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2023年10月22日

LE Audio対応ドングルが付属する米クリエイティブの「Creative Zen Hybrid Pro」の記事をアスキーに執筆

LE Audio対応ドングルが付属する米クリエイティブの「Creative Zen Hybrid Pro」の記事をアスキーに執筆しました。

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iPhone 15 Pro MaxとUSB-C DACの相性を検証した記事をアスキーに執筆

iPhone 15 Pro MaxとUSB-C DACの相性を検証した記事をアスキーに執筆しました。

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サンレコフェスで見つけた、実力派プロ用ヘッドホンと新製品の記事をアスキーに執筆

サンレコフェスで見つけた、実力派プロ用ヘッドホンと新製品の記事をアスキーに執筆しました。

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アップルの幹部が語るiOS17新機能の秘密とロスレス再生は5GHz通信を活用という記事をアスキーに執筆

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iOS 17とAirPods Proの新機能「適応型モード」を試した記事をアスキーに執筆

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Vision ProとAirPods Proの低遅延ロスレス接続、これはいったい何なのかという記事をアスキーに執筆

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iPhoneからLightning端子が消える、その影響をオーディオ視点で考える記事をアスキーに執筆

iPhoneからLightning端子が消える、その影響をオーディオ視点で考える記事をアスキーに執筆しました。


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2023年09月01日

多機能なヘッドフォンアンプ、Shanling H5レビュー

Shanling(シャンリン)は中国の大手オーディオメーカーで、1989年に創業して多様なラインナップのオーディオ製品を販売しています。最近ではポータブルオーディオにも進出してさまざまな製品を日本市場でも販売されています。例えば今年1月に発売された「H7」は高機能のDAC内蔵ヘッドフォンアンプです。「H7」は高機能ですが少し大柄で10万円前後とやや高価な製品でした。いわゆるポータブルというよりはトランスポータブルというタイプです。
今回レビューする「H5」は「H7」の小型廉価版とも言えるDAC内蔵ポータブルアンプ製品です。「H7」が搭載していたポタアンながら内蔵音源(ローカルファイル)を再生できるという多機能性を引き継ぎながらも、より小型でほぼ半分の価格となったものです。高機能性を保ちつつ、モバイル用途にも向いたモデルと言えます。

写真 2023-08-04 7 12 08_s.jpg
Shanling H5とM2 Macbook Air、SUPERIOR

カラーはブラックとチタニウムの2色が用意されてサイズは102×85×25mm、重さは270.4g、市場価格は現在52000円前後です。

* 特徴

筐体は航空機グレードのアルミニウムを使用した金属筐体で、シンプルな液晶ディスプレイがついています。背面には各種端子が並び、前面にはダイヤルが二個ついています。右側は主に音量を変更し、左側はモード変換や操作などを行います。これは「H5」の各モードでも異なります。

写真 2023-08-04 7 33 55_s.jpg スクリーンショット 2023-08-07 15.38.05.png  スクリーンショット 2023-08-07 15.37.51.png

まず「H5」は多機能なアンプです。入力はDAC内蔵なのでデジタルのみ、光デジタル/同軸デジタル/USB入力(USB DAC)とマイクロSDカードによる内蔵音源の再生(ローカルファイル再生)も可能です。このローカルファイル再生で使われるTFカードというのはマイクロSDカードの中国呼称です。この他にBluetoothレシーバーとして使うことができ、LDACに対応しています。再生可能コーデックはLDAC、AAC、SBCですので、iPhoneとの組み合わせではAACを使うことになります。
出力は3.5mmアンバランス/4.4mmバランスの他にRCAラインアウト出力です。つまり「H5」の光入力やRCA出力を組み合わせるとホームオーディオ機器と繋ぎたい場合に便利に使えます。
USB DACとしてはPCM 768kHz/32bit、DSD512、MQAに対応しています。
また設定でUSB接続をUAC1.0モードにすることができるので、ゲーム機などと接続したい時はこちらにした方が接続しやすいと思います。UACとはUSB Audio Classのことで、UAC1.0ではほとんどの場合にドライバー不要だから相手を選びません。ただしUAC1.0にするとハイレゾが使えません。
付属品もケーブル類が充実していて、USBで接続する際のOTGケーブルやSPDIFケーブルなど入出力系が初めから付属しています。

H5BK003.jpg H5BK004.jpg

また「H5」は基本性能も優れていて、DAC ICに10万円を超えるDAPのShanling H6 Ultraでも搭載されたAK4493SEQをデュアルで搭載しています。アンプ部分はヘッドフォンアンプでよく使われるTIのヘッドフォンアンプ用ICのTPA6120A2を採用、最大出力840mW@32オーム(バランス時)と大出力です。後でも書きますが、実のところアンプICとしてTPA6120を採用している点がH5の機材としての性格を決めているように思います。ヘッドフォンアンプで1W近くあるとほぼ据え置き並みと言って良いくらいですのでポータブルとしては十分すぎるくらいです。イヤフォンだけではなくヘッドフォンにも向いているでしょう。ゲインはLow/Middle/Highと3段階あります。
またUSB入出力にXMOSチップを採用しているのも本格的です。このほかにもPanasonicのタンタルコンデンサ、ELNA社のオーディオ用アルミ電解コンデンサなどパーツの選択もしっかりしています。

H5Square008_s.jpg

このように「H5」は据え置きアンプとして便利な側面もあれば、バッテリー駆動ですのでポータブルとしても使えます。H7よりは小さくなったのでその点で使いやすくなったと言えるでしょう。3500mAhのバッテリーで4.4mmバランスでは最長8時間、3.5mmでは最長12時間持つとのこと。ちなみに急速充電規格のQC3.0にも対応しています。
「H5」をポータブルとして使う際にはUSBでスマホに接続することもできますが、便利なのが「ローカルファイル再生」機能です。これはマイクロSDカード内に格納した音源を再生するもので、スマホでのリモート再生と組み合わせるとDAPのように使用できます。マイクロSDカードによるローカルファイル再生はPCM 384kHz/32bit、DSD256まで対応します。MicroSDは2TBまで対応しています。
操作は液晶で表示して左右のダイヤルで音量とコントロールというもので、慣れないとやりにくいように思いますが、「H5」にはスマートフォンとのBluetoothを使用したリンク機能があります。スマホ側にShanlingの「Eddict Player」アプリをインストールしてペアリングを行うことでリモートで設定や再生操作が可能となります。この場合はローカルファイル再生モードにして(Bluetoothモードでなく)、スマホからEddict Playerを立ち上げてSync LinkメニューからH5を選択してください。

写真 2023-08-07 15 50 19.png  写真 2023-08-07 15 56 41.png
Eddict Player画面(iPhone)

その後にファイルのスキャンをするとH5のマイクロSDカードの中身がEddict Playerから再生指示ができるようになります。ここまでくるとほとんどDAPです。アルバムごとやアーティストごとの表示が可能です。ただボリュームのコントロールはBluetooth経由なので遅延がありますから上げすぎに注意が必要です。ボリュームに関しては本体のダイヤルを使用した方が良いでしょう。
この方式は使いやすいのですが、少し接続が切れやすい点は難ではあります。ただ接続はコントロール信号だけだから接続が切れても再生が止まるということはありません。本体側で再生操作を継続できますし、アプリを立ち上げ直すとすぐに接続が復帰します。
Eddict Playerアプリでは設定もより簡単に行えます。設定で大事なことですが、設定の中でDAC使用の初期設定がSingleになっているので、まずここをDualモードにしてください。飛行機によく乗るなど長時間使いたい人は別ですが、音が全然違います。戻せなくなると思います。DACをDUAL設定にすると、音の解像感もかなり上がってハイクラスのイヤフォンでも十分以上に楽しめるようになります。

* インプレッション

まず価格的に組み合わせやすく、音の相性も良いのは最近発売されたqdcのSUPERIORです。特に4.4mmのオプションケーブルがおすすめです。
「H5」とバランス駆動で組み合わせたSUPERIORは低音が深く重いパンチが感じられます。低音の量がたっぷりとあり、左右の広がりも十分に広く感じられスケール感を感じる音です。ロックではバスドラのパンチが力強く、躍動感があります。高音域も端正な音再現でなかなか好印象です。SUPERIORの音の素性の良さをアンプの力で十分に引き出している感じです。
据え置きアンプから聞いているような雄大で押し出しの強い力強さを感じられ、持ち運びにはあまり小さなアンプではないですが、これくらいの音が得られるならば持って行く気になると思います。

写真 2023-08-04 7 07 46_s.jpg
H5とSUPERIOR

音的には基本的にDAPではなくポタアンなのでパワフルですから、シングルダイナミックによく合います。高価格帯ではfinalのA8000を4.4mmケーブルに付け替えて試してみると、低音の力強さと深さもひときわ高く、切れ味抜群のA8000の音にダイナミックさがより加わるように感じられます。
A8000の持ち味の歯切れの良さとスピードの速さがH5のパワー感とあいまって、見事な躍動感に変わっていきます。高域の再現力も高いので、ワイドレンジな音を感じます。これはかなり良いですね。特にゲインをMiddleにしてやるとさらに音が引き締まるように思えます。音の細かい調整はデジタルフィルターが6種類あるので、少しきつめな時などはデジタルフィルターを変えても調整ができます。

写真 2023-08-08 8 08 54_s.jpg
H5とA8000

またハイブリッドではqdc Folkなどが価格的にも同じくらいで組み合わせやすいと思います。弦楽器の響きも美しく、洗練されたFolkの音色再現をうまく引き出していると思います。音の細部は滑らかで荒さが少なく、回路設計やパーツがきちんと使われている感じがします。

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H5とFolk

USB DACモードでもノートPCに繋ぐなどして良い音で楽しめます。ノートPC用としてはやや大きいと思いますが、廉価なスティックDACの音に飽き足らないユーザーにはおすすめです。
またiPhoneなどスマートフォンでも接続できます。この点ではバッテリー内蔵なのでスマホ側に負担をかけないので、こちらの用途の方が向いているとは思います。標準のOTGケーブルはなかなか品質は悪くないと思います。
ライトニングに対応したOTGケーブルがあればiPhoneに接続することができます。画像ではLEDが黄色で点灯していてiPhoneからハイレゾがきちんと再生されていることが分かります。

写真 2023-08-07 14 04 24_s.jpg
iPhoneをOTGケーブルでH5に接続

* まとめ

多彩な使い方ができる機材ですが、個人的に気に入ったのはマイクロSDを音源としたローカルファイル再生で、スマホでコントロールするモードです。音質は倍くらいの価格帯のDAPなみにはあると思うので、リモート操作であることを割り切ればコスパの良いプレーヤーとして5万円前後の予算で良い音を求める人にも良いと思います。
また一般的にDAPはどちらかというとDAC部分の方に重きが置かれていますが、「H5」は音的にはアンプらしく細やかさというよりは力感に重点があるのでやはりアンプが主体であることを感じます。たとえばDAC ICが同じDAPのM6 Ultraでは出力段がBUF634ですが、H5ではTPA6120を採用しています。この辺りの性格の違いも選択のポイントになり、普段DAPを使っている人も力強いアンプらしい音が堪能できる機材として考えるのも良いでしょう。パワーがあるのでヘッドフォンを主に使っている人にも良いと思います。
入出力が豊富なので、自宅に既にオーディオやAV環境のある人が光デジタルやSPDIFをRCA出力にしたい場合にも向いています。
液晶画面のDAPのように万能性を求めるというよりは、使い方がわかっている人がコスパの良いプレーヤーを欲しい時に良い機材です。

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アスキーにPlayStation初の完全ワイヤレス登場とAUDEZEの買収についての記事を執筆

アスキーにPlayStation初の完全ワイヤレス登場とAUDEZEの買収についての記事を執筆

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アスキーにMEMSドライバー採用、未来の完全ワイヤレス開発でクリエイティブとxMEMSが協業の記事を執筆

アスキーにMEMSドライバー採用、未来の完全ワイヤレス開発でクリエイティブとxMEMSが協業の記事を執筆。

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アスキーにDolby Atmosに対応したLive ExtremeのAndroid版アプリについて執筆

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2023年07月31日

qdcのユニバーサルイヤフオン、TIGERとWHITE TIGER比較レビュー

先日qdcの新製品であるWHITE TIGERが発売されました。まずWHITE TIGERのことを語る前に共通部分を説明する意味でもTIGERについて述べます。

* TIGER

TIGERは中国のプロフェッショナル・オーディオ市場において大きなシェアを持つqdcが昨年の寅年を記念して開発したハイエンドのマルチドライバー・ユニバーサルイヤフォンです。
2022年10月8日に発売された製品で直販価格は247,500円 (税込)です。

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TIGER

TIGERではシェルが通常のアクリルではなく、硬度の高い金属のチタン製です。フェイスプレートの部分が虎縞の模様に繰り抜かれてローズゴールドの中層が透けて見え、虎を想起させる独自性のあるデザインもユニークです。
TIGERでは6 基の BA ドライバーと 2 基の静電(EST)ドライバーによる片側合計 8 基のハイブリッド構成を採用しています。TIGERにおいては低域部分もBAドライバーが担当しています。クロスオーバーはAnole V14 と同じ 4wayタイプで、これにより10Hz - 70kHzというかなり広い帯域特性を得ているとのことです。

TIGER展開.jpg.png
TIGERの内部構成図

標準ケーブルは3in1タイプの交換式プラグを採用し、3.5mmアンバランス・2.5mm4 極バランス、4.4mm5 極バランスの三種類に交換が可能です。イヤフォン側の端子は2ピンでソケットを使用して確実に装着するタイプです。

TIGERはダブルフランジ・イヤーピースの出来が良く、ノズルの部分がうまく耳穴にフィットするので、イヤーピースがいつもよりひとサイズ小さくても良いくらいです。わたしはダブルフランジが苦手なのだけど、これはシングルみたいにうまくフィットしますね。
この装着性の良さと金属のシェルのおかげでTIGERは極めて遮音性の高いユニバーサルイヤフォンになっています。電車内で使うとANCなみに音が低減できるほど。これは音量をあまり上げなくて済むとともに、入ってくるノイズを小さくできるので細かな音の再現性でも有利となりますね。

* オリジナルTIGERの音質

音質はとても先鋭的な音で透明感が高く感じられます。また音場がとても広い感じがします。オールBAという印象よりはずっと低域はたっぷり出ている感じです。全体的にはすっきりと端正で原音忠実度の高いサウンドだと思います。
中高音域はシャープで切れ味が良いけれども、刺さるようなきつさを感じないのはチューニングの巧みさを感じさせます。楽器音はきわめて美しく鮮明で、それできつさが少なく感じられます。このため弦楽器の鳴りが極めて美しく響き、演出的とか音楽的というのではなく、音が極めて純粋で澄んでいると感じさせます。中高音の上に伸びる感じがすうーっと上にどこまでも引き上げられる感じが気持ち良く感じられます。
高域のベルやハイハットの音は鮮明で倍音が感じられる鳴りの良さがあるように思います。この辺はESTの効果なのでしょうか。美しくカーンと響き、歪みが少なく端正です。高域特性は数字の上だけではなくかなり良いと思います。

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TIGERとSP3000

ハイエンドイヤフォンらしく解像力の高さも特筆もので、楽器音のゴリゴリ感やヤニが飛び散る感じだけではなく、ジャズの中でミュージシャンがヤアっていう声が浮き上がって聞こえるほどです。この辺りは先に書いた外来ノイズの遮音性の高さも寄与しているでしょう。ジャズトリオの演奏などでは楽器音の切れ味の良さとともに足で思わずリズムをとってしまうほどにスピード感のノリが良い。この辺の音の特性はBAドライバーがメインであると思わせてくれます。
反面でBAドライバーがメインだと低音が物足りないかと思うかもですが、TIGERは低音の量感がたっぷりと感じられて音の深みと迫力が堪能できます。それでいて膨らまずにソリッドで引き締まって強いパンチが楽しめるのは逆にBAドライバーならではの低域表現の良い点です。

TIGERとWHITE TIGERではドライバー構成自体は同じで、音の大まかな点はTIGERとWHITE TIGERで共通しています。しかし、シェル素材が異なることと、ノズル部分の材質が異なることで音には違いが出ています。それを以降で解説していきます。


* WHITE TIGER

WHITE TIGERは2023年7月14日に発売されたTIGERのバリエーションモデルで、日本限定300台の限定製品、直販価格は198,000円(税込)とTIGERよりも低減されています。
WHITE TIGERはドライバー構成が同じですが、シェルをチタンからアクリルに変更したモデルです。カラーリングも変更されて、WHITE TIGER(白虎)という名前にふさわしいデザインになっています。

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WHITE TIGER

またノズルがチタンシェルと一体成形だったTIGERと比べると、WHITE TIGERのノズルは別成形の金属ノズルになっているのでこれでも音質は異なってくると思います。これはStudioシリーズのエッセンスが生かされているとのこと。つまりWHITE TIGERはデザインだけではなく、音質も異なっています。

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WHITE TIGERノズル形状

もう一つ重要な改良点はケーブル交換用の端子がqdc独自形式から、一般的な2ピンに変更されたことです。人によってはこの変更の方が魅力的に思えるかもしれません。qdc独自端子はかなりしっかりはまるのですが反面で抜けにくく、交換用のケーブルも少ないので、リケーブルを楽しむというよりは断線対策というプロ用途に考えられていたと思います。
TIGERと同じく3.5mmアンバランス・2.5mm4 極バランス、4.4mm5 極バランスの三種類に交換が可能です。また内箱には竹製ハンドメイドパッケージが使われています。

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WHITE TIGER パッケージ


* TIGERとWHITE TIGERの音の比較

実際にTIGERとWHITE TIGERを比較してみます。

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TIGER(右)とWHITE TIGER

比較するのに手に持っただけで、WHITE TIGERはだいぶオリジナルのTIGERより軽量に感じられます。シェルはきれいな樹脂製でフェイスプレートの紋様もきれいに浮き出るように見えます。チタンのTIGERとはまた違って、好みの問題かもしれません。イヤーピースは付け替えてみたけれども、やはりオリジナルと同じようにダブルフランジタイプが良いように思います。ポイントは装着感ですが、オリジナルよりも耳にピッタリはまるように思います。これはやはり手慣れた樹脂の造形だからなのでしょうか。オリジナルでもかなり装着感は良好だと思っていたので、これは驚きです。まさにユニバーサルイヤフォンという感じです。
遮音性は静かな部屋でファンの音に聞き耳を立てて、比べてみるとオリジナルとほぼ変わらないか、わずかにホワイトタイガーの方が良いように思います。はじめは金属シェルのオリジナルの方が良いかと思ったのだけれども、おそらくはホワイトタイガーの方がより密着性が高いので音を遮断できているのかもしれません。

写真 2023-07-11 7 13 11_s.jpg
TIGER(上)とWHITE TIGER

A&K SP3000でTIGERとWHITE TIGERを聴き比べてみると、オリジナルのTIGERよりもWHITE TIGERの方が硬質感は和らいでより聞きやすく、モニター的よりもリスニング寄りになった印象をうけます。WHITE TIGERの方がより音の広がり感があって、聴き比べるとオリジナルのTIGERの方がやや音が細身でコンパクトな感じを受けます。反面でオリジナルのTIGERの方がより先鋭的に感じられます。
高音域の伸びや、細かな音の解像力などはほぼ同じに聴こえるので、性能的にはやはり同等だと思います。音量位置も同じですね。

機材との相性で言うと、A&K SR35ではWHITE TIGERの方がより適合するように感じられます。これはポップやロックでより迫力が感じられ、リスニング的に少し甘く柔らかく感じられるからだと思います。

写真 2023-07-11 7 11 26_s.jpg
WHITE TIGERとSR35

A&K SP3000だとオリジナルのTIGERの方が良録音の弦楽四重奏を顕微鏡でモニターするような点も魅力ではあるのですが、よりリスニング寄りのSR35の場合にはWHITE TIGERの方がポップ音楽の魅力を引き出せるように思います。
SR35でメタルを聞くとオリジナルのTIGERの方がよりシャープで鋭く感じられるが、少しドライに感じられます。WHITE TIGERの方がより開けて迫力があって躍動感が感じられます。こうした硬めの録音ではWHITE TIGERの方が許容範囲は広いので好ましく聴こえる感じでしょうか。ヴォーカルも聞き取りやすいですね。特にメタルのライブのMCで比べると、WHITE TIGERの方が”カモン、メイク、ファッキング、ノイズ”とか叫んでいるのがきちんと聞き取れます。
オリジナルのTIGERの方はジャズトリオや弦楽四重奏の良録音の時に真価を発揮できる感じですね。
また両者ともおすすめはSE300のNOS/Aモードで楽しむことで、両者とも性能レベルが高いのでSE300の隠し持っている細かい音を引き出し、そのアナログ感のある音の滑らかさでオリジナルのTIGERではより硬さが解れ、WHITE TIGERではより柔らかく音楽をリラックスして楽しめるように感じられます。

写真 2023-07-11 7 43 46_s.jpg
WHITE TIGERとSR35

* WHITE TIGERでのリケーブル

そしてWHITE TIGERの魅力はなんと言っても業界標準的な2ピンでリケーブルができるということです。
例えばDITA AudioのDreamに付属していたVan Den Hulのケーブルではより明瞭感が感じられ、パッと晴れあがるようにより鮮明なサウンドが楽しめます。
Beat AudioのSignal(8芯)を使うとよりニュートラルで高域と低域が拡張されてワイドレンジ感が生まれるように思います。

写真 2023-07-20 16 05 19_s.jpg  写真 2023-07-20 16 12 35_s.jpg
左 WHITE TIGERとDITAケーブル、右 WHITE TIGERとBeat Signal(8芯)

やはりリケーブルすることでサウンドの個性を変えることができます。WHITE TIGERにおいては、イヤーピースはあくまで遮音目的に考えて、音を変えたいときはリケーブルすると言うのが良さそうです。
ただ標準ケーブルも音質は悪くなく、やはり合わせて設計しているので音の相性は良いと思います。つまり買ったらまずリケーブルすべきというのではなく、このケーブルをつけて音をこうしたいというビジョンを持って音をカスタマイズしたいという人には良いと思います。

WHITE TIGERに2ピンケーブルを色々差し替えて試してみたのですが、わりとみなうまくはまる印象です。2ピンは癖あるものも多いけど、この端子自体悪くないです。qdcはこういうところもなかなかしっかりしていますね。

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* WHITE TIGERのまとめ

オリジナルのTIGERとWHITE TIGERではデザインだけではなく、音にもはっきりとした違いがあります。解像力やワイドレンジ特性など性能的には同じレベルで、個性や合う音楽や機材が異なります。
価格的にもかなり安くなっているので、同じレベルの音性能でリスニング寄りの音が欲しいユーザーに向いていると言えると思います。また2ピンケーブルを持っているマニアにもおすすめです。
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2023年07月29日

アスキーにqdc SUPERIORのレビュー記事を執筆

アスキーにqdc SUPERIORのレビュー記事を執筆しました。

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アスキーに「MMCXや2pin対応のイヤホンをワイヤレス化できる、iFi audio GO pod」のレビュー記事を執筆

アスキーに「MMCXや2pin対応のイヤホンをワイヤレス化できる、iFi audio GO pod」のレビュー記事を執筆しました。

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アスキーに「第2世代のSnapdragon Soundを、LE Audio採用で低遅延化」の記事を執筆しました

アスキーに「第2世代のSnapdragon Soundを、LE Audio採用で低遅延化」の記事を執筆しました。

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2023年05月22日

独自ICを搭載した高性能スティック型DAC、L&P W4/W4EXレビュー

以前LUXURY&PRECISION W2-131を下記記事で紹介しました。これは同社W2の進化系でした。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/485813717.html
その後継機として開発されたのが、「W4」74,800 円(税込)、「W4EX」52,800 円(税込)の 2 機種です。これらは5月24 日に発売となります。このWシリーズは形式的にはスティック型DACですが、LUXURY&PRECISION製品の位置付けとしては同ブランドのエントリー級DAPとなるようです。つまり低価格の製品が多いスティック型のDACとは一線を画すものという意味合いのようです。

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L&P W4

W4シリーズの最大の特徴はW2-131ではDAC ICにシーラスロジック製のCS43131(CS43198のアンプ内蔵版)を2基搭載していたのに対して、W4シリーズではどちらの機種も L&P 独自開発の DAC チップが搭載されている点です。W4はLP5108、W4EXはLP5108-EXを使用しています。
これにより端的にいって出力はW4の場合にはバランスで420mWと据え置き並みの高出力となり、W2の1.7倍のパワーを誇ります。ダイナミックレンジ(134dB)と低歪率はW2をさらに超えています。しかもW2の半分の電力消費という点がポイントです。
W4EXの場合にはSN比はW2同等、バランスの出力がW2とほぼ同じで、歪みはW4には劣るがW2よりは優れているということになります。カスタムチップのアンプ部分はAB級ということです。

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L&P W4 正面と背面

また筐体デザインも変更されています。液晶は斜めに設置されてアクセントになっています。また調整用のつまみがアップダウンボタンからロータリー式に変更されています。イヤフォン端子は3.5mmアンバランスと4.4mmバランス端子に対応しています。3.5mm端子はSPDIF出力用にも使われます。
PCMは384kHzまで、DSDはネイティブでDSD256形式まで再生可能です。

機能的にもW2シリーズ同様に01と02の音質モードを切り替えることができます。メーカーの説明では01ではポップスのようなヴォーカル主体の音楽に向いたリラックスした音で、02ではより洗練されて複雑なシンフォニーなどに合うということです。
この他にもイコライザーのプリセットモードとして、Normal / CLASS / JAZZ / ROCK / POP / BASS / MOVIE / GAMEが用意され、機種向けイコライザー設定として Xelento / IE800S / SE846 / IER-Z1Rが用意されています。サイズは63 x 24 x 12.5mm、重さは24gと軽量です。

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W4の内容物

箱にはW2シリーズ同様にUSB-Cのケーブルとライトニングケーブル、USBアダプター端子が同梱されています。これによって、PC、Android、iPhoneなどさまざまな接続が標準で可能です。なおケーブルはメーカーのプレゼント扱いということなので保証対象からは外れるということになると思います。

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左からW2-131、W4、W4EX

以前レビューしたW2-131と比較してみると、筐体はやや大きくなっていますが、重さはほぼ同じです。ディスプレイが斜めになっていてより現代的な感じのデザイン的なアクセントになっています。輝度などディスプレイの視認性はほぼ同じくらいだと思います。
またW4では従来のアップダウンボタンではなく、独立したボリュームつまみがついたのが大きな違いです。これはモード変更ダイヤルもかねています。このおかげで操作性が向上して上質感も増しています。
W4とW4EXは外観状は色が違うだけのように見えます。W4はシックなグレーで、W4EXは若々しいブルーを基調にしています。

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左W4と右W4EX、iPhoneとARAの組み合わせ


W4を前回のW2での記事と同じくiPhoneとCampfre Audio ARAで聴いてみると、とてもクリアで透明感が高いサウンドです。SN感が高く、音の歯切れが良く細かい音がよく聞き取れます。クールでニュートラル、フラット基調なのはW2同様ですが、より洗練されてプロサウンドのような感じがします。シャープで線が細い音です。空間的な広がりが良く、アコースティック楽器音の鳴りがリアルで、ヴォーカルは発音がとても明瞭でわかりやすいですね。
音がフラットでシャープなのでイコライザー設定を変えると音が大きく変わります。この辺で味付けしてみても良いでしょう。チューニングモードの01と02はそう大きく変わりませんが、たしかに変わりますのでこれは音の微妙な表情を変えたり、イヤフォンに合わせて好みで変えるのが良いと思います。

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左W2-131、右W4

W4の音をW2-131と比較すると、以前よりもさらにクリアになって、楽器音の音がより鮮明でシャープに聞こえます。アコースティック楽器の歯切れ良さがより鋭く、パーカッションはより打撃力があって、叩いている音の鋭さが鮮明です。W2-131よりもフラットになり低音が抑え気味に感じられます。スタジオ的とかモニター的な音により近い感じですね。
W4とW2-131は聴き比べて十分わかるくらいの差がありますが、W2-131ユーザーならば聴き比べなくても音の違いはわかると思います。比較するとW2-131の音がやや緩く聞こえるほどです。

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上W4、下W4EX

W4とW4EXを比較すると、音のクリアさではほぼ互角ですが、音の広がりや厚みという部分でW4の方がやはり上回ります。またW4の方が力強い感じです。これはDAC部分というよりもアンプ部分の性能の差が出ていると思います。ただ透明感や解像力での差はわかりにくいくらいではあります。
W2-131とW4EXを比べると、音の透明感やシャープさではW4EXの方が優っているように感じられますが、音の広がりなどではあまり差は大きくないと思います。

確かに製品のイメージとしては、よりクリアで鮮明なL&PのDAPの音に近づいたように思います。比較してみるとW2はやはりやや温かみがあるシーラスロジックの音の着色感は感じられます。おそらくは自家製のICを作れたことでよりL&Pのイメージに近い音にすることができたのだと思います。

なおW4 シリーズ専用のレザーケース「W4 Leather case」5,500 円(税込)とWシリーズとデジタル接続が可能なケーブル「WP2」26,400円(税込)をも販売するということです。「WP2」はU58(銀箔巻き高純度銅)と U75(金箔巻き高純度銅)のハイブリッ ド構成、低誘電率被膜の採用で外部電波の干渉が抑えられるとのこと。アクセサリーは直販サイト(CYRAS DIRECT)でのみ販売ということです。
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2023年04月26日

「ついに登場、MEMSドライバー採用の高級イヤホン、Singularity Audioの「ONI」」の記事をアスキーに執筆

アスキーにずっとMEMSスピーカーの情報を報じながら、やっと来た感じです。今回はヘッドフォン祭でxMEMSの日本の方が展示します!
なんか面白いもの持ってくると思います。シリコンが出す音ってどんなのだって思う人はぜひ14FのxMEMSブースへどうぞ。担当の方は日本語OKです。

https://ascii.jp/elem/000/004/134/4134155/

MEMSスピーカーについておさらいすると、ウエハーから切り出すシリコンチップがそのままイヤフォンのドライバーになります。パーツから組み立てるのではありません。その一部がメカ動作するのがMEMSと呼ばれる技術で、この動きで空気を振動させ、圧電型ドライバーになります。
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2023年03月27日

アスキーに執筆しました「類を見ないマニアックな組み合わせで聴く、スティック型USB DAC」

PhatLab RIOとUSB OTGケーブルの試聴レポート「類を見ないマニアックな組み合わせで聴く、スティック型USB DAC」をアスキーに執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/130/4130121/
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アスキーに執筆しました「Bluetooth SIG、Auracastが実際に動作するデモを披露、実践的で面白い」

「Bluetooth SIG、Auracastが実際に動作するデモを披露、実践的で面白い」の記事をアスキーに執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/129/4129184/
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アスキーに執筆しました「オーディオとアクセサリーの独自ブランド「SHO-U」を立ち上げたアユート、その目的を聞く」

「オーディオとアクセサリーの独自ブランド「SHO-U」を立ち上げたアユート、その目的を聞く」の記事をアスキーに執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/128/4128239/
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