本記事はiBasso Audioの新製品DX260のレビュー記事です。
その前に簡単にiBasso Audioとポータブルオーディオの歴史を振り返ります。
DX260とCampfire Fathorm
わたしはiBasso Audioの製品は2007年のiBasso D1から使っていますが、これはポータブルヘッドフォンアンプに初めて本格的なDACが搭載されたことで当時は画期的な製品でした。それだけではなくD1は2007年当時からMCU (Micro Controller Unit)を入出力コントロールに使用するなど先進的な技術を搭載していました。そしてiBassoは大型だったD1をよりコンパクト化したD10でこのカタチを進化させ、iPodとアンプ二段重ねのポータブルオーディオ世界を牽引していきます。
次に画期的だったのは2012年のDX100で、これは今で言うハイレゾDAPです。これはAndroidをOSに使いながらもAndroidの制限であるミキサーをバイパスしてハイレゾ再生を可能とし、当時最新だったDACであるESS ES9018の性能を引き出しています。これがDX260の直接の先祖にあたります。このAndroidのミキサーバイパス方式は今は普通ですが、iBassoが先駆けで極めて先進的で画期的なDAPでした。
このようにiBassoは10年以上もこのポータブル業界を牽引してきた会社で、先進的でかつマニアックなメーカーです。
iBasso D10(左、2009)とiBasso DX100(2012)
そしてDX100の最も進化したものが最新作のDX260そしてDX180です。両者の違いは簡単にいうとDACの種類・数と価格で、それぞれDX240、DX170の後継機にあたります。
この他にiBassoにはMAXラインモデルがありますが、MAXラインが物量投入型の直球勝負のフラッグシップであるのに対してこのDX260/DX180は最新技術を投入したラインナップです。
すでに述べたようにiBasso Audioはこの分野では常に先進的な技術を導入する会社で、DX260、DX180もその例外ではありません。DX260、DX180を外見からパッとみるとカジュアルなDAPのように見えますが、その実はかなり高度な機能を内に秘めています。
DX260とPathfinder
* DX260の特徴
1. 8基のDAC ICを組み合わせた高音質設計、ディレイパラレルの採用とアナログFIRフィルター
DX260はシーラスロジックのフラッグシップDACチップのCS43198を8基搭載しています。しかしDX260のポイントは数ではなくその使い方です。iBassoらしくFPGAとの組み合わせで8基のDAC ICをピコ秒レベルでデータ送信を制御、従来的な「シンクロナス・パラレル出力」に加えて新しい「ディレイ・パラレル出力」を可能としています。
ディレイパラレル図
それぞれのDACの波形のギザギザの部分が重なり合ってスムーズになっています
DX260での特徴は「ディレイ・パラレル出力」で、これはDACチップの出力を少しずつずらしながら合算する方法です。これにはDACチップをグループ化するためにx2とx4のモードがあります。(DX180ではx2のみ)
これは出力波形のギザギザになっている部分を重ね合わせることで滑らかにする効果があります。こちらはiBasso開発に「ディレイ・パラレル出力」について聞いたコメントです。
"Delay-parallel is our FIR filter. You can imagine that several identical waveforms with a little delay are superimposed. As a result, the analog signal is more accurate and smoother."
(ディレイパラレル は当社のFIRフィルターです。 少し遅延した複数の同じ波形を重ね合わせることを想像してください。その結果、アナログ信号はより正確で滑らかになります)
言い換えるならば、デジタルカメラに最近よく搭載されているピクセルずらしによる超解像出力に似ているかもしれません。ただしiBasso開発に「これは解像力(resolution)を向上させるものですか」と聞いたところ、"resolutionというのはデジタルでの概念ですが、この機能はいわばアナログ領域のものです"と返答が返ってきました。この辺りが本機能をアナログFIRフィルターと呼んでいるゆえんかもしれません。つまり「ディレイ・パラレル出力」という機能はあくまでアナログでの音をスムーズに改善する機能ということのようです。
iBassoでは最大4基までの「ディレイ・パラレル」により、ハードウェア・アナログFIRフィルターを形成し、複数のDAC間の差異を無くすことで性能を向上させると書いています。DX260ではこうした機能によりSN比が最大133dBと驚くほどの性能を実現しています。
DX260とFathorm
2. Androidのミキサーのバイパス、および独自OSの切り替え方式の採用
DX260は基本的にAndroid 11をそのまま使用したDAPで、ストリーミングを再生したいときにはApple MusicやAmazon Musicなどのアプリをそのままインストールできます。またのちに述べますが、USB Audio Player ProやNeutronなどマニアックなAndroidらしいアプリもインストールすることができます。ローカル音源の再生にはMango PlayerというiBassoの音楽再生アプリがプリインストールされていてすぐに使用できます。
基本はAndroid端末そのものなので、例えばDX260のマニュアルをダウンロードしてAdobe readerをインストールして開くことができます。SNSアプリをインストールすればフィードで流れてきた気になる曲をそのままクリックしてすぐ良い音で聴くことができます。
ただしAndroidをそのまま使う時にはAndroid 14以降の「ロスレスUSBオーディオ」機能を使用しない限りはミキサー制限のためにハイレゾ・ロスレスでの再生はできません。そのためにiBassoでは冒頭で書いたようにDX100からそれをバイパスする仕組みを有しています。DX260でももちろんミキサーをバイパスできるのでハイレゾ・ロスレスで出力できます。
この件についてどのようにしてロスレス出力を実現しているのかをiBasso開発に聞いてみました。
"We modified Android's mixer, audio flinger, and audio hardware abstract layer. Android's SRC issues have been resolved since DX100"
(Androidのミキサー、audio flinger、オーディオハードウェアアブストラクトレイヤーに手を加えています。こうしてAndroidのSRC問題はDX100以降解決されています)
解説するとミキサーはDAP上で使われる音源のサンプルレートを一つに変更するソフトのこと(でないとDACに送れない)、audio flingerとはAndroidにおける基本音声システム(Core Audioのこと)、ハードウェアアブストラクトレイヤー(通称HAL)は音をドライバーに送る前段です、
これによりMango Player以外のApple MusicやAmazon Musicアプリでストリーミングを再生する時にもAndroidのミキサーをバイパスしてハイレゾ・ロスレス音源を再生できると開発は言っています。こうしたOSに近い仕組みに手を加えたからでしょう。
そしてDX260はMango Playerと同じ操作感で使用できる独自OSの音楽再生専用OSのMango OSがインストールされているので、Androidと切り替えて使うことができます。ただしMango OSではWi-FIとBluetoothは使えないので、多機能が使いたい時はAndroid、音質を重視したいときはMango OSと切り替えて使うことができます。
* インプレッション
DX260の魅力の一つはサイズ感です。大きさの割には軽く、それでいて金属のシャーシの高級感を感じるデザインが採用されています。標準添付のケースは透明のスマホケースのような樹脂製で、高級感はありませんがとても実用的です。大きさが適度でシャツの胸ポケットやジーンズの前ポケットにも入れることができます。
ボリュームのトルク感は軽めですがクリックはしっかりあって回しやすい設計です。設定で画面が消えている時は回らないようにすることができます。ボリューム付近の整備用の背面パネルがメカらしく、デザインのポイントになっています。
バックパネル
ユニークなのは付属品にエージング用のケーブルが入っていることです。エージングケーブルはインピーダンスを持ったケーブルで、実際にイヤフォンを接続しなくてもエージングができます。実際にイヤフォンを繋ぐと音漏れがするので便利に使えると思います。推奨エージング時間はメーカーによると200時間ということですが、私は50時間ほどエージングしてから聴き始めました。
電池の持ちが良いのも特徴で、エージングしてる時に測ったら連続で13-14時間ほど持つようです。
まず透明感の高いCampfire Audio Fathomを用いて聴き始めました。AndroidのMango Playerで初期設定です。エージングなしでまず少し聴いてみましたが、いきなり透明感の高い鮮烈な音が出てきたのでちょっと驚きです。
それからのエージングには付属のエージングケーブルを使ってみたんですが、エージング中に音漏れがしないのは良いですね。エージングの進み具合も良好に思えます。エージングを進めると粗さが取れて滑らかになっていく感じです。
DX260の音は、中高域の鮮烈なほどのクリアな鮮明感と低域のパンチの強さの気持ちよさがまず特徴的です。音調はニュートラルで着色感がなく、いつもの少し暖かみのあるシーラスロジックの音ではなく無着色のESSの音のように感じられます。というかCS43198の音というよりもAKMやESSの最上位機種のような音です。この辺はマルチDACの効果かもしれません。
透明感の高さは印象的なほどで、とても細かい音が聞こえます。SN比が極めて高い感じです。音像が鮮明でくっきりはっきりとしています。くっきりはっきり系に振り切ったような鮮烈でクリアなサウンドです。研ぎ澄まされた日本刀のような切れ味で、このSN比の高さは価格帯を超えた音質だと思います。
中音域のヴォーカルの歌詞はかなり明瞭に聞こえ、どちらかというと女声の方が得意だと思います。
高音域は突き抜けるようにシャープに伸びていく。金属が擦れる音のシャープさはあまり聴いたことがないほどの鋭さがあるけれども、それほどきつさは感じられません。高音域のベルの音が澄んで美しいので歪み感も少ないと思う。
とてもワイドレンジで低域は深く、低音はタイトでパンチが鋭く重いのでロックでも思わず聴き入ってしまいます。DX260の低域は解像感のある質の高い低音を楽しむスピード感あるスリリングな低音再現が楽しめます。
音場が立体的で昔のロックを聴いても音に奥行き感が感じられる点も良いです。
DX260とFathorm
* イヤフォンを色々と変えてみる
次にいろいろとイヤフォンを変えて聴き比べてみました。
Campfire Audio Pathfinder
オールBAのFathomと異なりハイブリッドモデルです。
ハイブリッドらしく低音がうなりを上げ、かなり迫力があります。少しモニター寄りだったFathomとの組み合わせよりもさらにリスニング寄りの音に感じられ、低音のパワー感が一層感じられます。DX260のアンプ部分のパワーもかなりあると思います。ジャズを聴くとギターの端切れがとてもシャープで気持ち良い。元気があるサウンドです。
音の広がりがやはり立体的で、奥行き表現に長けていて空間が感じられます。
qdc White Tiger
2EST+6BAモデル。プロ御用達のqdcブランドらしくモニター的で原音忠実的に聞きたい時に向いた組み合わせです。低域もよくコントロールされて全体に明瞭感が高く、スピードがあります。低域も深くパンチがありますが、Pathfinderよりは抑えめとなります。
iBasso 3T-154
15.4mm大口径シングルダイナミック。例えると暴れん坊の3T-154をうまく慣らしてテームしているという感じです。低音は弛まずうまくコントロールしています。ミドルゲインにするとより暴力的なパワフルさが再現できます。男声の時はダイナミックモデルがより合うかもしれません。
ちなみに付属ケースの端子の切り欠きは3T-154の太めの端子のサイズに合わせたようで、ぴったりと装着できます。
DX260とFathorm
DX260自体はフラットでニュートラルかつアンプのコントロール力もあるので、イヤフォンの個性を引き出しています。イヤフォンを変えることでモニター的に聞きたいか、リスニング的に聞きたいかを選べます。
強いてあげるなら、DX260に向いているのはハイブリッドかマルチBAモデルです。BAの音のシャープさを特にうまく引き出すDAPと言えます。
* Androidモードで音楽アプリを色々と変えてみる
Androidモード、Mangoプレーヤー画面
DX260の基本的な使い方は、Androidモードで標準のMango Playerを使って内蔵メモリやSDカードの音楽を楽しみます。また、そうしたSDカードなどローカル音源を聞きたい時はMango OSモードにするとさらに音質よく聴くことができます。しかしMango OSではWiFiやBluetoothが使えないのでストリーミングを聞きたい時はAndoidモードにしてApple MusicやAmazon Musicをインストールすることになります。
DX260はAndroid OSモードにしている時はGoogle Playストアが使用できるAndroid11端末と同じなので、多彩なアプリをインストールできます。標準でインストールされている「アプトイデ」も3rdパーティーのアプリストアです。またAmazonも独自のアプリストアを持っています。いろいろとアプリを変えて楽しめるのがAndroidの良い点ですが、その自由な分でリスクもあるので注意は必要です。
まずストリーミングを楽しめたい場合には「Apple Music」や「Amazon Music」のようなストリーミングサービス純正のアプリをインストールできます。
Apple Musicアプリ
Apple Music画面
画面も広く操作感も軽いので、スマホを使っているのとさほど変わらない感覚で使用ができます。搭載しているSoCはSnapdragon660なのでミドルクラスのスマホなみです。スマホと比べると少し画面が狭くて本体の厚みがある感覚です。画面はスマホよりは小さいものの、フォントも見やすく画面遷移も十分に早いと感じます。ストリーミング用としては文句ない使い勝手だと思う。
Amazon Musicアプリ
Amazon Music音質設定画面
Amazonアプリはやや遅く感じますが、これはアプリの問題だと思います。Amazonのアプリはなんでもアプリ内に入れるので重いのですよね。
オーディオ品質を見ると96kHz/24bitの曲はデバイスでも96/24でデコードされているので、先に書いたように3rdパーテイーのアプリによるストリーミングでもハイレゾ対応がなされているようです。
音質も良く、クラシックでのフルートや楽器の音色がとても正しく再現されているように感じられます。
Bandcampアプリ
これは私がいつも新曲をチェックするために使っているインディーズ・マイナーアーティスト用の配信サイトです。これも十分に使用でき、かつiPhoneとは違ってこのアプリから直で買うオプションが見えているのはオープンなAndroidらしいところです。
またAndroidの魅力は自由度が高いことなので、オーディオマニア向けの音楽再生アプリも選べます。例えば高音質に振ったマニアックな「Neutron Player」や、多機能な「USB Audio Player Pro」です。多機能という点では「PowerAmp」アプリなども定番ですが、オーディオマニア向けというのとはちょっと違うかもしれません。
Neutron Playerアプリ
Neutronプレーヤー、オーディオハード画面
これは高音質に特化したアプリでAndroidのMango Playerよりも高音質で再生できるように思います。再生タブで64bit処理、リサンプリングでオーディオファンモードを選んでおくと良いと思う。
前に使っていた時よりもDAPの性能が上がっているせいか、より音が良くなっているように思いますね。より音が細かく濃く聞こえます。
上のようにハードウエア画面でARMアーキテクチャの隣に+NEONと表示されてあればそのプロセッサではNEON対応しています。NEONとは音楽データのような大量データを高速に処理するための専用部分です。DX260ではNEON対応されています。
Mango Playerとはまた異なる高音質が楽しめるので、切り替えて使ってみるのもよいかと思います。
USB Audio Player Pro(UAPP)アプリ
USB Audio Player ProのTIDAL画面
通常Android(Android13まで)はミキサー制限でハイレゾ・ビットパーフェクト出力ができませんが、アプリ側で独自のハイレゾ・ロスレス出力ができるようにしたアプリです。
以下はDX260での設定の例です。
設定→「内部オーディオドライバ」=ハイレゾダイレクトドライバ(DAP内蔵DACを使用)
設定→「ハイレゾドライバ」→「ビットパーフェクトモード」=オン
またUSB Audio Player Proアプリ内でRoonやAurdivanaのようにTidalとQobuzを呼び出すことができます。
TIDALアプリは日本ではGoogle Playストアではダウンロードできないので、TIDALをAndroidアプリで聞きたい時に使えます。またTIDALを聴きながらUAPPの機能もフルに使えます。MQAデコードもできますが、TIDALはMQAを廃することを決めたのであまり意味がないかもしれません。さらにuPnP(DLNA)サーバーの音源も再生できるなど多機能な音楽再生アプリです。
このようにAndroidでアプリを変えて音質を変えたいとか弄っていきたいというときに、iOSにはないAndroidらしさが楽しめるので、iPhoneユーザーがDX260を買うと新鮮な楽しみ方ができると思います。
DX260とPathfinder
* 音質設定での音質変化を楽しむ
設定変更はゲイン、デジタルフィルター、FIRモードなどが変更できます。デジタルフィルターはDACのデジタルフィルターを変更することで、これは他のDAPでも可能です。
DX260独自なのはFIRモードです。これは特徴のところに書いたマルチDACの使い方を変更するモードです。FIRモードをnormalからx2、x4と変えていくと音が滑らかになり、より濃くなっているように思います。x4からNormalに戻すと音が軽く硬めに感じます。やはりx4がもっとも音質が良く感じられます。
* Mango OSモードに変更して音質変化を楽しむ
DX260ではAndroidの他にiBasso独自のMango OSという軽量OSが搭載されています。音質設定や使い方はMango Playerと同じで戸惑うことはありません。他のアプリは動かないMango Player専用のOSモードみたいな感覚です。ただしBluetoothやWiFiサポートもないので、ストリーミングはできません。単体でSDカードや内蔵音源などローカル音源を楽しむ時のモードです。
音質はAndroidモードのMango Playerよりも、Mango OSモードの方が鮮烈でちょっと驚くほど鮮烈な高い音質を味わえます。Androidモードから一枚ペールを剥がした感じです。
FIRモードの差もMango OSの方がより違いが分かります。Mango OSモードでFIRのx4モードの音質は価格以上の性能を感じさせると思います。
* USB DACモードを使う
USB DACモードでの使用例
DX260はUSB DACにもなります。注意点はこのときケーブルに関してはOTGではなく、通常のUSB-Cデータケーブルを使用することです。iBassoの開発によると、DX260においてUSB-DACとして使用する際には、USB SLAVEとして認識されるのでOTGではない普通のUSB-Cデータケーブルを使用するということです。
USB DACモードを使うにはプレーヤーの設定画面から切り替えて使用します。特徴的なのはこの時に充電するかどうかを選択できることです。充電しないにするとノートPCと接続する時はノートPC自体のバッテリーを使わないでDX260側のバッテリーを使うことができるので、ノートPCでもバッテリーの持ちを気にせずに使用できます。DX260自体がコンパクトなのでMacbookと合わせてもそんなに邪魔にならずに使用できます。
音質もかなりレベルの高いものです。MacのAudio Midi画面を見ると384kHz対応のようです。
macOSのAudio MIdi画面
* Bluetoothレシーバーモードを使う
Bluetoothレシーバーでの使用例
iPhone 15 Pro MAXと接続してみました。接続自体は普通のBluetooth機器と同様に簡単にペアリングすることができます。レシーバーとしてのコーデックはAACとSBCのみとなります。
音質もそれほど劣化を感じせずに使うことができるので音質も十分に実用的です。ただしDX260本体がストリーミング可能で多機能なので出番は少ないかもしれません。
* まとめ
DX260は第一に鮮明でクリアな音が堪能できるDAPです。パンチがあって躍動感のある点も良いと思う。
そして第二にとにかくモードが多く使い出があるDAPです。デジタルフィルターも多彩、Androidでアプリを変えたり、Mango OSモードもあるのでものすごく多彩な音質オプションが選べます。もちろんこの他にイコライザーも使えます。ノートPC側の電池を使わないUSB-DACにもなりますし、Bluetoothレシーバーとして使用すればWi-Fiやテザリングのできない環境でもストリーミング再生が使用できます。SPDIFがついているのもD1から知ってる私にとってはiBassoらしい感じはします。その点でぶれてないですね。
DX260とFathorm
そしてDX260の良さは圧倒的な音質の良さとサイズ感がうまく組み合わされているところです。最近は完全ワイヤレスイヤフォンの進化で有線イヤフォンの出番が減る傾向にありますが、その中でもDAPを持ち出して使いたいという気にさせてくれるDAPといえます。わかりやすい鮮烈なサウンドで、完全ワイヤレスでは到達できないレベルの音質を明示することで、有線イヤフォンの有意さを示しています。サイズ的には日本の事情に即しているDAPのように思います。やはり手持ちの有線イヤフォンを高性能DAPで活かしたいけど、DAPが重いと持ち出すのに躊躇するという方にはおすすめです。
Music TO GO!
2024年08月30日
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