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2018年05月31日

Astell&Kernの新DAP、SE100とSR15の発表会

本日はアユートさん主催のAstell&Kern新DAPの発表会に行っていました。

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A&future SE100とA&norma SR15です。どちらもSP1000と同じく第4世代となります。

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SR15

それぞれのラインナップの意味としては、フラッグシップ(SP1000)は究極、プレミアム(SE100)は最新の技術を投入したもの、スタンダード(SR15)は出発点ということです。つまりそれぞれは単なる上下ではなく、それぞれのターゲットに向けて最適な製品開発をするためということです。それぞれのラインナップごとに異なるDACメーカーを使用しているのはそういうためもあるそうです。

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SE100

SE100は"the radically different sound"ということで、その通りにAKではじめてESSを採用しています。
ESSのES9038PROを一基使用していますが、ES9038PROは一個で8chの出力が可能であり、左右をそれぞれ4chずつ担当させることで従来のデュアルのように設計しているようです。
PCMは384kHz/32bitまで、DSDは11.2MHzまで対応しています。第4世代らしくアンプはバランス出力が強力に設計されているようですが、あとの試聴でもそれが実感できました。
オクタコアCPUを採用して、ユーザインターフェイスは新しくなっています。メニューを浅く、再生と管理を分けたということ。AK CONNECTは踏襲されています。

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SE100

デザインコンセプトは平行四辺形で、側面が斜めになっているため従来の再生ハードボタンが浮いて見えるのが面白いところ。
筐体はアルミニウム合金で、背面にはガラスプレートが設置されAマークが浮き出ています。
内蔵メモリは128GBでSDスロットはトレイなしのタイプが1基搭載されています。充電端子はUSB-Cタイプ。
価格は219980円(直販価格 税込)ということ。

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SE100

持ってみると大きいけれど軽いという印象です。操作は早く快適です。音はDITA Fidelityを使用しました。やはり音はAK380と比べるとESSっぽい冷ややかさがあり、SN感の高さと透明感がひときわ高いのもESSらしい点です。音のキレが良く明瞭感が高い音でわりとフラット基調です。
アンバランスでもAK380よりはひとレベル高い性能ですが、バランスにするとSE100はなんかスイッチが入ったようにターボモードになる感がありますね。今までで一番アンバランスとバランスの差があるかもしれません。

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AK70とSR15(右)

SR15は"HiFi standard redefined"ということで、定番AK70の更新であるようにも取れます。
これはシーラスロジック「CS43198」をデュアル搭載しています。CS43198は久しぶりに開発されたシーラスロジックの最新DACチップで、長らくこの座にあった4398の後継でもあります。シーラスの基準のMasterHIFIというハイグレード製品ですが、主眼としてはコンパクトで低消費電力なので、ポータブル製品向けと言えると思います。

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SR15

SR15はクアッドコアCPUを搭載し、PCMは192kHz/24bit、DSDは2.8MHzまで対応します。筐体はSE100と同じくアルミニウム合金で、内蔵メモリは64GB、こちらもトレイなしSDスロットを1基搭載しています。
デザインが特徴的で手に持った時に画面が垂直になるように液晶自体は斜めに設計されています。価格基99980円(税込 直販)ということです。

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SR15

手に取るとややAK70より厚めの印象です。操作が速くスクロールも画面遷移もSP1000なみです。
音はAK70系と似ていて、低域に厚みと重みがある傾向です。ただAK70よりも音は明瞭感が高く、音がより細かい感じはしますね。こちらもバランスにするとスイッチが入ったようにパワフルに感じました。


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音としてはSE100ではESSっぽい音造りになって、SR15ではAK70の音を踏襲した感じです。
興味深かったのはバランスとアンバランスの差が大きいということです。試聴はFidelityのAWESOMEプラグを変えながら行ったのでかなり良くわかりました。SP1000/AK70IIでもそれまでより差があったけど今回はさらに大きく、スイッチ入れたみたいに違うのが面白いですね。バランス対応イヤフォンが欲しくなることでしょう。

発売時期はSE100は6月中旬予定で、かなり確実。SR15は7月下旬予定で、遅れるかもしれないとのことです。
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2017年12月25日

Astell & Kern A&ultima SP1000レビュー

SP1000については発表会の時にファーストインプレの記事は書いていましたが、本記事はSP1000のステンレススチールモデルとカッパーモデルをしばらく使ってみたインプレッションです。

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SP1000CP

AK380を使用していた期間が長かったので、レビューで使うという点で言うとSP1000の音になれるまでに時間がかかります。そこで今回は少しおいてからSP1000自身もレビューすることにしました。
結果からいえば、ファームウエア的にはAk240とAK380の差ほどAK380とSp1000の差はありませんが、音質的にはAK240とAK380の違いよりも、さらにAK380とSP1000の違いは大きいと思います。そのくらいの音質の向上があります。それはその間のAstell & Kernのさまざまなノウハウの蓄積によるところも大きいと感じました。

* デザインの変更

まずSP1000で印象的なのは内箱が木製になったことで、かなり豪華な感があります。特に外箱から木箱を取り出すときがちょっと感動モノです。

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カッパーのほうはカッパーを示すマークと酸化防止のためか真空パックされています。

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外箱をめくると木の箱が出てきます。

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SP1000SSとCP

外形デザインは原石を多面カットした宝石がデザインコンセプトで、光と陰はキープコンセプトです。

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SP1000SS

SP1000ステンレススチールでは先鋭的な表面のシャープさが音の先鋭さも感じさせてくれます。

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SP1000CP

SP1000カッパーモデルは表面仕上げが以前のAK380カッパーとは異なり、より酸化しにくく輝きが続くようです。深みのある銅の輝きがやはり深みのある音を感じさせてくれます。実際に数か月使うとAK380CPとはだいぶ酸化のされ方が違い、より長くきれいにきらめいています。AK380カッパーではタバスコを使うとか、レモンとかいろいろな方法がいわれましたが、SP1000CPに関しては特にそうした工夫なしでも長く輝きが続いていると思います。

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化粧箱はブナの木で、スエーデンでのタルンショの天然皮革のケースがついています。

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前に比べると重量が重くなったこともあり、落とした時に怖いのでケースに入れて使う機会が増えました。あとこれは気のせいかもしれませんが、ケースに入れないで使用した方が音がわずか良いようにも思います(人体アース?)。ほんとに気分的なものですが。

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SP1000SSとAK380の大きさ比較

上面のSDスロットはケースから外さずにmicroSDの取り外しが出来るようになりました。このため上面から電源ボタンがなくなっています。

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マイクロSDカードは確実な装着のためにトレイを採用しています。このため専用のピンが同行されています。
実際に使っていると不用意なSDカードのイジェクトは起こらなくなりましたが、SDカードを変えたいときにピンがないので困るということはあります。もちろん専用のピンで何くても細いものがあればイジェクトすることはできます。

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USBはCタイプとなり、KANNのようにハイブリッドではなく、Cタイプのみです。Cタイプのケーブルはもちろん同梱されてきます。
また底面を見ると拡張コネクタが4ピンではなく5ピンになっていますが、これはまだ使用途がわかりません。ただAK380に比べれば外部アンプの必要性はあまり感じられないので、公開してくれてサードパーティーが使えれば面白いと思います。

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SP1000SS

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SP1000CP

電源スイッチはボリュームの長押しで行います。液晶は見た目にも精細感が高くきれいです。音質だけではなく表示される画質も向上しています。
ホームボタンが第3世代のメタルタッチから、第2世代のタイプに戻されたけれども、ここはすんなりと慣れるでしょう。なれないのはサイドに変更された電源スイッチでここはAK歴が長いほど上に指が言ってしまうかもしれません。ロックボタンをサイド押しに変えたのは今のiPhoneやAndroidがそうだからだと思います。
全体的な反応は良くかなりさくさくと動きます。
UIの階層も変更されましたが、ここもすんなりと慣れると思います。またAK70など旧世代UIモデルを併用していても特に違和感はないでしょう。

* 大きく変わったフラッグシップ

まず少しA&Kブランドのこれまでをまとめておきます。
始めにAstell & KernのAK100が2012年秋に出てから、AK120が2013年春、AK240は2014年2月(大雪の日)、そしてAK380が2015年の春と、Astell & Kernのトップモデルはほぼ一年おきに新型が出ていました。しかし、2016年はフラッグシップモデルの発表はなく、2017年の今年に二年ぶりに満を持して表れた新世代のフラッグシップ機がA&ultima SP1000です。

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Campfire Audio PlarisとSP1000CP

AK100で誕生したAKプレーヤーはAK120で改良されました。次のAK240では大きく中身が変わり、それはAk380でさらに改良されました。そうした意味ではSP1000はAK380に比べてまた大きく変わったように思えます。AK120からAK240に変わった時のような内部アーキテクチャの大幅な変化ではなく、音質の差です。特にしばらく使用したあとの感想としてはその差が大きいと感じられます。

それは2年ぶりであるということ、ジェイムズ・リー新CEO体制になってからの初のフラッグシップということもあるでしょう。また今回はKANNも含めてAstell & Kernのラインナップのシリーズ体系(プロダクトライン)が見直され、SP1000はA&ultimaというトップカテゴリーのプロダクトラインに入っています。

* 最高グレードDACの採用

それではこの2年ぶりのフラッグシップの交替で変わったところはどこかというと、使い勝手も改良が感じられますが、やはり大きく違うと感じる一番の点は音質面です。
SP1000の音質をかたるうえでポイントになるのは既述していますが、AK70からの音質傾向の流れでアンプがパワフル傾向で特にバランス回路で改良されているという点、トップグレードDACチップの採用、そしてステンレス・スチールモデルとカッパーモデルの筺体材質となるでしょう。
(AK70との関係についてはさらにSP1000の回路設計がAK70mkIIの改良にさらにフィードバックされるという流れもあります)

このアンプ部分の進化と、DACの進化ですが、どちらがAK380とSP1000の最大の違いかというと、はじめのころや内覧会の時はアンプの差が大きいと思ったんですが、実際に自分でしばらく使った後の今ではDACの差が大きいと思います。
私は以前は毎日のように高性能だったAK380を聞いて、多数のイヤホンをAK380で聞いてきましたが、比較するとSP1000では音の描き出し方が尋常でないくらいに向上したことを感じます。特に細部表現力は格段に向上してます。これは端的に言ってDAC ICの違いだと思います。これは空間表現についても同じです。

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UM MacbethII ClassicとSP1000SS

現代のDAC ICの選択は狭められてきて、いまは最新のDAC ICを使おうとするとESSかAKMかのほぼ2択となります。SP1000は最新最高のAKM AK4479EQをデュアルで搭載しています。
ここでまた少し振り返ってみると、AK100/120のDACチップはWM8740で、これはミドルグレードの普及品でした。AK240のCS4398はシーラスの当時のトップグレードでしたが、10年ほど前の古いモデルでした(このときはネイティブDSDを可能にするために選択されています)。
AK380のAK4490は当時最新でしたが、グレードとしてはハイエンドではありませんでした。4490は技術的なリードモデルでかつモバイル向きの位置づけのチップで、そのころのスピーカー向けのハイエンドオーディオ機材にはトップグレードチップであるAK4495が採用されていました。据え置きで電源が気にならないならとにかく高音質のもの、というわけです。

SP1000のAK4497EQは文字通りハイエンドのDAC ICでAK4495をさらに超える高音質チップです。最近では刷新されたLINNのKLIMAX DS/3にも採用されています。つまりSP1000では250万円のオーディオ機材に使われるような、ポータブル、ホームの区別なく現在入手できる最高レベルのDACを搭載しているわけです。しかもデュアルです。

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Campfire Audio LyraIIとSP1000SS

ここでひとつ面白い点は、AK4497では4490のように特にポータブル向けに省電力が意識された設計ではありません。とにかく音質優先の設計です。それをポータブルに搭載したのは、ひとえにAstell & Kernの電源周りの設計努力によるものと言えるでしょう。本来的なSP1000での進化はそこを強調してあげるべきかもしれません。
ポータブル機材はiPodの昔から基本的には省電力優先の設計がなされてきましたが、ここではかなり思い切った方向転換がなされているわけです。バッテリー容量は10%ほど上がっていますが、プロセッサの強力さを考えても電力はいくらあっても足りません。
実際に使ってみるとバッテリーの持ちはAK380と同等か、それ以上に持つように感じられますのでここはかなりバッテリー自体かバッテリーマネージメントは改良がなされていると思います。実測で付けっ放しで8時間付けっ放しのあとに20%程度は残っているように思えます。

* 音質

持った感じではステンレススチールおよびカッパー筺体と言うこともあってAK380よりもずっしりとした重みを感じます。

既に書いたようにAK380に比べると、アンプもDACも大きく向上しているのでジャンルは問わずになに聴いても音質向上は実感できます。PILとか聴いてもダブベースがかっこいいし、ピアノソロなんかは絶品です。女性ヴォーカルのリアルさはぞくっとするレベルです。音は全体にスッキリクリーンに明瞭に聴こえ、AK380がちょっと曇って聴こえるくらいクリアでより鮮明です。ベースやドラムスがより鋭く、AK380よりはひとレベル上の音と感じます。

SP1000を使いこんでわかるのは、AK380よりも細部の再現力が格段にレベルアップしてよりスピーカーオーディオのハイエンドに近いということです。あの東京インターナショナルオーディオショウに出てくるようなハイエンド機材に近い感じです。

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64 Audio Tia FourteとSP1000SS

AK380の時は解像力がすごいと言ったけど、SP1000ではそうしたハイエンドオーディオで語られるローレベルリニアリティとかオーソリティとか言われる質や質感の部分がより語られるべきだと思います。解像力があって細かい音が分かるだけでなく、その階調再現がよくわかる感覚です。

もちろんDACチップがすべてではありませんが、大きな違いとなるのもやはり事実だと思います。
フラッグシップDAC ICを採用した効果はあると思います。もちろん周辺回路も重要なのは当たり前のことですが、周辺回路だけ良くても基本のDAC ICがよくないとここまで性能を絞り出せない頭打ちになるでしょう。

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JH Audio LolaとSP1000SS

またDAC部だけではなくアンプ部も強化されているので、アンプ無しでも完成された音創りが出来ていると思います。
従来モデルとの差はパワフルさで、KANNの時はKANNのみの個性かと思いましたが、おそらくSP1000を含む新ラインナップの個性かもしれません。

またミクロでなくマクロ的に聴いても、全体にAK380よりもさらに整って帯域バランスも良い感じです。Dita Dreamなどでは普通はよりシャープならよりきつく出ると思いますが、中高域のきつさもなぜか低減されて聴こえるので、やはり音自体の質感が滑らかというか上質感があるゆえかと思います。

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Dita DreamとSP1000SS

音場もさらに横に広いのも良い点ですが、DACの低域再現力も相まって、低域の深みがアンプついてるようにあるので、特にクラシックやオーケストラものでのスケール感の良さが感じられます。この辺のスケール感の良さは左右の広さというよりも、低域の改善によるものが大きいように思います。低い周波数の音再現の凄みは他になく、いままでと一線を画すると思います。
AZLAとかTITANとかダイナミックメインのハイブリッドも良い感じがしますね。BAでもきちんとローが出てるもの(W80とか)もその良さを堪能できるでしょう。

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W80とSP1000CP

A&K SP1000とWestone W80ではSP1000がW80をノリ良くパワフルにドライブするのもすごくカッコいいけど、こんな小さいイヤフォンでSP1000の力を受けとめてこんな壮大な音出すんだから、聞いててワクワクしてきますね。カール兄弟には脱帽です。

SP1000がイヤフォンをパワフルに鳴らすって言う点ではやはりダイナミックの良さがより良く分かるようになったと思います。AK T8iE2ではDreamのような精巧な刃物的な切れ味とはまた別に分厚いダイナミックらしさで躍動感を楽しめます。SP1000はダイナミックやダイナミックハイブリッドと相性がよいと思いますが、TITANとは全体に良く整ってヴォーカルもすっきり気持ちよく、パンチがあるベースもいい感じ。おそらくAir2とも相性が良いでしょう。TITANとはケーブルは006との組み合わせが良いと思った。

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TriFiとSP1000SS

JH Audio TriFiとBeat Signalを付けてみると、SP1000の透明感は2Wayのシンプル構成でも生きてきて、鮮烈な生々しさが気持ちよく伝わってきます。Beat Signalのおかげか、低い方が膨らみすぎずにパンチが効いてるのも良い感じです。

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SP1000とUM Mavis II

SP1000を活かすポイントの一つは低域の出方かと思いますが、ダイナミック二発のMavisIIも良い感じです。AK380の時はMavisカスタムとMavis IIの差は小さいと思ったけどSP1000では差が大きくなってMavis IIの方が良いと感じられます。
同様にAK380の時はMASONカスタムもMASON IIも差はないと思ってたし、受けた説明から当たり前と思ってたけど、SP1000だと違いがあるのがわかるように思えます。

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SP1000とJH Audio Layla II、Black dragon v2

JH Audio Layla IIではさすが堂々の再現力でSP1000の音をストレートに伝えるかのようです。とても整理された音空間に整然とアーティストが並ぶ感じですね。ただしSP1000の音を余さず伝えるにはリケーブルしたいところです。


* 標準とされたステンレス・スチールモデルとカッパーモデル

今回のSP1000のいままでとの大きな違いは、いままでは特別モデルとして用意されていたステンレス・スチールモデルとカッパーモデルが標準とされたことです。いままでは特別モデルでプレミア価格がついていた両者が、旧AK380の標準ジュラルミンモデルと同じ価格となったことで実質的には値下げと言えるかもしれません。

この2モデルは内覧会のときには差がそれまでの特別モデルよりも小さく控えめかと思いました。これらが標準となるのであえてそうしているのかとも思ったわけですが、実際にしばらく使ってみると、ステンレス・スチールモデルとカッパーモデルの音質の差はかなり大きいと思います。ファームウエアの1.04でより個性の差が広がったようにも思えます。(カッパーでは1.04から)

はじめに書いておくとステンレス・スチールモデルとカッパーモデルの音質レベルは同じだと思います。ですから両者は個性の好みで選ぶことになります

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SP1000SS

ステンレス・スチールモデルはより透明感が高く感じられ、よく高域がよく伸びて、ワイドレンジ感を堪能できます。音もシャープで華やかな印象があります。イヤフォンのレビューをするときにはまず性能領域を引き出せて、よく能力が見えるようなSP1000SSで聴くことが多いですね。

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SP1000CP

カッパーモデルはより落ち着いた音でより音色がきれいに感じられるようになります。より感性的に感じたいと言った方がよいかもしれません。また音の深みはカッパーの方がより深みがあって、低域が厚いと感じます。より中高域が聴きたい人はSP1000SSで、低域が聴きたい人はSP1000SPという分け方もあるかもしれません。

SP1000SSでは高域が伸びるので音楽によってはきつさが感じられることもあります。
しかし、そういうきつさはSP1000SSというよりも、むしろ録音かPCMのせいだと思います。その音楽をDSDネイティブで聴いてみてください。今度は録音というかエンジニアリングで本当にさまざまな音のエッジやグラデーションの再現があると感じられるようになるでしょう。


* まとめ

端的に言って、細かい表現力が感性に働いてワクワクするような音楽を聴くことができる、というのが率直なSP1000の印象です。
特に高性能なハイエンドイヤフォンを使って聴く人にお勧めです。

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Westone ES80とSP1000SS

そしてそのハイエンドDACチップの採用を支えているのは地味な努力があると思います。あるいはそうした点に2年という時間が生きているのかもしれません。
単に上位DAC ICを使うだけではなく、省電力の努力も地味になされなければならないということでしょう。このように見えないか、スペックに表れない改良ポイントもSP1000には多々あるように思えます。単にDACを上位のものにするならば価格を上げればよいだけですが、従来の電池の持ちを保ちながらもより電気を食う上位DACを採用できたということは見えない企業努力があったと思います。またステンレス・スチールとカッパーという本来特殊モデルであるのに、AK380の出た時と同じ価格に抑えたという点も同様でしょう。
SP1000はAstell & kernというすでに確立されたブランドをにない、満を持して2年ぶりに出したフラッグシップです。フラッグシップにふさわしく一クラス上の音質をもち総合力にも優れたDAPであると言えるでしょう。
posted by ささき at 20:32| __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月20日

AK70の新型AK70 MKII登場、Michelleにも新型

好評のAK70に新型が登場します。AK70の後継機としてエントリーを超えたプレミアムモデル、"Your Next Premium"のキャッチフレーズで発表された、その名もAK70 MKIIです。

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価格はオープンですが参考の直販価格は79,980円、本日から予約受付開始で発売は10月14日の予定です。

* 改良点

端的にいうとAK70MKIIでは好評だったコンパクトな外観はほぼ変わらず、中身の音質に関する回路部分が大きく向上したと言えます。
AK70からの改良部分は主に下記の2点です。

1. アンプ部の強化
SP1000の回路設計を踏襲してバランス再生時の高出力化と低い歪みを達成しているということです。

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Astell & Kernの音の変化の歴史としてはSP1000の音は躍動感という点においてAK70の音の延長にあると言ってもよいかもしれませんが、さらにSP1000のエッセンスがAK70にまたフィードバックされたという感じでしょうか。

2.デュアルDAC化
DAC IC自体は同じくCS4398ですが、DACがデュアル化しました。これでDAC部分に関してはAK240と同じになったということになります。

外観デザインはほぼ同じですが、わずかに大きくなっています。デュアルDAC化のためにバッテリーも増えて再生時間は変わらないということです。
PCM/DSDの再生フォーマットも同じです。BT機能 、USB DAC 、AK connectも同じです。USB端子もMicroBです。

SP1000のときに今後のAstell & Kernの製品はA&なんとかというネーミングになるという話でしたが、今回はAK70と同じラインということで名称変更はないそうです。

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* インプレッション

実際に発表会で実機(量産前モデルなので写真のMicroSD表記が逆になっています)を使わせてもらいました。そこで現行のAK70を持って行って音の比較もしてみました。使ったイヤフォンはAZLAで純正バランスケーブルも使用しました。

手に持った感触としては少しだけ重く大きくなったという感じです。見た目にはほとんどわかりません。また外観ではシックにブラック(Noir Black)となりましたが、音質重視という渋い改良ポイントからすると納得できます。またよく見るとボリュームノブのデザインも変わっています。デザインもわずか違うだけだが、高級感が感じられます。

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音は標準ケーブル(シングルエンド)で聴いても音に重みが乗っています。しかし、違いがもっともよくわかるのはバランスです。

シングルエンドでも音に重みが乗って聴こえる。よりはっきりした違いがわかるのはバランスだ。音の明瞭感の差がシングルエンドとバランスでは大きく違います。

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AZLA純正バランスケーブル使用

AZLAのバランスケーブルで聴くと音質はかなり大きく違って、MkIIの音は力強く熱気が感じられ、楽器音のひとつひとつがより鮮明に聴こえます。MKIIではよりワイドレンジで中高域も鋭くシャープですね。低域もより豊かで躍動感が違います。
バロックバイオリンではAK70では普通のバイオリンと音色が区別できないが、MKIIだと倍音の豊かさと音色の違い、中高音の鋭さも違いがわかります。
MKIIでは弱音の再現性も高く、アカペラの冒頭に息を吸い込む音が入ってるんですが、前のAK70では息吸ってるのがわかるくらいだが、MKIIではリアルで息遣いが強弱まで聞き取れます。
MKIIではAZLAのベースの重みがより魅力的に感じられる。ロックポップではパンチがある。AK70に戻すと軽く気が抜けた感じになる。

AK120を聴いた時にこれならAK200で良かったんじゃないですか、って言ったんですが、今回もAK80とか別の名前にした方が良かったんじゃないかと思います。そのくらい音質部分はグレードアップしていると思います。
ぜひバランス駆動を楽しみたいと思っていたユーザーはこの機会にこの世界に来ることをお勧めします。

* Michelle Limited

またMichelleもリミテッドバージョンが発売されます。

ファイル 2017-09-19 22 15 31.jpg  Michelle Limited_04[1].jpg

本体デザインを変更してチューニングをし直したモデルです。3Dプリンタから金型(モールド)に変えたことで低価格化をはたしたということで、65980円から49980円に変更になっています。あのMichelleがずいぶんとお得になりました。

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左がLtd

それで音質はというと、オリジナルのMichelleと聴き比べてみましたが、より低域が深く豊かでヴォーカルが明瞭でリアルに感じられます。音質は向上していますね。全体に音が変わった感じがするのはユーザーなら比較しなくてもわかるレベルくらいには大きいと思います。

* AK Ripper MKII

AK CD RipperもMkIIとなりました。

ファイル 2017-09-19 22 09 23.jpg  AK CD-RIPPER MKII_02[1].jpg

本体デザインが一新されたのが大きいように見えますが、中身もTEACのハイファイグレードのCDドライブを採用しているようです。また実際に持ってみると重くてダンパーがしっかりしているので、かなり高級CDプレーヤー感覚があります。見ると結構物欲がわく作りになっています。

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消えつつあるCDプレーヤーもこうした形で残っていくのかなとふと思いました。

*追記
9/25日にAK70MKIIおよびMichelle Limitedの先行試聴会を行うということです。詳しくは下記リンクをご覧ください。
http://www.iriver.jp/information/entry_1001.php
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2017年06月16日

A&ultima SP1000ファーストインプレ

A&ultima SP1000の内覧会に参加してきました。以下の画像とインプレは6月初旬の内覧会時点のものです。

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SP1000は第四世代と言えるモデルで、モデルネームがSP1000、プロダクトラインの名前がA&ultimaになります。以降出るモデルもクラスに応じてA&なんとかになるということです。

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外形デザインは原石を多面カットした宝石がデザインコンセプトで、光と陰はキープコンセプトです。化粧箱はブナの木で、スエーデンでのタルンショの天然皮革のケースがついています。

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上面のSDスロットはケースから外さずにmicroSDの取り外しが出来るようになりました。このため上面から電源ボタンがなくなっています。
マイクロSDカードは確実な装着のためにトレイを採用しています。このため専用のピンが同行されています。これによってSDカードの接触がよくないというAK100時代によく泣いた問題は解決されるでしょう。トレイの出し入れは、なれると簡単です。

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またSP1000では従来機に比してオクタコアの優れた処理能力により体力を高めて、起動時間や反応速度を高めています。液晶は見た目にも精細感が高くきれいです。UIデザインも変わっています。

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音性能でもAKMのフラッグシップモデルのAK4497EQデュアルを採用して高音質化し、回路的には特にバランス出力の改良がポイントになります。VCXOクロックなどは引き続き採用されています。

持った感じではステンレススチール筺体と言うこともあってAK380よりもずっしりとした重みを感じます。
電源スイッチはボリュームの長押しで行います。後ろに倒れるように思ったけれども、そちらには動かないようです。
ホームボタンはAK240のように液晶の下を押すことによってホームとなります。AK380のメタルスイッチはやや反応が鈍いこともあったので実用的と言えます。全体的な反応はかなりさくさくと動きます。

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まずはステンレススチールタイプをDreamの3.5mmで試聴しました。
Dreamを使うとよく分かりますが、パワフルで高域の伸びがあるのが第一印象です。伸びの部分はステンレススチールタイプによるものも大きいと思います。
従来モデルとの差はパワフルさで、KANNの時はKANNのみの個性かと思いましたが、おそらく新ラインナップの個性かもしれません。正確にいうとAK70のころからの変化かもしれませんが。。

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低域自体はわりと抑えめで膨らみがないようにスッキリとして、クリーンで上質なベースです。
また高域もAK380がDreamで少しきつめなのに比べると、穏やかでいたさが少ないと思います。より上品というか上質な高域です。

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AK380とSP1000

今回バランスの音がアンバランスとの差が大きいのも特徴の一つ。音が広いだけでなくバランスにすると音に力感とか重みが加わるようになった。言い換えるとアンバランスでは従来通りで、バランスにするとAMPをつけた感じですね。でもAK380AMPと聞き比べると音はちょっと違います。SP1000の方がもっと重く深い気はします。AK380AMPの方がより太い音ではある。ただヘッドホンなどの駆動力は試せませんでした。
バランス回路はAlexに聞くと秘密だが大きく変わったそうです。

全体に380よりもさらに整って帯域バランスも良い感じです。
ステンレススチールタイプというところを差し引いても、380よりもクリアでより鮮明です。音場もさらに横に広いですね。
全体にスッキリクリーンに明瞭に聴こえ、AK380がちょっと曇って聴こえるくらいです。ベースやドラムスがより鋭く、AK380よりはひとレベル上の音と感じます。

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SP1000ステンレススチールとカッパー

AK380単体と同じ曲で比べると、音の広がり、高域の伸びがSP1000で上回ります。音が華やかで伸びが良いのはステンレススチールタイプの利点だと思います。SP1000カッパーに変えると音は落ち着いた感じになり、より音色がきれいに感じられるようになります。全体の音レベルはほぼ同じなので、好みでテンレススチールかカッパーを選ぶことになるでしょう。ただ良さがわかりやすいのはステンレススチールタイプだと思います。

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専用ケースを装着したSP1000

価格はAK380の発売価格と同じオープンの449,980円(税込み)です。ステンレススチール筺体と言うところを考えると価格据え置きはお得かもしれません。
ステンレススチールは7月7日発売で、カッパーが少し遅れて発売されるそうで、ステンレススチールとカッパーは同じ価格だそうです。

SP1000は新CEO時代の始まりを象徴するような、さまざまな点で刷新された新たなフラッグシップと言えるでしょう。
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2017年05月16日

Astell & Kernの新フラッグシップ、ついに登場! その名はA&ultima SP1000

ちょうど二年前のいまころ、現在までのフラッグシップであるAK380が登場しました。そのときは高精度クロックや最新DACのもたらす素晴らしい音の世界に驚いたものです。
それから二年、いよいよAstell & Kernの新フラッグシップ機が登場します。それが「A&ultima(エー・アンド・ウルティマ) SP1000」です。ジェイムズ・リー新CEO体制になってからの初のフラッグシップで期待も高まります。価格はUS参考価格が$3,499(税抜き)です。US価格ベースではAK380から据え置きに見えます。
日本での発売時期、価格は未定です。

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一からの新設計ということでDACも新しく、最新最高のAK4479EQをデュアルで搭載しています。AK380の4490は当時最新でしたが、グレードとしてはハイエンドではありませんでした。このAK4497EQは文字通りハイエンドクラスのDACで、最近では刷新されたLINNのKLIMAX DS/3にも採用されています。もちろんDACチップがすべてではありませんが、大きな違いとなるのもやはり事実だと思います。また高精度クロックもやはり採用されています。
そして今回ははじめから、ステンレススチール(SS)とカッパーモデルの二つのみのようです。どちらもずっしりときそうです。(AK380のようなジュラルミンモデルがない)
かなり気合が入っています。まさにベスト・オブ・ベストなんでしょう。しかしAK380SSはUS$4,999ですから、これを考えるとかなりお得価格になったように思えます。

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デザインはわりとシンプルなものとなり、ベゼルレスの5インチ液晶を採用して大画面化しています(AK380は4インチ)。画面解像度はAK380の480×800から720×1280と大幅に高精細化しています。ハイレゾ再生だけでなく画面もHD化されたわけです。液晶サイズを5インチにしたのもそのためのように思われます。

またマルチファンクションホイールという新機能が追加されています。これは詳しくはわかりませんが、電源ボタンもないのでこれが電源および画面オンオフを兼ねるようです。サイズ的にはやや縦長になった感じでしょうか。
Octa Core(8コア)とCPUも最新のスマホと変わらないほどのスペックです。また新GUIとありますのでUIも変更されているかもしれません。ことによるとソフトウエアも新世代のなっていて、より強力なCPUが必要なのかもしれませんね。ここは詳報をまちたいところです。

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USBはCタイプとなり、KANNのようにハイブリッドではなく、Cタイプのみのようです。また底面画像を見ると拡張コネクタが4ピンではなく5ピンになっていますね。

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内蔵メモリは256GB、拡張メモリはmicroSD一基ですが、上部にスロットが移ったようです。バッテリー容量は10%ほど上がっていますが、CPUも高性能化していますのでそのためかもしれません。

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なお詳細仕様などについてはアユートさんのページをご覧ください。
http://www.iriver.jp/information/entry_980.php

SP1000は価格がAK380の据え置きで、上級のステンレススチールが採用されてお得感があり、ハイエンドクラスDACの採用で音質の進歩もさることながら、CPUや画面など体力も向上してます。また拡張性もなにかあり、ソフトの進歩もありそうです。
さて、ミュンヘンでは試用レポートが見られるのでしょうか、楽しみです。
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2017年04月13日

Astell & Kernの新ラインナップ、KANN登場

Astell & Kernから新しいラインナップであるKANNが発表されました。

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KANN_14[1].jpg  KANN_12[1].jpg  KANN_15[1].jpg

また今までAstell & Kernを支えてきたジェームズ・リー氏が新しくiriverのCEOに就任することも発表されました。これはAstell & Kernがよりいっそう安定していくことが期待されます。

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KANNもリー氏によれば日本からの意見をとりいれたもので、はじめは日本限定にしようかと思ったくらいということです。またブランドロゴも今回から少し変わっています。

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KANNはできるという意味のcanから由来していて、一体型でいろいろ出来るというコンセプトです。
高性能アンプ、多彩な入出力、大容量バッテリー、高音質が新デザイン(氷壁をイメージした)でパックされています。
モデル番号の入らない、新しいパフォーマンスラインのプロダクトでクラスの上下わけというところからも独立しているように思います。(別な製品がミュンヘンのハイエンドショウで出るだろうことも示唆されていました)

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AKM4490シングルでフェムトクロック採用、高出力ということで従来品で言えばAK300と専用AMPを合わせたようなモデルです。ただし比べると一回りコンパクトで、持ってみると思ったより軽く(278.7g)、逆三角形で持ちやすいですね。多少大きめですが、ポータビリティも十分あるように思えます。
メニューにはアンプの出力切り替え設定があります。出力端子は3.5mmと2.5mmバランスがラインアウトとヘッドフォンアウトが両方あります。

写真 2017-04-13 13 31 36[1].jpg  写真 2017-04-13 13 34 31[1].jpg
KANNとAk300/AMPのサイズ比較

また今まではDACボリュームオフでアンプ通すのがAKのラインアウトだったけど、アンプを通さずにDACから直で出るようになりました。(アンバランス、バランスとも)
これはボリュームもバイパスされます。ボリュームも今までのAK DAPではDACの電子ボリュームでしたが、AMP同様にアナログアンプが入ってるようです。
この機能を活かすためにマークレビンソンとJBLスピーカーでも負けないくらいの品質のサウンドをデモしてました。
出力インピーダンスもアンバランスで0.65オームと低くなり、ヘッドフォン出力自体は十分強力なので、改良されたラインアウトは据え置き的な用途で役に立ちやすいと思います。

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またUSBが二系統あって充電しながらUSB出力できます。
出力側はUSBマイクロBで充電側は新しいCタイプになりました。データ伝送はCを使います。これも据え置き的に使うのに便利でしょう。

操作性系も一新されてボリュームがロータリーとなりました。おそらくエンコーダ経由でボリュームを変えてると思います。
大きな機械式のボタンをフロントに配置して、ホームボタンも機械式です。これはリー氏に聞くとアナログ感を活かしたかったと言ってました。

このようにフロントの大きな操作系、充電しながらのデジタル出力、そしてラインアウトの改良と考えると、たぶんデスクに置いて使いやすくなって、据え置き的な用途が今まで以上に使いやすくなると思います。

ソフトウエアは従来と同じですが、ロックやラインアウト出力の可変(実質ラインアウト時の音量調整だと思います)などが新規についてます。
アンプのHigh/Normalは変えてもボリュームが従来のようにリセットされません。ファームのMQA対応も今後ありそうです(従来機もそうだと思います)。

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内蔵はAK300同様に64GBで、デュアルメモリーカード でSDとMicroSD(max 256GB、SDの512GBは検証中)も改良項目ですね。

実際に使ってみると、再生ボタンがはじめ戸惑いますがすぐ慣れるでしょう。
ボディは逆三角形で持ちやすく、ボリュームボタンは中指で回しやすいと思います。
音質はパワフルで力強く、音の歯切れよさが良好で、Michelleで聴いたけど気持ちよかったですね。

シルバーとブルーが用意され、USD999で日本では価格未定ですが12-13万円くらいのようです。

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ポータビリティも保ったまま、据え置き的な要素も今まで以上につかえるようになったと思います。外ではポータブルで使って、家に帰ってからはデスクトップでパワードスピーカーと組み合わせるのもよいですね。
操作系も刷新されたことから、新しい層にアピールする要素もあるかもしれません。なかなか使い出のある新ラインナップと言えるように思います。

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2016年10月11日

AK70のUSBオーディオ出力機能とDAC内蔵アンプいろいろ

AK70のUSBオーディオ出力機能を使っていろいろなDAC内蔵ポータブルアンプ(?)と組み合わせてみました。

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Chord Mojo (USB Micro)
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一番スタンダードというか、推奨的な組み合わせ。両方ともコンパクトで持ち出しやすいし、音質的にも期待できます。少し熱くなりやすいですが、大きな接続問題は起きないように思います。
前はあやしいUSB OTGケーブルを使ってましたが、フルテック(ADL)のOTGに変えたところ、ハイグレードな音を楽しめるようになりました。特に良音源のときにさすがパルスアレイDACというAK70単体よりも高度な音質再生を楽しめます。


Chord Hugo (USB Micro)
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USBにはSD(44まで)とHD(ハイレゾ)の二つの端子がありますが、HDのときにはクラス違いの「別物」と思わせるようなハイグレード再生を聴かせてくれます。AK70(および300シリーズの)最新ファームを適用することで正常に鳴らすことができます。音の微細なテクスチャがよくわかるという感じです。

ALO Continental Dual Mono (USB micro)
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CDMの音はやはり別物感があると同時に真空管っぽくて個性的です。鮮烈でかつ分厚く、躍動的でかつ滑らかという感じ。ちょっと熱くなるのがなんではありますが。
AK70/300シリーズのUSB out機能を使うにはCDMはミックスウェーブさんのカスタマイズサービスを適用する必要があります。

iQube V5 (USB Mini)
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これは個人的にかなりはまった組み合わせ。V5ではDACもアンプも再設計されて刷新されたおかげで、これも「別物」的な音世界を聴かせてくれます。やや大きいのですが、まあ許容範囲かと。個人的にはお勧め。

iFI Micro iDSD (USB Aソケット)
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これも別もの。IEmatchも効いて音に深みが出る。Xbassとか機能もあって好みの味付けができるのも良いけど、すべてオフの状態でDACが良質と思う。歪みの少なさ純粋さワイドレンジ感などDAC IC外の回路の出来が良いという気がする。ここはさすがトルステンで手は抜いてません。ただ縦に長いのがちょっとバッグに収まりにくいです。

Aurender Flow (USB Micro)
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Flow側でOTGと認識して動作します。Flowは操作ボタンもあるのですが、このFlow側の操作ボタンも生きているというか、連動してAK70の操作ができると言うことが分かりました。つまりAK70ではオーディオ信号だけでなく、HIDクラス(操作コマンド)信号も理解しているということです。さすがに据え置きアンプ品質で、特に音の広がり感がすごいですね。
ちょっと重いですが、AK70側で内蔵ハードディスクも認識してくれれば意外と使える組み合わせとなるかもしれません。

AD1866 (USB Mini)
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当時は珍しかったデジタル入力専用のポータブルアンプで、Bluetoothが使えるのが斬新でした。音もなかなか優れていて、マルチビットDACのAD1866を使った滑らかな音再現を楽しめます。
アンプ部分もなかなか良いのですが、USB入力では少しノイズが乗ります(アンプ側のなにかのシールド問題だと思います)。

Companion one (特殊USB Micro)
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これは世界初のDLNA(uPnP)対応ポータブルアンプですが、USBも対応します。実はこれだてに大きいだけでなく音もなかなか優れたアンプです。
ただこれは普通のUSBマイクロに見えますが、実は特殊で添付の専用OTGケーブルでないと使えません。普通のマイクロが付けられないように彫り込みされています。フルテックなどの高品質ケーブルが使えないのでそこが難ですね。

Govibe mini (USB Mini)
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ちょっとクラシックの領域に入りますが、きちんと使えます。元気のあるパワフルなGoVibeサウンドを楽しませてくれます。
古いけれども、音的な面白さはいまでも通用しそうです。

Astell & Kern AK380 (USB Micro)
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ネタと言われるとネタなのですが、けっこう良い音します。AK380はネイティブ再生できる範囲も広いのでUSB DACとしてもきちんと活用できるということですね。

しかし以前はDAC内蔵アンプとDAPをつなぐには光しかなかったのですが、USBでつなげられるということが意外な組み合わせも可能なように思います。
iBass D100とかHeadroom MiniとかPorta Tubeとかもそのうち試してみたいですね。
posted by ささき at 12:39 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月28日

Astell & Kernの新しいエントリー機、AK70レビュー

AK70はAstell & kernの新しいエントリー機で、直販価格で69,800円と他の製品ラインナップより一段低い設定がなされています。位置づけとしては従来のAK Jrに相当しますが、実売価格が低下しているAK100IIともライバルとなるでしょう。また単なるエントリー機とは言い切れないような魅力を持つ機種となっている点がポイントです。以下、その解説をしていきます。

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AK70は"MUSIC FRIEND IN MY POCKET"というキャッチフレーズの通りに、かつてのAK100をも彷彿とさせる理想的なフォームファクターを持っています。やや大型化してポケットにはきつくなってきた第3世代機のシリーズよりはだいぶコンパクトで軽量化されました。サイズは96.8x60.3x13mm、重さは132gと数値的にも小ささが分かります。特に持って見ると軽さが際立ちます。ボリュームガードが付いているのもポイントになるでしょう。実際にポケットに出し入れしてもあまりボリュームが不意に変わるということはあまりないように思います。

ぱっと見た目にはAK240の外観をベースにしたようにも思わせますが、実際に第二世代を感じさせる個所が随所にあります。たとえばホームボタンが第3世代のようなメタルタッチではなく液晶の再下部にあるところや、DACにCS4398を採用しているところです。第二世代もなかなかに優れたところがあったわけですが、その点をうまく抽出してエントリー機に仕上げた感じです。カラーもミスティミントというライムグリーンのような夏向きのさわやかな配色です。パステルカラーのような淡い色彩の使い方も良く、この点もユニークです。ボリュームガード周りなど細かい点の作り込みもなかなかよく、全体的な質感もたかくしあげられているので、Astell & Kernブランドを購入したという所有感も十分満たされると思います。専用ケースは付属していませんが、別売で用意されます。

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デジタルプレーヤーの心臓部であるDACチップはCS4398をシングルで採用しています。CS4398はスピーカー向けオーディオ機器にも良く使われていてシーラスロジックのトップクラスのモデルです。その点ではAK JrのDACチップはWM8740という普及タイプですから性能的にはAJ Jrと比較すると十分な向上と言えます。
シーラスロジックの音はわりと暖か系で、今回のAK70のダイナミックな音調にもあっていると思います。AK4490というかAKMはどちらかという分析系なので上位機種のフェムトクロックを採用したAK3x0シリーズによりあっているように思います。

内蔵メモリは64GBとAK Jrからは据え置きとなりました。このほかに従来通りMicroSDスロットがひとつ使えます。デジタルプレーヤーとしてはもう少し欲しいところですので、できればMicroSDスロットが2つ使えるようにしてほしかったところですね。

機能的にはAK Jrからは大幅に改良されて、ほぼ上級機種に近いものとなりました。
まずバランス駆動ができるように2.5mmバランス端子が付きました。エントリー機にもバランス端子が採用されることで、2.5mm規格もより広まることが期待されます。
またオーディオ回路設計も新規のものとなっているということです。このアンプ部分の強さがAK70の強みの一つになっていると思います。

ソフトウエア的にもほぼ上位機種と同じ操作系であるUIが使用できます。私はAK Jrも薄さや迫力のある音がけっこう気に入っていたのですが、使うたびに閉口してしまうのはスクロールやリストをするときの遅さです。これはAK70では上位機種とは遜色がない程度にスピードアップされ、不都合を感じることはなくなりました。
またトップメニューのアートワーク拡大機能(ボタン部分の面積を減らせる)のように一足早く上位機種よりも早く取り入れられた機能もあります。のちに述べるUSB出力機能もそうですが、AK70は残ったエントリーラインナップの刷新というよりも次世代ラインナップの第一陣という観点もあると思えます。

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さらに機能的にも無線LANが搭載されDLNA互換のAK Connectが使えるなど、かなり強力なものです。こうしたIT関係の機能はカジュアルユーザー層の方がかえって先入観なく使いこなせるということもあるでしょう。
ただファイル転送がAK Jrではマスストレージクラスだったけれども、AK70では上位機種と同じMTPになったのでこれはMacユーザーを中心として戸惑うところもあるかもしれません。

しかしなんといってもAK70での注目機能はUSB出力ができると言うことです。はじめに発表された時にはUSB入力機能のタイポではないかと思ったくらいですが、ちょっと驚きでした。
いままではiPhoneにHF Playerなどのアプリを使うことでこれらは可能でしたが、スマートフォンではMojoなどと組み合わせるのも不便で、つけるとスマートフォンとしての利便性も損なわれます。AK70のように専用機のようにくっつけてしまえるのは大きいですね。

そしてネットワークオーディオAK Connect機能とUSBオーディオ出力機能は組み合わせても使うことができます。その可能性はまさに大きく広がります。
音質に優れるバランス駆動端子の搭載、それにこうした先進的なオーディオ機能を組み合わせることができる強力なエントリー機がAK70です。

* 音質

AK70の箱は他と同じデザインですが少し小さな箱に入ってきます。内箱がAK70デザインのように斜めにカットされた面白いものです。

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持った瞬間に軽い!っていう感じ。夏っぽいライム色は思ってたよりメタリック感が控えめでシックです。

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AK70の音質は立体感やパワフルさがあり、アンプの押し出しが強いという感じの音です。力感のあるパワフルさはアンプ部分の音の支配力が強いことを伺わせてくれます。ふつうAstell & kernプレーヤーはエージングにつれて透明感とか解像感が上がる感じですが、AK70の場合はむしろ立体感が上がる感じがするのもその辺かもしれません。
最近はAK3x0系のAKMの音をずっと聴いてきたせいか、シーラスのDACはAKMに比べると甘めなのがピアノの音色に出てることで最近のAK3x0系の音色とも異なるように思います。また高域がやや強調気味か、あるいはトランジェントが高いせいか、全体にはやや若いというか明るい感じの音調と感じると思います。

音の個性がいままでのAKとは少し違うというか、いままでのAKサウンドはマルチBAで良録音の音楽を聴くのに適していたとすると、AK70はもっと元気よくダイナミックドライバーでロックポップ・エレクトロ系の音に合っているように思います。

* 他機種との比較

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それではAstell & kernの従来機とAK70の違いについて書いていきます。

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AK70/AK300

- AK300との比較
AK70はAK300と持って比べてみるとずいぶんとコンパクトで軽い印象です。
AK300はAK3x0系の最新DAC+フェムトクロックという品の良い精密な音再現の延長上にあります。他のAK3x0との音の差は周波数特性を少し中低域に厚みを持たせて動的な音楽に適性を与えたのに対して、AK70はもとより元気の良いアンプのパワーで動的な音楽に合わせたという感じに思えます。音をより精密に解像感高く聴きたいときはやはりAK300の方が上だと思いますが、より塊感のあるパワフルな音を聴きたいときはAK70が良いかもしれません。
たとえばUMのIEMでいうとMavisのような細かい音で音世界を作るタイプはAK300の方が良く、Maverickのように音像の実体感で聴かせるタイプはAK70の方が良いように思えます。
また音質以外にもAK300には第3世代のアクセサリーが使えるという利点もあります。

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AK70/AK100II

- AK100IIとの比較
AK70はAK100IIに対しても軽くコンパクトな印象に思えます。AK100IIも金属的な質感はとても良いと思います。
音質ではAK100IIに対してAK70はぐっと凝縮されたような力強さがあり、一つの音も明瞭に感じます。この理由はDACというより音が速いよう(トランジェントが高い)に思う。叩きつけるようなドラムスとかベースギターのキレやインパクトが強くAK70の方がアタック感が強い印象です。
AK100IIはAKらしい端正な音で音空間の表現は少し余裕があります。AK100IIは一つの音はAK70に比べるとやや丸く、動感やパワー感もあるけれど、ちょっと大人しめです。
全体の解像度は互角だと思うけれど音色の差はあります。音色はAK70は少し明るめでAK100IIはニュートラル、AK70は明るめできれいに感じます。AK100IIは着色感が少ないですね。AK70は高域に強調感があるように思います。
AK100IIはある意味従来のAKらしい音で、静かな音楽をじっくり聞きたい人や、着色なく聞きたい人には向いていると思います。

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AK70/AK Jr

- AK Jrとの比較
AK Jrは薄さでまだまだ存在感を感じさせます。形はとても良いですね。ただしAK70とJrではAK100IIやAK30と違い、バランス端子とかUIやAK connect など機能的に差が大きいのであまり比較にはなりにくいと思います。
音的にも一口で「パワフル」と言ってもAK70と異なる感じですね。Jrはあまり解れず塊感があり、エッジも丸く甘く感じられます。
AK70は他でも感じるけれど、トランジェントが高く、歯切れが良くて速いという感じです。アンプの電流の流れの立ち上がり立ち下げが速いという感じでしょうか。AK70ではJrに対してDACもグレードアップになるのでそれと相まって明瞭感がJrよりもだいぶ良く感じられます。AK70は全体にJrより整って明瞭感が高く、メリハリがありくっきりと音像を形作ります。
こうしてJrと比べるとAK70が単に中低域を盛り上げただけの機種ではないのが分かるようです。

* イヤフォンの相性

AK70は個性的な音でもあり、イヤフォンとの相性を見つけるのもまた楽しみです。

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AK70+FitEar Air   

-FitEar Air
イヤフォンの相性としてはダイナミックドライバー系がまずとてもあうと思います。いろいろと使ってみて一番良いなと思ったのはFitEar Airで、これに銅線系のBlackDragonリケーブルをして使ってます。

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AK70+FitEar Air

ダイナミックフルレンジ+BAツイーターの構成が生きてAK70のダイナミックな迫力がよく出てます。フォステクスのドライバーがいい味出してる感じで、音場も独特の立体感がいい。 特にバスドラのパンチの強さはいままでのAKにはなかったパワー感があります。打ち込みのベースサウンドなどは特にファームアップしてから歯切れが一段とよくなった感じですね。

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AK70+JH Audio AngieII   

-JH Audio AngieII
またAK70はトップグレードDACのCS4398を採用していますので、基本性能も実はとても高いというのはJH AudioのAngieIIを組み合わせるとよくわかります。
パワフルで荒っぽい音のようだけどある意味素直でもあり、この組み合わせはワイドレンジで低い音から高い音まできれいに再現され、なおかつパワフルさも楽しめます。この価格帯のDAPとは思えないような充実した音表現を聴かせてくれると思います。

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AK70+JH Audio AngieII

また音調的にやや明るめのAK70がAngieIととてもよく合うように感じますね、これは好ましいという言い方をすると上級機よりもむしろAngieIIの方がAK70と合わせて好ましい音を再生しているように思えます。カラーリングもライムとレッドでいい感じ。

-AK T8iE MkII
そして最新のAK T8iE Mk2も高性能ダイナミックの実力を十二分に生かして、AK70のダイナミックさ、充実した基本性能の高さを活かしてくれます。ベースの迫力もまさに「ダイナミック」でパンチが強力、一新された新ケーブルの透明感の高さも際立ちます。特にAK T8iE Mk2ではバランス接続でいっそう切れ味の良さが引き立つように思います。

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AK70+Campfire Audio NOVA

-Campfire Audio Nova
AK70とCampfire Audio NOVAも厚みを増したNOVAの音表現が力強いAK70によく合うようで、ヴォーカルもいい感じに聴こえます。

* USBオーディオ出力機能について

AK70の目玉の一つはこのUSBオーディオ出力機能です。(現在では第三世代でもファームアップで可能となっています
これはつまりUSB DACであるMojoがiPhoneを音源のソースとして使えるのと同様に、AK70を使えると言うことです。AK70をあたかもPCのように考えてUSB DACをつけて再生ができると言うことです(もちろん制約事項はあります)。しかもDSDネイティブ再生が可能です。
たとえば素のAndroidでも48kHz程度でも不安定で満足なUSBオーディオ出力はいまだできていない状況ですから、これは画期的なことです。つまりAndroidのUSBドライバーは使うに足りませんから、サムソンのように独自でLinuxレベルのドライバーを書くか、あるいはUAPP(USB Audio Player Pro)のようにアプリレベルでドライバーを持つかのどちらかとなります。
対応フォーマットはPCMでは 384kHz/32bit、DSDではなんとDoPでDSD128(5.6MHz)まで対応しています。光出力では384kHzまでサポートしませんし、DSDネイティブ再生もできませんので将来性がある方式ともいえます。
(ただしAK70では光デジタル出力がありませんので注意ください)

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AK70 + CHORD Hugo

USB出力の音はMojoとHugoで試してみました。USB出力の切り替えは画面上のアイコンで行うことができます。出力中は出力しているフォーマットが音源のフォーマット表示の横に表示されます。MojoもHugoも両方ともあっさりと簡単につながります。USBケーブルはOTGケーブルが必要で、アユートさんではOTGケーブルも販売しているようです。私は他のDACについていた短いケーブルを使ってみました。

-MojoとHugo
AK70単体の音と、AK70+Mojoの音をくらべてみると、録音の単純な曲ではわりと差がわかりにくいくらいAK70の優秀さが逆にわかったりしますが、やはり良録音で比べるとMojoの方がより正確に細かく音を出していると思います。
AK70単体の音と、AK70+Hugoと比べると、HugoではSD端子(48kまで)とHD端子と両方使えますが、SD端子でもMojoよりも音の差は大きくHugoのアンプのパワー感がよく出てきます。特にHD端子を使った時にはかなり魅力的な音です。特にハイレゾ音源はAK70単体とは差が大きく出ると思います。ここはDACの差がやはりHUgoならではパルスアレイDACの能力を感じます。ただHD端子だとたまにぼつっぼつっとノイズが入ってしまうことがあるように思います。私のHugoは生産前のものなので、この辺は現在のモデルでも出るかはわかりませんが、、

Hugo HD端子との音はすごい別物感があって据え置きDACを運んでいるように感じられます。このくらい音の差があるとでかいHugoを持っても魅力的におもいます。もともとHugoはUSB HD端子を使ってPC/Macから音出しするのがもっとも高音質だったのでそれをポータブルで実現できるのはHugoユーザーにとって福音となるでしょう。
この辺はもう少し良いケーブルを使ってみたい気はしますね。

-そのほか
これもまた別物の音が期待できるALOのCDM(Continental Dual Mono)と組み合わせてみましたが、こちらは残念ながらUSBを認識しませんでした。これと組み合わせられると真空管でまた良かったのですが、ここはまたファームアップがあったら試してみます。
またiQube V5もUSB経由で別物になる予感がありますが、これはiQube側がMini USB端子なので適当なケーブルかアダプタが見つかるまでお預けです。

* まとめ

簡単にまとめると、パワフルで迫力のある音質、上級機ゆずりのバランス駆動端子の搭載やネットワークオーディオ機能などを兼ね備え、さらにUSBオーディオ出力の搭載などはじめての機能を搭載した、ポイント満載のパッケージがAK70であると言えます。

個性の強いアクティブな音の世界が楽しめ、容易にポケットに入れられ、Mojoトランスポートの役にも立てるというところはベテランユーザーも魅力的なところでしょう。
バランス端子が使え、ネットワーク機能が使えるという点はエントリークラスのユーザーには嬉しいことだと思います。きれいなミントカラーはいままで興味のなかった女性ユーザーも思わず店頭で手に取るかもしれません。そうした広い層に訴求する魅力があります。

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AK70 + JH Audio ROSIE

AK70はUIの新機能やUSBオーディオの搭載など単にエントリー機の刷新とだけ言えるようなものではなく、AK70はAK Jrとはくらべるのはあまり意味がないかもしれません。エントリークラスというよりは、むしろAstell & kern新時代の先陣を切ったコンパクトモデルがAK70であると言えるのではないかとも思います。
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2016年06月21日

AK70 & AK T8iE MKII登場、AK70にはUSB出力搭載!

本日発表会があり、AK Jrを継ぐAstell & kernの低価格モデルとしてAK70、AK T8iEの後継モデルとしてAK T8iE MkIIが発表されました。

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AK70製品ページ
AK T8iE MkII製品ページ

AK T8iE MkIIについては初代との変更点はボイスコイルが改良されたこと、ケーブルが銀コート銅の新型になったこと、ケーブル端子が改良されたことなどが変更点です。
AK70はAK240をシンプルにしたようなデザインで夏らしいミントカラー、2.5mmバランス端子、CS4398を搭載、AK上位機種のようにネットワーク機能も使えるファームウエアなど充実した内容のモデルです。

またAK70の驚き機能はUSB出力に対応するということです。DoPでのDSD出力にも対応するようです。はじめUSB入力と書き間違えたのかと思いましたが、AK機からUSB出力ができると言うことでまたシステム対応が柔軟にできそうです。PCレスでUSB DACを使うとか、ネットワーク機能と合わせてAK70を介してUSB DACをつなげるとネットワークブリッジ的な使い方ができそうです。MojoにUSB経由で使ってみることもできそうですね。
しかし、USB出力の実装にはLinuxレベルのクラスドライバを生かしたのか、UAPPやOnkyoのようにアプリドライバーを実装したのでしょうか、興味あるところです。
これは現行の第3世代や第2世代にも搭載されていくそうですので、またいろいろと使い方が広がりそうです。

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2016年06月14日

Astell & Kernの第3世代シリーズのエントリーモデル、AK300レビュー

Astell & Kernの第3世代シリーズは上位機種のAK380、特別モデルのAK380 copper、中堅機のAK320とすでに展開されていますが、第3世代としてのエントリーモデルが追加されました。AK300です。

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第二世代で言うとAK240がAk380に相当し、AK120IIがAK320に相当するとすると、AK100IIに相当するのがAK300となります。ただし第2世代とは異なり、ボディは基本的にみな同様なデザインで、アクセサリーが共通して使用できると言うところが第3世代のポイントです。
発売開始は6月11日で、価格はオープンですが、参考価格として直販価格は129,980円です。

* 特徴

もちろん第3世代としてデザインは共通でも他のモデルとはさまざまな相違点はあります。まずDACが同じAKM AK4490でありながらシングルとなり一基となりました。またボディがアルミボディとなり、低価格化に貢献しています。
一方でAK300の一番の特徴ともいえる点はAK380/320のオーディオ機器としての強みであった高精度Femtoクロックをそのまま搭載しているということです。AK320/380とくらべると簡略化スペックにも見えるAK300ですが、考えてみるとシングルDACは他のDAPでは普通のことですから、AK490というAKMの新鋭DACチップと高級オーディオなみの高精度Femtoクロックの組み合わせはこの価格帯のDAPとしては音に関しては破格なスペックともいえると思います。

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ボディカラーは精悍なブラックです。これはなかなか良いですね。
そのほかの点では内蔵のメモリが64GBとなりました。USB DACがクラス1(96/24まで)であること、DSDがPCM変換であること、PCM上限が192/24であること(再生は変換により384/32まで対応)はAK320と同じです。

Astell & Kern第3世代機として、ソフトウエア機能のDLNA/uPnP互換はそのままで高度なネットワーク対応やiPhoneからのリモコン的な使い方にも対応しています。また4ピンのアナログ端子があるので専用アンプが使えるなど、拡張性はかなり高いと言えます。


* 実機の印象

箱は他のAstell & Kern機種同様に外箱と内箱に分かれ、内箱を開けるとAK300が入っています。

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アクセサリー箱には革ケースとワランティカードがはいっています。このケースはなかなかよく出来ています。

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ボリュームはAK320タイプです。この形式は片手で回しやすい半面でポケットに入れた時に回りやすいのでキーロックをしておいたほうが良いと思います。

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* 音質

AK300の音質はきわめて高く、エントリー機という印象ではありません。特に中音域から高音域にかけての洗練された音像再現性、きりっと引き締まった解像力の高さには感じ入ってしまいます。ヴァイオリンなど弦楽器の「ヤニが飛ぶような」響きや、ギターのピッキングの切れの良さ、ベルの音のシャープさなどとてもリアルな音色で無駄な贅肉が少ないと感じます。
このように音再現は細いし、よく整ってまずが、これはシングルになったとはいえ新しいAK4490の性能の高さもありますが、やはり高精度クロックを上位機から引き継いでるおかげと感じます。やはりこのようによく整って引き締まった音は高精度クロックならではの世界だと思います。高精度フェムトクロックの採用はこのクラスでは反則技的で、群を抜いた音つくりに貢献していますね。

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AK300で、この高い音再現性とともにもう一つ気が付くのはこれまでのAstell & Kernの機種に比べて低音域がかなり強調されて強めということです。AK320のところでAK380と比べるとAK320は高域と低域の音の強調感があり、AK380はもっと味付けが少ないと書いたけれど、AK300はさらにはっきりと低音域の量感が多く、低域がパワフルに聞こえるのがわかると思う。このためにロックやポップでのインパクトの強い、アップテンポの曲が気持ちよく聴くことができます。
Astell & KernのDAPはプロのモニターとしても使えると言うところもポイントだったわけですが、AK300ではもっとコンシューマー寄りにふって設計されていると感じられます。

AK300の魅力はこのパワフルな低音域に、高解像、高音質で整った中高域が組み合わされているところだと思います。安価などんしゃり傾向とは違ってヴォーカルは埋もれずに鮮明に聴き取れますし、中高域は品よく音が作られているのできつさがあるわけではありません。ベースの力強さが強調され、全体に聴きやすいピラミッドバランスの音になっているという感じです。

AK300とAK320や380など上位機種を比較した場合にミクロ的に細かな音再現に注意して聴くと、やはり上位のデュアルDACの機種の方が情報量が豊かだし、音もよりシャープで明瞭感も高いように思います。
ただしマクロ的に聴いた場合、分かりやすい違いは、細かな音再現力の違いというよりも、むしろ味付けの違いでしょう。音質の差というより、音造りの差の方が分かりやすいというべきでしょうか。
AK300ではより味付けがあって低域の量感豊かにパワフルに鳴り、ドラムやベースが気持ちよく、電子的なビートもAK300では迫力満点に聴かせてくれます。ポップ・ロックやエレクトロなどを聴く人は上位機種よりもむしろ好印象だと思う人も多いかもしれません。上位機種と比べた時の機能の差が少ないのもコスパの良さを感じさせます。
AK Jrと比べるとAK300の方が音質と機能の両面でだいぶ上に感じられます。もちろんコンパクトさというJrの利点はあります。

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今回は主にJH Audio ROSIEで聴きました。最近はROSIEを気に入って聴くことも多いんですが、AK300ではROSIEの低音調整は変えないで使ってほぼ標準位置でベースギターやドラムスの迫力がAK320よりもはっきりと強調感を感じます。
ROSIEはワイドレンジ・フラット基調の現代的なANGIE に比べるといわば古風というか、クラシックな音バランスの良さがあると思います。AK300でロックを聴くとそれがよくいかされています。Sirenシリーズは低音域は調整ができるけれども、低音調整をすると音が膨らんであいまいになる傾向があるので、できればあまり低音調整を利かせない範囲でパワー感が得られるAK300はうってつけだと思います。もちろんバランス駆動で聴くとまた別な良さがあります。

第3世代の拡張性の高さとしてAK380専用AMPをまったく問題なく使うことができます(わずかなデザインの違いがありますが)。やはり専用アンプを付けると低ゲインでもAK300のパワフルさがよりいっそう引き立つように感じられます。より密度感が濃くなるという感じでしょうか。これを高ゲインにすると。。これはオーナー特権だと思いますのでぜひ買ったらやってみて独自の音世界を堪能ください。
またAK380専用AMP copperを使うと、声音の艶とか弦の深みとかそうした感性的な部分でAK300を一クラス上にしてくれます。AK300のパワフルさとcopperの音の豊かさが調和して、ハイレベルの音質への一番コスパの高い道のひとつと思えるでしょう。ちょっと重いですけどね。

* まとめ

AK300はAK320やAK380と比較してしまうと下位機種となりますが、実売10万前後のDAPとして見ると、新鋭のAK4490を搭載し、高精度フェムトクロックを採用するなど音質面でのスペックは高く、加えてDLNA/uPnP互換のネットワーク対応の柔軟性、専用アンプが使用できる高い拡張性など魅力を持っています。
音質的にも上位機種に肉薄するような高解像度と、上位機種にはない音楽的な低音のパワー感の味付けなど優れた内容をもっています。
またボディの質感も高く、精悍なブラックのカラーリング、専用ケースと合わせてAstell & Kernという高級ブランドの所有する喜びを味わわせてくれるでしょう。

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AK300は実際に聴いてみると予想と違った部分と予想通りだった部分がありました。予想と違ったのは(AK120IIとAK100IIの差から)思ってたより音が良いということで、予想通りだったのは音に味付けがなされていたということです。実際にはこの音の良さと音の味付けのミックスされたところがAK300の魅力と言えるでしょう。
プロが仕事の現場で録音モニター的に使うというには向いていないかもしれないけれども、主にCDリッピングでパワフルなロック・ポップを高音質で楽しみたいという人にはお勧めです。

AK300がAK320やAK380と異なるのは、ライバルが少ないAK380やAK320とは異なり、価格帯の近傍にライバルが多いということだと思います。AK300は10万円前後というにはやや高い方ですが、高精度クロックの採用による音質の充実感や、専用アンプの用意、ネットワーク拡張性は他のDAPにはない長所なので納得感はあると思います。精悍なブラックボディの作りも含めてAstell & Kernというブランドバリューも譲ったところはありません。予算10万円を考えたていた人たちはちょっと背伸びをしてみたいと思うのではないでしょうか。

専門店では買取キャンペーンと合わせてよりお得に買えるところもあります。たとえばフジヤさんでいうと他機種の下取りが1万円アップというものです。実質的にはよりお得になっていると思いますので店頭でいろいろと比較試聴の上で、AK300の魅力を発見してください。
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2016年03月24日

Astell & Kern AK380 アンプ Coppperレビュー

ポタ研の記事にも書きましたが、いよいよAK380の合体アンプのCopper版である「Astell & Kern AK380 アンプ Coppper」が発売されます。予約は先週開始していて、今週の土曜日に販売開始されます。価格はオープンですが、参考の直販価格は149,980円(税込)です。

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これは機能的には既発売のAK380アンプと同等ですが、ボディ素材をAK380 Copper同様に99.9%純銅で製作したものです。これによってAK380 Copper同様に音質の向上が図れます。

* 外観

箱はAK380 Copperの箱を少し薄くした感じで、箱自体が明るい銅色をしています。

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外箱、内箱にくるまれた本体はAstell & Kernの標準どおりに高級感のあるものです。

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AK380 Copperと組み合わせると、きらきらとした輝きがいっそうきわだつと共に、ずっしりとした重みを感じます。AK380 アンプ Copperは背面も銅なので、AK380 Copperよりも全体のきらきらした感じはかなり高くなります。美しく、独特でオーラが際立ってますね。まるで金塊を持っているようです(持ったことありませんが)。

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重さはバッグに入れられないほどではないと思いますが、手に持つと重さで落としそうになるので注意したほうがよいですね。

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音質はJH Audio Layla UFにMoon AudioのBlack dragon v2で聴きました。これとAK380 copperは最近のお気に入りですので、その慣れた組み合わせで聴いてみます。いままではAK380 Copperに通常の380アンプをつけるとcopperの良さがなくなるように思えて、もっぱらcopperは単体で使ってました。そのためこのCopperのためのアンプ、「 AK380 アンプ Coppper」rは待望の品だったわけです。

* 音質

AK380 アンプ Copperは2日くらいエージングしてから聴きました。まず低ゲインで聴いてみます。聴いてみるとやはりCopper同士の音の相性は素晴らしく、AK380 Copperの良い個性をそのままに、音性能をさらに高みに引き上げてくれます。
まず透明感がひときわ高くなり、楽器の音もさらに美しく響くようです。ベイヤーのバロックヴァイオリンの音は何回も聴いたトラックなんですが、はじめて感じるその鮮やかさにハッとしてこんな良録音あったっけと思ったほどです。Laylaにしてはじめての音体験を味わわせてくれます。最高のさらに上があると言う感じ。
試しにアンプを切って普通の端子から聴き比べると、やはり380 Copperらしい良い音ではありますが、さっきの聴いたことのない鮮明さ・美しさはなくなってしまいます。

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女性ヴォーカルの細やかな声がさらに気持ちよく、ピアノの調べの美しい曲なんか惚れ直すでしょう。中高域だけではなく、低域もより低い音がぐっと沈み込むように深く量感も感じられます。さらなるワイドレンジ感も高く、高い音域はさらに高く伸び、低い方はさらに低い方まで出るように感じます。
また音の切れの良さがよりシャープでかつ滑らかになり、強弱のコントラストがより明瞭に感じられます。この切れの良さはそのままロックでのダイナミックなアタック感の気持ち良さにもつながります。

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実のところ、標準のAK380に標準の380専用アンプをつけても低ゲインでこれだけ大きな差は出ません。このアンプCoperの低ゲインでの差は標準380に標準AMPをつけた時より大きいと感じます。一応アンプのありなしで比較してみましたが、380持ってる人なら比べなくても分かると思うくらいの差があります。私には回路設計を変えたか、パーツをよりグレード高くしたとしか思えません。

* アンプ組み合わせ

次にAK380 Copper、AK380標準、AK320と、標準380アンプと380アンプ Copperを組み合わせていろいろと試してみました。

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AK380標準+標準アンプで聴いてから、アンプだけをアンプ Copperに変えるとAK380標準がAk380 Copperのような感じの(同じではありませんが)広がりが増して豊かで厚みある表現に変わり、個性が変わる感じです。アンプ Copperの音の支配力はそれなりに大きいと言えます。

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AK380 copperに標準アンプはメリットが少ないと思うけれど(鳴らしにくいものを鳴らすという意味以外では)、AK380標準にアンプcopperの組み合わせは良いと思います。音に上質な豊かさと広がりが加わります。AK380標準+アンプcopperからアンプ標準にもどすと、なにかもの足らなくなります。

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AK320に関しては380に比べるとはじめから味付け(低域と高域の強調)がされていて、単体でも聴きやすい音になっているとは思いますが、アンプを付加すると音質はまた良くなります。AK320に標準アンプを加えると、音全体の厚みが増すと言うか重みが乗り、それをアンプcopperに変えるとさらに厚みとスケール感を増す感じとなります。段階的に良くなっていくという感じでしょう。

* まとめ

AK380 Copperにアンプ Copperの組み合わせはたしかに重いけれど、この音を聴くと重さは忘れると思います。重くても良い音を聴きたいときはこれ、という感じですね。なにしろこの良い音というのは透明感やワイドレンジという性能的な面と、音の響きが美しいの両方とも満たしてくれます。
AK380がAK380の型番のままでさらなる高みに到達したといえばよいでしょうか。一度この世界にひたると、高ゲインが必要でないカスタムでも、常にアンプcopperを手放せないと思います。

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はじめはAK380 Copperは単体でも重いから能率が低い鳴らしにくいヘッドフォンのために合体アンプを付け、高能率イヤフォンでは単体で聴こう、と考えるかもしれません。しかし、この組み合わせを聴いてしまうとおそらくはずっとアンプ copperをつけたままにするでしょう。そうした意味ではcopperの良さの個性を保ったままさらに突き詰めた感じで、やはりこのアンプCopperとAK380 Copperの組み合わせはAK380 copperの完成系と言えると思います。
posted by ささき at 21:24 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月18日

Astell & kernからAK380 アンプ Copperとクリスタルケーブルの3.5mm版登場

アユートさんではAstell&Kern AK380 アンプのボディ素材に、AK380 Copperと同様の純銅を採用した「Astell&Kern AK380 アンプ Copper」を3月26日(土)より発売を開始するということです。本日から予約開始です。価格はオープンですが参考の直販価格は149,980円(税込)です。ポタ研で試した時は音がさらに豊かでぶ厚くなる感じでした。特設サイトは下記です。
http://www.iriver.jp/products/product_124.php

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またAstell&KernとCrystal Cable コラボ製品である「Crystal Cable Next」に、3.5mm3極プラグモデルが加わりました。既発売の2.5mm4極バランスモデルと同様に、MMCXとカスタムIEM 2pinの2タイプがあるということです。これでMojoなんかと組み合わせやすくなりますね。
Nextは笑ってしまうくらい音を劇的に変えますが、もとのイヤフォンの個性も残したままグレードアップさせます。下右のJH Audio TriFi(2.5mm使用)でもその大きな変化はちょっと形容のしようがないけど、ドラムを蹴るごとに耳の中で爆発が起きる感じ、でも滑らかで全然荒さがないんです。これはちょっと笑っちゃうぐらいすごいとしか言いようがありません。

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(ちなみに私が持ってるNextケーブルは昨年生産版なので2ピンの場合は現行とは極性によるLR表示向きが片方違うかもしれませんので念のため)
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2016年02月10日

AK380 CopperレビューとAK380とAK320

Astell & Kernが第三世代のプレミアムモデルであるAK380 copperを2/12から発売します。数量限定で販売すると言うことです。

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AK380のキャッチフレーズは"THE EVOLUTION OF A MASTERPIECE(傑作のさらなる進化)"だったわけですが、このAK380 copperでは"A New Approach to Music"(音楽への新しいアプローチ)と設定されています。つまり傑作であったAK240よりもさらに進化した第三世代のAK380が、新しいアプローチを取ったわけです。それが99.9%の高純度胴をボディ素材に採用したことです。
Astell & Kernではボディ素材にこだわって、AK240でもAK240SS(ステンレス・スチール)というモデルを開発しています。その進化ということもできるかもしれません。

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実際にAK380とAK380 copperの違いはボディ素材の違いという一点で、回路もソフトウエアもAK380と同じです。AK320とAK380はDACチップやクロックは同じとは言え、XMOSがないなど、回路は違いますから音が違っても納得するわけですが、AK380 Copperのアプローチはユニークです。

アユートの販売ページは下記です。
http://www.iriver.jp/products/product_119.php

* AK380とAK380 copperの違い

・ ボディ素材

Ak380 copperでは銅(純度99.9%)をボディ素材に採用しています。

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銅は比重が高く、シールド効果があり導電性が高いため、電気的な特性は良いと言えます。AK240SSのときはDAPのグランドに筺体を使用するために、電気的な特性の変化で音質が変わるという説明がありましたが、AK380 copperではその点をさらに突き詰めた素材と言えますね。
また電気的な特性から離れてみると、この銅のシャーシを持ったAK380 copperはかなりユニークで魅力的なスタイリングをDAPにもたらしています。無垢の銅ブロックから一台当たり4時間かけて切削し、1.7kgからわずか175gを作りだすという作業はかなり手間のかかるものです。表面のヘアライン加工も職人による手作りで、さらに表面には酸化防止のコーティングがなされています。
Ak380に比べたずっしりとした重みや、輝く質感の高さはプレミアモデルの持つ喜びをもたらしてくれます。


・ 背面素材

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もうひとつの筺体の変更がこの背面素材です。AK380 copperではカーボン繊維とケブラー繊維を併用した素材で、その青い色味がかった素材感が特別さを感じさせてくれます。

・ 付属ケース

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Ak380 copperではルイヴィトンのバッグでも使われている、トルコ産の最高級の天然皮革である「The V1」を採用しています。このあたりもプレミア感が感じられます。

* AK380 copperの使用感と音質

箱はAK380と同じ大きなタイプの箱ですが、箱自体が銅色に塗られています。箱はAK380同様に積層されて、内箱にAK380 copperが収まっています。この箱におさまっている状態でAK380 copperはただならぬオーラを発しています。

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手に取ってみると、その明るい赤銅色に輝くハガネのような色彩感覚は他のプレーヤーとはまるで異なった魅力を持っています。これはちょっといままでにない質感で、持っているだけでも特別感を味わえます。ロクサーヌカスタムのカーボンシェルのときも箱を開けた時に美しくて声をあげてしまいましたが、これも声を上げるくらいカッコ良いと感じられます。単に銅の質感だけではなく、ヘアライン仕上げがとてもよくマッチしています。

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ジュラルミンとかステンレスだと先進的というかモダンな感覚ですが、この赤銅の質感はちょっとスチームパンク的というか、レトロフューチャー的というか、新しさとともに昔の道具が持つ古き良き質感を取り交ぜたような不思議な感覚があります。
AK380 copperの魅力はまずなんといってもこのデザインでしょう。
(ただし使用において注意事項もあるのでアユートさんのホームページを参照ください)

ステンレススチールでも通常モデルに対しての高級感というのはありましたが、Ak380 copperの場合は高級感もさることながら特別感と言った方が良いように思います。これは強烈に物欲を刺激されると思いますね。よく考えたなという感じです。
また背面のカーボンも青く見える材質が使われていて、ここも高級感というか特別感を感じさせてくれます。持った時のずっしりとした感じも、そうした質感の違いが本物を主張するように感じられます。

箱から出すと音を聴く前にいつもはじめに写真を撮るのですが、ここでも他のプレーヤーとは輝きが異なるので写真の露出をつかむのがかなり難しく、他の記事の倍の時間をかけてしまいました。オートだと露出(明るさ)が狂うので、マニュアルで設定して撮りました。その点でもやはり他とは違います。

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そしてAK380 copperは外観だけではなく、音質も向上しています。箱から開けてもすぐわかるくらい差はかなりはっきりと感じられ、正直言って同じAK380の回路を使ってるとは信じられません。AK320なら回路も違うだろうからまあ納得はできますが。AK380に慣れている人ならば、特にとなりにおいて聴き比べをしなくても違いがあることはわかると思います。
本当は設計し直したんじゃないかと疑りたくなるけれど、もし再設計してこの音出すとすると、抵抗とかコンデンサをグレード高いものにして、電源の低ノイズ化をさらに徹底して、ケーブルもより高品質にした感じでしょうか。一番近いたとえはオーディオで電源をクリーン電源に変えた感じのような気がします。AK240SSのときに説明のあったグランドによる差というのがさらにはっきりと出ているのでしょう。

音の差はAK320とは異なって、AK380と同じ傾向・個性だけれど、すべての面において一段良くしたという感じだと思います。
より全体的に深みと広がりがあり、より音楽的に滑らかで豊かです。また性能的な感覚でも、より高域が伸びやかで、より低域が深いワイドレンジ感もあります。音場と言うか包まれるような音空間が心地よいですね。さらにエージングが進むと抜けが良くクリアに聞こえてきます。
個人的感想かもしれないけれど、通常モデルとの音の差はより「美しい」と感じられるところだと思います。バロックバイオリンとか古楽器系の弦の鳴りが心地よく、聞きなれた曲を聴くのがより楽しみになります。
いつものライブラリをAK380から移して聴いていても、AK380 copperでは、この曲こんなにカッコ良かったっけ?と思って液晶の曲名を見返したり、音再現にはっとするような瞬間を感じることがあります。もしかしたら電気的にはちょっとした違いかもしれませんが、音楽を聴く上では大きな違いになっているように思います。

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AK380AMPとの相性も良いのですが、残念ながらAK320同様に色が合わなくなります。できればAK380 Copperはカッコ良いので単体で手に持って使いたいですね。でもAK380AMPのcopperバージョンがあれば。。と思っていたら、なんとAK380 copperのAMP版がポタ研で出展されるとのこと。これも楽しみです。

Ak380 Copperはまさにプレミアムモデルというのにふさわしい独特な魅力を持っていると思います。
こうしたデザインと質感のカッコ良さ、持つ喜びと音質の違い、またトルコ皮革製の特製ケースを考えるとAK380標準モデルとAK380 Copperの価格差は意外と小さいのではないかと思います。

* Ak380 copperとAk380とAK320のまとめ

それではAK320、AK380、AK380 Copperの兄弟ともいえる3機種の差について、AK380の標準モデルを基準にしてまとめてみたいと思います。

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まず使用感ですが、それぞれ機能的には同じということもあり、使い方に変わるところはありません。ただし手に持った感覚がそれぞれ違います。
AK320では右手の片手で操作ができ、特有のボリュームもそうして使うといっそう使いやすく感じます。またやや小さくて持ちやすく思います。
AK380 Copperはずっしりとした重さがあって、このなかでは一番重いのですが、単体で持つ分にはそう重くは感じないでしょう。ただ通常のAK380に持ちかえるとAK380が軽く感じられます。

デザインと外観についてはやはりAK380 Copperがいち抜けして独特のオーラを持っています。この存在感はさすがで、元ライカのデザイナーがまた関与しているかはわかりませんが、そうした優れた道具を持つ喜びというものを感じさせてくれます。AK320も他のブランドのプレーヤーに対してはずっとすぐれた質感がありますが、やはり通常のAK380のジュラルミンの質感もなかなかすぐたもので、これらはいずれもAstell & Kernというトップブランドの名に恥じないものでしょう。

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音の差は3機種間で驚くほどあると思います。ただその差の傾向が違います。AK320とAK380標準モデルとは違う音の個性があります。AK320はやや強調感があって若い躍動感があります。ロックやポップに会うでしょう。
AK380標準モデルとAK380 copperは同じ音傾向ですが、AK380 copperでは音質全体を一段ブーストアップした感じです。AK380 copperではより深く豊かになり、音が洗練されて濁りがより少ないピュアで綺麗な表現ができます。細かな音に満ち溢れてじっくり聞きたい音楽に向いています。

もちろんAK380標準モデルも標準器のようにリファレンス的で優れた音質再現です。AK380標準モデルはAK380AMPと組みで使って完成された音が楽しめるように思います。対してAK320は独特の強調感で単体で使いたいし、AK380 Copperも単体楽しみたいプレーヤーだと思います。
組み合わせるイヤフォンはAK320はキレが良くアタックがあり、元気なイヤフォンが良いように思いますね。Ditaとか、マーべリックカスタムとか。AK380とAK380 Copperはより厚みがあり豊かなイヤフォンが向いているように思います、JH Audio Laylaとか、AT T8iEなどでしょう。

価格的な点からはやはりAK320のアドバンテージが大きいですね。また価格的な差としてはAK380とAK380 Copperは十分に見合う差があると思います。むしろ価格差が銅のボディを作る手間を考えると思ったほどないようにも思えますね。ただしAK380 Copperは個数限定でもあり、あくまでこのファミリーのなかでは特別モデルと位置付けたほうが良いでしょう。やはりAK380は第3世代のトップモデルであるという位置付けは変わらないと思います。

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AK380ファミリーとでも言うべき、これら第三世代機の間でもけっこう違いはあります。ぜひ店頭で手にとって質感を感じ、試聴して個性の差を楽しんで選んでください。
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2016年02月05日

新世代のハイエンドケーブル、Crystal Cable Next登場

待望のCrystal Cable製のハイエンド・イヤフォンケーブルが発売されます。Astell&Kern Portable Cable-Crystal Cable Nextです。
Astell & Kernとのコラボモデルであり、国内ではアユートが販売します。製品紹介ページは下記リンクです。
http://www.iriver.jp/products/product_120.php

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Astell & Kernのバランス端子に最適の2.5mmバランスプラグ仕様で、イヤフォン側はカスタムなどに使われる2pinと、いまや広く使われているMMCXの二種類が用意されます。

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左: 2pin、右:MMCX

Crystal Cableはハイエンドケーブルの代名詞的な存在のひとつで、うちのブログでもいままでにCrystal Cableの線材であるPiccolinoを使ったJabenのHD800用のヘッドフォンケーブルと、Microを使用したsimilar techのDIRIGENT crystal microケーブルをレビューしたことがあります(現在はどちらも絶版)。

Crystal Cableの特徴は美しい外観と、独自の冶金技術による金と銀の合金を線材として用いていることです。線材は銀の結晶間の隙間に金を埋めるという技術で作られ、これによってより太い銀や銅の線材よりも高い電導率を持ち、さらに曲げに強いという長所もあると言います。

Crystal Cableはオランダのケーブルメーカーです。代表者は女性で元ピアニスト、いまは同じオランダのシルテックの社長の奥様です。
シルテックとは施設は一部共用していますが、基本的に別ブランドで別に製品を開発しています。

いままでCrystal CableはPiccolinoとかMicroといった製品シリーズがあったのですが、このNextは新しいラインナップでPiccoloをベースとしているようです。特にポータブル用として高音質のみならず耐久性や肌への優しさも考慮されているのが特徴です。特にAstell & KernのAK T8iEの交換ケーブルとして期待されます。

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まだほとんどエージングされていませんが、
さっそく実機をAKT8iEと組み合わせて軽く聴いてみました。
MMCXプラグはかなりしっかりはまります。ケーブルはとてもしなやかで柔軟、前にPiccolinoを試した時より柔軟に思えます。線はわりと太いにもかかわらず、硬さをまったく感じさせないほどしなやかなのが不思議な感覚です。とても軽く感じられます。
高性能ケーブルはたいてい太くて硬く、ヘッドフォンにはよくてもイヤフォンに合わせると取り回しに難があったりしますが、Nextはそうしたことはありません。

AK380AMPのバランスで聴いてみました。
たまたま再生したのがアカペラのヴォーカルもの(フィンランドのラヤトン)だったのですが、生々しさが異常なほどで、はっと思って思わず手に持ってたAK380を落としそうになりました。CDリッピングですけど聴いてて、あれ?これってハイレゾで買ったっけ?とほんとに液晶のデータ表示を見直してしまいました。

高域の伸びや低音域の沈みと豊かさ、空間の深さ、いずれも圧倒されますが、次に気がつくのは音再現があくまで自然で滑らかなことです。
普通ケーブルは銀線っぽいか、銅線っぽいかどちらかで、特に箱から出したてではそれを強く感じますが、Nextはそうした素材のバイアスをあまり感じさせません。あくまで自然な音再現に聞き入ってしまいます。AK T8iEとの相性はとても良いと思います。

このケーブルの良い点は情報量やワイドレンジ感のような性能の高さだけではなく、音楽的な豊かさと自然さを高い次元で調和していることだと思います。そうした上質な音再現が音の高級感というかハイグレードさを感じさせます。やはり元ピアニストがやってるブランドですね。
ちょっと聴いてもいままで聴いたケーブルの中でもトップクラスであることは間違いないと思いますが、もう少しきちんとエージングして聴いてからまた詳しく書きたいと思います。


プラグが2.5mmなので3.5mmの機種で使いたいときは、このリンクでいま単体売りしているAK T5p用のショート変換ケーブルを用意しておくとよいのではないかと思います。この変換ケーブルはかくれ人気商品のようです。

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Crystal Cable Nextは本日から予約受付開始で、2016 年2 月12 日(金)から販売開始ということです。販売は直販のアキハバラe市場、フジヤエービック、e☆イヤフォンの限定です。
価格はオープンで、直販価格 99,980円(税込)です。2月13日のポタ研でも聴くことができるでしょう。

これはぜひJH AudioのSirenシリーズ用の4pinでも作成してほしいですね!
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2016年02月03日

Astell & Kern 第三世代のスタンダード機、AK320レビュー

Astell & Kernから第三世代のスタンダード機ともいうべきAK320が発売されました。

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アユートの製品ページはこちらです。
http://www.iriver.jp/products/product_117.php

AK320はAK380の提供する素晴らしい音質をより多くのユーザーに届けると言う方針のもとに開発されたと言います。AK320は単なる廉価版の枠を超えて、最上位機種のAK380の音質的なキーポイントであるDACやクロックをそのまま採用しているところがポイントです。ただし細かい相違点もあります。
本記事ではAK380との共通機能については詳しくは解説しませんが、主にその違いについてみていくことにします。共通機能についての詳細はAK380のレビューをご覧ください。

* AK320とAK380の主な共通点

- AKM DACチップ、VCXOクロックなど音の主要部品が同じである。
このことからAK320は音質という点でAK380にかなり肉薄していることがうかがえます。

- 周辺機器が共通で、AK380AMPが使用可能(CDリッパーやクレイドルも共通)。
AK380はいわばAK500をばらばらにして、分散したようなシステム的な側面も持ちます。その点ではこうした周辺機器の存在が大きいのですが、AK320ではほとんどAK380用のものを使うことができます。拡張性が高いというわけですね。

- ソフトウエア的にほぼ同等(AK connect機能も使えます)。
AK380は優れたネットワークプレーヤーとしての素質も持ち、スマートフォンから操作ができるなど、音質の高さだけではなく優れた機能を持っています。AK320ではそれもほとんどそのまま使うことができます。

* AK320とAK380のおもな違い

前述のようにAK320は主要なAK380の長所をそのまま引き継いでいて、かつ価格をほぼ半分にした優れたコストパフォーマンスを持っています。しかしながらやはり相違点もいくつかあります。

内蔵メモリ容量

AK320 128GB
AK380 256GB

ここは大容量の必要なハイレゾ時代に残念なところですが、前にAK240のときも内蔵256GBというのはなかなか実現が難しいというのを聞いたことがあるので、コストを低減するには仕方ないトレードオフかもしれません。

DSD再生能力

AK320 PCM変換(上限DSD128)
AK380 ネイティブ再生可能(上限DSD256)

これはXMOSが省略されているというゆえだと思います。前に書いたようにDACチップがDSDをサポートしていても、デジタルの搬送自体がDSDに対応していないとネイティブ再生はできません。そのためにはXMOSなどが必要です。AK380では11.2MHzまで最近ネイティブ再生可能になったのでAK380の大きな差別ポイントではありますね。考慮点としてはここはDSD音源を良く使うかどうかというところだと思います。

PCM再生能力

AK320 上限192/24 (384/32までダウンコンバート再生可能)
AK380 上限384/32

これは現実的にハイレゾと言っても192kHzが最大のものが多いので大きな問題にはならないようにも思います。

筺体

AK320: アルミニウム、ガンメタル色、約217g
AK380: 航空機グレードアルミ(ジュラルミン)、メテオリックチタン色、約230g

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AK380の方がやはり全体的な質感が優れていて、ここも差別化にはなりますね。質実剛健に音質のみ聴ければよい、というのであればAK320がクローズアップされてきます。

背面

AK320: アルミ
AK380: カーボン

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AK380の背面はAK240から伝統のカーボンで、AK320の背面はAK120IIに似たアルミと表面加工がなされています。

ボリューム位置

AK320:背面(AK Jrタイプ)、
AK380:側面(従来AKタイプ)、

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Astell & kernのAK240以降の特徴的な「光と影デザイン」は左手で持ちやすかったと思います。AK380もそうですが、この場合は左手で持って右手でボリューム操作することが前提だったと思います。
AK320は右手で片手持ちして親指でのボリューム操作がしやすく、この点でも多少変わったと感じます。

付属ケース

AK320 : Conceria WALPIERのレザーケース・ブラック
Ak380 : INCASのサイドカーフチュドール・ブラウン

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これも質感の差があります。やはりAK380のケースの方が高級感を感じるところです。
ただしAK320のケースもAK120IIと比べると高級感があります。

* AK320とAK380の音質と使用感の差について

ボックスはAstell & Kernのスタンダードで外箱と内箱の組み合わされた立派なものです。内箱にはきれいにAK320が格納されています。

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実際に持ち運んで比べると、スペック以上にAK320のほうが多少小さく感じます。また使っていて気がついた点ですが、AK320のボリューム操作は右手で片手で持った時に親指で操作しやすい感じです。

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またAK320では右上の出っ張りがないので持ちやすく感じます。

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AK380とAK320はDACが共通であるということから音質的にも似ていることが想定されますが、DSDネイティブ再生がないという点から回路も異なると思われます。XMOSがないということから、よりシンプルになっているかもしれません。またAK240とAK120IIに見られたような音のチューニングの違いもあるでしょう。AK240ではクラシック向けに味付けされ、AK120IIではジャズ向けと聞きました。

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実際にAK320を数日エージングして聞いてみましたが、AK320とAK380の音質差はたしかにあると思います。音質と言っても音傾向が違うと言う感じで、全体的な音質レベル・性能とで言うとかなり近しいので、差は好みの部分かもしれません。その点ではやはりAK320のお買い得感はあると思います。
音の差に関してはケーブルで違いを楽しむ人ならば差ははっきりわかるくらいあると思います。

細かいAK320とAk380の音の差ですが、Layla UF、マベカスさん、FitEar Air、Dita Answerなどの高性能イヤフォンでくらべてみました。だいたい傾向の違いは同じに感じ取れます。
AK320はAK380とくらべるとより高い方が強く感じられ、ヴァイオリンの高いあたり、中高域が刺激的に感じられます。きついというくらいではなく、AK380より少し強めに感じます。
また感じられるのは、全体にAK380のほうがややキー低めに聞こえます。同じ女性ヴォーカルで比べてもAK320は少し若く聞こえる感じです。
低域表現では、いわゆる重低音の部分はAK380のほうが量感があり、通常の低音ではAK320のほうがやや強く鋭く聞こえるように思います。AK320のほうがドラムのインパクトに少し鋭さ硬さがあります。パーカッションの打撃感、インパクトはAK320のほうが鋭いようで打ち付ける感覚がわかりやすいですね。逆に言うとAK380は誇張感が少なく感じます。

情報量とか厚みという点ではAK380のほうがあるように思います。弦の鳴りとか、ヴォーカルの表情とか細かいところで豊かというか倍音が載ってる感じがします。AK320はちょっとドライにでる感じでしょうか。ただ細かい音のチッとかピンって音の明瞭感はAK320のほうが鋭く聴き取りやすい気はします。
音場はAK380がやや広いように思いますが、大きな差ではないと思います。

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誇張して言うとAK380はややアナログっぽい暖かみが少しあり、しかし強調感のなさ、味付けの少なさはAK380です。そういう意味ではむしろAK380の方がニュートラルだと思います。AK380の方がややリッチで深みがある音に思えます。
AK320の方は全体にやや細身でシャープな感じ、より若い感じの音で元気の良さも感じます。ただ少しドライに思えます。高域も低域もAK320の方が強調感があり、低域のインパクトもAK320の方が強く感じます。

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DSDネイティブに関してですが、AK320とAK380にそれぞれBlue Coastの同じ曲の96K PCM版とDSD64版を入れて聴いてみました。
AK320ではたしかにどちらも区別ができませんが、AK380ではやはりDSDの方がデジタルっぽい音のエッジのきつさが緩和されてDSDらしい再現にはなるので違いはあると思います。

AK320ではAK380専用アンプも使用ができます。色が異なり多少形は異なるためやや一体感がなくなりますが、あまり問題はないと思います。ボリュームも問題なく使えます。
AK380AMPを加えると音はよりいっそう洗練されて上下が伸びるようになり、音の厚みも加わります。やはりAK380と同じアクセサリーが使えるというのは大きいと思います。

* まとめ

実質的にAK320とAK380の関係はAK240とAK120IIに似ています。メモリ容量や筺体デザインもそうですが、音質の差も似ています。またAK320の背面パターンはAK120IIを感じさせます。個人的にはAK120IIの音質に関してのコストパフォーマンスは優れていたと思いますが、カタチ的にAK240との差が大きかったことで見た目で損をしていたマシンかなと思います。その点ではAK320はAK380にそう格差を感じさせずに、かえって改良された点もあると思います。ただAK380の方がやはり全体的な質感などはケースも含めて高いとは言えます。
AK380は音の素材感の良さと音の相性からAK380AMP付けっぱなしにして音質をさらに上げて使いたいDAPで、AK320はちょっと強調された音再現から単体で楽しみたいDAPだと思います。

AK320とAK240とはシリアスに比べてはいませんが、おそらく音質レベル・性能的にはAK320の方が上ですが、やはりシーラスの音はそれなりに魅力的なのでここも好みのところが大きいかもしれません。またAK240はAK320や380とくらべるとなんと言ってもコンパクトさが魅力です。

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聴き比べから離れて、単純に音楽を聞いた感じでは、個人的な好みではありますがAK320ではマベカス+シグナルとの相性が抜群だと感じました。AK380だとlayla UFを選ぶと思います。その辺もあるので、音で選びたい人は試聴してみるとよいかもしれません。

ただ音質のレベルという点で言うとAK380とAK320ではそう大きな差はないと思います。コストパフォーマンスで言うとAK320はかなりお勧めです。AK320とAk380の差をわかりやすく書くためにやや誇張気味に書いたところもあるかもしれませんが、AK320とAK380の差よりもAK320/380と他の機種の差の方がずっと大きいと言えます。たとえばAK380とくらべるとAK320の質感は落ちると書きましたが、他のDAPに比べると質感は高くトップクラスだと思います。
そうした点ではAK320はAstell & Kern第三世代のスタンダードモデルの名にふさわしい優れたDAPであるといえるでしょう。
posted by ささき at 10:24 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月24日

Astell & Kernの新スタンダード、AK320登場

少し前からネットで噂になっていましたが、本日Astell & Kernの新スタンダードというAK320が発表されました。

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アユートさんの製品ページはこちらです。
http://www.iriver.jp/information/entry_860.php

見た目はAK380に似ていますが、筐体はアルミで内蔵メモリも128GBというところ、また320という型番からは従来のAK120のラインを継ぐようにも見えます。
AK4490のデュアルやフェムトクロックというところからは音質の基本的なところはAK380譲りのようにも思えますが、DSDはネイティヴではなくPCM変換というところなどいくつか差別ポイントがあります。スペックからはXMOSが省略されてるようにも見えますね。
あるいはAK240とAK120IIのようにDACは同じでもチューニングが違う可能性もありますが、これはわかりません。

AK380用の専用AMPがつけられるのは大きな魅力ですね。価格はわかりませんが、ベーシックなPCM再生のみを必要としてる人にはコストパフォーマンスのよい選択のように思えます。

posted by ささき at 17:05 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月11日

Astell & Kern AK380専用アンプレビュー

AK380が登場した時に発表となっていた待望のAK380専用アンプがいよいよ発売されます。名称は「Astell&Kern AK380 アンプ メテオリックチタン」です。本稿では以降AK380アンプ、または単にアンプと書きます。

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予約は本日から開始、発売は9月18日からです。価格はオープンですが、参考としては直販が99,980円(税込)です。

* AK380アンプの特徴

このアンプの特徴はAK380専用の設計をして使い勝手と音質の両立を実現していることです。
そのポイントの一つはボリュームです。下の図を見てもらうとわかりますが、AK380アンプ側にもボリュームがあります。このAK380アンプのボリュームは確認したところ実はアナログボリュームです。しかしアンプの外にはボリュームノブらしきものはありません。このアンプのアナログボリュームはAK380本体のボリュームからUSB経由でコントロールされるのです。

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Astell&kernのデジタルプレーヤーは伝統的にDAC内のデジタルボリュームを使用してきました。これはかさばるボリューム回路がないのでプレーヤーをコンパクトに作ることができます。
しかし反面でデジタルボリュームは計算誤差によりビット落ちをしてしまう可能性があり、それが音質低下を引き起こしてしまいがちです。それをふせぐために取られる手法の一つはアナログボリュームを使うことです。

そこでAK380アンプでは、余裕のあるアンプ側にアナログボリュームを設けて、AK380側ではデジタルボリュームを切って(Maxにして)出力します。またAK380とAK380アンプの間は音質の劣化するミニプラグではなく、専用の4ピンプラグでバランス伝送で信号が渡されます。
AK380アンプのボリュームはAK380本体のボリュームノブの動きを信号として受けてUSB経由でAK380アンプに変化量が渡されます。USBはボリューム情報を渡すことができますので、これでAK380アンプ内のボリュームをリモート制御して動かします。
(ちなみにUSB信号でアナログボリュームをリモートコントロールするというのははAudioQuestのDragonflyでも取られた手法です)
これによって、一体型としての利便性を確保したうえで、音質の上では有利なアナログボリュームをAK380で使用することができるというわけです。

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そのほかのスペックを簡単に書くと、バッテリー容量は3400mahで本体と同じです。実際の持ちは出力のモードにより異なり、アンバランス出力で9時間ということです。出力は高ゲインでは8.1Vrmsと低ゲインの2.1Vrmsよりかなり高くなっています。

* 簡単な使い方

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1.まずAK380の肩にある背面のねじを外します。

2.次にAK380とAK380アンプを合体させます。USBと4ピンでアンプと本体が接合されます。

3.そしてAK380アンプ側のねじでさきほど外したねじの箇所を留めます。

4.イヤフォンをAK380アンプのバランス、またはアンバランスに装着します。バランスは本体と同じく自動検知されます。

5.AK380の電源をオンにします。(アンプ側と電源は連動しています)

6.AK380のメニューを引き出して、AMPのボタンをオンにします。すると自動で音量が落ちます(耳を保護するため)

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7.設定ボタンを押して、アンプの項目から高ゲイン、または低ゲインを選びます。低ゲインであればAK380本体と音量はさほど変わりません。高ゲインでは音量が高くなります。

8.音量をあげます。(イヤフォンを抜くとまた音量が自動で下がります)

充電はアンプのUSBポートを使うだけで本体もアンプも充電されます。またアンプ側のUSBポート経由でデータの転送も可能ですが、アンプを使用しているときにはUSB DACは使えません。
使用中はかなり熱くなりますので多少注意してください。

* AK380アンプの音質

おそらく一番気になるのはこの専用アンプをつけてどのくらい音質向上があるか、ということでしょう。

たぶん高ゲインでの音の差はすぐにわかると思います。力強さが一段と増して、ドラムのインパクトがパワフルになり、ギターのキレが一段とシャープさを増します。
ロックやエレクトロミュージックは一段とかっこよく、パワフルで元気よく鳴るようになります。音調というか音の個性はAK380のままでパワフルになるという感じでしょうか。イヤフォンとの組み合わせによってはちょっとクセになりそうな力強いパワー感が味わえます。

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低ゲインでは音量が単体で聴くのとほぼ同じということもあり、はじめ差がわかりにくいかもしれませんがアコースティック音楽のハイレゾ音源など、高品質の音楽を聴いていると解像力が単体より高く、音の芯もより明瞭にかっちりとしていることがわかります。AK380の解像度がさらに上がるように感じられ、また音がより明瞭に深く表現されます。
完全なユニティゲイン(1:1)ではなく微妙に音圧は上がりますがそれ以上の変化があると思います。
ゆったりした音楽で高ゲインだと押しが強すぎるがシャープさは落としたくないというときも低ゲインが良いと思います。

また使用するイヤフォンや聴く音楽によって低ゲインと高ゲインは使い分けられるでしょう。
私なら低ゲインではJH AudioのLayla UF、高ゲインではCampfireのLyraがお気に入りです。

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JHA Layla UFは性能が高すぎるゆえに、使用するシステムを選んでしまい、なかなかこれというのがありませんでしたが、このAK380アンプはバランスでLaylaの魔法のような音空間を堪能させて聴かせてくれます。Laylaをロックでこんなにかっこよくパワフルに鳴らし、オーケストラでは独特の立体的な音空間でスケール感豊かに、情報量豊かに鳴らします。

CampfireのLyraはさっそくAK380アンプの高ゲインで大活躍してくれます。スピード感がありベースはインパクト力強く鋭く、高音域は澄み切って透明感があります。
高ゲインではAKT5pもまたオススメです。AK380単体とは明らかに異なるレベルのインパクト感が得られます。またイヤフォンとは異なる空間の広がりも一層堪能できます。

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他の外付けアンプとして、重量級のiQube V3と比較してみました。iQube V3へはアナログ入力で、高品質のCrystal CablesのMicro線材を使用したケーブル(Dirigent red label)を使用して、AK380からはLineoutモードでミニ端子から出力というかたちに組み合わせました。
同じ曲で聴き比べてみました。個性はやや違いますが、全体的な性能はAK380アンプが少し上と言ってよいのではないかと思います。やはり直付けの専用設計というところが効いているでしょう。またiQubeだとややドライなiQubeの音になりますのでそこも音調がAK380単体と合わせてあるAk380アンプはなかなか好ましいと思います。

また実際に使ってみると曲送りコントロールとボリュームはAK380本体なので便利なのも特筆点です。他のアンプを使うとボリュームは別になってしまいます。またケーブルもいらないので、コンパクトに使うことができます。外付けアンプだと電源も別々になってしまいますね。

電池の持ちはすっかり測ってませんが、両方ともフルチャージしてから聴き始めると、アンプの方が先になくなるけれど、そんな差ではないと思います。43%と38%とか、そんなものですが、ここはさきに書いたようにゲインのモードでも違うでしょう。

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ボリューム位置にはLEDライトアップがありますが、ちょっとしたギミックで面白いですね。

* まとめ

AK380アンプはAK380の圧倒的な情報量を活かして、よりクリアでパワフル、さらに上質の音を提供しています。そのうえで電源ボタンもボリュームもAK380本体と連動するので使い勝手は単体とあまり変わりません。

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これは一体型アンプとか合体アンプというよりも、AK380の完成系って言った方がむしろ正しいかもしれません。特に低ゲインで聴いてるとそう思います。一方で高ゲインだと別物感を楽しめるので、外付けアンプで音を大きく変えたい人にも魅力的でしょう。
おそらく買う前はつけたら重いとか、かさばるとか言うかもしれないけど、いったんつけたらもう外さないと思いますよ。
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2015年07月08日

Astell & Kern AK380がいよいよ発売! 開封の儀

Astell & Kernの新しいフラッグシップ、AK380の発売がいよいよ7月10日のこの金曜日から開始されます。
それに先立って生産版を入手しましたので開封の儀として内容を紹介します。

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外箱、DSD Nativeのステッカー、内箱

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内箱に鎮座するAK380本体

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内箱の下に格納されている革ケース(イタリア製)

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(今回はブツ撮りはKickstarterのポータブルスタジオ、Foldio2を使用しています)

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さて、生産版の音質などははまたアップしていきます。
まずは今週末のポタ妍で試聴ができますので、アユートさんのブースにお立ち寄りください!
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2015年05月26日

Astell & Kernの新ラインナップ、AK Jrレビュー

Astell & Kern AK Jr(エーケー ジュニア)は軽量薄型のAstell & Kern新ラインナップです。求めやすい価格で従来のAstell & Kernのラインナップから一歩踏み出したものといえます。

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AK Jrは薄さ8.9mm、軽さ98gと持ちやすく胸ポケットにも軽々と入ります。
筐体はアルミボディ、液晶は3.1型のタッチパネルでゴリラガラスを採用しています。DACは第一世代と同じくWolfsonのWM8740です。

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出力は3.5mmの通常のイヤフォン端子のみで、2.5mmバランスはありません。ボリュームは側面のダイヤル式なので、(実際はデジタルエンコーダーでしょうけれども)アナログ的な操作感が楽しめます。

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ストレージは内蔵64GBで、外付けのMicroSDでさらに64GB増設可能です。そのためトータルでの最大値は128GBということになります。

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PCからの楽曲の転送はUSBですが、AK第二世代とはことなりMTPではなく、第一世代と同じくUSBマスストレージクラスです。
操作はタッチパネルとAK伝統のハードボタンの併用で行えます。ファームウェアはAK第二世代とは異なり、第一世代に近いものです。
PCM入力は192kHz/24bitで、float/int 32bitにも対応しますがダウンコンバートです。DSDは2.8Mhz対応ですがこちらはPCM変換となります。
出力インピーダンスは2Ωと、よいペースレスポンスを引き出すために十分な低さを持っていますので、イヤフォンなどにも合わせやすいでしょう。

価格は直販69,800円(税込)です。フジヤさん、eイヤさんなど専門店では価格が63,500円(税込)に買換えキャンペーンが適用されます。たとえばフジヤさんの例だと指定DAPとの買換えでは8,500円引きで、5,001円以上のイヤフォン同時購入でさらに5,000円引きなど累計すると最大13,500円ほど引いて実質50,000円程度で購入することも可能だと思います。キャンペーンの条件などについて正確なところはお店に直接聞いてみてください。量販店では10%程度ポイント還元がつくとおもいます。
発売日は5月29日(金)です。

以下しばらく使ってみた感想を書いていきます。(FW1.00で聴いています)

* 使用感

箱の見た目は従来のAstell & Kernを引き継いでいますが、箱自体がいままでよりスリムという印象でちょっと面白いですね。

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外箱の中には他のAstell & Kern製品のように中箱があり、本体が収まっています。中箱の袖には保証書と説明書があります。いわゆるエントリー機としてはパッケージも立派なものですね。ここでもブランドイメージを崩さない高級感があり、ひとクラス上のものを買ったという満足感を与えてくれてると思います。
私なんかはダンボール箱に新聞にくるまった雑な梱包の海外ものになれていて、開封するときにむこうの新聞を読むのを楽しみにしてましたが、時代は変わってきてきちんとしたパッケージは欠かせないものとなってきていますね。

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取り出すと薄くて軽いと改めて思います。アルミシャーシの質感も良く、デザインも洗練されてかっこ良いですね。デザイン的には100IIより良いように思います。特にこれからの季節は胸ポケットにいれる機会が増えると思うので、こうした軽量薄型のデザインは重宝します。
ボリュームの回転も軽すぎずに、適度なトルク感とクリック感がありますので安っぽさはありません。
DAPのエントリー機の中ではやや高めの価格設定ですが、このパッケージと本体の出来を見ると納得すると思います。ハイレゾDAPの入門機というよりも、Astell & Kernブランドの入門機という感じでしょうか。

ただし操作はややもたつく感があり、操作の画面遷移の速さは問題ないのですが、楽曲をリスト表示させるところではそのリスト取り出しに時間がかかってしまうように思えます。ここはファームアップでキャッシュがスマートにできるようになるとよいのではないかと思いますね。

また曲転送がMTPではなくマスストレージなのでMacの人は便利に使えることでしょう。ただし後で一括でライブラリ更新が必要になります。これはMTPは音源をファイルとして転送しているので転送しながら再構築できるのに対して、マスストレージだと転送はバイト(ブロック)単位だから転送中は再構築できないからです。

* 音質

AK Jrというと薄型軽量で求めやすい価格という点が強調されがちですが、実のところAK Jrをしばらく使ってみて一番感じたのはその音の魅力です。
AK Jrの音は音色的にはAKブランドであることを感じさせる着色感が少ないピュアな音の質感を持ちつつも、よりダイナミックでベースの迫力があり音楽性の高さを感じます。
もともとAstell & kernブランドはAK100のころから原音忠実をキーとしてプロ用とコンシューマー用のバランスを天秤にかけつつも進化してきた経緯があります。これはあまり固有の味付けを入れないということですから、そこは聴く音楽によってベースにもっとDAPが味付けしてほしいというようなときに、いくぶん人によって不満を感じるところもあったと思います。AK Jrではそこをコンシューマー用に割り切ることで、音楽を楽しく聴けるような演出を可能としていると思います。

具体的にいうと、従来のAKに比べて低域も少し元気ですが、さらに中低域の厚みを増やして低域全体の量感が増えるようなチューニングがされてるように思います。また中高域はやや硬めなシャープさがあり、ここでも多少強調感を感じます。このシャープな中高域と厚みのある中低域の組み合わせが音に華やかな演出感を加えています。こうした低域と高域の強調感により演出的に音楽が楽しめやすい音になっていると思います。
いままでのAK上級機でもベースのレスポンスは十分ありますが、低域自体がすっきりと整理されて聞こえるのに対して、Jrでは低域でのすっきり感を減らして厚く密度感のあるチューニングになってると思います。これがエレクトロ系とかロックに向いている感じですね。

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オーディオというとよくジャズやクラシック向け、と書くことが多くて、ロックを聴きたい人は本来ラフにうねるべき音楽でも上品な演奏になりがちなところもあったかもしれません。しかしAK Jrではヘビメタやエレクトロ・打ち込み系などで音楽を楽しく聴くことができます。低域が強調されているといっても組み合わせるイヤフォンを間違えなければヴォーカル域の再現性もしっかりとしてクリアに聞き取れますのでアニソンなんかでもよいでしょうね。

この辺の音傾向が気になるとき、たとえばさらにヴォーカルを際立たせたい時などはPro EQを使用するとよいと思います。AK JrにもPro EQがあります。
Pro EQをオンにすると低域の中域へのかぶりが改善され、ヴォーカルがより聞き取りやすくなります。それで音場感もやや改善されるようにも思います。ジャズ・クラシックをJrで聴きたい人もオンが良いかもしれません。ロックやエレクトロはオフで密度感のある分厚い重いベースを楽しめるほうがよいように個人的には思います。JrではこれまでよりPro EQで一粒で二度美味しい感があるように思いますね。

特定の音楽に合わせるにはフラットな音+自分でイコライザで調整という考え方もありますが、普及機ではない高性能DAPクラスの音機材としてはやはりはじめから音の個性として提供してほしいという気もします。
たとえば私は10年前にポータブルアンプのSR71を買ったときに感じ入ったのは、iPodの音がワイドレンジになり解像力が高くなるというHiFi的な向上点もさることながら、その暖かみがあってベースに強調感のある音楽的な演出がとても音楽を楽しく聞かせてくれたという点です。RSAのような強い暖かみとは異なりますが、AK Jrにもやはり演出感のあるオーディオ的な強調の効果があり、ロックポップのような躍動的な音楽をより楽しく聴かせてくれます。

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私がよいと思ったイヤフォンはまずShureのSE215speです。これは低価格ながら良さを再発見するとともに、AK Jrと組み合わせた時の力強い音再現に魅力を感じます。耳に近くステージのそばで聴くような緊密感と、力強く厚く太い、しっかりしたパンチがあるベースが特徴です。
SE215speはMMCXでリケーブルできますが、ノーマルケーブル(ストック)でもとても良いですね。価格が安いのでその分ケーブルを考えてみるというのも面白いと思います。
ただSE215speだと後の上位二機種みたいな独特の音場感の良さまでは味わえないと思います。それだけAK Jrには上位イヤフォンでこそ引き出せる伸びしろがあるともいえます。

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より高い性能を求めるならJH Audioのアンジーがよいですね。アンジーを使うとひときわ音再現性の高さがわかるようになり、AK Jrが単に演出系だけではなく、基本的な音再現性も高いということがわかるでしょう。音の解像感の細かさの向上だけではなく、特に空間的な再現力、立体感が見事で実はAK Jrのポテンシャルの高さがわかるようになります。もしAK Jrをスマホより多少良い程度なんて考えてるならアンジーのような高性能イヤフォンで聴き比べてみてください。
AK Jrとアンジーを使いこなすうえでのポイントはベース調整だと思います。低音域とヴォーカルの変化に耳を傾けながら、あーでもない、こーでもないと、私もいろいろやってみましたが、この辺も楽しみながら使いこなしていけると思います。

もうひとつお勧めなのが、JVCのFX1100です。これは味+HiFi系みたいな独特の良さがあってちょっと面白いですね。


AK JrはハイレゾDAPの入門機と言われますが、私は実機を聴いてみてむしろAstell & Kernブランド初のコンシューマ専用機、と言った方が正しいと思います。
いままでAstell & Kernはプロ機って役割もあったのであまり大きく逸脱できませんでしたが、これはコンシューマと割り切ることでいわば「はめをはずす」ことができ、音楽的な味付け要素を加えられたことで音の個性が上級機と違う魅力を持たせられたと思います。
ですから、AK240とかAK120IIなどハイエンド機を持ってるひとも、どうせ入門機だろうと思わないで聴いてみてください。上級機のほうがやはり洗練されてはいますが、おそらく聴く音楽とイヤフォンによってはAK Jrも音を楽しく聞かせてくれ、気に入るかもしれません。

カメラの世界には「サブ機」というのがあって、一眼レフを持っている人でも高級コンパクトのGR1などをサブ機として併せ持つという考え方があります。それで結局はサブ機しか使わないじゃんと揶揄されたりしますね。軽くて音楽的個性のあるAK Jrにはそうしたハイエンド機がない魅力を持つサブ機としての可能性もあるんではないかと思います。特に手持ちのイヤフォンや合わせる音楽との好みがあえば、サブ機は別腹、という危険な言葉が頭をよぎるかもしれません。

* まとめ

AK Jrは曲表示が遅いという難があるものの、作りや外見からはエントリー機とはいえあまり安っぽさを感じさせない高級感があります。音的には基本的な音質の高さを持ちながら、独特のベースのパンチとダイナミックな味付けで個性的な音質が楽しめます。薄く軽く持ち出しやすい気軽さももちろん大きな魅力です。
Ak JrはAstell & Kernブランドにあこがれてステップアップを望むエントリーユーザーから、いわゆるサブ機的な個性を求める上級者まで幅広く訴求するポテンシャルを秘めた新製品ではないかと思います。
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2015年05月14日

Astell & Kernの新フラッグシップ、AK380レビュー

いまやハイエンド・デジタルオーディオプレーヤー(DAP)の代名詞ともなったAstell & Kernブランドに待望の新世代機が登場します。Astell & Kern AK380です。あのAK240に代わる新しいフラッグシップとなります。

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まず今週末のヘッドフォン祭で発表会があります。試聴機が用意されますのでお集まりください。私もそこでプレゼンします。なお試聴機については整理券の方式なのでアユートさんのホームページの案内を参照してください。
(価格や販売時期等は現時点ではわかりません)

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それに先立って一週間ほどデモ機を使用できましたので、本記事でレビューいたします。借りたデモ機は評価用の生産前モデルであることをお断りしておきます。またファームのビルド番号は0.02ですのでかなり初期です。生産版ではさらにチューニングがくわえられるということです。
生産前モデルとはいえデモ機の印象からAK380はすごい製品に仕上がったものだと感じました。私はAK240の昨年の発表会の時にAstel & Kernはポータブルブランドだけど、ハイエンドオーディオを志向していると言いましたが、AK380はその回答とも言えます。なにしろAK380はハイエンド・オーディオ機材そのものだからです。外形はキープコンセプトに見えますが、中身はかなり変わっています。

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私は昨年のメインDAPはAK240でしたし、デモユニットの時点から使い込んでかなりAK240には慣れ親しんでいます。その点でもAK380とAK240の差は気になるところです。そこで、AK240と比較しながらAK380の特徴を解説していきます。

1. 最新DAC ICチップ・AK4490とフェムトクロックの採用による大幅な音質向上

AK380の特徴はまず最新のDAC ICチップであるAKM AK4490を贅沢にデュアルで採用しているということです。
前のAK240で一番不満に思っていた点は音のかなめであるDAC ICチップがシーラスロジックのCS4398と10年ほど前の古いものであったことです。もちろんCS4398はシーラスのトップモデルとして長い実績と定評があり、たくさんの採用例があります。しかしながらデジタルの分野で10年前のICというと古さはいなめません。
AK380は昨年発表されたばかりのAKM Veritaシリーズの最新モデルであるAK4490を採用して一気に最新モデルとなりました。AK4490は新しいVeritaシリーズの中でも特に最新技術を投入したものです。

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そしてAK380ではなんとフェムトクロック(VCXO)を採用しています。フェムト(femto)クロックは最近ハイエンドオーディオ界隈で話題の高精度クロックの潮流で、femto秒クラス精度のクロックの総称です。いままでポータブルではDACチップが云々されてもクロックまで問われることはあまりありませんでした。AK380では0.2psという精度のクロックを使用することで、AK240に比べて約40%もジッター低減を果たしたということです。
*初出時にAK240と比べて二桁少ないという表現がありましたが、これは正しい記述ではなかったので上記のように訂正いたします。

このクロック重視はあとでも書きますが、AK380は完全にプロ機を想定しているからでしょう。またAK380は拡張機能により単なるポータブルプレーヤーにとどまらない、ということも書き添えておきます。

もうひとつAKM DACの利点は32bit整数ネイティブ入力が可能なことです。そのためAK380も32bit整数ネイティブ対応となっています。
PCMはつまり384kHz/32bit int対応となります。DSDはもちろんDAP単体でのDSDネイティブ再生対応で、2.8/5.6MHz対応です。

2. ドック端子が新設され拡張性が向上

AK380での大きな変化は拡張性が高くなったことです。これによりAK380は第3世代機の始まりと考えることができます。
AK380の底面にはドック端子が新設され、底面に4つの金属ピンがついています。これはアナログ・バランス出力端子です。このほかに背面に別売のアンプ固定用のピン穴があります。またデジタル信号はUSBを介して外部機器とのやりとりを行うようです。つまりUSB+4ピンアナログ端子で外部機器とのインターフェースとなるわけです。

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今回まだ外部機器については資料が来ていません。ここはいまの情報からの推測が入りますが、まず見えているのは下の画像の専用のポータブルヘッドフォンアンプです。デモ機を聴くと十分な音の制動コントロールが出来てると思いますけど、この外部アンプはさらなる駆動力を発揮してくれるでしょう。メニューにはAMPの項目が新設されています。Glove Audioの純正版みたいなものでしょうか。

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AK380と外部アンプ(暫定)

しかしながらAK380の拡張機能はそれにとどまらないと考えられます。それはAK380があたかもコアブロックのようになったオーディオシステムへの発展です。おそらくは後述のDLNA機能も含めて、AK500N相当をAK380と外部機器で実現するようなものを描いているのではないかと思います。あるいはプロ用のエンジニア機材の核として発展するのかもしれません。そうした壮大な絵を描いているように感じられます。

このほかの入出力は3.5mmステレオ(光デジタル出力付)と2.5mmバランス、USB micro端子と変わりありません。Bluetoothは詳細わかりませんが、同じであると思います。WiFiは後述します。

3. 筐体の大型化と使い勝手の変化

AK240と比較すると筐体が一回り大きくなっているのがわかると思います。デザイン的にはAK240の光と影の陰影イメージデザインを引き継いでいますが、左のボタン側が斜めに張り出しているなど新しいデザインを採用してデザインコンセプトも多少変化しています。筐体はAK240と同様にハイエンドオーディオ機器なみの航空機グレードアルミ(ジュラルミン)の高級感あるものです。

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AK380とAK240の比較

このため胸ポケットにはぎりぎり入るくらいのサイズとなりましたが、液晶は大型化(4インチ)により操作がしやすくなっています。

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また液晶の大型化に貢献しているのが、今回新規のメタルタッチ機能です。AK240は液晶の下方にタッチセンサーがあって、そこをタッチすることでホームボタンとして機能していました。このホーム機能が液晶ではなく、ボディの下方の一部(ボッチ印字のあるところ)がタッチセンサーとなりました。これをメタルタッチといいます。これによって液晶の表示部分の拡大に貢献しています。

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メタルタッチ機能

液晶の発色はAK240と並べるとわかりますが、暖色からニュートラル・やや冷調に変わっています。画面が大きくなったのでカバーアートの迫力は増しています。またアートがない音源データの際に表示される画像が多種用意されているようです。

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ボリュームのトルク感はAK240とほぼ同じ感じです。なれるとやや下についている380のほうが操作しやすい気がします。ボリュームは0.5ではなく1刻みになっています。重さ自体は多少ずっしりとしますが、ポータブル機器の使い勝手を損なうほどではありません。

容量はAK240と同じで内蔵256GB、外部にMicropSD一基です。ちなみにAK240もそうですがこの内蔵256GBというのは128GBのメモリを2個つないで256GBの単一ボリュームに見せています。この技術もかなり高度なものということです。
電池の持ちはCDリッピングとハイレゾのまじったライブラリをシャッフルで聞いて、実測でおよそ10時間弱持つと思います。ここも大型化の恩恵があるのかもしれませんが、なかなか電池の持ちも悪くないですね。

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メニューは設定が上から引き出しメニューに移動するなど多少変更がありますが、大きくは変わっていません。この変化はあとで従来機にもフィードバックされるのではないかと思います。

この大型化によって回路設計に余裕ができて、ノイズのもとになるWiFi部分の分離などオーディオ回路の最適設計が可能となったということです。

また、操作性の向上という点でいうとバランス切り替えがプラグ検知で自動化されました。これはなかなか便利です。

4. WiFi機能が向上して、オープン化(DLNAネットワークに対応)

AK240でも先進的なネットワーク機能を備えていましたが、AK380ではそれがオープン化されてDLNA(uPnPベースの)ネットワークの中で認識されて使えるようになったようです。ここは今回の試用ではテストがあまりできませんでしたが、完成品ではAK500N相当になるようです。これはAK connect機能と呼ばれているようです。

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A&Kからアプリも提供されますが、一般的なPlugPlayerなどのuPnPアプリも使えて、その中でAK380が認識できるようになるはずです。

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専用アプリAK connectのタブレット画面(HD)

おそらくはスマートフォンでuPuPアプリを立ち上げるとWiFiネット内のAK380が認識され、スマートフォンの音源やストリーミングをAK380をレンダラー(再生機)として聴けるのではないかと思います。
スマートフォンの音質向上としては外部ポータブルDACアンプをつなげるものもありますが、USBでケーブル接続だと肝心のスマートフォンとしての使用に難があります。かといってBluetoothでは音質に難があります。そこでこうしたWiFiワイヤレスでの接続は大きく可能性を広げることができると思います。

またポータブルだけではなく、ホームシステムのネットワークプレーヤー(ストリーマー)としても機能するのではないでしょうか。そのための拡張機能なのでしょう。

5.イコライザーの高機能化

AK380ではパラメトリックEQが採用され、AK240の10バンドに比して20バンド0.1dB単位とさらに細かい設定が可能となっています。また曲率を示すQ値の変更などかなり細かな設定ができるようになりました。
これはプロ機としてAK380がより意識されていることを示しています。この辺は私よりも他のエンジニアの方たちによる紹介がなされていくことでしょう。
これはプロエンジニアとしてのジェリーさんのAK240での意見がAK380では反映されているようで、JH Audioとのコラボが単なる製品の供給だけではなく製品コンセプトにも及んでいることがうかがえるということがわかると思います。


以上のようにAK380での変化は拡張性、クロック精度、EQの細かさなど、単独ではなく有機的につながってAK380の戦略的なコンセプトを示しているようにも思えます。つまりそれが第三世代のコンセプトと言えるでしょう。
コンシューマー視点で見ても、AK240からは音質の大幅な向上とネットワークのオープン化を実現した正統な新フラッグシップという点で、なかなか魅力的な新製品になっていると思います。

* 音質

次は音質について述べていきます。個人的には一番インパクトがあったのはやはり音質が大きく向上したことです。
ここでは主にレイラユニバーサルを2.5mmバランスで使用して聴きました。これ以外の組み合わせでは今回は聴いていません。時間の制約もありましたが、それよりもこの組み合わせ、聴いてしまうと離れられないんです。
このレイラバランスとAK380の組み合わせはシンプルながら、あっさりと現行では最高峰の音を出してくれます。まさにポータブルとしては理想的ですね。
はじめはAK240で使っていた128GB SDを入れて同じ曲で聴きなおしたんですが、AK380では緊張感、感動、リアルさがまるで違います。

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音は全体的な印象からはAk240に似た感じの帯域バランスに思えます。AK240とAK120IIとどちらに近いかというとAK240だと思います。そのため一瞬似た感じにも聞こえますが、聴いていくと音質は大きく進化しているのがわかります。デモ機を借りて一晩エージングして次の朝に買ったばかりのアルバムを聴いて唖然としました。音世界がすさまじいんです。
やはりAKMの最新チップですね。DAC ICの性能がすべてではないとは言われますが、やはり大きな位置を占めていると思います。そのほかにもフェムトクロックの搭載、大型化で回路に余裕ができたこと、そうしたこともプラスに働いています。

まず際立つのは解像力・立体感ですね。これらはAK240の比ではなく、音像の彫りの切込みの深さはすさまじいという言葉を使いたくなります。大まかだった輪郭の彫像がとても細かく陰影豊かに進化したという感じです。新DAC ICチップの性能の高さはスペック表で数dB変わっただけではなく、音像再現性には圧倒されます。特にレイラUMやカスタムIEMなど最高の性能のイヤフォンやヘッドフォンで聞いて欲しいですね。レイラの能力はこんなものではなかったと気が付き、さらにそれらも惚れ直すでしょう。
情報量豊かなAK380を聴くと24bit音源の良さがさらにはっきり出ているのではないかと思います、小さな信号の取り出しが高いのでそれが音楽により表情を加えているようです。ここも回路もあると思うが、さすが最新のチップだと思う。
AK380からAK240に変えて聴くと、音が全体に軽薄となり、深みが失われたように感じられます。あのAK240が、です。

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音の広がりもさらによくなり、また低域と高音域がさらに拡大してワイドレンジ感がひときわ高く感じられます。
LINN 24bitクリスマスのThe Man Who ...のボーカルパートではかなり違いが明確でAK240よりもAK380のほうが1〜2レベル上であることがだれでも明確に差がわかると思う。発声が明瞭で、立体感・陰影の高さがよく表現されています。低音もAK380は低く沈みこみます。AK380では高音域はより上に気持ちよく伸びて、ベースの低音は下に深く低く沈んで、かなりワイドレンジであることを感じます。
音の広がりもよく、もともと240は空間表現に長けていたけれども、AK380ではさらによくなった感じですね。空間の広がり方に余裕が感じられます。このおかげでAk240と比べるとスケール感が高くなりました。AK240はクラシックマニアのiriver社長の意向がより反映されたモデルということでしたが、AK380もその線を感じます。

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AK240よりも楽器の音がより整っているのはクロックの効果でしょうか。音に深みがあり、豊かで余裕があります。アマンディーヌ・ベイエのバロックバイオリンはAK240よりさらに高音が伸びてふくやかに古楽器らしい倍音の豊かさがはっきりと堪能できます。
生楽器の表現力はAK240よりもだいぶ良く感じます。リアルで着色感がなく歪みがなくて整っているので、脚色がなくてもきれいに美しく鳴るタイプです。ハイエンドの鳴りかたですね。ドライなところは少なく音楽的なわずかな温かみを感じるのもよい点です。
ヒリアードアンサンブルのシンプルなアカペラでは音の純粋さ透明さがよくわかります。この辺はAKMっぽさが少し出てるように思います。たとえばよく聞くとピアノなど楽器の音色はAK240より着色感が少ないのがわかります。これはシーラスロジックとAKMの差だと思います。AKMのほうが着色感が少ないですからね。。

こう書いてくるとクラシックとかジャズ向きかと思われるかもしれませんが、ロックやアグレッシブなポップでもキレが良く、その迫力に凄みまで感じます。AK380の音楽表現はイヤフォンにもよるけど、客観的に引いてるわけではなく適度なユーザーとの距離を持ってるので耳に近くスピード感があってキレがあります。AK240に比べてもAK380ではヴォーカリストが生々しく語りかけてくるよう。没入感がとても高く感じられます。
音に厚みがあってベースも太く、繊細さと力強さを両立しています。単体でもカスタムIEMをがっちりと駆動し、この上アンプをつけたらどうなるかと思いますね。

Ak380を聴くとロックのハイレゾなんて意味あるのか、と斜に構えることはなく、ロックでもクラシックでも音源の良さを余さず伝えてくれるようです。録音の質があらわにされることでしょう。そういう意味ではプロのモニターにも良いのだろうと思います。

* まとめ

私もこの言葉何回書くんだって突っ込まれると思いますが、やはりライブラリーの曲をもう一度ただひたすら聴きなおしました。
はじめは試聴用にLINNの良録音とか用意しておいたのですが、そういうのはどうでもよくなります。もうAK380の世界にはまるとAK380でいままで自分の好きだった曲を、ただみな聞き直したくなるんです。レイラとの組み合わせは聴いていて怖くなってくるほどです。
AK380はDAPにおけるAstell & Kernの横綱相撲という感じですね。

ひとつ強調したいのはAstell & Kernがユーザーの声をきちんと聞いて、それをさらに戦略としてうまくまとめあげていることです。
イコライザー機能ではジェリーさんとの協業の効果が単にイヤフォン販売だけではないことがわかるでしょう。また私は昨年Astell & Kernの人にあった時や声を聴いてもらえる機会に次機種では最新DACチップやフェムトクロックなど高精度クロックの採用、ネットワークのDLNA互換のオープン化をお願いしてたのですが、AK380を見てここにきちんと実現されていて驚きました。もちろんそう望んでいたのは私だけではないでしょう。
このポータブルとかヘッドフォンという世界はボトムアップでみなで作ってきた世界です。Astell & Kernはそれをよく心得ていると思います。さらにその優れた本体を核として、いずれAK500Nのようなネットワークプレーヤーや、プロシステムに発展するというきちんとしたビジョンに結実したところはさすがというしかありません。

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AK380(上)とAK240

AK380を聴いていると、これがポータブルの音というのは信じがたいところはありますね。AK240とレイラを組み合わせて聞くと、これ以上があるのかと思ってしまいますが、さらに上があると教えてくれています。音のコントロールもがっちりとして十分パワフルだし、これ外部アンプ必要あるのかとも思います。
もっとも「これがポータブルの音か」というのは自分自身ポータブルという世界を一段低く見ていたからではないかと考えてしまいました。いままで東京インターナショナルショウなんかに行って、やはりそこに並ぶハイエンドアンプとスピーカーを聴いてしまうと、手に持っていた自慢のカスタムIEMとDAPをこそっと隠したくなることがあったかもしれません。違いはスピーカーとヘッドフォンの違いではなく、大きさでもなく、音の豊かな表現力にあるのです。しかしレイラとAK380、もしかしてAK外部アンプを持っていく今年はどう感じるんでしょうか。自分でも楽しみです。
価格はまだわかりませんが、こうしたハイエンド製品があるからこそ、この世界の限界を広げられるのではないかと思います。当たり前ですがAK240がなければAK380はできなかったし、AK100がなければAK240もできなかったでしょう。そうして限界がここまで広がってきました。

ポータブルオーディオの可能性の先を見たいという人も多いのではないでしょうか。
AK380はAK240の成功があってこそのモデルであると思いますし、それはポータブルの地平を広げたいというAK240ユーザーの熱意があったからでしょう。
所詮ポータブルだから、と考えている人も多いのではないでしょうか。
いまオーディオの世界が退潮だとも言われています。しかしそれはちがうと思います。今は60年代や70年代ではありません。そもそも世界の再構築が必要なのではないでしょうか。DLNA互換のオープンネットワーク、超高精度クロック、最先端のDACチップ、もはやAK380に出来て普通のオーディオに出来ないことはなにもありません。
ポータブルだから、イヤフォンだから、といった垣根を排して新しい世代のオーディオの枠組みを作るということが必要とされていると思います。
その改革を引っ張っているのがAstell&Kernであり、その旗手がAK380だと思います。
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