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2013年09月13日

日本だけの限定モデル、AK100 MKIIが登場

好評のAK100に日本だけの限定モデルとしてAK100 MKIIが発売されます。

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これは音質の強化と、アクセサリーの充実がポイントとなっています。商品名は『Astell&Kern AK100 MKII(マークツー) 32GB ソリッドブラック』、直販予定価格は76,800円(税込)です。
AK100 MkIIはほぼAK100と同じですが、主な改良点は出力インピーダンスを3オームと下げたところと、専用に調整されたプロEQ設定を持っている点です。また、AK120に付属していたブッテーロの高級革ケース(ブラック)とSundiskのMicroSDHCカードが2枚付属してきます。

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また、これとあわせてFitEar須山さんからイヤフォンではなく、高音質のUSBケーブルが登場しましたので、AK100 MKIIと合わせたレビューも書いていきます。

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1. MKIIでの改良点とAK100との違い

まずAK100 MkIIの音質的な改良では出力インピーダンスを3オームと下げたところがメインです。この点はAK120と同様です。
以前はこの出力インピーダンスが22Ωもある点が低インピーダンスイヤフォンに対しての弱みとしてユーザーサイドから指摘され、以前書いたRWAK100のように改造モデルが作られたりしました。
一般に出力インピーダンスが低ければスピーカーやヘッドフォンの駆動力・コントロールの力が高まり、特に低域での音の出方に効いてきます。また、オーディオでの出力はロー出しハイ受けが基本ですので、もともとのAK100の22オームという値はだいたいが16オームのイヤフォンには逆に高くなってしまっていたというわけです。
iriverはこの声をくみ取ってAK120ではきちんとここを改良してきました。ただしiriverほどの多国籍メーカーになるとさまざまな制約もあって、1オームではなく3オームとなっています。このAK100 MkIIでも同様の改良がほどこされています。これはAK100を育ててきた日本市場への贈り物と言えるかもしれません。
それと音質面ではAK120に近くなるように調整したという特別なプロEQも入っています(MkII専用です)。

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またAK100 MkIIはAK100のラグジュアリーモデルとしての意味もあり、アクセサリーでも好評のブッテーロのケースがはじめから付属してきます。AK120のケースとの違いは色が精悍なブラックで、正面にAのロゴがあしらわれているということです。これはAK100 MKIIの専用品で、単体発売はされないということです。
ブッテーロのケースを着せると高級感があり、かっこいいですね。また本体を保護する本来の働きもあります。ポータブルアンプとかさねるときにも良いですね。ケース表面には、Astell&Kernブランドを象徴する「A」の刻印が入っています。
加えて付属品ではSunDiskの microSDHC 32GBが2枚ついていくるもポイントです(Class10です)。販売価格で比較するとAK100とは2万ほど違いがあると思いますが、このケースとSDカードだけでも2万弱はするかもしれません。

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また、細かい点では本体背面には小さくですが、「MkII」の刻印が施され、箱もケース同梱なのでAK120のものに入ってきます。

2. AK100 MKIIの音質について

さて、肝心の試聴ですがAK100 MKIIをAK100オリジナルとAK120と比べてみました。RWAK100とも比較したいところですが、わたしのRWAK100は今はRWAK100-Sとなっていますので直接は比べていません。

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AK100 MkIIとAK100(左)、AK100MkIIとAK120(右)

はじめAK100とAK100 MkIIを聴き比べて、あれっと思いました。実際はAK100と比べなくてもAK100の音には慣れているので、AK100 MKIIをはじめに聴いた時点でそう思いました。
なぜあれっと思ったかと言うと、はじめに予想していた見込みと音の印象が異なったからです。はじめに予想していたのは出力インピーダンスの違いだけと聞いていたので、AK100とRWAK100の違いと似たものになるだろうということでした。(ちなみに国内のRWAK100同様の改造品についても聴いたことはあります)

AK100MkIIとAK100の音は単に低域の出方の違いではなく、全体の音傾向自体が異なっています。これはAK100とRWAK100との違いとは異なるように感じました。どう違うかと言うと、AK100の音傾向ではなく、AK120の音傾向に近くなっています。これもAK120の音に似せたのはプロEQだけと聞いていたので意外でした。この音の違いは私だけではなく、試聴機を聴いた他の人も認めています。
あわててファームの違いを確認しましたが、最新のAK100とAK100 MkIIは同じファーム(Ver2.20)バージョンを使用していますのでソフトウエアの違いではありません。(同じバージョンでもAK100とMkIIでは中身が違うかもしれませんが、それはわかりません)
思わず「話と違うじゃない」とアユートさんにメールしてしまいました 笑 (本当)。個人的に言うとAK100 MkIIの音傾向の方がAK100よりも好感が持てます。

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AK100 MkII + UE18

話を戻しますが、AK100、AK120とAK100 MkIIを低インピーダンス・マルチドライバーのカスタムイヤフォン、UE18+TWagで比べてみました。
低音の迫力が意図的に強調されている音響系エレクトロニカなどはオリジナルAK100で聴くと気の抜けたような低域になってしまうけれども、AK100 MkIIでは出力インピーダンスが下がった効果もあり、低音の迫力も高く量感もたっぷりあります。UE18ではかなり大きな差があります。Ak100MKIIでは(記憶の)RWAK100と遜色なく低域もレスポンスの良さを感じます。AK120と比較しても低域のレスポンスにかんしてそん色はないですね。ただし解像力とかベースの情報量などはさすがにAK120の方が上回ります。

全体的な音の印象もAK120と同じで、AK100とはやや異なっていて、なんとなくジャズとかクラシック向きのようだったおとなしめのAK100に比べるとよりダイナミックに感じられます。音の端正さは引き継いでいるけど、端正だがちょっと平面的なAK100に比べると音のメリハリもあって抑揚も明確ですね。そういう意味ではオールジャンルで使えるようになったと思います。

AK100とAK100 MkIIとAK120を並べて同じ曲で試すと、音の傾向はAK100がやや平坦であるのに対し、AK100 MkIIはメリハリが感じられ、音の傾向としてはAK120に近い感じがします。AK100とAK100MKIIは情報量は同じくらいだけど、音の個性が異なる感じです(低域の量感の増加に加えて)。
AK100 MkIIとAK120を比べると音の傾向は似ているが、AK120の方がやはり情報量は豊かでヴォーカルの発音や楽器音にしっかりした密度感があります。比較するとAK100 MkIIはAK120よりやや軽く聴こえます。半面でAK100 MkIIの方がAK120より聴き疲れがしないということもあるかもしれません。
AK100 MKII専用のプロEQをオンにすると細かく微妙ではありますが、さらにAK120に近い音の印象になります。ただし情報量などはよく聴けばAK120の方がより豊かなことが分かりますので、同じになるわけではありません。テイストが近くなるという感覚です。

RWAK100とAK100 MKIIの違いで言うと、記憶で言えばRWAK100の方がAK100 MKIIよりも少しクリアさは上回ると思います。RWAK100はインピーダンス抵抗のカットだけではなく結線をもいじっています。そういう意味ではRWAK100はそれなりの価値はあると思います。ただしRWAK100は音傾向はAK100と同じなので、そこは好みになると思います。

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AK100 MkII + パルテール(左)、Ak100 + IQ(右)

イヤフォンの相性で言うと、パルテールも良いですね。パルテールの透明感が生きてきますし、適度なダイナミズムも感じられます。バランスのとれた音を望む人にはよいでしょう。
この前記事にしたRe:cab;e+Ultrasone IQも良い感じです。低域の迫力ややや脚色した音の良さを楽しみたいならこの組み合わせも良いですね。

3. FitEaのUSBケーブル 「USB01-Micro35」登場

カスタムイヤフォンや大人気のパルテールでおなじみのFitEarから、イヤフォンではなくUSBケーブルが登場しました。このFitEar USB 「USB01-Micro35」はMicro USB(Micro B)端子を採用した長さ35cmの高品位USBケーブルです。USBケーブルやイヤホン等の持ち運びに便利なFitEarセミハードケースが付属しています。

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FitEar USB01-Micro35

AK100ではUSB DACの機能が付加されましたが、問題はオーディオ向けの高音質USBケーブルと言うと端子がミニUSBかフルUSBのものに限られてしまい、AK100で使用するマイクロUSBの選択肢が限られてしまうということです。これは最近出ているAndroid対応のUSB DACなどMicro USB端子を持つデバイス共通の悩みです。そうしたところにUSB01-Micro35の価値は大きいと思います。

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AK100MkII(左)、Macbook AIr 11インチ(右)

USB01-Micro35はとても短く余分な長さのないサイズで音楽再生に向いています。またMacbookなどノート用に使って外で使うのもありですね。AK100を電車ではDAPとして聴いて、喫茶店などで書きものをするときにMacbookとつなげてUSB DACとして音楽を楽しむ、というのも良いです。
感心したのはプラグがきちんとAK100ケースの切欠きにきれいにはまることです。AK100ケースのUSBの部分の切欠きにうまくはいらないUSBプラグもよくあるのですが、これはさすが国産らしい細かさです。

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須山さんに聞いてみると設計はAK120をリファレンスとしたようで、AK120がプロユースも念頭に入れているということから、このケーブルもDAW-DACで作業した時と、切り離してAK120単体でプレイヤーとして利用した際の音質差を小さくすることを目指したそうです。そうしてワイドレンジで高解像度でありながら、過度に高域のきらびやかさ、低域の量の無い銀メッキ線にて、派手さという面ではちょっと控えめとしたとのことです。ただし当初プロトタイプはもう少し音楽鑑賞用に演出的であったようで、その良さも残しているそうです。

試聴はAK100 MkIIとAK120で試しました。PCオーディオ的に使うので試聴にはヘッドフォンのEdition 8を使用しました。
音は透明感が高く、楽器の音は明瞭で細やかさはAK100の魅力をよく引き出しています。低域もEdition8では迫力がたっぷりあります。音質のレベルは高いと感じられます。音の切れがよくシャープさも際立つので銀メッキ線の良さも出ていますが、全体的にはきつさはあまりなく聴きやすくさえあります。音場の広さ、立体感の再現性も良いと思います。
AK120に変えるとさらに音質は洗練されてレベルの高いものとなります。比較としてワイヤーワールドの高音質USB ケーブルのStarlightと比べましたがこれら一級品とそん色のないレベルの音質です。透明感や明瞭感はさらに上回っていると思います。
プロユースを想定したということですが、音楽鑑賞用にも十分な良さがあると感じました。ポップロックでのノリの良さもなかなか良いですね。

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Xduoo XD-01とUSB01-Micro35

もちろんxDuooなどの最近のUSB DAC対応のポータブルにも向いています。それらのいわゆるAndroid対応DACを持っている方にもお勧めできます。
Micro USBで取り回し良く、音質の高いUSBケーブルを求めている人にお勧めです。

4. まとめ

AK100 MkIIについてはリリース内容のAK100との変更点での文言だけでなく、実際に聞いてみて判断するのが良いと思います。
AK100 - AK100 mkII - AK120というラインナップの中で自分にあったモデルを選ぶことができるでしょう。

AK100は市場に大きなインパクトを与えて、日本がそうした市場をリードしてきました。いまではフォロワーとおぼしき製品も他のメーカーから出てきつつあります。
そうした中でAstell&Kernのブランドイメージを守りながら、ユーザーの声を聞いて日本市場だけのモデルとしたのがAK100 MkIIと言えます。
購入に関してはAK100との音の違い、アクセサリーなどがポイントとなるでしょう。


追補. AK120のブラックブッテーロケース

AK100 MkIIのブラックのブッテーロケースがかっこいいと興味あるAK120ユーザーにはAK120用のブラックのブッテーロケースが発売されています。
こちらは単体販売されていますので購入が可能です。AK120にはシックなブラウンのケースが付属してきますが、AK120はそれほどレトロチックなデザインではないので、現代的で精悍なイメージのブラックもなかなか似合います。

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AK100 MkIIとAK120のブラック・ブッテーロケース(中、右)
posted by ささき at 17:02 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月19日

Red Wine AudioのRWAK100-Sレビュー

先日概要を紹介しましたが、VinnieさんのRed Wine AudioのAK100改造機であるRWAK100-Sが到着しましたのでレポートします。

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RWAK100はAK100改造品の先駆けとなりましたが、RWAK100-Sはさらにラインアウト専用とすることでポータブルアンプとの親和性を考え、心臓部にはウルフソンのハイエンドモデルであるWM8741をもとのWM8740と交換して音質を高めたモデルです。(ヘッドフォンは直接させませんので注意ください)
AK100ではWM8740をデジタルボリュームを使用するためにソフトウエアモードで使用しているということですが、RWAK100-SではWM8741にDACチップを取り換えるとともにDACをハードウエアモードで使うことでデジタルフィルタも高品質のMP(Minimum Phase)フィルタを使用しているというのもポイントです。これによりアーティファクト(計算の都合で出る不要な音)を減らして自然な音鳴りを実現しているとのこと。
またラインアウトからは2Vの真のラインアウト信号が出ているということです。しかしAK100系ではボリュームを最大(75)にするとWM8740のデジタルボリュームは最大になりますが、いくらかアッテネートされるということです。これらのことから以下のテストではAK120のボリュームを最大にしてもRWAK100-Sとはボリュームレベルが一致しません。念のため。

このモデルはRed Wineから貸与してもらっていたRWAK100をRWAK100-Sに改造したものです。そのためRWAK100はもう手元にありませんが、もともと持っていたAK100オリジナルは残っています。それとAK120を比較に使用しました。RWAK100-SはAK100よりもAK120と比べるべき音質を実現しています。つまりはハイエンドだけどシングルのWM8741 vs 普及モデルだけどデュアルのWM8740というわけですね。
外形はほぼ原形のAK100と同じですが、ボリュームを固定にしているので下記写真のように丸いカバーが付けられています。

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以下レビューはポータブルアンプとともにスピーカー機材も使用して行いました。
バッテリーの持ちということについてはDACを高性能のWM8741に変えたこともあり、オリジナルから20%減とホームページでは書かれています。実際の使用ではもともとAK100が十分な時間持つこともあり、あまり減りは気になりませんでした。

*ポータブル

ポータブル試聴ではRWAK100-SにDirigentのCristal cables micro線を使ったミニミニケーブルを使用してポータブルアンプに接続し、ヘッドフォンはEdition8、イヤフォンは主にUltimate EarsのカスタムUE18にWhiplashのTWagケーブルを付けたものを使いました。UE18を使うのはAK100のもともとの音にUE18が似合うと思っていたからで、その印象はAK120やRWAK100-Sでも変わりありません。もちろんJHAやFitEarも良い音を出しますのでここは好みともいえるかもしれません。ただ私がAK100系の音にはUE18が似合うと思うだけです。

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RWAK100-S + RX MkII

まず試してみたのはある意味純正の組み合わせと言える、ALO/Red Wineというつながりの良さからALO RX MkIIです(上の写真)。これはRWAK100-Sの性能をポータブルでは存分に引き出していると思います。
RWAK100-S+Dirigent+ALO RX MkII +Edition8という組み合わせです。RWAK100-Sのファームバージョンは1.32です。
まず感じるのは全体に音が濃密で厚みがあるということ、音の高いところから低いところまで楽器の音がとても洗練されていて明瞭に描き出されるというところです。高域では透明で芯がある鳴り響きの良さでもきつさは感じられません。この辺はMPフィルタの効果でしょうか。低域はその深みに驚かされます。音の広がり感においては大きな変化はないかもしれませんが、楽器の重なりの立体表現という点では秀でていると思います。Gustave Coquitの新譜Bulkyは録音スタイルにも凝っていますが、RWAK100-Sで聴くと独特のミュージシャンに囲まれ迫りくる感覚が驚くくらいに再現されます。音の細部の表現にも優れていて、ヴォーカルがかすかにつくため息や小さなつぶやき、楽器の余韻の消え入るような小さな音もしっかりと抽出しています。背景の黒さも高原の闇夜という感で、かなり漆黒という感じです。総合的な音の豊かさはさすがにハイエンドDACチップの力を感じさせられます。AK100のWM8740でもとてもよく実装していると思いますが、細部でやはりハイエンドチップを使った上級プレーヤーと比べると物足りなさを感じる点もありますが、さすがにWM8741を装備したRWAK100-Sはそうしたニュアンスの満足感も十分に与えてくれます。それらはしっかりとした音の重みや実在感というものにつながってきます。
これらはジャズやクラシックのような上品なところで聴いてくるだけではなく、RX MkIIと合わせた迫力でメタルなどのラウドな音楽でも力強くカッコよく鳴らします。これは2Vのラインアウトの音圧がきっちり出ているというところも関係しているのかもしれません。音が腰砕けになりませんね。

AK120との聴き比べです。ボリュームは75(Max)に設定しています。
Hands(BrianBlomberg)やヘルゲリエントリオのTake5などでジャズベースやドラムスの切れ味テストをしてみました。この辺がジッターなどデジタル回路の良しあしが良く出るポイントだと思います。
細部の細かなニュアンスが洗練されていて、音の深みがRWAKの方が上ですね。音の切れの良さは良い勝負ではあるんですが、やはりRWAKの方がややベースのピチカートの切れの鋭さとピシッとした止めの確かさがやや上回ります。音の明瞭さもRWAKの方がはっきりくっきりとしています。スピードもRWAKの方がスピード感があります。AK120はやや緩め軽めに感じられます。ただ相対的な比較なので、AK120も一般的にはかなり良いと思います。またAK100オリジナルとも比較してみましたが、この場合は全体的に音が間引かれて軽くなったという印象をうけます(前2者と比較すると)。ただしAK100でも相対比較ではなしで単体で聴くとかなり良いというレベルです。AK100もコストパフォーマンスという点では優れていますね。

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DX100 + RX MkII

DX100との聴き比べ(単体でEdition8を直差し)
DX100も音の細かさや全体の表現力は優れていると思っていましたが、やはのこのように単体でRWAK100-S + Rx Mk2のような組み合わせと比較すると全体に軽くゆるく感じられてしまいます。ちょっと物足りなさ感がありますね。
次にDX100のラインアウトからRXにDirigentケーブルで接続してDAP+アンプで試してみました。この組み合わせだとかなりかさばりますが、音の濃密感や切れの良さは大きく向上します。やはりDX100といえども内蔵アンプの質はいまひとつではありますね。ここでRWAK100-Sとプレーヤーを取り換えてみると、やはりRWAK100-Sの方が音の切れの良さ、さらなる濃密感、クリアな明瞭さで上を行きます。差ははっきりとわかるほどです。ES9018のDX100と比べても細やかさでもひけはとりませんね。ここはもうちょっとDX100ががんばるかとは思っていましたが、DX100もまだ向上点はあるようにRWAK100-Sに教えられたように思えます。
AK120、DX100というハイレベルの機器との聴き比べでもRWAK100-Sの性能の高さははっきりとわかりました。

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RWAK100-S + SR71A

次にアンプをSR71Aに変えてみると、音にRSAらしい暖かみが付加されるのがわかります。音空間はややコンパクトになりますが、より滑らかで音楽的な聴きやすさが出てきます。SR71Aではベースの強さは深みというより迫力・インパクトとして現れます。それでも全体的な音の外郭は変わらずに思えますのでRWAK100-Sの音の支配力の強さがうかがえます。

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RWAK100-S + iQube V1

音質の高さと言う点で感心したのはiQubeとの組み合わせです。iQube V1/V3もまたRWAK100-Sの魅力をフルに引き出してくれる組み合わせです。RSAなどに比べると硬質にはなりますが、iQubeのHypex系の高性能デジタルアンプは正確にRWAK100-Sの緻密で精緻な音を再現しています。音の切れの良さ、広がりとスケール感の大きさ、そしてリアルな音の再現性もかなりポータブルというレベルではないくらいですね。これもEdition8のような高性能ヘッドフォンで聴きたい組み合わせです。RWAK100-SのサイズがコンパクトなのでiQube V1でも良いですね。このオリジナルiQubeでも上のような精緻で正確な音世界を楽しむことができます。プレーヤーから出てくる音のカタチはこうであったのか、という感じです。電池を変えて音を変えるというのもV1 iQubeの楽しみですね。私はSANYOのNi-MHを使用しています。
iQubeはHypexの高性能デジタルアンプを採用していますが、いままでのソース機材ではiQubeの性能を出し切ってはいなかったのだと気がつかされました。これはまさにハイエンドオーディオの音をポータブルに移し替えたというようなレベルの音です。

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RWAK100-S + Portaphile 627

音質の高さという点で次にDACなしの質実剛健ポータブルアンプでは最強クラスのPortaphile 627で試してみました。L+R+Gの3チャンネル設計でチャンネル当たりOPA627+BUF634x2、つまりBUF634を6個使用というもの、音質重視のあまり電池が4時間しか持たないというつわものですね。
RWAK100-SとPortaphile 627で組み合わせて聴いて見るとまず感じるのは音空間の広がりが際立っていて、空間的なスケール感の豊かさを感じます。そしてアナログ的な滑らかを感じます。解像力も高く、周波数特性も優れているように思います。Portaphile 627もRWAK100-Sの魅力をiQubeとは別の面で十二分に引き出しています。RWAK100-Sの自然な鳴りを実現するMPフィルターも効いてるんでしょう。RWAK100-SとPortaphile 627の組み合わせはちょっとすごいと思います。
Portaphileは性能の高さで知られていますが、むしろ美点と感じるのは滑らかでスムーズな音表現です。A2PのTu05も続けて聴いてみたんですが、同じではありませんが意外と似ているのに驚きます。真空管アンプの雄とソリッドステートの雄が似た感じになるというのは、ある点を突き詰めると同じ感じになるのかもしれませんね。

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RWAK100-S + A2P Tu05

A2PのTu05はRWAK100-Sとの組み合わせは素晴らしいの一言です。期待されるような滑らかさ美しさの他にもホームアンプ並みの堂々たる再現力をRWAK100-Sとの組み合わせでは楽しめます。さすがにポータブルと言うよりはトランスポータブルと言う感じではありますが、、

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RWAK100-S + Tomahawk

これ以外で良い組み合わせだと思ったのはRSA Tomahawkです。これは特にイヤフォンに向いています。TomahawkではRWAK100-Sのベスト性能を引き出すとは言えませんが、それでも音の再現力はたいしたものです。RSAはでかいコンデンサーを使うことで知られていましたが、これによる適度な色付けが生きている最後のアンプとも言えますね。これ以降RSAではP51のようにでかいコンデンサーは姿を消していきます。そうした良い意味でのオーディオ表現がRWAK100-Sで生きてきます。さすがにこの季節になるとポケットスペースも限られてきますのでそうしたときに良いですね。しかしTomahawkでもRWAK100-Sの音の支配力は感じられます。

このようにRWAK100-Sではアンプを変えて音つくりを楽しむという点でも存分に楽しむことができます。それでいて、RWAK100-Sというしっかりした音の基礎を気付いて音世界を作り上げています。そこが音の支配力を感じるという点でもあります。システムの音質を大きく引き上げてくれます。
かつてすごかったXinのSM4とも組み合わせてみたんですが、いまでも悪くはないですけどiQubeやPortaphileほどの驚きはないですね。ポータブルアンプの世界の進歩も感じさせてくれます。

*スピーカーシステム

私は最近はタイムロードさんのショウルームでDSDイベントを行っていますが、その際に使用している機器をイベントが終わってからタイムロードさんの好意でお借りさせてもらい、このRWAK100-Sをハイエンドスピーカーオーディオ機器で再生してみました。
機材はRWAK100-SからALOのmini-RCAケーブルでCHORDのプリアンプCPA5000に接続し、次にCHORDのパワーアンプSPM1200からスピーカーのRaidho AcousticのS2.0スピーカーで再生します。これをAK120のヘッドフォン端子の音と同条件で比較してみました。

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RWAK100-S + CHORD CPA5000, SPM1200, Raido S2.0

比較するとAK120の出力でも良いのですが、RWAK100-Sと比べると相対的にあっさりとして軽めな音で、音が緩く聞こえます。RWAK100-Sはさらに濃い音で豊かな密度感が感じられます。パーカッションのインパクト、切れの良さもRWAK100-Sの方が上と感じました。RWAK100-Sでは音のひとつひとつがやはりソリッドでしっかりした明瞭さを再現しています。
両方ともこんな小さなプレーヤーからこのハイエンドシステムに負けない音が出てくるのには驚きます。

* まとめ

端的にいうとRWAK100-Sで特徴的なのはリッチ、ソリッド、ディープというキーワードかなと思いますね。音楽再現の厚みと豊かさ、芯のある音像の明瞭さ、低域の深みと力強さ、音空間の深みには特に驚きますね。いままで高級オーディオ機器で再現できていたようなテクスチャとか厚みなどそうしたものをポータブルにも持ち込みたい人にはお勧めです。ただしアンプとケーブルはそれなりのものが必要になります。一方でトマホークのところで書いたように密度感のある音自体はこのクラスでも楽しめますので音の支配力と言うのは面白いところもあります。
iQubeとの組み合わせではすべての曲ではないけれども録音によってはいままでのポータブルオーディオは経験したことがないような音の深みを感じさせ、新しい可能性を感じさせてくれます。

最近では私の興味はもっぱらハイレゾDAPの方に向いていて、DAP+アンプの二段重ねというのからは興味は離れていたんですが、この分野にまた引き戻される思いがします。
また、アンプの重要性のみならず、ソース機器である上流の音の支配力というものを考えさせられた面もあります。ポータブルオーディオも奥が深いものです。Portaphileの滑らかさ、iQubeの正確さ、SR71Aの暖かさ、それらがRWAK100-sの素晴らしいソース品質で再び輝いた思いがします。
現状でアンプと組み合わせるソース機材としてはベストかなと思います。せっかくの高性能ポータブル機材を持っていてもソースがiPodではもったいないですね。

最近ではAK120への買い替えなどでAK100の中古市場も活性化されていますので、これを買って改造してもらうというのもまたAK100が安い日本市場ならではの強みかもしれません。

購入は下記サイトからPurchaseの項で価格を確認ください。
http://redwineaudio.com/mods/rwak100
今現在だとAK100を送って改造してもらうのは$495です。いま改造するAK100を持っていない人はRWAK100-S playerという項で新品を改造したものを送ってもらえます。価格は$1145となります。
高性能ポータブルアンプ、高品質ケーブル、高音質イヤフォン・ヘッドフォンを持っていて、ポータブルでのベスト音質を追及する人にお勧めします。
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2013年07月16日

AK120のDSD対応について

本日AK120のDSD対応ファームウエア1.30が公開されました。
プレスリリースを見ると対応について(DoP, PCM)と書いてありますが、AK120のDSD対応は2つに分けられるようです。

1. プレーヤー内(AK120)での再生
これは通常のようにAK120のプレーヤー内にDSD音源を格納して再生します。
DSFとDFFの両方に対応しています。再生はPCMに変換する方式を使用していて、PCMでは88.2kHzとなります。ただし負荷がかかって操作が重くなります。

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2. USB DACとしてPCから再生
これはAK120がDSD対応USB DACになるというものです。PCからはDoPで伝送します。ただしいずれにせよこの場合でもネイティブ再生とはならずにPCM変換となります。通常はPCのソフト側でDSDに変換しますが、この場合はプレーヤー内部のファームウエアで変換するということになりますね。

MacでAudirvana Plusで試してみました。AK120をMacに接続してAudioMidiを見ても対応サンプリングレートは同じです。
AudirvanaのpreferenceではDSD64対応というのが見えていますので、対応しているのは間違いないようです。しかし再生してみるとDoPでは再生できません。ためしに旧dCS方式にしてもダメです。もちろんMac側のPCM変換は機能します。

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ここで気が付いたのですが、DoPって176kHz/24bitが必要ですが、AK120のスペックを見ると176kHzでは16bitにしか対応していません。AudioMidiで変更しようとしても176/24にはできません。このため矛盾が生じていると思います。これについてはちょっと確認をお願いしています。
PCについては未確認です。

* 7/17追記
USBからのDSD再生は今回サポート外となったそうです。

これができれば将来WM8741版のAKxxxなんかが出た場合にネイティブ再生への道が開かれることになりますが、、
posted by ささき at 22:09 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月27日

RWAK100のラインアウト専用Sバージョン登場

おなじみRed Wine AudioのVinnieさんがまたまたやってくれました。
AK100のRWAK100改造品を以前紹介しましたが、今度はRWAK100-Sという改造バージョンが出ました。
http://redwineaudio.com/mods/rwak100

これはAK100ベースの改造品で、なんとDACチップをWolfsonフラッグシップのWM8741と交換して、さらにヘッドフォンアウトをアンプセクションからバイパスして2Vrmsの真のラインアウト専用にするというものです。ヘッドフォンの直差しは出来ずにラインアウト専用となります。もともとiMOdの第4世代版はこういう感じでしたのでVinnie modらしいところです。

AK100ではWM8740をソフトウエアモードというモードで使っていたのでデジタルボリュームが使えていたそうですが、WM8741はハードウエアモードということでボリュームはまったく使えなくなるそうです。このためAK100のボリューム耳を除去してくれるそう。またオプションのminimal phaseデジタルフィルタを有効化するそうで、アーティファクトのない自然な音が楽しめるそう。
光アウトはまだ生きているようですが、強化されたDACセクションを使うためにアナログアウトから取るのがもちろんメインとなります。良いポータブルアンプとの組み合わせで光ることでしょう。

ちなみに改造費は$495でRWAK100から改造する場合は$100安くしてくれるようです。
AK120にアップグレードしてAK100が余っている人には良いと思います。
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2013年06月14日

AK120のUSB DAC機能について、バージョンの違いについて

AK120が6/15から発売されますが、この製品版でははじめからUSB DAC機能が入っています。
ただし初回ロットで出荷のAK120についてはファームウエアバージョンが1.11で出荷されていますが、試してみたところ1.11ではUSB DAC機能が不安定でした。そこで本日(6/14)新バージョンで1.21というのがダウンロード可能となりましたのでこちらにファームウエアを更新してからUSB DAC機能を使うことをお勧めします。至急今確認してみたところ1.21ではほぼ問題が解消されていました。(このために記事を控えていました)

ダウンロードリンクは下記です。
http://iriver.jp/support/file_1128.php

AK120をPC/Macに接続すると下記左のようにUSB DAC機能が選択できるようになります。ここでUSB DACを選択すると右のように接続画面になります。下に見えるのはボリューム表示です。

ak120_1.jpg     ak120_2.jpg

AK120のUSB DAC機能についてはMacでもWindowsでもドライバーのインストールは必要ありません。つまりOSの標準(クラス)ドライバーを使用しています。
ここで特徴的なのはWindowsでも標準ドライバーで192kHz対応しているということです。

* Windows

Windowsでは7でもXPでもドライバーのインストールなしで192kHzが出力可能です。つまりドライバーレスでXPでも192kHzが再生可能としていることからクラス1でのHighspeed拡張機能(Audiophilleoやアンテロープのように)を使用していると思われます。クラス2ではないようですからWindows7でもドライバーインストールなしで192khz対応できるわけですね。ただし192kHzは16bitで対応となります。実際に試してみるとWindowsでは接続してプロパティを見ると下記のように表示されます。

ak120.gif     ak120_121.gif
左: 1.11、右: 1.21

上の画像のリストで興味深いのはV1.11では44/24や48/16はありますが44/16の対応がないことです。実際にFoobar2kで排他モードWASAPI出力にして出力幅を16bitに固定すると44/16ではエラーが出ます。
ただしこの場合でも44/24では再生できるのでCDリッピングソースは普通に再生できます。
またV1.21では右図のように修正がされています。これはWindowsでは大きな問題ではありませんが、Macでの自動サンプルレート切り替えで影響が出てきます。

XPからは試してませんが、XPではカーネルミキサーをバイパスしないと48kHzで出ることになりますので注意してください。これにはASIO4ALLとかカーネルストリーミング(KS)を使います。
Win7では共有モードWASAPIの場合は上記のドライバーのプロパティのサンプリングレートにリサンプルされます。iTunesではWASAPIも使えますが、共有モードWASAPIになると思います。音源ソースのまま出力したいときは排他モードWASAPI(またはASIOやKS)を使ってください。

ボリューム操作はUSB DAC接続中でもAK120側で可能です。これはAKシリーズのボリュームがWM8740のデジタルボリューム機能を使っているらしいので、USB DAC使用時でもデバイス側(AK120)でボリュームを変更できることになります。
ただしPC側ではJRMCで試してみるとDAC側ボリュームコントロールは対応できないようです。ソフトウエアボリュームにすればPCで音量調整できますが音質が低下します。AK120をUSB DACとして使う際にはPC側はボリューム最大にしてAK120のボリュームを使うのが良いと思います。(1.21でも同じ)

USB DACでの音質は再生ソフトやUSBケーブルにも依存すると思いますが、プレーヤー直と比べてもそん色ない高い音質です。ただしMicroUSB用のいいケーブルが少ないので変換コネクタなどを使わねばならないのは難点かもしれません。

* Mac

MacからはMacbook Airの10.8で試しました。
MacでもやはりAudioMidiを見るとサンプリングとビット幅については上のWindowsの組み合わせのみ使えるようです。やはりMacでも1.21では44/16が選択できます。下記は1.21での画面です。

ak120_mac.gif

Audirvana Plusで試しましたが1.11では自動サンプリングレート切り替えをする際に44/16のリッピングソースと96/24などのハイレゾソースを切り替える際に不安定なエラーが起きることがあります(起こらないこともあります)。DecibelやPure Musicに変えても同じです。この問題はV1.21では修正されました。どのソフトでも問題ないようです。
このため特にMacを使用する人は1.21にアップデートしてから使用することを進めます。
いずれにせよこの問題はiTunesでは起こりません。なぜかというとiTunesでは常にAudioMidi設定に応じて(つまりCoreAudioのAUで)リサンプリングされるからで、iTunesでは能動的にAudioMidi設定を変えに行かないからです。もともと安全な値に設定してあればそれを使うので問題ないというわけです。他のプレーヤーでは能動的に変更に行くのでその際になにかあったようです。

またやはりDAC側ボリュームは使用できません。これは1.21でも同じです。Audirvana PlusのDAC onlyでもDecibelのSystem Volumeでも同じです。Audirvana Plusのソフトウエアボリュームなら高精度なので使用に耐えますが、これもできればMac側では固定してAK120側で変更したほうが良いかもしれません。

* iPad

またiPadにカメラコネクションキットを経由してAK120に接続すると電源超過のメッセージが出ます。これは1.21でも同じようです。
AK120はバッテリー内蔵しているのでUSB 給電のオフが選択できればiPadと接続できたと思います。iPadはアンテロープZodiacとの接続実績があるのでクラス1での拡張機能に対応しているはずです。

* Android (Nexus 7)

Nexus 7(Android4.2)では前に書いたUSB Recorder proを使用します。立ち上げてUSB OTGケーブルで接続すると認識できないとエラーが出ます。V1.21でも同じです。
こちらはUSB recorder proが自前のドライバ作っているのでちょっとイレギュラーなのは対応できないのでしょう。上限が96k/24で良いから普通にClass1で対応してくれば応用範囲も広がったと思いますが、AK120は192kが売りですからWindowsからのドライバーインストールなしでの192kHz出力を実現したかったんでしょうね。ただUSB Recorder proではなくGalaxy S3などの標準ドライバーからはまた別の話ですので念のため(私が試せないのでやってません)。
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2013年05月09日

iriver AK120登場! デモ機レビュー

好評のiriver AK100の上級機種であるAK120が発表されました!
商品名は『Astell&Kern AK120 64GB ソリッドブラック』です。

IMG_1178_filtered.jpg

パッと見た感じはAK100を少し大きくした程度でコンパクトさはキープコンセプトで変わらずという感じです。私の画像はデモ機のものなのでプレスリリースの画像も参照ください。

プレスリリース用 jpg.jpg

AK100に対しての改良点は次の通りです。(現時点で公開可能な情報です)

・デュアルDAC
DACチップ自体はAK100と同じWM8740ですが、なんと今回はデュアルDACとなりました。つまり左右チャンネルをそれぞれ一個のDACで専用にDA変換しているということですね。これは予想以上の音質向上があります。

・出力インピーダンス3Ω
以前はこの出力インピーダンスが22Ωもある点が低インピーダンスイヤフォンに対しての弱みとしてユーザーサイドから指摘され、以前書いたRWAK100のように改造モデルが作られたりしました。
普通こう言うのは無視する会社も多いのですが、iriverはこの声をくみ取ってきちんとここを改良してきました。ただしiriverほどの国際的メーカーになるとさまざまな制約もあって、1オームではなく3オームとなっています。とはいえ聴いてみると十分な改良です。

・ボリュームガード
以前のAK100ではボリュームノブが軽くて不意に回りやすかったこともあり、トルク感を改良するとともにボリュームガードが付きました。サイズ変更以外で目に付く外観の変更はこの点です。

IMG_1192_filtered.jpg

・スリープ機能が付加
これは操作していても設定した時間が来ると電源が切れる機能です。

IMG_1186_filtered.jpg

・アルバムアートが全画面かフィットか選択可能
アルバムアートの表示においていままでは全画面でしたが、これは左右を黒抜きにしてアスペクト比通りにアルバムをすべて表示する機能です。この切り替えができます。

IMG_1182_filtered.jpg  IMG_1185_filtered.jpg  IMG_1184_filtered.jpg

・EQにプリセット済みの「プロ」設定が付加
いままでUSERという設定があった画面にUSER設定に追加してプロ設定という固定のイコライザー項目が増えました。これはiriverエンジニアのおすすめ設定です。(イコライザの細かさなどは変更ありません)

IMG_1188_filtered.jpg

・ギャップレス再生のオン/オフ設定の付加
待望のギャップレス機能が付加されました。

IMG_1187_filtered.jpg

・内蔵64GB+microSD64GB×2対応
いままでもFAT32で再フォーマットすることで64GBが使えていましたが、AK120からはSDカード購入時のまま(exFAT)で認識するようになりました。これは小さいですけど画期的な改良ですね。またSDXCも対応しているようです。

・レザーケースの付属
AK100ではファブリックポーチがついていましたが、AK120ではAK100の専用ケースのようなレザーケースが付属する予定です。(これはデモ機なので写真はありません)

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このほかにホーム画面が変更されています。良く使う項目がまとめられた感じで使いやすくなりました。フォルダなんかも直接指定しやすくなりましたのでデータベース更新せずともすぐに転送後に曲を聞きやすくなりました。この新ホーム画面がAK100でも追加されるかはわかりません。

* 実機インプレッション

AK120のサンプル版をお借りして一週間ほど使用しました。
サンプル自体はプレの為、製品版と外観が多少異なります。あくまで音質のインプレッション用ですが、音質はほぼファイナルと聞いています。またファームもv0.85ですが製品版では1.00の予定です。これを見るとAK100と完全に共通ファームではないようですね。

IMG_1190_filtered.jpg

前出の改良点以外の機能はAK100のままで、サイズは多少大きくなったという感じです。サイズ的にはAk100では多少はみだしていたXD-01がぴったりはまるくらいになったというところです。多少大きくなったと言ってもほとんど変わった感じはありません。おそらくしばらく使ったらサイズが大きくなったことは忘れるでしょう。ガードのついたボリュームは適度なトルクが増えてよい感触となりました。側面の再生・ポーズ・早送りボタンは同じです。

バッテリーは容量が増えてややスペック上の持ちは減りましたが、前が十分あったのでまだ良いレベルです。実際に一日使っていても電池の減りに関して前との差はあまり感じられません。
おそらくDAC二基ついたことでバッテリー容量は増えても持ちは減ったのだと思いますが、たっぷり電力を消費するのはオーディオ的に音が期待できる証でもありますね。逆に持ちが長くなると音質は悪くなったのかと疑ってしまいます。
新しいホーム画面はなかなか使いやすく、特にタグではなくフォルダで移動するときにホームから選択できるようになったのが使いやすいですね。他の点ではAK100の使いやすさを引き継いでいます。おそらくAK100を持っている人は大きな戸惑いはなく使えることでしょう。

ak120-20130320-pers2.jpg

肝心の音質ですが、実のところこの音質面がAK120での一番の改良項目です。
以下でAK100でも良く使っていたUE18カスタムイヤフォンとWhiplash TWagケーブルで試聴しました。

音質の向上はかなり高いものです。はっきりと明瞭感と情報が豊かになってDACが強化されたのがわかります。情報量が増えたことで全体的に厚みがまして音の豊かさの表現力が増えています。ひとつひとつの音の明瞭感やシャープさがかなり向上しています。またデュアルの効果か立体感が際立って向上していますね。堂々とした空間の深みが感じられ、ピアノ曲でもピアノの音だけでなくホールに響き渡る深みが感じ取れます。細部の細やかさは鮮やかに曲のニュアンスを描き出し、AK100と同じ曲を聴いても感動が違います。
ヴォーカルの肉質感も上がり、唇の細かな震えも感じ取れるようです。ささやくような手嶌葵の歌ではちょっとぞくっとします。複雑なRajatonやAuraなどアカペラコーラスの声の立体的な重なりとハーモニーの豊かさは高級DACを思わせます。
これが本当にAK100と同じWM8740か?という感じですね。デュアルの効果はそれほど大きいものです。もちろん回路自体も改良はされてるとは思います。

出力インピーダンスが下がった効果もあり、低音の迫力も高く量感もたっぷりあります。オリジナルAK100ではUE18で低域レスポンスが悪かったのですが、AK120ではRWAK100と遜色なく低域もレスポンスの良さを感じます。またRWAK100のように単に低域のレスポンスが上がっただけでなくDACの改良によって、低域の解像力や厚みも上がってるのでベースの再現力はかなり上がったように思えますね。低域に凄みと細やかさも感じとれます。
楽器の音再現が正確なのは相変わらず、音のキレ味も良いのでロックでのドラムスも気持ち良いですね。民族音楽のパーカッションもリアルな打感が伝わるようです。メタルでもパワフルにかっこよく感じますね。まあメタルといっても私が聴くようなのはEluveitieとかNightwishとかそういうのですが。

全体的な音の印象もなんとなくジャズとかクラシック向きのようだったおとなしめのAK100に比べるとよりダイナミックに感じられます。音の端正さは引き継いでいるけど、端正だがちょっと平面的でのっぺりとしていたAK100に比べると音のメリハリもあって抑揚も明確ですね。おそらくAK100ではちょっと好みに合わなくてWalkman Z1000にNetronなどで聴いてた人も満足するかと思います。そういう意味ではよりオールジャンルで使えるようになったと言えるでしょうね。

全体的な音の完成度が高くハイエンドオーディオDACのようにも感じられる堂々とした品格が感じられるます。価格も高くなりましたが、やはりそのくらいの内容はあるかという感じです。ここはHM901みたいに専用のラインアウトドックのような機構もあればなぁと思いますね。
とにかくカスタムでもなんでも一番良いイヤフォンで聴いてください。個人的にツボにはまったのはFitEarパルテールとAK120の組み合わせで、なんか聞いたことのない独特な音世界が広がります。ヘッドフォンでもEdition8は問題なく鳴らせますし、AK120の高性能をいかんなく発揮できると思います。空間再現性の高さはヘッドフォンの方がわかりやすいかもしれません。



AK120_haltupyouyou.jpg

まとめると外観的には正常進化形ながら、内面の音質的には大きく変わって新型といっても良いくらいです。音だけ聴くと120というネーミングは控えめでAK200で良いと思うほどですね。ちょっと音は予想以上でした。はじめはAK100と単体同士で比較しようかと思ってましたが、そういう微妙な差ではありません。
AK100+XD-01(光デジタル)との比較では外付けアンプの強みか力感はAK100+XD-01の方が良いけれども、音の繊細さや情報量、立体感などDAC要素が関係する項目では単体でもAK120の方が上ですね。XD-01のDACも良いと思っていたけどAK120と比べると平面的に聞こえます。もちろんAK120とXD-01をアナログで接続するとAK120の解像力とXD-01の力強さがともに味わえます。AK120の能力を発揮するにはアナログ接続が良いでしょう。アナログなので良いケーブルを使用してください。
RWAK100との比較だとAK120のベースのレスポンスが引けを取らないだけではなく、AK120ではベースの深みがあり解像力や低域のニュアンスが向上しています。ここもDAC性能の差が出ていますね。

外観変化があまり無いので物足りなく思う人もいるかもしれませんが、AK100の魅力はコンパクトながら高音質という点だと思います。ある意味ガワはほぼコンパクトであまり変わらないAK120という感じで、音は大きくグレードアップしてAK200っていうのは理想的かもしれません。
この生産直前モデルの前にもプロトタイプをちょっと聞いたことはあるのですが、それよりもこの生産直前モデルの方が音は良くなっています。ファームもかなりの頻度改良を重ねているようです。
またこのAK120は日本の要求もよく聴いて取り入れているそうです。そうした点では日本のユーザーがAK100を率先して育ててきましたし、その実りがAK120として結実したともいえるでしょう。

なお販売予価はメーカー直販価格で129,800円(税込)になります。価格も高くなってしまいましたが、音を聞くと納得してもらえるかと思います。ただ発売に合わせてなにかしらのキャンペーンを期待したいところです。
そして、、実はこの他にも隠し玉の機能があるのですが、それは新製品発表会での公開となります。

iriverの発表会は11:00からで9Fの予定です。こちらは一般の入場可能です。私も少しインプレッションを話させてもらう予定です。iriverブースは7FホールB(No11)ですのでこちらにもお越しください。
ぜひこのAK120を聴きにヘッドフォン祭にいらしてください !
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2013年03月22日

AK100のオプション品追加と新生活セットのカスタマイズheavenIV

ポタ研で参考出展していたAK100のカラバリのうちで世界的に集計した結果、ゴールドとシルバーの発売となりました。細かい部品までしっかりカラーリングしているのがポイントとのこと。

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日本のポタ件の集計ではレッドが多かったと思いますが、これは日本だけだったようです(赤って日本のイメージカラー?)。

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それとAK100の専用ケースが発売されました。ケースについては以前ネットでも販売されていたようですが、今回は不要と思われたパーツを取るなど改良をしたうえでメーカー純正品として発売するようです。色も多少異なるということです。カラバリ、ケースともに限定数販売という形で4/6(土)発売の予定になります。
** ゴールドモデルの発売は4/20となりました。

* 新生活セットでのFinalのheavenIV

少し前にAK100のお得なセット商品として「新生活応援セット」が発売されています。これは好評のfinal audio designのheavenIVをAK100向けにカスタマイズして組み合わせ、e-Onkyoのダウンロードクーポン5枚とmicroSDカード32GBをセットにして販売するというものです。
AK100向けにカスタマイズされたheavenIVというのはなかなか興味あるところですが、今回このカスタマイズされたheavenIVを使用して、AK100(標準品)と組み合わせて音のインプレッションを書きます。

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heavenIVはfinal audio designが開発したバランスド・アーマチュア(BA)のシングルドライバーを採用したイヤフォンです。
このカスタマイズ版のheavenIVの通常版との違いはブラックメタリックの限定カラー、Astell&Kern とfinal のロゴ刻印、そしてAK100に合わせた音のチューニングです。こちらのfinal audio designのホームページに書かれています。
http://final-audio-design.com/archives/1851

イヤフォン自体がわりとスリムで挿入しやすいのは良い点で装着感も優れています。フラットなケーブルは適度な反発があってからみにくいのも良い点です。

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イヤピースは二種類入っています。開口部が小さくずんぐりしたほうが遮音性の高いAタイプで、より円錐に近い方が共振音の少ないBタイプです。これは低域の出具合とか音の全体のバランスなどを比べてみて自分の好みに合わせた自分ながらのチューニングをして楽しんでみると良いと思いますね。
final audioは筐体の素材にこだわるメーカーですが、上位機種のheavenVIがクロム銅を採用しているのに対して、heavenIVではステンレスを採用しています。

final audioのheavenシリーズはBAM(Balancing Air Movement)というイヤフォン内部のエアフローを調整する仕組みで音質を高めている点が特徴です。ShureのSE215SPのところでも書いたようにイヤフォンは内部のエアフローのチューニングが重要です。特にheavenシリーズは帯域が狭くなりがちなシングルBAドライバなので、エアフローのチューニングで低域の領域拡大を行っているようです。今回のAK100向けにカスタマイズしたモデルでもそのチューニングを改良しているようです。
半面でシングルBAの場合はクロスオーバーの必要がなく、マルチドライバー機のようにそれぞれのドライバーからの音がずれる位相問題がないので、上手に設計すればコストパフォーマンスの高いイヤフォンを作ることができます。

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音の印象ですが、AK100と組み合わせて聴きました。
一般的な音の印象はバランスド・アーマチュアらしい細かい音ですが、ありがちな高域のきつさが少い点がよく設計されていると思わせてくれます。
低域も十分で全体にバランスが良く、空間的な広がり感を感じられるのも良い点です。音楽の雰囲気もよく伝えてくれます。音色も良く、ステンレスの金属筐体は付帯音も少なくピュアでクリアな音再現に貢献していると思います。
たしかにカスタムモデルのベースとして、コストパフォーマンスが優れているイヤフォンという感じはしますね。

次にAK100との相性ですが、カチッとしたAK100の折り目正しい正確な楽器音再現を上手に引き出している点がまず好印象です。高能率のBAだとノイズを拾って曇りがちなイヤフォンもありますが、このheaven4はそうしたこともなくAK100の強みの透明感もあますところなく伝えてくれます。また余分な付帯音も少ないので、AK100の特徴である音源素材の音そのものを楽しめるという利点も生きていると思います。
ポイントの低域は膨らみが多すぎない程度に十分量感も確保されてベースラインも気持ち良いですね。このカスタマイズされたheavenIVでは上位機種のheavenVIに近い内部構造にすることでより重心が下がるようにチューニングしたということですが、よくAK100向けにバランスが取れてると思います。heavenIVはもともとバランスは良いと言っても、インピーダンスは16オームなのでRWAK100の記事で書いたように高めの22オーム出力インピーダンスのAK100がやや苦手にするイヤフォンです。そのために重心を下げたのは良い改良だと思いますね。

AK100だけでなくiPhone5と組み合わせてもよいでしょう。エントリーBA機にしてはきつさも少ないのでAACの荒い音源でも上質な音再現を聴かせてくれます。UBiOなどのアプリと組み合わせると良いですね。iPhone5と合わせても低域の量感は十分あります。

セットとしての価格ですが、下記のフジヤさん販売ページでは54,800 円(税込)でこの「新生活応援セット」を販売しています。同内容をばらばらにそろえると1万円近く高くなると思いますのでお得なセットだと思います。AK100が気になっていたけれども考え中だった人には好さそうですね。
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail19641.html
もちろん限定カラーでAK100向けにチューニングされたheavenIVはこのセットでないと入手できないので、既存のAK100ユーザーは悩ましいところかも知れません。

heavenIVとAK100でハイレゾのSpanish Harlemなどを聴いても、ハイレゾの魅力が十分伝わると思います。e-onkyoのチケットを活かしていろいろ好みの音源をダウンロードしてください。そうするといろいろな発見もあると思います。
音質の違いもさることながら、ハイレゾ音源では音源のマスタリングの考え方が違うので、たいていCDリッピングした音源より音量レベルが低いので新生活のビギナーは注意して欲しいと思います。こうしていままでのAACやCDリッピング専門から一歩抜け出して高音質音源の「新生活」を楽しむためにはそれに応じた機材が必要です。そしていま手にするheavenIVとAK100がその一歩となるでしょう。
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2013年02月03日

RWAK100レビュー ・ iriver AK100改造モデル(AK100のiMod)

このRWAK100は人気のハイレゾプレーヤーであるiriver AK100をあのiModで知られるRed Wine AudioのVinnieさんが高音質改造したもので、いわばAK100のiModです。
Vinnieさんから試聴用デモユニットを送ってもらいましたので、RWAK100のレビューを書きます。いままで一週間ほど使ってみました。

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* Red Wine AudioとiMod

私はiPodの改造モデルであるところのiModが結構好きで、第4世代iModのころから使ってます。このときはイヤフォンアウトがラインアウトになる仕様でした。次に5.5世代iModではドックからコンデンサ内蔵の専用LODを使う方式となりました。iModはiPod後段の安い内蔵回路をバイパスして音質を上げるものなので、iPodが後段をワンチップ化したことによってclassicからは提供されなくなりましたが、5.5世代のiModはいまでも主力プレーヤーの一つとして使っています。iPod Classic(第6世代)も持っていますが、比べるとたしかに細かさでは5.5世代iModより上になったかもしれませんが、依然として音楽性の豊かさではiMod5.5Gを取りたいところです。これはDACの違いもありますが、Vinnieの高品質パーツを使用した強みもあるでしょうね。コンシューマー品にありがちな音の雑味の粗さが少なく、高級な滑らかさを感じます。

ちなみにオーディオ英語では改造品はmod (=modified)、標準品はstockといいます。

* RWAK100とは

AK100は素のままでも音質は良いですが、HeadFiあたりでは当初から指摘されていた問題点がありました。それは22オームと出力インピーダンスが高いということです。
スピーカーではよく駆動力の指標としてアンプのダンピングファクターが取り上げられますが、これは出力インピーダンスが低いほどよく、いわゆる制動力が高くなって音のコントロールがうまくできるようになります。
オーディオでのインピーダンスはロー出しハイ受けするが基本なので、イヤフォンが16オームくらいなのに22オームで出力するというのは問題ではないか、ということです。

改造内容はFacebookに書かれていますが、これによるとまず出力段の22オームの抵抗をバイパスして、出力段のFETからカルダスのケーブル(Cardas copper litz solid core wire)を用いてヘッドフォンアウトのピンに直接接続したとのこと。つまり単に抵抗をバイパスしただけではなく後段の基盤もバイパスしているようです。こうしてショートシグナルパス化することで音質を上げるとともに、出力インピーダンスを1オーム以下にするというものです。
改造はこのハード部分だけでソフトは同じです。

* RWAK100とAK100のラインアウトについて

iModというとイヤフォンアウトというよりラインアウトの音質を上げるものでしたので、RWAK100もそうかと私自身も思い違いをしていた点もあるのですが、あくまでRWAK100はイヤフォン端子からの音質を上げるものです。ただし、同時に固定出力のアナログ出力にもなりえます。
と、いうのは私も初めにAK100の記事を書いた時にはラインアウトがないと書いたのですが、Vinnieが言うところによるとAK100はデジタルボリュームを使用していますが、どうやらこれはWM8740のDAC内蔵デジタルボリューム機能を使用しているようで、ボリューム位置をMax(表示上の75)にセットすることでバイパスされる(シグナルパスから外せる)ということです。
いずれにせよ、ボリュームを通らない固定出力を出せるという意味においては、もともとのAK100でもRWAK100でもボリュームをMaxにすることでアナログ出力を取り出せるということになるようです。


* RWAK100の音のインプレッション、AK100との比較

パッケージや外観上はまったくAK100の標準品と変わりありません。唯一違うのは底面にRed Wineのプレートが付いていることだけです。これはiModでは背面についていますね。

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ファームウエアは1.13が入っていたので1.3にあげて比較しました。
まず比較したのは低インピーダンス、高能率、高性能のカスタムIEMであるJH16(18Ω)、UE18(21Ω)にWhiplashのTWagケーブルを付けて比較しました。

UE18やJH16などの低インピーダンスIEMで聴いてみるとオリジナルとは別物か、というくらい違いますね。もちろん全体的な音の性格は引き継いでいますが、まずロックポップなどのベースのビートがある曲ではまるで印象が違うくらい低域の量感とインパクトがあります。この低域の充実感があるので、全体的な音表現もAK100のやや薄さ軽さを感じるものから、特性はそのままで厚みのある濃いものになります。

また全体に音の濃い豊かさをを感じるのは低域の充実だけではありません。たとえばアコースティックギターだけの曲でもクリアさ鮮明さがRWAK100の方がすぐ分かるくらい良好で、細かい弦のかすれる音もより明瞭に再現され情報量がさらに多く感じられます。
これによってクラシックのオーケストラ物でもより迫力を感じるようになります。

さらに注意して聴くと、細かい音の鳴り方がより洗練されて粗さのない滑らかなものになっています。これは後段に高品質の単芯線ケーブルを使用したからかもしれません。角が滑らかになって上質になった感じはiModでも感じた感覚です。

iriver標準添付のMicroSDに入っている"Spanish Harlem"ではベースのインパクトがまるで違います。ウッドベースのポンッという音の密度感や厚み、そして量感が別物です。ハイレゾの細やかさの再現性も違いが明白です。まるでアンプを高性能に変えたかと思うほどですね。あるいはなんかつっかえてたのが取れた、という感じかもしれません。
UE18とかJH16のような低インピーダンスIEMではまず低域表現はまったく別物というくらい異なり、その次によくわかるのは細部がさらに浮き上がってくるというものです。

実はこの改造に対してiriver自身がコメントをしていて、たしかにこの改造で低域のパワー感はますだろうが、かえってAK100の持っている細やかさが失われると言っています。私もこの点について一番懸念していたのですが、実際のRWAK100ではさらに細やかさが浮き出るように感じられます。もしかすると机上の理屈の上ではiriverの言うことに一理あるのかもしれませんが、ケーブルを短縮化してカルダス単芯線の良いものに変えるなどVinnieがiModでやったことが結実していると言えます。Vinnie自身もこの点についてはiriverに同意できないって言ってます。
オリジナルで聴くと音数が減ったように感じられ、オリジナルに戻すと音が全体に軽くなり、さらになにか間引かれたように感じます。
オリジナルAK100では物足りなかったところがうまくカバーされてるように思いますね。

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次に反対の特性を見るために超高インピーダンスのTzar350(350Ω)も使ってみました。ここでは低域での差が先の低インピーダンスIEMのように大きなものではなくなってくるため、全体の印象もまったく異なるという感じではなくなってきます。ただしTzar350でもiriver付属の176k/24のSpanish HarlemではやはりRWAK100の方の透明感が高く細部がよく聞こえますので、依然として差はあります。
こうしてみると、やはりRWAK100の改造効果の差は低インピーダンスのイヤフォンを使用したときの方が低域の差となってはっきりと違ってくるということが分かります。ただし出力インピーダンスを低くしただけではなく、後段をシンプルにして高品質配線にした効果というのもまたきちんと存在していることもわかります。AK100でも細部はかなり明瞭に聞こえますが、RWAK100を聴くとさらに磨く余地はあったと気が付きます。そういう意味ではAK100のベストを引き出すともいえるでしょう。

ポータブル用のヘッドフォンではオーテクのESW10JPN(45Ω)を使ってみましたが、この辺だとやはり差はあってRWAK100の方がベースの力感がぐっと力強く出てくるし、ずんと深くベースが乗ってきます。あまり派手ではない"Spanish Harlem"なんかでもRWAK100から標準に戻すと全体に力が抜けた感じに聞こえます。

AK100を使っているともともと低域の過剰なJH16などでは低域が少なめに出るのにフラットに近いTzar350では低域が十分あるように思えるのはちょっと不思議な気がしていましたが、これで謎は解け解法も提示されました。
このようにイヤフォンによって効果の差はありますが、あまりマイナスはないように思います。電池の持ちははっきりとは言えませんがあまり変わっていないように思います。減っていたとしても、半分になるとかそういうのではないですね。発熱もほぼ変わりはありません。
ただ保証はなくなるので念のため。

総じて言うと、16オームなどの低インピーダンスイヤフォンを使用している人には特にお勧めします。カスタムイヤフォンにAK100を組み合わせている人は福音となるでしょう。AK100をまた見直すことになると思います。
また、350オームのTzar350は極端な例ですが、低域の差はあまりなくなっても細部の差はあるので実際はほとんどのイヤフォン・ヘッドフォンで差があるのではないかと思います。


* 購入の仕方

これは新規で買うのと、手持ちのAK100を改造してもらうことの二通りあります。新規だと$895+$45(送料)で、改造は$250+$45(送料)です。送る際の送料もかかりますが、いまの円安を考えると日本の場合は日本で買ってから送った方が良いでしょうね。
改造は送ってから約一週間くらいでやってくれるそうです。

もちろん保証がなくなる改造品ですのでそれを承知の上で注文してください。改造部分の不具合などはまた向こうに送れば修理してもらえると思います。

詳しくはこちらのAudio CircleのRed Wine Audioフォーラム内のRWAK100記事をご覧ください。
http://www.audiocircle.com/index.php?PHPSESSID=aob5s3i1hrfv08r497pe9djcs6&topic=113484.0

*試聴について

やはり自分で聴いてみないと、という方のためにお願いして今週末のフジヤエービックで開催されるポタ研に私のいま持っている試聴機を置かせてもらおうと思います。
https://www.fujiya-avic.jp/event/potaken2013_winter/
ぜひこの機会に聴きに来てください。
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2012年10月10日

iriver Astell&Kern AK100レビュー

今年はハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー(以下DAP)が本格的に展開された当たり年でもあります。iBasso DX100とそれをベースにしたヒビノのR10、元祖ハイレゾDAPの進化系というべきHM901、そしてまた新しい『星』が現れました。DAPでは老舗と言えるiriverのAstell&Kern AK100です。このAstell&Kern(アステル・アンド・ケルン)とは星の中心という意味だそうで、 iriverの中でのフラッグシップクラスを示すブランド名になります。標準価格は54800円とR10ほど高価ではなく、この手の高性能DAPでは中間的なミッドレンジの値段となります。
評価機(FW1.0.0)を一足先に提供してもらいましたのでレビューを書きます。だいたい二週間ほど使用しています。
こちらは販売元のマウスコンピューターさんのプレスリリースです。
http://www.iriver.jp/company/press/160.html

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とてもコンパクトなサイズであのTera Playerよりも少し大きい程度です(上右画像はTera Playerと比較したところ)。そのため完全に胸ポケットに入ります。まさに「ポケットの中にありのままの音を」という言葉がピッタリときますね。原音忠実をコンセプトに据えた音はピュアで澄み切った音で、マスター音源の瑞々しさを伝えてくれます。

* AK100の特徴

AK100の最大の特徴はコンパクトサイズで192kHz、24bitまで対応するという点です。(Tera Playerは24bitはデコードしていません)そのDACチップはWolfson WM8740を使用しています。設計段階において入念なチューニングを行って8740の性能を限界まで引き出したということです。

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外観はDAP老舗メーカーがフラッグシップとして作ったというように、ソリッドでしっかりとしたつくりが高級感を感じさせます。ヘアライン加工を施したアルミボディです。この辺はいわゆるガレージメーカーものとは一線を画していますね。一番気に入った点はやはりコンパクトなところで、あのTera Playerより少し大きい程度です。それで192kHz対応までして液晶操作画面もついているのだからたいしたものです。重さも112gと78gのTeraほどではないにせよ、持ち運びはほとんど苦になりません。完全に胸ポケットに入れられます。

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コンパクトなボディには2.4型 320x240ドットのIPS液晶パネルがついています。静電容量型タッチパネルなのでここで選曲ができます。IPS液晶なのでアルバムアートも美しく表示されます。操作パネルに半透過でアルバムアートが表示されるのもうまい演出です。表示されているのはLINNのスタジオマスターのハイレゾFLAC(Barb Jungr - 88kHz/24bit)です。

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ファームウエアはDX100(R10)のようにAndroidではなくLinuxベースの独自のもので軽く安定した操作ができます。ブートもやや時間はかかりますがAndroidほどではありませんので、Androidベースが苦手っていう人にはよいと思います。ちなみに音源ファイルはハードウエアでデコードされます。イコライザーの設定もタッチパネルで行うことが可能です。

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ボリュームは向かって右側についた小さなノブを使って回転させて行います。細かい音量調整も問題ありません。左側面には小さなハードボタンが3つついていて、それぞれ早送り、巻き戻し、再生/ポーズに対応しています。再生/ポーズボタンは細かいながらも少しだけ大きめです。

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上面には長細い電源ボタンのほかに2つ端子が出ていて、左端がイヤフォン端子・兼用・光出力端子になっています。もうひとつは光入力です。AK100の大きな特徴の一つがこの光出力ができるという点です。iriverで光出力というとあのiHP140を思い出しますね。その頃はiRiverと表記されていた昔です。唯一光出力ができるDAPとしてiBasso D1/D10など光入力のついたポータブルアンプ/DACとの使用で重宝しました。私もスペアを入れていくつか持っていましたが、もうヤフオクで難儀をすることはありません。この辺はまた後で触れます。残念なのはアナログのラインアウトが無い点です。ここは改良してほしいところです。
光入力では入力チップの都合で176kHzに対応していません。(ちなみにメモリに格納した音源であれば88kHzも176kHzも問題なく再生可能です、念のため)

底面にはデュアルでMicroSDスロットがついています。引き出しをスライドさせると中にMicroSDスロットが二枚させて同時に使用できます。内蔵メモリは32GBですから、それに32GBx2を加えることができます。USB端子はデータ転送と充電のみでDAC機能はありません。このほかにはBluetooth機能も搭載しているようです。(本稿では都合で評価していません)
対応ファイル形式はWAV WMA FLAC APE OGG MP3です(現在AACは対応がありません)。下はオンラインマニュアルです(*画像中にはASF表記がありますがASFは非対応です)。

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特徴をまとめると以下の通りです。

1. 胸ポケットに入るコンパクトサイズ
2. 192kHz/24bit対応で高音質
3. タッチ操作可能
4. 光出力可能
5. 内蔵32GBメモリとデュアルMicroSDスロット
6. 手ごろな価格



* 実際の操作の流れについて

AK100をUSBでPCに接続すると充電/再生か充電/データのどちらかの接続モードを選択します。データを転送するときは後者を選びます。PCからは内蔵メモリとMicroSDカードが見えますので、そのどこかのフォルダにデータを格納します。フォルダー単位で転送しても構いません。
格納したデータのメタデータ(タグ)を曲選択に反映するためにはAK100の設定メニューから「データベースの更新」を選択します。ここで自動に設定するとPCへの接続毎に自動的にデータベース更新をしますが、更新は差分だけではなくすべてのファイルについて毎回行われるので多少時間がかかります。タイミングを見て手動でやったほうが良いかもしれません。フォルダー階層をたどれるので必ずしもタグがなくてもかまいません。

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選択はタッチ操作で行えます。またボリュームはノブを回転させることで画面にボリュームレベルが表示されます。

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操作の仕方ですが、画面にアルバムアートのみが表示されているときは画面上を左にフリック(iPhoneみたいにはじく)することで巻き戻し、右にフリックすることで次の曲に進みます(上はオンラインマニュアル)。アルバムアートをタッチすると操作パネルが表示されますのでここで巻き戻しや早送りができます。左下のメニューボタンでミュージックリストが表示されます。

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ここでアルバムやアーチスト、曲単位で選ぶメニューが選べます。上はアルバムを選択して曲メニューを開いていったところです。
また面白いのはマスター音質というメニューでハイレゾ音源のみ選ぶことができることです(下左)。メニューでフォルダーを選ぶとフォルダー階層で移動ができますので、タグがうまく作れないときはこのメニューで直接ファイルを選択できます(下のブラウザという画面です)。

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曲の情報表示の時に+ボタンを押すことでプレイリストに入れることができます。またユーザーEQも細かくタッチ操作で設定できますが、もちろんEQを切ることも可能です。

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すっとポケットに入れられ、軽く無理なく使うことができます。操作性も快適です。DX100/R10やHM801など重量級のDAPを持っている人はサブとしてもほしくなることでしょう。
再生時間も十分です。DX100のように電池の持ちを気にしながらということはありません。一日つけっぱなしにして、朝7時から夜10時に帰るまで問題なく再生でき、その段階で1/4くらい残りの目盛りでした。(これは音源にもよりますので念のため)

* 音質について

まずはじめに聴いて感じるのは高い透明感、クリアさです。そしてとても細かい音が浮き上がってくるのがわかります。普及品のDAPと比べると情報量の豊かさに圧倒されるでしょう。AKG K3003はもっともあうイヤフォンの一つですが、こうしたハイエンドイヤフォンでAK100は生きてきます。K3003ではよく伸びるシャープな高域、深い低域の重みと帯域の広さに改めてK3003の魅力を感じることでしょう。立体感もなかなかのものです。K3003が良いのは普通のイヤフォンとして使えるので、小さなAK100と使用感もベストマッチするということです。カジュアルに高音質が楽しめます。高感度イヤフォンでの背景雑音もほとんどありません。JH16+Twagリケーブルもなかなかいい感じです。
はじめはやや硬めですが、きつさは一晩エージングするとわりと取れます。

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音のひとつひとつはとてもピュアで明瞭感が高く、かつニュートラルで素姓の良い素直な音です。これは録音の良しあしをも浮き彫りにして、J-Popでは硬めながらメリハリがあり、ハイレゾの良録音192/24音源では滑らかで微細なニュアンス表現が良く伝わります。まさに原音忠実というか、録音忠実ですね。
もちろんただおとなしく無機的でいわゆるモニター的なわけではなく、低域に適度なインパクトがあってロックのダイナミックさもよく伝わります。Reference RecordsのHRX(176kHz)のブリテン「青少年のため管弦楽入門」を再生すると堂々としたスケール感に圧倒されます。一瞬再生が遅れるのでバッファに入れてるのかもしれません。
WM8740の性能を絞り出したということですが、たしかに同じ8740のSONYのPHA-1と比べても一段細かい音を聴くことができるように思います。AK100ではかなり音の細かいところまで鮮明に聴き取ることができます。
iBasso DX100と比べてみると透明感・クリアさはむしろAK100の方が良いことに驚きますが、音楽の全体的な表現力はやはりDX100の方が上回るかもしれません。これはES9018ゆえかアンプなどアナログ部分の差があるのでしょうが、おそらくDX100持っている人はAK100のコンパクトさやピュアでクリアな音表現も気になることでしょう。価格や大きさも違いますが、ライバルというよりも住み分けでしょうか。Tera Playerとは音の好みの差かと思います。滑らかなTeraとシャープなAK100という感じですね。

AK100にもっと表現力がほしいというときはiHP140の再来ともいうべき光出力機能を使うことができます。

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iQube v3と組み合わせると一つの音が磨きこまれてしっかりとした実体感を持ち、音の濃さ・厚みが向上してよりスケール感のある音が楽しめます。なにしろFLAC再生するためにRockbox入れなくて済みますし、光出力のためにQLS QA350のような無理のあるような大型DAPを付けることもありません。iQube v3にちょっとたされる程度ですからね。もちろんいまでもiHP140を使っている人はやっと解放された気持ちになるでしょう。上の写真でAK100を裏返しにしているのは光ケーブルがiHP140に合わせているからです。厚みも余ってしまいます。新しくSys-Conceptにケーブルオーダーしなければ。
メーカーの人に聞くと一時期修理に持ち込まれるiHP140の多くはRockboxがインストールしてあったそうです。私も一端を担っているかもしれませんが、もうRockboxを入れる必要もなくFLACが再生できます。下の画像はAK100と歴戦のiHP-140です。もうお休み、と言いたいですね。

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もう一つ良い点はマウスコンピューターさんが扱うということでコンピューター関連のサポートは手厚いように思います。PC関連の質問などをしても反応が早く報告も詳細でした。この辺はいまからのオーディオ機器のあり方として良い傾向かもしれません。ただ残念なのはAK100にUSB DAC機能がないことです。光入力だけでなく、もう少しPCオーディオ的な機能が強力ならばマウスコンピューターさんとの連携も意義のあるものとなっていくでしょう。またこれからのAstell&Kernの展開も楽しみになってきます。

iPodや普及クラスDAPからステップアップしたい人にお勧めで高性能イヤフォンの真価がわかることでしょう。またすでに高性能DAPを持っているけれども重さに辟易している人にも良いですね。
発売開始はヘッドフォン祭当日の10月27日です。予約は本日開始です。フジヤさんの販売予約のページはこちらです。
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail14429.html
フジヤさんの販売価格は49800円です。なおおまけに32GBのMicroSDカード(標準添付は2GB)がついて、中には聴き比べ用の192kHz、96kHz、48kHzのサンプル音源が付属するということです。

ぜひヘッドフォン祭の楽しみに加えておいてください !
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2012年10月04日

iriverからハイレゾ対応ポータブルプレーヤー登場!

ポータブルプレーヤーでは老舗のiriverからなんとハイレゾ対応の小型ポータブルプレーヤーが登場します!国内ではマウスコンピューターさんから発売されます。

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iriverでうちのサイトを検索してもらうと分かりますが、一時期はiHP140で盛り上がりました。私もiHP140を2台か3台持ってました。待っていた本格的なiriverの新機種です。

Astell&Kernはモデル名ではなくブランド名になります。モデル名はAK100です。特徴は最大192kHz/24bitのハイレゾ音源再生に対応、デュアル microSDHCカードスロット搭載、ヘアライン加工を施したアルミニウム素材の高剛性ボディなどです。

開示できるのは現時点ではこのくらいですが、近いうちにもっと詳しい記事をアップしますのでお楽しみに!
音についてはすごく期待して良いと思いますよ。

プレスリリースはこちらです。
http://www.iriver.jp/company/press/159.html
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