Music TO GO!

2022年05月11日

ありがとう、iPod

iPod touchが在庫限りで販売終了とアップルがリリースを出しています。
https://www.apple.com/newsroom/2022/05/the-music-lives-on/
これによって20年近く続いたiPodの歴史が終焉を迎えました。

わたしのDAPのそもそものスタートはブログアドレスにもあるソニーのVaio Pocketなんですが、iPodはminiから始めてだんだんメインになってきました。

peti-in-use.jpg

そのポイントは30ピンコネクタでラインアウトを出せるっていうオーディオ機器としての拡張性です。
iPod miniとVaio Pocketを比べると単体の音質ではソニーの方がより解像感があって良かったんですが、iPodは豊富なアクセサリーで拡張できたという点がポイントでした。

IMG_3150.JPG

上は初期の30ピンアクセサリーです。ラインアウト端子によって単体では音がいまいちでも、音を外に拡張できました。こうしたラインアウトが取れるアクセサリーが進化してLOD(line out dock)になります。ALOはここから大きくなっていきました。当時からKenさんは真面目で、この頃は必ず一時間以内にメール返信をくれる人としてHeadFiでは知られていたんですが、その辺はまた別の話。

ラインアウトはもともとはパワードスピーカー用だったんでしょうが、当時出てきたバッテリー内蔵のヘッドフォンアンプであるDr Headを使ったら外で使えるのではないかと気がついて、iPod mini→ポケットドックLineOut → DrHead → ety ER-4P/S & Shure E5cという組み合わせを外で使う(to go)ということをはじめました。

peti-compo.jpg  peti-combo.jpg
当時のシステム

これは感動的なくらい音が素晴らしかったですね。当然Vaio Pocket単体をずっと凌駕する音質でした。特にヘッドフォンアンプをかませるとER4Sみたいに低脳率のイヤフォンが見違えるようにいい音になったのを覚えてます。
この辺からiPod+LOD+ヘッドフォンアンプの可能性を追求し始めてSR71に至る、というわけです。それでHeadFiに入り浸るようになって...というのも別の話です。

IMG_3151.JPG
Dr Head/SR71/SuperMicro

ただしiPod単体の音はいつまでも良くなりませんでしたし、そろそろハイレゾ音源のうぶ声がPCオーディオあたりから聞こえてきました。
そうした動きのなかでHIFIMANが初の製品としてハイレゾFLACをPCM1704で再生できるHM801を発売、ハイレゾDAPの時代がはじまります。この辺もまた別の話ですね。

いずれにせよ、「ありがとうiPod」と言いたいです。
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2016年06月30日

シーラスロジックから公式?ライトニングヘッドホン開発キット登場

次のiPhoneではイヤフォン端子がなくなると噂されていますが、それを裏付けるようにシーラスロジックからMade for iPhone認証を受けたライトニングヘッドホン開発キットが今週公開されてます。
https://investor.cirrus.com/news-and-events/media-center/news-details/2016/Cirrus-Logic-MFi-Headset-Development-Kit-Simplifies-Design-of-Lightning-Based-Audio-Accessories/default.aspx

http://www.businesswire.com/news/home/20160629005791/en/

image.jpeg
画像はBussiness Wireから転載

これはCRD42L42-MFIというキットです。(下記PDF)
http://www.cirrus.com/en/pubs/proBulletin/MFi_TB_RevF.pdf

image.jpeg

CS42L42を使用してAD/DAとも114dB性能があります(マイクが必要だから)。キットにはコードのサンプル、アプリのサンプルと大小二つのリファレンス基盤が入ってます。小さい方はAudezeのようにケーブルに内蔵されるものだと思いますが、大きい方はアナログ端子があるのでアダプタ的な製品のサンプルのようですがこちらはデバッグ用でもあります。


今週はライトニング端子のついたEarPodsの「リーク」画像や、
http://www.digitaltrends.com/mobile/iphone-7-lightning-earpods-leak/?utm_source=socialm&utm_medium=twitter

iPhone7とも言われるボディのリーク画像にイヤフォン端子のないことがうかがえたり(代わりにステレオスピーカーになっている)、
http://gori.me/iphone/iphone-news/87606

どれも真偽は不明ですが、BT関係ともども新iPhoneに向けて動き出してるように思えます。
posted by ささき at 08:05 | TrackBack(0) | __→ iPod, iPhone, iPad | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月11日

PhilipsのM2LライトニングヘッドフォンとMFI拡張とiPhoneのハイレゾ対応

Philipsからライトニング接続可能なDAC内蔵のヘッドフォンが発表されました。
http://appleinsider.com/articles/14/09/10/philips-announces-fidelo-m2l-the-first-ever-apple-lightning-headphones-with-24-bit-dac-audio
上のApple Insiderの記事にも記載がありますが、これは先日知られるようになったMFI拡張によるヘッドフォンへの拡張を用いていると思います。

MFIのヘッドフォンへの拡張については下の記事で書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/398729325.html
この時は48kHzどまりのように思えましたが、Philips M2Lは96/24のハイレゾ再生に対応しているようです。
MFI拡張でデジタル接続をすると言うのは、言い換えると先日の下記記事で言うアクセサリーモードで接続しているわけです。もっと一般的に言うとiDevice接続です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/404882406.html
この接続では一般に48/16止りと思われて来ましたが、A&KのAK10で96/24対応をしていることも考えるとやはりアクセサリーモードでもハイレゾ対応できると言うことになります。

さて、AK10のところでも書きましたがこのモードでハイレゾ接続出来るための条件はアプリがHF Playerのようにハイレゾ対応をしていることです。しかしながらAppleが標準で対応を表明したということは標準のミュージックアプリもハイレゾ対応したということです。以前実際にiPadのミュージックが24bit透過してるというのは確認したことがあるのですが、今ではiPhoneのミュージックもハイレゾ対応がなされたと考えて良いと思います。

先日新しいiPhone6が発表されてそこにどこにもハイレゾ対応がなかったので失望した人も多いでしょう。
しかしながら、ハイレゾ対応の要件を考えると上で書いて来たようなことからiOSはすでに基本ソフトのCoreAudioもアプリもハイレゾ対応がなされているわけです。
じつのところスマートフォンのハイレゾ対応で難しいのはソフトの方で、Androidが引っかかってるのもそこです。一方でオーディオコーデックと呼ばれるスマートフォンのDACのハードはむしろ簡単なはずです。(ADCもDACもワンチップなのでAudio Codecチップと言います)

ちなみにiPhone 5sのオーディオ関係のハードはAudio Codec(DACのこと)がシーラスロジックの338S1201でアンプ(Dクラス)は338S1202というチップです。下記のChipworksのサイトでわかります。
http://www.chipworks.com/ja/technical-competitive-analysis/resources/blog/inside-the-iphone-5s/
338S1201はAppleのカスタムパーツナンバーだと思いますが、下記のベース技術から推測すればハイレゾ対応はこのチップでもされていると思います。
http://www.cirrus.com/en/mobile/products/c/smartphone.html
つまり机上ではiPhoneはすでに基本ソフトもアプリもハードもハイレゾ対応できてるはずです。

iPhoneのハイレゾ対応はヘッドフォンでやれば良いだろうと思ってるとか、母艦のiTunesの問題か、もしかするとiTunesストアのハイレゾ化がうまく進まなくて対になるiPhoneをハイレゾ対応と表明できないので足踏みさせてるという読みも出来なくはないですが、iPhoneのハイレゾ対応については不思議な気がします。


一方でこのiPhone6発表の熱狂に隠れてひっそりとiPod Classicが姿を消しました。13年続いて来たあの形のiPodは終焉を迎えました。
iPodははじめての"MP3プレーヤー"ではありませんが、iTunesストアと対でポータブルオーディオを立ち上げ、ひいてはいまのヘッドフォンムーブメントのもとになりました。マニアック分野でもラインアウト経由でポータブルヘッドフォンアンプを発展させました。まさに時代を変えたオーディオ機器と言えます。
別な言い方では音楽好きのジョブズがiPodとiTunesストアで音楽のあり方を変え、その功績でグラミー賞も受賞してます。
この後のジョブズ亡き後のApple新体制とオーディオの関係はどうなって行くのか不安でもありますが興味深いところです。
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2013年09月19日

iOS7の新オーディオ機能Inter-App Audioについて

iPhone登場以来の大幅なアップデートであるiOS7が公開されました。iOS7のメインはフラットデザインとA7と組み合わせた場合の64bit化です。
スマートフォンは登場時はおもちゃのような電子デバイスでしたが、いまやパソコンをもしのぐようなIT世界の中心存在になっています。スマートフォンの内部も当初はせせこましいものでしたが、そろそろ新時代に向かうための全面的な手直しが求められています。それがAppleの場合はiPhone5Sに見られるA7とiOS7の64bit化です。これは単に64bitというだけではなく、ARMアーキテクチャもOS内部も近代化されています。そのためメモリが4GBでないから64bitは必要ないというわけではありません(演算系のレジスタやポインタも64bit化されています)。
本記事でもiOS7のオーディオ的な側面でミュージックアプリなど表面的なものではなく、内部的なオーディオ関連機能を紹介します。

まずiOS7で興味深いのはiPadでしか使えなかったカメラコネクションキット経由のUSB DACの再生が、iPhoneでもできるようになったことですが、iPad同様におそらくバッテリーから給電できる(バスパワー使わないセルフパワータイプ)xDuoo XD-01なんかではバスパワー問題を解決してうまく使えそうです(iOSにおいてはカメラコネクションキットがUSB OTGケーブルと同じです)。
ただこの辺はまたそのうち別の形で紹介することにもなると思いますので今回は略します。


もう一つは前にも書きましたがInter-App Audioです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/366058362.html
これはオーディオアプリ同士を連携させるための機能で同様な機能にはAudioBusがあります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/306285593.html

Inter-App Audioの詳細についてはnlogアプリの開発者がtwitterで解説をしています。
まずInter-App AudioはCoreAudioのようなOSのAPIですので、AudioBusのように独立したアプリは不要です。
Inter-App AudioとAudioBusは似たような機能に思えますが、まず接続構成(トポロジー)が異なります。Inter-App Audioはアプリをhostとnodeの明確な関係にわけるようで、hostから星形にnodeを伸ばしていく方式とのこと。対してAudioBusはチェーンのようにアプリをつなげていきます。トポロジー的にはUSBとFireWireみたいな違いともいえるかもしれません(USBがInter-App Audio)。
Inter-App Audioではnodeがレンダラーとなるようです。シンセアプリやエフェクトアプリなんかはnodeですね。またhostとnodeはどうやらメモリ共有できるようです。そのため連携によるレイテンシーは実質ないといってよいようですが、この辺はシステムでの実装の強みです。nodeはhostにプロジェクトとしてまとめられますが、おそらくhostアプリからnodeアプリをfork(プロセス生成)するんではないかと思います。
プログラミング的にはCoreAudioのAUプラグインのように扱えるということ。エフェクトnodeなどがありますのでそうなんでしょうね。
UI的にはAudioBusのような外から見えるUIは提供されていないようですが、アプリ間のタスクスイッチングはできるということ。Inter-App AudioはAudioBusと共用できるもの、使い分けするものとされています。

注目はInter-App Audioでは曲データの同期や再生位置、コントロール情報も交換できるようです。AudioBusってDAW向きかと思ってましたが、Inter-App Audioは音楽再生アプリ間で同期をとってなにかできそうです。

さっそく本日IK MultimediaとヤマハがInter-App Audioに対応したアプリをリリースしました。
http://www.macotakara.jp/blog/category-54/entry-21177.html
これはたとえばTENORI-ONがコントロールするhostで、Synth Arp&Drum Padのような楽器アプリがnodeなんでしょう。もうInter-App Audio対応は始まっていますね。
posted by ささき at 22:18 | TrackBack(0) | __→ iPod, iPhone, iPad | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月12日

iOS7とinter-app audio機能とAudiobus

昨日WWDCでAppleがiOS7を發表しました。そのメインはフラットデザインと呼ばれる新UIですが、ひっそりとiOS7のオーディオ機能としてinter-app Audioが含まれてます。
https://developer.apple.com/ios7/#inter-app-audio
inter-app AudioはDTM向けの機能で一連のアプリのオーディオストリーム(楽曲トラックなど)出力を他のアプリの入力として連結して作曲したりするものです。

これはもともとiOS6ではいると言ってたものですが、機能としてはすでにうちのブログで前に書いたようにAudiobusが実現してます。
そこで気になるのはこのiOS7の正式なinter appとAudiobusの関係ですが、下記にAudiobusのコメントが乗ってます。またこの件でAppleのCoreAudioチームとも会合してたようです。
http://audiobus.tumblr.com/post/52745280295/on-inter-app-audio-in-ios-7

NDA(機密保持契約)にしばられるということでちょっと微妙な言い回しではありますが両機能は共存できるようにも思えます。iOS7のはシステムレベルならでは達成できる機能とありますね。
この辺はアドバンテージを持つAppleに追いすがるAndroidという構図があるので面白いところです。
posted by ささき at 09:29 | TrackBack(0) | __→ iPod, iPhone, iPad | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月10日

AudioBusリリース

うつで何回か書いてきたiOSで音楽アプリの相互接続を可能にするAudioBusがリリースされました。iTunesリンクはこちらです(850円)。また、これに伴ってLoopy HDやNLog Synthなど対応アプリのセールも行われています。
https://itunes.apple.com/jp/app/audiobus/id558513570?mt=8

AudioBusを立ち上げるとInput/filter/outputの各スロットに追加ボタンが現れますので、これを押下すると現在インストールされている対応アプリが選択できます。また、App Storeを表示する機能もあるようです。こちらはiPhoneの画面でNLog SynthとLoopy HDです。
IMG_9158.PNG     IMG_9159.PNG

下記ではさっそくAudioBusを使って作った人の曲がアップロードされています。これはglitchbreaks(ビートボックス)とsunrizer(シンセ)をAudioBusを介してMultiTrack DAWで録音したものということです。
https://soundcloud.com/#distraub/audiobus-init
これでまたiOSの音楽世界も開けていきますね。
posted by ささき at 23:52 | TrackBack(0) | __→ iPod, iPhone, iPad | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月04日

AudioBusのリリースは12月10日

何回か書いてきたiOSのAudioBusのリリースは12月10日に決まったようです。価格は$9.99というので日本円で850円だと思います。
iOS6でのInter-App Audio機能の発表の後でAudioBusのサイトがしばらく沈黙していたので、買収かともうわさされていましたが、OS機能とは別のアプリとして発売されるようです。ただし先に書いたようにかなりシステムに近いアプリです。

AudioBusは(UNIX的に言うと)他の音楽アプリの入出力をリダイレクト(入出力先変更)してパイプ(相互接続)する機能をもったアプリと言えますね。外部機器なしでiPad上で複雑な音楽制作が完結できます。
具体的にはInput->Effects(Filter)->Outputの3つの役割スロットにそれぞれAudioBus対応アプリを割り当てます。現状での対応アプリはこちらのAudioBusのtumbleに記述があります。
http://audiobus.tumblr.com/post/37118123240/audiobus-launch-on-december-10th

ひとつのスロットに複数割り当てることも可能なようです。たとえば下記のデモ動画では複数の演奏アプリをInputスロットに割り当て、マルチトラックレコーディングアプリ(MultiTrack DAW)をOutputスロットに割り当てています。アプリ間はVirtual MIDIで連携しているようです。
MultiTrack DAWではAudioBusで立ち上げた時は自動的に接続された各アプリのトラックを作成するとのこと。


またEffectsスロットにFilterとして演奏アプリ(下記デモではNLogシンセ)を割り当てるという重ね合わせもできるようです。


マニュアルなどは現在作成中とのこと。この分野ではiOSがますますアドバンテージを得ることでしょうね。
posted by ささき at 22:46 | TrackBack(0) | __→ iPod, iPhone, iPad | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月15日

iPhone(iOS)の音楽再生アプリ 2012 Nov

ポータブルアンプも市民権を得てきましたが、iPhoneの場合はアンプと組み合わせにくいこともあって単体の音を良くするための再生アプリにも注目したいところです。またいくつか新しいのが出てきたので、これまでの再生アプリのまとめとアプリ紹介を行いたいと思います。

1 これまでのまとめ
まずiPhoneの音楽再生アプリですが、大きく3つのグループに分けられると思います。
*DLNAネットワーク系やストリーミングアプリは除く内蔵音源の再生タイプです

A. オーディオファイル向けアプリ
たとえばFLAC PlayerやGoldenEarです。
これらでは主にiPhoneの音楽ライブラリではなく独自の格納領域を持ち、FLACなどのオーディオファイル向けの音源が使用可能です。音質はDSPなど音声処理というよりも素の音をクリアに聞かせるタイプで、高性能イヤフォンとかポータブルアンプ、DACなどオーディオ機器などの接続に向いてます。

B. カジュアルユーザー向けDSP系アプリ
Radson(旧称MF Palyer)、SonicMax、Fantabitなど。
これらはおもにiPhoneの音楽ライブラリを音源としてiPhoneで再生できるファイル形式を再生します。
またさまざまなデジタル信号処理(DSP)を大きく取り入れているのが特徴で、たとえばFANTABITであればMP3などの高域補完、SonicMaxでは帯域強調処理と多彩なパラメーター、Radsoneは独自のMuseflowというアナログライク処理など特徴的な処理を行っています。これらは非可逆圧縮音源や普及クラスイヤフォンの性能を補完してあげるのに役立つでしょう。

C. ユニーク機能・デザインが売りのアプリ
各所ライブステージに似せたデータ処理をするStage Passとか、スマートなプレイリストを自動生成するGroov、Mcintoshのメーターに似せたMcintosh Playerなどですね。

2. 最近の再生アプリ紹介
ここでは最近リリースされた音楽再生プレーヤーアプリを紹介します。

2-1. UBiO (上ではBグループDSP系)

IMG_9032.PNG     IMG_9033.PNG

* 特徴
下記にサイトがあります。
http://www.ubio.jp/
基本的には音質向上させるためのUBiOモードのオン・オフがメインで、ほかに別売というイヤピースを使って高騒音化で使うというサイレントモードがあります(機内使用を意識しているよう)。
またイコライザーは従来のような波系のグラフィックイコライザーではなく、パッド上で「低域、高域、音場感」をスライドさせて好みの音にするのも新しくて手軽です。

こちらにiTunesリンクがあります(450円)
https://itunes.apple.com/jp/app/ubio/id563103341?mt=8

* 音質

ミドルクラスのBAイヤフォンであるDENON AH-C400を使用して聴いてみました。サイレントモードはオフでUBiOモードをオンにします。標準ミュージックアプリと比べるとまず全体的に音楽が豊かに聴こえます。特定の何処かが強調されてるのではなく、全体に一レベル上がった感じですね。
RadsonのHifiモードだと好みの問題もあるけど個人的にはC400ではUbioの方が良いですね。Radsonだとドライさが目立つけどUbioだと暖かみがあって聴きやすい感じです。
GoldenEarと比べるとGoldenEarの方がベルの音はより明瞭で鮮明ですが、Ubioはより厚みがあってさらに音空間を調整してる感じです。GoldenEarは素材を鮮度高くそのまま再生し、Ubioは多少調味料を入れて味を豊かにするが、味付けは自然でさほど気にならないという感じですね

UbioではたしかにiPhone単体の音の薄さ痩せを改善して、自然でかつ厚みがあり単体だけでも満足できるような再現性があると思います。反面で暖かみ傾向が強いのでダイナミックドライバーのFlat4やSE215だと厚ぼったくなり過ぎる傾向があるのでBA機に向いてるかと思います。
低域が強すぎたり厚ぼったくなるときは、パッドイコライザーで少し高域よりに調整すると良いかもしれません。

2-2. Dirac HD (上ではBグループDSP系)

IMG_9030.PNG     IMG_9031.PNG

* 特徴

Dirac HDの特徴はAppleのiPhoenに付属してくる旧標準イヤフォンや最近のEarPodsに特化しているという点です。立ち上げるとEarPodsかEarPhoneのどちらに特化するかを聞いていきます。複雑なパラメーターを調整するのではなくシンプルです。これは標準イヤフォンやEarPodsの特性に合わせて処理を行ったということで、スウェーデンのDirac Researchという会社がNaim, ロールスロイス、ベントレー、BMWなどにライセンス供与しているカーオーディオなどの技術を応用したということです。再生対象はiPhone内の音楽ライブラリです。

250円で、無料のliteバージョンがあり、liteではiTunesのプレイリストが使えない、シャッフルができな
い、検索ができないなどの制約があります。iTunesリンクはこちらです。
https://itunes.apple.com/jp/app/dirac-hd-player/id547650816?mt=8

* 音質
EarPodsを使用してDiracのEarPodsモードにして標準ミュージックアプリと比べるとまずヴォーカル表現が自然で存在感が増し、低域方向も適度な強調感があって曲全体に厚みを加えてます。
全体的により自然な表現になってるのが良いですね。
RadsonのH/E phoneモードと比べるとRadsonの方が音の広がりなど強調感で派手であるけれども、Diracの方がこじんまりとした音空間ではありますが、よりまとまってリアルで自然な音再現でこっちの方がいわばオーディオ的で、RadsonではHifiモードに近い感じですね。RadsonのHifiモードだと好みの差はありますが、Radsonがより派手で、Diracはよりリアルという感じです。
GoldenEarと比べるとやはりGoldenEarではEarPodの帯域バランスの悪さがそのまま出るけれども、Diracではそこを上手に打ち消してくれてる感じです。特にヴォーカルでDiracがより良く感じますね。

旧標準イヤフォンでは試してませんが、EarPod/標準イヤフォンに特化しているという点が面白く、EarPodsもちの人は試してみてください。
posted by ささき at 23:58 | TrackBack(0) | __→ iPod, iPhone, iPad | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウルフソンWM8533リリースと30pinアダプタ

昨日11/14付けのWolfsonのリリースでWM8533というDACチップがアナウンスされています。
http://www.wolfsonmicro.com/ja/media_centre/item/wolfsons_newest_dac_delivers_excellent_audio_performance_in_a_small_package/
ただしこれ実はこれより前に製品は組み込まれて私の手元にもありました。例のアップルの30pinアダプターに内蔵されたDACチップです。下記のChipworksによる解析を参照ください。アクセサリーとはいえアップル製品の販売ボリュームからすると、このアダプターのために開発したということもあるかもしれません。http://www.chipworks.com/blog/recentteardowns/2012/10/18/inside-the-apple-lightning-to-30-pin-adapter/
WM8533はデジタルボリュームを内蔵しているので、iOS側の音量調整はDAC側ボリュームで行われているのかもしれません。DAC側ボリュームについてはこちらを参照ください。

WM8533はコンパクトでバスパワーの低電圧でも作動します。さらに直接2Vrmsのラインレベル出力が取り出せるという便利なパッケージです。しかし、これどこかで聴いたと思ったら、ESSのES9023も同じ売り文句ですね。最近ではESSのES9018 DACチップが話題の中心になることが多いのですが、ESSのES9023もけっこう伸びてきています。マニアック系でもODACやDragonflyの採用などで知られていて、最近のCONCERO DACもレビューを読むとなかなか良いようです。WolfsonもESSのこの辺を意識しているということもあるかもしれません。
してみるとES9023を使用した30ピンアダプターも可能だと思いますが、サードパーティーでアダプターを解析したところは作ってほしいところですね。
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2012年11月05日

AudioBus本格始動

iOSで音楽アプリ間の相互サウンド入出力を可能とするのがAudioBusです。基本的にはDTM向けの機能ですが、いろんな使い方ができるでしょう。
http://audiob.us/

最近ロンドンで開発者向けにデモが実施されるなど活動が活発になって来てます。下記のデモ動画は分かりやすいと思いますが、Sunrizerと言うアナログシンセアプリの演奏(出力)をLoopy HDアプリで録音(入力)させてループさせてるところです。iPadで完結してハードは介在してません。AudioBusでは複数の入出力を組み合わせられると思います。



下記リンクに詳細が載ってますが、AudioBus自体は単体アプリとSDKと呼んでるAudioBusとのインターフェースのコードからなっているようです。
http://www.synthtopia.com/content/2012/09/17/what-is-audiobus-how-will-it-change-mobile-music-making/
音楽アプリ側ではAudioBusに対応するためにこのコードを入れてビルドする必要があるでしょう。こうしたビルドなしでシステム設定でCoreAudio/AudioBusみたいな動的な切り替えはできないと思いますので、システムに近いアプリではありますが、iOSの一部というわけではなさそうです。
上のインタビューでもAppleに認可を受けれるかどうかが鍵だったとありますが、iOSでは一般アプリはバックグラウンドでの動作に制限がありますのでAppleが公式に認可したというのは大きな前進です。またAppleはシステムの機能と同一機能を持つサードパーティーアプリを嫌うので、これが認可されたということはiOS6のinter-app audioと呼んでいた機能はこれに統合されて行くように思います。

いくつかデモ画像も載ってますが、iPhoneでも動作するようです。
http://www.palmsounds.net/2012/11/some-pictures-of-audiobus-from.html

下のタンブラーの方の記事には現状のステータスが載っていますが、リリースが待ち望まれるところです。
http://audiobus.tumblr.com/

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2012年10月14日

アップルの30ピンアダプターと互換性

iPhone5の大きな変更点のひとつはドックがiPodから続いた30ピンコネクタからライトニングと呼ばれる8ピンの小型コネクタに変わったことです。裏表関係なく接続できるなど優れた点はありますが、このライトニングはすべてデジタルになったため、アナログアウトも出せなくなってしまいました。

そこで従来のアクセサリーとの互換性を取るために30ピンアダプターが発売されています。それが届きましたので前回の記事を補完するため結果を書いておきます。

テストはフォステクスHP-P1とiPhone5を使用しました。まずライトニング直ではデジタル接続で音が出ました。ただしケーブルが長く使いにくくなります。ライトニングは認証チップが入っていてサードパーティー製のケーブルは作るのが難しいとも言います。

IMG_0317_filtered.jpg

次に30ピンデジタルとデジタルで接続してみました。左の小さなアダプターが30ピンアダプターです。接続と音の再生は問題なく、画面のALOのような高音質USBケーブルも使用できます。

IMG_0310_filtered.jpg     IMG_0309_filtered.jpg

次にアナログ接続を試してみましたが、こちらも問題ないようです。以下のDirigentのような高音質ケーブルも使えます。

IMG_0312_filtered.jpg     IMG_0313_filtered.jpg

デジタルだけのライトニングコネクタからアナログアウトを出すためには30ピンアダプターの中にDA変換が入っているということです。

この下のリンクに30ピンアダプターを分解した写真が載っています。この人はやはり中のDA変換回路を調べたかったようですが、なにかチップの中に統合されているようでよくわからなかったといっています。
http://www.macrumors.com/2012/10/11/apples-lightning-to-30-pin-adapter-torn-apart-reveals-several-chips-and-copious-glue/

30ピンアダプターも完全ではなく、いくつか制限があるようですので念のため。

* 10/19追記
Chipworksの解析で30ピンアダプターの内部にWolfson DAC発見しました。
http://www.chipworks.com/blog/recentteardowns/2012/10/18/inside-the-apple-lightning-to-30-pin-adapter/
ただし上に引用した人の話もウソではなく、たしかにオーディオ機能を持つシーラスロジックの統合チップもあるそうです。関係は不明。
posted by ささき at 23:03 | TrackBack(0) | __→ iPod, iPhone, iPad | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月21日

iPadで手軽にデスクトップオーディオを楽しむ、iStreamer

HRTのコンパクトなDACのシリーズでiOSデジタルアウト対応の新機種iStreamerがSAECから発売になりました。実機を借りましたのでインプレを書いてみます。

IMG_0152_filtered.jpg

SAECのホームページはこちらです。
http://www.saec-com.co.jp/product/hrt/support_ist_set.html

色も落ち着いた白で、白いiPadとはよく合います。
iStreamerはバスパワーでは動作しないのでUSBを使用したACアダプターを使う必要があります。パッケージには長いUSBケーブルが入っていますが、これはiPadと組み合わせるのに都合が良いですね。フォステクスなどiPhoneやiPodを念頭においているものは短いのでiPadと合わせるにはちょっと都合が良くありません。長いとiPadをウエブ見たりメール書いたりしながらiPadから音楽を聴くことができます。

IMG_0159_filtered.jpg

音傾向はニュートラルで使いやすいと思います。一つ一つの音が明瞭ではっきりと聞こえるため、iPadからこんなに音がでてくるかっていうくらい細かい音が聞こえます。ヴォーカルも生々しく、びしっと決まるベースの制動力もなかなか良いレベルです。iTransportとちがってDACが付いていますし、コンパクトなのでかなり便利だと思います。iPadのネットワーク親和力の高さを活かしながらいろいろと活用することができるでしょうね。
*下記写真のRCAケーブルは添付のものではありません。

IMG_0165_filtered.jpg

なおご存知のようにiPhone5ではドックコネクタが変わりましたので、この方式も要注意ではあります。念のため。
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2011年12月15日

iPadとiTunesホームシェアリングの応用例の記事

こちらAudiostreamの記事で、iPadとカメラキット、MacとiTunesホームシェアリングを使用して96/24を無線LAN利用でMacから再生すると言うもの。
http://www.audiostream.com/content/ipad-wireless-2496-music-streamer-2900
ちなみにコネクションキットの「音楽」アイコンはフォトショップのようです。

Audiostreamの記事で引用されてるのはこちらのBenchmarkが行ったiTunesホームシェアリングの検証記事で、ここでは30kHzのテストトーンをMacとの光接続(シアン)とiPad経由(赤)で 比較して合致を確認してます。
http://www.benchmarkmedia.com/discuss/feedback/newsletter/2011/06/1/ipad-streams-high-resolution-audio-dac1
なぜ30kHzトーンかと言うと、48kHzまでしか出てないならばそのナイキスト周波数(24kHz)を超える30kは出ないはず、ということです。
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2011年04月21日

FLAC Playerの24bit対応版出ました

以前こちらで書いたiOSのFLAC PLayerの24bit対応版が公式にアップデートされたようです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/191432693.html

リンクはこちらです。FLACのメタデータ対応も行われています。
http://itunes.apple.com/jp/app/flac-player/id390532592?mt=8
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2011年04月11日

HD-7AのUSB Class2対応とiPadのUSB Class2

本日待望のフェーズテックHD-7Aの192kHz版が発表されました。USB Class2.0対応で、コントローラはXMOSをフェーズテックでカスタマイズしたものを使用しています。
これ以外の改良としてはアナログ部に電源トランスを追加してデュアルモノ仕様としたことが大きな改良点です。実はこのトランス追加バージョンは96/24版で改造されて某所で実戦?テストされているのをよく聴いてるんですが、かなり効果が高いと思います。これ市販したら良いのにと思ってましたが、192版で出てきたようです。単に192対応しただけではなく、192の品質に見合う様にアナログ部もグレードアップしたというところでしょうか。
ちなみに同時にHD-7AのUSB DDC版も発表されています。これだけ贅沢なアナログ部を持ったUSB DDCはあまりないので、ハイエンドDACを持っている方のPCオーディオ対応などに良いのではないでしょうか。

photo_HD-7A192_front.jpg     photo_HD-7D192_front.jpg
HD-7A 192(左)とHD-7D 192


さて、USB Class2.0方式の利点はおさらいするとカスタムドライバー方式に対してOSの標準ドライバーで対応できるということです。
そこで、フェーズテックで試してくれました、iPadの192kHz対応を!
それで驚くことになんときちんと再生ができたようです。つまり、、iPadのUSBクラスドライバーはClass2.0対応ということのようです。
ただ要件はやはりバスパワーです。HD-7Aは192でも問題ありませんが、はじめの接続確立の際に100mA以下の要求をして、持続的には20mA以下でないとダメの様です。また、USBのケーブル長に制限ができて、1m以下が望ましいようです。この辺はもしかするとカメラコネクションキットの制限かもしれません。
しかし、iPadで192再生できるっていうと、タブレットの持つオーディオへの可能性はかなり期待できます。ここで前回はなにしろ数百万台も売れてるモノですから、と結びましたが、これ間違いでした。実際は数千万台売れてます。
XPのATOMネットブックPCなんかは96k再生も怪しいように思いますが、もっと非力なARMコアなのにiOSは優秀ですね。

*4/18追記
下記のフェーズテックさんのブログで記事が出ています。
http://www.phase-tech.com/digital/blog/?itemid=59
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2011年03月19日

iPadから真のハイレゾ再生に成功

以前書いたiPadからの真の24bit出力対応ですが、FLAC Playerの開発者のDanさんに改造したバージョンを送ってもらい、上手く24ビット出力が出来ていることが確認出来ました。
成り行き上こちらのComputer Audiophileフォーラムにはじめに書きました。
http://www.computeraudiophile.com/content/iOS-2496-Output-Possible#comment-74782
iPadから真の24ビット、ハイレゾ出力が出来たのはおそらく世界初です。

まずはじめに、経緯を少し書きます。
今までもiOSデバイスで24bitの曲が再生できるということが伝えられてましたが、これらは実際は16bitで出力されてます。24bitではなく下位8ビットは切られます。
仮にiPadでカメラコネクションキットを介してHD-7AなどのUSB DACに出力しても、データの幅はDACのネイティブフォーマットに合わせるために24bitになりますが、中身は16ビットがつめられて(パディングされて)やはり下位8ビットはゼロで切られます。
これは一般に「iPhoneなどは"ハード的"に48/16の制限がある」と言われて来たことです。

しかしiPadのFLAC Playerを使用すると少なくとも96kなどハイサンプリングレートの曲は正しくロックされるのに気がついたので、FLAC Player作者のDanさんと連絡して24ビット出力の可能性についても話しはじめました。
それによりiOSでのハイレゾ出力は必ずしも不可能ではないように思えてきました。つまりこれは本当に「ハード」の制限なのかということをソフトウエア的な観点から理由を探って行ったという事です。
実のところ、iOSでのハイサンプリング・ハイレゾ再生の可能性に気づいていたのは我々だけではなく、Plug Playerの開発者も示唆していました。
下記フォーラムのしたのところです。
http://www.plugplayer.com/forum/viewtopic.php?f=6&t=258
"No, there is no restriction; "..."I can support 24bit and 88.2, 96, and 192Khz in the next release of PlugPlayer. "
「そのような制限はなく..次のバージョンでは24ビット、88.2や96をサポート可能だ」、と書いてますね。

ただし現在のiOSのCoreAudioがそのまますんなりと24ビット対応出来ないのも事実です。これは以前書きましたが、ソフトウエア的なボトルネックです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/186767191.html

そこでDanさんにお願いしてFLAC playerのプログラム書き換えをしてもらいました。この改良版FLAC Playerを以降ベータ版のFLAC playerと称します。上記以外にも数点変更が必要のようです。
このベータを提供してもらいテストを行いました。これはジェイルブレークは不要ですが、インストールに特別な手順が必要です。

テストには真の24ビット出力を確認するために特別な機材が必要なのでフェーズテックさんに協力してもらいました。
テストではiPad(iOS4.3)にカメラコネクションキットを付けて、それをUSB DACのHD-7Aと接続します。そのHD-7Aの内部からI2S信号を取り出してそれをモニタリングします。
この辺の詳細はフェーズテックさんのブログに掲載されています。細かいところはこちらを参照ください。
http://www.phase-tech.com/digital/blog/item/55

結果がこちらです。端的にいうと期待通り真の24bit出力が達成出来ました。テストの曲はキースジャレットのケルンコンサートの96/24版ということです。

96-24.JPG
こちらはベータ版のFLAC Playerからの出力で、真の24ビット出力が出来ていることがわかります。

9624recent.JPG
こちらは標準のFLAC Playerによるもので、24ビット幅ですが、下位8ビットは実際はヌル(ゼロ)であることが分かります。

表の見方ですが、上の黄色の線がワードクロック、中の緑の波がビットクロック、下の紫の線がオーディオデータです。
横軸に直行して二本の点線が引かれていますが、この間が一つの24bitのサンプルデータです。点線間のビットクロックを数えると24個の波があるのが判ると思いますが、それぞれが一ビットに対応します。
結果を見ると上の画像では24ビット幅でオーディオ出力が確認出来ますが、下の画像では右の8bit分は消失しているのが分かります。これらのことからベータ版FLAC Playerでは24ビット対応が出来ているのが確認されました。つまりiPadからハイレゾで出力できるということです。
また再生中を通して96kにきちんとロックしています。再生ピッチシフトも起こしていないようです。このことから48kを越えるハイサンプリングにも対応できているのが分かります。
また肝心の再生音質も素晴らしいものです。単にiPadでハイレゾが再生できるという以上の可能性があります。世の中に数千万台も転がってるものが高音質のトランスポートになるということですね。
さらに性能に余裕のあるiPad2ではいかばかりでしょうか。

今は多少不自然な挙動があるのでDanに対応をお願いしているところです。このベータ版FLAC Playerが今後販売されるかなどはまだ分かりません。
またiPhoneではどうか、なども含めて何かあれば更新します。

*3/23
次回の正式版に入れ込む予定のようです。
http://www.computeraudiophile.com/content/iOS-2496-Output-Possible#comment-75119
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2010年12月24日

広がるAirPlayの領域

この前書いたiPhoneからAirPlayでMacにストリーミングできるAirPlayerつくった人がAirFlickっていうMac->AppleTVというのをつくったようですが、それに留まらずどんどんAirPlayの領域を広げているようです。

こちらEnGadgetの記事のはWindowsにストリーミングできるAirMediaPlayerです。これにはBonjour for Windowsが必要です。

http://japanese.engadget.com/2010/12/23/windows-airplay-airmediaplayer/

こっちのMacRumorsの記事を見るとさらにXBMCプレーヤー経由でLinuxでもAirPlay使えるようにしたり、AirPlayでAVI視聴可能にしたりとすごいスピードでいろいろつくってます。

http://www.macrumors.com/2010/12/23/airplay-hacking-streaming-to-linux-and-windows-dvd-streaming-and-more/

もはやAirPlayをクローズとは言わせないという感じですね、これは。
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2010年12月08日

iPadでフェーズテックを聴く

iPadをハイエンドシステムでも試してみるため、角田さん試聴室でフォーカルのスピーカーと、アキュフェーズ、フェーズテックHD-7Aの組み合わせで鳴らしてみました。(USB ケーブルは新発売のノードストを使いました)
HD-7Aは以前はだめだったんですが、iOS4.2ではうまく認識します。

IMG_2144.jpg

FLAC PlayerでいくつかFLACソースで再生してみましたが、音の良さにちょっと驚きます。
透明感が高く雑味が少ないクリーンな音で明瞭感もとても高く感じられます。これはHD-7Aの音のよさもありますが、もちろん上流のトランスポートの音がにごっていてはこれだけの音はでないでしょう。これだけのオーディオシステムに負けないというのはiPadのポテンシャルには改めて考えさせられます。
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2010年12月07日

iPadとiOS4.2とUSBバスパワーの問題

iOS4.2.1になってUSB DACの適用拡大ができたと思ったら、あらたな問題があるようです。
以前の制限事項としてここにUSBの給電限界が100mAと書いていましたが、こちらのengadgetの記事を見ると4.2.1からUSBの給電限界がいままでの100mAから20mAに引き下げられたという記事が載っています。
http://www.engadget.com/2010/12/06/ios-4-2-said-to-blocking-ipad-camera-kit-from-supporting-some-us/

ポータブルでの運用を考えている人はますますきびしくなったと言えるかもしれません。
DigiFiで書いたんですが、FIIO E7は給電をバスパワーではなく内蔵バッテリーから取る選択ができるので、有利かもしれません。
http://www.oyaide.com/fiio/news.html
FIIO E7はコストパフォーマンスが高く、iPadの組み合わせもなかなか良い音です。
一方でなぜか据え置きなのにバスパワー制限で使えないUSB DACがあったりもしますので注意が必要です。また一応書いておくと、そもそもUSB DACはオーディオクラス対応のもの、つまり標準ドライバーが使えるものでないと使えませんので念のため。(iOSではドライバーのインストールができないからです)
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2010年11月26日

iOS4.2とFLAC PlayerとiPadのハイレゾ再生

iOS4.2のUSBオーディオ機能強化とFLAC Playerの件ですが、知見ある人に確かめてもらったところ、FLAC Playerで96/24の曲を再生するとやはり96kHzのハイサンプリングで出力されているようです。また96だけでなく88も対応されています。FLAC Playerを使えばなんとiPadでハイサンプリング再生ができると言うことですね。(iPodアプリではだめのようです)
ただしビット幅(レゾリューション)の方はUSB DACには24bitで送られていますが、中身は16bitが詰められて下位8bitはゼロの状態で送られているようです。つまりUSB DACで扱うためにデータを24bitにそろえていますが、中身はハイレゾデータではなくなっています。

botr.PNG
Band on the RunとFLAC Player

そこでFLAC Playerの作者のDanさんに直接聞いてみることにしました。こちらはFLAC PLayerのリンクです。
http://itunes.apple.com/jp/app/flac-player/id390532592?mt=8
Danさんの言うところによるとFLAC Player側では常にFull-qualityでiOS側に送っているということです。48/16という制限も以前のiOSがそうだったからということのようです。4.2での変更点については良くわからないが、いま96kだせるのならその変更が関係しているのだろうということです。
それを考えるとやはりこのiOS4.2ではiOSのCoreAudioでなんらかの変更があったと言うことと、8bitを削っているのはiOSの方であると言うことが推測できます。
もし96/24のハイレゾ音源がiPadでビットパーフェクトで出るとなかなかすごいことなので、Danさんのほうでこの件についてちょっと見てくれると言うことです。
さて、また面白くなってきました。
posted by ささき at 10:38 | TrackBack(0) | __→ iPod, iPhone, iPad | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする