Music TO GO!

2012年06月01日

UEのカスタム・カスタムイヤフォン

最近ではカスタムIEMも広がってきましたが、UEが面白いサービスを提供しました。"Personal Reference Monitor"です。
http://www.logitech.com/en-us/ue/custom-in-ear-monitors/devices/ue-personal-reference-monitors
これは耳型やフェースプレートだけではなく、音もカスタマイズできるというものです。高中低が別に調整出来る基盤がクロスオーバーになってるようです。つまりカスタムイヤフォンをカスタマイズできるというもの。
カスタムイヤフォンとしても3way5driver、そして3独立ポートと立派なものです。フェースプレートもウッドの豪華なものが選べます。

Judeの書いた下記のHeadFi記事によると、
http://www.head-fi.org/t/612445/ultimate-ears-personal-reference-monitors-the-custom-custom-in-ear-monitor
調整は高中低をイコライザーのように調整しながら音決めをしますが、ポイントは左右独立してることで、Judeも左右の独立バランスが自分の耳に合わせるのに効果的なので驚いたということです。帯域ごとに音のセンター出しが変わってくるよう。
価格は$1999、6月開始ということ。でもこれ海外から発注できませんね。同様の調整がウエブで可能なサービスがあると面白いかも。
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2010年09月03日

UEから新「リファレンス」カスタムIEM登場

UEからその名も「リファレンス」という新しいカスタムIEMが登場しています。
http://ultimateears.com/en-us/promo/reference-monitors
これはアメリカの高名なレコーディングスタジオとの提携で開発したもので、いままでのUE11とかUE18のラインとは異なるようです。下記のHeadFiスレッドでJudeさんがプリプロダクションモデルを試した印象をちょっと書いています。
http://www.head-fi.org/forum/thread/510047/ultimate-ears-in-ear-reference-monitors-capitol-studios-collaboration-announcement-and-first-impressions
ニュートラルさとイメージングに焦点があるようで音もUE18とは異なっていそうです。なんとなくJHAを意識しているようにも思えますが、また頭痛の種が。。
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2010年04月26日

Ultimate Ears UE18 pro インプレッション

ちょっとあきましたが、Ultimate Earsの新フラッグシップ・カスタムIEM、UE18のさきの到着報告の記事の続きです。到着記事はこちらです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/142529009.html

UE18についてはこちらの本ブログのカテゴリーをご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/3938556-1.html

*デザインと外観について

UE18がトータル片側6基のドライバーで4Wayというのは下記のLogitecのブログによると、低域がサブウーファーとウーファーというように二つに分かれているようです。UE11のときはサブウーファーx2というのが低域側の構成だったので、少し帯域ずらしを行っているようですね。これで低域の強さと深さがUE11のように低域過多にならずに最適化されているように思います。他の中域と高域が二つずつなのはJH13と同じ理由なのでしょうね。
http://blog.logitech.com/2010/03/10/ultimate-ears-18-now-available-for-the-ue-labs/
実際のところバランスドアーマチュアというのは高価なイメージから最強のドライバかとも思われますが、そうではなく、むしろひとつずつは弱々しいもので、このように注意深くいくつものピースを組み合わせてはじめて力を出すものという気もします。

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外形的な特徴は音導孔が通常のカスタムとは違うということです。出口では二穴ですが、白いビニールチューブがふたつのユニットからまとめて導かれています。
また、ケーブルが新型に変わっています。写真では縦で編んであるケーブルがUE18のもので、それに直行しているのはJH13のケーブルです。

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同じ耳形を使ったこともありフィットは良いんですが、UE11にくらべてシェル造型の三次元的なアールは減って、他のメーカーに似た感じの普通なシェルになったような気もします。

*音の第一印象

まずぱっと聴いて感じるのは立体的に広がり軽やかな空気感が感じられる音場空間、そして楽器や声の表現が自然でリアルなこと、また期待通り低域もたっぷりありますが中域が前に来てヴォーカルの存在感が大きいことです。少し聴くとJH13に比して音色が美しく感じられてきます。

これらからニュートラルな音色でフラットな帯域特性のJH13とは異なる点が感じられます。前のUE11は音に贅肉がつくのが感じられるところがJH13に比べるとマイナスでしたが、UE18ではこの点は大きく改良されてかなり引き締まって聞こえます。ただしJH13に比べるとまだアスリートのような細身のしなやかさには及ばないように思えます。

*UE11とJH13とUE18

これらを総合して考えると、HeadfiでJudeさんが初めにコメントした"UE11 mkIII"というコメントが非常に的確で、端的に象徴されていているよう思います。ひとことでいうとJH13的に洗練され、進化したUE11というところでしょうか。
つまり音の個性や性格的にはUE11の延長上にあるけれども、UE11にあった妙な帯域バランスの悪さを改善し、JH13的に低域の強調感が薄れ、音自体も全体に引き締まった方向へと変わっています。またUE11の良さだった広がり感、空気感と柔らかさからくる音楽性、ぱっと感じる細やかさも受け継がれて向上しているように感じます。
そうした意味でMkIIよりも一歩進化したMkIIIという表現は的を得ています。「UE11の完成形」ともいえるかもしれません。もしかするとUE11はJH13にたいするJH16のように、UE10に対してライブ向けに埋もれる低域強調を図ったモデルだったのかもしれませんが、今見るとずいぶん甘さがあります。その方向がUE18で結実したということかもしれません。

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それぞれ左がUE18で右がJH13

カスタムIEMでいま自分の基準になっているのはJH13です。JH13を基準とすると、UE18はJH13をも越える部分と、JH13のようには満足できない部分があります。UE11を基準にする場合には、すべてにおいて優れていると思えます。UE11とJH13を比べた場合の欠点がかなり改善されていて、よりタイトに、バランスよくなっています。そういう意味ではかなりJH13を意識した音ですが、一方でやはりJH13まではきっちりとした音にはならずにやや膨らむところが残っています。
逆にUE11の持っていたJH13に対してのよさ、空気感や柔らかさ、暖かみ、は残っていてプラスになって音楽を楽しく聞かせてくれます。ただ能率はUE11より下がっているとも思えますが、そのせいもあってか軽やかさはUE11よりも特徴的というほどではないかもしれません。いずれにせよJH13に比べると ー あくまでJH13と比べて相対的に、ですが ー 全域緩めで、オーディオファイル向けと言う点ではやはりJH13かもしれません。

音楽を聴く機材として考えると、JH13は音楽と向き合うもの、UE18は音楽と楽しく過ごすもの、という見方もできると思います。これが設計者の意図どおりかは別として、相対的にはそう感じます。

*音の広がり

UE18のJH13に比べてよいと感じる点は立体的というか立方体的なボリューム感のある空間的な広がりと、UE11ゆずりの少し明るめの軽やかな鳴りから感じられる空気感のような雰囲気再現がうまくマッチして、すばらしい空間表現を作り出していることです。
この辺ではちょっとGrado PS1000に似たよさがあり、またヘッドホン的な感じもあるかなあと、ちょっと感じました。 (比喩的な、という意味ですが)

*再現性の細かさ、リアルさ、音色の美しさ

次にJH13との差はひとつの音、それ自体の表現の仕方、鳴り方です。
あくまでニュートラルで着色感のないJH13にくらべると、特に高いほうの音で音色が美しくかつリアルさを感じます。これはどちらが良いとはいえませんが、感性的にJH13よりも好ましく感じる点です。
音自体はJH13よりも膨らみがちではあるけれども、解像力とか細部はあるいはJH13を超えているかと思えるほどです。
はじめにUE11の到着報告の記事を書いたときに、当時一番と思ってたtriple.fi 10を聴いていてもすごいと書きましたが、今回もUE11にたいしていうとUE18はUE11を知っていてもすごいと思いますね。細かい部分の再現性とリアルな質感表現はJH13も上回るところもあると思います。
特に中域から高域にかけての鮮明さがぬきんでています。金属の擦れる音の生々しさはUE18の方が明瞭で細かく、それでいて痛さをかんじません。帯域バランスがよくなった分でヴォーカルはより前に出て、質感表現にも磨きがかかり発声や歌詞の明瞭感はずいぶん上がっていると思います。
ただ細かい表現力の差は新型ケーブルのゆえかもしれません。標準リケーブルみたいな感じでしょうか。


*アンプの組み合わせ

JH13はなにで聴いてもだいたい悪くないんですが、UE18はUE11ほどではなくてもやはり機材を選ぶように思えます。UE11のようにインピーダンスが低いからアンプの出力インピーダンスも低さ(ハイカレント)が求められるという性能的なものよりは、もっと性格的なものです。
ここまで書いてきたような性格の違いを考えると、個人的には組み合わせとしてはiMod5.5GにALO SXC、それとSR71Aの組み合わせが好ましく感じられます。特にiPod5.5GのWolfson DACの甘系のよさとサミュエルズさんアンプの暖かみが音色のよさに映えますね。それでいて音再現力はかなり高いものとなります。

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相性で言うとUE18+SR71A+iModはすばらしく、JH13+Hifiman801と同じくらいのお気に入りとなりました。(バランスのProtectorはまた別です)
前者は音楽性と音性能の高い次元での調和が美しく、後者はHiFi指向の音の冴えが気持ち良い、という感じです。UE18は自然でかつリアルな音楽体験をもたらしてくれます。自然というとニュートラルかつフラットのほうが自然という言葉にふさわしいとも思えますが、実際に感覚的に感じる自然さ、ライブ感はもっと別なものかもしれません。

iPhone直ではおそらくいままで聴いた中では一番かなと思えるくらい良いと思います。この辺は狙ってバランスを取ってるようにも思えます。
上に書いたように軽やかな空気感や細かさをiPhoneでも十分に堪能できます。低域も適度で心地良いですね。


*音楽との取り合わせ

空間表現がよくスケールが大きいのはUE11と同じで、UE18はクラシックにはとても向いているとおもいます。
村治佳織の"Viva Rodorigo"のオーケストラとのギター協奏曲なんかを聴くと、とてもぴったりしていてまたJH13との差がわかりやすい題材です。
この曲をJH13で聞くとシャープだけど細身でスケール感が足りないと感じます。UE18ではギターの音もJH13よりも軽やかでテクスチャ豊かにリアルに描き出しています。JH13はUE18に比べると音の響きの豊かさに欠けているように思えますね。UE11から引き継いでいる音の柔らかさがUE18の音を音楽的に聴きやすくしているようです。JH13は対するとドライではないけど、やや分析的で客観的かなと思わせます。
JH13と比べた低域の量感(SR71Aでの誇張も加味して)もスケール感をうまく演出しています。

一方で大西順子さんのジャズのピアノトリオなんかだと、JH13の方がシャープでかっちりとした再現で、ややUE18に比べると小ぶりに感じるけれども、スイングの小気味よさやベースのピチカートのぴしっとした切れ味などは良いですね。
UE18はこうした音楽だとやはり全体にJH13よりゆるく甘い感じは目立ちます。またジャズだとUE18(+SR71A)はちょっと低域過多かなと思わせるところはあります。

ポップ、ロックとかエレクトロニカみたいな音楽ではUE18の方がかなり向いているように思えますね。低域もたっぷり乗って、迫力とリアルさが迫ってくるように感じられ、かつ音が多くてもくっきりと分かれて整理されています。

ダイナミックさとアコースティクを兼ね備えたロドリーゴ y ガブリエーラの1111なんかは圧巻のかっこよさがあります。音がきれいで美しい、というか機器の音の美しさをよく引き出します。空気感があり雰囲気表現が良いのはUE11と同じだけど、より洗練されて演奏のかっこよさを引き出します。

*ふたたびUE18とJH13、そして

UE18は、はまると「こんな音世界はJH13にも作れない」というような離れがたいすばらしい音楽の世界を作り出します。リアルで空間表現が豊かという点で少し前に見たアバターの3Dの世界を思い出しました。ただJH13は隙なく完結してるとおもいますが、UE18は良い点もあるけど、甘さが欠点に思える点もあります。
この音でJH13のようにぴっしり締まっていると最高ではありますが、まあそれは贅沢というものかもしれません。また、おそらくそれはJH16ではないと思います。

はじめてカスタムを手にしたUE11の時はとにかく低域がすごくて、音が細かくて、音場が広くて、すごいすごいとそんな音性能に驚いただけだったけど、いまはこんな高性能機を手にしても高望みをするようになったものだと思いますね。
それだけカスタムの性能も高くなり可能性も高くなったと思います。
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2010年03月02日

Ultimate Ears UE18到着しました

UE18到着しました。

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カスタムオーダー内容は下記の通りです。
Titunium Plate($100)
UE logo Silver(無料)
Shell color : clear
cord color : black

注文については質問をばらばらとメールで書いたんですが、帰ってきた返信はきちんとこちらのほしいところを汲み取って見積もりを出してくれてました。この辺はなかなか良かったんですが、出荷のときにややどたばたした感はあり、当初予定の2月初旬を大きく遅れての到着です。

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カスタムペイントは今回は取りませんでしたけど、無料でつけられる画像はないかと聞いてUEロゴをつけてもらいました。チタニウムプレート(そう見えるだけでチタンではありません)は$100と前回の$50に比べて高くなっていますが、今回は耳型代がなかったのでその分つけてしまいました。これはなかなか映えるしUE独自です。(最近ではJHAでもチタニウムプレートオプションがあるようです)

今回の狙いはチタニウムプレートとシルバーのUEロゴを合わせたら、ロゴはシェル表面のプリントでプレートはシェルの中なので、ロゴの影がうまく立体的に浮き出るのではないかということです。これはなかなかうまくいきました。ロゴのシルバーに黒く映える影がロゴを浮き立たせています。
UE18のオーダーページでは限定的なことしか書いてませんので、せっかくのカスタムならいろいろと頼むのが良いと思います。

シェルの色は迷ったんですが、チタニウムプレートを取ったのでクリアとしました。ただ薄い半透明を取る手もあるとは思います。
コードは今回変わったのでどうか分かりませんが、前回は酸化して汚くなったので、黒で頼みました。ケーブルはかなり太くなっています。このままリターミネートすればバランスになりそうです。

耳形については再度取り直しませんでした。UE11で(二年半前)に送ったときにUEでは耳型から型(cast)を取り、そちで保存しているので問題あないということです。実際に装着はUE11同様によくフィットします。

ということで、肝心の音についてはまた更新します。
posted by ささき at 01:07 | TrackBack(0) | __→ UE 11, UE18 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月15日

UE18に悩む

ええ、悩んでるのは買うかどうかではなくオプションですが(笑)

いまよく使っているのはJH13+Hifiman801です。JH13の音的には申し分ないですが、最大の問題はシェルの造形だと思います。いままでいろいろカスタムをやってきましたが、JH13のシェルの造形はUE11にとても及びません。フィット自体は須山さんのとこが一番うまいと思いますが、UEのカスタムペイントも含めたサービスや、三次元的な造形、装着しやすさなどはさすがに老舗です。
JHAはよくわかりませんが、フロリダという土地柄を考えると地元の補聴器屋さんとタイアップしているように推測してます。それでもFreQよりはずっと良いですが、音性能に対してシェルがちょっと残念ですね。やはりカスタムでシェルは重要です。
JH13と同じくらいの音性能でシェルはUE、、と耳元の悪魔にささやかれたら選択の余地はなくなりました(何匹悪魔が住んでるんだという話もありますが)。

ペイントも考えますね。UE11のときはキャンペーンで無料だったのでやったんですが今回はそういうのはないようです。
ただJH13のときは見るからにシェルがいまひとつだったので、危ない橋を渡したくないのでペイントは取らなかったんですが、UEならいいかなとも思います。
わたしがUE11でやったのはチタニウムプレートですが、チタニウムプレートに関しては黒のエッチングのみが指定できたと思います。ですので絵をいれるにしてもエッチングでできるシンプルなものがよさそうですね。エッチングはペイントに比べて高級感があります。(*ただカスタムギャラリーを見ているとチタニウムプレートの上塗りのラッカーにペイントするというのもあるようです)
あとはUE11のときの新色のElectric Blueもよさそうですね。

ちなみに$50追加のambientオプションとは、穴を開けて周囲の音を少し聞こえるようにするためのものです。26dB削減から12dB削減になります。
これはカスタムに慣れてない人とか、ステージの音を聞きたい場合のものですが、Headfierでもこちらを好むという人もいます。これはUE11のころからありましたが、このときははじめからの選択ではなく、UEに頼むという形だったと思います。これは後でふさぐこともできるようです。
わたしは電車で使うのでこれは取りません。でも頼めば乗り越すこともありませんが。。

耳型については二年半で自分の耳が変わるということもあるかもしれないけど、もしそうなら当時作ったUE11は装着できないはずですよね。それはないので、問題は耳型の経年劣化ですね。
*その後問い合わせでUEでは耳型から取った型(cast)で保存しているので、耳型自体の劣化は関係ないということがわかりました。

追加情報ですが、下記のロジクールのブログによると、UE18はCESではなくNAMMで発表されているようです。これはNAMMが開催されているのがアナハイムで、UE本社のアーバインから近いからだと思います。
http://blog.logitech.com/2010/01/14/born-today-for-music-royalty-the-ultimate-ears-18-pro/

このロジクールのブログではUE18は4Wayとかかれてますね。昨日のJudeさんの中でも4Wayという記述はあったんですが、勘違いしているのかと思ってました。
2x3ユニットで4Wayって分かりにくいですね。JH13だと高中低のそれぞれに2つのユニットが使われているんですが、これは同じクロスオーバーの帯域から同じ音をだしているということです。UE18ではどれかひとつが、スタガード構成のユニットかもしれません。JBLのスピーカーなんかは二つある同じウーファーでそれぞれクロスオーバーを変えるということをやってます。それに近いものではないかとも推測してます。ただこの場合はtrue 4wayとは言わないかもしれません。
どれかひとつが単に2wayユニットかもしれませんが、ちょっと分からないですね。

またここではUE1というタイプも発表されています。こちらは片耳用で録音モニター用のようですけど驚きの1シェルにLRそれぞれ2Wayの4ドライバー入ってます。またケーブルももちろんLR統合タイプです。
二組買って、左右別々の音楽を聴くという聖徳太子も真っ青の楽しみ方もあるかもしれません(^^
posted by ささき at 20:03 | TrackBack(0) | __→ UE 11, UE18 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月14日

UEの新フラッグシップ UE18 pro登場 !

とうとうというか、UE11の上を行く新しいカスタムIEMにしてUEの新たなフラッグシップとなるUE18 proが登場しました。6ドライバーです。
Ultimate Earsのホームページでも正式に発表されています。
http://www.ultimateears.com/_ultimateears/store/custom/ue18pro.php

Judeさんの記事に出てますが、ケーブルもこれまでとは変わっているようです。二月発売ですが、でも$1350って。。円高のうちに決断が必要のようですね。
21ohmということでUE11よりは高いしまった音が期待できます。高いほうは18kHzまでなのでJH13の20kHzには届いていませんが、ここは測り方にもよるのでなんとも。

こちらにHeadFiの管理者であるJudeさんの記事があります。音についてはこちらで少し推し量ることができます。
http://www.head-fi.org/forums/f103/ue18-pro-ultimate-ears-announces-their-new-flagship-custom-iem-466466/

コードネームはUE Zと呼ばれていたということで、このときにJudeさんが例によってベータテスターとして呼ばれたということです。
開発中のものですが、UE Z(UE18のプロトタイプ)は、なんとなくUE11の音傾向を引き継いでいるように思えますね。Judeさんも"UE11 MkIII"と呼んでます。MkIIIというのはMkIIをスキップしたくらいUE11から進歩が見られるから、ということのようです。
低域は強調されてますがUE11ほどではないとのことで、中域はスムーズで音楽的なようでこの辺はUE11の引継ぎでしょうか、そして高域がとくにJudeさんが気に入った向上の見られたところだそうです。

JudeさんはJH13とUE18は違うので比較は興味深いと言ってますね。UE18の方がJH13よりも低域(midbass)は強調されているということで、UE18はJH13よりも前に出るタイプの音でより厚みが感じられるとのこと。高域はどちらもいいけど、JH13の方が低域と中域がフラットに出ているので、相対的に高域はJH13の方がはっきりとしているようですね。
JH13の方がUE18よりもニュートラルで「オーディオファイル向き」の音でUE18はウォーム感が感じられるということです。これはUE11の傾向を顕著に引きついているように思えます。わたしもUE11とJH13の両方持ってますが、これらのことからなんとなく音が分かります。
これまでは単にJH13の方がUEよりも技術的にも優れているように思えてたけど、UE18の登場でギャップは縮まり、単に好みの問題になったように思えるとのこと。

6ドライバーですがUEのページを見るとJH13のように2x3Wayというように見て取れます。
http://www.ultimateears.com/_ultimateears/store/custom/ue18pro_features.php
Jerry HarveyのJH11はもし彼がそのままUEにいたらUE11もそうなったのではないか、という音だそうですが、おそらくJH系はJerry Harvey時代のUE10の系統を継いでいるのだと思います。UEはUEのいまの音があるということでしょう。そうすると逆にUE18はJH13に対してのUEの回答という感じなのでしょうか?
ちょっと興味は高まります。JH13の低域を少し強調して、中域はもっと音楽的にというと、それはそれで魅力的です。

二年前の耳型まだつかえるかな?
posted by ささき at 22:38 | TrackBack(0) | __→ UE 11, UE18 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月01日

UE-11 ProとカスタムIEM

- 準備・発注編

ここでは私がUE11をカスタムオーダーした実例をもとに解説していきます。たとえばペインティングが不要な場合などはもう少し簡略化されますので、あくまで参考としてお読みください。

*UEのカスタム製作

まずUltimate earsの例をとるとカスタムIEM製作には二つの選択があります。
ひとつは耳型だけカスタムにする基本的なものと、ペインティングもカスタマイズするものです。ペインティングはもともとライブやスタジオで他人のものと間違えないようにと言うことだと思いますが、UE-11は9月末まではキャンペーンで無料でペインティングを入れてくれるということですので私も挑戦してみました。

こちらにさまざまなカスタムアートのギャラリーがあります。
おもしろいのはホームページに乗っているサンプル以上にさまざまなヴァリエーションのカスタマイズがあるということです。マーブル模様とかグラデーション、ビーズなどなどホームページにないパターンもあります。

http://www.ultimateears.com/_ultimateears/community/earartgallery/index.php

これは下記のカスタムオーダーページを見ると分かると思います。

http://www.ultimateears.com/_ultimateears/products/custom/ue11pro_description.php

カスタムペイントでなくてもシェルの色の選択はできますが、よく見るとカスタムオーダーページの色見本と、オーダーカートでのメニューから選択できる色の種類も違います。

基本的にはやはりミュージシャンなどはLA郊外のアーバインのUE本社に行って口頭でUEのペイント担当と複雑なデザインのカスタマイズをしていると思います。これは一般ユーザーでもUE本社に行けばやってくれると思います。(おまけもくれるそうです)

とはいえ、遠い国からメールベースでオーダーする身としては困ります。カスタムのオーダーがメニューと内容が一致しないのでどうするのか、と聞いて見たところ、あっさりメールでオーダーシートを書いてくれと言われました。このときにクレジット番号もメールで送るように言われます。
ただそれでは抵抗があるので、わたしは本体と送料をカートで払いました。とりあえずカート上ではクリアシェル・クリアケーブルと指定しました。そしてメールにオーダー内容を書いて送りました。
しかしカートに乗らなかったオプションの分(titaniumプレート)をあとで払う必要が後で出ました。後から思えばはじめからメールで払えばよかったかもしれません。工夫してメールを分割するとか国際FAXを使うなどの手があると思います。
インプレッションの箱には念のためにカスタマイズをやりとりしたメールのコピーも入れて送ります。カートではこう指定したけれども、オーダーはこちらのメールに書いたシートの内容を使ってくれと朱書きで書き込んでいます。

次に具体的に必要なものを説明します。


*カスタムIEMに必要なもの

1. インプレッション

まずカスタムIEMの基本として耳型を取る必要があります。
これがわたしのインプレッション(耳型)です。

ue11d.jpg

インプレッションは補聴器関係のお店(audiologist)で取得できます。わたしはIEMのノウハウに通じている須山補聴器でやってもらいました。東京に来られる方は須山さんがベストだと思います。
関東近辺でない人は近くで探さねばなりませんが、採取方法は補聴器とは少し違うようので注意が必要です。
耳型を取る方法についてはこちらに詳述されていますので、お店とよく相談のうえ採取した方が良いと思います。
http://www.ultimateears.com/_ultimateears/products/custom/audiologist_instructions.php?we_editDocument_ID=400

2. オーダーシート

わたしのオーダー内容は簡潔に書くと以下のようになります。

ケース: シェルはクリアでチタニウムプレート仕様、プレートの表面に指定したJepg画像を黒でエッチングする
ケーブル: 46インチのクリア
ちなみにストレートプラグはないそうですのでライトアングル(L字)になります。ライトアングルプラグはtriple.fiと異なる小型のものでMOVEのように狭いプラグとはより干渉しにくくなっています。

 2.1 チタニウム・プレート仕様について

わたしのUE11はクリアのシェルのフェイスプレート側(外側)にメタリックなプレートがついていますが、これがtitaniumプレートです。これはオプションで追加に$50必要になります。なおチタンといっても実際はローディーケース(アタッシュケース)に使われる素材のようです。こちらのheadfiポストにtitaniumプレート仕様についてのコメントがあります。
http://www.head-fi.org/forums/showpost.php?p=2158838&postcount=49

わたしは"the titanium plate should be slightly smaller than the outer case"(チタニウムプレートは外殻よりやや小さくしてください)という注意書きを入れました。これはプレートと耳の干渉を防ぐためです。またプレートが剥離しやすいというHeadFiのコメントもありましたので"clear coat around the edges of the faceplate"(クリアラッカーをフェイスプレートの縁に塗布)を頼みました。
ただしこれらは聞いて見たところ現在は標準でやっているそうです。はじめはチタニウムプレートはあまりよくないのではないかと考えたこともありましたが、こうして手に届いてみると特にそうしたネガティブなところはありません。初期はいろいろと問題があったかもしれませんが、カスタムオーダーの方も進歩しているという訳ですね。

3. ペインティングの素材(元絵)

ペインティングの下絵はJPEGで入稿してくれと言う指示はありますが、それ以上の細かい指示はありません。
何回聞いても何色とか大きさとか階調とかそうした仕様については答えてもらえませんでした。どの程度まで複雑な絵が描けるかは分からないので、二値(BW)の絵から選びました。そうこうして考えるとFAKiEのTo the Limitのジャケットが思い浮かんだわけです。
http://www.fakie.jp/
送った元絵はあまり大きいサイズの画像ではありませんが、わりときれいにエッチングされています。
また、あらかじめ用意されている下絵はないかと聞いてみたところ、UEのロゴは用意されているようです。


*カスタムIEMの発注の実際

わたしも初めてなのでいろいろと困惑したところがありました。ベストではないかもしれませんが私のやった手順を記しておきます。なおタイムスケジュールは最短ではなく、わたしもいろいろ忙しかったので私の都合でのスケジュールです。
基本的にインプレッションをUEが受領してから発送するまでが2週間、カスタムオーダーが入ると追加で1週間と言うことのようです。

1. UEにコンタクトしてUE11を日本に発送してくれるかを確認。(8月初旬)
OKの返事を得る。
この時期にHeadFiでUE11が無料でもらえるというGiveaway(キャンペーンの景品)に応募するがあっさり落ちる。

2. インプレッションの採取を行なう(8月中旬)
これは須山補聴器さんで取ってもらいました。5千円台くらいです。正確な価格は問い合わせてください。
下記ホームページからメールないしは電話にて予約を入れます。
http://fitear.com/
http://4133.com/

3. オーダーを入れたいむねをUEに連絡。(8月後半)
カスタムオーダーを入れたいが、ホームページのサンプルとカートのメニューの色が合わないと質問する。
UEからはカードとオーダー詳細をメールにて送るように連絡してきました。

4. 上記のカートでのオーダーのコピーと念のためカスタムオーダーのメールのコピーをプリントして入れてインプレッションを送る。(オーダーのコピーは必須) (8月最終週)
ここでオプションのチタニウムプレートの代金を払う必要があることがわかりました。

5. むこうからはインプレッションの到着通知はきませんが、こちらから送ったEMSのトラッキングを見ていたので、それで到着を確認。数日おいてからUEに到着したかと確認メールを送る。(9月初旬)
到着したと返事があり、9/24に発送すると返信が来ます。カスタムオーダーなので約3週間を足した日にちと思います。これはむこうの繁忙に拠るかもしれません。(UEは全部で25人くらいの会社だそうです)
また、どういうふうに絵がプリントされるのか不安だったので製作途中でプルーフを見せてくれるかと聞くが、これはだめといわれました。

6. トラッキング通知が突然届きます。(9/25)
運送会社のものでUEからではないのでスパムだと思わないように注意。

7. 到着(9/28)

Headfiでアーバインに見学に行った人の話によるとUE11はかなり人気があるそうですので期間は多少の変動はあるかもしれません。

ue11e.jpg          ue11f.jpg

Custom用のパッケージに入れられて送ってきます。ボックスのデザインは指紋の意匠で、カスタムIEMはひとりひとりが違うものという意味のようです。中にはtriple.fiのlimitedでもついてきたローディーケース(アタッシュケース)に名前がプリントされてきます。名前はオーダーのときに指定します。
中のメタルケースはtriple.fiとはやや異なる質感のものになっています。付属品はマニュアルとクリーニングスティックだけとややさびしいものですが、プロ仕様のものなのであまり余分なものは不用と言うことでしょう。


* * * * * *

とにかくフィッティングがうまくできているかとか、デザインがきれいに描けているかとか、届くまではかなり不安を味わわせてくれるものではありました。期間もあしかけ2カ月弱ほどかかっています。
そもそも少量の受注生産のものですから頼む側にも心構えが必要ではあります。ただしあまり連絡がない時は確認することもまた必要です。

このように英語力もそれなりには必要です。たぶん上の説明を見ても不明確なことは多いかもしれません。たとえばUEロゴだけの場合は価格はどうなるのか、位置や大きさは指定できるのか、などです。しかしわたしは自分のやった範囲しか説明できませんので、それらについてはUEに問い合わせてください。セールスのBradさんは親切に答えてくれると思います。

またオーダーも齟齬があったという書き込みもありましたので、しっかりと向こうに伝わらないといけません。そのために私はインプレッションの箱の中に必要とされたオーダーのコピーだけでなく、カスタマイズの内容とメールのコピーも入れておきました。
ポータブルアンプのオーダーもそうですが、決まったフォームとか決まったパターンというのはないので、場合に合わせて各自できちんとむこうに意思を伝える工夫が必要だと思います。
posted by ささき at 22:07| Comment(6) | TrackBack(1) | __→ UE 11, UE18 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月29日

UE-11 ProとカスタムIEM

- 到着とイントロ編

Ultimate Earsの新しいフラッグシップモデルであるカスタムIEMのUE-11 proが到着しました。

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わたしはフルカスタムということでペインティングもオーダーしました。
デザインは知っている方も多い通り、FAKiEの"To the limit"のジャケットです。これは今回の使用に関してお願いをして、keicoさんに許可してもらいました。
外装ではクリアのシェルにカスタムでチタニウムプレートデザインをオーダーしています。なかなかシックにうまく出来ているのではないかと思います。

フィットは多少きついくらいなので問題ないようです。はじめはこんなの耳にはまるか?と思いますが、こつをつかむと恐ろしいほど耳にぴったりと吸い付きます。自分の耳型を取っているので当たり前かもしれませんが、ここはやはりカスタムです。
ビニール皮膜の部分はメモリーワイヤーになっていて曲げて耳にかけます。

今回は音のコメントから行きます。これにはとにかく驚きました。
triple.fiに比べると能率が高めでやや明るめですが、とてもクリアでtriple.fiが荒く思えるほどUE11の中高域は繊細です。STAXのように繊細さからかもしだされる空気感があってとても気持ちが良い雰囲気で全帯域を包み込みます。

低域はtriple.fiよりもさらに豊かでカスタムのアイソレーションのよさとあいまって驚くほどです。ミッドドライバーのおかげかこんなに低域が豊かなのに中域がtriple.fiのようにマスクされるという感じがしません。
しかし一番驚いたのは立体的で奥行きを感じる空間表現と言うか音場の深さ・立体感で、これはあまりIEMでは聴いたことがありません。
高低のレンジの広さ、繊細な解像力・独特の空気感とあいまって端的に言っておそろしいくらいリアルです。音楽表現にも優れていてクラシックはスケール感豊かに鳴らし、ロックはパワフルでインパクトがあります。

分かりやすい例えはやはりtriple.fiですが、良く聴いていくとずいぶんちがうというか、かなり進化しています。つい昨日まではtriple.fiが一番と思っていましたが、やはりUE11はクラスが違うという感じがします。さきほどtriple.fiで聴いていた曲をUE11で聴きなおすと新たに感動します。ありえない音、というのが率直な感想です。


箱から出したばかりでこんなに恐ろしいとか驚いたと連発して良いのか、と思いますがちょっとここでクールダウンします。
うちのサイトでは夏休みの自由研究として、一昨年は「HP-2とGrado」、昨年は「ヘッドホンのバランス駆動」といろいろと課題を選んできました。
今年は夏の自由研究がなかったんではないか、と思われている方もいるかもしれません。しかしレポートの提出は遅れましたが、実はこの夏は8月あたまのUE11の発売開始からUE11の発注でいろいろと苦労していました。
そこで今年の夏休みの自由研究のテーマを「カスタムIEM」として以下そのメモをまとめてみました。


*カスタムIEMとはなにか

最近UEのtriple.fiを使っていて気がついたのは最新のIEMの性能の高さと、高音質を得るための外出時でのアイソレーション(遮音)の必要性です。
アンプとヘッドホンの性能があがると解像力が高くなり細部の情報量や微妙な再現性が高くなります。また低域特性も豊かになります。これらは音再現をより豊かにしますが、その差である細部とか低域はきちんと外部雑音からアイソレートされてないと発揮できないということです。
たとえばHD25-1とリケーブルでもかなり高い音再現能力がありますが、HD25のアイソレーションではやや不足してしまい、外出時にはその真価を発揮できなくなることがあります。
そのため、まじめにIEMに取り組みたくなりました。カスタムタイプのIEMもほしかったこともあり、UE-11を注文することにしました。


基本的なことがらですがまず、IEMはインナー・イヤー・モニター(あるいはイン・イヤー・モニター)の略でいわゆるイヤホンを総称的にいう言葉です。iPodについてくるイヤホンも含みますが、最近では耳の穴に挿入するカナルタイプが増えてきています。ここでは以降カナルタイプのIEMについて言います。
もともとカナルタイプはミュージシャンがステージ上でモニターとして使用するもので、それがコンシューマー向けに転用されてきたという側面があります。たとえばE2cやE5cのcはコンシューマー向け販売経路という意味です。

カナルタイプはステージ上で目立たない、遮音性が高いという利点がありますが、耳の中に入れるため耳道の形が人によって異なり、カナルタイプのフィット感はたまたまイヤチップにあうかとかIEMの形状があうという製品との相性に左右されてしまいます。
そこで耳の型を取って、個人に合わせてIEMを作成するものを「カスタムIEM」と呼びます。これは量販店で購入するのではなく、メーカーや代理店に直接依頼して作成します。
たとえばUEのUE-11やWestoneのES-3、Sensaphonicsの2X-Sなどです。

カスタムIEMがどういうものかについては、こちらの装着方法ビデオを見ると分かりやすいと思います。

http://www.ultimateears.com/videos/

カスタムIEMにたいしてUE Triple.fi 10 proやShure E500など量販店に売っているものは一般に「ユニバーサルIEM」とも呼ばれます。ユニバーサル(Universal)は"一般的、自在・万能"というような意味です。たとえばユニバーサル・ジョイントなどの言葉が使われていると思います。

多くの市販IEMはユニバーサルタイプですが、カスタムIEMにはフィットに優れるが、かなり高価になってしまうという価格的な問題もあります。カスタムタイプが高価格であるのは手間がかかるからだと一般に説明されています。
そのカスタムIEMを作る工程はこちらにページがあります。

http://www.ilounge.com/index.php/articles/comments/why-custom-earphones-cost-so-much-inside-ultimate-ears-labs/

このようにカスタムIEMとユニバーサルIEMは基本的に別のものですが、互いに関連がある場合もあり、それぞれに得失があります。


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*カスタムIEMとしてのUE-11 pro

今回わたしが注文したUltimate Ears社のUE 11 proはそれまでのUE 10 proに代わってフラッグシップとなるカスタムIEMで、この8月初旬から発売開始された新型です。

こうした高性能IEMではバランスド・アーマチュアというタイプのドライバ(発音体)を使っていますが、バランスド・アーマチュアは軽量小型で繊細な音が出せる代わりに帯域特性に劣るという欠点があるようです。そのため、こうした高性能IEMではスピーカーのツィーターとウーファーのようにいくつものドライバを組み合わせて高域から低域まで広い帯域を確保しています。また、こうしたマルチウエイ方式ではツィーターとウーファーにそれぞれ適切な帯域の音を振り分けるためにクロスオーバーという回路が必要です。

これまでは2Wayで高域用と低域用、あるいは低域用を二つ備えて2つないしは3つのドライバーを持つものが一般的でした。たとえばカスタムのUE 10 proやユニバーサルのtriple.fi 10 proは2Wayで3つのドライバーを持っています。ひとつが高域専用で、ふたつが低域専用です。ふたつ低域ドライバがあるので豊かな低域が出せます。
UE 11 proの特徴はさらに中域を専用のドライバーに受け持たせて、トータル4つものドライバーを備えた3Way、4ドライバー方式であるということです。
ミッドレンジが追加されたということに関して、(もはや都市伝説と化した)Westone3などでは中域の再現性向上というところがうたわれていましたが、UE 11でははじめの音のコメントにあるようにtriple.fiに比べても高い方も低い方もさらに進化しているので、その間をマスクされないように専用のドライバーで埋めたとも考えられます。


次回にはカスタムIEMに必要なものと実際の注文編を書きます。
posted by ささき at 02:03| Comment(10) | TrackBack(0) | __→ UE 11, UE18 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月03日

UE11デビュー

以前アナウンスしたUltimate Earsの4ドライバーのカスタムIEM、UE11が正式に登場しました。

http://www.ultimateears.com/_ultimateears/products/custom/ue11pro_description.php

triple.fiの欠点のひとつは装着感なので、ここはカスタムがほしいところではあります。
$1150とはなかなかですが、UE10はそのまま存続するようですね。
posted by ささき at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | __→ UE 11, UE18 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月06日

Ultimate Ears UE-11登場

いよいよウワサされていたUltimate Earsの"4"ドライバーのIEMが出てきました。ただし現在のところカスタムのみのようです。

http://www.head-fi.org/forums/showpost.php?p=3009434&postcount=11

あたりにまとめてありますが、$1000で6月末までには登場するということなのでうわさよりも安くて早い登場です。
4つのドライバーとは低域が2つに中域がひとつ、高域がひとつでクロスオーバーが二個入るようです。名前と価格からみてUE-10の上位ではなく置き換えですね。

写真もすでに出ていて、www.ilounge.comからフリーペーパーのiPod BookをダウンロードするとそこのP10に載っています。
音のコメントもちょっと出ていますが、わりとコンシューマーを意識しているようにも思えます。Head-Fiでは管理人のJudeさんがベータテスターになっているようですね。

さて、、Westone 3キャンセルか??(笑)
posted by ささき at 00:40| Comment(8) | TrackBack(0) | __→ UE 11, UE18 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする