HeadFiで紹介されていたんですが、ここにもうひとつ加わったTeclast T51を買ってみました。これも中国製でiP○d Touchに似た外観を持ち大画面タッチパネルや動画再生機能も持つ多機能DAPですが、かなり音質にも力が入っているのが特徴です。またFLACにも対応しています。


T51の売りとしてはDACチップにWolfsonのWM8740を左右チャンネル専用に2個持っていることです。WM8740はiBasso D10なんかに使われています。それを高性能のOPA2604で受けて前段を構成して、ここからラインアウトを取り出すことができます。プレーヤーのアンプ部分はTDA1308というヘッドホン用オペアンプです。
音質はDAP単体でみてもかなり良いと思いますが、ここはDAPにしてはということでHiFiMan HM801のように単体で軽くポータブルアンプシステムを凌駕するというようなレベルではないです。AMP3とは少し試してみないとどちらともいえません。
iPod/iPhoneなどと比較するとより滑らかで音の芯がしっかりしていて、低域によく重みが乗っていてインパクトがあります。また適度なウォーム感があります。この手のDAPにありがちな荒さ軽さが少なく、かつ聴きやすくほどよく味付けされてます。
T51のハイライトはやはりWM8740x2 + OPA2604という前段部分で、ここでかなり電気を食うせいか、電池の持ちはこの手としてはかなり少ない10時間程度のようです。
そこでHifiMan HM801によってポータブルアンプが余ってしまった身としては、T51をラインアウトで使ってiModに変わるポータブルソース機材としてSR71Aに持っていくなどして少し活用を図ろうかと考えてます。
D10みたいな光入力デバイスを使うのはもともとiPodの内蔵DACだと物足りないので、外部DACを利用したいということです。ただしこの場合はD10の性能不足のアンプ部分に足を引きずられてしまいます。ソースに強力なDACを持つT51ならソース部として使って、強力なSR71などをアンプ部として使えるというわけです。
アナログ接続ならまたケーブルでも音を変えられますしね。


そこで簡単に同じALOのCryo SXCケーブルを使ってiModからLOD付SXCと、T51からmini-miniプラグSXCで比べてみました。そうすると鮮明さと細やかさでiModを上回る良さを感じます。
この辺はもう少し調べてみたいですね。
操作系についても簡単に触れますが、ボリュームは底面のダイヤルノブで上下させます。楽曲ファイルの再生はわたしはFLACを使っています。曲選択や大方のコマンドは画面タッチとか指スライドで行います。タッチについてはやはりiPhoneあたりよりはかなり荒い感じです。
良い点はディレクトリ移動できるので、タグがいい加減でも大丈夫です。しかし日本語ファイル名は表示できず、また再生もできないようです。
わたしが買ったのは8GBモデルですがMicroSDカードで増設ができます。(TFカードというのはMicroSDカードの別名です)
HeadFiに載ってたowntaで$160程度の価格で購入しました。owntaからだとマニュアルは中国語になります。いまだと国外出荷でも送料無料となるようです。
http://www.ownta.com/teclast-t51-pmp-audiophile-quality-mp5-player-8gb.html
T51のOEM?でリブランドして販売するものにs:flo2という兄弟機があります。こちらはバッテリーの容量が増えているという情報もありますが、待てる人はこちらを買うのも手かもしれません。
ただ発売時期はMP4nationのビデオでは10月末となっていましたが、よくはわかりません。
T51の初期設定の言語はわたしのは英語になっていたんですが、おそらくowntaがいったん開封して外国向けには英語にしているのではないかと思います。また音のEQの初期設定がplayFX=3Dとなっているのですが、これは動画用のバーチャルサラウンドみたいなものだと思います。音楽向けには切っておいたほうがいいと思います。
なおowntaのページにはMP5 Playerとありますが、MP5というのは中国だけで流通している言葉のようで、一般的な規格のMP3(MPEG1 audio Layer3)やMP4とはあまり関係ないようです。
再生形式の差もあるといいますが、おそらく中国オーディオ界のはやり言葉で従来の動画再生できるMP4プレーヤーを越える機能や動画再生力を持った新世代プレーヤー、みたいなニュアンスのようです。もうMP6という言葉もでているという話もあり、そこは適当に考えておけばよいのではないでしょうか。また中国にはこんな言葉ができるくらいにそうした市場や製品があるということなんでしょう。
実際にTeclast自体はMP5という言葉を使っていません。高音質MP4プレーヤーということですが、こちらの方が正しいでしょうね。
(teclast社のホームページアドレスはMcafee SiteAdvisorで警告が出ているのでここには乗せません)
それといろいろいじってみて気がつきましたけど、中国のDAPは共通のDAP(PMP)用OSコアがなにかあるみたいですね。それもあってEQのない機種でもEQが画面に出てしまったりというのがあるのではないかと思います。またそうしたものがあるので、こうした付加価値的な高音質DAPが出てきやすいのだと思います。
T51は中身はいいのに全体的にややモドキ感があるのがもったいないところです。中国オーディオもそうしたところから脱却するとなかなか手ごわいものになると思います。
たとえば音はいいけど電池は数時間しか持ちません、といったら日本の企業なら会議であっさり一蹴されるでしょう。高音質DAC元年と書きましたけど、そういうニッチ分野にさっと出せるところは中国オーディオの強みだと思います。