Music TO GO!

2015年07月10日

Ultrasoneのオンイヤーモデル、Edition M登場

Ultrasoneの新しいEditionモデル、Edition Mを短期間ですが借りることができましたので、簡単にコメントを書きます。

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Edition MはEdition 8いらい久々のポータブルのEdition Model(8の派生版は除く)で、新設計の30mmチタンブレイデッドドライバーとS-Logic plusを採用しています。Ultrasone独自の人にやさしいULEも採用されています。
Editionシリーズでは初となるオンイヤーモデルでコンパクトに作られています。重量は146gです。

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デモ機なのでパッケージはありませんが、届いたものを開けてみるとちっちゃい!って感じ。私みたいにEdition8に慣れているとEdition8のミニチュアみたいで可愛らしいですね。

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ハウジングはマット・ルテニウムコーティングで鏡面ではなく艶消しがされていますが、シックで高級な感じはEditionならではです。スライド式のバンドで頭のサイズ調整を行います。頭が大きい人にはやや小さいかもしれません。装着してみると軽いのがよくわかります。側圧はけっこうあるので小さいと言って頭から外れそうになることはありません。ケーブルはMMCXでリケーブルが可能です。

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今回のデモ機はプリプロダクションモデルで、外観はまだ手が入るそうですので念のため。
AK240とPAW GoldでEdition8(初代)と聴いてみました。Edition Mは標準のケーブルを使っています。

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Edition 8とEdition M

Edition 8に比べると中高域の刺激は抑えられて、ハープシコードやバロックバイオリンの音がきれいに聴こえます。ヴォーカル域はEdition8の先鋭で乾いたような感じからかなり暖かく柔らかくなっていますね。全体的にEdition8よりもなめらかで柔らかい感じで、いわばより音楽的になったというか、高い性能ながらカジュアルに聞きたい感じの音です。

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低音域はたっぷりあってEdition8より多めなくらいだと思います。エレクトロ、打ち込み系なども気持ちよく聴けるでしょう。やや能率は低めなのでゲインがある機種ではクラシックなどのレベル低い(Dレンジ広い)録音ではハイにしたほうが良いと思います。
音の再現性は高いと思いますが、分析的に聴くよりは雰囲気を生かして楽しく聴くタイプでしょうか。

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価格はオープンで市場想定12万円ほど、発売日は8月中旬ということです。
まずはポタ妍のタイムロードさんのブースへGO !
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2012年10月21日

Ultrasoneの新製品IQとTio、Signature DJレビュー

人気のブランド・ウルトラゾーンから念願のイヤフォンが登場しました!IQとTioです。加えてヘッドフォンもDJタイプの新機軸Signature DJとEdition8のバリエーションであるRomeoとJuliaが登場してます。
このうちIQ、Tio、Signature DJを貸し出してもらえましたので試聴レビューしました。なお実際の製品の装着イメージに関しては下記のタイムロードさんの紹介ビデオを参照ください。


リリースはこちらです。スペック等はこちらを参照ください。
【 ULTRASONE Tio & IQ 】発売のおしらせ
【 ULTRASONE Signature DJ 】発売のおしらせ
【 ULTRASONE edition8 Romeo & Julia 】発売のおしらせ

Ultrasone Tio

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Tioはシングルのバランスド・アーマチュアユニットを採用するカナルタイプのイヤフォンです。
アルミ削りだしのハウジングはとても軽くコンパクトで、ストレートに耳にすっと入れ込むことができます。快適、手軽ですね。

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ハウジングとプラグにはUltrasoneのロゴが描かれています。ケーブルはマイクとリモートがついていて、イヤチップはComplyです。

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(AK100とTio)

このヘッドフォン祭の最新モードになりそうなiriver AK100をまずTioと組み合わせて聴いてみました。
ちょっと聴いただけでいままでのイヤフォンと異なる空間の広がり方と音空間の豊かさに驚かされます。音空間は独特の深みと自然なリアルさがありますね。BAらしいシャープさもありますが、尖っているとかものすごく細かいというよりもむしろ滑らかさや暖かみが感じられ、ちょっと聴きはダイナミックにも思えます。ヴォーカルはリアルで魅力的です。頭にぱっと浮かんだのはあのお茶楽FLAT4粋をBAにしたという感じです。
ただFLAT4と比べると低域は控えめで、帯域バランスは中域がフォーカスされていて、低域と高域がやや控えめというフルレンジ一発っぽいところではあります。おそらくフルレンジスピーカーがピンポイントの音像表現を聴かせるように、Tioの空間再現の独特な感じもシングルゆえのものかもしれません。ここはちょっと開発者に聞いてみたいところではありますね。
iBasso DX100に変えてみると音が美しいという感じを受け、色彩感豊かな印象です。音楽的でけっこう好きな感じです。

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(iPhone5とTio)

iPhone5だと帯域バランスが良い感じでiPhoneにわりと音は合わせているのかなと感じます。広がり感があるのでiPhoneでもスケール感があってよいですね。
TioにはiPhoneかAK100がよさそうです。

Ultrasone IQ

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IQはBAとダイナミックのハイブリッド型です。低域ドライバの配置がユニークですね。これもメタルハウジングということですがやはり軽量です。

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Tioはストレート装着が良かったんですが、IQは耳にシュア方式で巻きつけるタイプです。プラグが回転することもSE535あたりと同じです。ケーブルは着脱式でやはりマイク付きのリモート付きです。
AK100で聴いてもIQは低域の量感がかなり豊かで、EditionシリーズあたりのUltrasoneの遺伝子を色濃く感じます。空間表現の豊かさもTioに似ているところがあります。UltrasoneはS-Logicという立体的な音再現機構が特徴なのですが、やはりイヤフォンでも空間再現が特徴的というのは面白いことです。もちろんS-Logicとは仕組みは違うと思いますが、ここも開発に聞いてみたいところですね。
ライバルとなりそうなK3003と比べるとIQの方が空間表現はより広がりがあって豊かです。低域もK3003よりさらに強く量感があります。K3003がやや軽く薄く細身に聞こえるくらいにIQは濃くて厚みが感じられます。ただし中高域のクリアさや細かさはK3003が少し上のようです。IQはK3003に比べると全体により厚みがあって滑らかで音楽的です。

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(DX100とIQ)

DX100ではIQはやはり音色が良く色彩感豊かに感じられ、フルサイズヘッドフォン的な滑らかで奥行きのある音場が広がっています。音楽を分析的というよりは楽しく聴かせるタイプですね。もちろん十分シャープで音の解像力はあるけど、マルチBAトップモデルのような顕微鏡的なものではありません。反面それらよりスムーズで自然で、TioもIQもBA然としてるわけではないですね。低域も試聴レビューとして分析的に聴くと多いけど、しばらく流して聴いてるとそれほど過剰には感じないですね。全体的にスムーズだからかもしれません。
ToGo 334と比べるとやはりトップでの細かさは譲りますが、より自然で厚みがあって滑らかで聴きやすいという感じです。音の広がりは良い勝負ですね。IQは重心が低めに感じられます。
ToGo 334は音の分析力がより高く、IQはより音楽的という感じです。これは価格的に考えるとなかなか魅力的なところのように思います。

Ultrasone Signature DJ

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Signature DJは細身のポータブル用のケーブルとDJ用のカールコードがついています。これは音の差もあって細い方がよりクリアで帯域バランスが良くオーディオ的です。低域はカールコードの方が多めです。細ケーブルにはリモコンがついてます。
エチオピアンシープスキンのパッドなどSignature Pro譲りの高級なパーツが随所に使われていて、全体的にDJタイプにしてはかなりハイクラスのモデルと言えます。

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これは期待通りの音というか、Signature ProをDJタイプにしたというかSignature Proの低域を少し緩めにしてどんと量感を増やした感じです。3次元的で立体感のある音空間はいかにもS-Logicらしいところです。低域はかなり強めで重心の低さを感じます。一方で中高域もクリアで楽器の音もきれいでかっちり解像してます。ヴォーカルが聴きやすいですね。
直接比べてないので、Signature proとの中域と高域の比較はできないけど、個人的な印象はSignature proよりこっちが好きです。プロ的なものではなくコンシューマー向けの音という感じで、聴いていて楽しいですね。
同梱の細ケーブルでiBasso DX100との相性も良いです。DX100の性能の高さも分かる基本性能の高さもSignature DJは備えてます。ポータブルにも魅力的かもしれません。

またすべてのリモートについてiPhoneは標準で問題ありませんが、Androidでは下記のアプリが提供されているのもおもしろい点です。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ultrasone.iq

通して感じることはみな個性的であるということです。個性的というのはつまり音の主張があってそれが明快に分かるという意味です。
それがUltrasoneらしさということなんでしょう。
今週末(10/27,28)のフジヤさんのヘッドフォン祭にはもちろん目玉の一つとして登場いたします。
https://www.fujiya-avic.jp/event/1210_headphone_fes/?from=tl_banner

フジヤさんの販売リンクはこちらです。予約特典としてHFI-15Gがもらえるそうです。

Ultrasone IQ
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail14473.html

Ultrasone Tio
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail14474.html

Ultrasone Signature DJ
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail14472.html

ヘッドフォン祭では27日(土曜日)10:00 - 11:00に発表会を行います。こちらではなにか面白い趣向があるかもしれませんよ。
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2010年10月21日

Ultrasone edition10 登場!

8月の発表会、オーディオベーシックの新製品レビューといままで何回かデモ機を試しましたが、いよいよ自分のedition10がやってきました! シリアルは80番代でした。

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発表会の様子はこちらの記事をご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/158161007.html

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もちろん木製の箱がついていますが、いままで見た中では一番豪華でよくできています。表面仕上げもとても良いです。ゼブラーノのスタンドも箱に入っています。
箱に収められたedition10を実際に手にとってみると、質感の高さはやはりHD800などに比べると圧倒的で、メーカーの主張する本物の質感・材質感というのはしっかりとあり、クラフトマンシップ・作り手のこだわりという最近の工業製品が失ってしまったものがまだ生きていると言うことを感じさせてくれます。

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オーディオベーシックの新製品レビューを書いたときはBCLも使いましたが、いっしょにHeadroomなど慣れてる機材も使って音の傾向はかなりつかんだつもりでした。そのときは製品版ではもっとチューニングがされていますと言われていたので楽しみではあったのですが、今回箱から出したばかりでそれが実感できました。
試作版のときはシャープだけどきついという印象もありましたけど、その辺は緩和されているように思えます。また低域も良いですね、全体的なバランスもよく感じられます。
いまじっくりとまた聴いてみると、シャープさ、音の速さ、切れのよさと言う点は格別ですが、空間表現がとくに立体的な感じが特徴的です。ここはやはり元祖S-Logicです。
ヴォーカルも生き生きとして輝いてますし、高性能でいて音楽的というのもウルトラゾーンらしい美点です。

またedition10の軽さというのはしっかりとした機能として働いている、というのを考えさせてくれます。長い時間つけていても軽さと快適さは確保されています。見えないULEもそうですが、ウルトラゾーンが目指しているところのユーザーへの配慮ですね。
前にウィルバーグ社長と話していてT1のテスラの話題になったとき、社長の口調が変化したのをよく覚えています。なんでも性能を高めようというのではなしに、ヘッドフォンが人に最も近いオーディオであるということを考えさせられます。


うちの機材の中ではあらたなトップにきそうです。やはり良いアンプで聴いてほしいところですね。ヘッドフォンでコンピューターオーディオを極めたい人にもぴったりです。音の細かい抽出は群を抜いています。きっと新たな世界を見つけられるでしょう。
発表会のとき・デモ機のときはedition8に似ているとも思いましたが、いま改めて聴いているとedition10はやはり独自の音の世界があると思えます。この辺はまたバーンインの後が楽しみです。
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2010年09月09日

オーディオベーシック10月号に記事を書きました

本日発売のオーディオベーシック10月号にいくつか記事を書かせてもらいました。

ちょっと大作だったのは「大人のための新世代セカンドシステム(P83)」の記事です。
これは9台のプリ機能のついたヘッドホンアンプを聞いて、私がヘッドホンリスニングを担当して(Part1)、角田さん・和田さんがスピーカーリスニングを担当する(Part2)という企画です。ヘッドホンでもスピーカーでも使える組み合わせでスモールシステムを提案するというわけですね。
台数も多いしIKEMIとMacでそれぞれ聴いたので試聴だけでも大変でした。でもなかなか面白いものに仕上がっていると思います。価格帯もicon HDPからZodiac+まで無理のない価格帯ですし、旬なものから定番まで選んでいます。参考にしてもらえればさいわいです。

それとウルトラゾーンのedition 10の紹介記事(P150)を書いています。自分のブログでは発表会のところを主に書いたんですが、今回はレビューの試聴ということで自分のシステムで聞くことができました。
レビューでは読む人に分かりやすい土台が必要なので、上の特集でも取り上げているBCLを使用していますが、うちのHeadroomでもじっくり試しています。そのためけっこう音については把握したつもりです。やはりBCLの方がedition10とは良い組み合わせになるという感じですね。
edition10も賛否はありますが、個人的には全体的にみて仕上がりは良いと思います。ただフジヤさんのインタビューにもありますが、今回は音調整前のモデルということで多少直すべきところはあるかもしれません。また製品版の音が楽しみですね。

ちょっとギャラリーをお楽しみください。

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また、今回はヘッドホン・イヤホンもたっぷり乗っていてShureのSE535(P101)とファイナルオーディオの新イヤホンheaven-s(P103)についてもわたしが紹介記事を書いています。

PCオーディオとヘッドホン・イヤホンがオーディオ誌の紙面を飾ると言うのもすっかり市民権を得てきました。良いことです、竜馬伝さながら新しい時代の変わり目を感じますね。

ほかにも今回は付録CDが元ゴダイゴのギタリストによるロックものなど、見所聴き所満載ですので、ぜひお求めの上、ゆっくりお楽しみください。


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2009年05月31日

Edition8、一日後

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今日は前の記事で書いたように遠くまで重い写真機材を担いでいったので、本来はヘッドホンなどはおいていきたいところですが、Edition8とiHP140/D10を持っていってしまいました(^^
やはりこの音にはまってしまうと、この世界から離れたくないという感じですね。けっこう本気で気に入ってきました。
電車が事故の影響で遅れたりしたんですが、E8のおかげで電車の中でもオーディオルームを持ち運んでいるように楽しむことができました。

昨晩一晩バーンインしていたんですが、今日は全体により透明感があがり、音がより明瞭で研ぎ澄まされたように感じます。
特にヴァイオリンの甲高い音を歪ませずにきれいにシャープに再現するところは特筆点で、昨日音が洗練されていると書いたのはこうした音のすっきりとした精緻でかつ端正なところかもしれません。

昨日はリケーブルするかは迷うところでしたが、今日の様子を考えると特にリケーブルを考えることもないかもしれません。もちろん良いケーブルを使えばもう一枚ベールをはがせるかもしれませんが、このままで完成されていてバランスが良いので下手にバランスを変えてしまうのも困ります。
Edition8も遅延があったりしましたが、この完成度の高さとまとまりのよさを考えるとそれも納得とは言えます。
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2009年05月30日

Edition8来たる!

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いよいよEdition8の初回入荷が本日入ってきました!
フジヤさんに受け取りに行き、会計をしている合い間にびりびりとパッケージを開け(笑)さっそく聴いて帰ってきました。
上の写真のように立派なポーチが付いています。

実際は半日くらいそれから都内をうろうろしていたので、たっぷりと戸外と電車で試すことができました。もちろん下記の印象は新品おろしたてのものです。ほぼ半日歩いたけど、注目度はiGradoほどではありませんでした(^^
性能の高さは分かっていたので、高性能DACを持ったiHP140+D10(w/8397)を持っていきました。ちっょと能率は低めなのでハイゲインにします。(D10のハイゲインは普通のミッド程度です)

一言で言うと洗練された音、という感じです。
音の性能も高いけれども、ポータブルというか戸外で聴くことのできるオーディオとしてはいままでになかったくらいの本格的なオーディオ体験を楽しむことができます。
クローズなだけに遮音性は良く、細かい音や弱音表現はよく拾えます。装着もやや小さめですがぴったりとフィットします。また見た目が金属であるほどには重くは感じません。

たとえばHFI-780を高性能リケーブルしたものはクリアさとかシャープさという単純な観点では良いんですが、Edition8と比べると全体的に格が違うという感じです。価格差は伊達ではありません。
たとえると定食屋の魚料理とフランス料理店のムニエルのように深みや繊細さ複雑さが異なります。Edition8は有機的で自然かつ滑らかで、たっぷりとしたうまみ成分である情報量を含んでいます。
厚みや質感表現が高級なオーディオ機器を感じさせます。

音はニュートラル基調でフラット、切れがよくスピード感がある現代オーディオ機器という感じがする。素晴らしくシャープですが、かといって子音がきつすぎるということもありません。
低域も豊かですが、これはES3X的で他の帯域をマスクし過ぎない程度に十分な量感もあります。重みが乗ってタイトでかつ質の良い低域表現です。
音場は奥行き感があります。新型S-Logicが利いているのか、深みがあり自然でかつ立体的な空間表現を感じます。

こうした豊かさと空間表現の深さで、iHP+D10ではクラシックに特に良くあいます。また、スピード感とかテンポの刻みの気持ちよさでジャズトリオもいいですね。この点でポップやロックにもかっこ良く合います。
肉質感豊かでヴォーカルものも魅力的に感じられます。

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家に帰ってきてから少し手持ちのポータブルアンプを試してみると、やはりiQubeが一番あう、というかEdition8の性能を引き出します。
言い換えると、いままでのポータブルヘッドホン・イヤホンでは他のアンプとiQubeの差があまり出なかったということかもしれません。iQubeはEdition8の、Edition8はiQubeのポテンシャルを存分に引き出しています。
iQubeもこんなヘッドホンを待っていたことでしょう。これはぜひiQubeを設計したBrunoさんに聞かせてやりたいですね。D10だと内蔵DACで音は精細だけれども、基本的にアンプ部が弱いのが難です。

iPhone単体でもいいし、家に戻ってからBalanced Desktopにアダプタで聴いてますが、ここでも他のハイエンド機に一歩も引けを取らないと思います。
オーテクのESW10が良いといってもやはりそれはポータブルの中で話し、ポータブル用のヘッドホンで良いといってもホーム用のアンプやDACのシステムで聴くとちょっと物足りなさを感じます。うちの記事でポータブルヘッドホンをホームアンプとあまり組み合わせないのはそういう理由です。
しかし、Edition8はポータブルだから、というエクスキューズを必要としません。堂々たる本格的なオーディオ機器としての格があります。

戸外でも電車の中でもこんな音で音楽が聴けるというところは素晴らしい体験です。こうした製品を作ってくれたUltrasoneに謝意を表したいところです。
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2009年05月13日

Edition8発売日決定!

タイムロードさんのブログによるといよいよEdition8の発売日が決定したようです。

http://blog.timelord.shop-pro.jp/?eid=561662

ミニ端子を使ったハイエンド機という夢を実現してくれたEdition8、こうした組み合わせで聴くのが楽しみです。

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2009年04月06日

タイムロードのEdition8ページ

Edition8は少しリリースがスリップしてしまいましたが、タイムロードさんのサイトにEdition8の公式ページができています。

http://www.timelord.co.jp/ULTRASONE/edition8.html

これも手作りということですが、HD800とあわせてドイツのマイスターというべきクラフトマンシップの復活ということですね。
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2009年03月16日

Edition8公式ページアップ

UltrasoneのEdition8も公式ページが出来ました。いよいよ各メーカーともエースが並びそろって戦闘開始というところですね !

公式ページはこちらです。
http://www.edition-headphones.com/

タイムロードさんのブログ記事はこちらです。
http://blog.timelord.shop-pro.jp/?eid=533991

このクラスのハイエンド分野はUltrasoneがひっぱってきましたし、HD800にも相当意識されていると思います。今年期待の高性能機としてはゼンハイザーHD800、GRADO PS1000とアメリカ先行型で進んでいましたが、Edition8は日本先行型で進んでくれています。こうした点からもぜひEdition8には期待したいところですね。
公式ページの写真を見るとプロトタイプにはなかったUltrasoneのロゴもなかなかかっこよくレタリングされています。これならいいですね !
わたしも予約を入れていますが早く実物を聞きたいものです。
posted by ささき at 21:18 | TrackBack(0) | __→ Edition 8, 10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月19日

Edition8 ファーストレビュー

Edition8を聴くことができましたので、ファーストインプレを書きます。ただしそれほど長い時間使ったわけではありませんので暫定的な感想です。また、最終版とは音が異なるかもしれません、念のため。

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比較にはポータブル用途のモデルとしては高い性能を持ったオーテクのESW10と、フルサイズとしてW2002と比べました。JPN比べというわけではありませんが、実質的にフルサイズはほとんどバランスでリケーブルにしているので、そのままのこしているというとW2002になってしまいます。

E8の外観と装着感

金属を多用したアームやハウジングなどかなり高級感があり、Edition7/9の不満が解消されて価格相応の高級感があります。長さ調整のクリック間も適度で、金属のクリック感なのが良い感触だと思います。

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ただしできればESW9/10のようにハウジングを90度回転させるくらいたためないとポータブルとしてはややかさばると思います。(Edition7/9ではアームが折りたためるので)
締め付けは適度できつすぎず良いと思います。装着感もハウジングに金属が多いことを考えるとかなり軽い気がします。

Edition 8の音

まずばっと聴いて感じるのは音にスピード感があって、早く切れが良いことです。そして全体的にタイトで締りがよく、全域できちんとコントロールされている感じがします。
また低域が充実しているところはE9を思わせますが、E7/9ではよく言われた低域過多で低域が突出しているという印象はなく、タイトでパンチがあるという感じがするので、上から下まで帯域にわたってより洗練されたというか、E7/9を見て改良させたという感じがします。
このように音自体はE7/9系を思わせるけれどもまったく同じではないと思います。癖の強さを強調することなく、音のタイトさと歯切れの良さを基調とした全体のまとまりはよりよくなっているように思います。

低い方もかなり出ていて、100Hzと50Hzがほぼ同じくらいで、40Hzくらいから下は急峻に落ち始めるけれどもハイクラスのW2002と比べても遜色ないというよりも、少し良いくらいの低域のフラットさとレスポンスのよさはあります。
高域はかなりシャープでベルの音もかなりリアルに感じられますが、バーンインもあるかもしれませんが、少しきつめに感じられることもあります。

E8 vs ESW10

次にESW10と比較してみます。
ESW10と比べるとE8の方がかなり透明感が高く、音の見通しが良いので何枚かベールをはいだように明瞭でクリアに聞こえます。これはわずかな差ではなく、だれが聴いても明らかなくらい違います。

全体にやや能率が低めであるという気はするので、それなりのアンプは必要かもしれません。ポータブルだとiQubeやSR71Aのようにハイパワーで音場が広いアンプと組み合わせると印象的です。
S-Logicのせいか音の広がりが印象的で、空間表現が自然です。

ポータブルアンプでオーテクのESW10と比べると明らかに一レベル以上の格の違いがあります。
SR71だとある意味アンプの甘いウォーム感がESW10をいくぶんカバーしてくれているが、HiFiなiQubeとあわせるとESW10とE8の差は歴然とする感じです。おなじ曲をESW10でかけるとがちゃがちゃと聴こえ余裕がなく聴こえます。
特に高性能のiQubeとあわせるとEdition8にはちょっと驚かされます、とてもポータブルで聴いているとは思えないという感じです。iQubeとは特によくあうように思います。

ESW10とE8の差はホーム用のより高性能なアンプで聴くとより顕著に分かります。
あらためて気がつかされましたが、ESW10はあくまでiPodをソースとしたポータブル環境で使うヘッドホンとしてはとてもよいけれども、より高性能のソースから取れるホーム用としては物足りないところがあります。一方でEdition8はホーム用としても十分に耐えられます、というよりもホーム用の音そのもので、しかもホーム用としてもハイエンド機と言えると思います。それは次のW2002との比較でより明白になります。

E8 vs W2002

ESW10とはちょっと格が違うので、次にホーム用のフルサイズヘッドホン、W2002と比べてみました。限定品の意地をかけてのJapanモデルのリベンジでもありますね。

しかしポータブルよりも力のあるホームアンプで比べてもやはりW2002よりEdition8の方がクリアで、ひとつひとつの音の明瞭さが際だっています。かつ音はタイトでより明確な歯切れの良さを感じます。これはかなりはっきりとした差です。
W2002もオーテクではわりと音が制御されているほうだと思いますが、Edition8の方がスピード感もありシャープです。音楽のテンポの刻みもEdition8だと歯切れよく小気味良いですが、W2002だとややもったりとしています。

また、比べてみないとそうは感じませが、W2002はEdition8と比べると楽器が複雑に入り組んだアンサンブルでやや音が団子に感じます。
中高域はEdition8はシンバルやヴァイオリンの音、ピアノの音は贅肉がなくかなりリアルに聞こえます。かっちりと締まっているだけではなく、鮮やかに質感を描き出す解像力もあると思います。
とくに音のエッジの切れが印象的ですが、ここはW2002にはないところです。ヴォーカルを聴いてもW2002ではやや不要な膨らみを感じます。

一方でE8は高い方にやや強調感があって、システムを工夫しないときつめな音になる可能性があると思います。といっても高い方に寄っているわけではなく、低い方の再現力も高く、かなり低く沈み低域もタイトです。ベースのピチカートはかなり気持ちが良く、低域の弦を弾くというより跳ねる感覚がかなりリアルです。W2002は量感はあるけれどもあまりタイトではなく、弦をはじく音がややあいまいです。
測定してみないと分からないけれども、W2002と比べると高い方も低い方もかなりフラットに伸びている気がします。

ただしハウジングの大きさからかW2002の方がやや音場は広く感じます。ただしEdition8に比べるとW2002は散漫な感じもあります。E8はS-Logicの効果もあるのか、耳からの距離感が適度で自然な気がします。

たとえていうとW2002はラグジュアリーカーで、Edition8はポルシェとかロータスという感じでしょうか。E8の方が機微で加速も早くハンドリングもクイック、ワインディングでは大きく差が付くし、高速のスピード勝負でも負けないでしょう。ただW2002の方もそこまでの機敏さはなくてもそれなりに高性能で、ゆったりとした良さがあり落ち着いて楽しめるでしょう。

あえてリケーブルしたEdition7と比べるとさすがにもう一枚ベールをとる余地はあると思います。そこはハイエンドとは言えさすがに販売価格の3・4割もケーブル代で占めるようなカスタム品のようなわけにはいかないでしょう。
まあこれは逆に言えば買ってからまだ楽しめる余地が残っているということでしょうか(^.^
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2008年11月16日

Edition8 登場!

ヘッドホンショウの目玉としてタイムロードのブースでUltrasoneの待望の新作、Edition8が発表されました !

なんとEdition8はポータブルユーズをメインに考えたポータブル向けのハイエンドヘッドホンと言えます。一気にポータブルの真打ち登場という感じですね。

UltrasoneからCEOのMichael WillbergさんとCOOのMichael Zirkelさんが来日してプレゼンテーションと発表会を行いました。
創業からEditionシリーズへの流れがMichael Willbergさんから語られ、タイムロードの美人社長のスマートな同時通訳の元で伝えられて行くという国際色豊かな発表会です。そうして期待感を持たせつつEdition8が文字どおりベールを脱いで公開されました。なかなか鮮やかなプレゼンだったと思います。

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実物は鏡面仕上げのコンパクトなもので、いままでにないスタイリッシュなものです。ヘッドバンドの質感も良く、一部鏡面というのはありましたが、これだけ全体的にメタリックで統一されたものはなかったように思います。実物はかなりゴージャスです。
残念ながら聴くことはまだできませんでしたが、わかった仕様を少し書いておきます。

まず、Edition8は限定ではありません。そのためスケールメリットを価格に反映できるということです。
イアカップにはプラチナよりもレアなルテニウムという金属が使われ、イアパッドは同様にエチオピア・シープスキンです。
音は聞くことが出来ませんでしたが、空気感を追求したということです。Ultrasoneらしく、ULEとS-Logicが採用されていますが、S-Logicは改良されてよりオフセットがついてそうした空気感を高めているとのこと。またドライバーは前作同様にチタニウムを採用していて、E8のための新設計だそうです。

スペック等はこちらのフジヤさんのブログをご覧ください。
http://avic.livedoor.biz/archives/51122984.html

さて、ポータブルに向けて設計されたハイエンド機ということではESW10よりもさらにはっきりとしていて期待感が高まります。
と、いうことでわたしは予約してしまいました(^^
実際にかなりの数の予約がもう入っているそうです。限定ではありませんがシリアルはプリントされるそうです。

さて、E8に向けてアンプもさらに向上させなければ!
来年が楽しみです!
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2008年11月13日

Editionシリーズの新作がヘッドホンショウであきらかに!

タイムロードさんがUltrasoneのあのEditionシリーズの新作がヘッドホンショウで明かされることをアナウンスしました!
http://blog.timelord.shop-pro.jp/
同日はUltrasoneから人も来るそうで、これは楽しみです。
時間は11:30、場所はタイムロードさんのブースです。

ちなみにフジヤさんのブログにありますが、ヘッドホンショウのフロアプランが公開されています。
http://avic.livedoor.biz/archives/51124096.html
わたしはハルオーディオとロビーに陣取ります。となりではカスタムイヤホンの製作が行われるんではないかと思います。
今回はフロアすべてを使うということでかなり広いですね。出展社も増えて、もうハイエンドショウや真空管フェアとは肩を並べそうな勢いですね !
posted by ささき at 22:56 | TrackBack(0) | __→ Edition 8, 10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする