Music TO GO!

2020年05月05日

平面型ワイヤレスヘッドフォン、HIFIMAN ANANDA-BT

簡単に紹介すると、Bluetoothワイヤレスを平面磁界型のハイエンドヘッドフォンに組み込んだのがANANDA-BTです。またヘッドフォン内部に平面型も鳴らせる高性能の内蔵DACとバランス出力アンプが組み込まれているのも特徴です。
またUSB-CでもPCやスマホと接続することができますので、その場合には24ビット/192kHzに対応しています。

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BluetoothヘッドフォンとしてはさまざまなHDコーデックに対応しています。例えばApt-X HD、HWAそしてLDACロスレスHD Bluetoothコーデックをもサポートしています。Walkmanやファーウエイのスマホを使っている人にもよいでしょう。
内蔵DAC/アンプのフィルターとアナログ回路設計は高性能DAPのR2R2000を設計したエンジニアの手によるものです。アンプはバランス出力アンプが内蔵されています。
面白いのは外部マイクがついていて、ゲーマー、ポッドキャスター、ビデオロガーなども対象としていることです。

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もちろんヘッドフォンとしての性能も高く、HIFIMAN独自の新"スーパーナノ"振動板 (NsD)を採用し、以前から80%薄くなり、そのため素早いレスポンスと解像感の高く鮮烈で豊かな音質を提供できるということです。
ウインドウシェイド型のグリルデザインも上級機種と共通のもので、これは透明感の高いサウンドを得るために不要な音の反射を大幅に低減するということです。イヤカップの形も人間工学に基づいた非対称形状をしています。

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周波数特性は8Hz-55KHz、インピーダンスは35Ω、感度は103dBです。もっとも実際に鳴らすのは内蔵アンプですから、鳴らしやすさはあまり気にかける必要はないでしょう。重さは460g (495g マイクとケーブルを含む)です。

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バッテリーは再生時間が10時間で、最大充電時間が2.7時間です。
バッテリーの注意点はUSBケーブルを単につないだだけでは充電されないことです。パワーボタン(長い)の横の小さいチャージボタンを2秒押すことで充電がされます。これはスマートフォンなどから繋ぐときにUSBケーブルをつないで自動的に充電されるとスマホのバッテリーを消費してしまうからです。それを抑えるためにこういう仕様になっています。
充電中はライトが赤く点灯しますので確認してください。単にUSBケーブルをつないだだけだとライトはつきません。充電が終わるとライトが青くなります。

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また、なかなかしゃれたヘッドフォンケースか付属しています。

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ケースはよく考えられていて、ハンドルのところが持ちやすいようにベルクロで二重になっていて、中のヘッドフォンが動かないようにやはりベルクロで固定するようになっています。また小物を入れるポーチにもベルクロの両面テープがついています。これは国産でもあまりないようによく考えられたケースだと思います。こうした細かな気遣いは国産製品の独壇場でしたが、中国製品でもこうした製品が増えてきたと思います。

ANANDA-BTの外観はHE1000の流れを組むものでシェイドグリルの設計も取り入れられた本格派です。本当にHifimanのハイグレードモデルからケーブルを取り去って、中にアンプをつけたというようなモデルになっています。

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音楽再生はまずiPhoneで試します。ペアリングは押しっぱなしだと赤青点滅のペーアリングモードになるというもので特に難はありません。
音を出してみるとその音の良さにちょっと驚きます。奥行きが深く感じられ、音の明瞭感が高くひとつひとつの音が鮮明に聞こえます。解像感も高く、透明でクリアな音空間がいっぱいに広がる感じです。かなりハイレベルなアンプが内蔵されているのではと思います。
これを聞いて「Bluetoothの悪い音質」と思う人はいないでしょう。むしろiPhoneからケーブルでヘッドフォンに繋いでもこんな素晴らしい音質は出てきません。内蔵アンプならではの音ですね。しかし平面型を十分に駆動するようなハイパワーアンプを小型化して内蔵するのはなかなか他にはできないと思います。iPhoneの普通のSBCとかAACでも十分な音質ですが、iPhoneでもHifimanアプリを使うとHWAでANANDA-BTとつなげるということです。実際にミュージックアプリとHIFIMANアプリで同じ曲を再生するとたしかにHIFIMANアプリのほうがより良いようには思います。ただベースのANANDAの音質が十分に高いのでiPhoneの普通のアプリでも高音質で楽しめます。
低域は深く鋭いパンチがあります。ロックポップを楽しむにも十分な躍動感を楽しめます。帯域特性は洗練されていて低域が大きすぎるということはありません。

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ただ開放型の大型ヘッドフォンなので、主な用途は家でPCと接続することになるのでしょう。実際にWindowsに繋いでみたんですが、aptXでつながっているのか、ホストのパワーに余裕があるからか、より明瞭感高いはっきりとした音で繋がるように思います。AmazonHDとかTIDALなどのストリーミングを駆使する人にもおすすめですね。ケーブルがないのは家の中でもやはり自由を感じます。また家で聞くと全ての音源にアクセスできるので次々に聞けて飽きませんね。

優れた内蔵アンプと平面型振動板でハイエンドクラスの音質をBluetoothというお手軽ワイヤレスで楽しめるなかなか稀有な製品だと思います。
posted by ささき at 08:34| __→ HifiMan HE5, HE6 平面ドライバ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする