Music TO GO!

2007年11月08日

ハイエンドヘッドホンショウ試聴盤選定

今回はわたしはCD3000のバランス改造ものを持っていくつもりです。他はEdition9が多いので変化がついて良いと思います。
CD3000は聴いたことがあるひとも多いと思いますが、リケーブルとバランス化でどう変わったかと言う点も面白いと思います。


そこでうちのブースに常備しておく試聴盤の選定ですが、今回はまずこれ、「菅野レコーディングバイブル」です。



菅野氏とはあの音楽評論家の菅野沖彦氏のことです。ステレオサウンド誌や「レコード演奏家論」などの著作でも知られていますが、菅野氏はレコーディングエンジニアとしても活躍していました。その氏の素晴らしい録音技術(というか録音哲学)にほれた嶋と言う人が、過去の菅野氏の録音を発掘して本にまとめたもので資料集とCDがついています。
TIASのタイムロードのブースで菅野氏の講演を聴いた人はわかりますが、嶋と言う人はなかなかすごい人でほとんど資料もないのに全て耳で聞いて氏の録音を聞き分けてしまい、後で菅野氏に確認を取ってまとめていったようです。あるコンサートなんかは後半の楽章に氏の手が入っていないと指摘したら、たしかにその楽章だけ菅野氏が急用で出かけてアシスタントに頼んだとのこと。こういう人たちに比べればわたしらはまだまだマニアといっても赤子のようなもんです。

我々がCDを聴くときは実際の演奏を聴いているのではなく、レコーディングされた結果のデータを聞いているわけですからこうしたレコーディングエンジニアという存在も欠かせない要素です。アランパーソンズとかセイゲン・オノなど録音エンジニアとしても有名な人は多々いますが、どちらかというとミュージシャンになってから有名になったわけでエンジニアはやはり影の力と言う感じではあると思います。
実際にCDを聴いてみるとたしかに「松ヤニが飛ぶような」生々しい録音です。菅野氏の録音はただクリアに取るというよりももっと艶かしく生音のライブ感にあふれています。オーディオ評論家でもあり、エンジニアでもあった菅野氏はいかに家庭の再生システムでそれらしい音を再現できるかと言うことに苦心したとのこと。
前にわたしもデジタルカメラでの例を挙げましたが、自然界の膨大なデータをそのままメディアに入れるのは画像であれ音であれ技術的に無理があり、どこかで取捨選択が必要です。

菅野氏のいうレコード演奏家は端的に言うとオーディオと言うのはただ聴いているだけの受動的な趣味ではなく、みずから表現に参加できる能動的な趣味だというポジティブな姿勢を示すものだと思いますが、その延長にレコードエンジニアと言うものもあるように思います。それをレコードエンジニアで実践したとも言えるかもしれません。
レコードエンジニアはあるものをそのまま入れる努力をしろということも言えるし、技術的な限界がある以上はマイクの位置にしろ、ダイナミックレンジの設定にしろ、エンジニアがイニシアティブをとって積極的に取捨選択する余地もあるようにも思えます。この本の中にも書いてありますが、そこは議論の分かれるところだと思いますし、議論があっていいと思います。
ここではこれ以上深入りしませんが、演奏者と聞き手が1:1のライブを聴くのと違い、結局オーディオと言うのは演奏、レコーディング、再生とかなり多岐な要素を含む複雑なものだと思いますし、そこには百人百様な多様性と言う面白さがあると思います。


ショウといえば今年いろいろなオーディオの試聴会でメーカーや代理店の営業さんがつかう試聴ディスクがよい選曲をしていると思いました。もともとFAKiEをはじめて知ったのもシャープの営業さんが発掘してきた試聴ディスクからです。
ショップの店員さんが選曲するときはわりと自分の好きな名盤をかける傾向があるのですが、代理店のひとたちは自分の担当機種の長所をよく理解していると思います。
先月のオーディオショウでいろいろ聞いておもしろかったのはフラメンコのギターとタップという組み合わせです。ギターの音でアコースティックな再現性がわかりますし、床を踏み鳴らすタップのダンダンというインパクトが歪まず膨らまずに出るかと言うことを確認できます。
用意したのはまずNU FORCEのデモで使っていたVictorの「Flamenco」。LPレコードのときはこれをかけるとタップの音で針が飛んだそうです。それと別ブースで使っていたPhilipsの「Flamenco」もなかなかタップの音が歯切れ良く入っています。

     

こちらも別のブースで使っていたんですが、ジャズではちょっと変り種でチック・コリアとボビーマクファーリンの「Play」です。
これはチック・コリアのピアノに乗せてSpainのヴォーカリーズ(歌詞をつけないでうたう)を歌うボビーマクファーリンのヴォーカルが別次元へ連れて行ってくれます。




ベーシックな試聴ものとして器楽曲としてはヴァイオリンはギドンクレメールの再録ものの「The Sonatas and Partitas」とピアノでは小林五月さんの「シューマンピアノ曲集」を用意しておきます。

         

それといままでメタルがないとお嘆きのあなた、今回はメタルあります!
北欧系NIGHTWISHのベスト版「Bestwishes」です。これは前の記事で書いたアエロバティックス選手権のときにフライングブルズのチームが飛ぶときにNIGHTWISHの"Walking in the air (snowmanのテーマのカバー)"を場内にかけてダイナミックな曲技飛行をしていたのがやたらかっこよかったので、つられて買ってしまいました。

それとこれもいつかまとめて記事にしようと思っていたのですが、私が最近こまめにチェックしているのはエレクトロニカで、そこからMOTORO FAAMというバンドの「... and Water Cycles」を入れておきます。
生音とも対極にあり、かつ生音も取り入れるという複雑なエレクトロニカという作られた音が空間一杯に繰り広げる音の世界を楽しむのもまたオーディオの面白さといえます。

   

もちろんうちのサイトでは定番ですが、わたしのUE11のアートにも使ったFAKiEの「To the limit」も持って行きます。
また私が最近気に入っているMARK JOGGERSTという新鋭ジャズ系アーチストの「Silence」と前に書いた金子飛鳥さんの「Ave」を持って行きますが、これはどちらかというとわたしが他のシステムで聴きたい試聴用と言う感じです。
MARK JOGGERSTという人は作曲の学位を修めたらしいのですが、この近作はSmooth Jazzっぽさもあり、聴きやすくかつかなり構成は複雑でよく練られた作品です。

http://www.markjoggerst.de/


うーん、こうして濃いW2002で聴いていると選曲もいっそう濃くなってきたなぁ。。え?いつのまにか頭にW2002が!
と、いうわけで実は書いてないのもいろいろあるんですが、それはまたショウが終わったら少しずつ。。


あと私から言うのもなんですが、今回からコミュニティーブース(一般持ち込み)では持ち込みしてもらうものに対してポストイットか何かでタグ管理を考えていますのでよろしくご協力ください。なにしろ似たようなアンプとか多くなってきましたしね。
それとコミュニティーブースでは試聴の仕方を少し変えようと思いますので当日の試聴の説明にご注意ください。
では、また会場で!
この記事へのコメント
>あるコンサートなんかは後半の楽章に氏の手が入っていないと指摘したら
私もそのお話を聴いてました。
そんな耳を持ちたいものですね。

そういえば私のオーボエの先生も
CDを聴いてこのフレーズは
取り直してると分かるといいます。
なんでも、こんないきなりの
クレッシェンドのかけかたはありえないから
取り直してるよと言い切るのです。
恐るべしプロ・・・。
Posted by Chris at 2007年11月09日 21:01
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