本日はアユートさん主催のAstell&Kern新DAPの発表会に行っていました。
A&future SE100とA&norma SR15です。どちらもSP1000と同じく第4世代となります。
SR15
それぞれのラインナップの意味としては、フラッグシップ(SP1000)は究極、プレミアム(SE100)は最新の技術を投入したもの、スタンダード(SR15)は出発点ということです。つまりそれぞれは単なる上下ではなく、それぞれのターゲットに向けて最適な製品開発をするためということです。それぞれのラインナップごとに異なるDACメーカーを使用しているのはそういうためもあるそうです。
SE100
SE100は"the radically different sound"ということで、その通りにAKではじめてESSを採用しています。
ESSのES9038PROを一基使用していますが、ES9038PROは一個で8chの出力が可能であり、左右をそれぞれ4chずつ担当させることで従来のデュアルのように設計しているようです。
PCMは384kHz/32bitまで、DSDは11.2MHzまで対応しています。第4世代らしくアンプはバランス出力が強力に設計されているようですが、あとの試聴でもそれが実感できました。
オクタコアCPUを採用して、ユーザインターフェイスは新しくなっています。メニューを浅く、再生と管理を分けたということ。AK CONNECTは踏襲されています。
SE100
デザインコンセプトは平行四辺形で、側面が斜めになっているため従来の再生ハードボタンが浮いて見えるのが面白いところ。
筐体はアルミニウム合金で、背面にはガラスプレートが設置されAマークが浮き出ています。
内蔵メモリは128GBでSDスロットはトレイなしのタイプが1基搭載されています。充電端子はUSB-Cタイプ。
価格は219980円(直販価格 税込)ということ。
SE100
持ってみると大きいけれど軽いという印象です。操作は早く快適です。音はDITA Fidelityを使用しました。やはり音はAK380と比べるとESSっぽい冷ややかさがあり、SN感の高さと透明感がひときわ高いのもESSらしい点です。音のキレが良く明瞭感が高い音でわりとフラット基調です。
アンバランスでもAK380よりはひとレベル高い性能ですが、バランスにするとSE100はなんかスイッチが入ったようにターボモードになる感がありますね。今までで一番アンバランスとバランスの差があるかもしれません。
AK70とSR15(右)
SR15は"HiFi standard redefined"ということで、定番AK70の更新であるようにも取れます。
これはシーラスロジック「CS43198」をデュアル搭載しています。CS43198は久しぶりに開発されたシーラスロジックの最新DACチップで、長らくこの座にあった4398の後継でもあります。シーラスの基準のMasterHIFIというハイグレード製品ですが、主眼としてはコンパクトで低消費電力なので、ポータブル製品向けと言えると思います。
SR15
SR15はクアッドコアCPUを搭載し、PCMは192kHz/24bit、DSDは2.8MHzまで対応します。筐体はSE100と同じくアルミニウム合金で、内蔵メモリは64GB、こちらもトレイなしSDスロットを1基搭載しています。
デザインが特徴的で手に持った時に画面が垂直になるように液晶自体は斜めに設計されています。価格基99980円(税込 直販)ということです。
SR15
手に取るとややAK70より厚めの印象です。操作が速くスクロールも画面遷移もSP1000なみです。
音はAK70系と似ていて、低域に厚みと重みがある傾向です。ただAK70よりも音は明瞭感が高く、音がより細かい感じはしますね。こちらもバランスにするとスイッチが入ったようにパワフルに感じました。
音としてはSE100ではESSっぽい音造りになって、SR15ではAK70の音を踏襲した感じです。
興味深かったのはバランスとアンバランスの差が大きいということです。試聴はFidelityのAWESOMEプラグを変えながら行ったのでかなり良くわかりました。SP1000/AK70IIでもそれまでより差があったけど今回はさらに大きく、スイッチ入れたみたいに違うのが面白いですね。バランス対応イヤフォンが欲しくなることでしょう。
発売時期はSE100は6月中旬予定で、かなり確実。SR15は7月下旬予定で、遅れるかもしれないとのことです。