ポータブルアンプとポータブルDACの一体型機、iBasso D1が到着しました。
iBasso D1は小型のT2などで知られる中国のメーカーで日本には中国から発送されます。(同じ中国系でもHeadDirectの場合は場合によってアメリカから発送されるときと中国から発送されるときがあるようです)
注文はiBasso.comのホームページからやりましたが、このカートシステムはよくなくて私のIE7では表示がくずれたりしました。
価格は$229と機能からするとかなり低価格ですが、カートを見ると100($?) discountと表示されるのでいまはセール期間ということなのかも知れません。(今日現在一時品切れのようです)
先週の金曜日に注文して、月曜日に発送メールが来て、昨日届きました。途中で一回発送代行か何かが入るようです。EMSですがトラッキングには届く前日まで反映されませんでした。
D1は光入力がありますが、入力端子が角なのでiHP140とつなぐためにはMicroDACのために今持っているミニ-ミニケーブルでは使えません(本体にケーブルが付属していますが角-角です)。そのため新しくミニ-角の光ケーブルを別に発注しました。
この光ケーブルは富士パーツのサイトから注文しています。600円という低価格の割にはつくりも立派で径も太いケーブルです。
*D1について
iBasso D1は前の記事に書いたように新世代のDAC/アンプの一体型機です。
DAC内蔵のポータブルアンプというとより分かりやすいですが、それよりDAC機能が強力で単体でも使用できるので、やはりDAC/アンプの複合機、あるいはDAC/アンプの一体型機と呼ぶべきのように思います。この辺がMOVEやBitHeadとは区別できるところです。
既報したようにHeadRoomが同様なPortable Micro 2007というかつてのMicroスタック(MicroDACとMicroAmp)を一体にしたDAC/アンプの一体型機を10月に予定しています。ただこちらはやや高価です。またHeadampのJustinさんがいまはPicoと名付けられたDAC/アンプの一体型機を発売予定です。こちらはプリオーダー中のようですが、光入力はないのでiHP140とは組み合わせられません。
D1はDACとしてはCS4398というシーラスロジック製の高性能なチップを使い、オペアンプとしてはAD823をひとつ、バッファとしてはNE5532を二個使用しています。マニュアルにはオペアンプ交換ができるようにDIPソケットにしたと明記されているので、もともとそういう風に作っているようです。そのためheadfiあたりではオペアンプ交換で盛り上がっている機種でもあります。
手にしてみるとたしかに大きく重いのですが、以前紹介したようなMicroDACとSR71を両方持つのに比べればコンパクトと言えます。こういう一体型がやっと実現したのはうれしいところです。
ただバッグに入れるのにそう無理なほどではありません。大きさは78x32x120mmで320gです。
質感もなかなか高級感がありますし、ずっしりと重たく感じます。ボリュームノブは大きくて重いトルク感があります。
またシャーシを覆うレザーのスリーブがついています。ちなみにこのレザーケースを外すと一段低くなるので、はじめからこのスリーブと一体で設計されているようです。ぱっと見はなかなかいいんですが、このベルクロ部分はちっょと雑な感じではあります。
背面にはデジタル関係の入力がUSB、同軸、光とありますが、同軸はRCAで光は角なので据え置きを意識した立派な構成になっています。(MicroDACは光・同軸ともミニです)
パッケージには説明書とACアダプター、光ケーブル(角:角)、同軸ケーブル(RCA:RCA)、USBケーブル(A:ミニB)も入っています。わりと小さい箱に詰まってきます。
*D1の機能
- 多彩な入力と使い方
D1はDAC搭載とともに入力が多彩でいろいろな使い方が可能だと思います。
まず、わたしはiHP-140と対にして新たなポータブルシステムが浮かびました。
以前iHP-140とHeadroom MicroDACとSR-71のシステムを紹介しましたが、その一体型(Combo)です。
別項に書いたようにアンプの性能向上とは別に、ソース(プレーヤー)の向上がないとポータブルシステムはこれ以上の基本的な音質向上というのはなかなか難しいと思います。
現実的な最良解はいまのところiModだと思いますが、これだとiPodの内蔵DACに縛られてしまいます。高性能でもやはりポータブルデバイス用のDACではあるというわけです。そこで外にDACを持つというのがソースの向上にたいする別な解法ではあります。
またPCからUSB経由でPCの音楽を聴くのにもD1の真価を発揮できます。
おなじUSBがつかえてもMOVEやBitHeadはUSBのレシーバーチップがDACを兼ねる簡易DACですが、D1(やMicroDAC)ではレシーバーチップではUSBからのデジタル信号をSPDIFにコンバートするだけで、DACは後のCS4398のような高性能チップで行います。
CS4398はエソテリックの中堅CDPにも使われています。もちろんDACチップだけでは回路全体の性能は図れませんが、かなりの期待は持てそうです。
また同軸入力を使ってヘッドホン端子のないCDPのヘッドホン出力としても使えそうです。
- MCU (Micro Controller Unit)
はじめにiHP140から光をつないだときに入力切り替えを探しましたが、なかったのであれっと思ったんですが、これがD1の特徴の一つのMCUの機能でカバーされるところです。このMCUによって入力ポートがどれかは自動的に検知されます。
MCUは電源投入の際に、光→同軸→USB→AUX IN/OUTの順番で入力をサーチします。どこかでデジタル信号がロックできるとそれを入力ポートとみなします。そのあとでMCUはスリープに入ると書いてありますので、入力の切り替えは電源オフした後(電源を入れる前)に行わねばなりません。つまりソースの電源はD1本体より先に入れている必要があります。
両用のAUX IN/OUT端子がINかOUTかはこの電源投入時にMCUが決定します。ここでデジタル(SPDIF)を感知すると前面のAUXポートは自動的にラインアウトとみなされます。ラインアウトレベルは1.5Vあります。
またAUX INからのアナログ信号を感知するとアンプモードになります。この場合はDACが切られるようでより長時間電池が持ちます。
- そのほか
ゲインは6dBなのでわりと低いと言えます。背景ノイズはそれほどないようですので、IEMにも使えそうです。
D1は内蔵の充電池で駆動し、本体内には二個のバッテリー(8.4V、2000mAh)が入っています。マニュアルにはDACとアンプを同時に使っても20時間は持つとあります。アンプモードのときは40時間持つとのことです。
充電が必要な時はランプが点滅するとあります。
と、いうところです。音質とか操作感はまたあとで。。
さて、どうやって使いこなしていこうかと思案していますが、まずアンプ単体の能力を把握してからのほうがいいような気がします。まあアンプ単体の音もけっこういいので、バーンインかたがた少しiModにつけて使ってみて、iHP140に移っていこうとも思ってます。DAC単体の音もMicroDACと比べて見たいし、やることは山積です。
それだけ応用範囲があるということではありますね。
Music TO GO!
2007年09月15日
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ihp-120で使用していますが、光ケーブルは良質なものが良いようです。5本ほど購入・比較してみましたが、微妙に傾向や性格が違います。簡単に言いますと安価なケーブルは音のエッジがきつくなり、生楽器のリアルさや空気感などの表現力は、たとえば高価ですがortofonのopt-1000などはやはり違います。角-角ケーブルですし、高価なので万人にはお勧めできませんが、一聴の価値はあります。ミニにするために接続部が増えますが、オーテクの角-ミニアダプタ(お勧め)を使って比較したところ、それなりの感触を得ました。それなりですが(笑)
とにかく、このd1はこのように色々試行錯誤させるほど魅力のあるDAC/AMPであることは間違いありません。
ただわたしはポータブルが前提なので50cmがあればいいんですが、、