昨日のfinal音響講座での宿題をやるとともに、E500とE1000の比較レビューをするために昨日の講座の復習がてら習ったことを使ってみましたのでレポート提出します。
宿題: 基準音圧を体感する
昨日配布された教材のfinal E500を用意します。
指定音源をダウンロード(ピンクノイズと音楽)。
AK70(またはWalkman)を用意。イコライザーをオフ。指定音源を格納する。
AK70のボリュームを99に設定。これが85dBC、これで一日3時間リスニング(WHO勧告)推奨とのこと。
ボリュームを89に設定。これが80dBC、これで一日8時間リスニング(WHO勧告)推奨とのこと。
感想を言いますと、個人的に80dBだと少し音量が物足りないかんじで、85dBだとちょっと大きいですね。ただ音楽によってはこのくらいで聴きたいかもしれないと思うかもしれません。
復習1: ボリュームマッチングをしてE500とE1000を聴き比べる
次にE500をE1000と比べて試聴をしてみるのですが、このときに昨日の講義の手順通りにやってみます。
ここからはAK70よりも素直な特性のAK380を使ってみました。
E500はコンパクトな箱に入っていますが、中身のイヤフォン本体はきちんとビニールカバーされて分けられているのが目を引きます。
E500とE1000の違いとしては能率(感度)があります。このほかにカラーも違いますが、プラ筐体の場合にはE500のようにブラックのほうが見た目はよいようにも思いますね。
黒いほうがE500
E500は能率が98dB/mW、E1000は能率が102dB/mWです。インピーダンスは同じ16Ωです。この場合はE500のほうが少し鳴らしにくいのでE500を聴くときのボリュームを調整する必要があります。
まずはじめにボーカルまたはナレーションだけの曲で比べる二機種のボリュームの目盛り差をたしかめてメモしておきます。声だけ使うのは低域や高域など音量レベルの差で変動する部分が少ないからです。
わたしの場合にはいつも使う試聴曲の一つ、LINNレコーズの24bitクリスマスのAlmost Like being in loveの冒頭でくだらないジュークをいってお客さんが笑うMCが30秒くらいまるまる入っているので、そこでE500とE1000のボリュームの差を調整して、差が分かったら続けて音楽部分を聴くという風にしてみました。
またそれを念頭に入れていつもの様々な楽器の入った試聴音源を聴いてみます。
E500のほうが能率低いせいもありますが、暗めで抑えめの表現で、E1000のほうが明るく華やかに聴こえます。ダブルベースソロパートなどを聴くとE500はずっしりと、E1000は低域は軽く感じられます。ドラムスソロパートを聴くとハイハットの高域はE500では音の大きさは似ているけれどきつさが抑えられています。
E1000は上位機と比べると筐体がプラスチック化されたこともあつて、音が荒いところがあるのですが、E500ではそうした点でより整った印象も受けます。またやや骨太のE500にくらべるとE1000の音はやや細身に思います。
たぶんボリュームマッチングさせて聞くというのはオーディオファイルなら知っている人は多いと思いますが、こうして科学的な手法でステップを踏んで実施するというのが大事なことではありますね。
E500ではゲームやバイノーラルに向いているということです。
次にバイノーラル音源を試してみました。これは前にHD TracksがHeadFiと共同で製作した音源の"Open Your Ears"から2曲使ってみました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/143291917.html
9-Percussion Imaging Test
これは音楽ではなくドラムのサウンドテストトラックです。広いスタジオにマイクから3、6、9、12、15、30、70フィートごとにドラムセットの距離を変えていきます。
11-Heartbeat
これも音楽というよりはテストトラックです。ここでは50、40、30、20Hzの低域再現性を聞きます。
E500とE1000では低域特性はほぼ同じように思いますが、ナレーションの「もっともっと低く..」というのがE500のほうがなまなましく感じられますね。これはPercussion Imaging Testでも同じで、E500のほうがドラムの音も「いま何フィートだよ」っていうナレーションもよりリアルに聴こえます。
そしてゲームでも試してみました。水上スキーゲームのRiptide GP2をiPad Pro12.9(ひとつまえ)にいれてE500とE1000でそれぞれ試してみます。
これはかなり違いますね。E500でゲームをすると音のリアルさで没入感・迫力がすごいと感じられます。E1000でボリューム調整して同じようにゲームしてもそう感じられません(同じでかい画面でも)。イヤフォン一つでかなり違いますね。E500はゲームやナレーションなどに向いた音色のように思います。私はあまりゲームやらないんですが、E500では試聴を終わってからもう一回やってしまいました 笑
やはり音楽での違いもありますが、ゲームでの違いが一番大きいように感じました。
またE1000はけっこう使ったものですが、E500の方はエージングは一晩程度なので、使うともう少し差は出てくるかもしれません。
復習2:音色の3因子でレビューを書く
上の項ではいつものようにレビューコメントしたのですが、もうひとつの復習として「音色の3因子」を使って書き直してみようかと思います。
これは音楽を「金属因子」「美的因子」「迫力因子」で表現することで客観的にレビューを書こうという提言です。
「金属因子」はE500では適正くらい、E1000では少し鋭く感じます。
「美的因子」はむずかしいですね。E500のほうが音の粗さが少ないから整っているといったほうが良いかもしれませんが、整っているという言葉が教科書にはなかったのであえて使いません。ただE1000のほうが「金属因子」が強いために中高音主体の楽器ではきれいに聴こえるともいえますね。
昨日の例では澄んで明瞭感の高い音を美的因子で「きれい」、不明瞭な(SNの低いような)音を「汚い」ということだったと思いますが、イヤフォンの音色に当てはめると少し難しいように思います。ここは3因子の中ではちょっと判断がしにくい項目ですね。
「迫力因子」はE500のほうがより迫力のあるように感じられます。
「金属因子」は中高域再現、「迫力因子」は低域再現に近いように置き換えてしまいますが、これでよいのかもちょつと分かりません。
この3つに集約すると、違いの大きな機種を比べるには良いかもしれないけれども、そうでないと差の表現がしにくいようにも思いますね。また3つよりはもう少し細かいほうが、差の表現がしやすいようには思います。
個人的に言うと、この3因子に関してはつけるとしてもレビューと別に数値表現で(たとえば5MAX)、
金属因子 E500:3、E1000:4
美的因子 E500:4、E1000:4
迫力因子 E500:4、E1000:3
みたいにしたほうが、客観的評価という点では良いようにも思います。それと普通のレビューを組み合わせてみてもいいかもしれませんね。
これで単位はもらえるかな?