デジタル構成であっても、やはりケーブルの重要性は変わらないと思います。
iBasso D1のときに推奨する光ケーブルとしてカナダのSys Conceptを紹介しました。
こちらのリンク先の記事です。
https://blog.seesaa.jp/pages/my/blog/article/edit/input?id=66362202
これはU字型(U-shape)と呼んでいる構成で、ケーブルとL字型の90度アダプタ2個から構成されます。
直前の記事で紹介したPortable Micro 2007でも当然Sys Conceptのケーブルを使いますが、D1とはややコネクタ間ギャップが異なります。実際にD1用をHeadroomに付けてみるとやや変形してしまいます。(ただ音質には影響しなさそうです)
またD1とPortable Micro 2007の違いは光プラグがPortable Micro 2007ではミニであるということです。
その点からPortable Micro 2007用にもU字型(U-shape)を構成するケーブルをひとセット新規に注文することにしました。
そのついでにケーブルをさらにコンパクトにするためSys Conceptの担当者と話してコネクタカバー(shell)の除去をお願いしました。
結果がなかなか良かったので、また写真を提供して欲しいということで、またページ作成に協力しました。下記のページです。
http://www.sys-concept.com/U-toslink_miniplug.html
それについてここで記事を書きます。内容はやや複雑ですが、写真で見てもらうと分かりやすいと思います。
まずSys Conceptの担当者の話ではコネクタカバーは単に取り回しと外観のためだけなので、音質には影響しないということです。
そのさいにSys Conceptからの提案でカバー部分のジャケットを最小の2mmよりも少し余裕のある5mmにすることできれいに処理できるということで、それを頼んでみたところなかなかきれいにできました。それが今回のケーブルです。この場合でもトータルの長さは同じ(25mmギャップで94mm)ということです。
頼んだのは次の3種類です。英語表記では光のミニ端子はmini、光の角端子はTOSです。
1. ShellありのTOS-TOSプレミアムケーブル
2. ShellなしのTOS-TOSプレミアムケーブル
3. Shellなしのmini-miniプレミアムケーブル
この他にL字型の90度アダプタ2個を追加で注文しています。
1は前回と同じということで比較用です。
2は今回の目玉です。L字アダプターを使うので端末はTOSになります。
3はU字を曲げないで(アダプタを介さないで)接続するためです。
2-1. ケーブル単体の比較
下のケーブルがShellなしのものですが、Shellを取り除くことでかなりコンパクトになっているのが分かります。
2-2. U字型の接続において、Shellありとなしの比較
上がShellなしのケーブルで下がD1のときと同じShellありのものです。
出っ張りが小さくなっているので、バッグから出し入れするときにスムーズになりました。
2-3. 直接ミニミニで接続した例
U字型はバッグに縦に入れる時、mini-miniは横に寝せて入れる時に便利です。わたしは主にU字型のShellなしを使います。
U字型はアダプターを介しますが、音質には大きな違いはないように思います。
さきに書いたようにU字型の接続については90度に曲げるアダプターが二つ必要です。これにもTOS-miniとTOS-TOSがありますので、注文の際には注意が必要です。D1のときには片方(iHP側)がTOS-miniで、D1側がTOS-TOSです。Headroomでは両方ともTOS-miniです。
コネクタ間ギャップですが、Portable Micro 2007では実測で2.5cm(25mm)です。D1では3.0cmでした。Sys Conceptはカナダなのでメートル法表記でかまいません。
U字型でShellなしを注文する際には長さでSを選んだ後に、コメント欄にRemove color shellと注釈を付けておけばよいと思います。(色指定は無効になります)
なお、コメント欄には郵送形式の指定も必要です。わたしはsmall air packetにしましたが、約一週間ほどで付きました。
なおSys Conceptではクレジットで払うので送料はむこうが調整したのちにチャージされます。
Music TO GO!
2008年03月12日
2008年03月11日
Headroom Micro Portable 2007
1. HeadroomとMicro Portable 2007について
Headroom Micro Portable 2007はMicro Stackと呼ばれていたMicro DACとMicro ampが一体になったDAC内蔵型ポータブルアンプです。
Headroomはヘッドホンアンプでは一番の老舗と言えますが、ラインナップも豊富で製品は小さいポータブルのAirHeadから最強デスクトップのMaxまでいくつかの階層レベルで区別されます。また内蔵するDACやアンプのグレードなどオプションも多岐にわたり、モジュール化されています。
やや複雑になっていますが、最近はバージョンを示すために2006や2007という年号をつけて区別するようになりました。たとえば「2006のDesktopモジュールと2007のMicroモジュールを比べると音質は...」という具合です。年号で呼ぶようになったのは昨年のHeadFi全国大会のあたりにバッファのディスクリート化など大きな改修をしたあたりからだったと思います。(ちなみに車などでもありますが、アメリカにはイヤーモデルを設けて改良するという慣習があるようです)
Micro系列は昨年の記事でも書きましたが、ラインナップが増えた分で電池駆動できるものとできないものに分かれました。電池駆動できるのはこのMicro Portable 2007だけです。ほかのモデルはいわばコンパクト・デスクトップという感じでしょう。実際のところ、Headroomは今はデスクトップスピーカーやアンプも販売したりしていますので、その辺も踏まえての分化と言えるのかもしれません。
いままでのラインナップではMicroはポータブルの単体DACであるMicroDACと同じ筺体でポータブルアンプのMicroAmpに分かれていました。そのMicroDACとMicroAmpを組み合わせたある意味ポータブルでは最強の組み合わせをMicro Stackと言っていました。以前のMicroDAC関連の記事にあるようにわたしもとSR71とあわせてMicroDACを使っていましたが、音は良いとは言え、プレーヤーを含めて3ピースのボディを持つというのはかなりかさばります。そのMicro Stackを一体にしたものがこのMicro Portable 2007で、いわば待ち望んでいたものです。
Micro Portable 2007はHeadFiの昨年の全国大会で披露されたのが始めだと思います。ただしポータブルのDAC一体型アンプとしては先に発売されたiBasso D1に話題をさらわれた形となってしまいました。
ボディーはDAC内蔵と言うこともあってやや大きめですが基本的には前作Microと同じです。かなり頑丈でHeadroomのTyllさんいわく車に踏まれても壊れないが、テストをするのはお勧めしかねるということです。並べてみるとiBasso D1とほぼ同じ大きさです。
筺体はMicroと同じものを使用していますが、電池は9Vではなく7.4V 2200mahの内蔵充電池になりました。内蔵充電池は最近のトレンドの一つで長短あるとは思いますが、Micro Portable 2007ではこの大容量を電池の持ちというよりは音質の方に振って内蔵DAC運用やアンプのA級バイアスに使用して高音質を得ているようです。
電池の持ちはアンプ単体で15-20hということで、DAC併用だともっと短くなるとのこと。正確に測っていませんが、日中はずっと演奏続けても大丈夫なのでそれほど短いということはないとおもいます。実際のところ、同時に使っているとiHP140の方が先に何回か切れてしまいます。わずか数時間というMicro DACから思うと長足の進歩と言えます。
Micro Portable 2007に関しては仕様がはっきりしなかったのですが、LT6234が前段でAD8397を出力用として使用しているとのこと。またDACチップはMicro DACのときのようにシーラスロジックのCS4398ではなく、TIのPCM1793です。これはなぜかホームページには記載がなく、マニュアルの方に記載があります。
マニュアルでは入力切り替えがMicroDACのようにスイッチになっていますが、実際はiBasso D1のように自動で切り替わります。注意が必要なのは、D1では電源が立ち上がっていたときに接続されていたポートをチップで検知して切り替えを行いますが、Micro Portable 2007では多少異なります。
優先順位は1.アナログ -> 2.USB -> 3.光(同軸)となります(HeadfiのHeadroomフォーラムで直接確かめています)。
まずアナログ入力があるかないかはメカスイッチで検知されて優先になり、デジタルの中では入力ポートは常にスキャンされているようです。
そのため、D1の場合はもしiHP140を先に立ち上げていないと(あるいは光出力がOnになっていないと)、アンプを立ち上げなおし(リブート?)しなければなりませんが、Micro Portable 2007ではさきにアンプを立ち上げておいてもかまいません。その代りD1ではひとつのポートをアナログIN/OUTの両用として使えるという柔軟性があります。
またMicro Portableの場合はDACからの出力はラインレベルアウトはなく、プリアウトのみになります。
2. ポータブルアンプとしてのMicro Portable 2007
製品発売のアナウンスはMicro Portable 2007の方が早かったのですが、発売はD1が先になりました。リリースに時間がかかったのでiBasso D1にお株を取られた感はありますが、それだけのものはあります。
Micro Portable 2007の能力はiPodのアンプとして使ってもかなりのものがあり、SR71やMOVEなどと比べても引けを取るものではありません。一長一短あるけれども、DCアンプをうたっているせいか特に低域方向には強くて適度な重みが載っていて力強くしっかりした印象があります。説明書にもシグナルパスの最短化を意識したと記載されていて、全体にHeadroomのデスクトップ機を思わせる歯切れのよいダイナミックなスピード感が感じられ、Headroomの音作りの統一性も感じます。Micro Portable 2007の大きさはネックですが、大容量のバッテリーがこれらをもたらしたというとうなづける点はあります。
3. DAC一体型アンプとしてのMicro Portable 2007
システムはiHP-140とSys-Conceptの光ケーブルでMicro Portable 2007につないでいます。(一番上の画像です)
Sys-Conceptの光ケーブルは今回特注したさらに短いものですが、それは別に記事にします。
iHP-140にはOSとしてRockboxを入れてAppleロスレスをソースとして使用可能にしています。
端的に言うとトータルのDAC/Amp一体型として使用した場合、ポータブルシステムとしての音の再現力はiPodベースのシステムとは一線を画していて、iBasso D1も上回ります。
ただしヘッドホンを選びます。選ぶというのは、これだけの再現力を引き出すためにはそれなりのヘッドホンが必要であるということです。
いまのところ、これはという組み合わせはHD25-1 + Apuresoundケーブルです。まずスピード感と音のアタックが尋常ではありません。バンっというたたきつけるような音の切れ味はかつて感じたことのない気持ち良さを味わえます。特に低い打音で顕著に良さを実感できますが、これはアンプでのダンピングの高さとDACでのジッター低減の両方がそろっていないとなかなか実現できないと思います。また低音にたっぷりと重みが載っていて、薄さ軽さはありません。音は直線的に伸びていき、あいまいさはなくやや硬質感を感じるくらいです。
この気持ち良さにはHD25-1の適度なインピーダンスの高さと銀を主体にしたApuresoundケーブルの切れ味というのも加味されていると思います。
情報量と細部の解像力もかなりのレベルでiPodベースではなんとなく聞こえるようなライブ背景の客のささやきは、このシステムでははっきりとヴォーカルやギターの音と同一の主張を持つに至り、レイヤーを持った重なりとしてライブのリアルさを演出する一員となります。
また背景の黒さも特筆もので、いままでのアンプでもトップクラスと言えると思います。これはSNの向上や高感度IEMと合わせたときに実感できます。
2ピース構成でDAC込みとは言え、さすがにやや大きめではあります。しかしいったんこのくらいの音を聞いてしまうと手放せなくなってしまいます。これを聴くと美は細部に宿るという意味を再確認できます。まさに戸外で妥協なくオーディオを楽しんでいるという感じです。オーディオ趣味というのは単に音楽を聴くというところからさらに一歩踏み込んだ所にあると思います。そこを一歩踏み込むところの面白さ、というのを実感できると言えるかもしれません。
ただHD25だとシャープさは申し分ないんですが、どうしても音がコンパクトになってしまいます。その分で耳に近く、密度感のある濃いサウンドが楽しめますが、HD25の大きさでもうちょっと空間表現の豊かなハイエンド・ポータブルがほしいところです。
つまり良くなれば良くなるだけ欲が出る、というわけですね。
2007年08月08日
iMod 5.5GとMicroDAC
前の記事に書いたiBasso D1はHeadRoomのNew Micro portableと同様なDACとポータブルアンプの複合機です。
また少し前に書いたHeadampのプロトタイプは光入力がなくUSBに特化していますがやはりこうしたDAC/Ampの複合機といえます。
ここにきて面白いことに本格的なDACとポータブルアンプの複合機がこのようにそろってきたということになります。
(BitheadやMOVEのようにUSBレシーバーを簡易DACに使うものはこうしたグループとは別にすべきでしょう)
これらはPCを手軽にソースにできるという利点もありますが、もちろんポータブル環境の音質向上にも役に立ちそうです。
実際ポータブルアンプもかなり出てきましたが、やはりトップの方は甲乙つけがたいというレベルにあると思いますし、電池駆動・サイズの制約上はそう画期的な音質向上というのは難しいと思います。またヘッドホンのほうも結局はHD25や高性能IEMを使うというところに限られてしまいます。
そうするといままであまり手付かずだった、ソース(プレーヤーとDAC)の方の品質というのがクローズアップされてくると思います。
ちなみにHeadampのNew Micro portableとiBasso D1はともにCS4398というシーラスロジックのDACチップを使用していて、これはわたしの持っているHeadroom MicroDACとも同じです。
そこでiMod 5.5Gの実力把握も兼ねながらMicroDACの再評価をしてみることにしました。
MicroDACは電池食いなのでMAHA 9V 300mAh(実質8.4Vのタイプ)を使用しています。SR71との大きさの比較は下の写真のようになります。
1.iHP-140(オリジナルファーム)トランスポート
はじめにiHP-140をトランスポート(デジタルのソース)として使用します。まずオリジナルファームで試した後にRockboxをインストールしてまた比較します。iMod5.5GにはRockboxをインストールしていません。
楽曲データはiHP-140はWaveファイルでiMod5.5GはApple losslessです。iHP-140のRockboxでは一部Apple Loslessでもテストしています。
システムは下記のようになります。アンプとIEMはiModとMicroDACで同じものです。
* iHP140(オリジナルファーム) + 光ケーブル + MicroDAC + RnBケーブル + SR71 + triple.fi
(下の写真)
* iMod5.5G(オリジナルファーム) + Cryo X Silverドック + SR71 + triple.fi
まずぱっと聴いて大きく違うのは出力レベルの差でiHP-140/MicroDACのほうがかなり大きく力強く聴こえます。
ライン出力はiPodが1V前後のところがMicroDACはCDプレーヤー並みの2V前後あるのでこのような差が出るのでしょう。
双方でボリュームレベルを合わせても、MicroDACのほうが力強さは感じます。
聴き比べてみるとMicroDACの方が全体にやや音の輪郭がはっきりしていて分離感がよく、SNが高くくっきりと聴こえます。特にアコースティックベースの解像感が良いようです。また高域が鋭く伸びているように思えます。
たしかにDACとしてはMicroDACの方がiMod5.5Gより一枚上手に思えますが、どのくらい差があるかというとそう劇的に違うというほどでもないように感じます。iMod5.5GもDAPのDACにしてはかなり健闘しているという感じです。
比べるとiMod5.5Gは全体にやや甘目というか柔らかめでもあり、あまり押しが強くなくエッジに丸みが感じられるiMod5.5Gのほうがシステムによっては聴きやすいと感じるかもしれません。ただしMicroDACと比べるのでなければ、iMod 5.5Gの音のエッジが丸いとは思わないでしょう。
2.iHP-140(Rockbox)トランスポート
次にiHP-140のファームをRockbox化してみます。
iHP-140をRockbox化しても光出力は使用できます(opticalのスイッチはplaybackメニューにあります)。
Rockbox化はiPodとはやや異なっていてブートローダーのパッチを行なわなければなりません。そのパッチしたブートローダーをiHP本体からファームのアップデートを行なうことで反映(アップロード)させます。この辺がiPodでのipodpatcherの作業に相当するようです。
またブートローダーにUSBモードがあり、これはiPodで言うところのエマージェンシーハードディスクモードに相当する機能の代替となりますので、かなり便利な機能です。そのためRockboxが不要になってもパッチをあてたブートローダーはキープしていたほうがよいとマニュアルに書かれています。
(/.rockboxがないと自動的にオリジナルファームを読みに行くようです)
やってみるとiHP-140の場合はiPodに比べるとRockbox化したときの音質面での差は小さいように思えます。特にiPodでは音の性格自体が変わってしまうのに対して、iHPの場合は音の性格的なものもあまり大きく変わらないように感じられます。
よくRockboxで音質が変わるかどうかということが議論されたりしますが、実際にiPodとiHPではその辺が違うようにも思えますので、意見の相違はそうしたところからも出るのかもしれません。
(デジタルでもアナログでもほぼ同傾向だと思います)
一方でiPodの場合はRockbox化すると操作性がかなり悪く感じるけれども、iHPの場合はかえってRockboxの方が使いやすいと思います。ただ反応の鈍さはややあるようです。
またRockboxではApple losslessが使えるというところがよいところです
3. PC(iTunes/Winamp)トランスポート
最後にPCをソース(トランスポート)にしてみます。PCとはUSBで接続します。USBドライバは標準のものです。このときにはアプリがiTunesかWinampかで音質に違いが出ます。WinampはALACプラグインをインストールしてApple Losslessで聴きます。
システムはこうなります。
PC(DELL) + USBケーブル + MicroDAC + RnBケーブル + SR71 + triple.fi
このときにiTunesだと差は分かるくらいあるけれども、大差というほどは感じない。iHP140(オリジナルファーム)+MicroDACとほぼ同程度の音質と感じます。
WinAmpだと低域に強みが出て全体により音質が向上します。iMod5.5Gとはやや差が出てきたという感じでMicroDACのポテンシャルは高いと思います。ただこれでも圧倒的な差というほどではないかもしれません。
こうして見るとポータブルのDACといっても送り出しのトランスポート(この場合はソフトウエアも含まれる)でずいぶんと違いが生じます。
ちなみにMicroDACの前面パネルの画像を掲載しておきます。
左からLINE(アナログ) OUT, デジタル入力(光/同軸), USB入力, 入力切替, 電源切り替え(パワースイッチを兼ねる)
後面には電池室カバーと専用電源からのジャックがあります。
また少し前に書いたHeadampのプロトタイプは光入力がなくUSBに特化していますがやはりこうしたDAC/Ampの複合機といえます。
ここにきて面白いことに本格的なDACとポータブルアンプの複合機がこのようにそろってきたということになります。
(BitheadやMOVEのようにUSBレシーバーを簡易DACに使うものはこうしたグループとは別にすべきでしょう)
これらはPCを手軽にソースにできるという利点もありますが、もちろんポータブル環境の音質向上にも役に立ちそうです。
実際ポータブルアンプもかなり出てきましたが、やはりトップの方は甲乙つけがたいというレベルにあると思いますし、電池駆動・サイズの制約上はそう画期的な音質向上というのは難しいと思います。またヘッドホンのほうも結局はHD25や高性能IEMを使うというところに限られてしまいます。
そうするといままであまり手付かずだった、ソース(プレーヤーとDAC)の方の品質というのがクローズアップされてくると思います。
ちなみにHeadampのNew Micro portableとiBasso D1はともにCS4398というシーラスロジックのDACチップを使用していて、これはわたしの持っているHeadroom MicroDACとも同じです。
そこでiMod 5.5Gの実力把握も兼ねながらMicroDACの再評価をしてみることにしました。
MicroDACは電池食いなのでMAHA 9V 300mAh(実質8.4Vのタイプ)を使用しています。SR71との大きさの比較は下の写真のようになります。
1.iHP-140(オリジナルファーム)トランスポート
はじめにiHP-140をトランスポート(デジタルのソース)として使用します。まずオリジナルファームで試した後にRockboxをインストールしてまた比較します。iMod5.5GにはRockboxをインストールしていません。
楽曲データはiHP-140はWaveファイルでiMod5.5GはApple losslessです。iHP-140のRockboxでは一部Apple Loslessでもテストしています。
システムは下記のようになります。アンプとIEMはiModとMicroDACで同じものです。
* iHP140(オリジナルファーム) + 光ケーブル + MicroDAC + RnBケーブル + SR71 + triple.fi
(下の写真)
* iMod5.5G(オリジナルファーム) + Cryo X Silverドック + SR71 + triple.fi
まずぱっと聴いて大きく違うのは出力レベルの差でiHP-140/MicroDACのほうがかなり大きく力強く聴こえます。
ライン出力はiPodが1V前後のところがMicroDACはCDプレーヤー並みの2V前後あるのでこのような差が出るのでしょう。
双方でボリュームレベルを合わせても、MicroDACのほうが力強さは感じます。
聴き比べてみるとMicroDACの方が全体にやや音の輪郭がはっきりしていて分離感がよく、SNが高くくっきりと聴こえます。特にアコースティックベースの解像感が良いようです。また高域が鋭く伸びているように思えます。
たしかにDACとしてはMicroDACの方がiMod5.5Gより一枚上手に思えますが、どのくらい差があるかというとそう劇的に違うというほどでもないように感じます。iMod5.5GもDAPのDACにしてはかなり健闘しているという感じです。
比べるとiMod5.5Gは全体にやや甘目というか柔らかめでもあり、あまり押しが強くなくエッジに丸みが感じられるiMod5.5Gのほうがシステムによっては聴きやすいと感じるかもしれません。ただしMicroDACと比べるのでなければ、iMod 5.5Gの音のエッジが丸いとは思わないでしょう。
2.iHP-140(Rockbox)トランスポート
次にiHP-140のファームをRockbox化してみます。
iHP-140をRockbox化しても光出力は使用できます(opticalのスイッチはplaybackメニューにあります)。
Rockbox化はiPodとはやや異なっていてブートローダーのパッチを行なわなければなりません。そのパッチしたブートローダーをiHP本体からファームのアップデートを行なうことで反映(アップロード)させます。この辺がiPodでのipodpatcherの作業に相当するようです。
またブートローダーにUSBモードがあり、これはiPodで言うところのエマージェンシーハードディスクモードに相当する機能の代替となりますので、かなり便利な機能です。そのためRockboxが不要になってもパッチをあてたブートローダーはキープしていたほうがよいとマニュアルに書かれています。
(/.rockboxがないと自動的にオリジナルファームを読みに行くようです)
やってみるとiHP-140の場合はiPodに比べるとRockbox化したときの音質面での差は小さいように思えます。特にiPodでは音の性格自体が変わってしまうのに対して、iHPの場合は音の性格的なものもあまり大きく変わらないように感じられます。
よくRockboxで音質が変わるかどうかということが議論されたりしますが、実際にiPodとiHPではその辺が違うようにも思えますので、意見の相違はそうしたところからも出るのかもしれません。
(デジタルでもアナログでもほぼ同傾向だと思います)
一方でiPodの場合はRockbox化すると操作性がかなり悪く感じるけれども、iHPの場合はかえってRockboxの方が使いやすいと思います。ただ反応の鈍さはややあるようです。
またRockboxではApple losslessが使えるというところがよいところです
3. PC(iTunes/Winamp)トランスポート
最後にPCをソース(トランスポート)にしてみます。PCとはUSBで接続します。USBドライバは標準のものです。このときにはアプリがiTunesかWinampかで音質に違いが出ます。WinampはALACプラグインをインストールしてApple Losslessで聴きます。
システムはこうなります。
PC(DELL) + USBケーブル + MicroDAC + RnBケーブル + SR71 + triple.fi
このときにiTunesだと差は分かるくらいあるけれども、大差というほどは感じない。iHP140(オリジナルファーム)+MicroDACとほぼ同程度の音質と感じます。
WinAmpだと低域に強みが出て全体により音質が向上します。iMod5.5Gとはやや差が出てきたという感じでMicroDACのポテンシャルは高いと思います。ただこれでも圧倒的な差というほどではないかもしれません。
こうして見るとポータブルのDACといっても送り出しのトランスポート(この場合はソフトウエアも含まれる)でずいぶんと違いが生じます。
ちなみにMicroDACの前面パネルの画像を掲載しておきます。
左からLINE(アナログ) OUT, デジタル入力(光/同軸), USB入力, 入力切替, 電源切り替え(パワースイッチを兼ねる)
後面には電池室カバーと専用電源からのジャックがあります。
2007年07月20日
HeadroomのDAC/AmpポータブルとHomeポータブル
何回か書きましたが、HeadroomのDAC付のポータブルアンプがプリオーダーを開始したようです。
http://www.headphone.com/products/headphone-amps/the-micro-line/2007-headroom-portable-micro-amp.php
やはりわたしは光がついていた方がいいですね。
あと大きい方のDesktopポータブルも出ていますが、これはMaxモジュールではなくHomeモジュールのようですね。LISAIIIの対抗となるでしょうか?
http://www.headphone.com/products/headphone-amps/the-desktop-line/2007-headroom-portable-desktop-amp.php
http://www.headphone.com/products/headphone-amps/the-micro-line/2007-headroom-portable-micro-amp.php
やはりわたしは光がついていた方がいいですね。
あと大きい方のDesktopポータブルも出ていますが、これはMaxモジュールではなくHomeモジュールのようですね。LISAIIIの対抗となるでしょうか?
http://www.headphone.com/products/headphone-amps/the-desktop-line/2007-headroom-portable-desktop-amp.php
2005年09月03日
MicroDACとポータブルシステム
ブログのいい点は手軽で思いついたときに少しずつ記述できることですが、反面でホームページと違って記事がばらばらになりやすくまとまりが付きにくいことがあります。
そこでいままでのポータブルシステムも含めて少しまとめてみます。
まずMicroDAC導入前のポータブルシステムは上のようなものでした。
ソースはiPodでそれにポケットドックをつけてLine Out出力を出し、mini-miniケーブルのSilverDragonでポータブルアンプのSR-71と接続します。
SR-71からはHeadphileのSennV2ケーブルを交換したゼンハイザーHD25をつないでいます。
MicroDACの導入後はこうなっています。
ソースのところがiPodからiHP140+MicroDACに置き換わっています。つまりデジタル信号の取り出し(トランスポート)とDA変換を分業させたわけです。iHP140からは光デジタル出力でMicroDACの光入力にTOSLinkで接続します。
MicroDACでDA変換を行い、今度はアナログ出力端子からSilverDragonでSR-71と接続します。
いまのところの現実的な問題点はMicroDACの電池消費が激しすぎるというのがあります。なんと2時間くらいしか持たないようです(あとで書きますが現在は9Vも充電池を使っています)。あまり早くなくなったのではじめは故障かと思いましたが、残った電池をSR-71の方に入れるとやはり10分ほどで電池切れの症状を起こすのできちんと使い切っているようです。これも充電してみると片減りしているような気もするので少し調べないといけませんが、、
また実際のところ+300g程度といってもそれなりにはかさばるわけで、だんだんデンスケを背負っているのにウォークマンだと主張しているような気もしてきましたが(笑)まあ趣味とはおバカなことをやるものでして。。
しかしこの音の世界ははまると元にはもどれなくなります。iPodをソースに使っていたのに比べると音のレベルは数段違います。
とくにヴォーカルは秀逸で厚みがあってリアルな肉質感があります。全体にややウォームトーンなのもヴォーカルのよさを引き立てていると思います。細身ではなく太くて声量のあるヴォーカルほど感動的に聴こえます。
また、Waveでならばいままで背景に埋もれていたものに実は音楽が隠されていたということが分かる情報量の豊かさがあります。それが優れたホールやスタジオの空間再現を生んでいます。
ひとつひとつの楽器の音はさらに磨かれたかのように光っています。このくらいのレベルになると録音の質が大きくリスニングを左右しますね。
このシステムではジャズが一番相性がいいと思います。ただSR-71単独だった前のシステムだとポップ・ロックはさほど気を引かないと書きましたが、このシステムではなぜか電子音関係の再現も高く、チャンネルセパレーションも良好なためか左右に音が飛び回るような打ち込み系・エレクトロニカなども気持ちよく聴けます。おそらくAvex系のJ-Popもいいと思われます。
わたしも十分にまだ聴きこんでいないので音質評価はまだこれからですが、カバンに入るくらいのポータブルとしては驚くほどのパフォーマンスがあると思います。いままでよくポータブルで「オーディオっぽい」という表現を使っていましたが、これはもうオーディオそのものというか、それもけっこうなレベルの音だと思います。
MicroDACで使われているシーラスロジックのCS4398というとここにあるような最近出た50万円クラスのCD/SACDプレーヤーにも搭載されるようなチップですので、それだけでもかなりのグレードのものだということが分かると思います。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050901/teac.htm
前のシステムのときはSR-71の性能に比するとソース(iPod)かヘッドホンが弱いと感じましたのでMicroDACを入れたわけですが、今度はMicroDACのポテンシャルの前にはSR-71が力不足に思えてきます。やや高域が延びきらないでロールオフする感じもありますが、あとやっぱりヘッドホンもなあ。。(爆)
しかしもとはVAIO Pocket+E3cあたりからはじまって思えば遠くに来たものだ。。と言いつつ結局iPod shuffleを取り出したりして(笑)
そこでいままでのポータブルシステムも含めて少しまとめてみます。
まずMicroDAC導入前のポータブルシステムは上のようなものでした。
ソースはiPodでそれにポケットドックをつけてLine Out出力を出し、mini-miniケーブルのSilverDragonでポータブルアンプのSR-71と接続します。
SR-71からはHeadphileのSennV2ケーブルを交換したゼンハイザーHD25をつないでいます。
MicroDACの導入後はこうなっています。
ソースのところがiPodからiHP140+MicroDACに置き換わっています。つまりデジタル信号の取り出し(トランスポート)とDA変換を分業させたわけです。iHP140からは光デジタル出力でMicroDACの光入力にTOSLinkで接続します。
MicroDACでDA変換を行い、今度はアナログ出力端子からSilverDragonでSR-71と接続します。
いまのところの現実的な問題点はMicroDACの電池消費が激しすぎるというのがあります。なんと2時間くらいしか持たないようです(あとで書きますが現在は9Vも充電池を使っています)。あまり早くなくなったのではじめは故障かと思いましたが、残った電池をSR-71の方に入れるとやはり10分ほどで電池切れの症状を起こすのできちんと使い切っているようです。これも充電してみると片減りしているような気もするので少し調べないといけませんが、、
また実際のところ+300g程度といってもそれなりにはかさばるわけで、だんだんデンスケを背負っているのにウォークマンだと主張しているような気もしてきましたが(笑)まあ趣味とはおバカなことをやるものでして。。
しかしこの音の世界ははまると元にはもどれなくなります。iPodをソースに使っていたのに比べると音のレベルは数段違います。
とくにヴォーカルは秀逸で厚みがあってリアルな肉質感があります。全体にややウォームトーンなのもヴォーカルのよさを引き立てていると思います。細身ではなく太くて声量のあるヴォーカルほど感動的に聴こえます。
また、Waveでならばいままで背景に埋もれていたものに実は音楽が隠されていたということが分かる情報量の豊かさがあります。それが優れたホールやスタジオの空間再現を生んでいます。
ひとつひとつの楽器の音はさらに磨かれたかのように光っています。このくらいのレベルになると録音の質が大きくリスニングを左右しますね。
このシステムではジャズが一番相性がいいと思います。ただSR-71単独だった前のシステムだとポップ・ロックはさほど気を引かないと書きましたが、このシステムではなぜか電子音関係の再現も高く、チャンネルセパレーションも良好なためか左右に音が飛び回るような打ち込み系・エレクトロニカなども気持ちよく聴けます。おそらくAvex系のJ-Popもいいと思われます。
わたしも十分にまだ聴きこんでいないので音質評価はまだこれからですが、カバンに入るくらいのポータブルとしては驚くほどのパフォーマンスがあると思います。いままでよくポータブルで「オーディオっぽい」という表現を使っていましたが、これはもうオーディオそのものというか、それもけっこうなレベルの音だと思います。
MicroDACで使われているシーラスロジックのCS4398というとここにあるような最近出た50万円クラスのCD/SACDプレーヤーにも搭載されるようなチップですので、それだけでもかなりのグレードのものだということが分かると思います。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050901/teac.htm
前のシステムのときはSR-71の性能に比するとソース(iPod)かヘッドホンが弱いと感じましたのでMicroDACを入れたわけですが、今度はMicroDACのポテンシャルの前にはSR-71が力不足に思えてきます。やや高域が延びきらないでロールオフする感じもありますが、あとやっぱりヘッドホンもなあ。。(爆)
しかしもとはVAIO Pocket+E3cあたりからはじまって思えば遠くに来たものだ。。と言いつつ結局iPod shuffleを取り出したりして(笑)
2005年09月01日
デジタルプレーヤーiRiver iHP-140
さてMicroDACとポータブルシステムのことを書く前に、ここでiRiverのiHP140を紹介します。iHP140はiPodのようなハードディスクタイプのポータブルオーディオプレーヤーです。
http://www.iriver.co.jp/product/?H100
なぜiHP140か、というと端的に言うとハードディスクプレーヤーとしては珍しくデジタルアウトがあるからです。これはMicroDACをポータブルで使うためには必要なことです。
それともう一点は後で書きますが、PC上のさまざまなソフトウエアやCODECとの親和性です。この二点がPCとポータブルとの統合システムでの絵を完成させるためのもうひとつのパズルのピースとなるわけです。
はじめにオーディオプレーヤーとして音質面で言うと、
単体としてiPodと比較すると、音質レベルはほとんど同じですが細かいレベルというとiPodの方が力感があり音場もやや広がりがあります。iHP140の方が高音は伸びていて、こじんまりとしているけれども全体にきれいに聞こえるという印象です。ただノイズフロアは少し高い気がします。(EQオフでwaveでE5cでの比較)
ただしまえにHD25のところで書きましたが、iPodの高域は意図的に抑制しているのかもしれません。
またLineOutの音はiPodの方が良い気がします。
とはいえ、この両者を比較した時に音質的な差はあまり重要ではないと思います。
それではどの点が特徴かというとiHP140とiPodはわりと対象的なプレーヤーで、一言でいうとiHP140はオープンだが使いにくい、iPodはクローズだが使いやすい、といえると思います。(そのままMac文化とWin文化とも言えるでしょう)
つまりこれは長短あって、まずiHP140はいわゆるMP3・デジタルオーディオ分野を知らないとかなり使いにくいものとなります。iHP140はiTunesのような専用ソフトがないので、この分野に初めての人は聴く以前にどうやってまず音楽をいれるか途方に暮れるでしょう。iHP140はあらかじめエンコーダーソフトを活用しMP3やデジタルオーディオファイルをPCにもっていてそれを外に持ち出したいという人向けと言えます。
iHP140と比べて見ると、iPodの強みはiTunesと言うソフトがあることだということがよく分かります。しかしそれは反面でiTunesに縛られてしまうということもいえるかもしれません。iHP140であればWinampのプレイリストがインポートできたり、iHP内のディレクトリ名を自由に作れますしブラウザーでは拡張子(つまりエンコード情報)を見ることもできます。
ここで着目するのはiHP100系でのRockboxの存在です。Rockboxはポータブルプレーヤー用のフリーのfirmwareで標準のプレーヤーソフトウエアに替えて使うことができます。
http://www.rockbox.org/twiki/bin/view/Main/WebHome
こうしたオープンなソフトを使うことによるメリットとして、別なオープンスタンダードのFLACをRockboxでなら使うことができます。FLACはPCで使われるオープンなロスレスのエンコード仕様でiPodのAppleロスレスと同じようなCODECです。FLACは細かく圧縮率を設定できますが、デフォルトではほぼAppleロスレスと似たような圧縮効率になるようです。
http://flac.sourceforge.net/
MicroDACを効果的に使うためにはやはり音楽ファイルはWaveかロスレスが理想的ですが、標準のiHP140ではWaveしか扱えません。そこでFLACが出てくるわけです。
FLACはWinampでもプラグインでサポートされるため、PCでも使うことが出来ます。
わたしもまだここまではやっていませんが(日本語ファームにうまくパッチが当たらないため)、そのうちに...
http://www.iriver.co.jp/product/?H100
なぜiHP140か、というと端的に言うとハードディスクプレーヤーとしては珍しくデジタルアウトがあるからです。これはMicroDACをポータブルで使うためには必要なことです。
それともう一点は後で書きますが、PC上のさまざまなソフトウエアやCODECとの親和性です。この二点がPCとポータブルとの統合システムでの絵を完成させるためのもうひとつのパズルのピースとなるわけです。
はじめにオーディオプレーヤーとして音質面で言うと、
単体としてiPodと比較すると、音質レベルはほとんど同じですが細かいレベルというとiPodの方が力感があり音場もやや広がりがあります。iHP140の方が高音は伸びていて、こじんまりとしているけれども全体にきれいに聞こえるという印象です。ただノイズフロアは少し高い気がします。(EQオフでwaveでE5cでの比較)
ただしまえにHD25のところで書きましたが、iPodの高域は意図的に抑制しているのかもしれません。
またLineOutの音はiPodの方が良い気がします。
とはいえ、この両者を比較した時に音質的な差はあまり重要ではないと思います。
それではどの点が特徴かというとiHP140とiPodはわりと対象的なプレーヤーで、一言でいうとiHP140はオープンだが使いにくい、iPodはクローズだが使いやすい、といえると思います。(そのままMac文化とWin文化とも言えるでしょう)
つまりこれは長短あって、まずiHP140はいわゆるMP3・デジタルオーディオ分野を知らないとかなり使いにくいものとなります。iHP140はiTunesのような専用ソフトがないので、この分野に初めての人は聴く以前にどうやってまず音楽をいれるか途方に暮れるでしょう。iHP140はあらかじめエンコーダーソフトを活用しMP3やデジタルオーディオファイルをPCにもっていてそれを外に持ち出したいという人向けと言えます。
iHP140と比べて見ると、iPodの強みはiTunesと言うソフトがあることだということがよく分かります。しかしそれは反面でiTunesに縛られてしまうということもいえるかもしれません。iHP140であればWinampのプレイリストがインポートできたり、iHP内のディレクトリ名を自由に作れますしブラウザーでは拡張子(つまりエンコード情報)を見ることもできます。
ここで着目するのはiHP100系でのRockboxの存在です。Rockboxはポータブルプレーヤー用のフリーのfirmwareで標準のプレーヤーソフトウエアに替えて使うことができます。
http://www.rockbox.org/twiki/bin/view/Main/WebHome
こうしたオープンなソフトを使うことによるメリットとして、別なオープンスタンダードのFLACをRockboxでなら使うことができます。FLACはPCで使われるオープンなロスレスのエンコード仕様でiPodのAppleロスレスと同じようなCODECです。FLACは細かく圧縮率を設定できますが、デフォルトではほぼAppleロスレスと似たような圧縮効率になるようです。
http://flac.sourceforge.net/
MicroDACを効果的に使うためにはやはり音楽ファイルはWaveかロスレスが理想的ですが、標準のiHP140ではWaveしか扱えません。そこでFLACが出てくるわけです。
FLACはWinampでもプラグインでサポートされるため、PCでも使うことが出来ます。
わたしもまだここまではやっていませんが(日本語ファームにうまくパッチが当たらないため)、そのうちに...
2005年08月31日
MicroDAC到着・ファーストインプレ
MicroDACが到着しました !
MicroDACはヘッドホンアンプでは老舗といえるHeadRoomの小型ポータブルの単体DACです。
Headroomは老舗であるがゆえにラインナップが古くなったのか、いまラインナップの刷新をはかりつつあります。MicroDACはその流れの中でMicroAMPというSR-71やAE-1同等のポータブルアンプと組になる製品として開発されたようです。MicroAMPはポータブルですが、デスクトップでも使えるようなオプションも用意されているところが特徴です。またHeadroomにはさらに小さいポータブルアンプ("Mobile"ラインのAirHeadなど)がラインナップされていますのでこの"Micro"クラスはポータブルでも据え置きでも両用使えるように考えられているようです。
たとえばMicroDACであればUSB入力でPCと据え置きで、また光接続でポータブルにも使えます。また電池でもACアダプターでも使えます。重さは電池込みで280gくらいと軽量です。
http://www.headphone.com/
簡単に説明するとDACはデジタル信号をアナログ信号に変換する回路でCDプレーヤーなどにも内蔵されているわけですが、より高性能化・汎用化を図るために単体化を図ったものです。MicroDACはエゴシスのDrDACと違いアンプ機能はありません、純粋にDACとしてのみ機能します。MicroDACはわりと高級なDACチップであるシーラスロジックのCS4398を使用する本格的なものです。
DACですのでデジタル入力とアナログ出力があります。MicroDACは入力としてUSB/光/同軸の3通りが使え、入力は24bit/96kHz対応です。光と同軸はmini端子(共有)になります。
使い方は簡単でUSBはPCに差せばPCからUSBオーディオデバイスとして認識されます。USBチップにはバーブラウンのPCM2902を使用しているのでWindows標準のUSBオーディオドライバが使用できます。より低価格のUSB付きアンプではPCM290x系でそのままDA変換するようですが、さすがにMicroDACではアナログ変換には使用されずにPCM2902のS/PDIF出力機能を用いて他の入力端子と同様にDA変換されるようです。光と同軸はポータブルCDプレーヤーなどから接続するときに使います。出力はmini端子のみです。
他の小規模メーカーだと箱は無愛想なものですが、さすがにHeadroomは一応ロゴ入りの包装紙があり、おまけにステッカーまで入っています(^.^
MicroDACはSR-71より一回り大きなパッケージでSR-71同様に質感も高いものがあります。電池は9Vを二個使います。
しかしちょっと問題もあって、120V用のACアダプターが付属しているのですが、事前の確認ではこれで100Vも動作するということでしたが実際につなげてみると動作しません(バッテリーでは完全に動作します)。これはいまHeadroomに確認中です。
音質的には小さくてもさすがは単体DACで、解像力や情報量のようなものからくる音楽表現には圧倒されます。これならば十分にミドルクラスのオーディオシステムにも比肩できるかもしれません。
ひとつひとつの音に実体感があり、楽器の描き分けとヴォーカルの厚みは特筆ものです。空間の広がりを感じますが、最近のアップサンプリングになれた耳にはやや滑らかさにかけるところもあります。しかしその分で鮮度感・スピード感は高くここにリアルさと個性を感じます。
PCの良い音源を探している人にも、従来のPCIボード・外付け音源に代わるデバイスとしてお勧めかもしれません。
SR-71と組み合わせたポータブルシステム、HD-1LやDrAMPなどと組み合わせたPCオーディオシステムはまた別に書きたいと思います。
MicroDACはヘッドホンアンプでは老舗といえるHeadRoomの小型ポータブルの単体DACです。
Headroomは老舗であるがゆえにラインナップが古くなったのか、いまラインナップの刷新をはかりつつあります。MicroDACはその流れの中でMicroAMPというSR-71やAE-1同等のポータブルアンプと組になる製品として開発されたようです。MicroAMPはポータブルですが、デスクトップでも使えるようなオプションも用意されているところが特徴です。またHeadroomにはさらに小さいポータブルアンプ("Mobile"ラインのAirHeadなど)がラインナップされていますのでこの"Micro"クラスはポータブルでも据え置きでも両用使えるように考えられているようです。
たとえばMicroDACであればUSB入力でPCと据え置きで、また光接続でポータブルにも使えます。また電池でもACアダプターでも使えます。重さは電池込みで280gくらいと軽量です。
http://www.headphone.com/
簡単に説明するとDACはデジタル信号をアナログ信号に変換する回路でCDプレーヤーなどにも内蔵されているわけですが、より高性能化・汎用化を図るために単体化を図ったものです。MicroDACはエゴシスのDrDACと違いアンプ機能はありません、純粋にDACとしてのみ機能します。MicroDACはわりと高級なDACチップであるシーラスロジックのCS4398を使用する本格的なものです。
DACですのでデジタル入力とアナログ出力があります。MicroDACは入力としてUSB/光/同軸の3通りが使え、入力は24bit/96kHz対応です。光と同軸はmini端子(共有)になります。
使い方は簡単でUSBはPCに差せばPCからUSBオーディオデバイスとして認識されます。USBチップにはバーブラウンのPCM2902を使用しているのでWindows標準のUSBオーディオドライバが使用できます。より低価格のUSB付きアンプではPCM290x系でそのままDA変換するようですが、さすがにMicroDACではアナログ変換には使用されずにPCM2902のS/PDIF出力機能を用いて他の入力端子と同様にDA変換されるようです。光と同軸はポータブルCDプレーヤーなどから接続するときに使います。出力はmini端子のみです。
他の小規模メーカーだと箱は無愛想なものですが、さすがにHeadroomは一応ロゴ入りの包装紙があり、おまけにステッカーまで入っています(^.^
MicroDACはSR-71より一回り大きなパッケージでSR-71同様に質感も高いものがあります。電池は9Vを二個使います。
しかしちょっと問題もあって、120V用のACアダプターが付属しているのですが、事前の確認ではこれで100Vも動作するということでしたが実際につなげてみると動作しません(バッテリーでは完全に動作します)。これはいまHeadroomに確認中です。
音質的には小さくてもさすがは単体DACで、解像力や情報量のようなものからくる音楽表現には圧倒されます。これならば十分にミドルクラスのオーディオシステムにも比肩できるかもしれません。
ひとつひとつの音に実体感があり、楽器の描き分けとヴォーカルの厚みは特筆ものです。空間の広がりを感じますが、最近のアップサンプリングになれた耳にはやや滑らかさにかけるところもあります。しかしその分で鮮度感・スピード感は高くここにリアルさと個性を感じます。
PCの良い音源を探している人にも、従来のPCIボード・外付け音源に代わるデバイスとしてお勧めかもしれません。
SR-71と組み合わせたポータブルシステム、HD-1LやDrAMPなどと組み合わせたPCオーディオシステムはまた別に書きたいと思います。
2005年08月25日
MicroDAC !
というわけで、結局評判のよいMicroDACをHeadroomに注文しました。DrDACはちょっと様子見します。
そして注文のほとんど翌日、本日出荷したと連絡がありました!楽しみです。
このアイテムはバックオーダーが2-4週間とも言われていましたが、現在はだいぶ解消されたようです。バックオーダーの問題は基板ではなく、ケースだったそうで外部発注だったのでコントロールできなかったということです。
また、ジッターの影響の少ないUSBケーブルのお勧めはないか、と聞いてみたところ、Headroomのテストではケーブルを替えてもあまり差はない、という回答でした。
そして注文のほとんど翌日、本日出荷したと連絡がありました!楽しみです。
このアイテムはバックオーダーが2-4週間とも言われていましたが、現在はだいぶ解消されたようです。バックオーダーの問題は基板ではなく、ケースだったそうで外部発注だったのでコントロールできなかったということです。
また、ジッターの影響の少ないUSBケーブルのお勧めはないか、と聞いてみたところ、Headroomのテストではケーブルを替えてもあまり差はない、という回答でした。