Music TO GO!

2019年12月26日

Tinker boardでHugo2のポータブルシステムを考える

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ASUS Tinker BoardとHugo2

いまでもヘッドフォンやイヤフォンを生かすための最高のDACアンプというとChord Hugo2です。ただしHugo2はDAC内蔵アンプですから音を再生するためにはソース機器であるなんらかのプレーヤーが必要となります。Hugo2は据え置きDACとしても他の機器に負けないような音質をもっていますが、やはりポータブルでも使えるソース機器を使ってポータブルシステムとして組んでみたいものです。

一番手軽なのはiPhoneなどと組み合わせてBluetoothで使うものです。ただしこれではロスレスで送ることができません。
次によく行われるのはDAP、例えばAK70などのDAPのUSB出力機能を使うものです。これはかなりの高音質で聞くことができますが、スマートフォンの操作性も生かしたいと思うことがあります。

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AK70とHugo2

そこでスマートフォンからの操作性と音質を両立するプレーヤーをシングルボードコンピュータであるASUS Tinker boardで作ってみました。
これは後にも書きますが、超小型のネットワークプレーヤーに相当するものになります。いわばポータブルのVolumio Primoのようなものを目指しています。

* Hugo2のおさらい

Hugo2は初代Hugoを継ぐ高性能のDAC内臓アンプというかアンプ内蔵DACで、バッテリーで動作するのでポータブルで使うことができます。またChord独自のパルスアレイDACを搭載してフルにその能力を引き出すことができるため、据え置き並みの音質が得られるので据え置きのDACとしてもよく使われます。これはMojoや初代Hugoでは4エレメントの制限付きパルスアレイだったのに対して、Hugo2では10エレメントのパルスアレイでフルにその能力を発揮できるからです。

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Hugo2 (右は専用スリムケースBlack)

パルスアレイDACとはなにかというと、一般的なDACではESSやAKMなどのように市場に売られている汎用品のDACチップICを買ってきてそれを使いますが、ChordではFPGAを中心に据えたより洗練されたディスクリートの独自DACを搭載しています。これはパルスアレイというユニットを並列に並べたもので、パルスアレイDACと呼ばれます。これはFPGAが独自のプログラミングができるカスタムICであるから可能なことです。

FPGAではWTAフィルターやボリューム・クロスフィードなどデジタルドメインの処理を担当します。処理の細かさであるタップ数はHugoの26,368タップから、ほぼ倍の49,152タップに向上しています。
FPGAでフィルタリングされたデジタル信号はフリップ・フロップ回路(IC)に送られてアナログ信号に変換されます。一個のパルスアレイとはFPGAの横にあるフリップフロップICと抵抗のペアです。よくChordのパルスアレイDACはFPGAをベースにしているということでFPGAチップでDA変換がおこなわれているようにも言われることがありますが、実際にはFPGAではなく、そこから出たデジタル信号をこのフリップ・フロップ回路と抵抗の組み合わせでアナログに変換します。
Hugo2では片チャンネル10個のパルスアレイ・エレメントで構成されます。HugoとMojoでは4個、DAVEでは20個です。

パルスアレイDACのポイントはスイッチング動作が入力信号と無関係で一定だということです。このことはスイッチング動作に起因するノイズフロア変動による歪を低減します。なぜかというと、音の大小は複数のパルスアレイの組み合わせですが、ひとつひとつのパルスアレイは音の大小に関わらずに単に一定のスイッチング動作をしているにすぎないからです。
ノイズフロア変動による歪というのは本来一定のはずのノイズフロアが信号入力で揺れてしまうことなので、入力信号とスイッチング動作が無関係なパルスアレイDACはこの影響を受けにくいというわけです。

また他の回路においても同時開発していた世界最高レベルDACのDAVEの技術を生かしているためにトータルの性能も大幅に向上しています。例えば初段が16FSで二段目が256FSのWTAフィルター構成は細かさであるタップ長こそ違いますがDAVEから引き継いだものですし、二段目のプログラムコードはDAVEとまったく同一だそうです。
Hugo2ではFPGAの能力をフルに発揮しているために、多彩なデジタルフィルターも搭載し、また電気的な絶縁効果も光接続並みに優れているUSB周りの設計もなされています。

* ASUS Tinker Boardとは

Tinker BoardはASUSが開発したラズベリーパイ互換のSBC(シングルボードコンピュータ)です。Tinker Boardとラズベリーパイの違いは何かというと、その設計コンセプトです。

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Timker Board(ASUSサイトより)

ラズベリーパイはもともと低年齢層や貧困層にもコンピュータを届けるというコンセプトで、とにかく安く作るという点に眼目が置かれています。たとえばUSBとネットはバスを共有しているとか、DACを搭載せずに疑似PWMみたいなことやって音を出しているとかです。ラズパイ4ではわりと改修されていますが、少し前に発覚したUSB-C設計問題も本来別々にしなければならな抵抗を共有させていたということですので、低価格第一という根っこはやはりいまも昔も変わらないと言えます。
しかしラズパイは本来のそうしたターゲット層よりももっと実用的なところで成功を収めたともいえるでしょう。それが広くマニア層にも支持された理由です。

ASUSのTinker Boardはそのラズパイの成功を踏まえて、ラズベリーパイに比べるともっと実用的なSBCを目的としています。もちろんUSBとネットは別々であり、CODEC ICが搭載され(ICとしてのCODECとはADC+DACの機能を持ったICのこと)、192/24の出力が可能です。ラズパイ3に比べるとパワーもより強力で(ラズパイ3は1.2GHzに対して1.8GHz)、メモリも倍(2GB)搭載しています。またラズパイ3と同様にWIFIとBluetoothを内蔵しています(買ったのは国内版で技適を通っています)。

Tinker BoardはSPDIFも出せます(端子はない)。ラズパイとGPIOベースで互換性を持っていて、HiFiBerryやIQaudioのHATオーディオとハード互換性があります。ただしソフトウエアやドライバはTinker Board用のものが必要です。
ただし高品質の代りにラズパイよりも高価になっています(国内価格は1万円前後)。

* Hugo2とTinker Board

そのTinker Boardの実用性の中ではオーディオもターゲットにしてあり、その証拠にVolumioは先日Primoという据え置きのネットワークプレーヤー(海外ではStreamerと呼ぶ)を開発しましたが、その中で中核に使われているSBCはラズパイではなくTinker Boardです。
つまりここではPrimoのポータブル版のようなものを作ってHugo2と組み合わせようというわけです。

Tinker Boardには初期型とSと呼ばれる改良型がありますが、ここではあえて初期型を使いました。それはSでは電源要求がより厳しくなっているので、あまりポータブルに向かないと考えたからです。初期型でも5V/2Aは必須です(Sでは3A推奨)。ちなみに据え置き前提のPrimoで使われているのはSタイプです。

以前にラズパイを使ったこうしたポータブルデバイスをよく作りましたが、Tinker Boardはかなり熱を持つのでファンと放熱板を組み合わせた金属ケースを使いました。

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ラズパイに比べると初期型でも電源要求が厳しいのでより大型のバッテリーを組み合わせました。

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ソフトウエアはVolumioのTinker Board版をインストールします。Volumioはアップサンプリングができるので、アップサンプリングしてHugo2に送ることができます。Tinker Boardはプロセッサが強力なのでVolumioのアップサンプリング機能をフルに発揮できます。

簡単にインストール手順を書くと、以下の通りです。
1. volumio for Tinker Boardをダウンロード
2. etcherなどを使ってSDにイメージを書き込み
3. Tinker Boardにイーサネットを接続
4. 同一ネット内でiPhoneかPCでhttp://volumio.localと入力
5. 以後はwizradでセットアップできます


接続はUSBケーブルを使用しています。

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操作はスマートフォンで可能で、音源はTinker BoardのUSBに入れることもできますし、Airplayを使うこともできます。
(ちなみにTinkerboardはAndroidも使えます。つまり基本ソフトをAndroidにしてVolmioの代わりにUAPPを使うとMQAコアデコードも可能になりますね)

こうして組み合わせるとたしかにかなり高品質な音で再生することができます。やはりラズベリーパイよりもだいぶ音質は高いと感じます。音の透明感が違います。こうしてポータブルでミニDAVEのようなレベルの高い音を持ち運ぶというのもなかなかポータブルオーディオ冥利に尽きます。
ただしTinker Boardと組み合わせてかさ張るシステムを持ち運ぶというのもなかなか大変ではあるので、もっと洗練されたプレーヤーがほしいところではありますね。


ちなみにケースはラズパイ用を使っています。下記のTinker Boardは初期型だと思いますが、私の購入した製品リンクはなくなっていたので、初期型を欲しい人は念のため確認したほうがよいかもしれません。
    

バッテリーとTinker Boardを接続するためには下記の短いケーブルを使用しています。



posted by ささき at 15:41| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月09日

QobuzがMP3を廃止、ハイレゾとCD品質プランを統合

QobuzがMP3を廃止して、プランをCD品質とハイレゾを含む月額$14.99(年間だと$12.5/月)のプラン一つに統合するとのことです。
https://www.audiostream.com/content/qobuz-kills-mp3-offers-high-res-and-cd-lossless-1499

ハイレゾストリーミングがひしめく中で戦略的な一手に出てきましたね。
posted by ささき at 08:38| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月08日

Appleが"Mastered for iTunes"に変わって"Apple Digital Masteres"を立ち上げ

Appleが従来の"Mastered for iTunes"に変わって"Apple Digital Masteres"というのを立ち上げます。

ただ現状では"Mastered for iTunes"と同じツールを使うようで、違いが大きくないようでAppleがCatalina OSでiTunesを排するので、それに伴うリブランドとも言われています。ただ将来的には不明です。


ちなみに"Mastered for iTunes"とは何かというと、44kHz/16 int(いわゆるRedbook master)からAACに変換していたものを、44kHz/32 float(いわゆるCoreaudio format)からAACに変更するというものです。前に書いた記事をご覧ください。


Mastered for iTunesとは: Music TO GO!

http://vaiopocket.seesaa.net/article/253750773.html

posted by ささき at 05:39| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月10日

ラズパイ4のUSB-C端子に設計不具合

ラズパイ4のUSB-Cの設計にミスがあり、互換性が完全に保たれない可能性があるようです。端子のピン設計にミスというか手抜きがあるようです。別にすべき抵抗を共用化しているようで、これはラズパイらしい低価格化のゆえかもしれません。
このためにE-MarkタイプのUSB-Cケーブルを使用すると、ラズパイ4を給電先ではなくオーディオアダプターとして誤判断してしまうかもしれないということ。つまりこのタイプのケーブルを使うと充電できないかもしれないというわけですね。
これはラズパイ側も認めていて、将来(数か月後?)のボードデザインでは改良されるそうです。

https://arstechnica.com/gadgets/2019/07/raspberry-pi-4-uses-incorrect-usb-c-design-wont-work-with-some-chargers/
posted by ささき at 23:13| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月04日

Netflixが「スタジオなみの」高音質配信開始

Netflixがストリーミングサービスの高音質化を発表し、すでに5/1より適用開始しています。これはNetflixがやってきた4K, HDR, Dolby Atmos , Netflix Calibratedなどに続く技術的な取り組みの一つということです。
この恩恵を得るにはデバイスが5.1もしくはDolby Atmos対応(プレミアムプラン必要)でなければなりません。5.1では192kbpsから640kbpsまで、Dolby Atmosでは448kbpsから768kbpsまでの可変ビットレート(つまりAdaptiveモード)で提供されます。これについては後で詳述します。
これは5.1とAtmosをサポートするすべてのタイトルで提供されているということです。背景としては「Stranger Things 2」のカーチェイスシーンで音がミキシング(ポスプロ)時よりも明瞭に聴き取れないということがあったようで、それに対応するためにビットレートを上げたということのようです。これはオーディオファイル的に良い音というよりも、電話の鳴る音とか鳥の声がより鮮明に聴こえるというところを目的としているようです。
https://media.netflix.com/en/company-blog/bringing-studio-quality-sound-to-netflix

これは原文によると「Bringing Studio Quality Sound to Netflix」とスタジオ品質であると書かれていますが、これは具体的にどういうことかというとNetflixのブログに詳しい説明があります。
https://medium.com/netflix-techblog/engineering-a-studio-quality-experience-with-high-quality-audio-at-netflix-eaa0b6145f32
普通スタジオ品質というと24bitロスレスなわけですが、上のブログでは「我々が言っているスタジオ品質とは」という説明があります。Netflixが言っているのはそうした意味でのロスレスではありませんが、"perceptually transparent"つまり知覚的に透明だと言っています。知覚的に透明とは、実際に聴いてみるとマスターと聴き分けができないレベルにあるという意味で、これはNetflixが聴き取りのテストを行ってみた結果、Dolby Digital Plusで640 kbps以上の時にはマスターと違いが判らない、という結果に基づいているということです。640kbpsというのは5.1chの24bitマスターと比較して1/10程度の圧縮率となるとのこと。同様にAtmosでは768 kbpsをtransparentとしましたが、これはまた見直すかもしれないということのようです。
さくっと計算すると、オーディオの場合は44kx16x2=1.4MbpsがロスレスCD品質なので、映像では48kx24x6=6.9Mbpsが(マスターの)ロスレスで必要になりますね(サブウーファーの0.1chを仮に1chとみなした場合)。ですから5.1ch音声トラックの1/10というと、オーディオでは128kbps、あるいは160kbpsくらいのことを指しているように思われます。それがマスターと変わらないかどうかというのは映像とオーディオを比べても仕方ないのでなんとも言えませんけれども。

このtransparentというのはgoodから始まって一番良い、たぶんexcellentとかbestの上とかそういう使い方をしていると思います。(ちなみにアメリカ英語ではgoodは「良い」ではなくまあまあとか悪くない程度の意味ですので念のため、good→better→ bestという感じですね)

技術的にもうひとつポイントなのはNetflixがいままで固定ビットレートで音声ストリーミングしていたのを可変レート、つまりAdaptiveでストリーミングするようになったということです。さきに出たtransparentはNetflix用語ですが、adaptiveというのは回線状況に応じてビットレートを変えるという一般用語です。ちなみにすでに見ている人は知っていると思いますが、ビデオの方ではすでにAdaptiveを使っています。回線が遅くなると画質が落ちるやつです。つまりNetflixではこれでビデオもオーディオもAdaptiveストリーミングになったわけです。

ここでのポイントはこの図を見てもらうとわかるのですが、いままでオーディオは固定で送っていたので、回線品質の悪いところに合わせたビットレートを使っていたということです。つまり言い方を変えると、NetflixでオーディオもAdaptiveでストリーミングできるようになったことで、よりよい音質を提供することができるようになったということだと思います。
これを考えると冒頭で背景としては「Stranger Things 2」のカーチェイスシーンとの説明を引用しましたが、実際はオーディオでのAdaptiveモードの実用化にめどがついたので提供開始したというほうが正しいように推測できますね。
posted by ささき at 13:58| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月11日

トップウイングでSONORE国内導入

うちのブログでは何回か取り上げてきたSONORE(ソノーレ)の製品がいよいよ国内でもトップウイングさんから販売が開始されることになりました。月末のヘッドフォン祭で発表となります。
SONOREはmicroRenduという製品で最近話題となり、いくつか製品があるのですが、まずultraRenduとultraDigitalを5月中旬頃に発売の予定ということです。

わたしは記事を書くためにデモ機を試用してみました。まず簡単にultraRenduを紹介しますと、背面を見てもらうとわかりますが、microSDスロット、RJ45ネットワーク端子、USB-A、電源端子というシンプルなものです。端的に言うとネットワークブリッジ製品で、PCにネットワークでつなげてUSBに変換してDACに出力する、というようなものです。SDスロットはSonicorbiterというOSを入れるスロットで音源ではありません。
PCからはRoon、MPD、DLNA、Squeezelite(SqeezeBox)などの出力先として見えます。
つまりいままでPCから直差ししていたUSB DACをultraRenduを介することで音質を上げるという製品です。聴いてみるとかなり効果は高いと思います。

SONORE_Rendu.jpg  SONORE_Rendu_rear.jpg

実際に構成を見て、聴いてみるとよくわかると思いますのでPCオーディオ興味ある方はぜひヘッドフォン祭のトップウイングブースならびに発表会にお越しください。
posted by ささき at 11:13| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月04日

WiFiの名称が簡略化されます

WiFi Allianceでは現在のWiFiの複雑な名称を簡略化するようです。たとえば802.11nはWi-Fi 4、802.11acはWi-Fi 5となります。
これは802.11axが登場した時にWi-Fi 6と変わることから発行されるようです。これにともなってあらたなロゴも導入されます。

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posted by ささき at 07:05| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月23日

Chordの新製品発表会

Chordは7/15の発表会で3機種を新たに発表しました。そう、2機種と言われていたのですが、サプライズで1機種が加わりました。
それらはDAVE向けパワーアンプのetude、よりデスクトップに適合したHugoTT2、そしてサプライズのHugo M scalerです。

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左写真の左:Hugo TT2とToby、右:etude、奥:Blu Mk2とDave
右写真はサプライズで取り出されるHugo M Scaler


1. 新パワーアンプetude
etudeはDaveに合わせたパワーアンプを作るという発想で、Daveのプリ出力を使ってDACからダイレクトでパワーアンプにつなぐものです。クラス的には同社のChoralシリーズに相当します。

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Chord etude

etudeはフランス語のstudyという意味で、文字通りDaveのトランジェントの良さと低歪に気づかされて一から作り直すということで、Daveに合わせた高速アンプのために「フィードフォーワード」という新たなトポロジーを採用しています。これはRobert Cordellという人の研究に基づくもので、従来のフィードバックループでは早い処理に追いつけないので、ループで戻すというのではなく、あらかじめ予測した補正量をモニタリングと同時に合成して歪みを打ち消すというトポロジーのようです。

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Chord etude

つまり言い方を変えるとオーディオ世界にはアンプのフィードバックの功罪について議論が昔からあって、従来はNFBアンプではSNが良い(明瞭)が音が遅い(だるい)、ノンNFBアンプでは音は早い(生き生きとする)がSNが悪い(不明瞭)ということがトレードオフとして言われていましたが、このフィードフォーワードではSNが良く早いという両方の利点を持つということが言えるかもしれません。

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この考え方は1986年からあるそうですが、従来は高速デジタル処理の分野の話で、オーディオでは必要ないものでしたが、Daveによってその領域に踏み込んだということを言っていました。

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etudeではコンパクトアンプですが、BTLによってさらなるハイパワー化が可能です。このコンパクトさは4つの静音ファンによるものだということ。

2. Hugo TT2

Hugo TT2はHugo TTをさらにテーブルトップに向けて改良したもので、バッテリーではなく電源を持つことで、FPGAの持つ力を開放したさらなる処理能力を持ち、98304タップというDaveの半分程度というかなり高性能化がなされました。

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Chord Hugo TT2とTToby

この電源はスーパーキャパシターを使うもので、素早い電流の取り出しに対応しています。
またボリュームを手前に持ってくることなどさらなる改良が図られています。またゲインを設けるなど高感度IEMに向けた対応もなされるのは最近HeadFiでも活躍するワッツならではでしょう。

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Hugo TT2

発表会の写真でTT2の下の銀色はTTobyという国内未発表のアンプです。こちらは100w/chでAB級とのこと。


3. Hugo M scaler

サプライズはHugo M scalerです。この「M Scaler」という名称はこれがはじめてではなく、前にBlu MkIIが登場した時にその100万タップのデジタルフィルターをM Scalerと呼称していました。Mはミリオンのことでしょう。タップ数は処理の細かさです。

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Hugo TT2の右にあるデバイスがHugo M Scaler

このHugo M Scalerを使用すれば、DaveにたいしてBlu MkIIを使用して100万タップのアップサンプラーとして使用したのと同じことができます。下記のBlu MkIIの記事もご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/446340304.html

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M scalerについて解説するロバートワッツ

つまりM Scalerはデジタル信号を入力し、100万タップの高精度で768kHZにアップサンプリングして、Chordの2本のBNC端子を採用しているDAC(Dave,Qutest,HugoTT2)に出力して音質を向上させるデバイスというわけです。下記のChordホームページに詳細があります。
https://chordelectronics.co.uk/product/hugo-mscaler/
Daveの16万タップに対して、M Scalerは100万タップと大幅な処理力の向上をもたらしてトランジェント・空間再現力の向上をもたらしますが、それだけデジタル回路のノイズも増えるのでDACとは別筐体のほうがよいわけです。

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端的にいうと"Hugo M Scaler"とはBlu Mk2のCDドライブメカを取ったものと考えてよいです。これはロブワッツにも確認してみましたが、そうだと言ってました。ただしFPGAなども同じ(ザイリンクスXC7A200T)だそうですが、筐体や電源など厳密には異なりますので念のため。
ちなみに100万タップというのは16bitにとっても到達点であり、24bitに対してはまだまだということですので極めるとは大変なものです。

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右のデバイスがHugo M Scaler

Hugo M Scalerは機能オンオフのバイパス機能があるため、ありなしの聴き比べを試聴できました。
HugoTT2のみでも自然で高精度な音ですが、Hugo M Scalerをオンにすると合唱曲のマニフィカートではより透明感が出て高域がより伸びる感じがします。ジャズのヘルゲリエンのTake5では音のエッジがよりシャープで楽器のキレが良くなり、高域の音がきれいで低域もより深く感じられます。ヴァイオリン曲では倍音の響きがより豊かに聞こえる感じです。効果はわりと高いと感じられました。

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Chordの発展について語るジョンフランクス

Chordは5年前より12倍の売上規模となり、より開発に投資したいということです。今後ともまた新製品を楽しみにしたいものです。
posted by ささき at 10:05| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月19日

Net Audio Vol31に執筆しました

本日発売のNet Audio Vol31に「ファイルとディスクの共存術」ということでMQA-CDの記事を書きました。
MQA-CDとはなにかということから、ケース別の使い方についてまで広範囲にまとめていますので、ぜひご購入の上でご一読ください。

posted by ささき at 14:26| ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月06日

HDtracksがハイレゾストリーミングサービス開始か?

下記のAudiostreamの記事によると、LINN recordsと並んでハイレゾダウンロードの嚆矢的な存在のHDtracksがMQAを採用したストリーミングサービスを立ち上げるということです。
https://www.audiostream.com/content/hdmusicstream-hdtracks-new-all-mqa-streaming-service

どういうふうに運用されるかはわかりませんが(おそらく米国のみと思いますが)、MQAの採用などちょっと気になるところです。
posted by ささき at 08:34 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

MP3死す?

海外報道などでMP3死すというニュースがありましたが、
http://www.npr.org/sections/therecord/2017/05/11/527829909/the-mp3-is-officially-dead-according-to-its-creators
http://www.techradar.com/news/rip-mp3-the-sound-file-that-changed-the-world-is-declared-dead
これはMP3のライセンスが切れたということのようです。つまり死んだのはMP3のライセンスのようです。そこでMP3ライセンス持ち会社が公式に死亡声明を出したということのよう。
http://m.huffpost.com/jp/entry/16588264
今までよくMP3のためにあれそれのライブラリをインクルードして、というのがありましたが、そういうのは変わって行くのかもしれません。
posted by ささき at 19:34 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月14日

LINNのMQA批判

LINNがサイトでMQAの批判をしています。書いたのはJim CollinsonというLINNのデジタルマーケット担当(兼ウエブデザイナー)です。"MQA is Bad For Music"という過激なタイトルが目を引きます。
https://www.linn.co.uk/blog/mqa-is-bad-for-music

MQAではほんとうに音質が上がっているのか、本当にロスレスか、など技術的な批判が多いのですが、ここでは音楽業界的なビジネスモデルとしての立場から批判している点が興味深いところです。
具体的に言うと音楽のサプライチェーンの一個所ではなく、全域にわたってかせげるようなエコシステムを構築しようとしているということがまずあります。たとば録音エンジニアリングの時点でもMQAに金が入り、ストリーミングプロバイダーでもMQAに金が入り、オーディオ機材でもMQAに金が入る、などなど。
またMQAはDRMないっていうけど、それは視点の違いで実質はMQAデコーダがDRMみたいなものではないかとか、この動きが売れ線の古い音楽により集中して新しい音楽への投資を怠ることになるのではないかとも言ってます。MQAで付加価値を付けるというのが、いわゆるリマスター再発豪華CD3枚組、などという感じでしょうか。
実のところはMQAがオープンではないという点が問題で、かつてのAppleロスレスとかSACDなどのように思えるということのようです。
LINNは総帥ティーフェンブルンがAppleロスレスのコメントしたり、DSD批判したりしてますね。LINNはオープンフォーマットへのこだわりが強いとも言えます。
http://vaiopocket.seesaa.net/s/article/235601629.html
ある意味ではLINN/(中小レーベルの)LINNレコーズとMeridian/(メジャーの)Warnerという対立構図が透けて見えていることも言えるかもしれません。

私もけっしてMQAに否定的ではありません。たとえばAK380でTIDALを使っているとやはりAstell & kernに次はMQA対応してほしいと思います。
しかしMQAをハイレゾPCMとかDSDのようなものとしてとらえるのは分かりやすいけど危険であるようには思いますね。ユーザーとしてはMQAのストリーミングは良いと思うけど、MQAのダウンロードには手を出したくないというところもあるかもしれません。

マーケット面からMQAに興味ある方はご一読してはいかがでしょうか。
posted by ささき at 21:39 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月01日

いよいよWindowsにUSBクラス2ドライバーが導入されるか?

Windowsでは10になってもUSB class 2.0ドライバーが実装されてないのがオーディオにとっての難でした。
しかし下記のWindowsフォーラムの最新書き込みを見るとInsider Preview最新ビルドの14915(8/31)ではクラス2ドライバーが入ってるようです。
http://answers.microsoft.com/en-us/insider/forum/insider_wintp-insider_devices/windows-support-for-usb-audio-20/0d633b9f-3193-4c63-8654-fb10b3614a04?page=19&msgId=a3e33175-ae15-46ca-b547-5ef19dbf4d2b

ちょっと期待ですね。
posted by ささき at 14:08 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月17日

BrystonからラズパイベースのRoonReadyトランスポート

Brystonからトランスポートの新製品であるBDP-π(パイ)がリリースされたようです。
http://hifipig.com/bryston-announce-bdp-π-digital-musicy-player/

これは前にも書きましたが、中身はラズベリーパイとHiFiberry Digi+です。つまりこの記事で書いたものと同じです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/435089337.html

この辺はHiFiberryのサイトでも書かれています。
https://www.hifiberry.com/2016/03/bryston-bdp-π-with-digi-inside/

BDP-πはラズベリーパイとHiFiberrry Digi+をベースにしてオーディオ機器らしい電源とシャーシを加えたものです。
この柔軟性のおかげであっさりとRoon対応を果たしたRoonReady機器でもあります。
ラズパイとかNanopiとかワンボード系の機材でもやり方次第、というところでしょうか。
posted by ささき at 08:29 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月14日

Nanopi NeoのRoonでのネットワークブリッジ応用例

この前の記事で書いたわずか800円程度のワンボードコンピューター、Nanopi Neoが到着しました。注文してからだいたい10日前後です。購入したのは512MBメモリのバージョンです。

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比べてみると普通のラズベリーパイよりもずっと小さく、ラズベリーパイ・ゼロよりも小さいくらいです。それでいてフルのネットワーク端子とUSB端子がついている点がユニークです。

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それで結局なにができるか、ということでComputer Audiophileに掲載されてたRoonを利用したネットワークブリッジの作り方を紹介します。
これはつまりRoonBridgeを使ってUSB DACをネットワークDAC化するというものです。
ネットワークで来るオーディオ信号をUSBに変えると言ってもよいです。使用例は下の写真のようになります。

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出ているケーブルは電源ケーブル(Micro USB 5V 2A)、USBケーブル、ネットワークケーブルです。ラズパイ・ゼロだとUSBもネットワークも変換ケーブルやアダプタが必要になるので、Nanopi Neoの利便性がわかります。

1. まずはじめに用意されているubuntu OSをインストールします。
https://www.mediafire.com/folder/n5o8ihvqhnf6s/Nanopi-NEO
をブラウザで開け、OfficialROMを開けると下記のファイルがあるのでそれをダウンロードします。
nanopi-neo-core-qte-sd4g.img.zip
解凍して上記OSをW32 disk imagerでMicroSDに書き込みします。
2. Nanopi neoにMicroSDを取り付けます。
3. ネットワークケーブルをNanopi Neoに接続して電源5Vを接続し立ち上げます。
青いLEDが明滅すればOSのブートはオーケーです。
このときにOSがDHCPでipアドレスを取得しています。
4. ネット内のPCでTera TermとかSSH端末を立ち上げて、そのipアドレスを入力するんですが、これがちょっと難です。ラズベリーパイだとモニターとキーボードを接続すればipconfigでわかりますが、Nanopi Neoではモニターもないのでとりあえず手探りで探し出しました。なにかネット内の機器のローカルipアドレスを探し出して(たとえば198.168.1.102)、たいていそれにプラスいくつかなので192.168.1.105とか探し出します。(他にいい方法があるのかわかりませんが) 8/19追加→教えてもらったのですがTWSNMPマネージーツールを使う方法があるということです。
5. そのアドレスにrootでSSHで入ります。パスワードはfaです。

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6. まず標準のOSにcurlをインストールして、それからRoonBridgeをインストールします。以下の手順に従ってください。

#apt-get install curl
#curl -O http://download.roonlabs.com/builds/roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh
#chmod +x roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh
#./roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh

RoonBridgeでは自動的にipアドレスを取得するのでこれ以後はipアドレスの取得の手間は不要です。

実際にLH LabsのGeek Pulse USB DACで試してみました。
RoonからはAudio setupからNetworkedのところに見えますのでドライバを選択してenableします。

これでRoonBridgeとして機能します。下記の画像のようにシグナルパスを確認してください。

signal_roon.png

次にUSBのAB端子直結アダプタを使ってみました。これであればケーブル不要でアダプタのようにDACに据え付けることができます。

IMG_9993[1].jpg

Geek Pulseの背後に据え付けます。

IMG_9992[1].jpg  IMG_9991[1].jpg
左は普通のUSBケーブルによる接続、右がこのネットワークブリッジを使った接続です。

IMG_9985[1].jpg
全体はこんな感じです。これでUSBケーブルの長さに左右されずにDACを設置することができます。

音質も簡単に比べてみましたが、このアコリバのかなり良いUSBケーブルとくらべても音質的にそう大きな遜色はないように思います。多少は異なりますが、USBケーブルを直結したほうが音質が良いのではないかという先入観を考え直すくらいには音質レベルは変わりないと思います。さくっとやっただけなので音質的にはもっと手を加える余地はあるかもしれません。
このようなネットワークブリッジで、手持ちのUSB DACをMergingのNADACのようなネットワークDACへと変えてくれます。
これがわずか800円でできるわけです。

使用してみるとプロセッサが強力なせいか結構熱くなります。そこでオプションとしてヒートシンクも買ってみました。

IMG_9982[1].jpg

Nanopi Neoはこんな小さなボードにフルサイズのUSB端子とネットワーク端子を採用した点がユニークで、最新のRoonを使用していままでになかったような使い方が可能です。ubuntuベースということでもっといろいろな使い方が可能になるかもしれません。
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2016年04月20日

ラズベリーパイのオーディオ日記 諸々更新

ラズベリーパイのオーディオ日記をもろもろメモ的に更新です。

* ラズベリーパイのオーディオ機器応用について

ラズベリーパイのオーディオ日記iについて、ラズベリーパイをオーディオに使うなんてそもそもどうなの?しかもこんな安いオーディオ拡張ボード付けて、という話もあるかもしれませんが、実際にラズベリーパイは普通のオーディオ機器のなかにもう入っています。しかも私が買うようなHAT DACがそのまま使われています。

たとえばよく知られているオーディオメーカーのBrystonは下記の新製品BDP-πではHiFiberry Digi+とラズパイをそのまま内蔵して、電源とかはオーディオ機器的な味付けをしています。
http://canadahifi.com/bryston-reveals-first-details-about-its-upcoming-bdp-%CF%80-digital-music-player/

またこちらのABACUSのプリアンプではラズパイとIQaudioのPI-DAC+がそのまま入ってネットワーク機能を付加しています。
http://www.abacus-electronics.de/146-0-Preamp+14.html

もうひとつあったかと思いますが、実のところこうしてきちんとオーディオ機器でも使われはじめているということがわかると思います。

* DAC+システムのアンプを変更

piCorePlayer+DAC+のシステムのアンプをPortaphile627以外にもいろいろ変えてみました。

iQube V5とも相性よく、Moderateオーバークロックでもいい感じでなります。iQuve V5はアナログ入力アンプとしても現在最高峰クラスだと思いますね。
Portaphileで感じたオーバークロック時の硬さもiQube V5だと感じないので、デジタルアンプだけど硬さが少ないって言うのはすごいと思う。

写真 2016-04-01 8 13 40[1].jpg
raspberry PI + IQube V5

またPortaphile MicroのMuses01バージョンとも組み合わせてみました。
この組み合わせだと627よりも現代的になると言うか、さすがMuses01で音場にしろ透明感にしろぐっと領域が広がる感じです。
ただいわゆるオーディオ的な滑らかさとか厚みはやはり627版が良いですね。

写真 2016-04-11 8 18 15[1].jpg
Raspberry PI + Portaphile Micro

こちらもModerateオーバークロック(900Hz)かPI2(1GHz)オーバークロックでも良い感じです。対するとPortaphile 627ではMildオーバークロック(800Hz)設定が一番良いように思います。
piCorePlayerのオーバークロック設定は強くすると音の押し出し感がきつめになっていき、行きすぎると煩くきつすぎるので戻すと言う感じでアンプに合わせて使ってます。

こうしてみると、アナログアンプを合わせた時のアンプの個性差の調整をオーバークロック設定でやっている自分に気がついて、自分でも興味深いところです。これはまさにコンピューターを背負ってないと出来ないことではありますね。PCオーディオではオーバークロックとかアンダークロックの効果についていろいろな我流理論がありますが、そのひとつという意味で言うとオーバークロックはイコライザー代わりっていう感じでしょうか 笑

Raspberry PI2のBCM2836プロセッサ(SoC)の出荷時周波数設定は900MHzですけど、直前までは800MHzで出す予定だったそうなので、どれが正解と言うことは結局のところはないと思います。諸々のトレードオフで決めるっていうのは結局のところなんでもおんなじかも。

* HiFiberry Digi+のシステムにL字(ライトアングル)アダプタ

従来のDigi+だとケーブルを付けた時にラズパイとMojoが直行してしまうので、L字アダプタを付けてみました。これでやや取り扱いはしやすくなりましたが、まだちょっとかさばりますね。。

写真 2016-04-07 18 09 15 (1)[1].jpg
Digi+とMojo

ちなみにDiGi+システムもいまはソフトウエアはVolumioではなくpiCorePlayerを使っています。
やはり音的にはこちらの方が良いように思えます。いまのところ。。

* mSATAドライブで大容量化

piCorePlayerでは普通はUSBメモリを使っています。128GBなのでわりと満足出来るのですが、500GB mSATAドライブとUSBケースでさらに大容量化をはかりました。
しかし、、これはいまのところ認識せず。(もちろんPCでは動作する)
おそらくラズパイのUSB電源容量の問題のように思えますが、OS都合かもしれません。今後も要調査。

* Moode OS 2.6のAP機能

うちの記事で書いてきたラズベリーパイのWiFiシステムはポータブルWiFiルーターが必要です。私の場合はいずれにせよhulu見たりApple Music聴くのでWiMAXルーターをいつも持っているのですが、そうでない人は困るでしょう。
ところがMoode Audioの次バージョンの2.6ではAPモードを備えると言うことです。これがあればポータブルルーターなどの必要なく、直でラズパイとWiFiシステムが組めそうに思います。要チェックですね。
http://www.computeraudiophile.com/f11-software/moode-audio-player-raspberry-pi-23858/index24.html#post526881
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2016年03月21日

ラズベリーパイとポータブルアンプのアナログ接続 (HiFiBerry DAC+)

前の記事ではHiFiBerry Digi+を使ってデジタル出しでMojoと組み合わせましたが、今度はアナログ出しでDAPのようにポータブルアンプに組み合わせてみました。iPodではなくコンピュータをバンドでポータブルアンプに固定するわけです。ポータブルPCオーディオみたいな感じですね。

IMG_9613_filtered[1].jpg

I2S接続するHAT DACはHiFiBerry DAC+です。DAC+には通常のRCA版もありますが、これはミニ端子のアナログ出力版で、出力端子がHAT基盤の下に実装されてるので高さが抑えられて普通のケースが使えます。下記リンクのDAC+ Standard Phoneです。私はこのサイトで買いました。
https://www.hifiberry.com/dacplus/
使われてるDAC ICは記載がありませんが、ラズパイ側から確認するとIQAudioと同じくバーブラウンのPCM5122のようです。下の写真はRaspberry Pi2につけた状態です。

IMG_9617_filtered[1].jpg   IMG_9616_filtered[1].jpg

ラズパイのソフトウエアは今回はVolumio 1.55を使ってます。始めはMoode Audioを使ったんですが、なぜかDigi+はオーケーなのにDAC+ではノイズが乗るのでVolumioにしたところ問題なくなりました。いずれにせよHiFiBerryは定番なのでドライバーサポートは問題ありません。
今回はVolumioのアップサンプルをオンにしてます。Fast/Medium/Bestと設定がありますが、いろいろ試してみるとBestだとグリッチのプツプツが出るのでMedium(中品質)にしました。
Mediumでも192だとグリッチしますので、Medで96/24変換するのが最も良いと思います。
AirPlayでもアップサンプル効いてると思いますが、この辺がポータブルアンプに普通のコンピュータであるラズパイを載せるメリットになるでしょうね。

IMG_9680_filtered[1].jpg
Raspberry PI2、HiFiBerry DAC+、Portaphile Micro

今回はケースとバッテリーを工夫してポータブルアンプに乗せやすいようにして実際に外で使ってみました。
ケースは普通のケースに側面を空けても、けっこう上下のスペーサーの幅があるので積層型を使いました。なるべくコンパクトにするために標準の板の順番はちょっと変えてHATをカバーするのに底面用の板を使ったりしてます。
バッテリーは2500mAhの超薄型(5V/1A)を使いました。ラズパイ2とDAC+は1Aで大丈夫だと思います。

IMG_9682_filtered[1].jpg

ケーブルは一般的なU字ケーブルを使いましたので、アナログ出力が横から出ているためにラズパイをアンプに直交させておく必要がありますが、L字コネクタ(ライトアングル)のミニミニケーブルを使えばラズパイをアンプに対して普通のDAPを置くように縦置きに出来ると思います。

IMG_2643[1].jpg
ラズパイとポータブルアンプを縦に重ねた状態

ネットはWiFiルーターを使用してます。私はだいたいWiMaxルーターをいつも持ってるのでそれを使っています。WiFiルーター持ってればApple MusicもWiFi接続の高品質で再生できます。

操作はiPhoneからhttp://volumio.localで入ってウエブインターフェイスでも良いし、MPoDアプリでも可能です。動作自体はMPoDの方が快適ですが、たまに繋がりにくくなるのでもう少しよいアプリがあればよいのですが。(Rune AudioはAndroidで専用アプリがあります)

IMG_2650.PNG

このラズベリーパイとポータブルアンプの組み合わせは実際やってみたら驚くほど音質が良い感じです。最高レベルポータブルアンプのPortaphile627と組み合わせてみましたが、いつものDAPともまた違う感じの良い音です。空間表現が広く音場に深みがあるのが特徴です。24bit変換してることもあるけど、独特の良さがあります。
透明感も高くクリアで、周波数の再現性もワイドレンジで低い方から高い方までかなり出てるようです。超低域も十分出ていると思います。解像力もわるくないようです。価格からはちょっと思えないくらい。

IMG_2649[1].jpg
Raspberry PI2、HiFiBerry DAC+、Portaphile 627

バッテリーの持ちに関しては、2500mAhの容量だと持たないかと思ったんですが、思ったよりも持つ感じです。実測でつけっぱなしにすると、Vilumio 1.55 アップサンプルon、HiFiberry DAC+、Raspberry pi2、44/16音源再生という条件ですが先にアンプの電池が切れました。Portaphileはあまり持たないんですが、4.5時間ほどでした。ラズパイ自体はもっと行くでしょう。
特にCPUフィンとかつけてませんが、ずっとバッグに入れて熱暴走する感じでもなかったですね。

ラズパイ3ならアップサンプルもBestでできるかと思いますが、ただバッテリーが。。
ちょっとブートに時間がかかるのが難ですが、意外と普通に使えるので、これは取っておいてラズパイ2をもう一個買おうと考えてます。
以下今回買ったもののリストを上げておきます。

      

posted by ささき at 22:58 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月17日

ラズベリーパイとポータブルDAC付きアンプの接続 (HiFiBerry Digi+)

ラズベリーパイをMojoと組み合わせてみました。デジタルで取り出すためにHiFiberry Digi+をトランスポートとして使用してデジタル信号でMojoに入力し、ラズベリーパイにインストールしたMoode Audio PlayerでUSBの音源やAirPlayをiPhoneから受けて再生ができます。下記例ではWiFi接続しています。

IMG_9586[1].jpg   IMG_9595[1].jpg
左は光デジタル、右は同軸デジタルで接続

USBを使う手もありますが、USBとネットのバス競合問題を避ける意味もあって、今回はGPIO経由のHATを使ってみました。HATはラズパイの増設ボードのことでHardware Attached on Topの略です。これによってネットでストリーミングを受けて、競合せずに別ルート(GPIO)でMojoに信号を送ることができます。
今回使用したHATはラズベリーパイのオーディオ関係では老舗的なHiFiBerryのDigi+です。Digi+はラズベリーパイとI2S(GPIO)で接続して、デジタル信号を送ることのできるトランスポートとして機能します。これでラズパイが純粋なトランスポートになるわけです。
HiFiBerry Digiには旧ラズパイ(26ピン)用のDigiと40ピンタイプのDigi+があります。またアイソレーションを高める出力トランス(SPDIFのみ有効)がオプションで指定できます。
リンクは下記で、価格は標準が$34.9、トランス付きが$44.9です。いずれにせよラズパイと足しても一万円ちょっとくらいなものです。私は下記サイト直で買いました。
https://www.hifiberry.com/digiplus/

IMG_9589[1].jpg  IMG_9591[1].jpg  IMG_9593[1].jpg
HiFiBerry Digi+ (トランス付き)

ソフトウエアはRune AudioやVolumioではなくMoode Playerを使いました。これは特に理由はなく、たまたま今Moodeをいろいろ試して慣れていただけです。Digiは古いので、たいていのこうしたMPD系のLinuxディストリビューションではサポートされているはずです。ちなみにMoode AudioはMoodeOSという刷新版が近々に予定されています。
Moode Audioはラズベリーパイに特化したMPD系のLinuxディストリビューションで、サイトはこちら。
http://moodeaudio.org/
こうしたソフトウエアを使うことでラズパイの柔軟性が活かされ、MojoをiPhoneからAirPlayで使ったり、DLNA(uPnP)で使用したりとネットワーク的な使い方も可能です。もちろんUSBやカード内の内蔵音源にも対応します。

Digi+は光(角・TOSLINK)と同軸デジタル(RCA)が出力できます。光の場合はMojoとは角-角なので、手持ちのミニ丸->角ケーブルを使うには変換プラグを使いました。同軸ではRCAからミニになるので、iBasso Coaxケーブル(1300円くらい)を使用しました。

IMG_9599[1].jpg   IMG_9597[1].jpg
Digi+とiBasso CoaxケーブルとMojo

ラズパイ/Digi+とMojoシステムの音質はかなり良くて、試しにFLACでAK100と光ケーブルでくらべて聴き比べしてみました。ぱっと聴きは同じくらいですが、良く聴くと低音域ではAK100の方がよく、中音域ではラズパイ/Digiが聴きやすいという感じもします。
同軸でMojoと組み合わせたいという人にはラズパイ/Digiはよい組み合わせになるでしょう。なにしろiPhoneからリモートで操作ができます。
またDiGI+はいま付けていませんが、専用ケースもあります。もちろんラズパイなのでバッテリーでも動作します。

写真 2016-03-17 21 54 50.png
Moode Audio Player再生画面(iPhone)


一点注意ですが、Digi+は新しいラズベリーパイ3では(そのままでは)使えません。なぜかというとラズベリーパイ3ではI2SとBluetoothの競合問題が一部あるからです。これはすべてではなく、たとえばIQAudioのPI DAC+はそのままラズパイ3で使えます。特定のチャネルあるいはドライバーが競合するようです。当面はConfigファイルをいじってBTをつぶすことで回避できます(やり方はHiFiBerryのサイト参照)。
https://www.hifiberry.com/2016/03/important-news-on-compatibility-with-the-raspberry-pi-3/

今回使用したもののAmazonリンクもあげておきます。


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2016年02月29日

Raspberry Pi 3登場

最近いろいろとラズベリーパイを使ってますが、本日その新型のRaspberry Pi3が発表されました。
今日はRaspberry PI の初期モデルが発売されてからちょうど4年目で、この間に800万個以上のラズパイが売れたそうです。
https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-3-on-sale/
海外での価格はラズベリーパイ2と据え置きの$35で、国内販売元のページはこちらです。
http://jp.rs-online.com/web/p/products/8968660/

これまでとの違いはまず64bitに対応したARMv8アーキテクチャ(Cortex-A53)のBCM2837プロセッサを採用し、1.2GHzで動作する点です。これはパイ2に比べて同じ32bitモードで50-60%の性能向上となるとのこと(ARMv8は32bitモードと64bitモードがあります)。プロセッサは前モデルとの互換性があります。当面は32bitモードでのバイナリの提供となるでしょう。
また3ではWiFiとBluetooth4.1が搭載されています。このためLEDの位置が変わりましたが、WiFiのためのUSBが一つ空きそうです。BTはLE(low Energy)にも対応しています。
ハードウエアは前モデルとはHAT(拡張ボード)コンパチなのでPI-DAC+のようなGPIOを使うHAT DACは同様に乗せられるでしょう。ただし消費電力が増えたのとUSB電源供給能力強化のために電源が変更された点がネックではあります。パイ2でも必要性が言われていたプロセッサヒートシンクは必須となりそうです。
ラズパイも肥大化の道を歩みそうですが、それを望まない人にはPI ZEROがあるということでしょう。
またオーディオ的に言うと、USBとネットワークの競合問題は解決してないのでこれまでと同じのようです。
ちなみに以前のモデルは1、2ともに同じ価格で併売されます。また今回発売の3はモデルBになります。
さてこれでまたなにができるのか。
posted by ささき at 21:40 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月20日

スイッチング電源をクリーンに、iFi iPurifier DC

iPurifier DCはiFiらしいユニークな製品です。

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普及クラスのオーディオ機器にはよく外部電源としてスイッチング電源がついてきます。スイッチング電源はコンパクトで安価なのですが、オーディオ的に見てこのスイッチング電源は音質が良いというものではありません。もともとコンピューターなどに使われるものですからね。iPurifire DCは電源ケーブルとオーディオ機器の電源端子に挟むだけという簡単な手順で追加するだけで、電源の質を向上させるという優れものです。
iFIには前にiPurifier USBというUSBの送信品質を向上する製品がありましたが、その電源装置版と言ってよいでしょう。

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箱にはダッソー・ラファール戦闘機の写真が載っていますが、これはiPurifierの技術が軍事技術を応用しているということの証で、具体的にはノイズをキャンセルするためにアクティブ・ノイズ・キャンセレーションを使用しています。これはラファールに使われているレーダー技術の応用だということです。

IMG_9497_filtered[1].jpg  IMG_9498_filtered[1].jpg  IMG_9500_filtered[1].jpg

iPurifire DCの特徴はやはり音質改善で、これは効果がとても大きいです。アクセサリーというと眉に唾をつけたくなる人がいると思いますが、この効果はだれにもすぐにわかるくらい大きいと思います。

IMG_9494_filtered[1].jpg  IMG_9501_filtered[1].jpg

またiPurifier DCのもうひとつの良いところは簡単ということで、単にケーブルのプラグと機器側のプラグの間に挿入するだけです。プラグの径が異なっても大丈夫なようにいくつかのアダプターも入っています。

IMG_9511_filtered[1].jpg  IMG_9510_filtered[1].jpg
左:標準状態、右:iPurifier DC使用

実際に最近よく使っているUSB DACであるLH LabのGeek Pulseに使ってみました。Pulseを注文するときに専用電源のオプションもあったのですがまあよいかと思っていたんですが、Geek Pulseの音がとてもよかったので注文しておけばよかったと後悔してしまっていたところでした。Geek Pulseでは標準のままですぐにiPurifierが使えました。
iPurifier DCを入れて気が付くのはまず透明感がぐっと上がり、音に力強さがみなぎり豊かさが感じられます。音場も開けたように感じられ、声はより明瞭に聞こえるようになります。アカペラコーラスでの透明感は際立っています。元の状態のiPurifierなしに戻すとちょっとこもった、こじんまりとした感じがしてしまいます。実のところ音の差は切り替えて確かめなくても、いつも聴いてる機材ならすぐわかるでしょう。
おそらく試しに一個買ってみて、すぐにもう一個ほしくなる人が多いのではないかと思います。ぜひ使ってみてください。ホームページは下記リンクです。
http://ifi-audio.jp/ipurifierdc.html

Amazonでも購入することができます。


posted by ささき at 19:29 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする