Music TO GO!

2007年08月08日

iMod 5.5GとMicroDAC

前の記事に書いたiBasso D1はHeadRoomのNew Micro portableと同様なDACとポータブルアンプの複合機です。
また少し前に書いたHeadampのプロトタイプは光入力がなくUSBに特化していますがやはりこうしたDAC/Ampの複合機といえます。
ここにきて面白いことに本格的なDACとポータブルアンプの複合機がこのようにそろってきたということになります。
(BitheadやMOVEのようにUSBレシーバーを簡易DACに使うものはこうしたグループとは別にすべきでしょう)

これらはPCを手軽にソースにできるという利点もありますが、もちろんポータブル環境の音質向上にも役に立ちそうです。
実際ポータブルアンプもかなり出てきましたが、やはりトップの方は甲乙つけがたいというレベルにあると思いますし、電池駆動・サイズの制約上はそう画期的な音質向上というのは難しいと思います。またヘッドホンのほうも結局はHD25や高性能IEMを使うというところに限られてしまいます。
そうするといままであまり手付かずだった、ソース(プレーヤーとDAC)の方の品質というのがクローズアップされてくると思います。

ちなみにHeadampのNew Micro portableとiBasso D1はともにCS4398というシーラスロジックのDACチップを使用していて、これはわたしの持っているHeadroom MicroDACとも同じです。
そこでiMod 5.5Gの実力把握も兼ねながらMicroDACの再評価をしてみることにしました。

MicroDACは電池食いなのでMAHA 9V 300mAh(実質8.4Vのタイプ)を使用しています。SR71との大きさの比較は下の写真のようになります。

microdac2_2.jpg

1.iHP-140(オリジナルファーム)トランスポート

はじめにiHP-140をトランスポート(デジタルのソース)として使用します。まずオリジナルファームで試した後にRockboxをインストールしてまた比較します。iMod5.5GにはRockboxをインストールしていません。

楽曲データはiHP-140はWaveファイルでiMod5.5GはApple losslessです。iHP-140のRockboxでは一部Apple Loslessでもテストしています。
システムは下記のようになります。アンプとIEMはiModとMicroDACで同じものです。

* iHP140(オリジナルファーム) + 光ケーブル + MicroDAC + RnBケーブル + SR71 + triple.fi
(下の写真)

microdac1.jpg

* iMod5.5G(オリジナルファーム) + Cryo X Silverドック + SR71 + triple.fi


まずぱっと聴いて大きく違うのは出力レベルの差でiHP-140/MicroDACのほうがかなり大きく力強く聴こえます。
ライン出力はiPodが1V前後のところがMicroDACはCDプレーヤー並みの2V前後あるのでこのような差が出るのでしょう。
双方でボリュームレベルを合わせても、MicroDACのほうが力強さは感じます。

聴き比べてみるとMicroDACの方が全体にやや音の輪郭がはっきりしていて分離感がよく、SNが高くくっきりと聴こえます。特にアコースティックベースの解像感が良いようです。また高域が鋭く伸びているように思えます。
たしかにDACとしてはMicroDACの方がiMod5.5Gより一枚上手に思えますが、どのくらい差があるかというとそう劇的に違うというほどでもないように感じます。iMod5.5GもDAPのDACにしてはかなり健闘しているという感じです。
比べるとiMod5.5Gは全体にやや甘目というか柔らかめでもあり、あまり押しが強くなくエッジに丸みが感じられるiMod5.5Gのほうがシステムによっては聴きやすいと感じるかもしれません。ただしMicroDACと比べるのでなければ、iMod 5.5Gの音のエッジが丸いとは思わないでしょう。

2.iHP-140(Rockbox)トランスポート

次にiHP-140のファームをRockbox化してみます。
iHP-140をRockbox化しても光出力は使用できます(opticalのスイッチはplaybackメニューにあります)。
Rockbox化はiPodとはやや異なっていてブートローダーのパッチを行なわなければなりません。そのパッチしたブートローダーをiHP本体からファームのアップデートを行なうことで反映(アップロード)させます。この辺がiPodでのipodpatcherの作業に相当するようです。
またブートローダーにUSBモードがあり、これはiPodで言うところのエマージェンシーハードディスクモードに相当する機能の代替となりますので、かなり便利な機能です。そのためRockboxが不要になってもパッチをあてたブートローダーはキープしていたほうがよいとマニュアルに書かれています。
(/.rockboxがないと自動的にオリジナルファームを読みに行くようです)

やってみるとiHP-140の場合はiPodに比べるとRockbox化したときの音質面での差は小さいように思えます。特にiPodでは音の性格自体が変わってしまうのに対して、iHPの場合は音の性格的なものもあまり大きく変わらないように感じられます。
よくRockboxで音質が変わるかどうかということが議論されたりしますが、実際にiPodとiHPではその辺が違うようにも思えますので、意見の相違はそうしたところからも出るのかもしれません。
(デジタルでもアナログでもほぼ同傾向だと思います)

一方でiPodの場合はRockbox化すると操作性がかなり悪く感じるけれども、iHPの場合はかえってRockboxの方が使いやすいと思います。ただ反応の鈍さはややあるようです。
またRockboxではApple losslessが使えるというところがよいところです

3. PC(iTunes/Winamp)トランスポート

最後にPCをソース(トランスポート)にしてみます。PCとはUSBで接続します。USBドライバは標準のものです。このときにはアプリがiTunesかWinampかで音質に違いが出ます。WinampはALACプラグインをインストールしてApple Losslessで聴きます。
システムはこうなります。

PC(DELL) + USBケーブル + MicroDAC + RnBケーブル + SR71 + triple.fi

このときにiTunesだと差は分かるくらいあるけれども、大差というほどは感じない。iHP140(オリジナルファーム)+MicroDACとほぼ同程度の音質と感じます。
WinAmpだと低域に強みが出て全体により音質が向上します。iMod5.5Gとはやや差が出てきたという感じでMicroDACのポテンシャルは高いと思います。ただこれでも圧倒的な差というほどではないかもしれません。

こうして見るとポータブルのDACといっても送り出しのトランスポート(この場合はソフトウエアも含まれる)でずいぶんと違いが生じます。


ちなみにMicroDACの前面パネルの画像を掲載しておきます。
左からLINE(アナログ) OUT, デジタル入力(光/同軸), USB入力, 入力切替, 電源切り替え(パワースイッチを兼ねる)

microdac2_3.jpg

後面には電池室カバーと専用電源からのジャックがあります。
posted by ささき at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | __→ MicroDAC, iHP-140 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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