Music TO GO!

2007年02月22日

Xenos 1HA-EPC 小改修

Xenos 1HA-EPCですがヒスがやや多いというユーザーコメントを受けてゲインを下げる改修をしたようで、2/21の出荷分からLow/hiとも7dBほど下げたようです。
http://www.head-fi.org/forums/showpost.php?p=2736350&postcount=10
ヒス問題についてはATPのほうで一度釈明を書いたんでそのまま押し切るのかと思ったら、改修して下げたところを見ると暗に認めたということになりますね。

ところで、わたしのX1HA-EPCは初期に頃に比べるとだいぶ音の透明感は増してきたように思います。まあ最近こればかり使っているのでわたしの耳が慣れたという気もします。
トマホークはほおっておいてもいい音なんで、X1HAにいろいろと気を使っていたんですが、まあ手のかかる子ほどかわいいというわけで(笑)
コンデンサーがシグナルパスにないDCアンプの場合はあんまりバーンインの効果はないともいわれますが、やはりバーンインは進むようです。ただコンデンサーがないとバーンイン初期の急な立ち上がりはなくて進み方が遅いという気もしますね。
posted by ささき at 21:49| Comment(7) | TrackBack(0) | __→ Xenos 1HA-EPC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月31日

Xenos X1HA-EPC、はじめの印象

これは購入後2-3日で基本的にX1HA-EPCにHD25-1/BlueDragon V2をつけた感想になります。

xenos7.jpg

パッケージを開けるとはじめに10時間チャージしろと書いてあるメモが入ってますが、とりあえずテスト用に充電されているだろうと踏んでまずは聞いてみました(^^
正直なところ箱から出してぱっと聞いた印象はあまりいい印象ではなかったです。エージングうんぬんもありますが、トマホークは箱から出してすぐいいと思いましたからね。

まず全体になんとなくもやっとして音が解きほぐれてない感じがします。なんだか見通しが悪く、雨が降った後のようなすっきりと透明な晴れ上がった感じがありません。
そこでノイズフロアの高さが気になりE5cでテストしてみるとE5cをプラグにさしてボリュームは一番下げた状態でもうヒスノイズが聞こえます。同条件でSR71では10時過ぎないとヒスは聞こえません。かなり騒がしくてあまり黒くない背景と言えます。
また音の広がりがいまひとつで立体感がないと感じます(ただこれはHD25の性格的なものもあります)。
この辺は最近ノイズレベルが低く立体的な音のトマホークをずっと使っていたので特に気になります。
一方で楽器の音自体はかなり明瞭できれいに聴こえます。いわゆるオーディオでいうところのクリーンでHiFiな音に思えます。このギャップに少し戸惑いますが、ちょっと可能性を感じます。

そして一番驚くのはその音のパワフルさです。
密度感があって重量感を感じます。これはいままでになかった迫力です。
このへんからX1HA-EPCは問題もあるけど、可能性もまた大きいと考えます。逆に言うとその可能性を生かすために問題が生じているということでしょう。つまりパワーを得るためにノイズもまた出ているのではないかということです。

ここでちょっとリラックスして分析的に聴くのではなしに体でただ感じると(笑)X1HAはなかなか魅力的です。
全体の音の印象はRSAみたいに垢抜けた洗練されたものではないけど、しかしこの低域を中心とした迫力と密度感はどうだろう!
聴いているうちに全体的な垢抜けのなさはどうでもよくなります(笑)
こんなにロックが迫力があるアンプはあっただろうか。。がんがんくるという感じですね。
ロックでなくとも、たとえば以前書いたコントラバスデュオのAMAPOLAを聴いているとこんなにポータブルでぶぶおっというコントラバスの低域再現がいいのははじめてです。弦が唸っているというのでしょうか。
古楽器をきいていても低音方向の密度感にははっとするものがあります。
また高域は痛くなく抑えられていますが、シンバルの音もよく響きます。

X1HAを聴いてからSR-71を聴くと物足りなくさえ感じられます。X1HAはもちろんバランス駆動ではないけどシングルエンドからバランスに移ったような密度感の向上があります。

X1HAの真価はゲインハイにしてHD650をつけると分かります。
高インピーダンスのハイエンドヘッドホンをつけても、低音もほぼ完全にコントロールされてアップアップした感じはありません。次はホームアンプと比較してみたくなります。


この状態だとトータルではたしかにSR-71を超えるわけではないけれどもこのパワー感は病み付きになるものがあります。ロックポップ系にはかなりいいですね。
とはいえ、もちろんサミュエルズアンプ的な洗練された音とX1HAのパワーが合わさると最高なんですが...
このポータブルシステムの組み合わせになにかひとつ触媒が必要な気がします。
posted by ささき at 22:05| Comment(6) | TrackBack(0) | __→ Xenos 1HA-EPC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月28日

Xenos 1HA-EPC 到着

xenos4.jpg

TomahawkとCryo Dockでnanoを使ったコンパクトシステムは一通り完成しました。これとER-4Pの組み合わせはまさにすばらしいと思います。
しかし、HD25/BDv2をTomahawkにつけてみると音量自体は取れますが、あまりいい音とはいえないような気がします。たとえばIEMであることろのER-4Pを使ってSR71と比べるとTomahawkもなかなかやる、という感じですが、HD25/BDv2を使うとSR71との差はかなり大きく感じられます。
やはり非力に感じられるという感じです。音が大きくないというのではなく精彩を欠くという感じです。ゲインをあげればいいじゃないかというのとはちょっと違います。高負荷のヘッドホンを的確に制御するための駆動力の違い、といえばよいでしょうか。

ホームヘッドホンアンプの次世代としてバランス駆動というものを試行してみましたが、XLR化というほかにそのポイントのひとつは駆動力でした。ポータブルアンプの「次」を考えるに当たってもこの駆動力という問題はひとつのポイントになるのではないかと思います。


その点でひとつ面白いものが、このATPのX1HA-EPCです。XenosはカナダのATPシステムという会社のポータブルアンプのブランド名です。他のモデルは以前からあるようですが、この1HAは今月発売されたばかりの新型でHeadfiでもC&CやHeadphoniaと並んでちょっと話題のモデルです。
Xenosはクセノスとか読むのでしょうね、英語読みだとゼノスと読むかもしれません。TV番組表を見るとたまたま偶然TVでこのタイトルのものを放映してますが、調べてみるとギリシャ語で見知らぬ人という意味のようです。ポータブルアンプの新顔という感じでしょうか。

ハイパワーを求めるならSR-71やSuperMacro4-maxedoutもあるんですが、このX1HA-EPCは一味違います。
ふつうポータブルアンプというとオペアンプ+バッファ(たとえばOPA627+BUF634)という構成ですが、これらがそれぞれ普通のオーディオで言えばプリアンプ(電圧増幅)とパワーアンプ(電力増幅)に相当するわけで、いわばICによるその簡易版みたいなものでしょう。
このX1HA-EPCはパワーアンプに相当する部分が通常のバッファICではなくディスクリートで組まれていて、マッチドペアのトランジスタを使ったAB級で動作する本格的な出力段を持っています。

http://www.aptecpro.com/Xenos-Prod/X1HA/x1ha-epx-intro-page.html

オペアンプも出力段にはいっていますがそのドライバー段として使われているようです。1HAにはEPCのほかに他にEPTという入力段が同じで出力はディスクリートでなくチップ(TPA6120)を使っている廉価版モデルがあるのですが、こちらには余分なオペアンプはありません。入力段はEPC/EPTで共通なのですが、EPCでは出力段のトランジスタが動作するのにさらに余分なオペアンプが必要なのだと思われます。

そしてもうひとつX1HAの特徴的なところとして、電源は8.4Vの内蔵リチウム充電池ですが、これにスイッチング電源を組み合わせて強力な電源を構成しています。スイッチング電源はノイズが問題点ですが、本格的な電源回路をもつことでクリーンなものにしているようです。前モデルのX3HAをみるとこの電源回路自体でアンプ部分と同じくらいの規模があります。これは1HAも筐体が大きくなるはずですね。

http://www.aptecpro.com/Xenos-Prod/X3HA/x3ha-intro-page.html

これを普通のオーディオで想像すると、プリとパワーのセパレートアンプで二段式の別筐体の電源部がついたものを思い浮かべます。それをぎゅっとちいさくしてひとつの箱に入れてしまったという感じですね。X3HAの中を見ると電源回路とアンプ部との間は金属シールドが挟まっていて、出力トランジスタには放熱板までついています。そうしたものが必要かどうかはともかく、なんだか萌えます(笑)
それはともかく、X1HAは強力な出力段と電源というまさに普通のオーディオの基本をいっていると言えるでしょう。

これらによりX1HAは電池動力のポータブルながら32オームで800mW(0.8W)/ch(RMS)のハイパワーをしぼりだします。ちなみにLuxman P-1は32オームで1.0W/ch(RMS)です。
同じメーカーの廉価版であるX0HAという方は9V電池一個でOPA2134/LMH6642を使いますのでポータブルアンプの構成としては標準的なものです。こちらは同じ条件で約180mW(0.18W)/ch(RMS)ですので、他の一般のポータブルアンプも同じくらいでしょう。つまり普通のそうしたポータブルアンプに比べると、X1HAはポータブルながらホームアンプに匹敵する桁外れのパワーがあるということです。

そのほかにもシグナルパスからコンデンサーを廃したDCアンプであるとか、完全にシグナルパスから分離できるクロスフィード回路とか、Low Voltage Warning Systemと言っている電圧が下がってクリップを起こす前に電池切れを警告するシステムとか、なかなかに見どころ満載という感じです。


xenos2.jpg  xenos1.jpg
エアメールで送られてきましたが、10日ほどで届きました。(1月末まで送料サービスで$219です)
中には説明書と足とチャージャーがついてきます(国際仕様で100Vもカバーしています)。

大きさはSR71よりさらに少し大きいくらいです。重さもやや重いくらいです(326g)。シャーシは金属製で悪くはありませんが、SR71の造りには及びません。
また電池はさきに書いたようにリチウム充電池が内蔵されているので専用チャージャーで充電します。約16時間もつと記されています。

xenos5.jpg     xenos3.jpg     

ついて数時間というところですが、X1HAには驚かされます。
パワーがあるということは音が大きくなるというのではありません、音に力感があって重くなるんです。この音はいったい。。
HD25/BlueDragon V2は完全にタイトにコントロールするので、HD650にBlueDragon V2をつけてみてびっくりします。あの高インピーダンスのHD650をかなりうまく鳴らしています。

ただしやや背景が黒くないなどの問題もあります。完璧というわけではありません。
詳しくはまた。。

posted by ささき at 00:39| Comment(10) | TrackBack(0) | __→ Xenos 1HA-EPC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする