Music TO GO!

2007年08月29日

MOVEとIEMとクロスフィード

帰省の新幹線の中ではiMod55G + MOVE + triple.fiという組み合わせで半分眠りながらシャッフルモードでずっと音楽を聴いていました。
最近MOVEとtriple.fiの組み合わせではクロスフィードをオンにして聴いています。いままでクロスフィードは敬遠していて、あまりよい印象はないのですがMOVEのクロスフィードは良くできていると思います。特にtriple.fiとの組み合わせでは音の明瞭感はあまり損なわれることがなく、かえって不要に鋭い角が取れて自然で柔らかく聴きやすくなる感じです。
音の再現はクロスフィードの思惑どおり自然で、クロスフィードをオンの方がリアルに聴こえることも多く感じます。
ただしHD25-1だとクロスフィードがオフのほうがやはりいままでどおり好ましく聴こえることも多いので、これはIEM独特の音場のせいかなとも思います。
いずれにせよ低ノイズとあいまってMOVEはIEMにかなり適しているように感じます。

ただMOVEの問題はストレートプラグのときは問題ないんですが、L(ライトアングル)プラグのときは角度によって接触不良がおこるということと、狭いのでクロスフィードスイッチに干渉してしまうということです。
またボリュームノブが小さいのはやはり使いづらいとは思いますが、おそらくEU圏ではiPodにリミッターが入っているように日本や米国より難聴対策がうるさいのではないかと思います。
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2007年07月29日

CORDA MOVEの印象

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いま、主にMOVEはiMod 5.5Gとtriple.fiで使用しています。
しばらく使ってみてHigh Currentでは電池の消費は早いような感じもしますが、この辺は音質との兼ね合いで仕方がないところですね。
ケーブルに関してはCryo X SilverとGold X Silverをいろいろと替えて見て、いまはCryo X Silverの方を主に使っています。Cryo X Silverの方はやや落ち着いてバランスよく驚くほどの音の広がりや精細感をもたらしてくれます。Gold X Silverでもより繊細でシャープ、かつ美しい響きを引き出します。
迷わせてくれるというのは逆に言えば、これはMOVEの万能性のひとつの例ともいえます。

MOVEの設定はLow gain(4dB)でtriple.fiの場合は11時くらいで聴いています。以下のコメントはLow gainで主にtriple.fiのものです。他のヘッドホン(HD25-1/BDv2やK81DJ-mod)も必要に応じて使っています。

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MOVEをぱっと聴くとまず明るく開放感があり晴れ上がった音の広がりが印象的です。情報量が豊かで楽器の音は質感豊かに、解像感が感じられます。ヴァイオリンやギターのアコースティックな響きにはたっぷりとした情報が載っていて、階調豊かに高精細な精密画を思わせる描写力があります。そのためヴォーカルも肉質感があります。それと効果音やナレーションなどが非常にリアルに聴こえるのが特徴です。
音色は純度の高いガラス細工を叩くような透明できーんと響くクリーンな質感があります。それでいて音は細みというより適当にウエイトをもっている感じがあります。音の形はきれいに整ってなおかつきつさはありません。
FaKIEの「To the Limit」の二曲目のナオキさんの早弾きギターソロでは緩急自在のギタープレイにおいても痛い尖った部分はなくパワフルなギターワークを堪能できます。

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柔らかで落ち着きのあるSR71よりメリハリがあり、くっきりとしたメリハリのある明瞭感を特徴とするAE-2より柔らかな感覚です。落ち着いたSR71よりは力強い面もあると思います。
このようにMOVEはSR71と同様にiMod5.5Gからすべての情報を引き出しますが、明瞭感に付随する棘をとりさって適度に聴きやすく柔らかなオブラートに包んでいると思えます。良さがとても分かりやすい反面で、SR71よりは個性も強くないので万人受けする良さがあると思います。
楽器の正確な音再現を見せてあまりにも瑕疵がないように見えて、分析的ではなく適度に柔らかく、わずかな温かみをのせた表現が上手で、音楽性と色付けのなさのバランスがとても巧みです。

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iModの全てを引き出すのは細かい音情報だけではなく、音域の広さも含まれるように思えます。MOVEの特徴として周波数帯の全域にわたっての特性が素晴らしく、高域も上までクリアに直線的にきれいに伸びていますが、低域方向は特に優秀で下に深く低く重く沈んでいます。これはHD25-1よりも2wayのtriple.fiではかなりよく分かります。そうしたダブルウーファーの強さ、2Wayの周波数レンジの広さを十分に発揮できるアンプと言えます。低域が豊かだと下支えとなって全体が豊かになるということを改めて考えさせられます。


これはもう少しインピーダンスの高いヘッドホンで分かりますが、音はかなり締まってタイトで正確なベースの音を聞かせます。
低域のコントロールがよいということはSpiritのところで書いたようにMOVEの出力インピーダンスがかなり低い(<1Ω)ということでも理解できます。つまりヘッドホンの負荷にたいして十分Low出しとなりダンピングファクターもよいということです。

また、MOVEの特筆すべきことのもうひとつは背景ノイズの低さです。これはlow gainのときはとくに素晴らしく、高能率のShure E5cでチェックしてもSR-71よりも静かでTomahawkに匹敵するかというくらいの低ノイズです。これでは聴感上のSNも当然素晴らしいでしょう。
実際にE5cでの音も素晴らしく良いもので、最近はノイズチェッカーと化したE5cの音を久々に惚れ直してしまいました。

これはMOVEの入力インピーダンスがSR71の50kΩやXenos 1HAの20kΩに比べると3.6kΩとやや低目ということも影響しているのかもしれません。入力インピーダンスは簡単に言うとソースからみたアンプの抵抗値のことですが、これが高いということはソースの出力インピーダンスに対してハイ受けになるので歪みは減ります。しかしノイズが電流として混入したときにアンプの部分(みかけの抵抗)でより電圧が高くなるということです(V=RIだから)。そうすると電圧の変化は信号の変化ですから、ノイズがあった時に入力インピーダンスが高いほどノイズがより大きく知覚しやすくなるといえます。
もちろんパーツや回路などさまざまな要因はありますが、MOVEはなぜ入力インピーダンスが低めなのか考えていたのでこれもひとつの意味ではないかとちょっと考えてみました。


MOVEはわりとくせが少なく、万能性があります。
ここではtriple.fiを主に使いましたがわりと相性は広く使いやすいアンプといえます。iMod 5.5GとMOVEの組み合わせはなんでもベールをはがして晴れ上がらせることができ、色付けも少ないのであまりヘッドホンを選びません。

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そのため、いままであまり使わなくなってきたヘッドホンを見直しました。
たとえばE5cでテストしていて、意外とE5cとの相性がいいので、いままであまり考えなかったE500(SE530)をはじめて本格的に欲しいと思いました。また、しばらく使ってなかったATH-ES7も見違えるようにいい音でなります。かりっと響く音がオーテクの高域のきれいさと合いそうです。
それで本当にこれがきっかけでES7のリケーブルをいまさらながらに頼んでしまいました(Alexさんのとこ)。これはまた帰ってきたら書きます。

もちろんうちのワークホースたるHD25-1/BDv2ともいいです。特に音場の3次元的な表現がIEMのtriple.fiに比べるとかなりよくなるので、音が走りまわる感覚は圧巻です。ただしLow aginだとHD25-1で12時を少し超えるのでおそらくHigh Gainの方がいいかもしれません。-13だとHigh Gainにしたくなります。PK1とも良さそうですが、こちらもHigh gainが必須なのでこの辺はまた後で書くかもしれません。

このようにCORDA MOVEは価格を考慮してもわりと広く人に勧めやすいアンプではあると思います。
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2007年07月22日

Meier Audio CORDA MOVE

CORDA MOVEは日本でも良く知られているMeier AudioのPORTA CORDAの後継です。この6月に出た新機種ですが、Headfiあたりではなかなか好評を得ているので興味をそそられました。
Meier Audioのサイトはこちらです。
http://www.meier-audio.homepage.t-online.de/index.htm

支払いはPaypalですが、在庫確認のときに支払いはUSD(235)でもユーロ(175)でも良いということでしたので為替計算してみるとドルが有利なのでドルで払いました。Paypal上の換算価格は国際送料込みで約28000円くらいでした。
トラッキングできませんが、ちょうど一週間で届きました。発送したというメールはくれませんが、注文確認のやりとりのメールの中で「数時間以内に発送するよ」と言ってくれました。

move1.jpg

運送の段ボール箱にアクセサリーとスポンジが直接詰まっています。開封する時はあまり深くカッターで切らない方がいいです。
スペアパーツがたくさん入っているのが特徴で、電池室カバーのスペアやリアパネルの電池ふたのないものも入っています。
またmini-mini(ストレート/L)、USBケーブル、アンプを開けるための専用レンチも入っています。

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ボディは価格のわりにはかなり質感は良くて、(あえてテストはしませんが)少々の落下にも必要十分な強度があると思います。

ちょっと脱線しますが、MOVEのフロントパネルが黒でシャーシがシルバーというのは写真泣かせで、フロントパネルを黒くつぶさず、かつボディーを白とびさせないというのはデジタル画像処理ではなかなか苦労しました。撮影時に補助光も使ってますが、RAWで撮ってLightroomという専用の現像ソフトで上下のダイナミックレンジを最大に生かしています。Jpegの撮りっぱなしだとかならずシャーシ上面は白飛びします。
このようにオーディオだけではなく、写真もダイナミックレンジを最大に活かすというのがひとつのポイントです。つまりデジタルでは記録領域にいかに効率的にデータを詰めるか、という点です。量子化ビット数はオーディオではCD(レッドブック)で16bitで、デジタルカメラでは通常12-16bitですので、そこに自然界の広大なダイナミックレンジをいかに再現するかということですね。
写真ではわたしはHDRという32bitフォーマットでその向上を研究していますが、興味ある方は写真ブログのほうをご覧ください。

そういうわけで一見なんの変哲もありませんが、上の写真はかなりの労作です(^^

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左はSR-71で右はTomahawkです。MOVEの電池は9V一個で、外部電源も使えますが付属はしていません。
MOVEは思っていたよりは小さいのですがあまり軽いという感じはなく、iModとあわせると体感的にはiMod+SR71よりやや軽い程度に思います。(電池なしで170gです)それでも電池は9V一個なのでスペアが減るのはかなりプラスです。

move6.jpg      move7.jpg

MOVEで気に入った点の一つは電池の交換で、リアパネルに電池専用のカバー(住所記入欄がある)があってそれをスナップ式でパチッとはめ込む方式です。


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ボリュームが小さくて操作しずらいのはmove最大の欠点に見えますが、これにはバッグの中で容易にずれにくいという利点もあります。これはホームページにも書いてあるので意図的なものだと思います。小さくてもTomahawkのようにガリ音は出ません。
ただしプラグがやや近接しているので太いプラグを使っている人は要注意かもしれません。また一部のL字プラグも要注意かもしれません。
上の写真はiModのCryo X SilverケーブルとApuresoundのK81DJケーブルのプラグです。
BlueDragonは問題はありませんでした。ただtriple.fiのL字は大丈夫ですが、やや配置に苦労します。
プラグはかなりがっちりはまりますが、これはTomahawkの新型のほうが感触はいいかもしれません。


MOVEのオペアンプはAD8610x2です。特徴的な機能としてHigh CurrentとLow Currentのモードがあって駆動力と電池持続時間のトレードオフになっています。High Currentは音質が良くなりますが、電池の消費は早くなります。持続時間はHigh Currentで40時間ということです。
High Currentモードでは電源電圧を2倍に昇圧しているようです。

MOVEの特徴のひとつとしてUSB DACがついているのでPCに直接さして音楽を聴くことができます。これはUSBレシーバーがDACを兼ねるものですので、便利ですがあまり音質に過度な期待はしない方が良いです。
XPではなんの問題もなくただ差すだけで使うことができました。
またUSBからの給電もできます。ただUSBからの給電はやや複雑です。USBで接続している場合にはLow currentの場合には電池からは給電されません(バスパワーになる)。ただしHigh currentモードのときは電池から給電されます。
また同時にアナログミニから入力しているときはUSBからの信号よりアナログが優先され、給電は上記のように適用されます。つまりアナログ入力でLow currentのときはUSBを外部電源とできますが、High currentのときは電池から使われます。
MOVEでは外部電源からのときも「高い方の電圧優先」というルールになっているようです。ですので外部電源が電池より低いときは電池が消費されてしまうようなので注意が必要です。また昇圧していますので12Vを超えてもいけません。

それとHeadphoniaにコピーされて騒動にまでなったMeierさん自慢のクロスフィードも搭載されています。実際になかなか効果的です。わたしはあまりクロスフィードは使いませんが、これならいいという感じです。
クロスフィードは中央のトグルスイッチで、左がオンで右がオフです。

move10.jpg

さて使用する前にひとつ確認することがあります。
それはMOVEの設定です。モードにはHigh CurrentとLow Currentがあり、ゲインにはHigh(17dB)とLow(4dB)があります。
工場出荷時のデフォルトの状態ではHigh gain/High currentです。わたしはtriple.fiで使うので、IEMで使うためにLow Gainにセットします。
前カバーを専用のレンチで開けてそろそろと基盤を取り出します(オペアンプ等は裏側にあります)。基盤の上側の白丸のところにピンがあります。High側のジャンパーピンを引っこ抜いて、Low側に差し替えます。上の写真の状態でLow Gain/High Currentです。

ここで基盤の中央のところに注意してもらいたいのですが、おもしろいことには基盤には"PORTA CORDA IV 2006"と浮き彫りでプリントがあります。これはPORTA CORDA IIIの後継として昨年あたりからやっていたということでしょうね、MOVEが別ラインというよりもともとPORTA CORDAの後継であったということを示していると思います。

そこで、肝心の音質ですが、、ここまで書いて疲れた(^^
ここはネタ的にも分割して、また次回へ。。
posted by ささき at 19:20| Comment(4) | TrackBack(0) | __→ Meier CORDA MOVE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月20日

CORDA MOVE 到着!

さて、最近HeadFiでなにかと話題のポータブルアンプ、Meier AudioのMOVEを購入しました。
トラッキングできませんでしたが、Meierさんは注文即日に発送してくれ、欧州から一週間かからずに到着しました。
ちょっと忙しいので今日は到着報告まで、後でもう少し書きます。
音は評判どおり、かなり良いです。
posted by ささき at 23:28| Comment(4) | TrackBack(0) | __→ Meier CORDA MOVE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする