングレートについては調整が可能です)。簡単にいうとCDリッピングの音源をハイレゾ化できるというような機能です。
これを利かせないスルーのモードをDirectと呼びます。

* ヘッドフォンアンプ部分の特徴

またU-05の大きな特徴はヘッドフォンアンプが本格的なバランス駆動に対応しているということです。しかも4ピンタイプも3ピンx2のタイプも両方採用していますので、たいていのバランス対応ヘッドフォンは使用することができるでしょう。内部的にもDAC出力からヘッドフォン出力までフルバランスで設計されているということです。

またU-05でユニークなのは大出力のバランスヘッドフォンだけではなく、高感度のイヤフォンにも対応できるような設計がなされているということです。これは単にゲイン切り替えがあるだけではなく、ファインチューニングボリュームというサブボリュームがあるためです。これは微調整のためのボリュームで、高感度イヤフォンなどボリュームの調整がラフなものになりがちなときに、こまかな調整ができるので最適な音量で聴くことができます。

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基本的なところではヘッドフォンアンプ回路もディスクリートで組んでいて高級なオーディオグレードパーツの使用がなされています。

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* 作りの良さ

U-05は外観としてもフルアルミのボディに大きなアナログトランスを配して電源強化するなど正攻法のオーディオ設計がなされています。そのため見た眼よりも結構重く感じられます。機能も充実していますが、基本的な部分でも質実剛健なところはこの作りを見ればわかるでしょう。

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* PC周りの設定について

U-05は入出力の豊富さも特徴ですが、今回はUSB DACとしてPCオーディオでの適性を見ました。
使用したのはWindows8.1(ミニタワー)とMacOS10.9(Mac mini)です。

Windows7/8ではPCM再生でもDSD再生でもドライバーが必要です。ドライバーはASIOを使用しているようです。ドライバーのインストールはexeをクリックするという簡単なものです。

MacにおいてはPCM再生でのドライバーのインストールは不要ですが、DSD再生はドライバーのインストールが必要です。
これはちょっと変わったところですが、なぜかというとU-05においてはDAC側ではDoPのようにPCMにエンコードされたDSDデータではなく、ASIO(ライク)なDSDそのままのデータストリームで受けるからです。これはKORGの方式に近いのですが、このままだとKORGのように専用のアプリケーションでないとデータの送信ができなくなります。それではAudirvanaを使ったりPure Musicを使ったりというソフトウエアを変える面白さがなくなります。そこでパイオニアでU-05においてドライバーの中でDoPをネイティブDSDストリームに変換するという仕組みを考案しました。
この方式だとAudirvana Plusなど音楽再生アプリケーションでは出力方式としてDoPを選択して送信をします。するとドライバーでDoPをネイティブDSDストリームに変換してUSBケーブルでDACに送るということになります。この方式だとPC側のパワーでDoP/DSDのデコード処理を行うのでDACに負担をかけないという利点があります。

Macのドライバーはdmgで入っていますので、それをダブルクリックするとデスクトップにインストーラーが出てきます。そのインストーラーをダブルクリックすればインストールは簡単に出来ます。特別な知識は不要です。
ただしカーネルエクステンションの開発元が不明というウォーニングが出てきますが、これは単に閉じればよいと思います(WindowsのWHQL開発元認証みたいなものでしょう)。ちなみにMacにおいてカーネルエクステンションとはカーネルを拡張するローダブルモジュールという意味でドライバーのことです。

インストール後にプレイリストでPCMとDSDを交互に再生しましたが、切り替えによる大きなポップノイズは生じません。
Audirvana Plusで384kHzまでアップサンプリングしましたが問題なく再生できます。44/16よりも濃密な
U-05ではDAC側でもアップサンプリングができますので、効果を比べてみるのも面白いでしょう。

* U-05の音質

まず試聴機がとどいて箱から出した印象は重いっていうことです。10万以下商品の重さではないですね。次に袋から出して思ったのは作りがしっかりしていて高級感がある。なお下記は試聴のための試作機の印象ですから製品版では異なることがあるのを含みおきください。

音はゼンハイザーHD800のシングルエンド(標準ケーブル)とベイヤーT1改造のバランスヘッドフォンで試してみました。
まず全体に端正で整った音再現が印象的です。帯域的には少しベースに重みを持ったバランスの良い音再現で、リアルな楽器音の再現が感じられます。色付けはあまりなく、かつ無機的なところにも陥っていない聴きやすい音です。細かいところでは音はESSの音らしく細かさと際立ったSN感が音の豊かさを作るタイプだと思います。その繊細さはアコースティック楽器を使用した音楽でもよくわかりますが、女性ヴォーカルのSHANTIではその細かさが声の表情や艶っぽさに繋がっていると感じられます。
そしてヘッドフォンアンプとしてU-05の音の特徴的なのはとても歯切れよくスピード感、パワー感のあるところです。特に上品でリファレンス色の濃いHD800やT1をぐいぐいとハイスピードで力強くドライブしてゆく気持ちよさはこのU-05ならではの強みになっていると思います。

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バランスT1をまずシングルエンドアダプタで聞きます。この組み合わせではパワフルで音の切れ・テンポの良さが気持ちよく、ジャズトリオではスピード感のある展開もさることながらウッドベースの弦の響きの細やかさも音楽に厚みを持たせてくれます。T1をシングルエンドからバランスに変えるとあきらかに音質レベルが一クラスあがります。より空間的な広がりが増すとともに音がより整理されてステージの見通しが良くなり楽器の位置関係も明瞭になります(ケーブルは同じです)。音の鮮明度もさらに向上してT1の能力を100%を超えて引き出しているかのようです。シングルエンドでも魅力的ですが、やはりバランスで活きるアンプだと思いますね。

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HD800で聞くと、とてもシャープでタイト、洗練された音であると同時に躍動感があるのが良い点です。ベースにがっちりと重みが乗ってスピード感、リズムのテンポ運びもかっこよいですね。ロックファンにも人気のある上原ひろみジャズトリオのAliveハイレゾはカッコよくスピード感あふれて再生されます。
ハイレゾでない音源の場合にはDirectを切ってオーディオスケーラーDSP(bit拡張とアップサンプリング)を利かせると手軽により密度感のある濃い音を楽しませてくれます。

精細感が厚みを作り、切れ味の鮮明さとスピードのある点が特徴のU-05ですが、同時に音の荒さが少なく、音のエッジは切り立ってシャープだけれどもきつさや痛みの不快感がないという点で、さすが老舗と思える設計の熟練が感じられました。
また、U-05の音の良さの秘密のひとつは電源の強力さに隠されていると思います。実際に内部ではかなり大きなトランスがどんと鎮座しています。高性能オーディオ機器の正道ですね。

U-05で自宅試聴していて興味深い発見をしました。うちでは電源フィルタリングをかませてプリ用とパワー用の口がありますが、その違いが明確に出るという点です。プリ用の電源ポートはフィルタリングが強いので、より音はなめらかで粗さは少ないが鮮度感が低め、パワー用は鮮度感が高めで勢い重視と別れています。驚くことにU-05ではその違いがかなりよくわかります。ヘッドフォンアンプは普通プリアンプとして設計されるものなんですが、このアンプはプリの素質もパワーの要素もあると感じられます。むしろベースの力強さやスピードなど鮮度感を活かした方がこのアンプの性格をいかしてるようですね。

HD800との相性ではいままでのヘッドフォンアンプの中でもトップクラスではないかと思います。HD800というと音を分析的に聴くのに適していて、私もこういうテストではHD800をリファレンスとして使うことが多いのですが、U-05はHD800を音楽的にも楽しくノリ良く聞かせてくれるヘッドフォンアンプだと思います。

U-05は特徴も多いんですが、その最後のポイントの最後は価格だと思います。音のレベルはもっと高価なクラスで期待されていた音のレベルですね。いままでなら15万から20万超えていてもおかしくないレベルですが、実売はおそらく10万を切るくらいのところだと思います。これはかなりコストパフォーマンスは高いと思いますね。

* 試聴会の開催

本稿ではヘッドフォンアンプとして主に使用した感想を書いてきましたが、DACとしての性能が高いところも本機の特徴です。この点においてはスピーカーを使ってお聞かせする発表会・試聴会を開催することが決定しました。
来週の6/22に中野サンプラザで試聴会・発表会を開催します。私が講演で解説を務めますので、よろしくお願いします。

6月22日(日)中野サンプラザ 15F リーフルーム

11:30 開場
11:30〜12:00 自由試聴
12:00〜12:30 講演 1回目
12:30〜13:30 自由試聴
13:30〜14:00 講演 2回目
14:00〜15:00 自由試聴
15:00 終了

試聴会ではヘッドフォン機材とスピーカー機材を両方用意して、講演ではスピーカー機材で主要機能のデモをする予定です。
参加は一般でも自由ですのでふるってご来場をお願いします。
posted by ささき at 13:01 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月02日

シーラスロジックがWolfsonを買収


おなじみ英国のDACチップICのメーカーであるWolfsonがおなじみDACチップメーカーである米国のCirrus Logicに買収されることになったとBBCニュースが伝えています。買収額は$467ミリオンです。
http://m.bbc.com/news/uk-scotland-scotland-business-27202322
Wolfsonは英アーカムはじめ多くのオーディオブランドに採用され、iPodも初めはWolfsonでしたね。

今年二月の同ニュースによるとWolfsonは2012年に比べても巨額の損失を2013年に計上し「ライバルとの競争に負けた」と評されていました。加えて昨年は10%人員削減をしたようです。
http://m.bbc.com/news/uk-scotland-scotland-business-26044177
他のソースによると今年の第一四半期の業績も予測より低かったようです。

Wolfsonはスマートフォン関係の低消費電力チップやサムスンなどへの供給で強みを見せてたんですが、反面で過去からBlackBerryに依存していた点が大きかったようです。
代わりにシーラスがその資産を使うことになりそうです。またこうしたDACメーカーの主戦場が実のところ携帯機器・スマートフォンであることも改めてちょっと考えさせられます。
posted by ささき at 07:34 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月19日

ESSがヘッドフォンアンプIC、SABRE9601を発表

ESS9018などで高性能DACチップICでおなじみESS Technologyが今度はヘッドフォンアンプチップを作成したようです。下記Mono and Stereo誌に記載されています。
http://www.monoandstereo.com/2014/02/sabre9601-headphone-amplifier.html

これはセイバーシリーズの名を冠するSABRE9601というチップで、定電圧DACのSABRE-2Mシリーズと合わせて使うことを目的に製作されたということです。つまりはHerusのようなポータブルDACをより高性能に作れるということです。
ヘッドフォンアンプチップというからにはTIのTPA6102のようなバッファチップですね。TIでいうとTPA6102A2のような低電圧版に相当するモバイル向でしょう。SABRE9601は+3.3V片電源で動作します。用途はスマートフォンやタブレット、あるいはDAPを考えているようです。あるいはHerus2なんてのもあったりして。。

2014の3月にサンプル出荷を開始するということなので、Resonessenceあたりにまずは注目ですね。あるいはCalyxか。。
posted by ささき at 22:49 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月20日

全米レコード協会がストリーミング配信にもゴールドディスク認定を拡張

オーディオ的にはRIAAカーブで知られる全米レコード協会(RIAA)は1958年から55年もゴールドディスク認定を行ってますが、最近この歴史的な認定をストリーミング配信にも広げたそうです。
カウント方法は100ストリームあたり1ダウンロード(一枚購入)換算です。この計画はRIAA内でもずいぶん練られていたようで、換算方法はコンシューマーの相対的な使い方(activity)によるもので、価格価値(financial value)的なものではないとのこと。

http://www.riaa.com/newsitem.php?content_selector=newsandviews&news_month_filter=5&id=03662575-C88F-51CF-779C-8396A2B8D74D

最近AppleやGoogleなどもストリーミング配信に乗り出すことで、活性化するストリーミング配信ですがインフラも整いつつあるようです。アメリカでは、ですが。
posted by ささき at 20:26 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月29日

iFi Audioの新製品、USB DDCのiLinkレビュー

iFi AudioのDACやヘッドフォンアンプのレビューを前の記事で書きましたが、新製品でiLinkというUSB DDC(Digital to Digital Converter)が出ました。USB DDCはhiFaceのようにUSBデジタル入力をSPDIFデジタル出力に変換する機器です。

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こちらがiFi iLinkの製品ページです。
http://www.ifi-audio.com/en/iLink.html

iLinkの筐体やパッケージは他の製品と同じタイプです。はじめから必要なケーブル類が付属しているのも同じです。iLinkはバスパワーで動作するので、付属品はUSBケーブル、光ケーブル、同軸ケーブルです。今回のポイントは付属の同軸ケーブルで、ショートタイプのBNC同軸ケーブルにRCAアダプタが両端で装着されています。(これは後で出てきます)

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筐体の片側はBタイプのUSB端子があり、USB接続はUSB Audio class 2.0対応です。Mac 10.6.4以降はドライバー不要ですがWindowsではドライバーインストール(ホームページから)が必要です。サンプリングレートは192kHz 24bitまでの対応となります。
反対側は出力端子がまとめられていて、光出力とSPDIF(NormalとHigh)出力、JETのオンオフスイッチがあります。
iFi Audioらしいユニーク機能としてiLinkの特徴的な技術はJETとSuper Digital Outputですが、私がAMR技術者に直接問い合わせて確認した内容を以降で解説して行きます。

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音はMac (10.8)で聴いてみました。ドライバーのインストールは不要です。USBケーブルは添付のものを使ってみました。SPDIFの同軸デジタルはhiFaceと比較するためにWireWorldを使用しています。添付のUSBケーブルでもhiFaceに比べるとスケール感も向上し、細部は滑らかで上質な音と感じられます。
全体にiFi製品はノイズ対策にとても気を配って音を荒さ・きつさのないものにしてるように思います。これはJETをONにするとさらに明らかで、いままで感じられた硬質感が取れて滑らかで音楽的ないかにもiFi/AMRがめざすアナログっぽい音になります。USB DDCでこういう効果があるのはあまり聴いたことがありませんね。今ではハイレゾUSB DACが当たり前になり必要性という意味ではUSB DDCの必要性は後退してるけれども、iLinkは音を上質にするという面白い可能性を提示しているように思います。

技術的にいうとJETは20kHz以下のベースバンドのジッターを効率よく高い周波数にシフトさせるというもので、こうすることで受け手のレシーバーICの性能が悪くても効果的にジッターを低減できるようになるということです。ただしこうすることでDACによっては176kHzや192kHzのような高い周波数でのロックがうまく働かなくなることがあるようです。そこで通常はONでよいけれどもこうした場合にはOFFでも試してみるとよいそうです。低価格帯でのDACの実情というものをよく考慮したシステムと言えるでしょうね。

さて、JETとならんでiLinkのもう一つの特徴はSuper Digital Outputです。Super Digital OutputはiLink独自のHigh/Normalに別れたSPDIF出力のことです。こうした出力端子はあまり見たことがないでしょう。
これは以前の記事で少し触れたのですが、その時はHighは対応機器が限られると書きました。一方でiLink製品版のマニュアルでは基本的にHighにしておいた方が良いと説明があるのでちょっと矛盾するようですが、以下もう少し細かく補足します。

iLinkのSPDIF出力のHighとNormalは電圧のことで、Normalが通常でHighがそれよりも高い電圧で出力しているということを示しています。しかしSPDIFにHigh規格ってあったのか、という人もいると思います。このSPDIFのHigh/Normalというのは規格ではなくDACの実装で使い分けるものです。

市販のさまざまなDACに使われているSPDIF入力レシーバーにはさまざまなDAC個別の違いがあります。たとえばシーラスロジックのCS841x系のチップを使ったレシーバーは本来SPDIFより高い電圧(5V)を使用するバランス(プロ仕様)のAES/EBU向けのチップですが、より低電圧(0.5V)が一般的なSPDIFにも使用できます。こうしたチップを使った実装ではSPDIFであってもやはり高い電圧の方が最適でジッターも低いということです。AKMでも似たようなものがあるようです。
反面でそれ以外の多くのSPDIF対応DACはやはりSPDIFの低い電圧に最適化していて、高い電圧を送れば音が良くなるというものではありません。やはり適材適所で最適な電圧を送るのがジッター低減にも寄与するというわけです。

他のメーカーでもDAC側でこうした違いに着目した例もあり、一例をあげるとマークレビンソンのDAC No36ではSPDIF入力端子とレシーバーの間にアンプ回路が入っていて、レシーバー回路に最適な電圧に増幅しているようです。つまりこうした最適化をDDC側であらかじめ行っておくというのがiLinkのHigh端子です。
No36の場合はAES/EBUとデジタルレシーバーが共通だからSPDIF入力の方はそうしたアンプが入っているのかもしれませんが、似たような実装は他にもありそうです。

送り出し側で工夫した例としては日本の47研究所があります。47研のDACはSPDIFレシーバーにCS8412/8414を採用していてiLinkのHigh向きですが、47研究所のCDトランスポートではDCカップリングとACカップリングという二つのSPDIF出力端子があって、DCカップリングの方がiLinkのHighの考え方に近いそうです。(ただしiLinkはよりインピーダンスマッチやアイソレーションを考慮した設計をしているということです)

こうしたことからiLinkのHigh/Normalの使い分けは使用するDACがどういうレシーバーでどういう設計をしているかに左右されます。とはいえ、普通の人はそういうのはわかりませんから、違いについては両方試してみて音の良い方を選んでほしいということです。NormalとHighを両方入れてみてDACやiLinkが壊れるとかそういうことはないということです。
つまり47研のようなSPDIFレシーバーのDACはHighを使用するのが最適ですが、もちろんNormalでもロックして音は普通に再生できます。ただしHighの方がより最適で音が良いだろうということです。またそうでないDACはNormalを使用するのが最適ですが、Highでもロックして音は普通に再生できるようです。ただしNormalの方がより最適で音が良いだろうというわけです。

またマークレビンソンのNo36の場合はレシーバーはHighに最適化されているはずですが、SPDIF入力からはアンプ回路を入れて既に内部的にHighに対応していますからiLinkからの出力はNormalが最適になるはずです。この辺も実装の問題になりますね。そういうわけでこの辺は複雑なところもありますから、とりあえずHigh/Normalを使い分けて音を試してほしいということになります。
実際にやってみるとどちらも普通に使えます。音の変化はJETのON/OFFに比べると微妙な差ではありますが、High対応の機器でちょっと試してみたいですね。

さきほども少し書きましたが、iLinkのSPDIF出力はNormal/Highが分かれているだけではなく、アイソレーションやインピーダンスマッチという観点からもしっかりと設計しているということです。それも音質向上に寄与しているでしょう。
USB DDCとしての総合的な性能はだいぶ高いようで、iFiのページに比較表がありますが、Emprical AduioのOff-Rampよりもジッターが低いというものです。Emprical Audioは日本ではあまり知られていませんがアメリカのPCオーディオ系ではよく出てくる中堅メーカーで、その$1000を超える立派なデスクトップUSB DDCより低いというからたいしたものです。
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ちなみにiFiでは12インチ(30cm)以下のデジタルケーブルを推奨しているそうです。これはインピーダンスマッチング問題における末端反射によるものだそうで、DAC側はBNCが推奨でその場合はiLink側にBNCアダプターを付けて対応してほしいということです。これはつまり先に書いた付属のケーブルのことですね。

しかし100万円のマークレビンソンならともかく、この価格でここまで細かい音にこだわるとはiFiオーディオには改めて驚かされます。先に書いたように電源のフィルタリングやインピーダンスという点でも細かい配慮があります。
普通はAMRというハイエンドブランドがあるなら、差別化のためこちらは手を抜きそうなものですがiFiの場合はこの価格の範囲(あるいはそれを超える)での最高を目指そうとしているようです。おそらく今まで低価格機を買うのはマニアではないから音質もこのくらいで良いだろうという妥協があったと思います。iFiの考え方はこれからの新基準というか、現在のオーディオ市場を的確にとらえて考えていると思います。
iUSB Powerなんかでも面白いと思ってましたが、iLinkで改めてiFiはなかなかの注目ブランドだと思いました。

製品情報としてiLinkは5/11(ヘッドフォン祭)で発売開始、価格は39800円だそうです。
下記にiFi Audioの日本語サイトがありますのでこちらも参照ください。
http://ifi-audio.jp/
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