https://retailing.jp.yamaha.com/shop/ginza/event/detail?id=5054
これは坂本龍一氏の所有していたピアノの展示会ですが、特徴的なのは自動演奏が行われるということです。坂本龍一氏はレコーディングの際に氏が所有するヤマハのコンサートピアノ「CFIIIS-PSXG」を使用していたのですが、このピアノは自動演奏および記録機能付きピアノであり、氏はピアノの音をレコーディングすると同時にその演奏をMIDIデータにも記録していたそうです。
このイベントではその坂本龍一氏が実際に使用していたピアノを使用し、坂本龍一氏の演奏を実際に記録したデータを用いて自動演奏をするわけです。この点では先進的なYMOで一世を風靡した教授らしい、というところですね。
またこれはこのブログでいままで書いてきたような自動ピアノ演奏の一例でもあります。
本イベントにさっそく足を運んでみました。
まず自動演奏は1Fのオペラピアノで「戦場の戦場のメリークリスマス」1曲を30分おきに演奏します。このピアノはヤマハが坂本氏がピアノを演奏しながらオーケストラを指揮して弾き振りをするようなイメージで設計したということ。調べてみると映画の中で実際には使用されていたようです。


オペラピアノ、右は演奏中でハンマーが動作しているのがわかります
B2Fのヤマハホールでは5曲30分のミニコンサート形式で自動演奏を行います。

会場全景
曲目は以下の通りです。
1. Aqua [1998年収録]
2. energy flow [1999年収録]
3. put your hands up [1999年収録]
4. 鉄道員[1999年収録]
5. Merry Christmas Mr. Lawrence
(映画 戦場のメリークリスマス)[2020年収録]
こちらのピアノはメインの教授愛用のコンサートグランドピアノ「CFIIIS-PSXG」です。(ホールでは写真のみOKで動画・録音は禁止)
咳をするとよく響くかなりライブな音響のホールです。


自動演奏中のCFIIIS-PSXG
演奏は背景にありし日の写真を投影しながら行います。鍵盤だけではなくペダルも当然動作し、まるで本人がいるかのように思えます。
曲の最後の余韻部分では鍵盤から手を離して右ペダルだけ残しているのがわかります。
教授のタッチは柔らかくて心に染み入るような優しい感じがします。美しい曲を心を込めて優しく弾いているように感じられます。
まるで生演奏のように聴き入ってしまい、その音の美しさがすごく感動的だったので、一度ミニコンサートを聴いて、1Fでオペラピアノの演奏を聴いて、またB2Fに戻るという感じで二回続けて聴いてしまいました。


参考展示のCP88とDX7
もちろん本人がいたほうが良いのではありますが、こうして演奏を残していけるというのは時代に感謝です。
