Music TO GO!

2010年04月07日

女性SSWの時代

ここ数年タワレコなんかにいくと、売り場のポップによくSSWという文字が書かれています。これはシンガーソングライターの略です。シンガーソングライターというと50-60年代からたくさんいるわけですが、最近わりと新感覚のそうしたアーチストが特に目立ってきているように思います。その多くが女性シンガーというのも面白い点です。
彼女らにはこの新しいSSWという略語が新鮮で似合っていると思います。ここでは何人か紹介してみます。

まず一度紹介したんですがカナダのジョラーヌ(Jorane)です。はじめのころはチェロとヴォイスを効果的につかうというのが特徴だったんですが、最近ではさらに多彩な音を出しています。

試聴はMyspaceで。
http://www.myspace.com/joranemusique1

またアルゼンチン出身のファナ・モリーナ(Juana Molina)もかなり特徴的で電子音を組み合わせたユニークな音世界を持っています。

試聴はMyspaceで。
http://www.myspace.com/juanamolina

     

この手で最近とても切れてるなあと思ったのはオーストラリアのSoap&Skinです。こちらもアコースティックとエレクトリックの入り混じった独自の世界観を持っています。個性的な音表現ではジョラーヌを思わせるけれども、歌唱自体はビョークを思わせるところがあります。
エレクトリカもちょっと入ってるけど、なかなかオリジナリティあふれるアーチストです。

試聴はMyspaceで。
http://www.myspace.com/soapandskin

面白いと思うのはこちらも一度紹介していますが、アメリカのカーキ・キングです。カーキ・キングはギター一本勝負のようなスタイルで出てきた人で、どちらかというといわばマイケル・ヘッジス的な人だったんですが、最近がらっとエレクトリックな方向に来て、上のようなSSWアーチストの仲間入りをしているということです。
下記のmyspaceのジャンルのところにもシューゲイズと書いていますが、シューゲイズというのは足元にあるエフェクタを見ながら(Gaze)演奏するタイプの人という意味です。

試聴はMyspaceで。
http://www.myspace.com/kakiking

      

実はこの記事を書こうと思ったきっかけは5月にスザンヌ・ヴェガがセルフカバーアルバムを発売するというニュースを読んだからです。
http://www.cdjournal.com/main/news/suzanne-vega/30272
スザンヌ・ヴェガというと日本でもCMで"Tom's diner"がよく流され聞いたことがある人も多いでしょう。海外の女性シンガーソングライターが注目されたって言うのは古くはジョーンバエズとかありますが、考えてみると新感覚という点ではスザンヌ・ヴェガあたりのように思います。
新アルバムでは上のリンクの中で試聴できますが、とてもシンプルで、時代も違う上で挙げたアーチストとは音自体はまったく異なっていますが、曲調と歌詞が皮相的な小児虐待をテーマとした"Luka"を聞くと新感覚という言葉が当てはまるようにも思えます。「夜中にうるさくてもなにも理由は聞かないで」と言う歌詞をあえて明るく歌い上げるというところに深みを感じます。



今回のセルフカバーは何枚かに分かれるようですが、Lukaの新しいバージョンは今の時代にどのように書き直されるのでしょうか。
http://www.suzannevega.com/

     

posted by ささき at 23:18 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月24日

アリス=紗良・オット 化粧品のCMに登場

クラシックピアニストのアリス=紗良・オットさんがなんと化粧品のCMに起用されています。いまは関西圏のみの放映のようです。


才色兼備アーチストということでは宮本笑里さんなんかはよく映像作品テレビなんかに出ていますし、三浦友理枝さんは映画にちょっと出ていたこともありますが、アーチストで化粧品のCMというのはあまりないように思います。

話題性だけではなく、彼女が出したショパンの新譜はタワーレコードで一番売れたということで、ショパンイヤーということもあり先日はポーランド大使館からゲストを招いてタワレコでイベントまでやりました。
http://www.barks.jp/news/?id=1000058978
というか、わたしここにいました(笑)
インストアって距離がアーチストと近いので、もう数メーターくらいのところで見てましたけど、演奏自体もぞくぞくするようなすごいものでしたね。どちらかというとショパンよりはリストが似合う人だと思いますけど、ますますの活躍を期待したいものです。

          
posted by ささき at 21:47 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月10日

Headfi製作のヘッドホンのためのリファレンス曲集

アメリカの音楽ダウンロード配信販売の大手であるHD TracksがHeadFiと共同でなんとヘッドホンのためのリファレンス曲集"Open your ears"を製作しました。

これは解像力や低域の深さなど、ヘッドホンシステムの音の確認のために最適な曲を集めたものです。実際にはHeadfi管理者のJudeさんとHD TracksのDavid Chesky氏の共同作業によるものです。
PDFのライナーノートには曲ごとに聴きどころのポイント解説があり、これはJudeさんとCnetレビュアーのSteve Guttenberg氏によるものです。
レビューも自分の知らない曲でコメントされても分かりにくいので、こうした共通ベースを作るというのも良いかもしれません。

実際にダウンロードしましたが、たしかにかなり良い録音です。44/16で聴いてもはっとするくらい鮮烈な音です。スピーカーで楽しむような壮大なオーケストラというよりは、細かな音の機微がよく出てくるような選曲でヘッドホンらしい選曲です。ハイエンドのスピーカーシステムにも良いのではないでしょうか。
曲ごとに聴きどころのテーマ解説があります。簡単にライナーから引用します。

曲名: 1-Stuck in a Moment You Cant G
テーマ: Midrange tonality
教会の中にセットされたマイクの周りにシンガーがアカペラで歌うU2のカバー曲を聴きながら中域の自然さを感じ取ります。(中域は主にヴォーカル再現性です)

2-Money
Low-Level resolution
ピンクフロイドのマネーのジャズカバーです。Low level resolutionは低域のではなく非常に小さなレベルの音の再現です。
ここではしずかな教会での録音により、音の余韻のかすかな響きで細かい音の聞き取りができます。

3-Get Behind The Mule
Transparency
Transparencyは単に透明感とも訳されますが、低いゆがみ感が重要で音の純粋さ(Purity)と明瞭感(Clarity)がもたらすものとここでは書いています。ノイズの少なさとトランジェント(推移)の速さも大事な要素ということです。ここではシンプルな声とギターでそのリアルさを感じ取ります。

4-Sare Tete Wa
Viceral Impact
ここではドラムのインパクト、パワーと質感を感じ取りますが、特にインパクトはアンプの性能を見るにも有用でしょう。

5-Gadamaylin
Out-of-head Imaging
鳥の声とささやきがヘッドホンの外から聞こえてきます。やがて鳴り響く音が空間を感じさせます。
前方と後方の音の広がり感も聴き所です。

6-Texas Ranger
Center Focus
ここではフィドル(ヴァイオリン)とバンジョーにはさまれたヴォーカルがきちんと中心に定位するか、を聞き取ります。

7-Concerto for Basoon and Orch
Palpable Detail and Texture
Palpableは触れるような、という感じの意味で、手拍子のリアルさと階調感を聞き取ります。
手拍子は他の打楽器に比べると膨らみやすい点が特徴だそうですが、そこでトランジェントと音調の正確さを聴きます。バスーンも正確な再現は難しい楽器ということでそこでも聴き所です。

8-Hajji Baba
Rhythm
ここではリズム感、ノリの良さなど感覚的なグループ感を感じ取れます。

9-Percussion Imaging Test
Spatial Depth
これは音楽ではなくドラムのサウンドテストトラックです。これけっこう面白いです。
広いスタジオにマイクから3、6、9、12、15、30、70フィートごとにドラムセットの距離を変えていき、その音で距離感を感じ取ります。距離を変えるごとに少しアナウンスがあります(3フィートは約1m)。直接音と間接音の違いが分かりやすく、遠くなるほど部屋による影響が大きくなるのが分かると思います。
(はじめの3,6,9フィートは一回繰り返しているようです)

10-Tumbao De Tamborito
Depth, Music
ここではバリトンサックスが3つのコンガの前に配置され、その奥にベースがあります。
教会の中で録音されたその重なり感、奥行きの立体感を感じます。

11-Heartbeat
Bass Extension
これも音楽というよりはテストトラックです。スピーカーは体全体で低音を聴くもので、いわば聴くよりも感じとるわけです。対してヘッドホンでは純粋に音の低さを聴き取ります。
ここでは50、40、30、20Hzの低域再現性を聞きます。ヴォイスごとに一段階ずつ心音が低くなっていきます。ただし人の耳もこのくらいの音には感じ取りにくくなりますので注意ください。

12-Everything is Broken
Bass, Music
ここではアップライトベースとバスドラの低域再現の違いを聞き取ります。


ちなみにライナーノートのヘッドホンはHead-DirectのHE5です。
Headfierは下記リンクより割引価格で買うことができます。ただしHeadfiのアカウントは聞いてこないので、少なくとも下記リンクから行くと割引価格が適用されると思います。

フォーマットは44/16のMP3、FLAC、AIFFが割引価格で$5.99、96/24のFLACが$8.98です。割引価格がいつまでか分かりませんが、お早めにどうぞ。

*購入方法
こちらのリンクのページ内のClick Hereのリンクをクリックしてください。試聴もできます。
http://www.head-fi.org/forums/6454884-post1.html

アルバム単位でのみ購入できます。アルバムとフォーマットを選択してバスケットに入れ、Checkoutで購入できます。日本からはPaypalを使用してください。

払い終えるとHDTracksの独自ダウンロードマネージャーが起動して指定したディレクトリにダウンロードを開始します。

なお買う前にまずHDtracksのアカウントを作成した方が良いと思います。もしダウンロードが寝る前に終わらなかった場合は、ダウンロードマネージャを停止してもかまいません。後でHDtracksにログインして、my accountから右上を見ると、resume downloadと終わらなかったダウンロードを覚えていて、続きから再開できます。
posted by ささき at 23:13 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月21日

スクラッチ・マイ・バック - ピーターガブリエル

元ジェネシスのヴォーカリスト、ピーターガブリエルの久しぶりの新作です。これはいままでのソロ作品とも一味違うカバーアルバムです。
ルーリードやポール・サイモン、デビットボウイなどいろんなアーチストをカバーしてますが、統一したトーンがあり全体としてまとまったトータルアルバムに仕上がっています。

声質はジェネシス時代と比べても変わらないけれども、一層の深みと円熟を感じさせます。
いままでのソロ作品とも違い、ワールド指向もなく、オーケストラアレンジで音数少なめに落ち着いた調子で歌う様子はスティングの最近の作品を思わせます。

スティングやこのピーターガブリエルの作品は単に昔のひともまだやってます、というだけでなく年齢を重ねた深みにふさわしい大人のロックという言葉に符合する作品に仕上がってると思います。

試聴は下記アマゾンサイトにて行えます。


posted by ささき at 22:17 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月19日

アレンジによるナウシカ・ジブリ曲集

本日何回目か分からない風の谷のナウシカの再放送がありますが、何回見ても感動してしまうと言うあなたにご紹介します。ジブリアニメの名曲のアレンジ曲集です。

まずジブリの名曲をジャズアレンジした「ジブリジャズ - All That Jazz」です。こういうジブリカバーの企画ものアルバムっていろんなジャンルでたくさんあるんですが、これは特にアレンジとヴォーカルのセンスが抜群によいとおもいます。カバーものであるまえにちゃんとスイングしてるという感じですね。

まず一曲目の「君をのせて(ラピュタ)」はヴォーカルが秀逸だとおもいますし、「レクイエム(ナウシカ)」なんかは普通ピアノソロなんかでバラード調でアレンジしたくなるとおもいますが、あえてアップテンポのアレンジにしているのがちょっとセンスの良さを感じます。それでいて原曲の良さも壊してないですね。原作ファンにもジャズファンにもお勧めだとおもいます。
こちらで試聴が出来ます(iTunesプレビュー)。
http://itunes.apple.com/jp/album/id340359009


それとこちらはクラシックと言うかチェロでアレンジした近藤浩志氏のARCANTOです。
チェリストの近藤浩志氏は久石氏の一門らしいのですが、これは久石氏がナウシカのサントラを編曲して組曲形式にしたものをチェロとピアノ伴奏でアレンジしたものです。
作品世界のイメージをストレートに美しく描いています。なかなかこれもアレンジ企画ものと言う前にチェロの曲として素晴らしいと思います。またクラシック曲も納められています。
こちらのメーカーサイトで試聴ができます(ちょっと下のほうにあります)。ちょっと感動的ですのでぜひ聴いてみてください。
http://www.joehisaishi.com/wonderland/lineup.html

原曲がよいものはジャズでもクラシックでもアレンジしても良いですね。放送を見たあとでも見る前でも楽しんでください。

     
posted by ささき at 00:53 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月18日

連弾レボリューション - ジュメル

この週末タワレコでピアノ連弾デュオのジュメルのミニコンサートを見てきました。ジュメルというのは双子の意味なんだそうですが、ジャケットをみての通り、一卵性双生児の姉妹による連弾デュオです。
この一卵性の双子による連弾ってまさにぴったりの素材で、まるであのマナカナの息のあったハモりの感じでピアノ弾いてるようです。(マナカナも題名のない音楽会に出てましたが)
一音目からぴったり合うのってどういうはいり方なんだって思いますね。

新人アーチストだとクロスオーバー的なオリジナル曲やポップのカバー曲なんかが選ばれることも多いと思いますが、ジュメルの曲は全てもとからあったクラシックの連弾のための曲です。
結婚行進曲の連弾も珍しいですけど、奇をてらったわけではなく、もともとメンデルスゾーン自身が書いた連弾のためのスコアだそうです。東風も坂本龍一自身が書いていたものとのこと。
双子による連弾という新奇さを求めたわけではなく、きわめてストレートにその良さを訴求しています。

一台なのにアンサンブルみたいにも感じられますが、むしろ一台のピアノからこんなに重厚で豊かな響きが出るって言う新鮮な驚きがあります。一人のピアニストが出せる音の2倍の音の数が一台のピアノの中で共鳴してより複雑な音をかもし出しているんでしょうか。二人で二台のピアノをひいてもこういう音は出ないと思います。
キャッチフレーズは1+1=10という二進数みたいなものですけど、まさにいい得て妙という感じです。
ジュメルはレフレールなどの連弾のかっこよさとはまた違った音の魅力がありますね。


posted by ささき at 00:03 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月17日

Arrietty's Song - セシル・コルベル

しばらく前にCecil Corbel(セシル・コルベル)のSong Book2を紹介しました。こちらの記事です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/112493158.html
このときにSong Book1も購入しようとしたんですが、入手困難でした。
海外のサイトでもなかったのでもう絶版かとおもってたんですが、この週末タワーレコードに行ってみたところ多数入荷しているのを見つけました。

これは理由があきらかなんですが、宮ア駿が企画・脚本を担当する今年のジブリアニメ「借り暮らしのアルエッティ」の主題歌にこのセシル・コルベルが抜擢されているからです。セシル・コルベルって知ってる人は知ってるけれども、エンヤとかケルティックウーマンのように一般的とはとても言えないのでちょっと驚きです。

借り暮らしのアルエッティの公式ページはこちらです。「床下の小人たち」が原作となっています。
http://www.karigurashi.jp/index.html
主題歌はiTunesで配信されています。
http://itunes.apple.com/jp/album/arriettys-song-single/id344062057
これさっそくダウンロードしてみましたが、日本語で歌っているのでこれもびっくりします。はじめブルトン語で歌っているのかと思ってしまいました(^^
あわせてこちらのリンクでベスト盤もiTunesで発売されているので試聴はそちらでどうぞ。
http://itunes.apple.com/jp/album/the-cecile-corbel-collection/id322956517
セシル・コルベルはトラッドと言ってもポップ色が強いので、とても聴きやすいと思います。独特の甘い声も特徴的ですね。1曲目のMaryとか6曲目のSans Faire un Bruitなんかがおすすめです。
これでワールド系の音楽に興味を持ったら、下記のリンクのPikonosvenieもチェックしてみてください。セシル・コルベルも参加しています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/112958381.html

実はもう一つ驚いてるのが、今年のNHK大河ドラマの「龍馬伝」の主題歌なんですが、これを歌ってるのがなんとあのデッドカンダンスのLisa Gerrard(リサジェラルド)です。これも発表されたときに驚いたんでtwitterには書いてたんですが、「坂の上の雲」のサラブライトマンはともかく、ゴシックレーベル始祖である4ADの顔とも言えるリサジェラルドがNHKのドラマ主題歌を歌うというのはちょっと考えられませんでした。
曲もなかなか壮大で良いものですが、作曲は佐藤直紀というサントラ作家が担当しています。ただ実際に聞いてみると随所でリサジェラルドがアレンジしたと思われるところがあるように思えます。

彼女は近年映画のサントラを多く手がけていて、おそらくはデッドカンダンスの筋よりは「グラディエーター」のサントラあたりから感化されたとは思いますが、リサジェラルドを作曲でなくヴォーカルで使うという配材には拍手したくなりますね。
Dead Can Danceの代表的なアルバムで、高音質リマスター盤で知られるあのMobile Fidelity社がオーディオファイル向けとしてリマスターしたのがこちらの"The Serpent’s Egg"(リマスター)です。
http://itunes.apple.com/jp/album/id277714337
冒頭曲のヴォーカルを聴くだけでリサジェラルドの持ち味の雰囲気が伝わってくるでしょう。下記Amazonリンクは彼女がソロになってからのベスト盤です。

リサジェラルドもセシルコルベルもかなりマニアックなところの人たちなのに、宮崎アニメとかNHK大河ドラマとか、こうメジャーなところにぽんと出てくるのはちょっと意外に思えました。

     




posted by ささき at 10:30 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月29日

クラフトワーク リマスター再発

毎年のようにリマスター出してるクリムゾンに比べると意外なような気もしますが、クラフトワークのはじめてのリマスター再発です。
リマスタリングも自然で少し前のようにやたらエッジをきつくしていたのとは違います。自然な音質でいて、ある意味いまこれが新曲として出てきたとしてもかえって新鮮かもしれません。ジャケットをリニューアルさせたのはもしかするとそういう狙いもあるのかも(中ジャケットはオリジナルです)。
実際にPerfumeみたいな音もうけていますしね。Perfumeでは中心になってるヴォコーダーを使い始めたのもクラフトワークあたりだと思います。

ただテクノポップという言葉はわたしも知らなかったんですが、日本だけの言葉のようです。これはやはりYMOの影響が大きいと思います。
クラフトワークは機械文明のアンチテーゼというようなトーンもあってあって、暗めでミニマル風の無機的な繰り返しも多いのですが、YMOはライディーンなどはじめから明るいトーンだったのでポップという言葉がすんなりうけいれられたのでしょうね。

CMにも使われてヒットしたヨーロッパ特急収録の「ショウルームダミー」なんかはいま聞いてもかっこいいと思いますね。こちらです。



温故知新という点でまた聴いてみてはいかかでしょうか?

     
posted by ささき at 20:33 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月16日

ぜいご- 鈴木常吉

水曜日の深夜にTBS系で「深夜食堂」という番組をやっていますが今日が最終回になります。この番組は深夜営業の食堂に集う人々の人間模様を描いたショートドラマです。
この番組で良いのはその冒頭シーンです。青梅街道方面から新宿ガード下をくぐって靖国通りに向かう車から新宿の夜の街並みを移した映像がイントロに使われているのですが、一瞬の無音の後にスローで始まるギターと男性ヴォーカルだけのシンプルな楽曲にはっとさせられます。
テーマ曲としてクレジットされている曲ではないようなので、曲を調べて見たところ鈴木常吉という方の「ぜいご」というアルバムからとられています。冒頭の曲は「思ひで」という曲です。

いまどきの複雑なミックスと音数の多い複雑な音楽になれた耳には、ひとつの音、ひとつの発声の細かいニュアンスが新鮮に感じられます。特に細かい声の使い方やかすれ方がたくみです。アルバムの最後は咳をして終わるんですが、これも偶然か意図したものか、味わいがあります。

今回はAmazonのリンクを貼りません。アルバムのギャラが現物支給となったそうですので、興味のある方はこちらのホームページから直接ご注文ください。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/tunekichi/
私が買ったときは勝手に作ったと言う「深夜食堂のテーマ」というCDRをつけてくれました。

アルバムからいくつかの曲がこちらのmyspaceで聞くことができます。
http://www.myspace.com/tunekichi
またiTunesでも販売していますので、そちらで試聴することもできます。
posted by ささき at 22:28 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月15日

ピアノ・エスプレッシーヴォII - 松本あすか

このエスプレッシーボ2はピアニスト松本あすかさんの二作目です。一作目はこちらに記事を書いてます。
松本あすかさんは基本的にはクラシックのピアニストですが、アーティストとしてはピアニストというよりは作曲・アレンジャー的な側面に重きを置いています。曲はクラシックのものですがピアニストの音楽解釈というよりもほとんど別の曲になっているのでクラシックのカバー曲というべきでしょうね。
完全なジャズかボッサみたいになってるのもあるし、ほぼクラシックそのままというのもあります。いずれにせよ、良さは分かりやすく聴きやすい音楽になってると思います。CD製作のテーマは「みなが楽しめること」ということなのでそれは達成されていると思います。
また本来は練習曲のエチュード曲集をちょっとした聞き入ってしまう作品に変えてしまう遊び心なんかも楽しいところです。またここは前作でも言及していたカプースチンの影響もあると思います。カプースチンの曲自体も取り上げています。
またアレンジなしでクラシックそのままというのもいくつか入っていますが、リストはなかなかの聴きものでピアニストとしての地力を感じます。
力強くダイナミックなピアノソロが好きなひとにお勧めです。試聴はAmazonのページからどうぞ。


posted by ささき at 00:34 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月02日

アヌーナ(Anuna)

Anunaは男女混声のアイリッシュのコーラスグループです。いまケルティッククリスマスなどのコンサートのため来日しているんですが、今日の夜タワレコでインストアイベントがあり見てきました。平日の夜というのにかなり混んでいて人気の高さをうかがわせます。
こうしたイベントのいいところはアーティストと距離が近いのでほとんど生音が聴けるということです。とくにこうしたコーラス系はでたのしめます。auraなんかもそうした良さがありますね。
今日はインストアというところを生かしていきなり観客の真ん中からアカペラで登場するという演出もありました。曲はわりと有名なトラッドから選曲していて、なじみやすく楽しめます。PAをほとんど通さない透明感が印象的です。なにか体の中で鬱積しているものを溶かしてくれるものがありますね。
アルバムのイメージだと、アイルランドの幽玄で幻想的な、という感じですが、ステージではみな楽しく愉快な感じで、やはりトラッドは大衆が楽しむ音楽というところを感じさせてくれました。

試聴はMySpaceでどうぞ。
http://www.myspace.com/anuna

     

posted by ささき at 22:00 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月24日

バタフライ・エフェクト - ダイアナ湯川

ダイアナ湯川はクラシックのヴァイオリ二ストですが、二枚ほど普通のクラシックのアルバムを出したあと、大きく作風を変えてこの3作目を発表しました。

本作は完全にクラシック・クロスオーバーとなっていますが、プロデューサーはBONDをプロデュースしたアンディーライトということで納得です。
棚的にはクラシックのコーナーにありますが、音楽としてはロックポップむけにビートのきいた音になっています。例えばアルバムの三曲目にずいぶん前にテクノ・ハウス系のベストセラーになったロバートマイルズのチルドレンのカバーが入っているということでも曲傾向はうかがえると思います。もちろんヴァイオリンをフューチャーしたアレンジとなっていてなかなかかっこよくカバーされています。
以前にやはりバネッサ・メイという中国系アメリカ人のヴァイオリ二ストがこうした変身をとげたのを思い出します。

タイトルのバタフライ効果とは蝶の羽ばたきのような小さな動きがいつしか竜巻のような巨大な動きとなることをさす言葉ですが、その言葉のようにひとつのヴァイオリニストとしてではなく、アーティストとしてより大きなテーマに取り組みたいという願いが込められているそうです。
クラシック・クロスオーバーと言っても、トラッド風のもあり、エニグマ・デリリウム系もありと細かくはいろんな方向性があるので方向を模索中というところでしょう。

川井郁子とか宮本えみり好きの方にお勧めです。
試聴は下記アマゾンにて。(右はデビューアルバムです)

     
posted by ささき at 23:43 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月08日

秋の夜長の音楽、ピアノとハープ

だんだん秋も深まり山には紅葉も見られるようになってきました。日が落ちるのも早く、夜が長い季節になってきます。
こうした夜にもの思いをしながら音楽に聞き入りたいときにお勧めの音楽を二枚紹介します。

まずドイツのピアニストのFrank Federselの新作アルバム"Uber Morgen Gluck"が出ていました。
ずいぶん前にジョージウインストンのピアノソロの曲が流行りましたが、これもそうしたニューエイジ系の美しいピアノソロのアルバムです。ただこうした音楽はけっこう多いんですが、わりと多くはα波の音楽的な退屈なものになってしまいがちです。Frank Federselの音楽はやさしく優雅で詩的ですが、ときに情熱的に抑揚と映像感のようなものも感じさせてくれます。マイケルナイマンが好きな人にもお勧めです。
以前の"Hoffen Traumen Suchen Fragen"も良かったんですが、今回の作品はさらにアルバムとしてまとまりが良くなっているように思います。

Frank Federselの作品はこちらのMySpaceで聴くことが出来ます。
http://www.myspace.com/frankfedersel

購入はTower Recordから買うことができます。
Frank Federsel - Uber Morgen Gluck
こちらは新作です。

Frank Federsel - Hoffen Traumen Suchen Fragen
MySpaceの楽曲は主にこちらのアルバムです。


もう一点はAssia Cunegoというハーピストの"Canto Ostinato"です。
一年前くらいにオランダの現代音楽家のシメオン・テン・ホルトの"Canto Ostinato"という曲を紹介しました。下記の記事です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/111881527.html

今回紹介しているのはこの"Canto Ostinato"をハープ用にアレンジしたものです。
もとの曲の持つミニマル的で現代音楽的な感覚は薄まりましたが、いつまでも永遠に続くかのような曲の持つ美しい旋律をもともと音色のきれいなハープで演奏することで、とても美しい音世界を構築しています。

試聴はこちらのMP3 Sampleをダウンロードください。
http://www.simeontenholt.com/Assia_Cunego.htm
こちらとはアートが異なるものが国内に輸入されています。
購入はTower Recordから買うことができます。
Assia Cunego - Canto Ostinato

あとはお気に入りの本が一冊あればいうことなし、でしょう。
posted by ささき at 22:50 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月25日

阿母(あんま) - 朝崎郁恵

朝崎郁恵(あさざきいくえ)さんは奄美の島唄の歌い手として知られています。今回新作発表に合わせてタワレコでミニコンサートをやるということで聴きに行きました。
朝崎郁恵さんのホームページはこちらです。
http://www.asazakiikue.com/index.html
タイトルの「あんま」は母とか祖母という意味だそうです。

二曲ほど伝統的な三味線(三線でしょうか)と小太鼓で奄美唄を披露しましたが、次はピアノの伴奏で歌います。
10年くらい前に、唄は良いけれどCD一枚が三味線の伴奏だけだと飽きて一枚聴きとおせないとファンに言われたそうで、もっと多くの人に奄美唄を分かりやすく広めるために、ピアノアレンジも取り入れるようになったとのことです。

今回の作品もその延長にあるのでしょう。曲はNHKの篤姫でも使われたものですのでなじみがあると思います。この曲は楽譜なので難しいとも言っていました。これも口伝主体の伝統曲の歌い手ならではの挑戦なのでしょうね。
今回の特徴としてこの曲は始めて奄美の言葉ではなくUAさんの作詞による歌詞で歌います。

そして阿母を歌い始めるときに「今回の唄ははじめて奄美語ではなく、日本語で歌います」と語ったのでドキっとしました。
そうです、標準語で歌います、ではなく日本語で歌います、ということです。
奄美や琉球は独立した独自の文化と歴史があり、中国と日本と言う大国に挟まれた苦難の歴史を経て来ました。奄美言葉を方言というのは、昔から奄美が日本の領土だったと思わせるような言い方でもあります。これはゲール語をイギリスの方言だと言ってるようなものかもしれません。こうしたことはあちらこちらにあるでしょう。
わたしたちは無意識に、というか無批判に受け入れている既成事実が多すぎるのかもしれない、ということを少し考えさせられました。


試聴は下記のHMVのサイトで聴くことが出来ます。(iTunesでも聴けます)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3665236#audition


posted by ささき at 22:44 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウインターズ・ナイト - スティング

「ウインターズ・ナイト」はスティングの新作で冬をテーマにしたアルバムです。

クラシックコーナーにずらりと並んでいてちょっとびっくりします。以前にもスティングの「ラビリンス」がクラシックコーナーに並んでいたんですけど、それはこちらに書いています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/27817089.html
このアルバムもドイツ・グラモフォンの配給により、クラシックコーナーにありました。
最近スティングのソロアルバムが紙ジャケSHM-CDリリースされたんですが、こちらはいわゆる大人のロックコーナーにありますので、ちょっと混乱します。

「ラビリンス」はダウランドの歌曲集をスティングなりにアレンジしたものでしたが、アレンジしたといってもリュートの伴奏だけで歌うオリジナルに近いものではありました。
この「ウインターズ・ナイト」はいわゆるホリディアルバムで、クリスマスソングやそれに関連した宗教曲やトラッドをアレンジしたものですが、こちらのほうがいわゆるスティングらしいポップ色の強いものになっていて一般に聴きやすくなっています。
ラビリンスでの伝統歌唱法を学んだ成果か、このアルバムでもいっそう深くなった独特の声を聞かせてくれます。
冬の夜に聴く大人のポップアルバムという感じですね。

試聴は下記のAmazon(USA)のStingコーナーで聴くことが出来ます。
http://www.amazon.com/If-Winters-Night-Sting/dp/B002H3F7F6/ref=ntt_mus_ep_dpt_1


posted by ささき at 22:15 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月26日

A time for love - フライド・プライド

3年ぶりのフライドプライドの待望の新作です。
前作では邦盤から多く曲を取り入れるという点で新機軸を打ち出していましたが、今作では"LOVE"というテーマをもつことでアルバムに統一感を持たせています。
今回も山下達郎からサンタナまで広い選曲でカバーして、いつものようにかっこいいスピード感のある曲からしっとりしたバラードまでいい感じです。今回はスパニッシュテイストを取り入れていたり、クラシックをスキャット風にアレンジしてるのも面白い点です。

もともとはジャズのスタンダードをヴォーカルとギターのシンプルなデュオでカバーするというスタンスのユニットだったのですが、いまは独特なスタイルも確立されてもっとより幅広い層にアピールできる魅力を持ったのではないかと思います。

下記のVictorのサイトで試聴ができます。
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A016164.html



posted by ささき at 21:39 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

http://9-9-9-9-9.com - No9

URLがタイトルとなっているこのユニークなアルバムはエレクトロニカの人気アーチストであるNo9(城 隆之)の最新作です。No9は最近ではエレクトリカの世界にしっかりとした地位を確立したといえます。
エレクトリカは新しい世代のポピュラーミュージックとも言えると思いますが、それはこのNo9について特に言えます。この人は音楽の作り方が上手で、最大公約数的に心地のよい音の世界を作り出しています。そういう意味でポップと言う気がします。
この作品は「音と植物と暮らす」がテーマのようです。ある意味環境音楽的な聴き易さをもたらしてくれるというのは狙い通りということでしょう。

http://9-9-9-9-9.com/

この新作のタイトルは9-9-9-9-9とアルバムジャケットには書いてありますが、PCに取り込むとhttp://9-9-9-9-9.comとタイトルに表示されます。
帯にも「このアルバムだけでは不完全です」と書かれていています。そこで前述のアドレスにアクセスしてみると特別サイトがオープンします。

これはPCでこのアルバムの音楽を再生しながら使うと効果的です。
エレクトロニカは電子音とかノイズを効果的に挿入して使う音楽ですが、それをユーザーがマウスでリズムを刻んでタップすることでまるで合いの手のように電子音を挿入できます。
ある意味ユーザーとアーチストがコラボできるというわけです。それではじめてこのアルバムは完全なものとなるというわけです。ネット越しにライブに行ってるような、演奏側との一体感がちょっと楽しめるというのは面白いですね。

No9のMySpaceはこちらです。
http://www.myspace.com/lifeno9


posted by ささき at 21:11 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月09日

アメージング・グレース - ティファニー

そろそろまたオーディオショウの秋となりました。
下記リンクのPhilewebさんの記事にありますが、なんとインターナショナルオーディオショウでジャズヴォーカリストのティファニーさんの無料ライブがあるということです。
http://www.phileweb.com/news/audio/200909/08/9272.html

そこで今回はティファニーさんの素晴らしいアルバム、アメージンググレースを紹介します。

まずこのアルバムは冒頭曲から圧倒されます。
いきなりアカペラの五木の子守唄からはじまり、それがなめらかにスタンダードのサマータイムにメドレーとして移行していきます。適度にエコーを生かしたティファニーのヴォーカルが空間を感じさせてくれ、続いてはいるピアノのしっとりとした響きに聴き入ってしまいます。
オリジナルの三曲目、ファー・ファー・アウェイもテンポ良く、なかなかの佳品です。スタンダードのムーンリヴァーやテイク・ファイブもヴゥーカルを生かしながらうまくまとまっています。
最後のアメージンググレースはやはり月並みな言い方ですが黒人女性ヴォーカリストとしてのスピリットを感じます。やはりタイトル曲らしい存在感はありますね。
全体的な抑揚と強弱をまとめたアルバム全体のバランスも良いと思います。

また、このアルバムはとても録音も良く、ショウで聴く試聴用のリファレンスとしても良いと思います。一曲目で空間表現をヴォーカルで感じ、二曲目の弾けるようなウッドベースもシステムのタイトさシャープさを見るのにいいですね。
もしかすると各ブースでも試聴用に使うのではないかな?

下記アマゾンのリンクで試聴ができます。これはけっこうお勧めです。


posted by ささき at 00:03 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月07日

ガンダム・ロック - Andrew W.K.

今年は何周年というネタが多いんですが、ガンダム放映の30周年でもあります。曇天でパッとしなかった今年の夏休みの話題であった台場のガンダムもその記念というわけです。
このアルバムはロックアーチストのAndrew WKによる全曲英詞でロックカヴァーされた英語版のガンダムカバーアルバムですが、やはり30周年記念ということでサンライズ公式アルバムとして作られたということです。
全編英語で歌われるのですが、このアルバムでユニークなのは選曲がファーストからのみということと、曲が英語になっているだけではなくナレーションなども英語で行っていることです。
永井一郎のオープニングナレーションやギレンの「ガルマ追悼演説」をアンドリュー自身が英語で吹き替えしているというところがマニアック度も高くなっています。
アルバムはあさって発売です。

こちらにサイトがあって何曲か試聴もできます。
http://www.universalmusicworld.jp/gundamusik/index.html

またUniversal公式のYoutubeクリップが公開されています。
http://www.youtube.com/watch?v=mjavF8BAonI

ちなみにアルバムアートに書かれた主人公らしき青年はAndrew WK自身だそうです。
Shoot'em up! shoot'em up! shoot'em up!


posted by ささき at 23:00 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月15日

I Come and Stand at Every Door - This Mortal Coil

4ADというレーベルはゴシック的世界観を持ったアーチストの集うところとなり、コクトーツインズやデッド・カン・ダンスのような後に影響を与える優れたアーチストを生み出しましたが、創設者のアイヴォ自身が作りあげたディスモータルコイルのためにあったとも言えます。
http://4ad.com/

This Mortal Coilは様々なポピュラーミュージックをアイヴォ流の世界をもってカバーしたユニットです。この点でサラブライトマンの記事で書いたフランクピーターソンにも影響を与えているように思います。
すばらしい曲をたくさん残していますが、今日はそのラストアルバムからこの曲を紹介します。
Youtubeでは次のリンクで聴くことが出来ます。左がThis Mortal Coilがカバーしたもので、右はバーズのオリジナルです。

 

オリジナルの曲のメロディーは伝承音楽から取ったもので、歌詞はトルコの詩人Nazim Hikmetの詩を英訳したものを使っています。それを訳して今回は記事に代えたいと思います。

"わたしはどの家の前にも立っています
でもわたしの声なき祈りはだれにも聞こえません
ノックをしても見てはもらえません
それはわたしが死んでいるから

わたしはそのときまだ七歳でした
ずいぶん前の広島でのことです
わたしはいまでも七歳です
死んだ子供は歳をとりませんから

わたしの髪は燃え盛る炎に焼けたただれました
まわりはぼやけてなにも見えなくなり
死が訪れ、わたしの骨は塵となりました
そして風に吹かれて消えました

わたしはご飯もパンもいりません
お菓子もフルーツもいりません
わたしのためにはなにもいりません
もう死んだのですから

わたしが望むのは平和だけ
あなたは立ち向かってください、今日から
この世界の子供たちが笑い、すこやかに育つために"


posted by ささき at 08:27 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする