Music TO GO!

2016年10月17日

究極のKatanaを求めて。Wagnusの交換ケーブルレビュー

Katanaは標準ケーブルでもこれ以上あるかというような高い明瞭感と透明感を感じさせます。ただKatanaを使うならやはり最高を目指したいということで、セミ純正的なWagnusのハイエンドケーブルを貸し出してもらって相性をみてみました。Frosty Sheepシリーズと「Katana専用」の開発番号#3ケーブルです。
以下はAK380+AMPで試聴しています。

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Noble Katana、標準ケーブル

1 Frosty Sheepシリーズ(MasteringとEmotional)

Frosty Sheepは1950年代の究極線材をつかったフラッグシップケーブル「Sieve Sheep」を根幹にし、現代の技術を追求し、より高精度かつ情報量を確保するための”最深”の設計を施した新たな現代版「Sieve Sheep」というハイエンドケーブルです。
Frosty Sheepシリーズは音質傾向の差で今回レビューした「Mastering edition」と「Emotional edition」の二種類と「Extream edition」があります。

「Mastering edition」は"ハイレベルなマスタリングスタジオでもこれほどの精度と音質を持つケーブルは無いと云えるほど"、というハイグレードなケーブルで、ニュートラルバランス、超高解像度で超広帯域、サウンドステージの広大さと音楽としての音楽ソースの良さを最大限に発揮させるというものです。
「Emotional edition」は、音楽性を重視してさらにsparkleさとスピード感とグルーヴ感をも両立させたというものです。
それぞれイヤーコネクタには京都オパールにより埋め込み装飾を行い、首元にはオプションとなりますが各種ストーン装飾とレジンとマテリアルによるオーロラアートワークを施すことが可能ということです。


1-1 Frosty Sheep Mastering edition (3.5mm single end 溝なし2pin)

Wagnusらしい白くて美しい仕上がりのやや太めのケーブルです。ハイグレードケーブルらしくやや硬めで柔らかくはないけれども、取り回しには問題ないくらいだと思います。

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Frosty Sheep Mastering edition

標準ケーブルに比べると透明感が一段と高くなり、解像力も一段高くなり、アカペラヴォーカルを聴くと声の表情がより細かくなり、音に硬さや粗さが減ってハーモニーもより厚く感じられます。
よりワイドレンジ感があり、低音域もより深く音が出るようになり、高音域もよく伸びてきれいに響くように感じられます。音バランスはよく整っていて低域もよく抑えられフラット基調をよく生かせます。

Frosty Sheepの特徴としては音楽がより整理されたように聴こえます。実際にコンサートホールで聴いている席を数席後ろに引いた感じで音場に余裕が感じられます。標準ケーブルがステージに近い迫力重視で、よくファンクラブ向けに確保されてるような席とたとえるならば、Mastering editionはゲネプロで監督が観客席の中央に陣取ってステージ全体を見渡すような席と言えるかもしれません。
たしかにモニター用の高級ケーブルというイメージで、プロデューサーとかエンジニアが音の全体像を見るのにモニターするのによいという感じです。
感じ。音楽ジャンルとしてはやはりクラシック向けと言えるかもしれません。

1-2 Frosty Sheep Emotional edition (3.5mm single end 溝なし2pin)

外観はMastering editionと同じで取り回しもほぼ同じです。

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Frosty Sheep Emotional edition

全体的にMasteringと似た感じの音の個性で同じくゲネプロの監督席と言えますが、より低音が迫力が出るようになり、Mastering editionのように低域が抑えられた感じではないようです。ロックやエレクトロ系の音でも適性が出てくる感じですね。色付けの少ないMasteringに比べると全体にやや暖かめになり、より音楽がなめらかで中高域の伸びはMasterin同様に良いですが、Masteringよりも少し柔らかく甘めで聴きやすくなます。よりビンテージ線的な感じでもあります。
これはFrosty Sheepの高音質がほしいけれども、よりポップロックを楽しみたい人に向いていると思います。

2 開発番号#3ケーブル(Single endとBalanced)

このまだ名のついてない開発番号#3ケーブルは、Katanaカスタム専用のオプションケーブルのことで、Katanaのために「フラッグシップ級の完全新作ケーブル」として開発したケーブルということです。
詳細は下記Wagnusページを参照してください。
http://wagnus.exblog.jp/24524376/

2-1 開発番号#3ケーブル (3.5mm 3極 single end)

細身でしなやかなケーブルで、コンパクトなKatanaによく合います。

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開発番号#3ケーブル

音としては標準ケーブルに印象の近い、よりステージよりの音で迫力重視ともいえます。
もちろん音質はかなり高く、標準ケーブルよりさらにクリアにベールをはがしたようにはっきりと聞こえます。標準ケーブルをそのままよりワイドレンジにした感じで、中高域はよりシャープになり、低音域はより躍動的に感じられます。
またFrosty Sheepにくらべるとやや中高域に強調感があり、Katanaの明瞭感・鮮明感をよりはっきりと生々しく感じられます。
標準ケーブルを高性能にした感じで、標準から変えた時の違和感は少ないと思います。

2-2 開発番号#3ケーブル (2.5mm balanced)

これはAstell & Kern規格の2.5mmバランスケーブルです。プラグも良い出来です。

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開発番号#3ケーブル Balanced

バランス化によってより音場が広がり、よりダイナミックになり、3.5mm版よりもより余裕が感じられます。2.5mmバランス端子のDAP・アンプを持っているならばお勧めです。

* まとめ

個人的な感想を書くと(いつも個人的な感想ですが)、ケーブルとしてはFrosty Sheepの方が音に高級感があり、実際に高性能だと思います、アカペラヴォーカルはFrosty Sheepの方がより細かい声の表情をとらえられました。ただKatanaの音には#3ケーブルが合うように思います。標準ケーブルでの音が好きという場合にも良いステップアップになると思います。


Wagnusさんは来週末のヘッドフォン祭に出展しますのでそこでもケーブルをいろいろと試すことができます。主な出展内容は以下の通りだそうです。
@Frosty Sheep -Extreme edition-
ASieve Sheep -Extreme edition-
BFrosty Sheep -Extreme edition- for AK BTL-Balanced 2.5mm 4pole→3.5mm
single-end 3pole Conversion cable
CSieve Sheep -Extreme edition- for AK BTL-Balanced 2.5mm 4pole→3.5mm
single-end 3pole Conversion cable
DSieve Sheep -Extreme edition- mini to mini cable
EDiamond Dust type “Noctilucent”(Diamond Dustシリーズ最新作、10/22より正式発売)
Fその他特価品予定

「Extream edition」とは半田の選定(特殊な半田)と半田付方法(企業秘密)を替えた特別仕様のモデルということです。詳しくは下記アドレスをご覧ください。
http://wagnus.exblog.jp/24672930/
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2015年11月09日

MaverickカスタムとBeat Signalリケーブル

Maverickカスタムは優れたイヤフォンですが、もちろんリケーブルで個性をさまざまに変えることができます。
前の記事ではBeatのSuper Novaとの組み合わせを書きましたが、今回はより正しい信号を伝達するために開発されたというBeat Signalを組み合わせてみます。

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Beat Signalの特徴は誇張のとても少ないフラットな帯域再現と、精緻で透明感が高いリアルな音像再現力だと思います。
Signalでは弦楽器やパーカッションの鳴り・響きがリアルで忠実と感じられます。透明感がかなり高く、ヴォーカルなどは生々しく再現されます。解像力というか生っぽさ、リアル感はかなり高いと思います。試しているのは3.5mm版ですが、音の広がりもかなり広く、音像の立体的な移動が感じられます。
また帯域再現性は脚色感がないという感じです。高い音は伸び、低域は深いところも出るけど、ベースは少し抑え気味で、全体的な帯域バランスがフラットに聴こえます。低域の強調感は少なくなりますので、低域を抑えて音楽の正しい姿を聴きたいという人に向いてると思います。一方で量感たっぷりのベースを楽しみたいと言う人には物足りないかもしれません。
マーヴェリックらしく鋭く打撃感のあるベースやドラムスは健在なので、 このくらい低音域を抑えても迫力というか厚さがあるのはダイナミックハイブリッドの良いところかもしれません。また、マーヴェリックの開発思想と言うのも垣間見えるかもしれません。このマーヴェリックの組み合わせはマーヴェリック開発に参加したミックスウェーブ宮永氏のお勧めということですが、たしかに氏が語ったマーヴェリックの開発思想の一つである、リアルな再現性という言葉が思い出されます。
良い意味で虚飾を配した高性能ケーブルと言えると思います。

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高性能タイプでAK380AMPとかMojoなどを使いこなすハイエンドユーザーにももちろんお勧めですが、意外とiPhone直でも良い結果が得られます。iPhoneで聴いても低音域が足りないという感はないですね。素直な良さというのが出ているのかもしれません。こちらもお試しください。


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2015年02月03日

単結晶銅を採用したJabenのイヤフォン用交換ケーブル、SpiralStrand

昨年の秋のヘッドフォン祭でも紹介しましたが、Jabenがヘッドフォン・イヤフォンのリケーブル用の交換ケーブルであるSpiralStrandを発売しました。長さは1.3mで主にポータブル機器のためのケーブルです。
購入は下記リンクをご覧ください。価格はバランスが17,200円(税込・送料込み - 2015/2/3現在)、アンバランスが15,200円(税込・送料込み)です。
http://jaben.net/jp/shopping/SpiralStrand.html

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SpiralStrand(PONOバランス) + Ultrasone IQ

* 線材に単結晶銅を採用

SpiralStrandの特徴はまずケーブルの線材に"Single Crystal Copper(単結晶銅)"を採用していることです。単結晶銅というとあのPCOCCが思い浮かびます。OCCはOhno Continuous Castingの略で製造プロセスのことですが、このOCCプロセスにより単結晶構造(Single Crystal structure)の銅線を効率的に製造することができます。単結晶銅の利点は結晶が単一になると境界がなくなるので信号がスムーズに行き交いできるということです。
この点について聞いてみると、たしかにあのPCOCCと同様なものであるということです。このOCCプロセスで作った古河電工のケーブルがPCOCCで、PCOCCは古河の登録商標です。一方でOCC同様なプロセスを使うことでやはり単結晶銅の線材は製作が可能ということだと思います。
PCOCCと言えば少し前に古河電工が製造停止したことでオーディオ界を震撼させたというか、話題になった線材ですね。その後にポストPCOCCとも言えるような線材も出てきていますが、これもそのひとつとなれば良い選択肢だと思います。

* 対応プラグの種類が豊富

次の特徴はとても多くのヘッドフォン端子の規格と、ヘッドフォン・イヤフォン側のプラグの規格に対応しています。特にバランス端子の選択が豊富です。選択は以下の通りです(Jaben Japanのページより転載)。 2.5mm バランスはAstell&kern第二世代用、角型ミニバランスはKobiconn(RSAタイプ)のことです。PONO(SONY HPA3)バランス向けが選択できるのもポイントです。3.5mmの普通の端子(アンバランス)もありますのでJaben Japanさんに聞いてみてください。

IMG_5592_filtered[1].jpg  IMG_5593_filtered[1].jpg  IMG_5597_filtered[1].jpg
Kobiconnバランス + FitEar, 2.5mmバランス + 2pin, 3.5mm + MMCX

A. MMCX <--> 2.5mm バランス
B. カスタムIEM用2ピン <--> 2.5mm バランス
C. IE8 <--> 2.5mm バランス
D. FitEar <--> 2.5mm バランス
E. MMCX <--> 角型ミニバランス
F. カスタムIEM用2ピン <--> 角型ミニバランス
G. IE8 <--> 角型ミニバランス
H. FitEar <--> 角型ミニバランス
I. MMCX <--> 3.5mm ペア(ソニー)
J. カスタムIEM用2ピン <--> 3.5mm ペア(ソニー)
K. IE8 <--> 3.5mm ペア(ソニー)
L. FitEar <--> 3.5mm ペア(ソニー)
なお、ソニー用のものは Pono のバランスモードにも使用できます。
以下はアンバランスです。
M. MMCX <--> 3.5mm アンバランス
J. カスタムIEM用2ピン <--> 3.5mm アンバランス
K. IE8 <--> 3.5mm アンバランス
L. FitEar <--> 3.5mm アンバランス

* 音の印象

またSpiralStrandは価格の割に音が良い点も魅力です。せっかくPONOバランスの選択があるので、PONOと組み合わせて試聴してみました。

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デジタルプレーヤーはPONO Playerで、イヤフォンはWestone W60(MMCX)です。主にLINNの24bitクリスマスプレゼント曲集から聞いています。

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左:標準ケーブル 右:SpiralStrand

はじめにWestoneの標準ケーブル(3.5mmステレオミニ)を使用してPONOに接続します。標準ケーブルでもなかなか良い音質で再生ができるところはさすがW60です。
そこで標準ケーブルからSpiralStrand(シングルエンド・3.5mmステレオミニ)に変えると、ぱっと音場が空間的に広がるとともに楽器やヴォーカルはより細かなニュアンスが伝わるようになります。さらに低音楽器はより低いところまで深みが増します。全体に上質感がまして感じられ、比較すると標準ケーブルでは痩せていたようにも思います。標準ケーブルでは粗さが感じられたところが、SpiralStrandだとなめらかに音の縁取りがなされる感じです。特に弦楽器の鳴りで感じられますね。SpiralStrandの方は楽器を上質なものにしたように感じられます。静かなピチカートなんかでもそれは顕著です。またThe Man who said..のジャズヴォーカルもSpiralStrandのほうが表情豊かで肉質感があるように感じられます。
差はかなりあるように感じられます。端的に言うと、ぱっと聞く全体の音の印象は透明感が高くシャープであいまいさが少ないというか、どちらかというと硬質感があってがっちりとソリッドでありながらも同時に滑らかで上質という感じです。音色はニュートラルで、特に暖かみも冷たさもないと思います。

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次にこのSpiralStrand 3.5mmシングルエンドからPONO(HPA3)バランス(3.5mm x2)に変えてみます。PONOではSONY HPA3用のケーブルがそのまま使うことができます。これはPONOのBlackDragonバランスケーブルを買った時にMoon AudioのDrewにも聞いてみたんですが、やはり同じだということでした。
使い方は右プラグをLineout端子に接続して、左プラグを普通のヘッドフォンアウト端子に接続します。PONO PlayerのPlaybackの設定でBalancedを選択すると対応するケーブルを使ってくださいとワーニングが出ますのでOKを押下します。

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PONO + W60バランス

3.5mmシングルエンドからPONOバランスにすると、さらに音は立体的に広くなるとともに、力強さが加わります。ブランデンブルグ協奏曲なんかも3.5mmシングルエンドだとただきれいに淡々となっていたというのが、バランスにするとぐっと力強く生き生きとして迫力も感じられます。PONOはバランスで大きく変わるのでぜひバランス化を試してほしいと思います。

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AK240 + FitEar彩バランス

このほかにバランスではAK240にFitEar彩のバランス(2.5mm -> FitEar)の組み合わせもかなりお勧めです。切れがよくパンチがあり、彩のわかりやすい音の良さがよくわかります。

SpiralStrandは春のヘッドフォン祭のJaben Japanブースで展示販売される予定ですので、興味ある方はぜひ中野にどうぞ。
なおこのほかにはJaben JapanではベイヤーのDT1350のバランスやCalyx系(CESで出た新型?)も展示されると思います。また今回JabenブースはAnalog Squre Paper(A2P)さんと合同になるそうですので、A2Pファンの方もJabenブースへお越しください。
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2014年07月28日

Estron LinumケーブルのAK2.5mmバランスとTangleLessバージョンの試用

デンマークのEstronケーブルとやり取りをしていて、Linumケーブルはとても良いのでぜひAstell&Kernの2.5mmバランス版を作ってくれないか、と言ったらほんとうに試作品を作ってくれました。
MMCX BaXで作成してくれています。これをWestone W60とAK240で使用してみるとより透明感が向上して細かさが秀でるとともに、BaXの効果で低いほうと高いほうの周波数的な伸びが高まるのがわかります。またバランス版で特筆すべきはやはり三次元的な空間表現で、平面的なステージの広がりというよりも、空間的なドームのような広がり感というべきでしょう。小さなW60に細く軽いLinumを合わせてAK240で聴くと、コンパクトにまとまったシステムでもこれだけの雄大な音が出せるのに驚きます。また2.5mmプラグもなかなかよくできていて、しっかりはまります。

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W60の標準のケーブルに戻して比較してみると、標準ケーブルでは曇りが出てクリアさが損なわれるとともに、不思議なまでの空間表現が消えてしまいます。ある意味でこれがいままでのイヤフォンであるとは思いますが。

それとヘッドフォン祭では展示したのですが、新バージョンのTangle-less(絡みが少ない)バージョンを送ってもらいました。

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Linumは細くて音質よく安いとなかなか良いケーブルなのですが、ポケットに入れて取り出す時に絡まりやすいのが難点です。これはMusicバージョンですがUltraspone IQと組み合わせてみました。音質的にもより明瞭でかつ聴きやすく、IQのポテンシャルを引き出してくれて音的にもよい組み合わせです。
ちょっと実際に外にもって行ってポケットに入れたりして使うと、反発性・弾力性のあるケーブルのため、絡まりにくいというより絡まっても解きほぐしやすくなったというべきかもしれません。やはり絡まりはしますが、これは普通のケーブルでも絡まりますので致し方ないところです。前はいったん絡まるとかなり解きほぐしにくかったので、この点では扱いやすくなったと思います。

ちなみにLinumの左右表示はこのケーブルのチョーカー(ケーブルを締める部分)についていますので念のため。ちょっとわかりにくいですので注意ください。これは現行品でも同じです。

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2014年04月02日

ハイエンドイヤフォン用のほそーい高性能交換ケーブル、Estron Linum

Estron Linumは見た目でとても細くてインパクトのあるイヤフォン用の交換ケーブルです。

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* Estron Linumケーブルの特徴

Linumケーブルは補聴器業界のケーブル提供で知られるEstron社によるイヤフォン用の交換ケーブルです。Estronは25年以上の医療技術の経験にも裏付けされた技術背景を持っています。

Linumケーブルの特徴としては高い張力耐性と強固なデザイン、それでいて軽量であるということです。ケーブルとしてはes-Linum 6+という線材をベースにしていて、7本の銀コートされた銅線で構成されます。それぞれはなにか塗布されているようで、かなり腐食や変色に強いということです。またアラミドファイバーにより、強固なケーブルが設計されています。ケーブルはTPAでカバーされていて肌との相性がよく、紫外線にも強いということです。TPAはぺバックス(ポリエーテル・ブロック・アミド)という素材をベースにしたもので曲げに強いということです。またマイクロフォニックスも最小に抑えられています。

設計コンセプトとしてはケーブルを変えることでイヤフォンの音を変えられるという点を明確にすることです。そのため3つのタイプが用意され、別々の用途に使えるように設計されています。それらはMusical, Vocal, BaXの3つです。

2pin1.png
MusicとVocalケーブル (2pin)

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BaX(Bass)ケーブル(2pin)

設計上の仕様は下記の通りです。
Musicは一番フラットでキーボードプレーヤー向きということ。またフラットなため聴き疲れしにくいという点も考えられているということです。
VocalはMusicモデルより高いインピーダンスを持つようでヴォーカルをより明瞭に再現します。つまりはヴォーカル向けです。
BaX(Bass)モデルはラウドネス効果があり高域と低域が強調されてダイナミックレンジが広がったように感じられるということこのためダイナミクスと広帯域感があります。これはドラムスやパーカッションに向いているということで、特にベースが強調されていますがやや聴き疲れしやすくなってしまったということ。またツイストケーブルによってクロストークが減っているということです。

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緑=Vocal 青=Music 赤=BaX

こちらに面白いテストが掲載されているのですが、MusicとBaXバージョンの特性比較をイヤー・シミュレーターを使用して行ったものです。イヤー・シミュレーター(人工耳)というのはIEC711カプラーにIEMを接続したもので、ここではケーブルの特性変化を測定します。

Cosmic Ears estron linum cable test from Cosmic Ears on Vimeo.



カプラーにはMusicとBaXバージョンのEstron Linumケーブルが接続されています。スイッチによってそれぞれ比較するA/Bテストができます。赤いカーブはMusicモデルの周波数特性です。スイッチをオンにすると緑色のBaXケーブルが現れます。この周波数特性の差はインピーダンスの差によるものです。(正確に言うとインダクタンスやらキャパシタンスやら言わねばならないかもしれませんが、まあそういうことで)。ちなみにBaXの方が低いインピーダンスです。
差は高い周波数と低い周波数に顕著に表れ、1-5kHzあたりにはさほど変化はありません。この辺でケーブルがイコライザ的な働きをするのがわかると思います。

コネクタはカスタムイヤフォンでよく使用される2pinタイプとMMCXがあります。このほかにT2というタイプがありますが日本では販売していません。またMMCXではVocalバージョンは用意されていないようです(少なくとも日本市場では)。

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2pinバージョン

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MMCXバージョン

* ケーブルの取り回しと音質

実際にJH13(2pin)につけて音を確認してみました。DAPはAK100MK2を主に使用しています。

やはり特徴はケーブル線がとても細いことです。またとても軽いので、海外の重量のある交換ケーブルに比べるとかなり装着したひっぱり感が少なく快適です。まるでワイヤレスイヤフォンみたいというと言い過ぎかもしれませんが、そうした感覚があります。
また柔らかいのでメモリワイヤーなしで耳に巻くことができます。
反面で難点はしまう時にちょっと絡みやすい点です。ぐちゃっとポケットに入れないでなるべくきれいにケースか袋に入れるとよいですね。

3つタイプがありますが外観的にはMusicとVocalはまったく同じでいったん袋から出すとどっちがなにかわからなくなりますので注意。BaX(Bass)はケーブルがツイストペアになってるので区別がつきます。3タイプで共通的な音の特徴は、空間の広がりの表現が素晴らしいということ、マルチBAイヤフォンで堪能できる十分な解像力の高さがあるということ、またここが一番かと個人的には思いますが音色がよく音楽を聴いていてきれいに感じられるという点です。ただこれはタイプによっても異なります。

次に各タイプ別の特徴をあげていきます。

Music - 音楽を聴く上では一番バランスは良く、低域がやや強調され十分量感もあります。
全体の印象はVocalと似ているところもありますが、こちらは温かみがあり、美音的という意味で一番着色感が感じられます。特にVocalに比べるとメリハリがあるように思えます。

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UE18 + 2pin Music , IQ + MMCX Music

BaX - ベースが強調されて量感もかなりあります。またベースだけではなく高音域も鮮明であり、3つの中では一番ワイドレンジに感じられます。中音域も少し引きずられて強調気味でヴォーカルが近く迫力があります。着色感は3つの中間くらいでしょうか。
なおBaXモデルだけにツイストペアのケーブルが用意されていて、左右チャンネルが別になっていますので、音場に関するチャンネルセパレーションも向上しています。これはVocalとMusicでは構造的に採用ができないようです。

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UE900+MMCX BaX , JH13+ 2pin BaX

Vocal - 全体的にフラット系です。ヴォーカル(中音域)が強調されているというよりヴォーカル(声)の明瞭感が高いという感じで歌詞が聞き取りやすいですね。着色感がMusicより少なくてすっきりとした印象です。一番ニュートラルなケーブルと言えると思います。モニタ的に使うのには良いでしょうね。

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V6 Stage + 2pin Vocal

音質レベルの高さのわりには価格が安く、なにも知識なくデモ品が送られてきたときにはもっと高いケーブルかと思っていました。設計者も書いていますが、Linumは安いし、3タイプそれぞれ音質が異なりイコライザー的に使えること、それでいながら共通の音調があるということで、3タイプを全部買ってDAPやイヤフォンの個性で切り分けらるようにすると良いと思います。私もそうして使い分けています。

太い線の方が良いと信じている人も一度聞いてみてください。プラグも小さいのでHugoとかスマートフォンケースなど彫りこみ穴があってケーブル太さに制限を受けてしまう場合にも役に立ちます。
ぜひ試してみてください。

Jaben Japanの販売リンクは下記です。

http://jaben.net/jp/shopping/Estron-Cabels.html

またフジヤエービックさんでも販売をしています。

http://www.fujiya-avic.jp/products/detail60082.html
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail57365.html
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail57364.html
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail57363.html
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail57362.html


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2013年09月02日

Audiotrak Re:cable SR2レビュー

最近はMMCX対応のイヤフォンも増えてきました。そしてリケーブルのための交換ケーブル市場もだんだん活性化されてきています。
このRe:cable SR2は銀線らしい主張を持った、コストパフォーマンス的に優れているなかなかお勧めのMMCX交換ケーブルです。以下くわしく述べていきます。

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IQ+Re:cable+AK120

Re:cableは特にShure SE846/SE535とUltimate Ears UE900を念頭に置いて開発されているということです。線材は99.99%の純銀仕様で、純銀らしい伸びの良さと混じりのない滑らかな高域を感じることができます。銀線と言うとシャープだけどハイがきついという印象がありますが、こうした混じりモノの少ない純銀仕様だとそうしたきつさは少ないと思います。線材は航空機グレードのこの銀線を8芯使用しています。ケーブルとしては銅線も8芯入っていますが、この銅線はケーブルの耐久性を上げるためにだけ入れているというユニークでぜいたくな仕様です。信号は銀線だけを通過します。またケーブル全体にクライオ処理をしているということです。
MMCXコネクタ自体も従来製品から見直しを行った結果、接続性を実現したとのこと。MMCXコネクタは特にUEとShureに合わせているためShure SE846/SE535とUltimate Ears UE900という推奨機材となっているようです。ただし後に書くようにUltrasone IQなどでも使えます。プラグはノイトリックのL型ミニプラグですが、これもプレミア感があります。耳にはShure巻きでかけることになります。わりと凝った作りのケーブルですが、ケーブル長1.2mで価格は19800円ほどと求めやすくおさまっています。

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ケーブルはしなやかで高級感があります。銀線と言うと弱そうで気を使う面もありますが、これはさすがに耐久性のために銅線を入れているというだけあって、たしかにしっかりとして耐久性も良さそうです。ただプラグのRとLがややわかりにくいのが難ではあります。

* SE535との組み合わせ

音の試聴はまず推奨のSE535から試してみました。

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標準ケーブルと比べると全体にクリアで晴れあがるように感じられ、楽器音がより鮮明でくっきりと向上することで音像がわかりやすい表現となります。銀線らしく淀みない表現となり、細部もよく聴こえるようになります。ジャズトリオのベースのピチカートで比較するとベースの音が標準ケーブルではややこもりがあるのに対してRe:cableでは鮮明でよどみがありません。音の切れの良さもかなり良いですね。ヴォーカルもより明瞭感あるように浮き出してきます。音空間は少しだけ広がる感覚でしょうか。
ただSE535の標準ケーブルの場合はRe:cableと変えても音傾向ががらっと変わるわけではないので、SE535の音が気に入っていて、それをより明瞭感を出したいというときに良いかと思います。

* IQとの組み合わせ

保証外ではありますが、Ultrasone IQでもRe:cable使用することができます。これはなかなか当たりの組み合わせでした。ケーブル交換をした効果はSE535より顕著に出ます。ただプラグの装着はややSE535よりはきつくなります。

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IQでは標準のケーブルに対して高域や低域のエンドがワイドになり、音の輪郭がはっきりと明瞭に聴こえるとともに全体に音が締まって緩みが少なくなります。特に低域方向でしっかり音がタイトに再現されてるのが特徴でハイブリッドとしてのダイナミックドライバーもより生きてきます。ズーンとかボーンという(スピーカーなら)腹に響く音も緩みなく気持ち良いですね。また全体にキレ良くシャープになり、淀みない洗練された音になります。この辺は純銀線ならではの良さですね。IQはハイブリッドですが、低域のダイナミックドライバーが鮮明になることにより音が全体に締まってきます。
IQというと滑らか柔らかの音楽性系かと思っていましたが、このre:cable SR2を使用するともっと性能系の側面が表れてきます。IQを一段音のレベルをあげてくれるようで、音の表現力は深く豊かに演奏やヴォーカルの細かなニュアンスを伝えてくれます。IQの持ってた音楽再現性を一層引き立ててくれるようですね。特に器楽曲ではSR2に変えた効果がはっきりと感じられます。

* Re:cableの考察

交換ケーブルではTWagみたいに銀線的特徴を抑えるという方向性もありますが、Re:cable SR2はかなり明確に銀線らしいシャープさときらめく特徴を持っています。ただししっかりとエージングすれば銀線らしい高域のきつさも緩和されます。TWagだとハイが丸まりすぎるかなというところもありますが、SR2はシャープさは保ったままきつさが緩和される感じですね。
前にBeat Audioの純銀線をテストした時にやはり銀の純度が上がるときつさなど銀線の負の面はかえって抑えられると思ってましたが、Beatのは高かったのでこの価格で同じようなことが思えるのはコストパフォーマンスは良いと思います。これ聴いたらShureのSE846が欲しくなりました。

特にAK120+Re:cable SR2+Ultrasone IQというのは最近なかなかにお気に入りのシステムで、かなり完結した音世界を感じます。シンガポールに飛行機で持っていったのもこの組み合わせでした。コンパクトでかつAK120の音質を存分に引き出していますし、IQのハイブリッドの良さである低域のインパクトと繊細さの両立も高いレベルで楽しむことができます。コストパフォーマンスに優れた銀線を探している人に良いですね。
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2012年06月13日

DIRIGENTケーブルの新作、Red Label(レッドレーベル)登場

Fujiya-TVでもちょっと案内したのですが、以前紹介したSimilar Techの高性能LOD(ラインアウトドック)ケーブルであるDIRIGENTの一年ぶりの新作が発売されます。フジヤさんで6/16から予約開始するということです。

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DIRIGENT Red Label HD CCSag-IM + iMod5.5G

名称はDirigent Red Label(レッドレーベル)というもので、前のDirigentではCrystal cablesのmicroを使用していましたが、さらに一グレード上のcrystal cable standardを使用しているとのことです。ケーブル径が0.6mmから0.8mmになり、グランドのオーグラインも1.0mmから1.2mmと改良されています。写真で見るとずいぶん違いますね。Crystal cablesでよく言われるPiccoloからはずいぶん太くなっています。
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(画像はSimilar Techのページから転載)

プラグはViablueで、プラグ部とケーブルの接点部分に24金を使用していて、同じく線材に金を使用したCrystal Cableと高い親和性があるということです。Crystal Cableは金と銀の合金です。

こちらはSimilar Techのホームページ(ブログ)です。
http://similartech.blog26.fc2.com/blog-entry-123.html

タイプは下記の4種類があります。

・DIRIGENT Red Label HD CCSag-IP (27,900円) --- iPod/iPhone用
・DIRIGENT Red Label HD CCSag-WM (27,900円) --- Walkman用
・DIRIGENT Red Label HD CCSag-MM (28,900円) --- mini-miniケーブル
・DIRIGENT Red Label HD CCSag-IM (29,800円) --- iMod用



作りは前モデル同様になかなかしっかりとしています。やはりかなり太くてポータブル用としてはかなり堂々としたものですね。前Dirigentよりも一層硬い感じではありますが曲げには問題なく、いったん曲げを固めると前よりも弾力がなくしっかり固定される感じです。

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DIRIGENT Red Label HD CCSag-IM + Xin SM4

CCSag-IMを用いてiMod5.5とSR71A/Xin SM4、FitEar to go 334の組み合わせで聞いてみました。あとはiQubeなんかも良いですね。他でも試しましたが、このクラスのケーブルになるとあるレベル以上のアンプでないとあらが見えてしまいます。ここでは主に前作のDirigentとの比較で解説します。

はじめに感じる特徴は包まれるような音の広がりで、これは前作と比べてもエージングなしでわかるくらいはっきりした向上点です。立体感もひときわ高く感じられます。
少し細かく聴いていくと音の鳴り方も異なっています。前のDirigentもかなりレベルが高いのですが、透明感がさらに高く楽器音の歯切れが良くて細部もはっきりと見通せるように向上しています。また前よりも押しが強く濃厚な音にも感じられます。
もうひとつ感じるのは全体的に音がより整っていて自然であるということです。前は銀線を聴いているというところがあったけれども、Red Labelではあまり銀線らしい角の立ったところや無機感というのがなく、より自然でわずか暖かみを感じるくらいに感じられます。StandardくらいになるとCrystal Cableが金と銀の合金を開発して表現したかったものがそうした上質感であるとわかるような気がしますね。

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DIRIGENT Red Label HD CCSag-MM + SR71A

私も最近はDX100だのTeraだのと良いDACが付いた一体型プレーヤーを使うことが多いんですが、これでiMod5.5を聴くと改めてポータブルアンプ使う面白さを再認識できます。高性能のポータブル環境を持っている方にはお勧めです。
DX100なんかでもやはり2段・3段と重ねたいという猛者にはmini-miniを使ってみてはいかがでしょうか。

予約を6/16から開始で販売は6/30からを予定。7/7のポタ研では試聴機を可能であれば置くということです。
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2011年06月23日

similar techのDIRIGENT crystal microケーブル

similar techは国内のガレージメーカーで主にポータブル機材向けのケーブルビルダーさんです。下記リンクがホームページです。
http://similartech.blog26.fc2.com/

今回crystal cable micro を使用したケーブルを新たに製作したと言うことで評価をさせてもらいました。ケーブルはDIRIGENTケーブルと言う名称です。
microはpiccoloの倍の太さと言うことで、文字通りのハイエンドクラスのケーブルです。

今回使用したのはこの3本です。このうち3番目のUSBケーブルはまだ販売を正式に決めていないと言うことです。

DIRIGENT HD CCMag-IP
iPod、iPod touch、iPhone用dockケーブル
LR CRYSTAL CABLE Micro
GND オーグライン0.8o

3025.jpg

DIRIGENT HD CCMag-MM
mini→miniケーブル
LR CRYSTAL CABLE Micro
GND オーグライン0.8o

3017.jpg

DIRIGENT HD CCMf-UD (試作品)
HP-P1、Algorhythm Solo用usb dockケーブル
CRYSTAL CABLE Micro×4

3026.jpg

詳細は下に掲載した製品ページを確認ください。

驚くことにはCRYSTAL CABLE Microもオーグラインも太い単線です。これはちょっと興味を引きますね。

3029.jpg

*デザイン等
まずちょっとびっくりしたのはケーブルがきちんとパッケージされた箱に入っていて、印刷された保証書も同梱されているということです。いままでこういうのはたいていプチプチにくるまれて封筒にぽんっと入っているだけでした。この辺はガレージメーカーとはいえちょっとした市販品並みの丁寧さがあります。
内容物としてはケーブルのほかに細いシリコンゴムが各2本ずつ入っています。これはアンプとDAPを結束させるためのものでおまけとして入れていると言うことです。

3013.jpg

ケーブルはどれも丁寧に作られていて大変きれいな仕上がりです。プラグのViablueも径が細いケーブルとあわせるとややアンバランスですが、このmicroとはよいマッチングで堂々とした迫力がありますね。プラグにブランドシールを巻いているのもなかなか良い点です。
ただ太い単線と言うところから想像が付くように柔軟性はあまりありません。また単線ですので過度に曲げ伸ばしをしないなど、扱いには多少気を使う必要があります。

3052.jpg   3048.jpg   3056.jpg

*音質
まずmini-miniとiPod/iPhone dockを使用してみました。使ったのはDAP側にiPodクラシックやiPhone、s:flo2(T51)、HM602などです。ポータブルアンプ側はSR71BやGo-Vibe vulcan+、XM5やSM4など。
USBではHP-P1とSoloを使っています。

まず感じるのは音場が広くクリアで晴れ渡り、発声や楽器の音色もとても明瞭にして音の輪郭が明確に聴こえるということです。SNが高く音が鮮明ではっきりと伝わってきます。その音鳴りがリアルであるというところも長所だと思います。また音が細かく解像力が高いのにきつくなく音はとても整っています。音のレベルは他のケーブルと比べてもトップクラスにあると思います。
また音楽的に厚みがあって、倍音豊かな音楽再生を楽しめます。この点でDIRIGENTケーブルは細やかさや明瞭感とともに高級ケーブルの品格があると思います。この点は他の高性能ケーブルと比べても明確な特徴だと思います。
帯域的には低域が強すぎることもなく、低域の深みがあります。高域も明瞭感があり、とてもワイドレンジであると思える帯域の広さがありますが、かつ帯域バランスがとても良好で整っているも素晴らしいところだと思います。
スピード的には音の切れと止めの速さと正確さも文句なく、とくに低域での歯切れの良さは特筆ものです。
音場感も自然に広くてかつ立体的です。良いアンプを使えば独特の三次元感を堪能できるでしょう。
またあまり着色感もなくニュートラルでいろんな音楽にあわせられます。
USBケーブルでも同様に空間表現や音の細やかさで確実な向上があるのでHP-P1やSoloを持っている人にもお勧めしたいですね。

まとめるとこのケーブルの良い点は透明感や解像感など基本性能も高いけれども、音のバランスが良いということと音楽的にも優れているという点が特徴です。
ガレージメーカー品にはあんまりバランスを考えないで単に銀線使って音をシャープにするというものもありますが、DIRIGENT crystal microは単に高級線材を太い単線で使うと言う基本的な素性の良さだけではなく、設計においていろいろと考えられているのではないでしょうか。
パッケージングも含めて全体的に満足感が高いと思います。なかなか造りにこだわりを持っていると思います。
難は単線なのでやや曲げにくいと言うことと、曲げ伸ばしを過度にしないなど扱いに気を使うということです。そういう点ではベテラン向けですが、音楽好きな人にも勧めたいケーブルです。やはり単線にはより線にない美点があります。これで聴くと音楽が一段レベルが高く聴こえますね。

こちらがDIRIGENT crystal microケーブルのサイトで、購入等もこちらから依頼します。
http://similartech.blog26.fc2.com/blog-entry-107.html
たまたま手に入ったそうなので、限定販売となっているようです。興味ある方はなくならないうちにどうぞ。
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2009年06月17日

光デジタルケーブルの選択

Headroom Desktop BalancedCardDeluxeのデジタルアウトの組み合わせがうまくいったので、電源タップをAudioPrismのものに換えるのと同時にデジタルケーブルも換えてみることにしました。

Headroom Desktop balancedのDACは同軸でも光でも受けることができますが、PCシステムについてはノイズを受けにくく電気的にDACとトラポを切り放せる光ケーブルが有利ではないかと考えて、少し詰めてみることにしました。
もうひとつの理由として、光ケーブルというとどちらかというと低価格のデジタル接続の代名詞的なものですが、あえてそこを少し掘り下げてみたかったというのもあります。
Headroom Desktop balancedを導入した当初はSAECのOpc-M1を使っていましたが、いまはSAECのOpc-X1で落ち着いています。そこにいたる遍歴を主に書いていきたいと思います。

1.光 vs 光 (Part1) - SAEC Opc-M1 vs Audio Quest Optilink5

しかし探してみると光デジタルケーブルというのはあまり選択肢は豊富ではありません。またOpt-M1はプラスチック系の新素材なので、次は石英がほしかったというのもあります。
そこを勘案していくと、評価の高いAudioQuestのOptilink 5が候補としてでてきます。

optlink5.jpg
Optilink5

光ケーブルの場合はなるべく曲げないで設置した方がよく、特に石英のものはそうだといいますが、Optilink5はかなり柔軟で設置の自由さがあると思います。

音質的にはやはりすばらしく差は驚くほどです。それまで使っていたSAECのOpt-M1と比べてみると、透き通るようにクリアで、透明感の向上ははっきりわかります。かつ音場も広がり、驚くほどの見通しの良さがわかります。
背景がぐっと底無しの谷のように深く感じられ、ひとつひとつの音は本当に小さな音まで明瞭なので情報量の多さ、解像力の高さが際だちます。
声楽曲などでは唖然とするような空間表現があります。ここで言っているのは声の質感の話ではなく、声と声との間のことです。空間であるはずの黒の中にグラデーションがあるというのがわかります。

もうひとつの特徴はかなりハイスピードでキレが鋭いと言うことです。わたしもよくタイトで締まったという言葉を使いますが、これはほんとに贅肉がまったくないという感じてす。さきの情報量、質感表現の高さとあいまって、金属の響きはとてもリアルです。

Optilink5のひとつおもしろい点は、高域の透明感と切れの良さを考えると音がきついのではないかと考えてしまうんですが、実際にきつめの曲で比べてみるとOpt-M1よりもサ行のきつさは少ないということに驚きます。
またOptilink5は音の傾向で言うとクラシック、ジャズ向けと思われるかしれませんが、実のところロックにとてもあってます。音が整理されてうるさくないからでしょうか。安価なケーブルだと騒々しい荒い音になりがちですが、この辺は真に優れたケーブルの証でもあるでしょう。より緻密な音表現とともにすごみを感じさせます。

また固有の色があまりつかないので、ニュートラルという点ではよいんですが、全体にドライで軽めにも感じるので、音色的に好き嫌いはあるかもしれません。同じ光ケーブルであるSAECに比較してもそう感じます。

しかし、Optilink5はニュートラルだから自然かと言われると、ここまでくると全体的な印象はやや非現実的な気もします。一つの音を異常なくらい明晰に描くのでスタジオでモニタするにはとても有効なツールではあるかもしれませんが、趣味の音楽用にはちょっと考えるようなところもあります。

ちなみにBenchmaark DAC1でも同じ環境で比較してみましたが、ほぼ同じ印象です(このときはATH-W2002を使っています)。ただDAC性能自体はさすがにDAC1の方がDesktop balncedの内蔵タイプより良いのでOptilinkの情報量の豊かさはこちらの方が体感できるかもしれません。音の広がりに関してはさすがにバランスの効果が出るのかDesktop balancedの方がよくわかります。

2. 光 vs 同軸 - Optilink5 vs Gold Starlight

次にDesktop BalancedのDACの入力にいま同軸SPDIFデジタルケーブルでiTransportやDLIIIに使っている、WireWorldの代表的なデジタルケーブルであるGold Starlightを接続してみました。入力切り替えスイッチで切り替えながら、光と同軸がどのように違うのかを試してみるということです。

しかし比較してみるとシャープなことで定評のあるGold Starlightと比較してもクリアな透明感、ハイスピードな切れの良さはOptilink5の方が上回るのはすごいと言えます。音の輪郭がOptilink5の方がはっきりと鮮明で明確であり、あいまいさがありません。背景がびしっと黒く、解像力、情報量と言ったところもOptilink5は上回るように思います。光ケーブルが単に安価なだけではないことを証明してくれます。
Gold Starlightは定価ベースではOptilink5よりも高価です。同軸RCAのデジタルケーブルではさらに上はいくらでもありますので、そういう意味ではこの価格でハイエンドという光デジタルケーブルはお得と言えるかもしれません。

ただ自然さやなめらかさ、また重み厚みといった音楽的ということを考えると同軸の方が良いと感じます。
もちろん光でも個性の差はあると思いますが一般的に言うとそうした違いはあると思います。

このシステムの性格を考えると光ケーブルの方が向いていると思います。
自然で音の厚み重みのある同軸SPDIFと、ハイスピードで歯切れの良い明るく軽めの光TOSという性格分けができると思いますが、PCシステムはHDトランスポートとして低ジッターの歯切れの良い音が望めるのでそれを生かせる光、CDPを中心としたオーディオシステムには音楽製の高いシステムをくむので同軸が向いているように思います。

どちらも一長一短ありますが、一般的にはちょっとありえないような音の新鮮な驚きを得たいときにはOptilink5で、ふつうに音楽を聴きたいときは同軸がよいと思います。

3 光 vs 光 (Part2) SAEC Opc-Z1

次に購入したのはこれです。
Optilink5が性能は高いけれども、少なくともこの組み合わせにおいてはあまりに強力すぎて少々聴きやすいとは言えないので、聴きやすいと思ったSAEC Opc-M1の上位機種であるZ1を買いました。
Z1もかなり人気機種で、雑誌などの評価も高いケーブルです。Fiber Indexなのでこれは石英ではなくプラスチック系の素材ということになります。

z1.jpg
紫:M1 ゴールド:Z1

M1よりはひとまわりクリアでふたまわりはシャープで切れがいいという感じです。
Optilink5に比べると恐ろしいまでの透明感はなく、ふつうに良い透明感という感じで、音場の広がりがやや物足りないという感じです。
ただZ1でも十分な光らしいクリアさと切れ、そして聴き易さを兼ね備えいます

ちょっと斬新な驚きを得たいときはOptilink5、普通に聞きたいときはZ1もなかなかよい選択です。

4 光 vs 光 (Part3) SAEC OPC-X1

いま落ち着いているのはこれです。
Z1がOptilink5に比べて透明感でやや劣るものがあったので、これはやはり石英のものがほしくなりました。
また石英というだけではなく、X1が特徴的なのは先端の研磨がかなり精緻であるのが特徴で、その点でジッターを大きく減らすことができるそうです。(これはZ1も同じです)

x1.jpg
OPC-X1

Z1に比べると透き通るようなクリアさがあり、Optilink5にかなり近くなります。やはり抜けの良いこのクリアさは石英独特のものがあると思います。
さらにドスの利いた低域の迫力を感じます。低いところは量感だけではなく、切れがよくタイトで細やかさもかなり際立ちます。
またエッジの立ち方がシャープでメリハリがくっきりとした光接続ならでは切れのよさがあります。

X1は全体にバランスが取れていて、Optilink5とZ1の中間的な存在です。Z1よりもやはり一クラス上だと思います。
あくまで音のシャープさがほしいときはOptilink5で、普通に音楽を聴きたいときはX1が良いように思います


5. 考察 - 石英 vs プラスチック

Sys conceptのケーブルも含めて、やはりステップインデックスと呼ばれているプラスチック系と、石英は音は違うと思います。
やはり石英のほうが透き通るような、とか、エッジが立つような、という点では上です。
ただしZ1なんかは音のエッジの明瞭さではかなり善戦しています。ステップインデックスの方が曲げやすいというのはかならずしもいえないかもしれません。


6. 光接続とは

どれかひとつお勧めというと一番はやはりX1ですが、Z1も価格の割にはよいと思います。
ありえないような凄さを求めるならばOptilink5でしょう。それとポータブルではよく書いているSys-Conceptも1mケーブルを試しに買ってみましたが、コストパフォーマンスを求めるならばお勧めです。

光というとメディア変換のために性能が同軸より劣るといわれていますし、そのためもあってか、安価な機材に使われがちでした。そのため性能も一歩低く見られがちです。しかしもう少し見直されてもよいのではないかと思います。
特にPCオーディオと光というのはなかなか性格的に見ても相性のよい組み合わせといえるように思えます。


7. 同軸 vs 同軸 Gold starlight vs アコリバDSIX

光ケーブルというテーマから外れますが、同軸デジタルケーブルの試行です。
それまではわりとメジャーなWireworldのGold starlightを使用していたのですが、思うところあってアコリバのDSIX1.0を試してみました。
DSIXはケーブルなのに途中に電気回路があり電源を必要とします。これはこの部分にアイソレーショントランスのような働きをする回路が入っていて、ソースからのノイズを切り離すことができるのです。具体的には電流の変動と電圧の変動のうち、電流の変動を打ち消すというものです。信号は電圧変化ですが、ノイズは電流の変化になるからです。
思うところあって、というのは光ケーブルの切れのよさがある意味で電気的な接続がない故であるというのならば、このノイズを除去することでジッターを減らすという考えのDSIXも同様にPC環境ではうまく働くのではないかと思ったからです。

dsix.jpg
DSIX

結果的にはなかなか効果的で、定価はGold starlightよりも安いDSIXは音の切れのよさという点では上回る結果を得ることができました。
2009年の春のヘッドホン祭ではこのDSIXをiTransportに使用しました。
posted by ささき at 21:46 | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月18日

ALO iMod用ラインアウトドック聴き比べ

先日KenさんのALOがサイトの更新とともに新しいラインナップのケーブルを加えました。ALO Cryo SXCケーブルです。
ALOのサイトはこちらです。
http://www.aloaudio.com/

ラインナップは豊富でiPod LOD、iMod LODだけではなく、ミニミニ、ミニ-RCAやスピーカーケーブルまであります。また、先日紹介したようにヘッドホンのリケーブルでも用意されています。下の写真はSXCドックです。

sxc1.jpg    

この記事ではALOの看板のひとつでもあるiMod用のLOD(ライン・アウト・ドック)を他のわたしのいま保有している既存製品と比べてみることにします。
いままでiMod LOD(ライン・アウト・ドック)についてはあまりまとめて書いてなかったので、この機会にまとめてみようというわけです。

sxc9.jpg


比較にはATH-ESW10とSR71AをiMod5.5Gを使っています。
使用した曲は主にFried Pried,、金子飛鳥、押尾コーターローなどですが、この方にもいろいろと加えて聴いています。

CryoXSilver

sxc5.jpg

まずCryoXSilverですが、これは信号線が銅線で、グランドが銀という構成でクライオ処理をしています。クライオ処理はケーブルをいったん極低温にすることで信号の流れを向上させるというものです。

基本的な性格は銅線的なウォーム感を基調にしたもので、温かみは一番感じます。
音もシャープでかつ痛さは少ないという感じです。解像力もよく情報量豊かに聞こえます。
音場もわりと広いが、横方向に広い感じでホールに広がるような感覚はSuperCottonに譲ります。
ヴォーカルに関しては一番肉質感豊かに感じます。
欠点としては長く使いすぎると上の写真のように酸化して青くなってしまうというところで、この反省がSXCの設計にも生かされています。


GoldXSilver

sxc6.jpg

ケーブルの素材というと銀か銅をベースにするというのが一般的ですが、これは金をベースにしています。そのため独特の音色を楽しむことができます。
これはiMod5.5Gの登場の時に限定品として販売していたものです。

ぱっと聴いたときの印象はどちらかというと銀系の特徴を持っていると思います。ただSuperCottonに比べると少し小振りでコンパクトな音表現であると感じます。ただし低い方の沈み方はなかなか侮れません。
とはいえやはり性能というよりもむしろ、特色としてはやはり味系として音色がきれいというのが特徴的です。ケーブルでヘッドホンの性能をより引き出すというよりは、すでに十分な性能を持ったヘッドホンから美しい音表現を奏でるという使い方があっているように思います。


Super Cotton

sxc4.jpg

前二者はiMod5.5Gの導入時にそろえてからずっと使っているのですが、これは後で加えました。結果的には三者三様の良さがあると思います。
ALOのいくつかあるiMod LODの中で、どれかひとつにしたいときはこれを選ぶと良いとKenさん自身が書いていましたので、おすすめの一本と言えるでしょう。銀線というとシャープだけれどもドライできつくなりやすいんですが、Kenさん自身はウォーム感のあるものが好みということで、SuperCottonも銀線にしては柔らかい音になっています。そのため、性能的な面と聴き易さという点でバランスが取れたものになっていると思います。
Cottonの名の由来は文字通りにコットンをシースに使っているからですが、これが外界からのノイズを遮蔽するシールドとしてはかなり良い素材ということです。

SuperCottonは空間の広がりをよく再現します。ホールのような音の広がり感という点では一番であると思います。
銀系らしく、解像力もあり切れの良さもあり、音はタイトで歯切れの良い音を聞かせます。
銀系にしては柔らかいといっても、きつさがあまりないということで銅線のような暖かみがあるということではありません。反面で、さきに書いたようにあまり無機的な感じではなく、良い意味でニュートラルといえると思います。音に色を付けたくないときにも良い選択でしょう。

これに関してはプラグがカナレF12を使用していて太いので小さいアンプには注意か必要です。


SXC Cryo

sxc3.jpg    sxc7.jpg

さて、新製品のSXC Cryoですが、線の太さによって18G(ゲージ)と22Gがあります。
これは18G(太いほう)タイプです。

これはBeldenやKimberなど既製品のケーブルを使うものではなく、Kenさんが理想と思う音を目指してKenさん独自の仕様でケーブル設計をしたものです。アメリカではこうしたリクエストで独自のケーブルを作成してくれるようですね。下はむきだしのケーブルそのものです。

sxc0.jpg

SXC CryoではOCCより対線に銀皮膜をしてポリエチレンで覆ったものです。これは銅の酸化を防止するとともに銀線らしい鳴りを加えることを意識したものです。
ケーブルはプラグも含めてすべてクライオ処理をしています。

聴いてまず気がつくのは銀のように明るく明瞭感があり、上も下もよく伸びるということです。
特筆すべき点は音のエッジの切れのよさとスピード感で、銀線のSuper cottonよりもさらに良いのには驚きます。ギターのピッキングなどの切れが素晴らしくよく、音の締まりも良くとてもタイトに聞こえるのでドラミングが小気味良く聞こえます。
解像力もかなり高く情報量豊かです。

音はドライではなく、CryoXSilverのように暖かい色がつくというよりもニュートラルですが、やや銅を思わせる質感があり音に厚みがあります。
音の広がりもSuper cottonに次ぐくらいに広く、良い意味で銀系と銅系の良さを併せ持っていると思います。ただし切れの良さがある分で少し高域にきつさも感じられるところもあります。
ちなみにSXC CryoのiPodバージョンもnanoにつけて使ってみましたが同様な音傾向です。

SXC Cryoはある意味で銀線であるSuperCottonを越えるくらいの切れ味がありながら、ちょっと銅線のような良さも残したおもしろい個性があります。そうした点で上の三つとも見事にかぶりません。
そこでこれもデモ用に送ってもらったんですが、このiMod SXC LODは買い取ろうと思っています。


sxc8.jpg

ポータブルシステムのおもしろさのひとつは、手軽にいろいろな傾向の個性を持ったシステムをいろんなヘッドホンやイヤホンを組み合わせて作れるということです。
そうした意味で味付けを工夫できるケーブルもいろんな個性のものをそろえておくというのは良いと思います。
posted by ささき at 19:39 | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月21日

ALOのサイト更新と新製品

Ken さんのALOのホームページが日本時間の本日正午をもって更新されました。

http://www.aloaudio.com/

この更新で旧アカウントの引継ぎは行われないので、前のアカウントをもっていた人は新しいサイトでの作り直しが必要になります。
(わたしもまだ試していませんが、チェックアウトのときに必要になると思います)

そして、サイトを見てもらえるとわかりますが、ケーブル・ドックの新製品が発表になっています。
これは店頭で買える既製品のケーブルを使っているのではなく、Kenさん独自の仕様設計によるALOだけの線材を使用しています。

と、いうわけで、、
alo2.jpg

その新しいのがいまうちにたくさんあります(^.^
これは買ったわけではなくて、すべてレビュー用に送ってもらったものでそのうち返却いたします。わたしも海外からもレビュー依頼がくるようになったのはいいんですが、量も多いので少しずつアップしていきます。そういうことですので、詳しくはまた後で書きます。

ケーブル価格が高いと言われることもありますが、やはりこうしてきちんとしたものを開発するのにたくさんデモやテスト品を作ったり試行錯誤しますので、その辺は見えないところに苦労があると思います。





posted by ささき at 12:59 | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月10日

ALOのLISAIII用iModケーブル

ALOのKenさんがLISAIII用の"ライトアングルRCA"ケーブルを開発しているそうです!
まだ発売はしてませんが、これはなかなかに良さそうです。またfemaleドック用にminiからライトアングルRCAのケーブルも作るそうなのでLISAIIIに限らずいろいろ使えそうです。

http://www.head-fi.org/forums/showthread.php?p=3181954&posted=1#post3181954

まずい。。LISAIIIを買わない理由がなくなってしまった(笑)
posted by ささき at 20:47| Comment(2) | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月01日

ALO Audioの新ウエブサイトアップ

ALO Audioの新ウエブサイトが正式に立ち上がったようです。

http://www.aloaudio.com/

うまく表示されない場合は再読み込みかブラウザのキャッシュのクリアをしてみるとよいかもしれません。
posted by ささき at 10:59| Comment(0) | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月28日

ALO Audioの新デザインウエブサイト

少し遅れていたようですが、ALO Audioの新ウエブサイトが今日あたり更新されるようです。
いま現在ダウンしているのは更新中だからということのようですが、これもちょっと楽しみです。

*7/30追記
まだ本来のURLではアクセスできないようですが、下記のミラーサイトが使えます。
小型デジタルアンプの日本仕様など面白いものもありますね。

http://audiolineout.net/index.html

*7/31追記
本アドレスで立ち上がったようです。

http://www.aloaudio.com/
posted by ささき at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月20日

ALO クライオ・マイクロドック

ALO Audioから小型ポータブルアンプ向けの新製品である"Cryo Micro Dock"が登場しました。ALOはAudio LineOutからALO Audioという名前になりURLが変わったようです。
http://www.aloaudio.com/

cryo1.jpg               cryo2.jpg

これはトマホークとnanoのように小型のオーディオの組み合わせむけに作られたもので、まさにいまのわたしにぴったりというわけでさっそく入手しました。
先週の土曜日(1/13)に注文したのでちょうど一週間で届きました。
きちんとシュリンクパックされてドックには傷がつかないようにさらにビニールをかけてありました。Kenさんも仕事が丁寧ですね。RnBさんはいま休止中のようですけど、ALOにその分がんばってほしいものです。

cryo3.jpg

ドック自体が小型になっていて"C"シェイプで曲げたときによりコンパクトになります。またケーブルはより大きなCryo Dockと同じもので、クライオ処理されたものです。クライオ処理とはケーブルなどを極低温にしてから常温にもどすことで、一般に強度があがるとか伝導率がよくなるとか言われます。

cryo4.jpg

さっそく今使っているCopper Dockと比べてみました。nano+Toma+ER-4Pです。
やはり一回りコンパクトになっただけでも持ちやすく感じます。Copper DockだとnanoとTomahawkに比べてケーブルがやや突出した感じでした。
ただ少し使ってみて新型のミニドックの方はややロックがはずしにくくなったようにも思います。

一聴してCopper Dockに比べてやや重心が高くなるように思いますが、実際は低い方もよく出ています。おそらく中高域がよりクリアになったからだと思いますが、そのせいかヴァイオリンの音は冴えて女性ヴォーカルの声はよく澄んでいます。
透明感はさらに向上して見通しがよくなります。ホールの響きがよく聴こえるように感じられ、楽器の音色がよりリアルな感じがします。また左右の広がりも増しますので、全体に音場がぱっと開けた感じがあります。
音はそれほどきつくなくやや先鋭的になります。アンプのTomahawkがウォームサイドなのできつくなるというほどではありません。スピード感もあがり、プレーヤーの指の動きが早くなったように感じられます。

反面で密度感・太さみたいなものはCopper Dockの方があって、やや軽くなった印象もうけます。端的に性能という点で言うとCryoMicroの方が一枚上ですが、Copper Dockもそれなりの個性的な良さはあるかもしれません。
posted by ささき at 20:24| Comment(6) | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月18日

ALO Copper Dockその後

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ALOのCopper dockですが、音が暖かいというよりも音のエッジが柔らかめになると言ったほうが正しいかもしれません。音のぴんと立つ鋭いエッジの角が丸められる感じですね。
柔らかい・甘いといっても全体的な印象がだるいものになるわけではありません。全体的な印象はあくまでかっちりはっきりとしています。ささくれた角が丸まって特に高域が痛くなくなるという感じです。
むこうのコメントではALOのBling Blig Dock(銀線)だとやや痛いことがあるというものがあったのでCopper Dockが作られた気がします。特にポータブルオーディオは音がきつく硬くなりがちですからね。

nano単体とER-4Pを直に組み合わせるとなかなか鮮度感のようなものがあり、これはこれで良いとは思います。言葉ははっきり聴きやすいので、会話主体のpodcastなんかは単体で聴いたほうがいいと感じる場合もあります。これはEtyのもともとの目指すものではあるでしょう。ただ音の広がりがあまりないので、音楽だとがちゃがちゃした印象にもなり易い気もします。

そこで、いまお気に入りの組み合わせは、iPod nano(8GB)+Copper Dock+SuperMicro3+ER-4P(24Pアダプタ)です。わたしが最近紹介しているような曲を聴いているにはとてもいいですね。パッケージも音もコンパクトながらかなり高いレベルでまとまっています。
nano,ER-4はそれぞれ下手をするとわりときつめな音を出す傾向がありますが、Copper Dockが適度に均して全体のバランスがちょうどよく保たれているようです。
nanoはアンプつけないで単体でいいかな、と思ってたんですが、いまではやはりMicroは手放せなくなりました。
この辺がシステムの魔力というものです。
posted by ささき at 23:42| Comment(4) | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月05日

Audio LineOutのコッパードック到着

ケーブルだけでLineOut出力が取り出せるiModにしてからはドックコネクタとケーブルの組み合わせというのはあまり気にすることはありませんでした。しかしnanoを買ってからちょっとまたドック経由でLineOutを取り出したいと思うようになりました。
nanoは単体でも十分満足できる音質がありますが、やはりアンプをつけてより豊かな音を楽しみたいと言うわけです。
いくつかの選択の中から、今回ははじめてAudio LineOut(ALO)製のドック+ケーブルのラインナップから新型のCopper Dockを注文しました。

blog_copper1.jpg

http://audiolineout.com/

価格は国際送料込みで$68.5で一週間もかからずに届きました。注文はPaypalでとくにメールを交わすことはありません。ただ上記ホームページのボタンをクリックするとアメリカの国内送料でPaypalのページに行くので、いったんPaypalの入り口から入りなおしてsend moneyするということになると思います。またnote欄に念のためにCopper Dockと明記したほうがいいでしょう。HeadFiでもレスポンスは好評です。

Copper Dockは文字通り銅線を使っているのを特徴としています。これは性能というよりも銅線の暖かみの出る音の特性を考慮したものということです。
わたしもこれに先立ってPocket DockとRnBケーブルを使ってnanoとアンプの組み合わせを試していましたが、音をウォームサイドへ持って言ったほうが良いという感じがしたのでコッパードックを選びました。

ケーブルはかなり柔軟性があって曲げの自由度があります。そのため下の写真のようにnanoと通常iPodによって曲げる位置を変えて全体のはまり具合を調整できます。

blog_copper2.jpg      blog_copper3.jpg

この上の写真はnanoとXinのSuperMicro3に装着したものです。
もうかなりコンパクトで一体感も感じます。またこのまま手に持つと手のひらにぴったりとはまります。

blog_copper5.jpg      blog_copper4.jpg      blog_copper6.jpg

この上の写真はnanoとXinのSuperMini3に装着したものです。
MiniはMicroより薄いのでこれもわりとうまくはまります。

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この上の写真はiPod PhotoとGo-Vibe V5をつないだものです。

(いずれもヘッドホンコードはER-4Pのものです)

さて音はどうかというと、かなりクリアで鮮明です。また左右の広がりも広く感じます。ポケットドックを介すると少しベールがはまったような透明感の劣化を感じますが、その感じはかなり解消されます。

nano単体との比較ではやはりややウォーム感を感じます。ただいまのところ聴きはじめの印象としては色がかなりつくというほどではないように思えます。
nanoとの組み合わせで聞くと今度はMini3よりもMicro3の方がよりよく聴こえます。音の左右の広がりはややMiniの方がありますが、それよりも3次元的な奥行きがMicroの方があります。
とはいえ本命はやはりトマホークかという気もしますが(^^

音の印象に関してはもう少し聴いてからまたコメントしたいと思います。
第一印象としてはかなりお勧めだと思いますね。
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2006年04月21日

Diamond Tiny Reference到着

RnBオーディオ(RnB180)のDiamond Referenceが届きました。現在Head-Fi界隈では人気No1のケーブルです。
http://www4.head-fi.org/forums/showthread.php?t=170359

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コンパクトにしたかったのでTiny版のmini-miniで5インチを注文しました。Tiny版はレギュラー品のDiamond Referenceよりもプラグが小さくなっていると思います。なお+$20でプラグのアップデートも可能ですがその場合は6.5インチで注文したほうが良いようです。
エアメールで届きましたがケーブルはぷちぷちに直接包まっているのではなく、RnBオーディオのラベルの付いたジップパックに入っています。またプラグのラベルにも方向指示とともにRnBのロゴがプリントしています。
この辺は商品として作りこもうというプロ意識も感じますね。(なおRnBケーブルの方向指示については前記事のコメントを参考にご覧ください)
ケーブルは太めですが折り返せるように平たく作成されているので問題なく180度曲がります。

いままではiMod+SuperMini3(AD8397)にTURBOケーブルをつけて聴いていました。そこで聴いていた曲の続きからRnBのケーブルをさし変えると一聴して違いを感じます。まずTURBOよりさらに音の広がりがあり抜けもよくなります。なによりSilverDragonにあった低域の力が戻り重心が低くなります。重心は低くなりすぎずに高域のクリアさはそのまま残ります。解像力はかなり高くなり小さい音をより拾う感じです、またアコースティック楽器の鳴りはかなりリアルです。
TURBOは多少ブライトめながら高いほうに秀でていて、SilverDragonはタイトながら低いほうの力感が良かったんですが、Diamondは両方を兼ね備えている感じです。さらにクリアで広がりもあり小さい音もより拾うDiamondは全体にやはりひとレベル違うという感じです。
posted by ささき at 21:14| Comment(7) | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月10日

TURBOケーブルとBlueDragon

TURBOケーブルとBlueDragonケーブルの比較試聴をしました。
TURBOケーブルはポケットドックをつけた状態で、前に書いたドックつきのBlueDragonとの比較です。
写真の左側がTURBOケーブルでBlueDragonと比較するとかなりスリムです。

turbo1.jpg

以下においてヘッドホンはES7でアンプはSuperMicro-IIIです。
両者は性能差というのもあるかもしれませんがそれほどは大きくなく、それよりもファーストインプレのときに書いたようにキャラクターの差という方がいいような気がします。
BlueDragonと比べた場合にTURBOケーブルはまず低音の量感が少なく軽く聴こえますが、下はわりと沈むので中高域寄りというよりは全体にはTURBOケーブルの方が周波数バランスはよく聞こえます。ES7の低音が強調されているということを考慮にいれても低音もそれなりに出ます。
また比較するとTURBOケーブルは明るく軽めでワイド感があります。対してBlueDragonはダークで重めに聴こえます(比較的という話です)。また少しだけTURBOケーブルの方が音の立ち上がりは鋭い感じです。

TURBOケーブルはウッドベースなどジャズや器楽曲などアコースティックなものでは演奏がよりリアルに感じられます。清涼で気持ちよく、高域もきれいでヴァイオリンはBlueDragonより美しくスムーズに聴こえます。上もやや伸びる感じがします。
ロックやエレクトロニカなどはBlueDragonが良いかもしれません。とくにヘヴィーなロックは重厚でかつ音数も多いのでかっこよく聴こえます。TURBOケーブルはそうした曲ではやや物足りなく思えます。

全体的なクリアな抜けのよさは少しですがBlueDragonが勝るように思えます。抜けとか音数はBlueDragonの方が良いように思えても特にアコースティック楽器の音の響きや胴鳴りはTURBOケーブルの方がよく解像されているように聴こえるのは不思議ですが、TURBOケーブルの方が高域の特性が良さそうなので倍音成分かなんかの関係かもしれません。
ただしテストしたシステム全体で"Dead Silent"というほど静かではないのでこの辺は話半分ということにしたほうがよいかもしれません。

比較したときのこの二者の関係はなにかに似てるなと思いましたが、ふと気が付きました。ケーブルじゃないけどオーテクのW5000とL3000の差に似ている気がします。やや誇張した言い方ですが、分かりやすく言うとケーブルの差し替えでES7がL3000っぽく聴こえたりW5000っぽく聴こえたりするという感じです。
ですので、この二者の違いは性能というよりもキャラクターの違いといえます。

こうしてケーブルをある意味でイコライザー代わりにするというのは普通のオーディオでも良くあります。
ただしそれはシステムのセッティングをするときにやることでしょうけど、いちいち聴く音にあわせて抜き差しするということはあまり無いと思います。ポータブルだとケーブルを二本もっても苦になりませんので、音楽にあわせてケーブルを変えるなんてある意味すごいかもしれません。
posted by ささき at 20:36| Comment(4) | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月07日

TURBOケーブル到着

TURBOさんのmini-miniケーブルが到着しました。
かなりコンパクトでSilVerDragonあたりに比べるとずいぶん細く感じます。
音はおろしたてではありますが、軽くSilverDragonと比べてみました。
まず低音が少なく全体に細身に聴こえます。クリアさはいまひとつですが細かい音はそれなりに拾っている感じです。音の広がりはかなりあるほうだと思います。
全体に少し物足りなく感じる面もありますが、キャラクター的な違いという気もします。この辺はバーンインが進むとはっきりするでしょう。
ぱっと聴きですがコストパフォーマンスはかなり良いと思います。

写真はまたあとでアップします。今週はちょっと疲れました。。期初からこんなに忙しいとポチっとする指にも力がこもります(爆)
posted by ささき at 20:53| Comment(2) | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする