*目標を大きく上回る337票で目的達成したようです!
ご支援ありがとうございました!Blue Coastのファンは最高だ!って言ってます。
Blue Coast fans are the best ever! Thank you all for voting for us in the grant competition! The whole crew is moved by the outpouring of support in only two days! We've definitely got a spot in the next phase and now have 337 votes. Woo Hoo we made it! :)
------- 以下は元の記事です
DSD配信に興味あるみなさまにお願いがあります。
このブログでも良く取り上げているBlue Coast Recordsの主催者であるCookie Marencoさんから依頼されたのですが、現在運営しているBlue Coastの姉妹サイトであるDownloadNow!の規模を拡大したいとのことです。そのために支援を受けたいので協力をして欲しいそうです。方法はMission Small BussinessというサイトでBlue Coastに投票するというものです。投票にはFacebookのアカウントを使います。250票を集める必要があるようですが、現在あと120票ほど足りないそうで、皆さんの力を借りたいということです。期間は6/30までですが、米時間なので日本時間だと7/1のお昼ころまでが期限となります。
手順ですが、まず下記のリンクをクリックしてMission Small Bussinessのサイトにアクセスしてください。
https://www.missionsmallbusiness.com/
次に右下のlogin and supportというボタンを押して、次に出てくるlogin with facebookを押してください。現在Facebookのログインが有効なかたはボタンを押すだけです。
すると画面がふたたびMission Small Bussinessに戻って今度は会社名の入力になるので、左下のbuissness name欄に"Blue Coast"と入力して右下のsearchボタンを押してください。
するとBlue Coast Recordsが出てくるので、右のvoteボタンを押してください。ボタンが白のsupportedに変われば終了です。
私も実際にやりましたので特に危ないサイトなどではありませんので念のため。
Cookieさんはこのリンクの人です。
http://www.stereophile.com/content/cookie-marenco-dems-dsd
こちらにCookieさんのメッセージを掲載します。みなさん、DSD配信の明日のためによろしくお願いします!
Hello Sasaki! I could use your help and the help of your followers.
We Have entered a contest for a grant to record more acoustic music. We also plan to expand our Downloads NOW! MicroStore into a SuperStore for Super Resolution Audio... DSD, high rez PCM, FLAC, etc. The contest requires that 250 people vote for your company to make it to the next round of voting.
To vote, you must be on Facebook.
Go to www.missionsmallbusiness.com
Log in on the right.
Search for "Blue Coast" and Blue Coast Records will appear. Then you click on the vote button. \
And that is it.
I need another 120 votes to qualify and have two days left. If you think your readers would vote, we would greatly appreciate it if you posted our message.
Thank you so very much!
Cookie Marenco
Music TO GO!
2012年06月29日
2012年06月10日
オーディオベーシック63号に執筆しました
今回は連載しているトレンドウオッチ(P204)でDSDネイティブ再生の標準規格であるDoP(DSD Over PCM)について解説しています。私も"dCS方式"という言葉をはじめ広めちゃったのもありますが、この辺で流れも含めてDoPというものを改めて確認いただければと思います。
DSD再生やDoPというのはまだ一般的ではないかもしれません。しかしうちのブログでUSBの「アシンロクナス転送」や「オーディオクラス2.0」、あるいはMacの「インテジャーモード」などを紹介した時も、はじめは「それって何?」だったのではないかと思います。でもいまではどれも現在のオーディオにかかせない普通のキーワードになっていると思います。おそらくDSDネイティブ再生とか、DoPという言葉もそうなっていくのではないでしょうか。
ここでも取り上げたQuteHDは本日発売されました。USBでPCやMacにつなげば簡単にDSDネイティブ再生ができるQuteHDはDSD再生の世界を当たり前のものとして広げていってくれるでしょう。
DSD再生やDoPというのはまだ一般的ではないかもしれません。しかしうちのブログでUSBの「アシンロクナス転送」や「オーディオクラス2.0」、あるいはMacの「インテジャーモード」などを紹介した時も、はじめは「それって何?」だったのではないかと思います。でもいまではどれも現在のオーディオにかかせない普通のキーワードになっていると思います。おそらくDSDネイティブ再生とか、DoPという言葉もそうなっていくのではないでしょうか。
ここでも取り上げたQuteHDは本日発売されました。USBでPCやMacにつなげば簡単にDSDネイティブ再生ができるQuteHDはDSD再生の世界を当たり前のものとして広げていってくれるでしょう。
2012年06月09日
DSD再生 VS SACD再生のStereophile記事
前の記事で書いたTHE ShowでのDSD再生 VS SACD再生のデモの記事と写真がStereophileでレポートされています。
Stereophile主筆のJohn AtkinsonさんもやはりMytekのDSD再生ではヴァイオリンにより輝きがあり、楽器の音と空間表現がうまく再現されていたと書いてます。
Cookie Marenco demos DSD
この写真の人が最近よく書いているCookieさんです。ベテランのスタジオエンジニアで、ウインダムヒルなんかにもいたということでBlue Coastと合わせてシンプルでピュアな録音が得意なのでしょうね。Blue Coastの他にもDSD-Guide.comとかDownload Nowなんかにも携わっていますが、個人ホームページはこちらです。
http://cookiemarenco.com/
Stereophile主筆のJohn AtkinsonさんもやはりMytekのDSD再生ではヴァイオリンにより輝きがあり、楽器の音と空間表現がうまく再現されていたと書いてます。
Cookie Marenco demos DSD
この写真の人が最近よく書いているCookieさんです。ベテランのスタジオエンジニアで、ウインダムヒルなんかにもいたということでBlue Coastと合わせてシンプルでピュアな録音が得意なのでしょうね。Blue Coastの他にもDSD-Guide.comとかDownload Nowなんかにも携わっていますが、個人ホームページはこちらです。
http://cookiemarenco.com/
2012年06月06日
DSDネイティブ再生 VS ハイエンドSACDプレーヤー
先週末に米国ニューポートピーチでT.H.E Show(The Home Entertaiment show)が開催されました。最近注目されているオーディオショウです。いくつかレポートが上がっていて読んでみると、Antelope Rubiconの出展などと並んでちょっと面白いレポートがありました。それはこのComputer Audiophileのリンクで書かれているSONYのブースです。
SONYではSS AR1スピーカーをデモしたんですが、そのプログラムの中でSACDプレーヤーとDSD DACの聞き比べというイベントがあったようです。これはBlue Coast Records主催のCookieさんが同一マスターから作ったSACDディスクとDSDダウンロード用ファイルを持参して、それぞれハイエンドSACDプレーヤーとMytek Stereo192で再生するというものです。
レポートを書いた人はSACDプレーヤーとMytekで同一音源を再生するのを聞いて驚いたと言っていますが、楽器の音色の質感表現や空間表現などはMytekの方がSACDプレーヤーよりもはっきりと明瞭(evident)であったということです。
これは私もちょっと興味をもったので直接Blue CoastのCookieさんにメールして聞いてみました。
実際のところ、この差を見つけたのはむしろSONYのスタッフの方だったそうで、それでCookieさんにマスター提供などを依頼してテストしてみた、というところのようです。ここでいうSONYのスタッフはむこうのということですが、やはりSONYさんも気になるようですね。音源はソロヴァイオリンで、教会で録音されて自然な環境音の他にはEQなどはいっさい使っていないということです。
使用したMacはMac miniでiPadからコントロールしながらやったということです。ソフトウエアはPure Music Playerです。SACDプレーヤーは$25,000ものハイエンド機ということで、上記ポストによるとMeitnerということですが、あるいはMeitner氏がらみのEMM labだと思います(6/8追記 やはりEMMでXDS-1だそうです)。Meitner氏は前書いたようにDSDのエキスパートのひとりですので、SACDプレーヤーの代表格の一つと考えてよいと思います。
MacでのDSD再生とSACDの違いは30秒も聴けば差は明白だったということです。
CDに続いてSACDでも、もはや物理ディスクの時代ではないということですね。
音質面だけではありません、昨年の米国に続いて、先日英国でもデジタル音楽配信がCDやLPなど物理ディスクの販売を上回りました。時代は動いています。
ちなみに教えてもらったところ上で使用された楽曲のリンクはこちらです。この3曲目が使用された曲ということです。これ自体はBlue Coastではありませんが、Cookieさんがマスタリングしたものだということです。こちらもぜひ参照ください。
Glass: Live at Grace Cathedral - Emily Palen
http://valencerecords.downloadsnow.net/glass
SONYではSS AR1スピーカーをデモしたんですが、そのプログラムの中でSACDプレーヤーとDSD DACの聞き比べというイベントがあったようです。これはBlue Coast Records主催のCookieさんが同一マスターから作ったSACDディスクとDSDダウンロード用ファイルを持参して、それぞれハイエンドSACDプレーヤーとMytek Stereo192で再生するというものです。
レポートを書いた人はSACDプレーヤーとMytekで同一音源を再生するのを聞いて驚いたと言っていますが、楽器の音色の質感表現や空間表現などはMytekの方がSACDプレーヤーよりもはっきりと明瞭(evident)であったということです。
これは私もちょっと興味をもったので直接Blue CoastのCookieさんにメールして聞いてみました。
実際のところ、この差を見つけたのはむしろSONYのスタッフの方だったそうで、それでCookieさんにマスター提供などを依頼してテストしてみた、というところのようです。ここでいうSONYのスタッフはむこうのということですが、やはりSONYさんも気になるようですね。音源はソロヴァイオリンで、教会で録音されて自然な環境音の他にはEQなどはいっさい使っていないということです。
使用したMacはMac miniでiPadからコントロールしながらやったということです。ソフトウエアはPure Music Playerです。SACDプレーヤーは$25,000ものハイエンド機ということで、上記ポストによるとMeitnerということですが、あるいはMeitner氏がらみのEMM labだと思います(6/8追記 やはりEMMでXDS-1だそうです)。Meitner氏は前書いたようにDSDのエキスパートのひとりですので、SACDプレーヤーの代表格の一つと考えてよいと思います。
MacでのDSD再生とSACDの違いは30秒も聴けば差は明白だったということです。
CDに続いてSACDでも、もはや物理ディスクの時代ではないということですね。
音質面だけではありません、昨年の米国に続いて、先日英国でもデジタル音楽配信がCDやLPなど物理ディスクの販売を上回りました。時代は動いています。
ちなみに教えてもらったところ上で使用された楽曲のリンクはこちらです。この3曲目が使用された曲ということです。これ自体はBlue Coastではありませんが、Cookieさんがマスタリングしたものだということです。こちらもぜひ参照ください。
Glass: Live at Grace Cathedral - Emily Palen
http://valencerecords.downloadsnow.net/glass
2012年06月04日
クラシック向けDSD音源のサイト、オランダのChannel Classics
DSD音源というとBlue Coastを紹介することが多かったんですが、やはりクラシックファンも多いでしょうからクラシックでDSD音源に力を入れているサイト、Channel Classicsを紹介します。実はこのサイトの方からコンタクトがあったんですが、アクセスが増えた源をたどったらうちのブログだったということで、この前のQuteHDのDSD設定編の記事です。ほんとにリンクをあっさり張っただけだったんですがけっこうアクセスがあったようです。そこで今回は協力をいただいた上できちんと紹介したいと思います。
Channel Classicsのトップページはこちらです。
http://www.channelclassics.com/
今回はMusic To Go!読者向けにクーポンをいただけませんか、とお願いしたところ快諾いただいて、なんとうちのサイト限定で15%引き期間限定クーポンを2週間有効でいただきました。本日(2012/6/4)から有効です。クーポンコードは下記です。
music2gochannel (終了しました)
ただし時差とテストの関係で昨日から有効にしているので実質13日間程度でお願いします。無料プレゼントですのでクレーム等は受けませんので念のため。ちなみに私はアフィリエイト等はありません。私も単にこの企画で15%オフになるだけです。
* Channel Classicsについて
Channel ClassicsはオランダのレーベルでJared Sacksというもとはフレンチホルン奏者だった人が創設しました。もとは趣味でやっていた録音を本職にしてしまったということです。(赤坂工芸をちょっと思い出します)
1990年から始めたレーベルでいまでは38カ国のアーティストと仕事をしたという国際派ですね。
2000年ころからSACDをリリースしていて、DSDを配信始めたのはこの2月ということでした。私は角田さんのところでここの「FireBird Suit」を聞いたのがはじめです。
名前のChannelは「海峡」の意味で創立者がアムステルダムに住んでいた時の通りの名前がKanaalstraatというそうです。(海外では通りの名前が住所と同義です)
「海峡通り」というのでしょうか、なかなか趣のある名前です。
さすが趣味から始めたというだけあって録音機材にもこっていてAKGをはじめ数ブランドのマイクを使用し、ケーブルはVan Den Hul、AD/DA機材はGrimm Audio、Meitner/EmmLabsなどを使うということです。中でも注目なのは後でも出て来ますがGrimm AudioのADコンバーターです。
こちらはJaredさんに録音プロセスについて聞いた答えなのですが、ADコンバーターの前まではアナログで持っていて、余計なプロセスは通さないようにしてピュアな鮮度感を大事にしているということです。
" - I keep everything analogue until the last step going to the AD converters, I try not to do any post production that would go through the sigma delta processor again. This keeps the DSD path as pure as possible without adding any extra high res noise to the signal"
* サンプル音源とダウンロードマネージャの使い方
まずChannel Classicsではサンプルがあるのでダウンロードマネージャの練習かたがたこちらをダウンロードすることをお勧めします。
サンプルは44/16、88/24、176/24、そしてDSDがひとつのファイルにアーカイブされていて聴き比べができるという豪勢なものです。
曲は下記のビバルディで一曲まるまる入っています。こちらはもちろん無料ですので、これはダウンロードしないと損です。(400MBあって下記の手順でダウンロードします)
Vivaldi - La Cetra / Concerto No. 1 in C major, RV 181a - Allegro
リンクはこちらです。(画面では右の方にあります)
http://www.channelclassics.com/try-it-now
Channel ClassicsではJavaを使ったダウンロードマネージャが特徴的です。まず上記リンクの"TRY IT NOW"というボタンをクリックしてください。
するとEDDSDownloader.jnlpという小さなファイルをダウンロードしてきます。これはJNLP (Java Network Launching Program)というもので音楽が入ったファイルではなく、ダウンロードマネージャを立ち上げるプログラムです。このファイルをダブルクリックして立ち上げてください。
するとダウンロードマネージャが出てきますので、右上のDownloadをクリックしてください。するとダウンロードがはじまり、Save toで表示されているフォルダに楽曲ファイルが格納されます。
実際にアルバムを購入するときはBuyボタンを押すとカートに追加されますので、右側のMy CartからCheckoutを選んで、Discount couponのところに上記クーポンを入れてApply couponを押して、合計金額が変わったことを確認してください。
そのあとProceed to checkoutをクリックして購入手続きに進みますが、はじめての場合はregisterからユーザー情報を入力してください。
そのあとで購入に進んで、I agree with the Terms & Conditionsにチェックを入れて同意し、Make Paymentを押してください。支払方法はクレジットカードかPaypalです。
カード支払いはOgoneという課金サイトを利用していて、ここは日本語で出てきます。
ダウンロードするリンクはMy AccountからAvailable downloadのリンクをたどれば出てきます。
JNLPのダウンロードを立ち上げて先に作ったユーザーアカウントでログインして、ダウンローダーでdownloadしてください。
またメールでもダウンロードリンクの知らせが来ます。
実際にダウンロードして聴いてみました。ストラビンスキーの「春の祭典、火の鳥」です。
http://www.channelclassics.com/fischer-32112.html
再生システムはDSDネイティブ再生で聴くAudirvana Plus → USB(DoP) → Chord QuteHDやJRMC17 → USB(DoP) → Chord QuteHDなどです。
この辺の設定はこちらのDSDネイティブ再生設定編をご覧ください。
PCM版と比べたわけではありませんが、オーケストラの迫力と深みが印象的で、QuteHDの品格の高い音をいっそう引き出しています。低域の力感もひときわです。楽器が複雑に絡んでも明瞭にかつリアルな音色で描き分けます。演奏自体も素晴らしいものだと思います。
(私は火の鳥を聴くとYESのライブを思い出しちゃうんですけど)
* お勧めのアルバム
アルバムが多いのでどれかお勧めを教えてくださいといったら下記のものを推薦してきました。
Firebird:
http://www.channelclassics.com/fischer-32112.html
Rachel Podger: Bach
http://www.channelclassics.com/podger-30910.html
Amsterdam Sinfonietta: Mahler, Beethoven
http://www.channelclassics.com/sinfonietta-31511.html
DSDは2.8M(DSD64)のDFF(DSDIFF)形式で配信しています。
もちろんPCM音源も素晴らしい音質で楽しめます。
また、最近Positive feedbackに最新のDSD機材を使用した高品質アルバムとしてChannel Classicsが取り上げられています。最新のGrimm Audio機材が使用されたものであることが書かれていて、アナログとデジタルのギャップを埋めるものだと賞賛されています。
http://www.positive-feedback.com/Issue61/channelclassics.htm
Grimm Audio AD1についてはこちらをご覧ください
上で引用されているアルバムは次のものです。受賞メダルがたくさんついてますね。
Schubert Symphony no. 9 (The Great), Five German Dances
http://www.channelclassics.com/fischer-31111.html
Beethoven Symphonies No. 4, No. 6
http://www.channelclassics.com/fischer-30710.html
JaredさんにDSD配信の今後を聞いてみると、マルチチャンネルでの配信は予定しているとのこと。将来的にはサンプルレートを増やす(5.6M)かもしれないが、それは高音質に直結したものではないとのこと。それよりGrimm Audioの機材で音楽的な素晴らしい音質が得られることに満足しているということです。
"Maybe in the future I will go to a higher sampling rate but this will not automatically mean sounding better. The Grimm sounds so musically good that that is what is important to me. Not the sample rate!"
簡単にDSDネイティブ再生の設定が出来るChord QuteHDの登場でいよいよ本格的に実用段階に達したDSD再生の世界を楽しむためにもクーポンを活用ください。またChannel Classicsの今後にもぜひ注目していってください。
Channel Classicsのトップページはこちらです。
http://www.channelclassics.com/
今回はMusic To Go!読者向けにクーポンをいただけませんか、とお願いしたところ快諾いただいて、なんとうちのサイト限定で15%引き期間限定クーポンを2週間有効でいただきました。本日(2012/6/4)から有効です。クーポンコードは下記です。
ただし時差とテストの関係で昨日から有効にしているので実質13日間程度でお願いします。無料プレゼントですのでクレーム等は受けませんので念のため。ちなみに私はアフィリエイト等はありません。私も単にこの企画で15%オフになるだけです。
* Channel Classicsについて
Channel ClassicsはオランダのレーベルでJared Sacksというもとはフレンチホルン奏者だった人が創設しました。もとは趣味でやっていた録音を本職にしてしまったということです。(赤坂工芸をちょっと思い出します)
1990年から始めたレーベルでいまでは38カ国のアーティストと仕事をしたという国際派ですね。
2000年ころからSACDをリリースしていて、DSDを配信始めたのはこの2月ということでした。私は角田さんのところでここの「FireBird Suit」を聞いたのがはじめです。
名前のChannelは「海峡」の意味で創立者がアムステルダムに住んでいた時の通りの名前がKanaalstraatというそうです。(海外では通りの名前が住所と同義です)
「海峡通り」というのでしょうか、なかなか趣のある名前です。
さすが趣味から始めたというだけあって録音機材にもこっていてAKGをはじめ数ブランドのマイクを使用し、ケーブルはVan Den Hul、AD/DA機材はGrimm Audio、Meitner/EmmLabsなどを使うということです。中でも注目なのは後でも出て来ますがGrimm AudioのADコンバーターです。
こちらはJaredさんに録音プロセスについて聞いた答えなのですが、ADコンバーターの前まではアナログで持っていて、余計なプロセスは通さないようにしてピュアな鮮度感を大事にしているということです。
" - I keep everything analogue until the last step going to the AD converters, I try not to do any post production that would go through the sigma delta processor again. This keeps the DSD path as pure as possible without adding any extra high res noise to the signal"
* サンプル音源とダウンロードマネージャの使い方
まずChannel Classicsではサンプルがあるのでダウンロードマネージャの練習かたがたこちらをダウンロードすることをお勧めします。
サンプルは44/16、88/24、176/24、そしてDSDがひとつのファイルにアーカイブされていて聴き比べができるという豪勢なものです。
曲は下記のビバルディで一曲まるまる入っています。こちらはもちろん無料ですので、これはダウンロードしないと損です。(400MBあって下記の手順でダウンロードします)
Vivaldi - La Cetra / Concerto No. 1 in C major, RV 181a - Allegro
リンクはこちらです。(画面では右の方にあります)
http://www.channelclassics.com/try-it-now
Channel ClassicsではJavaを使ったダウンロードマネージャが特徴的です。まず上記リンクの"TRY IT NOW"というボタンをクリックしてください。
するとEDDSDownloader.jnlpという小さなファイルをダウンロードしてきます。これはJNLP (Java Network Launching Program)というもので音楽が入ったファイルではなく、ダウンロードマネージャを立ち上げるプログラムです。このファイルをダブルクリックして立ち上げてください。
するとダウンロードマネージャが出てきますので、右上のDownloadをクリックしてください。するとダウンロードがはじまり、Save toで表示されているフォルダに楽曲ファイルが格納されます。
実際にアルバムを購入するときはBuyボタンを押すとカートに追加されますので、右側のMy CartからCheckoutを選んで、Discount couponのところに上記クーポンを入れてApply couponを押して、合計金額が変わったことを確認してください。
そのあとProceed to checkoutをクリックして購入手続きに進みますが、はじめての場合はregisterからユーザー情報を入力してください。
そのあとで購入に進んで、I agree with the Terms & Conditionsにチェックを入れて同意し、Make Paymentを押してください。支払方法はクレジットカードかPaypalです。
カード支払いはOgoneという課金サイトを利用していて、ここは日本語で出てきます。
ダウンロードするリンクはMy AccountからAvailable downloadのリンクをたどれば出てきます。
JNLPのダウンロードを立ち上げて先に作ったユーザーアカウントでログインして、ダウンローダーでdownloadしてください。
またメールでもダウンロードリンクの知らせが来ます。
実際にダウンロードして聴いてみました。ストラビンスキーの「春の祭典、火の鳥」です。
http://www.channelclassics.com/fischer-32112.html
再生システムはDSDネイティブ再生で聴くAudirvana Plus → USB(DoP) → Chord QuteHDやJRMC17 → USB(DoP) → Chord QuteHDなどです。
この辺の設定はこちらのDSDネイティブ再生設定編をご覧ください。
PCM版と比べたわけではありませんが、オーケストラの迫力と深みが印象的で、QuteHDの品格の高い音をいっそう引き出しています。低域の力感もひときわです。楽器が複雑に絡んでも明瞭にかつリアルな音色で描き分けます。演奏自体も素晴らしいものだと思います。
(私は火の鳥を聴くとYESのライブを思い出しちゃうんですけど)
* お勧めのアルバム
アルバムが多いのでどれかお勧めを教えてくださいといったら下記のものを推薦してきました。
Firebird:
http://www.channelclassics.com/fischer-32112.html
Rachel Podger: Bach
http://www.channelclassics.com/podger-30910.html
Amsterdam Sinfonietta: Mahler, Beethoven
http://www.channelclassics.com/sinfonietta-31511.html
DSDは2.8M(DSD64)のDFF(DSDIFF)形式で配信しています。
もちろんPCM音源も素晴らしい音質で楽しめます。
また、最近Positive feedbackに最新のDSD機材を使用した高品質アルバムとしてChannel Classicsが取り上げられています。最新のGrimm Audio機材が使用されたものであることが書かれていて、アナログとデジタルのギャップを埋めるものだと賞賛されています。
http://www.positive-feedback.com/Issue61/channelclassics.htm
Grimm Audio AD1についてはこちらをご覧ください
上で引用されているアルバムは次のものです。受賞メダルがたくさんついてますね。
Schubert Symphony no. 9 (The Great), Five German Dances
http://www.channelclassics.com/fischer-31111.html
Beethoven Symphonies No. 4, No. 6
http://www.channelclassics.com/fischer-30710.html
JaredさんにDSD配信の今後を聞いてみると、マルチチャンネルでの配信は予定しているとのこと。将来的にはサンプルレートを増やす(5.6M)かもしれないが、それは高音質に直結したものではないとのこと。それよりGrimm Audioの機材で音楽的な素晴らしい音質が得られることに満足しているということです。
"Maybe in the future I will go to a higher sampling rate but this will not automatically mean sounding better. The Grimm sounds so musically good that that is what is important to me. Not the sample rate!"
簡単にDSDネイティブ再生の設定が出来るChord QuteHDの登場でいよいよ本格的に実用段階に達したDSD再生の世界を楽しむためにもクーポンを活用ください。またChannel Classicsの今後にもぜひ注目していってください。
2012年05月26日
QuteHDとFoobar2000でフリーのDSDネイティブ再生
前の記事でQuteHDを使ってDSDネイティブ再生をする方法をいくつかのプレーヤーソフトを例に書きましたが、実のところDSDネイティブ対応プレーヤーソフトはみな有料です(ただしトライアル期間でも多くはDSDネイティブ機能は使えると思います)。
気軽に話題のDSDネイティブ再生を試してみたいという方にはMacであればさきに書いたWAVパック再生を使う手はありますが、Windowsではやはり手慣れたFoobar2000を使いたいという人も多いでしょう。
そこで今回はQuteHDとFoobar2000でDSDネイティブ再生をする方法を書きます。
ただしFoobar2000ではfoo_input_sacdというSACDリッピングしたISOイメージを再生させるためのプラグイン(コンポーネント)を使用するのですが、これはASIOドライバーを前提にしています。そのためQuteHDではまずASIO4ALLを使用します。(ASIO4ALLについては詳しい説明を省きます)
まずASIO4ALLをインストールしてください。(2.10を使用しました)
http://www.asio4all.com/
またASIOを使うためfoo_out_asioをfoobarにインストールしておいてください。
下記サイトからfoo_input_sacdの最新版をダウンロード。(使用したのは0.5.9)
http://sourceforge.net/projects/sacddecoder/files/foo_input_sacd/
今回はfoo_input_sacd-0.5.9.zipを使用しています。
上のzipを開けてASIOProxyInstall.exeをダブルクリックしてfoo_dsd_asioをインストールしてください。
Foobar2000のLibrary->Configureメニューから
Component->Install...で上記zipを選択してApplyでFoobar2000を再起動します。
Foobar2000のPreference->output->ASIOを選択してまずASIO Driversの中からfoo_dsd_asioをダブルクリックして設定画面を出します。ここで出力先をASIO4ALLにして05/FAマーカーを選択します。(下図)
次に同じASIO Driversの中からasio4allを選択してASIO4ALLの出力先にQuteHDをクリックして指定します。(下図)
Foobar2000のPreference->output->SACDを選択して、その中のASIO Driver modeをDSDにします。(下図)
Foobar2000のPreference->outputでfoo_dsd_asioを選択します。(下図)
つまり経路はFoobar2000 → foo_dsd_asio → asio4all → QuteHDドライバー → QuteHDとなります。
設定はこれで終わりですが、もうひとつポイントがあります。それはもうひとつのDSD関係のコンポーネントであるDSDIFFデコーダーコンポーネント(foo_input_dsdiff)をインストールしている人はそれを取り除くということです。私もはじめDSDにはロックするがノイズが出てしまっていたんですが、foo_input_dsdiffを除く(componentマネージャからremove)ときれいに音が出るようになりました。この辺こちらのページにノウハウがあるので参照ください。
http://asoyaji.blogspot.jp/2012/04/foobar2000-dsd.html
設定はちょっと面倒ですが、いったん設定してしまうとFoobarもなかなか使いやすいので楽に使用することができます。手ごろなQuteHDと使い慣れたFoobarの組み合わせでマニアだけのものだったDSDネイティブ再生の世界がまた一歩身近になったというところでしょうか。
ちなみにこれまで書いてきたDSDネイティブ再生の設定はみなUSBを使用しています。いまのPCからDAL CardDeluxeを外してしまっているので同軸や光での確認はまた後でやってみます。
気軽に話題のDSDネイティブ再生を試してみたいという方にはMacであればさきに書いたWAVパック再生を使う手はありますが、Windowsではやはり手慣れたFoobar2000を使いたいという人も多いでしょう。
そこで今回はQuteHDとFoobar2000でDSDネイティブ再生をする方法を書きます。
ただしFoobar2000ではfoo_input_sacdというSACDリッピングしたISOイメージを再生させるためのプラグイン(コンポーネント)を使用するのですが、これはASIOドライバーを前提にしています。そのためQuteHDではまずASIO4ALLを使用します。(ASIO4ALLについては詳しい説明を省きます)
まずASIO4ALLをインストールしてください。(2.10を使用しました)
http://www.asio4all.com/
またASIOを使うためfoo_out_asioをfoobarにインストールしておいてください。
下記サイトからfoo_input_sacdの最新版をダウンロード。(使用したのは0.5.9)
http://sourceforge.net/projects/sacddecoder/files/foo_input_sacd/
今回はfoo_input_sacd-0.5.9.zipを使用しています。
上のzipを開けてASIOProxyInstall.exeをダブルクリックしてfoo_dsd_asioをインストールしてください。
Foobar2000のLibrary->Configureメニューから
Component->Install...で上記zipを選択してApplyでFoobar2000を再起動します。
Foobar2000のPreference->output->ASIOを選択してまずASIO Driversの中からfoo_dsd_asioをダブルクリックして設定画面を出します。ここで出力先をASIO4ALLにして05/FAマーカーを選択します。(下図)
次に同じASIO Driversの中からasio4allを選択してASIO4ALLの出力先にQuteHDをクリックして指定します。(下図)
Foobar2000のPreference->output->SACDを選択して、その中のASIO Driver modeをDSDにします。(下図)
Foobar2000のPreference->outputでfoo_dsd_asioを選択します。(下図)
つまり経路はFoobar2000 → foo_dsd_asio → asio4all → QuteHDドライバー → QuteHDとなります。
設定はこれで終わりですが、もうひとつポイントがあります。それはもうひとつのDSD関係のコンポーネントであるDSDIFFデコーダーコンポーネント(foo_input_dsdiff)をインストールしている人はそれを取り除くということです。私もはじめDSDにはロックするがノイズが出てしまっていたんですが、foo_input_dsdiffを除く(componentマネージャからremove)ときれいに音が出るようになりました。この辺こちらのページにノウハウがあるので参照ください。
http://asoyaji.blogspot.jp/2012/04/foobar2000-dsd.html
設定はちょっと面倒ですが、いったん設定してしまうとFoobarもなかなか使いやすいので楽に使用することができます。手ごろなQuteHDと使い慣れたFoobarの組み合わせでマニアだけのものだったDSDネイティブ再生の世界がまた一歩身近になったというところでしょうか。
ちなみにこれまで書いてきたDSDネイティブ再生の設定はみなUSBを使用しています。いまのPCからDAL CardDeluxeを外してしまっているので同軸や光での確認はまた後でやってみます。
2012年05月23日
Chord QuteHDとDSDネイティブ再生の設定
前の記事でChord QuteHDの解説をしました。本記事ではQuteHDとDSDネイティブ再生の設定の仕方について述べていきます。
* DSDネイティブ再生とは
QuteHDは最新の技術とChordの独自技術がうまく織り込まれて設計されていますが、その最新技術の中でもやはりDSDネイティブ再生がポイントです。QuteHD用のパルスアレイDACを設計する際にDSD入力をはじめから考慮していたという点でも力の入れようが分かります。
DSDネイティブ再生はPCMに変換せずに直接DSDをDACに転送することです。これによってDSD 対応DACの能力が最大に発揮できます。
ただしひとくちにDSDネイティブ再生といってもいくつかの方式があります。QuteHDはその中でも業界標準として最近話題のDSD Over PCM(DoP)に対応しています。普通のOSの音声システムではDSDを扱えるようにはなっていないので、DoPは176kHzのPCMにDSDを示すマーカー(05/FA)とDSDデータ本体をコード化してDSD信号をDACに送出します。(dCS方式というのはAAマーカーを使うすでに古い規格ですので注意してください)
もともとはPlayback Designの方式とdCSが提唱する方式があり、それが統合されたのが標準規格であるDoPです。DoPに関してはこちらの記事もご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/263097793.html
DSDネイティブ再生は転送する側のPCのプレーヤーソフトと、受ける側のDACの両方に対応が必要です。その間を取り持つのが転送方式です。
その点で転送方式がDoPならば業界標準として広がってきたため、プレーヤーソフトなどの送り手側の選択が広いというのが標準方式を使うメリットです。
* DoPによるDSDネイティブ再生の設定と実践編
以降でOSとプレーヤーソフトごとにDSDネイティブ再生のためのQuteHDでの設定を書いていきますが、まずプレーヤーソフトを最新版にしておくことをお勧めします。下記カッコ内は試したバージョンです。(iTunesだけ最新ではありませんが、アップデートを怠っただけです)
QuteHDでの設定を書いていきますが、DoPを採用している他のDSDネイティブ対応DACでも流用できると思います。
DSDネイティブ再生でQuteHD側でロックしたときはドームの中の色は白で光りますので、白く光ればDSDネイティブ再生が成功しています。青だと176kのPCMでロックしていますので、再度設定を確認してください。
また仮にDSDデコードが失敗しても機器や耳を傷めるほどのひどいノイズは発生しません。この辺が旧dCS方式のAAマーカーからDoPで改良された点のようです。
なお実際に試してみたのですが、QuteHDは旧dCS方式(AAマーカー)で送ってもきちんとネイティブ再生できるようにファームウエアが後方互換性を持っているようです。ただdCS方式は旧方式なので基本的には05/FAのDoPを使用してください。またdCS方式の時は曲の変わり目でノイズが出ます(この辺が問題なのかも)。以降ではDoPで解説していきます。
- Windows 7でのDSDネイティブ再生 (私のテストした環境は64bit版です)
HQ Player(2.8.0)
メイン画面の右にあるPCM/DSD(SDM)の選択メニューでDSDを選択する。
次にファイルメニュー内のDSD設定でSDM Directを選択して、その下のDirect Playback typeのプルダウンメニューからDoPを選択します。
JRiver Media Center (17.0.147)
(項目名は日本語表示を基にしています)
ツールメニューからオプション、ビデオ項目からBitstreamingを選び、DSD Over PCMにチェックを入れて選択項目の中の"DoP 1.0(FA/05)"を選択します。
次にオプションのオーディオ項目からオーディオ出力を選び、出力モードをWASAPI Eventスタイルにします。
- Mac 10.6でのDSDネイティブ再生 (10.7ライオンではまだ試していません)
Audirvana Plus(1.3.5)
ファイルメニューのPreferenceを開いて、Native DSD CapabilityにDSD Over PCM 1.0を選択します。一番簡単です。ただAutomaticDetectionは利きません(PCMになります)。ダミアンに言っとかないと。。
なお画像ではインテジャーモードがオンになっていますが、オフでもDSDネイティブ再生は可能であることも確認しました。(後述)
Pure Music(1.86)
ファイルメニューのAudio SetupからSpecial Optionsを選択し、そこのDSD SetupにてDSD Streaming Deviceをチェックします。次にCopyCurrent Output Devicenameをクリックしてください。するとデバイス名が表示されます。それからFlag欄で05FAを選択します。05FAはDoPのことです(AAAAは旧dCS方式)。
終わったら下の長いApplyボタンをクリックして再起動します。
Pure Musicに関してはこちらにDSDセットアップガイドが提供されています。ただし内容はやや古くAAマーカー(dCS方式)をデフォルトとして解説していますので注意ください。QuteHDでは上で書いたように05FAです。
上の画像では通常表示されているボリュームバーが非表示になっていることにも注意してください。(後述)
Pure MusicでのDSDファイルの扱いについて
Pure MusicではまずDSDをiTunesライブラリに追加する作業が必要です。このときにあらかじめiTunesオプションの「iTune Mediaフォルダを整理」と「ライブラリへの追加時にファイルをiTunes Mediaフォルダにコピー」をオフにしてください。それからファイルメニューの"add FLAC or DSD files"を選択して出てきたウインドウにDFFファイルをドラッグします(時間がかかります)。するとブックマークファイルがiTunesライブラリ内に作成されますので、それを再生します。
*注 : ここで表示されているActive I/O threadsとはCPUの並列処理可能なスレッド数のことです(ハイパースレッドもカウントます)。つまりなるべく複数ファイルを同時にドラッグさせた方が効率よくこの作業ができます。フォルダごとドラッグするとよいでしょう。
iTunes (10.1) - WAVパック方式(WAV encopsulate)
iTunesでのWAVパック方式を使用したDSDネイティブ再生
はい、MacならなんとiTunesでもDSDネイティブ再生が可能です。これは業界標準のDoP方式を採用しているDACであるQuteHDならではの利点です。
DSDネイティブ再生は通常はこれまで上で書いたような対応するプレーヤーソフトが必要ですが、あらかじめDoP形式に成型しておいたDSDデータを一般的なWAV形式に詰めてパックすることで、ビットパーフェクトのプレーヤーであればだいたいDSDネイティブ再生が可能になります。たとえばDecibelもまだDSDネイティブ再生に対応していませんが、このWAVパック方式で再生が可能であることを確認しました。
ただし176kHzを明示的に設定する必要があります。そのため、MacのiTunesではあらかじめAudioMidiで176kHzに設定しておいてください(自動サンプル切り替えができないため)。WindowsのiTunesでは明示的に176kHzを設定できないためにこの方式を使うことはできません。
DecibelでのWAVパック再生
WAVパック方式についてはこちらの私の記事を参照してください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/258376595.html
このWAVパック方式はもともとXMOSの開発者フォーラムであるXCoreのstefさんが自前のXMOS-DSDインターフェイスをテストするために、テストトーンをWAVにDoPでエンコードした音源があったので、私がこれをなんとか汎用変換ツールにできないか、と言ってお願いしたら作ってくれたというものです。
XCoreのサイトから最新のツールをダウンロードして使ってください。このツールでDFFからDSDをパックしたWAVに変換します。変換ツールは下記リンク内のDSDtoPCM encapsulate Toolです。
https://www.xcore.com/projects/dsd-audio-over-usb
このための変換作業はWindowsでもMacでも可能です。ただしJRE(JAVA実行のためのランタイム環境)が必要です。
適当なディレクトリを作成して、その中にencopsulateツールとDFFファイルをいれます。
Windowsならコマンドプロンプト(DOS窓)、Macならターミナルを開けて、下記のようにタイプしてください。xxx.dffはDFFファイル名です。
java -jar DSDtoPCMencapsulate.jar xxx.dff
するとxxx.dff.wavというWAVファイルができます。
これをMacのiTunesで普通にWAVとしてライブラリに加えて再生してみてください。上のようにまずAuidoMidiで176kHzにセットしてから再生することを忘れずに。
* DSDネイティブ再生の実際
昨年夏ころにはじめてPlayback Designs MPS5でDSDネイティブ再生を行ったときはまじないのような設定があまりに複雑で閉口しましたが、今回のQuteHDで使用をしてみるとDSDの設定も簡単になったものです。QuteHDならばあまり悩むところはないでしょう。これはプレーヤーソフト側の改良も大きいと思います。
Macは都合で10.6のみ確認していますが、iTunesでもWAVバックでDSDネイティブ再生ができるところを見ると、当初想定していたようにMacではインテジャーモードが必須ということはないようです。ビットパーフェクト経路が取れていればOKでしょう。(iTunesはAudioMidi設定が正しければビットパーフェクトになります。前に書いたこちらの記事を参照ください)
もし失敗するときは設定を見直すとともに、プレーヤーソフトのソフトウエアボリュームは切るか最大にしておき、アップサンプリングや他のDSPなどは外しておき、つまり「ビットパーフェクト」の状態にしてみるとよいかもしれません。多くのDSPはPCMを前提にしているからです。
ただしJRMC17なんかを見ていると、PCMでアップサンプリング設定をしてもDSDにしたときにきちんとAudiopathをダイレクトにしてDSPが入らないように考えています。またPureMusicなんかでもDSDのときはボリュームを強制オフにしています。このようにプレーヤーが対応していれば本来はビットパーフェクトに悩まなくてもよいはずではあります。
DSDネイティブ再生の音質という点では、Audirvana PlusでBlue Coastの音源をWAV96/24バージョンとDFFバージョンを聞き比べました。
やはりPCMは硬く硬質感があるのに対して、DSDネイティブは自然でリアルという感じです。特にヴォーカルのサ行とかギターの強いピッキングなどでの鋭角なエッジがあるとわかりやすいですね。いくつか他にも聞いてみましたが、同じ傾向です。QuteHDの品格の高い音がさらに上質で聴きやすくなります。
DSD音源のプレーヤーソフト内の管理についてはPureMusicでトリッキーな方法を使用している以外はプレーヤーのプレイリスト画面で他のALACやFLACと同様に扱えます。この辺がiTunesを流用するPureMusicの欠点ではあります。この辺を改良したAmarraもこちらの方向に来そうではありますね。
音源はBlue Coast RecordsがDSDの配信先としてよく知られています。ここはカントリーやブルーグラスのようなアメリカの音楽が主流です。
他にもクラシックならChannel Classicや、国内ならOtotoyやeOnkyoがDSD音源の取り扱いを始めています。
またDSD総合情報のポータルサイトとしてはBlue Coastの主催者が運営しているDSD-Guide.comなどがあります。たまにBlue CoastのDSD音源のセールをしているのでのぞいてみるとよいでしょう。
* さらなる高みへ
QuteHDのDSD使用においてもうひとつ面白い考慮点はQuteHDが将来的に384kHzまでUSBでサポートするということです。なぜこれがDSDと関係するかというと、DoP 1.1の規格を思い返してもらいたいのですが、1.1で拡張されたDSD128(5.6M)の実現において、次の引用のように352kHzをサポートできれば現在176kHzで搬送しているDoPの仕様を単に二倍に拡張することでDSD128をサポートできることが書いてあります。
"The solution described above for 64FS DSD can easily be extended for 128FS by simply raising the underlying PCM sample rate from 176.4kHz to 352.8kHz."
QuteHD内部のデコード部分が現在DSD128に対応しているかはわかりませんが、USBで384kHzまで拡張できるということと、DSDネイティブをサポートするということは実は深い関係があるのではないか、と考えるのもまた面白いと思います。プレーヤー側においてはAudirvana PlusなんかはDSD128対応を考慮し始めているようです。
DSDネイティブ再生の世界ははじまったばかりですが、そろそろ次のことを考え始める時でもあります。
いままでDSDネイティブ再生というと高価なPlayback Designsか、もともとスタジオ用途のMytekくらいしか選択肢がありませんでしたが、普及価格でオーディオ用途のDACであるQuteHDが対応したことで、DoP方式を軸としてさらに普及が加速していくことでしょう。
* DSDネイティブ再生とは
QuteHDは最新の技術とChordの独自技術がうまく織り込まれて設計されていますが、その最新技術の中でもやはりDSDネイティブ再生がポイントです。QuteHD用のパルスアレイDACを設計する際にDSD入力をはじめから考慮していたという点でも力の入れようが分かります。
DSDネイティブ再生はPCMに変換せずに直接DSDをDACに転送することです。これによってDSD 対応DACの能力が最大に発揮できます。
ただしひとくちにDSDネイティブ再生といってもいくつかの方式があります。QuteHDはその中でも業界標準として最近話題のDSD Over PCM(DoP)に対応しています。普通のOSの音声システムではDSDを扱えるようにはなっていないので、DoPは176kHzのPCMにDSDを示すマーカー(05/FA)とDSDデータ本体をコード化してDSD信号をDACに送出します。(dCS方式というのはAAマーカーを使うすでに古い規格ですので注意してください)
もともとはPlayback Designの方式とdCSが提唱する方式があり、それが統合されたのが標準規格であるDoPです。DoPに関してはこちらの記事もご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/263097793.html
DSDネイティブ再生は転送する側のPCのプレーヤーソフトと、受ける側のDACの両方に対応が必要です。その間を取り持つのが転送方式です。
その点で転送方式がDoPならば業界標準として広がってきたため、プレーヤーソフトなどの送り手側の選択が広いというのが標準方式を使うメリットです。
* DoPによるDSDネイティブ再生の設定と実践編
以降でOSとプレーヤーソフトごとにDSDネイティブ再生のためのQuteHDでの設定を書いていきますが、まずプレーヤーソフトを最新版にしておくことをお勧めします。下記カッコ内は試したバージョンです。(iTunesだけ最新ではありませんが、アップデートを怠っただけです)
QuteHDでの設定を書いていきますが、DoPを採用している他のDSDネイティブ対応DACでも流用できると思います。
DSDネイティブ再生でQuteHD側でロックしたときはドームの中の色は白で光りますので、白く光ればDSDネイティブ再生が成功しています。青だと176kのPCMでロックしていますので、再度設定を確認してください。
また仮にDSDデコードが失敗しても機器や耳を傷めるほどのひどいノイズは発生しません。この辺が旧dCS方式のAAマーカーからDoPで改良された点のようです。
なお実際に試してみたのですが、QuteHDは旧dCS方式(AAマーカー)で送ってもきちんとネイティブ再生できるようにファームウエアが後方互換性を持っているようです。ただdCS方式は旧方式なので基本的には05/FAのDoPを使用してください。またdCS方式の時は曲の変わり目でノイズが出ます(この辺が問題なのかも)。以降ではDoPで解説していきます。
- Windows 7でのDSDネイティブ再生 (私のテストした環境は64bit版です)
HQ Player(2.8.0)
メイン画面の右にあるPCM/DSD(SDM)の選択メニューでDSDを選択する。
次にファイルメニュー内のDSD設定でSDM Directを選択して、その下のDirect Playback typeのプルダウンメニューからDoPを選択します。
JRiver Media Center (17.0.147)
(項目名は日本語表示を基にしています)
ツールメニューからオプション、ビデオ項目からBitstreamingを選び、DSD Over PCMにチェックを入れて選択項目の中の"DoP 1.0(FA/05)"を選択します。
次にオプションのオーディオ項目からオーディオ出力を選び、出力モードをWASAPI Eventスタイルにします。
- Mac 10.6でのDSDネイティブ再生 (10.7ライオンではまだ試していません)
Audirvana Plus(1.3.5)
ファイルメニューのPreferenceを開いて、Native DSD CapabilityにDSD Over PCM 1.0を選択します。一番簡単です。ただAutomaticDetectionは利きません(PCMになります)。ダミアンに言っとかないと。。
なお画像ではインテジャーモードがオンになっていますが、オフでもDSDネイティブ再生は可能であることも確認しました。(後述)
Pure Music(1.86)
ファイルメニューのAudio SetupからSpecial Optionsを選択し、そこのDSD SetupにてDSD Streaming Deviceをチェックします。次にCopyCurrent Output Devicenameをクリックしてください。するとデバイス名が表示されます。それからFlag欄で05FAを選択します。05FAはDoPのことです(AAAAは旧dCS方式)。
終わったら下の長いApplyボタンをクリックして再起動します。
Pure Musicに関してはこちらにDSDセットアップガイドが提供されています。ただし内容はやや古くAAマーカー(dCS方式)をデフォルトとして解説していますので注意ください。QuteHDでは上で書いたように05FAです。
上の画像では通常表示されているボリュームバーが非表示になっていることにも注意してください。(後述)
Pure MusicでのDSDファイルの扱いについて
Pure MusicではまずDSDをiTunesライブラリに追加する作業が必要です。このときにあらかじめiTunesオプションの「iTune Mediaフォルダを整理」と「ライブラリへの追加時にファイルをiTunes Mediaフォルダにコピー」をオフにしてください。それからファイルメニューの"add FLAC or DSD files"を選択して出てきたウインドウにDFFファイルをドラッグします(時間がかかります)。するとブックマークファイルがiTunesライブラリ内に作成されますので、それを再生します。
*注 : ここで表示されているActive I/O threadsとはCPUの並列処理可能なスレッド数のことです(ハイパースレッドもカウントます)。つまりなるべく複数ファイルを同時にドラッグさせた方が効率よくこの作業ができます。フォルダごとドラッグするとよいでしょう。
iTunes (10.1) - WAVパック方式(WAV encopsulate)
iTunesでのWAVパック方式を使用したDSDネイティブ再生
はい、MacならなんとiTunesでもDSDネイティブ再生が可能です。これは業界標準のDoP方式を採用しているDACであるQuteHDならではの利点です。
DSDネイティブ再生は通常はこれまで上で書いたような対応するプレーヤーソフトが必要ですが、あらかじめDoP形式に成型しておいたDSDデータを一般的なWAV形式に詰めてパックすることで、ビットパーフェクトのプレーヤーであればだいたいDSDネイティブ再生が可能になります。たとえばDecibelもまだDSDネイティブ再生に対応していませんが、このWAVパック方式で再生が可能であることを確認しました。
ただし176kHzを明示的に設定する必要があります。そのため、MacのiTunesではあらかじめAudioMidiで176kHzに設定しておいてください(自動サンプル切り替えができないため)。WindowsのiTunesでは明示的に176kHzを設定できないためにこの方式を使うことはできません。
DecibelでのWAVパック再生
WAVパック方式についてはこちらの私の記事を参照してください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/258376595.html
このWAVパック方式はもともとXMOSの開発者フォーラムであるXCoreのstefさんが自前のXMOS-DSDインターフェイスをテストするために、テストトーンをWAVにDoPでエンコードした音源があったので、私がこれをなんとか汎用変換ツールにできないか、と言ってお願いしたら作ってくれたというものです。
XCoreのサイトから最新のツールをダウンロードして使ってください。このツールでDFFからDSDをパックしたWAVに変換します。変換ツールは下記リンク内のDSDtoPCM encapsulate Toolです。
https://www.xcore.com/projects/dsd-audio-over-usb
このための変換作業はWindowsでもMacでも可能です。ただしJRE(JAVA実行のためのランタイム環境)が必要です。
適当なディレクトリを作成して、その中にencopsulateツールとDFFファイルをいれます。
Windowsならコマンドプロンプト(DOS窓)、Macならターミナルを開けて、下記のようにタイプしてください。xxx.dffはDFFファイル名です。
java -jar DSDtoPCMencapsulate.jar xxx.dff
するとxxx.dff.wavというWAVファイルができます。
これをMacのiTunesで普通にWAVとしてライブラリに加えて再生してみてください。上のようにまずAuidoMidiで176kHzにセットしてから再生することを忘れずに。
* DSDネイティブ再生の実際
昨年夏ころにはじめてPlayback Designs MPS5でDSDネイティブ再生を行ったときはまじないのような設定があまりに複雑で閉口しましたが、今回のQuteHDで使用をしてみるとDSDの設定も簡単になったものです。QuteHDならばあまり悩むところはないでしょう。これはプレーヤーソフト側の改良も大きいと思います。
Macは都合で10.6のみ確認していますが、iTunesでもWAVバックでDSDネイティブ再生ができるところを見ると、当初想定していたようにMacではインテジャーモードが必須ということはないようです。ビットパーフェクト経路が取れていればOKでしょう。(iTunesはAudioMidi設定が正しければビットパーフェクトになります。前に書いたこちらの記事を参照ください)
もし失敗するときは設定を見直すとともに、プレーヤーソフトのソフトウエアボリュームは切るか最大にしておき、アップサンプリングや他のDSPなどは外しておき、つまり「ビットパーフェクト」の状態にしてみるとよいかもしれません。多くのDSPはPCMを前提にしているからです。
ただしJRMC17なんかを見ていると、PCMでアップサンプリング設定をしてもDSDにしたときにきちんとAudiopathをダイレクトにしてDSPが入らないように考えています。またPureMusicなんかでもDSDのときはボリュームを強制オフにしています。このようにプレーヤーが対応していれば本来はビットパーフェクトに悩まなくてもよいはずではあります。
DSDネイティブ再生の音質という点では、Audirvana PlusでBlue Coastの音源をWAV96/24バージョンとDFFバージョンを聞き比べました。
やはりPCMは硬く硬質感があるのに対して、DSDネイティブは自然でリアルという感じです。特にヴォーカルのサ行とかギターの強いピッキングなどでの鋭角なエッジがあるとわかりやすいですね。いくつか他にも聞いてみましたが、同じ傾向です。QuteHDの品格の高い音がさらに上質で聴きやすくなります。
DSD音源のプレーヤーソフト内の管理についてはPureMusicでトリッキーな方法を使用している以外はプレーヤーのプレイリスト画面で他のALACやFLACと同様に扱えます。この辺がiTunesを流用するPureMusicの欠点ではあります。この辺を改良したAmarraもこちらの方向に来そうではありますね。
音源はBlue Coast RecordsがDSDの配信先としてよく知られています。ここはカントリーやブルーグラスのようなアメリカの音楽が主流です。
他にもクラシックならChannel Classicや、国内ならOtotoyやeOnkyoがDSD音源の取り扱いを始めています。
またDSD総合情報のポータルサイトとしてはBlue Coastの主催者が運営しているDSD-Guide.comなどがあります。たまにBlue CoastのDSD音源のセールをしているのでのぞいてみるとよいでしょう。
* さらなる高みへ
QuteHDのDSD使用においてもうひとつ面白い考慮点はQuteHDが将来的に384kHzまでUSBでサポートするということです。なぜこれがDSDと関係するかというと、DoP 1.1の規格を思い返してもらいたいのですが、1.1で拡張されたDSD128(5.6M)の実現において、次の引用のように352kHzをサポートできれば現在176kHzで搬送しているDoPの仕様を単に二倍に拡張することでDSD128をサポートできることが書いてあります。
"The solution described above for 64FS DSD can easily be extended for 128FS by simply raising the underlying PCM sample rate from 176.4kHz to 352.8kHz."
QuteHD内部のデコード部分が現在DSD128に対応しているかはわかりませんが、USBで384kHzまで拡張できるということと、DSDネイティブをサポートするということは実は深い関係があるのではないか、と考えるのもまた面白いと思います。プレーヤー側においてはAudirvana PlusなんかはDSD128対応を考慮し始めているようです。
DSDネイティブ再生の世界ははじまったばかりですが、そろそろ次のことを考え始める時でもあります。
いままでDSDネイティブ再生というと高価なPlayback Designsか、もともとスタジオ用途のMytekくらいしか選択肢がありませんでしたが、普及価格でオーディオ用途のDACであるQuteHDが対応したことで、DoP方式を軸としてさらに普及が加速していくことでしょう。
2012年05月19日
ハイエンドショウ2012春とDSDネイティブ再生DAC
ハイエンドショウでいくつかDSDネイティブ再生対応DACが出てると言うことで見てきました。
DSDネイティブ再生が広がるのは良いんですが、「DSDネイティブ」と言うのは単にPCMに変換しないという程度の意味しかありません。つまり具体的なプロトコル(手順)の名称ではないので、実際には使われている方式が異なればそれに応じて対応するソフトや環境・使える音源も異なります。実際には様々な方式・システムが考えられるので、伝える時もそれが必要だと思います。今回はその辺を見て来ました。
*愛和のDSD対応システム
こちら愛和のホームページです。
http://ntw-aiwa.co.jp/
AX-U1Pの背面を見ると端子はUSBとHDMIが出ています。
今回新しいのはPCとUSBで接続するAX-U1Pという機器ですが、愛和はもともとUX-D1というHDMI経由でDSD入力のみ受けるDACを持っていました。このUX-D1 DACはもともと愛和のAX-WDというADコンバーターからHDMI経由でDSD信号を受けるシステムになっていたようです。つまりAX-WD ADCとUX-D1 DACが専用ペアのようにHDMIでつながれてデータはPCMではなくDSDで送られていたということですね。
http://ntw-aiwa.co.jp/axwd.html
ではなぜADC-DACというシステムを組んだかというと、ひとつはフォノイコからの入力対応ということで、この辺はAntelopeのRubiconでも似たようなAD-DAシステムを持ってるので、これは良いんですが、もう一つはAX-W3という消磁機とつなぐということらしくこれでシステムの、、、コホン。この辺は触れないでおきましょうか。
それはともかく、UX-D1 DACのDSD入力を生かして今度はPCからの再生に使えるようにしたのがこのAX-U1Pということのようです。端的にいうとAX-U1PはUX-D1 DACのUSBアダプターみたいなものですね。これはPlayback Designs MPSのUSB-Xみたいなものとも言えるでしょう。
AX-U1PはPCとUSB(mini)で接続してPCからはASIO経由でDSDネイティブ信号を受けて、HDMI経由でUX-D1に出力するDDCとかメディアコンバーターみたいなものです。ただPCからはアシンクロナスで転送を行って内蔵クロックで送出するなど凝った機構になっています。
PCにはFoobar2000で再生されていたので、おそらくASIO+SACDコンポーネントですね。(この辺は説明の方が不案内だったので推測)対応するのはDFFということになります。
DSFはAudioGateでDFFに変換してくださいとありましたが、HQ PlayerのASiO版を使えばMytekのところに書いたみたいにおそらくDSFでも直接再生ができるのではないかと思います。
こちらはブースにあった説明図
簡単にシステムを書くとこんな感じでしょう。
PC(foobar2k/ASIO/SACD)→ USB(ASIOによるネイティブ転送) → AX-U1P → HDMI(独自形式) → UX-D1 → RCAアナログ → アンプ
*スフォルツァートのDSD対応ネットワークプレーヤー
こちらスフォルツァートのホームページです。
http://www.sfz.co.jp/
以前スフォルツァートはトランスポートを出していましたが、これはアナログ出力がある今回新型のネットワークプレーヤーです。特徴はDSD音源の再生が可能という点です。表示を見るとDSDをデコードしていることがわかります。
ではどうやってDSDを再生しているかと言うと、NASにstefの例のWAVパック方式のDoPデータを入れて再生しているようです。WAVパック方式については前に書いたこちらの記事を参照ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/258376595.html
(注:上の記事を書いた時点ではDoPという言葉がありませんでしたので標準規格1.0と書いてますが、これは今でいうDoP 1.0のことです)
これ自体はDACなのでアナログで出力します。デジタルで出すわけではなく自己完結です。
内部ではきちんとDSDをデコードしてるんですが、なぜDFFとかDSFにしないかと言うと、スフォルツァートはストレージが基本NASなので、NASにDSD音源をいれた時にコントローラからDSDファイルが見えないからだそうです。この辺はネットワークプレーヤーの隠れた問題点なのかもしれませんね。
ただデコードしてるのはDoPなので、これにUSBをつけてPCと接続できるようにしても面白そうです。
その他少しハイエンドショウの他のトピックです。
ヘッドフォン祭の後でなんかほっとするゆったりしたショウでしたが、設立発表のあったばかりのゴールドムンドジャパンは注目度高かったですね。ぎっしり。ゴールドムンドとディナウディオの組み合わせのデモも新鮮。
ディナウディオではワイヤレススピーカーのXeoのデモを見て来ました。
白いDynaudio Xeo(シオ)5はフロアスタンドでだいたい2700ユーロ(27-8万円)とのこと。これは2.4G帯を使うロスレスワイヤレスで48/16までです(伝送方式名不明)。ただしトランスミッタ自体は96/24を受けることができます。Xeoにはデジタルアンプが内蔵されていますので、これだけで音が鳴ります。一台のトランスミッターで3セット別に音を出せるということで、設定がほぼ不要という点も手軽でよいとのこと。写真に写っているスピーカーケーブルは隣のFocus150のもので、Xeoはケーブルレスです。
アトールでもワイヤレス製品を披露していました。ワイヤレスもまじめに増えてきましたね。こちらはワイヤレスDACも用意されていますがデモしてたのはプリにワイヤレス受信ボードを追加するというものです。
これは伝送方式にKleerを使っていて、ノートPCからはUSBドングルで送信します。また面白いことにiPhone用のドックタイプの送信機も用意されています。
下記は「女性限定」というトライオードのセット。女性限定は特に理由はなく、しゃれだそうです。
あとは47研の8cmフルレンジ・コンパクトスピーカーが試聴もしましたが良かったですね。デスクトップによさそう。これも大村ユニットだそうです。
それと会場にはPS Audioのポール氏が来ていました(完実ブース)。お話ししたかったのですがちょっと機会を逸してしまいました。PS Audioの展開もちょっと気になるところです。
DSDネイティブ再生が広がるのは良いんですが、「DSDネイティブ」と言うのは単にPCMに変換しないという程度の意味しかありません。つまり具体的なプロトコル(手順)の名称ではないので、実際には使われている方式が異なればそれに応じて対応するソフトや環境・使える音源も異なります。実際には様々な方式・システムが考えられるので、伝える時もそれが必要だと思います。今回はその辺を見て来ました。
*愛和のDSD対応システム
こちら愛和のホームページです。
http://ntw-aiwa.co.jp/
AX-U1Pの背面を見ると端子はUSBとHDMIが出ています。
今回新しいのはPCとUSBで接続するAX-U1Pという機器ですが、愛和はもともとUX-D1というHDMI経由でDSD入力のみ受けるDACを持っていました。このUX-D1 DACはもともと愛和のAX-WDというADコンバーターからHDMI経由でDSD信号を受けるシステムになっていたようです。つまりAX-WD ADCとUX-D1 DACが専用ペアのようにHDMIでつながれてデータはPCMではなくDSDで送られていたということですね。
http://ntw-aiwa.co.jp/axwd.html
ではなぜADC-DACというシステムを組んだかというと、ひとつはフォノイコからの入力対応ということで、この辺はAntelopeのRubiconでも似たようなAD-DAシステムを持ってるので、これは良いんですが、もう一つはAX-W3という消磁機とつなぐということらしくこれでシステムの、、、コホン。この辺は触れないでおきましょうか。
それはともかく、UX-D1 DACのDSD入力を生かして今度はPCからの再生に使えるようにしたのがこのAX-U1Pということのようです。端的にいうとAX-U1PはUX-D1 DACのUSBアダプターみたいなものですね。これはPlayback Designs MPSのUSB-Xみたいなものとも言えるでしょう。
AX-U1PはPCとUSB(mini)で接続してPCからはASIO経由でDSDネイティブ信号を受けて、HDMI経由でUX-D1に出力するDDCとかメディアコンバーターみたいなものです。ただPCからはアシンクロナスで転送を行って内蔵クロックで送出するなど凝った機構になっています。
PCにはFoobar2000で再生されていたので、おそらくASIO+SACDコンポーネントですね。(この辺は説明の方が不案内だったので推測)対応するのはDFFということになります。
DSFはAudioGateでDFFに変換してくださいとありましたが、HQ PlayerのASiO版を使えばMytekのところに書いたみたいにおそらくDSFでも直接再生ができるのではないかと思います。
こちらはブースにあった説明図
簡単にシステムを書くとこんな感じでしょう。
PC(foobar2k/ASIO/SACD)→ USB(ASIOによるネイティブ転送) → AX-U1P → HDMI(独自形式) → UX-D1 → RCAアナログ → アンプ
*スフォルツァートのDSD対応ネットワークプレーヤー
こちらスフォルツァートのホームページです。
http://www.sfz.co.jp/
以前スフォルツァートはトランスポートを出していましたが、これはアナログ出力がある今回新型のネットワークプレーヤーです。特徴はDSD音源の再生が可能という点です。表示を見るとDSDをデコードしていることがわかります。
ではどうやってDSDを再生しているかと言うと、NASにstefの例のWAVパック方式のDoPデータを入れて再生しているようです。WAVパック方式については前に書いたこちらの記事を参照ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/258376595.html
(注:上の記事を書いた時点ではDoPという言葉がありませんでしたので標準規格1.0と書いてますが、これは今でいうDoP 1.0のことです)
これ自体はDACなのでアナログで出力します。デジタルで出すわけではなく自己完結です。
内部ではきちんとDSDをデコードしてるんですが、なぜDFFとかDSFにしないかと言うと、スフォルツァートはストレージが基本NASなので、NASにDSD音源をいれた時にコントローラからDSDファイルが見えないからだそうです。この辺はネットワークプレーヤーの隠れた問題点なのかもしれませんね。
ただデコードしてるのはDoPなので、これにUSBをつけてPCと接続できるようにしても面白そうです。
その他少しハイエンドショウの他のトピックです。
ヘッドフォン祭の後でなんかほっとするゆったりしたショウでしたが、設立発表のあったばかりのゴールドムンドジャパンは注目度高かったですね。ぎっしり。ゴールドムンドとディナウディオの組み合わせのデモも新鮮。
ディナウディオではワイヤレススピーカーのXeoのデモを見て来ました。
白いDynaudio Xeo(シオ)5はフロアスタンドでだいたい2700ユーロ(27-8万円)とのこと。これは2.4G帯を使うロスレスワイヤレスで48/16までです(伝送方式名不明)。ただしトランスミッタ自体は96/24を受けることができます。Xeoにはデジタルアンプが内蔵されていますので、これだけで音が鳴ります。一台のトランスミッターで3セット別に音を出せるということで、設定がほぼ不要という点も手軽でよいとのこと。写真に写っているスピーカーケーブルは隣のFocus150のもので、Xeoはケーブルレスです。
アトールでもワイヤレス製品を披露していました。ワイヤレスもまじめに増えてきましたね。こちらはワイヤレスDACも用意されていますがデモしてたのはプリにワイヤレス受信ボードを追加するというものです。
これは伝送方式にKleerを使っていて、ノートPCからはUSBドングルで送信します。また面白いことにiPhone用のドックタイプの送信機も用意されています。
下記は「女性限定」というトライオードのセット。女性限定は特に理由はなく、しゃれだそうです。
あとは47研の8cmフルレンジ・コンパクトスピーカーが試聴もしましたが良かったですね。デスクトップによさそう。これも大村ユニットだそうです。
それと会場にはPS Audioのポール氏が来ていました(完実ブース)。お話ししたかったのですがちょっと機会を逸してしまいました。PS Audioの展開もちょっと気になるところです。
2012年05月13日
ヘッドフォン祭、DSD編
ヘッドフォン祭はPCオーディオ祭の側面もありますが、ここの注目はやはりDSDネイティブ再生です。
MytekではDoPではなくASIOでDSDネイティブ再生のデモをしていました。最近ではDSDネイティブ再生をうたったDACもいくつか出て来ましたが、先行の利点を生かしていろんなヴァリエーションを加えてます。
使用していた再生ソフトはHQ PlayerのASIO versionです。上はドライバー設定で、DSDオプションではnativeを選択しています。
Fostex A8は標準規格DoPでのDSDネイティブ再生をデモしていました。
こちらもHQ playerを使用していました。WindowsではHQ PLayerがDSD再生のスタンダードになってきました。DSDオプションではDoPを選択します。リリースは未定というけどけっこう安定してるようです。
DSD対応ではQuteHDも注目です。音はサイズは小さくてもChordという感じのピュアな音がする感じです。
MytekではDoPではなくASIOでDSDネイティブ再生のデモをしていました。最近ではDSDネイティブ再生をうたったDACもいくつか出て来ましたが、先行の利点を生かしていろんなヴァリエーションを加えてます。
使用していた再生ソフトはHQ PlayerのASIO versionです。上はドライバー設定で、DSDオプションではnativeを選択しています。
Fostex A8は標準規格DoPでのDSDネイティブ再生をデモしていました。
こちらもHQ playerを使用していました。WindowsではHQ PLayerがDSD再生のスタンダードになってきました。DSDオプションではDoPを選択します。リリースは未定というけどけっこう安定してるようです。
DSD対応ではQuteHDも注目です。音はサイズは小さくてもChordという感じのピュアな音がする感じです。
2012年05月09日
ヘッドフォン祭でFostexがDoP対応版のA8を展示
ヘッドフォン祭でFostexがDoP対応版のA8を参考展示するそうです。
http://www.fostex.jp/news/258
これで国産メーカーの目がDSDネイティブ再生に向くことになると良いですね。
http://www.fostex.jp/news/258
これで国産メーカーの目がDSDネイティブ再生に向くことになると良いですね。
2012年05月06日
SonoreがDoP準拠でDSD変換ができるUSB DDCを発表
DACやミュージックサーバーを製作しているSonoreがUSB DDCを発表しましたが、これ面白いことにDoP準拠でDSDネイティブ出力を受けてSPDIF PCM信号(88.2kか176.4k)に変換する機能がついています。DSD2PCMというもので、このUSB DDCで変換するのでPCには負担をかけないというものです。
Signature Series Sonore DSD Converterというもので下記にホームページがあります。
http://www.sonore.us/
DoP V1に準拠しているとありますね。独自フィルターを使用しているとあります。電源はパスパワーではなくリニア電源を使用するです。またPS Audio方式(HDMI)のI2S出力にも対応するようです。
dCSもこうしたDSD対応USB DDCを作っているという情報もありますが、未確認です。
DoP(DSD On PCM)も広がってきて標準規格らしくなってきました。
Signature Series Sonore DSD Converterというもので下記にホームページがあります。
http://www.sonore.us/
DoP V1に準拠しているとありますね。独自フィルターを使用しているとあります。電源はパスパワーではなくリニア電源を使用するです。またPS Audio方式(HDMI)のI2S出力にも対応するようです。
dCSもこうしたDSD対応USB DDCを作っているという情報もありますが、未確認です。
DoP(DSD On PCM)も広がってきて標準規格らしくなってきました。
2012年05月03日
Meitner MA-1 DACがDoPでのDSDネイティブ再生をサポート
Meitner MA-1 DACはやはりDSDに造詣深いEd meitner氏のブランドでDoPでのDSDネイティブ再生をサポートしたようです。Ed MeitnerはEMM Labsの創立者です。MA-1自体は昨年アナウンスされたDACですが、DoP対応は最近のことです。
下記はホームページですが、きちんとDoPという言葉がページに明記されていますね。ここではDoP 1.0準拠とされています。
http://www.meitner.com/preview/ma-1.html
MA-1はXMOSをUSBコントローラに使っていますが、XMOSのファームを書き換えてDoP対応しているようです。
対応するプレーヤーソフトとしてはJRiver Media Center 17.0.136、Audirvana Plus 1.33、Pure Music 1.86、Foobar2000 1.1.11 with a beta Pluginなどがあげられています。
またMA-1はMDAT(Meitner Digital Audio Translator)という機能でPCMや2.8M DSD入力を5.6M DSDに変換しているとのこと。
値段が$7000くらいとちょっとお高いのですが、DSDネイティブ再生対応のDACもけっこう拡大しつつあるようです。
下記はホームページですが、きちんとDoPという言葉がページに明記されていますね。ここではDoP 1.0準拠とされています。
http://www.meitner.com/preview/ma-1.html
MA-1はXMOSをUSBコントローラに使っていますが、XMOSのファームを書き換えてDoP対応しているようです。
対応するプレーヤーソフトとしてはJRiver Media Center 17.0.136、Audirvana Plus 1.33、Pure Music 1.86、Foobar2000 1.1.11 with a beta Pluginなどがあげられています。
またMA-1はMDAT(Meitner Digital Audio Translator)という機能でPCMや2.8M DSD入力を5.6M DSDに変換しているとのこと。
値段が$7000くらいとちょっとお高いのですが、DSDネイティブ再生対応のDACもけっこう拡大しつつあるようです。
2012年05月02日
ChordからDSDネイティブ再生サポートのDAC登場
Chordから出たChordetteラインのQuteHD DACは192k出力の他にDSD over USBをサポートとあるのでDSDネイティブ再生をサポートするようです!
http://www.whathifi.com/news/chord-electronics-adds-qutehd-dac-to-chordette-range
手軽価格ではMytekの他にあまり選択肢のなかったDSDネイティブ再生機ですが、これは楽しみです。基本機能でもパルスアレイDACを搭載など、期待できます。
Chordは先日の英国のショウでネットワークプレーヤーを発表したりとなかなか活気づいてますね。
http://www.whathifi.com/news/chord-electronics-adds-qutehd-dac-to-chordette-range
手軽価格ではMytekの他にあまり選択肢のなかったDSDネイティブ再生機ですが、これは楽しみです。基本機能でもパルスアレイDACを搭載など、期待できます。
Chordは先日の英国のショウでネットワークプレーヤーを発表したりとなかなか活気づいてますね。
2012年04月29日
いまなぜDSD再生が求められるか
GW突入記念の簡単まとめ記事です。
最近よく「DSD再生」っていいますが、そもそもなぜいまDSD再生が求められるか、と思うかもしれません。それをまとめてみました。
まずDSDとPCMの違いと音の影響を端的にまとめるとこんな感じです。
DSD
- ノイズシェーピング(*1)が必要なため、高域でノイズが増えてダイナミックレンジの低下を招く
- PCMはこの影響はない、帯域ごとのノイズレベルは一定である
PCM
- デジタルフィルタが必要なため、アーチファクト(*2)が生じることで不自然な音を生じる
- DSDはこの影響はない、自然な音再現ができる
さて、ここでのポイントはいまのDACはほとんどデルタシグマ方式を使用しているという点です。(*3)
そうするとPCMをいまのデルタシグマDACで使用すると上に書いたDSDとPCMの悪い点を両方受け継ぐことになります。
これから次の二点がわかります。
*PCMを使うなら、マルチビット方式のDACが向いている (これは今回ふれません)
*デルタシグマ方式のDACを使うならば、DSDが向いている
つまりDSDがPCMより優れているから求められているというよりも、実のところはじめに書いたように一長一短ですが、いま一般に普及しているデルタシグマ方式のDACを使うならばDSDを使うのが理想的だというわけです。
SACDはそれを物理メディアでやろうとしましたが、商業的に失敗しました。それをいま物理ディスクではなくPCオーディオでやろうというのがDSDファイル再生の動きです。
そしてこのメリットをフルに発揮するためには、いったんPCM変換をかませないでストレートにDSDを送る「DSDネイティブ再生」が求められるというわけです。
* ちなみにこの他に下記のような考慮点もあります
- 44k→96k→192k→384kと来たPCMの力技の音質向上が、かつてのデジカメの画素数競争のように頭打ちになりそうという状況
- HD音源の配信がダウンロード主軸になったときにDSDの方が音質等価な場合にサイズを少し小さくできるということ
* いまはデルタシグマ方式のDACが主流といってもそれは内部の話で、DAC本体の入力としてはPCMのみを受けられるものがほとんどです。そのためDSDネイティブ再生にはPC側のソフトとDACの両方に対応が必要で、その方式としてDoP(DSD Over PCM)という業界標準が提唱されています。(これによりdCS方式という名称は今は死語ですので注意ください)
参考資料
コッチ先生のホワイトペーパーの記事
DoP標準規格(現在v1.1)
傍注
*1 ノイズシェーピングはノイズを除去するのではなく高域に追いやること
*2 計算の副作用により元の音のデータにはない付加物(プリエコーなど)ができること
*3 マルチビットDACよりデルタシグマDACの方が低価格で作りやすい
最近よく「DSD再生」っていいますが、そもそもなぜいまDSD再生が求められるか、と思うかもしれません。それをまとめてみました。
まずDSDとPCMの違いと音の影響を端的にまとめるとこんな感じです。
DSD
- ノイズシェーピング(*1)が必要なため、高域でノイズが増えてダイナミックレンジの低下を招く
- PCMはこの影響はない、帯域ごとのノイズレベルは一定である
PCM
- デジタルフィルタが必要なため、アーチファクト(*2)が生じることで不自然な音を生じる
- DSDはこの影響はない、自然な音再現ができる
さて、ここでのポイントはいまのDACはほとんどデルタシグマ方式を使用しているという点です。(*3)
そうするとPCMをいまのデルタシグマDACで使用すると上に書いたDSDとPCMの悪い点を両方受け継ぐことになります。
これから次の二点がわかります。
*PCMを使うなら、マルチビット方式のDACが向いている (これは今回ふれません)
*デルタシグマ方式のDACを使うならば、DSDが向いている
つまりDSDがPCMより優れているから求められているというよりも、実のところはじめに書いたように一長一短ですが、いま一般に普及しているデルタシグマ方式のDACを使うならばDSDを使うのが理想的だというわけです。
SACDはそれを物理メディアでやろうとしましたが、商業的に失敗しました。それをいま物理ディスクではなくPCオーディオでやろうというのがDSDファイル再生の動きです。
そしてこのメリットをフルに発揮するためには、いったんPCM変換をかませないでストレートにDSDを送る「DSDネイティブ再生」が求められるというわけです。
* ちなみにこの他に下記のような考慮点もあります
- 44k→96k→192k→384kと来たPCMの力技の音質向上が、かつてのデジカメの画素数競争のように頭打ちになりそうという状況
- HD音源の配信がダウンロード主軸になったときにDSDの方が音質等価な場合にサイズを少し小さくできるということ
* いまはデルタシグマ方式のDACが主流といってもそれは内部の話で、DAC本体の入力としてはPCMのみを受けられるものがほとんどです。そのためDSDネイティブ再生にはPC側のソフトとDACの両方に対応が必要で、その方式としてDoP(DSD Over PCM)という業界標準が提唱されています。(これによりdCS方式という名称は今は死語ですので注意ください)
参考資料
コッチ先生のホワイトペーパーの記事
DoP標準規格(現在v1.1)
傍注
*1 ノイズシェーピングはノイズを除去するのではなく高域に追いやること
*2 計算の副作用により元の音のデータにはない付加物(プリエコーなど)ができること
*3 マルチビットDACよりデルタシグマDACの方が低価格で作りやすい
2012年04月08日
DSD Over PCM標準規格が1.1に更新してDSD128をサポート
DSDネイティブ再生の標準規格であるDSD Audio over PCM Framesが1.1に更新されました。
http://dsd-guide.com/usb-link-dsd-audio-pcm-frames-andreas-koch
少し経緯を振り返ると、DSD対応DACにDSDのデータを送る際にPCMにいったん変換せずにDSDを直接送るのがDSDネイティブ再生です。PC/Macからこのように直接DSDデータを送るためにはいくつか方法があります。DSDの転送そのものがUSBのような汎用IFでは規格化されていないので出てきたのがこのPCMデータに似せてDSDをエンコードするという方式です。この方式には以前はPlayback Designの方式とdCS方式がありました。これは別のものだったのですが、それが手打ちされてPlaybackとdCSの連名で今年のはじめに標準規格1.0としてリリースされました。うちの下記の記事です。(そのためこの標準規格もdCS方式と呼ぶのはやや語弊があるかなとは思います)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/253189067.html
細かくは見ていませんが、今回1.0からの変更はまずDSD128(5.6M)対応です。(見てなかったんですが1.0のマイクロバージョン変更で途中で加わっていたかもしれません)
これにはSolution1とSolution2という2方式が提案されていて、Solution1では352kHz対応の機器を使うことで単に従来規格を倍速でサポートするというものです。Solution2は少しややこしくAES/EBUなどそもそも352kHzがサポートできない方式においてサンプルレートを上げないで実現するというものです。この場合はマーカーも06/F9になります。
また名称からUSBが取れています。前は名称にUSB Linkというのがついていましたね。上でもAES/EBUの例がありますが、USBに限らず用いられることを想定しているということですね。
この規格をなんて呼ぶか考えていて標準1.0と書いてたんですが、今回DoPと略しているのでDSD Over PCMととりあえず書いてこうかと思ってます。DSD Over PCM 標準規格1.1(DoP 1.1)ですね。
それとサポートメンバーにCEntranceが増えてます。これはヘッドフォン祭にも来てくれてるマイケルです。CEntranceはDACportなどでも知られていますが、実はUSBのファームウェアを提供する大手でBenchmark、Lavry、PS Audio、Belcanto、Empiricalなどに提供しています。つまりCEntranceが加入するということはここに書かれていない他のメーカーにも影響を与えるということです。Wavelengthのゴードンもすでに入っているのでUSBファームウェア提供の大手はこれでカバーされた感じですね。
また、お待たせしましたという感じですがMytek Digitalが正式に加わっていますね。Mytekではすでにこの方式が実装されているようです。このほかにはMSB Technology、CH-Precision、Light Harmonic、Vitus Audioなどが加わっています。だいぶ増えてきましたが、日本のメーカーがないのが残念ではあります。
この規格がたとえばIEEEとかUSB.orgに提案されるかはわかりませんが、デファクトスタンダードの業界標準となってきたのは間違いないでしょう。標準方式を採用するというのは作る側では開発コストも低減できますし、使う側では利便性があります。これはDSDネイティブ再生というものが広がっていく契機になると思いますし、PCオーディオの幅を広げるでしょう。日本のメーカーもぜひ検討してサポート表明してほしいものだと思います。
http://dsd-guide.com/usb-link-dsd-audio-pcm-frames-andreas-koch
少し経緯を振り返ると、DSD対応DACにDSDのデータを送る際にPCMにいったん変換せずにDSDを直接送るのがDSDネイティブ再生です。PC/Macからこのように直接DSDデータを送るためにはいくつか方法があります。DSDの転送そのものがUSBのような汎用IFでは規格化されていないので出てきたのがこのPCMデータに似せてDSDをエンコードするという方式です。この方式には以前はPlayback Designの方式とdCS方式がありました。これは別のものだったのですが、それが手打ちされてPlaybackとdCSの連名で今年のはじめに標準規格1.0としてリリースされました。うちの下記の記事です。(そのためこの標準規格もdCS方式と呼ぶのはやや語弊があるかなとは思います)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/253189067.html
細かくは見ていませんが、今回1.0からの変更はまずDSD128(5.6M)対応です。(見てなかったんですが1.0のマイクロバージョン変更で途中で加わっていたかもしれません)
これにはSolution1とSolution2という2方式が提案されていて、Solution1では352kHz対応の機器を使うことで単に従来規格を倍速でサポートするというものです。Solution2は少しややこしくAES/EBUなどそもそも352kHzがサポートできない方式においてサンプルレートを上げないで実現するというものです。この場合はマーカーも06/F9になります。
また名称からUSBが取れています。前は名称にUSB Linkというのがついていましたね。上でもAES/EBUの例がありますが、USBに限らず用いられることを想定しているということですね。
この規格をなんて呼ぶか考えていて標準1.0と書いてたんですが、今回DoPと略しているのでDSD Over PCMととりあえず書いてこうかと思ってます。DSD Over PCM 標準規格1.1(DoP 1.1)ですね。
それとサポートメンバーにCEntranceが増えてます。これはヘッドフォン祭にも来てくれてるマイケルです。CEntranceはDACportなどでも知られていますが、実はUSBのファームウェアを提供する大手でBenchmark、Lavry、PS Audio、Belcanto、Empiricalなどに提供しています。つまりCEntranceが加入するということはここに書かれていない他のメーカーにも影響を与えるということです。Wavelengthのゴードンもすでに入っているのでUSBファームウェア提供の大手はこれでカバーされた感じですね。
また、お待たせしましたという感じですがMytek Digitalが正式に加わっていますね。Mytekではすでにこの方式が実装されているようです。このほかにはMSB Technology、CH-Precision、Light Harmonic、Vitus Audioなどが加わっています。だいぶ増えてきましたが、日本のメーカーがないのが残念ではあります。
この規格がたとえばIEEEとかUSB.orgに提案されるかはわかりませんが、デファクトスタンダードの業界標準となってきたのは間違いないでしょう。標準方式を採用するというのは作る側では開発コストも低減できますし、使う側では利便性があります。これはDSDネイティブ再生というものが広がっていく契機になると思いますし、PCオーディオの幅を広げるでしょう。日本のメーカーもぜひ検討してサポート表明してほしいものだと思います。
2012年04月05日
BlueCoastで再度DSD音源のセール
少し前に書いたDSD-Guide/BlueCoastのDSD音源の$0.1セールは結局一日だけと言いながら5日も行っていたようです。これでDSD音源もかなりいきわたったのではないでしょうか。しかし一番良いことはDSD目的でもこの良録音を聴きながら、カントリーもいいじゃない、と思ってくれる人が増えることではないでしょうか。こうした良録音ものはジャズとかクラシックが多いですからね。それもまたレーベル冥利なのだと思います。
それとBlueCoastのメーリングリストを購読している人はさらにボーナスのお知らせが入っていると思いますので確認ください。
そこで再度4/9までWhile She Sleepsというアルバムを44/96/DSDそれぞれ$5でセールするということです。これはDSD録音されたソロピアノです。(前のDSD Collectionはアナログ録音のDSDマスタリング)
http://dsd-guide.com/
こちらはカントリーではなく、少し前に人気を博したウインダムヒルなどのNew Ageを思い起こす落ち着いたピアノ作品です。実際にBlueCoast主催のMarencoさんはウインダムヒルでも仕事をしていたそうです。ちょっとまたカントリーと違う感じもよいのではないでしょうか。DSD録音、DSDマスタリング、DSDネイティブ再生、とDDDで楽しみたい方もぜひどうぞ。
それとBlueCoastのメーリングリストを購読している人はさらにボーナスのお知らせが入っていると思いますので確認ください。
そこで再度4/9までWhile She Sleepsというアルバムを44/96/DSDそれぞれ$5でセールするということです。これはDSD録音されたソロピアノです。(前のDSD Collectionはアナログ録音のDSDマスタリング)
http://dsd-guide.com/
こちらはカントリーではなく、少し前に人気を博したウインダムヒルなどのNew Ageを思い起こす落ち着いたピアノ作品です。実際にBlueCoast主催のMarencoさんはウインダムヒルでも仕事をしていたそうです。ちょっとまたカントリーと違う感じもよいのではないでしょうか。DSD録音、DSDマスタリング、DSDネイティブ再生、とDDDで楽しみたい方もぜひどうぞ。
2012年04月01日
Blue CoastのDSDコレクションがわずか$0.1のセール
DSD-Guide.comからのプレゼントとして本日Blue CoastのDSD音源のコレクションアルバム"Blue Coast Collection"がわずか$0.1(約8円)のセールをしています!こちらのリンクから入ってその中のリンクをクリックしてください。Blue Coastのトップから入ってもディスカウントはありません。44k、96版も安いので聴き比べに最適です。またDSDに興味なくてもBlue Coastレーベルのサンプラーとして良いのでこの機会にぜひどうぞ。ブルーグラス、カントリー系の良録音レーベルです。
http://dsd-guide.com/
なおこれはいわゆる嘘をつくエイプリルフールネタではありませんが、Marencoさんは馬鹿になってやってみましたと言ってます(笑)。ですのでほんとです。私も注文してPayPalのレシートを確認しましたが、44k、96k、DFFの3アルバムで26円です。
一応米国時間の4/1だけですが、サーバーの調子によっては明日もやるかもということです。
http://dsd-guide.com/
なおこれはいわゆる嘘をつくエイプリルフールネタではありませんが、Marencoさんは馬鹿になってやってみましたと言ってます(笑)。ですのでほんとです。私も注文してPayPalのレシートを確認しましたが、44k、96k、DFFの3アルバムで26円です。
一応米国時間の4/1だけですが、サーバーの調子によっては明日もやるかもということです。
2012年03月28日
DSD-Guide.comに紹介いただきました
以前DSDのポータルサイトとしてDSD-Guide.comを紹介しましたが、その記事をDSD-Guide.comで紹介してもらいました!
http://dsd-guide.com/dsd-audio-has-international-appeal-especially-japan
DSD-Guide.comを開設してからのヒット数が実はアメリカよりも日本からが一番多かったということで調べてみたらうちのブログからのアクセスだったということで、このパターンはいままでもけっこうあります。
ここで記事の一部を英訳してもらっていますが、私も内容を一部訂正しますと、このDSD-Guide.comは前の記事ではPlayback Designの主導ではないかと書きましたが、実際に運営しているのはBlue Coast Recordsの創設者であるCookie Marencoさんだそうです。前のDSDネイティブ再生祭りの記事でBlue CoastのDog Songを使用したと言ったら、DSD再生のテストにはなかなかいい選択だと言ってくれました。
DSDはファイル形式にしろ、ネイティブ再生の形式にしろ、統一性が取れていないのが一番の問題だと思うので主導的な立場を持って行ってもらいたいですね。
ただサイトの目的はやはり音楽をDSDの良さを通して広めたいと言うことだそうです。
こちらに無料ダウンロードページもありますよ!
http://dsd-guide.com/free-downloads
http://dsd-guide.com/dsd-audio-has-international-appeal-especially-japan
DSD-Guide.comを開設してからのヒット数が実はアメリカよりも日本からが一番多かったということで調べてみたらうちのブログからのアクセスだったということで、このパターンはいままでもけっこうあります。
ここで記事の一部を英訳してもらっていますが、私も内容を一部訂正しますと、このDSD-Guide.comは前の記事ではPlayback Designの主導ではないかと書きましたが、実際に運営しているのはBlue Coast Recordsの創設者であるCookie Marencoさんだそうです。前のDSDネイティブ再生祭りの記事でBlue CoastのDog Songを使用したと言ったら、DSD再生のテストにはなかなかいい選択だと言ってくれました。
DSDはファイル形式にしろ、ネイティブ再生の形式にしろ、統一性が取れていないのが一番の問題だと思うので主導的な立場を持って行ってもらいたいですね。
ただサイトの目的はやはり音楽をDSDの良さを通して広めたいと言うことだそうです。
こちらに無料ダウンロードページもありますよ!
http://dsd-guide.com/free-downloads
2012年03月22日
DSDネイティブ再生祭り
角田さん試聴室でDSDネイティブ再生をハイエンド機器で試してきました。
システムはMac pro に再生プレーヤーはAudirvana Plusの最新版、要のDACはMytek DSD Stereo192でファームウェアは1.4.2β、それにAyreのプリとパワー からスピーカーはライドーC1という構成です。
Audirvana PlusとMytekでDSDはネイティブ再生できています。
こちらの下はAudirvanaでの設定画面です。Mytekを指定するとAudirvanaでは自動的に機器を判別します。下記にDSD選択が見えていますね。
Mytek側ではこのようにPCMではサンプリング周波数が表示されるところにDSDと表示されるとDSDでロックした証です。
まずeonkyoの音源からタッドさんのnamaを176kHz/24 PCMとDSD(DSF)で聴き比べてみました。
聴き比べてみるとPCMも素晴らしい音ですが、DSDは全体的にさらに鮮明でベルの音は生々しく明瞭感があります。またパーカッションもよりアタックやインパクト感があります。楽器の音色や魅力浮き彫りにする感じですね。
こう書くと分析的な感じに思われるかもしれませんが、DSDネイティブ再生の良いところは高精細でありながらあくまで自然で硬さがないという点です。いわばアナログ的というのか、濃くて柔らかく滑らかですね。
NAMA MA-Recordings
http://music.e-onkyo.com/goods/detail.asp?goods_id=ma0846
これは次に聴いたDSDに力を入れているレーベル、Channel Classic Recordsのストラビンスキー 火の鳥でも明らかです。これもPCMとDSDネイティブ再生で比較するとクラシックでは楽器の音の鮮やかさとともに、強音部のインパクトに余裕が感じられます。
Firebird Suite
http://www.channelclassics.com/fischer-32112.html
DSDではもはや老舗のBlue Corast Recordsからブルースで聞くと、DSDネイティブ再生のヴォーカルはPCMとは別物で痛さがなくかつリアルです。PCMはシャープではありますが硬くて尖ったところがありますね。DSDネイティブ再生では柔らかでかつ明瞭です。
Dog Song
http://bluecoastrecords.com/blue-coast-collection
Mytek自体も音が良いですね。モニター的に正確というだけでなく、こうしてハイエンドシステムで聴いても良いです。とくにバランスアウトの音は良いですね。
私はこのDSD Stereo192が出るまでMytekというブランドは知らなかったんですが、MytekはLaveryと並んでアメリカのハイエンドスタジオ機器では由緒あるメーカーだそうで、録音やってる角田さんは高く評価していました。
やはりスタジオ用ではあるので、ちょっととっつきにくいかもしれませんが、単にDSDが出せるってだけでなくオーディオとしても音は良いです。
さて、そこで例のStefのWAV pack方式のDSDネイティブ再生ですが、こちらも試してみました。こちらに記事を書いたものです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/258376595.html
はじめにAudirvanaとMytekで試しました。まずテストトーン(DSD-test-tone-PCM-packed.wav)で試しました。XMOS DSD再生のページにアップされているものです。こちらはきちんと成功しました!
上のようにAurdirvanaでは176/24のWAVとして再生されていますが、Mytek側ではDSDとしてロックされています!
次にiTunesで試してみましたが、こちらはなぜかDSDと192をいったりきたりして惜しいけど出なかったですね。AudioMidiは合わせていたんですが、プレーヤーの問題にも思えます。
そして例のJAVAツールでdCS方式変換をしてみましたが、こちらはうまくいきません。この辺はまた試してみますが、いずれにせよこのWAVパック方式でもDSDネイティブ再生ができたことは大きいですね。もしかするとWAVが再生できればなんでもとは言えないかもしれませんが、PC以外のネットワークプレーヤーなどにもDSDネイティブ再生が応用できる可能性があるかもしれません。DSDネイティブ再生をするのに再生機器・ソフト側になんらかの変更の必要がない、いまのをそのまま使えるという点がポイントです。
またFOSTEX A8を使ってSDカードでDSD再生もしてみました。こちらもこのハイエンドシステムに見合うくらいの音で自然で高品質な音でした。コストパフォーマンスはとてもいいようです。少しモニタライクだったA7とは異なってよりオーディオ的な高品質な音になったように感じられました。
今回はまたなかなか濃いテストをしましたが、このDSDネイティブ再生は一度聞いてみると病み付きになる魅力を秘めていますね。PCオーディオもまた面白いものになっていきそうです。
それとdCS方式と標準方式(1.0)の関係と、どのソフトやDACがどの方式に対応しているかについても洗いなおして整理をする必要がありそうです。
システムはMac pro に再生プレーヤーはAudirvana Plusの最新版、要のDACはMytek DSD Stereo192でファームウェアは1.4.2β、それにAyreのプリとパワー からスピーカーはライドーC1という構成です。
Audirvana PlusとMytekでDSDはネイティブ再生できています。
こちらの下はAudirvanaでの設定画面です。Mytekを指定するとAudirvanaでは自動的に機器を判別します。下記にDSD選択が見えていますね。
Mytek側ではこのようにPCMではサンプリング周波数が表示されるところにDSDと表示されるとDSDでロックした証です。
まずeonkyoの音源からタッドさんのnamaを176kHz/24 PCMとDSD(DSF)で聴き比べてみました。
聴き比べてみるとPCMも素晴らしい音ですが、DSDは全体的にさらに鮮明でベルの音は生々しく明瞭感があります。またパーカッションもよりアタックやインパクト感があります。楽器の音色や魅力浮き彫りにする感じですね。
こう書くと分析的な感じに思われるかもしれませんが、DSDネイティブ再生の良いところは高精細でありながらあくまで自然で硬さがないという点です。いわばアナログ的というのか、濃くて柔らかく滑らかですね。
NAMA MA-Recordings
http://music.e-onkyo.com/goods/detail.asp?goods_id=ma0846
これは次に聴いたDSDに力を入れているレーベル、Channel Classic Recordsのストラビンスキー 火の鳥でも明らかです。これもPCMとDSDネイティブ再生で比較するとクラシックでは楽器の音の鮮やかさとともに、強音部のインパクトに余裕が感じられます。
Firebird Suite
http://www.channelclassics.com/fischer-32112.html
DSDではもはや老舗のBlue Corast Recordsからブルースで聞くと、DSDネイティブ再生のヴォーカルはPCMとは別物で痛さがなくかつリアルです。PCMはシャープではありますが硬くて尖ったところがありますね。DSDネイティブ再生では柔らかでかつ明瞭です。
Dog Song
http://bluecoastrecords.com/blue-coast-collection
Mytek自体も音が良いですね。モニター的に正確というだけでなく、こうしてハイエンドシステムで聴いても良いです。とくにバランスアウトの音は良いですね。
私はこのDSD Stereo192が出るまでMytekというブランドは知らなかったんですが、MytekはLaveryと並んでアメリカのハイエンドスタジオ機器では由緒あるメーカーだそうで、録音やってる角田さんは高く評価していました。
やはりスタジオ用ではあるので、ちょっととっつきにくいかもしれませんが、単にDSDが出せるってだけでなくオーディオとしても音は良いです。
さて、そこで例のStefのWAV pack方式のDSDネイティブ再生ですが、こちらも試してみました。こちらに記事を書いたものです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/258376595.html
はじめにAudirvanaとMytekで試しました。まずテストトーン(DSD-test-tone-PCM-packed.wav)で試しました。XMOS DSD再生のページにアップされているものです。こちらはきちんと成功しました!
上のようにAurdirvanaでは176/24のWAVとして再生されていますが、Mytek側ではDSDとしてロックされています!
次にiTunesで試してみましたが、こちらはなぜかDSDと192をいったりきたりして惜しいけど出なかったですね。AudioMidiは合わせていたんですが、プレーヤーの問題にも思えます。
そして例のJAVAツールでdCS方式変換をしてみましたが、こちらはうまくいきません。この辺はまた試してみますが、いずれにせよこのWAVパック方式でもDSDネイティブ再生ができたことは大きいですね。もしかするとWAVが再生できればなんでもとは言えないかもしれませんが、PC以外のネットワークプレーヤーなどにもDSDネイティブ再生が応用できる可能性があるかもしれません。DSDネイティブ再生をするのに再生機器・ソフト側になんらかの変更の必要がない、いまのをそのまま使えるという点がポイントです。
またFOSTEX A8を使ってSDカードでDSD再生もしてみました。こちらもこのハイエンドシステムに見合うくらいの音で自然で高品質な音でした。コストパフォーマンスはとてもいいようです。少しモニタライクだったA7とは異なってよりオーディオ的な高品質な音になったように感じられました。
今回はまたなかなか濃いテストをしましたが、このDSDネイティブ再生は一度聞いてみると病み付きになる魅力を秘めていますね。PCオーディオもまた面白いものになっていきそうです。
それとdCS方式と標準方式(1.0)の関係と、どのソフトやDACがどの方式に対応しているかについても洗いなおして整理をする必要がありそうです。
2012年03月18日
DSDネイティブ再生をiTunesでも可能にするツール
以前下記のXMOSのDSDネイティブ再生コードを紹介した時に、WAVファイルにDSDデータをエンコードすることでもDSDネイティブ再生ができることを紹介しました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/249957568.html
これはDSDデータをPCMデータに変換するのではなくて、つまりWAVというファイル形式(箱)にDSDデータ(中身)を詰めるということです。さきにも書いたようにWAVというより、WAVの元形式であるRIFFとしてDSDを詰めたというほうが良いかもしれません。
いままでDSDネイティブ再生ではPure MusicやHQ Player、Audirvana Plusなど専用にDSDネイティブ出力対応がなされたソフトウエアが必要でしたが、この理由はDSDデータをdCS形式のDSDマーカー+DSDデータと言う176kHzのPCMに似せたフォーマットに変換して送るためです。それならばはじめからそうしたフォーマットに整形しておけば良いのではないか、そのデータを入れる箱としては汎用のWAV(RIFF)が良いのではないか、と言うのがこのWAV方式です。リアルタイムとバッチ(一括)処理の違いとも言えるかもしれません。
もしこのWAV方式でDSDネイティブ再生ができるならば、送り出しのプレーヤーソフトは単にWAVが再生できれば良いということになります。つまり一般的なiTunesでも良いわけです。(もちろん経路がビットパーフェクトであることが条件です)
ただしさきに記事を書いた時に、上記ページに添付されていたWAVデータは開発者のStefさんに聞いてみるとテスト用にシミュレーションして生成したもので汎用性はありませんでした。そこでStefさんに汎用の変換ツールとして作れないかとお話ししていたら、本当にツールを作ってくれました。DSDtoPCMencapsulateというツールです。
ダウンロードは下記ページのDSDtoPCM encapsulate Toolというリンクです。
https://www.xcore.com/projects/dsd-audio-over-usb
受け手側のDACは先に書いた"USB Link for DSD Audio via PCM Frames"のv1.0標準に対応している必要があります。(注: dCS方式ではありません)
ツールはJAVAで作成されていて、OSには依存していません。
使用法は下記のとおりです。
java -jar DSDtoPCMencapsulate.jar DSDファイル名
*DSDファイルはDSDIFF(DFF) v1.5に対応しています。変換されるWAVは元のDSDの1.5倍くらいになるので注意。他はreadmeを参照ください。
Windowsでの実行例をあげます。ちなみに正しいfoobarの使用例も書いておきます(笑)
C:\Users\foo>java -jar DSDtoPCMencapsulate.jar bar.dff
******************************************************************************
DSD-in-DSDIFF file to encapsulated DSD-in-PCM file converter (DoP open standard
v1.0)
Version: 0.9beta
Any commercial and/or illegal usage is prohibited!
More info at: https://www.xcore.com/projects/dsd-audio-over-usb
Copyright 2012 by Stef
******************************************************************************
DSDIFF file header
---------------------------
DSDIFF version: 1.4.0.0
Sample rate: 2822400Hz
Number of channels: 2
Channel 1: SLFT
Channel 2: SRGT
DSD: not compressed
---------------------------
Reading and encapsulating 262370028bytes of DSD data...
Encapsulated file is ready!
C:\Users\foo>
出力ファイルは標準出力ではなく入力ファイルと同じディレクトリに作成されますのでリダイレクトや出力ファイル名指定は不要です。入力ファイル名に*.wavが付加されます。
簡単にいうとDFFファイルを読んでこのツールでUSB Link for DSDの「DSDマーカー+DSDデータ」のフォーマットにはじめからデータを整形しておいてWAVにカプセル化しておくというわけです。
DFF形式の素のDSDデータ
↓
DSDtoPCMencapsulateで変換 (java使用)
↓
WAV形式のUSB linkフォーマットDSDデータ (176.4k/24bit)
これでまたDSDネイティブ方式も面白いことになりそうです。
*注
現在はdCS方式ではなく、標準規格1.0に対応しています。Stefさんは先に書いた自分のXMOSファームとBaffalo 32(IIの前のやつ)でテストしてるようです。また再生ソフトはVLCを使ってるそうです。
dCS方式(0xAAマーカー)に対応するのはないの、と聞いたらまたdCS方式バージョンを作ってくれました。こちらは私が受け取りましたが、また報告します。
ちなみにMytekはV1.4.1のファームで標準規格1.0に対応するようです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/249957568.html
これはDSDデータをPCMデータに変換するのではなくて、つまりWAVというファイル形式(箱)にDSDデータ(中身)を詰めるということです。さきにも書いたようにWAVというより、WAVの元形式であるRIFFとしてDSDを詰めたというほうが良いかもしれません。
いままでDSDネイティブ再生ではPure MusicやHQ Player、Audirvana Plusなど専用にDSDネイティブ出力対応がなされたソフトウエアが必要でしたが、この理由はDSDデータをdCS形式のDSDマーカー+DSDデータと言う176kHzのPCMに似せたフォーマットに変換して送るためです。それならばはじめからそうしたフォーマットに整形しておけば良いのではないか、そのデータを入れる箱としては汎用のWAV(RIFF)が良いのではないか、と言うのがこのWAV方式です。リアルタイムとバッチ(一括)処理の違いとも言えるかもしれません。
もしこのWAV方式でDSDネイティブ再生ができるならば、送り出しのプレーヤーソフトは単にWAVが再生できれば良いということになります。つまり一般的なiTunesでも良いわけです。(もちろん経路がビットパーフェクトであることが条件です)
ただしさきに記事を書いた時に、上記ページに添付されていたWAVデータは開発者のStefさんに聞いてみるとテスト用にシミュレーションして生成したもので汎用性はありませんでした。そこでStefさんに汎用の変換ツールとして作れないかとお話ししていたら、本当にツールを作ってくれました。DSDtoPCMencapsulateというツールです。
ダウンロードは下記ページのDSDtoPCM encapsulate Toolというリンクです。
https://www.xcore.com/projects/dsd-audio-over-usb
受け手側のDACは先に書いた"USB Link for DSD Audio via PCM Frames"のv1.0標準に対応している必要があります。(注: dCS方式ではありません)
ツールはJAVAで作成されていて、OSには依存していません。
使用法は下記のとおりです。
java -jar DSDtoPCMencapsulate.jar DSDファイル名
*DSDファイルはDSDIFF(DFF) v1.5に対応しています。変換されるWAVは元のDSDの1.5倍くらいになるので注意。他はreadmeを参照ください。
Windowsでの実行例をあげます。ちなみに正しいfoobarの使用例も書いておきます(笑)
C:\Users\foo>java -jar DSDtoPCMencapsulate.jar bar.dff
******************************************************************************
DSD-in-DSDIFF file to encapsulated DSD-in-PCM file converter (DoP open standard
v1.0)
Version: 0.9beta
Any commercial and/or illegal usage is prohibited!
More info at: https://www.xcore.com/projects/dsd-audio-over-usb
Copyright 2012 by Stef
******************************************************************************
DSDIFF file header
---------------------------
DSDIFF version: 1.4.0.0
Sample rate: 2822400Hz
Number of channels: 2
Channel 1: SLFT
Channel 2: SRGT
DSD: not compressed
---------------------------
Reading and encapsulating 262370028bytes of DSD data...
Encapsulated file is ready!
C:\Users\foo>
出力ファイルは標準出力ではなく入力ファイルと同じディレクトリに作成されますのでリダイレクトや出力ファイル名指定は不要です。入力ファイル名に*.wavが付加されます。
簡単にいうとDFFファイルを読んでこのツールでUSB Link for DSDの「DSDマーカー+DSDデータ」のフォーマットにはじめからデータを整形しておいてWAVにカプセル化しておくというわけです。
DFF形式の素のDSDデータ
↓
DSDtoPCMencapsulateで変換 (java使用)
↓
WAV形式のUSB linkフォーマットDSDデータ (176.4k/24bit)
これでまたDSDネイティブ方式も面白いことになりそうです。
*注
現在はdCS方式ではなく、標準規格1.0に対応しています。Stefさんは先に書いた自分のXMOSファームとBaffalo 32(IIの前のやつ)でテストしてるようです。また再生ソフトはVLCを使ってるそうです。
dCS方式(0xAAマーカー)に対応するのはないの、と聞いたらまたdCS方式バージョンを作ってくれました。こちらは私が受け取りましたが、また報告します。
ちなみにMytekはV1.4.1のファームで標準規格1.0に対応するようです。