下記のDarkoの記事にありますが、ついにiOS11からは念願のFLACサポートが行われそうです。
http://www.digitalaudioreview.net/2017/06/native-flac-support-coming-to-ios-11/
これはiOS11で新しく加わったFilesアプリでまず可能になっているようで、iOS11ベータをテストしたReddit(アメリカ版の某巨大掲示板)のユーザーも、上記記事のDARKO自身も確認しているそうです。
たとえばiCloudにFLAC音源をアップロードして、FilesアプリでそれをアクセスしてFilesアプリで再生という形です。DARKOはハイレゾファイルも再生可能だったとしています(ただし真にハイレゾ再生されているかはわかりません)
iTunesやMacではまだわかりませんが、ちょっと期待させられるところです。
Music TO GO!
2017年06月09日
2016年12月12日
高音質再生アプリ、HibyMusic Player iOS版
以前AndroidのHF Palyerとなるかということで、HibyMusic Playerという音楽再生アプリの記事を書きましたが、先日iOS版が出たのでその紹介をします。現在iPhone版とiPad版が出ています。
iTunesリンクは下記です。
https://itunes.apple.com/jp/developer/dongguan-haibei-information/id1048838843?mt=8
HibyMusicは中国のオーディオ系ソフトウエア会社で、HibyMusicはスマートフォンの音楽再生アプリです。特徴としてはUSB出力対応、ネットワーク(uPnP,Dropbox)からのストリーミングに対応しているという点です。
USBではDSD(DoP)ネイティブ出力が可能で、PCMでは384/32までUSB出力をサポートしています。再生はDSF、DFF、ISOなど広範のDSD形式に対応しています。
内部は64bit使用数点形式でデータを扱い、計算は128bit精度で実行します。ギャップレス、10バンドイコライザーにも対応し、アップサンプリング出力もできます。Dropboxクラウドにハイレゾ音源入れて、アップサンプリングし、HA2のような高性能DACを繋げたりと高度な使い方もできます。
機能的にはHF PlayerやKaiserToneとの競合となるでしょう。RelistenやRadsoneのようにDSP系アプリではありません。
UIはわりとシンプルで、画面は日本語化されていますがあやしい日本語です。フリック移動で使いやすいんですが、アルバムアートの取得がおかしかったり、ところどころバグがあります。ランダムや連続再生はアルバムアート画面の左上隅に小さくアイコンがあります。
音を聴いてみるとHF PlayerやKaiserToneよりもクリアで雑味が少ない感じがします。明瞭感も高く全帯域で良い感じです。高性能イヤフォンで音源がアコースティック楽器で良録音だと差が分かりやすいんですが、もっとも差は電源アクセサリーでの違いのようにオーディオファイル的な差なので、一般の人は同じ音と言うかもしれません。
iPhone 7, HibyMusicアプリ, Apple純正3.5mmアダプター, 高性能イヤフォン というシンプルな構成で満足感ある音が楽しめます。
まだ未完成ですが、単体でも音が良く外部DACにも対応したオーディオファイル向けのアプリと言えます。
iTunesリンクは下記です。
https://itunes.apple.com/jp/developer/dongguan-haibei-information/id1048838843?mt=8
HibyMusicは中国のオーディオ系ソフトウエア会社で、HibyMusicはスマートフォンの音楽再生アプリです。特徴としてはUSB出力対応、ネットワーク(uPnP,Dropbox)からのストリーミングに対応しているという点です。
USBではDSD(DoP)ネイティブ出力が可能で、PCMでは384/32までUSB出力をサポートしています。再生はDSF、DFF、ISOなど広範のDSD形式に対応しています。
内部は64bit使用数点形式でデータを扱い、計算は128bit精度で実行します。ギャップレス、10バンドイコライザーにも対応し、アップサンプリング出力もできます。Dropboxクラウドにハイレゾ音源入れて、アップサンプリングし、HA2のような高性能DACを繋げたりと高度な使い方もできます。
機能的にはHF PlayerやKaiserToneとの競合となるでしょう。RelistenやRadsoneのようにDSP系アプリではありません。
UIはわりとシンプルで、画面は日本語化されていますがあやしい日本語です。フリック移動で使いやすいんですが、アルバムアートの取得がおかしかったり、ところどころバグがあります。ランダムや連続再生はアルバムアート画面の左上隅に小さくアイコンがあります。
音を聴いてみるとHF PlayerやKaiserToneよりもクリアで雑味が少ない感じがします。明瞭感も高く全帯域で良い感じです。高性能イヤフォンで音源がアコースティック楽器で良録音だと差が分かりやすいんですが、もっとも差は電源アクセサリーでの違いのようにオーディオファイル的な差なので、一般の人は同じ音と言うかもしれません。
iPhone 7, HibyMusicアプリ, Apple純正3.5mmアダプター, 高性能イヤフォン というシンプルな構成で満足感ある音が楽しめます。
まだ未完成ですが、単体でも音が良く外部DACにも対応したオーディオファイル向けのアプリと言えます。
2016年09月05日
Android 7.0とUSBオーディオクラスドライバ
さて、Windowsの方のクラスドライバー問題が進展したところで、Androidの方のクラスドライバーの進展を見てみようと、Nexus 9をこの週末に最新のAndroid 7.0(Nougat)にアップグレードしました。7.0は8/22にリリースされて少しずつOTAアップデートがなされています。
前の6.0ではクラスドライバーが入っていましたが、出来はあまりうまくありませんでした。
テストはNexus 9(Android7.0)にUSB OTGケーブルを接続して、ロック周波数が画面に表示されるAurender FLOWを使用しました。
まず44.1/16のCDリッピング音源を標準音楽再生アプリのGoogle Playで再生して見ると、なぜかリサンプリングされ192kHzで再生されます。またノイズやピッチの乱れなど音質は良くありません。ちょっと使えないレベルです。
次に96/24のハイレゾ音源を再生するとこれもまた192kHzにリサンプリングされます。やはりクラスドライバは入っているけれどもうまく動作していないようです。
ためしにUAPPを使ってみると問題なく指定サンプリングレートで正しく再生されます。ちょっとまだ道は遠そうに思えます。
前の6.0ではクラスドライバーが入っていましたが、出来はあまりうまくありませんでした。
テストはNexus 9(Android7.0)にUSB OTGケーブルを接続して、ロック周波数が画面に表示されるAurender FLOWを使用しました。
まず44.1/16のCDリッピング音源を標準音楽再生アプリのGoogle Playで再生して見ると、なぜかリサンプリングされ192kHzで再生されます。またノイズやピッチの乱れなど音質は良くありません。ちょっと使えないレベルです。
次に96/24のハイレゾ音源を再生するとこれもまた192kHzにリサンプリングされます。やはりクラスドライバは入っているけれどもうまく動作していないようです。
ためしにUAPPを使ってみると問題なく指定サンプリングレートで正しく再生されます。ちょっとまだ道は遠そうに思えます。
2015年11月07日
iOSの高音質プレーヤーアプリ、Relisten Player
ひさびさのiOS高音質プレーヤーアプリの紹介です。Relistenはなんと6000円もする高価なアプリです。(liteあり)
Relistenはビットパーフェクトのタイプではなく、以前紹介したDCTのように信号処理をメインにするタイプのアプリです。
RelistenではMp3化やADコンバーターでの歪み、録音不備などによる元の信号の変形を元に戻すというのが売りです。Hierarchy Process/Sound objects classification systemと称していて詳細はわかりませんが、高域補完とかMP3の非可逆圧縮信号を元に戻すというタイプの処理なんでしょう。lite版は無料で100分この効果が使えます。
画面は下記のようなものですが、VUメーターがなかなか良い感じです。右は曲選択画面です。
LOUD CONTROLは音をコンプレスすることなく音圧を変えられるとありますが、ボリュームとは別に音量が変わります。
PRESETでいくつかパラメーターが変えられます。このAとかBというのは単なるタイプではなく、AからHに行くにしたがって信号処理の対象となるSound Objectsの大きさが変わるとあります(よくわかりませんが)。
Enhance Classicalを押下すると細かいニュアンスをより強調するとありますが、これはPRESETのどれとも併せてオンに出来ます。
左上の電源ボタンがバイパススイッチでこのHierarchy Processという信号処理技術をオンオフできます。
効果をオンオフしてみるとその差はMP3だとわりとありますが、CDリッピングだとそれほど大きくないように思います。MP3だと音楽の鮮明感がかなり良くなります。CDリッピング音源でも音質は少し上がりますが、それほど大きくはありません。Enhance Classicalはどの音源でも差はありますが信号処理している感はあります。
A-HのプリセットもMP3音源だとわりと差はあるように思います。右に行くと音圧も上がって割れやすくなるので、LOUDと組み合わせると割れる感じは減らせます。おそらくLOUDはイコライザーによくあるプリアンプ機能のようにあらかじめゲインを下げておく機能のように思えます。
AACやMP3を使う人だとそれなりの効果はあると思いますが、価格が高いのでまずlite版を使って試してみることを勧めます。
Relisten (iTunes Store)
https://itunes.apple.com/jp/app/relisten-player-music-optimiser/id976546848?mt=8
Relisten lite
https://itunes.apple.com/jp/app/relisten-player-lite-music/id1024114990?mt=8
Relistenはビットパーフェクトのタイプではなく、以前紹介したDCTのように信号処理をメインにするタイプのアプリです。
RelistenではMp3化やADコンバーターでの歪み、録音不備などによる元の信号の変形を元に戻すというのが売りです。Hierarchy Process/Sound objects classification systemと称していて詳細はわかりませんが、高域補完とかMP3の非可逆圧縮信号を元に戻すというタイプの処理なんでしょう。lite版は無料で100分この効果が使えます。
画面は下記のようなものですが、VUメーターがなかなか良い感じです。右は曲選択画面です。
LOUD CONTROLは音をコンプレスすることなく音圧を変えられるとありますが、ボリュームとは別に音量が変わります。
PRESETでいくつかパラメーターが変えられます。このAとかBというのは単なるタイプではなく、AからHに行くにしたがって信号処理の対象となるSound Objectsの大きさが変わるとあります(よくわかりませんが)。
Enhance Classicalを押下すると細かいニュアンスをより強調するとありますが、これはPRESETのどれとも併せてオンに出来ます。
左上の電源ボタンがバイパススイッチでこのHierarchy Processという信号処理技術をオンオフできます。
効果をオンオフしてみるとその差はMP3だとわりとありますが、CDリッピングだとそれほど大きくないように思います。MP3だと音楽の鮮明感がかなり良くなります。CDリッピング音源でも音質は少し上がりますが、それほど大きくはありません。Enhance Classicalはどの音源でも差はありますが信号処理している感はあります。
A-HのプリセットもMP3音源だとわりと差はあるように思います。右に行くと音圧も上がって割れやすくなるので、LOUDと組み合わせると割れる感じは減らせます。おそらくLOUDはイコライザーによくあるプリアンプ機能のようにあらかじめゲインを下げておく機能のように思えます。
AACやMP3を使う人だとそれなりの効果はあると思いますが、価格が高いのでまずlite版を使って試してみることを勧めます。
Relisten (iTunes Store)
https://itunes.apple.com/jp/app/relisten-player-music-optimiser/id976546848?mt=8
Relisten lite
https://itunes.apple.com/jp/app/relisten-player-lite-music/id1024114990?mt=8
2015年11月05日
Androidの6.0でのレイテンシーの向上とiOSとの比較について
前の記事で新しいAndroid6.0では(ネックだった)レイテンシーが大きく下がったことが特徴で、それによって6.0からAndroidでのプロフェッショナルオーディオの規定が出来たということを書きました。
Nexus 9ではAndroid 6.0で15msを達成して、2012年のOS4.1(Jerry Bean)以来の念願だった10ms台に突入してます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/428214917.html
それでは他のプラットフォームと比べるとどうかというと、下のサイトにテストアプリを使った比較表があります。
http://superpowered.com/latency/#table
見てみるとやはりiOS勢が圧倒的でAndroidが速くなったと言ってもさらにその半分が昔から達成できてたのがわかります。
またAndroidでもサムソンでは独自のプロフェッショナルAPIがあると以前書きましたが、(2013/11記事)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/380324596.html
このプロフェッショナルオーディオSDKの効果も高いことがわかります。
とはいえ素のAndroidも6.0でかなりこれらに接近したので、ここでAndroidはプロフェッショナルオーディオにも使えるよ、と宣言をしたくなったのもわかります。
Nexus 9ではAndroid 6.0で15msを達成して、2012年のOS4.1(Jerry Bean)以来の念願だった10ms台に突入してます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/428214917.html
それでは他のプラットフォームと比べるとどうかというと、下のサイトにテストアプリを使った比較表があります。
http://superpowered.com/latency/#table
見てみるとやはりiOS勢が圧倒的でAndroidが速くなったと言ってもさらにその半分が昔から達成できてたのがわかります。
またAndroidでもサムソンでは独自のプロフェッショナルAPIがあると以前書きましたが、(2013/11記事)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/380324596.html
このプロフェッショナルオーディオSDKの効果も高いことがわかります。
とはいえ素のAndroidも6.0でかなりこれらに接近したので、ここでAndroidはプロフェッショナルオーディオにも使えるよ、と宣言をしたくなったのもわかります。
2015年10月21日
Android 6.0でプロフェッショナル・オーディオの新定義
Android 6.0(Marshmallow)の更新が始まって、うちのNexus9も更新しました。
オーディオ周りで変更されたところは一見ないようにも思えますが、6.0では下記のAndroid互換性ガイド(compatibility difinition document - CDD)にプロフェッショナル・オーディオの項が追加されて、プロオーディオで満たすべきレイテンシーが定義されてます。(P33の5.10 Professional Audio)
一般的にはレイテンシーはその前の項で100ms以下と定義されてますが、プロオーディオの項ではさらに20ms以下が必須で、できれば10ms以下と定めています。
https://static.googleusercontent.com/media/source.android.com/en//compatibility/android-cdd.pdf
以前うちのブログでAndroidのレイテンシーについての記事を書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/279139456.html
これは4.1の頃の話し(2012/7月)でしたが、Androidはこの辺りから低レイテンシーについて取り組み始め、今回の6.0において低レイテンシー化が十分に出来たので、さきのCDDドキュメントで公式に定義したということに思います。
AndroidではDTM関連はiOSに比べると遅れてましたが、これからに期待ということのようです。
追記 2015/11/1
下記のAndroid公式ソースページにあるAudio Latency Measurementsでは、Android 6.0でのNexus 9が実測値でレイテンシー15msと公開されています。
https://source.android.com/devices/audio/latency_measurements.html
直前のAndroid 5.1.1では32msだったのでAndroid6.0で大きく改良されて、2012年の記事に書いたターゲットである10ms台に載せたので今回のプロフェッショナル・オーディオの規定を公開したのでしょう。
オーディオ周りで変更されたところは一見ないようにも思えますが、6.0では下記のAndroid互換性ガイド(compatibility difinition document - CDD)にプロフェッショナル・オーディオの項が追加されて、プロオーディオで満たすべきレイテンシーが定義されてます。(P33の5.10 Professional Audio)
一般的にはレイテンシーはその前の項で100ms以下と定義されてますが、プロオーディオの項ではさらに20ms以下が必須で、できれば10ms以下と定めています。
https://static.googleusercontent.com/media/source.android.com/en//compatibility/android-cdd.pdf
以前うちのブログでAndroidのレイテンシーについての記事を書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/279139456.html
これは4.1の頃の話し(2012/7月)でしたが、Androidはこの辺りから低レイテンシーについて取り組み始め、今回の6.0において低レイテンシー化が十分に出来たので、さきのCDDドキュメントで公式に定義したということに思います。
AndroidではDTM関連はiOSに比べると遅れてましたが、これからに期待ということのようです。
追記 2015/11/1
下記のAndroid公式ソースページにあるAudio Latency Measurementsでは、Android 6.0でのNexus 9が実測値でレイテンシー15msと公開されています。
https://source.android.com/devices/audio/latency_measurements.html
直前のAndroid 5.1.1では32msだったのでAndroid6.0で大きく改良されて、2012年の記事に書いたターゲットである10ms台に載せたので今回のプロフェッショナル・オーディオの規定を公開したのでしょう。
2015年02月01日
Radsoneの新アプリ、スマートフォンの音質を向上させるRadsone DCT
スマートフォンの高音質の音楽再生アプリとして、Radsoneというアプリがかなり前からありましたが、その新しいバリエーションが登場しています。Radsone DCTです。DCTは昨年の11月に出て、いま現在は3.0が最新です。従来のRadsoneはそのままあるので、これはまったく別のアプリです。
左SONY ZX1、右iPhone6
* Radsone DCTとは
Radsone DCTはAndroidとiOS版の両方があり、両方とも基本音楽機能は無料です。アドインとして、DCT機能とHRAというハイレゾ出力機能があります。Androidでの要件は4.1以上です。無料版では一日20分まではDCT機能を使用できますが、それ以上使う場合にはアドインの購入が必要です。
そもそもRadsoneで使われている音質を向上させる「Radsone再生エンジン」というのはなにかというと、実のところここでDCTと呼ばれている機能と同じもののようです。(前はMuseflowと言っていたと思います)
DCTというのはDistinctive Clear Technologyの略で、具体的にはデジタル音楽信号を解析してアーチファクト(デジタル演算による副作用成分)を取り除くというものです。これはアダプティブ・ディザリングという技術を応用したものということです。ディザ処理は不自然なギザギサのところに音を足す・丸めることで滑らかにするとかそういうものです。DCTの働きについては古い絵画のレストアを例にして、人工的になにか付け足すのではなく、もとあった良い状態に戻すのだという説明があります。アーチファクトですから、MP3などの圧縮音源で欠損した成分という意味ではなく、ハイレゾ音源ファイルでも存在するデジタル音源そのものに起因する問題点を修正するというわけです。ですからCDリッピング音源などでも効果があります。
もうひとつの機能であるHRAは外部DACをスマートフォンに接続してサンプルレート変更なしにハイレゾ出力をするためのアドインです。DCTはHRAを使ったDAC接続でも動作します。HRAはiOSは有料ですが、Androidはわかりません(未実装?)。
もとあったオリジナルRadsoneとRadsone DCTの違いは、基本的な「Radsone再生エンジン」はDCTと同じものですが、オリジナルRadsoneの方が機能(イコライザーなど)が多く価格が高いということのようです。ただし現時点ではRadsone DCTの方が最新の「Radsone再生エンジン = DCT」を実装していて、ハイレゾ再生機能があるなど逆転現象があるけれども、そのうちもとのRadsoneもアップデートしていくとサイトには書かれています。
もとのRadsoneのロングタームライセンスを持っている人もその対象になるということ。
* 実際の使用と音質
iPhoneとAndroidの両方とも使えますが、少し試してみて効果が高かったのは基本的な音質の優れたSONY ZX1です(4.1以上が必要なためDX100には使えません)。アプリで音質を変えられるのは汎用OS機の強みでもあります。以下SONY Walkman ZX1での使用例です。
操作説明(ZX1)
DCTをオンにすると音に厚みが増して豊かに感じられ、楽器の音の輪郭の明瞭感が増します。ドラムやパーカッションのインパクトもより鋭くなります。DACをひとつクラスをあげたような感じでしょうかね。元に戻すと薄く軽く感じられ、ドラムの切れも甘くなります。DCTの機器は1-10で変えられるので、不自然に思えるときは調整も可能です。Warmではやや暖かめ・柔らかめに、Brightではややぎらつきが増しますがここは好みでしょう。DynamicにするとDCT効果が強調されますが、なんらかのコンプレッサ処理によるもののように思えます(よくわかりませんが)。
Gainはいわゆるイコライザーのプリアンプ機能のようなもので、音が割れるときにはあらかじめゲインを落としておけます。もしかするとDynamicでは楽曲によっては必要になるかもしれません。
またDCTオンオフの効きはバッファを使うためにひとテンポ遅れますので注意ください。
DCT機能設定画面(左ZX1、右iPhone6)
ZX1の標準プレーヤーと比べると音質向上の効果は高いと思います。ClearSoundオンにしたほどの濃いソースをかけて味付けする感がないので、DCTだとわりと自然な音質向上が可能です。また注意して聴くと一つ一つの楽器音の質感表現はClearSoundにしても向上の効果があまりないと思いますが、DCTだとベルはより鳴りが鮮明になるのが分かります。
ただZX1を使っていたらハイレゾ楽曲が再生できないとかアップルロスレスで止まるなどいくつか問題があって不安定なところはまだあります。44/16のFLACはほとんど問題ないと思います。
またZX1の場合には仮にハイレゾ再生がうまくいっても、S-Masterにハイレゾネイティブで送られるかは分かりません、念のため。
外部DACを使用していても効果はありますので、先日紹介したGloveAudio S1なんかでも有効に使えると思います。
両方ともZX1
一般的なプレーヤーの機能も基本的なところはだいたい備えていて、シャッフルやリピートなども問題ありません。ただしギャップレスなど少し進んだ機能はありません。
iPhoneでも使えますが、iPhoneだと基本の音があまり良くないので、もっとClearSound的に音を盛るタイプのDSPアプリの方が効果的だと思います。ZX1の場合は基本の音が良いので、ちょっと表面の荒れを整えてあげるこうした音作りがよいように思えますね。
ZX1のもうちょっとっていう物足りなさを解消してくれるアプリではないかと思います。
左SONY ZX1、右iPhone6
* Radsone DCTとは
Radsone DCTはAndroidとiOS版の両方があり、両方とも基本音楽機能は無料です。アドインとして、DCT機能とHRAというハイレゾ出力機能があります。Androidでの要件は4.1以上です。無料版では一日20分まではDCT機能を使用できますが、それ以上使う場合にはアドインの購入が必要です。
そもそもRadsoneで使われている音質を向上させる「Radsone再生エンジン」というのはなにかというと、実のところここでDCTと呼ばれている機能と同じもののようです。(前はMuseflowと言っていたと思います)
DCTというのはDistinctive Clear Technologyの略で、具体的にはデジタル音楽信号を解析してアーチファクト(デジタル演算による副作用成分)を取り除くというものです。これはアダプティブ・ディザリングという技術を応用したものということです。ディザ処理は不自然なギザギサのところに音を足す・丸めることで滑らかにするとかそういうものです。DCTの働きについては古い絵画のレストアを例にして、人工的になにか付け足すのではなく、もとあった良い状態に戻すのだという説明があります。アーチファクトですから、MP3などの圧縮音源で欠損した成分という意味ではなく、ハイレゾ音源ファイルでも存在するデジタル音源そのものに起因する問題点を修正するというわけです。ですからCDリッピング音源などでも効果があります。
もうひとつの機能であるHRAは外部DACをスマートフォンに接続してサンプルレート変更なしにハイレゾ出力をするためのアドインです。DCTはHRAを使ったDAC接続でも動作します。HRAはiOSは有料ですが、Androidはわかりません(未実装?)。
もとあったオリジナルRadsoneとRadsone DCTの違いは、基本的な「Radsone再生エンジン」はDCTと同じものですが、オリジナルRadsoneの方が機能(イコライザーなど)が多く価格が高いということのようです。ただし現時点ではRadsone DCTの方が最新の「Radsone再生エンジン = DCT」を実装していて、ハイレゾ再生機能があるなど逆転現象があるけれども、そのうちもとのRadsoneもアップデートしていくとサイトには書かれています。
もとのRadsoneのロングタームライセンスを持っている人もその対象になるということ。
* 実際の使用と音質
iPhoneとAndroidの両方とも使えますが、少し試してみて効果が高かったのは基本的な音質の優れたSONY ZX1です(4.1以上が必要なためDX100には使えません)。アプリで音質を変えられるのは汎用OS機の強みでもあります。以下SONY Walkman ZX1での使用例です。
操作説明(ZX1)
DCTをオンにすると音に厚みが増して豊かに感じられ、楽器の音の輪郭の明瞭感が増します。ドラムやパーカッションのインパクトもより鋭くなります。DACをひとつクラスをあげたような感じでしょうかね。元に戻すと薄く軽く感じられ、ドラムの切れも甘くなります。DCTの機器は1-10で変えられるので、不自然に思えるときは調整も可能です。Warmではやや暖かめ・柔らかめに、Brightではややぎらつきが増しますがここは好みでしょう。DynamicにするとDCT効果が強調されますが、なんらかのコンプレッサ処理によるもののように思えます(よくわかりませんが)。
Gainはいわゆるイコライザーのプリアンプ機能のようなもので、音が割れるときにはあらかじめゲインを落としておけます。もしかするとDynamicでは楽曲によっては必要になるかもしれません。
またDCTオンオフの効きはバッファを使うためにひとテンポ遅れますので注意ください。
DCT機能設定画面(左ZX1、右iPhone6)
ZX1の標準プレーヤーと比べると音質向上の効果は高いと思います。ClearSoundオンにしたほどの濃いソースをかけて味付けする感がないので、DCTだとわりと自然な音質向上が可能です。また注意して聴くと一つ一つの楽器音の質感表現はClearSoundにしても向上の効果があまりないと思いますが、DCTだとベルはより鳴りが鮮明になるのが分かります。
ただZX1を使っていたらハイレゾ楽曲が再生できないとかアップルロスレスで止まるなどいくつか問題があって不安定なところはまだあります。44/16のFLACはほとんど問題ないと思います。
またZX1の場合には仮にハイレゾ再生がうまくいっても、S-Masterにハイレゾネイティブで送られるかは分かりません、念のため。
外部DACを使用していても効果はありますので、先日紹介したGloveAudio S1なんかでも有効に使えると思います。
両方ともZX1
一般的なプレーヤーの機能も基本的なところはだいたい備えていて、シャッフルやリピートなども問題ありません。ただしギャップレスなど少し進んだ機能はありません。
iPhoneでも使えますが、iPhoneだと基本の音があまり良くないので、もっとClearSound的に音を盛るタイプのDSPアプリの方が効果的だと思います。ZX1の場合は基本の音が良いので、ちょっと表面の荒れを整えてあげるこうした音作りがよいように思えますね。
ZX1のもうちょっとっていう物足りなさを解消してくれるアプリではないかと思います。
2014年12月01日
AndroidのHF Playerになるか、HibyMusicアプリ
いろいろありますが、昨日の記事に書いたようになにはともあれAndroidでUSBオーディオクラスドライバーが使えるようになりました。
そこで必要なのは高機能なアプリです。OSでドライバーがサポートされてくるとUSB Audio Player Proにばかり頼って入られません。(UAPPで十分という気もしますが)
そこで注目したいのが最近登場したHibyMusicアプリです。これは中国の人が作ったようです。AndroidでのFoobarやJRiverを目指したそうです。
再生画面と設定(DoPが見えますね)
特徴は384kHzハイレゾ再生とDSDネイティブ再生に対応してUSB DACに出力できます。対応フォーマットも広く、FLACはもとよりDSDはISOもサポート、CUEシートも対応しています。
また音源は64bit小数点までサポートしますので、内部128bit演算です。ここはさすがです。
曲リストではハイレゾ音源にはHDマークがつきます
これ無料って言いましたっけ?オプション課金もありません。インストールはGoogle Playから。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.hiby.music
ちょっと互換性問題がありますが互換性問題は改善中だそうです。
プラットフォームのLollipopが昨日書いた48k問題があるのでNexus 9では現状能力が発揮できませんが、いまベンダー対応でハイレゾ出力できるNote3のようなAndroidプラットフォームでは使ってみると良いかもしれません。
そこで必要なのは高機能なアプリです。OSでドライバーがサポートされてくるとUSB Audio Player Proにばかり頼って入られません。(UAPPで十分という気もしますが)
そこで注目したいのが最近登場したHibyMusicアプリです。これは中国の人が作ったようです。AndroidでのFoobarやJRiverを目指したそうです。
再生画面と設定(DoPが見えますね)
特徴は384kHzハイレゾ再生とDSDネイティブ再生に対応してUSB DACに出力できます。対応フォーマットも広く、FLACはもとよりDSDはISOもサポート、CUEシートも対応しています。
また音源は64bit小数点までサポートしますので、内部128bit演算です。ここはさすがです。
曲リストではハイレゾ音源にはHDマークがつきます
これ無料って言いましたっけ?オプション課金もありません。インストールはGoogle Playから。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.hiby.music
ちょっと互換性問題がありますが互換性問題は改善中だそうです。
プラットフォームのLollipopが昨日書いた48k問題があるのでNexus 9では現状能力が発揮できませんが、いまベンダー対応でハイレゾ出力できるNote3のようなAndroidプラットフォームでは使ってみると良いかもしれません。
2014年11月30日
Nexus 9とAndroid5.0のUSB Audioサポート
AndroidではNexus 7を使っていたのですが、重くて仕方なくなってきたので新型のNexus 9に変えました。
CPUは最新の64bit Denverコアを待つTegra K1でサクサクと快適に動作します。これでAndroidもiOSとならんで正式に64bit世代に突入したわけです。
そこでさっそくAndroid5.0,LollipopでのUSBクラスオーディオサポートをテストすべくAurender FLOWにつないでみました。FLOWだとサンプルレート表示がわかりやすいからです。Nexus9とはFLOWに付属のUSB OTGケーブルで接続します。
Kamertonで44kHz音源を再生
まずKamertonプレーヤーとPowerAmpに使ってみたところ、きちんと音が出せてFLOWから聞くことができます。Youtubeでも音がUSB DACから出せます。
ここでちょっと気になるのは出力サンプルレートが44kHzの曲を再生しているのに48kHzと出てることです。そこでUSB Audio Player Proを使ってみると44kHzときちんと出てくるので、48kHzの件はドライバーかミキサーが原因と思えます。Kamertonなどではハイサンプリングデータはリサンプリングしてますが、それに合わせて44kHzもリサンプリングしているのかも。。調査中。
それと再生中に少しノイズが入ります。これも調査中。
USB Audio Player Proで44kHzと96kHzを再生
ちなみにUSB Audio Player Proではハイレゾ出力も可能です(こちらは内蔵ドライバーですが)。
それとES FileExplorerを使ってFLOWのストレージの方の接続を試してみたのですが、USBデバイスとして認識されるところまではいったのですが中身が見えません。調査中。
またちょっと気になるのはNeutron Playerでオーディオハードウエア表示させたときにARMv7って出るところです。Nexus 9のDenverコアのTegra K1ならARMv8って出るはずだと思いますが、、これも調査中。
まだまだ謎は多い。。
CPUは最新の64bit Denverコアを待つTegra K1でサクサクと快適に動作します。これでAndroidもiOSとならんで正式に64bit世代に突入したわけです。
そこでさっそくAndroid5.0,LollipopでのUSBクラスオーディオサポートをテストすべくAurender FLOWにつないでみました。FLOWだとサンプルレート表示がわかりやすいからです。Nexus9とはFLOWに付属のUSB OTGケーブルで接続します。
Kamertonで44kHz音源を再生
まずKamertonプレーヤーとPowerAmpに使ってみたところ、きちんと音が出せてFLOWから聞くことができます。Youtubeでも音がUSB DACから出せます。
ここでちょっと気になるのは出力サンプルレートが44kHzの曲を再生しているのに48kHzと出てることです。そこでUSB Audio Player Proを使ってみると44kHzときちんと出てくるので、48kHzの件はドライバーかミキサーが原因と思えます。Kamertonなどではハイサンプリングデータはリサンプリングしてますが、それに合わせて44kHzもリサンプリングしているのかも。。調査中。
それと再生中に少しノイズが入ります。これも調査中。
USB Audio Player Proで44kHzと96kHzを再生
ちなみにUSB Audio Player Proではハイレゾ出力も可能です(こちらは内蔵ドライバーですが)。
それとES FileExplorerを使ってFLOWのストレージの方の接続を試してみたのですが、USBデバイスとして認識されるところまではいったのですが中身が見えません。調査中。
またちょっと気になるのはNeutron Playerでオーディオハードウエア表示させたときにARMv7って出るところです。Nexus 9のDenverコアのTegra K1ならARMv8って出るはずだと思いますが、、これも調査中。
まだまだ謎は多い。。
2014年11月19日
インターフェイス(株)と国産DAC内蔵ポタアンの明日
今日は組み込み総合技術展2014を取材に行きました。目的は立川のインターフェイス株式会社さんのオーディオ関連展示を見るためです。
インターフェイスさんは前に1bitコンソーシアム記事で書きましたが、オーディオメーカーがDSDやハイレゾ対応のUSB DACを出すときに、オーディオメーカーさんでは難しいUSB伝送周りのインフラをOEM提供している会社です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/367601794.html
つまり国産USB DACの隆盛を築いた縁の下の力持ち的な存在です。DSDネイティヴ再生対応のUSB DACでははじめ海外勢がリードしてましたが、一気に国産DACが追いついた影の立役者といえます。
そのPCオーディオで築いたインフラを今度はポータブルオーディオに発展させたというのが今回の展示です。
いままでPCオーディオでインターフェイスさんが提供していたのはITF USBという一連の製品と技術です。これはUSBコントローラとかソフトウエアのフレームワークなどから構成されるソリューションです。
ITF USBの技術的なキーは従来ならFPGAとかXMOSを使ってるところを汎用のCPUで実装してるので価格と柔軟性、入手の容易性でメリットがあるという点です。
今回の展示はそれを発展させたITF USB EXPCMとITF USB DSDという製品です。ITF USB EXPCMとITF USB DSDの違いは価格とスペックだと思います。
まずポイントはCPUがNXPやFreescaleのように安くなったということです。以前は前の記事でも書きましたがTIの高価なもので、そこを改善させたいと言っていたのが完成したということですね。
そしてもう一つのポイントはiOSとの接続性です。前は研究中でしたが、完成したようです。それがITF USB DSDに組み込まれています。
前は私がいうホストモードでカメラコネクションキットでiOSとDACを接続していました。この場合DAC側はUSB Bですが、今回の接続はUSB Aになっています。これはわたしが言うアクセサリーモードですが、実はこのインターフェイスさんの基盤でコントロールしています。つまり従来はカメラコネクションキットがいわばハードで行っていた"スイッチ"をソフトでコントロールしているということです。
つまり私はホストモードとアクセサリーモードって言ってるけど、そこはハード的な制約であり、ソフトで切り替えが可能ということです。
これはアップルが許している範囲で行えるそうです。
この利点としては、まずアップルのポリシーが変わっても対応できるということです。例えばいまiOSからUSB DACにカメラコネクションキットで出力してますが、実のところ「カメラ」キットをオーディオで使うというイレギュラーな方法であり、今は大丈夫ですがアップルの胸先三寸で変わりうる危ういインフラに成り立っています。しかしこのインターフェイスさんの技術ではアップルのポリシーが急に変わっても対応できるということです。
またこうするとカメラコネクションキットではなく普通のUSBケーブルでUSB Aに接続ができます。そしていままで44/16が制限と思われてきたUSB Aのアクセサリーモード接続(一般的にいうiDeviceデジタルとかiPodデジタル)においてもハイレゾとかDSDが可能となっているということです。
ITF-DSDアプリ
iOS側のアプリはHF Playerで可能ということですが、ここはメーカーさんによってはONKYOさんのHF Playerを使ってくれと言い難い場合もあります。
そこでインターフェイスさんではITF-DSDというアプリを用意しています。これはHF Playerをもたない会社のOEMベースとなるアプリで、いままでのITF Audio ToolkitのiOSアプリ版と言えます。これを元にメーカーさん固有のアプリが作れるというわけです。
このITF USB EXPCM/DSDの応用例としては、インターフェイスさんとしては、iOSとつなぐためのポータブルアンプの基盤が欲しい会社のソリューションとして提供できるというわけです。さきの低コスト化もここで効いてくるでしょう。
つまりインターフェイスさんがPCオーディオのUSB DACで築いてきたインフラというかOEMソリューションをポータブルオーディオのDAC内蔵ポータブルアンプでも提供できるわけです。
実際にITF-DSDアプリからITF USB DSD基盤(DAC)への再生を聴いたんですが音も良いです。DSD(DoP)とPCMの切り替えでポップノイズが皆無なのもインターフェイスの技術ならではでしょう。
我々の期待値としては、国産のiOS対応DACポタアンがより入手しやすくなっていくと言えるでしょう。
今年は国産のポータブルアンプが隆盛を見ましたが、今後も期待ができそうです。
なおAndroidはにたようなものを検討中だそうです。
インターフェイスさんのホームページはこちらです。
http://www.itf.co.jp
インターフェイスさんは前に1bitコンソーシアム記事で書きましたが、オーディオメーカーがDSDやハイレゾ対応のUSB DACを出すときに、オーディオメーカーさんでは難しいUSB伝送周りのインフラをOEM提供している会社です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/367601794.html
つまり国産USB DACの隆盛を築いた縁の下の力持ち的な存在です。DSDネイティヴ再生対応のUSB DACでははじめ海外勢がリードしてましたが、一気に国産DACが追いついた影の立役者といえます。
そのPCオーディオで築いたインフラを今度はポータブルオーディオに発展させたというのが今回の展示です。
いままでPCオーディオでインターフェイスさんが提供していたのはITF USBという一連の製品と技術です。これはUSBコントローラとかソフトウエアのフレームワークなどから構成されるソリューションです。
ITF USBの技術的なキーは従来ならFPGAとかXMOSを使ってるところを汎用のCPUで実装してるので価格と柔軟性、入手の容易性でメリットがあるという点です。
今回の展示はそれを発展させたITF USB EXPCMとITF USB DSDという製品です。ITF USB EXPCMとITF USB DSDの違いは価格とスペックだと思います。
まずポイントはCPUがNXPやFreescaleのように安くなったということです。以前は前の記事でも書きましたがTIの高価なもので、そこを改善させたいと言っていたのが完成したということですね。
そしてもう一つのポイントはiOSとの接続性です。前は研究中でしたが、完成したようです。それがITF USB DSDに組み込まれています。
前は私がいうホストモードでカメラコネクションキットでiOSとDACを接続していました。この場合DAC側はUSB Bですが、今回の接続はUSB Aになっています。これはわたしが言うアクセサリーモードですが、実はこのインターフェイスさんの基盤でコントロールしています。つまり従来はカメラコネクションキットがいわばハードで行っていた"スイッチ"をソフトでコントロールしているということです。
つまり私はホストモードとアクセサリーモードって言ってるけど、そこはハード的な制約であり、ソフトで切り替えが可能ということです。
これはアップルが許している範囲で行えるそうです。
この利点としては、まずアップルのポリシーが変わっても対応できるということです。例えばいまiOSからUSB DACにカメラコネクションキットで出力してますが、実のところ「カメラ」キットをオーディオで使うというイレギュラーな方法であり、今は大丈夫ですがアップルの胸先三寸で変わりうる危ういインフラに成り立っています。しかしこのインターフェイスさんの技術ではアップルのポリシーが急に変わっても対応できるということです。
またこうするとカメラコネクションキットではなく普通のUSBケーブルでUSB Aに接続ができます。そしていままで44/16が制限と思われてきたUSB Aのアクセサリーモード接続(一般的にいうiDeviceデジタルとかiPodデジタル)においてもハイレゾとかDSDが可能となっているということです。
ITF-DSDアプリ
iOS側のアプリはHF Playerで可能ということですが、ここはメーカーさんによってはONKYOさんのHF Playerを使ってくれと言い難い場合もあります。
そこでインターフェイスさんではITF-DSDというアプリを用意しています。これはHF Playerをもたない会社のOEMベースとなるアプリで、いままでのITF Audio ToolkitのiOSアプリ版と言えます。これを元にメーカーさん固有のアプリが作れるというわけです。
このITF USB EXPCM/DSDの応用例としては、インターフェイスさんとしては、iOSとつなぐためのポータブルアンプの基盤が欲しい会社のソリューションとして提供できるというわけです。さきの低コスト化もここで効いてくるでしょう。
つまりインターフェイスさんがPCオーディオのUSB DACで築いてきたインフラというかOEMソリューションをポータブルオーディオのDAC内蔵ポータブルアンプでも提供できるわけです。
実際にITF-DSDアプリからITF USB DSD基盤(DAC)への再生を聴いたんですが音も良いです。DSD(DoP)とPCMの切り替えでポップノイズが皆無なのもインターフェイスの技術ならではでしょう。
我々の期待値としては、国産のiOS対応DACポタアンがより入手しやすくなっていくと言えるでしょう。
今年は国産のポータブルアンプが隆盛を見ましたが、今後も期待ができそうです。
なおAndroidはにたようなものを検討中だそうです。
インターフェイスさんのホームページはこちらです。
http://www.itf.co.jp
2014年11月10日
Androidのissue 24614(USB Audioサポート)がついにリリースに!
今まで何回か書いてきたAndroidのissue 24614がとうとうリリースのステータスに変わりました!
これでAndroidのUSBオーディオクラス対応 DACサポートへ一歩前進です。
https://code.google.com/p/android/issues/detail?id=24614
リリース日は11/6ですが、先週は11/5にAndroid5.0(Lollipop)のリリースがあると言われていて見送られた日なので、やはりこの後に追加変更ビルドが発生していたようですね。
これでAndroidのUSBオーディオクラス対応 DACサポートへ一歩前進です。
https://code.google.com/p/android/issues/detail?id=24614
リリース日は11/6ですが、先週は11/5にAndroid5.0(Lollipop)のリリースがあると言われていて見送られた日なので、やはりこの後に追加変更ビルドが発生していたようですね。
いままではAndroidでは一部の機種かUSB Audio Player Proなどを使うことでしかUSBDACに接続できませんでしたが、これでOS5.0であれば全ての機種でUSBクラスオーディオ対応(いわゆるドライバーレスのもの)のUSB DAC接続が可能になるはずです。ただしOTGケーブルが必要となります。
ちなみにLollipop搭載のNexus9ではすでにOTG使用で外付けドライブがマウント可能であることが確認されています。
次のリリースタイミングは11/12とみられていますが、ちょっと期待したいところです。
2014年10月18日
Android 5.0 LollipopでUSB ドライバーサポート
前の記事に書いたようにいったんは棚上げとなったAndroidの標準ドライバーサポートは先日正式発表されたAndroid 5.0 Lollipop(旧称 Android L)でとうとう正式に実装されたようです。
Android now includes support for standard USB audio peripherals, allowing users to connect USB headsets, speakers, microphones, or other high performance digital peripherals.
上で参照されているOpus CodecについてはWikiをご覧ください。
それとプログラミング的にはAudioTrak APIのオーディオデータタイプに浮動小数点型が追加されました。AudioTrackはaudioTrack.play()みたいに使うインターフェイスでオーディオ再生の基本です。
これでAndroidのDAWアプリにプラスになるのでしょう。今までは8bitと16bitしかありませんでしたが32bit floatが増えたわけです。相変わらず24bitはないけど、32bit floatでキャストして代替できそうにも思いますが。
public static final int ENCODING_PCM_FLOAT
Audio data format: single-precision floating-point per sample
Constant Value: 4 (0x00000004)
さて、ついでにもう一方のUSB DAC方面の懸案であるWindowsのUSBオーディオクラス2ドライバーの実装ですが、先日リリースされたWindows 10TPでの状況はいまのところあちこちみると実装されたっていうひとと、されてないってひとがいて不思議な状況です。
私も古いPCで試してみたけど、今までは弾かれてたドライバーのインストールしてるメッセージは出るので認識してるっぽいけど、パネルに出てこないですね。もしかするとプレビュー版ゆえハードによってなんかあるのかもしれません。
2014年10月12日
Encore mDAC - 隠れnuforce?のスマートフォン向けDACアンプ
ひさびさにまた怪しいものの紹介です。と思いましたが、よく調べるとあまり怪しくありませんでした。
Encore mDACはHeadFiで良いレビューを見かけて興味を持って買ってみたDAC内蔵のポータブルアンプです。レビューではPICO DAC/AMPの組み合わせより良いような雰囲気で、価格の割には期待以上だったという感じです。US$129ですので、ほんとうかいなという感じですが書いてたのが信頼おけるHeadphoneAddictなのでちょっと買ってみたしだいです。
そのあとにnuforceのJasonが書き込みして、実はmDACはuDAC3の後にデザインしたものでチャージャーやアンプを向上させたものだと書いてました。uDAC4となるべきものだったのでしょうか、その後にブランドをEncoreとして販売したものだそうです。調べてみるとEncoreは香港でのnuforceの代理店のようですが、おそらく自ブランドで製品をもちたいということではないかと思います。あるいはnuforceのIcon系の低価格品を移管するのかもしれませんが、そこまでは分かりません。
いずれにせよ性能の高さの秘密のひとつはこれが実質的にnuforceの設計だということが分かります。
またフランスで賞を取ったということでむこうの雑誌に詳細な記事があります。Quobzなので、スマートフォンでストリーミングを聞くときの機材によいですよ、ということでしょうか。ここで内部写真も見られます。DAC-ICはES9023で、アンプICはTPA6133Aということのようです。ちなみにES9023は直接2Vのラインレベル電圧出力が取り出せるので回路を単純化できます。
http://www.qobuz.com/fr-fr/info/Hi-Fi-Guide/Bancs-d-essai/Encore-mDAC-en-exclusivite176113
mDACはとてもシンプルなDAC内蔵のポータブルヘッドフォンアンプです。入力はUSB (microUSB)のみでアシンクロナス対応です。最大は96/24です。おそらくUSBオーディオクラス1でしょう。つまりドライバーレスです。(ホームページのUSB1.1/2.0はオーディオクラスではないと思います)
スマートフォン向けをかなり意識していると思いますが、まず添付のケーブルがOTGなのでAndroid接続用ですね。またUSBの口が二つあって、片側は再生用の入力ですが、片側はチャージ専用です。おそらく再生用はセルフパワーなのだと思います。つまりxDuooみたいにチャージon/offスイッチがない代わりにUSBの口が二つあるということなのでしょう。
DSD64対応とフランスのサイトの表にありますが(本文読んでませんけど)、AudirvanaにつなげてみるとDSDのサポートはないことが分かります。
出力はヘッドフォン端子(ステレオミニ)のみです。他にはボリュームのアップ・ダウンボタンがあります。これは読んでみるとデジタルではなく内部的にはアナログボリュームでステップをデジタルでコントロールしているということ。Dragonfly形式ですね。
また内部的にはDC-DCコンバータで昇圧をしてアンプ部分の電圧を稼いでいるようです。Xinの昔からこれはあるんですが、最近のは進歩してかなり静粛化したようですね。また回路的にはコンデンサーレスが特徴です。
ちょっと問題はバッテリーの持ちが6時間というところでしょうか。
私はeBayで香港の人から買いました。おそらくEncore関係者ではないかと思います。国慶節というのに即日発送してくれて、国際送料もなしとなかなか良かったのですが、いまどきの円安から14000円くらいにはなってしまいます。それでもまだ安いですが。。ちなみにAmazon(USA)で買える人にはレビューを書けば25%オフというクーポンをJasonが書いています。
iPhone5sとの大きさ比較
届いてみるとたしかにかなりコンパクトです。つくりもヘアライン仕上げがきれいで$129ではこの時点でも満足感が高いでしょう。
右はQuickStep
パッケージにはAndroid用にUSB OTGケーブルが入っています。マニュアルは簡単なものがついてきます。はじめに4時間ほど充電するように指示があります。
電源オンは3秒間押し続けで、オフも同じです。またオートパワーオフがないという質実剛健仕様なので、使用を終えるときには注意が必要です。
LEDは赤になるとチャージで、青がデータ再生中です。家で使うときはチャージUSBとデータUSBを両方使うこともできます。
mDACの使い方としてはPC/Macに接続する方法と、スマートフォンで使う方法があります。
PC/Macでは単にmicroUSB Bのケーブルに接続するだけです。標準ドライバーのクラス1だと思うので、PC/Macにおいてはドライバーインストールは不要です。
まずPC/Macに須山さんケーブルを使ってmDACを接続して、Edition8で聞いてみました。
音の特徴は歯切れがよくスピード感があることで、透明感に優れています。それでいてドライや分析的に陥ることなく、音楽的というほどでもないけれどもわりとなめらかで聴きやすさを持っています。この辺はさすがnuforce設計かもしれません。
音はわりとニュートラルで、コンデンサーレスであることも関係しているかもしれません。またベースのインパクトもけっこうあって、Edition8あたりを使うとかなり満足感の高いベースサウンドが楽しめます。
スマートフォンでも同様に接続するだけですがホスト接続ですので、iPhoneではカメラコネクションキット、ZX1ではNWH10、そのほかのAndroidではOTGケーブルが必要です。またAndroidではUSB Audio Player Proを使うことでどの端末でも接続が可能になります。
Walkman ZX1⇒NWH10⇒FitEar USB microBケーブル
iPhone5S⇒Lightningカメラアダプタ(CCK)⇒FitEar USB microBケーブル
外で使うときはさらに短くするため、直結プラグを使用してみました。
Walkman ZX1⇒NWH10⇒USB A/Micro B直結プラグ
直結プラグだとケーブルの固有着色が少なくなり、よりニュートラルに鮮度感も高くなるように感じます。使っているとやや暖かくなりますが、それほど熱くはなりません。電池の持ちについては、朝にWalkman ZX1とmDACをフルチャージにしておいて、同時に使ったところZX1の方が先に切れたので実用上はあんまり問題にならなそうです。
この組み合わせでの音質はかなり優れています。静粛で高感度イヤフォンでもヒスノイズが乗るということはありません。XinのころはDC-DCブースト方式だとかなりノイズが乗りましたが、さすがに進んでいます。
全体的に音質レベルも価格を考えるとかなり高く、コンパクトでスマートフォンにも向いているところがなかなか魅力的と言えるでしょう。特にWalkman ZX1でも動作するということでZX1ユーザーにはお勧めです。
*追記 10/12 21:03
どうやらnuforceは分裂したようで、表にたっていたJasonが外に出て新しいブランドを立ち上げている、というのが実際のところのようです。
Encore mDACはHeadFiで良いレビューを見かけて興味を持って買ってみたDAC内蔵のポータブルアンプです。レビューではPICO DAC/AMPの組み合わせより良いような雰囲気で、価格の割には期待以上だったという感じです。US$129ですので、ほんとうかいなという感じですが書いてたのが信頼おけるHeadphoneAddictなのでちょっと買ってみたしだいです。
そのあとにnuforceのJasonが書き込みして、実はmDACはuDAC3の後にデザインしたものでチャージャーやアンプを向上させたものだと書いてました。uDAC4となるべきものだったのでしょうか、その後にブランドをEncoreとして販売したものだそうです。調べてみるとEncoreは香港でのnuforceの代理店のようですが、おそらく自ブランドで製品をもちたいということではないかと思います。あるいはnuforceのIcon系の低価格品を移管するのかもしれませんが、そこまでは分かりません。
いずれにせよ性能の高さの秘密のひとつはこれが実質的にnuforceの設計だということが分かります。
またフランスで賞を取ったということでむこうの雑誌に詳細な記事があります。Quobzなので、スマートフォンでストリーミングを聞くときの機材によいですよ、ということでしょうか。ここで内部写真も見られます。DAC-ICはES9023で、アンプICはTPA6133Aということのようです。ちなみにES9023は直接2Vのラインレベル電圧出力が取り出せるので回路を単純化できます。
http://www.qobuz.com/fr-fr/info/Hi-Fi-Guide/Bancs-d-essai/Encore-mDAC-en-exclusivite176113
mDACはとてもシンプルなDAC内蔵のポータブルヘッドフォンアンプです。入力はUSB (microUSB)のみでアシンクロナス対応です。最大は96/24です。おそらくUSBオーディオクラス1でしょう。つまりドライバーレスです。(ホームページのUSB1.1/2.0はオーディオクラスではないと思います)
スマートフォン向けをかなり意識していると思いますが、まず添付のケーブルがOTGなのでAndroid接続用ですね。またUSBの口が二つあって、片側は再生用の入力ですが、片側はチャージ専用です。おそらく再生用はセルフパワーなのだと思います。つまりxDuooみたいにチャージon/offスイッチがない代わりにUSBの口が二つあるということなのでしょう。
DSD64対応とフランスのサイトの表にありますが(本文読んでませんけど)、AudirvanaにつなげてみるとDSDのサポートはないことが分かります。
出力はヘッドフォン端子(ステレオミニ)のみです。他にはボリュームのアップ・ダウンボタンがあります。これは読んでみるとデジタルではなく内部的にはアナログボリュームでステップをデジタルでコントロールしているということ。Dragonfly形式ですね。
また内部的にはDC-DCコンバータで昇圧をしてアンプ部分の電圧を稼いでいるようです。Xinの昔からこれはあるんですが、最近のは進歩してかなり静粛化したようですね。また回路的にはコンデンサーレスが特徴です。
ちょっと問題はバッテリーの持ちが6時間というところでしょうか。
私はeBayで香港の人から買いました。おそらくEncore関係者ではないかと思います。国慶節というのに即日発送してくれて、国際送料もなしとなかなか良かったのですが、いまどきの円安から14000円くらいにはなってしまいます。それでもまだ安いですが。。ちなみにAmazon(USA)で買える人にはレビューを書けば25%オフというクーポンをJasonが書いています。
iPhone5sとの大きさ比較
届いてみるとたしかにかなりコンパクトです。つくりもヘアライン仕上げがきれいで$129ではこの時点でも満足感が高いでしょう。
右はQuickStep
パッケージにはAndroid用にUSB OTGケーブルが入っています。マニュアルは簡単なものがついてきます。はじめに4時間ほど充電するように指示があります。
電源オンは3秒間押し続けで、オフも同じです。またオートパワーオフがないという質実剛健仕様なので、使用を終えるときには注意が必要です。
LEDは赤になるとチャージで、青がデータ再生中です。家で使うときはチャージUSBとデータUSBを両方使うこともできます。
mDACの使い方としてはPC/Macに接続する方法と、スマートフォンで使う方法があります。
PC/Macでは単にmicroUSB Bのケーブルに接続するだけです。標準ドライバーのクラス1だと思うので、PC/Macにおいてはドライバーインストールは不要です。
まずPC/Macに須山さんケーブルを使ってmDACを接続して、Edition8で聞いてみました。
音の特徴は歯切れがよくスピード感があることで、透明感に優れています。それでいてドライや分析的に陥ることなく、音楽的というほどでもないけれどもわりとなめらかで聴きやすさを持っています。この辺はさすがnuforce設計かもしれません。
音はわりとニュートラルで、コンデンサーレスであることも関係しているかもしれません。またベースのインパクトもけっこうあって、Edition8あたりを使うとかなり満足感の高いベースサウンドが楽しめます。
スマートフォンでも同様に接続するだけですがホスト接続ですので、iPhoneではカメラコネクションキット、ZX1ではNWH10、そのほかのAndroidではOTGケーブルが必要です。またAndroidではUSB Audio Player Proを使うことでどの端末でも接続が可能になります。
Walkman ZX1⇒NWH10⇒FitEar USB microBケーブル
iPhone5S⇒Lightningカメラアダプタ(CCK)⇒FitEar USB microBケーブル
外で使うときはさらに短くするため、直結プラグを使用してみました。
Walkman ZX1⇒NWH10⇒USB A/Micro B直結プラグ
直結プラグだとケーブルの固有着色が少なくなり、よりニュートラルに鮮度感も高くなるように感じます。使っているとやや暖かくなりますが、それほど熱くはなりません。電池の持ちについては、朝にWalkman ZX1とmDACをフルチャージにしておいて、同時に使ったところZX1の方が先に切れたので実用上はあんまり問題にならなそうです。
この組み合わせでの音質はかなり優れています。静粛で高感度イヤフォンでもヒスノイズが乗るということはありません。XinのころはDC-DCブースト方式だとかなりノイズが乗りましたが、さすがに進んでいます。
全体的に音質レベルも価格を考えるとかなり高く、コンパクトでスマートフォンにも向いているところがなかなか魅力的と言えるでしょう。特にWalkman ZX1でも動作するということでZX1ユーザーにはお勧めです。
*追記 10/12 21:03
どうやらnuforceは分裂したようで、表にたっていたJasonが外に出て新しいブランドを立ち上げている、というのが実際のところのようです。
2014年09月07日
スマートフォンのハイレゾ再生とDAC活用のまとめ
現時点でのスマートフォンのハイレゾ再生の対応とDACの活用についてまとめてみました。(以下スマートフォンと書いてあるところはタブレットもほぼ同様です)
また私のメモみたいなものでもあるので不明なところはそのように書いています。
このページは随時更新します
(最終更新 2014/9/3)
(最終更新 2014/9/3)
iOS | Android | ||||
スマートフォン単体での ハイレゾ再生 | 対応状況 | × サポートなし | △ 機種による (LG G2やGalaxy Tablet 3など) | ||
要件 | アプリ | ダウンサンプリングでの再生は可 | ハイレゾ再生にはメーカー標準アプリ要のはず (Appendix2) | ||
OS | × | △ 機種による(ベンダー依存) | |||
外部DAC 使用 | アクセサリーモード | 対応状況 | PCM | PCM44/16まで (96/24可? *1) | PCM44/16まで |
DSD | 対応できない | 対応できない | |||
要件 | DAC | iDevice対応 | AOA2.0対応 | ||
ケーブル | ライトニング(または30pin)-USB A | Micro B - USB A | |||
アプリ | 依存しない *1 | 依存しない | |||
OS | すべて対応 | OS 4.1以上 (AOA機能実装のため) | |||
ホストモード | 対応状況 | PCM | 192kHzまで可能 (384kHz ?) | 基本44/16まで。ハイレゾはソフト依存 | |
DSD | アプリ依存のネイティブ対応可能(DoP) *3 | アプリ依存のネイティブ対応可能(DoP) *4 | |||
要件 | DAC | USB Audio Class1.0対応以上 (ハイレゾならクラス2.0) 消費電力制限あり *2 | USB Audio Class1.0対応 消費電力制限は不明確 | ||
ケーブル | カメラコネクションキット | USB OTG MicroB - MicroB | |||
アプリ | CD品質では依存しない DSDはアプリ対応が要 *3 | CD品質では依存しない ハイレゾ/DSDはアプリ対応が要 *4 | |||
OS | iPad : iOS4.1以上 (ハイレゾは4.2以降) iPhone: iOS7.0以上 | 基本的に4.0以上(ホスト機能のため) 他は機種依存。Appendix 2参照。 |
*1 A&K AK10はハイレゾ可能との情報。その場合アプリもハイレゾ対応が必要。 |
*2 バスパワーの場合はHerusのような低消費電力タイプが必要。 それ以外ではバッテリーを使用したセルフパワーが必要。 |
*3 iOSでは標準のMusicでも24bit透過をサポートしている。 PCMハイレゾならFLAC PlayerやHF Player、DSDならHF PlayerかHibikiなど |
*4 USB Audio Player Proやメーカー依存アプリなど |
iPhoneとHerus
カメラコネクションキットをホストモードで使用し、直接変換プラグでB端子に入力
Appendix 1 : アクセサリーモードとホストモードの違いについて
オーディオに限らず基本的なことですが、USBは規格上で機器関係は平等ではなく、一方がホストとなり、もう一方がデバイス(アクセサリー)となるように定められています。これはUSBのポートの形でも判別できます。A端子がついてるとホスト機器で、B端子がついているとデバイスです。なお最近C端子が規格化されましたが、これは両方を兼ねます。
ふつうPCでUSB機器を使用するときは常にPCがホストですが、スマートフォンはホストにもデバイス(アクセサリー)にもなりえます。そのためUSB機器の接続はスマートフォンがデバイス(アクセサリー)モードの場合とホストモードの場合に分けられます。
ふつうPCでUSB機器を使用するときは常にPCがホストですが、スマートフォンはホストにもデバイス(アクセサリー)にもなりえます。そのためUSB機器の接続はスマートフォンがデバイス(アクセサリー)モードの場合とホストモードの場合に分けられます。
アクセサリーモードではアクセサリープロトコルに対応した特別なDACが必要です(例 Fostex HP-P1)。アクセサリーモードではスマホが周辺機器側になるため消費電力で有利ですが、アクセサリープロトコルによってデジタルの転送レートが制限されるという問題があります。
AppleではiPodのころからアクセサリーモードでのデジタル出力に対応していました。はじめの対応機種はWADIAのiTransportで2008年頃です。一般にiOSではアクセサリープロトコル対応DACはiDevice対応DACと呼ばれます。
Androidではかなり遅れて2013年のOS4.1からAndroid Open Accessesaryプロトコルのv2.0でUSB Audioが定められました(下記の記事)。このUSB Audioはよく勘違いされますが、USB オーディオクラスドライバーのことではありません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/278202078.html
Androidではアクセサリープロトコル対応DACはAOA対応DACと呼ばれます。(例 TEAC HP50)
AppleではiPodのころからアクセサリーモードでのデジタル出力に対応していました。はじめの対応機種はWADIAのiTransportで2008年頃です。一般にiOSではアクセサリープロトコル対応DACはiDevice対応DACと呼ばれます。
Androidではかなり遅れて2013年のOS4.1からAndroid Open Accessesaryプロトコルのv2.0でUSB Audioが定められました(下記の記事)。このUSB Audioはよく勘違いされますが、USB オーディオクラスドライバーのことではありません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/278202078.html
Androidではアクセサリープロトコル対応DACはAOA対応DACと呼ばれます。(例 TEAC HP50)
ホストモードでは基本的にPCオーディオのUSB DAC接続と同じ接続形態となります。そのためアクセサリーモードのようにアクセサリープロトコルに対応した特別なDACを必要としませんが、USB DACが標準ドライバー(USB Audio Class)対応である必要があります。カスタムドライバーのインストールが必要であるDACは使用できません。これはiOSでもAndroidでも3rdパーティードライバーのインストールができないためです。なぜかというと、まずふつうは管理者になれない(rootを取れない)こと、そしてOS自体にドライバーを動的に組み込む仕組みがないからです(Macのカーネルエクステンションのようなカーネルの動的リンク機能です)。例外はアプリ自体にドライバーを内蔵しているAndroidのUSB Audio Player/Recorder proです。
またホストモードの場合はDACには消費電力制限があります(iOSはきびしくAndroidは緩い)。このため特にiOSの場合はDACはセルフパワー(例 iDSD micro)であるか、バスパワーの消費電力が非常に低いか(例 Herus)のどちらかが必要です。
またホストモードの場合はDACには消費電力制限があります(iOSはきびしくAndroidは緩い)。このため特にiOSの場合はDACはセルフパワー(例 iDSD micro)であるか、バスパワーの消費電力が非常に低いか(例 Herus)のどちらかが必要です。
簡単にそれぞれの特徴をまとめると以下の通りです。
アクセサリーモード
1.スマホの電力消費が少ない
2 対応サンプルレートの制限あり
3. 特別対応DACが必要
2 対応サンプルレートの制限あり
3. 特別対応DACが必要
ホストモード
1. 電力消費制限あり
2.サンプルレートは比較的自由
3. 汎用なDACを使用できる
2.サンプルレートは比較的自由
3. 汎用なDACを使用できる
* さきに書いたようにアクセサリーモードとホストモードはスマートフォンとUSBデバイスの接続について一般的なことであり、オーディオに限りません。たとえばAndroidのADKではアクセサリーモード接続です。これはAndroid周辺機器の開発目的なので本来はAndroidはホストモードになるところですが、消費電力を考慮してのことです。
Appendix 2 : iOSとAndroid基本ソフトのハイレゾ対応について
Macのころから音楽分野に通じていたAppleではオーディオインターフェースへの取り組みも早く、iOSでは2010年のiPadの発売当時から標準のUSB オーディオクラスドライバーが搭載されていました。はじめはCD品質(オーディオクラス1)でしたが、iOS4.2でハイレゾ対応となりアシンクロナス転送に対応しました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/164939985.html
http://vaiopocket.seesaa.net/article/164939985.html
iOSから真のハイレゾが出せるかどうかについてはすでに2011年に下記の検証をしています。このときは規格上のある問題もあってWavelengthのゴードンさんとハイレゾが出るかどうかについてCA上で論争したこともあるのですが(下記記事の中に言及してます)、結局はこの検証であのゴードンさんも認めてくれました。
Androidはアクセサリープロトコルと同様にこの点でもかなり遅れていて、現時点ではOSに標準のUSBオーディオクラスドライバーは搭載されていません。Androidでは次バージョンのAndroid LでUSB オーディオクラスドライバーが搭載される予定です。この時点でホストモードでのUSB DACが使えるようになります。
ただしAndroidはベンダーのカスタマイズの幅が広いのでベンダーがすでに独自で搭載していることがあります。たとえばサムソンはGalaxy S3あたりからホストモードでの使用ができました。また改変カーネルをユーザーがインストールすることもできます。これにはルート権限が必要です。
もうひとつの手段としてはeXtreamのアプリであるUSB Audio Player/Recorder proを使用する方法があります。
ちなみにAndroidのスマートフォンOSの制限ということで言うとホストモードを使用する最低限の制限はAndroid OS 4.0以上ということになります。これはUSBホストモードをはじめてサポートしたのがTablet版の3.xであり、3.xはスマートフォンがないので、スマートフォンとしては4.0が最低限となります。
つまりAndroid OSでのDACサポートは以下のような経緯となります。
4.0(ICS) OSでホストモード接続のサポート → ベンダー対応機種かeXtreamソフトを使ったホストモードでのDAC接続が可能
4.1(Jerry Bean) USB Audio(AOA2.0)のサポート → 標準的にアクセサリーモードでのDAC接続が可能
4.5(L) オーディオクラスドライバーのサポート(予定) → 標準的にホストモードでのDAC接続が可能
4.1(Jerry Bean) USB Audio(AOA2.0)のサポート → 標準的にアクセサリーモードでのDAC接続が可能
4.5(L) オーディオクラスドライバーのサポート(予定) → 標準的にホストモードでのDAC接続が可能
またAndroidでは標準の音声システム(ミキサーを含む)であるAudioFlingerとフレームワークであるメディアライブラリーはハイレゾに対応していません。そもそもデータ型が16bitタイプしかありません。そのためALSAなどLinuxレベルの音声システムをJNIなどのインターフェースを使用してAndroidの世界と結び付けてハイレゾ対応するのが一般的だと思います。これには非標準のライブラリを必要とするため、ハイレゾ対応アプリは注意が必要です。この辺の記事をご覧ください。
ちなみにAndroidの音楽分野への取り組みでは、4.1以降はこれらの取り組みに加えて低レイテンシー化が図られています。
Appendix 3. DACとの接続ケーブル
アクセサリーモードではDACがホストでありUSB A側であるため、USB A->スマートフォン端子の形状のUSBケーブルが必要です。スマートフォン端子は旧iOS機では30ピンであり、現行iOS機はライトニングです。AndroidではMicroUSBとなります。例外はiriver AK10でAK10側は独自端子です。
ホストモードではスマートフォンがホストになりますのでスマートフォン側は本来はUSB A端子でなければなりません。しかしスマートフォン側は通常デバイス側特有(iOS)かB端子(Android)ですので、これを変換する必要があります。それがiOSではカメラコネクションキットであり、AndroidではOTGケーブルです。DAC側はデバイスとなりますのでUSB B端子となります。
ホストモードではスマートフォンがホストになりますのでスマートフォン側は本来はUSB A端子でなければなりません。しかしスマートフォン側は通常デバイス側特有(iOS)かB端子(Android)ですので、これを変換する必要があります。それがiOSではカメラコネクションキットであり、AndroidではOTGケーブルです。DAC側はデバイスとなりますのでUSB B端子となります。
2014年08月05日
Android LとUSBオーディオのその後
以前の記事で次のAndroid LにおいてUSBオーディオクラスドライバーがいよいよ標準搭載されると書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/401303801.html
しかしながらその後、GoogleのIssue 24614は再びAssignedに戻ってReleaseが取り消されました。
http://code.google.com/p/android/issues/detail?id=24614
実際Android Lのプレビューにはこのドライバーのコードは入っているようですが、さまざまなユースケースを試してみるといろいろと問題があったようです。やはりAndroidはさまざまなハードがありますからね。
やりたい情熱がほとばしりすぎてちょっと早まってしまったということですが、なんとか完全ではなくてもLで導入したいということですので、期待して待っていたいところです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/401303801.html
しかしながらその後、GoogleのIssue 24614は再びAssignedに戻ってReleaseが取り消されました。
http://code.google.com/p/android/issues/detail?id=24614
実際Android Lのプレビューにはこのドライバーのコードは入っているようですが、さまざまなユースケースを試してみるといろいろと問題があったようです。やはりAndroidはさまざまなハードがありますからね。
やりたい情熱がほとばしりすぎてちょっと早まってしまったということですが、なんとか完全ではなくてもLで導入したいということですので、期待して待っていたいところです。
2014年07月08日
Android LでついにUSBオーディオクラスドライバをサポート
Androidをデジタル出力対応にするには、いまはサムソンのようにベンダーがオーディオクラスドライバを搭載させるか、TEACのようにDACをAOA対応にするか、USB recorder pro/Player proなどのドライバ搭載アプリを使うか、ルートを取って改変カーネルを入れるか、のいずれかでした。
対してiPhone/iPadではすっきりとiOSにUSBオーディオクラスドライバがiOS4.2(iPhoneは7)のころから採用されています。ちなみにAOAに相当するアクセサリ・プロトコルはiPodのころからありました。
以前、下記記事でAndroidでのUSBオーディオクラスドライバ採用の可能性に言及しました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/369632860.html
それが先日発表されたAndroidの最新バージョンLでついに搭載されるようです。
まず上記のissue 24641がついにステータスがリリースに変わってます。ネット上の記事もL previewに入ってることを示唆しています。
http://www.androidpolice.com/2014/07/04/android-l-feature-spotlight-android-now-natively-supports-usb-audio-out/
Android Lを搭載するだろう次期Nexusタブレットでも標準でUSB DACに対応できそうです。
またUSB Audio player proでは最近DoPに対応したようです。そしてDalvikに変わるLでの新しい仮想マシンARTはOSの64bit化を約束するとともに、オーディオアプリの性能も上げるでしょう。
Androidも強力なオーディオプラットフォームに進みつつあります。
対してiPhone/iPadではすっきりとiOSにUSBオーディオクラスドライバがiOS4.2(iPhoneは7)のころから採用されています。ちなみにAOAに相当するアクセサリ・プロトコルはiPodのころからありました。
以前、下記記事でAndroidでのUSBオーディオクラスドライバ採用の可能性に言及しました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/369632860.html
それが先日発表されたAndroidの最新バージョンLでついに搭載されるようです。
まず上記のissue 24641がついにステータスがリリースに変わってます。ネット上の記事もL previewに入ってることを示唆しています。
http://www.androidpolice.com/2014/07/04/android-l-feature-spotlight-android-now-natively-supports-usb-audio-out/
Android Lを搭載するだろう次期Nexusタブレットでも標準でUSB DACに対応できそうです。
またUSB Audio player proでは最近DoPに対応したようです。そしてDalvikに変わるLでの新しい仮想マシンARTはOSの64bit化を約束するとともに、オーディオアプリの性能も上げるでしょう。
Androidも強力なオーディオプラットフォームに進みつつあります。
2014年06月05日
AppleがMFIを拡張し、ライトニングでヘッドフォン接続可能に
つい先日のAppleのWWDCキーノートは直前のBeatsの買収から、iTunesのハイレゾ対応などオーディオ関係の発表も期待されていたところです。しかし実際はSwift(Objective-C without C)がメインだった?と思わせるようないまひとつの内容ではありました。
しかしながら、確実にBeats買収の意味が少し見えるような変化が実はひそかにあったようです。
下記の9to5Macの情報が伝えるところによると、
http://9to5mac.com/2014/06/03/apple-introduces-mfi-specs-for-lightning-cable-headphones-support-arriving-in-future-ios-update/
AppleはMFI(Made for iPod/iPhone)を拡張して、ライトニングケーブルでヘッドフォンが接続できるようにしたようです。
ここでは48kHzを受けられるとしていますが、もちろんDAC内蔵のヘッドフォンを想定しています。仕様はさらにスタンダードとアドバンストがあって、アドバンストではDSP使用が記述されノイズキャンセリングなどのサポートがあるようです。
スタンダードではDACとしてWM8533が指定されています。Wolfsonはどうなるというのはさておいて、このWM8533というのは2年ほど前に下の記事で書きましたが、30ピン/ライトニングアダプタの中に入っていたDACです。バスパワー動作でラインレベル出力が取り出せるタイプです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/302004727.html
またマイクの使用も想定されています。
ちょっと動き出したようですが、このさきも楽しみなところです。
しかしながら、確実にBeats買収の意味が少し見えるような変化が実はひそかにあったようです。
下記の9to5Macの情報が伝えるところによると、
http://9to5mac.com/2014/06/03/apple-introduces-mfi-specs-for-lightning-cable-headphones-support-arriving-in-future-ios-update/
AppleはMFI(Made for iPod/iPhone)を拡張して、ライトニングケーブルでヘッドフォンが接続できるようにしたようです。
ここでは48kHzを受けられるとしていますが、もちろんDAC内蔵のヘッドフォンを想定しています。仕様はさらにスタンダードとアドバンストがあって、アドバンストではDSP使用が記述されノイズキャンセリングなどのサポートがあるようです。
スタンダードではDACとしてWM8533が指定されています。Wolfsonはどうなるというのはさておいて、このWM8533というのは2年ほど前に下の記事で書きましたが、30ピン/ライトニングアダプタの中に入っていたDACです。バスパワー動作でラインレベル出力が取り出せるタイプです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/302004727.html
またマイクの使用も想定されています。
ちょっと動き出したようですが、このさきも楽しみなところです。
2014年04月12日
Foobar2000がモバイル版をクラウドファンディングで立ち上げ
最近オーディオ分野でも応用が目立ってきたクラウドファンディングですが、Foobar2000の作者がdBpowerAmpと組んでモバイル版(iOS,Android)のFoobar2000をクラウドファンディングで立ち上げようとしています。クラウドファンディングはKickstarterを使っています。
https://www.kickstarter.com/projects/1977265610/foobar2000-mobile
ちょっと見ると面白そうですが、このプロジェクトを見ると二つの点が気になります。
一つ目はFoobar2000の良さの一つであるコンポーネントによる進化・カスタマイズについて触れられてないことです。
iOSはセキュリティのためにサンドボックスという仕組みを設けているために、こうした点ではもともと不向きです。サンドボックスと言うのはあるアプリが保護された空間でのみ実行できる仕組みで、このため他のアプリのファイルも読みにいけません。Androidももっとゆるいですが似たような仕組みになってます。
つまり機能拡張できるのはアプリ開発者がビルドして更新するしかありません。
(ちなみにiOSではサードパーティードライバーがインストール出来ないのは管理者権限もありますが、そもそもMacOSと違ってカーネル拡張の仕組み(Kext - 動的リンク)がありません)
その代わりモバイルFoobarではソーシャルやクラウドを生かした仕組みを提案してますが、それもストレッチゴール(目標達成後)での実現ですし、カスタマイズ自在というFoobarとは別物になると思ったほうが良さそうです。
もう一点はクラウドファンディングとしてのうまみ(特典)が薄いことです。
Tシャツやイヤフォンなどもありますが、これならいらないよ、という感じ。クラウドファンディングとしては製品を安くほしいところですが、大体がベータテスターになれる権利で100ポンド以上と高いです。
製品版は無料と有料版(全機能)になるようです。有料版のロック解除コードがPerkになってれば良いんですけれども。
以上の点からFoobarに思い入れがあってどうしても支援してあげたい、レポートして行きたい、という向きには良いですが、私は単に製品が出て良さそうなら買うということにしようかと思います。立ち上がりもやはり鈍いですね。とはいえ、期間中にどうなるかわからないのもクラウドファンディングなんでウオッチは入れてます。
Foobarの良さは他にWinAmpくらいしか選択肢のない時代にあったと言う点もありますが、しかしいまはもうモバイルの世界にはNeutronとかHF Playerとかオーディオ向けとしては高度なものがありますからね。おそらくはこうしたオーディオ向けというより、いまPCの世界でもそうであるように一般向けとオーディオファイル向けのブリッジ的なところに行くとは思います。
さてFoobarというブランドをどう生かして行くのか。
*4/14 プロジェクトはキャンセルされました
https://www.kickstarter.com/projects/1977265610/foobar2000-mobile
ちょっと見ると面白そうですが、このプロジェクトを見ると二つの点が気になります。
一つ目はFoobar2000の良さの一つであるコンポーネントによる進化・カスタマイズについて触れられてないことです。
iOSはセキュリティのためにサンドボックスという仕組みを設けているために、こうした点ではもともと不向きです。サンドボックスと言うのはあるアプリが保護された空間でのみ実行できる仕組みで、このため他のアプリのファイルも読みにいけません。Androidももっとゆるいですが似たような仕組みになってます。
つまり機能拡張できるのはアプリ開発者がビルドして更新するしかありません。
(ちなみにiOSではサードパーティードライバーがインストール出来ないのは管理者権限もありますが、そもそもMacOSと違ってカーネル拡張の仕組み(Kext - 動的リンク)がありません)
その代わりモバイルFoobarではソーシャルやクラウドを生かした仕組みを提案してますが、それもストレッチゴール(目標達成後)での実現ですし、カスタマイズ自在というFoobarとは別物になると思ったほうが良さそうです。
もう一点はクラウドファンディングとしてのうまみ(特典)が薄いことです。
Tシャツやイヤフォンなどもありますが、これならいらないよ、という感じ。クラウドファンディングとしては製品を安くほしいところですが、大体がベータテスターになれる権利で100ポンド以上と高いです。
製品版は無料と有料版(全機能)になるようです。有料版のロック解除コードがPerkになってれば良いんですけれども。
以上の点からFoobarに思い入れがあってどうしても支援してあげたい、レポートして行きたい、という向きには良いですが、私は単に製品が出て良さそうなら買うということにしようかと思います。立ち上がりもやはり鈍いですね。とはいえ、期間中にどうなるかわからないのもクラウドファンディングなんでウオッチは入れてます。
Foobarの良さは他にWinAmpくらいしか選択肢のない時代にあったと言う点もありますが、しかしいまはもうモバイルの世界にはNeutronとかHF Playerとかオーディオ向けとしては高度なものがありますからね。おそらくはこうしたオーディオ向けというより、いまPCの世界でもそうであるように一般向けとオーディオファイル向けのブリッジ的なところに行くとは思います。
さてFoobarというブランドをどう生かして行くのか。
*4/14 プロジェクトはキャンセルされました
2014年02月05日
TEACからAOA2.0対応のポータブルヘッドフォンアンプHA-P50登場
Teacからポータブルヘッドホンアンプ"HA-P50"が発表されました。
http://teac.jp/product/ha-p50/overview/
これがAK240、Hugoに続くポタ研での第三の発表会ということになるわけですね。
http://www.fujiya-avic.jp/blog/?p=12577
SONY、ビクターに続いてメジャーメーカーがポータブルヘッドフォンアンプを開発するということともに、このHA-P50の一番のポイントはアンドロイドアクセサリープロトコル - Android Open Accessory Protocol 2.0(AOA2.0)に対応したことです。この方式を採用したDACは量産機では初めて見ました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/278202078.html
これが本当のAndroidの"USB Audio"です。いままでAndroidでUSB DACを使用していたのはサムソンなどに見られるベンダー依存のUSBオーディオクラスドライバーを実装したものです。つまりAndroidの機種によって使えたり使えなかったりします。これがAndroidでUSB DACの対応にばらつきがあった理由です。この方式では最低条件はAndroid4.0です(ホスト機能が必要になるため)。
一方でAOA2.0はAndroid4.1が条件となり、これであれば一様に対応できるはずです(いままでなかったのでどんな問題があるのかわかりませんが)。この方式はいままでは4.1のリファレンスで作られたArduino機だけが実装していたと思います。(ASUSのドックはこの方式はとらなかった)
AndroidでのUSB DAC使用については下記記事にまとめていますのでご参考まで。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/281978580.html
一方でAndroidでは上記のクラスドライバーを標準にするという動きもありますのでこちらも注意が必要です。(なぜかいまはステータスがNewになっていますが)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/369632860.html
またHA-P50ではiOSにおいてはカメラコネクションキットなしでの96/24のUSBデジタル接続を書いていますが、これはA&K AK10で見られるいわゆるiDeviceでのUSBデジタル出力だと思います。これもいままでは48/16が最大と思っていましたが、実はそうではなさそうというのは下記で書きました。ただしこれは私の推測によるものです、念のため。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/383575955.html
ちなみにこのiDeviceデジタルと一般に言われている方式も実体はiPod(iPhone)アクセサリープロトコル via USBだったと思います。アクセサリープロトコル、というのはつまりプレーヤー(DAPやスマホ)がデバイスという意味です。HA-P50の場合はUSB端子がAであることからこのことがわかりますね。対してクラスドライバー方式はプレーヤーがホストになります。
AndroidのADKもこれを利用していますが、プレーヤーをデバイスにする利点はプレーヤーの電源消費を抑えられることがあげられます。
http://teac.jp/product/ha-p50/overview/
これがAK240、Hugoに続くポタ研での第三の発表会ということになるわけですね。
http://www.fujiya-avic.jp/blog/?p=12577
SONY、ビクターに続いてメジャーメーカーがポータブルヘッドフォンアンプを開発するということともに、このHA-P50の一番のポイントはアンドロイドアクセサリープロトコル - Android Open Accessory Protocol 2.0(AOA2.0)に対応したことです。この方式を採用したDACは量産機では初めて見ました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/278202078.html
これが本当のAndroidの"USB Audio"です。いままでAndroidでUSB DACを使用していたのはサムソンなどに見られるベンダー依存のUSBオーディオクラスドライバーを実装したものです。つまりAndroidの機種によって使えたり使えなかったりします。これがAndroidでUSB DACの対応にばらつきがあった理由です。この方式では最低条件はAndroid4.0です(ホスト機能が必要になるため)。
一方でAOA2.0はAndroid4.1が条件となり、これであれば一様に対応できるはずです(いままでなかったのでどんな問題があるのかわかりませんが)。この方式はいままでは4.1のリファレンスで作られたArduino機だけが実装していたと思います。(ASUSのドックはこの方式はとらなかった)
AndroidでのUSB DAC使用については下記記事にまとめていますのでご参考まで。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/281978580.html
一方でAndroidでは上記のクラスドライバーを標準にするという動きもありますのでこちらも注意が必要です。(なぜかいまはステータスがNewになっていますが)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/369632860.html
またHA-P50ではiOSにおいてはカメラコネクションキットなしでの96/24のUSBデジタル接続を書いていますが、これはA&K AK10で見られるいわゆるiDeviceでのUSBデジタル出力だと思います。これもいままでは48/16が最大と思っていましたが、実はそうではなさそうというのは下記で書きました。ただしこれは私の推測によるものです、念のため。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/383575955.html
ちなみにこのiDeviceデジタルと一般に言われている方式も実体はiPod(iPhone)アクセサリープロトコル via USBだったと思います。アクセサリープロトコル、というのはつまりプレーヤー(DAPやスマホ)がデバイスという意味です。HA-P50の場合はUSB端子がAであることからこのことがわかりますね。対してクラスドライバー方式はプレーヤーがホストになります。
AndroidのADKもこれを利用していますが、プレーヤーをデバイスにする利点はプレーヤーの電源消費を抑えられることがあげられます。
2014年01月11日
Westoneのミュージックアプリ
WestoneがiOS用の音楽再生アプリを開発しています。Sonic Max BBEをベースにしたものですが、Westoneのイヤフォンの機種ごとにプリセットされた設定をあらかじめ持っています。
ONKYOアプリのように自社製のイヤフォン・ヘッドフォンに合わせた最適なEQ設定を持ったアプリを作るというのもひとつのトレンドですね。下は再生画面です。
iTunesリンクはこちらです。
https://itunes.apple.com/jp/app/westoneaudio/id784259411?mt=8
ちなみにこのパターンではJVCバージョンのSonic Maxもあります。
https://itunes.apple.com/jp/app/sonicmax-pro-for-jvc/id496329233?mt=8
ONKYOアプリのように自社製のイヤフォン・ヘッドフォンに合わせた最適なEQ設定を持ったアプリを作るというのもひとつのトレンドですね。下は再生画面です。
iTunesリンクはこちらです。
https://itunes.apple.com/jp/app/westoneaudio/id784259411?mt=8
ちなみにこのパターンではJVCバージョンのSonic Maxもあります。
https://itunes.apple.com/jp/app/sonicmax-pro-for-jvc/id496329233?mt=8