CORDA MOVEは日本でも良く知られているMeier AudioのPORTA CORDAの後継です。この6月に出た新機種ですが、Headfiあたりではなかなか好評を得ているので興味をそそられました。
Meier Audioのサイトはこちらです。
http://www.meier-audio.homepage.t-online.de/index.htm
支払いはPaypalですが、在庫確認のときに支払いはUSD(235)でもユーロ(175)でも良いということでしたので為替計算してみるとドルが有利なのでドルで払いました。Paypal上の換算価格は国際送料込みで約28000円くらいでした。
トラッキングできませんが、ちょうど一週間で届きました。発送したというメールはくれませんが、注文確認のやりとりのメールの中で「数時間以内に発送するよ」と言ってくれました。
運送の段ボール箱にアクセサリーとスポンジが直接詰まっています。開封する時はあまり深くカッターで切らない方がいいです。
スペアパーツがたくさん入っているのが特徴で、電池室カバーのスペアやリアパネルの電池ふたのないものも入っています。
またmini-mini(ストレート/L)、USBケーブル、アンプを開けるための専用レンチも入っています。
ボディは価格のわりにはかなり質感は良くて、(あえてテストはしませんが)少々の落下にも必要十分な強度があると思います。
ちょっと脱線しますが、MOVEのフロントパネルが黒でシャーシがシルバーというのは写真泣かせで、フロントパネルを黒くつぶさず、かつボディーを白とびさせないというのはデジタル画像処理ではなかなか苦労しました。撮影時に補助光も使ってますが、RAWで撮ってLightroomという専用の現像ソフトで上下のダイナミックレンジを最大に生かしています。Jpegの撮りっぱなしだとかならずシャーシ上面は白飛びします。
このようにオーディオだけではなく、写真もダイナミックレンジを最大に活かすというのがひとつのポイントです。つまりデジタルでは記録領域にいかに効率的にデータを詰めるか、という点です。量子化ビット数はオーディオではCD(レッドブック)で16bitで、デジタルカメラでは通常12-16bitですので、そこに自然界の広大なダイナミックレンジをいかに再現するかということですね。
写真ではわたしはHDRという32bitフォーマットでその向上を研究していますが、興味ある方は写真ブログのほうをご覧ください。
そういうわけで一見なんの変哲もありませんが、上の写真はかなりの労作です(^^
左はSR-71で右はTomahawkです。MOVEの電池は9V一個で、外部電源も使えますが付属はしていません。
MOVEは思っていたよりは小さいのですがあまり軽いという感じはなく、iModとあわせると体感的にはiMod+SR71よりやや軽い程度に思います。(電池なしで170gです)それでも電池は9V一個なのでスペアが減るのはかなりプラスです。
MOVEで気に入った点の一つは電池の交換で、リアパネルに電池専用のカバー(住所記入欄がある)があってそれをスナップ式でパチッとはめ込む方式です。
ボリュームが小さくて操作しずらいのはmove最大の欠点に見えますが、これにはバッグの中で容易にずれにくいという利点もあります。これはホームページにも書いてあるので意図的なものだと思います。小さくてもTomahawkのようにガリ音は出ません。
ただしプラグがやや近接しているので太いプラグを使っている人は要注意かもしれません。また一部のL字プラグも要注意かもしれません。
上の写真はiModのCryo X SilverケーブルとApuresoundのK81DJケーブルのプラグです。
BlueDragonは問題はありませんでした。ただtriple.fiのL字は大丈夫ですが、やや配置に苦労します。
プラグはかなりがっちりはまりますが、これはTomahawkの新型のほうが感触はいいかもしれません。
MOVEのオペアンプはAD8610x2です。特徴的な機能としてHigh CurrentとLow Currentのモードがあって駆動力と電池持続時間のトレードオフになっています。High Currentは音質が良くなりますが、電池の消費は早くなります。持続時間はHigh Currentで40時間ということです。
High Currentモードでは電源電圧を2倍に昇圧しているようです。
MOVEの特徴のひとつとしてUSB DACがついているのでPCに直接さして音楽を聴くことができます。これはUSBレシーバーがDACを兼ねるものですので、便利ですがあまり音質に過度な期待はしない方が良いです。
XPではなんの問題もなくただ差すだけで使うことができました。
またUSBからの給電もできます。ただUSBからの給電はやや複雑です。USBで接続している場合にはLow currentの場合には電池からは給電されません(バスパワーになる)。ただしHigh currentモードのときは電池から給電されます。
また同時にアナログミニから入力しているときはUSBからの信号よりアナログが優先され、給電は上記のように適用されます。つまりアナログ入力でLow currentのときはUSBを外部電源とできますが、High currentのときは電池から使われます。
MOVEでは外部電源からのときも「高い方の電圧優先」というルールになっているようです。ですので外部電源が電池より低いときは電池が消費されてしまうようなので注意が必要です。また昇圧していますので12Vを超えてもいけません。
それとHeadphoniaにコピーされて騒動にまでなったMeierさん自慢のクロスフィードも搭載されています。実際になかなか効果的です。わたしはあまりクロスフィードは使いませんが、これならいいという感じです。
クロスフィードは中央のトグルスイッチで、左がオンで右がオフです。
さて使用する前にひとつ確認することがあります。
それはMOVEの設定です。モードにはHigh CurrentとLow Currentがあり、ゲインにはHigh(17dB)とLow(4dB)があります。
工場出荷時のデフォルトの状態ではHigh gain/High currentです。わたしはtriple.fiで使うので、IEMで使うためにLow Gainにセットします。
前カバーを専用のレンチで開けてそろそろと基盤を取り出します(オペアンプ等は裏側にあります)。基盤の上側の白丸のところにピンがあります。High側のジャンパーピンを引っこ抜いて、Low側に差し替えます。上の写真の状態でLow Gain/High Currentです。
ここで基盤の中央のところに注意してもらいたいのですが、おもしろいことには基盤には"PORTA CORDA IV 2006"と浮き彫りでプリントがあります。これはPORTA CORDA IIIの後継として昨年あたりからやっていたということでしょうね、MOVEが別ラインというよりもともとPORTA CORDAの後継であったということを示していると思います。
そこで、肝心の音質ですが、、ここまで書いて疲れた(^^
ここはネタ的にも分割して、また次回へ。。
Music TO GO!
2007年07月22日
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006Pが1個の音とは思えないくらいでしたね。
中の写真ですが、
結構コンデンサーが詰まってるのですねぇ。
ちなみにChrisさんがMOVEを聞いたときはHigh Gainの設定でした。
> 006Pが1個の音
中で2倍に昇圧しているので、18Vで動作しているようなものですからね。
XinやRSAみたいにでかいコンデンサーがドンと置いてあるのも迫力ありますが、こういうコンビナートみたいなのもまた壮観です。
Corda moveは以前より気になっていたのですが、踏み切れないで居たところで、こちらのページのレビューを拝見しまして、背中を押して頂きました。
メールでMeierに注文、翌朝到着(ドイツ在住)。
期待通りとても良い音で気に入っています。
対応もフレンドリー且つ親切でした。
難点は、Low/Highゲイン切り替えをする為にワザワザ六角レンチでカバーを開ける必要がある事くらいですか。
以上、お礼がてら簡単にご報告まで。
ドイツ在住ということですので日本とはまた違ったオーディオ環境なのでしょうね。
MOVEは気に入っていただけたようでよかったです。MOVEはわりと欠点は少なく、価格は妥当で音も素晴らしいのでわりとお勧めしやすいアンプに思えます。
ただ、たしかにゲイン切り替えはヘッドホンを使い分けるときに難点ですね。Currentモードは中でも良いのですが、ゲインは外にだしてほしかったところです。