なにしろこの写真の中だけで新型B&W(左)のペア300万をはじめ、右のメイプルのVerityは特別仕様で250万、奥の黒のベーゼンドルファーも220万、平たいソナスのStradivari Homageに至っては500万です。
アンプでも数百万クラスは珍しくなくフロア全体で数億というレベルですから、もう買うの買わないのとは別次元で気持ちがいいです(笑)
150万クラスの高性能ユニバーサルプレーヤーの一挙9台試聴とかいろいろ面白いデモがあったのですが、こうして聴き比べてみるとおもしろいものでプリアンプ聴き比べなんかはヴォリームとセレクタだけのように思われがちなプリもやはり音の個性があって音をそれなりに支配していることがわかります。スピーカーでもやはり各社個性ある音で楽しめました。
JBLはやはり迫力や重さはありますし、アンプによってはかっこ良さはさらに増します。特に組み合わせとしては定番のマッキンとはシナジーというよりはのりの良さが違いますね。
聴きたかったソナスファベールのStradivari Homageの音は素晴らしく美しかったですし、
http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/stradi.html
また音色が特徴的というとピアノメーカーのベーゼンドルファーがピアノの音を再現するためにピアノの音の響きを元に作ったというウーファーのない、共鳴板型のスピーカーも個性的でした。あまりきれいになり過ぎずにリアルにチューンされた中低域の独特の響きはおもしろいものがありました。
http://www.noahcorporation.com/bosen/index.html
またソースではプロ機材メーカーの民生品対決もおもしろいものでした。これもおもしろいものがあって、たとえば最近良く聞くEMM Labなんかは解像感の高いお仕事向けのような印象ですが、新鋭のスイスのweissなんかは柔らかくてプロ機でこんなのでいいのかと思うような音楽的な音でした。
http://www.dspj.co.jp/products/EmmLabs/emm-products.htm
http://www.phileweb.com/news/audio/200502/01/5590.html
それとデジタルとアナログの対比が個人的には今日のポイントでした。それは増幅方式でもあり、ソースでもあります。
たとえばアクティブスピーカーというとサブウーファーを除けばピュアオーディオでは色もの的存在でしたが、デジタルはそれを変えました。LINNの新型アーティキュラット350Aは5ウエイ・6speakerですがスピーカー本体に最新のデジタルアンプモジュールが内蔵されていて、それでなんと各スピーカーユニットに一つずつ個別のアンプが配置されています。つまりスピーカーにはスピーカーケーブルではなくインターコネクトを接続します。もちろんスピーカーケーブルは不要です。
http://www.linn.jp/products/new/artikulat.html
やはりこの効果はありまして、似たような形としてマルチアンプ駆動の通常システムと聞き比べても音の広がりは一段高いものがありました。
そのうち目を閉じて聴いていて密度感のある締まった音に「これはいいDACだなあ」と思ったら、考えてみたら今かけてたのはLPレコードでした(笑)
アナログのLPレコードというと懐古的で真空管なんかと合わせてまったりと聴くイメージもありますが、実は高性能のLPプレーヤーのシステムならCDよりもちりちりノイズやSN感は劣ったとしても音像はずっとしっかりとして密度があり輪郭はきっちりしています。ここで使ったLP12は33年前に製作されたLINNのデビュー作でいまでも作り続けられています。
http://www.linn.jp/products/detail/lp12.html
こうしたリファレンスクラスのシステムで聴いてみるとLPに対してのCDの問題点は高域が22kHzでカットされるという良く言われることだけではなく、デジタル固有のジッターなど正確なDA変換を阻む要因で音を緩ませてしまうということも実感します。
つまりデジタルの場合はいったん音を数値化するという点でメディアの劣化に左右されない利点がありますが、いったん変換してまた戻すというところに問題があるわけです。実は完全にもとには戻せないということですね。
それを考えるとSACDなら22kHz以上出るからCDよりアナログに近いというのは倍音再現などで有利ではあっても、こうしたデジタル固有の問題は簡単にはぬぐえないでしょう。やはりトラポでの読み取りからDACまでのソース部分のトータルのできがCDおよびデジタルフォーマットにおいては重要なんだと思います。
その点で今回のデモでおもしろい実験があって、同じCD/SACDハイブリッド盤をCD機とSACD機で先と後にブラインドでかけてどちらがSACDかを観客に当てさせるというのがありました。
ほとんどの人は後にかけた方がSACDと答えましたが、答えはSACDは先でした。しかしこれには実はトリックがあってSACDはエソテリックの高級機X-01(120万)ですが、CDはエソテリックの高級機をさらに越えるフラッグシップのP-01+D-01(440万)でかけたのです。つまりCDであってもソース機器の性能によってはSACDを越えるということです。(同じプレーヤーならSACDの方がもちろん上でしょうけど)
こんなハイレベルのクラスだからかえって分かりやすいのかもしれませんが、この時代にあえてCD専用のIKEMIを選んだ私もちょっと我が意を得た気になりました(^^
とは言っても、今回のショウで気になったのはdCS新製品のSACD/CD機のP8iです。
http://www.ohbashoji.co.jp/products/dcs/p8i/
これはあのエルガーのdCSが初めて作った一体型プレーヤー(DAC内蔵)ですので、もちろんメインはDAC部分です。普通のメーカーはBurr BrownとかCirrus LogicのDACチップを使ってDACモジュールを作りますが、dCSはここを独自の回路でいわばディスクリートで組んでいます。今回の試聴でも人気があるようで、わたしも結構気に入ってしまいました。まあP8iも150万からしますので直接これを買う訳ではありませんが、音の参考にはなります。
わたしがいまもっているIKEMIはかなり完成度の高い一体型プレーヤーだと思いますが、こうしていろいろ聴いているとDACを加えていろいろと試したくなってきました。本来不要なはずのDACを考えることでシステムの性格を変えられるというところは先ほど書いたデジタルの問題点とは裏腹に実はアナログにはないデジタルのおもしろさなのかも知れません。
ふだんは買えないものは試聴しないとは言え、このへんの副作用(笑)も試聴会のいいところですね。勉強になりますし、自分のオーディオの方向性を考えるきっかけになります。
今回聴いていて一番すごかったのは、オールデジタルの新顔ドイツのbeholdでいならぶハイエンドをさらに越えるようなレベルの違いがありましたが、これもデジタルの可能性という点では目を見晴らせてくれます。
http://www.noahcorporation.com/behold/index.html
アナログはデジタルの目指すリファレンスですが、デジタルはそれをさらに越えるのではないかと思わせてくれます。
これもまたこうしたハイエンド試聴会の楽しみです。

