Music TO GO!

2012年07月18日

音茶楽 FLAT4-粋(sui) イヤフォンレビュー

このユニークな形のイヤフォンは音茶楽のFLAT4-粋(sui)で先日のヘッドフォン祭で限定発売されて話題となりました。
音茶楽というのは名の通りにお茶屋さんなのですが、イヤフォンメーカーでもあります。ユニークですね。
こちらはイヤフォンメーカーとしての音茶楽のホームページです。
http://ocharaku.jp/sound/

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現在販売はフジヤエービックさんのみで取り扱っています。
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail12596.html

* 音茶楽 FLAT4の特徴

音茶楽のオーナーはもともとはSONYでヘッドフォンなどの開発をされてた方のようですが、自分の理想をお茶とイヤフォンで実現しようとされてるのでしょう。このお茶とイヤフォンと言うのは関係なさそうでいて、その根っこに共通する思想がありそうです。そこでまずこのFLAT4の形から見ていきます。

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この取っ手のようなパイプがまず特徴的ですが、これにはこうした意味があります。
ダイナミックとかBAに寄らず耳を塞いでしまうカナル型では耳道の中での共振によってある特定周波数(6k,12k)のピークが出来やすく、それがいわゆる耳に刺さるサ行のきつさに結びつき易いとのことです。普通はいわゆる音響フィルターでそれを打ち消すのですが、それだと他の高域も影響されてしまいクリアさが欠けてしまいます。
そこでFLAT4では経路差をつけることで位相差を付けてそのピークを打ち消すとのこと。これによって自然な中域再現と、音響フィルターの排除によってクリアな高域が実現でき、かつ耳に優しいというわけです。
もう一つの特徴は外からは見えませんが、ドライバーのユニットが対面で向かい合って音を出していると言うことです。これによって中低域に音圧感を得るとともに、振動系の反作用による機械振動をキャンセルして深い低域を実現したということ。

このように特徴的なデザインは自然な音再現を重視した設計ゆえのことと言えます。この自然な音、という人への優しさがお茶というキーワードとなにかつながっているようにも思えます。

* 音茶楽 FLAT4の音質

まずiPhone4S直で聴いてみました。イヤピースはコンプライのフォームチップでT200が指定されています。遮音性はコンプライの効果もあってなかなか良いですね。電車騒音も柔らかく低減されます。
FLAT4で聴いて、まず感じるのは音の広がりの豊かさです。豊かさと言うのは単に二次元的に幅が広いだけではなく奥行きがあり立体感があるという感覚です。この三次元感覚はまるでバランス駆動で聴いてるようで、iPhoneで普通に差してこれだけ三次元的な豊かさが得られるって言うのはなかなか聴いたことがないレベルです。

次の特徴はiPhone直でさえ低域の深さと量感の豊かさは驚くほどたっぷりとあることです。歪みなく淀みなく量感がたっぷりある感じですね。この辺はAtomic FloydのSuperDartsあたりと比べると分かりますが、ベースが多くても不自然なバランスではありません。
また、ヴォーカルも魅力的で、楽器の音色もリアルに感じられます。中域では適度な響きの良さと滑らかで自然な音鳴りの良さが印象的です。普通iPhone直だと無機的に聞こえてしまうんですが、FLAT4ではiPhoneだけでも良いかと思わせるイヤフォンの持つ音の良さがあります。
そして音響フィルターがないせいか、ダイナミック型と言っても高域のシャープさは十分にあります。また高域は優しく、サ行の擦過音など痛さを感じないけれども、よくある高いほうの伸びが詰まったのとは違いますね。きれいな中高域で、楽器の音も美しく感じられます。

音の印象をまとめると、全体に滑らかで音場が広く3次元的、明瞭感のある高域と厚みある中域、深く豊かな低域と、フルレンジとは思えないほど帯域ごとに個性があります。ただFLAT4で良いのは音の広さや帯域の豊かさのような性能面を誇示することで無機的になるのではなく、あくまで聴いて豊かな音楽体験が得られる点です。
しかしFLAT4で特に際立っている空間の広がりというのは、たとえばピークの低減とかタンデム配置ドライバーによる振動の相殺というFLAST4の売りの技術ポイントでは書いてないんですが、良い音を求めていたら自然に空間再現力も高くなったというところでしょうか。これは面白いところだと思います。

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こうした凝った機構を持ってるものは能率が低いものだけれど、iPhone直でも7割くらいで音量が取れてるのもこうしたDAPやスマートフォンと組み合わせるのに適しています。iPhone4S直ではGoldenEarアプリが相性が良かったですね。普通GoldenEarアプリではiPhoneの音の荒さが時として助長されてしまう傾向があるけど、FLAT4だと音の滑らかさが上手くそれをカバーする感じです。これだとアンプなしでiPhoneだけでもけっこう満足できます。

アンプではGo-Vibe Martini+が良かったですね。マニアックに言うとnichiconコンデンサの初代RSA Hornetもよくあいました。iBasso DX100の精細感を引き出すというくらいになるとやや物足りなさを覚えるけれども、細かさを誇示するタイプよりさきにあげたような音楽的な方向に降ったものが似合うと思います。一番気に入ったのはNOS DACのHM601で、これで聴くと自然な高音質という言葉がぴったりとはまります。
こうした自然な良い音を聴くとFLAT4の「耳に優しい音を目指す」という目的は十分に達成されていると思います。そこがお茶のリラックスした優しさと通じたものがあり、自然な音楽の美しさを楽しむのにお勧めのイヤフォンと言えます。
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2012年06月27日

Soundmatters foxL V2 − ポータブルスピーカーの新機軸

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旅行をしてホテルの部屋で音楽を聴こうとすると、やはりiPhone用の小さなポータブルスピーカーがほしくなります。またiPhoneの音楽を人に聞かせたいというときや、ノートPCの内蔵スピーカーではやはり、という場合もちょっと外部スピーカーを足したくなります。
しかし、大手小売店に行ってiPhone用スピーカーコーナーを見ても、単に見た目が派手でガーガーと音が鳴るだけのものが並んでいるだけで、仮にもオーディオ好きがある程度納得できるようなものはそうした中からは見つけられません。そこでちょっと面白いのを見つけました。このSoundmatters foxL V2です。
こちらにSoundmattersのホームページがあります。日本でも既に輸入されています。
http://soundmatters.com/foxl/

購入してさっそく先週末の清里旅行に持って行きましたがなかなか便利に使えました。
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* foxLとは

Soundmatters(「音が肝心」というような意味)は物理学者でNASAのエンジニアだったという人が1999年に設立した会社ということ。ちなみにfoxLとはこの人の初孫の名前だそう。foxLは簡単に言うとバッテリー内蔵で持ち運びできるアクティブスピーカーです。見た目は普通の地味なポータブルスピーカーのようですが、中にはあやしい技術が満載されています。

1. "twoofer"

foxLのわずか1インチ(2.5cm)のスピーカーユニットがこの"twoofer"です。もちろんfoxL独自のユニットで特許技術です。
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これは見た目はドーム型のツィーターのような外観で、はじめはダブルコーン(whizzerコーン)のようなものかと思ったんですがそうではなく、ドーム型にした理由は小さくても音の広がりを得るためということです。これは後でエンクロージャの項で出てきますが、このドームの部分は外にはみでているようです。
向かい合わせのデュアル・マグネットを標榜していますが、たしかにものすごい空気の量を動かしているようです。

2. "BassBattery"

ベース・バッテリーってなに、っていうと、これはラバーコーティングされたバッテリーがパッシブラジエーターの振動版として機能するというものです。
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パッシブラジエーターというのはスピーカーからマグネットなど駆動ユニットを外したコーンのみで低域を増強する仕組みですが、それを板状の背面パネルと一体になったバッテリーを使って行い低域を増強するというものです。そのためfoxLはバスレフではありません。foxLの背面部分がこのパッシブラジエーター構造になっています。
つまりさきのtwooferの背圧をBassBatteryで利用するというようなもののようですね。このtwooferとBassBatteryの仕組みで周波数帯域を稼ぐというのがfoxLのアーキテクチャのようです。foxLの周波数特性としては20kHzから80hzまでカバーしているということですが、下が80hzというのはかなり立派なものです。
もともとSoundmattersにはFlatMagicという重みのある振動版を低域の制動に利用したサブウーファーの特許があって、それをバッテリーを使用して応用したというとこです。
(これでも足りないという方にはサブウーファー用の出力端子が出ています)

3. 一体型デザイン

最後にデザインですが、ここは"form follows function"という有名な建築家、ルイス・サリバンの言葉が引用されています。ルイス・サリバンはあのF・L・ライトの師匠で、この言葉は日本語では「形態は機能に従う」として知られています(いわゆる機能美のような意味)。
なぜ「形態は機能に従う」かというと、foxLでは普通のスピーカーのようなコーンではなく、その逆のドーム(twoofer)であるため、その発音体であるドーム部分がエンクロージャからはみ出していることになります。そのため、下手なキャビネットデザインがスピーカーの音を阻害して曇らせてしまうのではなく、直接放射されるようになり、かつスピーカーの延長軸上でない場所で聞いても良い音で聴くことができるということです。
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また、エンクロージャは金属のように見えますが、実はFRPです。これは上に書いたBassBatteryのパッシブラジエーターを含めたクローズ構造となっています。たとえば小さなスピーカーが2個分離した形だと、このtwoofeとBassBatteryの仕組みは成り立たないのでこの一体型のデザイン自体が1と2の機能から導き出されたものであるというわけです。

* 音質

いくつかタイプがあるのですが、私はapt-x対応のプラチナムバージョン(22,000円)を買いました。
まずiPhoneで聴いてみました。iPhoneはapt-x対応ではないですが、Bluetoothの音質が思いのほか良い感じです。はじめは有線で使おうかと思ってましたが、このくらいの音で鳴るなら用途を考えるとBluetoothの利便性を取りたいですね。たただしBluetooth使用中は背景に少しノイズが乗ります。
音の印象はいわゆるiPodスピーカーのような内蔵スピーカーの音量上げただけのおもちゃっぽい音ではなく、ちょっとしたデスクトップオーディオのミニチュア版といった感じの音です。中高域にかけてはかなりすっきりとした明瞭感があって、楽器の音なんかはきれいに再生しています。ヴォーカルもいいですね。たとえばSHANTIとかFriedPriedなどの女性ヴォーカルものや室内楽的な音楽はするっと自然に良い感じで音が出てきます。またそれなりに細かい音もよく聞こえます。うるさくいうと中域にやや曇り感はあるけれどもこの辺は有線で良いケーブルにつなぐとかMacbookで再生するとかなり改善されます。
低域のインパクトも良い感じです。インパクト感があり膨らんだままではなく、それなりに制動しているのが分かります。コントラバスなど深いところは軽いですが、これはいたしかたないでしょう。十分なくらいの低域は出てると思います。音の広がりもサイズにしてはなかなかに良いですね。音もアパート程度の広さなら十分飛びます。

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foxLの背面

オーケストラとかロックはかなり無茶な相談かなとも思えますが、かなりがんばってます(笑)。
がんばってるっていうのは、例えだけではなく、なにしろ手で触るとわかりますがものすごい空気の量を動かしてるのが分かります。それがパッシブラジエーターのBassBatteryをものすごいいきおいで振動させています。
なにしろ曲によっては勝手にスピーカーが動き出します。そのためすべり止めが付属しています。さすがに音量あげると音が割れますが、本体がものすごく振動してるんで無理でしょうね。
オーディオにうるさい人にあんまり期待されるとなんですが、普通の人が聴くとおそらくかなり良い音というと思います。iPhoneの再生アプリの音の違いも十分判別できます。

* 応用性

もともとは旅行目的で買ったんですが、実際に使ってみると家でもいろいろなシーンに便利に使えます。
たとえばストリーミングで音楽を聴いたり、Rajikoでラジオ聴いたりというのはiPadとかiPhoneが便利なので、寝ながら使うことができます。それと便利なのはiPhoneやiPadでゲームするときですね、意外と迫力があります。オーディオ的に帯域バランスがどうとか言ってると難しいけど、ゲーム的には低音の迫力も音の広がりも十分以上だと思います。これも寝っころがってゲームするにはうってつけです。BTでのレイテンシーはそれほどは気にならないレベルだとは思います(コアなゲーマーはどうかわかりませんが)。スマートフォンとかタブレットの外部スピーカーにはこうしたのが向いてますね。
またハンズフリーのスピーカーフォンにも対応しています。音声も明瞭で聴き取りやすいのでiPnoneで録音したインタビューをスタッフみなで聴くとかビジネスに使ってもよいし、使い方はいろいろありそうです。

Macではもう少し音質面で応用がききます。現行のMacbook/mini(2010年秋以降?)はapt-xに対応してるはずですので、プラチナモデルのfoxLの性能を引き出せます。
Macで聴くとけっこう音が良いんですが、さすがに調子に乗って音量あげると音が割れ、動きます。もともとそんなに音量上げて聴かないので、夜に小音量再生するときにはいいかもしれません。もちろん本格的なデスクトップオーディオならKlipton KS1のような据え置きのデスクトップスピーカーの方が良いと思います。
机でMac(または手持ちのBT対応のPC)で音楽ならしながら、foxLを台所やベランダに持っていくのもいいですね。工作や料理をしながら近くにぽんと置いて気軽に音楽を聴きたいときに良いでしょう。
Macでの設定ではヘッドホンとヘッドセットの二つ出るのでヘッドホンのほうをシステムのサウンドで選択します。

* 購入について

たぶんこういうのが欲しかったと思う人も多いのではないでしょうか。
foxL V2は国内Amazonで買うことができます。わたしもさすがにここから買いました。

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プラチナムバージョンはBluetoothのapt-xが使用できて、AudioQuestのmini-miniが付いています、またカラーがシルバーとなります。私もポータブルアンプ用の短いミニミニはいくつかあるんですが、ある程度の長さをもったmini-miniがあるとけっこう便利です。こちらはプラチナムバージョンのリンクです。

     

そのほかにも通常版のBluetoothありとBluetoothなしの2バージョンがあります。
iPhoneや他のスマートフォンで音質の良い手軽な外部スピーカーが欲しいと思ってた人にはお勧めですし、MacbookやBTが使えるノートPCなどを持っている人にも便利に使えるでしょう。利用範囲も広がるのでBT接続のものをお勧めします。使って楽しいガジェット感覚のスピーカーですね。
posted by ささき at 23:54 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月29日

Tera Player国内発売

いぜん小型高性能DAPのAltman Tera Playerの記事を書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/255880650.html
そのTera Playerがフジヤさんから国内発売されるそうです!リンクはこちらです。
http://avic.livedoor.biz/archives/51654224.html?tw_p=twt
私もずっと便利に使っています。小さいのでバッグに入れたままでもよいですし、ポケットにも入ります。それで音も良いのでなかなか手放せません。試聴機もあるそうなので興味ある方は試してみてください。
posted by ささき at 23:27 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月25日

Focal Spirit One 登場

ハイエンドスピーカーで知られるFocalの初のヘッドフォンであるSpirit Oneが発売されるという記事をCESの時に書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/245823132.html
Focalも最近ではnaimの買収などスピーカーメーカーというよりも総合的なオーディオメーカーとなってきましたが、これもその戦略の一環なんでしょう。

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私は一月から予約いれてたんですが、何回か発売遅延の後にようやく届きました。国内でも4月に発売される予定です。こちらはフジヤさんのオンラインサイトです。
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail11931.html

こちらはFocalのSpirit Oneの紹介ページです。
http://www.focal.com/en/headphones/nomad/spirit-one.php
Focal初のヘッドフォンでポータブルという選択も興味深いですが、ホームページではNomad Headphonesと称してるのも面白い点です。ノマドは遊牧民のことですが、最近では自宅以外で仕事するスタイルをノマド・ワーキングなんて言いますね。
ノマドと銘打たれた通りに225gと軽量で密閉型のポータブルタイプです。インピーダンスは32オームと標準的でiPhoneなどで使用して問題ありません。iPhoneリモートがついていて音量とポーズ・スキップなどがコントロールできます。
Spirit Oneのドライバーは40mmのチタニウム・マイラー(マイラーはポリフィルム)でUltrasoneと似ていますね。

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Spirit Oneはまずデザインが魅力です。アルミとプラスチックを組み合わせて199ポンドという価格にたいしてかなり高級感を感じる良い仕上がりになっています。イヤカップの赤い裏地もなかなか良い感じです。

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耳を覆うタイプですが、イヤパッドの密着性も高く側圧もあるのでかなり遮音性は高い方です。上のページでは開発に二年かけたけれども、とくにクローズドタイプの密閉性に注力したようです。パッドも快適ですが少し蒸れるのは仕方ないところ。その分がっちりしています。
イヤカップは回転させて折り畳めますが、やはりそれなりにかさばります。ケーブルは方側出しの着脱式でこれも布巻の質感高いものです。ソフトバッグやプラグにFocalの刻印がある点もブランド力に訴求してます。

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ただFocalはスピーカーでは名の知れたブランドと言ってもヘッドフォンでは新参ですからやはり製品の質、特に音が重要です。先のページにも"deliver Focal performance on the move"フォーカルの音を外でも、とあるのでブランドなりの音質は期待したいところです。

まずiPhone直の音ですが、ぱっと聴いていろいろな意味で好感が持てる音と感じます。
高い方はクリアで音の解像感は高く、もやっとした感はなくて程よく晴れてます。楽器の音はきれいに分離されて、楽器の音色がきれいなのも特徴です。高域は十分に鮮明ですが鋭さは控えめできつさがないのも好ましく聴きやすい印象を与えているところだと思います。
中域では厚みがあってヴォーカルはかなり魅力的です。男声は力強さ、女声はほどよく甘さがあります。低域に埋もれることなく歌詞も明瞭で声の震えもよく再現されます。楽器の音色も良いけどこうしたヴォーカルも魅力的です。
低域は強めで下も出ていますが量感もあるので下支えのある厚みと迫力を感じます。またSpirit Oneの良い点は低域が強めながら、インパクトは緩くなく膨らまないでタイトである点ですね。低域の量感がたっぷりあると言うのはドライバーと言うよりSpirit Oneのもう一つの特徴である密閉性が高いせいもあると思います。
音場の広がりからも心地よさが伝わります。立体的で広く、空気感なども伝わります。 オーケストラものでも良いでしょう。
iPhone直でも満足感は高いですね。

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iMod+SR71Aもなかなかに良い感じでパワフルなSR71Aと合わせてロックもかっこよくダイナミックに聴くことができます。SR71Aのほどよいウォーム感ともよく合います。音楽を気持ちよく聴けるでしょう。
HM801にすると精細感がストレートに増す性能の余裕もあり、それに重厚さがさらに加わります。ただ801だと曲によってはベースヘビーと感じることもあります。ジャズトリオなどではやや厚ぼったくなる傾向があります、
Teraで聴くとSpirit Oneの滑らかな表現がさらによくわかり曲によってはスモーキーな雰囲気感をよく伝えます。ヴォーカルも一層魅力的に感じられます。Teraは低域は抑えめなのでこの点では組み合わせとしては良いバランスに思えます。

いわゆるモニタ的という意味で正確な音ではないけど、基本的な音性能の高さをベースにして楽しめる音に仕上がってます。きつさがなく、聴きやすさ・音楽再現の空気感を重視という点ではB&W P5を想起するところもあります。ヘッドフォンというとシャープで顕微鏡的というものと思われがちですがある意味スピーカーメーカーの考える音はこうしたものかもしれません。
フォーカルの音と比べてどうか、という視点を離れると魅力的なヘッドフォンとして完成されてると思います。音質、遮音性、機能性そしてデザインと全体的によく考えられていますね。
単にヘッドフォンが売れてるからブランドで売り出そうと言うのとは異なります。逆にヘッドフォン市場にも影響できればFocalの名を知らなかった層に広めることもできると言うことを十分に考えて完成度を高めていると思います。

音質のグレードで言うとEdition8ほどではないけど、ESW10より良いと言うところでしょうか。ESW10は軽さは良いけどSpirit Oneの方がよりしっかり遮音されるので電車で使っても安心感があります。私は電車ではもっぱらカスタムなどのイヤフォンで聴くんですけど、やはりヘッドフォン使いたい時もあります。そういう時に混んでいても割と使えそうです。音性能もESW10よりSpirit Oneの方が高くて音が整っています。音の広がりも良く、明瞭感もより高く感じます。
比較対象としてはHFI780とかHD25と比べる方が良いのかもしれません。(これらはうちは改造ものしかないので比べませんが)
ゼンハイザーの新型HD25 Amperierとも比べてみたいですね。今年はAmperierと合わせて、なにげにポータブル密閉型も流行ることを期待してます。
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2011年07月21日

Editionシリーズの新しい提案、GEMオープン

タイムロードさんが共同で開設した話題のショップ、GEMのプレオープンイベントにいってきました。正式オープンは明日です。こちらGEMのホームページです。
http://www.gem-zk.com/index.html

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場所は六本木のAXISの2Fです。六本木駅からはロアビルを経由して行きます。AXISの入り口はこんな感じです。この階段を登って2Fにあります。B&Oショップのとなりになります。上の写真のカフェのところから入って、階段を上がるとGEMがあります。

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中はオーディオショップと言うよりも宝石店のような感じです。取り扱い商品はEditionシリーズとナインウエーブのイヤフォンです。ナインウエーブはGEMオリジナルモデルもあります。

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試聴室も用意されてます。試聴ソース機はB&OのBeoSound5です。

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B&Oショップも経営されている共同経営者の加藤さんからお話を聞きました。
「いまでは手軽に音楽が手元にある。それを高音質で聴くという経験を提供してあげたい。
GEMという宝物で、音楽を宝物のように質感を大事にしたい。もちろんオーディオファンのみなさんも大切だけど、AXISと言うところに集まる人たちにこの世界をアピールしたい。またAXISを足がかりに海外にも出展したい。ナインウエーブとUltrasoneは人に優しいというところに共感した。」ということでした。
また新しいオーディオの広がりにも期待したいですね。

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2011年07月11日

真空管ポータブルアンプ GoVibe Porta Tube登場

ヘッドフォン祭のときにJabenのブースで参考出品されて、聴いた人がみな「買う」と言っていたポータブルヘッドフォンアンプがいよいよ発売されます。当時はMini Tubeと言っていましたが、Porta Tubeという名前になりました。そのデモ品を送ってもらいました。(パッケージその他は製品版と異なるかもしれませんので念のため)

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こちらヘッドフォン祭のときの記事です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/199951950.html
Porta Tubeの特徴はかつてのMillet Hybridのように増幅に真空管が使われているハイブリッド方式だということです。この手の真空管はECC82などの一般的なミニチュア管よりもさらに小さい規格でサブミニ管と呼んでいます。補聴器用に使われていたようですが、戦争中には砲弾に内蔵されVT信管(近接作動型)としても使われたくらいコンパクトな真空管です。
Millet Hybridの記事は下記です。参考までにどうぞ。4年前の記事でこのころはiModも4G使ってましたね。比較しているSR71は下記記事ではオリジナルタイプです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/40555731.html

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パッケージには専用のチャージャーがついていて100V対応です。
デザインはなかなかシンプルで良く、赤い線と排熱孔が良いアクセントになっています。大きさはSR71Aよりもさらに大きく少し重いくらいです。背面には高電圧のため開けないで下さいという注意が真空管アンプらしいものものしさです。

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端子類や機能はシンプルなもので、目立つのは出力に標準プラグがついているということです。(後述)
下記のレビューではiMod5.5G → Dirigent iModケーブル → Porta Tubeで聴きました。下記では主にSE215とSAECケーブル、そしてHD800を使っています。

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Porta Tubeで驚くのはその音の良さです。はじめに書いた時にMilletをグレードアップさせたようなと書きましたが、いま聴いてみるとMilletよりずいぶん進化しています。むしろSR71Aをさらにクラス上にグレードアップしてホームアンプに近づけたようなレベルの高さを感じます。端的にいっていままで聴いたポータブルではベストでしょう。実際にもはやポータブルの領域ではないかもしれません。

真空管って味付けのために使うと言う考え方と、あくまで性能を高めるために使うという考え方があると思いますが、Milletは前者でPorta Tubeは後者と言えるでしょう。
真空管だから甘くてゆったりした音かというとそうではありません。ダイナミックで透明感がありクリアで、音の細部も細やかです。しかもSR71Aよりもさらに空間再現が広くて雄大なのには驚きます。そして音にはしっかりと厚みと重みが乗っています。

音の解像感・細やかさも秀でていて、特にDirigentのような細部の抽出に優れた透明感の高いケーブルを使用すると、iPodデジタルタイプのアンプとも十分渡り合えるのではとさえ思えてしまいます。
また真空管らしい良さは音の滑らかさで、まさにシルクのようなきめ細かい滑らかさが音楽再生を質の高いものにしてくれます。ヴォーカルは艶っぽく魅力的です。
音の美しさも秀でています。中高域はほんとうに美しくかつ明瞭で、きれいに楽器の鳴りを解像しています。ベルの音が教会のホールで聴くように澄んでいて美しいですね。
このあたりが音に高級感を感じさせる点で、先に書いたようにしっかりとした音の厚み・豊かさとともにポータブルというよりはホームアンプ的な本格的で充実した音楽再生を感じさせてくれます。アンプとしての基本性能の高さと真空管の音の美しさがうまく調和しています。ハイブリッドの完成形的な良さですね。

そしてPorta Tubeはバランスの良い優等生的な側面をも聴かせてくれます。帯域特性も良くあまり特定の帯域の強調性は感じません。適度に低域に強さがあって中高域は美しく伸びます。
ロックもきつさがなく、ダイナミックで力強さを堪能できます。パワフルなわりには音が整理されていてとてもカッコよく聴けます。クラシックでもオーケストラは雄大な迫力があり、弦は美しくピアノは品格高く鳴ります。ジャズであればピアノトリオの楽器の配置が明確で音の切れが良く、ドラムもベースもびしっと決まります。プレーヤー間のスピードの速いインタラクションも見事に描き出します。基本的にジャンルを選びません。

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さらに驚くのはドライブ力の高さです。
標準プラグはColorfly C4みたいにゲインの差があるわけではなく、単にプラグ径が違うようです。しかしPorta Tubeの魅力の一つはこの標準プラグで普通のヘッドフォンを使うことでしょう。
HD800を使ってみて驚いたのは、単に音量が取れるというだけでなく実にしっかりとした音楽表現でHD800を堂々とドライブするということです。iPodがソースということをさえちょっと忘れさせてくれますね。まじめな話、RCA入力を付けたらよいのではないかとポータブルではじめて思いました。ポータブルアンプを単に音量が取れるというだけでホームユースに使うのは懐疑的なところですが、Porta TubeはHD800でも堂々とした音を出してます。これはちょっとすごいですね。
ゲインは高めでHD800でもボリューム位置には余裕がありますが、クラシックなどの高品位録音されたものではレベルが低く入っているので、そうしたものでは12時くらいまで行きます。(入力がiPodのとき)

また、真空管ならではの良さがあるように真空管ならでは問題点もあります。
真空管をポータブルで使用するときの問題点はマイクロフォニック・ノイズです。これは振動を与えるとノイズが乗ってしまうもので、Millet Hybridはキーーンと甲高い金属音が乗ってしまいました。これがひどくて外では使いにくかったですね。下記使用記を参照ください。当時はよくMillet Hybridをなにかでくるむのが流行ったりしました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/40619675.html
Porta Tubeはこれがほとんど聞こえず、かなり優秀です。ただ筐体を連打してもキーンとなりませんが、持ち運んでると何かかすかな金属の擦れる音がわずか聞こえます。イヤフォンを外すと聞こえないのでやはり信号に少し入っているみたいです。ただMilletのように気になるタイプでは全然ありません。
熱に関しては再生を続けていると表面はけっこう熱を持ちますが、電源を付けたままでも再生を停止してしばらくするとかなり冷めてきます。最近気温が高くてバッグの中に熱がこもるっていうのもあるかもしれません。下記のように中では真空管が光っているのがわかります。

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電池のもちは実際につけっぱなし、再生しっぱなしで実測で8時間強といったところです。このクラスとしてはまずまずですね。

音的には素晴らしいですが、欠点はバランスド・アーマチュアのイヤフォンにはゲインが高すぎるということです。BAの高能率イヤフォンでは少し無音時にヒスノイズが聴こえます。そこがちょっと惜しいところです。ヘッドフォンはほとんど問題ないでしょう。イヤフォンだとSE215にSAECケーブルだとヒスらないで音的にもベストですね。

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ポータブルでもホームアンプのような品格高い鳴りを求めていた人にはお勧めです。
いまやiPodベースのポータブルシステムというと、iPod/iPhoneデジタルの時代かなあと思ってましたが、Porta Tubeでアナログシステムの良さを再認識しました。iModもいまだ死なずというところで、Dirigentのような高性能iModケーブルを使うと音の細かさも十分に引き出せます。ちなみにSoloとサイズはほぼ同じなので、組み合わせも面白いですね。さらに情報量豊かで精細な音が楽しめます。
ますますポータブルも面白くなってきたものです。

価格はまだわかりませんが、これは値段を見ないでも買いでしょうね。そのうち国内取扱いすると思いますのでお楽しみに。
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2010年10月07日

オーディオテクニカ2010年秋の新製品発表会

今日はオーディオテクニカの恒例の秋の製品発表会に行ってきました。

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DJ Taro氏をはじめとする軽快なMCで始まりましたが、これにはDJタイプも発表がされているという理由もあります。実際にラインナップはiPod、DJ、マイナーチェンジと言うのが今回のキーワードのよう。今年は不況を耐えて売れ線に絞ったという感じのラインナップではありますが、中にはCK99のようなチタンとステンレスの凝ったつくりのモデルもあります。
社長の言によると来年は業績も戻ると言うことなので、ハイクラスモデルは来年に期待しましょう。

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中ではCMを担当するBoaさんの対談も織り交ぜられました。上の写真のテーブルの上のものはBoaさん仕様のオーディオテクニカ製のマイクです。

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ATH-CKM99 (21,000円税込み)

新製品を全体に一通り聴きましたけど、さすがにオーディオテクニカはそつなく音は悪くないです。DJタイプにしろポータブルにしろ、こうあるべきというところを上手に抑えている感じです。ラインナップではイヤフォン系が充実していたように思います。

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こちらの写真は男性はEC707で、女性はCM707です。この辺は広がりもありカチッとした感じで音もよかったですね。

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ATH-EC707(12,600円税込み)とATH-CM707(9,975円税込み)

性能的にはステンレスとチタンの凝ったつくりのCKM99も結構良いと思うけど、価格と音の良さのバランスではCM707が良いかと思いました。

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おまけになぜかオーディオテクニカの社内で寿司を食べてます。これは単にゲストのもてなしではなく、オーディオテクニカ製の寿司にぎり機です。ぽんぽんと握りの部分が出てきて、職人さんはネタを乗っけて行きます。
オーディオテクニカはオーテックというブランドでずいぶん前からこういう食品系機材もやっているようです。
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2010年03月30日

ベイヤーのt 50 p登場

ベイヤーからテスラシリーズの第二段としてT 50 pというポータブル機が出るとアナウンスされています。
ヘッドホン祭でなんとかみたいものなのですが、フジヤさんが交渉中と言うことで期待してます。
http://avic.livedoor.biz/archives/51451768.html

詳細は下記のjudeさんの書き込みに引用されているプレスリリースに書かれていますが、強力なマグネットとそれを拡散しないシールド、不要振動を抑える振動板と基本はT1と同じようですね。

http://www.head-fi.org/forums/f4/beyer-t50p-beyerdynamic-announces-t50p-portable-tesla-headphones-479768/

ただT1が高インピーダンスに強力マグネットの高能率の組み合わせといったところがミソなのに対して、T 50 pでは32オームと普通のところはどうなんでしょうか。これで150オームくらいだったら面白かったところです。
プレスリリースではT 50 pでの高能率のメリットは非力な携帯プレーヤーのためというところのようですが、このクラスのものを買う人は今どきはもっとパワーのある再生機をもってるようにも思います。

なにはともあれ、B&WのP5とともににわかに活気づいたポータブル・ハイエンド機市場に注目です。
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2010年03月13日

B&W P5の写真

B&Wから発売されるポータブルヘッドホン、P5の評価デモ機がJudeさんのところに来たようです。そこで写真が公開されていますのでぜひご覧ください。
http://www.head-fi.org/forums/f4/b-w-p5-headphones-unboxing-bowers-wilkins-p5-headphones-477329/
音のコメントはまだですが、二番目のポストがリザーブされているので、ここに書かれるんでしょう。なかなかデザインは良いので音も楽しみなことです。
posted by ささき at 23:25 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月14日

ポータブルバランスアンプのゆくえ

http://www.head-fi.org/forums/f38/first-balanced-ultra-portable-headphone-amp-world-460603/
RSAからポータブルのバランスアンプが発表されていますが、iBassoからも同様にポータブルバランスが発表されてます。前にはOJIのものもありました。
いったいどれが世界初のポータブルバランスなんだ、ということには"STAX SR001"というのが答えのように思いますが、まあそれはどうでもよいとしてユーザーとして実質的な問題はどれもプラグが違うという点ですね。これはカメラでいうとマウントがばらばらみたいなものです。

フルサイズのバランスの場合はHeadroomのBlock headという唯一の手本があったのでキャノンXLRx2という選択が良いのか悪いのかはともかくとして、それがデファクトスタンダードになって各社はそれにならってやってきたわけです。(blockheadはステレオアンプ二個を結合したものだったので二股のケーブルが必要でした)
ただポータブルの場合はそうしたものがないので、こうした風に無秩序状態になってしまいます。プラグでケーブルが交換できるタイプはともかく、根元からリケーブル必要なものは困りますね。

RSAはJHと共同でケーブルも込みで開発していて、JH13用にこのケーブルを出すということですが、このプラグはカスタムIEMではほとんど共用できるのでちょっと有利です。ゼンハイザープラグのものはまたいろいろ出てくるでしょう。
ただ私の場合はいまはHifiMan 801がポータブルのリファレンスになっているのでリケーブル必要なものについてはしばらく様子見ということになりそうです。
posted by ささき at 22:12 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月10日

B&Wからヘッドホン登場

ちょっとびっくりしますがスピーカーでは第一線のブランドであるB&W(Bowser & Wilkins)からP5というヘッドホンが発表されています。スピーカーメーカーからのヘッドホンというとフォステクスに次ぐ感じですね。下記ページに写真が載ってますがなかなか良い感じです。

http://www.bowers-wilkins.co.uk/display.aspx?infid=4534&langid=2

とはいえハイエンドクラスというわけではなくこのP5はポータブルヘッドホンです。Zeppelinとあわせて宣伝していることからも同社のiPod戦略の一環と思われます。この点でB&Wが本格的にヘッドホン市場へ、というのとは少々違うのかもしれません。ただ現時点ではなんともいえませんね。
ホームページタイトルにはノイズキャンセリングともありますが、ページ内の解説では密閉型でパッドの遮音性が高いため、十分な遮音効果があるということで、アクティブノイズキャンセリング機能はないようです。またニュージーランドシープレザーなどパッドのクオリティを強調していることからある程度の価値帯に出してくるのでしょう。twitterによると価格も発売時に発表するということです。
音は分かりませんけど、上記ページでは「人工的に強調された低域とか高域はあきちゃうでしょう」とニュートラルでフラット基調をにおわせる文句をうたっています。音のチューニングという点ではB&Wらしさというのは出してくるのでしょう。

そのうち大理石のヘッドホンスタンドが付属したソナスファベールのヘッドホンとか、でかいホーンが左右に付いたアバンギャルドのヘッドホンなんていうのも出てくるのかもしれませんね。
posted by ささき at 22:58 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月05日

ベイヤーダイナミックDTX80

このブログでは一万円前後のイヤホンってあまり書きませんけど、この前のヘッドホン祭りで販促品としていただいたDTX80を聴いてみたところなかなかいい感じでしたのでちょっと書いてみます。
良いポータブル機材を持って外出するときはカスタムIEMで聴きますけど、ぐちゃっとポケットにいれられたり、取り外しが面倒くさくないということで、こうしたイヤホンもiPhone直で使いたいときはけっこう重宝します。

dtx80.jpg

はじめに書いておくとこのイヤホンを生かすのはチップ次第です。上の写真はHead Diect RE1についてきたダブルフランジです。
iPhone直で聴いてみました。

少し軽めな印象ですが、レンジ感がわりと広く、明るく抜けが良い感じです。広がり感も良くフラットに近くニュートラル基調です。私はベイヤーの音がどうこうとは言えませんが、ある意味チューニングの考えはT1に通じるものがあるかもしれません(音質は大幅に違いますが)。
楽器の音再現もかっちりとしてるのですが、低インピーダンス的な意味で少しふくらんで甘めではあります。音の細やかさもこのクラス的に悪くなく環境音の表現も上手で広がりもあるので、音楽によってはうまくマッチします。
ただ標準チップで聴くとおそらく多くの人は全体に高い方に寄っていて低域不足と感じるでしょう。

前回のFostexの販促品ミミモトのチップがあまってたのでそれをつけるとやや改善しますがやはり低域が漏れないためにはダブルフランジが必要です。
ダブルフランジで評判がわりと良いRE1について来たもの(写真)だと低域もしっかり出ていい感じです。これでも量感はありませんが、思ったよりも下も出るという感じです。
いずれにせよ標準チップがあっているSE115とは違って工夫が必要でしょう。

イヤホンは5000円前後以下が売れ筋ということですが、その辺だと言わば似たようなものになりがちで、この位の価格になると個性の差が出て来るように思えます。
DTX80はロックには軽くて迫力不足と思いますが、ジャズとかクラシック、アンビエント系にはよさそうです。区分けとしては一万円前後だとヒップホップとかロックみたいに低域に重点を置く人はこの前書いたShureのSE115、ジャズ・クラシックはDTX80が良いと思います。

それと数万円クラスならともかくこのクラスではまだダイナミックドライバーが良いと思います。ただこれもそうですが、しつこくエージングは必要です。
このクラスではマルチドライバー機と違って、何でもかんでも実現できないので、買う人はジャンルを絞って買うのが良いと思います。また作る方もターゲットを絞って作った方がよいのではないでしょうか。
posted by ささき at 22:33 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月06日

GRADOのイヤホン

GRADOからイヤホンが登場するようです。
Headfiに写真と情報が載っていますね。あとALOのページにも案内があります。
http://www.head-fi.org/forums/f115/new-grado-gr8-ear-earphones-437369/
http://www.head-fi.org/forums/f70/grado-new-gr8-iem-437640/
インピーダンス120オームと言うところが味噌ですが、アンプ必須となりそうです。Moving armatureというのは分かりませんが、シングルで高音質という点がライバルと異なるといっていますので、いわゆるバランスド・アーマチュアでしょうか、あるいは上が20kHzまで書いているのでそうではないかもしれません。ちょっと不明です。
ヴォーカルが良いということを強調していますね。おそらくシングルということで広帯域は捨ててもGRADO得意の中域に良さを求めるものではないでしょうか。
またiGiという低価格のものもあるようですが、こちらは写真や詳しいスペックはまだないようです。

*フジヤさんのブログに国内販売について触れてあります
http://avic.livedoor.biz/archives/51258967.html
posted by ささき at 00:48 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月29日

SoundMagic、中国からの新たなIEM

SoundMagicは中国のインナーイヤホンメーカーで、価格帯はUS$30-40くらいを主にしています。日本ではまだ入っていませんが、HeadFiなど海外ではこの価格帯にしては音がよいということで一定の評価を得ています。
最近さまざまな依頼がくるのですが、SoundMagicからは日本での紹介用にいくつかサンプルを送ってもらいました。また後で音のコメントは更新しますが、なじみのある方も少ないと思いますので簡単に紹介しておきます。

PL30

pl30a.jpg     pl30b.jpg

SoundMagicの主力機でUS$40。評価もなかなか高いようです。


PL50

pl50a.jpg     pl50b.jpg

最近出たフラッグシップといえるものでUS$80。
他と違いバランスドアーマチュアで50オームと比較的高いインピーダンスを持っています。


PL11

pl11a.jpg     pl11b.jpg

US$30。スーパーベースというシリーズです。一般にSoundMagicのイヤホンは均整のあるバランスの取れた音傾向にあるようですが、その中でも低域に重点を置いたモデルということです。


MP21

mp21a.jpg     mp21b.jpg

これはiPhoneなどで使うためのマイクがついたモデルです。


ちなみにパッケージはPL11以外は新パッケージングのものを送ってもらいました。PL11もいずれはこのパッケージになります。
全体にさっと聴いてみましたが、傾向としてはクリアでかっちりしたタイトな音を鳴らすタイプのようです。またそのうちにレポートしてみます。
また夏休みの宿題が増えた。。
posted by ささき at 00:36 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月05日

Ultrasone zino 発売!

iCansというといまのヘッドホンムーブメントのかなり初期のころにけん引役を果たしたひとつとして憶えている人も多いでしょう。
そのiCansの後継であるzino(ジーノ)がこの週末に発売開始されました。

zino3.jpg

パッケージには収納ポーチが入っています。

zino2.jpg

ぱっとみてzinoの方が高級感がある感じで、iCansにあったおもちゃっぽさはなくなりました。下の写真では上がzinoで下がiCansです。

zino4.jpg

見た目だけではなく、音質的にもiCansと比較すると、箱から出してエージングなしでも使い込まれたiCansより明瞭でクリア、低域はより深く豊かに感じます。
音質はひとレベルと言うよりひとクラス上に感じます。と、言うのはiCansに比べてよりクリアで解像感があがったというだけではなく、厚みや深み表現が感じられるからです。それが音に高級感を感じるところです。

zinoの高域は金属の鳴りがよく響き、きつさを感じない程度にきらびやかに聞こえ、全体に音がきれいと感じます。
音の切れも良く楽器の音もきれいでギターの生音も良く再現されます。
サイズからは思えないくらい低域に深みがあり量感もあり、その辺の期待は裏切られないでしょう。

zino1.jpg

iPod直で聴いてもクリアで明瞭感があり、ひとつひとつの音は歯切れよく聴こえます。

また、音質だけではなく細部のつくりもいろいろとiCansから改良されています。

たとえばヘッドバンドの伸び縮みに関してはiCansだと思いっきり引っ張らないと伸ばせないけど、zinoは楽に伸ばせてクリック感もついてます。
また、iCansでは長さが頭が大きい人にはぎりぎりという感じだけど、zinoは余裕で伸ばせます。
ケーブルの分岐がスプリッタがついて、あごの下もケーブルの自由度に余裕が感じられます。
また、側圧がきつめのiCansに比べて、zinoは側圧も弱めで圧迫を感じません。
細かいところではプラグがストレートになっています。


全体にiCansの欠点を地道に改良して、音質を向上させ、価格を少し安くしたという点で、iCansの正統進化といえると思います。
特に音質はなかなかいいんではないかと思いますね。街とか散歩で使う音が良くてスタイリッシュで軽いヘッドホンが欲しいひとにはお勧めです。
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2009年07月01日

ウォークマン生誕30周年

ポータブルオーディオプレーヤーの一般的な代名詞というといまではすっかり"iPod"ですが、少し前まではもちろん"Walkman"でした。
その一号機が発売されたのが、1979年7月1日、つまり30年前の今日です。

関連記事では下記の今の少年にウォークマンを使わせたら、というのが面白いのでお勧めです。

http://japanese.engadget.com/2009/06/30/ipod-13/

「メタルスイッチはジャンル別イコライザかと思っていた」というのが受けますが、意外とこのページを読んでいる人でもこの意味がわからない人も多いかもしれません。B面というのを理解するのに3日かかったというのも逆に新鮮さを感じます。

ウォークマンの誕生はカセットデンスケにさかのぼります。
もともとはオープンリールでプロが屋外で使う録音機材として生まれた電池駆動のデンスケですが、カセットを使うことで手軽にアマチュアが屋外でSLとか鳥の声の録音を楽しむという生録ブームが起こったそうです。当時は高度経済成長期のただなかでもあり、戸外に出て楽しむとか旅行がブームという背景もあったようです。
デンスケは音質も良かったようで、戸外で音楽を楽しむということも行われていたようです。そこでカセットデンスケの小型版でモノラル録音機の「プレスマン」の録音機能を取り、ステレオ再生機能をつけたのが「ウォークマン」の始まりです。

ちなみにHead-DirectのHifiManという名前もWalkmanへのオマージュです。その精神は受け継がれていくということですね。
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Ultrasone Zino発売!

Ultrasoneのポータブルヘッドホン、Zino(ジーノ)がタイムロードさんから本日発売されました!
http://blog.timelord.shop-pro.jp/

こちらにスペシャルサイトもあります。
http://www.timelord.co.jp/ULTRASONE/zino.html

サイトを見ると分かりますが、あのiCansの後継機種です。
iCansとの違いは正統な後継機としてヘッドバンドが伸ばせないとか抜けるなどの点を改良し、ドライバのサイズも40mmへと5mm大きくなりました。音質も改良されているようです。

NuforceもZinoをOEMしてヘッドホンを販売しますが、発売前にそれだけ認められているというのはなかなか興味あるところです。
posted by ささき at 21:08 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Earphone solutionがHeadphone solutionに

FlavioさんからPMあって日本でもおなじみのEarphone SolutionがHeadphone Solutionとなるそうです。
下記のウエブサイトアドレスが更新後のものですが、米国時間7/1 12:30pm ESTからオープンされますのでその後にご覧ください。

http://www.headphonesolutions.com/

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2009年06月23日

MixwaveでALO製品取り扱い開始

MixwaveさんでALO製品を扱うようになり、なんとALO製品も中野に電車で行って「くださいなー」といえば保証付で買えるという時代になりました。価格も現地価格と送料を考えればかなり良いところでしょう(double mini3は値上がりしていて$270が米国でも新価格です)

http://avic.livedoor.biz/archives/51221867.html

こちらはALO Audioのリンクです。

http://www.aloaudio.com/

ちょっとバイヤーズガイドのようなことを書くと、ALOと言えばやはりiPodドックですが今回は三品目用意されています。(画像掲載は許可を得ています)

SXC18g.jpg    SXC22g.jpg
SXC Cryo 18G(左)と22G(右)

ALOupoccdock.jpg
OCC Cryo 22G

SXC Cryoは、18Gと22Gの二種類があります。これはゲージ(awg)といって米記法でケーブルの太さをあらわすものです。小さいほうが太いケーブルとなり一般的に性能がより高くなりますが、より高価で曲げにくくなります。
SXCとOCCは音の傾向で選ぶとよいと思います。SXC Cryoは中身は銅線ですが銀コートしているので音的には銀線に近いものがあります。そこで切れやシャープさを重視する人はSXC Cryo、音楽的なウオーム感を求める人はOCC、両方重視する人は両方買う、ということになります。両方買うのはわたしもそうですが、ヘッドホンやアンプの組み合わせによっても組み合わせを楽しめます。
たとえばわたしならWestone ES3XとならSR71AとCryoXSliver(いまだとOCC)の組み合わせが好みで、UE11とならP51とSXC Cryoの組み合わせが好みです。この辺は理屈というより聴いた感覚なのでいろいろ持っているとより好みの音に仕上げられます。

音質に着いては以前こちらに記事を書きましたので参考にしてください。わたしのは古いモデルですが、OCC Cryoはほぼ以前のCryoXSliverに相当します。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/112806169.html


またDouble mini3ですが、以前ちょっと書いたようにAMBのMini3をベースにしています。Mini3はAMBのTi Kanという人が設計していますが、自分では商業用の完成品を作るということはなく、他の人が完成品として販売しています。

ALO_D3.jpg     IMG_1216.jpg

このDouble Mini3はMini3の基本設計を生かしてコンデンサーやシグナルパス上の抵抗などのパーツを変更したりした改良品(mod)ということです。これはiModで知られるRed Wine AudioのVinnieさんが協力しています。
Mini3は名前の通りにいわゆる3チャンネル(Active ground)のアンプです。Double mini3という名の由来はもともとmm3=modded mini3という名前にする予定だったので、はじめのmmをしゃれてダブル・ミニということです。(Kenさん談)

Double mini3は試聴機がフジヤさんにありますので借りて聴いてみました。
全体的に前に出るアクティブな音で低域もインパクトがありパンチを感じます。また3chタイプ特有の奥行き感も感じられます。音が空間に伝わっていく感じがよくわかるというところですね。この辺はUltrasone系のS-logicともよく合います。
わたしはオリジナルのmini3は聴いたことがありませんが、それがなくともなかなか上質な音だと感じます。
上質と感じるわけは音が豊かで響きがよく滑らかに感じるからです。全体的に適度なウォーム感で音楽性が高いと感じられます。

実際に同じ3ch(4ch)系でより高価でバッファを多く搭載したXinのSM4と比べると明瞭感やシャープさでは譲りますが、より鳴りに暖かみがありきれいで好ましいと感じます。聴いていてSM4よりも音楽に没入できます。ESW9や10にもよく合うように感じます。

設計を手がけたVinnieさんも、プロデュースしているKenさんも、よりウォーム感があり音楽性があるものが好きなので、それがよく出ているというのは面白いことです。
ただウオーム感があるといってもぬめっとしたわけではなく、ベースモデルのよさをうまく生かして作り手の個性をも生かして改良した作品といえるでしょう。

ポータブルアンプといえば最近はIcon mobileがヒットしましたが、Icon mobileが成功したのは低価格とともに音の良さがわかりやすいという点があると思います。聴いてぱっと明瞭感や広がりを感じられ、DAPだけを使っていた人にはアンプという余分なものをつけて音が良くなるというメリットが分かりやすいと思います。システムの力とでもいいましょうか。
ただ、聴いていると少し音が荒く細かいニュアンスとか厚み・暖かみ、ヴォーカルの肉質感とか唇の動き、そうしたよりオーディオ的なものに物足りなさを感じます。
その点で細かい音楽ニュアンスの抽出に優れたdouble mini3は次のステップとしてもよいんではないでしょうか。

Icon mobileでアンプをつけてシステムとしての良さを覚え、double mini3でよりオーディオ機器らしさを感じ、そしてさらに上を目指す人はiQubeなどに挑戦するというステップを踏むと、自分の求めているものというのがより自然とわかっていくのではないかとおもいます。
posted by ささき at 08:03 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月06日

ALO製品国内販売へ

なんとあのALO製品をフジヤさんの店頭で買える日がいよいよ来そうです。
まずは定評あるmini3をvinnieさん協力のもとに改良したdouble mini3とケーブルが予定されています。けっこういい値段で販売されるそうですので期待できそうですね。
こちらに記事があります。
http://avic.livedoor.biz/archives/51211266.html

ちなみにALOのホームページはこちらです。
http://www.aloaudio.com/

ケーブルやドックについてもいよいよ真打登場という感じですね。また一歩、本場アメリカに近づくということで期待が持てます。
いろいろと不安な海外通販をしなくても、中野に行けば店頭で買えるというのはなかなかすごいことです。
posted by ささき at 08:05 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする