Music TO GO!

2016年10月11日

AK70のUSBオーディオ出力機能とDAC内蔵アンプいろいろ

AK70のUSBオーディオ出力機能を使っていろいろなDAC内蔵ポータブルアンプ(?)と組み合わせてみました。

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Chord Mojo (USB Micro)
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一番スタンダードというか、推奨的な組み合わせ。両方ともコンパクトで持ち出しやすいし、音質的にも期待できます。少し熱くなりやすいですが、大きな接続問題は起きないように思います。
前はあやしいUSB OTGケーブルを使ってましたが、フルテック(ADL)のOTGに変えたところ、ハイグレードな音を楽しめるようになりました。特に良音源のときにさすがパルスアレイDACというAK70単体よりも高度な音質再生を楽しめます。


Chord Hugo (USB Micro)
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USBにはSD(44まで)とHD(ハイレゾ)の二つの端子がありますが、HDのときにはクラス違いの「別物」と思わせるようなハイグレード再生を聴かせてくれます。AK70(および300シリーズの)最新ファームを適用することで正常に鳴らすことができます。音の微細なテクスチャがよくわかるという感じです。

ALO Continental Dual Mono (USB micro)
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CDMの音はやはり別物感があると同時に真空管っぽくて個性的です。鮮烈でかつ分厚く、躍動的でかつ滑らかという感じ。ちょっと熱くなるのがなんではありますが。
AK70/300シリーズのUSB out機能を使うにはCDMはミックスウェーブさんのカスタマイズサービスを適用する必要があります。

iQube V5 (USB Mini)
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これは個人的にかなりはまった組み合わせ。V5ではDACもアンプも再設計されて刷新されたおかげで、これも「別物」的な音世界を聴かせてくれます。やや大きいのですが、まあ許容範囲かと。個人的にはお勧め。

iFI Micro iDSD (USB Aソケット)
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これも別もの。IEmatchも効いて音に深みが出る。Xbassとか機能もあって好みの味付けができるのも良いけど、すべてオフの状態でDACが良質と思う。歪みの少なさ純粋さワイドレンジ感などDAC IC外の回路の出来が良いという気がする。ここはさすがトルステンで手は抜いてません。ただ縦に長いのがちょっとバッグに収まりにくいです。

Aurender Flow (USB Micro)
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Flow側でOTGと認識して動作します。Flowは操作ボタンもあるのですが、このFlow側の操作ボタンも生きているというか、連動してAK70の操作ができると言うことが分かりました。つまりAK70ではオーディオ信号だけでなく、HIDクラス(操作コマンド)信号も理解しているということです。さすがに据え置きアンプ品質で、特に音の広がり感がすごいですね。
ちょっと重いですが、AK70側で内蔵ハードディスクも認識してくれれば意外と使える組み合わせとなるかもしれません。

AD1866 (USB Mini)
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当時は珍しかったデジタル入力専用のポータブルアンプで、Bluetoothが使えるのが斬新でした。音もなかなか優れていて、マルチビットDACのAD1866を使った滑らかな音再現を楽しめます。
アンプ部分もなかなか良いのですが、USB入力では少しノイズが乗ります(アンプ側のなにかのシールド問題だと思います)。

Companion one (特殊USB Micro)
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これは世界初のDLNA(uPnP)対応ポータブルアンプですが、USBも対応します。実はこれだてに大きいだけでなく音もなかなか優れたアンプです。
ただこれは普通のUSBマイクロに見えますが、実は特殊で添付の専用OTGケーブルでないと使えません。普通のマイクロが付けられないように彫り込みされています。フルテックなどの高品質ケーブルが使えないのでそこが難ですね。

Govibe mini (USB Mini)
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ちょっとクラシックの領域に入りますが、きちんと使えます。元気のあるパワフルなGoVibeサウンドを楽しませてくれます。
古いけれども、音的な面白さはいまでも通用しそうです。

Astell & Kern AK380 (USB Micro)
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ネタと言われるとネタなのですが、けっこう良い音します。AK380はネイティブ再生できる範囲も広いのでUSB DACとしてもきちんと活用できるということですね。

しかし以前はDAC内蔵アンプとDAPをつなぐには光しかなかったのですが、USBでつなげられるということが意外な組み合わせも可能なように思います。
iBass D100とかHeadroom MiniとかPorta Tubeとかもそのうち試してみたいですね。
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2016年07月28日

Astell & Kernの新しいエントリー機、AK70レビュー

AK70はAstell & kernの新しいエントリー機で、直販価格で69,800円と他の製品ラインナップより一段低い設定がなされています。位置づけとしては従来のAK Jrに相当しますが、実売価格が低下しているAK100IIともライバルとなるでしょう。また単なるエントリー機とは言い切れないような魅力を持つ機種となっている点がポイントです。以下、その解説をしていきます。

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AK70は"MUSIC FRIEND IN MY POCKET"というキャッチフレーズの通りに、かつてのAK100をも彷彿とさせる理想的なフォームファクターを持っています。やや大型化してポケットにはきつくなってきた第3世代機のシリーズよりはだいぶコンパクトで軽量化されました。サイズは96.8x60.3x13mm、重さは132gと数値的にも小ささが分かります。特に持って見ると軽さが際立ちます。ボリュームガードが付いているのもポイントになるでしょう。実際にポケットに出し入れしてもあまりボリュームが不意に変わるということはあまりないように思います。

ぱっと見た目にはAK240の外観をベースにしたようにも思わせますが、実際に第二世代を感じさせる個所が随所にあります。たとえばホームボタンが第3世代のようなメタルタッチではなく液晶の再下部にあるところや、DACにCS4398を採用しているところです。第二世代もなかなかに優れたところがあったわけですが、その点をうまく抽出してエントリー機に仕上げた感じです。カラーもミスティミントというライムグリーンのような夏向きのさわやかな配色です。パステルカラーのような淡い色彩の使い方も良く、この点もユニークです。ボリュームガード周りなど細かい点の作り込みもなかなかよく、全体的な質感もたかくしあげられているので、Astell & Kernブランドを購入したという所有感も十分満たされると思います。専用ケースは付属していませんが、別売で用意されます。

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デジタルプレーヤーの心臓部であるDACチップはCS4398をシングルで採用しています。CS4398はスピーカー向けオーディオ機器にも良く使われていてシーラスロジックのトップクラスのモデルです。その点ではAK JrのDACチップはWM8740という普及タイプですから性能的にはAJ Jrと比較すると十分な向上と言えます。
シーラスロジックの音はわりと暖か系で、今回のAK70のダイナミックな音調にもあっていると思います。AK4490というかAKMはどちらかという分析系なので上位機種のフェムトクロックを採用したAK3x0シリーズによりあっているように思います。

内蔵メモリは64GBとAK Jrからは据え置きとなりました。このほかに従来通りMicroSDスロットがひとつ使えます。デジタルプレーヤーとしてはもう少し欲しいところですので、できればMicroSDスロットが2つ使えるようにしてほしかったところですね。

機能的にはAK Jrからは大幅に改良されて、ほぼ上級機種に近いものとなりました。
まずバランス駆動ができるように2.5mmバランス端子が付きました。エントリー機にもバランス端子が採用されることで、2.5mm規格もより広まることが期待されます。
またオーディオ回路設計も新規のものとなっているということです。このアンプ部分の強さがAK70の強みの一つになっていると思います。

ソフトウエア的にもほぼ上位機種と同じ操作系であるUIが使用できます。私はAK Jrも薄さや迫力のある音がけっこう気に入っていたのですが、使うたびに閉口してしまうのはスクロールやリストをするときの遅さです。これはAK70では上位機種とは遜色がない程度にスピードアップされ、不都合を感じることはなくなりました。
またトップメニューのアートワーク拡大機能(ボタン部分の面積を減らせる)のように一足早く上位機種よりも早く取り入れられた機能もあります。のちに述べるUSB出力機能もそうですが、AK70は残ったエントリーラインナップの刷新というよりも次世代ラインナップの第一陣という観点もあると思えます。

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さらに機能的にも無線LANが搭載されDLNA互換のAK Connectが使えるなど、かなり強力なものです。こうしたIT関係の機能はカジュアルユーザー層の方がかえって先入観なく使いこなせるということもあるでしょう。
ただファイル転送がAK Jrではマスストレージクラスだったけれども、AK70では上位機種と同じMTPになったのでこれはMacユーザーを中心として戸惑うところもあるかもしれません。

しかしなんといってもAK70での注目機能はUSB出力ができると言うことです。はじめに発表された時にはUSB入力機能のタイポではないかと思ったくらいですが、ちょっと驚きでした。
いままではiPhoneにHF Playerなどのアプリを使うことでこれらは可能でしたが、スマートフォンではMojoなどと組み合わせるのも不便で、つけるとスマートフォンとしての利便性も損なわれます。AK70のように専用機のようにくっつけてしまえるのは大きいですね。

そしてネットワークオーディオAK Connect機能とUSBオーディオ出力機能は組み合わせても使うことができます。その可能性はまさに大きく広がります。
音質に優れるバランス駆動端子の搭載、それにこうした先進的なオーディオ機能を組み合わせることができる強力なエントリー機がAK70です。

* 音質

AK70の箱は他と同じデザインですが少し小さな箱に入ってきます。内箱がAK70デザインのように斜めにカットされた面白いものです。

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持った瞬間に軽い!っていう感じ。夏っぽいライム色は思ってたよりメタリック感が控えめでシックです。

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AK70の音質は立体感やパワフルさがあり、アンプの押し出しが強いという感じの音です。力感のあるパワフルさはアンプ部分の音の支配力が強いことを伺わせてくれます。ふつうAstell & kernプレーヤーはエージングにつれて透明感とか解像感が上がる感じですが、AK70の場合はむしろ立体感が上がる感じがするのもその辺かもしれません。
最近はAK3x0系のAKMの音をずっと聴いてきたせいか、シーラスのDACはAKMに比べると甘めなのがピアノの音色に出てることで最近のAK3x0系の音色とも異なるように思います。また高域がやや強調気味か、あるいはトランジェントが高いせいか、全体にはやや若いというか明るい感じの音調と感じると思います。

音の個性がいままでのAKとは少し違うというか、いままでのAKサウンドはマルチBAで良録音の音楽を聴くのに適していたとすると、AK70はもっと元気よくダイナミックドライバーでロックポップ・エレクトロ系の音に合っているように思います。

* 他機種との比較

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それではAstell & kernの従来機とAK70の違いについて書いていきます。

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AK70/AK300

- AK300との比較
AK70はAK300と持って比べてみるとずいぶんとコンパクトで軽い印象です。
AK300はAK3x0系の最新DAC+フェムトクロックという品の良い精密な音再現の延長上にあります。他のAK3x0との音の差は周波数特性を少し中低域に厚みを持たせて動的な音楽に適性を与えたのに対して、AK70はもとより元気の良いアンプのパワーで動的な音楽に合わせたという感じに思えます。音をより精密に解像感高く聴きたいときはやはりAK300の方が上だと思いますが、より塊感のあるパワフルな音を聴きたいときはAK70が良いかもしれません。
たとえばUMのIEMでいうとMavisのような細かい音で音世界を作るタイプはAK300の方が良く、Maverickのように音像の実体感で聴かせるタイプはAK70の方が良いように思えます。
また音質以外にもAK300には第3世代のアクセサリーが使えるという利点もあります。

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AK70/AK100II

- AK100IIとの比較
AK70はAK100IIに対しても軽くコンパクトな印象に思えます。AK100IIも金属的な質感はとても良いと思います。
音質ではAK100IIに対してAK70はぐっと凝縮されたような力強さがあり、一つの音も明瞭に感じます。この理由はDACというより音が速いよう(トランジェントが高い)に思う。叩きつけるようなドラムスとかベースギターのキレやインパクトが強くAK70の方がアタック感が強い印象です。
AK100IIはAKらしい端正な音で音空間の表現は少し余裕があります。AK100IIは一つの音はAK70に比べるとやや丸く、動感やパワー感もあるけれど、ちょっと大人しめです。
全体の解像度は互角だと思うけれど音色の差はあります。音色はAK70は少し明るめでAK100IIはニュートラル、AK70は明るめできれいに感じます。AK100IIは着色感が少ないですね。AK70は高域に強調感があるように思います。
AK100IIはある意味従来のAKらしい音で、静かな音楽をじっくり聞きたい人や、着色なく聞きたい人には向いていると思います。

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AK70/AK Jr

- AK Jrとの比較
AK Jrは薄さでまだまだ存在感を感じさせます。形はとても良いですね。ただしAK70とJrではAK100IIやAK30と違い、バランス端子とかUIやAK connect など機能的に差が大きいのであまり比較にはなりにくいと思います。
音的にも一口で「パワフル」と言ってもAK70と異なる感じですね。Jrはあまり解れず塊感があり、エッジも丸く甘く感じられます。
AK70は他でも感じるけれど、トランジェントが高く、歯切れが良くて速いという感じです。アンプの電流の流れの立ち上がり立ち下げが速いという感じでしょうか。AK70ではJrに対してDACもグレードアップになるのでそれと相まって明瞭感がJrよりもだいぶ良く感じられます。AK70は全体にJrより整って明瞭感が高く、メリハリがありくっきりと音像を形作ります。
こうしてJrと比べるとAK70が単に中低域を盛り上げただけの機種ではないのが分かるようです。

* イヤフォンの相性

AK70は個性的な音でもあり、イヤフォンとの相性を見つけるのもまた楽しみです。

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AK70+FitEar Air   

-FitEar Air
イヤフォンの相性としてはダイナミックドライバー系がまずとてもあうと思います。いろいろと使ってみて一番良いなと思ったのはFitEar Airで、これに銅線系のBlackDragonリケーブルをして使ってます。

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AK70+FitEar Air

ダイナミックフルレンジ+BAツイーターの構成が生きてAK70のダイナミックな迫力がよく出てます。フォステクスのドライバーがいい味出してる感じで、音場も独特の立体感がいい。 特にバスドラのパンチの強さはいままでのAKにはなかったパワー感があります。打ち込みのベースサウンドなどは特にファームアップしてから歯切れが一段とよくなった感じですね。

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AK70+JH Audio AngieII   

-JH Audio AngieII
またAK70はトップグレードDACのCS4398を採用していますので、基本性能も実はとても高いというのはJH AudioのAngieIIを組み合わせるとよくわかります。
パワフルで荒っぽい音のようだけどある意味素直でもあり、この組み合わせはワイドレンジで低い音から高い音まできれいに再現され、なおかつパワフルさも楽しめます。この価格帯のDAPとは思えないような充実した音表現を聴かせてくれると思います。

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AK70+JH Audio AngieII

また音調的にやや明るめのAK70がAngieIととてもよく合うように感じますね、これは好ましいという言い方をすると上級機よりもむしろAngieIIの方がAK70と合わせて好ましい音を再生しているように思えます。カラーリングもライムとレッドでいい感じ。

-AK T8iE MkII
そして最新のAK T8iE Mk2も高性能ダイナミックの実力を十二分に生かして、AK70のダイナミックさ、充実した基本性能の高さを活かしてくれます。ベースの迫力もまさに「ダイナミック」でパンチが強力、一新された新ケーブルの透明感の高さも際立ちます。特にAK T8iE Mk2ではバランス接続でいっそう切れ味の良さが引き立つように思います。

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AK70+Campfire Audio NOVA

-Campfire Audio Nova
AK70とCampfire Audio NOVAも厚みを増したNOVAの音表現が力強いAK70によく合うようで、ヴォーカルもいい感じに聴こえます。

* USBオーディオ出力機能について

AK70の目玉の一つはこのUSBオーディオ出力機能です。(現在では第三世代でもファームアップで可能となっています
これはつまりUSB DACであるMojoがiPhoneを音源のソースとして使えるのと同様に、AK70を使えると言うことです。AK70をあたかもPCのように考えてUSB DACをつけて再生ができると言うことです(もちろん制約事項はあります)。しかもDSDネイティブ再生が可能です。
たとえば素のAndroidでも48kHz程度でも不安定で満足なUSBオーディオ出力はいまだできていない状況ですから、これは画期的なことです。つまりAndroidのUSBドライバーは使うに足りませんから、サムソンのように独自でLinuxレベルのドライバーを書くか、あるいはUAPP(USB Audio Player Pro)のようにアプリレベルでドライバーを持つかのどちらかとなります。
対応フォーマットはPCMでは 384kHz/32bit、DSDではなんとDoPでDSD128(5.6MHz)まで対応しています。光出力では384kHzまでサポートしませんし、DSDネイティブ再生もできませんので将来性がある方式ともいえます。
(ただしAK70では光デジタル出力がありませんので注意ください)

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AK70 + CHORD Hugo

USB出力の音はMojoとHugoで試してみました。USB出力の切り替えは画面上のアイコンで行うことができます。出力中は出力しているフォーマットが音源のフォーマット表示の横に表示されます。MojoもHugoも両方ともあっさりと簡単につながります。USBケーブルはOTGケーブルが必要で、アユートさんではOTGケーブルも販売しているようです。私は他のDACについていた短いケーブルを使ってみました。

-MojoとHugo
AK70単体の音と、AK70+Mojoの音をくらべてみると、録音の単純な曲ではわりと差がわかりにくいくらいAK70の優秀さが逆にわかったりしますが、やはり良録音で比べるとMojoの方がより正確に細かく音を出していると思います。
AK70単体の音と、AK70+Hugoと比べると、HugoではSD端子(48kまで)とHD端子と両方使えますが、SD端子でもMojoよりも音の差は大きくHugoのアンプのパワー感がよく出てきます。特にHD端子を使った時にはかなり魅力的な音です。特にハイレゾ音源はAK70単体とは差が大きく出ると思います。ここはDACの差がやはりHUgoならではパルスアレイDACの能力を感じます。ただHD端子だとたまにぼつっぼつっとノイズが入ってしまうことがあるように思います。私のHugoは生産前のものなので、この辺は現在のモデルでも出るかはわかりませんが、、

Hugo HD端子との音はすごい別物感があって据え置きDACを運んでいるように感じられます。このくらい音の差があるとでかいHugoを持っても魅力的におもいます。もともとHugoはUSB HD端子を使ってPC/Macから音出しするのがもっとも高音質だったのでそれをポータブルで実現できるのはHugoユーザーにとって福音となるでしょう。
この辺はもう少し良いケーブルを使ってみたい気はしますね。

-そのほか
これもまた別物の音が期待できるALOのCDM(Continental Dual Mono)と組み合わせてみましたが、こちらは残念ながらUSBを認識しませんでした。これと組み合わせられると真空管でまた良かったのですが、ここはまたファームアップがあったら試してみます。
またiQube V5もUSB経由で別物になる予感がありますが、これはiQube側がMini USB端子なので適当なケーブルかアダプタが見つかるまでお預けです。

* まとめ

簡単にまとめると、パワフルで迫力のある音質、上級機ゆずりのバランス駆動端子の搭載やネットワークオーディオ機能などを兼ね備え、さらにUSBオーディオ出力の搭載などはじめての機能を搭載した、ポイント満載のパッケージがAK70であると言えます。

個性の強いアクティブな音の世界が楽しめ、容易にポケットに入れられ、Mojoトランスポートの役にも立てるというところはベテランユーザーも魅力的なところでしょう。
バランス端子が使え、ネットワーク機能が使えるという点はエントリークラスのユーザーには嬉しいことだと思います。きれいなミントカラーはいままで興味のなかった女性ユーザーも思わず店頭で手に取るかもしれません。そうした広い層に訴求する魅力があります。

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AK70 + JH Audio ROSIE

AK70はUIの新機能やUSBオーディオの搭載など単にエントリー機の刷新とだけ言えるようなものではなく、AK70はAK Jrとはくらべるのはあまり意味がないかもしれません。エントリークラスというよりは、むしろAstell & kern新時代の先陣を切ったコンパクトモデルがAK70であると言えるのではないかとも思います。
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2016年06月21日

AK70 & AK T8iE MKII登場、AK70にはUSB出力搭載!

本日発表会があり、AK Jrを継ぐAstell & kernの低価格モデルとしてAK70、AK T8iEの後継モデルとしてAK T8iE MkIIが発表されました。

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AK70製品ページ
AK T8iE MkII製品ページ

AK T8iE MkIIについては初代との変更点はボイスコイルが改良されたこと、ケーブルが銀コート銅の新型になったこと、ケーブル端子が改良されたことなどが変更点です。
AK70はAK240をシンプルにしたようなデザインで夏らしいミントカラー、2.5mmバランス端子、CS4398を搭載、AK上位機種のようにネットワーク機能も使えるファームウエアなど充実した内容のモデルです。

またAK70の驚き機能はUSB出力に対応するということです。DoPでのDSD出力にも対応するようです。はじめUSB入力と書き間違えたのかと思いましたが、AK機からUSB出力ができると言うことでまたシステム対応が柔軟にできそうです。PCレスでUSB DACを使うとか、ネットワーク機能と合わせてAK70を介してUSB DACをつなげるとネットワークブリッジ的な使い方ができそうです。MojoにUSB経由で使ってみることもできそうですね。
しかし、USB出力の実装にはLinuxレベルのクラスドライバを生かしたのか、UAPPやOnkyoのようにアプリドライバーを実装したのでしょうか、興味あるところです。
これは現行の第3世代や第2世代にも搭載されていくそうですので、またいろいろと使い方が広がりそうです。

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2016年06月14日

Astell & Kernの第3世代シリーズのエントリーモデル、AK300レビュー

Astell & Kernの第3世代シリーズは上位機種のAK380、特別モデルのAK380 copper、中堅機のAK320とすでに展開されていますが、第3世代としてのエントリーモデルが追加されました。AK300です。

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第二世代で言うとAK240がAk380に相当し、AK120IIがAK320に相当するとすると、AK100IIに相当するのがAK300となります。ただし第2世代とは異なり、ボディは基本的にみな同様なデザインで、アクセサリーが共通して使用できると言うところが第3世代のポイントです。
発売開始は6月11日で、価格はオープンですが、参考価格として直販価格は129,980円です。

* 特徴

もちろん第3世代としてデザインは共通でも他のモデルとはさまざまな相違点はあります。まずDACが同じAKM AK4490でありながらシングルとなり一基となりました。またボディがアルミボディとなり、低価格化に貢献しています。
一方でAK300の一番の特徴ともいえる点はAK380/320のオーディオ機器としての強みであった高精度Femtoクロックをそのまま搭載しているということです。AK320/380とくらべると簡略化スペックにも見えるAK300ですが、考えてみるとシングルDACは他のDAPでは普通のことですから、AK490というAKMの新鋭DACチップと高級オーディオなみの高精度Femtoクロックの組み合わせはこの価格帯のDAPとしては音に関しては破格なスペックともいえると思います。

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ボディカラーは精悍なブラックです。これはなかなか良いですね。
そのほかの点では内蔵のメモリが64GBとなりました。USB DACがクラス1(96/24まで)であること、DSDがPCM変換であること、PCM上限が192/24であること(再生は変換により384/32まで対応)はAK320と同じです。

Astell & Kern第3世代機として、ソフトウエア機能のDLNA/uPnP互換はそのままで高度なネットワーク対応やiPhoneからのリモコン的な使い方にも対応しています。また4ピンのアナログ端子があるので専用アンプが使えるなど、拡張性はかなり高いと言えます。


* 実機の印象

箱は他のAstell & Kern機種同様に外箱と内箱に分かれ、内箱を開けるとAK300が入っています。

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アクセサリー箱には革ケースとワランティカードがはいっています。このケースはなかなかよく出来ています。

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ボリュームはAK320タイプです。この形式は片手で回しやすい半面でポケットに入れた時に回りやすいのでキーロックをしておいたほうが良いと思います。

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* 音質

AK300の音質はきわめて高く、エントリー機という印象ではありません。特に中音域から高音域にかけての洗練された音像再現性、きりっと引き締まった解像力の高さには感じ入ってしまいます。ヴァイオリンなど弦楽器の「ヤニが飛ぶような」響きや、ギターのピッキングの切れの良さ、ベルの音のシャープさなどとてもリアルな音色で無駄な贅肉が少ないと感じます。
このように音再現は細いし、よく整ってまずが、これはシングルになったとはいえ新しいAK4490の性能の高さもありますが、やはり高精度クロックを上位機から引き継いでるおかげと感じます。やはりこのようによく整って引き締まった音は高精度クロックならではの世界だと思います。高精度フェムトクロックの採用はこのクラスでは反則技的で、群を抜いた音つくりに貢献していますね。

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AK300で、この高い音再現性とともにもう一つ気が付くのはこれまでのAstell & Kernの機種に比べて低音域がかなり強調されて強めということです。AK320のところでAK380と比べるとAK320は高域と低域の音の強調感があり、AK380はもっと味付けが少ないと書いたけれど、AK300はさらにはっきりと低音域の量感が多く、低域がパワフルに聞こえるのがわかると思う。このためにロックやポップでのインパクトの強い、アップテンポの曲が気持ちよく聴くことができます。
Astell & KernのDAPはプロのモニターとしても使えると言うところもポイントだったわけですが、AK300ではもっとコンシューマー寄りにふって設計されていると感じられます。

AK300の魅力はこのパワフルな低音域に、高解像、高音質で整った中高域が組み合わされているところだと思います。安価などんしゃり傾向とは違ってヴォーカルは埋もれずに鮮明に聴き取れますし、中高域は品よく音が作られているのできつさがあるわけではありません。ベースの力強さが強調され、全体に聴きやすいピラミッドバランスの音になっているという感じです。

AK300とAK320や380など上位機種を比較した場合にミクロ的に細かな音再現に注意して聴くと、やはり上位のデュアルDACの機種の方が情報量が豊かだし、音もよりシャープで明瞭感も高いように思います。
ただしマクロ的に聴いた場合、分かりやすい違いは、細かな音再現力の違いというよりも、むしろ味付けの違いでしょう。音質の差というより、音造りの差の方が分かりやすいというべきでしょうか。
AK300ではより味付けがあって低域の量感豊かにパワフルに鳴り、ドラムやベースが気持ちよく、電子的なビートもAK300では迫力満点に聴かせてくれます。ポップ・ロックやエレクトロなどを聴く人は上位機種よりもむしろ好印象だと思う人も多いかもしれません。上位機種と比べた時の機能の差が少ないのもコスパの良さを感じさせます。
AK Jrと比べるとAK300の方が音質と機能の両面でだいぶ上に感じられます。もちろんコンパクトさというJrの利点はあります。

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今回は主にJH Audio ROSIEで聴きました。最近はROSIEを気に入って聴くことも多いんですが、AK300ではROSIEの低音調整は変えないで使ってほぼ標準位置でベースギターやドラムスの迫力がAK320よりもはっきりと強調感を感じます。
ROSIEはワイドレンジ・フラット基調の現代的なANGIE に比べるといわば古風というか、クラシックな音バランスの良さがあると思います。AK300でロックを聴くとそれがよくいかされています。Sirenシリーズは低音域は調整ができるけれども、低音調整をすると音が膨らんであいまいになる傾向があるので、できればあまり低音調整を利かせない範囲でパワー感が得られるAK300はうってつけだと思います。もちろんバランス駆動で聴くとまた別な良さがあります。

第3世代の拡張性の高さとしてAK380専用AMPをまったく問題なく使うことができます(わずかなデザインの違いがありますが)。やはり専用アンプを付けると低ゲインでもAK300のパワフルさがよりいっそう引き立つように感じられます。より密度感が濃くなるという感じでしょうか。これを高ゲインにすると。。これはオーナー特権だと思いますのでぜひ買ったらやってみて独自の音世界を堪能ください。
またAK380専用AMP copperを使うと、声音の艶とか弦の深みとかそうした感性的な部分でAK300を一クラス上にしてくれます。AK300のパワフルさとcopperの音の豊かさが調和して、ハイレベルの音質への一番コスパの高い道のひとつと思えるでしょう。ちょっと重いですけどね。

* まとめ

AK300はAK320やAK380と比較してしまうと下位機種となりますが、実売10万前後のDAPとして見ると、新鋭のAK4490を搭載し、高精度フェムトクロックを採用するなど音質面でのスペックは高く、加えてDLNA/uPnP互換のネットワーク対応の柔軟性、専用アンプが使用できる高い拡張性など魅力を持っています。
音質的にも上位機種に肉薄するような高解像度と、上位機種にはない音楽的な低音のパワー感の味付けなど優れた内容をもっています。
またボディの質感も高く、精悍なブラックのカラーリング、専用ケースと合わせてAstell & Kernという高級ブランドの所有する喜びを味わわせてくれるでしょう。

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AK300は実際に聴いてみると予想と違った部分と予想通りだった部分がありました。予想と違ったのは(AK120IIとAK100IIの差から)思ってたより音が良いということで、予想通りだったのは音に味付けがなされていたということです。実際にはこの音の良さと音の味付けのミックスされたところがAK300の魅力と言えるでしょう。
プロが仕事の現場で録音モニター的に使うというには向いていないかもしれないけれども、主にCDリッピングでパワフルなロック・ポップを高音質で楽しみたいという人にはお勧めです。

AK300がAK320やAK380と異なるのは、ライバルが少ないAK380やAK320とは異なり、価格帯の近傍にライバルが多いということだと思います。AK300は10万円前後というにはやや高い方ですが、高精度クロックの採用による音質の充実感や、専用アンプの用意、ネットワーク拡張性は他のDAPにはない長所なので納得感はあると思います。精悍なブラックボディの作りも含めてAstell & Kernというブランドバリューも譲ったところはありません。予算10万円を考えたていた人たちはちょっと背伸びをしてみたいと思うのではないでしょうか。

専門店では買取キャンペーンと合わせてよりお得に買えるところもあります。たとえばフジヤさんでいうと他機種の下取りが1万円アップというものです。実質的にはよりお得になっていると思いますので店頭でいろいろと比較試聴の上で、AK300の魅力を発見してください。
posted by ささき at 10:46 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月24日

Astell & Kern AK380 アンプ Coppperレビュー

ポタ研の記事にも書きましたが、いよいよAK380の合体アンプのCopper版である「Astell & Kern AK380 アンプ Coppper」が発売されます。予約は先週開始していて、今週の土曜日に販売開始されます。価格はオープンですが、参考の直販価格は149,980円(税込)です。

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これは機能的には既発売のAK380アンプと同等ですが、ボディ素材をAK380 Copper同様に99.9%純銅で製作したものです。これによってAK380 Copper同様に音質の向上が図れます。

* 外観

箱はAK380 Copperの箱を少し薄くした感じで、箱自体が明るい銅色をしています。

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外箱、内箱にくるまれた本体はAstell & Kernの標準どおりに高級感のあるものです。

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AK380 Copperと組み合わせると、きらきらとした輝きがいっそうきわだつと共に、ずっしりとした重みを感じます。AK380 アンプ Copperは背面も銅なので、AK380 Copperよりも全体のきらきらした感じはかなり高くなります。美しく、独特でオーラが際立ってますね。まるで金塊を持っているようです(持ったことありませんが)。

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重さはバッグに入れられないほどではないと思いますが、手に持つと重さで落としそうになるので注意したほうがよいですね。

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音質はJH Audio Layla UFにMoon AudioのBlack dragon v2で聴きました。これとAK380 copperは最近のお気に入りですので、その慣れた組み合わせで聴いてみます。いままではAK380 Copperに通常の380アンプをつけるとcopperの良さがなくなるように思えて、もっぱらcopperは単体で使ってました。そのためこのCopperのためのアンプ、「 AK380 アンプ Coppper」rは待望の品だったわけです。

* 音質

AK380 アンプ Copperは2日くらいエージングしてから聴きました。まず低ゲインで聴いてみます。聴いてみるとやはりCopper同士の音の相性は素晴らしく、AK380 Copperの良い個性をそのままに、音性能をさらに高みに引き上げてくれます。
まず透明感がひときわ高くなり、楽器の音もさらに美しく響くようです。ベイヤーのバロックヴァイオリンの音は何回も聴いたトラックなんですが、はじめて感じるその鮮やかさにハッとしてこんな良録音あったっけと思ったほどです。Laylaにしてはじめての音体験を味わわせてくれます。最高のさらに上があると言う感じ。
試しにアンプを切って普通の端子から聴き比べると、やはり380 Copperらしい良い音ではありますが、さっきの聴いたことのない鮮明さ・美しさはなくなってしまいます。

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女性ヴォーカルの細やかな声がさらに気持ちよく、ピアノの調べの美しい曲なんか惚れ直すでしょう。中高域だけではなく、低域もより低い音がぐっと沈み込むように深く量感も感じられます。さらなるワイドレンジ感も高く、高い音域はさらに高く伸び、低い方はさらに低い方まで出るように感じます。
また音の切れの良さがよりシャープでかつ滑らかになり、強弱のコントラストがより明瞭に感じられます。この切れの良さはそのままロックでのダイナミックなアタック感の気持ち良さにもつながります。

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実のところ、標準のAK380に標準の380専用アンプをつけても低ゲインでこれだけ大きな差は出ません。このアンプCoperの低ゲインでの差は標準380に標準AMPをつけた時より大きいと感じます。一応アンプのありなしで比較してみましたが、380持ってる人なら比べなくても分かると思うくらいの差があります。私には回路設計を変えたか、パーツをよりグレード高くしたとしか思えません。

* アンプ組み合わせ

次にAK380 Copper、AK380標準、AK320と、標準380アンプと380アンプ Copperを組み合わせていろいろと試してみました。

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AK380標準+標準アンプで聴いてから、アンプだけをアンプ Copperに変えるとAK380標準がAk380 Copperのような感じの(同じではありませんが)広がりが増して豊かで厚みある表現に変わり、個性が変わる感じです。アンプ Copperの音の支配力はそれなりに大きいと言えます。

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AK380 copperに標準アンプはメリットが少ないと思うけれど(鳴らしにくいものを鳴らすという意味以外では)、AK380標準にアンプcopperの組み合わせは良いと思います。音に上質な豊かさと広がりが加わります。AK380標準+アンプcopperからアンプ標準にもどすと、なにかもの足らなくなります。

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AK320に関しては380に比べるとはじめから味付け(低域と高域の強調)がされていて、単体でも聴きやすい音になっているとは思いますが、アンプを付加すると音質はまた良くなります。AK320に標準アンプを加えると、音全体の厚みが増すと言うか重みが乗り、それをアンプcopperに変えるとさらに厚みとスケール感を増す感じとなります。段階的に良くなっていくという感じでしょう。

* まとめ

AK380 Copperにアンプ Copperの組み合わせはたしかに重いけれど、この音を聴くと重さは忘れると思います。重くても良い音を聴きたいときはこれ、という感じですね。なにしろこの良い音というのは透明感やワイドレンジという性能的な面と、音の響きが美しいの両方とも満たしてくれます。
AK380がAK380の型番のままでさらなる高みに到達したといえばよいでしょうか。一度この世界にひたると、高ゲインが必要でないカスタムでも、常にアンプcopperを手放せないと思います。

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はじめはAK380 Copperは単体でも重いから能率が低い鳴らしにくいヘッドフォンのために合体アンプを付け、高能率イヤフォンでは単体で聴こう、と考えるかもしれません。しかし、この組み合わせを聴いてしまうとおそらくはずっとアンプ copperをつけたままにするでしょう。そうした意味ではcopperの良さの個性を保ったままさらに突き詰めた感じで、やはりこのアンプCopperとAK380 Copperの組み合わせはAK380 copperの完成系と言えると思います。
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2016年03月18日

Astell & kernからAK380 アンプ Copperとクリスタルケーブルの3.5mm版登場

アユートさんではAstell&Kern AK380 アンプのボディ素材に、AK380 Copperと同様の純銅を採用した「Astell&Kern AK380 アンプ Copper」を3月26日(土)より発売を開始するということです。本日から予約開始です。価格はオープンですが参考の直販価格は149,980円(税込)です。ポタ研で試した時は音がさらに豊かでぶ厚くなる感じでした。特設サイトは下記です。
http://www.iriver.jp/products/product_124.php

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またAstell&KernとCrystal Cable コラボ製品である「Crystal Cable Next」に、3.5mm3極プラグモデルが加わりました。既発売の2.5mm4極バランスモデルと同様に、MMCXとカスタムIEM 2pinの2タイプがあるということです。これでMojoなんかと組み合わせやすくなりますね。
Nextは笑ってしまうくらい音を劇的に変えますが、もとのイヤフォンの個性も残したままグレードアップさせます。下右のJH Audio TriFi(2.5mm使用)でもその大きな変化はちょっと形容のしようがないけど、ドラムを蹴るごとに耳の中で爆発が起きる感じ、でも滑らかで全然荒さがないんです。これはちょっと笑っちゃうぐらいすごいとしか言いようがありません。

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(ちなみに私が持ってるNextケーブルは昨年生産版なので2ピンの場合は現行とは極性によるLR表示向きが片方違うかもしれませんので念のため)
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2016年02月10日

AK380 CopperレビューとAK380とAK320

Astell & Kernが第三世代のプレミアムモデルであるAK380 copperを2/12から発売します。数量限定で販売すると言うことです。

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AK380のキャッチフレーズは"THE EVOLUTION OF A MASTERPIECE(傑作のさらなる進化)"だったわけですが、このAK380 copperでは"A New Approach to Music"(音楽への新しいアプローチ)と設定されています。つまり傑作であったAK240よりもさらに進化した第三世代のAK380が、新しいアプローチを取ったわけです。それが99.9%の高純度胴をボディ素材に採用したことです。
Astell & Kernではボディ素材にこだわって、AK240でもAK240SS(ステンレス・スチール)というモデルを開発しています。その進化ということもできるかもしれません。

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実際にAK380とAK380 copperの違いはボディ素材の違いという一点で、回路もソフトウエアもAK380と同じです。AK320とAK380はDACチップやクロックは同じとは言え、XMOSがないなど、回路は違いますから音が違っても納得するわけですが、AK380 Copperのアプローチはユニークです。

アユートの販売ページは下記です。
http://www.iriver.jp/products/product_119.php

* AK380とAK380 copperの違い

・ ボディ素材

Ak380 copperでは銅(純度99.9%)をボディ素材に採用しています。

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銅は比重が高く、シールド効果があり導電性が高いため、電気的な特性は良いと言えます。AK240SSのときはDAPのグランドに筺体を使用するために、電気的な特性の変化で音質が変わるという説明がありましたが、AK380 copperではその点をさらに突き詰めた素材と言えますね。
また電気的な特性から離れてみると、この銅のシャーシを持ったAK380 copperはかなりユニークで魅力的なスタイリングをDAPにもたらしています。無垢の銅ブロックから一台当たり4時間かけて切削し、1.7kgからわずか175gを作りだすという作業はかなり手間のかかるものです。表面のヘアライン加工も職人による手作りで、さらに表面には酸化防止のコーティングがなされています。
Ak380に比べたずっしりとした重みや、輝く質感の高さはプレミアモデルの持つ喜びをもたらしてくれます。


・ 背面素材

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もうひとつの筺体の変更がこの背面素材です。AK380 copperではカーボン繊維とケブラー繊維を併用した素材で、その青い色味がかった素材感が特別さを感じさせてくれます。

・ 付属ケース

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Ak380 copperではルイヴィトンのバッグでも使われている、トルコ産の最高級の天然皮革である「The V1」を採用しています。このあたりもプレミア感が感じられます。

* AK380 copperの使用感と音質

箱はAK380と同じ大きなタイプの箱ですが、箱自体が銅色に塗られています。箱はAK380同様に積層されて、内箱にAK380 copperが収まっています。この箱におさまっている状態でAK380 copperはただならぬオーラを発しています。

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手に取ってみると、その明るい赤銅色に輝くハガネのような色彩感覚は他のプレーヤーとはまるで異なった魅力を持っています。これはちょっといままでにない質感で、持っているだけでも特別感を味わえます。ロクサーヌカスタムのカーボンシェルのときも箱を開けた時に美しくて声をあげてしまいましたが、これも声を上げるくらいカッコ良いと感じられます。単に銅の質感だけではなく、ヘアライン仕上げがとてもよくマッチしています。

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ジュラルミンとかステンレスだと先進的というかモダンな感覚ですが、この赤銅の質感はちょっとスチームパンク的というか、レトロフューチャー的というか、新しさとともに昔の道具が持つ古き良き質感を取り交ぜたような不思議な感覚があります。
AK380 copperの魅力はまずなんといってもこのデザインでしょう。
(ただし使用において注意事項もあるのでアユートさんのホームページを参照ください)

ステンレススチールでも通常モデルに対しての高級感というのはありましたが、Ak380 copperの場合は高級感もさることながら特別感と言った方が良いように思います。これは強烈に物欲を刺激されると思いますね。よく考えたなという感じです。
また背面のカーボンも青く見える材質が使われていて、ここも高級感というか特別感を感じさせてくれます。持った時のずっしりとした感じも、そうした質感の違いが本物を主張するように感じられます。

箱から出すと音を聴く前にいつもはじめに写真を撮るのですが、ここでも他のプレーヤーとは輝きが異なるので写真の露出をつかむのがかなり難しく、他の記事の倍の時間をかけてしまいました。オートだと露出(明るさ)が狂うので、マニュアルで設定して撮りました。その点でもやはり他とは違います。

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そしてAK380 copperは外観だけではなく、音質も向上しています。箱から開けてもすぐわかるくらい差はかなりはっきりと感じられ、正直言って同じAK380の回路を使ってるとは信じられません。AK320なら回路も違うだろうからまあ納得はできますが。AK380に慣れている人ならば、特にとなりにおいて聴き比べをしなくても違いがあることはわかると思います。
本当は設計し直したんじゃないかと疑りたくなるけれど、もし再設計してこの音出すとすると、抵抗とかコンデンサをグレード高いものにして、電源の低ノイズ化をさらに徹底して、ケーブルもより高品質にした感じでしょうか。一番近いたとえはオーディオで電源をクリーン電源に変えた感じのような気がします。AK240SSのときに説明のあったグランドによる差というのがさらにはっきりと出ているのでしょう。

音の差はAK320とは異なって、AK380と同じ傾向・個性だけれど、すべての面において一段良くしたという感じだと思います。
より全体的に深みと広がりがあり、より音楽的に滑らかで豊かです。また性能的な感覚でも、より高域が伸びやかで、より低域が深いワイドレンジ感もあります。音場と言うか包まれるような音空間が心地よいですね。さらにエージングが進むと抜けが良くクリアに聞こえてきます。
個人的感想かもしれないけれど、通常モデルとの音の差はより「美しい」と感じられるところだと思います。バロックバイオリンとか古楽器系の弦の鳴りが心地よく、聞きなれた曲を聴くのがより楽しみになります。
いつものライブラリをAK380から移して聴いていても、AK380 copperでは、この曲こんなにカッコ良かったっけ?と思って液晶の曲名を見返したり、音再現にはっとするような瞬間を感じることがあります。もしかしたら電気的にはちょっとした違いかもしれませんが、音楽を聴く上では大きな違いになっているように思います。

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AK380AMPとの相性も良いのですが、残念ながらAK320同様に色が合わなくなります。できればAK380 Copperはカッコ良いので単体で手に持って使いたいですね。でもAK380AMPのcopperバージョンがあれば。。と思っていたら、なんとAK380 copperのAMP版がポタ研で出展されるとのこと。これも楽しみです。

Ak380 Copperはまさにプレミアムモデルというのにふさわしい独特な魅力を持っていると思います。
こうしたデザインと質感のカッコ良さ、持つ喜びと音質の違い、またトルコ皮革製の特製ケースを考えるとAK380標準モデルとAK380 Copperの価格差は意外と小さいのではないかと思います。

* Ak380 copperとAk380とAK320のまとめ

それではAK320、AK380、AK380 Copperの兄弟ともいえる3機種の差について、AK380の標準モデルを基準にしてまとめてみたいと思います。

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まず使用感ですが、それぞれ機能的には同じということもあり、使い方に変わるところはありません。ただし手に持った感覚がそれぞれ違います。
AK320では右手の片手で操作ができ、特有のボリュームもそうして使うといっそう使いやすく感じます。またやや小さくて持ちやすく思います。
AK380 Copperはずっしりとした重さがあって、このなかでは一番重いのですが、単体で持つ分にはそう重くは感じないでしょう。ただ通常のAK380に持ちかえるとAK380が軽く感じられます。

デザインと外観についてはやはりAK380 Copperがいち抜けして独特のオーラを持っています。この存在感はさすがで、元ライカのデザイナーがまた関与しているかはわかりませんが、そうした優れた道具を持つ喜びというものを感じさせてくれます。AK320も他のブランドのプレーヤーに対してはずっとすぐれた質感がありますが、やはり通常のAK380のジュラルミンの質感もなかなかすぐたもので、これらはいずれもAstell & Kernというトップブランドの名に恥じないものでしょう。

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音の差は3機種間で驚くほどあると思います。ただその差の傾向が違います。AK320とAK380標準モデルとは違う音の個性があります。AK320はやや強調感があって若い躍動感があります。ロックやポップに会うでしょう。
AK380標準モデルとAK380 copperは同じ音傾向ですが、AK380 copperでは音質全体を一段ブーストアップした感じです。AK380 copperではより深く豊かになり、音が洗練されて濁りがより少ないピュアで綺麗な表現ができます。細かな音に満ち溢れてじっくり聞きたい音楽に向いています。

もちろんAK380標準モデルも標準器のようにリファレンス的で優れた音質再現です。AK380標準モデルはAK380AMPと組みで使って完成された音が楽しめるように思います。対してAK320は独特の強調感で単体で使いたいし、AK380 Copperも単体楽しみたいプレーヤーだと思います。
組み合わせるイヤフォンはAK320はキレが良くアタックがあり、元気なイヤフォンが良いように思いますね。Ditaとか、マーべリックカスタムとか。AK380とAK380 Copperはより厚みがあり豊かなイヤフォンが向いているように思います、JH Audio Laylaとか、AT T8iEなどでしょう。

価格的な点からはやはりAK320のアドバンテージが大きいですね。また価格的な差としてはAK380とAK380 Copperは十分に見合う差があると思います。むしろ価格差が銅のボディを作る手間を考えると思ったほどないようにも思えますね。ただしAK380 Copperは個数限定でもあり、あくまでこのファミリーのなかでは特別モデルと位置付けたほうが良いでしょう。やはりAK380は第3世代のトップモデルであるという位置付けは変わらないと思います。

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AK380ファミリーとでも言うべき、これら第三世代機の間でもけっこう違いはあります。ぜひ店頭で手にとって質感を感じ、試聴して個性の差を楽しんで選んでください。
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2016年02月05日

新世代のハイエンドケーブル、Crystal Cable Next登場

待望のCrystal Cable製のハイエンド・イヤフォンケーブルが発売されます。Astell&Kern Portable Cable-Crystal Cable Nextです。
Astell & Kernとのコラボモデルであり、国内ではアユートが販売します。製品紹介ページは下記リンクです。
http://www.iriver.jp/products/product_120.php

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Astell & Kernのバランス端子に最適の2.5mmバランスプラグ仕様で、イヤフォン側はカスタムなどに使われる2pinと、いまや広く使われているMMCXの二種類が用意されます。

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左: 2pin、右:MMCX

Crystal Cableはハイエンドケーブルの代名詞的な存在のひとつで、うちのブログでもいままでにCrystal Cableの線材であるPiccolinoを使ったJabenのHD800用のヘッドフォンケーブルと、Microを使用したsimilar techのDIRIGENT crystal microケーブルをレビューしたことがあります(現在はどちらも絶版)。

Crystal Cableの特徴は美しい外観と、独自の冶金技術による金と銀の合金を線材として用いていることです。線材は銀の結晶間の隙間に金を埋めるという技術で作られ、これによってより太い銀や銅の線材よりも高い電導率を持ち、さらに曲げに強いという長所もあると言います。

Crystal Cableはオランダのケーブルメーカーです。代表者は女性で元ピアニスト、いまは同じオランダのシルテックの社長の奥様です。
シルテックとは施設は一部共用していますが、基本的に別ブランドで別に製品を開発しています。

いままでCrystal CableはPiccolinoとかMicroといった製品シリーズがあったのですが、このNextは新しいラインナップでPiccoloをベースとしているようです。特にポータブル用として高音質のみならず耐久性や肌への優しさも考慮されているのが特徴です。特にAstell & KernのAK T8iEの交換ケーブルとして期待されます。

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まだほとんどエージングされていませんが、
さっそく実機をAKT8iEと組み合わせて軽く聴いてみました。
MMCXプラグはかなりしっかりはまります。ケーブルはとてもしなやかで柔軟、前にPiccolinoを試した時より柔軟に思えます。線はわりと太いにもかかわらず、硬さをまったく感じさせないほどしなやかなのが不思議な感覚です。とても軽く感じられます。
高性能ケーブルはたいてい太くて硬く、ヘッドフォンにはよくてもイヤフォンに合わせると取り回しに難があったりしますが、Nextはそうしたことはありません。

AK380AMPのバランスで聴いてみました。
たまたま再生したのがアカペラのヴォーカルもの(フィンランドのラヤトン)だったのですが、生々しさが異常なほどで、はっと思って思わず手に持ってたAK380を落としそうになりました。CDリッピングですけど聴いてて、あれ?これってハイレゾで買ったっけ?とほんとに液晶のデータ表示を見直してしまいました。

高域の伸びや低音域の沈みと豊かさ、空間の深さ、いずれも圧倒されますが、次に気がつくのは音再現があくまで自然で滑らかなことです。
普通ケーブルは銀線っぽいか、銅線っぽいかどちらかで、特に箱から出したてではそれを強く感じますが、Nextはそうした素材のバイアスをあまり感じさせません。あくまで自然な音再現に聞き入ってしまいます。AK T8iEとの相性はとても良いと思います。

このケーブルの良い点は情報量やワイドレンジ感のような性能の高さだけではなく、音楽的な豊かさと自然さを高い次元で調和していることだと思います。そうした上質な音再現が音の高級感というかハイグレードさを感じさせます。やはり元ピアニストがやってるブランドですね。
ちょっと聴いてもいままで聴いたケーブルの中でもトップクラスであることは間違いないと思いますが、もう少しきちんとエージングして聴いてからまた詳しく書きたいと思います。


プラグが2.5mmなので3.5mmの機種で使いたいときは、このリンクでいま単体売りしているAK T5p用のショート変換ケーブルを用意しておくとよいのではないかと思います。この変換ケーブルはかくれ人気商品のようです。

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Crystal Cable Nextは本日から予約受付開始で、2016 年2 月12 日(金)から販売開始ということです。販売は直販のアキハバラe市場、フジヤエービック、e☆イヤフォンの限定です。
価格はオープンで、直販価格 99,980円(税込)です。2月13日のポタ研でも聴くことができるでしょう。

これはぜひJH AudioのSirenシリーズ用の4pinでも作成してほしいですね!
posted by ささき at 11:03 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月03日

Astell & Kern 第三世代のスタンダード機、AK320レビュー

Astell & Kernから第三世代のスタンダード機ともいうべきAK320が発売されました。

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アユートの製品ページはこちらです。
http://www.iriver.jp/products/product_117.php

AK320はAK380の提供する素晴らしい音質をより多くのユーザーに届けると言う方針のもとに開発されたと言います。AK320は単なる廉価版の枠を超えて、最上位機種のAK380の音質的なキーポイントであるDACやクロックをそのまま採用しているところがポイントです。ただし細かい相違点もあります。
本記事ではAK380との共通機能については詳しくは解説しませんが、主にその違いについてみていくことにします。共通機能についての詳細はAK380のレビューをご覧ください。

* AK320とAK380の主な共通点

- AKM DACチップ、VCXOクロックなど音の主要部品が同じである。
このことからAK320は音質という点でAK380にかなり肉薄していることがうかがえます。

- 周辺機器が共通で、AK380AMPが使用可能(CDリッパーやクレイドルも共通)。
AK380はいわばAK500をばらばらにして、分散したようなシステム的な側面も持ちます。その点ではこうした周辺機器の存在が大きいのですが、AK320ではほとんどAK380用のものを使うことができます。拡張性が高いというわけですね。

- ソフトウエア的にほぼ同等(AK connect機能も使えます)。
AK380は優れたネットワークプレーヤーとしての素質も持ち、スマートフォンから操作ができるなど、音質の高さだけではなく優れた機能を持っています。AK320ではそれもほとんどそのまま使うことができます。

* AK320とAK380のおもな違い

前述のようにAK320は主要なAK380の長所をそのまま引き継いでいて、かつ価格をほぼ半分にした優れたコストパフォーマンスを持っています。しかしながらやはり相違点もいくつかあります。

内蔵メモリ容量

AK320 128GB
AK380 256GB

ここは大容量の必要なハイレゾ時代に残念なところですが、前にAK240のときも内蔵256GBというのはなかなか実現が難しいというのを聞いたことがあるので、コストを低減するには仕方ないトレードオフかもしれません。

DSD再生能力

AK320 PCM変換(上限DSD128)
AK380 ネイティブ再生可能(上限DSD256)

これはXMOSが省略されているというゆえだと思います。前に書いたようにDACチップがDSDをサポートしていても、デジタルの搬送自体がDSDに対応していないとネイティブ再生はできません。そのためにはXMOSなどが必要です。AK380では11.2MHzまで最近ネイティブ再生可能になったのでAK380の大きな差別ポイントではありますね。考慮点としてはここはDSD音源を良く使うかどうかというところだと思います。

PCM再生能力

AK320 上限192/24 (384/32までダウンコンバート再生可能)
AK380 上限384/32

これは現実的にハイレゾと言っても192kHzが最大のものが多いので大きな問題にはならないようにも思います。

筺体

AK320: アルミニウム、ガンメタル色、約217g
AK380: 航空機グレードアルミ(ジュラルミン)、メテオリックチタン色、約230g

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AK380の方がやはり全体的な質感が優れていて、ここも差別化にはなりますね。質実剛健に音質のみ聴ければよい、というのであればAK320がクローズアップされてきます。

背面

AK320: アルミ
AK380: カーボン

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AK380の背面はAK240から伝統のカーボンで、AK320の背面はAK120IIに似たアルミと表面加工がなされています。

ボリューム位置

AK320:背面(AK Jrタイプ)、
AK380:側面(従来AKタイプ)、

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Astell & kernのAK240以降の特徴的な「光と影デザイン」は左手で持ちやすかったと思います。AK380もそうですが、この場合は左手で持って右手でボリューム操作することが前提だったと思います。
AK320は右手で片手持ちして親指でのボリューム操作がしやすく、この点でも多少変わったと感じます。

付属ケース

AK320 : Conceria WALPIERのレザーケース・ブラック
Ak380 : INCASのサイドカーフチュドール・ブラウン

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これも質感の差があります。やはりAK380のケースの方が高級感を感じるところです。
ただしAK320のケースもAK120IIと比べると高級感があります。

* AK320とAK380の音質と使用感の差について

ボックスはAstell & Kernのスタンダードで外箱と内箱の組み合わされた立派なものです。内箱にはきれいにAK320が格納されています。

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実際に持ち運んで比べると、スペック以上にAK320のほうが多少小さく感じます。また使っていて気がついた点ですが、AK320のボリューム操作は右手で片手で持った時に親指で操作しやすい感じです。

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またAK320では右上の出っ張りがないので持ちやすく感じます。

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AK380とAK320はDACが共通であるということから音質的にも似ていることが想定されますが、DSDネイティブ再生がないという点から回路も異なると思われます。XMOSがないということから、よりシンプルになっているかもしれません。またAK240とAK120IIに見られたような音のチューニングの違いもあるでしょう。AK240ではクラシック向けに味付けされ、AK120IIではジャズ向けと聞きました。

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実際にAK320を数日エージングして聞いてみましたが、AK320とAK380の音質差はたしかにあると思います。音質と言っても音傾向が違うと言う感じで、全体的な音質レベル・性能とで言うとかなり近しいので、差は好みの部分かもしれません。その点ではやはりAK320のお買い得感はあると思います。
音の差に関してはケーブルで違いを楽しむ人ならば差ははっきりわかるくらいあると思います。

細かいAK320とAk380の音の差ですが、Layla UF、マベカスさん、FitEar Air、Dita Answerなどの高性能イヤフォンでくらべてみました。だいたい傾向の違いは同じに感じ取れます。
AK320はAK380とくらべるとより高い方が強く感じられ、ヴァイオリンの高いあたり、中高域が刺激的に感じられます。きついというくらいではなく、AK380より少し強めに感じます。
また感じられるのは、全体にAK380のほうがややキー低めに聞こえます。同じ女性ヴォーカルで比べてもAK320は少し若く聞こえる感じです。
低域表現では、いわゆる重低音の部分はAK380のほうが量感があり、通常の低音ではAK320のほうがやや強く鋭く聞こえるように思います。AK320のほうがドラムのインパクトに少し鋭さ硬さがあります。パーカッションの打撃感、インパクトはAK320のほうが鋭いようで打ち付ける感覚がわかりやすいですね。逆に言うとAK380は誇張感が少なく感じます。

情報量とか厚みという点ではAK380のほうがあるように思います。弦の鳴りとか、ヴォーカルの表情とか細かいところで豊かというか倍音が載ってる感じがします。AK320はちょっとドライにでる感じでしょうか。ただ細かい音のチッとかピンって音の明瞭感はAK320のほうが鋭く聴き取りやすい気はします。
音場はAK380がやや広いように思いますが、大きな差ではないと思います。

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誇張して言うとAK380はややアナログっぽい暖かみが少しあり、しかし強調感のなさ、味付けの少なさはAK380です。そういう意味ではむしろAK380の方がニュートラルだと思います。AK380の方がややリッチで深みがある音に思えます。
AK320の方は全体にやや細身でシャープな感じ、より若い感じの音で元気の良さも感じます。ただ少しドライに思えます。高域も低域もAK320の方が強調感があり、低域のインパクトもAK320の方が強く感じます。

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DSDネイティブに関してですが、AK320とAK380にそれぞれBlue Coastの同じ曲の96K PCM版とDSD64版を入れて聴いてみました。
AK320ではたしかにどちらも区別ができませんが、AK380ではやはりDSDの方がデジタルっぽい音のエッジのきつさが緩和されてDSDらしい再現にはなるので違いはあると思います。

AK320ではAK380専用アンプも使用ができます。色が異なり多少形は異なるためやや一体感がなくなりますが、あまり問題はないと思います。ボリュームも問題なく使えます。
AK380AMPを加えると音はよりいっそう洗練されて上下が伸びるようになり、音の厚みも加わります。やはりAK380と同じアクセサリーが使えるというのは大きいと思います。

* まとめ

実質的にAK320とAK380の関係はAK240とAK120IIに似ています。メモリ容量や筺体デザインもそうですが、音質の差も似ています。またAK320の背面パターンはAK120IIを感じさせます。個人的にはAK120IIの音質に関してのコストパフォーマンスは優れていたと思いますが、カタチ的にAK240との差が大きかったことで見た目で損をしていたマシンかなと思います。その点ではAK320はAK380にそう格差を感じさせずに、かえって改良された点もあると思います。ただAK380の方がやはり全体的な質感などはケースも含めて高いとは言えます。
AK380は音の素材感の良さと音の相性からAK380AMP付けっぱなしにして音質をさらに上げて使いたいDAPで、AK320はちょっと強調された音再現から単体で楽しみたいDAPだと思います。

AK320とAK240とはシリアスに比べてはいませんが、おそらく音質レベル・性能的にはAK320の方が上ですが、やはりシーラスの音はそれなりに魅力的なのでここも好みのところが大きいかもしれません。またAK240はAK320や380とくらべるとなんと言ってもコンパクトさが魅力です。

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聴き比べから離れて、単純に音楽を聞いた感じでは、個人的な好みではありますがAK320ではマベカス+シグナルとの相性が抜群だと感じました。AK380だとlayla UFを選ぶと思います。その辺もあるので、音で選びたい人は試聴してみるとよいかもしれません。

ただ音質のレベルという点で言うとAK380とAK320ではそう大きな差はないと思います。コストパフォーマンスで言うとAK320はかなりお勧めです。AK320とAk380の差をわかりやすく書くためにやや誇張気味に書いたところもあるかもしれませんが、AK320とAK380の差よりもAK320/380と他の機種の差の方がずっと大きいと言えます。たとえばAK380とくらべるとAK320の質感は落ちると書きましたが、他のDAPに比べると質感は高くトップクラスだと思います。
そうした点ではAK320はAstell & Kern第三世代のスタンダードモデルの名にふさわしい優れたDAPであるといえるでしょう。
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2015年11月24日

Astell & Kernの新スタンダード、AK320登場

少し前からネットで噂になっていましたが、本日Astell & Kernの新スタンダードというAK320が発表されました。

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アユートさんの製品ページはこちらです。
http://www.iriver.jp/information/entry_860.php

見た目はAK380に似ていますが、筐体はアルミで内蔵メモリも128GBというところ、また320という型番からは従来のAK120のラインを継ぐようにも見えます。
AK4490のデュアルやフェムトクロックというところからは音質の基本的なところはAK380譲りのようにも思えますが、DSDはネイティヴではなくPCM変換というところなどいくつか差別ポイントがあります。スペックからはXMOSが省略されてるようにも見えますね。
あるいはAK240とAK120IIのようにDACは同じでもチューニングが違う可能性もありますが、これはわかりません。

AK380用の専用AMPがつけられるのは大きな魅力ですね。価格はわかりませんが、ベーシックなPCM再生のみを必要としてる人にはコストパフォーマンスのよい選択のように思えます。

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2015年09月11日

Astell & Kern AK380専用アンプレビュー

AK380が登場した時に発表となっていた待望のAK380専用アンプがいよいよ発売されます。名称は「Astell&Kern AK380 アンプ メテオリックチタン」です。本稿では以降AK380アンプ、または単にアンプと書きます。

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予約は本日から開始、発売は9月18日からです。価格はオープンですが、参考としては直販が99,980円(税込)です。

* AK380アンプの特徴

このアンプの特徴はAK380専用の設計をして使い勝手と音質の両立を実現していることです。
そのポイントの一つはボリュームです。下の図を見てもらうとわかりますが、AK380アンプ側にもボリュームがあります。このAK380アンプのボリュームは確認したところ実はアナログボリュームです。しかしアンプの外にはボリュームノブらしきものはありません。このアンプのアナログボリュームはAK380本体のボリュームからUSB経由でコントロールされるのです。

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Astell&kernのデジタルプレーヤーは伝統的にDAC内のデジタルボリュームを使用してきました。これはかさばるボリューム回路がないのでプレーヤーをコンパクトに作ることができます。
しかし反面でデジタルボリュームは計算誤差によりビット落ちをしてしまう可能性があり、それが音質低下を引き起こしてしまいがちです。それをふせぐために取られる手法の一つはアナログボリュームを使うことです。

そこでAK380アンプでは、余裕のあるアンプ側にアナログボリュームを設けて、AK380側ではデジタルボリュームを切って(Maxにして)出力します。またAK380とAK380アンプの間は音質の劣化するミニプラグではなく、専用の4ピンプラグでバランス伝送で信号が渡されます。
AK380アンプのボリュームはAK380本体のボリュームノブの動きを信号として受けてUSB経由でAK380アンプに変化量が渡されます。USBはボリューム情報を渡すことができますので、これでAK380アンプ内のボリュームをリモート制御して動かします。
(ちなみにUSB信号でアナログボリュームをリモートコントロールするというのははAudioQuestのDragonflyでも取られた手法です)
これによって、一体型としての利便性を確保したうえで、音質の上では有利なアナログボリュームをAK380で使用することができるというわけです。

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そのほかのスペックを簡単に書くと、バッテリー容量は3400mahで本体と同じです。実際の持ちは出力のモードにより異なり、アンバランス出力で9時間ということです。出力は高ゲインでは8.1Vrmsと低ゲインの2.1Vrmsよりかなり高くなっています。

* 簡単な使い方

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1.まずAK380の肩にある背面のねじを外します。

2.次にAK380とAK380アンプを合体させます。USBと4ピンでアンプと本体が接合されます。

3.そしてAK380アンプ側のねじでさきほど外したねじの箇所を留めます。

4.イヤフォンをAK380アンプのバランス、またはアンバランスに装着します。バランスは本体と同じく自動検知されます。

5.AK380の電源をオンにします。(アンプ側と電源は連動しています)

6.AK380のメニューを引き出して、AMPのボタンをオンにします。すると自動で音量が落ちます(耳を保護するため)

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7.設定ボタンを押して、アンプの項目から高ゲイン、または低ゲインを選びます。低ゲインであればAK380本体と音量はさほど変わりません。高ゲインでは音量が高くなります。

8.音量をあげます。(イヤフォンを抜くとまた音量が自動で下がります)

充電はアンプのUSBポートを使うだけで本体もアンプも充電されます。またアンプ側のUSBポート経由でデータの転送も可能ですが、アンプを使用しているときにはUSB DACは使えません。
使用中はかなり熱くなりますので多少注意してください。

* AK380アンプの音質

おそらく一番気になるのはこの専用アンプをつけてどのくらい音質向上があるか、ということでしょう。

たぶん高ゲインでの音の差はすぐにわかると思います。力強さが一段と増して、ドラムのインパクトがパワフルになり、ギターのキレが一段とシャープさを増します。
ロックやエレクトロミュージックは一段とかっこよく、パワフルで元気よく鳴るようになります。音調というか音の個性はAK380のままでパワフルになるという感じでしょうか。イヤフォンとの組み合わせによってはちょっとクセになりそうな力強いパワー感が味わえます。

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低ゲインでは音量が単体で聴くのとほぼ同じということもあり、はじめ差がわかりにくいかもしれませんがアコースティック音楽のハイレゾ音源など、高品質の音楽を聴いていると解像力が単体より高く、音の芯もより明瞭にかっちりとしていることがわかります。AK380の解像度がさらに上がるように感じられ、また音がより明瞭に深く表現されます。
完全なユニティゲイン(1:1)ではなく微妙に音圧は上がりますがそれ以上の変化があると思います。
ゆったりした音楽で高ゲインだと押しが強すぎるがシャープさは落としたくないというときも低ゲインが良いと思います。

また使用するイヤフォンや聴く音楽によって低ゲインと高ゲインは使い分けられるでしょう。
私なら低ゲインではJH AudioのLayla UF、高ゲインではCampfireのLyraがお気に入りです。

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JHA Layla UFは性能が高すぎるゆえに、使用するシステムを選んでしまい、なかなかこれというのがありませんでしたが、このAK380アンプはバランスでLaylaの魔法のような音空間を堪能させて聴かせてくれます。Laylaをロックでこんなにかっこよくパワフルに鳴らし、オーケストラでは独特の立体的な音空間でスケール感豊かに、情報量豊かに鳴らします。

CampfireのLyraはさっそくAK380アンプの高ゲインで大活躍してくれます。スピード感がありベースはインパクト力強く鋭く、高音域は澄み切って透明感があります。
高ゲインではAKT5pもまたオススメです。AK380単体とは明らかに異なるレベルのインパクト感が得られます。またイヤフォンとは異なる空間の広がりも一層堪能できます。

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他の外付けアンプとして、重量級のiQube V3と比較してみました。iQube V3へはアナログ入力で、高品質のCrystal CablesのMicro線材を使用したケーブル(Dirigent red label)を使用して、AK380からはLineoutモードでミニ端子から出力というかたちに組み合わせました。
同じ曲で聴き比べてみました。個性はやや違いますが、全体的な性能はAK380アンプが少し上と言ってよいのではないかと思います。やはり直付けの専用設計というところが効いているでしょう。またiQubeだとややドライなiQubeの音になりますのでそこも音調がAK380単体と合わせてあるAk380アンプはなかなか好ましいと思います。

また実際に使ってみると曲送りコントロールとボリュームはAK380本体なので便利なのも特筆点です。他のアンプを使うとボリュームは別になってしまいます。またケーブルもいらないので、コンパクトに使うことができます。外付けアンプだと電源も別々になってしまいますね。

電池の持ちはすっかり測ってませんが、両方ともフルチャージしてから聴き始めると、アンプの方が先になくなるけれど、そんな差ではないと思います。43%と38%とか、そんなものですが、ここはさきに書いたようにゲインのモードでも違うでしょう。

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ボリューム位置にはLEDライトアップがありますが、ちょっとしたギミックで面白いですね。

* まとめ

AK380アンプはAK380の圧倒的な情報量を活かして、よりクリアでパワフル、さらに上質の音を提供しています。そのうえで電源ボタンもボリュームもAK380本体と連動するので使い勝手は単体とあまり変わりません。

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これは一体型アンプとか合体アンプというよりも、AK380の完成系って言った方がむしろ正しいかもしれません。特に低ゲインで聴いてるとそう思います。一方で高ゲインだと別物感を楽しめるので、外付けアンプで音を大きく変えたい人にも魅力的でしょう。
おそらく買う前はつけたら重いとか、かさばるとか言うかもしれないけど、いったんつけたらもう外さないと思いますよ。
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2015年07月08日

Astell & Kern AK380がいよいよ発売! 開封の儀

Astell & Kernの新しいフラッグシップ、AK380の発売がいよいよ7月10日のこの金曜日から開始されます。
それに先立って生産版を入手しましたので開封の儀として内容を紹介します。

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外箱、DSD Nativeのステッカー、内箱

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内箱に鎮座するAK380本体

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内箱の下に格納されている革ケース(イタリア製)

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(今回はブツ撮りはKickstarterのポータブルスタジオ、Foldio2を使用しています)

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さて、生産版の音質などははまたアップしていきます。
まずは今週末のポタ妍で試聴ができますので、アユートさんのブースにお立ち寄りください!
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2015年05月26日

Astell & Kernの新ラインナップ、AK Jrレビュー

Astell & Kern AK Jr(エーケー ジュニア)は軽量薄型のAstell & Kern新ラインナップです。求めやすい価格で従来のAstell & Kernのラインナップから一歩踏み出したものといえます。

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AK Jrは薄さ8.9mm、軽さ98gと持ちやすく胸ポケットにも軽々と入ります。
筐体はアルミボディ、液晶は3.1型のタッチパネルでゴリラガラスを採用しています。DACは第一世代と同じくWolfsonのWM8740です。

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出力は3.5mmの通常のイヤフォン端子のみで、2.5mmバランスはありません。ボリュームは側面のダイヤル式なので、(実際はデジタルエンコーダーでしょうけれども)アナログ的な操作感が楽しめます。

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ストレージは内蔵64GBで、外付けのMicroSDでさらに64GB増設可能です。そのためトータルでの最大値は128GBということになります。

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PCからの楽曲の転送はUSBですが、AK第二世代とはことなりMTPではなく、第一世代と同じくUSBマスストレージクラスです。
操作はタッチパネルとAK伝統のハードボタンの併用で行えます。ファームウェアはAK第二世代とは異なり、第一世代に近いものです。
PCM入力は192kHz/24bitで、float/int 32bitにも対応しますがダウンコンバートです。DSDは2.8Mhz対応ですがこちらはPCM変換となります。
出力インピーダンスは2Ωと、よいペースレスポンスを引き出すために十分な低さを持っていますので、イヤフォンなどにも合わせやすいでしょう。

価格は直販69,800円(税込)です。フジヤさん、eイヤさんなど専門店では価格が63,500円(税込)に買換えキャンペーンが適用されます。たとえばフジヤさんの例だと指定DAPとの買換えでは8,500円引きで、5,001円以上のイヤフォン同時購入でさらに5,000円引きなど累計すると最大13,500円ほど引いて実質50,000円程度で購入することも可能だと思います。キャンペーンの条件などについて正確なところはお店に直接聞いてみてください。量販店では10%程度ポイント還元がつくとおもいます。
発売日は5月29日(金)です。

以下しばらく使ってみた感想を書いていきます。(FW1.00で聴いています)

* 使用感

箱の見た目は従来のAstell & Kernを引き継いでいますが、箱自体がいままでよりスリムという印象でちょっと面白いですね。

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外箱の中には他のAstell & Kern製品のように中箱があり、本体が収まっています。中箱の袖には保証書と説明書があります。いわゆるエントリー機としてはパッケージも立派なものですね。ここでもブランドイメージを崩さない高級感があり、ひとクラス上のものを買ったという満足感を与えてくれてると思います。
私なんかはダンボール箱に新聞にくるまった雑な梱包の海外ものになれていて、開封するときにむこうの新聞を読むのを楽しみにしてましたが、時代は変わってきてきちんとしたパッケージは欠かせないものとなってきていますね。

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取り出すと薄くて軽いと改めて思います。アルミシャーシの質感も良く、デザインも洗練されてかっこ良いですね。デザイン的には100IIより良いように思います。特にこれからの季節は胸ポケットにいれる機会が増えると思うので、こうした軽量薄型のデザインは重宝します。
ボリュームの回転も軽すぎずに、適度なトルク感とクリック感がありますので安っぽさはありません。
DAPのエントリー機の中ではやや高めの価格設定ですが、このパッケージと本体の出来を見ると納得すると思います。ハイレゾDAPの入門機というよりも、Astell & Kernブランドの入門機という感じでしょうか。

ただし操作はややもたつく感があり、操作の画面遷移の速さは問題ないのですが、楽曲をリスト表示させるところではそのリスト取り出しに時間がかかってしまうように思えます。ここはファームアップでキャッシュがスマートにできるようになるとよいのではないかと思いますね。

また曲転送がMTPではなくマスストレージなのでMacの人は便利に使えることでしょう。ただし後で一括でライブラリ更新が必要になります。これはMTPは音源をファイルとして転送しているので転送しながら再構築できるのに対して、マスストレージだと転送はバイト(ブロック)単位だから転送中は再構築できないからです。

* 音質

AK Jrというと薄型軽量で求めやすい価格という点が強調されがちですが、実のところAK Jrをしばらく使ってみて一番感じたのはその音の魅力です。
AK Jrの音は音色的にはAKブランドであることを感じさせる着色感が少ないピュアな音の質感を持ちつつも、よりダイナミックでベースの迫力があり音楽性の高さを感じます。
もともとAstell & kernブランドはAK100のころから原音忠実をキーとしてプロ用とコンシューマー用のバランスを天秤にかけつつも進化してきた経緯があります。これはあまり固有の味付けを入れないということですから、そこは聴く音楽によってベースにもっとDAPが味付けしてほしいというようなときに、いくぶん人によって不満を感じるところもあったと思います。AK Jrではそこをコンシューマー用に割り切ることで、音楽を楽しく聴けるような演出を可能としていると思います。

具体的にいうと、従来のAKに比べて低域も少し元気ですが、さらに中低域の厚みを増やして低域全体の量感が増えるようなチューニングがされてるように思います。また中高域はやや硬めなシャープさがあり、ここでも多少強調感を感じます。このシャープな中高域と厚みのある中低域の組み合わせが音に華やかな演出感を加えています。こうした低域と高域の強調感により演出的に音楽が楽しめやすい音になっていると思います。
いままでのAK上級機でもベースのレスポンスは十分ありますが、低域自体がすっきりと整理されて聞こえるのに対して、Jrでは低域でのすっきり感を減らして厚く密度感のあるチューニングになってると思います。これがエレクトロ系とかロックに向いている感じですね。

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オーディオというとよくジャズやクラシック向け、と書くことが多くて、ロックを聴きたい人は本来ラフにうねるべき音楽でも上品な演奏になりがちなところもあったかもしれません。しかしAK Jrではヘビメタやエレクトロ・打ち込み系などで音楽を楽しく聴くことができます。低域が強調されているといっても組み合わせるイヤフォンを間違えなければヴォーカル域の再現性もしっかりとしてクリアに聞き取れますのでアニソンなんかでもよいでしょうね。

この辺の音傾向が気になるとき、たとえばさらにヴォーカルを際立たせたい時などはPro EQを使用するとよいと思います。AK JrにもPro EQがあります。
Pro EQをオンにすると低域の中域へのかぶりが改善され、ヴォーカルがより聞き取りやすくなります。それで音場感もやや改善されるようにも思います。ジャズ・クラシックをJrで聴きたい人もオンが良いかもしれません。ロックやエレクトロはオフで密度感のある分厚い重いベースを楽しめるほうがよいように個人的には思います。JrではこれまでよりPro EQで一粒で二度美味しい感があるように思いますね。

特定の音楽に合わせるにはフラットな音+自分でイコライザで調整という考え方もありますが、普及機ではない高性能DAPクラスの音機材としてはやはりはじめから音の個性として提供してほしいという気もします。
たとえば私は10年前にポータブルアンプのSR71を買ったときに感じ入ったのは、iPodの音がワイドレンジになり解像力が高くなるというHiFi的な向上点もさることながら、その暖かみがあってベースに強調感のある音楽的な演出がとても音楽を楽しく聞かせてくれたという点です。RSAのような強い暖かみとは異なりますが、AK Jrにもやはり演出感のあるオーディオ的な強調の効果があり、ロックポップのような躍動的な音楽をより楽しく聴かせてくれます。

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私がよいと思ったイヤフォンはまずShureのSE215speです。これは低価格ながら良さを再発見するとともに、AK Jrと組み合わせた時の力強い音再現に魅力を感じます。耳に近くステージのそばで聴くような緊密感と、力強く厚く太い、しっかりしたパンチがあるベースが特徴です。
SE215speはMMCXでリケーブルできますが、ノーマルケーブル(ストック)でもとても良いですね。価格が安いのでその分ケーブルを考えてみるというのも面白いと思います。
ただSE215speだと後の上位二機種みたいな独特の音場感の良さまでは味わえないと思います。それだけAK Jrには上位イヤフォンでこそ引き出せる伸びしろがあるともいえます。

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より高い性能を求めるならJH Audioのアンジーがよいですね。アンジーを使うとひときわ音再現性の高さがわかるようになり、AK Jrが単に演出系だけではなく、基本的な音再現性も高いということがわかるでしょう。音の解像感の細かさの向上だけではなく、特に空間的な再現力、立体感が見事で実はAK Jrのポテンシャルの高さがわかるようになります。もしAK Jrをスマホより多少良い程度なんて考えてるならアンジーのような高性能イヤフォンで聴き比べてみてください。
AK Jrとアンジーを使いこなすうえでのポイントはベース調整だと思います。低音域とヴォーカルの変化に耳を傾けながら、あーでもない、こーでもないと、私もいろいろやってみましたが、この辺も楽しみながら使いこなしていけると思います。

もうひとつお勧めなのが、JVCのFX1100です。これは味+HiFi系みたいな独特の良さがあってちょっと面白いですね。


AK JrはハイレゾDAPの入門機と言われますが、私は実機を聴いてみてむしろAstell & Kernブランド初のコンシューマ専用機、と言った方が正しいと思います。
いままでAstell & Kernはプロ機って役割もあったのであまり大きく逸脱できませんでしたが、これはコンシューマと割り切ることでいわば「はめをはずす」ことができ、音楽的な味付け要素を加えられたことで音の個性が上級機と違う魅力を持たせられたと思います。
ですから、AK240とかAK120IIなどハイエンド機を持ってるひとも、どうせ入門機だろうと思わないで聴いてみてください。上級機のほうがやはり洗練されてはいますが、おそらく聴く音楽とイヤフォンによってはAK Jrも音を楽しく聞かせてくれ、気に入るかもしれません。

カメラの世界には「サブ機」というのがあって、一眼レフを持っている人でも高級コンパクトのGR1などをサブ機として併せ持つという考え方があります。それで結局はサブ機しか使わないじゃんと揶揄されたりしますね。軽くて音楽的個性のあるAK Jrにはそうしたハイエンド機がない魅力を持つサブ機としての可能性もあるんではないかと思います。特に手持ちのイヤフォンや合わせる音楽との好みがあえば、サブ機は別腹、という危険な言葉が頭をよぎるかもしれません。

* まとめ

AK Jrは曲表示が遅いという難があるものの、作りや外見からはエントリー機とはいえあまり安っぽさを感じさせない高級感があります。音的には基本的な音質の高さを持ちながら、独特のベースのパンチとダイナミックな味付けで個性的な音質が楽しめます。薄く軽く持ち出しやすい気軽さももちろん大きな魅力です。
Ak JrはAstell & Kernブランドにあこがれてステップアップを望むエントリーユーザーから、いわゆるサブ機的な個性を求める上級者まで幅広く訴求するポテンシャルを秘めた新製品ではないかと思います。
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2015年05月14日

Astell & Kernの新フラッグシップ、AK380レビュー

いまやハイエンド・デジタルオーディオプレーヤー(DAP)の代名詞ともなったAstell & Kernブランドに待望の新世代機が登場します。Astell & Kern AK380です。あのAK240に代わる新しいフラッグシップとなります。

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まず今週末のヘッドフォン祭で発表会があります。試聴機が用意されますのでお集まりください。私もそこでプレゼンします。なお試聴機については整理券の方式なのでアユートさんのホームページの案内を参照してください。
(価格や販売時期等は現時点ではわかりません)

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それに先立って一週間ほどデモ機を使用できましたので、本記事でレビューいたします。借りたデモ機は評価用の生産前モデルであることをお断りしておきます。またファームのビルド番号は0.02ですのでかなり初期です。生産版ではさらにチューニングがくわえられるということです。
生産前モデルとはいえデモ機の印象からAK380はすごい製品に仕上がったものだと感じました。私はAK240の昨年の発表会の時にAstel & Kernはポータブルブランドだけど、ハイエンドオーディオを志向していると言いましたが、AK380はその回答とも言えます。なにしろAK380はハイエンド・オーディオ機材そのものだからです。外形はキープコンセプトに見えますが、中身はかなり変わっています。

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私は昨年のメインDAPはAK240でしたし、デモユニットの時点から使い込んでかなりAK240には慣れ親しんでいます。その点でもAK380とAK240の差は気になるところです。そこで、AK240と比較しながらAK380の特徴を解説していきます。

1. 最新DAC ICチップ・AK4490とフェムトクロックの採用による大幅な音質向上

AK380の特徴はまず最新のDAC ICチップであるAKM AK4490を贅沢にデュアルで採用しているということです。
前のAK240で一番不満に思っていた点は音のかなめであるDAC ICチップがシーラスロジックのCS4398と10年ほど前の古いものであったことです。もちろんCS4398はシーラスのトップモデルとして長い実績と定評があり、たくさんの採用例があります。しかしながらデジタルの分野で10年前のICというと古さはいなめません。
AK380は昨年発表されたばかりのAKM Veritaシリーズの最新モデルであるAK4490を採用して一気に最新モデルとなりました。AK4490は新しいVeritaシリーズの中でも特に最新技術を投入したものです。

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そしてAK380ではなんとフェムトクロック(VCXO)を採用しています。フェムト(femto)クロックは最近ハイエンドオーディオ界隈で話題の高精度クロックの潮流で、femto秒クラス精度のクロックの総称です。いままでポータブルではDACチップが云々されてもクロックまで問われることはあまりありませんでした。AK380では0.2psという精度のクロックを使用することで、AK240に比べて約40%もジッター低減を果たしたということです。
*初出時にAK240と比べて二桁少ないという表現がありましたが、これは正しい記述ではなかったので上記のように訂正いたします。

このクロック重視はあとでも書きますが、AK380は完全にプロ機を想定しているからでしょう。またAK380は拡張機能により単なるポータブルプレーヤーにとどまらない、ということも書き添えておきます。

もうひとつAKM DACの利点は32bit整数ネイティブ入力が可能なことです。そのためAK380も32bit整数ネイティブ対応となっています。
PCMはつまり384kHz/32bit int対応となります。DSDはもちろんDAP単体でのDSDネイティブ再生対応で、2.8/5.6MHz対応です。

2. ドック端子が新設され拡張性が向上

AK380での大きな変化は拡張性が高くなったことです。これによりAK380は第3世代機の始まりと考えることができます。
AK380の底面にはドック端子が新設され、底面に4つの金属ピンがついています。これはアナログ・バランス出力端子です。このほかに背面に別売のアンプ固定用のピン穴があります。またデジタル信号はUSBを介して外部機器とのやりとりを行うようです。つまりUSB+4ピンアナログ端子で外部機器とのインターフェースとなるわけです。

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今回まだ外部機器については資料が来ていません。ここはいまの情報からの推測が入りますが、まず見えているのは下の画像の専用のポータブルヘッドフォンアンプです。デモ機を聴くと十分な音の制動コントロールが出来てると思いますけど、この外部アンプはさらなる駆動力を発揮してくれるでしょう。メニューにはAMPの項目が新設されています。Glove Audioの純正版みたいなものでしょうか。

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AK380と外部アンプ(暫定)

しかしながらAK380の拡張機能はそれにとどまらないと考えられます。それはAK380があたかもコアブロックのようになったオーディオシステムへの発展です。おそらくは後述のDLNA機能も含めて、AK500N相当をAK380と外部機器で実現するようなものを描いているのではないかと思います。あるいはプロ用のエンジニア機材の核として発展するのかもしれません。そうした壮大な絵を描いているように感じられます。

このほかの入出力は3.5mmステレオ(光デジタル出力付)と2.5mmバランス、USB micro端子と変わりありません。Bluetoothは詳細わかりませんが、同じであると思います。WiFiは後述します。

3. 筐体の大型化と使い勝手の変化

AK240と比較すると筐体が一回り大きくなっているのがわかると思います。デザイン的にはAK240の光と影の陰影イメージデザインを引き継いでいますが、左のボタン側が斜めに張り出しているなど新しいデザインを採用してデザインコンセプトも多少変化しています。筐体はAK240と同様にハイエンドオーディオ機器なみの航空機グレードアルミ(ジュラルミン)の高級感あるものです。

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AK380とAK240の比較

このため胸ポケットにはぎりぎり入るくらいのサイズとなりましたが、液晶は大型化(4インチ)により操作がしやすくなっています。

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また液晶の大型化に貢献しているのが、今回新規のメタルタッチ機能です。AK240は液晶の下方にタッチセンサーがあって、そこをタッチすることでホームボタンとして機能していました。このホーム機能が液晶ではなく、ボディの下方の一部(ボッチ印字のあるところ)がタッチセンサーとなりました。これをメタルタッチといいます。これによって液晶の表示部分の拡大に貢献しています。

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メタルタッチ機能

液晶の発色はAK240と並べるとわかりますが、暖色からニュートラル・やや冷調に変わっています。画面が大きくなったのでカバーアートの迫力は増しています。またアートがない音源データの際に表示される画像が多種用意されているようです。

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ボリュームのトルク感はAK240とほぼ同じ感じです。なれるとやや下についている380のほうが操作しやすい気がします。ボリュームは0.5ではなく1刻みになっています。重さ自体は多少ずっしりとしますが、ポータブル機器の使い勝手を損なうほどではありません。

容量はAK240と同じで内蔵256GB、外部にMicropSD一基です。ちなみにAK240もそうですがこの内蔵256GBというのは128GBのメモリを2個つないで256GBの単一ボリュームに見せています。この技術もかなり高度なものということです。
電池の持ちはCDリッピングとハイレゾのまじったライブラリをシャッフルで聞いて、実測でおよそ10時間弱持つと思います。ここも大型化の恩恵があるのかもしれませんが、なかなか電池の持ちも悪くないですね。

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メニューは設定が上から引き出しメニューに移動するなど多少変更がありますが、大きくは変わっていません。この変化はあとで従来機にもフィードバックされるのではないかと思います。

この大型化によって回路設計に余裕ができて、ノイズのもとになるWiFi部分の分離などオーディオ回路の最適設計が可能となったということです。

また、操作性の向上という点でいうとバランス切り替えがプラグ検知で自動化されました。これはなかなか便利です。

4. WiFi機能が向上して、オープン化(DLNAネットワークに対応)

AK240でも先進的なネットワーク機能を備えていましたが、AK380ではそれがオープン化されてDLNA(uPnPベースの)ネットワークの中で認識されて使えるようになったようです。ここは今回の試用ではテストがあまりできませんでしたが、完成品ではAK500N相当になるようです。これはAK connect機能と呼ばれているようです。

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A&Kからアプリも提供されますが、一般的なPlugPlayerなどのuPnPアプリも使えて、その中でAK380が認識できるようになるはずです。

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専用アプリAK connectのタブレット画面(HD)

おそらくはスマートフォンでuPuPアプリを立ち上げるとWiFiネット内のAK380が認識され、スマートフォンの音源やストリーミングをAK380をレンダラー(再生機)として聴けるのではないかと思います。
スマートフォンの音質向上としては外部ポータブルDACアンプをつなげるものもありますが、USBでケーブル接続だと肝心のスマートフォンとしての使用に難があります。かといってBluetoothでは音質に難があります。そこでこうしたWiFiワイヤレスでの接続は大きく可能性を広げることができると思います。

またポータブルだけではなく、ホームシステムのネットワークプレーヤー(ストリーマー)としても機能するのではないでしょうか。そのための拡張機能なのでしょう。

5.イコライザーの高機能化

AK380ではパラメトリックEQが採用され、AK240の10バンドに比して20バンド0.1dB単位とさらに細かい設定が可能となっています。また曲率を示すQ値の変更などかなり細かな設定ができるようになりました。
これはプロ機としてAK380がより意識されていることを示しています。この辺は私よりも他のエンジニアの方たちによる紹介がなされていくことでしょう。
これはプロエンジニアとしてのジェリーさんのAK240での意見がAK380では反映されているようで、JH Audioとのコラボが単なる製品の供給だけではなく製品コンセプトにも及んでいることがうかがえるということがわかると思います。


以上のようにAK380での変化は拡張性、クロック精度、EQの細かさなど、単独ではなく有機的につながってAK380の戦略的なコンセプトを示しているようにも思えます。つまりそれが第三世代のコンセプトと言えるでしょう。
コンシューマー視点で見ても、AK240からは音質の大幅な向上とネットワークのオープン化を実現した正統な新フラッグシップという点で、なかなか魅力的な新製品になっていると思います。

* 音質

次は音質について述べていきます。個人的には一番インパクトがあったのはやはり音質が大きく向上したことです。
ここでは主にレイラユニバーサルを2.5mmバランスで使用して聴きました。これ以外の組み合わせでは今回は聴いていません。時間の制約もありましたが、それよりもこの組み合わせ、聴いてしまうと離れられないんです。
このレイラバランスとAK380の組み合わせはシンプルながら、あっさりと現行では最高峰の音を出してくれます。まさにポータブルとしては理想的ですね。
はじめはAK240で使っていた128GB SDを入れて同じ曲で聴きなおしたんですが、AK380では緊張感、感動、リアルさがまるで違います。

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音は全体的な印象からはAk240に似た感じの帯域バランスに思えます。AK240とAK120IIとどちらに近いかというとAK240だと思います。そのため一瞬似た感じにも聞こえますが、聴いていくと音質は大きく進化しているのがわかります。デモ機を借りて一晩エージングして次の朝に買ったばかりのアルバムを聴いて唖然としました。音世界がすさまじいんです。
やはりAKMの最新チップですね。DAC ICの性能がすべてではないとは言われますが、やはり大きな位置を占めていると思います。そのほかにもフェムトクロックの搭載、大型化で回路に余裕ができたこと、そうしたこともプラスに働いています。

まず際立つのは解像力・立体感ですね。これらはAK240の比ではなく、音像の彫りの切込みの深さはすさまじいという言葉を使いたくなります。大まかだった輪郭の彫像がとても細かく陰影豊かに進化したという感じです。新DAC ICチップの性能の高さはスペック表で数dB変わっただけではなく、音像再現性には圧倒されます。特にレイラUMやカスタムIEMなど最高の性能のイヤフォンやヘッドフォンで聞いて欲しいですね。レイラの能力はこんなものではなかったと気が付き、さらにそれらも惚れ直すでしょう。
情報量豊かなAK380を聴くと24bit音源の良さがさらにはっきり出ているのではないかと思います、小さな信号の取り出しが高いのでそれが音楽により表情を加えているようです。ここも回路もあると思うが、さすが最新のチップだと思う。
AK380からAK240に変えて聴くと、音が全体に軽薄となり、深みが失われたように感じられます。あのAK240が、です。

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音の広がりもさらによくなり、また低域と高音域がさらに拡大してワイドレンジ感がひときわ高く感じられます。
LINN 24bitクリスマスのThe Man Who ...のボーカルパートではかなり違いが明確でAK240よりもAK380のほうが1〜2レベル上であることがだれでも明確に差がわかると思う。発声が明瞭で、立体感・陰影の高さがよく表現されています。低音もAK380は低く沈みこみます。AK380では高音域はより上に気持ちよく伸びて、ベースの低音は下に深く低く沈んで、かなりワイドレンジであることを感じます。
音の広がりもよく、もともと240は空間表現に長けていたけれども、AK380ではさらによくなった感じですね。空間の広がり方に余裕が感じられます。このおかげでAk240と比べるとスケール感が高くなりました。AK240はクラシックマニアのiriver社長の意向がより反映されたモデルということでしたが、AK380もその線を感じます。

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AK240よりも楽器の音がより整っているのはクロックの効果でしょうか。音に深みがあり、豊かで余裕があります。アマンディーヌ・ベイエのバロックバイオリンはAK240よりさらに高音が伸びてふくやかに古楽器らしい倍音の豊かさがはっきりと堪能できます。
生楽器の表現力はAK240よりもだいぶ良く感じます。リアルで着色感がなく歪みがなくて整っているので、脚色がなくてもきれいに美しく鳴るタイプです。ハイエンドの鳴りかたですね。ドライなところは少なく音楽的なわずかな温かみを感じるのもよい点です。
ヒリアードアンサンブルのシンプルなアカペラでは音の純粋さ透明さがよくわかります。この辺はAKMっぽさが少し出てるように思います。たとえばよく聞くとピアノなど楽器の音色はAK240より着色感が少ないのがわかります。これはシーラスロジックとAKMの差だと思います。AKMのほうが着色感が少ないですからね。。

こう書いてくるとクラシックとかジャズ向きかと思われるかもしれませんが、ロックやアグレッシブなポップでもキレが良く、その迫力に凄みまで感じます。AK380の音楽表現はイヤフォンにもよるけど、客観的に引いてるわけではなく適度なユーザーとの距離を持ってるので耳に近くスピード感があってキレがあります。AK240に比べてもAK380ではヴォーカリストが生々しく語りかけてくるよう。没入感がとても高く感じられます。
音に厚みがあってベースも太く、繊細さと力強さを両立しています。単体でもカスタムIEMをがっちりと駆動し、この上アンプをつけたらどうなるかと思いますね。

Ak380を聴くとロックのハイレゾなんて意味あるのか、と斜に構えることはなく、ロックでもクラシックでも音源の良さを余さず伝えてくれるようです。録音の質があらわにされることでしょう。そういう意味ではプロのモニターにも良いのだろうと思います。

* まとめ

私もこの言葉何回書くんだって突っ込まれると思いますが、やはりライブラリーの曲をもう一度ただひたすら聴きなおしました。
はじめは試聴用にLINNの良録音とか用意しておいたのですが、そういうのはどうでもよくなります。もうAK380の世界にはまるとAK380でいままで自分の好きだった曲を、ただみな聞き直したくなるんです。レイラとの組み合わせは聴いていて怖くなってくるほどです。
AK380はDAPにおけるAstell & Kernの横綱相撲という感じですね。

ひとつ強調したいのはAstell & Kernがユーザーの声をきちんと聞いて、それをさらに戦略としてうまくまとめあげていることです。
イコライザー機能ではジェリーさんとの協業の効果が単にイヤフォン販売だけではないことがわかるでしょう。また私は昨年Astell & Kernの人にあった時や声を聴いてもらえる機会に次機種では最新DACチップやフェムトクロックなど高精度クロックの採用、ネットワークのDLNA互換のオープン化をお願いしてたのですが、AK380を見てここにきちんと実現されていて驚きました。もちろんそう望んでいたのは私だけではないでしょう。
このポータブルとかヘッドフォンという世界はボトムアップでみなで作ってきた世界です。Astell & Kernはそれをよく心得ていると思います。さらにその優れた本体を核として、いずれAK500Nのようなネットワークプレーヤーや、プロシステムに発展するというきちんとしたビジョンに結実したところはさすがというしかありません。

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AK380(上)とAK240

AK380を聴いていると、これがポータブルの音というのは信じがたいところはありますね。AK240とレイラを組み合わせて聞くと、これ以上があるのかと思ってしまいますが、さらに上があると教えてくれています。音のコントロールもがっちりとして十分パワフルだし、これ外部アンプ必要あるのかとも思います。
もっとも「これがポータブルの音か」というのは自分自身ポータブルという世界を一段低く見ていたからではないかと考えてしまいました。いままで東京インターナショナルショウなんかに行って、やはりそこに並ぶハイエンドアンプとスピーカーを聴いてしまうと、手に持っていた自慢のカスタムIEMとDAPをこそっと隠したくなることがあったかもしれません。違いはスピーカーとヘッドフォンの違いではなく、大きさでもなく、音の豊かな表現力にあるのです。しかしレイラとAK380、もしかしてAK外部アンプを持っていく今年はどう感じるんでしょうか。自分でも楽しみです。
価格はまだわかりませんが、こうしたハイエンド製品があるからこそ、この世界の限界を広げられるのではないかと思います。当たり前ですがAK240がなければAK380はできなかったし、AK100がなければAK240もできなかったでしょう。そうして限界がここまで広がってきました。

ポータブルオーディオの可能性の先を見たいという人も多いのではないでしょうか。
AK380はAK240の成功があってこそのモデルであると思いますし、それはポータブルの地平を広げたいというAK240ユーザーの熱意があったからでしょう。
所詮ポータブルだから、と考えている人も多いのではないでしょうか。
いまオーディオの世界が退潮だとも言われています。しかしそれはちがうと思います。今は60年代や70年代ではありません。そもそも世界の再構築が必要なのではないでしょうか。DLNA互換のオープンネットワーク、超高精度クロック、最先端のDACチップ、もはやAK380に出来て普通のオーディオに出来ないことはなにもありません。
ポータブルだから、イヤフォンだから、といった垣根を排して新しい世代のオーディオの枠組みを作るということが必要とされていると思います。
その改革を引っ張っているのがAstell&Kernであり、その旗手がAK380だと思います。
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2015年05月11日

iriver ICP-AT500レビュー

ICP-AT500はiriverブランドのダイナミックタイプイヤフォンです。
製品情報は下記リンクをごらんください。
http://www.iriver.jp/products/product_110.php

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ICP-AT500 は、iriver と Final Audio Design のコラボレーションによるもので、軽量で丸みをおびたラウンドデザインのハウジングに 8 o径のダイナミックドライバーを採用しています。Final Audio Design がサ ウンドチューニングを施して、Final Audio Design 独自の”Balanced Air Movement(BAM)”テクノロジーを採用しています。これは共振の抑制とハウジング内の空気の流れを最適化し、深くスムーズな低音再生 と豊かな空間表現を実現するというものです。イヤフォンは内部のエアフローのチューニングが音のかなめになりますが、このBAMも優れた方式の一つですね。

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価格はオープンで、直販価格は7980円です。
ラウンドデザインのハウジングはスピーカーやマイクロホンのグ リルメッシュをイメージしているということです。カラーバリエーションは、パールブラック、アーバンシックシルバー、そしてピュアゴールドの 3 色があります。
販路別にカラーリングが決まっていて、パールブラックが一般販売、アーバンシックシルバーがフジヤさんと直販、ピュアゴールドがeイヤさんと直販になります。

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イヤピースは内側に若干固めの素材を、 外側にソフトな材料を使用することにより快適な装着感を実現しているということです。(S/M/L)の 3 サイズが付属されています。
ケーブルは独特の平たいもので、この独自開発のフラットケーブルタッチノイズを抑制し、ケーブルの絡まりも効果的に防止できます。

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使って見た感想ですが、11gと軽いイヤフォンで使用はなかなか快適だと思います。フラットケーブルはタッチノイズ低減と絡まり防止には効果的ですね。
音質的には価格にしてはかなりレベルが高いと思います。特に低価格帯のこもりがちな音ではなく、クリアで抜けが良くからっと晴れてシャープな音をこの価格帯で聴きたいという人には向いていると思います。またベースのタイトさが気持ち良く、歯切れよくリズムが刻める点も良い点です。
音調は明るく軽め、帯域バランスは良好ですが、少し中高域よりかもしれません。ベースが膨らむようなタイプではないですね。高域はきれいに楽器を鳴らし、上に伸びるほうです。曲によってはきつめなところもあるかもしれません。ダイナミックでもあるしエージングはきっちりやっておいたほうがよいでしょう。
遮音性が確保できれは低域では普通にベースの量感は確保されています。コンプライを試してみるのもよいかもしれません。

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この価格帯クラスはスマートフォン向けでステップアップのイヤフォンとしてよいと思います。スマートフォンと組み合わせる利点としては、音質をアプリでいろいろと変えられるところもあります。
今回はiPhone6で聴いてみました。LINNレコーズの音源を使用しましたが、こういう良録音ではDCT なんかがお勧めです。Radsone DCTの記事はこちらです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/413289898.html
少し強調したいときはDCT Dynamic、ちょっとハイがきついけどシャープな感は残したいならDCT Warmなどのモードを選んで音を変えることができます。
ポップなどではAudiophileを使用してMAXX AudioのDSPを活用するともっと大きく音質を変えることができます。

まとめるとICP-AT500は低価格で音が良い点が特徴で、1万円以下でクリアで歯切れ良い音のイヤフォンを探している人にはお勧めだと思います。
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2015年04月24日

Astell & KernからAK Jr誕生!

Astell & Kernから新しいファミリーの登場です。その名はAK Jr(エーケー ジュニア)です。
まずデザインが8.9mmとスリムなスタイリッシュさが特徴です。重さは100gを割る98gと、第一世代より軽量です。ポケットにするっと入りそうですね。

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DACはWM8740で第一世代と同じです。容量は内蔵64GBとMicro SDスロットで64GB増設の最大128GBです。ただしMicro SDは聞くところによると128GBでも大丈夫かも?
USB接続も第一世代と同じくUSBマスストレージです。

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PCMは最大192kHzで、DSD再生は2.8Mが可能ですが88/24に変換となります。
出力はイヤフォンのミニ端子がひとつで、光出力と2.5mmバランスはありません。またソフトの機能は第一世代に近いようでWiFi関連機能等はないようです。

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Jrの名の通りコンパクトでカジュアルな弟分という感じでしょうか。AKシリーズのラインナップがまた広がったという感じですね。
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2015年03月06日

GloveAudio A1販売再開

GloveAudioの合体アンプThe Glove A1ですが、使用していたパーツの不具合があり製品回収と販売を停止していましたが、本日より販売を再開するということです。私のも帰ってきました。やはり2.5mmバランスが使える選択肢が増えるのは良いものです。

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A1とAKR03

販売情報などリリース内容については下記のアユートさんのページをご覧ください。
http://www.aiuto-jp.co.jp/information/entry_244.php
なお前は限定数と案内がありましたが、今回から通常扱い品となり限定販売ではなくなったようです。
不具合はありましたがそれがなくなれば、2.5mmバランスを生かしたい人へのおすすめ機材ですので良いニュースではないかと思います。
posted by ささき at 11:22 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月30日

T5pをAKシリーズ用にカスタマイズしたAKT5p

本日アユートさんからAstell&Kernブランドで、ベイヤーのT5pをAKシリーズ用にカスタマイズしたAKT5pが発売されます。
http://www.iriver.jp/products/product_106.php

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AKT5pを外で実際に使ってみましたが、フラッグシップのハイエンドヘッドフォンを外でポータブルで使うことの贅沢さを味わえます。外で使うヘッドフォンというとたいていは低域ボンボン全体ぶわぶわのヘッドフォンの選択になってしまいますが、このくらいの高性能ヘッドフォンだとそれらとは別次元の音楽体験が外で可能になるという満足感が味わえます。

ベースになったベイヤーのT5pはベイヤーのフラッグシップであるT1の兄弟機で、密閉型の低インピーダンスモデルです。事実上のフラッグシップ兄弟ですね。T1,T5pは初めてベイヤーのテスラテクノロジーを採用したモデルで、1テスラを超える高い磁束密度を誇っています。
AKT5pはT5pを2.5mmのA&Kタイプのバランスプラグに付け替えたものです。A&K第二世代プレーヤーの方ではアップデートをすることでAKT5p向けの専用イコライザー設定を使うことができます。

* 開封の儀

外箱はシュリンクラップされ、Astell&Kernの赤いロゴが映えています。

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中箱を開けるとT5pが鎮座しています。

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アクセサリー箱にはケーブルと2.5mmバランス端子を普通の3.5mm端子に変換する短いケーブルのアダプタがついています。なにげにこの変換ケーブルが便利に使うことができますね。DAPだけなら2.5mmケーブル専用で良いですが、なにしろ2.5mmバランスで聞いていて、急にiPhoneで視聴したい動画を見つけた時なんかに苦労したりします。
また長い標準プラグへの変換ケーブルもあるので、AKT5pを家で使うときにはこちらの長いケーブルを使うことができると思います。

AKT5pは1.2mのケーブルにAK第二世代で使える2.5mmバランス端子がついています。まさに最高のポータブルプレーヤーのための最高のポータブルヘッドフォンですね。

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AKT5pのデザインはかっこよく、ヘッドバンドとパッドはシープスキンが使用されていますので高級感があります。またAKT5pはハンドメイドのMade in Germanyです。

* 音と使用

外に持ち出して聴いてみました。AK240に2.5mmバランスで接続して基本的にAKT5pイコライザーを適用しています。AKT5pはダイナミックのヘッドフォンなのでたっぷりエージングしてから聴いています。

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見た目よりは軽量で、装着もシープスキンパッドなどで良好です。ケーブルは1.2mとポータブルで使いやすい長さなので取り回しは良好です。外では低音域が逃げやすいものですが、十分な遮音性はあると思います。側圧も強すぎないので装着感も快適です。ただしぴったりと密着させるようにヘッドバンドを調整した方が良いですね。
折りたたんでコンパクトにするということはできませんが、思ったほどかさばるというわけではないですね。肩がけショルダーならなんとか入るかというくらいです。

まずとても上質な音で、帯域バランスが良いのが分かります。
音の印象は密閉型のこもった重い音というのではなく、明るく軽やかで広い音空間が感じられます。これはテスラドライバーの特徴だと思います。テスラドライバーは1テスラの高い磁力で能率を改善する、つまり鳴らしやすくするというのがポイントです。T1のテスト例では約+7dBも効果があったということです。
そのため本来は高性能で鳴らしにくいはずのヘッドフォンを軽やかに駆動できて、その性能を十分に発揮させることが可能です。ハイゲインがないAK240でも問題なく音量が取れます。

次に感じるのは音が整っていて帯域バランスが良くフラットだということ、偏ったベースヘビーなどの強調がないですね。全帯域で聴きやすく、ニュートラル・フラットで自然です。かつほしい低域のパワー感や高域のきらめきは十分に得られます。
音の立体感も高く、楽器の位置関係はよくわかります。たしかT1/T5pも丸いイヤカップに合わせてドライバーを傾けていたと思います。

AKT5p専用のイコライザー設定を適用すると、高音域のピーク感を落として子音のきつさを抑えてくれます。他の帯域も聴きやすく上質に安定した感がありますね。多少明るさは抑えられるのでここは好みの要素もあると思いますので、使用して確認してみても良いと思います。

Edition8だと元気すぎるとか味付けが強すぎると感じていて、高音質を欲する人にも良いと思います。AkT5pはEdition8に比べると落ち着いた高音質という感じで、電車の中でもクラシックをじっくりと楽しみたいという人にも向いていると思います。

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高性能のヘッドフォンはなかなか選択肢がないので、いままで外でポータブルを使うときは高い音質を得るにはカスタムレベルのIEMを使うのが一般的でしたが、AKT5pはイヤフォンではなかなか実現しにくい広く迫力ある音空間を提供してくれます。ベースラインではたっぷりと空気が動いている感がありますね。これだけ整った素直な帯域特性もマルチBAだとなかなか得にくいと思います。

一方でヘッドフォンだから大味かというとそうではなく、細かさはBAにも負けじって思うくらいかなり細かな表現もしてくれます。ヴォーカルがかすかにささやくようなニュアンスはぞっとするくらい繊細で生々しく聞こえます。これは外で聞いた感想ですからなかなかたいしたものです。Ak240の高い性能もフルに発揮できますね。この辺はフラッグシップの面目躍如です。
高性能のポータブルとしてはESW9とかESW10のレベルはずっと上に越えて、Edition8とならぶポータブル体験ができます。外で最高のヘッドフォンリスニングをしたいという人にお勧めです。
posted by ささき at 22:57 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月26日

AK100/120の一体型アンプ、GloveAudio A1日本版の発売

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GloveAudio A1 (AK100MK2)

私もSR71の昔から長いことポータブルヘッドフォンアンプを使っていますが、ケーブルでアンプとiPodをつなぐのが当たり前だと思っていました。実のところケーブルが無くてプレーヤーと直結できるようなポータブルアンプがほしかったのですが、それはなかなか実現しませんでした。

*一体型ポータブルアンプの夢

数年前にフォステクスのHP-P1のプロトタイプの画像を見せてもらったときに、iPodと一体になるメカに感動しましたが、残念ながら諸都合で実現しませんでした。

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FOSTEXプロトタイプ

今年の春にJabenのWilsonが絶対に明かせない新製品があるということでちょっと興味しんしんでしたが、蓋を開けてみるとこのGloveAudio A1でした。やっと満足のいくプレーヤーと一体型のポータブルアンプの登場です。とはいえ、まったくの新興会社ではメカが面白くとも、肝心の音質に懸念があります。ちょっと戦々恐々としていたところ、ヘッドフォン祭の当日にCEntranceのマイケルCEOと15Fのエレベーターでばったりあって、なにしてるの?と言って名刺を渡されてびっくり。なんとGloveAudioはCEntranceのマイケルが作った別会社でした。

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これでさきの懸念も一気に解決しました。あのDACportとHiFi M8のCEntranceです。音質はいわずもがな折り紙付き、です。

そしていま、そのGloveAudioがAKシリーズの本家とも言うべきアユートさんから日本版として店頭で発売がなされるところまでこぎつけました。サイトでの直販も行っています(リリース参照)。以下日本版についてレビューしていきます。
なおJaben Japanではオンラインで輸入版を販売しています(内容が少し違います)。

*GloveAudio A1とは

GloveAudioはCEntranceの別会社です。A1はGloveAudioが開発したAstell&Kern AK100(MkII)とAK120で使用できる一体型ポータブルアンプです。

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AK100MK2とA1

AK100/120とは光ケーブルで接続してデジタル出力をA1に入れ、A1の内蔵DACでアナログに変換し内蔵アンプで増幅します。そのため入力は光デジタル専用です。一体型なので事実上のケーブルレスを実現しています。
出力は3.5mmの普通のステレオミニ端子のほかに、AK第二世代機で採用された2.5mmバランス端子と、海外を中心によくつかわれるKobiconnバランス端子を装備しています。Kobiconnはmini XLRや4ピン角型とも呼ばれます(私がRSAタイプと言っていたものと同じ)。

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ボリュームは合体するとAK側のコントロールは効かなくなり、A1のボリュームで変更します。ボリュームはデジタルボリュームで、AKプレーヤーとA1との合体時にはAK側のボリュームは効かないので、A1側でコントロールします。ステップ数は細かく256で0.5dB単位ということです。他には本体に電源のみがついています。
削りだしアルミのソリッドなA1外殻はRFシールドになると共にAK100/120を守る「アーマー」としての働きもあります。

GloveAudioを設計した理由はマイケルに聞くと、AK100/120は成功したプレーヤーだが、オーディオ回路自体には改良する余地があると考え、彼らのDAC/アンプの設計知見を生かし、さらにケースとして保護効果のあるものをデザインし、既存のAK100ユーザーに第二世代機よりも安くバランス出力の機能を提供しようと考えたということです。

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アダプター

AK100とAK120はスペーサーのアダプタ(クランパー)で調整できます。クランパーはビス止めです。(へクスレンチは同梱されています)
いったん取り付けると絶対はずれません。まさに一体型です。さきに書いたように私も長いことプレーヤー+ポータブルアンプという組み合わせを使っていますが、Glove A1は新感覚です。フルアーマーという異名もすでに頂戴していますがメカっぽさもよいですね。

*特徴

GloveAudio A1はAK100/120専用でその音質を高める、という明確な目的がある点がまず特徴的です。

- バランス駆動

A1の出力はバランス駆動がポイントであり、それを生かすために回路はDACからアンプまでフルバランスで設計されています。
A1ではまた電源にもこだわった設計が施されているようです。電源にこだわっているというのはバランス駆動をポイントにしている本機としては重要なことです。ずいぶん前にバランス駆動というものを日本に紹介するときにバランス駆動については書きました。(下記リンクです)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/22525911.html
バランス駆動の利点はBTL接続として駆動力を上げられることですが、同時にBTLのデメリットである負荷インピーダンスが下がるという点も引き継いでいます。つまりポータブルの場合はただでさえ低いインピーダンスのイヤフォンをターゲットとしていてバッテリーも十分ではないのに、さらにインピーダンスが下がると十分な電流が供給できず逆に駆動力不足に陥ってしまいます。そこをカバーするために電源には気を配る必要があります。
また電源を強力にしたことで低電圧版ではなく通常版のES9018が使用可能になったのだと思います。

ちなみになぜ「バランス駆動」という言葉を使ったかというと、当時唯一参考にできたHeadroomの技術解説ページでこの方式を"Balanced headphone drive"と呼んでいたので、それを日本語にして「ヘッドフォンのバランス駆動」と書いてHeadFi文化の代表として日本に紹介したわけです。当時は国産はおろか、アメリカ製でもまだまだ少ない時代でした。

バランス駆動のイヤフォン端子はAK第二世代機で採用されている2.5mmと、RSAやALO、CEntrance、パイオニアXPA700で採用されているKobiconnが使うことができます。アメリカ製アンプのポータブルバランス端子はRSAが先行したこともあり、Kobiconnが多く採用されています。前にも書いたようにポータブルでのバランス規格はばらばらで、最近は4.4mmTRRRS規格でポータブルバランス規格を統一しようとする動きもあるようですが、現状では二つのプラグが採用されているのは便利であると言えます。
この記事では2.5mm Estron Linumと、Beat SuperNova Kobiconnで試しています。

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2.5mmバランス(左)、kobiconnバランス(右)

- シンプルな設計

もうひとつA1の技術的な特徴をあげると、マイケルと話をしていて分かってきたことはシンプルさです。
GloveAudioのような一体型モデルはプレーヤーのサイズと形に制約されるので専用にならざるを得ません。しかしA1ではこの専用と言うことをうまく使って回路をシンプルにするということで音質向上を図っています。
CEntranceのHiFi M8と比べるとまずUSBがないので回路をシンプルにできます。これにより信号経路もよりクリーンで音質もあげられます。また、余分なプラグも接続に使うケーブルもありません。入力をなんでも使えるという柔軟性を捨ててAK100の光入力に特化したことでより性能をあげることができたというわけです。周辺回路が単純ですむESS Saber32アーキテクチャーのES9018採用もその一環のようで、デジタルレシーバーも内蔵しているので、信号経路も単純になります。
また設計がシンプルなのでより早い時間で設計して市場に出せるようになったとマイケルは言います。

*到着と使用感

今回のアユートさんの日本版では、日本語マニュアルと日本語保証書がついてくるところが良いと思います。店頭販売と合わせて多くのユーザーは安心して買えることでしょう。

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本体自体はかなりコンパクトに感じます。アルミ削りだしの本体はかなりがっしりとしたものです。また試作機とはちがって、プレーヤーに当たる部分はフェルトのようなクッションが貼ってあります。そのためさのままAKプレーヤーをケースなしで置くことができます。
まずAK100MK2を使用してみました。組み立てに使うヘクスレンチはパッケージに入っています。

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実際に使ってみるとまずカッコ良いですね。普通のポータブルアンプみたいにケーブルで接続するのに比べて一体感が高く、コンパクトなこともあってハイレゾプレーヤーのように扱えます。電源は連動していませんが、充電が同時に行える二股のUSBケーブルが入ってきます。

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AK120とA1

次にAK120を使ってみましたが、私のはRWAK120なので底面のRed Wineラベルでややあたってしまいますが、固定することはできます。

マイケルによればバッテリーは使い方にもよるが、11-12時間は持つということ。AK100の方が先に切れるということ。

*音質

はじめに書きますと音質はオリジナルの旧AK100/120とはまったく別物です。音質が向上したというレベルではありません。
まず普通の3.5mmで聴きましたが、音質は驚くほど高く夏のヘッドフォン祭の試作機より完成度が上がっています。試作機ではシャープなだけでしたが、製品版では豊かなオーディオらしい音が聴けます。本体は小さいけど音はビッグという感じで、小さいわりにスケール感があって3.5mmの時点で音の広がりが半端なくあります。

音はESSらしくすごく細かいのですが、ESS的な冷たさはなくむしろほのかな暖かみが感じられます。音像がシャープで、スピーカーでいう定位が定まった感じがあります。ウッドベースのピチカートは素早くキレが良く、低音域は強調されすぎずに適度な量感があります。
またまるで据え置きのホームアンプなみに感じられる音の余裕があり、厚みがあって豊かなオーディオらしい音です。全体の印象はHiFi M8なみというか、音の印象はM8に似ています。ただし細かいところで違いを感じます。
光入力だけにしてM8のUSBを配したことで全体がシンプルになり、M8に比べてケーブルレスになったという利点を感じます。
回路はシンプルで音の鮮度感は高く、鮮明でスピード感があります。音は速くキレが良いのでアグレッシブな曲ではかなり速いスピード感が楽しめます。
全体的な音質レベルはDAC内蔵ポータブルアンプの中でもトップクラスにあると思います。

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A1とAKR03

特に注目してほしいのはバランス駆動での音質の高さです。3.5mmシングルエンドと2.5mmバランス駆動の音の差が第二世代AKよりも大きく、2.5mmバランスでのパワフルで濃密な音再現はA1の大きな魅力です。バランス駆動らしい音再現ですね。
同じLinum BaXで2.5mmバランスと3.5mmシングルエンドで比べてみると、2.5mmバランスにするとかなり骨太でパワフルになり、音の輪郭がよりはっきりとして明瞭感も上がります。イヤフォンの性能が上がった感じですね。音のキレがよくなり、背景のアーティストの唸り声のような小さい音がより分かりやすくなります。また音量レベルも上がります。
立体感・広がりとともにパワー感が大きく増すのが特徴です。バランスではクラシックのオーケストラのスケール感がひときわ高く感じられます。音場が広いだけではなく、力感があるので迫力を感じますね。
全体にはやはり力感・重厚感が増します。これは音量レベルを合わせてもそうだと思います。3.5mmと2.5mmの別物感があり、この差が大きいのが第二世代AKシリーズとの違いでしょう。
同じLinum Baxで2.5mmバランスから3.5mmシングルエンドに戻すと、音の豊かさが取れて少し淡白に感じられます。音量レベルも下がりますが、音量レベルを合わせても音の引き締まり方が緩めになり、結果としてインパクト感も後退します。
A1はユーザーの持つ良いバランスケーブルの良さを引き出します。そういう意味では2.5mmケーブル資産をもっているAK第二世代ユーザーにもお勧めしたいアンプです。

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kobiconnバランス(Beat SuperNova)

Kobiconnバランスが使えるのもGloveAudioの良い点です。Kobiconnは角型4ピンやMiniXLRとも呼ばれます。もともとはRSAのProtectorで採用されたもので、アメリカ製のRSA,ALO,CEntranceなどで採用されています。Protectorのリンクはこちらです。2010年にすでにポータブルでのプラグのばらつきが懸念されていたわけですが。。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/143564141.html

同じバランスプラグでは2.5mmの方が取り外しは便利ではありますが、kobiconnの方がよりがっちり固定できます。
同じケーブルが用意できないので2.5mmとkobiconnの差は分かりませんが、いずれにせよkobiconnでもかなり良い音です。Beat SuperNova の良さが際立ちます。

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AK100とAK120の音質の差は大きくないか変わらないので、小さいAK100のほうが便利に使えるように思います。
なお、一部にTOSで192kは旧AK120/100でダウンサンプルされて96kで送られるとありますが、これは正しくなくて、きちんとAK-A1間は192kで送られているはずです。(実際にFLOWでサンプルレート表示させても192kで来てます)

*まとめ

一体型のGloveAudio A1はケーブルのないポータブルアンプという新たな世界を見せてくれ、合体メカというガジェット的な魅力もあります。
音質もCEntrance品質の高い技術力をベースに、さらに専用機という点を活かしたシンプル化でポータブルアンプとしてはトップレベルの高い音質を実現しています。
アルミ切削シャーシやフェルト張りの背面などを見ても完成度の高さを感じます。

従来のAK100/AK120をもっている人がパワーアップのためにA1を買うのはもちろんお勧めですが、ケーブルなど2.5mm資産をもつ第二世代AKユーザーも眠っている旧AK100を生かしてA1を買う価値があるのではないかと思います。

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2014年11月21日

GloveAudio A1がアユートから国内発売

今年の春のヘッドフォン祭のときにJabenコーナーで展示された第一世代AK100/AK120をすっぽり包むフルアーマーAKことGloveAudio A1がAstell&Kernシリーズの本家であるアユートさんで国内販売することが決定され店頭販売がなされます。
(Jaben Japanはオンラインで販売)

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AK120との接続例

GloveAudioはDACportやHiFi M8など高性能ポータブルオーディオでも知られるCEntranceの別会社です。CEntranceはWindowsのドライバーでも知っている人が多いと思いますが、もともとファームなどのODM技術提供をしているメーカーですから、技術力は定評があります。
A1は第1世代AKシリーズに搭載されている光出力機能を活用し、組み合わせることに3.5oシングルエンドでの再生はもちろん、4ピンマイクロ端子、及び第2世代AKシリーズに搭載されている2.5o4極端子のバランス接続に対応するというDAC内蔵のポータブルアンプです。

4ピンマイクロ端子というのはRSAやパイオニアXPA700で採用されているKobiconnのことです。
特徴をリリースから転載します。

■主な特長
●第1世代AKシリーズ専用設計により「グローブ」のように包み込む美しいデザインを実現。
ブラケットの取り換えにより、AK100/AK120両方の製品を使用することができます。
●高性能DACチップESS社製「ES9018」を採用。
●動作特性が良いAB級アンプにより、高出力、低クロストーク、低歪を実現。
●第1世代AKシリーズでバランス出力が可能になる、4pin角型端子と2.5mm4極端子搭載。

スペックもリリースから転載すると、下記の通りです。
ちょっと注目していただきたいのはDACが低電圧版の2Mではない通常版であること(確認済み)、バランス駆動での性能が高いこと、日本語の解説書がついてくることです。

カラー ブラック
本体素材 アルミニウム
DAC ESS ES9018
対応製品 AK100,AK100MKII,AK120,AK120TITAN
入力 3.5mm光入力
対応サンプリグレート 44.1KHz,48KHz,88.2KHz,96KHz,176.2kHz,192kHz
対応量子化ビット数 16bit, 24bit
出力 3.5mmアンバランス, 4pin角型&2.5mm4極バランス
クロストーク アンバランス-121dB/ バランス-140dB@ 1kHz
出力 アンバランス:3.5mm/バランス : 4ピンマイクロ , 2.5mm
出力インピーダンス アンバランス:0.5Ω/バランス: 0.5Ω
出力電力 アンバランス:180mW, バランス:440mW
最大出力 アンバランス:+7.67dBV; バランス:+13.68dBV
周波数特性 20Hz 〜 20kHz
S/N比 114dB
サイズ/重量(約) 116mm(L) x 68mm (W) x 32mm(H) / 196 g

付属品 本体・microUSBケーブルx1 六角レンチ x 1 固定用ブラケットx2(AK100とAK120用)
固定用ビスx2 取扱説明書(保証書) x1

販売についてもリリースから転載すると、下記の通りです。
2014年11月28日(金)より直販サイト「アキハバラe市場(http://www.akiba-eshop.jp/ )」、「アキハバラe市場楽天市場支店(http://www.rakuten.co.jp/akiba-eshop/)」、「e☆イヤホン」、「NTT-X Store」、「オリオスペック」「フジヤエービック」(※50音順)にて順次発売を開始するということです。直販価格は64,800円(税込)です。
予約は本日から開始で、フジヤエービック、e☆イヤホン(秋葉原・大阪日本橋)では本日から試聴機が用意されているはずです。

* 試用インプレ

少し前から実機を実際に使用する機会を得ていますが、時間がなかったので記事は後で書きますが、簡単にコメントをしておきます。

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実際に使ってみると普通のポータブルアンプみたいにケーブルで接続するのに比べて一体感が高く、コンパクトなこともあってハイレゾプレーヤーのように扱えます。電源は連動していませんが、同時に充電できる二股のmicroUSBケーブルが入ってます。また試作機に比べるとAK100が当たる面にベルベットが貼ってあり細やかな改良が感じられます。
A1のポイントとしては合体メカということに加えて、ケーブルがないという点も音質ではポイントになると思います。

音質は驚くほど高く、夏のヘッドフォン祭の試作機より完成度が上がっています。試作機ではシャープなだけでしたが、製品版では豊かなオーディオらしい音が聴けます。音質のレベルも高く、小さいわりにスケール感があってまるで据え置きのホームアンプなみにも感じられる余裕があり、全体の印象はHiFi M8なみというか、M8に似ていると感じました。

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GloveAudioとAKR03のバランス接続

特に注目してほしいのはバランス駆動での音質の高さです。回路はフルバランスであり、通常版の9018の採用もそれゆえなのかもしれません。
3.5mmシングルエンドと2.5mmバランス駆動の音の差が第二世代AKよりも大きく、2.5mmバランスでのパワフルで濃密な音再現はA1の大きな魅力です。バランス駆動らしい力強く鳴らす音再現です。
このため、従来のAK100/AK120をもっている人がパワーアップのためにA1を買うのはもちろんお勧めですが、バランスケーブルなど2.5mm資産をもつ第二世代AKユーザーも眠ってる第一世代AKを活用してA1を買う価値があるのではないかと思います。

また日本語マニュアルと日本語保証書がついてくるところは店頭での販売と合わせて多くのユーザーは安心できる点だと思います。

posted by ささき at 17:04 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする