TWS600は音質では定評のあるHIFIMANが開発したTWS(True Wireless Stereo)、つまり完全ワイヤレスイヤフォンです。
8月23日から発売開始され、価格はオープン(予想売価13,800円程度)です。BluetoothイヤフオンとしてコーデックはAAC,SBCに対応しています。
* 特徴
1. HIFIMAN独自のトポロジーダイヤフラムを採用
高級機RE2000でも採用されているHIFIMAN独自のナノ技術を応用した「トポロジーダイヤフラム」技術を採用しています。振動板自体はTWS600向けの専用設計です。
トポロジーダイヤフラムとは何かというと、ダイヤフラムの表面に幾何学的な特殊なメッキを施したものです。目的はこの幾何学模様の形状、素材、厚さを変化させることで音の周波数特性の調整を可能にすることです。トポロジーダイヤフラムは「異なるナノ素材は構造が違い、特性も違う」という点から着目されたものです。このようにダイヤフラムの異なる表面構造の特性を適切に調整することで、振動の伝搬をコントロールしているわけです。こうした技術によってTWS600においては従来の完全ワイヤレスイヤフォンよりも、より自然で解像力の高い音質が得られるということです。
TWS600においては他にも先進的な合金製ヴォイスコイルやハイテク・マグネットの採用など高音質のための技術が詰め込まれています。ちなみにエージングは40時間が推奨されています。
2. 長距離再生が可能
TWSの大きな特徴の一つは150mもの距離での通信が可能であるということです。これについてはHIFIMANが検証する動画を公開しています。
また使っていても左右ユニット、ユニットとスマホ間でも接続が切れにくいと思います。電車などで普通に使っていて左右切れすることは少なく、片耳を手で覆ってもひと昔前の完全ワイヤレスみたいに接続切れになりません。
3. 合計38.5時間の再生が可能長時間の再生が可能
本体が5.5時間、バッテリー内蔵ケースを使用してさらに33時間の長時間再生が可能です。
HIFIMANによれば38.5時間の再生時間があれば、アメリカ大陸の端から端まで6回のフライトが可能であり、ジムで一日1時間使用しても一か月以上も持つということです。
バッテリー内蔵のケースは充電器も兼ねていて、USB-Cタイプのケーブルをケースの充電端子に接続します。充電中はケース内側の充電用LEDが赤く点滅し、その4個のLEDが点滅することで残りの充電レベルを知ることができます。
充電は実測で4-5回ほどケースから充電が可能です。ただしケースが透明ではないので充電中のライトが見られないのが残念ではあります。
4. 人間工学的なデザイン
完全ワイヤレスは片方だけ取れてしまうという不安がある人が多いのですが、TWS600においては運動をしていてもわりとしっかりとフィットします。実際にイヤフォンとしての装着感がとても良いのもポイントが一つで、5.9gの軽さとともに使用感は快適です。
こちらにスポーツで使われている動画があります。
他にもIPX4防水で汗と埃を防ぐことができます。
5. 左右どちらでも片側で使用可能
TWS600は片側使用が可能であるところにこだわっているのも他の完全ワイヤレスとは異なる点です。左だけでも、右だけでも使えます。これは通常どちらか親機のみが片方使用可能な完全ワイヤレスとしては珍しい特徴だと思います。
ただし左と右では少し使い方が異なります。
左のみ使うときは右側のイヤフォンはケースに収納したままにしておくと、左側のイヤフォンは自動的に片側専用モードになります。ステレオモードに戻すには単に右側のイヤフォンをケースから取り出します。
右のみの時は右側のイヤフォンをケースから取り出してから、”Power Off”と音声が聞こえるまでボタンを押し続けるというものです。そしてさらに”Power On”と音声が聞こえるまで押し続けます。ただしこちらの方はなかなかうまくいかないようです。
* インプレッション
TWS600のパッケージ
スマホはiPhone Xを使用しています。
TWS600はケースから取り出した時に自動的に電源がオンになりますが、取り出してすぐ電源オンされるのは良いですね。またTWS600はケースに収納した時に自動的に電源がオフになり、充電を開始します。
ケースから取り出した時に自動的に右ユニットが左ユニットとペアリングをします。それからイヤフォンはペアリングモードになり、LEDの赤と青が交互に点滅します。スマホとのペアリングに関しては普通のBTイヤフォンと変わりません。ちなみに3分間以内に他のデバイスとの接続がない場合にイヤフォンは自動的に電源オフになります。
英語での音声ガイド機能があり、取り出すと"power on"、左右接続された時は"TWS connected"、スマホと接続されると"connected"とガイド音声が流れます。
イヤフォン側面のボタンによる操作が可能で、タップ(クリック)の回数で一回なら再生/一時停止、二回なら左右ボタンに応じて音量調整、三回なら左右ボタンに応じて前の曲/次の曲にスキップができます。
またマイク内蔵で、2秒押し続けることでヴォイスアシスタントを起動可能です。
前述したようにTWS600は装着感が良く、耳に密着してぴったりとはまります。静粛性は高くて電車の中でも遮音性は高いと思います。
音質は中高域寄りの音で、生ギターの音色やピッキングの切れなど立体感と解像感はなかなか良いと思います。他方で低域はタイトですが軽いので、使用する際にはスマホのイコライザーを使って低域を持ち上げた方が良いと思います。基本的な音質は悪くないので、たとえばEQuアプリのバスブーストで聞くとかなり違った面を聞かせてくれます。
低遅延をうたっていて、実際にNetflixアプリで映画をみてみましたが、口とのシンクロは違和感が少ないレベルで、特に映画を見ていて気にはならないと思います。ゲームは私はあまりやらないので明確には言えませんが、遅延はわりと少ない方だと思います。
* まとめ
わりと低価格で装着感も良好、長距離送信可能で切れにくいという特徴を持った使いやすい完全ワイヤレスイヤフオンだと思います。今週末(8/24)はフジヤさんにてHIFIMANの試聴会を行うそうですので興味ある方はいらしてください。
音質に関してはイコライザーを使用して大きく低域を持ち上げるとかなり変わりますので、ぜひ試してみてください。