Music TO GO!

2008年05月27日

Klipsch IMAGEとアッテネーター

季節もそろそろあたたかくなり、ジャケットを羽織らないことも多くなりました。あたたかくなると、ポケットが小さくなりポータブルオーディオの隠れ場所もだんだんなくなります。
ポータブルの最小構成を考えるとnano+Xin MicroとかiBasso T2なんかがあるかもしれませんが、ときにはiPodとイヤホンだけ、という組み合わせに立ち返りたくなります。Head Direct RE1ではアンプ前提と言うセットアップでしたが、ここではアンプなしというセットアップを考えてみました。

IMAGEのところで直でもnanoとの組み合わせなんかはわりといいと書きましたが、DAPにイヤホン直というのもHeadfierとしてはさみしい、ちょっとひと工夫ほしいという時の選択のひとつはこのアッテネーターです。これはapuresoundの75Ωのアッテネーターです。
アッテネーター自体はめずらしいものではありませんが、良い組み合わせと言うのがあると思います。IMAGEにはこのapuresoundのアッテネーターがよく合うと思います。

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これだけですが、IMAGEとnanoやiPod5.5Gと組み合わせた効果は大きく、DAPから直のもやっとして締まりが悪くノイズフロアが高い泥濘の感じがなくなり、音はシャープにきりっと締まり切れも良くなります。ただし音量位置は大きくしなければなりません。
IMAGEはUE11などと違ってアッテネーターなしでも背景ノイズが気になるということはありませんが、こうすることでより音は洗練されてオーディオらしく聴こえます。

イヤホンにアッテネーターをつけて音をタイトに補正すると、イコライザーの意味も変ってきます。たとえばiPodのrock設定だと低音はかなり強調されますので、IMAGEをnanoに直付けしただけだとIMAGEの低音がもともと強いため、低域が膨らんでぶよっとしてしまいます。しかしアッテネーターをつけてから同じrockを適用すると低音の量は多くても締まってコントロールされているため、気持ち良くパンチがあるように印象は変わります。
このように適度にイコライザーを設定することでバランスを取るとなかなか使える感じにはなりますが、フォルテシモではやはり音が割れることはあります。低域もイコライザーでは結局は持ち上げているだけなので、質的な改善があるわけでもありません。
この辺も含めて(ポータブルアンプを通すことに比べれば)根本的な音の質や限界まではかわるわけではありません。

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アッテネーターは簡単に言うと抵抗をしこんだアダプターです。主に高能率のIEMのボリュームを取りやすくするために使われます。上の写真ではヒートシュリンクを外しています。
ER4PをS相当にする24Pアダプターケーブルなんかはその一種です。またE5cについていたボリューム式のアッテネーターもありますが、音質を劣化させるのでこの手のアクセサリーに対する抵抗感というのもあります。

感覚的に言うと抵抗をかませたらただ音が悪くなるように思います。そうならないのはいくつか理由が考えられますが、ひとつにはオーディオの基本であるインピーダンスのロー出しハイ受けが実現できるようになるからだと思います。それにより歪みを抑えた伝送ができます。RE1の音がクリーンで淀みがないのはひとつにはこれがありますが、高いインピーダンスが常に採用できるわけではありません。

簡単に言うとIEM(やヘッドホン)のインピーダンスが高いとより電圧を高くかけねばならず、インピーダンスが低いとより電流を多く流さねばなりません。しかしiPodのような小型のポータブル機器の場合はまずバッテリーの供給電圧の制限が始めにあるので、音圧を得るためにインピーダンスが低いことがまず要求されます。
しかし、もともと送り出しのポータブル機器の内蔵アンプの性能が低いというのは、ひとつには電流の供給力が足りない訳だから、電流が流れ易いインピーダンス(抵抗)の低いイヤホンでよい訳がないと思いますが、DAPの場合は上に書いたように今度はゲインと音圧の関係からむやみにインピーダンスを上げられません。
そうしたジレンマをアッテネーターでいわば適正化した、ということになると思います。この辺のバランスは能率も含めて、機器の組み合わせでも異なってくるでしょう。独立した別電源を持ったポータブルアンプとは違って、なにかが加わるわけではありませんが、良い方にバランスを変えるという感じでしょうか。
ちなみにポータブルアンプをつけた場合はバッファーによってアンプ側のインピーダンス(出力インピーダンス)が下がるので、結果的にロー出しハイ受けという原則に関しては同じことになります。

RE1のようなハイ・インピーダンスの機材はひとつの道ではありますが、もちろん設計ポリシーがいろいろありますので一概にインピーダンスが高いものがよいとは言えません。
たとえばインピーダンスも低く能率が高いUE11はアッテネーターと相性が良さそうに見えますが、同じアッテネーターを付けて試してみるとそれなりの効果はあるけれども、UE11についてはアッテネーターはない方が良いと思います。
UE11に関してはやはりMOVEのようなノイズフロアが低くてハイカレントの高性能アンプで素の味を生かして鳴らした方がよいと思います。そうするとUE11のまさに圧倒的な表現力に打ちのめされるように楽しめます。そうした点ではやはりよいIEMの性能を引き出すにはよいアンプを、という原則はかわりはないと思います。

もしかするとマルチドライバーとシングルドライバーという問題も含まれているのかもしれませんが、IMAGEの場合はアンプをつけてもアッテネーターは良くあうので、音の傾向も含めてもともと多少インピーダンスを足した方が良かったと言う気がします。この辺は好みの要素も大きいとは思いますが、この組み合わせはIMAGEの装着性の良さとあいまって、なかなか手軽で好適なセットアップだと思います。
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2008年01月17日

IMAGEレビューと考察

前の記事でのKlipsch IMAGEの紹介に続いてIMAGEの使用感と考察を少し書いてみたいと思います。

1. パッケージ

パッケージは本体の割りには大きく、中にはiPodをいれて収納できるケースと本体のみ収めることのできる小さなケースがついています。
どちらも作りは悪くないですが、おそらく大きな方はatrioについていたものと似ていて、小さい方はUEのオプションであるIEMケースと同じように見えます。この辺は共通のOEM品なんでしょうね。

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クリーニングキットと標準プラグとエアライン用のアダプターもついています。

2. 装着感

箱から出したIMAGEはデザインがスマートなだけに小ささが引き立ちます。大きさ的にはER4Pより一回り小さいくらいかも知れませんが、デザインとあいまって見た目よりも小さな感じがします。

実際に後でIMAGEを装着して街を歩いていたら、こっちの耳を不思議そうに見る人がいました。見たことのないイヤホンなので興味を引かれたのだろうと思ったんですが、手洗いで鏡を見て納得しました。みる角度によってはケーブルしか見えませんね、これ(笑)

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持つというよりつまむという方が正しいように思えます。耳に掛けるとか特につけ方というのはなくて、真っすぐにいれることができます。そうするとするっと耳穴に吸い込まれて行くように入ります。
片手でするっとはまるところはカナルをつけるというよりイヤホンをつける感覚ににているくらいで、両手で格闘しながら耳に突っ込むという感じではありません。ただほんとにはまっているかがちょっと心配になるので、やはり両手で耳たぶをひっぱったりしてしまいます。奥にいれてもあるところでかならず止まるので入れ過ぎる心配はないと思います。
抜く時に傘のオチョコのようになるのでかなりぴったりはまっているようです。ただ使っているとすこしゆるくなり初めのきつさほどではなくなりますが、それでも十分なフィット感があります。
(マニュアルにはUE11のようなアーティスト式に後ろで止める装着が書いてあります)

ユニバーサルタイプなので正しい大きさのチップを選択する必要があるところは他と同じです。
付属にはシングルフランジのS・M・LとダブルフランジのSとMがあります。わたしはたいていのIEMではMサイズがあいますが、これに関してはLサイズがしっくりきます(写真はMサイズです)。あっさりといれる分でちょっと大きめのサイズの方がいいですね。これでもフランジ部分はすっぽりと耳に入っているようです。
遮音効果もなかなか高いようで、たしかにこのKlipschのイヤチップは装着感と遮音性を両立させているように思います。

難を言うとケーブルがすこしちゃちで、高反発ではなくからみやすいというところです。ただケーブルを重くしてしまうとimageの良さも半減するのでここはトレードオフというところでしょう。

3. 音質について

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宮本笑里 Smile

iMod/SM4とER4Pとimage

まず入り口としては相対評価が分かりやすいと思うので、ER-4Pと比較してみます。iMod+SM4を使いました。
ER4Pと比較するとER4Pの方がすこしシャープでタイト、背景も黒くSN感が良く聴こえますが、IMAGEも楽器の分離や解像感ではそう劣らないように思えます。IMAGEはインピーダンスが50オームとこのクラスにしては高めですが、能率もかなり高めなため、この差は納得できるものだと思います。

他方で音場の広さや音の豊かさ、厚み表現でIMAGEの方がかなり良く、低域もIMAGEの方がかなり豊かでかつ解像感よく感じます。それでいて低域はそんなに張り出しているわけではありません。単純に低域が盛り上がっているだけならER-4Pの方が控えめでも質が良いと言えるかもしれませんが、IMAGEはそのまま低域方向にレンジが広く豊かで質が良いという感じです。量感はほどほどでタイトでパンチがあるという感じですね。低音部楽器の質感再現も良いです。
高域はIMAGEがある程度エージングされて落ちついてみるとER4Pの方が鋭い感じではあります。Westoneの人はアーマチュアはエージングがあまりないといいましたが、ケーブルなども含めてIEM全体としてはそれなりに音が落ち着くということがあると思います。
IMAGEは特にヴォーカルに良さがあって、肉質感がうまく再現されます。全体にIMAGEに比べるとER4Pは薄めで軽い感じがあります。音楽全般にわたってIMAGEの方が聴いていて楽しいですね。かつ楽器の分離など切れの良さも兼ね備えています。

4対1

一方で高価なだけにマルチドライバーモデルとも比べたくなります。
いま手元にはtriple.fiがないということもありますが、ここではあえてUE11と比べてみます。セットアップは同じiMod+SM4です。
ここはさすがに全域で見劣りを感じてしまうというのが率直なところで、特に高い方から低い底までの帯域にわたる再現性で、どうしてもIMAGEは小降りというかコンパクトです。解像力もスケール感もUE11の方がクラス上です。
これは比べる相手が適当でないように思えるかも知れませんが、ここで考察したいのはIMAGEとUE11のガチンコ勝負ではなくマルチの最たる4ドライバーのUE11とシングルドライバー(フルレンジ)のIMAGEの違いです。

ダイナミックレンジや音域が広い曲ではどうしても差はついてしまいますが、もともとコンパクトな曲、たとえばヴォーカルが中心となっている曲ではIMAGEのヴォーカル再現性がよいために意外と健闘したりします。発声は明瞭で歌詞がとても聴き取り安いと言えます。フライド・プライドでもshihoさんのヴォーカルは滑らかでかつ独特のハスキーさがよく表現されていますね。

ここで人の声に着目すると興味深いものがあることが分かります。
たとえばポッドキャストで良く聴くe-chat vancouverから英会話を聞いてみると、日本語でも英語でもUE11やtriple.fiではER-4Pに比べて膨らみ感というか口もとが大きい感があり、この人の声の再現の自然なリアルさがUE11やtriple.fiがどうしてもER-4Pに引けをとる部分だと思います。この辺はEtyのチューニングもあるでしょうけれども、マルチドライバーの位相の問題やクロスオーバーと関係があるように思えます。
IMAGEではER-4Pに肉薄するくらいに違和感は少なくリアルな再現性があります。それでいて、さきに書いたように音楽性も併せ持っているので、IMAGEは曲によってはとてもリアルで癖がなく聴き安いものを持っています。

総じて言うとUE11の方がいろんな意味で限界は高いがIMAGEはシンプルで小気味よいという感じです。複雑だがそれぞれの帯域特性に専門のドライバを持つ強みと、単発ゆえのシンプルで無理のない滑らかさの違いと言いましょうか。
例えていうと、4WDと電子制御で固めたGT-Rに比べたホンダS2000のような感じではないかとちょっと考えました。湾岸からアップダウンの峠までトータルで考えるとGT-Rの優位はあきらかですが、ドライブの醍醐味たるワインディングを飛ばす爽快さはどうでしょうか。

単純に価格だけで考えるとマルチドライバの方がお得かもしれませんが、IMAGEのように個性的な魅力は代えがたいものがあります。

nanoとIMAGEとアンプと

少しまとめるとIMAGEが音的に特徴的と思えるのはヴォーカルの再現性の良さと低域の質の良さだと思います。声の肉質感や低音部のテクスチャが良く再現されていて、これはアンプなしでもnanoの直差しでもよく分かります。
nanoから直に聴いた時にわたしの持ってるIEMの中では一番しっくりすると思います。nano+IMAGEはポケットに入るコンパクトなセットアップとしてなかなか魅力的なものがあります。

ただシンプルだけにアンプの差も良く対比して見られるので、iModとSR71/SM4/MOVEの違いもかなり分かる性能も秘めています。
この辺を次の機会には見ていくことにしたいと思います。
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2008年01月05日

Klipsch IMAGE !

Klipsch IMAGEはアメリカのオーディオメーカーであるKlipsh(クリプシュ)が最近発表した一連のカナルタイプIEMのひとつです。製品ページはこちらです。
Klipshはまだ日本ではあまり知られていませんが、アメリカではかなりのシェアを持つスピーカーメーカーで、とくに映画館用のスピーカー機材では半数のシェアを誇るということです。日本ではヤマハが代理店になっていて、小型スピーカーやAV用途向けスピーカーを中心に販売しています。

そのKlipschがいくつか新製品を持って昨年IEM市場に参戦してきました。そのひとつがIMAGEです。
年末の混雑で遅延していましたが、やっと到着しました。

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このKlipsch IMAGEというIEM自体がまだあまり知られていないかもしれませんが、これに興味をもったのはいくつかのユニークな特徴をもっているからです。

* 世界最小のIEM

その第1の特徴はなんといっても世界最小をうたっているところです。おそらくリリースニュースはEngadgetなどでも多くの人が見たことだと思います。
しかし実際に手にしてみるとその小ささにはちょっと驚きます。

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IMAGEにつかわれているKG926というドライバーはKlipshが開発した独自のフルレンジドライバで通常のバランスド・アマチュアのユニットの半分くらいしかない大きさだそうです。Klipschではマイクロアーマチュアと呼んでいます。IMAGEはそのKG926を一基使っているシングルドライバーのIEMです。

かなり細いと思っていたER-4と比べてさえさらに細いシルエットにはやはり驚きます。デザインが洗練されているのでさらにスマートさが際立ちます。

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もっとも発表時にこの小ささが大きく取り上げられたために次の2点の特徴はあまり知られていないかもしれません。

* 独自のイヤーチップ

第2の特徴は独自のイヤージェル(イヤーチップ)を使って装着感が良いということです。Contour Ear Gelsと呼ばれています(Contourは等高線とか輪郭と言う意味です)。
ユーザーレビューを見てもまず異口同音に言われるのはこの点です。
後でまた書きますが、実際に装着してみると装着しやすくかつかなり高い遮音効果があります。軽量のユニットとあいまってかなり快適な装着感です。
チップはShureの黒オリーブ(新型のフォーム)がはまるという報告もあります。

* シングルでの高音質

第3の特徴はKlipschらしさを追求した、という音質です。
これはわたしもあまり詳しくないですが、KlipschのスピーカーというのはJBLのようにホーンユニットに特徴があって高能率でなりっぷりのよいタイプのようです。また1946年以降と言うそれなりに伝統を持つメーカーで自分の音というものを持っているようです。
ユーザーレビューではこの小さいユニットからは考えられない低域再現力と言うコメントが多いのですが、実際に聴いて見るとたしかに上は特徴的なシャープさがあり、下もよく出ていてかつ解像力などの質も高いものがあります。これも詳しくはまたコメントしますが、全体に明瞭でシャープな音を聴かせてくれます。

また前述したようにIMAGEはシングルドライバーです。
trple.fiやUE11のように3つ4つとマルチドライバー化していくというのはもちろん帯域特性を上げるためなど理由があるからですが、各ドライバから出た音が届く時間差である位相の問題や余分な回路であるクロスオーバーが介在することによる音質低下や色付けなど、失うものもまたあるわけです。
ですのでマルチドライバー化する一方で、シンプルにこうしたシングルドライバーで音質を追求するベクトルがあってもいいと思います。
この辺もちっょとチェックしてみたいところです。


その他の細かいところではiPhoneコンパチブルという特徴もあります。これはiPhoneの端子が普通のミニフラグでは入らないものがあるためで、UEの最近出たSuperfi 4viなどもそれをうたっています。
これもiPhone導入にむけてのポイントになります。

難点はちょっと高いところで、$349という定価がついています。
ヤマハがKlipshの代理店ですし、イヤホン人気もあるのでそのうち国内でも出ると思っていたんですが、ホリディセールで$349が$299になっているのを見つけたので手を出してしまいました。

iMod/SM4でちょっと聴いてみましたが、少し書いたようになかなか価格に恥じないよい音を持っていると思います。
また、コメントを追加して行きたいと思います。

IMAGEと他のIEMについてはKlipschサイト内のフォーラムで情報がポストされています。
発表されたうちではまだリリースされていないCustom-3もかなり音質が高そうであるということで、その辺がこれから話題になっていくと思います。

http://forums.klipsch.com/forums/81.aspx

またいくつかレビューが出ています。いずれも結構好意的ですね。
Headfiにもポストが載り始めています。

http://www.gadgetnutz.com/modules/news/article.php?storyid=411

http://www.thestreet.com/s/hark-these-herald-headphones-sing/funds/goodlife/10393941.html?puc=googlefi
posted by ささき at 21:39| Comment(3) | TrackBack(0) | __→ IMAGE, KSC35 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月10日

KOSS KSC35ケーブル改造

さて、少し前ですがKOSS KSC35の隠し玉が到着しました。KSC35をリケーブルものです。これはMoon AudioのDrewさんのところでやってもらったもので、ホームページのCustom Headphoneのところに出ているものです。
ページではDrewさんが少しKSC35の在庫を持っているように書いてありましたが、さすがにもうないそうでKOSSから直接手に入れました。
もともとこちらを頼むつもりでしたが、ストック(ノーマル)のKSC35もひとつほしかったのでさきの改造していないものも含めてKOSSからは2個頼みました。
ポイントは今ポータブルでメインに使っているHD25/BDv2に匹敵するような音質で、HD25よりコンパクトで蒸れないことです。

blog_ksc35mod1.jpg

この改造では標準のケーブルをCARDASに変えています。さらに低域品質の改善のために75オームの抵抗を挿入しています。
DrewさんのところなのでCARDASではなくDragon系統も選べますが、さすがにコンパクトさに重点をおいていたので曲げにくいDragon系は止めました。CARDASでもかなり硬く感じます。


ストックのKSC35との比較ではまず全体に音が洗練されて荒さが消え、より細かな音が聴こえます。スムーズで開放型らしいこもらないで爽快感のある軽やかでバランスの良い音という印象です。解像感があるというよりはスムーズでなめらかな印象です。
また上はきれいに吹き抜け、下は固まっていた低音が下へスムーズに抜ける感じがしますが、この改造で一番特徴的なのはその締まった低音です。とてもタイトで心地よいインパクトがあります。
抵抗を入れたことでボリューム位置はやや上がりますが、音量がとれにくいというほどではありません。

XinのMacro4と組み合わせるとHD25/BDv2と比べて、細かい音の再現はもうひとつですが全体的な音の印象はスムーズさやバランスの良さ、また爽快な軽快感でかなり良いものがあります。オープンであるということも含めてまた違った魅力があります。

他の小型アンプと組み合わせてみると、micro3は歯切れの良さと軽快でタイト感が際立ち、音の細部もMacro4ほどではなくてもかなり細かく聴こえます。ただし高音がややきつくて音に荒さがあります。
mini3は音場がmicro3より広くて厚み深みがやや上、音も上質で滑らかです。ただし特に低音に締りが無く膨らむように感じます。ただし量感はあります。

なによりもバッグの中でHD25のように体積を取らないのが良い点で、おかげで文庫本が余分に入るようになりました。
また面白い点は電車の中でストックより聴きやすくなったことです。音が大きくなったわけではないですが、音がシャープになったため騒音の中でも聴き取り易くなったと思います。これは予想しなかった点ではあります。
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2006年08月17日

KSC35 in action

KOSS KSC35を通勤に使ってみました。
アンプはXinのSuperMini3とSuperMicro3を付け替えて試してみました。

blog_ksc35d.jpg

まず家から出て駅に向かって普通に外を歩いている時はとてもよい感じです。音はかなりよいですし、外の音も聞こえるので歩いていても不安がありません。散歩には最適のヘッドホンのように思えます。

しかし電車に乗るとこれが逆になります。音は漏れますが、だいたい30-40cmはなれると走行中の電車では聞こえなくなるので隣に人がいる状況では使えないけど、隅に立っていたり席が空いていれば使えます。
ただ一番の問題は電車の騒音で、走行中はかなり聴こえなくなります。それで音をつい上げてしまい、という循環におちいってしまいます。
やはり電車の中ではカナルタイプですね。。
それと他の人の耳かけ式を観察してみましたが、KSC35はつけにくいけれどもかなりしっかり密着するという感じはしますね。

またコンパクトアンプを選ぶ時にminiかmacroかというのはなかなか選びがたい問題ですが、これはヘッドホンとの相性にもよります。ES7で使うとAD8397のminiの方がハイスピードですがやや低音の膨らみを助長する感じがしたのでMicroの方が全体にやや締まって聴こえました。
KSC35ではMicroだとやや痩せた音になりMiniの方がよい豊かな感じがします。また低音もKSC35では迫力と感じるのでMiniの方がいまのところやや好感触です。


ところで、実はKSC35についてはうちのブログらしく隠し球があります(笑)
それはまた、、
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2006年08月16日

KOSS KSC35到着!

KOSSのイアクリップタイプ(耳かけ式)のヘッドホン、KSC35を入手しました。音の良いポータブルタイプとして有名でKSC50やKSC75の実質上の上位機種ですが、現在は生産していません。
さすがに最近は暑くてHD25を使いにくいということと、GRADOのストリートスタイルがなんとなくいまひとつ、というところで入手してみました。

blog_ksc35b.jpg

PortaProのユニットを流用しているらしく、PortaPro/SportaProとは発音体が同じというだけでなくイヤークリップを除いたハウジング全体が共通しているように見えます。音の違いについても後で比べてみたいものです。

一度生産を終了したので現在は日本国内でも海外でも店頭では販売していません。しかしKOSSのホームページからは直販で入手できます($29)。ただし基本的にアメリカ国内限定のようです。
また、たまにeBayで販売している人がいるのでそれを使うのも手です。

パッケージは箱にはいってなく、このようにポーチに包まって届きました。

blog_ksc35a.jpg

思ったよりは意外と大きいですが軽量です。装着はわたしが耳かけ式になれてないせいもあるかもしれませんが、はじめてShure E2cをつけたときよりてこずりました(笑)
耳たぶを適当に伸ばしながらはめました。ちょっとプラのバリがありますが、それ以外はわりと快適です。

blog_ksc35c.jpg


音はコンパクトにいきたいのでiMod(iPod 4Gen)とXin SuperMicro3につけてみました。音の感想については箱から出したばかりということと、まだわたしがきちんと装着できていないところもありますので完全ではないかもしれません。しかし音を出してみると、箱から出したばかりというのに新品の状態でもかなりよいので驚きます。

実際に今しがたまでこの組み合わせにつけていたATH ES7より明らかに音はよいです。まずES7より音場が左右に広いということと、ぱっと開けた感じがします。また全体にES7より「上質な音」です。バランスがよく、高音は痛くなく低音も十分出ていますが膨らみません。低音はES7が強調されて暴れ気味のせいもありますが、かなり差を感じます。さらに音はクリアで見通しが良く感じます。
音はES7よりくっきりとクリアに分離されて、ヴォーカルの肉質感も楽器の鳴りもリアルです。音のコントロールもきちんとしたアンプをつけるとそれなりによくて、絶対的な性能はともかく音傾向が高級機に近い感じもします。つけてると$29という値段を忘れますね。

これはXinのMiniやMicroとの組み合わせでほんとにコンパクトで高性能の組み合わせとなりそうです。ただしオープンエアということもあって音漏れはかなりあります。ここがネックですね。

また使い込みながらレポートしていきたいと思います。
posted by ささき at 21:49| Comment(7) | TrackBack(0) | __→ IMAGE, KSC35 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする