先日Roonがアップデートされたときに日本語表示が追加されました。しかし翻訳品質の難が多々あったため、文句を言うより参加して直しましょうと私も翻訳アカウントをもらって翻訳品質の向上に協力することにしました。
翻訳品質の難は仕方ないところもあり、翻訳するときには文面だけ見て翻訳しますが、画面がわからないので場所によっては変な翻訳になることがあります。このため、いったん翻訳して画面を確認し、また修正するという繰り返しが必要になります。
また日本語翻訳では汎用翻訳の流用もしているようですので、オーディオ的な表現が不自然なところがあるかもしれません。
Roonには翻訳のためのサブシステムがあって、翻訳アカウントを持つユーザーはそこで原文の英語をローカライズ翻訳することができます。
実際に翻訳システムに入ってみると、「〜によって演奏された」などの不自然な部分にはすでに修正が入っていましたので、次のビルドで修正翻訳が適用されると思います。(毎ビルドで翻訳修正があれば適用するそうです)
* 文字欠け問題について
厄介なのはこのほかに日本語固有の問題が見つかったことです。これについてRoonの開発者と話して解決方法を見付けましたのでシェアしておきます。(これ以降は主にRoonの翻訳アカウントを持つ方だけ関係します)
その問題は文の折り返しのさいの文字欠けです。
いくつもあるのですが、代表的なのは「Overview/概要」の画面の下の方です。
英語では正しい表示なのが、日本語では右端が欠けて正しく折り返しがされていません。これはテキストの表示幅によって折り返す際に英語的にスペース区切りの単語単位で判断しているため、スペースのない日本語ではシステムが折り返し場所がわからないためです。
この場合は翻訳者が意図的に折り返し場所を翻訳に含める必要があります。
しかしながらここに別な問題があります。それはRoonがマルチプラットフォームのソフトウエアであるために、予期しないレイアウト崩れを防ぐためには原文にない文字はなるべく避けなければならないということです。
例えば下記のように改行をEnterで入れることは可能ですが、これはやってはいけないそうですので注意してください。また半角スペースを意図的に入れればよさそうですが、これも特定のシステムでは折り返されないでスペースが見えてしまう可能性があるためにあまり好ましくありません。(複数マーカーが必要な場合が考えられます)
Roonの開発者からこの件で指示されたのは下記のいずれかによって改行場所に見えないスペースのようなコード(UNICODE)を入れることです。これらは可視できないため翻訳文に影響しません。
1. ゼロ幅非接合子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%AD%E5%B9%85%E9%9D%9E%E6%8E%A5%E5%90%88%E5%AD%90
2. ゼロ幅スペース
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%AD%E5%B9%85%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9
少し試行錯誤しましたがUNICODEのコード入力は入力するOSとテキストボックスに依存するため、コード入力は避けてコピー&ペーストが簡単なゼロ幅スペースを使うことにしました。(上のWikiページからコピペできます)
しかしこれだと他の翻訳者が見てどこに意図的改行のためのゼロ幅スペース文字が挿入されているかがわからりません。そこでRoon開発者がゼロ幅スペースがある場所に空白記号␣を入れてくれるように改良してくれました。いまでは下記のようにゼロ幅スペースが可視できます。
仕込みはしたんですが、効果は次のビルドの後でないとわかりませんのでまた報告します。(Roonでは次のビルドリリースの予定は非公開です)
この件についてはレポートするために下記のRoonフォーラムにスレを立てました。
https://community.roonlabs.com/t/improving-japanese-translations/48441
この問題はほかにもトラックエディタ画面など多数あります。
もしかするとスマートフォンでRoonリモートを見る場合など、マーカーが一つでは足りない場合も出てくるかもしれませんが、そこはまた考えねばなりませんね。