以前シンガポールのヘッドフォン祭、Mook Headphone festivalで少し書いたPSBとNADのヘッドフォンを今回のヘッドフォン祭ではJabenブースで持ってきてくれます。
デモ機を借りて試聴しましたのでレビューしてみます。
NAD M4U2
PSBとは創業者の名前(Paul & Sue Barton)でもあり、People, Sound & Businessの略でもあります。基本的にはカナダのスピーカーメーカーで正確に言うとPSB Speakers Internationalという名前のようです。40年くらいの歴史があり、現在では全世界に50を超える代理店を持つ国際的なメーカーとなっているようです。
PSBのホームページはこちらです。
http://www.psbspeakers.com/
M4UはMusic for youのことで、ヘッドフォンの製品です。M4U1とM4U2のタイプがあり、クローズタイプのデザインとヘッドフォン部分は同じですがM4U2はアンプとノイズキャンセル機能が付いています。
* PSB M4U1
M4U1はクローズタイプのヘッドフォンでいわば基本機能です。外観では曲線を描いたデザインも良く、柔らかいので装着感も上々です。オーバーイヤータイプで耳を包み込むような装着感も上々です。側圧もそれなりにありますが強くはありません。
ユニークな点は、ケーブルがミニプラグ交換式の片側差しのケーブルですが、このタイプは通常左にプラグがあります。しかしM4Uには左右両方にプラグが付いていて、接続はどちらでも構いません。好きな都合の良い方に接続できます。この辺はちょっと面白いですね。
音質は据え置きヘッドフォンアンプで聞いてみると、音は音楽的で全体に滑らかできつさを感じさせません。全体にバランス良く低域だけがですぎたところはありません。
ヴォーカルや楽器の分離は良く、表現はやや暖かくヴォーカルも魅力的です。分析的なタイプではなく音楽をゆったりと楽しむタイプですね。聴き疲れもすくない感じです。
iPod classicと組み合わせてみると、柔らかいながら音の分離も悪くはありません。空間表現が良く立体的で楽器の音再現も良いですね。やはり滑らかな音再現で雰囲気の再現に優れていると思います。
* PSB M4U2
M4U2はRoom Feelと呼ばれるヘッドフォンアンプ内蔵のノイズキャンセルタイプです。ケーブルはリモコンのあるなしの二本が付いていて、スペアのパッドも付いています。またエアクラフトアダプターも付属しているのでノイズキャンセル機能を飛行機で使うこともできます。プラスチックのケースはトラベルケースとなり、これも旅行用途を感じさせますね。M4Uは少し折り畳むことができます(あとのNADは折りたためません)。
ヘッドフォン側面にモード切り替えのスイッチがあります。スイッチにはLEDが付いていて選択されたモードを色で知らせます。モードはパッシブモード、Activeモード、Activeモードでノイズキャンセル付きです。パッシブモードでは普通のヘッドフォン(いうなればこれがM4U1相当)として使用ができて電池は不要です。
ActiveモードではLEDが赤点灯して内蔵のヘッドフォンアンプが機能します。Activeモードでノイズキャンセル付きではLEDが緑点灯してアンプとノイズキャンセルが働きます。LEDがAmber(橙色)になると電池切れサインです。
またケーブルのリモコンコードでMボタンを押すとノイズキャンセルの時にモニターモードになり周辺の音が聞こえるようになります。リモコンはiPhoneに準じます。
音質の基本はM4U1と同じです。
Activeにすると明瞭感がまして力感も向上し、ちょっとしたポータブルヘッドフォンをつけたようになります。
ヴォーカルもより魅力的に感じられます。Activeの効果は大きいですね。
機内のようにあまり騒々しいところでは聴いていないのでノイズキャンセルはどの程度かは保留ですが、TVを大きくかけて試すとうるさい成分の騒音は消して人の声は残す感じです。
ですので家でアンプで楽しむ時はパッシブで、外出でiPodをつかう時はActive、飛行機に乗ったらノイズキャンセルと使い分けることができます。
* NAD viso HP50
PSBのポールバートンがよりコンシューマー向けに立ち上げた別ブランドがNADです。NADもアンプからヘッドフォンまでさまざまなラインナップを持っていますが、ここではヘッドフォンのViso HP50を紹介します。
NADのホームページはこちらです。
http://nadelectronics.com/home
Viso HP50は軽くコンパクトなクローズタイプヘッドフォンで、ポータブル用としてM4Uより意識していると思います。なかなかスタイリッシュで装着も快適です。折りたためませんが、ポータブルには遜色ないくらいはコンパクトだと思います。平型のリモコン付きのケーブルが付属してきます。
ただし聴いてみると能率はけっこう低めで、ただのスタイリッシュヘッドフォンではなく、音質もより考慮していることがうかがえます。
音はPSB M4Uより明るく明瞭感があります。クリアで低域もたっぷりした量感とインパクトがあり、M4Uに通じる音空間の深みがあります。音の広がりの良さが印象的ですね。解像力もこのクラスでは十分なほどありますし、シンバルの音も鮮明でギターのピッキングも切れよく小気味よく感じられます。ポータブル用のヘッドフォンとしての音質のレベルは高いと思います。iPod classic単体でも良い音が楽しめ、AK100mk2にするとさらに高音質で聞くことができます。
PSBとNAD製品は系統は同じだけれども、音の作り方は違います。NAD HP50は明瞭感があってやや低域は誇張され、コンシューマサウンド。PSBはもっと滑らかで柔らかでバランスが良い感じです。
端的に言うと、PSBは大人向けサウンドで、Viso HP50は若向けサウンドともいえます。
国内での価格はまだ決まっていませんが、海外価格の目安はM4U2がUS$400、M4U1がUS$300、NAD HP50はUS$400のようです。
ヘッドフォン祭では会場で販売もするそうです。またNAD D3020(BT付きのヘッドフォンアンプ)も展示するようです。
なかなかポータブル用の良いヘッドフォンと言うのはないので、ポータブルでヘッドフォンを使いたい人はヘッドフォン祭のJabenブースでぜひチェックしてみてください。
Music TO GO!
2013年10月21日
2013年07月04日
Music To Go本好評をいただいています
先日発売したMusic To Go本ですが、今時点でAmazonのオーディオビジュアル部門で9位と好評をいただいています! 予約時点よりも発売してからの方が好評をいただくという良い展開です。
派手なところのない分厚い本なんですが、みなさまありがとうございます。
発売前は単にブログの転載じゃないかと思ってた方も多いかもしれませんが、実際に本で読むと通読しやすいのでこの間の流れがよく分かると好評をいただいています。このネットの時代に紙の本を読むという価値を見直すという点でも面白いモデルケースとなるのでは、とも思います。
引き続きよろしくお願いします !
派手なところのない分厚い本なんですが、みなさまありがとうございます。
発売前は単にブログの転載じゃないかと思ってた方も多いかもしれませんが、実際に本で読むと通読しやすいのでこの間の流れがよく分かると好評をいただいています。このネットの時代に紙の本を読むという価値を見直すという点でも面白いモデルケースとなるのでは、とも思います。
引き続きよろしくお願いします !
2013年07月02日
オトノート誕生
ヘッドフォン祭での活躍など元祖オーディオ女子でおなじみの福島花乃さんが新たにウエブサイトを立ち上げました。下記のオトノートというサイトです。
http://www.oto-note.com/index.html
きれいな女子らしいパステル基調のよくまとまったデザインで、内容も入門的な記事や、ヘッドフォンなど機材紹介、またCDなどの解説など充実しています。入門者のポータル的に働くと良いなと思いますね。
また今後ともいろいろな企画もしているようで、注目していってください。
http://www.oto-note.com/index.html
きれいな女子らしいパステル基調のよくまとまったデザインで、内容も入門的な記事や、ヘッドフォンなど機材紹介、またCDなどの解説など充実しています。入門者のポータル的に働くと良いなと思いますね。
また今後ともいろいろな企画もしているようで、注目していってください。
2013年05月05日
Jaben バランススペシャルセット レビュー
二月に行われたポタ研で参考展示されて好評を博していたJabenのバランス改造ベイヤーとオーロラサウンド(音松ブランド)のバランスヘッドフォンアンプのセットがいよいよ発売されることになりました。
もちろん5/11の2013年春のヘッドフォン祭でもJabenブース(9F-29)で展示されますのでまた試聴できます。
左からT5pバランス、T1バランス、Otomatsu BDR-HPA02アンプ
これは「Jaben バランススペシャルセット-1という商品で、バランス駆動型ヘッドフォン+アンプ+DACのセットです。ヘッドフォンはベイヤーのフラッグシップ、T1かT5pどちらかのバランス改造品が標準バランスケーブルと一緒にセットに含まれます。注文時にはどちらかを指定することになります。
価格は248,000円(消費税込)です。
音松アンプは純粋なアンプだけですのでPCとの接続を考慮して定評あるDACportが付属するのもポイントです(これだけで5万くらいします)。
またこの他にもオプションとしてクライオ処理した高性能バランスケーブルがオプションで用意されます(価格未定)。下の写真がオプションのクライオケーブルです。
先に書いたようにヘッドフォンはBeyerdynamic社のT5p(32Ω)とT1(600Ω)のどちらかで、それぞれに専用のバランスドライブができるよう改造を施した、特製の4ピンXLRの高信頼性コネクタを装備したケーブルが付属しています。
ヘッドフォンコネクター部はミニXLRジャックに改造しバランス駆動を可能 にしています。 下の写真が改造されたプラグ部分と4pinバランスコネクターです。
オーロラサウンド製のアンプはOtomatsu BDR-HPA02というバランスヘッドフォンアンプで4pinのXLRプラグを使うタイプです。BDR-HPA-02はJabenの要求により本ヘッドフォン用にオーロラサウンドがOtomatsuブランドで特別にチューニングしたもので4ピンXLRジャックによるバランス駆動、また標準フォーンプラグによるノーマル駆動ができるようになっています。またT5pとT1というインピーダンスや感度が異なるヘッドフォンも適正な音量で駆動できるようにゲイン切り変えスイッチを(High/Low)を備えています。
以下特性をリリースから転記します。
・・・・・・・・・
周波数特性 5Hz -80kHz
全高調波歪率THD+N 0.0046%
最大出力 1500mW x2 @45Ω負荷 Highゲイン時
ドライブ可能ヘッドフォン 16Ω - 600Ω High/Low ゲイン
電源 AC100V 50-60Hz
大きさ W230mm x D180mm x H80mm (突起物含まず)
・・・・・・・・・
販売サイトはJabenですがJaben Online のサイトに日本語ページを作っているそうで、そのオープンが5/20だそうです。これが販売開始になります。ただしヘッドフォン祭会場では会場特価で先行販売するそうです。つまり日本語で注文でき、発送も国内ということです。サポートも日本語です。(故障等はメーカーに返送になります)
本商品に関する問い合わせ先は以下の通りです。
JABEN日本代理人 : 蒼蠅堂 (そうようどう)
メールアドレス shimayutan@gmail.com
FACEBOOK https://www.facebook.com/JabenJapan
* 実機レビュー
試聴機をお借りしたので実機レビューします。アンプは金属筐体のがっちりしたものです。
まずアンプの特徴を聴くためにHD800で聴いてみました。標準のヘッドフォンプラグもロックがついていてがっちりとしたものです。DACはChord QuteHDを使っています。
非常に透明感のある音でピュアでニュートラルにヘッドフォンの性能、またはDACの能力を通す感じです。色付けはなく、アンプがどこか周波数を強調するというようにも思えません。解像力も高く、高性能のQuteHDを使ってハイエンドのHD800から聴きたいというレベルの音を素直に伝えてくれていると思います。ベルの美しい響きから、女性ヴォーカルの発声の明瞭さ、ベースのうねりまで楽器音の明確な表現も十分にできてますね。欲を言うともう少し低域のコントロールがほしいという気はしますが、十分なレベルではあると思います。
ゲインもHigh、LowがありHD800でもHighで10-11時前後で十分音量が取れます。ベイヤーにチューニングしたと言ってもHD800でも良い音で聴けますので十分な汎用性もありますね。
アンプはアナログ入力のみだけれどもDACportがついているのでこれをUSB DACとして使うことができます。DACportも小型ながら性能には定評ありますからね。
T1バランスとクライオケーブル
* T1バランス+標準の黒ケーブル
ゲインはHighで試聴しました。4pinバランスを使用しています。キヤノンプラグなのでがっちりとしてロックができます。ヘッドフォン側はミニXLRでこちらもロック機構がついています。しかしこのプラグ改造はほんとに良くできていて、初めて見たときは、もともとこういうオプションあったっけ?とベイヤーのホームページを見直したほどです。改造というよりはじめからこうだったように思えるくらいよくできています。
先のHD800ノーマルで聴いてたのに比すると、低音の量感がたっぷりとして、音の広がりが大きく向上します。さきに聞いたHD800もノーマルながら音の広がりには定評ありますが、それをも軽く超えてしまう立体的な空間表現力はまさにバランス改造で期待される音になっていると思います。
T1というと正確でタイトな音を鳴らすという印象ですが、このバランス・リケーブルによってより音楽を鳴らす厚みのある濃い音が加わったのが面白い点です。個人的にはT1というとジャズトリオとか室内楽を聴きたいタイプのヘッドフォンだけれども、このバランス化でもっといろいろなジャンルを聴きたくなると思います。
ただ低域はあまり張り出してはいないのでT1の音の範疇ではあります。
* T1バランス+クライオケーブル
オプションとして用意されているクライオケーブルに変えると音のクリアさが大きく向上してベールがはがれたような明瞭感が得られます。ベースは量感だけではなく、よりタイトになりさらにT1の力を引き出しているように感じられます。細かな解像力もさらに上がり音を聴いてハッとする凄味のような魅力が加わります。SHANTIのヴォーカルの表情もより生き生きとして細かな再現力が上がります。
このケーブルはこのT1バランスシステムの魅力を最大に引き出していると思いますね。高価だとは思いますが、できればこのシステムにおいてこのクライオケーブルはぜひほしいところです。ただ曲によっては腰高できつめと感じることもあるので、元のケーブルもあったほうが良いとは思います。
T5pバランスと標準ケーブル
* T5pバランス+標準ケーブル
ゲインはLowにして試聴しました。T5pはもともとT1の低インピーダンスバージョンというだけでなく、音の個性的にもT1よりもロックやポップに向いたダイナミックさを持っていると思います。音楽をより正確に分析的に聴きたいときはT1、より楽しく聴きたいときはT5pという感じでしょうか。このバランス改造でもそうした個性の差を引き継いでいて、T1に比べてやや緩め太めのT5pの音はダイナミックに音楽を聴くのにより適しています。生楽器と打ち込みビートの複雑に入り混じったエレクトロニカでも躍動感と音のち密さを両方聴かせてくれます。この標準の黒ケーブルはT5pの方が似合うと思います。
* T5pバランス+クライオケーブル
T5pバランスにオプションのクライオケーブルを付け替えても、やはりベールがはがれた感じを受けますが、T1の場合はベールが二枚はがれた感じだけ、T5pの場合は一枚ベールがはがれた感じです。もともとT5pの方がアンプ的に鳴らしやすいと思うので、T5pの場合は黒ケーブルでも良いかなとは思えます。
いずれにせよ、T5pとクライオケーブルの組み合わせもより細かに音も浮き彫りにして情報量の洪水をもたらすというという感じです。
音楽性と性能の高次元の調和ですね。試聴はPCオーディオでやっていて、たいていはたくさんのいろんな曲のポイントを次々に聴くんだけど、このT5pバランス+クライオケーブルの組み合わせを試聴していて最近気に入っているRhian SheehanのStory from elswhereを聴いていたらはまってしまって曲を聴きとおしてしまったというくらい魅力的な組み合わせではあります。なにより音楽的に美しく楽しく聴けますね。
挾間美帆のように軽快でスピード感あふれるジャズを聴きたいときはT1がいいけれども、情感あふれる感動的な音楽を聴くときはT5pかなあと思えます。そういう意味ではやはりT1もT5pもほしいところではありますね。なかなかどちらだけとは言い難いけど、そうしたベイヤーの新型テスラシリーズの魅力を再発見させてくれたシステムと言えるでしょう。
ポタ研でデモした時もベイヤーを持っている人から好評だったシステムですが、ぜひヘッドフォン祭で試聴ください。Jabenは9Fの29(大部屋の真ん中あたり)です。
もちろん5/11の2013年春のヘッドフォン祭でもJabenブース(9F-29)で展示されますのでまた試聴できます。
左からT5pバランス、T1バランス、Otomatsu BDR-HPA02アンプ
これは「Jaben バランススペシャルセット-1という商品で、バランス駆動型ヘッドフォン+アンプ+DACのセットです。ヘッドフォンはベイヤーのフラッグシップ、T1かT5pどちらかのバランス改造品が標準バランスケーブルと一緒にセットに含まれます。注文時にはどちらかを指定することになります。
価格は248,000円(消費税込)です。
音松アンプは純粋なアンプだけですのでPCとの接続を考慮して定評あるDACportが付属するのもポイントです(これだけで5万くらいします)。
またこの他にもオプションとしてクライオ処理した高性能バランスケーブルがオプションで用意されます(価格未定)。下の写真がオプションのクライオケーブルです。
先に書いたようにヘッドフォンはBeyerdynamic社のT5p(32Ω)とT1(600Ω)のどちらかで、それぞれに専用のバランスドライブができるよう改造を施した、特製の4ピンXLRの高信頼性コネクタを装備したケーブルが付属しています。
ヘッドフォンコネクター部はミニXLRジャックに改造しバランス駆動を可能 にしています。 下の写真が改造されたプラグ部分と4pinバランスコネクターです。
オーロラサウンド製のアンプはOtomatsu BDR-HPA02というバランスヘッドフォンアンプで4pinのXLRプラグを使うタイプです。BDR-HPA-02はJabenの要求により本ヘッドフォン用にオーロラサウンドがOtomatsuブランドで特別にチューニングしたもので4ピンXLRジャックによるバランス駆動、また標準フォーンプラグによるノーマル駆動ができるようになっています。またT5pとT1というインピーダンスや感度が異なるヘッドフォンも適正な音量で駆動できるようにゲイン切り変えスイッチを(High/Low)を備えています。
以下特性をリリースから転記します。
・・・・・・・・・
周波数特性 5Hz -80kHz
全高調波歪率THD+N 0.0046%
最大出力 1500mW x2 @45Ω負荷 Highゲイン時
ドライブ可能ヘッドフォン 16Ω - 600Ω High/Low ゲイン
電源 AC100V 50-60Hz
大きさ W230mm x D180mm x H80mm (突起物含まず)
・・・・・・・・・
販売サイトはJabenですがJaben Online のサイトに日本語ページを作っているそうで、そのオープンが5/20だそうです。これが販売開始になります。ただしヘッドフォン祭会場では会場特価で先行販売するそうです。つまり日本語で注文でき、発送も国内ということです。サポートも日本語です。(故障等はメーカーに返送になります)
本商品に関する問い合わせ先は以下の通りです。
JABEN日本代理人 : 蒼蠅堂 (そうようどう)
メールアドレス shimayutan@gmail.com
FACEBOOK https://www.facebook.com/JabenJapan
* 実機レビュー
試聴機をお借りしたので実機レビューします。アンプは金属筐体のがっちりしたものです。
まずアンプの特徴を聴くためにHD800で聴いてみました。標準のヘッドフォンプラグもロックがついていてがっちりとしたものです。DACはChord QuteHDを使っています。
非常に透明感のある音でピュアでニュートラルにヘッドフォンの性能、またはDACの能力を通す感じです。色付けはなく、アンプがどこか周波数を強調するというようにも思えません。解像力も高く、高性能のQuteHDを使ってハイエンドのHD800から聴きたいというレベルの音を素直に伝えてくれていると思います。ベルの美しい響きから、女性ヴォーカルの発声の明瞭さ、ベースのうねりまで楽器音の明確な表現も十分にできてますね。欲を言うともう少し低域のコントロールがほしいという気はしますが、十分なレベルではあると思います。
ゲインもHigh、LowがありHD800でもHighで10-11時前後で十分音量が取れます。ベイヤーにチューニングしたと言ってもHD800でも良い音で聴けますので十分な汎用性もありますね。
アンプはアナログ入力のみだけれどもDACportがついているのでこれをUSB DACとして使うことができます。DACportも小型ながら性能には定評ありますからね。
T1バランスとクライオケーブル
* T1バランス+標準の黒ケーブル
ゲインはHighで試聴しました。4pinバランスを使用しています。キヤノンプラグなのでがっちりとしてロックができます。ヘッドフォン側はミニXLRでこちらもロック機構がついています。しかしこのプラグ改造はほんとに良くできていて、初めて見たときは、もともとこういうオプションあったっけ?とベイヤーのホームページを見直したほどです。改造というよりはじめからこうだったように思えるくらいよくできています。
先のHD800ノーマルで聴いてたのに比すると、低音の量感がたっぷりとして、音の広がりが大きく向上します。さきに聞いたHD800もノーマルながら音の広がりには定評ありますが、それをも軽く超えてしまう立体的な空間表現力はまさにバランス改造で期待される音になっていると思います。
T1というと正確でタイトな音を鳴らすという印象ですが、このバランス・リケーブルによってより音楽を鳴らす厚みのある濃い音が加わったのが面白い点です。個人的にはT1というとジャズトリオとか室内楽を聴きたいタイプのヘッドフォンだけれども、このバランス化でもっといろいろなジャンルを聴きたくなると思います。
ただ低域はあまり張り出してはいないのでT1の音の範疇ではあります。
* T1バランス+クライオケーブル
オプションとして用意されているクライオケーブルに変えると音のクリアさが大きく向上してベールがはがれたような明瞭感が得られます。ベースは量感だけではなく、よりタイトになりさらにT1の力を引き出しているように感じられます。細かな解像力もさらに上がり音を聴いてハッとする凄味のような魅力が加わります。SHANTIのヴォーカルの表情もより生き生きとして細かな再現力が上がります。
このケーブルはこのT1バランスシステムの魅力を最大に引き出していると思いますね。高価だとは思いますが、できればこのシステムにおいてこのクライオケーブルはぜひほしいところです。ただ曲によっては腰高できつめと感じることもあるので、元のケーブルもあったほうが良いとは思います。
T5pバランスと標準ケーブル
* T5pバランス+標準ケーブル
ゲインはLowにして試聴しました。T5pはもともとT1の低インピーダンスバージョンというだけでなく、音の個性的にもT1よりもロックやポップに向いたダイナミックさを持っていると思います。音楽をより正確に分析的に聴きたいときはT1、より楽しく聴きたいときはT5pという感じでしょうか。このバランス改造でもそうした個性の差を引き継いでいて、T1に比べてやや緩め太めのT5pの音はダイナミックに音楽を聴くのにより適しています。生楽器と打ち込みビートの複雑に入り混じったエレクトロニカでも躍動感と音のち密さを両方聴かせてくれます。この標準の黒ケーブルはT5pの方が似合うと思います。
* T5pバランス+クライオケーブル
T5pバランスにオプションのクライオケーブルを付け替えても、やはりベールがはがれた感じを受けますが、T1の場合はベールが二枚はがれた感じだけ、T5pの場合は一枚ベールがはがれた感じです。もともとT5pの方がアンプ的に鳴らしやすいと思うので、T5pの場合は黒ケーブルでも良いかなとは思えます。
いずれにせよ、T5pとクライオケーブルの組み合わせもより細かに音も浮き彫りにして情報量の洪水をもたらすというという感じです。
音楽性と性能の高次元の調和ですね。試聴はPCオーディオでやっていて、たいていはたくさんのいろんな曲のポイントを次々に聴くんだけど、このT5pバランス+クライオケーブルの組み合わせを試聴していて最近気に入っているRhian SheehanのStory from elswhereを聴いていたらはまってしまって曲を聴きとおしてしまったというくらい魅力的な組み合わせではあります。なにより音楽的に美しく楽しく聴けますね。
挾間美帆のように軽快でスピード感あふれるジャズを聴きたいときはT1がいいけれども、情感あふれる感動的な音楽を聴くときはT5pかなあと思えます。そういう意味ではやはりT1もT5pもほしいところではありますね。なかなかどちらだけとは言い難いけど、そうしたベイヤーの新型テスラシリーズの魅力を再発見させてくれたシステムと言えるでしょう。
ポタ研でデモした時もベイヤーを持っている人から好評だったシステムですが、ぜひヘッドフォン祭で試聴ください。Jabenは9Fの29(大部屋の真ん中あたり)です。
2013年03月16日
ヘッドフォンブック2013に執筆しました
発売中のヘッドフォンブック2013に記事を執筆しました。
まずヘッドフォンアワード2012のコメントを書いています。昨年ベストがFitEar Togo 334というのは音質的にも独自のジャンルを切り開いたという点でも納得でしょう。ただSpirit Oneについては本来はミドルクラスに入れたかったのですが、ちょっと国内価格が高いのが難ですね。もっとブレークするポテンシャルを秘めた真面目に作られた製品なのに残念です。
次に注目してほしいところはP119からのゼンハイザー、ウルトラゾーン、ウエストンのインタビューです。これは昨年の秋のヘッドフォン祭のときに私が直接インタビューしたものです。全体ではもっとやってるので後で録音の聞き起こしが大変でしたが、字数の都合で割愛したところもあります。
ゼンハイザーのインタビューはデモルームの中だったので見てた人も多いかも。ゼンハイザーのアクセルはさすがまじめという感じで話しやすかったですね。アクセルは技術者なので私も話しやすかったです。インタビューを終えたときに「いい質問だった」と言われてちょっとうれしかったですね。
ウルトラゾーンのマイケル・マイケルは個人的にもけっこう知っているので和気あいあいと進められました。中で「IQは世界中の音楽関係者に意見を求めて開発しました」っていうところで私が「But you didn't ask me! - 私には聞いてないよね」って突っ込んで、全員爆笑したりしました。
ウエストンについてはこのときはダイナミック市場は先という話をしていたのにインタビューが出る前にCESでダイナミックの参考品を出されてしまい焦ったりしました 笑。あと記事には書いてませんが世間話的な会話の中でヘッドフォンも実は匂わせてたんですが、これはちょっと別な形になりそうですね。
それと「ポータブルオーディオ強靭化計画」という特集でHDP-R10、AK100、HM901のレビューとTera PlayerとColorfly C4にも触れています。記事では書いてませんがこの時借りたデモ機でHDP-R10と自分のDX100を比べましたが、やはりR10の方が音質は上だと思いました。
それとこの記事ではOnkyoの開発中のも含めて音楽再生アプリ14本を一挙コメントを書いています。書いてみると結構たくさんあって選外になったものもいくつかあります。iOSが多いのは私がiOSメインということもありますが、Androidの音楽再生アプリは数は多くとも並べてしまうと際立つ個性差が少ないということもあります。
また音楽再生アプリについてはiOS/AndroidともFLAC Player/Golden Ear/Neutronなどのオーディオ向けグループとRADOSONとかUBiOのようにDSP主体のカジュアル向けと分ける必要があると思いますね。
このほかではP37からの製品レビューでDENON D7100、D600、FitEar Togo 334、Ultrasone Tio、LCD2 Bambooを書いてます。私はLCD2は自前で持ってますが、LCD2 Bambooは軽くなってて驚きました。LCD2はとにかく重いのが難点でしたからね。
付録としてはハイレゾ音源データやアニソン・ヘッドフォンブックもついています。ボリュームたっぷり、見どころたっぷりなのでどうぞお買い求めください!
またヘッドフォンブックについては英語化プロジェクトも進行していますので、英語版の方もチェックしてくださいね !
http://vaiopocket.seesaa.net/article/323325414.html
まずヘッドフォンアワード2012のコメントを書いています。昨年ベストがFitEar Togo 334というのは音質的にも独自のジャンルを切り開いたという点でも納得でしょう。ただSpirit Oneについては本来はミドルクラスに入れたかったのですが、ちょっと国内価格が高いのが難ですね。もっとブレークするポテンシャルを秘めた真面目に作られた製品なのに残念です。
次に注目してほしいところはP119からのゼンハイザー、ウルトラゾーン、ウエストンのインタビューです。これは昨年の秋のヘッドフォン祭のときに私が直接インタビューしたものです。全体ではもっとやってるので後で録音の聞き起こしが大変でしたが、字数の都合で割愛したところもあります。
ゼンハイザーのインタビューはデモルームの中だったので見てた人も多いかも。ゼンハイザーのアクセルはさすがまじめという感じで話しやすかったですね。アクセルは技術者なので私も話しやすかったです。インタビューを終えたときに「いい質問だった」と言われてちょっとうれしかったですね。
ウルトラゾーンのマイケル・マイケルは個人的にもけっこう知っているので和気あいあいと進められました。中で「IQは世界中の音楽関係者に意見を求めて開発しました」っていうところで私が「But you didn't ask me! - 私には聞いてないよね」って突っ込んで、全員爆笑したりしました。
ウエストンについてはこのときはダイナミック市場は先という話をしていたのにインタビューが出る前にCESでダイナミックの参考品を出されてしまい焦ったりしました 笑。あと記事には書いてませんが世間話的な会話の中でヘッドフォンも実は匂わせてたんですが、これはちょっと別な形になりそうですね。
それと「ポータブルオーディオ強靭化計画」という特集でHDP-R10、AK100、HM901のレビューとTera PlayerとColorfly C4にも触れています。記事では書いてませんがこの時借りたデモ機でHDP-R10と自分のDX100を比べましたが、やはりR10の方が音質は上だと思いました。
それとこの記事ではOnkyoの開発中のも含めて音楽再生アプリ14本を一挙コメントを書いています。書いてみると結構たくさんあって選外になったものもいくつかあります。iOSが多いのは私がiOSメインということもありますが、Androidの音楽再生アプリは数は多くとも並べてしまうと際立つ個性差が少ないということもあります。
また音楽再生アプリについてはiOS/AndroidともFLAC Player/Golden Ear/Neutronなどのオーディオ向けグループとRADOSONとかUBiOのようにDSP主体のカジュアル向けと分ける必要があると思いますね。
このほかではP37からの製品レビューでDENON D7100、D600、FitEar Togo 334、Ultrasone Tio、LCD2 Bambooを書いてます。私はLCD2は自前で持ってますが、LCD2 Bambooは軽くなってて驚きました。LCD2はとにかく重いのが難点でしたからね。
付録としてはハイレゾ音源データやアニソン・ヘッドフォンブックもついています。ボリュームたっぷり、見どころたっぷりなのでどうぞお買い求めください!
またヘッドフォンブックについては英語化プロジェクトも進行していますので、英語版の方もチェックしてくださいね !
http://vaiopocket.seesaa.net/article/323325414.html
2013年02月17日
英語版「ヘッドフォンブック 2012」のサイトオープン
この前のポタ研の記事でも少し書きましたが、日本で発行されているあの「ヘッドフォンブック 2012(音楽出版)」の英語版のサイトがオープンしました。こちらです。
http://www.themookcompany.com/
購入は下記のJabenストアから行うようです。まだ受付していませんが、出版作業は順調に行われているようです。
http://jaben.net/shopping2/The-Mook-Inaugural.html
ヘッドフォン記事を読んで楽しく英語の勉強というのもいかがでしょうか?
http://www.themookcompany.com/
購入は下記のJabenストアから行うようです。まだ受付していませんが、出版作業は順調に行われているようです。
http://jaben.net/shopping2/The-Mook-Inaugural.html
ヘッドフォン記事を読んで楽しく英語の勉強というのもいかがでしょうか?
2012年09月18日
Bursonの新型DAC/アンプはSaber32搭載
HA-160Dが日本でも好評のBurson Audioですが後継?機種としてConductorという機種が出るようです。HA-160DはDAC部分の評価が高くてのちにDACのみの機種も作られています。アンプのみ別になるというのは良くありますが、本来おまけのようなDACが独立するっていうのはなかなかないですね。そのDAC部分が今度はSaber32になるとのこと。
ヘッドフォンアンプ部分はFET入力段と最小回路構成でハイパワーかつ滑らかな音で好評の新型Soloistのものを採用しているようです。
http://bursonaudio.com/Burson_Conductor.html
Saber32はファミリー名称ですが、他のソースを見るとSaber32はES9018と出ていますね。
http://www.monoandstereo.com/2012/09/burson-conductor.html?m=1
これは期待の機種となりそうです。
ヘッドフォンアンプ部分はFET入力段と最小回路構成でハイパワーかつ滑らかな音で好評の新型Soloistのものを採用しているようです。
http://bursonaudio.com/Burson_Conductor.html
Saber32はファミリー名称ですが、他のソースを見るとSaber32はES9018と出ていますね。
http://www.monoandstereo.com/2012/09/burson-conductor.html?m=1
これは期待の機種となりそうです。
2012年09月08日
Audio BasicとPC Audio fanはGaudioへ
今月号でオーディオベーシックは休刊としてPCオーディオファンと統合して、新雑誌Gaudioとして発行されるということです。今月号のタイトルにもCD30周年とありますが、オーディオの世界もひとつの曲がり角ということなのかもしれませんね。また新雑誌に期待したいところです。
2012年07月13日
HeadFi Buying Guide2012夏号発行!
HeadFiのJudeさん指揮監修のもと、メンバーによる合作で昨年クリスマスに「書籍版のHeadFi」としてHeadFi Buying Guideが刊行されましたが、その最新版の2012年夏号が発行されました。下記の記事中のリンクから無料でダウンロードできます。少し下のCLICK HEREというリンクです。
http://www.head-fi.org/t/618255/check-out-the-head-fi-summer-2012-buying-guide
ヘッドフォン、イヤフォン、DACアンプ、DAPと広範囲にカバーされてボリュームもたっぷり、きれいにレイアウトされてます。もちろんHeadFiらしくメンバーのコメントも引用されてます。
日本からはFOSTEX HP-P1や須山カスタムMH334も入ってますよ。英語ですが、海外のヘッドフォン事情を知るにも良いでしょうね。メンバーでなくてもダウンロード出来ると思いますが、この機会にぜひアカウントを登録ください。
http://www.head-fi.org/t/618255/check-out-the-head-fi-summer-2012-buying-guide
ヘッドフォン、イヤフォン、DACアンプ、DAPと広範囲にカバーされてボリュームもたっぷり、きれいにレイアウトされてます。もちろんHeadFiらしくメンバーのコメントも引用されてます。
日本からはFOSTEX HP-P1や須山カスタムMH334も入ってますよ。英語ですが、海外のヘッドフォン事情を知るにも良いでしょうね。メンバーでなくてもダウンロード出来ると思いますが、この機会にぜひアカウントを登録ください。
2012年03月10日
オーディオベーシック62号に執筆しました
昨日発売のオーディオベーシック62号に執筆しました。
まず今月号の特集の「ヘッドフォンアンプ徹底活用」(P59から)でDAC内蔵ヘッドフォンアンプ・プリアンプ機能を持ったものをレビューしています。私が担当したのはバーソンHA160D、NuForce DAC9、Zodiac SilverとGold、April Music DP-1です。スピーカーはうちのではなく、オーディオベーシック標準システムのB&W802、アキュフエーズのプリとパワーというリファレンスシステムです。ヘッドフォンはHD800で聴き、それにパワードスピーカーのFocal CMS50を加えるという徹底解説です。
Zodiacシリーズはもはや鉄板になってきましたが、DACだけで見るとNuforceのDAC9が音楽性、解像力、価格という点でなかなか好印象でした。ヘッドフォンアンプとしてみるとバーソンが好印象です。DP-1はDAC・ヘッドフォンアンプとも高次元でバランスが取れていました。他の機種は角田さんがまたいろいろと担当していますので、詳しいところはぜひ本誌を読んでください。
また今年動きを見せている10万円以下クラスの高性能ヘッドフォン(SRH1840とかSignature Proなど)に焦点を合わせて試聴記事を書いています。HD700は残念ながらデモ機は間に合いませんでした。これはDAC Magic PlusとApril DP-1という普及版とハイクラスの二機種でひとつのヘッドフォンを比較するというものです。こちらもぜひご覧ください。
それとコラムとして最近なにかと話題のアップルの音楽の取り組みということで書きました(P228)。これはぎりぎりMastered for iTunesまで入れ込みました。
そのほかではなんと今回は角田さんのSHANTIインタビューがあります。これ私もやりたかった〜。
また以前お伝えしたフォーカルのヘッドフォンのSpirit Oneの記事も出ています。これ私もちょっと見せてもらったんですがとても仕上がりがきれいです。
恒例のCD特別付録も「春のモーツァルト」ということで高音質録音で清廉な調べを楽しむと春が来たようなすがすがしさを感じます。
まず今月号の特集の「ヘッドフォンアンプ徹底活用」(P59から)でDAC内蔵ヘッドフォンアンプ・プリアンプ機能を持ったものをレビューしています。私が担当したのはバーソンHA160D、NuForce DAC9、Zodiac SilverとGold、April Music DP-1です。スピーカーはうちのではなく、オーディオベーシック標準システムのB&W802、アキュフエーズのプリとパワーというリファレンスシステムです。ヘッドフォンはHD800で聴き、それにパワードスピーカーのFocal CMS50を加えるという徹底解説です。
Zodiacシリーズはもはや鉄板になってきましたが、DACだけで見るとNuforceのDAC9が音楽性、解像力、価格という点でなかなか好印象でした。ヘッドフォンアンプとしてみるとバーソンが好印象です。DP-1はDAC・ヘッドフォンアンプとも高次元でバランスが取れていました。他の機種は角田さんがまたいろいろと担当していますので、詳しいところはぜひ本誌を読んでください。
また今年動きを見せている10万円以下クラスの高性能ヘッドフォン(SRH1840とかSignature Proなど)に焦点を合わせて試聴記事を書いています。HD700は残念ながらデモ機は間に合いませんでした。これはDAC Magic PlusとApril DP-1という普及版とハイクラスの二機種でひとつのヘッドフォンを比較するというものです。こちらもぜひご覧ください。
それとコラムとして最近なにかと話題のアップルの音楽の取り組みということで書きました(P228)。これはぎりぎりMastered for iTunesまで入れ込みました。
そのほかではなんと今回は角田さんのSHANTIインタビューがあります。これ私もやりたかった〜。
また以前お伝えしたフォーカルのヘッドフォンのSpirit Oneの記事も出ています。これ私もちょっと見せてもらったんですがとても仕上がりがきれいです。
恒例のCD特別付録も「春のモーツァルト」ということで高音質録音で清廉な調べを楽しむと春が来たようなすがすがしさを感じます。
2012年02月28日
ヘッドフォンブック2012に執筆しました
本日発売のヘッドフォンブック2012に原稿を書きました。前にMacのプレーヤー記事を書いたことはあるんですが、今回は普通にヘッドフォンの記事を書いてます。ヘッドフォンブック2012はこちらにリンクがあります。
http://www.cdjournal.com/Company/products/mook.php?mno=20120228
まず私の選ぶヘッドフォンアワード2011で昨年のベストと思ったヘッドフォンをカテゴリー別に選んで寸評しています。これらは今年のトレンドともなるでしょうね。
次は93モデル徹底ガイドということで私も何点かレビューしています。Atomic Floyd SuperDartsはiPhone直さしでお勧め、HE500は良いアンプで聴いてね、意外とよかったのはオーディオテクニカのPro700記念モデルなどなどいろいろ書いてます。
それとヘッドフォンアンプ特集ではこの前のフジヤさん主催のヘッドフォンアンプ試聴会での19機種一気試聴を書いてます。これが一番大変だった、でもなかなか各機種個性があってよかったです。
他にも須山さんと坂本真綾さんの記事とかフジヤの根本さん登場とか付録の試聴用CDとか、たくさん見どころありますのでぜひお買い求めください !
http://www.cdjournal.com/Company/products/mook.php?mno=20120228
まず私の選ぶヘッドフォンアワード2011で昨年のベストと思ったヘッドフォンをカテゴリー別に選んで寸評しています。これらは今年のトレンドともなるでしょうね。
次は93モデル徹底ガイドということで私も何点かレビューしています。Atomic Floyd SuperDartsはiPhone直さしでお勧め、HE500は良いアンプで聴いてね、意外とよかったのはオーディオテクニカのPro700記念モデルなどなどいろいろ書いてます。
それとヘッドフォンアンプ特集ではこの前のフジヤさん主催のヘッドフォンアンプ試聴会での19機種一気試聴を書いてます。これが一番大変だった、でもなかなか各機種個性があってよかったです。
他にも須山さんと坂本真綾さんの記事とかフジヤの根本さん登場とか付録の試聴用CDとか、たくさん見どころありますのでぜひお買い求めください !
2012年02月07日
英国でのオーディオ事情
イギリスでの統計ですが、いまやヘッドフォン市場は全てのHiFiとホームシアター専用機市場に匹敵するほどになったそうです。
あとストリーマー(ネットワークプレーヤー)も伸びてるがTVは低迷とのこと。この辺はどこの国でも似たような傾向と言うのは面白いところです。
http://www.whathifi.com/news/headphones-thrive-while-consumer-electronics-sales-slump
イギリスでは今月末にブリストルでオーディオイベント"Sound & Vision"があって、そこでは主に英国系メーカーの新製品が発表されますがストリーマーはCES同様多いですね。下記はプレビュー記事です。
http://www.whathifi.com/blog/preview-bristol-sound-vision-show-2012
ChordはGemのChordetteシリーズでIndexというストリーマーを用意してるようです。またFocalに買収(経営統合)されたNaimもストリーマーに強い会社でやはり新製品を出してきます。FocalがNaimを買収したのもこの辺の戦略かもしれません。Chapter AudioのAirPlayパワーアンプなんかも面白いところです。日本メーカーもだいぶ参入してますね。
プレビューには英国ブランドとしてはストリーマー本家たるLINNがありませんが、このショウには出たり出なかったりしてるようではあります。
あとストリーマー(ネットワークプレーヤー)も伸びてるがTVは低迷とのこと。この辺はどこの国でも似たような傾向と言うのは面白いところです。
http://www.whathifi.com/news/headphones-thrive-while-consumer-electronics-sales-slump
イギリスでは今月末にブリストルでオーディオイベント"Sound & Vision"があって、そこでは主に英国系メーカーの新製品が発表されますがストリーマーはCES同様多いですね。下記はプレビュー記事です。
http://www.whathifi.com/blog/preview-bristol-sound-vision-show-2012
ChordはGemのChordetteシリーズでIndexというストリーマーを用意してるようです。またFocalに買収(経営統合)されたNaimもストリーマーに強い会社でやはり新製品を出してきます。FocalがNaimを買収したのもこの辺の戦略かもしれません。Chapter AudioのAirPlayパワーアンプなんかも面白いところです。日本メーカーもだいぶ参入してますね。
プレビューには英国ブランドとしてはストリーマー本家たるLINNがありませんが、このショウには出たり出なかったりしてるようではあります。
2012年01月13日
フォーカルからヘッドフォン登場
スピーカーメーカーのFocalがヘッドフォンを発表してます。(Atomic Floydのフォーカルポイントではなく)
http://www.whathifi.com/news/focal-makes-its-headphone-debut-with-spirit-one
Spirit Oneというこの製品は外で使うことを考慮したもので軽量クローズタイプです。航空機グレードアルミのハウジング、4cmチタニウムマイラーのドライバーと本格的なもの。価格は£199とお手軽。iPhoneリモートもついてるようです。
来月からもう販売するようですが、これは期待ですね。
http://www.whathifi.com/news/focal-makes-its-headphone-debut-with-spirit-one
Spirit Oneというこの製品は外で使うことを考慮したもので軽量クローズタイプです。航空機グレードアルミのハウジング、4cmチタニウムマイラーのドライバーと本格的なもの。価格は£199とお手軽。iPhoneリモートもついてるようです。
来月からもう販売するようですが、これは期待ですね。
2011年12月10日
中国企業がSTAXを買収
中国企業がSTAXを100%株式取得で買収したとのことです。買収額は1億2千万です。
日経新聞の記事
HeadFiでも話題になっています。HeadFiの記事
こちらSTAXを買収した漫步者(Edifier)のニュースページです。漫步者(Edifier)のリリース
漫步者(Edifier)ってこちらのHeadFi書き込みによると安い大量生産PCスピーカーで有名な会社だそうです。またこちらの中国のBBSで買収についての詳細が書かれています。私は読めませんけど、絵文字を見ると中国の人たちもびっくりしてますね。こちらに上の一部を英訳した書き込みがあります。トップブランドの製品を買ったことによってトップブランド市場に切り込むことができるようになったということ、自らの低コスト化の技術で多くの消費者に届けられるだろうとあるようです。また興味深いところは、静電技術を応用したポータブルの新製品を低コストで提供できるということも書いてあるようです。ここちょっと注目ですね。
日経新聞の記事
HeadFiでも話題になっています。HeadFiの記事
こちらSTAXを買収した漫步者(Edifier)のニュースページです。漫步者(Edifier)のリリース
漫步者(Edifier)ってこちらのHeadFi書き込みによると安い大量生産PCスピーカーで有名な会社だそうです。またこちらの中国のBBSで買収についての詳細が書かれています。私は読めませんけど、絵文字を見ると中国の人たちもびっくりしてますね。こちらに上の一部を英訳した書き込みがあります。トップブランドの製品を買ったことによってトップブランド市場に切り込むことができるようになったということ、自らの低コスト化の技術で多くの消費者に届けられるだろうとあるようです。また興味深いところは、静電技術を応用したポータブルの新製品を低コストで提供できるということも書いてあるようです。ここちょっと注目ですね。
2011年12月09日
オーディオベーシック61号に執筆しました
本日オーディオベーシックの61号が発売されました。
今回はP66でコンポーネントランキングのDAC部門の選考員の一人を受け持たせていただきました。(この項の他の選者は角田さん、和田さん、三浦さん)
昨年からDACカテゴリーを試験的に設けてたんですが、今年は本格的に他のカテゴリー同様に導入されました。結果は本誌をご覧ください。
コンポーネントランキングの選者コメントは自分の選んだうちからフェーズメーションHD-7A 192、ソウルノートsa2.0、ラックスマンDA-200、アンテロープZodiac Goldを担当しています。これらはDACとして新世代のオーディオの核になり、あるいはいままでのシステムと新しい世界をつなぐ橋渡しとして推薦できる機器だと思いますし、やはりDACってそういうものかなという気がします。
また、今回から「トレンドウォッチ(P248)」として1ページのコラムを設けていただきました。今回は時事的に「ヘッドフォン祭」についてその意義のようなものを書きました。
レビューではUltrasoneのSignature Proのレビュー(P164)も書いています。これはいろんなヘッドフォンアンプで聴くといろんな顔を見せてくれるヘッドフォンかなと思います。
他の記事は特集の「リーズナブルコンポ」では適価のオーディオ機材が紹介されています。新製品紹介では例のカンダイアス氏のBMCも紹介されています。
いつものCDはニューヨーク生録ジャズで地下鉄の環境音の入った良録音が楽しめます。見どころいっぱいですのでどうぞお買い求めください。
今回はP66でコンポーネントランキングのDAC部門の選考員の一人を受け持たせていただきました。(この項の他の選者は角田さん、和田さん、三浦さん)
昨年からDACカテゴリーを試験的に設けてたんですが、今年は本格的に他のカテゴリー同様に導入されました。結果は本誌をご覧ください。
コンポーネントランキングの選者コメントは自分の選んだうちからフェーズメーションHD-7A 192、ソウルノートsa2.0、ラックスマンDA-200、アンテロープZodiac Goldを担当しています。これらはDACとして新世代のオーディオの核になり、あるいはいままでのシステムと新しい世界をつなぐ橋渡しとして推薦できる機器だと思いますし、やはりDACってそういうものかなという気がします。
また、今回から「トレンドウォッチ(P248)」として1ページのコラムを設けていただきました。今回は時事的に「ヘッドフォン祭」についてその意義のようなものを書きました。
レビューではUltrasoneのSignature Proのレビュー(P164)も書いています。これはいろんなヘッドフォンアンプで聴くといろんな顔を見せてくれるヘッドフォンかなと思います。
他の記事は特集の「リーズナブルコンポ」では適価のオーディオ機材が紹介されています。新製品紹介では例のカンダイアス氏のBMCも紹介されています。
いつものCDはニューヨーク生録ジャズで地下鉄の環境音の入った良録音が楽しめます。見どころいっぱいですのでどうぞお買い求めください。
2011年12月03日
マークレビンソン氏のインタビュー記事とDaniel Herz
MonoAndStereoという海外のオーディオサイトにマークレビンソン氏のインタビューが掲載されています。
彼の音楽体験やフィロソフィーも含めて長いインタビューなんですが、なかでも過去のプロダクトのことを赤裸々に語ってるところが面白いのでちょっと紹介します。また現在やっているDaniel Herzブランドについても取り上げてみます。
マークレビンソンという名前(ブランド名)が彼の手から離れたことについては、そのとき自分は若くビジネスマンとしては経験不足なただの音楽家だった、詐欺師(sharks)が彼から盗み取って株を奪うために計画倒産(Planned bankruptcy)させたと強い口調で非難しています。彼自身はなにも対価を受け取っていないと言うことです。1980年以降は彼の名前のついた製品には彼自身まったくタッチできていないとのこと。
チェロについてはその製品はオーディオの高みに達し、一般ユーザーだけではなくマスタリングラボにも使われたと言うことで満足しているようです。マークレビンソン氏は音楽業界にいた人なので、録音側と再生側の両方が重要だと言うことを語り、一般ユーザーのほかに製作側でも使われるオーディオシステムがひとつの理想となっているようです。チェロをAudio Paletteで始めた時は専門家に失敗すると言われたけど結局1000台も売ったよと満足げです。読んでると彼自身はチェロが一番気に入っていたように思えます。
しかしここでもチェロのカスタマーだった人物にチェロを乗っ取られて追い出されてしまいました。その後チェロは倒産してしまいます。
Red Rose Musicについては手ごろな価格で多くの人に製品提供をすることを目標に立ち上げたが、内部の経理担当者の詐欺行為にあって会社を崩壊させられた、証拠を残さないようにパソコンまで壊されたと言うことです。
その後なんとかしようとしたけど経済の悪化や9.11など(Red Rose MusicはNYの会社)で結局アメリカを離れて、いまヨーロッパにいるということです。
理想のシステムを目指してメーカーを立ち上げて人に取られてしまうの繰り返しでなんともかわいそうな人でもありますね。「人は誰かが素晴らしいものを作り上げるとそれを取り上げて壊してしまいたくなるらしい」と語ってます。
いまは自分の過去は見ないでやはりDaniel Herzを見て欲しいということです。こちらがホームページです。Daniel Herzはスイスの会社です。
http://www.danielhertz.com/
Daniel Herzはアンプ・スピーカー・ケーブルを手がける総合オーディオメーカーで2009年創業です。彼いわく彼の総決算としての妥協のないブランドということ。パワーアンプのTelikosというのはギリシャ語で究極とか最後のという意味だそうです。
Daniel Herzは高能率スピーカー(100dB/1W)の利点を生かしたシステムとしてのアプローチをして自然な音を目指しているとのこと。低能率のシステムは信号が熱になりその分は消えてしまうから、ということです。またRed Rose Musicで真空管を手がけたことはあやまりだったと後悔しているとのことでDaniel Herzでは半導体アンプでやっているようです。
あまり日本では馴染みないメーカーですが、ロシアのメドベージェフ大統領がDaniel Herzのシステムを持っているとのこと。Daniel Herzというのは彼の両親の名前と苗字から取っていると言うことです。
ちなみに価格は2009年の発表当時でフラッグシップのM1スピーカーがペアで$75000、M7スピーカーが$17000、M5モノアンプが一台$6000、M6 1MegOhmsプリが$8000ということです。システムでアプローチしているというのはM1スピーカーは内部にクロスオーバーがなく、M5パワーアンプにアクティブクロスオーバーが内蔵されているので組で使うように設計されているようです。ただし面白いことにM1スピーカーの背面にはアクセスパネルがあって、そこに通常のパッシブクロスオーバーも取り付けられるようです。
M6プリは1MegOhmsという名前でチェロを思わせます。M6はUSB DAC内蔵でスペック不明ですが2009年製ですからそれなりでしょう。こういうハイエンド機にDAC内蔵させるとアンプは数年では古びないのにDACは進歩が早いので型落ちしていくという問題はあるかもしれません。
いまラインナップに単体DACはないですが、デジタルオーディオも手がけるので見ててほしいと言っているのでそのうち出てくるのかもしれません。当初アナウンスにはM9 Media server(SSD搭載のPCベース)というラインナップもあったようですが、いまカタログにないようです。CDPというのは用意しないでM9(PC)からUSBで伝送するという上流のシステムのようですね。今風のシステムと言えるでしょう。
半導体も素子自体なにか新しいタイプを開発しているようで、マークレビンソン氏も単に伝説の人物というだけでなくけっこう今現在も新しい試みを取り入れながらアクティブにやってる現役の人と言えるでしょうね。
マークレビンソン氏は小さい頃にキースジャレットと同じ音楽学校に通ってお互いのバンドで演奏したりしてたそうです。その他彼の音楽経験など興味ある方はこちらの原文リンクをどうぞ。
http://www.monoandstereo.com/2011/12/interview-with-mark-levinson-daniel.html?m=1
彼の音楽体験やフィロソフィーも含めて長いインタビューなんですが、なかでも過去のプロダクトのことを赤裸々に語ってるところが面白いのでちょっと紹介します。また現在やっているDaniel Herzブランドについても取り上げてみます。
マークレビンソンという名前(ブランド名)が彼の手から離れたことについては、そのとき自分は若くビジネスマンとしては経験不足なただの音楽家だった、詐欺師(sharks)が彼から盗み取って株を奪うために計画倒産(Planned bankruptcy)させたと強い口調で非難しています。彼自身はなにも対価を受け取っていないと言うことです。1980年以降は彼の名前のついた製品には彼自身まったくタッチできていないとのこと。
チェロについてはその製品はオーディオの高みに達し、一般ユーザーだけではなくマスタリングラボにも使われたと言うことで満足しているようです。マークレビンソン氏は音楽業界にいた人なので、録音側と再生側の両方が重要だと言うことを語り、一般ユーザーのほかに製作側でも使われるオーディオシステムがひとつの理想となっているようです。チェロをAudio Paletteで始めた時は専門家に失敗すると言われたけど結局1000台も売ったよと満足げです。読んでると彼自身はチェロが一番気に入っていたように思えます。
しかしここでもチェロのカスタマーだった人物にチェロを乗っ取られて追い出されてしまいました。その後チェロは倒産してしまいます。
Red Rose Musicについては手ごろな価格で多くの人に製品提供をすることを目標に立ち上げたが、内部の経理担当者の詐欺行為にあって会社を崩壊させられた、証拠を残さないようにパソコンまで壊されたと言うことです。
その後なんとかしようとしたけど経済の悪化や9.11など(Red Rose MusicはNYの会社)で結局アメリカを離れて、いまヨーロッパにいるということです。
理想のシステムを目指してメーカーを立ち上げて人に取られてしまうの繰り返しでなんともかわいそうな人でもありますね。「人は誰かが素晴らしいものを作り上げるとそれを取り上げて壊してしまいたくなるらしい」と語ってます。
いまは自分の過去は見ないでやはりDaniel Herzを見て欲しいということです。こちらがホームページです。Daniel Herzはスイスの会社です。
http://www.danielhertz.com/
Daniel Herzはアンプ・スピーカー・ケーブルを手がける総合オーディオメーカーで2009年創業です。彼いわく彼の総決算としての妥協のないブランドということ。パワーアンプのTelikosというのはギリシャ語で究極とか最後のという意味だそうです。
Daniel Herzは高能率スピーカー(100dB/1W)の利点を生かしたシステムとしてのアプローチをして自然な音を目指しているとのこと。低能率のシステムは信号が熱になりその分は消えてしまうから、ということです。またRed Rose Musicで真空管を手がけたことはあやまりだったと後悔しているとのことでDaniel Herzでは半導体アンプでやっているようです。
あまり日本では馴染みないメーカーですが、ロシアのメドベージェフ大統領がDaniel Herzのシステムを持っているとのこと。Daniel Herzというのは彼の両親の名前と苗字から取っていると言うことです。
ちなみに価格は2009年の発表当時でフラッグシップのM1スピーカーがペアで$75000、M7スピーカーが$17000、M5モノアンプが一台$6000、M6 1MegOhmsプリが$8000ということです。システムでアプローチしているというのはM1スピーカーは内部にクロスオーバーがなく、M5パワーアンプにアクティブクロスオーバーが内蔵されているので組で使うように設計されているようです。ただし面白いことにM1スピーカーの背面にはアクセスパネルがあって、そこに通常のパッシブクロスオーバーも取り付けられるようです。
M6プリは1MegOhmsという名前でチェロを思わせます。M6はUSB DAC内蔵でスペック不明ですが2009年製ですからそれなりでしょう。こういうハイエンド機にDAC内蔵させるとアンプは数年では古びないのにDACは進歩が早いので型落ちしていくという問題はあるかもしれません。
いまラインナップに単体DACはないですが、デジタルオーディオも手がけるので見ててほしいと言っているのでそのうち出てくるのかもしれません。当初アナウンスにはM9 Media server(SSD搭載のPCベース)というラインナップもあったようですが、いまカタログにないようです。CDPというのは用意しないでM9(PC)からUSBで伝送するという上流のシステムのようですね。今風のシステムと言えるでしょう。
半導体も素子自体なにか新しいタイプを開発しているようで、マークレビンソン氏も単に伝説の人物というだけでなくけっこう今現在も新しい試みを取り入れながらアクティブにやってる現役の人と言えるでしょうね。
マークレビンソン氏は小さい頃にキースジャレットと同じ音楽学校に通ってお互いのバンドで演奏したりしてたそうです。その他彼の音楽経験など興味ある方はこちらの原文リンクをどうぞ。
http://www.monoandstereo.com/2011/12/interview-with-mark-levinson-daniel.html?m=1
2011年09月12日
オーディオベーシック Vol 60に書きました
おなじみオーディオベーシック誌のVOl60秋号が発売されています。
今回はAKG K3003(P170)とオーディオデザインのヘッドフォンアンプDCHP-100(P168)のレビュー記事を書いてます。
K3003はかなり気に入ってしまったので試聴機を返すのが惜しいくらいでした。ということで国内販売を聞いてフジヤさんから買ってしまいました。K701などを考えると国内価格が怖かったんですが、実売価格といまの対ユーロレートを考えるとハーマンさんかなり良い価格設定をしてくれてます。
なお雑誌記事を書いているときはまだわからなかったんですが、国内では基本的にリモコンなしのモデルがハーマンさん扱いで、リモコンありがAppleストア扱いのようです。
オーディオデザインのヘッドフォンアンプもなかなか良かったです。青山のDAC試聴会ではそろえのDACと聴きましたがかなりハイレベルです。リリースを見てもかなり筋の通ったポリシーがあって設計しているようですが、こうしたこだわりがヘッドフォンアンプ製品にも出てくるのは良いことです。
本誌はそのほかにも著名評論家のこだわりを教えてくれる「私のオーディオ極意」などが面白いですね。いつものCD付録も和太鼓アンサンブルとなかなか面白い趣向です。
今回はAKG K3003(P170)とオーディオデザインのヘッドフォンアンプDCHP-100(P168)のレビュー記事を書いてます。
K3003はかなり気に入ってしまったので試聴機を返すのが惜しいくらいでした。ということで国内販売を聞いてフジヤさんから買ってしまいました。K701などを考えると国内価格が怖かったんですが、実売価格といまの対ユーロレートを考えるとハーマンさんかなり良い価格設定をしてくれてます。
なお雑誌記事を書いているときはまだわからなかったんですが、国内では基本的にリモコンなしのモデルがハーマンさん扱いで、リモコンありがAppleストア扱いのようです。
オーディオデザインのヘッドフォンアンプもなかなか良かったです。青山のDAC試聴会ではそろえのDACと聴きましたがかなりハイレベルです。リリースを見てもかなり筋の通ったポリシーがあって設計しているようですが、こうしたこだわりがヘッドフォンアンプ製品にも出てくるのは良いことです。
本誌はそのほかにも著名評論家のこだわりを教えてくれる「私のオーディオ極意」などが面白いですね。いつものCD付録も和太鼓アンサンブルとなかなか面白い趣向です。
2011年08月02日
ヘッドフォンブック 2011 夏号に記事を執筆しました
CDジャーナルムック恒例のヘッドフォンブック の2011夏号に記事を書きました。と言ってもヘッドフォン記事ではなくPCオーディオ記事です。P168からの「iTunesだけじゃない、最新オーディオソフト事情」というところでAudirvanaとかPure Music Playerの紹介記事を書いています。
やはりヘッドフォンとPCオーディオというのは親和性の良いものですね。どちらも人の新しいライフスタイルに沿って出てきたと言うことも自然と親和性がよくなっているのかもしれません。
本誌もイヤフォンから本格的なヘッドフォンまで広くカバーされていますし、カナルワークスやFitEarなどのカスタムイヤフォンまで書かれています。
また石野卓球、東儀秀樹などのミュージシャンへのインタビューや、Shureのマイケルジョーンズ、SONYの標準機CD-900ST、STAX SR009などの開発者インタビューなど読み物的な要素もたくさん入っていて面白いと思います。
やはりヘッドフォンとPCオーディオというのは親和性の良いものですね。どちらも人の新しいライフスタイルに沿って出てきたと言うことも自然と親和性がよくなっているのかもしれません。
本誌もイヤフォンから本格的なヘッドフォンまで広くカバーされていますし、カナルワークスやFitEarなどのカスタムイヤフォンまで書かれています。
また石野卓球、東儀秀樹などのミュージシャンへのインタビューや、Shureのマイケルジョーンズ、SONYの標準機CD-900ST、STAX SR009などの開発者インタビューなど読み物的な要素もたくさん入っていて面白いと思います。
2011年06月10日
オーディオベーシック7月号に書きました
本日発売されたオーディオベーシック7月号(Vol59)にヘッドフォン記事を書きました。
今回は10万円以下のヘッドフォン特集(P260)と題して、ハイエンドとエントリーをつなぐ中堅のヘッドフォンに焦点を当てています。新旧のこのクラスを一気に聴き比べて自分も勉強になったのですが、この分野が充実したことを感じます。ベイヤーの新型も登場してきて、ますます期待できるところです。ヘッドフォンアンプも定番と最新という二種類で聴き比べています。
今回はMAYAさんの女子オーディオ連載が始まっています。この前のイベントのレポートかと思ったら入門的な連載記事となるようです。この前本屋に行ったら華やかな女子カメラ雑誌が多くて驚きましたが、少し前は一眼レフというと難しく地味で一部マニアかプロだけのものでした。この辺はオーディオも取り入れるところがあるのではないでしょうか。
特集はアナログ関連です。もちろん高音質CDもついていますので、ぜひご購入の上ゆっくりとお読みください。
今回は10万円以下のヘッドフォン特集(P260)と題して、ハイエンドとエントリーをつなぐ中堅のヘッドフォンに焦点を当てています。新旧のこのクラスを一気に聴き比べて自分も勉強になったのですが、この分野が充実したことを感じます。ベイヤーの新型も登場してきて、ますます期待できるところです。ヘッドフォンアンプも定番と最新という二種類で聴き比べています。
今回はMAYAさんの女子オーディオ連載が始まっています。この前のイベントのレポートかと思ったら入門的な連載記事となるようです。この前本屋に行ったら華やかな女子カメラ雑誌が多くて驚きましたが、少し前は一眼レフというと難しく地味で一部マニアかプロだけのものでした。この辺はオーディオも取り入れるところがあるのではないでしょうか。
特集はアナログ関連です。もちろん高音質CDもついていますので、ぜひご購入の上ゆっくりとお読みください。
2011年05月17日
真空管の新時代?
最新技術と最新素材を使ったまったく新しい真空管が開発されたということです。例えばプレート素材はグラファイトということで、随所に環境配慮もあります。ビンテージのコピーではなく新設計で845と特性が似た三極管ということですが、より反応が早く大電流を流せるということです。
21世紀の真空管、どんなものか楽しみです。
21世紀の真空管、どんなものか楽しみです。