2021年はハイレゾストリーミングが注目された年でしだか、動画配信にも高音質化の技術が注目されました。
従来動画配信はYoutubeなどのようにあくまで画面が優先で音質は二の次だったんですが、ライブなどはやはり高音質で楽しみたいものです。そこに登場したのが音質優先をうたう動画配信技術であるKORGのLive Extremeです。
エンコーダーが搭載されたPC
Live Extreameとはコルグの独自技術で映像コンテンツに高音質の音声トラックをつける技術・配信システムの総称で、コルグはエンコーダーを提供します。映像も音声も対応して映像は4Kまで、音声のエンコードはハイレゾPCM・DSDで可能です。コルグだから音声トラックをDSDにするということはわかりますが、Live Extremeはさらに上をいくものです。それは音声トラックが動画よりも優先というコンセプトです。
スピーカーとヘッドフォンによるデモ
従来の動画配信では映像に合わせてオーディオクロックをビデオのクロックから作るのでジッターが大きくなる(音声を映像に合わせねばならないため、つじつま合わせに音声が揺れる)のですが、Live Extreameでは音声を主にしているため映像が揺れてフレームが落ちる可能性はあるが音声トラックに関してはビットパーフェクトが保証されるわけです。このためLive Extremeは単にハイレゾ搬送のための技術ではなく、従来のようにAACを使用しても音質は工場するはずです。またエンコードの時点で全てHLSなどの業界標準形式になるため、専用のデコーダーやソフトウエアが不要という利点があります。ここは専用のデコーダーが必要なMQAとの大きな差となります。
この他にもASIO対応することで音楽制作用の機材が使えるという利点もあります。
ライブチケット画面
実際にオンライン音楽配信のThumvaでLive Extremeを採用したハイレゾ音質による藤田恵美コンサートのライブ動画配信を聞いてみました。音質的には素晴らしく、アコースティック楽器の弦が擦れる音も生々しく、ヴォーカルの息遣いもリアルで高音質ダウンロード音源に匹敵するようなものです。試しにYoutubeのOpus251(128kbps相当)での同じ動画で同じハード(Mac)で聴いてみるとYoutubeは甘く楽器の音が鈍い感じです。Live Extremeの方が明瞭で鮮明に聴こえます。ちなみにいうとこれはサンプリングレートの差ではありません。なぜかというとYoutubeでもCore Audioによってアップサンプリングされているからです。
他にもたくさんのオンラインライブが行われ、来年も増えていくことでしょう。