Red Wine Audioのバッテリー駆動のパワーアンプ、Signature30の新型が登場しました。Signature 30.2です。
下記にVinnieさんからの紹介記事があります。
Red Wine Audioのフォーラム
主により音楽的なテイストを向上させた改良がメインですが、そのほかにSMARTというRWAオリジナルのバッテリー管理を特徴としています。SMARTはいまの手動のOn/Offスイッチの代わりに自動的に残量をモニターする回路で自動的にチャージをするというもののようです。
わたしのような既存のユーザーには二通りのアップグレードパスが用意されています。
ひとつはパーツだけ換えて音質的に同等にする部分アップグレードと、シャーシ/基盤も換えてしまう完全アップグレードです。完全アップグレードではSMARTモジュールも付きます。
こうした二点アップグレードを用意するというところがVinnieさんらしい親切なところですね。
Music TO GO!
2007年09月04日
2007年02月11日
Red Wine Audio - Signature 30
いろいろと書くものが多くて手が回りませんでしたが、やっとSignature30のコメントです。
箱はかなりきちんとパックされて届きます。大きさはかなり小さくてJeffのModel102のようにコンパクトサイズといって良いと思いますが、持ち上げてみるとかなり重く感じます。中身がみっちり詰まっているという感じですが、実際はバッテリーの重さなのでしょう。
前面にはDACTのステップアッテネーターのみついています。入力は一系統だけでセレクタはありません。表面仕上げも大変にきれいで市販のメーカー製オーディオと比べても遜色ありません。ロゴのデザインはVinnieさんの友人のプロのデザイナーによるものということでなかなか美しく仕上がっています。
背面には改めて驚くことに電源インレットがありません。ACアダプタへのプラグのみあります。
RCA端子は上のペアが入力で、下のペアはアッテネーターのみ通した(音量可変できる)ループアウトです。これはサブウーファー出力などに使うとのことです。
左右のスピーカーポストはそれなりのトルクはありますが、ここはやや品質がいまひとつです。バナナで使うにはあまり問題は無いと思いますが、Yラグで太いケーブルを使うにはWBTなみのきっちりした締め付けトルクがほしいところです。
電源スイッチはやや固めですが確実な動作です。これを上にあげるとオンになります。下にさげるとオフになり、そのときにプラグにACアダプタが差されていれば充電を開始します。Signature30はフル充電で24時間持つということですが、基本的にはプラグを差したままにしておいて使用が終わったら充電させるという運用でよいそうです。
ACアダプタはわたしはお勧めのユニバーサル仕様をオプションとしてつけてもらいました。これはコンセントに差す側のケーブル(メガネ)はついていませんでした。ここは国で違うので自分で用意するようです。わたしはカメラの電池の充電ケーブルですませました。
Signature30の特徴はなんといってもバッテリー駆動のアンプであるということです。
そのせいかSignature30で感じるのはいままでのアンプとはやや違う音の性格です。端的に言ってとてもよい音ですが、それを他人に分かるように説明するというのがややむずかしいとも思います。
システムはいつものようにIKEMIまたはDLIII、そしてスピーカーはDynaudioのSpecial25です。
まず音がとても整っていて楽器や声の分離がかなりはっきりしています。ノイズはたしかに皆無に近くノイズレスの漆黒の背景から音像はくっきりと浮かび上がり、そのため音の重なりがリアルで立体的です。
音と音はかなりはっきりと分かれていますが、そのエッジはきつくありません。全体的な印象は真空管アンプのような美音はありませんが、適度に温調で分析的な冷たさはあまりありません。
余韻や響きは余分なものはなく正確にあるものだけがあるという感じです。おどろくのはコーラスがユニゾンからふっと途絶えたあとの空間(ホール)に消え行く声の余韻の消えるさまが、砂に染み込む水のようにあいまいにならずに自然に溶けていきます。これもノイズレスというSNの高さとあいまってのものだと思います。
また全体的に帯域バランスが優れていてダイナミックさもかなりありますが、あまり前に出るほうではありません。
全体にハイエンドというわけではないですが、ミドルクラスとしてはかなり良い方という感じです。印象としては素晴らしいものがありますが、この辺はある程度予想された感想ではあります。
一方でもうひとつこのアンプではじめて感じた不思議な感覚は演奏の完全さ、です。ちょっと分かりにくい表現ですが、たとえばいままで録音のせいかと思っていたあらが、あれっという感じですんなりと鳴ってしまうという感覚です。S6のような真空管アンプと比べると顕著です。
ダイナミックレンジが大きいクラシックや、低域でかなり入力レベルの高いビートやインパクトを刻むロックでも破綻せずに音をわりと正しく再現できます。
たとえば車で曲がりくねった道を高速で飛ばすときに、カーブやアップダウンで車が横滑りしたり速度が一定に保てなかったりします。それがまるで道に車がぴったりと張り付いたようにすいすいと走る気持ちよさ、とでもいいましょうか。。
駆動力と言ってもいいんですが、それよりも演奏力と言いたくなります。複雑な曲をなんなくこなしてしまい破綻や息切れはありません。これがちょっと不思議な感覚です。
はじめの音のはっきりした分離感はデジタルアンプの特性からくるように思えます。実際にインターナショナル・オーディオショウで聴いた中で音が一番近いのはジェフのModel302でした(同じ音という意味ではありません)。Model302はICEというデジタルアンプ技術を使っています。これにSig30の場合はノイズレスというバッテリーの利点が相乗効果を得ていると思います。
Sig30の場合はかなり明瞭な音ですが、不思議に尖ってないでとても聴きやすく感じます。ここは例のPaper-in-oil-capsが効いているということです。
むこうでは"Underground SET Club"なんていう言葉で評したりしていますが、「秘密の三極管シングル同盟」みたいな感じでしょうか。真空管とは異なった柔らかさ・滑らかさがなにかあると思います。
次の"演奏力"のほうはよく分かりませんが、思ったのはバッテリーの効果としておそらくノイズが乗らないというだけでなくSLA(鉛蓄電池)の瞬時電流供給能力がかなり高いのではないかと思います。
うちでは週末の昼であってもアンプがクリップするくらいまででかい音を出せませんが、それでも普通にはどんなシーンでも破綻するということがほとんどありません。
とくに電流が必要になる低域の再現がおそろしくいいのでそう思います。うちのスピーカーは4オームなので特に差を感じるかも知れません。
Vinnieさんも記述してますが鉛蓄電池は車のスターターを起動するくらい瞬間的に大電流を流せるということなのでそうした利点もありそうです。
他方で欠点としては音場がそれほど広くないのでプリをつけたくはなります。そこでGS-Xをプリとして初めて使ってみました。たしかに音場は広がり厚みはやや増します。これは普通にプリを入れた効果といえますが、代わりに鮮度感が後退してしまいます。誇張して言うとちょっとだるくなる感じです。
個人的にはやはりプリがないほうが好みです。
ちなみにいまはSig70というモノラルタイプもあります。これはデジタルチップのブリッジ出力モードを使用して70W/chを出しています。
ちょっとバッテリー駆動オーディオに興味を持ったので、今度はVinnieさんのOlive Musicaの改造ものにひかれています。Oliveは海外でちょっと知られているHDトランスポートの専用機です。
こちらもレビューを見るとなかなか良さそうで、Digital LinkIIIと組み合わせてハードディスクトランスポートとして考えています。
HDトランスポートは今年取り組みたいテーマのひとつです。そのうち真空管アンプと無線LANという半世紀はなれた技術が同居する怪しいシステムを妄想しています(笑)
箱はかなりきちんとパックされて届きます。大きさはかなり小さくてJeffのModel102のようにコンパクトサイズといって良いと思いますが、持ち上げてみるとかなり重く感じます。中身がみっちり詰まっているという感じですが、実際はバッテリーの重さなのでしょう。
前面にはDACTのステップアッテネーターのみついています。入力は一系統だけでセレクタはありません。表面仕上げも大変にきれいで市販のメーカー製オーディオと比べても遜色ありません。ロゴのデザインはVinnieさんの友人のプロのデザイナーによるものということでなかなか美しく仕上がっています。
背面には改めて驚くことに電源インレットがありません。ACアダプタへのプラグのみあります。
RCA端子は上のペアが入力で、下のペアはアッテネーターのみ通した(音量可変できる)ループアウトです。これはサブウーファー出力などに使うとのことです。
左右のスピーカーポストはそれなりのトルクはありますが、ここはやや品質がいまひとつです。バナナで使うにはあまり問題は無いと思いますが、Yラグで太いケーブルを使うにはWBTなみのきっちりした締め付けトルクがほしいところです。
電源スイッチはやや固めですが確実な動作です。これを上にあげるとオンになります。下にさげるとオフになり、そのときにプラグにACアダプタが差されていれば充電を開始します。Signature30はフル充電で24時間持つということですが、基本的にはプラグを差したままにしておいて使用が終わったら充電させるという運用でよいそうです。
ACアダプタはわたしはお勧めのユニバーサル仕様をオプションとしてつけてもらいました。これはコンセントに差す側のケーブル(メガネ)はついていませんでした。ここは国で違うので自分で用意するようです。わたしはカメラの電池の充電ケーブルですませました。
Signature30の特徴はなんといってもバッテリー駆動のアンプであるということです。
そのせいかSignature30で感じるのはいままでのアンプとはやや違う音の性格です。端的に言ってとてもよい音ですが、それを他人に分かるように説明するというのがややむずかしいとも思います。
システムはいつものようにIKEMIまたはDLIII、そしてスピーカーはDynaudioのSpecial25です。
まず音がとても整っていて楽器や声の分離がかなりはっきりしています。ノイズはたしかに皆無に近くノイズレスの漆黒の背景から音像はくっきりと浮かび上がり、そのため音の重なりがリアルで立体的です。
音と音はかなりはっきりと分かれていますが、そのエッジはきつくありません。全体的な印象は真空管アンプのような美音はありませんが、適度に温調で分析的な冷たさはあまりありません。
余韻や響きは余分なものはなく正確にあるものだけがあるという感じです。おどろくのはコーラスがユニゾンからふっと途絶えたあとの空間(ホール)に消え行く声の余韻の消えるさまが、砂に染み込む水のようにあいまいにならずに自然に溶けていきます。これもノイズレスというSNの高さとあいまってのものだと思います。
また全体的に帯域バランスが優れていてダイナミックさもかなりありますが、あまり前に出るほうではありません。
全体にハイエンドというわけではないですが、ミドルクラスとしてはかなり良い方という感じです。印象としては素晴らしいものがありますが、この辺はある程度予想された感想ではあります。
一方でもうひとつこのアンプではじめて感じた不思議な感覚は演奏の完全さ、です。ちょっと分かりにくい表現ですが、たとえばいままで録音のせいかと思っていたあらが、あれっという感じですんなりと鳴ってしまうという感覚です。S6のような真空管アンプと比べると顕著です。
ダイナミックレンジが大きいクラシックや、低域でかなり入力レベルの高いビートやインパクトを刻むロックでも破綻せずに音をわりと正しく再現できます。
たとえば車で曲がりくねった道を高速で飛ばすときに、カーブやアップダウンで車が横滑りしたり速度が一定に保てなかったりします。それがまるで道に車がぴったりと張り付いたようにすいすいと走る気持ちよさ、とでもいいましょうか。。
駆動力と言ってもいいんですが、それよりも演奏力と言いたくなります。複雑な曲をなんなくこなしてしまい破綻や息切れはありません。これがちょっと不思議な感覚です。
はじめの音のはっきりした分離感はデジタルアンプの特性からくるように思えます。実際にインターナショナル・オーディオショウで聴いた中で音が一番近いのはジェフのModel302でした(同じ音という意味ではありません)。Model302はICEというデジタルアンプ技術を使っています。これにSig30の場合はノイズレスというバッテリーの利点が相乗効果を得ていると思います。
Sig30の場合はかなり明瞭な音ですが、不思議に尖ってないでとても聴きやすく感じます。ここは例のPaper-in-oil-capsが効いているということです。
むこうでは"Underground SET Club"なんていう言葉で評したりしていますが、「秘密の三極管シングル同盟」みたいな感じでしょうか。真空管とは異なった柔らかさ・滑らかさがなにかあると思います。
次の"演奏力"のほうはよく分かりませんが、思ったのはバッテリーの効果としておそらくノイズが乗らないというだけでなくSLA(鉛蓄電池)の瞬時電流供給能力がかなり高いのではないかと思います。
うちでは週末の昼であってもアンプがクリップするくらいまででかい音を出せませんが、それでも普通にはどんなシーンでも破綻するということがほとんどありません。
とくに電流が必要になる低域の再現がおそろしくいいのでそう思います。うちのスピーカーは4オームなので特に差を感じるかも知れません。
Vinnieさんも記述してますが鉛蓄電池は車のスターターを起動するくらい瞬間的に大電流を流せるということなのでそうした利点もありそうです。
他方で欠点としては音場がそれほど広くないのでプリをつけたくはなります。そこでGS-Xをプリとして初めて使ってみました。たしかに音場は広がり厚みはやや増します。これは普通にプリを入れた効果といえますが、代わりに鮮度感が後退してしまいます。誇張して言うとちょっとだるくなる感じです。
個人的にはやはりプリがないほうが好みです。
ちなみにいまはSig70というモノラルタイプもあります。これはデジタルチップのブリッジ出力モードを使用して70W/chを出しています。
ちょっとバッテリー駆動オーディオに興味を持ったので、今度はVinnieさんのOlive Musicaの改造ものにひかれています。Oliveは海外でちょっと知られているHDトランスポートの専用機です。
こちらもレビューを見るとなかなか良さそうで、Digital LinkIIIと組み合わせてハードディスクトランスポートとして考えています。
HDトランスポートは今年取り組みたいテーマのひとつです。そのうち真空管アンプと無線LANという半世紀はなれた技術が同居する怪しいシステムを妄想しています(笑)
2006年10月04日
Red Wine Audio - Signature 30
そろそろ秋のハイエンドショウがはじまります。輸入代理店が主体のインターナショナルオーディオショウに比べて、ハイエンドショウはガレージメーカーとか小規模なオーディオメーカーが多数出品します。こうしたところはとにかくオーディオ好きな人がやはり好きな人のためにユニークでマニアックな製品を作るわけです。(ちなみにオーディオの世界ではオーディオマニアではなくオーディオファイルといいます)
そしてアメリカにもこうしたガレージメーカーはたくさんあります。またネット上にもAudio Circleという活発なガレージ系メーカーのフォーラムがあります。たとえばいま話題のものはオープンバッフル(従来的な箱の無い)タイプのスピーカーなんかの討論テーマがあります。
その中で最近もうひとつ話題のユニークな製品があります。それがSignature30です。
こちらに製品ページがあります。
http://www.redwineaudio.com/Signature_30.html
Signature 30はiModで知られるRed Wine Audio(Vinnieさんのところ)が開発した5月頃に発表されたばかりのパワーアンプです。
特徴はパワーアンプなのになんとバッテリー動力でしかも片チャンネル30Wもの立派な出力があるということです。さらに24時間ものバッテリーでの連続動作が可能です。
バッテリー駆動といってもポータブル用途というわけではなく、5kgくらいある立派なオーディオアンプです。30W/chもでますので能率しだいではフロア型の大きなスピーカーでも十分駆動できます。
そこでなぜバッテリーを使うかというとノイズレスのクリーンな電源として使うためです。これにより比類ないSN比が得られます。
オーディオ機器は電気で動くわけですから、最終的に電源がとても重要です。しかし一般家庭のACにはいろいろなノイズが乗っていたり電圧変動があったり必ずしもベストではありません。そこでノイズフィルターをつけたり、クリーン電源をつけたり、ケーブルを変えたり、コンセントを変えたりと大変な苦労をするわけです。
しかしACの波形を完全にしても究極ではありません。なぜかというとアンプに入ってくるACの波形が完全であっても、アンプの中の電源部のAC-DC変換プロセスのトランスやダイオードにもさまざまな問題があるからです。さらに電源によってはスイッチング電源のようにACラインを伝って他の機器に影響を与える可能性のあるものもあります。
この辺はこちらのRed Wineのページに詳しく載っています。
http://www.redwineaudio.com/SLA.html
そうした中で最良の電源はなんといってもバッテリーです。バッテリーはもっともクリーンで安定的な電源を提供できます。また直接DCで駆動できるのでAC-DCプロセスが不要です。これでそもそも電源ケーブルもコンディショナーもいらなくなり、日本もアメリカも関西も関東も夜でも昼でも等しく安定的にノイズフリーでクリーンな動作が期待できます。
問題はパワーアンプに向いたバッテリーですが、Vinnieさんの回答はSLA(鉛蓄電池)を使うことです。これにより大電流が得られ、また内部抵抗も低いのでオーディオ用途には向いているそうです。(Sig30に使われいるものは実際にはセキュリティシステムによく使われているもののようです)
バッテリー駆動のプリ・アンプはJeff Rowlandのコヒーレンスなんかが有名ですが、このような高出力のパワー・アンプで用いられるのはユニークといえます。Vinnieさんは以前にClari-T(クラリティ)という同様なアンプを作成していました。こちらは6Wという小出力ですがユーザー評価が大変高いのでその大型版としてSig30が企画されたようです。しかしClari-Tよりはいろいろな面でずいぶんと進化を遂げているようです。
アンプの心臓部としてはデジタルのトライパス・モジュールを使用しています。つまりバッテリー駆動の(Dクラス)デジタルアンプというわけです。内部はほとんどバッテリーのスペースで占められています。バッテリーはデュアルモノのように左右がセパレートされています。またこの使用されているPaper-in-oil capacitorもなかなかの隠し味のようです。
Sig30は基本的にはパワーアンプですが、DACTのステップアッテネーターがついていてインテグレーテッドアンプとしてそのままCDPにつないで使えます。レビューを見るとプリアンプをつけてもそう大きくは違わないということで、はじめからこうしたプリ無しのパッシブな使い方を想定していると思います。またソースセレクタもありません(外付けでソースセレクタがあります)。
このできるだけダイレクトでシンプルにするために信号経路を省くという考えは日本のガレージメーカーで言うと47研究所のアンプを思い出しますが、Vinnieさんも音のダイレクト感、鮮度感と言うものに非常にこだわっているわけです。iModも基本的な考えはそうですね。
他のRed Wine Audioの製品も(iModを含めて)バッテリーを使用しているというのがRed Wine Audioの特徴でもあります。ちなみにRed WineとはVinnieさんの名前のVinnie Rossiをヴィノ・ロッソ(赤ワイン)にひっかけています。
Sig30は6moonsで評価されたのがブレークのひとつのきっかけでした。ここの主筆のSrajanさんはいままでに聴いたソリッドステートのアンプでは3本の指に入る、と高評価です。
実はSig30はAudio CircleだけでなくHeadFiでも話題になっています。
なぜかというと上の6moonsのレビューの中でいままででAKG K1000に一番相性がよいアンプというコメントがあったためです。ダイナミック型・静電型の次の第3のテーマとしてのK1000という点でも要チェックです。
これは現在のところとても人気があって、実は8月の頭に注文したのですがようやく出荷の知らせがきました。出荷の知らせをきちんと行って、さらにPDFのInvoiceを添付ファイルとしてきちんとつけるのもまじめなVinnieさんらしいところです。
というわけで届きましたらまたいろいろとコメントしてみたいと思います。
そしてアメリカにもこうしたガレージメーカーはたくさんあります。またネット上にもAudio Circleという活発なガレージ系メーカーのフォーラムがあります。たとえばいま話題のものはオープンバッフル(従来的な箱の無い)タイプのスピーカーなんかの討論テーマがあります。
その中で最近もうひとつ話題のユニークな製品があります。それがSignature30です。
こちらに製品ページがあります。
http://www.redwineaudio.com/Signature_30.html
Signature 30はiModで知られるRed Wine Audio(Vinnieさんのところ)が開発した5月頃に発表されたばかりのパワーアンプです。
特徴はパワーアンプなのになんとバッテリー動力でしかも片チャンネル30Wもの立派な出力があるということです。さらに24時間ものバッテリーでの連続動作が可能です。
バッテリー駆動といってもポータブル用途というわけではなく、5kgくらいある立派なオーディオアンプです。30W/chもでますので能率しだいではフロア型の大きなスピーカーでも十分駆動できます。
そこでなぜバッテリーを使うかというとノイズレスのクリーンな電源として使うためです。これにより比類ないSN比が得られます。
オーディオ機器は電気で動くわけですから、最終的に電源がとても重要です。しかし一般家庭のACにはいろいろなノイズが乗っていたり電圧変動があったり必ずしもベストではありません。そこでノイズフィルターをつけたり、クリーン電源をつけたり、ケーブルを変えたり、コンセントを変えたりと大変な苦労をするわけです。
しかしACの波形を完全にしても究極ではありません。なぜかというとアンプに入ってくるACの波形が完全であっても、アンプの中の電源部のAC-DC変換プロセスのトランスやダイオードにもさまざまな問題があるからです。さらに電源によってはスイッチング電源のようにACラインを伝って他の機器に影響を与える可能性のあるものもあります。
この辺はこちらのRed Wineのページに詳しく載っています。
http://www.redwineaudio.com/SLA.html
そうした中で最良の電源はなんといってもバッテリーです。バッテリーはもっともクリーンで安定的な電源を提供できます。また直接DCで駆動できるのでAC-DCプロセスが不要です。これでそもそも電源ケーブルもコンディショナーもいらなくなり、日本もアメリカも関西も関東も夜でも昼でも等しく安定的にノイズフリーでクリーンな動作が期待できます。
問題はパワーアンプに向いたバッテリーですが、Vinnieさんの回答はSLA(鉛蓄電池)を使うことです。これにより大電流が得られ、また内部抵抗も低いのでオーディオ用途には向いているそうです。(Sig30に使われいるものは実際にはセキュリティシステムによく使われているもののようです)
バッテリー駆動のプリ・アンプはJeff Rowlandのコヒーレンスなんかが有名ですが、このような高出力のパワー・アンプで用いられるのはユニークといえます。Vinnieさんは以前にClari-T(クラリティ)という同様なアンプを作成していました。こちらは6Wという小出力ですがユーザー評価が大変高いのでその大型版としてSig30が企画されたようです。しかしClari-Tよりはいろいろな面でずいぶんと進化を遂げているようです。
アンプの心臓部としてはデジタルのトライパス・モジュールを使用しています。つまりバッテリー駆動の(Dクラス)デジタルアンプというわけです。内部はほとんどバッテリーのスペースで占められています。バッテリーはデュアルモノのように左右がセパレートされています。またこの使用されているPaper-in-oil capacitorもなかなかの隠し味のようです。
Sig30は基本的にはパワーアンプですが、DACTのステップアッテネーターがついていてインテグレーテッドアンプとしてそのままCDPにつないで使えます。レビューを見るとプリアンプをつけてもそう大きくは違わないということで、はじめからこうしたプリ無しのパッシブな使い方を想定していると思います。またソースセレクタもありません(外付けでソースセレクタがあります)。
このできるだけダイレクトでシンプルにするために信号経路を省くという考えは日本のガレージメーカーで言うと47研究所のアンプを思い出しますが、Vinnieさんも音のダイレクト感、鮮度感と言うものに非常にこだわっているわけです。iModも基本的な考えはそうですね。
他のRed Wine Audioの製品も(iModを含めて)バッテリーを使用しているというのがRed Wine Audioの特徴でもあります。ちなみにRed WineとはVinnieさんの名前のVinnie Rossiをヴィノ・ロッソ(赤ワイン)にひっかけています。
Sig30は6moonsで評価されたのがブレークのひとつのきっかけでした。ここの主筆のSrajanさんはいままでに聴いたソリッドステートのアンプでは3本の指に入る、と高評価です。
実はSig30はAudio CircleだけでなくHeadFiでも話題になっています。
なぜかというと上の6moonsのレビューの中でいままででAKG K1000に一番相性がよいアンプというコメントがあったためです。ダイナミック型・静電型の次の第3のテーマとしてのK1000という点でも要チェックです。
これは現在のところとても人気があって、実は8月の頭に注文したのですがようやく出荷の知らせがきました。出荷の知らせをきちんと行って、さらにPDFのInvoiceを添付ファイルとしてきちんとつけるのもまじめなVinnieさんらしいところです。
というわけで届きましたらまたいろいろとコメントしてみたいと思います。