前回の記事ではiBasso D1を通常のポータブルアンプのようにiModからアナログで接続した音について書きました。
しかし本来のD1の姿はやはりDAC内蔵型アンプと言う点にあると思います。DAC1とかDA10をポータブルにしたような感覚です。
一体型ならば電池も共有できるし、iPod+Ampと同様に2ピースで済むという手軽さがあります。またアナログ伝送で劣化させるDACとアンプを結ぶインターコネクトケーブルも不要です。この辺はiHP-140とMicroDAC、SR71の3ピースで運用していた2年前からほしかったものがやっと手に入ったという感じです。
1. D1での光ケーブルの問題
iBasso D1をDAC内蔵型アンプとしてポータブル運用する上での問題の一つに、iPodベースのポータブルアンプのシステムとは接続が異なることがあげられます。デジタル接続のために光ケーブルを使うというところが問題で、光ケーブルは極端に曲げられないので長さと曲げ半径の問題があります。
それと端子が角とミニの二つある点も注意が必要です。D1側は角でiHP側はミニです。ケーブルが対応していないときはアダプタを使います。
たくさんの種類があるiPodケーブルのようには光ケーブルは選択の余地があまりなく、既製品から選ぶのが主となります(例外として後でカナダのSys Conceptのカスタムケーブルを紹介します)。この場合はたいてい最短でも50cmで、多くは1mになってしまうと思います。
また光ケーブルは強く曲げてはいけないという問題がバッグの中で場所をとることになります。高性能ケーブルほど石英などの材質を使っているため、あまり極端に曲げることができません。
これは特に背面に光端子のあるD1では問題で、ヘッドホン端子と反対側にあるのでバッグの中ではアンプの両端からケーブルが延びることになります。そのためアンプを縦にバッグに入れることができません。またボリュームがバッグの口の側に来ないと操作に困ります。
この問題に関してはケーブルを買ったついでに富士パーツさんから光用のL字(ライトアングル)の90度に曲げられるアダプタを購入しました。これの効果は劇的でそれまでバッグの中で従来のアンプのように縦に入れられるようになったので、ボリューム操作も楽で容積も最小限です。
50cmのケーブルでは、一回ループを作ることで短くつなげます。この場合はD1の光端子側とiHP140の光端子は反対側になります。
2. 既製品の高性能光ケーブル SAEC Opt-M1
一般に光デジタル接続より同軸デジタル接続の方が音質的にも有利とも言われていますが、光は電気的なノイズがケーブルに影響しないとか、トラポとDACを電気的に分離できるなどの利点もあります。そういうわけで接続さえしっかりできれば性能的には期待できるものがありますし、それなりの高性能なものもほしいわけです。
そこで光ケーブルを求めて少しお店を彷徨ってみるとなんと、要求にびったりのSAECのOpt-M1の30cmが中古で6,900円なりで置いてあります。これは元値は18,900円のものなのでかなりお得でした。Opt-M1は石英系ではなくプラスチック素材ですので、石英よりは曲げに強いと思います。
また一本ごとに方向性を測定してシールで方向が貼ってあります。Opt-M1の30cmは既製品では最短だと思います。Opt-M1の30cmではループを作ることなく、最短でiHPと接続できました。
しかし1mならともかく、30cmが中古にたまたまあるというのも、これはまたヘッドホンの神様が聴き比べろと、置いてくれたものと思いますのでさっそく試聴して音の差をたしかめてみました。
比較は他にD1付属の光ケーブルとこの前書いた富士パーツの光ケーブルです。
まずD1付属ケーブルと富士パーツケーブルではかなりの差があります。付属ケーブルは音が痩せていてささくれて感じます。また音場が妙につぶれていてあまり聴く気にならないという感じです。富士パーツケーブルに変えると音が厚みを増し広がりを持ち、かなりよくなります。これならわりと満足できます。価格的には立派です。
富士パーツケーブルをSAEC Opt-M1に変えると、おっこれはまさにオーディオ、と思います。音はより豊かにクリアになり、かなり細かいところも聴こえます。富士パーツケーブルでなんとなく解きほぐれないと思っていたところはかっちりときれいに解像され、なにより音がかなり締まりタイトになります。
楽器の音の質感表現もかなりリアルになります。音が複雑なときに富士パーツではもう少し整理されてほしいと思ったところが、Opt-M1ではきちんと整理されて聞こえます。
言葉を変えるといわゆる赤黒のテレビ用ケーブルからオーディオ用の初級ケーブルに換えてびっくりする、という感覚がはじめの比較(付属ケーブルと富士パーツ)、オーディオ用の初級ケーブルからより上級のケーブルに変えた差が富士パーツケーブルからSAEC Opt-M1への変化と言えるかもしれません。
しかしアナログならともかく、劣化のないはずのデジタル信号を伝えるケーブルでこんなに違うとは驚きです。
この話を信じるか信じないかは、あなた次第です(都市伝説かっ!)
3. カスタムケーブル Sys Concept
30cmのSAEC Opt-M1でもかなりコンパクトにはなりますが、理想はALOなどのiPodケーブルのように最短パスでの接続です。
そこで調べてみるとカナダのSys ConceptというところでHeadFier向けにiBasso D1とiHP140で使える最短のU字型の光ケーブルを作成してくれます。ALOなどのmini-miniケーブルのTosLink版です。(ちなみに英語では角はToslink、ミニはmini)
詳細は下記リンクですが、ちなみにこのページのサンプル写真をわたしが提供しています。
http://www.sys-concept.com/U-toslink_miniplug.html
難点は上のリンクを見ると分かるようにカスタム注文で最短で結ぶため少し注文がややこしいことです。
使用状態でぴったりと合わせたDACとトラポのそれぞれのケーブル端子の中心距離を実測ではかり、さらに角の場合はプラグの丸頭側の方向と位置関係まで記述が必要です。
わたしは90度アダプタと組みでホースシュー(馬蹄形)になるようにオーダーをしましたが、この場合はそうすることを伝えていたので、基本的にはcenter to center = 3cm(iHP140とD1をくっつけて実測)のみのデータを渡して頼みました。
届いたものは完全に角アダプタの丸頭側の方向がそろってはいませんでしたが、ねじりの許容範囲でした。
ホースシューを形成するには富士パーツのと同じタイプのL字アダプタ(カブラー)が用意されていますので、ここで一括で注文できます。またこちらではミニ端子のL字アダプタもあります。
必要なものはL字カブラー(Toslink)、L字カブラー(mini)とTos-Tosのプレミアムケーブルです。プレミアムケーブルのページでは長さで最短を意味するSを選び、メモ欄にcenter to center = 3cmを指定します。端子の色は好みで設定できます。わたしはシルバーです。全部で$30くらいです。
Sys ConceptとOPT-M1を比較するとOPT-M1の方が広がりがあり、柔らかくしなやかで高級感があるように聴こえます。一方でSYS Conceptの方がSN感が良く、くっきりとシャープに聞こえますがその分で硬質感がややあります。
一長一短ありますが、さほど大きくは違わずに性格の差という感じです。そこで価格を考えるとSys Conceptがお勧めです。
Sys Conceptの担当者とメールのやり取りを少ししましたが、SAECのOpt-M1で使用されている素材のSSI(Special Step Index) とは特に特別なものではなく、Sys Conceptで使われているのと同じだそうです。
断面図も送ってもらいましたが、構造的にはOpt-M1よりやや簡略化されていますがほぼ同じでした。
4. 光ケーブルのまとめ
実は1.2.3の記事は別々に書いていたのですが、書きかけで溜めてしまっていたのでわかりやすくまとめました。
いまの時点での最終的な結論を書くと一番のお勧めはSys Conceptのカスタムケーブルです。価格と性能、最短経路接続とL字アダプタとすべて文句ありません。
もし海外通販に抵抗あれば、最低でも富士パーツケーブルくらいをお勧めします。添付品をそのまま使うのはデジタル運用に幻滅する恐れがあるのでお勧めしません。
そのあとで各自の好みでOPT-M1のような高級ケーブルを買うという方向に行くのが良いのではと思います。
5. デジタルでの音
iHP140+D1(D1のシーラスCS4398でDACした)の音とiMod5.5G+アンプ(iPodのWolfsonでDACした)の音の差は以前書いたMicroDACとiModの比較ににています。
iHP140+D1の方が音像が明確に描き出され、空間にくっきりとした像を結びます。iModシステムに戻すとやや甘く丸く軽く感じられます。この辺の違いでD1の音はかなりホームオーディオに近いHiFiな音に聞こえます。
D1では実体感というか、音にはっきりとした音像の輪郭線の力強さを感じます。いままでたよりなかった木綿の線が鋼のロープになったようにクリーンで歪み感が少なくすっきりとした音です。音の印象はよりタイト、SN感が高い分で音のエッジの彫りも深く、音に重みを感じます。
それに静かさから浮き出る仔細な情報量の多さが音を表情ゆたかにします。iModに比べると、色鉛筆の色数が増えた感じもします。16色の色鉛筆と32色の色鉛筆の違い。つまり中間色をつかうことで、より滑らかな声や楽器の質感を再現できるという感じです。この辺がいわゆる音のテクスチャとか、評論家によっては音触と言ったりするところだと思います。
ただし以前書いたようにiModもポータブルとしては十分な力がありますし、組み合わせによってはやさしく聴きやすいということもあります。WolfsonのDACを採用しているARCAMの音もそういう感じですので、もともとWolfsonの音傾向なのかもしれません。
iPodの音に関しても本来はこうした視点から語られることがあっても良かったかもしれませんが、DAP機器をソースとして捉えると言うのはこうしたことだと思います。
D1はできれば2ピースで運用したいところですが、アンプ部分はより向上の余地はあると思います。この点ではより高音質を求める、あるいはこのアンプをどうしても使いたい、というときにはD1をDACとして単体運用するというのもアリかもしれません。またD1の新型に期待したい部分でもあります。
お気に入りのUE11と組み合わせれるといいんですが、そう甘くもなくて、D1はtriple.fiだとあまり背景ノイズを感じませんが、UE11だとかなり感じます。このため背景の黒さがなくなり、音楽の楽器と楽器の音の間隙にもゃっとした抜けの悪さが感じられます。
また音がやや膨らむように感じるのでD1のアンプ部分はMOVEと違い低インピーダンスに弱いように感じます。全体の音としては無機的なわけではないですが、SR71に比べるとウェットさとか音楽性は一歩譲ると思います。
このDAC/アンプ一体型機を生かすには歪みが小さくなるインピーダンス高めのヘッドホンが良いと感じるので、HD25-1とHD25-13(ともにAlexケーブル)を交互に使ってみました。
やはりHD25-13の方がクリーンでゆがみ感が少ないHiFiな音で重厚感もありますが、XenosほどHD25-13を気持ちよく軽々とならせるほどではないため、これについてはどちらがいいとは言えません。
D1は6dBゲインと言うことで必ずしもアンプはハイインピーダンス向きではないですが、DAC部分の出力レベルが高いので全体ではハイインピーダンスも鳴らせます。HD650だとわりと楽に鳴る感じがしますが、600オームはやや高すぎるかもしれません。(実際にスペック範囲外です)
HeadroomのMicroDACとざっと比べるとMicroDACの方がウオームで重心が低く、D1はニュートラルでやや高域よりという違いがあります。そのため、D1のような一体型機ではアンプの音が変わったように感じられ、アンプ単体(つまりiPodのDAC)だとバランス良く感じたD1もDAC一体型機として使うとやや高域よりに感じられます。ただ全体的な性能としてはかなりいい勝負をしているように思います。
一体型で運用したときの電池の持ちはDACと込みで10数時間というところではないかと思います。電池が切れそうなときはLEDが点滅しますが、点滅後は数分しか持たないで強制的に電源が切れます。
全般にD1のデジタルの音はやはりひとクラスは上で、よりホームオーディオに近づいたと言えるでしょう。ホームオーディオレベルとしてみると完全ではないですが、価格を考えると文句ないレベルと言えると思います。やはりソース機材を変えた効果と言うのはかなり大きいものがありますし、それはまたアンプを変えたのともまた違います。
もっともさきに書いたようにiPodベースでもそれなりのよさと言うのがありますし、実際にいまは交互に使っています。
ポータブルオーディオでもアンプだけでなくソース部分の選択も出来るようになったというのはうれしいことです。
Music TO GO!
2007年11月14日
2007年10月05日
D1の別バージョン?
11月にiBassoがD1のオペアンプが異なるバージョンをだすらしいとのこと。HeadFiではD1のオペアンプ交換で盛り上がっているのでそれを受けてのことかもしれませんが、現行の$230程度だとお得すぎるという感じもするので、別オペアンプと言うだけでなく上位機種としてもうちょっと全体に手を加えてもらえるとかなり魅力的です。
HeadRoomのPortable2007が同様なDAC/Ampで出てくるので、このポータブルオーディオの新しい形も競り合って進化していって欲しいものです。
D1についてはもう少し書くつもりですが、オーディオショウの後になると思います。
予告かたがた現在の構成をちょっとだけ。ケーブルは光デジタルです。
HeadRoomのPortable2007が同様なDAC/Ampで出てくるので、このポータブルオーディオの新しい形も競り合って進化していって欲しいものです。
D1についてはもう少し書くつもりですが、オーディオショウの後になると思います。
予告かたがた現在の構成をちょっとだけ。ケーブルは光デジタルです。
2007年09月24日
ポータブルアンプとしてのD1
iBasso D1は応用範囲が広いためにさまざまな側面からとらえることができると思います。
ただ基本的なところはやはりアンプなわけですから、まずポータブルアンプとしてのD1を考えてみました。
そこでiMod5.5GをソースにしてCryo X Silverで接続したシステムで他のアンプと比べていろいろと考えてみたところを書いてみます。
これははじめの一週間でアンプとして使ってみた印象になります。
ヘッドホンとしてはtriple.fiとHD25-1(apuresoundケーブル)を使っています。
ギターのピッキングやピアノの音などはきれいで楽器の音は分離が良く明瞭に感じます。
高域は十分にベルが響くきれいさとシャープさはありますが、さほど刺激的にとがっているわけではないように思います。そのためいつものロザンナ・キャッシュの女声ナレーションでS音チェックをしてもきつさをあまり感じません。低域はほどよいインパクトと量感があります。
全体のバランスも良くて、思ったのはXOのようにドライな感じがなく音色も好ましいということです。この辺でわりと常用して聴きたいという感じにはなります。
音場感も良く、奥行きよりは横に広い感じで、驚きはないかもしれないけれども厚みがある音再現とあいまってスケール感があって自然に良いと感じます。SR71ほどリラックスした感じではなく、適度に音の強さを前に出て鳴らします。
十分なくらいの解像力はあり、音はクリアでかちっとしていますが、トップクラスからみると解像力や情報量といったものはやや物足りなく思うところはあるかもしれません。
ひとつ面白いのはキャラクターの違うMOVEとの比較です。(MOVEはクロスフィードオフにしています)
MOVEと聴き比べると全体でクリアさや精細感はMOVEが上と感じます。またMOVEの得意とする帯域の広さの点では、特に低域はMOVEが深くより細かい低音の解像力があります。
たしかに細かいところではMOVEのほうが一枚上手ではあるけれども、一番大きな違いは性能の差というよりもむしろ先に書いたように音楽表現の違いと言った方が良いように思います。
ぱっと聴いて思うのはMOVEはタイトでシャープだけどもやや細みで全体に実際よりコンパクトに感じます。反面でD1は音に厚みがあって実際の広がりよりもスケール感を感じさせます。自然で違和感のない感じです。
また少し明るく明瞭なMOVEに比べるとD1はやや落ち着いた感じがします。分析的に聴くとMOVEに軍配をあげますが、全体に大きくとらえるとD1のほうが好ましいと思う人も多いと思います。
MOVEはちょっと驚く良さがあるけれども、D1は聴いていて普通に良いという感じ、という違いでしょうか。
個人的にはD1はバランスを考えて作った完成されている音だと思いますが、興味のある人はオペアンプ交換すればいろいろとまた違った印象もあるかもしれません。
操作感にも少しふれておきます。
フロントパネルは整理されてアナログ系の入出力のみが配置されています。ボリュームノブは大きくて適度にトルクがあるので使いやすく感じます。
かなり大柄ですが、実際に持ち運んでみるとそれほどでもないように思います。ただしやはりアンプ機能のみのものと比べると大きさの差はあります。
ちなみにサイズを比較してみるとこうなります。
左がMOVEで右がSR71です。
D1がもし一回りかふた回り小さいなら$200前後の単体アンプとしても良いと思うし、D1はD1なりの良さがあるので単体のポータブルアンプとしても成立していると思います。性能は最高ではないかもしれないけれども、かなり高いレベルにあります。
もちろんD1の真価はDACとの組み合わせですが、もしアンプ性能が良くないならば単体DACとして使った方が良いということになり、microDACと変わらなくなってしまいます。
そうした意味でひとつ結論を言えばD1はまず合格と言えるのではないかと思います。
そしてもうひとつ結論を付け加えると、今書いている時点でわたしはもうiHP140と組み合わせたデジタルでの使用に進んでいますが、後で考えるとこのDACあってのこのアンプの音、と考えるところもまたあります。
それはまた、やはりDACとアンプの一体型機という専用に組み合わされた面でのアンプの音作りがあると思うし、この分野のちょっと深いところではないかと思います。
ただ基本的なところはやはりアンプなわけですから、まずポータブルアンプとしてのD1を考えてみました。
そこでiMod5.5GをソースにしてCryo X Silverで接続したシステムで他のアンプと比べていろいろと考えてみたところを書いてみます。
これははじめの一週間でアンプとして使ってみた印象になります。
ヘッドホンとしてはtriple.fiとHD25-1(apuresoundケーブル)を使っています。
ギターのピッキングやピアノの音などはきれいで楽器の音は分離が良く明瞭に感じます。
高域は十分にベルが響くきれいさとシャープさはありますが、さほど刺激的にとがっているわけではないように思います。そのためいつものロザンナ・キャッシュの女声ナレーションでS音チェックをしてもきつさをあまり感じません。低域はほどよいインパクトと量感があります。
全体のバランスも良くて、思ったのはXOのようにドライな感じがなく音色も好ましいということです。この辺でわりと常用して聴きたいという感じにはなります。
音場感も良く、奥行きよりは横に広い感じで、驚きはないかもしれないけれども厚みがある音再現とあいまってスケール感があって自然に良いと感じます。SR71ほどリラックスした感じではなく、適度に音の強さを前に出て鳴らします。
十分なくらいの解像力はあり、音はクリアでかちっとしていますが、トップクラスからみると解像力や情報量といったものはやや物足りなく思うところはあるかもしれません。
ひとつ面白いのはキャラクターの違うMOVEとの比較です。(MOVEはクロスフィードオフにしています)
MOVEと聴き比べると全体でクリアさや精細感はMOVEが上と感じます。またMOVEの得意とする帯域の広さの点では、特に低域はMOVEが深くより細かい低音の解像力があります。
たしかに細かいところではMOVEのほうが一枚上手ではあるけれども、一番大きな違いは性能の差というよりもむしろ先に書いたように音楽表現の違いと言った方が良いように思います。
ぱっと聴いて思うのはMOVEはタイトでシャープだけどもやや細みで全体に実際よりコンパクトに感じます。反面でD1は音に厚みがあって実際の広がりよりもスケール感を感じさせます。自然で違和感のない感じです。
また少し明るく明瞭なMOVEに比べるとD1はやや落ち着いた感じがします。分析的に聴くとMOVEに軍配をあげますが、全体に大きくとらえるとD1のほうが好ましいと思う人も多いと思います。
MOVEはちょっと驚く良さがあるけれども、D1は聴いていて普通に良いという感じ、という違いでしょうか。
個人的にはD1はバランスを考えて作った完成されている音だと思いますが、興味のある人はオペアンプ交換すればいろいろとまた違った印象もあるかもしれません。
操作感にも少しふれておきます。
フロントパネルは整理されてアナログ系の入出力のみが配置されています。ボリュームノブは大きくて適度にトルクがあるので使いやすく感じます。
かなり大柄ですが、実際に持ち運んでみるとそれほどでもないように思います。ただしやはりアンプ機能のみのものと比べると大きさの差はあります。
ちなみにサイズを比較してみるとこうなります。
左がMOVEで右がSR71です。
D1がもし一回りかふた回り小さいなら$200前後の単体アンプとしても良いと思うし、D1はD1なりの良さがあるので単体のポータブルアンプとしても成立していると思います。性能は最高ではないかもしれないけれども、かなり高いレベルにあります。
もちろんD1の真価はDACとの組み合わせですが、もしアンプ性能が良くないならば単体DACとして使った方が良いということになり、microDACと変わらなくなってしまいます。
そうした意味でひとつ結論を言えばD1はまず合格と言えるのではないかと思います。
そしてもうひとつ結論を付け加えると、今書いている時点でわたしはもうiHP140と組み合わせたデジタルでの使用に進んでいますが、後で考えるとこのDACあってのこのアンプの音、と考えるところもまたあります。
それはまた、やはりDACとアンプの一体型機という専用に組み合わされた面でのアンプの音作りがあると思うし、この分野のちょっと深いところではないかと思います。
2007年09月15日
iBasso D1 到着
ポータブルアンプとポータブルDACの一体型機、iBasso D1が到着しました。
iBasso D1は小型のT2などで知られる中国のメーカーで日本には中国から発送されます。(同じ中国系でもHeadDirectの場合は場合によってアメリカから発送されるときと中国から発送されるときがあるようです)
注文はiBasso.comのホームページからやりましたが、このカートシステムはよくなくて私のIE7では表示がくずれたりしました。
価格は$229と機能からするとかなり低価格ですが、カートを見ると100($?) discountと表示されるのでいまはセール期間ということなのかも知れません。(今日現在一時品切れのようです)
先週の金曜日に注文して、月曜日に発送メールが来て、昨日届きました。途中で一回発送代行か何かが入るようです。EMSですがトラッキングには届く前日まで反映されませんでした。
D1は光入力がありますが、入力端子が角なのでiHP140とつなぐためにはMicroDACのために今持っているミニ-ミニケーブルでは使えません(本体にケーブルが付属していますが角-角です)。そのため新しくミニ-角の光ケーブルを別に発注しました。
この光ケーブルは富士パーツのサイトから注文しています。600円という低価格の割にはつくりも立派で径も太いケーブルです。
*D1について
iBasso D1は前の記事に書いたように新世代のDAC/アンプの一体型機です。
DAC内蔵のポータブルアンプというとより分かりやすいですが、それよりDAC機能が強力で単体でも使用できるので、やはりDAC/アンプの複合機、あるいはDAC/アンプの一体型機と呼ぶべきのように思います。この辺がMOVEやBitHeadとは区別できるところです。
既報したようにHeadRoomが同様なPortable Micro 2007というかつてのMicroスタック(MicroDACとMicroAmp)を一体にしたDAC/アンプの一体型機を10月に予定しています。ただこちらはやや高価です。またHeadampのJustinさんがいまはPicoと名付けられたDAC/アンプの一体型機を発売予定です。こちらはプリオーダー中のようですが、光入力はないのでiHP140とは組み合わせられません。
D1はDACとしてはCS4398というシーラスロジック製の高性能なチップを使い、オペアンプとしてはAD823をひとつ、バッファとしてはNE5532を二個使用しています。マニュアルにはオペアンプ交換ができるようにDIPソケットにしたと明記されているので、もともとそういう風に作っているようです。そのためheadfiあたりではオペアンプ交換で盛り上がっている機種でもあります。
手にしてみるとたしかに大きく重いのですが、以前紹介したようなMicroDACとSR71を両方持つのに比べればコンパクトと言えます。こういう一体型がやっと実現したのはうれしいところです。
ただバッグに入れるのにそう無理なほどではありません。大きさは78x32x120mmで320gです。
質感もなかなか高級感がありますし、ずっしりと重たく感じます。ボリュームノブは大きくて重いトルク感があります。
またシャーシを覆うレザーのスリーブがついています。ちなみにこのレザーケースを外すと一段低くなるので、はじめからこのスリーブと一体で設計されているようです。ぱっと見はなかなかいいんですが、このベルクロ部分はちっょと雑な感じではあります。
背面にはデジタル関係の入力がUSB、同軸、光とありますが、同軸はRCAで光は角なので据え置きを意識した立派な構成になっています。(MicroDACは光・同軸ともミニです)
パッケージには説明書とACアダプター、光ケーブル(角:角)、同軸ケーブル(RCA:RCA)、USBケーブル(A:ミニB)も入っています。わりと小さい箱に詰まってきます。
*D1の機能
- 多彩な入力と使い方
D1はDAC搭載とともに入力が多彩でいろいろな使い方が可能だと思います。
まず、わたしはiHP-140と対にして新たなポータブルシステムが浮かびました。
以前iHP-140とHeadroom MicroDACとSR-71のシステムを紹介しましたが、その一体型(Combo)です。
別項に書いたようにアンプの性能向上とは別に、ソース(プレーヤー)の向上がないとポータブルシステムはこれ以上の基本的な音質向上というのはなかなか難しいと思います。
現実的な最良解はいまのところiModだと思いますが、これだとiPodの内蔵DACに縛られてしまいます。高性能でもやはりポータブルデバイス用のDACではあるというわけです。そこで外にDACを持つというのがソースの向上にたいする別な解法ではあります。
またPCからUSB経由でPCの音楽を聴くのにもD1の真価を発揮できます。
おなじUSBがつかえてもMOVEやBitHeadはUSBのレシーバーチップがDACを兼ねる簡易DACですが、D1(やMicroDAC)ではレシーバーチップではUSBからのデジタル信号をSPDIFにコンバートするだけで、DACは後のCS4398のような高性能チップで行います。
CS4398はエソテリックの中堅CDPにも使われています。もちろんDACチップだけでは回路全体の性能は図れませんが、かなりの期待は持てそうです。
また同軸入力を使ってヘッドホン端子のないCDPのヘッドホン出力としても使えそうです。
- MCU (Micro Controller Unit)
はじめにiHP140から光をつないだときに入力切り替えを探しましたが、なかったのであれっと思ったんですが、これがD1の特徴の一つのMCUの機能でカバーされるところです。このMCUによって入力ポートがどれかは自動的に検知されます。
MCUは電源投入の際に、光→同軸→USB→AUX IN/OUTの順番で入力をサーチします。どこかでデジタル信号がロックできるとそれを入力ポートとみなします。そのあとでMCUはスリープに入ると書いてありますので、入力の切り替えは電源オフした後(電源を入れる前)に行わねばなりません。つまりソースの電源はD1本体より先に入れている必要があります。
両用のAUX IN/OUT端子がINかOUTかはこの電源投入時にMCUが決定します。ここでデジタル(SPDIF)を感知すると前面のAUXポートは自動的にラインアウトとみなされます。ラインアウトレベルは1.5Vあります。
またAUX INからのアナログ信号を感知するとアンプモードになります。この場合はDACが切られるようでより長時間電池が持ちます。
- そのほか
ゲインは6dBなのでわりと低いと言えます。背景ノイズはそれほどないようですので、IEMにも使えそうです。
D1は内蔵の充電池で駆動し、本体内には二個のバッテリー(8.4V、2000mAh)が入っています。マニュアルにはDACとアンプを同時に使っても20時間は持つとあります。アンプモードのときは40時間持つとのことです。
充電が必要な時はランプが点滅するとあります。
と、いうところです。音質とか操作感はまたあとで。。
さて、どうやって使いこなしていこうかと思案していますが、まずアンプ単体の能力を把握してからのほうがいいような気がします。まあアンプ単体の音もけっこういいので、バーンインかたがた少しiModにつけて使ってみて、iHP140に移っていこうとも思ってます。DAC単体の音もMicroDACと比べて見たいし、やることは山積です。
それだけ応用範囲があるということではありますね。
iBasso D1は小型のT2などで知られる中国のメーカーで日本には中国から発送されます。(同じ中国系でもHeadDirectの場合は場合によってアメリカから発送されるときと中国から発送されるときがあるようです)
注文はiBasso.comのホームページからやりましたが、このカートシステムはよくなくて私のIE7では表示がくずれたりしました。
価格は$229と機能からするとかなり低価格ですが、カートを見ると100($?) discountと表示されるのでいまはセール期間ということなのかも知れません。(今日現在一時品切れのようです)
先週の金曜日に注文して、月曜日に発送メールが来て、昨日届きました。途中で一回発送代行か何かが入るようです。EMSですがトラッキングには届く前日まで反映されませんでした。
D1は光入力がありますが、入力端子が角なのでiHP140とつなぐためにはMicroDACのために今持っているミニ-ミニケーブルでは使えません(本体にケーブルが付属していますが角-角です)。そのため新しくミニ-角の光ケーブルを別に発注しました。
この光ケーブルは富士パーツのサイトから注文しています。600円という低価格の割にはつくりも立派で径も太いケーブルです。
*D1について
iBasso D1は前の記事に書いたように新世代のDAC/アンプの一体型機です。
DAC内蔵のポータブルアンプというとより分かりやすいですが、それよりDAC機能が強力で単体でも使用できるので、やはりDAC/アンプの複合機、あるいはDAC/アンプの一体型機と呼ぶべきのように思います。この辺がMOVEやBitHeadとは区別できるところです。
既報したようにHeadRoomが同様なPortable Micro 2007というかつてのMicroスタック(MicroDACとMicroAmp)を一体にしたDAC/アンプの一体型機を10月に予定しています。ただこちらはやや高価です。またHeadampのJustinさんがいまはPicoと名付けられたDAC/アンプの一体型機を発売予定です。こちらはプリオーダー中のようですが、光入力はないのでiHP140とは組み合わせられません。
D1はDACとしてはCS4398というシーラスロジック製の高性能なチップを使い、オペアンプとしてはAD823をひとつ、バッファとしてはNE5532を二個使用しています。マニュアルにはオペアンプ交換ができるようにDIPソケットにしたと明記されているので、もともとそういう風に作っているようです。そのためheadfiあたりではオペアンプ交換で盛り上がっている機種でもあります。
手にしてみるとたしかに大きく重いのですが、以前紹介したようなMicroDACとSR71を両方持つのに比べればコンパクトと言えます。こういう一体型がやっと実現したのはうれしいところです。
ただバッグに入れるのにそう無理なほどではありません。大きさは78x32x120mmで320gです。
質感もなかなか高級感がありますし、ずっしりと重たく感じます。ボリュームノブは大きくて重いトルク感があります。
またシャーシを覆うレザーのスリーブがついています。ちなみにこのレザーケースを外すと一段低くなるので、はじめからこのスリーブと一体で設計されているようです。ぱっと見はなかなかいいんですが、このベルクロ部分はちっょと雑な感じではあります。
背面にはデジタル関係の入力がUSB、同軸、光とありますが、同軸はRCAで光は角なので据え置きを意識した立派な構成になっています。(MicroDACは光・同軸ともミニです)
パッケージには説明書とACアダプター、光ケーブル(角:角)、同軸ケーブル(RCA:RCA)、USBケーブル(A:ミニB)も入っています。わりと小さい箱に詰まってきます。
*D1の機能
- 多彩な入力と使い方
D1はDAC搭載とともに入力が多彩でいろいろな使い方が可能だと思います。
まず、わたしはiHP-140と対にして新たなポータブルシステムが浮かびました。
以前iHP-140とHeadroom MicroDACとSR-71のシステムを紹介しましたが、その一体型(Combo)です。
別項に書いたようにアンプの性能向上とは別に、ソース(プレーヤー)の向上がないとポータブルシステムはこれ以上の基本的な音質向上というのはなかなか難しいと思います。
現実的な最良解はいまのところiModだと思いますが、これだとiPodの内蔵DACに縛られてしまいます。高性能でもやはりポータブルデバイス用のDACではあるというわけです。そこで外にDACを持つというのがソースの向上にたいする別な解法ではあります。
またPCからUSB経由でPCの音楽を聴くのにもD1の真価を発揮できます。
おなじUSBがつかえてもMOVEやBitHeadはUSBのレシーバーチップがDACを兼ねる簡易DACですが、D1(やMicroDAC)ではレシーバーチップではUSBからのデジタル信号をSPDIFにコンバートするだけで、DACは後のCS4398のような高性能チップで行います。
CS4398はエソテリックの中堅CDPにも使われています。もちろんDACチップだけでは回路全体の性能は図れませんが、かなりの期待は持てそうです。
また同軸入力を使ってヘッドホン端子のないCDPのヘッドホン出力としても使えそうです。
- MCU (Micro Controller Unit)
はじめにiHP140から光をつないだときに入力切り替えを探しましたが、なかったのであれっと思ったんですが、これがD1の特徴の一つのMCUの機能でカバーされるところです。このMCUによって入力ポートがどれかは自動的に検知されます。
MCUは電源投入の際に、光→同軸→USB→AUX IN/OUTの順番で入力をサーチします。どこかでデジタル信号がロックできるとそれを入力ポートとみなします。そのあとでMCUはスリープに入ると書いてありますので、入力の切り替えは電源オフした後(電源を入れる前)に行わねばなりません。つまりソースの電源はD1本体より先に入れている必要があります。
両用のAUX IN/OUT端子がINかOUTかはこの電源投入時にMCUが決定します。ここでデジタル(SPDIF)を感知すると前面のAUXポートは自動的にラインアウトとみなされます。ラインアウトレベルは1.5Vあります。
またAUX INからのアナログ信号を感知するとアンプモードになります。この場合はDACが切られるようでより長時間電池が持ちます。
- そのほか
ゲインは6dBなのでわりと低いと言えます。背景ノイズはそれほどないようですので、IEMにも使えそうです。
D1は内蔵の充電池で駆動し、本体内には二個のバッテリー(8.4V、2000mAh)が入っています。マニュアルにはDACとアンプを同時に使っても20時間は持つとあります。アンプモードのときは40時間持つとのことです。
充電が必要な時はランプが点滅するとあります。
と、いうところです。音質とか操作感はまたあとで。。
さて、どうやって使いこなしていこうかと思案していますが、まずアンプ単体の能力を把握してからのほうがいいような気がします。まあアンプ単体の音もけっこういいので、バーンインかたがた少しiModにつけて使ってみて、iHP140に移っていこうとも思ってます。DAC単体の音もMicroDACと比べて見たいし、やることは山積です。
それだけ応用範囲があるということではありますね。
2007年08月07日
iBasso D1
Headfiの情報によるとなかなか興味深い製品が登場したようです。
http://www.head-fi.org/forums/showthread.php?t=253987
このiBasso D1はDACを内蔵したポータブルアンプです。DACとしては同軸/光/USBからの入力ができます。HeadroomのNew Micro portableとかなりオーバーラップしますね。
メーカーサイトはこちらです。8/10発売ということです。
http://www.ibasso.com/ShowNews.aspx?ID=60
ただしD1はまったくの新設計というわけではなく、Mini-AudioのMAD01というすでにあったモデルの改良型ということです。
MAD01については少し画像がこちらに載っています。
http://www.head-fi.org/forums/showthread.php?t=229787
D1はMAD01にUSB入力や電池駆動時間の向上などさまざまな改良を行なっているようです。実際中身はかなり異なるようです。Headfiで問い合わせたという人の情報では価格が$229で、オペアンプはAD823ということです。電池は充電式で40時間持つとのこと。ただしDAC動作込みかどうかはわかりません。
DACとしてはUSBでの入力はUSBレシーバーのPCM2906で受けますが、ここではDA変換せずSPDIFに変換してCS4398をDACチップとして使用しているということでなかなか本格的です。MOVEのように簡易DACではありません。
CS4398はHeadroomのMicroDACで使っているのと同じもので、今度の新製品Portable Microとかなりかぶりますね。CS4398はエソテリックのSA60やDV60など40-50万円くらいのSACDプレーヤーにも使われています。
またMCU (Micro Controller Unit)というコントロールユニットを持っているところが特徴で、これがかしこい入出力の管理を行なっているので前面のAUX IN/OUT端子はSPDIF信号を受けているときはLINE OUTになり受けていないときはLINE INになるということです。
重さ的には320gということでやや重めで、サイズ的にも78x32x120mmということですから、あの大きいXenos X1HAが123x69x28mmということからするとかなり大きめではあります。
わたしはiHP-140と組み合わせて使うということになりますがMicroDACを併用するよりは小型ではあります。ただD1の光の受け口が光miniではなく光角なのが少々やっかいではあります。ただHeadroomのNew Micro portableより価格的には魅力ですね。
http://www.head-fi.org/forums/showthread.php?t=253987
このiBasso D1はDACを内蔵したポータブルアンプです。DACとしては同軸/光/USBからの入力ができます。HeadroomのNew Micro portableとかなりオーバーラップしますね。
メーカーサイトはこちらです。8/10発売ということです。
http://www.ibasso.com/ShowNews.aspx?ID=60
ただしD1はまったくの新設計というわけではなく、Mini-AudioのMAD01というすでにあったモデルの改良型ということです。
MAD01については少し画像がこちらに載っています。
http://www.head-fi.org/forums/showthread.php?t=229787
D1はMAD01にUSB入力や電池駆動時間の向上などさまざまな改良を行なっているようです。実際中身はかなり異なるようです。Headfiで問い合わせたという人の情報では価格が$229で、オペアンプはAD823ということです。電池は充電式で40時間持つとのこと。ただしDAC動作込みかどうかはわかりません。
DACとしてはUSBでの入力はUSBレシーバーのPCM2906で受けますが、ここではDA変換せずSPDIFに変換してCS4398をDACチップとして使用しているということでなかなか本格的です。MOVEのように簡易DACではありません。
CS4398はHeadroomのMicroDACで使っているのと同じもので、今度の新製品Portable Microとかなりかぶりますね。CS4398はエソテリックのSA60やDV60など40-50万円くらいのSACDプレーヤーにも使われています。
またMCU (Micro Controller Unit)というコントロールユニットを持っているところが特徴で、これがかしこい入出力の管理を行なっているので前面のAUX IN/OUT端子はSPDIF信号を受けているときはLINE OUTになり受けていないときはLINE INになるということです。
重さ的には320gということでやや重めで、サイズ的にも78x32x120mmということですから、あの大きいXenos X1HAが123x69x28mmということからするとかなり大きめではあります。
わたしはiHP-140と組み合わせて使うということになりますがMicroDACを併用するよりは小型ではあります。ただD1の光の受け口が光miniではなく光角なのが少々やっかいではあります。ただHeadroomのNew Micro portableより価格的には魅力ですね。